ボルト及びボルト締め付け具
【課題】無権限者による着脱操作を困難にするボルトとそれの締め付け具を提供する。
【解決手段】ボルト1は、締め付け具2を用いて所用箇所に締め付けられる。係合筒部16の係合溝16aをボール10の位置に合わせて、ボルト頭部3の内側環状間隙6へ挿入する。また外側環状間隙8へ挿入筒部15を挿入すると、ボール10が係合筒部16と挿入筒部15との間でボール保持孔7a内に固定され、これによりボルト1と締め付け具2とが係合する。この状態で、締め付け具2によるボルト1の締め付け操作が可能となる。いったん締め付けられたボルト1は、締め付け具2を用いなければ弛めることができない。
【解決手段】ボルト1は、締め付け具2を用いて所用箇所に締め付けられる。係合筒部16の係合溝16aをボール10の位置に合わせて、ボルト頭部3の内側環状間隙6へ挿入する。また外側環状間隙8へ挿入筒部15を挿入すると、ボール10が係合筒部16と挿入筒部15との間でボール保持孔7a内に固定され、これによりボルト1と締め付け具2とが係合する。この状態で、締め付け具2によるボルト1の締め付け操作が可能となる。いったん締め付けられたボルト1は、締め付け具2を用いなければ弛めることができない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無権限者が容易に着脱操作することができないボルトと、それの締め付け具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機械・装置等の組立時におけるボルト締結作業の自動化を図るためのボルト締結治具とボルトが各種提案されている。
例えば特許文献1には、ボルトの動力式ねじ締め機に装着し、ボルトの締め付け弛めを行う治具と、これに適合するボルトが開示されている。この締結治具は、内面にボールを、リング状保持バネにより常に迫り出すように保持し、そのバネ力によりボールを介してボルトを把持し、把持したまま自由に移動し得るようにしたものであり、ボルトの取り出し、搬送、ねじ込み作業を一連の動作にて行うことが可能である。また、ボルトは、頭部に、締結治具のボールと係合し得る窪み部を有するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−266156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のボルト締結治具とボルトにおいては、ボルトが六角の頭部を有しているために、通常のスパナでも締め付け、弛めの操作を自由に行うことができる。したがって、これを無権限者による着脱操作を困難にする目的に適用することはできない。
したがって、この出願に係る発明は、無権限者による着脱操作を困難にする ボルトとそれの締め付け具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、添付図面の符号を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記課題を解決するため、この出願に係る発明のボルト1は、頭部3と頭部から下方へ延出する軸部4とを備える。ボルトの頭部3は、軸線に沿って上方へ突出する円柱状の中心突起5と、この中心突起5の外周に内側環状間隙6を形成してこれを囲むように設けられるリテーナ環7と、このリテーナ環7の外周に外側環状間隙8を形成してこれを囲むように設けられるリングヘッド9と、中心突起5とリングヘッド9との間にあってリテーナ環7に保持される複数のボール10とを具備する。中心突起5は、軸部4の上端部中央から軸線方向上方へ突出するように設けられる。リテーナ環7は、軸部4の上端部から半径方向外側へ広がるフランジ部11の周縁から軸線方向上方へ突出して上方に開放する円筒状をなし、円周方向に相互間隔を置いて形成される複数のボール保持孔7aを有する。リングヘッド9は、上方へ開放するほぼ円筒状をなし、下部においてフランジ部11の外周に、軸周り相対回転自在に結合される。ボール10は、リテーナ環7のボール保持孔7a内に、中心突起5とリングヘッド9との間で、半径方向に移動自在に嵌め込まれる。
このボルト1の頭部3に係合させてボルト1を回転操作するための締め付け具2は、ハンドル14を備える主軸部13と、この主軸部13の下端側に、これと同心に下方に開放するように設けられる挿入筒部15と係合筒部16とを具備する。挿入筒部15は、ボルト頭部の外側環状間隙に挿入可能である。係合筒部16は、挿入筒部15の内周に環状受入間隙17を形成してこれと同心に設けられる。挿入筒部15は、ボルト頭部3の外側環状間隙8へ挿入されたときに、ボール10を内方へ移動させることができる。係合筒部16は、ボルト頭部3の内側環状間隙6へ挿入されたときに、挿入筒部15により内方へ移動したボール10の一部を嵌合させる円弧状断面を持つ軸線方向の複数の係合溝16aを外周に有する。
【発明の効果】
【0006】
この出願に係る発明のボルト及びその締め付け具は、両者の組み合わせ使用によらなければボルトの着脱操作を行うことができず、したがって、無権限者によるボルトの着脱操作を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係るボルトの正面図である。
【図2】図1のボルトの断面図である。
【図3】図1のボルトのキャップを外した状態の一部の断面図である。
【図4】図1のボルトのキャップを外した状態の平面図である。
【図5】本発明に係るボルト締め付け具の正面図である。
【図6】図5のボルト締め付け具の一部を切り欠いた側面図である。
【図7】図5のボルト締め付け具の底面図である。
【図8】本発明に係るボルトとボルト締め付け具の使用状態の断面である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。この発明の一実施の形態に係るボルト1と、これを回転操作するための締め付け具2を図8に示す。ボルト1は、頭部3と頭部から下方へ延出する軸部4とを備える。締め付け具2は、下端部をボルト1の頭部3に係合させて回転操作することができる。
【0009】
図3,4に示すように、ボルト1の頭部3は、軸線に沿って上方へ突出する円柱状の中心突起5と、この中心突起5の外周に内側環状間隙6を形成してこれを囲むように設けられるリテーナ環7と、このリテーナ環7の外周に外側環状間隙8を形成してこれを囲むように設けられるリングヘッド9と、中心突起とリングヘッドとの間にあってリテーナ環に保持される複数のボール10と、を具備する。
【0010】
軸部4の上端には、半径方向外側へ広がる外側フランジ部11が形成され、それの中央から軸線方向上方へ突出するように中心突起5が設けられる。
【0011】
リテーナ環7は、外側フランジ部11の周縁付近から軸線方向上方へ突出して上方に開放する円筒状をなす。リテーナ環7には、円周方向に相互間隔を置いて複数のボール保持孔7aが形成される。
【0012】
リングヘッド9は、上方へ開放するほぼ円筒状をなし、下部においてばねリング12を介して、フランジ部11の外周に、軸周り相対回転自在に結合される。フランジ部11の外周及びリングヘッド9の下端部内周には、対向位置に受け溝11a、9aが形成され、この溝内にばねリング12が嵌め込まれ、リングヘッド9は、軸方向に抜け止めされる。
【0013】
ボール10は、リテーナ環7のボール保持孔7a内に挿入され、中心突起5とリングヘッド9との間で、半径方向に移動自在である。
【0014】
締め付け具2は、円柱状の主軸部13の上部に直交方向に延出するハンドル14を備える。主軸部13の下端側には、これと同心で、下方に開放するように、挿入筒部15と係合筒部16とが形成される。挿入筒部15は、ボルト頭部3の外側環状間隙8に挿入可能である。挿入筒部15の内周と係合筒部16の外周との間には、環状受入間隙17が形成される。
【0015】
挿入筒部15は、ボルト頭部3の外側環状間隙8へ挿入されたときに、ボール10を内方へ移動させることができるように設けられる。
【0016】
係合筒部16は、挿入筒部15よりやや下方へ長く延出しており、挿入筒部15がボルト頭部3の内側環状間隙6へ挿入されたときに、挿入筒部15により内方へ押されて移動したボール10の一部を嵌合させる円弧状断面を持つ軸線方向の複数の係合溝16aを外周に有する。
【0017】
図1,2に示すように、ボルト頭部3の上方開放部を閉塞するために、当該ボルト頭部3に着脱自在に嵌合する弾性合成樹脂製のキャップ18が設けられる。所用箇所にボルト1を締め付けた後、頭部3に防塵用のキャップ18が装着される。
【0018】
ボルト1は、締め付け具2を用いて所用箇所に締め付けられる。係合筒部16の係合溝16aをボール10の位置に合わせて、ボルト頭部3の内側環状間隙6へ挿入する。また外側環状間隙8へ挿入筒部15を挿入すると、ボール10が係合筒部16と挿入筒部15との間でボール保持孔7a内に固定され、これによりボルト1と締め付け具2とが係合する。この状態で、締め付け具2によるボルト1の締め付け操作が可能となる。いったん締め付けられたボルト1は、締め付け具2を用いなければ弛めることができない。
