説明

ボトル栓

【課題】片手操作しやすいボトル栓とする。
【解決手段】ボトル本体1の上端にほぼ同径にて被さるように装着される栓体2に、ヒンジ軸3を中心に栓体2の飲み口2aを開閉する片開き蓋4が設けられ、栓体2の側周に設けられて片開き蓋4を閉じ位置にロックし、ロックを解除するロック機構5が、片開き蓋4を閉じ位置にロックするロック部材6と、ボトル本体1を把持した片手7の親指7aで操作されてロック、ロック解除を行うロック解除部材8と、を備え、ロック解除部材8は、ロック部材6をロック解除操作できない上動位置にてボトル本体1側からの指掛かり域に操作部8aが及んで位置し、上動位置から下動してロック部材6よりも下方に突出した操作部8aにてロック部材6のロック解除操作するようにして、上記の目的を達成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ボトル本体の上端に被さるように装着される飲み口を持った栓体と、この栓体の片側のヒンジ軸を中心に飲み口を開閉する片開き蓋と、栓体の側周に設けられ、片開き蓋を閉じ位置にロックし、かつロックを解除できるようにしたロック機構とを備えたボトル栓に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなボトル栓は、下記特許文献1、2などで既に知られている。いずれのボトル栓も、栓体の側周に設けた保護枠内にロック機構が位置し、ロック解除部材は保護枠内でロック部材をロックし、ロックを解除する操作を行うようになっている。特に、ロック解除操作は操作部の押し込みによって行われるので、不用意な外力によってロック解除されやすいが、保護枠によってこのような外力からロック解除部材をガードしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−158729号公報
【特許文献2】特開2007−161288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような保護枠によるガードは、ロック解除部材の操作部を狭い保護枠内に押し込んでロック解除することを強いられる上、保護枠は栓体の側周域内にあって、ボトル本体の手による把持位置から遠いので、ロック解除操作は容易とはいえない。
【0005】
また、こうした片開き蓋は従来、比較的中太のボトル本体のボトル栓に多く適用され、直飲みにも便利なようにされてきたが、片手でボトル本体を握ると、親指の付け根部と他の指の指先との間にボトル本体の胴部の半周以下しか握れず、親指を自由にしてロック解除操作しようとすると、ボトル本体の握りが不安定になるので、片手操作にて片開き蓋を開き、そのまま飲み口から直飲みするには向かない。
【0006】
本発明は、このような点に鑑み、片手操作しやすいボトル栓を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような目的を達成するために、本発明のボトル栓は、ボトル本体の上端にほぼ同径にて被さるように装着される飲み口を持った栓体と、この栓体の片側のヒンジ軸を中心に飲み口を開閉する片開き蓋と、栓体の側周に設けられ、片開き蓋を閉じ位置にロックし、かつロックを解除できるようにしたロック機構とを備え、ロック機構は片開き蓋を閉じ位置にロックするロック部材と、ボトル本体を握る片手の親指で操作されてロック部材のロック、ロック解除を行うロック解除部材と、を備え、ロック解除部材は、ロック部材をロック解除操作できない上動位置にてボトル本体側からの指掛かり域に操作部が及んで位置し、前記上動位置からさらに下動してロック部材よりも下方に突出した操作部の押動にてロック部材のロック解除操作するようにしたことを1つの特徴としている。
【0008】
このような構成では、栓体がほぼ同径のボトル本体の上端に被さるように装着されて、ボトル本体の外面の延長域として、つまり余分な飛び出しによるロック機構の遠ざかりも、ボトル本体外面からの入り込みによるロック機構の遠ざかりも、無しに、ボトル本体を握る片手の親指によるロック機構へのアクセス距離が小さくなる。ロック解除部材は、前記アクセス距離が小さい距離的有利を生かして、ロック部材をロック解除操作できない上動位置にてボトル本体側からの指掛かり域に操作部が及んで位置することができ、ボトル本体を握る片手の親指で操作してロック部材のロック、ロック解除を行うことができる。特に、ロック解除部材は、操作部がボトル本体側からの指掛かり域に操作部が及ぶ上動位置からさらに下動されて、つまり、さらにボトル本体を握る片手側に寄った位置にてロック解除操作をすることができ、ロック部材よりも下方にあってロック解除操作時ロック部材が栓体側につかえて邪魔するのを回避できる。
