説明

ホットチャンバーダイカストマシン

【課題】ホットチャンバーダイカストマシンでダイカスト鋳造部品を鋳造する際に、シリンダに空気が入ることがないようにする。
【解決手段】溶融金属材料である溶湯が入れられる溶湯槽10と、溶湯槽から溶湯供給路12を介して溶湯が供給可能に配置されたシリンダ31と、シリンダ内に摺動自在に配置され交換用リングを有しない形状のプランジャ40と、プランジャの摺動によりシリンダ内の溶湯をノズルに導く溶湯供給路(グーズネック)32とを備えて、ノズル50を鋳造用金型61,62に接続して、プランジャ40の摺動によりノズルから流動した溶湯を鋳造用金型内に充填させるホットチャンバーダイカストマシンである。そして本発明においては、プランジャ40が下死点のときにシリンダの内壁と接する範囲のプランジャ40が、上死点の位置となったときに溶湯槽10の溶湯11に浸かる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、亜鉛合金などの金属を鋳造するホットチャンバーダイカストマシンに関し、特にダイカストマシン内での溶融金属材料の酸化を防止させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、亜鉛合金などの金属を使ってダイカスト鋳造する技術のひとつとして、ホットチャンバーダイカストマシンが知られている。
このホットチャンバーダイカストマシンは、従来、例えば図3に示した構成とされる。
図3は、ホットチャンバーダイカストマシンの断面を示した図である。図3において、10は溶湯槽を示し、溶湯槽10内には、例えば700℃程度に加熱された溶融金属材料が満たされている。加熱する機構については省略してある。溶融金属材料としては、アルミニウムやアルミニウム合金などが使用される。以下の説明では、溶湯槽10内に満たされた溶融金属材料は、溶湯10と称する。
【0003】
溶湯槽10内には、シリンダブロック30が配置してある。このシリンダブロック30は、シリンダ保持部材23で周囲を保持させてあり、シリンダ保持部材23が、接続部材22を介してマシン側支柱21と接続させてある。
シリンダブロック30内には、円筒形状の空間であるシリンダ31が形成させてあり、そのシリンダ31内に挿入されたプランジャ40が上下に摺動する構成としてある。プランジャ40は、上端42が図示しないマシン側に接続してあり、マシン側の駆動機構による駆動で、シリンダ31内を上下に往復移動する。図4に示した状態は、プランジャ40の下端41が、最も上側の上死点である状態を示している。
【0004】
シリンダ31の内部は、溶湯供給孔12を介して溶湯槽10と道通状態としてある。従って、シリンダ31の内部にも溶湯13が充填された状態となっている。
シリンダ31の内部の下端には、比較的細い管状のグーズネック32の一端が接続してあり、そのグーズネック32の他端に、ノズル50が接続してある。溶湯槽10の外部のノズル50には、ヒータ51が取り付けてあり、ノズル50の内部の溶湯が高温に保たれる構成としてある。
【0005】
ノズル50は、先端52を溶湯槽10の外部に引き出す構成としてあり、そのノズル50の先端52は、溶湯槽10内の溶湯上面11aよりも上側となる配置としてある。
ノズル50の先端52には、鋳造用金型を構成する固定型61及び可動型62を接続する。
【0006】
このように固定型61と可動型62を接続した状態で、図4に示すように、プランジャ40をシリンダ31内で下死点まで移動させることで、シリンダ31内の溶湯13が、グーズネック32及びノズル50を介して固定型61と可動型62の間の空間に押し出され、固定型61と可動型62の間に溶融金属材料が圧入される。即ち、図4の例では、固定型61側の空間61aと、可動型62側の空間62aとに、金属材料15が圧入された状態を示してある。
なお、本明細書でプランジャの下死点と述べた場合には、溶湯を金型側に押し出す際にプランジャが最も下側になる位置を意味し、プランジャが機構的に移動できる最も下側の位置よりも上側である場合がある。即ち、プランジャ40を下降させて溶湯を金型側に押し出して、金型内に金属材料15が完全に圧入されて、それ以上プランジャが降りることができなくなった位置を、本明細書では下死点と称する。
【0007】
溶融金属材料の充填後は、固定型61と可動型62を装置から外し、溶融金属の温度を低下させて固化させて、その固化した鋳造物を固定型61と可動型62とから外し、ダイカスト鋳造部品を得る。
