説明

ペット用サークル

【課題】サークル内部が住居スペースとトイレスペースとに区画され、トイレの仕付けが容易であるとともに、サークル本体の下部にトレーが着脱自在に取り付けられた、使い勝手がよく、ペットが快適に過ごすことができるペット用サークルを提供する。
【解決手段】サークル本体2の内部空間が仕切体4によって仕切られ、住居スペース1aとトイレスペース1bに区画され、このサークル本体2の下部に、トレー6が着脱自在に取り付けられ、このトレー6は、住居スペース1aに対応する住居側トレー部6aとトイレスペース1bに対応するトイレ側トレー部6bに区画され、住居側トレー部6aとトイレ側トレー部6bの境界にわたって漏れ止め用突部62が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に犬や猫などのペットを入れるペット用サークルに関する。
【背景技術】
【0002】
ペット用サークルは、複数のパネルを連結し、これらのパネルで囲まれた内部にペットを収容するものであって、サークルの内部空間は、仕切られることなく1つ空間として構成されているものが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ところで、ペット、特に犬の飼い主は、ペットサークルの中にペット用トイレを置いて使用していることが多い。そして、ペットにトイレの仕付けを行う際、飼い主がペットの排泄時が近づいたと察知すれば、まずペットをトイレに誘導し、ペットがトイレで排泄を終えると、トイレで排泄ができたことを誉めて学習させるという手順を踏むのが通常である。
【特許文献1】特開2001−245545号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した一般的なペット用サークルにおいてその内部にペット用トイレを置くと、ペットの住居空間が狭くなって使い勝手が悪い。その上、ペット用トイレの他に食器やベッドを置くと、衛生上好ましくない。このように、ペットがサークル内で快適に過ごすことができないという問題があった。
【0005】
また、ペット用トイレと住居空間との境界がないので、飼い主がペットをトイレに誘導し難く、たとえトイレへの誘導に成功した場合であっても、ペットがトイレの上で静止し難い。このため、ペットに対するトイレの仕付けが困難であった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑み創案されたもので、サークル内部が住居スペースとトイレスペースとに区画され、トイレの仕付けが容易で、使い勝手がよく、ペットが快適に過ごすことができるペット用サークルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明に係るペット用サークルは、複数のパネルが連結されたサークル本体の内部にペットを収容するペット用サークルであって、
前記サークル本体の内部空間が仕切体によって仕切られて住居スペースとトイレスペースに区画され、
このサークル本体の下部に、トレーが着脱自在に取り付けられ、
前記トレーは、住居スペースに対応する住居側トレー部とトイレスペースに対応するトイレ側トレー部に区画され、住居側トレー部とトイレ側トレー部の境界にわたって漏れ止め用突部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、サークル本体の内部空間が住居スペースとトイレスペースに区画されているので、トイレスペースをペット用トイレを置くためだけの空間として使用することができる。したがって、サークル本体内にペット用トイレを置いた場合であっても、ペットは、住居スペースでゆとりを持って快適に過ごすことができる。また、住居スペースには、食器やベッドを置くことができるので、使い勝手がよい。
【0009】
また、住居スペースとトイレスペースとの間が仕切体によって仕切られているので、飼い主がペットをトイレに誘導するのが容易で、トイレに誘導されたペットは、トイレから離れることがない。したがって、ペットに対してトイレの仕付けを好適に行うことが可能になる。
【0010】
さらに、サークル本体の下部にトレーが設けられているので、ペットが飲食物をこぼしたり、糞尿をトイレ外にしてしまった場合であっても、サークルを載置している床面を汚すことが防止できる。
【0011】
また、トレーが住居側トレー部とトイレ側トレー部とに区画され、この境界にわたって漏れ止め用突部が設けられているので、例えば、トイレスペースでペットが糞尿等を漏らしてしまった場合であっても、汚物が住居スペースに流れ出すことが防止できる。したがって、清潔で快適な環境で使用することができる。
【0012】
本発明は、上記構成のペット用サークルにおいて、
