説明

ホルダー

【課題】 通勤電車内などの狭い空間では新聞を読む事が困難であるが、効率的な器具は考案されていない。
【解決手段】 第1の板、および、第2の板を有し、前記第1および第2の板を連結する側面連結部を有し、少なくとも第1の板が透明であり、前記第1の板と前記側面連結部は略線状に連結され、前記略線状の連結部と前記第2の板との間隔が3mm以下であり、前記第1の板は前記略線状の連結部を中心に90度以上回転する事を特徴とする、ホルダーを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新聞などを保持し読みやすくするホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
通勤電車内で新聞を読みたい人が多い。しかし、新聞を拡げて読む空間が無い。狭い空間でも効率的に読む便利な器具が求められている。
【0003】
そこで、図12の様なホルダーが提案されている(特許文献1)。図12において、201は透明薄板、202は透明小薄板である。新聞を2枚の透明薄板201の間に挟み、透明薄板201よりはみ出した新聞の端を折り返し、透明小薄板202に差し込む。2枚の透明薄板201を開閉して新聞を読む。しかし、図12のホルダーでは、2枚の透明薄板201の外側に透明小薄板202を取り付ける必要があり、構造が複雑であり、製造コストが高くなる。
【0004】
あるいは、図13の様なホルダーも提案されている(特許文献2)。図13において、301は透明板、302は背幅部、303はクリップである。2枚の透明板301を背幅部302で連結している。背幅部302の内側にはクリップ303を取り付け、新聞の中央の折り部をクリップ303に装着する。2枚の透明板301を開閉して新聞を読む。しかし、新聞の上端のみをクリップで固定するので、透明板301を開閉する際に、新聞束がばらける可能性がある。
【特許文献1】実開平2−41981号公報
【特許文献2】特開2004−82508号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前述の課題を解決するもので、狭い空間でも新聞などを効率的に読む事ができ、製造コストが低く、新聞などを安定に挟む事ができる、ホルダーを提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のホルダーは、第1の板、および、第2の板を有し、前記第1および第2の板を連結する側面連結部を有し、少なくとも第1の板が透明であり、前記第1の板と前記側面連結部は略線状に連結され、前記略線状の連結部と前記第2の板との間隔が3mm以下であり、前記第1の板は前記略線状の連結部を中心に90度以上回転する事を特徴とする。
【0007】
好ましくは、前記側面連結部が弾性変形し、前記略線状の連結部と前記第2の板との間隔が変化する。この事により、厚い紙束も挟む事ができる。
【0008】
あるいは、本発明のホルダーは、前記第1の板の厚みは、前記略線状の連結部近傍の略帯状領域において、他の領域より薄い事を特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のホルダーを用いれば、通勤電車内の様な狭い空間でも、新聞などの束を安定に挟み、折り畳んで、効率的に読む事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1のホルダーを閉じた場合の外観図である。図1において、101は第1の板、102は第2の板、103は第1の板と第2の板を連結する側面連結部である。104は側面連結部103と第1の板101を連結する線状の連結部であり、この連結部を中心に第1の板101は回転する。
【0012】
図2は、本発明の実施形態1のホルダーを開いた場合の外観図である。図2において図1と同じ構成要素には同じ符号を付け説明を省略する。図2では、第1の板101は線状の連結部104を中心に90度以上回転して開いた場合を示している。
【0013】
図3は、本発明の実施形態1のホルダーに新聞を挟んだ場合を示す図である。図3において図1および図2と同じ構成要素には同じ符号を付け説明を省略する。新聞は右側で紙を折り畳んで束ねられている。その折り部を、ホルダーの第2の板102と線状の連結部104の間に差し込む。第1の板が透明ならば、図3の状態で新聞の第1面を読む事ができる。
【0014】
図4は、本発明の実施形態1のホルダーに挟んだ新聞の第1面を折り返した場合を示す図である。図4において図1ないし図3と同じ構成要素には同じ符号を付け説明を省略する。図2における第1の板101の端部105(あるいは図3における端部105)に沿って、新聞の第1面が折られている。この状態では、新聞の第2面の右側を読む事をできる。
【0015】
図5は、本発明の実施形態1のホルダーに挟んだ新聞の第2面以降も折り返した場合を示す図である。図5において図1ないし図3と同じ構成要素には同じ符号を付け説明を省略する。図2における第2の板102の端部106に沿って、新聞の第2面以降が折られている。この状態では、新聞を折り畳んだホルダーの表裏を返せば第3面の左側を読む事をできる。
