説明

ホログラフィックデータストレージに用いる画像位置決め方法

【課題】本発明はホログラフィックデータストレージに用いる画像位置決め方法を提供する。
【解決手段】本発明は、参照グレースケールフレームを利用し、受信したグレースケール画像上でグレースケールフレームの大きさと同じ領域画像をキャプチャしてキャプチャ画像とし、参照グレースケールフレームとキャプチャ画像の領域比較を行い複数数値を得ることで二次元オリジナルマトリクスを作成し、ゼロより小さい数値をゼロとし、二次元オリジナルマトリクスを二次元マトリクスに変換する。次元の大きさと参照グレースケールフレームがキャプチャマトリクスおよび二次元マトリクスより小さいまたは等しいことを利用して位置決めマトリクスを取得し、これに基づき二次元マトリクスの中心領域で見つけた最大の数値を位置決め値とし、位置決め値を利用してグレースケール画像上に対応する位置を見つけ位置決め点位置とすることで、歪んだまたはピンぼけのグレースケール画像を再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は位置決め方法に関するものであって、特にホログラフィックデータストレージに用いる画像位置決め方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ホログラフィックデータストレージ(Holographic data storage)は大容量と高速記録という特色を同時に備えており、次世代のデータストレージ装置の中でも極めて優勢な製品である。しかし、ホログラフィックデータストレージシステムは光学品質とシステム較正に対する要求が相当厳しく、ホログラフィックシステムは高速転送の際、通常は収差などのノイズの影響があるために、ホログラフィックデータストレージ装置は市販が難しい。
【0003】
図1が示すように、一般的なホログラフィックデータストレージ装置の基本構造は、レーザー10、空間フィルタ12、第一レンズ14、ビームスプリッタ16、空間光変調器18、第二レンズ20、記録材料22、第三レンズ24、反射鏡26および二次元センサ28を含む。レーザビームがレーザ10から発射された後、空間フィルタ12、第一レンズ14、ビームスプリッタ16を順に通って、ビームスプリッタ16によって参照ビーム30と信号ビーム32に分けられ、参照ビーム30は反射鏡26の方に進み、信号ビーム32は空間光変調器18の方へ進み、参照ビーム30は反射鏡26に反射して記録材料22に入射し、また空間光変調器18によって信号ビーム32は符号化された情報を含み、信号ビーム32は記録材料22の方に進み、最後に信号ビーム32は参照ビーム30と1組の干渉パターンを形成して記録材料22に記録される。その後、信号ビーム32は遮られ、残った参照ビーム30は読み取られ、参照ビーム30が記録材料22に入射した後の回折光は二次元センサ28上に届くが、光学システムには収差等の影響があるため、二次元センサ28上の画像に歪みが生じる。
【0004】
二次元センサが受信した図形を再生するために、以下のように、画像を再生するいくつかの公知技術がある。特許文献1の技術は、参照ビームと入射ビームの角度を利用して画像の位置を計算するものであるが、焦点外画像の照準には用いることができない。非特許文献1で発表された技術は、二次元センサと空間光変調器の間は1つの比率を維持する必要があるが、任意のシステムに用いて画像処理の演算を行うことはできない。非特許文献2で発表された技術は、ピクセルマッチングのシステムであり、これは精確な照準、高品質の光学システムおよび収差がより小さいという条件を満たせば画像処理の演算ができるが、コストがより高い。非特許文献3で発表された技術は、画像を二値化するとき、システムノイズの影響で、単一の閾値によってマス内に多重領域が発生し、位置決め点を判定できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】アメリカ特許US5982513
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「Image oversampling for page−oriented optical data storage」,M.Ayres等,2006年
【非特許文献2】「Pixel−matched holographic data storage with megabit pages」,R.M.Shelby等,1997年
【非特許文献3】「A Gray Level Weighting Method to Reduce Optical Aberration Effect in Holographic Data Storage System」,M.Ou−Yang等,2011年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述の欠点に対して、公知の問題を解決すべく、ホログラフィックデータストレージに用いる画像位置決め方法を提案する。