説明

ホスト装置

【課題】比較的に多くの光トランシーバの接続が容易に行えるホスト装置を提供する。
【解決手段】ホスト装置3は、光トランシーバ15aなどの複数の光トランシーバのそれぞれに接続される端子部13aなどの複数の端子部と、複数の端子部に接続されており光トランシーバをオンするオン信号を複数の端子部の何れかに出力するオン・オフ回路6と、オン・オフ回路6に接続されており複数の光トランシーバの何れをオンにするかを指定する制御信号Coをオン・オフ回路6に出力する制御部5とを備える。端子部13aなどの端子部は、電気信号を受ける信号ピン13a1と、オン信号を受ける単一の設定ピン13a3とを有する。オン・オフ回路6は、制御信号Coによって指定されている光トランシーバに対してオン信号を出力し、制御信号Coによって指定されていない光トランシーバに対してはオン信号を出力しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光トランシーバが接続されるホスト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の光データリンクを同一通信バスに接続した構成を有しておりCPUから目的の光データリンクへの通信を実現する光伝送装置と光データリンク制御方法とに関する技術が開示されている。特許文献1に記載の光伝送装置は、単一のCPUと、複数の光データリンクと、セレクタとを有する。CPUは、送信先のデバイスのスレーブアドレスが宛先情報として格納されたデータ信号を出力する。光データリンクは、共通の一のスレーブアドレスが割り当てられている。セレクタは、目的の光データリンクを選択する。CPUがクロック信号と目的の光データリンクを選択するための選択信号とをセレクタに出力し、セレクタが選択信号に基づいて当該目的の光データリンクにのみクロック信号を出力し、光データリンクが、自己のスレーブアドレスと同一のスレーブアドレスを宛先とするデータ信号とクロック信号とを受信した場合に、当該データ信号の取り込みを行う。また、特許文献2には、インターフェイス回路と、決定回路および第一保存(記録)ユニットと、を備えた集積回路が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3852340号公報
【特許文献2】特開2009−153131号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“Vertex−5 エンベデッド トライモード イーサネット(登録商標) MACユーザー ガイド”、UG194(v1.2)2007年3月6日、p.118“MDIOの概要”、[online]、[retrieved on 2011-6-28]、Retrieved from the Internet:<http://japan.xilinx.com/support/documentation/user_guides/j_ug194.pdf>。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
挿抜可能な光トランシーバ(X2、XENPAK、CFPなど)は、ホスト装置との通信インタフェースとして、MDIOを用いている。MDIOにおいては、複数の光トランシーバがホスト装置に接続されるので、各トランシーバを識別するための5bitの物理アドレスが割当可能になっている。光トランシーバには、5bitの物理アドレスに対応して五本の電気インターフェースピンが設けられている。ホスト装置には、一個の光トランシーバ毎に五本の電気インターフェースピンが設けられている。ホスト装置は、電気インターフェースピンの状態を、HighまたはLowに設定することによって、最大32個の光トランシーバを選択できる。しかしながら、5bitの物理アドレスに対応して、光トランシーバがホスト装置に接続可能な最大数は32個であり、32個を越える数の光トランシーバをホスト装置に接続することはできない。また、ホスト装置には、一個の光トランシーバ毎に五本の電気インターフェースピンが必要となるので、このような多くの電気インターフェースピンの存在も、32個を超える数の光トランシーバをホスト装置に接続することを、妨げている。