説明

ホルダー掛止タブおよびホルダーおよびファイル

【課題】袋状又は半袋状のホルダーをファイルに掛け止めるためのホルダー掛止タブを提供する。
【解決手段】袋状又は半袋状のホルダー4aをファイル9aに掛け止めるためのホルダー掛止タブ1aであって、水平辺2aと垂直辺2bからなるT字形の平面材2と、この平面材2の裏面2cに塗布される接着剤と、平面材2の裏面をその対称軸3に沿って谷折りにして,水平辺2aの貼り合わせ部分2eでホルダー4aの外縁6aを挟着保持し、垂直辺2bの貼り合わせ部分2eはホルダー4aの外縁6aに間隙を有して形成され、平面材2は、ホルダー4aの外縁6aに下向きL字形に突設されることを特徴とするホルダー掛止タブ1aによる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋状又は半袋状のホルダーをファイルに掛け止めるためのホルダー掛止タブ、および、それを備えたホルダー、および、外縁に下向きL字形のホルダー掛止タブが突設されたホルダー、および、これらのホルダーを収容保持するためのファイルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、書類等の資料を収容した半袋状のホルダーを複数まとめて持ち歩いたりする場合、ホルダーの開口部から書類がこぼれ落ち易く極めて不便であった。
このような場合、複数の袋状のホルダーが一体となったファイルに書類を収容するという手段もあるが、袋状のホルダーは半袋状のホルダーに比べて、収容できる書類の量が少ないので、関連のある一連の資料や書類等を一つのホルダーにまとめて収容することができず、適切な分類や管理ができない場合があった。
ここで、従来のファイルホルダーに関する技術について先行技術文献を参照しながら説明する。
【0003】
特許文献1には「インデックスタブ付きファイルホルダー及びこのインデックスタブ付きファイルホルダーに用いられるファイルホルダー並びに表示用紙」という名称で、紙ファイルを挟んで保持する薄型のファイルホルダー(通常クリアホルダーと称されているもの)の改良に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示される発明であるインデックスタブ付きファイルホルダーは、ファイルすべき紙(紙ファイル)を挟んで保持する薄型ホルダー本体から成るファイルホルダーにおいて、ホルダー本体の閉じられた辺に設けられた少なくとも1つの窓と、窓から導出するインデックスタブ部分を有するインデックスタブ付き表示用紙とから成っていることを特徴とするものである。
上述のような特許文献1に開示される発明によれば、用紙やホルダー自体にラベルを貼り付けることなく、表題等を容易に表示することができる。
【0004】
特許文献2には「綴込ファイル」という名称で、綴込ファイル、特にファイル表紙の背表紙に綴じ具を取り付けてなり、各種の書類を綴じ込んで保管する綴込ファイルに関する発明が開示されている。
特許文献2に開示される発明は、文献中の符号をそのまま用いて説明すると、ファイル表紙1の背表紙13に綴じ具2を取付ける綴込ファイルであって、ファイル表紙1の背表紙13に所定の距離間隔を存して2個の係合孔16,17を相対して設けると共に、綴じ具2の底板21を背表紙13に取り付ける取付け手段4を設ける。前記取付け手段4の所定部を前記両係合孔16,17に係脱自在に係合して綴じ具2の底板21を背表紙13に固定するように構成されるものである。
上述のような特許文献2に開示される発明によれば、ファイル表紙と綴じ具を分別して廃棄することができると共に両者を再利用ないし再生利用することができる。
【0005】
特許文献3には「ハンガーファイル」という名称で、小冊子等の整理収納に用いる取り扱いに便利なファイルの構造に関する考案が開示されている。
特許文献3に開示されるハンガーファイルは、文献中に記載される符号をそのまま用いて説明すると、長方形の相対する1対の側板3、3、若しくはさらに、両側板の一側縁若しくは下縁にそれぞれ接続した接続板4を加えた外枠2の、両側板の間に両端又は一端をそれぞれに固着した細い丸棒5を架け渡し、該丸棒に、収納する小冊子に取り外し自在に挟み込まれる、又は直接取り付ける適宜のハンガーを複数個取り外し自在に吊り下げて成ることを特徴とするものである。
上述のような特許文献3に開示される考案によれば、多数の資料の収納のために全部を一体にとじる必要がなく、個別に吊り下げることにより特定の資料が必要となったときは、他の資料とは関係なくそれのみを取り出すことができ、戻す動作も簡単に済む。従って、従来のファイルと比較して、取り扱いが格段に容易で業務処理の能率化に資するところが極めて大きい。また、資料をとじることがないから、とじ穴により資料を傷つけることもなく、さらに、必要な資料のみを取り出すから利用にも便利、かつ、嵩張ることもなく持ち運びも容易で、特に、従来のファイルのように、他の資料をも同時に外すことがないから、他の資料を紛失するおそれが全くないというメリットを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−226591号公報
【特許文献2】特開2000−153688号公報
【特許文献3】実開平7−15372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示される発明においては、文献中に記載される符号をそのまま用いて説明すると、ホルダー本体20の閉じられた辺に設けられた窓30と窓30の間に突起が形成されているとみなすこともできるが、この突起状部分は、例えば、表表紙と背表紙と裏表紙とからなるファイルの背表紙に貫通孔を形成した場合その貫通孔にホルダー本体20を、着脱可能に掛止させるという機能は有していないので、沢山の資料や書類等を収容したファイルホルダー10をまとめて持ち運ぶ際に、ファイルホルダー10から資料や書類等がこぼれ落ちるのを防止することが難しかった。
【0008】
また、特許文献2に開示される発明においては、綴じ具2をファイル表紙1の背表紙13に着脱可能に掛止することができるものの、例えば、綴じ具2に綴じられている複数の袋状のホルダーから目的とするホルダーを1つ取り出す場合には、綴じ具4から綴じ軸28を備えた取り付け板27を取外し、さらに、目的とするホルダー上に重なっている他のホルダーを取り除く作業を行う必要があり煩雑であった。