【符号の説明】
【0019】
1 ボルト
2 締め付け具
3 ボルト頭部
4 軸部
5 中心突起
6 内側環状間隙
7 リテーナ環
7a ボール保持孔
8 外側環状間隙
9 リングヘッド
9a 受け溝
10 ボール
11 外側フランジ
11a 受け溝
12 ばねリング
13 主軸部
14 ハンドル
15 挿入筒部
16 係合筒部
16a 係合溝
17 環状受入間隙
18 キャップ
【技術分野】
【0001】
この発明は、無権限者が容易に着脱操作することができないボルトと、それの締め付け具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機械・装置等の組立時におけるボルト締結作業の自動化を図るためのボルト締結治具とボルトが各種提案されている。
例えば特許文献1には、ボルトの動力式ねじ締め機に装着し、ボルトの締め付け弛めを行う治具と、これに適合するボルトが開示されている。この締結治具は、内面にボールを、リング状保持バネにより常に迫り出すように保持し、そのバネ力によりボールを介してボルトを把持し、把持したまま自由に移動し得るようにしたものであり、ボルトの取り出し、搬送、ねじ込み作業を一連の動作にて行うことが可能である。また、ボルトは、頭部に、締結治具のボールと係合し得る窪み部を有するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−266156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のボルト締結治具とボルトにおいては、ボルトが六角の頭部を有しているために、通常のスパナでも締め付け、弛めの操作を自由に行うことができる。したがって、これを無権限者による着脱操作を困難にする目的に適用することはできない。
したがって、この出願に係る発明は、無権限者による着脱操作を困難にする ボルトとそれの締め付け具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、添付図面の符号を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記課題を解決するため、この出願に係る発明のボルト1は、頭部3と頭部から下方へ延出する軸部4とを備える。ボルトの頭部3は、軸線に沿って上方へ突出する円柱状の中心突起5と、この中心突起5の外周に内側環状間隙6を形成してこれを囲むように設けられるリテーナ環7と、このリテーナ環7の外周に外側環状間隙8を形成してこれを囲むように設けられるリングヘッド9と、中心突起5とリングヘッド9との間にあってリテーナ環7に保持される複数のボール10とを具備する。中心突起5は、軸部4の上端部中央から軸線方向上方へ突出するように設けられる。リテーナ環7は、軸部4の上端部から半径方向外側へ広がるフランジ部11の周縁から軸線方向上方へ突出して上方に開放する円筒状をなし、円周方向に相互間隔を置いて形成される複数のボール保持孔7aを有する。リングヘッド9は、上方へ開放するほぼ円筒状をなし、下部においてフランジ部11の外周に、軸周り相対回転自在に結合される。ボール10は、リテーナ環7のボール保持孔7a内に、中心突起5とリングヘッド9との間で、半径方向に移動自在に嵌め込まれる。
このボルト1の頭部3に係合させてボルト1を回転操作するための締め付け具2は、ハンドル14を備える主軸部13と、この主軸部13の下端側に、これと同心に下方に開放するように設けられる挿入筒部15と係合筒部16とを具備する。挿入筒部15は、ボルト頭部の外側環状間隙に挿入可能である。係合筒部16は、挿入筒部15の内周に環状受入間隙17を形成してこれと同心に設けられる。挿入筒部15は、ボルト頭部3の外側環状間隙8へ挿入されたときに、ボール10を内方へ移動させることができる。係合筒部16は、ボルト頭部3の内側環状間隙6へ挿入されたときに、挿入筒部15により内方へ移動したボール10の一部を嵌合させる円弧状断面を持つ軸線方向の複数の係合溝16aを外周に有する。
【発明の効果】
【0006】
この出願に係る発明のボルト及びその締め付け具は、両者の組み合わせ使用によらなければボルトの着脱操作を行うことができず、したがって、無権限者によるボルトの着脱操作を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係るボルトの正面図である。
【図2】図1のボルトの断面図である。
【図3】図1のボルトのキャップを外した状態の一部の断面図である。