【0008】
その後、図3に示すようにプランジャ40を上死点まで移動させることで、次の型への充填の準備が行われる。このようにプランジャ40の上下の移動で、金型への溶融金属材料の充填が行える。
【0009】
特許文献1及び2には、ホットチャンバーダイカストマシンの例についての記載がある。
【特許文献1】特開平10−128517号公報
【特許文献2】特開平10−296420号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、このような構成のホットチャンバーダイカストマシンで、ダイカスト鋳造を行う際には、シリンダ31内を上下するプランジャ40の周囲に、金属材料が付着してしまうという問題がある。
即ち、溶湯を金型に圧入する作業時には、高温に保たれた溶湯槽10内でプランジャ40が上下するが、プランジャ40が上死点に上昇した状態では、図3に示すように、溶湯上面11aから露出したプランジャ40の表面に、溶湯11が付着して皮膜11bが形成された状態となっている。皮膜11bは、プランジャ40が下死点に到達したとき、溶湯11内に沈む。
【0011】
この図3に示した皮膜11bがあると、プランジャ40を上下に摺動させる際に、皮膜11bがシリンダ31の内壁と接触して、金型側へ溶湯11を圧入する際のプランジャ40の摺動抵抗となってしまい、プランジャ40のスムーズな動きを阻む要因になってしまう。皮膜11bが付着した状態で無理にプランジャ40を押し下げようとすると、プランジャ40の表面やシリンダ31の内壁を磨耗させてしまう。高温の溶湯槽内に配置されるプランジャやシリンダは、例えば溶湯がアルミニウム金属材料の場合では、セラミック部品などの高価な部品であり、短期間の使用で磨耗してしまうのは好ましくない。
また、プランジャ40の表面の皮膜11bは、プランジャ40が上死点に位置するときには、溶湯11から外に出て空気に触れた状態であり、金属材料が酸化した皮膜である。この皮膜11bの金属材料が酸化すると、プランジャ40が下降する際に、シリンダ31の内壁とプランジャ40の表面との接触時に、プランジャ40から酸化金属材料が剥がれる可能性があり、溶湯11に酸化金属材料が混入してしまう可能性がある。
【0012】
この酸化金属材料が溶湯11に混入すると、溶湯11を使って鋳造されるダイカスト部品の品質を低下させてしまう。即ち、酸化金属材料が混入すると、強度などの劣化を招くおそれがあり、好ましくない。
【0013】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、ダイカスト鋳造部品をホットチャンバーダイカストマシンで鋳造する際に、プランジャに付着した金属材料の悪影響を排除することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、溶融金属材料である溶湯が入れられる溶湯槽と、溶湯槽から溶湯供給路を介して溶湯が供給可能に配置されたシリンダと、シリンダ内に摺動自在に配置された交換用リングを有しない形状のプランジャと、プランジャの摺動によりシリンダ内の溶湯をノズルに導く溶湯供給路とを備えて、ノズルを鋳造用金型に接続して、プランジャの上死点と下死点との間の摺動によりノズルから溶湯を鋳造用金型内に充填させるホットチャンバーダイカストマシンに適用される。
そして本発明においては、プランジャが下死点のときにシリンダの内壁と接する範囲のプランジャが、上死点の位置となったときに溶湯槽の溶湯に浸かる構成としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、プランジャが下死点のときにシリンダの内壁と接する範囲のプランジャが、上死点の位置となったときに溶湯槽の溶湯に浸かる構成としたことで、シリンダの内壁と接する範囲のプランジャは常時溶湯槽内の溶湯に浸かっている。従って、プランジャの周囲に付着して固まった金属材料が、シリンダの内壁と接することがなくなり、プランジャが摺動する際に、プランジャやシリンダを磨耗させる可能性が低くなり、プランジャやシリンダの長寿命化に貢献する。
また、プランジャの周囲に付着して固まった金属材料が、シリンダの内壁と接して剥がれることがなくために、プランジャの周囲に付着して酸化した金属材料が、溶湯槽内に溶け出すことを最低限に抑制でき、金型側に圧入される金属材料に酸化した金属材料が混入するのを効果的に抑制でき、品質の高いダイカスト鋳造部品が得られるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の第1の実施の形態を、図1を参照して説明する。この図1において、背景技術として説明した図3及び図4に対応する部分には同一符号を付す。
