説明

ホーム柵基礎構造、及びその工事方法

【課題】この発明は、騒音及びコンクリート片の発生を伴うプラットホームでの穿設作業を削減でき、ホーム柵基礎構造の工事が大幅に短縮化され、またホーム柵を軌道に沿った所定の位置に容易に設置できるホーム柵基礎構造を得る。
【解決手段】この発明に係るホーム柵基礎構造は、軌道に沿って延びたPC板6と、このPC板6に前記軌道に沿って埋設されているとともに直線状に延びたベース固定部材8と、このベース固定部材8に取付けられるととともに、ホーム柵2を固定するホーム柵ベース9とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プラットホームの側縁部であって、軌道に沿って設置されるホーム柵を支持、固定するホーム柵基礎構造、及びこの工事方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、プラットホームの側縁部に沿って配置されたホーム柵の軌道側下方及び反軌道側下方のプラットホームにそれぞれ分離独立して設けられた取付孔と、この取付孔にそれぞれ設けられた固定金具と、プラットホーム及び固定金具の間の取付孔に充填された充填材とを備え、ホーム柵の軌道側下部が、軌道側の取付孔に設けられた固定金具に、またホーム柵の反軌道側下部が、反軌道側の取付け孔に設けられた固定金具にそれぞれ固定されるホーム柵固定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-306229号公報(図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記ホーム柵固定装置は、プラットホームにホーム柵を据付けるには、プラットホームの所定の位置に複数の上面から下面を貫通した取付孔を穿設しなければならないので、正確な穿設位置が要求される作業を限られた時間で行なわなければならず、またその穿設作業に伴う、騒音及びコンクリート片の発生を避けることができないという問題点があった。
【0005】
この発明は、かかる問題点を解決することを課題とするものであって、騒音及びコンクリート片の発生を伴うプラットホームでの上記取付孔の穿設作業が不要となり、ホーム柵基礎構造の工事が大幅に短縮化され、またホーム柵を軌道に沿った所定の位置に容易に設置できる、ホーム柵基礎構造、及びその工事方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るホーム柵基礎構造では、プラットホームの側縁部であって、軌道に沿って設置されるホーム柵を支持、固定するホーム柵基礎構造において、
前記軌道に沿って延びたプラットホーム基材と、
このプラットホーム基材に前記軌道に沿って埋設されているとともに直線状に延びたベース固定部材と、
このベース固定部材に取付けられるとともに、前記ホーム柵を固定するホーム柵ベースとを備えたものである。
【0007】
また、この発明に係るホーム柵基礎構造の工事方法は、ベース固定部材が埋設されたプラットホーム基材の上面に設けられた表装部材に前記ホーム柵ベースのベース取付部位を形成するベース取付部位形成工程と、
このベース取付部位で前記ホーム柵ベースを前記ベース固定部材に固定するホーム柵ベース固定工程とを備え、
前記ホーム柵ベースにはホーム柵が据付けられる。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係るホーム柵基礎構造によれば、軌道に沿って延びたプラットホーム基材と、このプラットホーム基材に前記軌道に沿って埋設されているとともに直線状に延びたベース固定部材と、このベース固定部材に取付けられるととともに、ホーム柵を固定するホーム柵ベースとを備えたので、プラットホームにホーム柵を据付ける際のホーム柵基礎構造の工事では、軌道に沿ってプラットホーム基材を設置した後、直線状に延びたベース固定部材の所望の位置にホーム柵ベースを固定することで、ホーム柵を軌道に沿った所定の位置に容易に設置できる。
また、従来の取付孔の穿設作業が不要となり、穿設作業に伴う騒音及びコンクリート片の発生を避けることができる。
【0009】
また、この発明に係るホーム柵基礎構造の工事方法によれば、ベース固定部材が埋設されたプラットホーム基材の上面に設けられた表装部材に前記ホーム柵ベースのベース取付部位を形成するベース取付部位形成工程と、このベース取付部位で前記ホーム柵ベースを前記ベース固定部材に固定するホーム柵ベース固定工程とを備えたので、時間を要する従来の取付孔の穿設作業が不要となり、工事時間が大幅に短縮される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1のホーム柵基礎構造を示す斜視図である。
【図2】図1のホーム柵基礎構造の一部正断面図である。
【図3】図2の側断面図である。
【図4】図1のベース固定部材を示す斜視図である。
【図5】図1のホーム柵ベースを示す斜視図である。
【図6】図6(a)は、プラットホームのPC板の側縁の断面図、図6(b)は、図6(a)の平面図である。
【図7】図7(a)は、PC板上にアスファルトを設けたときの断面図、図7(b)は、図7(a)の平面図である。
【図8】図8(a)は、ベース固定部材にホーム柵ベースを設置したときの断面図、図8(b)は、図8(a)の平面図である。
【図9】図9(a)は、ホーム柵ベース下面までグラウトを注入したときの断面図、図9(b)は、図9(a)の平面図である。
【図10】図10(a)は、据付け用治具をホーム柵ベースから取り除いたときの断面図、図10(b)は、図10(a)の平面図である。
【図11】図11(a)は、グラウト硬化後のボルトを本締めしたときの断面図、図11(b)は、図11(a)の平面図である。
【図12】図12(a)は、ケーブル入線孔を形成したときの断面図、図12(b)は、図12(a)の平面図である。
【図13】図13(a)は、配線用配管にケーブルが敷設されたときの断面図、図13(b)は、図13(a)の平面図である。
【図14】図14(a)は、ホーム柵をホーム柵ベースに固定し、またホーム柵にケーブルを結線したときの断面図、図14(b)は、図14(a)の平面図である。
【図15】図15(a)は、ホーム柵ベース上にさらにグラウトを注入したときの断面図、図15(b)は、図15(a)の平面図である。
【図16】この発明の実施の形態2のホーム柵基礎構造を示す一部正断面図である。
【図17】図16の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の各実施の形態について図に基づいて説明するが、各図において同一、または相当部材、部位については、同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1のホーム柵基礎構造を示す説明図である。
ホーム柵2は、プラットホーム1上の側縁に沿って複数個隣接して立設され、乗客の軌道への転落防止を図るものである。
このホーム柵2は、軌道に沿って往復動して開閉する可動扉部3と、この可動扉部3が開いたときに可動扉部3を収納する、戸袋部4及び固定柵部5とを備えている。
【0012】
前記ホーム柵2は、プラットホーム1の側縁部を構成するホーム柵基礎構造に据付けられている。
プラットホーム1は、プラットホーム基材であるプレキャストコンクリート板6(以下、PC板と略称する。)と、このPC板6上に設けられた、表装部材であるアスファルト12とを備えている。
図2は、ホーム柵2の戸袋部4でのホーム柵基礎構造を示す正断面図、図3は図2の側断面図である。なお、戸袋部4内における、可動扉部3を駆動する駆動モータ等は省略されている。
このホーム柵基礎構造は、軌道に沿って延びたプラットホーム基材であるプレキャストコンクリート板6(以下、PC板と略称する。)と、この直方体形状のPC板6に埋設された、図4に示す一対のベース固定部材8と、一対の直線状のベース固定部材8間を跨いで設けられ、ボルト10及びナット11,23によりベース固定部材8に固定された、図5に示すホーム柵ベース9とを備えている。
また、このホーム柵基礎構造は、ホーム柵ベース9の下側であってPC板6に埋設された一対の直線状の配線用配管7と、PC板6上であってホーム柵ベース9の周囲の一面に設けられた表装部材であるアスファルト12と、ホーム柵ベース9上に設けられたグラウト材15とを備えている。
【0013】
ベース固定部材8は、プラットホーム1の側縁に沿って一対平行に延びて設けられている。それぞれのベース固定部材8は、断面口の字形状で、上面にスリット8bが形成されている。このベース固定部材8は、その底面部に軌道に沿った方向に一定の間隔で複数の棒状の埋込部材(図示せず)が設けられている。この埋込部材は、PC板6に埋設しており、ベース固定部材8のPC板6に対する耐引抜き強度を確保することを目的としている。
【0014】
ホーム柵ベース9は、矩形状のベース本体9aの中間部に突出部9bが固定されている。この突出部9bは、断面コの字形状をしており、軌道に沿った方向に開口している。この突出部9bには、ホーム柵固定用孔9dが形成されている。このホーム柵固定用孔9dを通じてボルト25によりホーム柵2の戸袋部4がホーム柵ベース9に固定されている。
ベース本体9aの両側には、それぞれ長孔9cが形成されている。
この長孔9cは、軌道に沿った方向の内径よりも軌道に沿った方向に対して直角方向の内径が大きい。
一方の長孔9cからは、一方のベース固定部材8のスリット8bを貫通したボルト10のネジ部10bの上端部が突出している。他方の長孔9cからも、他方のベース固定部材8のスリット8bを貫通したボルト10のネジ部10bの上端部が突出している。
それぞれのボルト10の下端部に形成された鍔部10aは、その裏面にナット23が溶接により固着されている。この鍔部10aは、ベース固定部材8の内側係止部8aに当接し、ナット11を締付けることで、ホーム柵ベース9は、ベース固定部材8に固定される。
【0015】
次に、上記ホーム柵基礎構造の工事方法、及びホーム柵2の戸袋部4の据付方法について説明する。
先ず、ベース固定部材8及び配線用配管7が埋設されたプラットホーム基材であるPC板6を、軌道に沿って設置する(図6(a),(b)参照)。
このプラットホーム基材設置工程の後、PC板6上であってホーム柵ベース9が固定される部位に型枠16を載置し、この型枠16の周囲の一面にアスファルト12を流し込み、前記ホーム柵ベース9のベース取付部位を形成する(図7(a),(b)参照)。
このベース取付部位形成工程の終了後は、型枠16を覆工板14で覆う。
この覆工板14は、ベース取付部位形成工程の後ホーム柵2の据付けが完了するまでの工事期間中、ベース取付部位を覆って養生するものであって、ベース固定部材8に着脱自在に設けられている。
【0016】
アスファルト12が硬化した後、複数のホーム柵ベース9をベース固定部材8にボルト10及びナット11を用いて固定する。この際には、断面Lの字形状の一対の据付け用治具13を用いて隣接したホーム柵ベース9同士を連結し、かつ据付け用治具13の両端の高さをジャッキボルト(図示せず)を用いることで、隣接したホーム柵ベース9同士の水平高さを一致させる(図8(a),(b)参照)。
このホーム柵ベース固定工程の後、アスファルト12で覆われていない、ホーム柵ベース9の部位に1回目のグラウト材15をベース本体9aの上面から数mm程度下まで注入する(図9(a),(b)参照)。
この作業終了後、グラウト材15が硬化した後、据付け用治具13をホーム柵ベース9から取り外し、引き続き覆工板14でホーム柵ベース9を覆い、数週間放置する(図10(a),(b)参照)。
この放置により、グラウト材15が確実に硬化した後、ナット11を締めることで、ホーム柵ベース9をベース固定部材8に強固に固定する(図11(a),(b)参照)。
【0017】
次に、プラットホーム1を穿設して、配線用配管7に連通したケーブル入線孔17を形成する(図12(a),(b)参照)。
この穿設工程の後、配線用配管7内にケーブル18を配線する(図13(a),(b)参照)。
引き続き、ボルト25を用いてホーム柵固定用孔9dを通じてホーム柵2の戸袋部4をホーム柵ベース9に固定する。