【0016】
図6は、本発明の実施形態1のホルダーに挟んだ新聞を開いた場合を示す図である。第1の板101は線状の連結部104を中心に回転できるので、折り畳んだ新聞を連結部104を中心に開く事ができる。この状態では、新聞の第2面の左側、および第3面の右側を読む事ができる。表裏が第3面と第4面の紙を線状の連結部104を中心に折れば、新聞の第4面以降も、同様に読む事ができる。
【0017】
図7は、本発明の実施形態1のホルダーの断面図である。図7において図1ないし図3と同じ構成要素には同じ符号を付け説明を省略する。図8はこのホルダーの側面連結部付近を拡大した断面図である。第2の板102と線状の連結部104の間に新聞束を挟む。その間隔Wは新聞束の厚さ程度に設定し、3mm以下である。厚い新聞束の場合もあるので、側面連結部103が弾性変形し、間隔Wが若干大きくできれば好ましい。側面連結部103は、一般に樹脂で作られるので弾性変形可能である。また、新聞の記事が載った部分と、新聞紙束の折り畳んだ端部との間隔は、一般に約1cmであり、図8の長さTも1cm程度に設定すれば便利である。
【0018】
本発明のホルダーは、低コストで製造する事ができる。例えば、1枚の樹脂板を温め、折って、塑性変形させて形成する。
【0019】
以上の様に、本発明のホルダーを用いれば、新聞束を線状に挟んで保持する事ができ、通勤電車内の様な狭い空間でも安定に効率的に折り畳んで読む事ができる。
(実施形態2)
【0020】
図9は、本発明の実施形態2のホルダーの断面図である。図9において図1ないし図8と同じ構成要素には同じ符号を付け説明を省略する。第1の板の厚さが、略線状の連結部104近傍の帯状領域107では薄くなっている。帯状領域107は自由に湾曲できる。この場合は、図6において、新聞の第1面および第2面(すなわち1枚目)を第3面以降の裏側に、更に折り畳む事ができ、より狭い空間でも効率的に新聞を読む事ができる。
【0021】
側面連結部の断面形状は、実施形態1および実施形態2の形状に限らない。例えば、図10あるいは図11の様な形状でも良い。図10および図11において、図1ないし図9と同じ構成要素には同じ符号を付け説明を省略する。図10の108は側面連結部の他の例であり、図11の109は側面連結部の更に他の例である。
【0022】
以上に開示した実施形態1および2はいずれも本発明の一例を示したに過ぎず、本発明はこれらの実施形態により制限的に解釈されない。本発明の範囲は上記の実施形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明のホルダーは新聞ホルダーに有用である。また、書類束を挟んで効率的に読む器具にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態1におけるホルダーを閉じた場合の外観図。
【図2】本発明の実施形態1におけるホルダーを開いた場合の外観図。
【図3】本発明の実施形態1のホルダーに新聞を挟んだ場合を示す図。
【図4】本発明の実施形態1のホルダーに挟んだ新聞の第1面を折り畳んだ場合を示す図。
【図5】本発明の実施形態1のホルダーに挟んだ新聞の第2面以降も折り畳んだ場合を示す図。
【図6】本発明の実施形態1のホルダーに挟んだ新聞を開いた場合を示す図。
【図7】本発明の実施形態1のホルダーの断面図。
【図8】本発明の実施形態1のホルダーの側面連結部付近を拡大した断面図。
【図9】本発明の実施形態2のホルダーの断面図。
【図10】本発明のホルダーの異なる側面連結部の断面図。
【図11】本発明のホルダーの更に異なる側面連結部の他の断面図。
【図12】従来のホルダーの説明図。
【図13】他の従来のホルダーの説明図。
【符号の説明】
【0025】
101 第1の板
102 第2の板
103 側面連結部
104 略線状の連結部
105 第1の板の端部
106 第2の板の端部
107 略線状の連結部近傍の帯状部
108 側面連結部の他の例
109 側面連結部の更に他の例
201 透明薄板
202 透明小薄板
301 透明板
302 背幅部
303 クリップ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の板、および、第2の板を有し、前記第1および第2の板を連結する側面連結部を有し、少なくとも第1の板が透明であり、前記第1の板と前記側面連結部は略線状に連結され、前記略線状の連結部と前記第2の板との間隔が3mm以下であり、前記第1の板は前記略線状の連結部を中心に90度以上回転する事を特徴とするホルダー。
【請求項2】
前記側面連結部が弾性変形し、前記略線状の連結部と前記第2の板との間隔が変化する請求項1に記載のホルダー。
【請求項3】
前記第1の板の厚みは、前記略線状の連結部近傍の略帯状領域において、他の領域より薄い請求項1に記載のホルダー。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate