説明

ボトルホルダー

【課題】便利なボトルの携帯を行えるとともに、キャップを螺脱等して取り外す際に簡単に行えるという利点を備え、しかも、携帯するボトルのキャップの径や口頸部の径が特定されずに幅のある大きさのボトルへの対応が可能であるボトルホルダーを提案する。
【解決手段】支持基板10の裏面に吊り下げ用の挿入係止片11を垂設したクリップ部A1と、クリップ部A1に連設するとともに、吊り下げるボトルCの口頸部52を着脱可能に嵌合固定させるボトルネック固定部A2とを備えたボトルホルダーであって、ボトルCの口頸部52に嵌合したキャップDを容易に離脱するための易回動手段を備えている。該易回動手段は、ボトルCのキャップD外周に遊嵌する締縛用孔15と、該締縛用孔15と連設して締縛用孔15の縮径を補助するための窓孔16とを支持基板10に穿設し、支持基板10両側を圧することでキャップD外周に圧接する大きさに締縛用孔15を縮径可能に構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はボトルホルダーに関し、詳しくは、ボトルをウエストベルト等に吊り下げることができるボトルホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
ペットボトル等のボトルを腰のベルトに吊り下げて携帯する腰吊下げ型のボトルホルダーが種々提案されている。(例えば、特許文献1及び2参照)
【0003】
特許文献1のボトルホルダーは、腰ベルトの内側に挟み止める挿込み、及び手で持って携帯する片の上辺にペットボトル蓋部の直径より少し縮径させた孔で蓋部に少し固めに押入し冠着させる大きさとなっている穴を設けている。
【0004】
また、特許文献2のボトルホルダーは、ウェストベルトの内側に挟み止める挿込み片の上辺に横向き片を設け、この横向き片の先端縁片にペットボトルの首部の直径と略同一の幅のU字状の切欠を切り欠いてペットボトル吊下げ部を設けると共に上記挿込み片の中央位置にペットボトルの螺子蓋の外径と略同一の径の蓋挿込み孔を開け且つこの蓋挿込み孔の内周面に螺子蓋のローレットへの係合用小突起を周設して螺子蓋開け部を設け、また挿込み片の先端個所を箆先状として当該箆先状部に断面形状が楔形のプルトップ起し用部を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−341923号公報
【特許文献2】特開2002−104418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記各特許文献のボトルホルダーは、手が自由な状態でボトルを携帯することができるという便利があり、しかも構造も簡単である等の種々の利点を備えたものである。特に後者はキャップの螺脱に当たりキャップが固く螺着している場合にも簡単に取り外すことができる手段を兼ね備えている。
【0007】
本発明は上記した従来のボトルホルダーと同様に便利なボトルの携帯を行えるとともに、キャップを螺脱等して取り外す際に簡単に行えるという利点を備え、しかも、携帯するボトルのキャップの径や口頸部の径が特定されずに幅のある大きさのキャップへの対応が可能であるボトルホルダーを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の手段として、以下の通り構成した。即ち、支持基板10の裏面に吊り下げ用の挿入係止片11を垂設したクリップ部A1と、クリップ部A1に連設するとともに、吊り下げるボトルCの口頸部52を着脱可能に嵌合固定させるボトルネック固定部A2とを備えたボトルホルダーであって、ボトルCの口頸部52に嵌合したキャップDを容易に離脱するための易回動手段を設け、該易回動手段は、ボトルCのキャップD外周に遊嵌する締縛用孔15と、該締縛用孔15と連設して締縛用孔15の縮径を補助するための窓孔16とを支持基板10に穿設し、支持基板10両側を圧することでキャップD外周に圧接する大きさに締縛用孔15を縮径可能に構成した。
【0009】
第2の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段に於いて、締縛用孔15の内周に、キャップD外周に形成されたローレット60と係合する縦突条群17を設けた。
【0010】
第3の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段又は第2の手段のいずれか1つの手段に於いて、クリップ部A1に対してボトルネック固定部A2を回動可能に連結した。
【0011】
第4の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段乃至第3の手段のいずれか1つの手段に於いて、ボトルネック固定部A2は、支持基板10に連結した板状をなし、周囲に放射状の切溝22を複数延設して周縁部の弾性変形が可能な嵌合孔23を備え、キャップDを嵌合した口頸部52上方より嵌合孔23周縁を強制的に弾性変形させてキャップD下方の口頸部52外周への嵌合が可能に構成した。
【0012】
第5の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段乃至第3の手段のいずれか1つの手段に於いて、ボトルネック固定部A2は、支持基板10の下端縁にヒンジ20を介して上端縁を連結した第1半環状板部30と、第1半環状板部30の端部に一端部を回動可能に連結して第1半環状板部30に対する開閉が可能に連結した第2半環状板部32とを備え、第2半環状板部32を閉じた状態で第2半環状板部32の他端部を第1半環状板部30に嵌合係止して両者の内縁でボトル口頸部52を嵌合させる嵌合孔23を形成してなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、支持基板10の裏面に吊り下げ用の挿入係止片11を垂設したクリップ部A1と、クリップ部A1に連設するとともに、吊り下げるボトルCの口頸部52を着脱可能に嵌合固定させるボトルネック固定部A2とを備えているため、クリップ部A1をウエストベルトB等に係止させることで、両手が自由な状態でボトルCを携帯所持することができる。
【0014】
また、ボトルCの口頸部52に嵌合したキャップDを容易に離脱するための易回動手段を設けており、該易回動手段は、ボトルCのキャップD外周に遊嵌する締縛用孔15と、該締縛用孔15と連設して締縛用孔15の縮径を補助するための窓孔16とを支持基板10に穿設し、支持基板10両側を圧することでキャップD外周に圧接する大きさに締縛用孔15を縮径可能に構成しているため、キャップDの外径が相違するものであっても充分対応でき、しかもキャップDの回動は小さな力で簡単に行える。螺着形態のキャップであっても、或いはその他のツイストロック形態のキャップであっても回動させることで離脱が可能な形態のキャップに対して有効に使用できる。
【0015】
締縛用孔15の内周にキャップD外周に形成されたローレット60と係合する縦突条群17を設けた場合には、キャップDの回動時にキャップのローレット60と締縛用孔15の縦突条群17とが係合して両者が滑ることを確実に防止でき、より確実,容易なキャップDの回動が可能となる。
【0016】
クリップ部A1に対してボトルネック固定部A2を回動可能に連結した場合には、ボトルCの携帯歩行時に生じるボトルCの揺れを吸収してクリップ部A1とボトルネック固定部A2との連結部位に係る負荷を極力緩和し、耐久性の向上に繋がる。
【0017】
ボトルネック固定部A2は、支持基板10に連結した板状をなし、周囲に放射状の切溝22を複数延設して周縁部の弾性変形が可能な嵌合孔23を備え、キャップDを嵌合した口頸部52上方より嵌合孔23周縁を強制的に弾性変形させてキャップD下方の口頸部52外周に嵌合させる場合には、ボトルCの着脱が迅速容易に行えるとともに、キャップDの外径,口頸部52の外径に多少幅があっても確実な固定が可能となる。
【0018】
ボトルネック固定部A2は、支持基板10の下端縁にヒンジ20を介して上端縁を連結した第1半環状板部30と、第1半環状板部30の端部に一端部を回動可能連結して第1半環状板部30に対する開閉が可能に連結した第2半環状板部32とを備え、第2半環状板部32を閉じた状態で第2半環状板部32の他端部を第1半環状板部30に嵌合係止して両者の内縁でボトル口頸部52を嵌合させる嵌合孔23を形成してなる場合には、第2半環状板部32先端の嵌合係止を外さない限りボトルCが外れる虞がない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】ボトルホルダーの斜視図である。(実施例1)
【図2】ボトルホルダーの縦断面図である。(実施例1)
【図3】ボトルホルダーの使用を説明する説明図である。(実施例1)
【図4】ボトルホルダーの使用を説明する説明図である。(実施例1)
【図5】ボトルホルダーの斜視図である。(実施例2)
【図6】ボトルホルダーの要部斜視図である。(実施例3)
【図7】ボトルホルダーの要部斜視図である。(実施例3)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の形態を図面を参照して説明する。