そこで、本発明の目的は、上記の事項を鑑みてなされたものであり、比較的に多くの光トランシーバの接続が容易に行えるホスト装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の光トランシーバが接続可能であり前記光トランシーバに対し電気信号の送受を行うホスト装置であって、前記複数の光トランシーバのそれぞれに接続される複数の端子部と、前記複数の端子部に接続されており、前記光トランシーバをオンするオン信号を前記複数の端子部の何れかに出力するオン・オフ回路と、前記オン・オフ回路に接続されており、前記複数の光トランシーバの何れをオンにするかを指定する制御信号を前記オン・オフ回路に出力する制御部と、を備え、前記端子部は、前記電気信号を受ける信号ピンと、前記オン信号を受ける単一の設定ピンとを有し、前記オン・オフ回路は、前記制御信号によって指定されている前記光トランシーバに対して前記オン信号を出力し、前記制御信号によって指定されていない前記光トランシーバに対しては前記オン信号を出力しない。本発明によれば、複数のピンによる複数ビットのデータを用いることなく、単一のピンによって送受が可能な1ビットのデータ(オン信号の有無を示すデータ)によって、光トランシーバのオン・オフの指示が可能となるので、オン・オフの指示に必要なピンの数を低減できる。したがって、ホスト装置が有するピンの数に上限があっても、オン・オフの指示に必要なピンの数が低減できるので、ホスト装置に接続できる光トランシーバの数を増加できる。
【0007】
本発明の他の側面は、光トランシーバが接続可能であり前記光トランシーバに対し電気信号の送受を行うホスト装置であって、前記光トランシーバに接続される端子部と、前記端子部に接続されており、前記光トランシーバをオンするオン信号を前記端子部に出力するオン・オフ回路と、前記オン・オフ回路に接続されており、前記光トランシーバをオンにすることを指定する制御信号を前記オン・オフ回路に出力する制御部と、を備え、前記端子部は、前記電気信号を受ける信号ピンと、前記オン信号を受ける単一の設定ピンとを有し、前記オン・オフ回路は、前記制御信号によって指定されている前記光トランシーバに対して前記オン信号を出力し、前記制御信号によって指定されていない前記光トランシーバに対しては前記オン信号を出力しない。本発明によれば、複数のピンによる複数ビットのデータを用いることなく、単一のピンによって送受が可能な1ビットのデータ(オン信号の有無を示すデータ)によって、光トランシーバのオン・オフの指示が可能となるので、オン・オフの指示に必要なピンの数を低減できる。したがって、ホスト装置が有するピンの数に上限があっても、オン・オフの指示に必要なピンの数が低減できるので、ホスト装置に接続できる光トランシーバの数を増加できる。
【0008】
本発明では、前記オン・オフ回路は、前記制御信号の示す情報を電圧値に変換する変換回路と、前記端子部に接続されているウィンドウコンパレータとを有し、前記ウィンドウコンパレータは、前記変換回路による変換後の電圧値に応じて前記オン信号を前記端子部に出力する、ことを特徴とする。変換回路とウィンドウコンパレータとを用いることによって、本発明に係るオン・オフ回路が容易に実現できる。
【0009】
本発明では、前記オン・オフ回路は、デマルチプレクサ(demultiplexer)、デシリアライザ(deserializer)、およびI/Oエキスパンダ(I/O Expander)、の何れかである、ことを特徴とする。デマルチプレクサ(demultiplexer)、デシリアライザ(deserializer)、およびI/Oエキスパンダ(I/O Expander)、の何れかを用いることによって、本発明に係るオン・オフ回路が容易に実現できる。
【0010】
本発明では、前記電気信号は、MDIO(Medium Dependent Input/Output)の通信プロトコルに基づいており、前記制御信号は、ICおよびSPI(System Packet Interface)の何れかの通信プロトコルに基づいている。したがって、MDIOの通信プロトコルに基づく電気信号が、光トランシーバの通信信号として用いられる場合にも、本発明は適用できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、比較的に多くの光トランシーバの接続が容易に行えるホスト装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、実施形態に係るホスト装置の構成を示す図である。