図1は、本実施の形態のホットチャンバーダイカストマシンの構成を断面で示した図であり、図1(a)はプランジャが下死点の状態であり、図1(b)はプランジャが上死点の状態である。
本実施の形態のホットチャンバーダイカストマシンでダイカスト鋳造する際に適用される金属材料しては、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、亜鉛合金など、従来からダイカスト鋳造に使用されている各種金属材料が適用可能である。
【0017】
図1に示したホットチャンバーダイカストマシンの基本的な構成は、図3及び図4に示したものと同一である。図4などの説明と重複するが、再度構成について説明すると、例えば700℃程度に加熱された溶融金属材料(溶湯11)が満たされた溶湯槽10内には、シリンダブロック30が配置してある。シリンダブロック30は、シリンダ保持部材23で周囲を保持させてあり、シリンダ保持部材23が、接続部材22を介してマシン側支柱21と接続させてある。
シリンダブロック30内には、円筒形状の空間であるシリンダ31が形成させてあり、そのシリンダ31内に挿入されたプランジャ40が上下に摺動する構成としてある。シリンダブロック30とプランジャ40は、例えばセラミックで形成させる。プランジャ40は、上端42が図示しないマシン側に接続してあり、マシン側の駆動機構による駆動で、シリンダ31内を図1(a)に示した下死点の状態と図1(b)に示した上死点の状態との間で上下に往復移動する。なお、先に説明したように、プランジャ40を下降させて溶湯を金型側に押し出して、金型内に金属材料15が完全に圧入されて、それ以上プランジャが降りることができなくなった位置であり、機構的にプランジャ40が最も下に移動できる位置ではない。
【0018】
シリンダ31の内部は、溶湯供給孔12を介して溶湯槽10と道通状態としてあり、シリンダ31の内部にも溶湯13が充填された状態となっている。
シリンダ31の内部の下端には、溶湯供給路であるグーズネック32の一端が接続してあり、そのグーズネック32の他端に、ノズル50が接続してある。溶湯槽10の外部のノズル50には、ヒータ51が取り付けてあり、ノズル50の内部の溶湯が高温に保たれる構成としてある。ノズル50は、先端52を溶湯槽10の外部に引き出す構成としてあり、そのノズル50の先端52は、溶湯槽10内の溶湯上面11aよりも上側に配置してある。
ここまでは、図3及び図4で説明した構成と同じである。
【0019】
なお、本実施の形態のホットチャンバーダイカストマシンは、溶湯11としてアルミニウム金属材料を使用可能とするため、シリンダブロック30及びプランジャ40として、非鉄系材料であるセラミックを使用してあり、またプランジャ40には、シリンダ内壁とのシール性を確保するための金属リングについても設けていない。即ち、ホットチャンバーダイカストマシンにおいて、鉄を浸食しない材料を溶湯11として使う場合には、プランジャとして鉄系材料を含む構成とすることが可能であるが、溶湯11としてアルミニウム金属材料を使用する場合には、プランジャとして全てセラミックで構成するのが好ましい。
シール性を確保するための金属リングを使わない本例のプランジャ40の場合には、プランジャ40の側面とシリンダ31の内壁とが直接接して、プランジャ40の側面そのものがシリンダ31内の溶湯11の噴出を防ぐシール面となる。このシール面でのシール性を確保するために、プランジャ40の側面とシリンダ31の内壁とが接する面積は多い程よく、プランジャ40の長手方向(上下方向)である程度の長さで、プランジャ40の側面とシリンダ31の内壁とが接する構成とする必要がある。
【0020】
そして本実施の形態においては、溶湯槽10として、比較的多く溶湯11を溜めることができる構成として、溶湯11の上面11aを、シリンダ31の上面から所定距離以上離れた位置とする。
この溶湯上面11aを設定する条件について説明すると、図1(a)に示すように、プランジャ40が下死点で金型側にそれ以上溶湯11を圧入できない位置のとき、シリンダブロックの上面33と接する、プランジャ40の位置43を破線で図中に示す。
