説明

ペールパック用運搬装置

【課題】リサイクル溶接ワイヤ用ペールパックをより効率的に運搬すること。
【解決手段】本発明は内部に溶接ワイヤが収納されるペールパックの下面を囲むとともに、垂直方向に巻かれるように可撓性材質からなり、相互重なる部分は裁縫して結合された少なくとも2つ以上の連結部材と、上記ペールパックの上部を囲むように可撓性材質からなり、上記の連結部材と重なる部分は裁縫して結合された上端ガイド部材と、上記連結部材の上部両側に備えられた掛け用リング部とを含んでいるペールパック用運搬装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペールパック用運搬装置に関し、より詳しくは、リサイクルペールパックの容易な運搬を可能にする運搬装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、長時間の溶接作業に所要される溶接用ワイヤの円滑な供給のために、溶接ワイヤ用ペールパックが提供されている。上記溶接ワイヤ用ペールパックには、溶接ワイヤが大量に巻き取られた状態で保管されるため、作業時に上記溶接ワイヤが円滑に送給できるようにする。従って、上記溶接ワイヤ用ペールパックは、長時間の溶接作業または連続溶接作業などの環境下でも溶接作業の能率を向上させることができるため、その使用量が増えている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、リサイクル性を改善するために、上記溶接ワイヤ用ペールパックを紙材質から構成する場合に、上記ペールパックの側部に金属材質からなる運搬用掛け用リング部をボルトなどを締結して固定したが、リサイクル時に上記金属材質の掛け用リング部と紙材質の胴体を煩わしく分離しなければならないという問題点があった。
【0004】
上記のような問題点を解決するために、本発明は、リサイクルできるように紙材質からなるペールパックが便利で、安定的に運搬できるようにする運搬装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の好適な実施形態によるペールパック用運搬装置は、内部に溶接ワイヤが収納されるペールパックの下面を囲むとともに、垂直方向に巻かれるように可撓性材質からなり、相互重なる部分は裁縫して結合された少なくとも2つ以上の連結部材;上記ペールパックの上部を囲むように可撓性材質からなり、上記の連結部材と重なる部分は裁縫して結合された上端ガイド部材;そして、上記連結部材の上部両側に備えられた掛け用リング部を含んでなる。
【0006】
ここで、上記連結部材の少なくともいずれかは上記ペールパックの上端を囲み、端部がファスナーにより相互分離可能に結合されることが好ましい。上記掛け用リング部は、上記連結部材の上端をベンドした後、裁縫して形成されることが好ましい。また、上記上端ガイド部材の端部は、ファスナーにより分離可能に結合されることが好ましい。
【0007】
このとき、上記連結部材、上端ガイド部材、及び掛け用リング部はポリエチレン樹脂材質の絹糸を織ってなることが好ましい。上記ペールパックの下端縁の少なくとも上記の連結部位に囲まれる部分には、支持フレームが備えられることが好ましい。
上記連結部材の下部には、上記ペールパックの下面形状に対応されるカバー部が備えられることが好ましい。上記ペールパックの下端の外周面を囲むように可撓性材質からなり、上記連結部材と重なる部分は裁縫して結合された下端ガイド部材をさらに含んでなることが好ましい。
【0008】
一方、上記の目的を達成するために、本発明の好適な実施形態によるペールパック用運搬装置は、内部に溶接ワイヤが収納されるペールパックの側面に沿って伸ばされるように、可撓性材質からなる少なくとも2つ以上の連結部材;上記ペールパックの下端の外周面に結合されるように、上記連結部材の下端に連結される分割型の支持フレーム;上記ペールパックの上部を囲むように可撓性材質からなり、上記の連結部材と重なる部分は裁縫して結合された上端ガイド部材;そして、上記連結部材の上部両側に備えられた掛け用リング部を含んでなることもできる。
【0009】
ここで、上記支持フレームは、上記ペールパックの下端が挿入されるように逆‘コ’字状の断面を持ち、一側に上記連結部材の下端が貫通した後、裁縫できるようにスリットが形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
前述したように、本発明によるペールパック用運搬装置は、次のような効果を持つ。
第一、上記ペールパックを運搬するために、上記ペールパックの外観にスチル材質からなる別途の運搬具を締結する必要なく、上記ペールパックの外観を囲む運搬装置に備えられた掛け用リング部に起重機の掛けを掛けて移動させることができるため、上記紙材質のみからなるペールパックの運搬便宜性とリサイクル性をさらに向上させることができる。
【0011】
第二、上記運搬装置の各部材の一部を使用し易いファスナーを通して分離可能に結合することにより、上記ペールパックの外面により簡便で迅速に運搬装置を結合することができる。
【0012】
第三、上記運搬装置には、各種のガイド部材とカバー部が結合されることにより強度を補強し、ペールパックをより安全に運搬できるようにする。
【0013】
第四、上記ペールパックの下端にスチル材質の支持フレームを設けることにより、上記連結部材に接触する部分に荷重が集中し、曲がったり損傷することが防止できる。
【0014】
第五、上記分割型の支持フレームを使用する場合は、上記ペールパックを上記運搬装置の中央部に位置させるために、重い荷重のペールパックを一度に上側に持ち上げる必要がないため、より便利で簡便に上記運搬装置をペールパックと結合させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付する図面を参照して本発明の好適な実施形態による溶接ワイヤ用ペールパックを詳しく説明する。
【0016】
図1は、本発明に適用される紙材質からなる溶接ワイヤ用ペールパックの部分切断斜視図である。
図1で示されたように、本発明の一実施形態による溶接ワイヤ用ペールパック1は、胴体10、下板20、そしてカバー50を含んでなることが好ましい。ここで、上記胴体10、下板20、そしてカバー50はすべて紙材質からなるため、使用の後、焼却などの方法で廃棄する必要がなく、リサイクルが容易になる。
【0017】
詳しくは、上記胴体10は円筒形からなり、その内部には溶接ワイヤが巻かれる方式で積層されて収納される。上記の円筒型の胴体10の内側中央部には内筒15が備えられることが好ましく、上記胴体10と内筒15との間に上記溶接ワイヤWが巻かれながら積層される。
【0018】
上記内筒15も紙材質からなることが好ましく、上記内筒15の下部にはガイド部材16が備えられ、上記ガイド部材16及び下板20を貫通してボルト部材17が締結されることが好ましい。上記ボルト部材17の上端には掛け用リング17aが備えられる。上記掛け用リング17aにゴム紐またはスプリングが連結され、上記ゴム紐またはスプリングの他端は、上記の積層された溶接ワイヤWの上面に備えられる円盤型の加圧板(図示しない)に連結され、溶接ワイヤWを下側に加圧して安定的に固定した状態を維持することができる。もちろん、本発明によるペールパック1は、上記内筒15、ボルト部材17及び掛け用リング17aが備えられない方式で使用することもできる。
【0019】
一方、上記胴体10の内側下端には下板20が備えられ、上記下板20の縁は下側にベンドされて支持部21に形成される。上記支持部21は、上記胴体10の下端の内周面と密着して結合されるが、上記支持部21及び胴体10の下端は地面にともに接触するように構成される。ここで、上記支持部21は、上記胴体10と下板20が結合される空間をなすとともに、上記下板20の下部を安定的に支持する。
【0020】
即ち、上記下板20の縁でベンドされた支持部21は、上記下板20の外周縁の曲げ及び引張応力に対する剛性を増大させることにより、構造的に上記下板20の下部支持構造の強度を補強することができる。従って、上記下板20の上面に重い荷重の溶接ワイヤWが積層されても、堅固な支持状態を維持できるようにする。
【0021】
ここで、上記支持部21と上記胴体10の下端の接触面は、接着剤により接着して固定することもできるが、図示されたように、上記支持部21と上記胴体10の下端は、円周方向に沿って裁縫した紐18により結合されることがさらに好ましい。
【0022】
また、上記支持部21と上記胴体10の下端は、ステープラー装置により円周方向に沿って所定角度の間隔を置いて多数個締結されたステープラーのピンが締結されることで固定することもできる。
【0023】
さらに、上記下板20の上面に、上記胴体10内部の断面形状に対応する強度補強板27が挿入されることが好ましく、これにより上記下板20の支持強度を補強するとともに、上記下板20の一部に荷重が集中することを分散できる。ここで、上記強度補強板27も紙材質からなることにより、リサイクル性を向上させることができる。
【0024】
上記支持部21の内周面には、紙材質からなる内部リム部材23が密着するように挿入されることが好ましいが、上記内部リム部材23は、上記支持部21が上記下板20に加わる過度な荷重により内側に縮むことを防止する、補強部材として機能することができる。もちろん、上記胴体10の下端、上記支持部21、上記内部リム部材23をすべて貫通して裁縫した紐またはステープラーのピンにより結合されることが好ましい。そして、上記胴体10の下端の外周面にも、強度補強のために囲まれる外部リム部材(図示しない)がさらに備えられることもできる。