この後、このケーブル18の先端部をホーム柵2内の各機器(図示せず)に接続する((図14(a),(b)参照)。
このケーブル接続工程の後、先に注入したグラウト材15の上面に、2回目のグラウト材15を周囲のアスファルト12の高さまで注入し、グラウト材15を硬化させる。
【0018】
上記実施の形態のホーム柵基礎構造によれば、軌道に沿って延びたPC板6と、このPC板6に軌道に沿って埋設されているとともに直線状に延びたベース固定部材8と、このベース固定部材8に取付けられるととともに、ホーム柵2を固定するホーム柵ベース9とを備えている。
従って、プラットホーム1にホーム柵2を据付ける際のホーム柵基礎構造の工事では、軌道に沿ってPC板6を設置した後、直線状に延びたベース固定部材8の所望の位置にホーム柵ベース9を固定することで、ホーム柵2の戸袋部4を軌道に沿った所定の位置に容易に設置できる。
【0019】
また、ベース固定部材8は、一対、平行に並んで配置されているので、ホーム柵2の戸袋部4は、ホーム柵ベース9に安定して固定される。
【0020】
また、ベース固定部材8は、断面形状が口の字形状であって、その上部には、スリット8bが直線状に形成されており、このスリット8bを通過してホーム柵ベース9を固定するためのボルト10がベース固定部材8に係止されるようになっているので、ホーム柵ベース9をスリット8bに沿って移動することで、ホーム柵2を軌道方向の所定の位置に簡単に位置決めすることができる。
【0021】
また、ボルト10は、この下端部に鍔部10aが設けられており、この鍔部10aは、スリット8bの両側のベース固定部材8の内側係止部8aに面接触して係止しており、ホーム柵ベース9は、ボルト10の先端部が貫通する長孔9cを有し、この長孔9cを貫通したボルト10の先端部に螺着されたナット11により、ベース固定部材8に固定されているので、ホーム柵ベース9は、ベース固定部材8に簡単に取付けることができる。
【0022】
また、長孔9cは、軌道に沿った方向の内径よりも軌道に沿った方向に対して直角方向の内径が大きいので、ホーム柵ベース9のスリット8bによる軌道に沿った方向の位置調整とともに、軌道に沿った方向に対して直角方向に対する微妙な位置調整も可能となり、それだけホーム柵2の戸袋部4をプラットホーム1の所定の位置に据付けることができる。
【0023】
また、PC板6には、ケーブル18が敷設される配線用配管7が埋設されているので、PC板6の外部にケーブル18用のスペースを確保する必要がなく、簡素化できる。
また、配線用配管7内に敷設されるケーブル18は、ホーム柵2内の機器とケーブル入線孔17を通じて簡単に接続できる。
【0024】
また、上記構成のホーム柵基礎構造の工事方法によれば、ベース固定部材8が埋設されたPC板6の上面に設けられたアスファルト12にホーム柵ベース9のベース取付部位を形成するベース取付部位形成工程と、このベース取付部位でホーム柵ベース9をベース固定部材8に固定するホーム柵ベース固定工程とを備えたので、従来の取付孔の穿設作業が不要となり、プラットホーム1にホーム柵2の戸袋部4を据付けるまでの一連の作業工数を大幅に削減することができ、また作業時間も短縮化をされる。
また、上記構成のホーム柵基礎構造の工事方法によれば、引き続きプラットホーム1に配線用配管7に通じるケーブル入線孔17を形成する穿設工程と、ホーム柵ベース9に設置されたホーム柵2内の機器に、配線用配管7に敷設されたケーブル18の端部をケーブル入線孔17を通じて接続するケーブル接続工程とを備えているので、配線用配管7内に敷設されるケーブル18は、ホーム柵2内の機器とケーブル入線孔17を通じて簡単に接続される。
【0025】
また、ホーム柵ベース9のベース取付部位が形成されてからホーム柵ベース固定工程の終了までの工事期間中の工事中断期間は、ベース取付部位は、ベース固定部材8に着脱自在に取付けられた覆工板14で覆われており、ホーム柵ベース9及びグラウト材15は、養生される。
【0026】
実施の形態2.
図16はこの発明の実施の形態2のホーム柵基礎構造を示す一部正断面図、図17は図16の側断面図である。
この実施の形態では、PC板6には、実施の形態1のホーム柵基礎構造と異なり、配線用配管7が埋設されていない。このPC板6の下部には、ベース固定部材8に対向して一対の吊り金具固定部材20が設けられている。この吊り金具固定部材20は、断面口の字形状をしており、この下部にスリット部が形成されている。
各吊り金具固定部材20は、そのスリット部に吊り金具22の抜け止め金具32が係止している。吊り金具22の下端部には、ナット31で係止された支持金具30が設けられている。この支持金具30には軌道方向に沿って延びたケーブルラック21が取付けられている。
また、プラットホーム1には、プラットホーム1の上面から下面に貫通して穿設されたケーブル入線孔24が形成されている。
他の構成は、実施の形態1のホーム柵基礎構造と同じである。
【0027】
この実施の形態2によるホーム柵基礎構造の工事方法では、ケーブル接続工程が実施の形態1のケーブル接続工程と異なる。
即ち、この実施の形態2のケーブル接続工程では、ホーム柵ベース9に設置されたホーム柵2内の機器に、ケーブルラック21上に敷設されるケーブル18が、プラットホーム1に形成されたケーブル入線孔24を通じてホーム柵2内の機器と接続される。
他の各工程は、実施の形態1のホーム柵基礎構造の工事方法と同じである。
【0028】
また、吊り金具固定部材20は、断面形状が口の字形状であって、その下部には、吊り金具22の抜け止め金具32が係止するスリット部が直線状に形成されているので、吊り金具固定部材20に吊り金具22を簡単に取付けることができるとともに、所望の位置に吊り金具22を簡単に設けることができる。
【0029】
以上、上記実施の形態1,2では、プラットホーム1にホーム柵2の戸袋部4を据付ける場合について説明したが、ホーム柵2の固定柵部5についても、ホーム柵基礎構造は、実施の形態1,2の戸袋部4の基礎構造と同じである。
また、固定柵部5の工事方法も戸袋部4と同様の手順である。
従って、ホーム柵2の固定柵部5についてのホーム柵基礎構造、及び工事方法の説明は省略する。
【0030】
なお、上記実施の形態1,2では、ボルト10の下端部に形成された鍔部10aは、その裏面にナット23が溶接により固着されているが、ナット23を用いずに、ボルト10の端部に鍔部10aを直接溶接してもよいし、鍛造により鍔部10a付きのボルト10を形成するようにしてもよい。
また、実施の形態1,2では、プラットホーム基材としてプレキャストコンクリート板6を用いて説明したが、勿論このコンクリート板に限定されるものではない。
また、表装部材としてアスファルト12を用いたが、表装部材は例えばモルタル上にタイルを貼付けたものであってもよい。
また、ベース取付部位の形成にあたっては、型枠16を使用して表装部材の無い部位を形成した場合について説明したが、表装部材を設置する作業時にホーム柵ベース9の取付位置が決定していない場合などでは、プレキャストコンクリート板6の上側全面に表装部材を設けた後に、ホーム柵ベース9が固定される部位の表装部材を削り、除去することでベース取付部位を形成してもよい。
また、直線状のベース固定部材8は、プレキャストコンクリート板6に一対埋設された例で説明したが、単体であってもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 プラットホーム、2 ホーム柵、3 可動扉部、4 戸袋部、5 固定柵部、6 プレキャストコンクリート板(プラットホーム基材)、7 配線用配管、8 ベース固定部材、8a 係止部、8b スリット、9 ホーム柵ベース、9a ベース本体、9b 突出部、9c ベース固定部材用長孔、9d ホーム柵固定用孔、10,25 ボルト、10a 鍔部、10b ネジ部、11 ナット、12 アスファルト(表装部材)、13 据付け用治具、14 覆工板、15 グラウト材、16 型枠、17,24 ケーブル入線孔、18 ケーブル、19,25 ボルト、20 吊り金具固定部材、21 ケーブルラック、22 吊り金具、23 ナット、30 支持金具、31 ナット、32 抜け止め金具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラットホームの側縁部であって、軌道に沿って設置されるホーム柵を支持、固定するホーム柵基礎構造において、