【図2】図2は、実施形態に係るホスト装置の動作を説明するための図である。
【図3】図3は、実施形態に係る他のホスト装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、可能な場合には、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図1は、実施形態に係る光通信システム1の構成を示す。光通信システム1は、ホスト装置3と、光トランシーバ15aおよび光トランシーバ15bとを備える。ホスト装置3には、N個の光トランシーバが接続可能である。Nは、1以上の整数であり、32を超えた数であってもよい。図1には、図示を簡略にするために、光トランシーバ15aと光トランシーバ15bとが例示されている。光トランシーバ15aと光トランシーバ15bとは、何れも、従来の光トランシーバとすることができる。この従来の光トランシーバは、物理アドレスの指定用に五つのピンを有している。光トランシーバ15aの設定端子15a4は、物理アドレスを指定するためのデータをホスト装置から受ける五つのピンの何れか一つのピンに対応している。光トランシーバ15bの設定端子15b4も、物理アドレスを指定するためのデータをホスト装置から受ける五つのピンの何れか一つのピンに対応している。
【0014】
ホスト装置3は、光トランシーバ15aと光トランシーバ15bとに対し電気信号の送受を行う。光トランシーバ15aは、回路素子15a1、信号端子15a2、信号端子15a3および設定端子15a4を有する。光トランシーバ15aは、更に、光信号の送信装置と光信号の受信装置とを有する。回路素子15a1は、ホスト装置3との間において電気信号の送受を行う。回路素子15a1は、信号端子15a2、信号端子15a3および設定端子15a4に接続されている。また、光トランシーバ15aがホスト装置3に接続されている場合、信号端子15a2、信号端子15a3および設定端子15a4は、ホスト装置3の端子部13aに接続される。信号端子15a2は、信号ピン13a1に接続され、信号端子15a3は、信号ピン13a2に接続され、設定端子15a4は、設定ピン13a3に接続される。
【0015】
光トランシーバ15bは、回路素子15b1、信号端子15b2、信号端子15b3および設定端子15b4を有する。光トランシーバ15bは、更に、光信号の送信装置と光信号の受信装置とを有する。回路素子15b1は、ホスト装置3との間において電気信号の送受を行う。回路素子15b1は、信号端子15b2、信号端子15b3および設定端子15b4に接続されている。また、光トランシーバ15bがホスト装置3に接続されている場合、信号端子15b2、信号端子15b3および設定端子15b4は、ホスト装置3の端子部13bに接続される。信号端子15b2は、信号ピン13b1に接続され、信号端子15b3は、信号ピン13b2に接続され、設定端子15b4は、設定ピン13b3に接続される。
【0016】
ホスト装置3は、制御部5と、オン・オフ回路6と、端子部13aおよび端子部13bなどのN個の端子部とを有する。N個の端子部のそれぞれに複数の光トランシーバのそれぞれが接続される。一の端子部には、一個の光トランシーバが接続される。図1には、図示を簡略にするために、端子部13aと端子部13bとが例示されている。端子部13aには、光トランシーバ15aが接続されている。端子部13bには、光トランシーバ15bが接続されている。
【0017】
端子部13aは、信号ピン13a1と、信号ピン13a2と、設定ピン13a3とを含む。信号ピン13a1は、制御部5に接続されている。信号ピン13a2は、制御部5に接続されている。設定ピン13a3は、オン・オフ回路6のウィンドウコンパレータ9a(ウィンドウコンパレータ:Window Comparator)の出力に接続されている。光トランシーバ15aがホスト装置3に接続されている場合、信号ピン13a1は、光トランシーバ15aの信号端子15a2に接続される。信号ピン13a2は、光トランシーバ15aの信号端子15a3に接続される。設定ピン13a3は、光トランシーバ15aの設定端子15a4に接続される。