そして、図1(b)に示すように、プランジャ40を上死点に移動させたとき、そのプランジャ40の位置43が、溶湯11の上面11aより下になるようにする。
【0021】
このようにすることは、シリンダ31の内壁と接する範囲のプランジャ40が、常に溶湯11に浸っていることであり、この条件を満たすように、上述した溶湯11の上面11aを、シリンダ31の上面33から離す所定距離を設定する。
図1に、プランジャ40を摺動させた際の上死点から下死点までの移動長さL1を示すと、シリンダ31の上面33から溶湯上面11aまでの距離は、そのプランジャの移動長さL1以上とする必要がある。
なお、鋳造作業の進行で、金型側に溶湯11が充填されていくが、このように溶湯上面11aの位置が長さL1以上となるように監視して、溶湯11の補充を適宜行うのが好ましい。この溶湯上面11aの位置の監視と溶湯11の補充を自動的に行う構成としてもよい。
【0022】
この図1に示す構成のホットチャンバーダイカストマシンでの鋳造動作について説明する。
まず、図1(b)に示すように、プランジャ40を上死点として、シリンダ31内に溶湯を溜めた状態とし、固定型61と可動型62をノズル50の先端52に接続して、図1(a)に示すように、プランジャ40を下死点まで摺動させる。この摺動により、シリンダ31内の溶湯が、固定型61側の空間61aと可動型62側の空間62aとに圧入される。
この状態で、固定型61と可動型62をノズル50から離し、プランジャ40を上死点まで戻させ、固定型61と可動型62の間の鋳造部品を外した後、固定型61と可動型62をノズル50の先端52に接続して、図1(b)の状態に戻す。
【0023】
このような動作でダイカスト鋳造が行われるが、本例の場合には、シリンダ31の上面33と溶湯上面11aとの距離を、プランジャ40の移動距離L以上としたことで、シリンダ31の内壁と接する範囲のプランジャ40は、常時溶湯槽内の溶湯に浸かった状態となる。従って、プランジャ40の周囲に付着して固まった金属材料が、シリンダ31の内壁と接することがなくなる。即ち、従来例として図3に示したような皮膜11bが生じたとしても、その皮膜11bはシリンダ31と接する位置までは下がることがなく、プランジャ40の周囲に付着して固まった金属材料が、シリンダ31の内壁と接することがなくなる。このため、プランジャ40が摺動する際に、余計な摺動抵抗が生じず、溶湯11を金型側に良好に圧入できると共に、付着金属の影響でプランジャ40やシリンダ31を磨耗させる可能性が低くなり、プランジャ40やシリンダブロック30の長寿命化に貢献する。特に本実施の形態の場合には、アルミニウム金属材料を溶湯11として使えるようにしたために、プランジャ40やシリンダブロック30をセラミックで構成させたため、プランジャ40やシリンダブロック30が高価であり、長寿命化によるメリットは大きい。
【0024】
また本例の構成としたことで、プランジャ40の周囲に付着して固まった金属材料が、プランジャ40の摺動時に、シリンダ31の内壁と接して剥がれることがなくために、プランジャ40の周囲に付着して酸化した金属材料が、溶湯槽10内に溶け出すことを最低限に抑制でき、金型側に圧入される金属材料に酸化した金属材料が混入するのを効果的に抑制でき、品質の高いダイカスト鋳造部品が得られるようになる。
【0025】
次に、本発明の第2の実施の形態を、図2を参照して説明する。この図2においても、第1の実施の形態で説明した図1、及び背景技術として説明した図3及び図4に対応する部分には同一符号を付す。
図2は、本実施の形態のホットチャンバーダイカストマシンの構成を断面で示した図であり、図2(a)はプランジャが下死点の状態であり、図2(b)はプランジャが上死点の状態である。図2に示したホットチャンバーダイカストマシンの基本的な構成についても、図1、図4及び図5に示したものと同一であり、図1と同一構成の説明は省略する。
本実施の形態の場合には、プランジャの形状を図1の例とは異なる形状としたものである。
【0026】
即ち、図2に示すように、シリンダブロック30内の中央にシリンダ31を配置し、そのシリンダ31に上側から挿入されるプランジャ70として、下端部71から段差部74までの所定長L2だけ太径部72とし、その太径部72でシリンダ31の内壁と接する構成とする。そして、プランジャ70の段差部74からマシン接続部73までについては、太径部72よりも直径が細くして、シリンダ31の内壁とは接しない細径部とする。