本発明の主な目的は、内蔵された参照グレースケールフレームを利用して、グレースケール画像中の各キャプチャ画像に対して領域比較を行い、画像中の各ブロックは閉領域を形成する必要が無いようにし、また二次元方式を利用して迅速に精確な位置決め点を見つけ、システムのビット誤り率(BER)を低下させることで、低コストの光学システムを達成できる高品質なホログラフィックデータストレージの技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明のホログラフィックデータストレージに用いる画像位置決め方法は、まずグレースケール画像を受信し、次に参照グレースケールフレームを利用して、グレースケール画像上で参照グレースケールフレームの大きさと同じ領域画像を順にキャプチャし、キャプチャ画像とし、かつ参照グレースケールフレームと各キャプチャ画像の領域比較を行って、複数数値を得て、これにより二次元オリジナルマトリクスを作成する。そして、ゼロより小さい数値をゼロとするとともに、その他残りの数値を残し、二次元オリジナルマトリクスを二次元マトリクスに変換する。次元の大きさと参照グレースケールフレームがキャプチャマトリクスおよび二次元マトリクスより小さいまたは等しいことを利用して、位置決めマトリクスを取得するとともに、これに基づき二次元マトリクスの中心領域で最大の数値を見つけて、位置決め値とする。最後に、位置決め値を利用してそのグレースケール画像上に対応する位置を見つけ、位置決め点位置とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、参照グレースケールフレームを利用して、受信したグレースケール画像に対して領域比較を行うとともに、二次元方式を利用して位置決め点を迅速に見つけることで、高品質のホログラフィックデータストレージの技術というニーズを満たす。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】先行技術のホログラフィックデータストレージ装置の構造を示す図。
【図2】本発明の重み付き重心法のフローチャート。
【図3a】本発明の各ステップの画像を示す図。
【図3b】本発明の各ステップの画像を示す図。
【図3c】本発明の各ステップの画像を示す図。
【図3d】本発明の各ステップの画像を示す図。
【図3e】本発明の各ステップの画像を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の構造的特徴と達成する効果の更なる理解と認識のために、以下に好ましい実施例と図面を参照しながら詳しく説明する。
【実施例】
【0012】
一般的なホログラフィックデータストレージ装置の構造においては、二次元センサを使用して受信するのはシステム拡大後のグレースケール図形であるが、二次元センサが受信する図形はシステム倍率、システムノイズ、ランダムエラーの影響を受けるため、どのようにこのグレースケール図形を正確に再生するかという問題に遭遇する。再生におけるステップでは、まず受信する図形の位置決め点位置の座標を確定して、各信号の画素サイズ(pixel size)を再生する必要がある。以下に紹介するのは本発明の画像位置決め方法であり、この方法は同軸系または軸はずし系のホログラフィックデータストレージ装置に用いられ、上述の位置決め点を取得するとともに、グレースケール図形を正確に再生するのに役立つ。
【0013】
図2と図3a乃至図3eを参照されたい。まず、ステップS10が示すように、二次元センサは複数ブロックを有するグレースケール画像を受信し、グレースケール画像のグレースケール深度はNビットであり、グレースケールの最大値は2N−1であり、各ブロックはn×n画素を有し、nは自然数である。ブロックは黒色ブロックまたは白色ブロックであり、グレースケール画像は複数の黒色ブロックと複数の白色ブロックを含み、かつ黒色ブロックと白色ブロックの個数は同じであるとともに、チェスボード式の配列を例とする。また、上述のグレースケール画像はH×Wの正方行列であり、HもWも自然数である。たとえば、図3aが示すグレースケール画像34は、6×6の正方行列であるとともに、36個のブロック36を有し、ブロック36は黒色ブロックまたは白色ブロックである。黒色ブロックは図中の斜線塗りのブロックであり、白色ブロックは白塗りのブロックであり、かつ黒色ブロックと白色ブロックはチェスボード式の配列である。
【0014】
次にステップS12が示すように、内蔵された第一参照グレースケールフレームを利用し、グレースケール画像上で第一参照グレースケールフレームの大きさと同じ領域の画像を順にキャプチャして、第一キャプチャ画像とする。言い換えると、第一キャプチャ画像は上述のブロックの第一列の第一行から始まり、画素を単位とし、順に最後の一列の最後の一行に向かってキャプチャが行われる。同時に第一参照グレースケールフレームと各第一キャプチャ画像の領域比較を行い、複数の第一数値を得て、第一二次元オリジナルマトリクスを作成する。第一参照グレースケールフレームは正方形、直線形、十字形、交差線形、円形、三角形、菱形または多辺形であり、ここでは正方形を例とする。第一参照グレースケールフレームの次元はm×m、m≧2であり、mは自然数であり、mの大きさと受信した画像の倍率は関係があり、かつ第一参照グレースケールフレームは複数の第一黒マスと複数の第一白マスを有し、第一黒マスと第一白マスのグレースケール値はシステムによって設定が異なる、またはプリセットの0と225を別々に表示したものである。また、第一黒マスと第一白マスもチェスボード式の配列である。さらに、第一参照グレースケールフレームと各第一キャプチャ画像については相似構造(Structure Similarity,SSIM)演算法を利用して領域比較が行われ、グレースケール画像中の各ブロックは閉領域を形成する必要がなく、各第一数値V1は次の数式1で求められる。
【0015】
【数1】