つまり、ファイル表紙1に複数の袋状のホルダーが収容保持される場合に、目的とする1つのホルダーのみを、綴じ具2を操作することなくファイル表紙1から取外すことはできなかった。
【0009】
さらに、特許文献3に開示される考案を参照することによれば、複数の袋状のホルダーを束ねたものにハンガー1を取り付けた形態として利用することも可能である。この場合、例えば、上述の特許文献2に開示される発明と,特許文献3に開示される考案の技術内容を比較すると、目的とする1つのホルダーを外枠2から取り出す場合に、特許文献2に開示されるような綴じ具4を操作する必要がないので、ホルダーの取扱いが容易になるというメリットがある。
しかしながら、複数の袋状のホルダーの外縁を束ねて一体に固定した場合、個々の袋状のホルダー内に多くの資料や書類等を収容しようとすると、隣接するホルダーの厚みが邪魔になって、収容できる資料や書類等の量が制限されてしまうという不具合があった。
この場合、関連のある一連の資料や書類等を一つのホルダーにまとめて収容することができず、適切な分類や管理ができないという課題があった。
【0010】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、表表紙と背表紙と裏表紙とからなるファイルから、又は、表表紙と裏表紙とからなるファイルから、袋状又は半袋状のホルダーを、綴じ具等の操作を何ら行うことなく,個別に着脱可能とするためのホルダー掛止タブ、および、それを備えたホルダー、および、ホルダー掛止タブとして機能するL字形の突起を備えたホルダー,および,これらのホルダーを個別に着脱可能に収容保持するためのファイルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため請求項1記載の発明であるホルダー掛止タブは、袋状又は半袋状のホルダーをファイルに掛け止めるためのホルダー掛止タブであって、水平辺と垂直辺からなるT字形の平面材と、この平面材の裏面に塗布される接着剤と、平面材の裏面をその対称軸に沿って谷折りにして,水平辺の貼り合わせ部分でホルダーの外縁を挟着保持し、垂直辺の貼り合わせ部分はホルダーの外縁に間隙を有して形成され、平面材は、ホルダーの外縁に下向きL字形に突設されることを特徴とするものである。
上記構成の請求項1記載の発明において、T字形の平面材と接着剤は、その対称軸に沿って谷折りにして,水平辺の貼り合わせ部分でホルダーの外縁を挟着保持することでホルダーの外縁に下向きL字形に突設されるホルダー掛止タブを形成するという作用を有する。
そして、このホルダー掛止タブは、表表紙と裏表紙と背表紙を有するファイル本体,又は,表表紙と裏表紙とを有するファイル本体の、背表紙,又は,表表紙と裏表紙の間,に穿設され,ホルダー掛止タブを挿脱可能にする貫通孔の縁に掛止されることで、ファイル本体の中空部に請求項1記載のホルダー掛止タブを備えたホルダーを収容保持させるという作用を有する。
本願発明において、ホルダーの外縁とは、ホルダーの外周部分とその近傍を含む領域を指し示しており、ホルダーの内側(裏面側)と外側(表(おもて)面側)を含む概念である。
【0012】
請求項2記載の発明であるホルダー掛止タブは、袋状又は半袋状のホルダーをファイルに掛け止めるためのホルダー掛止タブであって、水平辺と垂直辺からなる一対のL字形の平面材と、この平面材の裏面に塗布される接着剤と、一対の平面材の裏面をその水平辺と垂直辺でそれぞれ符合させ,水平辺の貼り合わせ部分でホルダーの外縁を挟着保持し、垂直辺の貼り合わせ部分はホルダーの外縁に間隙を有して形成され、平面材は、ホルダーの外縁に下向きL字形に突設されることを特徴とするものである。
上記構成の請求項2記載の発明において、一対のL字形の平面材と接着剤は、一対の平面材の裏面をその水平辺と垂直辺でそれぞれ符合させ,水平辺の貼り合わせ部分で、垂直辺の貼り合わせ部分とホルダー外縁との間に間隙を有しながらホルダーの外縁を挟着保持することで、ホルダーの外縁に下向きL字形に突設されるホルダー掛止タブを形成するという作用を有する。
そして、請求項2記載のホルダー掛止タブは、請求項1記載のホルダー掛止タブと同じ作用を有する。
【0013】
請求項3記載の発明であるホルダー掛止タブは、袋状又は半袋状のホルダーをファイルに掛け止めるためのホルダー掛止タブであって、水平辺と垂直辺からなるL字形の平面材と、この平面材の水平辺の面の一部に塗布される接着剤と、平面材の水平辺の面の一部をホルダーの外縁に接着保持し、垂直辺はホルダーの外縁に間隙を有して形成され、平面材は、ホルダーの外縁に下向きL字形に突設されることを特徴とするものである。
上記構成の請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明における一対のL字形の平面材に代えて、単数のL字形の平面材を用い、さらに、この平面材の水平辺の面の一部に塗布される接着剤によりホルダーに接着されるものである。
つまり、請求項1及び請求項2記載の発明においては、一つ又は1対の平面材でホルダーの外縁を挟持することで、ホルダー掛止タブをホルダーの外縁に下向きL字形に突設するのに対して、請求項3記載の発明では、ホルダーの外縁の面に平面材を単に貼設するだけでホルダー掛止タブを形成するものである。
従って、請求項3記載の発明において、平面材と接着剤は、ホルダーの外縁に下向きL字形に突設されるホルダー掛止タブを形成するという作用を有する。
そして、請求項3記載のホルダー掛止タブは、請求項1記載のホルダー掛止タブと同じ作用を有する。
【0014】
請求項4記載の発明であるホルダーは、袋状又は半袋状に構成され,その外縁をファイルに掛け止めるためのホルダーであって、外縁に請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のホルダー掛止タブを少なくとも1つ備えたことを特徴とするものである。
上記構成の発明においてホルダー掛止タブは、請求項1乃至請求項3に記載のそれぞれのホルダー掛止タブと同じ作用を有する。
さらに、このホルダー掛止タブを備えたホルダーは、表表紙と裏表紙と背表紙を有するファイル本体,又は,表表紙と裏表紙とを有するファイル本体の、背表紙,又は,表表紙と裏表紙の間,に穿設され,ホルダー掛止タブを挿脱可能にする貫通孔の縁に掛止されることで、ファイル本体の中空部に請求項4記載のホルダーを収容保持させるという作用を有する。