【図4】図1のボルトのキャップを外した状態の平面図である。
【図5】本発明に係るボルト締め付け具の正面図である。
【図6】図5のボルト締め付け具の一部を切り欠いた側面図である。
【図7】図5のボルト締め付け具の底面図である。
【図8】本発明に係るボルトとボルト締め付け具の使用状態の断面である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。この発明の一実施の形態に係るボルト1と、これを回転操作するための締め付け具2を図8に示す。ボルト1は、頭部3と頭部から下方へ延出する軸部4とを備える。締め付け具2は、下端部をボルト1の頭部3に係合させて回転操作することができる。
【0009】
図3,4に示すように、ボルト1の頭部3は、軸線に沿って上方へ突出する円柱状の中心突起5と、この中心突起5の外周に内側環状間隙6を形成してこれを囲むように設けられるリテーナ環7と、このリテーナ環7の外周に外側環状間隙8を形成してこれを囲むように設けられるリングヘッド9と、中心突起とリングヘッドとの間にあってリテーナ環に保持される複数のボール10と、を具備する。
【0010】
軸部4の上端には、半径方向外側へ広がる外側フランジ部11が形成され、それの中央から軸線方向上方へ突出するように中心突起5が設けられる。
【0011】
リテーナ環7は、外側フランジ部11の周縁付近から軸線方向上方へ突出して上方に開放する円筒状をなす。リテーナ環7には、円周方向に相互間隔を置いて複数のボール保持孔7aが形成される。
【0012】
リングヘッド9は、上方へ開放するほぼ円筒状をなし、下部においてばねリング12を介して、フランジ部11の外周に、軸周り相対回転自在に結合される。フランジ部11の外周及びリングヘッド9の下端部内周には、対向位置に受け溝11a、9aが形成され、この溝内にばねリング12が嵌め込まれ、リングヘッド9は、軸方向に抜け止めされる。
【0013】
ボール10は、リテーナ環7のボール保持孔7a内に挿入され、中心突起5とリングヘッド9との間で、半径方向に移動自在である。
【0014】
締め付け具2は、円柱状の主軸部13の上部に直交方向に延出するハンドル14を備える。主軸部13の下端側には、これと同心で、下方に開放するように、挿入筒部15と係合筒部16とが形成される。挿入筒部15は、ボルト頭部3の外側環状間隙8に挿入可能である。挿入筒部15の内周と係合筒部16の外周との間には、環状受入間隙17が形成される。
【0015】
挿入筒部15は、ボルト頭部3の外側環状間隙8へ挿入されたときに、ボール10を内方へ移動させることができるように設けられる。
【0016】
係合筒部16は、挿入筒部15よりやや下方へ長く延出しており、挿入筒部15がボルト頭部3の内側環状間隙6へ挿入されたときに、挿入筒部15により内方へ押されて移動したボール10の一部を嵌合させる円弧状断面を持つ軸線方向の複数の係合溝16aを外周に有する。
【0017】
図1,2に示すように、ボルト頭部3の上方開放部を閉塞するために、当該ボルト頭部3に着脱自在に嵌合する弾性合成樹脂製のキャップ18が設けられる。所用箇所にボルト1を締め付けた後、頭部3に防塵用のキャップ18が装着される。
【0018】
ボルト1は、締め付け具2を用いて所用箇所に締め付けられる。係合筒部16の係合溝16aをボール10の位置に合わせて、ボルト頭部3の内側環状間隙6へ挿入する。また外側環状間隙8へ挿入筒部15を挿入すると、ボール10が係合筒部16と挿入筒部15との間でボール保持孔7a内に固定され、これによりボルト1と締め付け具2とが係合する。この状態で、締め付け具2によるボルト1の締め付け操作が可能となる。いったん締め付けられたボルト1は、締め付け具2を用いなければ弛めることができない。
【符号の説明】
【0019】
1 ボルト
2 締め付け具
3 ボルト頭部
4 軸部
5 中心突起
6 内側環状間隙
7 リテーナ環
7a ボール保持孔
8 外側環状間隙
9 リングヘッド
9a 受け溝
10 ボール
11 外側フランジ
11a 受け溝
12 ばねリング
13 主軸部
14 ハンドル
15 挿入筒部
16 係合筒部
16a 係合溝
17 環状受入間隙
18 キャップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部と頭部から下方へ延出する軸部とを備えるボルトと、このボルトの頭部に係合させてボルトを回転操作するための締め付け具とを具備し、
