ホルダ付き空気清浄器
揮発性材料を放出するように構成された装置は、前面及び後面を有するディスプレー・フレームを含む。前記前面には、開口部が設けられている。前記ディスプレー・フレーム内に、散布器が配置される。この散布器は、揮発性材料を保持するブリスターを備え、このブリスターの開放端にわたって、透過性膜が広がっている。前記後面は、第1状態と第2状態との間で動作可能な一体型脚部材を含む。前記透過性膜は、前記前面付近に位置し、第1状況では前記揮発性材料を放出させないようにすると共に、第2状況では前記開口部を通して前記揮発性材料を放出させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
該当なし
【0002】
連邦支援の研究又は開発に関する参照
該当なし
【0003】
連続リスト
該当なし
【0004】
本発明は、広く、揮発性材料散布システムに関し、より詳細には、調節可能なチップボード・ホルダと組み合わされた揮発性材料散布器に関する。
【背景技術】
【0005】
職場や家庭に香りをもたらすのに、揮発性材料散布器が用いられてきた。このような散布器の1つとして、写真立てとポプリホルダを組み合わせた装飾的デザインがある。このデザインは、互いに角度を成す前面パネル及び後面パネルを含む。前面パネルの中央には凹みがあり、写真を挿入する領域が設けられている。これらの前面パネルと後面パネルとを、ブリッジがつないでいる。
【0006】
別のこのような散布器の装飾的デザインとして、空気清浄器と写真立てを組み合わせたものが挙げられる。この写真立ては前面及び後面を含み、前面には外側に延出する2つの長方形をした段付き部分があり、後面は平面である。この写真立ての上部付近には、前面及び後面を貫通する穴が開いている。
【0007】
更に別の散布器は、第1パネル及び第2パネルを含む。これらの第1パネルと第2パネルとを基部が結合することによって、この散布器をテント型に支持する台がもたらされる。第2側面パネルからは、タブが延出している。このタブを捕らえる手段が、第1側面パネルに設けられている。これらの側面パネルのうちの一方には、揮発性材料が充填された容器を取り付けるための開口部が設けられている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、揮発性材料を放出するように構成された装置は、前面及び後面を有するディスプレー・フレームを含む。前記前面には、開口部が設けられている。前記ディスプレー・フレーム内に、散布器が配置される。この散布器は、揮発性材料を保持するブリスターを備え、このブリスターの開放端にわたって、透過性膜が広がっている。前記後面は、第1状態と第2状態との間で動作可能な一体型脚部材を含む。前記透過性膜は、前記前面付近に位置し、第1状況では前記揮発性材料を放出させないようにすると共に、第2状況では前記開口部を通して前記揮発性材料を放出させる。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、組み立てて散布システムにするように構成されたほぼ平らなブランクは、第1開口部にわたって広がる取り外し可能なカバーを備えた第1壁部を含む。第2壁部は、第1の折り目を中心にヒンジによって前記第1壁部の第1端部につながっている。第3壁部は、第2の折り目を中心にヒンジによって前記第2壁部の端部につながっている。この第3壁部は、更に、第2開口部を含む。第4壁部は、第3の折り目を中心にヒンジによって前記第1壁部の第2端部につながっている。この第4壁部は、更に、揮発性材料を保持する散布器のリザーバを受容するように構成された第3開口部を含む。前記第2開口部及び前記第3開口部は、ほぼ同じサイズであり、第1使用位置では互いに揃えられる(同一面となる)ように構成されている。
【0010】
本発明の更に別の実施形態によれば、揮発性材料散布器を作動させる方法は、第1面及び第2面を有する逆V字型構造を準備するステップを含む。前記第1面は、揮発性材料散布カートリッジを保持し、前記第2面は、第1位置と第2位置との間で動作可能な支持部材を含む。別のステップは、前記揮発性材料散布カートリッジを機能させることから成る。別のステップは、前記支持部材を前記第1位置及び前記第2位置の少なくとも一方に配置することから成る。前記第1位置は、前記支持部材が前記第1面とほぼぴったりと重なることを特徴とし、前記第2位置は、前記支持部材が前記逆V字型構造を支持できる距離だけ前記第1面から角度をつけられていることを特徴とする。
【0011】
本発明のその他の態様及び利点は、以下の詳細な説明を読むと共に図面を参照すれば明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1を参照すると、揮発性材料散布システム20が示されている。この散布システム20は、揮発性材料散布器22及びディスプレー・フレーム24を含む。このフレーム24は、第1状態と第2状態との間を動作可能であって、これにより、本発明の散布システム20の様々な利用法がユーザにもたらされる。
【0013】
図1は、第1状態のディスプレー・フレーム24を示している。このディスプレー・フレーム24の前面26は、第1壁部28から成る。この第1壁部28は、ほぼ長方形をしており、幅が約3.5インチで高さが約5インチである。この前壁部28には、カバー30が設けられ、その周囲の穿孔部32によって付着されている。このカバー30は、その上方角から剥離されている弧状部を除けば、ほぼ正方形である。この剥離部は、スロット34を画定している。カバー30は、前面26の幅に対してほぼ中央に置かれていると共に、ディスプレー・フレーム24の上端38よりも下端36の近くに位置付けられている。第1壁部28の上端38付近には、穴40が設けられている。
【0014】
カバー30は、更に図2〜図5に示されている散布器22を覆っている。図2及び図3を参照すると、この散布器22若しくはカートリッジは、ブリスター44、周辺フランジ46、並びに、これらのブリスター44及びフランジ46に取り外し可能に付着された不透過性ラミネート48を備える。ブリスター44は、無孔透過性膜50及びカップ型構造52若しくはリザーバを含む。カップ型構造52は、底壁54及び4つの側壁56を含み、これらは、透過性膜50と共に、揮発性材料58を収容する密閉リザーバとして機能する。具体例として、これらのカップ型構造52及び透過性膜50は、透明や半透明の材料からできており、このため、揮発性材料58がこれらのカップ型構造52及び透過性膜50を通して見える。周辺フランジ46は、平面状であり、カップ型構造52の上端に結合していると共に、これらの上端から外側に延出している。一実施形態では、この周辺フランジ46は、側壁56の上端から外側に延出していると共に、これらの上端と一体的に形成されている。本発明の散布器22及び揮発性材料58は、米国特許出願第10/881,816号(この開示内容は、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる)に記載のものと似ている。
【0015】
図4は、第1状況の散布器22を示している。散布器22は、この第1状況において、完全に又はほぼ満杯である。即ち、不透過性ラミネート48がブリスター44から取り外されていないため、揮発性材料58は透過性膜50を通してほとんど又は全く拡散していない。散布器22が満たされていて不透過性ラミネート48が透過性膜50を被覆しているときには、揮発性材料58は実質的に拡散しない。具体例として、不透過性ラミネート48は、ユーザがその端部をつかんで剥がすことによって、ブリスター44から取り外される。このような不透過性ラミネート48の取り外しを助ける延長部として、タブ60、延長部、又はその他の把持手段が設けられていてもよい。この延長部は、不透過性ラミネート48の角、端部、及び/又は表面にあってよい。
【0016】
不透過性ラミネート48が取り外されると、散布器22は、満杯の若しくは第1の状況(図4)から空の若しくは第2の状況(図5)に移り始める。ブリスター18には揮発性材料58が少量残ってもよく、このような状況でも、散布器22は第2状況に達したと見なされる。揮発性材料58が透過性膜50を通して拡散するにつれて、透過性膜50はゆっくりと底壁54上につぶれていく。図5を参照すると、揮発性材料58が透過性膜50を通して拡散した後、散布器22内に収容されている揮発性材料58は少なくなっている。揮発性材料58の拡散後に、新しい空気が散布器22に入ることは実質的にない。その結果、透過性膜50を通して圧力勾配が生じ、散布器22内の圧力よりも周囲空気の圧力の方が高くなる。このような圧力勾配によって、周囲空気は散布器22上に正味の正圧を及ぼし、これにより、透過性膜50が残りの揮発性材料58に対して且つ最終的には底壁54に対して押圧される。
【0017】
再度、図1を参照すると、不透過性ラミネート48の一部が、スロット34を通して見える。散布システム20は、図6に示されているように、ディスプレー・フレーム24からカバー30を取り外すことによって作動する。このカバー30は、その一部をスロット34内でつかんでディスプレー・フレーム24から外側に引き剥がすことによって取り外される。このカバー30は、十分な力が及ぼされると第1壁部28から剥がれ、これにより、ほぼ正方形の開口部62がもたらされる。一実施形態における開口部62は、長さ及び幅の寸法が約2.876インチである。この開口部62を通して、不透過性ラミネート48が見えると共に、この不透過性ラミネート48に接触することができる。不透過性ラミネート48は、開口部62の幅及び高さとほぼ同じ距離だけ広がっている。この不透過性ラミネート48は、その一部(例えば、タブ60)をつかんでブリスター44から引き剥がすことによって取り外される。このように不透過性ラミネート48を取り外すことによって、散布器22は第1状況(図4)から第2状況(図5)に移り、これによって、揮発性材料58が空気中に散布される。
【0018】
ディスプレー・フレーム24の後面64が、図7に示されている。この後面64は、第2壁部66及び第3壁部68から成る。第2壁部66は、ほぼ長方形をしており、幅が約3.5インチで高さが約1インチである。第3壁部68は、第2壁部66に一体的に結合されており、幅が約3.5インチで高さが約4インチである。この第3壁部66には、第2開口部70が設けられている。この第2開口部70は、ほぼ正方形をしており、長さ及び幅の寸法が、ブリスター44のカップ型構造52の長さ及び幅の寸法にほぼ等しいかそれよりも大きい。一実施形態では、第2開口部70は、第1壁部28の開口部62よりも小さくされており、長さ及び幅の寸法が約2.313インチである。この第2開口部70は、後面64の幅に対して中央に置かれていると共に、ディスプレー・フレーム24の上端38よりも下端36の近くに配置されている。ディスプレー・フレーム24の上端38付近には、第2壁部66を貫通する穴40が開いている。カップ型構造52は、第2開口部70を通って突出する。他の実施形態では、このカップ型構造52は、第2開口部70内へ部分的に突出するか或いは第2開口部70とほぼ同一面に合わせられる。図8は、本実施形態においてカップ型構造52が第2開口部70を通ってどの程度延出しているかを示す側面図である。このようにカップ型構造52が第2開口部70を通って延出する距離は、散布器22及び/又はディスプレー・フレーム24の寸法を調整することによって変更してもよい。例えば、第1壁部28、第2壁部66、第3壁部68、第4壁部72のうちの1つ以上を厚さの異なる材料から製造して、カップ型構造52が第2開口部70を通って延出する程度を調整してもよい。
【0019】
図1及び図6〜図11の散布システムは、第1状態の散布システム20である。この第1状態は、第1壁部28、第2壁部66、第3壁部68、及び第4壁部72が互いにほぼ平行に位置することを特徴とする。散布器22の一部(例えば、底壁54や不透過性ラミネート48)も、第1壁部28、第2壁部66、第3壁部68、及び第4壁部72と平行である。一般的には、穴40に紐又はその他の部材が通されて、この散布システム20は支持構造(図示せず)から吊り下げられる。別の実施形態では、この散布システム20は、壁又はその他の面に立てかけられるか、或いは、支持面上に置かれてもよい。ユーザが使用可能な第1状態の散布システム20の配置方法は多数ある。
【0020】
次に、図9〜図12を参照すると、散布システム20が第2状態にされている。特に図12を参照すると、ディスプレー・フレーム24の後面64が示されている。第3壁部68は、ヒンジ74を中心に回転することによって、ディスプレー・フレーム24の残りの部分から外側に延出する。この第2状態では、カップ型構造52は、第2開口部70を通って延出しておらず、もはや第2開口部70と同一面になっていない。第3壁部68は、支持部材若しくは脚部材として機能し、支持面76から散布システム20を下支えするのに役立つ。図11は、散布システム20が第2状態においてほぼ逆V字型を呈し、この逆V字型から第2壁部66と第1壁部28の一部とが斜めに延出している様子を示している。第3壁部68の下端78と第1壁部28及び第4壁部72の結合体の下端80とが支持面76上に力を及ぼすことにより、散布システム20は、第2状態における直立位置に維持される。
【0021】
第3壁部68は、第1状態と第2状態を画定する複数の位置との間で動作可能である。散布システム20を第2状態にする前は、この第3壁部68は、第1位置において、第4壁部72と並置され、この第4壁部72とほぼ平行である。ヒンジ74を中心に第3壁部68を回転させることによって、散布システムは第2状態にされる。このように第3壁部68を回転させることによって、第3壁部68は、第4壁部72から角度がつけられ、第2位置に置かれる。散布システム20を第2状態にするのに、第3壁部68は、約1°〜約180°のいずれの角度に位置決めされてもよい。具体例として、第3壁部68の角度は、約20°〜約70°である。
【0022】
散布システム20が第1状態であるか第2状態であるかにかかわらず、散布器22の透過性膜50は、ディスプレー・フレーム24の後面64から実質的に離れて位置付けられている。従って、揮発性材料58は、邪魔されることなく空気中に放出されるため、より効率的に拡散することができる。また、透過性膜50は、散布システム20の前面26から見える。従って、ユーザは、大して苦労することなく、散布器22に残っている揮発性材料58のレベルを判別し得る。
【0023】
図13及び図14は、本発明の散布システム20を製造するのに用いられ得る、1つのタイプのブランク(blank)82を示している。このブランク(ブランクフレーム)82は、板紙などから製造され、適切な形状に打ち抜かれ得る。図13は、取り外し可能なカバー30及び穴40を備えた第1壁部28の前面84を示している。図14は、この第1壁部28の後面86を示している。この第1壁部28の第1端部88には、ヒンジ90又は折り目によって、第2壁部66がつながっている。この第2壁部66も、穴40並びに前面92及び後面94を含む。この第2壁部66の反対側の端部には、ヒンジ74又は折り目において、第3壁部68がつながっている。この第3壁部68は、第2開口部70並びに前面96及び後面98を含む。第1壁部28の第2端部100には、ヒンジ102又は折り目によって、第4壁部72がつながっている。この第4壁部72は、第2開口部70と同じような寸法の第3開口部104並びに前面106及び後面108を含む。
【0024】
散布システム20は、第4壁部72の後面108から第3開口部104を通して散布器22のカップ型構造52(図13には示されていない)を挿入することにより組み立てられる。散布器22の周辺フランジ46は、第4壁部72の後面108の第3開口部104周囲部分にホットシールされる。ヒンジ102を中心に第4壁部72を回転させることによって、この第4壁部72の後面108が第1壁部28の後面86にほぼぴったりと重なる。これらの第4壁部72の後面108と第1壁部28の後面86は、合わせてホットシールされる。第4壁部72がこのように位置決めされると、散布器22の不透過性ラミネート48は、第1壁部28のカバー30裏の中央に位置付けられる。2つの穴40が合うように、ヒンジ90を中心に第2壁部66が折り曲げられる。この第2壁部66の後面94も同様に、第1壁部28の後面86にホットシールされる。残りの第3壁部68は第4壁部72にほぼぴったりと重なり、第3壁部68の後面98は第4壁部72の前面106と並置される。
【0025】
ブランク82は、あらゆる他のタイプの紙ベースの材料又は異なる材料(例えば、プラスチック)から構成されてもよい。プラスチックのような異なる材料は、紙ベースの材料には悪影響を及ぼす湿潤環境において有用であり得る。更に、ブランク82及び散布器22の一部は、接着剤又は異なるタイプの糊によって、互いに接着されてもよい。また、ディスプレー・フレーム24自体は、美的効果を狙って装飾的な形状としてもよいし、様々な色及び/又は絵を施してもよい。図15及び図16は、そのような1つの散布システム120を示している(散布システム20に用いられているのと同様の構造には、同じ参照番号が付与されている)。この散布システム120は、第1壁部28、第2壁部66、第3壁部68、及び第4壁部72の側壁122が曲線状であることを特徴とする。また、この散布システム120は、穴40に紐124が通されている。この紐124は、支持面(例えば、棒やドアノブ)から散布システム120を支持するのに用いられ得る。また、本実施形態には、廃棄する必要のある材料を省くため、カバー30が無くてもよい。これらの図15及び図16は、他の実施形態において見られ得る様々な壁部のサイズ及び形状に関する変形例を示している。
【0026】
図17及び図18は、散布システム20に似た別の実施形態である散布システム220を示している。しかしながら、この散布システム220は、第4壁部72の、第1壁部28及び第4壁部72の結合体の下端80付近に、保持部材222が設けられている、という点で異なっている。この保持部材222は、第4壁部72から部分的に切り取られて第3壁部68の方へ外側に曲げられた弾性湾曲部材から構成されている。散布システム220が第1状態であるとき、第3壁部68の下端78の一部は、この保持部材222内に保持される。このように第3壁部68が保持部材222内に保持されることによって、第3壁部68の下端78は第4壁部72に押し当てられる。第3壁部68が保持部材222から取り外されると、散布システム220は第1状態から第2状態に移る。この保持部材222は、散布システム220をよりしっかりと第1状態に維持する手段をもたらす。例えば、この保持部材222は、散布システム220に外部の力が作用することによって、或いは、ヒンジ74が曲がり過ぎて第3壁部68が動くことによって、不用意に状態が移るのを防ぎ得る。その他のタイプ(様々な形状、数、又は位置)の保持部材を用いることも考えられる。更に、保持部材は、これらの図17及び図18に示されているようにディスプレー・フレームと一体化していてもよいし、ディスプレー・フレームに取り付けられる別個の構造であってもよい。
【0027】
別の実施形態では、散布システム20、120、220に、様々な形状の開口部及び散布器が設けられている。例えば、散布器22は、長方形をしていてもよいし、その他のデザイン(例えば、雪片や動物)であってもよい。更に、1つの散布システム20、120、220に、異なる又は同様の揮発物が入った複数の散布器を設けてもよい。また、第1壁部28、第2壁部66、第3壁部68、及び第4壁部72のうちのいくつか又は全てと散布器22とを結合するのに再使用可能な接着剤を用いることも考えられ、そうすると、揮発性材料58が無くなったら、散布システム20、120、220全体を交換する代わりに、散布器22を交換することができる。更に別の実施形態では、散布システム20、120、220は、側部を下にして置いてもよく、この場合、下端36及び上端38は支持面に触れない。正確には、第1壁部28、第2壁部66、第3壁部68、及び第4壁部72の、散布システム20、120、220の左側或いは右側を画定する部分が、支持面付近に位置する。それでも、第3壁部68は、ヒンジ74を中心に回転して第1状態と第2状態との間を遷移し、本明細書中に開示したような本発明の散布システム20、120、220の異なる動作方法をユーザに提供する。当業者は、本開示内容に関して加えられ得る多数の変更を認めるであろう。また、これらの変更は、本開示内容に含まれるよう意図されている。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本明細書中で説明した空気清浄剤散布システムは、吊り下げ位置と自立位置との間で調節可能であり芳香剤散布器を備えたディスプレー・フレームの機能的特徴と美的特徴とを有益に組み合わせている。従って、この空気清浄剤散布システムを用いることにより、ユーザは、家庭又は職場内に空気清浄器をより柔軟に配置することができる。
【0029】
先の説明を考慮すれば、当業者には多数の変更点が明らかであろう。従って、この説明は、単なる例示と解釈されると共に、当業者が本発明を行って使用し且つ本発明を実施する最良の形態を教示できるようにすることを目的として提示される。添付の特許請求の範囲内に含まれる変更点全てに対する独占権は留保される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】フレーム及び散布器を含む、第1状態の散布システムの正面図である。
【図2】図1の散布器の正面等角図である。
【図3】図1の散布器の背面等角図である。
【図4】第1状況における、線4−4に沿った図2の散布器の断面図である。
【図5】第2状況における、線5−5に沿った図2の散布器の断面図である。
【図6】前面カバーが取り外された、図1の散布システムの正面図である。
【図7】図1の散布システムの背面図である。
【図8】図1の散布システムの側面図である。
【図9】第2状態における、図1の散布システムの正面等角図である。
【図10】前面カバーが取り外された、図9の散布システムの正面等角図である。
【図11】図9の散布システムの側面図である。
【図12】図9の散布システムの背面等角図である。
【図13】図1及び図6〜図12の散布システムを製造するのに用いられるブランクの前面の平面図である。
【図14】図13のブランクの後面の平面図である。
【図15】フレーム及び散布器を含む、第1状態の第2散布システムの正面図である。
【図16】第2状態における、図15の第2散布システムの背面等角図である。
【図17】フレーム及び散布器を含む、第1状態の第3散布システムの背面図である。
【図18】図17の第3散布システムの側面図である。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
該当なし
【0002】
連邦支援の研究又は開発に関する参照
該当なし
【0003】
連続リスト
該当なし
【0004】
本発明は、広く、揮発性材料散布システムに関し、より詳細には、調節可能なチップボード・ホルダと組み合わされた揮発性材料散布器に関する。
【背景技術】
【0005】
職場や家庭に香りをもたらすのに、揮発性材料散布器が用いられてきた。このような散布器の1つとして、写真立てとポプリホルダを組み合わせた装飾的デザインがある。このデザインは、互いに角度を成す前面パネル及び後面パネルを含む。前面パネルの中央には凹みがあり、写真を挿入する領域が設けられている。これらの前面パネルと後面パネルとを、ブリッジがつないでいる。
【0006】
別のこのような散布器の装飾的デザインとして、空気清浄器と写真立てを組み合わせたものが挙げられる。この写真立ては前面及び後面を含み、前面には外側に延出する2つの長方形をした段付き部分があり、後面は平面である。この写真立ての上部付近には、前面及び後面を貫通する穴が開いている。
【0007】
更に別の散布器は、第1パネル及び第2パネルを含む。これらの第1パネルと第2パネルとを基部が結合することによって、この散布器をテント型に支持する台がもたらされる。第2側面パネルからは、タブが延出している。このタブを捕らえる手段が、第1側面パネルに設けられている。これらの側面パネルのうちの一方には、揮発性材料が充填された容器を取り付けるための開口部が設けられている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、揮発性材料を放出するように構成された装置は、前面及び後面を有するディスプレー・フレームを含む。前記前面には、開口部が設けられている。前記ディスプレー・フレーム内に、散布器が配置される。この散布器は、揮発性材料を保持するブリスターを備え、このブリスターの開放端にわたって、透過性膜が広がっている。前記後面は、第1状態と第2状態との間で動作可能な一体型脚部材を含む。前記透過性膜は、前記前面付近に位置し、第1状況では前記揮発性材料を放出させないようにすると共に、第2状況では前記開口部を通して前記揮発性材料を放出させる。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、組み立てて散布システムにするように構成されたほぼ平らなブランクは、第1開口部にわたって広がる取り外し可能なカバーを備えた第1壁部を含む。第2壁部は、第1の折り目を中心にヒンジによって前記第1壁部の第1端部につながっている。第3壁部は、第2の折り目を中心にヒンジによって前記第2壁部の端部につながっている。この第3壁部は、更に、第2開口部を含む。第4壁部は、第3の折り目を中心にヒンジによって前記第1壁部の第2端部につながっている。この第4壁部は、更に、揮発性材料を保持する散布器のリザーバを受容するように構成された第3開口部を含む。前記第2開口部及び前記第3開口部は、ほぼ同じサイズであり、第1使用位置では互いに揃えられる(同一面となる)ように構成されている。
【0010】
本発明の更に別の実施形態によれば、揮発性材料散布器を作動させる方法は、第1面及び第2面を有する逆V字型構造を準備するステップを含む。前記第1面は、揮発性材料散布カートリッジを保持し、前記第2面は、第1位置と第2位置との間で動作可能な支持部材を含む。別のステップは、前記揮発性材料散布カートリッジを機能させることから成る。別のステップは、前記支持部材を前記第1位置及び前記第2位置の少なくとも一方に配置することから成る。前記第1位置は、前記支持部材が前記第1面とほぼぴったりと重なることを特徴とし、前記第2位置は、前記支持部材が前記逆V字型構造を支持できる距離だけ前記第1面から角度をつけられていることを特徴とする。
【0011】
本発明のその他の態様及び利点は、以下の詳細な説明を読むと共に図面を参照すれば明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1を参照すると、揮発性材料散布システム20が示されている。この散布システム20は、揮発性材料散布器22及びディスプレー・フレーム24を含む。このフレーム24は、第1状態と第2状態との間を動作可能であって、これにより、本発明の散布システム20の様々な利用法がユーザにもたらされる。
【0013】
図1は、第1状態のディスプレー・フレーム24を示している。このディスプレー・フレーム24の前面26は、第1壁部28から成る。この第1壁部28は、ほぼ長方形をしており、幅が約3.5インチで高さが約5インチである。この前壁部28には、カバー30が設けられ、その周囲の穿孔部32によって付着されている。このカバー30は、その上方角から剥離されている弧状部を除けば、ほぼ正方形である。この剥離部は、スロット34を画定している。カバー30は、前面26の幅に対してほぼ中央に置かれていると共に、ディスプレー・フレーム24の上端38よりも下端36の近くに位置付けられている。第1壁部28の上端38付近には、穴40が設けられている。
【0014】
カバー30は、更に図2〜図5に示されている散布器22を覆っている。図2及び図3を参照すると、この散布器22若しくはカートリッジは、ブリスター44、周辺フランジ46、並びに、これらのブリスター44及びフランジ46に取り外し可能に付着された不透過性ラミネート48を備える。ブリスター44は、無孔透過性膜50及びカップ型構造52若しくはリザーバを含む。カップ型構造52は、底壁54及び4つの側壁56を含み、これらは、透過性膜50と共に、揮発性材料58を収容する密閉リザーバとして機能する。具体例として、これらのカップ型構造52及び透過性膜50は、透明や半透明の材料からできており、このため、揮発性材料58がこれらのカップ型構造52及び透過性膜50を通して見える。周辺フランジ46は、平面状であり、カップ型構造52の上端に結合していると共に、これらの上端から外側に延出している。一実施形態では、この周辺フランジ46は、側壁56の上端から外側に延出していると共に、これらの上端と一体的に形成されている。本発明の散布器22及び揮発性材料58は、米国特許出願第10/881,816号(この開示内容は、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる)に記載のものと似ている。
【0015】
図4は、第1状況の散布器22を示している。散布器22は、この第1状況において、完全に又はほぼ満杯である。即ち、不透過性ラミネート48がブリスター44から取り外されていないため、揮発性材料58は透過性膜50を通してほとんど又は全く拡散していない。散布器22が満たされていて不透過性ラミネート48が透過性膜50を被覆しているときには、揮発性材料58は実質的に拡散しない。具体例として、不透過性ラミネート48は、ユーザがその端部をつかんで剥がすことによって、ブリスター44から取り外される。このような不透過性ラミネート48の取り外しを助ける延長部として、タブ60、延長部、又はその他の把持手段が設けられていてもよい。この延長部は、不透過性ラミネート48の角、端部、及び/又は表面にあってよい。
【0016】
不透過性ラミネート48が取り外されると、散布器22は、満杯の若しくは第1の状況(図4)から空の若しくは第2の状況(図5)に移り始める。ブリスター18には揮発性材料58が少量残ってもよく、このような状況でも、散布器22は第2状況に達したと見なされる。揮発性材料58が透過性膜50を通して拡散するにつれて、透過性膜50はゆっくりと底壁54上につぶれていく。図5を参照すると、揮発性材料58が透過性膜50を通して拡散した後、散布器22内に収容されている揮発性材料58は少なくなっている。揮発性材料58の拡散後に、新しい空気が散布器22に入ることは実質的にない。その結果、透過性膜50を通して圧力勾配が生じ、散布器22内の圧力よりも周囲空気の圧力の方が高くなる。このような圧力勾配によって、周囲空気は散布器22上に正味の正圧を及ぼし、これにより、透過性膜50が残りの揮発性材料58に対して且つ最終的には底壁54に対して押圧される。
【0017】
再度、図1を参照すると、不透過性ラミネート48の一部が、スロット34を通して見える。散布システム20は、図6に示されているように、ディスプレー・フレーム24からカバー30を取り外すことによって作動する。このカバー30は、その一部をスロット34内でつかんでディスプレー・フレーム24から外側に引き剥がすことによって取り外される。このカバー30は、十分な力が及ぼされると第1壁部28から剥がれ、これにより、ほぼ正方形の開口部62がもたらされる。一実施形態における開口部62は、長さ及び幅の寸法が約2.876インチである。この開口部62を通して、不透過性ラミネート48が見えると共に、この不透過性ラミネート48に接触することができる。不透過性ラミネート48は、開口部62の幅及び高さとほぼ同じ距離だけ広がっている。この不透過性ラミネート48は、その一部(例えば、タブ60)をつかんでブリスター44から引き剥がすことによって取り外される。このように不透過性ラミネート48を取り外すことによって、散布器22は第1状況(図4)から第2状況(図5)に移り、これによって、揮発性材料58が空気中に散布される。
【0018】
ディスプレー・フレーム24の後面64が、図7に示されている。この後面64は、第2壁部66及び第3壁部68から成る。第2壁部66は、ほぼ長方形をしており、幅が約3.5インチで高さが約1インチである。第3壁部68は、第2壁部66に一体的に結合されており、幅が約3.5インチで高さが約4インチである。この第3壁部66には、第2開口部70が設けられている。この第2開口部70は、ほぼ正方形をしており、長さ及び幅の寸法が、ブリスター44のカップ型構造52の長さ及び幅の寸法にほぼ等しいかそれよりも大きい。一実施形態では、第2開口部70は、第1壁部28の開口部62よりも小さくされており、長さ及び幅の寸法が約2.313インチである。この第2開口部70は、後面64の幅に対して中央に置かれていると共に、ディスプレー・フレーム24の上端38よりも下端36の近くに配置されている。ディスプレー・フレーム24の上端38付近には、第2壁部66を貫通する穴40が開いている。カップ型構造52は、第2開口部70を通って突出する。他の実施形態では、このカップ型構造52は、第2開口部70内へ部分的に突出するか或いは第2開口部70とほぼ同一面に合わせられる。図8は、本実施形態においてカップ型構造52が第2開口部70を通ってどの程度延出しているかを示す側面図である。このようにカップ型構造52が第2開口部70を通って延出する距離は、散布器22及び/又はディスプレー・フレーム24の寸法を調整することによって変更してもよい。例えば、第1壁部28、第2壁部66、第3壁部68、第4壁部72のうちの1つ以上を厚さの異なる材料から製造して、カップ型構造52が第2開口部70を通って延出する程度を調整してもよい。
【0019】
図1及び図6〜図11の散布システムは、第1状態の散布システム20である。この第1状態は、第1壁部28、第2壁部66、第3壁部68、及び第4壁部72が互いにほぼ平行に位置することを特徴とする。散布器22の一部(例えば、底壁54や不透過性ラミネート48)も、第1壁部28、第2壁部66、第3壁部68、及び第4壁部72と平行である。一般的には、穴40に紐又はその他の部材が通されて、この散布システム20は支持構造(図示せず)から吊り下げられる。別の実施形態では、この散布システム20は、壁又はその他の面に立てかけられるか、或いは、支持面上に置かれてもよい。ユーザが使用可能な第1状態の散布システム20の配置方法は多数ある。
【0020】
次に、図9〜図12を参照すると、散布システム20が第2状態にされている。特に図12を参照すると、ディスプレー・フレーム24の後面64が示されている。第3壁部68は、ヒンジ74を中心に回転することによって、ディスプレー・フレーム24の残りの部分から外側に延出する。この第2状態では、カップ型構造52は、第2開口部70を通って延出しておらず、もはや第2開口部70と同一面になっていない。第3壁部68は、支持部材若しくは脚部材として機能し、支持面76から散布システム20を下支えするのに役立つ。図11は、散布システム20が第2状態においてほぼ逆V字型を呈し、この逆V字型から第2壁部66と第1壁部28の一部とが斜めに延出している様子を示している。第3壁部68の下端78と第1壁部28及び第4壁部72の結合体の下端80とが支持面76上に力を及ぼすことにより、散布システム20は、第2状態における直立位置に維持される。
【0021】
第3壁部68は、第1状態と第2状態を画定する複数の位置との間で動作可能である。散布システム20を第2状態にする前は、この第3壁部68は、第1位置において、第4壁部72と並置され、この第4壁部72とほぼ平行である。ヒンジ74を中心に第3壁部68を回転させることによって、散布システムは第2状態にされる。このように第3壁部68を回転させることによって、第3壁部68は、第4壁部72から角度がつけられ、第2位置に置かれる。散布システム20を第2状態にするのに、第3壁部68は、約1°〜約180°のいずれの角度に位置決めされてもよい。具体例として、第3壁部68の角度は、約20°〜約70°である。
【0022】
散布システム20が第1状態であるか第2状態であるかにかかわらず、散布器22の透過性膜50は、ディスプレー・フレーム24の後面64から実質的に離れて位置付けられている。従って、揮発性材料58は、邪魔されることなく空気中に放出されるため、より効率的に拡散することができる。また、透過性膜50は、散布システム20の前面26から見える。従って、ユーザは、大して苦労することなく、散布器22に残っている揮発性材料58のレベルを判別し得る。
【0023】
図13及び図14は、本発明の散布システム20を製造するのに用いられ得る、1つのタイプのブランク(blank)82を示している。このブランク(ブランクフレーム)82は、板紙などから製造され、適切な形状に打ち抜かれ得る。図13は、取り外し可能なカバー30及び穴40を備えた第1壁部28の前面84を示している。図14は、この第1壁部28の後面86を示している。この第1壁部28の第1端部88には、ヒンジ90又は折り目によって、第2壁部66がつながっている。この第2壁部66も、穴40並びに前面92及び後面94を含む。この第2壁部66の反対側の端部には、ヒンジ74又は折り目において、第3壁部68がつながっている。この第3壁部68は、第2開口部70並びに前面96及び後面98を含む。第1壁部28の第2端部100には、ヒンジ102又は折り目によって、第4壁部72がつながっている。この第4壁部72は、第2開口部70と同じような寸法の第3開口部104並びに前面106及び後面108を含む。
【0024】
散布システム20は、第4壁部72の後面108から第3開口部104を通して散布器22のカップ型構造52(図13には示されていない)を挿入することにより組み立てられる。散布器22の周辺フランジ46は、第4壁部72の後面108の第3開口部104周囲部分にホットシールされる。ヒンジ102を中心に第4壁部72を回転させることによって、この第4壁部72の後面108が第1壁部28の後面86にほぼぴったりと重なる。これらの第4壁部72の後面108と第1壁部28の後面86は、合わせてホットシールされる。第4壁部72がこのように位置決めされると、散布器22の不透過性ラミネート48は、第1壁部28のカバー30裏の中央に位置付けられる。2つの穴40が合うように、ヒンジ90を中心に第2壁部66が折り曲げられる。この第2壁部66の後面94も同様に、第1壁部28の後面86にホットシールされる。残りの第3壁部68は第4壁部72にほぼぴったりと重なり、第3壁部68の後面98は第4壁部72の前面106と並置される。
【0025】
ブランク82は、あらゆる他のタイプの紙ベースの材料又は異なる材料(例えば、プラスチック)から構成されてもよい。プラスチックのような異なる材料は、紙ベースの材料には悪影響を及ぼす湿潤環境において有用であり得る。更に、ブランク82及び散布器22の一部は、接着剤又は異なるタイプの糊によって、互いに接着されてもよい。また、ディスプレー・フレーム24自体は、美的効果を狙って装飾的な形状としてもよいし、様々な色及び/又は絵を施してもよい。図15及び図16は、そのような1つの散布システム120を示している(散布システム20に用いられているのと同様の構造には、同じ参照番号が付与されている)。この散布システム120は、第1壁部28、第2壁部66、第3壁部68、及び第4壁部72の側壁122が曲線状であることを特徴とする。また、この散布システム120は、穴40に紐124が通されている。この紐124は、支持面(例えば、棒やドアノブ)から散布システム120を支持するのに用いられ得る。また、本実施形態には、廃棄する必要のある材料を省くため、カバー30が無くてもよい。これらの図15及び図16は、他の実施形態において見られ得る様々な壁部のサイズ及び形状に関する変形例を示している。
【0026】
図17及び図18は、散布システム20に似た別の実施形態である散布システム220を示している。しかしながら、この散布システム220は、第4壁部72の、第1壁部28及び第4壁部72の結合体の下端80付近に、保持部材222が設けられている、という点で異なっている。この保持部材222は、第4壁部72から部分的に切り取られて第3壁部68の方へ外側に曲げられた弾性湾曲部材から構成されている。散布システム220が第1状態であるとき、第3壁部68の下端78の一部は、この保持部材222内に保持される。このように第3壁部68が保持部材222内に保持されることによって、第3壁部68の下端78は第4壁部72に押し当てられる。第3壁部68が保持部材222から取り外されると、散布システム220は第1状態から第2状態に移る。この保持部材222は、散布システム220をよりしっかりと第1状態に維持する手段をもたらす。例えば、この保持部材222は、散布システム220に外部の力が作用することによって、或いは、ヒンジ74が曲がり過ぎて第3壁部68が動くことによって、不用意に状態が移るのを防ぎ得る。その他のタイプ(様々な形状、数、又は位置)の保持部材を用いることも考えられる。更に、保持部材は、これらの図17及び図18に示されているようにディスプレー・フレームと一体化していてもよいし、ディスプレー・フレームに取り付けられる別個の構造であってもよい。
【0027】
別の実施形態では、散布システム20、120、220に、様々な形状の開口部及び散布器が設けられている。例えば、散布器22は、長方形をしていてもよいし、その他のデザイン(例えば、雪片や動物)であってもよい。更に、1つの散布システム20、120、220に、異なる又は同様の揮発物が入った複数の散布器を設けてもよい。また、第1壁部28、第2壁部66、第3壁部68、及び第4壁部72のうちのいくつか又は全てと散布器22とを結合するのに再使用可能な接着剤を用いることも考えられ、そうすると、揮発性材料58が無くなったら、散布システム20、120、220全体を交換する代わりに、散布器22を交換することができる。更に別の実施形態では、散布システム20、120、220は、側部を下にして置いてもよく、この場合、下端36及び上端38は支持面に触れない。正確には、第1壁部28、第2壁部66、第3壁部68、及び第4壁部72の、散布システム20、120、220の左側或いは右側を画定する部分が、支持面付近に位置する。それでも、第3壁部68は、ヒンジ74を中心に回転して第1状態と第2状態との間を遷移し、本明細書中に開示したような本発明の散布システム20、120、220の異なる動作方法をユーザに提供する。当業者は、本開示内容に関して加えられ得る多数の変更を認めるであろう。また、これらの変更は、本開示内容に含まれるよう意図されている。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本明細書中で説明した空気清浄剤散布システムは、吊り下げ位置と自立位置との間で調節可能であり芳香剤散布器を備えたディスプレー・フレームの機能的特徴と美的特徴とを有益に組み合わせている。従って、この空気清浄剤散布システムを用いることにより、ユーザは、家庭又は職場内に空気清浄器をより柔軟に配置することができる。