前記漏れ止め用突部が形成された住居側トレー部とトイレ側トレー部の境界における前記仕切体に対応する位置に、仕切体の下端部を嵌め込む嵌入部が形成されていることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、トレーの仕切体に対応する位置には、仕切体の下端部を嵌め込む嵌入部が形成されているので、仕切体のガタツキを防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、サークル内部が住居スペースとトイレスペースとに区画され、各スペースに対応するトレーが設けられているので清潔で快適な環境でサークルを使用できるとともに、トイレの仕付けが容易で、使い勝手がよく、ペットが快適に過ごすことができるペット用サークルを提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
【0016】
図1には、本実施形態のペット用サークル1の全体が示されている。
【0017】
このペット用サークル1は、複数のパネル2a,2b,2c,2dが連結されたサークル本体2と、サークル本体2の下部に取り付けられたトレー6とを備え、サークル本体2の内部空間は、仕切体4によって仕切られ、住居スペース1aとトイレスペース1bに区画されている。
【0018】
サークル本体2は、正面・背面・左右の側面の4枚のパネル2a,2b,2c,2dが周囲壁を形成するように連結されており、各パネル2a,2b,2c,2dの隣り合うパネル同士は、固定棒20により固定されている。
【0019】
各パネル2a,2b,2c,2dは、木製の上フレーム21と下フレーム22と、これら上フレーム21と下フレーム22との間に取り付けられる金属製の網状体とから構成されている。
【0020】
なお、各パネル2a,2b,2c,2dは、上フレーム21と下フレーム22との間をすべて網状体で構成するものに限定されるものではなく、例えば、上フレーム21と下フレーム22との間の一部に板状体を挿入することにより、サークル本体2の内部空間への外部からの刺激を軽減して、ペットが落ち着くことのできる空間となるようにしてもよい。また、下フレーム22の床面と接地する面に、床の傷付きを防止する滑り止め部材を設けてもよい。
【0021】
正面パネル2aの上フレーム21と背面パネル2bの上フレーム21において、住居スペース1aとトイレスペース1bの境界に対応する位置には、仕切体4を嵌め込む仕切体嵌め込み部21aが切り欠かれている。
【0022】
正面パネル2aの住居スペース1aに対応する側には、ペットが出入り可能なペット出入口2eが開口されており、このペット出入口2eを開閉するペット用扉3が開閉自在に取付けられている。
【0023】
ペット出入口2eは、正面パネル2aの下端部から上端部にわたって広く開口されており、ペットが出入りし易いように図られている。
【0024】
仕切体4は、仕切フレーム41と網状体とが組み合わされたパネルで構成されており、仕切出入口4aが開口されている。
【0025】
仕切フレーム41は、両端に嵌入部42が形成された断面矩形状の角材であって、嵌入部42をサークル本体2の仕切体嵌め込み部21aに嵌め込むことにより、仕切体4をサークル本体2に取り付けるようになされている。
【0026】
仕切出入口4aは、仕切体4の下端部から上端部にわたって広く開口されており、ペットが出入りし易いように図られており、この仕切出入口4aを開閉する仕切扉43が開閉自在に取り付けられている。
【0027】
なお、仕切体4は、嵌入部42をサークル本体2の仕切体嵌め込み部21aから外すことにより、容易に取り外すことができる。このように、仕切体4を取り外すことで、例えばトイレの仕付けが完了したペットに対しては、住居スペース1aとトイレスペース1bとの間を常に自由に行き来できるようにすることも可能になる。
【0028】
正面パネル2aのトイレスペース1bに対応する側の下部には、ペット用トイレを出し入れ可能なトイレ出し入れ口5aが開口されており、このトイレ出し入れ口5aを開閉するトイレ用扉5が開閉自在に取付けられている。
【0029】
トイレ出し入れ口5aは、ペット用トイレの幅よりも若干広幅の横長形状に形成されており、ペット用トイレAを出し入れし易いように図られている。
【0030】
トレー6は、外周にわたって周壁部61が立ち上げられており、排泄物や飲食物がサークル本体2内にこぼれた場合であっても、これらの汚物などがサークル本体2の木製の下フレームに直接かかって木材が腐敗することがないように図られている。また、トレー6は、住居スペース1aに対応する住居側トレー部6aとトイレスペース1bに対応するトイレ側トレー部6bに区画されており、住居側トレー部6aとトイレ側トレー部6bの境界にわたって漏れ止め用突部62が形成されている。