【0015】
請求項5記載の発明であるホルダーは、袋状又は半袋状に構成され,その外縁をファイルに掛け止めるためのホルダーであって、水平辺と垂直辺からなるL字形の平面材と、ホルダーの外縁の面に塗布されて,平面材の貼付位置を特定するとともに,平面材の水平辺の面の一部をホルダーの外縁の面に接着保持する接着剤と、垂直辺はホルダーの外縁に間隙を有して配置され、平面材は、ホルダーの外縁に下向きL字形に突設されてホルダー掛止タブを形成することを特徴とするものでえある。
上記構成の請求項5記載の発明は、ホルダー掛止タブにおける接着剤を、平面材ではなくホルダーの外縁の面に塗布したものであり、請求項3記載のホルダー掛止タブと従来公知のホルダーの組合せ、すなわち、請求項4記載のホルダーと同じ作用を有する。
また、請求項5記載の発明では、接着剤を平面材にではなく、ホルダーの外縁の面に塗布することで、平面材をホルダーの外縁に貼設する際の位置決めを容易にするという作用を有する。
【0016】
請求項6記載の発明であるホルダーは、袋状又は半袋状に構成され,その外縁に下向きL字形のホルダー掛止タブが突設されることを特徴とするものである。
上記構成の請求項6記載のホルダーにおいて、外縁に突設される下向きL字形のホルダー掛止タブは、請求項1記載のホルダー掛止タブと同じ作用を有する。
そして、請求項6記載のホルダーは、請求項4記載のホルダーと同じ作用を有する。
【0017】
請求項7記載の発明であるホルダーは、請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載のホルダーであって、前記ホルダーは、その開口部の外縁に,ホルダー内の収容物の取り出しを容易にする少なくとも1つの切欠きを備えることを特徴とするものである。
上記構成の請求項7記載のホルダーは、請求項4乃至請求項6のそれぞれに記載の発明と同じ効果に加えて、切欠きは、ホルダー内に収容される収容物の一部を裸出させてその取り出しを容易にするという作用を有する。
【0018】
請求項8記載の発明であるファイルは、表表紙と裏表紙と背表紙を有して,少なくとも1つの請求項4乃至請求項7のいずれか1項に記載のホルダーを収容保持するためのファイルであって、表表紙と裏表紙の間に,ホルダーを収容可能であるファイル本体と、ファイルの背表紙に穿設され,下向きL字形のホルダー掛止タブの挿脱が可能な貫通孔とを有し、下向きL字形のホルダー掛止タブが貫通孔の縁に掛止することにより,個々のホルダーが着脱可能に収容保持されることを特徴とするものである。
上記構成の請求項8記載の発明において、表表紙と裏表紙と背表紙を有するファイル本体は、その中空部に請求項4乃至請求項7のいずれか1項に記載のホルダーを収容保持するという作用を有する。
また、背表紙(表表紙と裏表紙の間)に形成される貫通孔は、請求項4乃至請求項7のそれぞれに記載されるホルダーの外縁に形成されるホルダー掛止タブの挿脱を可能にするとともに、この貫通孔の外縁にホルダー掛止タブを掛止させるという作用を有する。
【0019】
請求項9記載の発明であるファイルは、表表紙と裏表紙を有して,少なくとも1つの請求項4乃至請求項7のいずれか1項に記載のホルダーを収容保持するためのファイルであって、表表紙と裏表紙の間に,ホルダーを収容可能であるファイル本体と、表表紙と裏表紙の折り返し部に穿設され,下向きL字形のホルダー掛止タブの挿脱が可能な貫通孔とを有し、下向きL字形のホルダー掛止タブが貫通孔の縁に掛止することにより,個々のホルダーが着脱可能に収容保持されることを特徴とするものである。
上記構成の請求項9記載のファイルは、請求項8記載のファイル本体における背表紙がない構造となっている。このため、請求項9記載のファイルにおいては、表表紙と裏表紙の折り返し部に貫通孔が穿設されている。
このような請求項9記載のファイルは、請求項8記載のファイルと同じ作用を有する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の請求項1記載の発明によれば、従来公知の袋状又は半袋状ホルダーの外縁に下向きL字形に突設されるホルダー掛止タブを形成することができる。
そして、ホルダー掛止タブを備えた従来公知のホルダーは、表表紙と裏表紙と背表紙を有するファイル本体の背表紙に穿設され,ホルダー掛止タブを挿脱可能にする貫通孔の縁に掛止することができる。あるいは、表表紙と裏表紙を有するファイル本体の表表紙と裏表紙の折り返し部分に穿設され,ホルダー掛止タブを挿脱可能にする貫通孔の縁に掛止することができる。
この結果、従来公知のホルダーを、ファイル本体とは別に綴じ具や止め具を何ら設けることなしに、ファイル本体の中空部に収容保持させることができる。
また、ファイル本体の中空部に収容保持された,請求項1記載のホルダー掛止タブを備えた従来公知のホルダーを取り出す場合、個々のホルダーを個別にファイル本体から取り出したり、あるいは、収容保持させることができるという効果を有する。
従来公知のホルダーファイルの場合、ホルダーファイルから個別にホルダーを着脱させることができないか、あるいは、個別にホルダーを着脱させることができたとしても、綴じ具や止め具の開閉作業を都度行い(作業1)、取り出す必要のない複数のホルダーとともに目的とするホルダーを取り出し(作業2)、その中から目的とするホルダーを取り出し(作業3)、さらにその後に、取り出す必要がなかったホルダーを再びホルダーファイルに戻す作業を行う必要があった(作業4)。
これに対して、請求項1記載のホルダー掛止タブを従来公知のホルダーの外縁に備えた場合で、かつ、表表紙と裏表紙と背表紙からなるファイル本体の背表紙に貫通孔を備えたものを用いる場合、あるいは表表紙と裏表紙からなるファイル本体の折り返し部分に貫通孔を備えたものを用いる場合には、上述した作業のうちの作業3のみを行うだけでファイル本体から目的とするホルダーを取り出すことができるという効果を有する。
つまり、請求項1記載の発明によれば、複数のホルダーを保持収容したファイルから、目的とするホルダーのみを極めて容易に取り出すことができ、また、使用済みのホルダーについても極めて容易にファイルに収容保持させることができるという効果を有する。
さらに、請求項1に記載のホルダー掛止タブを用いることで、上記ファイルの中空部に個々のホルダーを個別に独立した状態で収容保持することができるので、個々のファイル内に収納される書類や資料等の量が多い場合でも、ホルダー自体の厚み方向への膨大を許容して、一つのホルダー内に一度に多くの書類や資料を収容することができる。