【0029】
先の説明を考慮すれば、当業者には多数の変更点が明らかであろう。従って、この説明は、単なる例示と解釈されると共に、当業者が本発明を行って使用し且つ本発明を実施する最良の形態を教示できるようにすることを目的として提示される。添付の特許請求の範囲内に含まれる変更点全てに対する独占権は留保される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】フレーム及び散布器を含む、第1状態の散布システムの正面図である。
【図2】図1の散布器の正面等角図である。
【図3】図1の散布器の背面等角図である。
【図4】第1状況における、線4−4に沿った図2の散布器の断面図である。
【図5】第2状況における、線5−5に沿った図2の散布器の断面図である。
【図6】前面カバーが取り外された、図1の散布システムの正面図である。
【図7】図1の散布システムの背面図である。
【図8】図1の散布システムの側面図である。
【図9】第2状態における、図1の散布システムの正面等角図である。
【図10】前面カバーが取り外された、図9の散布システムの正面等角図である。
【図11】図9の散布システムの側面図である。
【図12】図9の散布システムの背面等角図である。
【図13】図1及び図6〜図12の散布システムを製造するのに用いられるブランクの前面の平面図である。
【図14】図13のブランクの後面の平面図である。
【図15】フレーム及び散布器を含む、第1状態の第2散布システムの正面図である。
【図16】第2状態における、図15の第2散布システムの背面等角図である。
【図17】フレーム及び散布器を含む、第1状態の第3散布システムの背面図である。
【図18】図17の第3散布システムの側面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮発性材料を放出するように構成された装置であって、
前面及び後面を有するディスプレー・フレームと、
前記前面に位置する開口部と、
前記ディスプレー・フレーム内に位置し、揮発性材料を保持するブリスター及び前記ブリスターの開放端にわたって広がる透過性膜を備える散布器と、を備え、
前記後面が、第1状態と第2状態との間で動作可能な一体型脚部材を含み、
前記透過性膜が、前記前面付近に位置し、第1状況では前記揮発性材料を放出させないようにすると共に、第2状況では前記開口部を通して前記揮発性材料を放出させることを特徴とする、
装置。
【請求項2】
取り外し可能なカバーが、前記前面に位置する前記開口部を覆っていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1状況では、不透過性ラミネートが、前記透過性膜のほぼ全体の上に位置することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記不透過性ラミネートが取り外されることによって、前記第2状況となることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1状態と前記第2状態との間における前記一体型脚部材の動作が、前記揮発性材料が前記散布器から放出するのを妨げないことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記一体型脚部材が前記前面とほぼ平行であるときには、前記第1状態であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
保持部材が、前記一体型脚部材を前記第1状態に保持することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記一体型脚部材が前記前面から実質的に角度がつけられているときには、前記第2状態であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記一体型脚部材が、第1位置と第2位置との間で回転可能であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第1位置では、前記一体型脚部材が、前記前面とほぼ平行であることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第2位置では、前記一体型脚部材が、前記前面から約1°〜約180°の角度をつけられていることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記ディスプレー・フレームの上端付近に、前記前面から前記後面へ貫通する穴を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
組み立てて散布システムにするように構成された、ほぼ平らなブランクであって、
第1開口部にわたって広がる取り外し可能なカバーを備えた第1壁部と、
第1の折り目を中心にヒンジによって前記第1壁部の第1端部につながった第2壁部と、
第2の折り目を中心にヒンジによって前記第2壁部の端部につながり、更に第2開口部を含む第3壁部と、
第3の折り目を中心にヒンジによって前記第1壁部の第2端部につながり、更に、揮発性材料を保持する散布器のリザーバを受容するように構成された第3開口部を含む第4壁部と、を備え、
前記第2開口部及び前記第3開口部が、ほぼ同じサイズであり、第1使用位置では互いに揃えられるように構成されていることを特徴とする、
ブランク。
【請求項14】
前記散布システムを組み立てるとき、揮発性材料を保持する散布器のリザーバが、前記第4壁部の後面から前記第3開口部を通して挿入されることを特徴とする、請求項13に記載のブランク。
【請求項15】
前記散布器が、前記第4壁部の前記後面に固定されることを特徴とする、請求項14に記載のブランク。
【請求項16】
前記第4壁部が前記第3の折り目を中心に回転されることによって、前記第4壁部の前記後面が前記第1壁部の後面とほぼ平行に位置することを特徴とする、請求項14に記載のブランク。
【請求項17】
前記第4壁部の前記後面が前記第1壁部の前記後面に固定され、前記散布器が前記カバーと同一面になることを特徴とする、請求項16に記載のブランク。
【請求項18】
前記第2壁部が前記第1の折り目を中心に回転されることによって、前記第2壁部の後面が前記第1壁部の後面とほぼ平行に位置し、前記第1壁部及び前記第2壁部が、互いに固定されることを特徴とする、請求項13に記載のブランク。