【0031】
また、仕切体4に対応する位置には、突起63が3個所形成されており、仕切体4の下端部を突起63と漏れ止め用突部62との間(嵌入部)に嵌め込んで、仕切体4のガタツキを防止できるようになされている。
【0032】
さらに、トイレ側トレー部6bには、ペット用トイレを所定位置で静止させるトイレ静止用突部64が形成されている。このトイレ静止用突部64は、ペット用トイレAの外枠が嵌め込まれるように形成されており、ペットの動きに伴ってペット用トイレAが動くことがなくなり、好適に排便等をさせることを可能にしている。
【0033】
次に、上記構成のペット用サークル1を組み立てる手順について説明する。
【0034】
まず、正面、背面、左右の側面の4枚のパネル2a,2b,2c,2dを固定棒20を介して連結し、サークル本体2を組み立てる。
【0035】
次いで、トレー6をサークル本体2内に設置する。
【0036】
続いて、サークル本体2の上方から仕切体4を挿入していき、仕切体4の下端部をトレー6の嵌入部に嵌め込むとともに、正面パネル2aの上フレーム21と背面パネル2bの上フレーム21の仕切体嵌め込み部21aに仕切体4を嵌め入れる。
【0037】
次に、上記構成のペット用サークル1の使用方法の一例について説明する。
【0038】
まず、ペット用トイレAをサークル本体2のトイレスペース1bに設置する、この際、ペット用トイレAの外枠をトレー6のトイレ静止用突起64に嵌め込んで、ペット用トイレAが不測に動かないようにする。
【0039】
次いで、ペット出入口2eを開けて、ペットをサークル本体2内に入れる。
【0040】
使用者がペットの排泄が近づいてきたと察知した場合、仕切扉4を開けて、ペットをトイレスペース1bのペット用トイレAに誘導する。
【0041】
ペットがペット用トイレAで排泄し終えると、トイレで排泄したことを誉め、仕切扉4を開けて、住居スペース1aにペットを入れる。
【0042】
ペット用トイレAのシーツを交換する際には、トイレ出し入れ口5aを開けて、ペット用トイレを取り出し、楽な姿勢でシーツを交換することができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、サークル内部が住居スペースとトイレスペースとに区画されたペット用サークルに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】ペット用サークルを分解して示す斜視図である。
【図2】ペット用サークルの各扉を開けた状態を示す斜視図である。
【図3】ペット用サークルのトレーを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0045】
1 ペット用サークル
1a 住居スペース
1b トイレスペース
2 サークル本体
3 ペット用扉
4 仕切体
4a 仕切出入口
43 仕切扉
5 トイレ用扉
6 トレー
6a 住居側トレー部
6b トイレ側トレー部
61 周壁部
62 漏れ止め用突部
63 突起
64 トイレ静止用突部
A トイレ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパネルが連結されたサークル本体の内部にペットを収容するペット用サークルであって、
前記サークル本体の内部空間が仕切体によって仕切られて住居スペースとトイレスペースに区画され、
このサークル本体の下部に、トレーが着脱自在に取り付けられ、
前記トレーは、住居スペースに対応する住居側トレー部とトイレスペースに対応するトイレ側トレー部に区画され、住居側トレー部とトイレ側トレー部の境界にわたって漏れ止め用突部が形成されていることを特徴とするペット用サークル。
【請求項2】
請求項1に記載のペット用サークルにおいて、
前記漏れ止め用突部が形成された住居側トレー部とトイレ側トレー部の境界における前記仕切体に対応する位置に、仕切体の下端部を嵌め込む嵌入部が形成されていることを特徴とするペット用サークル。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−289504(P2008−289504A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−230305(P2008−230305)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【分割の表示】特願2005−356334(P2005−356334)の分割
【原出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【出願人】(591009255)株式会社ヤマヒサ (70)
【Fターム(参考)】