説明

ボビン

【課題】床面積の増大を抑制し、かつ、コストアップを抑えつつ、巻線の端末部を端子に確実に固定することができるボビンを提供する。
【解決手段】端子4に、巻線2の端末部2aを内方に挿入して加締める挟持部42を設ける。巻枠部3の両側から突出する幅広鍔部33Aに、少なくとも挟持部42を挿入可能な幅Wを有して巻線2の端末部2aを配線するための配線溝5と、配線溝5の形成方向に対して直角方向に延在してカシメ治具を挿入可能なカシメ溝6とを備える。挟持部42を、配線溝5のカシメ溝6に対応する部分に配置し、カシメ溝6に挿入したカシメ治具によって挟持部42を端末部2aと共に加締める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻線が接続された端子を介して基板に実装するボビンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トランス等のように巻線が巻かれたボビンを備えた電子部品が多く見られる。このようなボビンは、巻線の端末部に電気的に接続(以下、単に接続という)した端子を介して基板配線に実装するようになっている。ところが、巻線が太線やリッツ線などの比較的大径の導線である場合、その巻線の端末部を端子に絡げると、絡げた部分(接続部分)が大きく嵩張ってしまう。
【0003】
そこで、従来では、ピン端子の先端部に割り込み付きの円筒枠端子部を設けて、この円筒枠端子部の内方に巻線の端末部を直線的に挿入し、この状態で円筒枠端子部を加締めて接続部の嵩張りを少なくする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、端子ピンの一部に、一方向に伸びる螺旋状部を形成し、この螺旋状部の内部空間に巻線の端末部を収容して接続部の嵩張りを少なくする技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公平3−2608号公報
【特許文献2】特開2000−124037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されたボビンでは、円筒枠端子部を加締めるために、この円筒枠端子部がボビンの外周側面から大きく突出している。このため、ボビンを基板に実装するための全体の床面積が大きくなってしまう。
【0007】
また、特許文献2に開示されたボビンでは、端子ピンに螺旋状部を形成する必要があり、この螺旋状部を形成するための加工が複雑化されてコストアップを余儀なくされてしまう。
【0008】
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みて、床面積の増大を抑制し、かつ、コストアップを抑えつつ、巻線の端末部を端子に確実に固定することができるボビンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のボビンは、巻線を巻取るための巻枠部と、該巻枠部から基板の面方向に沿って突出する鍔部と、前記巻線の端末部に電気的に接続される端子と、を備えたボビンであって、前記端子は、前記巻線の端末部を内方に挿入して加締める挟持部を備え、かつ、前記鍔部は、少なくとも前記挟持部を挿入可能な幅を有して前記巻線の端末部を配線するための配線溝と、当該配線溝の形成方向に対して直角方向に延在してカシメ治具を挿入可能なカシメ溝とを備え、前記挟持部を前記配線溝の前記カシメ溝に対応する部分に配置したことを特徴とする。
【0010】
かかる構成において、前記配線溝の深さを、前記カシメ溝の深さよりも深くすることが好ましい。
【0011】
また、前記配線溝の深さと前記カシメ溝の深さとの差を、少なくとも前記巻線の端末部の半径と端子の厚みとの和以上とすることが好ましい。
【0012】
更に、前記配線溝の深さと前記カシメ溝の深さとの差を、少なくとも前記巻線の端末部の半径と端子の厚みとの和未満とすることが好ましい。
【0013】
更にまた、前記鍔部を前記巻枠部の両側から突出させ、該両側の鍔部に前記配線溝および前記カシメ溝をそれぞれ設けておくことが好ましい。
【0014】
また、前記鍔部を前記巻枠部の両側から突出させ、該両側の鍔部のうち任意な片側の鍔部のみに前記配線溝および前記カシメ溝を設けておくことも好ましい。