【0018】
信号ピン13a1および信号ピン13a2は、光トランシーバ15aがホスト装置3に接続されている場合、制御部5と光トランシーバ15aとの間において送受される電気信号を受ける。信号ピン13a1は、MDIO(Medium Dependent Input/Output)の電気信号を受ける。信号ピン13a2は、MDC(MDIOクロック)の電気信号を受ける。設定ピン13a3は、オン・オフ回路6から出力されるオン信号を受ける。オン信号は、端子部13aに接続されている光トランシーバ15aをオンにする(信号ピン13a1を介して制御部5と電気信号の送受を行う)ことを、光トランシーバ15aに指示する信号である。光トランシーバ15aは、設定ピン13a3を介してオン信号を受けた場合にのみ、信号ピン13a1を介して制御部5と電気信号の送受を行う。光トランシーバ15aは、設定ピン13a3を介してオン信号を受けない場合、オフとなる(信号ピン13a1を介して制御部5と電気信号の送受を行わない。)。端子部13aは、端子部13aに接続する光トランシーバ15aのオン・オフを切り替えるための信号(オン信号の入力の有無)を受ける単一の設定ピン13a3を含む。
【0019】
端子部13bは、信号ピン13b1と、信号ピン13b2と、設定ピン13b3とを含む。信号ピン13b1は、制御部5に接続されている。信号ピン13b2は、制御部5に接続されている。設定ピン13b3は、オン・オフ回路6のウィンドウコンパレータ9bの出力に接続されている。光トランシーバ15bがホスト装置3に接続されている場合、信号ピン13b1は、光トランシーバ15bの信号端子15a2に接続される。信号ピン13b2は、光トランシーバ15bの信号端子15b3に接続される。設定ピン13b3は、光トランシーバ15bの設定端子15b4に接続される。
【0020】
信号ピン13b1および信号ピン13b2は、光トランシーバ15bがホスト装置3に接続されている場合、制御部5と光トランシーバ15bとの間において送受される電気信号を受ける。信号ピン13b1は、MDIOの電気信号を受ける。信号ピン13b2は、MDCの電気信号を受ける。設定ピン13b3は、オン・オフ回路6から出力されるオン信号を受ける。オン信号は、端子部13bに接続されている光トランシーバ15bをオンにする(信号ピン13b1を介して制御部5と電気信号の送受を行う)ことを、光トランシーバ15bに指示する信号である。光トランシーバ15bは、設定ピン13b3を介してオン信号を受けた場合にのみ、信号ピン13b1を介して制御部5と電気信号の送受を行う。光トランシーバ15bは、設定ピン13b3を介してオン信号を受けない場合、オフとなる(信号ピン13b1を介して制御部5と電気信号の送受を行わない。)。端子部13bは、端子部13bに接続する光トランシーバ15bのオン・オフを切り替えるための信号(オン信号の入力の有無)を受ける単一の設定ピン13b3を含む。
【0021】
制御部5は、CPUを含む。制御部5のCPUは、制御部5の動作を統括的に制御する。制御部5は、端子部13aおよび端子部13bなどホスト装置3の複数の端子部に接続されている。制御部5は、複数の光トランシーバがホスト装置3に接続されている場合、端子部13aおよび端子部13bなどホスト装置3の複数の端子部のそれぞれに接続されている複数の光トランシーバ(光トランシーバ15aおよび光トランシーバ15bなど)のいずれかに対し、電気信号の送受を行う。制御部5は、オン・オフ回路6に接続されている。制御部5は、光トランシーバ15aおよび光トランシーバ15bなどホスト装置3に接続されている複数の光トランシーバの何れをオンにする(制御部5と電気信号の送受を行う)かを指定する制御信号Coを、オン・オフ回路6に出力する。制御信号Coは、ICおよびSPI(System Packet Interface)の何れかのシリアル通信プロトコルに基づいている。なお、制御信号Coは、他の通信プロトコルに基づく信号であってもよい。制御部5は、制御信号Coによって指定した光トランシーバに対してのみ、電気信号の送受を行う。例えば、制御信号Coが光トランシーバ15aのみを指定している場合、制御部5は、光トランシーバ15aに対してのみ、電気信号の送受を行う。
【0022】
オン・オフ回路6は、端子部13aおよび端子部13bなどホスト装置3の複数の端子部に接続されている。オン・オフ回路6は、光トランシーバ15aおよび光トランシーバ15bなどの光トランシーバをオンするオン信号(制御部5と電気信号の送受を行うこをと指示する信号)を、端子部13aおよび端子部13bなどホスト装置3の複数の端子部の何れかに出力する。オン・オフ回路6は、制御信号Coによって指定されている光トランシーバに対してオン信号を出力し、制御信号Coによって指定されていない光トランシーバに対してはオン信号を出力しない。オン信号は、オン・オフ回路6から出力される信号(PHYAD)に含まれ、端子部の設定ピン(例えば、設定ピン13a3および設定ピン13b3など)に入力される。
【0023】
例えば、端子部13aに接続されている光トランシーバ15aのみが制御信号Coによって指定されている場合、オン・オフ回路6は、光トランシーバ15aが接続している設定ピン13a3に対してのみオン信号を入力し、設定ピン13a3を除く他の全ての設定ピンには、オン信号を入力しない。端子部13aに接続されている光トランシーバ15aのみが制御信号Coによって指定されている場合、制御信号Coは、端子部13aに接続されている光トランシーバ15aに対してのみ電気信号の送受を行うことを示している(すなわち、光トランシーバ15aのみをオンとし、光トランシーバ15aを除く光トランシーバ15bなどの他の光トランシーバの全てをオフとする。)。端子部13aに接続されている光トランシーバ15aのみが制御信号Coによって指定されている場合、端子部13aに接続されている光トランシーバ15aに対してのみ電気信号の送受を行うことを制御信号Coが示しているので、オン・オフ回路6は、電気信号の送受を行う旨を示すオン信号を、光トランシーバ15aが接続されている設定ピン13a3にのみ入力する。端子部13aに接続されている光トランシーバ15aのみが制御信号Coによって指定されている場合、端子部13aを除く他の全ての端子部には電気信号の送受を行わないことを制御信号Coが示しているので、設定ピン13a3を除く他の全ての設定ピンにはオン信号を入力しない。
【0024】
オン・オフ回路6は、DAC7と、N個のウィンドウコンパレータ(ウィンドウコンパレータ9aおよびウィンドウコンパレータ9bなど)と、複数の抵抗素子(抵抗素子11a、抵抗素子11b、抵抗素子11c、抵抗素子11dおよび抵抗素子11eなど)とを含む。DAC7(DAC:Digital Analog Converter)は、デジタル信号をアナログ信号に変換する変換回路であり、制御部5から入力する制御信号Coの示す情報を電圧値(アナログ信号)に変換する素子である。DAC7の出力は、N個のウィンドウコンパレータの入力端子(IN端子)に接続されている。
【0025】
複数の抵抗素子(抵抗素子11a、抵抗素子11b、抵抗素子11c、抵抗素子11dおよび抵抗素子11eなど)は、基準電圧のもとにおいて、直列に接続されている。抵抗素子の端子の電位は、予め設定されている。抵抗素子11aの端子Ta1と、抵抗素子11bの端子Tb2とは、ウィンドウコンパレータ9aのプラス端子(+端子)に接続されている。抵抗素子11bの端子Tb1と、抵抗素子11cの端子Tc2とは、ウィンドウコンパレータ9aのマイナス端子(−端子)に接続されている。抵抗素子11cの端子Tc1と、抵抗素子11dの端子Td2とは、ウィンドウコンパレータ9bのプラス端子に接続されている。抵抗素子11dの端子Td1と、抵抗素子11eの端子Te2とは、ウィンドウコンパレータ9bのマイナス端子に接続されている。
【0026】
ウィンドウコンパレータ9aのプラス端子の電圧を、電圧Vb2とする。ウィンドウコンパレータ9aのマイナス端子の電圧を、電圧Vb1とする。ウィンドウコンパレータ9bのプラス端子の電圧を、電圧Vd2とする。ウィンドウコンパレータ9bのマイナス端子の電圧を、電圧Vd1とする。電圧Vb2は、電圧Vb1よりも高い。電圧Vb1は、電圧Vd2よりも高い。電圧Vd2は、電圧Vd1よりも高い。
【0027】