【0016】
ここで、xはグレースケール画像であり、yIは第一キャプチャ画像であり、0<C1I<0.1、0<C2I<0.1、C1I、C2Iはそれぞれグレースケール画像と第一キャプチャ画像の明度とコントラスト比と構造性関数であり、μxはグレースケール画像の画像強度であり数式2で表し、μyIは第一キャプチャ画像の画像強度であり数式3で表す。σxはグレースケール画像の画像標準偏差であり数式4で表し、σyIは第一キャプチャ画像の画像標準偏差であり数式5で表す。σxyIはグレースケール画像と第一キャプチャ画像の共分散であり数式6で表す。
【0017】
【数2】

【0018】
【数3】

【0019】
【数4】

【0020】
【数5】

【0021】
【数6】

【0022】
たとえば、図3bが示すように、第一参照グレースケールフレーム38の次元は2×2を例とし、かつ第一参照グレースケールフレームは2つの第一黒マスと2つの第一白マスを有し、第一黒マスは図中の斜線塗りのブロックで、第一白マスは白塗りのブロックであり、第一黒マスと第一白マスはチェスボード式の配列である。nが1のとき、各ブロック36は1画素を有する。図中の太い黒枠の大きさと第一参照グレースケールフレームの大きさは同じであるため、太い黒枠の大きさを利用して領域画像をキャプチャし、第一キャプチャ画像とする。太い黒枠はまずブロック36の第一列の第一行から移動を開始し、このときキャプチャした第一キャプチャ画像については数式1を利用して第一参照グレースケールフレームとの領域比較が行われ、a11が得られる。この類推に基づいて、右方向へ移動し、a12、a13、a14が得られる。太い黒枠がブロック36の第一列の第五行まで移動したとき、このときキャプチャした第一キャプチャ画像については数式1を利用して第一参照グレースケールフレームとの領域比較が行われ、a15が得られる。続いて、図3cが示すように、太い黒枠はブロック36の第二列の第一行に移動し、このときキャプチャした第一キャプチャ画像については数式1を利用して第一参照グレースケールフレームとの領域比較が行われ、a21が得られる。最後に太い黒枠はブロック36の第五列の第五行まで移動し、このときキャプチャした第一キャプチャ画像については数式1を利用して第一参照グレースケールフレームとの領域比較が行われ、a55が得られる。a11・・・a55は即ち第一数値であり、−1〜1の間に介在し、ゼロより大きい数値は正関数であり、ゼロより小さい数値は負関数である。数式7が示すように、第一数値を新しい二次元マトリックス内に当てはめ、第一二次元オリジナルマトリクスを作成する。
【0023】
【数7】