【発明の効果】
【0015】
かかる構成により、本発明のボビンによれば、カシメ溝に対応させて接続溝内に配置した挟持部を、カシメ溝に挿入したカシメ治具で加締めることにより、挟持部と共に巻線の端末部を簡単かつ強固に加締めることができる。従って、巻線の端末部を端子に確実に固定することができる。また、挟持部は配線溝内で加締めることができるため、挟持部と端末部との接続部分が鍔部の外方に突出することが無い。これにより、ボビンの床面積の増大を抑制することができる。更に、端末部と接続する挟持部は、プレス加工などによって端子を打ち抜く際に同時に打ち抜くことで形成できる。これにより、挟持部の形成を簡単にしてコストアップを抑制することができる。
【0016】
また、かかる構成において、前記配線溝の深さを、前記カシメ溝の深さよりも深くしておくことにより、挟持部を加締める際にカシメ治具を挟持部の加締め側により近づけることができる。これにより、挟持部を確実に加締め易くなる。
【0017】
更に、この場合に、前記配線溝の深さと前記カシメ溝の深さとの差を、少なくとも前記巻線の端末部の半径と端子の厚みとの和以上とすることにより、挟持部が巻線の端末部を覆うようにして加締め易くできる。これにより、巻線の端末部を端子により確実に固定することができる。
【0018】
更にまた、前記配線溝の深さと前記カシメ溝の深さとの差を、少なくとも前記巻線の端末部の半径と端子の厚みとの和未満とすることにより、巻線の端末部が押しつぶれる程度に挟持部と端末部とを加締めることが可能となり、確実に固定することができる。
【0019】
また、ボビンの巻枠部の両側に設けた鍔部にそれぞれ前記配線溝および前記カシメ溝を設けることにより、端末部の数が多くなる巻線に対して端子数を確保することができる。また、端末部の数が少ない巻線に対しても両側の鍔部を有効利用できるため、配線のレイアウトが容易になる。
【0020】
更にまた、ボビンの巻枠部の両側に設けた鍔部のうち片側の鍔部のみに前記配線溝および前記カシメ溝を設けることにより、端末部の数が少ない巻線の場合に巻枠部の構造を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明にかかるボビンの第1の実施形態を示す上方から見た斜視図である。
【図2】図2は、図1に示すボビンを下方から見た斜視図である。
【図3】図3は、図1に示すボビンに用いられる端子の展開図である。@
【図4】図4は、図1に示すボビンの鍔部に設けられた配線溝の1つを拡大して示す斜視図である。
【図5】図5は、図1に示すボビンの配線溝に端子および巻線の端末部を配置した断面図である。
【図6】図6は、本発明にかかるボビンの第2の実施形態を示す上方から見た斜視図である。
【図7】図7は、図6に示すボビンの低面図である。
【図8】図8は、図6に示すボビンを下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1から図5は、本発明にかかるボビンの第1の実施形態を示し、巻線2の巻枠部分が縦方向に配置される縦型ボビン1を示す。尚、この場合の縦方向とは、上下方向とは関係が無く、実装する基板に対して垂直方向を縦方向としたものである。
【0023】
この縦型ボビン1は、巻線2を巻取るための巻枠部3を有している。この巻枠部3は、縦方向(図中上下方向)に角筒状に延在する巻線2の巻芯部31と、この巻芯部31の中心軸C1方向の両端部から横方向に突出する第1の鍔部32および第2の鍔部33とを備えている。尚、この場合の横方向とは、縦方向(中心軸C1方向)に対して直角方向を意味する。また、本実施形態の巻線2は、太線およびリッツ線などに限らず細線等のあらゆるワイヤを用いることができる。
【0024】
特に、本実施形態では、第1および第2の鍔部32、33は、巻芯部31の1組の対向辺31a、31b側を、他の対向辺31c、31d側よりも大きく突出させてある。この場合、第2の鍔部33が大きく突出する部分を幅広鍔部33Aとして以下述べるものとする。この場合、幅広鍔部33Aは、巻枠部3の第2の鍔部33の両側にそれぞれ設けてある。
【0025】