図2に示すように、DAC7からウィンドウコンパレータ9aの入力端子に入力される信号が、ウィンドウコンパレータ9aのプラス端子の電圧(電圧Vb2)よりも低い電圧であり、且つ、ウィンドウコンパレータ9aのマイナス端子の電圧(電圧Vb1)よりも高い電圧だる場合にのみ、ウィンドウコンパレータ9aの出力から、オン信号が出力される。ウィンドウコンパレータ9bの入力端子に入力される信号が、ウィンドウコンパレータ9bのプラス端子の電圧(電圧Vd2)よりも低い電圧だり、且つ、ウィンドウコンパレータ9bのマイナス端子の電圧(電圧Vd1)よりも高い電圧である場合にのみ、ウィンドウコンパレータ9bの出力から、オン信号が出力される。
【0028】
N個のウィンドウコンパレータは、設定ピン13a3などホスト装置3のN個の設定ピンのそれぞれに接続されている。図1には、図示を簡略にするために、ウィンドウコンパレータ9aとウィンドウコンパレータ9bとが例示されている。ウィンドウコンパレータ9aは、設定ピン13a3に接続されている。ウィンドウコンパレータ9bは、設定ピン13b3に接続されている。ウィンドウコンパレータ9aは、DAC7から出力されウィンドウコンパレータ9aの入力端子に入力される電圧値の信号に応じて、設定ピン13a3にオン信号を出力する。ウィンドウコンパレータ9bは、DAC7から出力されウィンドウコンパレータ9bの入力端子に入力される電圧値の信号に応じて、設定ピン13b3にオン信号を出力する。
【0029】
以上説明したように、ホスト装置3によれば、複数のピンによる複数ビットのデータを用いることなく、単一のピン(信号ピン13a1など)によって送受が可能な1ビットのデータ(オン信号の有無を示すデータ)によって、光トランシーバのオン・オフの指示が可能となるので、オン・オフの指示に必要なピンの数を低減できる。したがって、制御部5が有するピンの数に上限があっても、オン・オフの指示に必要なピンの数が低減できるので、制御部5に接続できる光トランシーバの数を増やすことができる。また、光トランシーバに内蔵する回路素子(PHY−IC)は、従来と同じ物が使用できる。また、外部と接続する電気インタフェースは単一のピンのみで良い。また、光トランシーバに回路を追加する必要がなく、従来の光トランシーバを使用できる。また、DAC7と、ウィンドウコンパレータ9aなどのウィンドウコンパレータの精度(許容量)とによって、ホスト装置3に接続可能な光トランシーバの最大接続台数が決まるので、従来のような32台を超えた数の光トランシーバをホスト装置3に接続することができる。
【0030】
なお、図1に示す光通信システム1に限らず、図3に示す光通信システム1aも本実施形態の一例として用いることができる。光通信システム1aは、光通信システム1のホスト装置3に替えてホスト装置3aを備える。ホスト装置3aは、端子部13aおよび端子部13bなどの複数の端子部を有する。ホスト装置3aは、制御部5を有する。ホスト装置3aは、ホスト装置3のオン・オフ回路6に替えて、オン・オフ回路6aを有する。図3に示すオン・オフ回路6aは、I/Oエキスパンダ(I/O Expander)である。なお、オン・オフ回路6aは、I/Oエキスパンダに限らず、デマルチプレクサ(demultiplexer)、デシリアライザ(deserializer)の何れかであってもよい。このように、設定ピン13a3などの設定ピンを切り替える手段として、ホスト装置3のようなDAC7とウィンドウコンパレータ9aなどとを用いなくても、ホスト装置3aのようなI/Oエキスパンダを用いてもよく、更には、デマルチプレクサおよびデシリアライザの何れかを用いてもよい。
【0031】
オン・オフ回路6aの入力端子は制御部5に接続されており、制御部5から制御信号Coが入力する。オン・オフ回路6aは、複数の出力端子を有している。オン・オフ回路6aの複数の出力端子のそれぞれは、ホスト装置3aの複数の端子部の信号ピン(信号ピン13a1および信号ピン13b1など)のそれぞれに接続されている。オン・オフ回路6aは、オン・オフ回路6と同様に、制御信号Coによって指定されている光トランシーバに対してオン信号を出力し、制御信号Coによって指定されていない光トランシーバに対してはオン信号を出力しない。例えば、光トランシーバ15aのみが制御信号Coによって指定されている場合、オン・オフ回路6aは、光トランシーバ15aのみに対し信号ピン13a1を介してオン信号を出力し、光トランシーバ15aを除く他の全ての光トランシーバに対しオン信号を出力せずオフとする。