【0024】
ステップS14が示すように、ゼロより小さい第一数値をゼロとし、その他の第一数値を残し、第一二次元オリジナルマトリクスを第一二次元マトリクスに変換する。たとえば、a15、a23、a32、a41、a53が負の値であるとき、第一二次元マトリクスは数式8で示したようになる。
【0025】
【数8】

【0026】
続いて、ステップS16が示すように、次元の大きさと第一参照グレースケールフレームがキャプチャマトリクスの各要素より等しいまたは小さいことを利用し、キャプチャマトリクスの各要素を第一二次元マトリクスの各要素に乗じて、第一位置決めマトリクスを取得するとともに、これに基づき第一二次元マトリクスの中心領域で最大の第一数値を見つけて、第一位置決め値とする。キャプチャマトリクス中の各要素は任意の自然数である。この実施例においては、キャプチャマトリクスの次元の大きさをp×pとし、pは隣り合う2つの黒色ブロックの中心点の互いの距離である。上述の実施例では、第一参照グレースケールフレーム38の次元が2×2のとき、キャプチャマトリクスの次元も2×2である。しかし、第一参照グレースケールフレームがm≧6のとき、キャプチャマトリクスの次元はr×rであり、rは自然数であり、m≧r≧(m/2)−1となる。
【0027】
第一位置決め値を見つけ出した後、ステップS18が示すように、第一位置決め値を利用してグレースケール画像上に対応する第一位置を見つけて、第一位置決め点位置とする。本発明は上述の二次元方式を利用して精確な位置決め点を迅速に見つけ、システムのビット誤り率(BER)を低下させる。この方法は精密で高価な光学システムへの応用に限られないので、低コストの光学システムを利用して満足できる高品質なホログラフィックデータストレージの技術を達成できる。
【0028】
上述の第一位置決め点位置は即ち白色ブロックの位置決め点位置であり、続いて、上述の方法にならった黒色ブロックの位置決め点位置の計算について、以下に詳述する。
【0029】
まず、ステップS20が示すように、第二参照グレースケールフレームを利用し、グレースケール画像上で第二参照グレースケールフレームの大きさと同じ領域の画像を順にキャプチャし、第二キャプチャ画像とする。言い換えると、第二キャプチャ画像は上述のブロックの第一列の第一行から始まり、画素を単位とし、順に最後の一列の最後の一行に向かってキャプチャが行われる。同時に第二参照グレースケールフレームと各第二キャプチャ画像の領域比較を行い、複数の第二数値を得て、第二二次元オリジナルマトリクスを作成する。第二参照グレースケールフレームは正方形、直線形、十字形、交差線形、円形、三角形、菱形または多辺形であり、ここでは正方形を例とする。第二参照グレースケールフレームの次元の大きさは第一参照グレースケールフレームと同じであり、m×m、m≧2であり、mは自然数であり、mの大きさと受信した画像の倍率は関係があり、かつ第二参照グレースケールフレームは複数の第二黒マスと複数の第二白マスを有し、前述の第一白マスと第二黒マスの位置は同じであり、前述の第一黒マスと第二白マスの位置は同じである。第二黒マスと第二白マスのグレースケール値はシステムによって設定が異なる、またはプリセットの0と225を別々に表示したものである。また、第二黒マスと第二白マスもチェスボード式の配列である。この第二グレースケールフレームはシステムに内蔵され、または第一参照グレースケールフレームによってその中の第一黒マス、第一白マスの位置と交替互換できる。さらに、第二グレースケールフレームと各第二キャプチャ画像については相似構造(Structure Similarity,SSIM)演算法を利用して領域比較が行われ、各第二数値V2は次の数式9で求められる。
【0030】
【数9】

【0031】
ここで、xはグレースケール画像であり、yIIは第二キャプチャ画像であり、0<C1II<0.1、0<C2II<0.1、C1II、C2IIはそれぞれグレースケール画像と第二キャプチャ画像の明度とコントラスト比と構造性関数であり、μxはグレースケール画像の画像強度であり数式10で表し、μyIIは第二キャプチャ画像の画像強度であり数式11で表す。σxはグレースケール画像の画像標準偏差であり数式12で表し、σyIIは第二キャプチャ画像の画像標準偏差であり数式13で表す。σxyIIはグレースケール画像と第二キャプチャ画像の共分散であり数式14で表す。
【0032】
【数10】