前記ボルトの頭部は、軸線に沿って上方へ突出する円柱状の中心突起と、この中心突起の外周に内側環状間隙を形成してこれを囲むように設けられるリテーナ環と、このリテーナ環の外周に外側環状間隙を形成してこれを囲むように設けられるリングヘッドと、中心突起とリングヘッドとの間にあってリテーナ環に保持される複数のボールと、を具備し、
前記中心突起は、前記軸部の上端部中央から軸線方向上方へ突出するように設けられ、
前記リテーナ環は、前記軸部の上端部から半径方向外側へ広がるフランジ部の周縁から軸線方向上方へ突出して上方に開放する円筒状をなし、円周方向に相互間隔を置いて形成される複数のボール保持孔を有し、
前記リングヘッドは、上方へ開放するほぼ円筒状をなし、下部において前記フランジ部の外周に、軸周り相対回転自在に結合され、
前記ボールは、前記リテーナ環のボール保持孔内に、前記中心突起と前記リングヘッドとの間で、半径方向に移動自在に嵌め込まれ、
前記締め付け具は、ハンドルを備える主軸部と、この主軸部の下端側にこれと同心に下方に開放するように設けられ前記ボルト頭部の外側環状間隙に挿入可能な挿入筒部と、この挿入筒部の内周に環状受入間隙を形成してこれと同心に設けられる係合筒部と、を具備し、
前記挿入筒部は、前記ボルト頭部の外側環状間隙へ挿入されたときに、前記ボールを内方へ移動させることができるように設けられ、
前記係合筒部は、前記ボルト頭部の内側環状間隙へ挿入されたときに、前記挿入筒部により内方へ移動した前記ボールの一部を嵌合させる円弧状断面を持つ軸線方向の複数の係合溝を外周に有することを特徴とする、ボルト及びボルト締め付け具。
【請求項2】
前記ボルト頭部の上方開放部を閉塞するために、当該ボルト筒部に着脱自在に嵌合する弾性合成樹脂製のキャップをさらに具備することを特徴とする、請求項1に記載のボルト及びボルト締め付け具。
【請求項1】
頭部と頭部から下方へ延出する軸部とを備えるボルトと、このボルトの頭部に係合させてボルトを回転操作するための締め付け具とを具備し、
前記ボルトの頭部は、軸線に沿って上方へ突出する円柱状の中心突起と、この中心突起の外周に内側環状間隙を形成してこれを囲むように設けられるリテーナ環と、このリテーナ環の外周に外側環状間隙を形成してこれを囲むように設けられるリングヘッドと、中心突起とリングヘッドとの間にあってリテーナ環に保持される複数のボールと、を具備し、
前記中心突起は、前記軸部の上端部中央から軸線方向上方へ突出するように設けられ、
前記リテーナ環は、前記軸部の上端部から半径方向外側へ広がるフランジ部の周縁から軸線方向上方へ突出して上方に開放する円筒状をなし、円周方向に相互間隔を置いて形成される複数のボール保持孔を有し、
前記リングヘッドは、上方へ開放するほぼ円筒状をなし、下部において前記フランジ部の外周に、軸周り相対回転自在に結合され、
前記ボールは、前記リテーナ環のボール保持孔内に、前記中心突起と前記リングヘッドとの間で、半径方向に移動自在に嵌め込まれ、
前記締め付け具は、ハンドルを備える主軸部と、この主軸部の下端側にこれと同心に下方に開放するように設けられ前記ボルト頭部の外側環状間隙に挿入可能な挿入筒部と、この挿入筒部の内周に環状受入間隙を形成してこれと同心に設けられる係合筒部と、を具備し、
前記挿入筒部は、前記ボルト頭部の外側環状間隙へ挿入されたときに、前記ボールを内方へ移動させることができるように設けられ、
前記係合筒部は、前記ボルト頭部の内側環状間隙へ挿入されたときに、前記挿入筒部により内方へ移動した前記ボールの一部を嵌合させる円弧状断面を持つ軸線方向の複数の係合溝を外周に有することを特徴とする、ボルト及びボルト締め付け具。
【請求項2】
前記ボルト頭部の上方開放部を閉塞するために、当該ボルト筒部に着脱自在に嵌合する弾性合成樹脂製のキャップをさらに具備することを特徴とする、請求項1に記載のボルト及びボルト締め付け具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−225421(P2012−225421A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93390(P2011−93390)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(000108708)タキゲン製造株式会社 (256)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(000108708)タキゲン製造株式会社 (256)
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