前記軌道に沿って延びたプラットホーム基材と、
このプラットホーム基材に前記軌道に沿って埋設されているとともに直線状に延びたベース固定部材と、
このベース固定部材に取付けられるとともに、前記ホーム柵を固定するホーム柵ベースとを備えたことを特徴とするホーム柵基礎構造。
【請求項2】
前記ベース固定部材は、一対、平行に並んで配置されていることを特徴とする請求項1に記載されたホーム柵基礎構造。
【請求項3】
前記ベース固定部材は、断面形状が口の字形状であって、その上部には、スリットが直線状に形成されており、
このスリットを通過して、前記ホーム柵ベースを固定するためのボルトが前記ベース固定部材に係止されることを特徴とする請求項1または2に記載されたホーム柵基礎構造。
【請求項4】
前記ボルトは、この下端部に鍔部が設けられており、この鍔部は、前記スリットの両側の前記ベース固定部材の内側係止部に面接触して係止しており、
前記ホーム柵ベースは、前記ボルトの先端部が貫通する孔を有し、この孔を貫通した前記ボルトの前記先端部に螺着されたナットにより、前記ベース固定部材に固定されていることを特徴とする請求項3に記載されたホーム柵基礎構造。
【請求項5】
前記ホーム柵ベースの前記孔は、前記軌道に沿った方向の内径よりも軌道に沿った方向に対して直角方向の内径が大きい長孔であることを特徴とする請求項4に記載されたホーム柵基礎構造。
【請求項6】
前記プラットホーム基材には、前記軌道に沿って配線用配管が埋設されているとともに、前記プラットホームの上面からこの配線用配管に連通したケーブル入線孔が形成されており、
前記配線用配管内に敷設されるケーブルが前記ホーム柵内の機器と前記ケーブル入線孔を通じて接続されることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載されたホーム柵基礎構造。
【請求項7】
前記プラットホーム基材は、下部に前記軌道に沿って直線状の吊り金具固定部材が埋設されており、この吊り金具固定部材に固定された吊り金具に、ケーブルラックが吊り下げられ、このケーブルラック上に敷設されるケーブルが前記プラットホームの上面から下面に貫通して形成されたケーブル入線孔を通じて前記ホーム柵内の機器と接続されることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載されたホーム柵基礎構造。
【請求項8】
前記吊り金具固定部材は、断面形状が口の字形状であって、その下部には、前記吊り金具が通過して内側係止部に係止可能なスリットが直線状に形成されていることを特徴とする請求項7に記載されたホーム柵基礎構造。
【請求項9】
前記プラットホーム基材は、プレキャストコンクリートで構成されていることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載されたホーム柵基礎構造。
【請求項10】
請求項1に記載されたホーム柵基礎構造における、ホーム柵基礎構造の工事方法であって、
前記ベース固定部材が埋設された前記プラットホーム基材の上面に設けられた表装部材に前記ホーム柵ベースのベース取付部位を形成するベース取付部位形成工程と、
このベース取付部位で前記ホーム柵ベースを前記ベース固定部材に固定するホーム柵ベース固定工程とを備え、
前記ホーム柵ベースにホーム柵が据付けられることを特徴とするホーム柵基礎構造の工事方法。
【請求項11】
前記ホーム柵ベースの前記ベース取付部位が形成されてから、前記ホーム柵ベースに前記ホーム柵の据付けが終了するまでの工事期間中の工事中断期間には、前記ベース取付部位を覆って養生する覆工板が前記ベース固定部材に着脱自在に取付けられていることを特徴とする請求項10に記載されたホーム柵基礎構造の工事方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−103553(P2013−103553A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247440(P2011−247440)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)