【0009】
本発明のボトル栓は、また、ボトル本体の上端にほぼ同径にて被さるように装着される飲み口を持った栓体と、この栓体の片側のヒンジ軸を中心に飲み口を開閉する片開き蓋と、栓体の側周に保護枠で囲って設けられ、片開き蓋を閉じ位置にロックし、かつロックを解除できるようにしたロック機構とを備え、ロック機構は片開き蓋を閉じ位置にロックするロック部材と、ボトル本体を把持した片手の親指で操作されてロック部材のロック、ロック解除を行うロック解除部材とを備え、ロック解除部材は、ロック部材をロック解除操作できない上動位置にてボトル本体側からの指掛かり域に操作部が及んで位置し、前記上動位置から下動して保護枠から下方に突出した操作部の押動にてロック部材のロック解除操作するようにしたことを別の特徴としている。
【0010】
このような構成では、栓体がほぼ同径のボトル本体の上端に被さるように装着されて、ボトル本体の外面の延長域として、つまり余分な飛び出しによるロック機構の遠ざかりも、ボトル本体外面からの入り込みによるロック機構の遠ざかりも、無しに、ボトル本体を握る片手の親指のロック機構までのアクセス距離が小さくなる。ロック解除部材は、栓体の側周部の保護枠内に位置して不用意な外力から保護されながら、前記アクセス距離が小さい距離的有利を生かして、ロック部材をロック解除操作できない上動位置にてボトル本体側からの指掛かり域に操作部が及んで位置することができ、ボトル本体を握る片手の親指で操作してロック部材のロック、ロック解除を行うことができる。特に、ロック解除部材は、操作部がボトル本体側からの指掛かり域に操作部が及ぶ上動位置からさらに下動されて、つまり、さらにボトル本体を握る片手側に寄った位置にて保護枠から下方に突出した操作部の、保護枠に邪魔されない押動にてロック解除操作をすることができる。
【0011】
本発明のボトル栓は、また、ボトル本体の上端にほぼ同径にて被さるように装着される飲み口を持った栓体と、この栓体の片側のヒンジ軸を中心に飲み口を開閉する片開き蓋と、栓体の側周に設けられ、片開き蓋を閉じ位置にロックし、かつロックを解除できるようにしたロック機構とを備え、ロック機構は片開き蓋を閉じ位置にロックするロック部材と、ボトル本体を把持した片手の親指で操作されてロック部材のロック、ロック解除を行うロック解除部材と、を備え、ロック解除部材は、ロック部材をロック解除操作できない上動位置にてボトル本体側からの指掛かり域に操作部が及んで位置し、前記上動位置から下動して栓体から下方に突出した操作部の押動にてロック部材のロック解除操作するようにしたことを他の特徴としている。
【0012】
このような構成では、栓体がほぼ同径のボトル本体の上端に被さるように装着されて、ボトル本体の外面の延長域として、つまり余分な飛び出しによるロック機構の遠ざかりも、ボトル本体外面からの入り込みによるロック機構の遠ざかりも、無しに、ボトル本体を握る片手の親指のロック機構までのアクセス距離が小さくなる。ロック解除部材は、前記アクセス距離が小さい距離的有利を生かして、ロック部材をロック解除操作できない上動位置にてボトル本体側からの指掛かり域に操作部が及んで位置することができ、ボトル本体を握る片手の親指で操作してロック部材のロック、ロック解除を行うことができる。特に、ロック解除部材は、操作部がボトル本体側からの指掛かり域に操作部が及ぶ上動位置から、さらに下動されてボトル本体を握る片手側に寄った位置にて栓体から下方に突出した操作部の、栓体にも邪魔されない押動にてロック解除操作をすることができる。
【0013】
上記において、さらに、栓体は、胴部径が60mm未満、よりよくは50mm未満のボトル本体に装着されるものとすることができる。
【0014】
このような構成では、少年、少女以上の大方の人の片手によって、ボトル本体の半周以上を親指の根元部から他の手指の先端までで安定に握り、フリーになった親指をボトル本体に装着された栓体のロック機構におけるロック操作部材をロック、ロック解除操作することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の1つの特徴のボトル栓によれば、栓体が装着されるボトル本体とほぼ同径でボトル本体の外面の延長域として、ボトル本体を握る片手の親指によるロック機構へのアクセス距離が小さくなる距離的有利を生かして、ロック解除部材はロック部材をロック解除操作できない上動位置にてボトル本体側からの指掛かり域に操作部が及んで位置して、ボトル本体を握る片手の親指で操作してロック部材のロック、ロック解除を行うことができ、ロック解除操作したまま栓体にある飲み口から直飲みさせられる。特に、ロック解除部材は、操作部がボトル本体側からの指掛かり域に操作部が及ぶ上動位置からさらに下動されたボトル本体を握る片手側に寄った位置にて押動でき容易にロック解除操作をすることができる。
【0016】
本発明の別の特徴のボトル栓によれば、栓体が装着されるボトル本体とほぼ同径でボトル本体の外面の延長域として、ボトル本体を握る片手の親指によるロック機構へのアクセス距離が小さくなる距離的有利を生かして、ロック解除部材はロック部材をロック解除操作できない上動位置にてボトル本体側からの指掛かり域に操作部が及んで位置して、ボトル本体を握る片手の親指で操作してロック部材のロック、ロック解除を行うことができ、ロック解除操作したまま栓体にある飲み口から直飲みさせられる。特に、ロック解除部材は、栓体側周の保護枠により不用意な外力から保護されながら、操作部がボトル本体側からの指掛かり域に操作部が及ぶ上動位置からさらに下動されて保護枠から下方に突出した操作部の、保護枠に邪魔されない押動にて容易にロック解除操作をすることができる。
【0017】
本発明の他の特徴のボトル栓によれば、栓体が装着されるボトル本体とほぼ同径でボトル本体の外面の延長域として、ボトル本体を握る片手の親指によるロック機構へのアクセス距離が小さくなる距離的有利を生かして、ロック解除部材はロック部材をロック解除操作できない上動位置にてボトル本体側からの指掛かり域に操作部が及んで位置して、ボトル本体を握る片手の親指で操作してロック部材のロック、ロック解除を行うことができ、ロック解除操作したまま栓体にある飲み口から直飲みさせられる。特に、ロック解除部材は、操作部がボトル本体側からの指掛かり域に操作部が及ぶ上動位置から、さらに下動されてボトル本体を握る片手側に寄った位置にて栓体から下方に突出した操作部の、栓体にも邪魔されない押動にて容易にロック解除操作をすることができる。
【0018】
上記に加え、さらに、栓体は、胴部径が60mm未満、よりよくは50mm未満のボトル本体に装着されることにより、大方の人の片手によって、ボトル本体の半周以上を親指の根元部から他の手指の先端までで安定に握り、フリーになった親指をボトル本体に装着された栓体のロック機構におけるロック操作部材をさらに容易にロック、ロック解除操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施の形態に係るボトル栓1つの具体例をボトル本体への装着状態で示す正面図である。
【図2】同断面図である。
【図3】同片開き蓋を開いて示す側面図である。
【図4】同ボトル栓単体の片開き蓋が開いた状態で示す平面図である。
【図5】同ボトル栓単体の上方から見た斜視図である。
【図6】同ボトル栓単体の下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態に係るボトル栓について図1〜図6を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。しかし、以下の説明は本発明の具体例であって、特許請求の範囲の記載の内容を限定するものではない。
【0021】
本実施の形態のボトル栓は、図1、図2に示すようにボトル本体1の上端にほぼ同径にて被さるように装着され、図2に示すように、飲み口2aを持った栓体2と、この栓体2の片側のヒンジ軸3を中心に飲み口2aを開閉する片開き蓋4と、栓体2の側周に設けられ、片開き蓋4を図1、図2に示す閉じ位置にロックし、かつロックを解除できるようにしたロック機構5とを備えている。ロック機構5は片開き蓋4を閉じ位置にロックするロック部材6と、ボトル本体1を図3に示すように握る片手7の親指で操作されてロック部材6のロック、ロック解除を行うロック解除部材8と、を備えている。ロック解除部材8は、ロック部材6をロック解除操作できない図2に示す上動位置にてボトル本体1側からの前記片手7による指掛かり域に操作部8aが及んで位置し、前記上動位置からさらに下動してロック部材6よりも下方に突出した操作部8aの押動にてロック部材6のロック解除操作するようにした1つの特徴を有している。
【0022】
このように、栓体2がほぼ同径のボトル本体1の上端に被さるように装着されて、ボトル本体1の外面の延長域として、つまり余分な飛び出しによるロック機構5の遠ざかりも、ボトル本体1外面からの入り込みによるロック機構5の遠ざかりも、無しに、ボトル本体1を握る片手7の親指によるロック機構5へのアクセス距離が小さくなる。ロック解除部材8は、前記アクセス距離が小さい距離的有利を生かして、ロック部材6をロック解除操作できない図2に示す上動位置にてボトル本体1側からの指掛かり域に操作部8aが及んで位置することができ、ボトル本体1を握る片手7の親指で操作してロック部材6のロック、ロック解除を行うことができる。特に、ロック解除部材8は、操作部8aがボトル本体1側からの指掛かり域に操作部8aが及ぶ上動位置からさらに下動されて、つまり、ボトル本体1を握る片手7側にさらに寄った位置にてロック解除操作をすることができる。また、ロック解除部材8はロック部材6よりも下方にあるので、ロック解除部材8をロック解除操作するのに、ロック部材6が栓体2の側につかえて邪魔になるのを回避することができる。
【0023】
したがって、栓体2が装着されるボトル本体1とほぼ同径でボトル本体1の外面の延長域として、ボトル本体1を握る片手7の親指によるロック機構5へのアクセス距離が小さくなる距離的有利を生かして、ロック解除部材8はロック部材6をロック解除操作できない上動位置にてボトル本体1側からの指掛かり域に操作部8aが及んで位置して、ボトル本体1を握る片手7の親指で操作してロック部材6のロック、ロック解除を行うことができ、ロック解除操作したまま栓体2にある飲み口2aから直飲みさせられる。特に、ロック解除部材8は、操作部8aがボトル本体1側からの指掛かり域に操作部8aが及ぶ上動位置からさらに下動されたボトル本体1を握る片手7側に寄った位置にて押動でき容易にロック解除操作をすることができ、ロック部材6が邪魔になることもない。
【0024】
本実施の形態のボトル栓は、また、図1、図2に示すようにボトル本体1の上端にほぼ同径にて被さるように装着され、図2に示すように、飲み口2aを持った栓体2と、この栓体2の片側のヒンジ軸3を中心に飲み口2aを開閉する片開き蓋4と、栓体2の側周に保護枠11で囲って設けられ、片開き蓋4を閉じ位置にロックし、かつロックを解除できるようにしたロック機構5とを備えている。ロック機構5は片開き蓋4を閉じ位置にロックするロック部材6と、ボトル本体1を把持した片手7の親指で操作されてロック部材6のロック、ロック解除を行うロック解除部材8と、を備えている。ロック解除部材8は、ロック部材6をロック解除操作できない上動位置にてボトル本体1を図3に示すように握った片手7からの指掛かり域に操作部8aが及んで位置し、前記上動位置から下動して保護枠11から下方に突出した操作部8aの押動にてロック部材6のロック解除操作するようにした別の特徴を有している。
【0025】
このように、栓体2がほぼ同径のボトル本体1の上端に被さるように装着されて、ボトル本体1の外面の延長域として、つまり余分な飛び出しによるロック機構5の遠ざかりも、ボトル本体1外面からの入り込みによるロック機構5の遠ざかりも、無しに、ボトル本体1を握る片手7の親指のロック機構5までのアクセス距離が小さくなる。ロック解除部材8は、栓体2の側周部の保護枠11内に位置して不用意な外力から保護されながら、前記アクセス距離が小さい距離的有利を生かして、ロック部材6をロック解除操作できない上動位置にてボトル本体1側からの、つまりボトル本体1を握った片手7からの指掛かり域に操作部8aが及んで位置することができ、ボトル本体1を握る片手7の親指で操作してロック部材6のロック、ロック解除を行うことができる。特に、ロック解除部材8は、操作部8aがボトル本体1側からの指掛かり域に操作部8aが及ぶ上動位置からさらに下動されて、つまり、ボトル本体1を握る片手7側にさらに寄った位置にて保護枠11から下方に突出した操作部8aの、保護枠11に邪魔されない押動にてロック解除操作をすることができる。
【0026】
したがって、栓体2が装着されるボトル本体1とほぼ同径でボトル本体1の外面の延長域として、ボトル本体1を握る片手7の親指によるロック機構5へのアクセス距離が小さくなる距離的有利を生かして、ロック解除部材8はロック部材6をロック解除操作できない上動位置にてボトル本体1側からの指掛かり域に操作部8aが及んで位置して、ボトル本体1を握る片手7の親指で操作してロック部材6のロック、ロック解除を行うことができ、ロック解除操作したまま栓体2にある飲み口2aから直飲みさせられる。特に、ロック解除部材8は、栓体2側周の保護枠11により不用意な外力から保護されながら、操作部8aがボトル本体1側からの指掛かり域に操作部8aが及ぶ上動位置からさらに下動されて保護枠11から下方に突出した操作部8aの、保護枠11に邪魔されない押動にて容易にロック解除操作をすることができる。
【0027】
本実施の形態のボトル栓は、また、図1、図2に示すようにボトル本体1の上端にほぼ同径にて被さるように装着され、図2に示すように、飲み口2aを持った栓体2と、この栓体2の片側のヒンジ軸3を中心に飲み口2aを開閉する片開き蓋4と、栓体2の側周に設けられ、片開き蓋4を閉じ位置にロックし、かつロックを解除できるようにしたロック機構5とを備えている。ロック機構5は片開き蓋4を閉じ位置にロックするロック部材6と、ボトル本体1を図3に示すように把持した片手7の親指で操作されてロック部材6のロック、ロック解除を行うロック解除部材8と、を備えている。ロック解除部材8は、ロック部材6をロック解除操作できない上動位置にてボトル本体1側からの指掛かり域に操作部8aが及んで位置し、前記上動位置から下動して栓体2から下方に突出した操作部8aの押動にてロック部材6のロック解除操作するようにした他の特徴をも有している。
【0028】
このように、栓体2がほぼ同径のボトル本体1の上端に被さるように装着されて、ボトル本体1の外面の延長域として、つまり余分な飛び出しによるロック機構5の遠ざかりも、ボトル本体外面からの入り込みによるロック機構5の遠ざかりも、無しに、ボトル本体1を握る片手7の親指のロック機構5までのアクセス距離が小さくなる。ロック解除部材8は、前記アクセス距離が小さい距離的有利を生かして、ロック部材6をロック解除操作できない上動位置にてボトル本体1側から、ボトル本体1を握る片手7からの指掛かり域に操作部8aが及んで位置することができ、ボトル本体1を握る片手7の親指で操作してロック部材6のロック、ロック解除を行うことができる。特に、ロック解除部材8は、操作部8aがボトル本体1側からの指掛かり域に操作部8aが及ぶ上動位置から、下動されてボトル本体1を握る片手7側にさらに寄った位置にて栓体2から下方に突出した操作部8aの、栓体2にも邪魔されない押動にてロック解除操作をすることができる。
【0029】
したがって、栓体2が装着されるボトル本体1とほぼ同径でボトル本体1の外面の延長域として、ボトル本体1を握る片手7の親指によるロック機構5へのアクセス距離が小さくなる距離的有利を生かして、ロック解除部材8はロック部材6をロック解除操作できない上動位置にてボトル本体1側からの指掛かり域に操作部8aが及んで位置して、ボトル本体1を握る片手7の親指で操作してロック部材6のロック、ロック解除を行うことができ、ロック解除操作したまま栓体2にある飲み口2aから直飲みさせられる。特に、ロック解除部材8は、操作部8aがボトル本体1側からの指掛かり域に操作部8aが及ぶ上動位置から、さらに下動されてボトル本体1を握る片手7側に寄った位置にて栓体1から下方に突出した操作部8aの、栓体2にも邪魔されない押動にて容易にロック解除操作をすることができる。
【0030】
ここで、栓体1は、胴部径が60mm未満、よりよくは50mm未満のボトル本体1に装着されるものとすることができ、胴部径が60mm未満でも、少年、少女以上の大方の人の片手7によって、図3に示すようにボトル本体1の半周以上を、親指7aの根元部7a1から他の手指、特に長い中指および薬指7bの先端7b1までで、人差し指、小指を添えて安定に握り、フリーになった親指7aをボトル本体1に装着された栓体2のロック機構5におけるロック操作部材6をロック、ロック解除操作することができ、ロック解除操作後はそのままの握り状態で栓体2にある飲み口2aによって直飲みさせられる。50mm未満とすれば、安定に片手持ちされる人数が格段に増大する。
【0031】
以下、既述の幾つかの特徴を有した本具体例につき、さらに詳述すると、ボトル本体1は所定の径範囲でストレートに形成されればよいが、図示例では、胴部径が50mmのストレートな金属製の真空二重容器からなり、上端に胴部径よりも小径に形成された口部1aを有している。栓体2もボトル本体2の上端にほぼ同径に被さり飲み口2aを有するものであれば特にその形態は問わない。図示例では口部1aの内ねじ12に螺合して口部1aに着脱できるように装着されてボトル本体1内に飲み口2aの椀状底部14に開口している連通口14aを通じ連通するようにされる。樹脂製の栓本体部13と、この栓本体部13に一体成形されるか高周波溶着して一体化されて口部1aの外側に被さり、ボトル本体1の胴部とほぼ同径となるカバー壁15とを有している。栓本体部13の内ねじ12への螺合壁13aの下端外周にはシールパッキン16が装着され、このシールパッキン16が口部1aの奥部にある小径化されたネッキング部10に圧接して、口部1aと螺合壁13aとの間に飲料が侵入して外部に漏れ出るのを阻止するようにしている。
【0032】
片開き蓋4は、基本的に飲み口2aを開閉できればよく、材質も特に問わない。図示例では樹脂製としてあり、カバー壁15の栓本体部13のフランジ部13bに係合穴31が着脱できるように上方から着脱できるように係合された天板上に立ち上がる飲み口2aと、飲み口2a奥部にある椀状底部の連通口14aとを同時に開閉するようにしてある。このために、片開き蓋4はカバー壁15の天板の後部にヒンジ軸3により開閉できるように軸支され、閉じ位置では図1、図2、図5、図6に示すようにカバー壁15の天板および飲み口2aを上方から覆い、片開き蓋4の天板内面に設けられた内蓋17によって飲み口2aおよび連通口14aを閉じるようにしている。内蓋17は二重壁基部17aを有した筒状で、その基部内筒を片開き蓋4の内面に一体形成された支持筒部4aに外嵌めして装着され、基部外筒の片開き蓋4内面への当接と、基部内筒のフック片17bの支持筒部4aの係合部4bとの弾性係合による抜け止めとによってガタつきや脱落を防止されている。二重壁基部17aおよび一重壁下部17cの外周りには飲み口2a、連通口14aをシール状態で密閉する1つのシールパッキン18を装着している。シールパッキン18は飲み口2a、連通口14aをシールするために、飲み口2a対応位置で上端部が二重壁基部17aの外筒外面の溝17dに弾性係合して装着され、この上端部を基部として飲み口2aを、圧接代S1を有して閉じるシールフランジ18aが形成されている。また、シールパッキン18は、シールフランジ18aの基部から二重壁部17aおよび一重壁部17cの外周とそれらの間の段部17eに被さって下方に延び、一重壁部17cの下端に絞り部18bが圧接してさらに延びて閉じ、連通口14aに圧接代S2を有して閉じる中空のシール栓部18cを形成している。なお、片開き蓋4はヒンジ軸3のまわりに装着した蔓巻きばね19によって開き方向に付勢され、閉じ位置へのロックが解除されると自動的に開かれる。しかし、付勢は必須ではない。また、片開き蓋4がばね19の付勢によって急激に開かれるのを抑制し、また開き位置から不用意に閉じないようにするため、ヒンジ軸3まわりには、図1に示すようなヒンジ軸3の軸受け部21の外周の制動・位置決め突起21aに対する、片開き蓋4の後部壁に設けた弾性舌片4cの開き側への摺動による摩擦制動と、開き位置での閉じ側への係合とが利用される。
【0033】
ロック機構5は、片開き蓋4を閉じ位置にロックし、このロックを解除する動きができるロック部材6と、上動位置と下動位置とで、ロック部材6のロック、ロック解除を行うロック解除部材8とを持つものであれば、その余の動作方式、動作伝達方式は特に問わない。図示例では、カバー壁15の片開き蓋4の自由端部4dとなる前部の側周の左右両側に一体に形成された保護枠11内にロック機構5を配置し、保護枠11の両側壁間にロック部材6およびロック解除部材8を軸22によって軸支してある。ロック部材6は軸22まわりに回動でき、下端6aとカバー壁15との間に働かせたばね23の付勢によって、上端の係合爪6bが閉じた片開き蓋4の自由端部4dにある係合部4eと弾性係合して片開き蓋4を閉じ位置にロックするロック位置に常時あるようにされる。ロック解除部材8は、ロック部材6の背部に位置して、軸22と上下方向に長い長孔8cで嵌り合って既述した上動位置と下動位置との間の上下動と、軸22まわりのロック部材6と共の回動とができるように軸支されている。
【0034】
ロック解除部材8は上動位置と下動位置とに安定させるロック部材6などとの間に図示しないクリック係合部などを設けておくのが好適である。ロック解除部材8は上動位置では、下端の内側に出張った当接部8bがカバー壁15の前部下端近くに一体形成された外方に向くストッパ部15aに対向することで、ロック解除部材8の、ロック部材6を伴い図1において軸22を中心に回動させて、係合爪6bを閉じた片開き蓋4の自由端の係合部4eとの係合を外し、片開き蓋4の閉じ位置へのロックを解除しようとするのを、当接部8bおよびストッパ部15aが当接し合って阻止するので、ロック部材6をロックし、ロック状態に保持することができる。なお、このようなロック状態にあるときに、片開き蓋4が閉じてきた場合は、片開き蓋4の係合部4eがロック部材6の係合爪6bの斜面どうしが当接し合って、係合爪6bをロック部材6とロック解除部材8との間の隙間やロック解除部材8の弾性変形を伴うのけ反りによる遊びを得ることで、係合部6bは係合爪6bを弾性的に押し退けるようにして係合爪6bをその下側に乗り越え、この乗り越え後に弾性復帰する係合爪6bに係合し合って閉じ状態にロックされる。
【0035】
ロック解除部材8を操作部8a、特に上側の横一文字な突条部8aで操作して、下動位置にすると、当接部8bがストッパ部15aとの対向位置から下方に位置ずれするので、ロック解除部材8のロック部材6を伴っての軸22を中心とした回動が阻止されなくなり、ロック部材6のロック状態へのロックを解除することができる。これによって、ロック解除部材8を操作部8a、特に下側の凹凸部を押動、つまりカバー壁15側に押動することにより、ロック解除部材8はロック部材6を伴い、軸22を中心に反時計回りに回動されて、ロック部材6の係合爪6bを片開き蓋4の自由端部の係合部4eから外してロックを解除し、片開き蓋4がばね19の付勢によって図3、図4に示す開き位置まで自動的に開かれる。特に、ロック解除部材8は、下動位置では図2に仮想線で示すようにロック部材6よりも下方に突出するので、ロック部材6との重なりの内部で、ロック部材6がカバー壁15側間につかえることなく確実にロック解除操作ができる。また、ロック解除部材8は下動位置では図1、図2の仮想線、図3、図5、図6に示すように、保護枠11から下方に突出した操作部8aを、保護枠11の邪魔無しに容易にロック解除操作ができる。しかも、操作部8aは栓体2よりも下に、従って、栓体2からボトル本体1の胴部側に、換言すると栓体2とボトル本体1との割線よりも下に突出しているので、ボトル本体1側から操作するアクセス距離がさらに小さくなるので、手の小さな人でも片手操作して使用しやすい。また、ボトル本体1の栓体2から下方に離れた位置を図3に示すように片手7により握っても、親指7aの指先に対しロック解除部材8の操作部8aはアクセス域に位置することができ、ばね19の付勢により開かれる片開き蓋4が開き位置でボトル本体1を握っている片手7の手指7bに当接するのを回避しやすい利点もある。
【0036】
なお、当接部8bおよびストッパ部15aは、ロック解除部材8および栓体2の一方に一体形成した1つのものとするなど、どのような形態でもよいが、図示例のようにロック解除部材8および栓体2の双方に分担形成することで、ロック解除部材8および栓体2が大きく嵩張るのを防止しながら、双方によってばね23がその他内部ディテール部と共に下方から外観されるのを防止することができる。また、ロック解除部材8は上動位置側にばねで付勢しておくこともできる。この場合、ロック解除部材8はばねに抗して上動位置から下動位置に移動させた後、下動位置に保持した状態で押動しロック解除操作することになる。しかし、ロック解除操作後ロック解除部材8を操作から解放すると、ロック部材6およびロック解除部材8はともにロック位置に自動復帰するので使用しやすくなる。また、栓本体部13とカバー壁15とは分離できるので、液通路など細部まで丸洗いできるし、内蓋17も場合によっては分離できるので、お手入れ性がよい。
【0037】
さらに、保護枠11はロック機構15を左右両側から囲って不用意な外力から保護しているが、片開き蓋4の自由端にも保護枠11の上端に連続してロック機構5を上方から囲う補助保護枠11aを形成して、ロック機構5の上部も不用意な外力から保護するようにしている。しかし、両側保護枠11の下端、および下端間は、ロック解除部材8の操作部8aの下方への突出のために、ストッパ部15aを除く範囲が開放部となっており、この開放部を当接部8bが覆う状態となっている。また、片開き蓋4には軸受け部21の外周の両端部に閉じ位置から開き位置まで摺動する図4に示すような摺動片41、41が設けられ、片開き蓋4がヒンジ軸3まわりで左右にガタつくのを防止している。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、片手で握れるボトル本体1に用いられるボトル栓に実用して、片開き蓋の閉じ位置へのロックを解除する操作から開かれた飲み口からの直飲みまでを、ボトル本体を握った片手により連続して容易に行える。
【符号の説明】
【0039】
1 ボトル本体
2 栓体
2a 飲み口
3 ヒンジ軸
4 片開き蓋
5 ロック機構
6 ロック部材
7 片手
8 ロック解除部材
8a 操作部
11 保護枠
12 内ねじ
13 栓本体部
13a 螺合壁
14 底部
14a 連通口
15 カバー壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトル本体の上端にほぼ同径にて被さるように装着される飲み口を持った栓体と、この栓体の片側のヒンジ軸を中心に飲み口を開閉する片開き蓋と、栓体の側周に設けられ、片開き蓋を閉じ位置にロックし、かつロックを解除できるようにしたロック機構とを備え、
ロック機構は片開き蓋を閉じ位置にロックするロック部材と、ボトル本体を把持した片手の親指で操作されてロック部材のロック、ロック解除を行うロック解除部材と、を備え、
ロック解除部材は、ロック部材をロック解除操作できない上動位置にてボトル本体側からの指掛かり域に操作部が及んで位置し、前記上動位置から下動してロック部材よりも下方に突出した操作部にてロック部材のロック解除操作するようにしたことを特徴とするボトル栓。
【請求項2】
ボトル本体の上端にほぼ同径にて被さるように装着される飲み口を持った栓体と、この栓体の片側のヒンジ軸を中心に飲み口を開閉する片開き蓋と、栓体の側周に保護枠で囲って設けられ、片開き蓋を閉じ位置にロックし、かつロックを解除できるようにしたロック機構とを備え、
ロック機構は片開き蓋を閉じ位置にロックするロック部材と、ボトル本体を把持した片手の親指で操作されてロック部材のロック、ロック解除を行うロック解除部材と、を備え、
ロック解除部材は、ロック部材をロック解除操作できない上動位置にてボトル本体側からの指掛かり域に操作部が及んで位置し、前記上動位置から下動して保護枠から下方に突出した操作部にてロック部材のロック解除操作するようにしたことを特徴とするボトル栓。
【請求項3】
ボトル本体の上端にほぼ同径にて被さるように装着される飲み口を持った栓体と、この栓体の片側のヒンジ軸を中心に飲み口を開閉する片開き蓋と、栓体の側周に設けられ、片開き蓋を閉じ位置にロックし、かつロックを解除できるようにしたロック機構とを備え、
ロック機構は片開き蓋を閉じ位置にロックするロック部材と、ボトル本体を把持した片手の親指で操作されてロック部材のロック、ロック解除を行うロック解除部材と、を備え、
ロック解除部材は、ロック部材をロック解除操作できない上動位置にてボトル本体側からの指掛かり域に操作部が及んで位置し、前記上動位置から下動して栓体から下方に突出した操作部にてロック部材のロック解除操作するようにしたことを特徴とするボトル栓。
【請求項4】
栓体は、胴部径が60mm未満のボトル本体に装着される請求項1〜3のいずれか1項に記載のボトル栓。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−235920(P2011−235920A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107707(P2010−107707)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【出願人】(000003702)タイガー魔法瓶株式会社 (509)
【Fターム(参考)】