そして、図中下方に配置された第2の鍔部33側を図示省略した基板に実装することになるが、幅広鍔部33Aを含むその第2の鍔部33は、基板の面方向に沿って、つまり、基板と平行な方向に突出している。尚、本実施形態では巻芯部31が断面矩形状である場合を示してあるが、その断面形状はこれに限ることは無い。
【0026】
ここで、第2の鍔部33の両側の幅広鍔部33Aには、巻線2に設けられる複数の端末部2a(図2参照)を接続する端子4を複数設けてある。この端子4は、図3に示すように、基板に実装されるピン部41と、このピン部41から幅広鍔部33Aの突出方向に起立されて巻線2の端末部2aを加締める挟持部42と、巻枠部3を射出成形する際にインサート(図1中破線で示す)しておく保持突起部43とを備える。また、この端子4は、プレス加工で打ち抜くことにより形成することができる。尚、本発明では、保持突起部43は端子4を所定位置に保持できる限りにおいて必ずしも必要とはしない。
【0027】
挟持部42は、ピン部41の両側から所定長さLをもって一対突出しており、それぞれの突出量Sは、巻線2の端末部2aを加締めるに十分な長さとなっている。また、挟持部42の形状は、本実施形態では矩形状となっているが、特に、この形状に限定されるものではない。
【0028】
一対の挟持部42は、保持突起部43を巻枠部3の金型にインサートする前に、図3中破線kで示す位置から紙面手前直角方向に折り曲げて、それぞれの挟持部42が平行となるように起立させる。従って、挟持部42は、図2に示すように、内方に端末部2aを挿入することができる断面コ字状となる。
【0029】
一方、両側の幅広鍔部33Aには、少なくとも挟持部42を挿入可能な幅Wを有して、巻線2の端末部2aを配線するための複数(本実施形態では各幅広鍔部33Aに4箇所ずつ)の配線溝5を設けてある。これら配線溝5は、幅広鍔部33Aの先端縁33Aaに沿ってほぼ等間隔に配置してあり、かつ、各配線溝5を中心軸C1方向に連続させて形成してある。ここでは、配線溝5の幅W(図2参照)を、コ字状となった一対の挟持部42の外側面間の幅とほぼ等しくしてある。
【0030】
従って、本実施形態では、各配線溝5にそれぞれ端子4を配置しておくことにより、各幅広鍔部33Aに4本ずつ、合計8本の端子4を配置可能となっている。
【0031】
また、本実施形態では、幅広鍔部33Aの肉厚方向中央部に、図4に示すように、配線溝5の形成方向に対して直角方向に延在させて、図示省略したカシメ治具を挿入可能なカシメ溝6を設けてある。
【0032】
そして、図1、図2に示すように、保持突起部43を巻枠部3にインサートして端子4を取り付けた際に、挟持部42が配線溝5に嵌合された状態となる。このとき、図5に示すように、挟持部42がカシメ溝6に対応する位置に配置されるようにしてある。
【0033】
この状態で、カシメ溝6に配置したカシメ治具によって、挟持部42を巻線2の端末部2aの外側に加締めることができるようになっている。図2中、A部は挟持部42を加締める前の状態を示し、B部は加締めた状態を示す。
【0034】
このとき、図5に示すように、先端縁33Aaから配線溝5の底面5aまでの深さD1を、先端縁33Aaからカシメ溝6の底面6aまでの深さD2よりも深く形成してある。特に、本実施形態では、配線溝5の深さD1とカシメ溝6の深さD2との差dを、少なくとも巻線2の端末部2aの半径rと端子4の厚みtとの和以上としてある。この場合には、挟持部42が端末部2aを覆うように固定することが可能となる。一方、配線溝5の深さD1とカシメ溝6の深さD2との差dを、少なくとも巻線2の端末部2aの半径rと端子4の厚みtとの和未満とすることで、端末部2aを押しつぶす程度に加締めることで強固に固定することが可能となる。
【0035】
また、端子4を配線溝5に取り付けた状態では、ピン部41が幅広鍔部33Aの底面から所定量突出するようになっている。
【0036】
そして、巻線2の端末部2aを端子4に接続するにあたって、その端末部2aを巻線2側から配線溝5内に配置することにより、その端末部2aが挟持部42内に挿入される。この状態で、図5に示すように、カシメ溝6内に挿入したカシメ治具で挟持部42の両側から加締め力Fを加えることにより、図2中B部に示すように、挟持部42を端末部2aと共に加締めることができる。