【0033】
【数11】

【0034】
【数12】

【0035】
【数13】

【0036】
【数14】

【0037】
たとえば、図3dが示すように、第二参照グレースケールフレーム40の次元は2×2を例とし、かつ第二参照グレースケールフレームは2つの第二黒マスと2つの第二白マスを有し、第二黒マスは図中の斜線塗りのブロックで、第二白マスは白塗りのブロックであり、第二黒マスと第二白マスもチェスボード式の配列である。nが1のとき、各ブロック36は1画素を有する。図中の太い黒枠の大きさと第二参照グレースケールフレームの大きさは同じであるため、太い黒枠の大きさを利用して領域画像をキャプチャし、第二キャプチャ画像とする。太い黒枠はまずブロック36の第一列の第一行から移動を開始し、このときキャプチャした第二キャプチャ画像については数式9を利用して第二参照グレースケールフレームとの領域比較が行われ、b11が得られる。この類推に基づいて、右方向へ移動し、b12、b13、b14が得られる。太い黒枠がブロック36の第一列の第五行まで移動したとき、このときキャプチャした第二キャプチャ画像については数式9を利用して第二参照グレースケールフレームとの領域比較が行われ、b15が得られる。続いて、図3eが示すように、太い黒枠はブロック36の第二列の第一行に移動し、このときキャプチャした第二キャプチャ画像については数式9を利用して第二参照グレースケールフレームとの領域比較が行われ、b21が得られる。最後に太い黒枠はブロック36の第五列の第五行まで移動し、このときキャプチャした第二キャプチャ画像については数式9を利用して第二参照グレースケールフレームとの領域比較が行われ、b55が得られる。b11・・・b55は即ち第二数値であり、−1〜1の間に介在し、ゼロより大きい数値は正関数であり、ゼロより小さい数値は負関数である。数式15が示すように、第二数値を新しい二次元マトリックス内に当てはめ、第二二次元オリジナルマトリクスを作成する。
【0038】
【数15】

【0039】
ステップS22が示すように、ゼロより小さい第二数値をゼロとし、その他の第二数値を残し、第二二次元オリジナルマトリクスを第二二次元マトリクスに変換する。たとえば、b15、b23、b32、b41、b53が負の値であるとき、第二二次元マトリクスは数式16で示したようになる。
【0040】
【数16】