【0025】
一方、上記胴体10の上端はカバー50により覆われることにより、外部の異物または湿気が上記胴体10の内部に流入されることが防止できる。
【0026】
図示されたように、上記カバー50は上記胴体10の上端の内周面に密着して挿入されるように、縁が上側にベンドして形成された密着部51を有する。ここで、上記密着部51の内周面に、円周方向に沿って密着するように内側リム部材53が結合され、上記密着部51の強度が補強できる。このために、上記内側リム部材53は円形のリング状に形成され、紙材質からなる。
【0027】
また、上記密着部51と上記内側リム部材53は、円周方向に沿って裁縫した紐19により結合されたり、円周方向に沿って多数個締結されたステープラーのピンにより結合されることもできる。
【0028】
一方、上記密着部51の外周面に、円周方向に沿って断面円形のリング状からなる外側リム部材55がさらに備えられ、上記外側リム部材55の下端は、上記胴体10の上端により拘束される。また、上記外側リム部材55の外周面には、断面円形のリング状からなる補強リム部材56がさらに備えられることが好ましいが、上記補強リム部材56の内周面は、上記外側リム部材55の外周面に、円周方向に沿って密着するように結合される。
【0029】
また、上記補強リム部材56の下部は、上記カバー50が胴体10の上端を覆った状態で、上記胴体10の上端の外周面に密着するように、下側に所定の長さ伸ばして形成される。ここで、上記補強リム部材56は、胴体10の内部に外部の異物が流入されることを防止するとともに、カバー50縁部の強度を補強することができる。
【0030】
また、上記密着部51、内外側リム部材53、55、及び補強リム部材56は、すべて裁縫した紐19またはステープラーのピンにより一度に結合されることが好ましい。
【0031】
一方、上記溶接ワイヤ用ペールパック1は、リサイクルのために全体的に紙材質からなるため、上記ペールパックの側部に金属材質の運搬用掛け用リング部を締結しないことが好ましい。このために、上記ペールパック1の外側に、本発明によるペールパック用運搬装置を結合して使用することにより、リサイクル性を向上させることはもちろんのこと、安定的にペールパックを運搬できるようにする。
【0032】
図2は、本発明の一つの実施形態によるペールパック用運搬装置を示した斜視図である。
図2で示されたように、上記ペールパック用運搬装置100は少なくとも2つ以上の連結部材101、102、上端ガイド部材110、そして掛け用リング部107を含んでなる。
【0033】
詳しくは、2つ以上の連結部材101、102は、内部に溶接ワイヤが収納されるペールパック1の下面を囲むとともに、垂直方向に巻かれるように可撓性材質からなる。即ち、上記連結部材101、102はそれぞれ上記ペールパック1の下面を囲んだ後、その両端がそれぞれ上側に伸ばされる。このとき、ペールパック1の下面で上記連結部材101、102は相互重なり、上記重なる部分104は裁縫して結合されることが好ましい。
【0034】
また、上記上端ガイド部材110は、上記ペールパック1の上端の外周面を囲むように可撓性材質からなり、上記上端ガイド部材110と上記連結部材101、102が重なる部分は裁縫して結合されることが好ましい。ここで、上記連結部材101、102、上端ガイド部材110、及び掛け用リング部107は引張強度が非常に優れたポリエチレン(polyethylene)樹脂材質の絹糸を織ってなることが好ましい。
【0035】
一方、図示されたように、上記上端ガイド部材110の端部はファスナー120、121(fastener)により分離可能に結合される。従って、上記上端ガイド部材110の両端が分離された状態で、上記ペールパック1を上記運搬装置100の内側に入れた後、上記上端ガイド部材110の端部に備えられたファスナー(120、121)を相互結合することにより、上記ペールパック1の上端の外周面を密着させる。
【0036】
さらに、図2で示されたように、上記連結部材の少なくともいずれか102も上記ペールパック1の上端を囲み、端部がファスナー122、123により相互分離可能に結合される。詳しくは、上記連結部材のいずれか102は上記ペールパック1の下面を囲むように備えられるが、その一端は上記ペールパック1の上面まで囲むように伸ばされるとともに、その他端とファスナー122、123を使用して分離可能に結合される。
従って、外部の激しい衝撃または振動によっても、上記ペールパック1が運搬中に上記運搬装置100の上側に脱去することが防止できる。
【0037】
ここで、本発明に適用される上記ファスナー120、121、122、123の構成を説明すると、次の通りである。
【0038】
図3は、本発明に適用されるファスナーの拡大側面図である。