【0021】
図1はボトルホルダーAの一例を示す。ボトルホルダーAは、クリップ部A1とボトルネック固定部A2とを備えている。
【0022】
ボトルホルダーAは合成樹脂等により形成され、図3に示す如く、ウエストベルトBにクリップ部A1を係止し、また、ボトルネック固定部A2にボトルCを嵌合固定させてボトルCを身体に吊り下げ携帯するためのものである。ボトルホルダーAにより吊り下げが可能なボトルCとしては、図示例の如き一般的な、胴部50より肩部51を介して口頸部52を起立した形態のものが使用でき、口頸部52にキャップDを螺着した形態のものが使用される。尚、キャップDは螺着したものに限らず、取り外す際に回動操作を伴うものが適用でき、例えば、所定の回動角度を回動した後引き上げることでロックが解除される如き所謂ツイストロック機構により係止されるキャップを使用することも可能である。
【0023】
クリップ部A1は、支持基板10の裏面に吊り下げ用の挿入係止片11を垂設している。挿入係止片11は、使用時に上部となる支持基板10の一端部からフランジ状の連結部12を介して支持基板10と平行に垂設しており、内面下端には係止用の突条13を突設している。また、形成する材料を減少する目的で複数の透孔14を挿入係止片11に穿設している。そして、図3に示す如く、挿入係止片11をウエストベルトBの裏面に上方から挿入し、挿入係止片11と支持基板10との間にウエストベルトBを挟持させて固定する。尚、クリップ部A1の固定部位としてウエストベルトBに限らず、その他ズボンのポケットや挿入係止片11の挿入係合が可能な部位であれば可能である。
【0024】
ボトルネック固定部A2は、キャップDを螺着した状態のボトルの口頸部52に対して着脱が可能であり、また、装着した状態では簡単には外れない構造となっている。図示例では、支持基板10の使用時下端縁となる一端縁にヒンジ20を介して一端縁を連結した板状をなす固定基板21を備え、固定基板21の中央部には、周囲に放射状の切溝22を複数延設した口頸部嵌合用の嵌合孔23を穿設している。この嵌合孔23の径はキャップDの外径より小さく形成され、ボトルCへの装着時には各切溝22間の突片24の先端が弾性変形して強制的にキャップDを挿通させ、キャップDの挿通後に弾性復元した各突片がキャップD下面に係止されて抜け出しを防止する。そして、キャップD上方から強制的にボトルネック固定部A2を嵌合されたボトルCは、図3に示す如く吊り下げられる。この際固定基板21は身体によりボトルCが起立状態に押圧されることで、水平状態に維持される。
【0025】
尚、図示例では、キャップDの下面に各突片24の先端が係合している場合を示したが、キャップD螺着部分下方の口頸部52外周にフランジを設けている場合にはそのフランジの径よりも小さく形成して、フランジの下面に各突片24が係合する如く構成しても良い。また、ヒンジ20を介せずにクリップ部A1に対してボトルネック固定部A2を連設することも可能である。その場合には支持基板10に対して所定の角度例えば90°の角度をもって固定基板21を延設すると良い。この角度は当然これに限らない。
【0026】
本発明では、ボトルCの口頸部52に螺着したキャップDを容易に螺脱するための易回動手段を設けている。易回動手段は、ボトルCの口頸部52に螺着したキャップDの外周に遊嵌する締縛用孔15と、該締縛用孔15と連設して締縛用孔15の縮径を補助するための窓孔16とを支持基板10に穿設し、支持基板10両側を圧することでキャップD外周に圧接する大きさに締縛用孔15を縮径可能に構成している。
【0027】
易回動手段を使用する場合には、図3の状態からクリップ部A1をウエストベルトBより外した後、強制的にボトルネック固定部A2を上方へ引き上げて外し、次いで、外したボトルホルダーAを、図4に示す如く、締縛用孔15をキャップD外周に嵌合させ窓孔16外方の支持基板10を内方へ圧することで締縛用孔15が縮径し、キャップDの外周に圧接する。この際キャップDの外周にはローレット60が刻設されており、また、締縛用孔15の内周にはローレット60と係合可能な縦突条群17刻設されており、両者は係合してより摩擦力を発揮し、また、手で掴む部分は締縛用孔15より離れた位置で掴むことができるため、極めて軽い力でキャップDの螺着を外すことができる。
【0028】
また、図1乃至4の例では、キャップD外周にローレット60を、締縛用孔15内周に縦突条群17を刻設した例を示したが、これに限らず、図5に示す如く、締縛用孔15内周に縦突条群17を設けない場合でも充分機能する。その場合にはキャップDの外周にローレット60がある場合でもない場合でも対応できる。