【0021】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のホルダー掛止タブとほぼ同じ形態のものを、一対のL字形の平面材及び接着剤により形成したものである。また、別の言葉で言い換えると、請求項2記載の発明は、請求項1記載のホルダー掛止タブの平面材をその対称軸に沿って切断して分割したものであるといえる。
このため、その効果は請求項1記載の発明と同じである。
【0022】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のホルダー掛止タブとほぼ同じ形態のものを、1つのL字形の平面材及び接着剤により形成したものである。つまり、別の言葉で言い換えると、請求項3記載の発明は、請求項2記載のホルダー掛止タブを構成するL字形の平面材を1つだけ用い、袋状又は半袋状のホルダーの外縁にそれを単に貼設するだけで請求項1又は請求項2記載のホルダー掛止タブと同じ機能を発揮させることができるよう構成されるものである。
このため、その効果は請求項1記載の発明と同じである。
【0023】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のホルダー掛止タブを少なくとも1つ備えたホルダーであり、その効果は請求項1記載の発明における従来公知のホルダーに請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のホルダー掛止タブを取設したものと同じである。
【0024】
請求項5記載の発明は、ホルダー掛止タブのL字形の平面材に接着剤を塗布する代わりに、その接着剤をホルダーの外縁に予め塗布しておき、予め塗布された接着剤の位置に平面材を貼設するものである。このため、請求項5記載のホルダーの効果は、本願発明のホルダー掛止タブと従来公知のホルダーと組み合わせたものと同じである。
さらに、請求項5記載のホルダーによれば、ホルダーの外縁の面に接着剤が塗布されているので、L字形の平面材をホルダーに貼設する際の位置決めが極めて容易かつ正確である。
この結果、請求項5記載のホルダーを複数作成する際に、ホルダー掛止タブの取り付け位置をほぼ同じ位置に揃えることができるので、請求項8又は請求項9記載のファイルに請求項5記載のホルダーを収容保持した際の外観上の審美性を高めることができる。
【0025】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のホルダー掛止タブと同じ機能を有するものがホルダーの外縁に一体に設けられたものであり、その効果は請求項1記載の発明における従来公知のホルダーに請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のホルダー掛止タブを取設したものと同じである。
【0026】
請求項8又は請求項9記載の発明は、少なくとも1つの請求項3乃至請求項4のいずれか1項に記載のホルダーを収容保持するためのファイルであり、その効果は請求項1に記載されるファイルと同じである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】(a)は本発明の実施例1に係るホルダー掛止タブの概念図であり、(b)本発明の実施例1に係るホルダー掛止タブの展開図である。
【図2】本発明の実施例1に係るホルダー掛止タブの使用状態の一例を示す概念図である。
【図3】本発明の実施例1に係るホルダー掛止タブの使用状態の他の例を示す概念図である。
【図4】本発明の実施例1に係るファイル内に収容保持された状態を示す概念図である。
【図5】(a)〜(c)はいずれも本発明の実施例1に係るホルダーがファイル内に収容保持された状態を示す概念図である。
【図6】本発明の実施例1に係るファイルの変形例を示す概念図である。
【図7】本発明の実施例2に係るホルダー掛止タブの概念図である。
【図8】(a)は本発明の実施例3に係るホルダー掛止タブを正面側から見た概念図であり、(b)はその裏面側から見た概念図である。
【図9】本発明の実施例3に係るホルダー掛止タブの使用状態の一例を示す概念図である。
【図10】本発明の実施例4に係るホルダーの概念図である。
【図11】本発明の実施例5に係るホルダーの概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明の実施の形態に係るホルダー掛止タブおよびホルダーおよびファイルについて実施例1乃至5を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0029】
図1乃至図4を参照しながら本発明の実施例1に係るホルダー掛止タブについて説明する。
図1(a)は本発明の実施例1に係るホルダー掛止タブの概念図であり、(b)本発明の実施例1に係るホルダー掛止タブの展開図である。
図2は本発明の実施例1に係るホルダー掛止タブの使用状態の一例を示す概念図であり、図3は本発明の実施例1に係るホルダー掛止タブの使用状態の他の例を示す概念図である。
実施例1に係るホルダー掛止タブ1aは、図2又は図3に示すような、ホルダー本体4aやホルダー本体4bの外縁6aや外縁6bに少なくとも1つ取設されるものであり、図1(b)に示すように、水平辺2aと垂直辺2bとからなるT字形の平面材2と、この平面材2の裏面である塗布面2cに塗布される図示しない接着剤により構成されている。
そして、このような平面材2の塗布面2cをその対称軸3に沿って図1(a)に示すように谷折りにし、水平辺2aの端部2d近傍における貼り合わせ面2eにおいて、図2や図3に示すようにホルダー本体4aやホルダー本体4bの外縁6aや外縁6bを挟持保持しながら、平面材2の塗布面2cを重ねて貼り合わせて一体にすることで、ホルダー本体4aやホルダー本体4bの外縁6aや外縁6bに下向きL字形のホルダー掛止タブ1aを形成することができる。
なお、実施例1に係るホルダー掛止タブ1aの平面材2の塗布面2cに塗布される接着剤は、接着力の強いものや弱いものを含む概念である。つまり、接着力の強い接着剤を用いた場合には、ホルダー本体4aやホルダー本体4bからのホルダー掛止タブ1aの落脱を防止することができ、また、接着力の弱い接着剤を用いた場合には、不必要になったホルダー掛止タブ1aをホルダー本体4aやホルダー本体4bからスムースに取外すことができるという効果を有する。