【請求項19】
前記第3壁部が、第1位置と第2位置との間で回転可能であることを特徴とする、請求項18に記載のブランク。
【請求項20】
揮発性材料散布器を作動させる方法であって、
揮発性材料散布カートリッジを保持する第1面と、第1位置と第2位置との間で動作可能な支持部材を含む第2面とを有する、逆V字型構造を準備し、
前記揮発性材料散布カートリッジを機能させ、
前記支持部材を前記第1位置及び前記第2位置の少なくとも一方に配置することから成り、
前記第1位置が、前記支持部材が前記第1面とほぼぴったりと重なることを特徴とし、
前記第2位置が、前記支持部材が前記逆V字型構造を支持できる距離だけ前記第1面から角度をつけられていることを特徴とする、
方法。
【請求項1】
揮発性材料を放出するように構成された装置であって、
前面及び後面を有するディスプレー・フレームと、
前記前面に位置する開口部と、
前記ディスプレー・フレーム内に位置し、揮発性材料を保持するブリスター及び前記ブリスターの開放端にわたって広がる透過性膜を備える散布器と、を備え、
前記後面が、第1状態と第2状態との間で動作可能な一体型脚部材を含み、
前記透過性膜が、前記前面付近に位置し、第1状況では前記揮発性材料を放出させないようにすると共に、第2状況では前記開口部を通して前記揮発性材料を放出させることを特徴とする、
装置。
【請求項2】
取り外し可能なカバーが、前記前面に位置する前記開口部を覆っていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1状況では、不透過性ラミネートが、前記透過性膜のほぼ全体の上に位置することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記不透過性ラミネートが取り外されることによって、前記第2状況となることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1状態と前記第2状態との間における前記一体型脚部材の動作が、前記揮発性材料が前記散布器から放出するのを妨げないことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記一体型脚部材が前記前面とほぼ平行であるときには、前記第1状態であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
保持部材が、前記一体型脚部材を前記第1状態に保持することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記一体型脚部材が前記前面から実質的に角度がつけられているときには、前記第2状態であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記一体型脚部材が、第1位置と第2位置との間で回転可能であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第1位置では、前記一体型脚部材が、前記前面とほぼ平行であることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第2位置では、前記一体型脚部材が、前記前面から約1°〜約180°の角度をつけられていることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記ディスプレー・フレームの上端付近に、前記前面から前記後面へ貫通する穴を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
組み立てて散布システムにするように構成された、ほぼ平らなブランクであって、
第1開口部にわたって広がる取り外し可能なカバーを備えた第1壁部と、
第1の折り目を中心にヒンジによって前記第1壁部の第1端部につながった第2壁部と、
第2の折り目を中心にヒンジによって前記第2壁部の端部につながり、更に第2開口部を含む第3壁部と、
第3の折り目を中心にヒンジによって前記第1壁部の第2端部につながり、更に、揮発性材料を保持する散布器のリザーバを受容するように構成された第3開口部を含む第4壁部と、を備え、
前記第2開口部及び前記第3開口部が、ほぼ同じサイズであり、第1使用位置では互いに揃えられるように構成されていることを特徴とする、
ブランク。
【請求項14】
前記散布システムを組み立てるとき、揮発性材料を保持する散布器のリザーバが、前記第4壁部の後面から前記第3開口部を通して挿入されることを特徴とする、請求項13に記載のブランク。
【請求項15】
前記散布器が、前記第4壁部の前記後面に固定されることを特徴とする、請求項14に記載のブランク。
【請求項16】
前記第4壁部が前記第3の折り目を中心に回転されることによって、前記第4壁部の前記後面が前記第1壁部の後面とほぼ平行に位置することを特徴とする、請求項14に記載のブランク。
【請求項17】
前記第4壁部の前記後面が前記第1壁部の前記後面に固定され、前記散布器が前記カバーと同一面になることを特徴とする、請求項16に記載のブランク。
【請求項18】
前記第2壁部が前記第1の折り目を中心に回転されることによって、前記第2壁部の後面が前記第1壁部の後面とほぼ平行に位置し、前記第1壁部及び前記第2壁部が、互いに固定されることを特徴とする、請求項13に記載のブランク。
【請求項19】
前記第3壁部が、第1位置と第2位置との間で回転可能であることを特徴とする、請求項18に記載のブランク。
【請求項20】
揮発性材料散布器を作動させる方法であって、
揮発性材料散布カートリッジを保持する第1面と、第1位置と第2位置との間で動作可能な支持部材を含む第2面とを有する、逆V字型構造を準備し、
前記揮発性材料散布カートリッジを機能させ、
前記支持部材を前記第1位置及び前記第2位置の少なくとも一方に配置することから成り、
前記第1位置が、前記支持部材が前記第1面とほぼぴったりと重なることを特徴とし、
前記第2位置が、前記支持部材が前記逆V字型構造を支持できる距離だけ前記第1面から角度をつけられていることを特徴とする、
方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2009−532174(P2009−532174A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504235(P2009−504235)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/008116
【国際公開番号】WO2007/120487
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/008116
【国際公開番号】WO2007/120487
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
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