図3で示されたように、上記ファスナーの結合部70は一側にコイルまたはリング状に形成された多数個の収容部71と、対向する他側に掛けなどの形状からなり、上記収容部に挿入されて分離可能に固定される挿入固定部72を含んでなる。従って、上記ファスナーの結合部70が相互結合された状態で、作業者が上下方向に所定の力で引っぱると相互分離可能であるが、左右方向に加わる引張力によっては相互分離されない特性を持つ。
【0039】
従って、上記ファスナーを使用して結合された連結部材102及び上端ガイド部材110は、運搬時には堅固に上記ペールパックを囲むようにし、作業時には作業者により選択的に分離できる。
【0040】
一方、図2で示されたように、上記連結部材101、102の下部には、上記ペールパック1の下面形状に対応されるカバー部130が備えられることが好ましいが、上記カバー部130は、上記連結部材101、102の間に上記ペールパック1の下部が脱去することが防止できる。
【0041】
そして、上記カバー部130を上記連結部材101、102と裁縫して結合されることにより、上記ペールパック1の下面を支持する連結部材101、102の間の角度が均等な角度で維持できる。従って、上記連結部材101、102に上記ペールパックの荷重が均一に分散されるため、上記連結部材の一部に荷重が集中することが防止できる。これにより、紙材質からなる上記ペールパック1自体は何回も使用してからリサイクルしても、上記運搬装置100は長い寿命を持って持続的に使用できる。
【0042】
一方、図4は、本発明の一実施形態によるペールパック用運搬装置にペールパックが収容された状態を示した斜視図であり、図5は、本発明の一実施形態によるペールパック用運搬装置を移動させるための構成を示した斜視図である。
【0043】
図4で示されたように、上記ペールパック1の上部に備えられた上記上端ガイド部材110を通してペールパック1が運搬装置100の内部に置かれた後、上記の分離可能に備えられた連結部材102及び上端ガイド部材110にそれぞれ備えられたファスナーを結合させる。
【0044】
ここで、上記ペールパック1の下端の外周面を囲む部分には下端ガイド部材140がさらに備えられることが好ましいが、上記下端ガイド部材140は可撓性材質からなり、上記連結部材101、102と重なる部分に裁縫して結合されることが好ましい。また、上記下端ガイド部材140は、前述のカバー部130の縁に沿って裁縫して結合されることにより、上記運搬装置の下端の強度を補強する。
【0045】
このように構成された運搬装置を作業者が所望の位置に移動させる過程を見ると、次の通りである。
図5で示されたように、上記連結部材の少なくともいずれか101の上部両側には掛け用リング部107が備えられる。ここで、上記掛け用リング部107は、上記連結部材101の上端をリング状にベンドした後、裁縫して形成されることが好ましい。
【0046】
一方、上記ペールパック1を移動させるための起重機の作業機の一端には、連結部202が水平なバー(bar)状に備えられ、上記連結部202の両端にはそれぞれ掛け部201が備えられる。従って、上記両側の掛け用リング部107に掛け部201を掛け、上記起重機の作業機を油圧により上昇させた後、上記ペールパック1が収容された運搬装置を所望の位置に移動させることができる。
【0047】
もちろん、上記掛け用リング部107は上記運搬装置の両側だけでなく、所定角度の間隔を置いて設置される多数個の連結部材101、102の側面にすべて備えられることもできる。これにより、一つの掛け用リング部107に加わる荷重を分散することにより、運搬装置の寿命を向上させることができる。
【0048】
一方、図6は、本発明の別の実施形態によるペールパック用運搬装置を示した斜視図であり、図7は、本発明の別の実施形態によるペールパックが収容された運搬装置を運搬する構造を示した斜視図である。
【0049】
図6で示されたように、上記ペールパック用運搬装置100の下部には、上記ペールパックの下端を円周方向に沿って囲むように、実質的に‘U’字または逆‘コ’字状の断面を持つ支持フレーム30が備えられることが好ましい。
【0050】
図7で示されたように、上記ペールパック1の下端縁は所定角度の間隔を置いて備えられる連結部材101、102と接触するが、このような接触部分に荷重が集中するため、紙材質の上記ペールパックの下端に備えられた支持部(図1の21)及びリム部材(図1の23)が曲がったり損傷することもある。
【0051】
このような問題点を防止するために、上記ペールパック1の下端縁の少なくとも上記連結部材101、102に囲まれる部分には、支持フレーム30が備えられることが好ましい。即ち、紙材質からなる上記ペールパック胴体の下端、支持部21、そしてリム部材23が上記支持フレーム30に挿入され、上記支持フレーム30により上記ペールパック1の下端に加わる荷重が分散されることにより、上記支持部21及びリム部材23が損傷することが防止できる。
【0052】
一方、図8aは、本発明のまた別の実施形態によるペールパック用運搬装置を示した斜視図であり、図8bは、上記運搬装置に備えられる分割型の支持フレームを示した斜視図であり、図9は、本発明のまた別の実施形態によるペールパックが収容された運搬装置を示した斜視図である。
【0053】
図8a及び図8bで示されたように、本実施形態による連結部材301、302、303、304は、上端ガイド部材に所定角度の間隔を置いてそれぞれ分離して配置されることが好ましい。また、上記連結部材301、302、303、304の下端には上記分割型の支持フレーム35がそれぞれ連結される。
【0054】
ここで、上記分割型の支持フレーム35は、上記ペールパック1の下端が挿入されるように逆‘コ’字または‘U’字状の断面を持ち、外部に露出される面には、上記連結部材301、302、303、304の下端がそれぞれ挿入貫通するスリット35aが形成される。従って、上記連結部材301、302、303、304の下端は、上記スリット35aにそれぞれ挿入された後、連結部材の一側に再び裁縫して固定される。
【0055】
このとき、上記連結部材301、302、303、304の下端は、上記スリット35aの内側から外側に挿入される方向に貫通した後、上側に巻き上げあれて裁縫することが好ましい。これにより、上記連結部材301、302、303、304が全体的に上記ペールパック1の外側面により密着した状態を維持できるようになる。
【0056】
図9で示されたように、本実施形態によると上記連結部材301、302、303、304の下端に直接的に分割型の支持フレーム35がそれぞれ備えられるため、前述した実施形態とは違って、上記連結部材301、302、303、304がペールパック1の下面を囲むように備えられる必要がない。
【0057】
従って、本実施形態による運搬装置300は、上記ペールパック1の上側から被せられる方式で結合される。詳しくは、上記運搬装置300を上記ペールパック1の外周に被せた後、上記ペールパック1を一方向に傾けてできた下側空間を通して、上記分割型の支持フレーム35を上記ペールパック1の下端にそれぞれ挿入して結合される。
【0058】
また、本実施形態による運搬装置300は、ペールパック1の上端に被せられる方式で結合されるために、上端ガイド部材110及び連結部材のいずれか302がファスナーにより分離可能に備えられる必要がない。従って、図示されたこととは違って、ファスナー120、121、122、123を介在することなく連結された状態で備えられることができる。
【0059】
このように、上記ペールパック1の円周方向に沿って上記連結部材301、302、303、304の下端に連結された上記分割型の支持フレーム35を、それぞれ対応される上記ペールパック1の下端に結合させることができる。これにより、約300kg以上の重い荷重を有する上記ペールパック1を、全体的に持ち上げることなく簡単に上記運搬装置300に結合させることができる。
【0060】
このとき、上記の各分割型の支持フレーム35は円周方向に沿って所定の長さ伸ばして形成されることが好ましく、これは一つの分割型の支持フレーム35と接触する上記ペールパック1の下端部分に加わる荷重を分散することにより、損傷することを防止するためである。
【0061】
従って、上記ペールパック1の外側面には円周方向に沿って所定角度の間隔に配置された連結部材301、302、303、304と接し、上記ペールパック1の下端にも円周方向に沿って所定角度の間隔を置いて上記分割型の支持フレーム35が結合される。これにより、上記運搬装置の上部に備えられた掛け用リング部107に起重機の掛け部201を連結して上記ペールパック1を運搬するとき、上記分割型の支持フレーム35が上記ペールパック1の下端に結合された状態を安定的に維持することにより、上記運搬装置300が上記ペールパックを安定的に支持できる。
【0062】
一方、図示してはいないが、上記の所定角度の間隔に配置した分割型の支持フレーム35は、弾性材質からなる弾性ロープで相互連結できるように構成されることもできる。このような場合、上記弾性ロープにより上記分割型の支持フレーム35の位置が一側に偏らなく、所定角度の間隔に整列できるようになる。
【0063】
一方、前述したような本発明の各実施形態は本発明の理解を助けるために構成したものであって、単純に前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明は前述した実施形態の技術的思想から外れない範囲内で、多様な変形を含む。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に適用される溶接ワイヤ用ペールパックの分解斜視図。
【図2】本発明の一実施形態によるペールパック用運搬装置を示した斜視図。
【図3】本発明の一実施形態によるペールパック用運搬装置に備えられたファスナーを拡大して示した側面図。
【図4】本発明の一実施形態による運搬装置にペールパックが収容された状態を示した斜視図。
【図5】本発明の一実施形態によるペールパックが収容された運搬装置を運搬する構造を示した斜視図。
【図6】本発明の別の実施形態によるペールパック用運搬装置を示した斜視図。
【図7】本発明の別の実施形態によるペールパックが収容された運搬装置を運搬する構造を示した斜視図。
【図8a】本発明のまた別の実施形態によるペールパック用運搬装置を示した斜視図。
【図8b】本発明のまた別の実施形態によるペールパック用運搬装置の分割型の支持フレームを示した斜視図。
【図9】本発明のまた別の実施形態によるペールパックが収容された運搬装置を運搬する構造を示した斜視図。
【符号の説明】
【0065】
W・・・溶接用ワイヤ
1・・・溶接ワイヤ用ペールパック
10・・・胴体
20・・・下板
21・・・支持部
23・・・内部リム部材
30・・・支持フレーム
35・・・分割型の支持フレーム
35a・・・スリット
50・・・カバー
51・・・密着部
53・・・内側リン部材
55・・・外側リム部材
56・・・補強リム部材
100、300・・・運搬装置
101、102、301、302、303、304・・・連結部材
107・・・掛け用リング部
110・・・上端ガイド部材
120、121、122、123・・・ファスナー
130・・・カバー部
140・・・下端ガイド部材
201・・・掛け部
202・・・連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に溶接ワイヤが収納されるペールパックの下面を囲むとともに、垂直方向に巻かれるように可撓性材質からなり、相互重なる部分は裁縫して結合された少なくとも2つ以上の連結部材と、
上記ペールパックの上部を囲むように可撓性材質からなり、上記の連結部材と重なる部分は裁縫して結合された上端ガイド部材と、
上記連結部材の上部両側に備えられた掛け用リング部とを備えている、
ことを特徴とするペールパック用運搬装置。
【請求項2】
上記連結部材の少なくともいずれかは上記ペールパックの上端を囲み、端部がファスナーにより相互分離可能に結合する、
請求項1に記載のペールパック用運搬装置。
【請求項3】
上記掛け用リング部は、上記連結部材の上端をベンドした後、裁縫して形成される、
請求項1に記載のペールパック用運搬装置。
【請求項4】
上記上端ガイド部材の端部は、ファスナーにより分離可能に結合される、
請求項1に記載のペールパック用運搬装置。
【請求項5】
上記連結部材、上端ガイド部材、及び掛け用リング部は、ポリエチレン樹脂材質の絹糸で織ってなる、
請求項1に記載のペールパック用運搬装置。
【請求項6】
上記ペールパックの下端縁のうち、少なくとも上記の連結部材に囲まれる部分には、支持フレームが備えられている、
請求項1に記載のペールパック用運搬装置。
【請求項7】
上記連結部材の下部には、上記ペールパックの下面形状に対応するカバー部が備えられている、
請求項6に記載のペールパック用運搬装置。
【請求項8】
上記ペールパックの下端の外周面を囲むように、上記連結部材と重なる部分は裁縫して結合され、可撓性材質からなる下端ガイド部材をさらに含んでいる、
請求項1に記載のペールパック用運搬装置。
【請求項9】
内部に溶接ワイヤが収納されるペールパックの側面に沿って伸ばされるように、可撓性材質からなる少なくとも2つ以上の連結部材と、
上記ペールパックの下端の外周面に結合されるように、上記連結部材の下端に連結される分割型の支持フレームと、
上記ペールパックの上部を囲むように可撓性材質からなり、上記の連結部材と重なる部分は裁縫して結合された上端ガイド部材と、
上記連結部材の上部両側に備えられた掛け用リング部とを含んでいる、
ことを特徴とするペールパック用運搬装置。
【請求項10】
上記の支持フレームは、上記ペールパックの下端が挿入されるように、逆‘コ’字状の断面を持ち、一側に上記連結部材の下端が貫通した後、裁縫できるようにスリットが形成され、
請求項9に記載のペールパック用運搬装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−119065(P2007−119065A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−255402(P2006−255402)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(506279458)キスウェル リミテッド (7)
【Fターム(参考)】