なお、本実施例において図2や図3に示すホルダー本体4a,4bの外縁6a,6bとは、ホルダー本体4a,4bの外周部分とその近傍を含む領域を指し示している。また、特に図3に示すホルダー本体4bにおける外縁6bとは、ホルダー本体4bにおける開口部5bが形成される部分の,外周部分とその近傍を含む領域を指し示すものであり、この場合、ホルダー本体4bの内側(裏面側)と外側(表(おもて)面側)の区別はせず、いずれも含む概念である。なお、このようなホルダー本体4a,4bの外縁6a,6b定義については、以下に示す他の実施例においても同様である。
【0030】
そして、上述のような下向きL字形のホルダー掛止タブ1aが、例えば図2に示すような、開口部5aを有する袋状のホルダー本体4aにおける折り返し部分である外縁6aに少なくとも1つ設けられたものがホルダー7aである。
また、上述のようなホルダー掛止タブ1aが、図3に示すような、上方とそれに続く側面に開口部5bを有するような半袋状のホルダー本体4bの、開口部5bが形成される側に形成される一対の外縁6b,6bのそれぞれに、取り付け位置を変えながら1つずつ設けられたものがホルダー7bである。
なお、実施例1に係るホルダー7a,7bにおいては、少なくとも1つのホルダー掛止タブ1aを備えることで、後述のような効果を発揮させることは十分に可能であるが、ホルダー掛止タブ1aを2つ設けた場合の方がその機能はより安定したものになる。また、ホルダー本体4aやホルダー本体4bの外縁6aや外縁6bにホルダー掛止タブ1aを3つ以上設けることも可能であるが、ホルダー7aやホルダー7bの使用時の着脱がやや煩雑になるので、ホルダー掛止タブ1aを数多く設ける必要はない。
そして、図2及び図3に示されるような実施例1に係るホルダー掛止タブ1aを備えたホルダー7a,7bは、ホルダー本体4a,4bの中空部内に書類や資料等を収容保持することが可能である。
なお、図2や図3に示すように、実施例1に係るホルダー7a,7bの開口部5a,5bの外縁に切欠き部21を形成しておいてもよい。
この場合、ホルダー本体4aやホルダー本体4b内に収容される書類や資料の一部を、切欠き部21において裸出させておくことができるので、その取り出しを容易にすることができる。また、以下に示す他の実施例に係るホルダーのホルダー本体に上述のような切欠き部21を設けてもよい。
【0031】
次に、図4及び図5を参照しながら実施例1に係るファイル及びそれに収容保持されるホルダーの着脱方法について説明する。
図4は本発明の実施例1に係るファイル内に収容保持された状態を示す概念図である。また、図5(a)〜(c)はいずれも本発明の実施例1に係るホルダーがファイル内に収容保持された状態を示す概念図である。なお、図1乃至図3に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図4に示すように、実施例1に係るファイル9aは、表表紙10aと背表紙10bと裏表紙10cとからなるファイル本体10xの背表紙10bに、上述の実施例1に係るホルダー7a,7bに設けられるホルダー掛止タブ1aの挿脱を可能にするための貫通孔11が穿設されたものである。
このようなファイル9aの背表紙10bに穿設された貫通孔11に、ホルダー7a,7bの外縁に下向きL字形に突設されるホルダー掛止タブ1aを掛止めすることにより、ファイル9の中空部内にホルダー7aやホルダー7bを収容保持することが可能である。
この場合、ホルダー7a,7b自体の荷重、及び、これらの中に収容される書類や資料等の荷重をホルダー掛止タブ1aのみで支える必要があるので、ホルダー掛止タブ1aを構成する平面材2は、どのような材質により構成してもよいが、ホルダー7a,7bを書類や資料等とともにファイル9aに収容保持して持ち運ぶ際に、ホルダー掛止タブ1aが裂けたり破損することがないよう十分な形状保持性を有するものにしておく必要がある。
【0032】
ここで実施例1に係るホルダー掛止タブ1aの装着方法について図5を参照しながら説明する。図5(a)〜(b)はいずれも図4中の符号A−A線矢視断面図である。
上述のような実施例1に係るファイル9aにホルダー7a,7bを装着するには、まず、図5(a)に示すように、ファイル9aの内側において、例えば、ホルダー7aのホルダー掛止タブ1aと、ファイル9aの背表紙10bに穿設される貫通孔11とが互いに対峙するようにホルダー7aを配置してから、図5(b)に示すように、ホルダー7aのホルダー掛止タブ1aを、背表紙10bに形成される貫通孔11に挿通させ、この後、ホルダー7aを鉛直下方に下ろして下向きL字形に突設されるホルダー掛止タブ1aを貫通孔11の縁11aに掛止めすればよい。
また、実施例1に係るファイル9aから、ホルダー7aを取外す際には、図5(a)〜(c)に示す手順の逆を行なえばよい。
【0033】
このような実施例1に係るファイル9aを用いることによれば、実施例1に係るホルダー掛止タブ1aを備えたホルダー7aやホルダー7bを、個別にファイル9から着脱することができる。
つまり、実施例1に係るファイル9aによれば、ホルダー7aやホルダー7bを着脱させるために、ファイル9aと別体の綴じ具や止め具を設ける必要が一切ない上、それらを操作する必要も全くない。この場合、ファイル本体10xを例えば、紙や合成樹脂等の単一の材質から構成することができるので、廃棄する際の分別回収が極めて容易になる。
しかも、実施例1に係るファイル9aを用いた場合、個々のホルダー7aやホルダー7bは独立した状態でファイル9aに収容保持されるので、個々のホルダー7aやホルダー7b内に多量の書類や資料等が収容された場合に、その厚み方向への膨大を許容することができる。このため、個々のホルダー7aやホルダー7bに多量の書類や資料等を一度に収容することが可能になる。
従って、実施例1に係るファイル9aによれば、関連する書類や資料等の量が覆い場合でも、複数のホルダーに分割して収容する必要がないので、様々な種類の書類や資料をひとまとめにして収容することができる。
しかも、特にホルダー7bをファイル9aに収容した場合、ホルダー本体4bの側面に形成される開口部5bと、ファイル9aの背表紙10bが対向した状態になるので、ホルダー7bの収容物が外にこぼれ落ちるのを確実に防止することができる。
これにより、ホルダー7aやホルダー7bをファイル9aに収容した場合にその持ち運びも容易にすることができる。
そして、実施例1に係るホルダー掛止タブ1aを用いることで、従来公知のホルダー本体4aやホルダー本体4bを、実施例1に係るファイル9aに使用可能なホルダー7aやホルダー7bとすることができる。このため、従来公知の袋状又は半袋状のホルダーの汎用性を高めることができるという効果を有する。
【0034】
ここで、図6を参照しながら実施例1に係るファイルの変形例について説明する。図6は本発明の実施例1に係るファイルの変形例を示す概念図である。なお、図1乃至図5に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
先の実施例1に係るファイル9aとして、表表紙10aと背表紙10bと裏表紙10cとからなるファイル本体10xの背表紙10bに、ホルダー掛止タブ1aの挿脱を可能にするための貫通孔11が穿設されたものを用いたが、これより薄いタイプのファイル本体10yを用いることも可能である。より具体的には、表表紙10aと裏表紙10bとからなるファイル本体10yの折り返し部10dに、ホルダー掛止タブ1aの挿脱を可能にするための貫通孔11(スリット)が穿設されたものを用いてもよい。このようなファイル9bを用いた場合には収容可能なホルダー数が背表紙10bを有するファイル9aよりも少なくなるが、薄型となって持ち運びには便利である。
【実施例2】
【0035】
本発明の実施例2に係るホルダー掛止タブについて図7を参照しながら説明する。
図7は本発明の実施例2に係るホルダー掛止タブの概念図である。なお、図1乃至図6に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例2に係るホルダー掛止タブ1bは、簡単に説明すると、図1に示す実施例1に係るホルダー掛止タブ1aの平面材2を、対称軸3において切り分けて分割したものである。
より具体的には、実施例2に係るホルダー掛止タブ1bは、水平辺12aと垂直辺12bとからなる一対のL字形の平面材12と、この一対の平面材12の対向するそれぞれの面である塗布面12cに塗布される接着剤からなるものである。
このようなホルダー掛止タブ1bは、一対の平面材12の塗布面12cの水平辺12aと塗布面12cとを符合させながら貼り合わされ、このとき、水平辺12aの端部12d近傍における貼り合わせ部分12eにおいて、図2や図3に示すホルダー本体4a,4bの外縁6a,6bを挟持保持することで、ホルダー本体4aやホルダー本体4bの外縁に下向きL字形に突設される。
なお、実施例2に係るホルダー掛止タブ1bの平面材12の塗布面12cに塗布される接着剤は、実施例1に係る平面材2の塗布面2cに塗布される接着剤と同じである。
このような実施例2に係るホルダー掛止タブ1bは、実施例1に係るホルダー掛止タブ1aと同じ効果を有する。
また、実施例2に係るホルダー掛止タブ1bを、図2や図3に示すホルダー本体4a,4bの外縁6a,6bに取り付けることで、図2や図3に示すホルダー7a,7bと同じ形態のホルダーを提供することができる。
また、実施例2に係るホルダー掛止タブ1bを備えたホルダーを収容保持するためのファイルは、図4又は図6に記載のファイル9aやファイル9bと同じであるため、ここではその構成、作用、効果についての詳細な説明は省略する。
【実施例3】
【0036】
本発明の実施例3に係るホルダー掛止タブについて図8を参照しながら説明する。
図8(a)は本発明の実施例3に係るホルダー掛止タブを正面側から見た概念図であり、(b)はその裏面側から見た概念図である。また、図9は本発明の実施例3に係るホルダー掛止タブの使用状態の一例を示す概念図である。なお、図1乃至図7に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例3に係るホルダー掛止タブ1cは、簡単に説明すると、図7に示す実施例2に係るホルダー掛止タブ1bを構成するL字型の平面材12を1対ではなく1つのみ用い、それをホルダー本体4aやホルダー本体4bの外縁6bの面に貼設可能としたものである。なお、この場合、ホルダー本体4aやホルダー本体4bの外縁6bの面とは、ホルダー本体4aやホルダー本体4bの,内側(裏面側)と外側(表面側)の区別はせず、いずれも含む概念である。
より具体的には、実施例3に係るホルダー掛止タブ1cは、水平辺18aと垂直辺18bとからなるL字形の平面材18と、この平面体18における水平片18aの端部18d近傍の面に設けられる接着剤19の塗布面18cと、この塗布面18cに塗布される接着剤19により構成されるものである。
なお、実施例3に係る平面体18の塗布面18cに塗布される接着剤は、上述の実施例1に係るホルダー掛止タブ1aに用いられる接着剤と同じものを用いることができる。また、ホルダー掛止タブ1cの水平片18aの端部18d近傍の面においても、表裏いずれかの面を区別するものではなく、いずれも含む概念である。
このようなホルダー掛止タブ1cは、先の図2や図3に示すような袋状又は半袋状のホルダー本体4a,4bの外縁6a,6bの面に、実施例3に係るホルダー掛止タブ1cを貼設することで、その外縁6a,6bに下向きL字形のホルダー掛止タブを形成することができる。
【0037】
そして、例えば、図3に示すような半袋状のホルダー本体4bに、図8に示すホルダー掛止タブ1cを貼設した状態の一例を示したものが図9であり、これが実施例3に係るホルダー7cである。
図9に示すように、実施例3に係るホルダー7cは、ホルダー本体4bの開口部5bが形成される一対の外縁6bのそれぞれに、互いにその取り付け位置を変えながら、例えば、ホルダー掛止タブ1cを2つ貼設してもよい。
あるいは、特に図示しないが、ホルダー本体4bの開口部5bが形成される一対の外縁6bのそれぞれに対を成すように、かつ、その取り付け位置を変えながら、例えば、4つのホルダー掛止タブ1cを貼設してもよい。
このような実施例3に係るホルダー掛止タブ1cは、実施例1に係るホルダー掛止タブ1aと同じ効果を有する。
また、実施例3に係るホルダー掛止タブ1cを備えたホルダーを収容保持するためのファイルは、図4又は図6に記載のファイル9aやファイル9bと同じであるため、ここではその構成、作用、効果についての詳細な説明は省略する。
【実施例4】
【0038】
実施例4に係るホルダーについて図10を参照しながら説明する。
図10は本発明の実施例4に係るホルダーの概念図である。なお、図1乃至図9に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図10に示すように、実施例4に係るホルダー20は、例えば、図3に示すような、その上部と一方の側面に連続した開口部5bを有するホルダー本体4bと、このホルダー本体4bの外縁6bに貼設されて,下向きL字形のホルダー掛止タブを形成する平面体18とにより構成されるものであり、特に、ホルダー本体4bの外縁6bに、平面体18の端部18d近傍を接着保持させるための接着剤を塗布した点に特徴を有するものである。
このような実施例4に係るホルダー20は、ホルダー本体4bの外縁6bに平面体18を貼設するための接着剤19は、平面体18の面ではなくホルダー本体4bの外縁6bの面に塗布されたものであるので、ホルダー本体4bに平面体18を貼設した状態のものは、図9に示すホルダー7cと同一である。
なお、図3に示すホルダー本体4bに代えて、図2に示すホルダー本体4aを用いてもよい。
また、実施例4に係るホルダー20において、接着剤19の塗布位置であるホルダー本体4aやホルダー本体4bの外縁6bの面とは、ホルダー本体4aやホルダー本体4bの,内側(裏面側)と外側(表面側)の区別はせず、いずれも含む概念である。
【0039】
このような実施例4に係るホルダー20は、上述の実施例1乃至3に記載のホルダー掛止タブ1a〜1cを従来公知のホルダー本体4aやホルダー本体4bに貼設してなるホルダー7a〜7cと同じ効果を有する。
また、実施例4に係るホルダー掛止タブ1cを備えたホルダーを収容保持するためのファイルは、図4又は図6に記載のファイル9aやファイル9bと同じであるため、ここではその構成、作用、効果についての詳細な説明は省略する。
さらに、実施例4に係るホルダー20の場合、平面体18を貼り付けるための接着剤19がホルダー本体4bの外縁6bの面に予め塗布されているため、平面体18を貼設する際にその取り付け位置を常に特定することができる。
この場合、複数のホルダー20を作製する場合に、平面体18のホルダー本体4bにおける貼り付け位置を揃えることができるので、平面体18の貼付け時のミスを防止することができる。
すなわち、ホルダー本体4aやホルダー本体4bに平面体18を貼り付けて、ホルダー20とした場合に、その取り付け位置が不適切でファイル9aやファイル9bの貫通孔11に、ホルダー掛止タブ1cを挿通させることができないといった不具合や、ホルダー掛止タブ1cの貼り直しにかかる手間を省くことができる。
しかも、図4又は図6に記載のファイル9aやファイル9bにホルダー20を収納保持した際に、貫通孔11から裸出するホルダー掛止タブ1cの水平面上における高さ(レベル)を揃えることができるので、ファイル9aやファイル9bの外観上の審美性を高めることができる。
【0040】
なお、上述の実施例1乃至3に係るホルダー掛止タブ1a〜1cにおいても、平面材2,12,18をホルダー本体4a又はホルダー本体4bの外縁に貼設するための接着剤を、平面材22,12,18の塗布面2c,12c,18cに塗布する代わりに、ホルダー本体4a又はホルダー本体4bの外縁6aや外縁6bの面に予め塗布しておくことで、ホルダー本体4a又はホルダー本体4bにおけるホルダー掛止タブ1a〜1cの貼設位置を特定することが可能となる。
この場合、上記ホルダー20と同じの効果を発揮させることができる。
【実施例5】
【0041】
本発明の実施例5に係るホルダーについて図11を参照しながら説明する。
図11は本発明の実施例5に係るホルダーの概念図である。なお、図1乃至図10に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図11に示すように、実施例5に係るホルダー13は、例えば、その上部と一方の側面に、連続した開口部15を有するホルダー本体14の開口部15が形成される側の外縁16に下向きL字形のホルダー掛止タブ17が突設されたものである。
すなわち、実施例1に係るホルダー7a又はホルダー7bを構成するホルダー掛止タブ1aと、ホルダー本体4a又はホルダー本体4bとが、実施例5に係るホルダー13では同じ材質で一体に作られたものである。
なお、図11に示す実施例3に係るホルダー13では、開口部15が形成される側の外縁16,16に一対のホルダー掛止タブ17が設けられた場合を例に挙げて説明しているが、先の図3に示すホルダー7bのように、ホルダー掛止タブ17を、ホルダー本体14の開口部15が形成される外縁16,16のどちらか一方にのみ設けてもよい。
あるいは、先の図3に示すホルダー7aのように、袋状のホルダー本体4aの外縁6aに一体にホルダー掛止タブ17を設けてもよい。
いずれの場合も、上述の実施例1に係るホルダー7aやホルダー7bと同じ効果を有する。
なお、実施例3に係るホルダー13においては、ホルダー掛止タブ17を十分な形状保持性を有する材質で構成しておく必要がある。
このような実施例3に係るホルダー13は、実施例1に係るホルダー7aやホルダー7bと同様の効果を有する。また、実施例3に係るホルダー13は、先の図4又は図6に示すファイル9aやファイル9bに収容保持される。
【0042】
なお、上述の実施例1乃至3に係るホルダー掛止タブ1a〜1c、及び、これらと従来公知のホルダーを組み合わせたもの(ホルダー)、及び、実施例1乃至5に係るホルダーのホルダー掛止タブは、ファイル9a又はファイル9bに収容保持した際に、貫通孔11から背表紙10b又は折り返し部10dの外に裸出するので、この裸出部分に文字等を記載可能にすることにより、ホルダー掛止タブをインデックスとしても使用可能とすることができる。
なお、ホルダーの外縁に形成される下向きL字形のホルダー掛止タブを、インデックスとして使用可能にする手段としては、その材質自体に文字等を筆記具で直接記載可能としてもよいし、2つのホルダー掛止タブが対をなしていたり、重なり合って1つのホルダー掛止タブ構成する場合には、ホルダー掛止タブ自体を透明体又は半透明体により構成し、その内側や外側に文字等を直接記載可能にしたり、又は、シール等を貼付可能としたり、あるいは、袋状のホルダー掛止タブの内部に文字等を記載したカードを挿脱可能としてもよい。