プランジャ70の下端部71から段差部74までの太径部72の長さ(高さ)L2は、プランジャが上死点から下死点まで移動する長さと同じか、それよりも短くする。この太径部72の長さL2は、少なくとも下端部71よりシール性確保に必要な範囲の長さとする。
【0027】
そして、溶湯槽10内の溶湯11の上面11aを、シリンダ31の上面33から長さL2以上離れた位置とする。このように設定することで、図2(b)に示すように、プランジャ70を上死点に移動させたとき、そのプランジャ40の段差部74が、溶湯11の上面11aより常に下になる。
【0028】
従って、ダイカスト鋳造する際に、プランジャ70の周囲の皮膜がシリンダ31の内壁と接することがなく、プランジャ70に摺動抵抗が発生することがなく、溶湯11を金型側に良好に圧入できると共に、プランジャ70やシリンダ31を磨耗させることがなく、プランジャ70やシリンダブロック30の長寿命化に貢献する。
また、酸化皮膜による鋳造部品の劣化も防止でき、ダイカスト鋳造される製品の高品質化が図れる。
そして本実施の形態の場合には、図2に示すように、シリンダ31の上面33から溶湯上面11aまでの距離を、プランジャ40の太径部72の長さ(高さ)L2以上とすればよく、この長さL2は、プランジャ70に摺動距離よりも短くできるため、溶湯槽10内の溶湯上面11aをそれほど上にする必要がなく、効率のよい構成とすることができる。
【0029】
なお、上述した各実施の形態で図示した構成は、好適な一例を示したものであり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、図1の例や図2の例とは異なる構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施の形態による装置構成例を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態による装置構成例を示す断面図である。
【図3】従来のホットチャンバーダイカストマシンの例(プランジャ上昇時)を示す断面図である。
【図4】従来のホットチャンバーダイカストマシンの例(プランジャ下降時)を示す断面図である。
【符号の説明】
【0031】
10…溶湯槽、11…溶湯、11a…溶湯上面、11b…皮膜、12…溶湯供給孔、13…シリンダ内溶湯、15…金属材料、21…マシン側支柱、22…接続部材、23…シリンダ保持部材、30…シリンダブロック、31…シリンダ、32…グーズネック、33…シリンダブロックの上面、40…プランジャ、41…下端部、42…マシン接続部、43…下死点でシリンダ上端と接する位置、50…ノズル、51…ヒータ、52…先端部、61…固定型、62…可動型、70…プランジャ、71…下端部、72…太径部、73…マシン接続部、74…段差部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融金属材料である溶湯が入れられる溶湯槽と、
前記溶湯槽内に配置してあると共に、前記溶湯槽から溶湯が供給可能に配置されたシリンダと、
前記シリンダ内に摺動自在に配置された、交換用リングを有しない形状のプランジャと、
前記プランジャの摺動により前記シリンダ内の溶湯をノズルに導く溶湯供給路とを備えて、
前記ノズルを鋳造用金型に接続して、前記プランジャの上死点と下死点との間の摺動によりノズルから溶湯を前記鋳造用金型内に充填させるホットチャンバーダイカストマシンであって、
前記プランジャが下死点のときに前記シリンダの内壁と接する範囲の前記プランジャが、前記上死点の位置となったときに前記溶湯槽の溶湯に浸かる構成としたことを特徴とする
ホットチャンバーダイカストマシン。
【請求項2】
前記プランジャとして、下端先端側よりシール性確保に必要な範囲までを前記シリンダの内壁と接する太径部とし、それより上側を、前記シリンダの内壁とは接しない細径部とし、
前記プランジャを上死点としたとき、前記太径部が前記溶湯槽の溶湯に浸かる構成としたことを特徴とする
請求項1記載のホットチャンバーダイカストマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−58131(P2010−58131A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−224060(P2008−224060)
【出願日】平成20年9月1日(2008.9.1)
【出願人】(304016804)グンダイ株式会社 (5)