【0041】
続いて、ステップS24が示すように、上述のキャプチャマトリクスの各要素を利用して、各要素を第二二次元マトリクスの各要素に乗じて、第二位置決めマトリクスを取得するとともに、これに基づき第二二次元マトリクスの中心領域で最大の第二数値を見つけて、第二位置決め値とする。
【0042】
最後に、ステップS26が示すように、第二位置決め値を利用してグレースケール画像上に対応する第二位置を見つけて、第二位置決め点位置とする。
【0043】
上述の第二位置決め点位置は即ち黒色ブロックの位置決め点位置である。計算理論によると、本発明はSSIM演算法を利用して第一、第二位置決め点位置の精密度を得る。距離の正確な位置決め点は±50%内であるので、画像の歪みやピンぼけの発生を避けられ、二次元センサが受信したグレースケール図形を正確に再生できる。
【0044】
上述のステップS10乃至ステップS26中において、ステップS20乃至ステップS26は省略でき、第一位置決め点位置を算出して二次元センサが受信した画像の位置決め点とでき、同様に画像の歪みやピンぼけの発生を避ける効果がある。
【0045】
以上に述べた内容は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の実施の範囲を限定するものではない。本発明の精神と領域を脱しない範囲で加えられた構造、形状、特徴などの変更や潤色は全て、本発明の特許請求の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
10 レーザー
12 空間フィルタ
14 第一レンズ
16 ビームスプリッタ
18 空間光変調器
20 第二レンズ
22 記録材料
24 第三レンズ
26 反射鏡
28 二次元センサ
30 参照ビーム
32 信号ビーム
34 グレースケール画像
36 ブロック
38 第一参照グレースケールフレーム
40 第二参照グレースケールフレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グレースケール画像を受信するステップと、
第一参照グレースケールフレームを利用して、前記グレースケール画像上で前記第一参照グレースケールフレームの大きさと同じ領域画像を順にキャプチャし、第一キャプチャ画像とし、かつ前記第一参照グレースケールフレームと各前記第一キャプチャ画像の領域比較を行って、複数の第一数値を得て、これにより第一二次元オリジナルマトリクスを作成するステップと、
ゼロより小さい前記第一数値をゼロとするとともに、その他残りの前記第一数値を残し、前記第一二次元オリジナルマトリクスを第一二次元マトリクスに変換するステップと、
次元の大きさと前記第一参照グレースケールフレームがキャプチャマトリクスおよび前記第一二次元マトリクスより小さいまたは等しいことを利用して、第一位置決めマトリクスを取得するとともに、これに基づき前記第一二次元マトリクスの中心領域で最大の前記第一数値を見つけて、第一位置決め値とするステップと、
前記第一位置決め値を利用してその前記グレースケール画像上に対応する第一位置を見つけ、第一位置決め点位置とするステップと、
を含むことを特徴とする、ホログラフィックデータストレージに用いる画像位置決め方法。
【請求項2】
前記グレースケール画像のグレースケール深度はNビットであり、かつ各前記第一数値V1は次の式


によって求められ、xは前記グレースケール画像であり、yIは前記第一キャプチャ画像であり、0<C1I<0.1、0<C2I<0.1、μx、μyIはそれぞれ前記グレースケール画像と前記第一キャプチャ画像の画像強度であり、σx、σyIはそれぞれ前記グレースケール画像と前記第一キャプチャ画像の画像標準偏差であり、σxyIは前記グレースケール画像と前記第一キャプチャ画像の共分散であり、かつ