【0029】
また、図1の例或いは図5の例では、ボトルネック固定部A2を上記した構成として説明したが、ボトルネック固定部A2はこれに限らず、例えば、図6及び図7に示すごときボトルネック固定部A2を採用しても良い。
【0030】
この場合のボトルネック固定部A2は、支持基板10の下端縁にヒンジ20を介して上端縁を連結した第1半環状板部30と、第1半環状板部30の端部にヒンジ部31を介して一端部を回動可能連結して第1半環状板部30に対する開閉が可能に連結した第2半環状板部32とを備えている。また、第2半環状板部32を閉じた状態で第2半環状板部32の他端部を第1半環状板部30に嵌合係止して両者の内縁でボトル口頸部52を嵌合させる嵌合孔23を形成する。
【0031】
図示例では、第1半環状板部30のヒンジ20近傍部分に第1半環状板部30の一部とで形成した係止管33を形成し、また、第2半環状板部32の自由端の裏面に第1係合突部、側面に返し形態の第2係合突部35を突設し、係止管33内に第2半環状板部32の先端を挿通させて第1係合突部34を第2半環状板部32の側面に、第2係合突部35を係止管33の側面にそれぞれ係合させて抜け出しの防止を図っている。この場合には、例えば、第2半環状板部32を開いた状態でボトルCの口頸部52を第1半環状板部30の内縁に当接し、しかる後、第2半環状板部32を閉じてその先端を係合させ、第1半環状板部30と第2半環状板部32とで形成される嵌合孔23にボトルCの口頸部52を嵌合させることができる。
【符号の説明】
【0032】
A…ボトルホルダー
A1…クリップ部
10…支持基板,11…挿入係止片,12…連結部,13…係止用の突条,14…透孔,
15…締縛用孔,16…窓孔,17…縦突条群
A2…ボトルネック固定部
20…ヒンジ,21…固定基板,22…切溝,23…嵌合孔,24…突片,
30…第1半環状板部,31…ヒンジ部,32…第2半環状板部,33…係止管,
34…第1係合突部,35…第2係合突部
B…ウエストベルト
C…ボトル
50…胴部,51…肩部,52…口頸部
D…キャップ
60…ローレット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持基板10の裏面に吊り下げ用の挿入係止片11を垂設したクリップ部A1と、クリップ部A1に連設するとともに、吊り下げるボトルCの口頸部52を着脱可能に嵌合固定させるボトルネック固定部A2とを備えたボトルホルダーであって、ボトルCの口頸部52に嵌合したキャップDを容易に離脱するための易回動手段を設け、該易回動手段は、ボトルCのキャップD外周に遊嵌する締縛用孔15と、該締縛用孔15と連設して締縛用孔15の縮径を補助するための窓孔16とを支持基板10に穿設し、支持基板10両側を圧することでキャップD外周に圧接する大きさに締縛用孔15を縮径可能に構成したことを特徴とするボトルホルダー。
【請求項2】
締縛用孔15の内周に、キャップD外周に形成されたローレット60と係合する縦突条群17を設けた請求項1記載のボトルホルダー。
【請求項3】
クリップ部A1に対してボトルネック固定部A2を回動可能に連結した請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のボトルホルダー。
【請求項4】
ボトルネック固定部A2は、支持基板10に連結した板状をなし、周囲に放射状の切溝22を複数延設して周縁部の弾性変形が可能な嵌合孔23を備え、キャップDを嵌合した口頸部52上方より嵌合孔23周縁を強制的に弾性変形させてキャップD下方の口頸部52外周への嵌合が可能に構成した請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のボトルホルダー。
【請求項5】
ボトルネック固定部A2は、支持基板10の下端縁にヒンジ20を介して上端縁を連結した第1半環状板部30と、第1半環状板部30の端部に一端部を回動可能に連結して第1半環状板部30に対する開閉が可能に連結した第2半環状板部32とを備え、第2半環状板部32を閉じた状態で第2半環状板部32の他端部を第1半環状板部30に嵌合係止して両者の内縁でボトル口頸部52を嵌合させる嵌合孔23を形成してなる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のボトルホルダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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