【0032】
以上、好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
【符号の説明】
【0033】
1,1a…光通信システム、11a,11b,11c,11d,11e…抵抗素子、13a,13b…端子部、13a1,13a2,13b1,13b2…信号ピン、13a3,13b3…設定ピン、15a,15b…光トランシーバ、15a1,15b1…回路素子、15a2,15a3,15b2,15b3…信号端子、15a4,15b4…設定端子、3,3a…ホスト装置、5…制御部、6,6a…オン・オフ回路、7…DAC、9a,9b…ウィンドウコンパレータ、Ta1,Tb1,Tb2,Tc1,Tc2,Td1,Td2,Te1,Te2…端子、Vb2,Vb1,Vd1,Vd2…電圧、Co…制御信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光トランシーバが接続可能であり前記光トランシーバに対し電気信号の送受を行うホスト装置であって、
前記複数の光トランシーバのそれぞれに接続される複数の端子部と、
前記複数の端子部に接続されており、前記光トランシーバをオンするオン信号を前記複数の端子部の何れかに出力するオン・オフ回路と、
前記オン・オフ回路に接続されており、前記複数の光トランシーバの何れをオンにするかを指定する制御信号を前記オン・オフ回路に出力する制御部と、
を備え、
前記端子部は、前記電気信号を受ける信号ピンと、前記オン信号を受ける単一の設定ピンとを有し、
前記オン・オフ回路は、前記制御信号によって指定されている前記光トランシーバに対して前記オン信号を出力し、前記制御信号によって指定されていない前記光トランシーバに対しては前記オン信号を出力しない、ホスト装置。
【請求項2】
光トランシーバが接続可能であり前記光トランシーバに対し電気信号の送受を行うホスト装置であって、
前記光トランシーバに接続される端子部と、
前記端子部に接続されており、前記光トランシーバをオンするオン信号を前記端子部に出力するオン・オフ回路と、
前記オン・オフ回路に接続されており、前記光トランシーバをオンにすることを指定する制御信号を前記オン・オフ回路に出力する制御部と、
を備え、
前記端子部は、前記電気信号を受ける信号ピンと、前記オン信号を受ける単一の設定ピンとを有し、
前記オン・オフ回路は、前記制御信号によって指定されている前記光トランシーバに対して前記オン信号を出力し、前記制御信号によって指定されていない前記光トランシーバに対しては前記オン信号を出力しない、ホスト装置。
【請求項3】
前記オン・オフ回路は、前記制御信号の示す情報を電圧値に変換する変換回路と、前記端子部に接続されているウィンドウコンパレータとを有し、
前記ウィンドウコンパレータは、前記変換回路による変換後の電圧値に応じて前記オン信号を前記端子部に出力する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のホスト装置。
【請求項4】
前記オン・オフ回路は、デマルチプレクサ(demultiplexer)、デシリアライザ(deserializer)、およびI/Oエキスパンダ(I/O Expander)、の何れかである、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のホスト装置。
【請求項5】
前記電気信号は、MDIO(Medium Dependent Input/Output)の通信プロトコルに基づいている、ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のホスト装置。
【請求項6】
前記制御信号は、ICおよびSPI(System Packet Interface)の何れかの通信プロトコルに基づいている、ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のホスト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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