【0037】
以上の構成により第1の実施形態のボビン1によれば、巻線2の端末部2aを端子4に接続するにあたって、カシメ溝6に対応させて配線溝5内に配置した挟持部42の内方に、端末部2aを挿入する。そして、カシメ溝6に挿入したカシメ治具によって挟持部42に加締力Fを付加することにより、挟持部42を端末部2aに簡単かつ強固に加締めることができる。これにより、巻線2の端末部2aを端子4に確実に固定することができる。
【0038】
また、挟持部42は配線溝5内で加締めることができるため、挟持部42と端末部2aとの接続部分が幅広鍔部33Aの外方に突出するのを防止できる。これにより、ボビン1の床面積の増大を抑制することができる。
【0039】
更に、端末部2aと接続する挟持部42は、端子4を打ち抜く際に同時に打ち抜くことができる。これにより、挟持部42の形成を簡単にしてコストアップを抑制することができる。
【0040】
また、本実施形態によれば、配線溝5の深さD1をカシメ溝6の深さD2よりも深くしたので、挟持部42を加締める際にカシメ治具を挟持部42の加締め側により近づけることができる。これにより、挟持部42を確実に加締め易くなる。
【0041】
更に、本実施形態によれば、配線溝5の深さD1とカシメ溝6の深さD2との差dを、少なくとも巻線2の端末部2aの半径rと端子4の厚みtとの和以上としたことにより、挟持部42が端末部2aを覆うようにして加締め易くできる。これにより、巻線2の端末部2aを端子4により確実に固定することができる。
【0042】
更にまた、本実施形態によれば、配線溝5の深さD1とカシメ溝6の深さD2との差dを、少なくとも巻線2の端末部2aの半径rと、端子4の厚みtとの和未満としたことにより、その端末部2aを変形させる程度に加締めることが可能となり、強固に端子4と端末部2aとを固定することが可能となる。
【0043】
また、ボビン1の巻枠部3の両側から突出させた幅広鍔部33Aにそれぞれ配線溝5およびカシメ溝6を設けたことにより、巻線2の端末部2aの数が多くなる場合に、それぞれの端末部2aに対応する端子4の数を確保することができる。また、端末部2aの数が少ない巻線2に対しても両側の幅広鍔部33Aを有効利用できるため、配線2のレイアウトが容易になる。
[第2の実施形態]
図6から図8は、本発明の第2の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとする。本実施形態のボビンは、巻線の巻芯部分が実装する基板に平行となる方向に配置される横型ボビン1Aを示す。
【0044】
この横型ボビン1Aは、第1の実施形態の縦型ボビン1と同様に、巻線2を巻取るための巻枠部3を有している。この巻枠部3の巻芯部31は横方向(図6中左右方向)に円筒状に延在している。巻枠部3は、巻芯部31の中心軸C2方向の両側の基板配置側(図中下方)に、第3の鍔部34および第4の鍔部35が突設している。尚、本実施形態では巻芯部31が断面円形状である場合を示すが、断面形状はこれに限ることは無い。
【0045】
横型ボビン1Aは、両側の第3、第4鍔部34、35の底面34a、35a側を基板に実装することになる。第3、第4鍔部34、35には、底面34a、35a側が開放されるようにして複数(本実施形態では各鍔部34、35に5箇所ずつ)の配線溝5を設けてある。また、各配線溝5は、第3、第4鍔部34、35の底面34a、35aに沿って、各鍔部34、35の長さ方向(円筒状の巻芯部31の中心軸C2に対して垂線方向)にほぼ等間隔に配置してある。
【0046】
本実施形態では、両側に設けた第3、第4鍔部34、35のうち、片側の第4の鍔部35側に本発明を適用してある。即ち、第4鍔部35には、第1の実施形態と同様に、配線溝5の形成方向に対して直角方向に延在するカシメ溝6を設けてある。また、本実施形態にあっても配線溝5とカシメ溝6との深さ関係は、第1の実施形態の図5に示した配線溝5の深さD1とカシメ溝6の深さD2との関係と同様となっている。
【0047】
尚、本実施形態では、図7に示すように、端子4を配線溝5に配置した際に、ピン部41が鍔部35から基板と平行に突出することになる。従って、端末部2aを挟持部42で加締め固定した後に、鍔部35から外方に突出するピン部41を、図8中C部に示すように基板方向に向けて直角に折曲して実装するようになっている。
【0048】
また、本実施形態にあっても、第1の実施形態と同様に、端子4は、ピン部41、挟持部42およびインサート用の保持突起部43を設けて形成してある(図3参照)。
【0049】
以上の構成により第2の実施形態の横型ボビン1Aにあっても、第1の実施形態と同様に、巻線2の端末部2aを端子4に確実に固定しつつ、ボビン1の床面積の増大を抑制でき、かつ、挟持部42の形成を簡単にしてコストアップを抑制することができる。
【0050】
また、本実施形態の横型ボビン1Aでは、片側の第4の鍔部35のみに配線溝5およびカシメ溝6を形成した場合を示したが、第4の鍔部35だけでなく、第3の鍔部34にも配線溝5およびカシメ溝6を形成してもよい。
【0051】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、これに限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
【0052】
例えば、本発明の実施形態では、インサート用の保持突起部43を設けて、膜枠部3の成形時に端子4を配線溝5に予め取り付けた場合を示したが、端子4はインサート用の保持突起部43を設けること無く、後付けで配線溝5に取り付けてもよい。
【0053】
また、挟持部42は、相互に対向するようにピン部41の両側に一対設けた場合を示したが、ピン部41の片側のみに設けて端末部2aに加締めることもでき、要するに、挟持部42は、端末部2aに確実に加締めることができる形状であればよい。
【符号の説明】
【0054】
1 縦型ボビン(ボビン)
1A 横型ボビン(ボビン)
2 巻線
2a 巻線の端末部
3 巻枠部
31 巻芯部
33A 幅広鍔部(両側の鍔部)
34、35 両側の鍔部
4 端子
42 挟持部
5 配線溝
6 カシメ溝
D1 配線溝の深さ
D2 カシメ溝の深さ
r 端末部の半径
t 端子の厚み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻線を巻取るための巻枠部と、該巻枠部から基板の面方向に沿って突出する鍔部と、前記巻線の端末部に電気的に接続される端子と、を備えたボビンであって、
前記端子は、前記巻線の端末部を内方に挿入して加締める挟持部を備え、かつ、前記鍔部は、少なくとも前記挟持部を挿入可能な幅を有して前記巻線の端末部を配線するための配線溝と、当該配線溝の形成方向に対して直角方向に延在してカシメ治具を挿入可能なカシメ溝とを備え、前記挟持部を前記配線溝の前記カシメ溝に対応する部分に配置したことを特徴とするボビン。
【請求項2】
前記配線溝の深さは、前記カシメ溝の深さよりも深いことを特徴とする請求項1に記載のボビン。
【請求項3】
前記配線溝の深さと前記カシメ溝の深さとの差は、少なくとも前記巻線の端末部の半径と端子の厚みとの和以上としたことを特徴とする請求項2に記載のボビン。
【請求項4】
前記配線溝の深さと前記カシメ溝の深さとの差は、少なくとも前記巻線の端末部の半径と前記端子の厚みとの和未満としたことを特徴とする請求項2に記載のボビン。
【請求項5】
前記鍔部を前記巻芯部の両側から突出し、該両側の鍔部に前記配線溝および前記カシメ溝をそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のボビン。
【請求項6】
前記鍔部を前記巻芯部の両側から突出し、該両側の鍔部のうち任意な片側の鍔部のみに前記配線溝および前記カシメ溝を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のボビン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−216579(P2012−216579A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79206(P2011−79206)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000107804)スミダコーポレーション株式会社 (285)
【Fターム(参考)】