となることを特徴とする、請求項1に記載のホログラフィックデータストレージに用いる画像位置決め方法。
【請求項3】
前記キャプチャマトリクスと前記第一二次元マトリクスを利用して前記第一位置決めマトリクスを取得するステップ中では、前記キャプチャマトリクスの各要素を、前記第一二次元マトリクスの各要素に乗じて、前記第一位置決めマトリクスを取得し、かつ前記キャプチャマトリクスの各前記要素は任意の自然数であることを特徴とする、請求項1に記載のホログラフィックデータストレージに用いる画像位置決め方法。
【請求項4】
前記第一グレースケールフレームは直線形、十字形、交差線形、円形、三角形、菱形、正方形または多辺形であることを特徴とする、請求項1に記載のホログラフィックデータストレージに用いる画像位置決め方法。
【請求項5】
前記グレースケール画像は複数のブロックを有し、各前記ブロックはn×n画素を有し、nは自然数であり、かつ前記第一キャプチャ画像は前記ブロックの第一列の第一行からは始まるとともに、前記画素を単位とし、最後の一列の最後の一行に向かって順にキャプチャを行うことを特徴とする、請求項1に記載のホログラフィックデータストレージに用いる画像位置決め方法。
【請求項6】
前記ブロックは黒色ブロックまたは白色ブロックであり、前記グレースケール画像は複数の前記黒色ブロックと複数の前記白色ブロックを含み、かつ前記第一参照グレースケールフレームの次元はm×mであり、m≧2であり、mは自然数であり、前記第一参照グレースケールフレームは複数の第一黒マスと複数の第一白マスを有することを特徴とする、請求項5に記載のホログラフィックデータストレージに用いる画像位置決め方法。
【請求項7】
前記第一参照グレースケールフレームの次元が2×2であるとき、前記キャプチャマトリクスの次元は2×2であることを特徴とする、請求項6に記載のホログラフィックデータストレージに用いる画像位置決め方法。
【請求項8】
前記第一参照グレースケールフレームがm≧6のとき、前記キャプチャマトリクスの次元はr×rであり、rは自然数であり、m≧r≧(m/2)−1であることを特徴とする、請求項6に記載のホログラフィックデータストレージに用いる画像位置決め方法。
【請求項9】
前記黒色ブロックと前記白色ブロックはチェスボード式の配列であり、前記第一黒マスと前記第一白マスもまたチェスボード式の配列であることを特徴とする、請求項6に記載のホログラフィックデータストレージに用いる画像位置決め方法。
【請求項10】
第二参照グレースケールフレームを利用して、前記グレースケール画像上で前記第二参照グレースケールフレームの大きさと同じ領域画像を順にキャプチャし、第二キャプチャ画像とし、かつ前記第二参照グレースケールフレームと各前記第二キャプチャ画像をの領域比較を行って、複数の第二数値を得て、これにより第二二次元オリジナルマトリクスを作成し、前記第一参照グレースケールフレームと前記第二参照グレースケールフレームの次元の大きさは同じで、かつ、前記第二参照グレースケールフレームは複数の第二黒マスと複数の第二白マスを有し、また前記第一白マスと前記第二黒マスの位置は同じであり、前記第一黒マスと前記第二白マスの位置は同じであるステップと、
ゼロより小さい前記第二数値をゼロとするとともに、その他残りの前記第二数値を残し、前記第二二次元オリジナルマトリクスを第二二次元マトリクスに変換するステップと、
前記キャプチャマトリクスおよび前記第二二次元マトリクスを利用して、第二位置決めマトリクスを取得るとともに、これに基づき前記第二二次元マトリクスの中心領域で最大の前記第二数値を見つけて、第二位置決め値とするステップと、
前記第二位置決め値を利用してその前記グレースケール画像上に対応する第二位置を見つけ、第二位置決め点位置とするステップと、
を含むことを特徴とする、請求項6に記載のホログラフィックデータストレージに用いる画像位置決め方法。
【請求項11】
前記グレースケール画像のグレースケール深度はNビットであり、かつ各前記第二数値V2は次の式


によって求められ、Xは前記グレースケール画像であり、yIIは前記第二キャプチャ画像であり、0<C1II<0.1、0<C2II<0.1、μx、μyIIはそれぞれ前記グレースケール画像と前記第二キャプチャ画像の画像強度であり、σx、σyIIはそれぞれ前記グレースケール画像と前記第二キャプチャ画像の画像標準偏差であり、σxyIIは前記グレースケール画像と前記第二キャプチャ画像の共分散であり、かつ


となることを特徴とする、請求項10に記載のホログラフィックデータストレージに用いる画像位置決め方法。
【請求項12】
前記キャプチャマトリクスと前記第二二次元マトリクスを利用して前記第二位置決めマトリクスを取得するステップ中では、前記キャプチャマトリクスの各要素を、前記第二二次元マトリクスの各要素に乗じて、前記第二位置決めマトリクスを取得し、かつ前記キャプチャマトリクスの各前記要素は任意の自然数であることを特徴とする、請求項10に記載のホログラフィックデータストレージに用いる画像位置決め方法。
【請求項13】
前記グレースケール画像は複数のブロックを有し、各前記ブロックはn×n画素を有し、nは自然数であり、かつ前記第二キャプチャ画像は前記ブロックの第一列の第一行からは始まるとともに、前記画素を単位とし、最後の一列の最後の一行に向かって順にキャプチャを行うことを特徴とする、請求項10に記載のホログラフィックデータストレージに用いる画像位置決め方法。
【請求項14】
前記第二グレースケールフレームは直線形、十字形、交差線形、円形、三角形、菱形、正方形または多辺形であることを特徴とする、請求項1に記載のホログラフィックデータストレージに用いる画像位置決め方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【公開番号】特開2013−80195(P2013−80195A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−273508(P2011−273508)
【出願日】平成23年12月14日(2011.12.14)
【出願人】(598139748)國立交通大學 (92)
【Fターム(参考)】