この場合、ファイル9aやファイル9bと実施例1乃至5のいずれかに記載のホルダーを単独で,あるいは、組み合わせて用いることで、収容する書類の多少に関わらず確実にホルダーを収納することができ、しかも、個々のホルダーの収納と取出しが極めて簡便であり、その中味についてもインデックスの機能を利用して容易に確認することができる。
この結果、書類や資料の分類整理に特に優れた文具を提供することができるという効果を有する。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上説明したように本発明は、袋状又は半袋状のホルダーをファイルに掛け止めるためのホルダー掛止タブ、および、それを備えたホルダー、および、外縁に下向きL字形のホルダー掛止タブが突設されたホルダー、および、これらのホルダーを収容保持するためのファイルに関するものであり、文具や日用品に関する分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0044】
1a〜1c…ホルダー掛止タブ 2…平面材 2a…水平辺 2b…垂直辺 2c…塗布面 2d…端部 2e…貼り合わせ部分 3…対称軸 4a…ホルダー本体 4b…ホルダー本体 5a,5b…開口部 6a,6b…外縁 7a〜7c…ホルダー 9a,9b…ファイル 10x,10y…ファイル本体(平面材) 10a…表表紙 10b…背表紙 10c…裏表紙 10d…折り返し部 11…貫通孔 11a…縁 12…平面材 12a…水平辺 12b…垂直辺 12c…塗布面 12d…端部 12e…貼り合わせ部分 13…ホルダー 14…ホルダー本体 15…開口部 16…外縁 17…ホルダー掛止タブ 18…平面材 18a…水平辺 18b…垂直辺 18c…塗布面 18d…端部 19…接着剤 20…ホルダー 21…切欠き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋状又は半袋状のホルダーをファイルに掛け止めるためのホルダー掛止タブであって、
水平辺と垂直辺からなるT字形の平面材と、
この平面材の裏面に塗布される接着剤と、
前記平面材の裏面をその対称軸に沿って谷折りにして,前記水平辺の貼り合わせ部分で前記ホルダーの外縁を挟着保持し、
前記垂直辺の貼り合わせ部分は前記ホルダーの外縁に間隙を有して形成され、前記平面材は、前記ホルダーの外縁に下向きL字形に突設されることを特徴とするホルダー掛止タブ。
【請求項2】
袋状又は半袋状のホルダーをファイルに掛け止めるためのホルダー掛止タブであって、
水平辺と垂直辺からなる一対のL字形の平面材と、
この平面材の裏面に塗布される接着剤と、
前記一対の平面材の裏面をその水平辺と垂直辺でそれぞれ符合させ,前記水平辺の貼り合わせ部分で前記ホルダーの外縁を挟着保持し、
前記垂直辺の貼り合わせ部分は前記ホルダーの外縁に間隙を有して形成され、前記平面材は、前記ホルダーの外縁に下向きL字形に突設されることを特徴とするホルダー掛止タブ。
【請求項3】
袋状又は半袋状のホルダーをファイルに掛け止めるためのホルダー掛止タブであって、
水平辺と垂直辺からなるL字形の平面材と、
この平面材の水平辺の面の一部に塗布される接着剤と、
前記平面材の水平辺の面の一部を前記ホルダーの外縁に接着保持し、
前記垂直辺は前記ホルダーの外縁に間隙を有して形成され、前記平面材は、前記ホルダーの外縁に下向きL字形に突設されることを特徴とするホルダー掛止タブ。
【請求項4】
袋状又は半袋状に構成され,その外縁をファイルに掛け止めるためのホルダーであって、前記外縁に請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のホルダー掛止タブを少なくとも1つ備えたことを特徴とするホルダー。
【請求項5】
袋状又は半袋状に構成され,その外縁をファイルに掛け止めるためのホルダーであって、
水平辺と垂直辺からなるL字形の平面材と、
前記ホルダーの外縁の面に塗布されて,前記平面材の貼付位置を特定するとともに,前記平面材の水平辺の一部を前記ホルダーの外縁の面に接着保持する接着剤と、前記垂直辺は前記ホルダーの外縁に間隙を有して配置され、前記平面材は、前記ホルダーの外縁に下向きL字形に突設されてホルダー掛止タブを形成することを特徴とするホルダー。
【請求項6】
袋状又は半袋状に構成され,その外縁に下向きL字形のホルダー掛止タブが突設されることを特徴とするホルダー。
【請求項7】
前記ホルダーは、その開口部の外縁に,前記ホルダー内の収容物の取り出しを容易にする少なくとも1つの切欠きを備えることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載のホルダー。
【請求項8】
表表紙と裏表紙と背表紙を有して,少なくとも1つの請求項4乃至請求項7のいずれか1項に記載のホルダーを収容保持するためのファイルであって、
前記表表紙と裏表紙の間に,前記ホルダーを収容可能であるファイル本体と、
前記ファイルの背表紙に穿設され,前記下向きL字形のホルダー掛止タブの挿脱が可能な貫通孔とを有し、
前記下向きL字形のホルダー掛止タブが前記貫通孔の縁に掛止することにより,個々の前記ホルダーが着脱可能に収容保持されることを特徴とするファイル。
【請求項9】
表表紙と裏表紙を有して,少なくとも1つの請求項4乃至請求項7のいずれか1項に記載のホルダーを収容保持するためのファイルであって、
前記表表紙と裏表紙の間に,前記ホルダーを収容可能であるファイル本体と、
前記表表紙と裏表紙の折り返し部に穿設され,前記下向きL字形のホルダー掛止タブの挿脱が可能な貫通孔とを有し、
前記下向きL字形のホルダー掛止タブが前記貫通孔の縁に掛止することにより,個々の前記ホルダーが着脱可能に収容保持されることを特徴とするファイル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−183591(P2011−183591A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−48933(P2010−48933)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【特許番号】特許第4690488号(P4690488)
【特許公報発行日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(510063203)
【Fターム(参考)】