説明

ボールバルブ

【課題】フローティング型ボールバルブのシートリングのシール構造において、膨張黒鉛等の非自封性素材によって形成したパッキンを使用する場合のシール性を向上させることである。
【解決手段】一次側及び二次側シートリング29、30の外径面にシール装着部35、36が形成され、そのシール装着部35、36にシール部材27、28及び各シール部材27、28の外端面に接してシール押さえ部材37、38がそれぞれ嵌合され、両方の皿バネ56によって該シール押さえ部材37、38が押圧される構成とし、前記いずれかのシール部材27又は28に対し、皿バネ56の押圧力P1と、弁体26を介して作用する反対側の流体圧による押圧力P2による圧縮力が作用するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ボールバルブに関し、特に、フローティング型ボールバルブにおけるシール構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ボールバルブは、各種粉体、流体等の管路の開閉作用を行うバルブとして従来から知られている。特に、金属製のボール形弁体を支持するシートリングが金属製のものは耐久性に優れており、メタルタッチ型として従来から知られて称される(特許文献1)。
【0003】
従来のメタルタッチ型のボールバルブの基本的な構造は、一次側及び二次側開口部との間に弁室を設けたケーシングと、前記弁室を閉鎖するボンネットと、前記ボンネットによって回転自在に支持され前記弁室内に収められたボール形の弁体と、前記一次側及び二次側開口部にそれぞれシール部材を介在して挿入された一次側及び二次側シートリングと、前記各シートリングをそれぞれ前記弁体の一次側及び二次側ポートに押圧する押圧手段を備えた構成である。
【0004】
前記シートリングのシール部材は自封性あるシール部材であるOリングにより形成され、そのOリングがシートリングの外径面に周方向に形成されたシール溝に装着される。そのOリングをケーシングの開口部内径面にそれ自体の弾性によって押圧させることによりシートリングのシールを図るようにしている。
【0005】
前記のボールバルブにおける弁体の支持構造としては、弁軸と対称位置に突設された支持軸を弁室内底面の軸穴に挿入支持させることによって弁軸と支持軸の2箇所で支持した構造のトラニオン型と、支持軸を省略し弁体を弁軸のみで支持したフローティング型とがある。
【0006】
フローティング型の場合は、例えば、一次側の流体圧が相対的に高い場合は弁体が二次側に変位し、二次側シートリングに押圧される。このとき一次側のシートリングは、その後端部の押圧手段で押され二次側に変位する弁体に追従して移動する。反対に、二次側の流体圧が相対的に高い場合は、弁体が一次側に変位して一次側シートリングに押圧され、二次側シートリングが弁体に追従する。トラニオン型は支持軸によってケーシングに拘束されるので、流体圧によって前記のような変位は生じ得ない。
【0007】
フローティング型のシートリングと弁体の接触面には、シートリングを直接押圧する皿バネのバネ力のほかに前記のように流体圧が作用するので、相対的に小さいバネ力で高いシール性が得られる特徴がある。
【0008】
前記のボールバルブにおいて、シートリングをシールする前記のOリングは、シートリングの円滑な変位に支障を来たすことがない点でフローティング型ボールバルブの場合に適したシール部材である。
【0009】
また、前記ボールバルブの使用限界温度を決定する一つの要因は、前記Oリングの耐熱性にある。従来のゴム製Oリングの場合は、その耐熱性の点から使用限界温度は200℃程度であった。使用限界温度を上げるためにOリングに代えて耐熱性のある素材、例えば膨張黒鉛製パッキンを使用することが考えられる。
【0010】
しかし、膨張黒鉛製パッキンは弾性に乏しく自封性がないため、Oリングのように、弾性的に拡径させてシートリングの外径面に嵌め、さらに縮径させてシール溝に装着させるという構成をとることができない。
【0011】
このため、通常考えられるシートリングのシール構造として、図6に示した構成がある。即ち、ケーシング1の開口部2の内径面にシール装着部3を設けた構成である。同図において、4はボール形の弁体、5はシートリングを示している。前記のシール装着部3は、開口部2の内径面に形成された段差面6と大径部7によって構成され、シール部材8(膨張黒鉛製のパッキン)が前記段差面6に接して大径部7に装着される。
【0012】
前記のシール部材8は自封性がないため、その外端面にシール押さえ部材9を押し当て、そのシール押さえ部材9を開口部2の内径面にねじ込んだ構成が採られる。開口部2の開口端にシート押さえ部材10がねじ込まれ、そのシート押さえ部材10とシートリング5との間に皿バネ11が介在される。シートリング5はこの皿バネ11によって押圧され弁体4に押し当てられる。
【0013】
上記のシール構造においては、シール押さえ部材9を操作してシール部材8を強く押し込むことにより、シール部材8を僅かに弾性変形させ、その押圧力を開口部2の内径面とシートリング5の外径面の両方に作用させることによりシートリング5のシールを行う。
【特許文献1】特開2007−16842号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ボールバルブの使用温度を上げるために、膨張黒鉛のように自封性がなく、弾性に乏しい素材よりなるシール部材8を用いて前記のようなシール構造を採った場合、シール性能を上げるためにはシール押さえ部材9を介してシール部材8をより強く押圧する必要がある。
【0015】
しかし、シール部材8を押圧するとシール部材8は同時にシートリング5を径方向に強く拘束するため、シールリング5の円滑な移動が妨げられる。このため、フローティング型の場合には一次側及び二次側双方においてシートリング5の弁体4に対する追従性が低下する。これにより、弁体4とシートリング5の間にすき間が発生し、一次側と二次側のシールが不完全になるという問題がある。
【0016】
前記のシールを確実にするため皿バネ11のバネ力を上げると、シートリング5の弁体4に対する押し付け力が強くなり、弁体4の開閉トルクが増大し操作性が低下する不都合が生じる。
【0017】
そこで、この発明は、シール部材が弾性に乏しい場合であっても、シール性が良好であり、操作性に影響をもたらさないボールバルブを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記の課題を解決するために、この発明に係るボールバルブは、図1(図1は後述の実施例1の図面と共用される。)に示したように、一次側及び二次側開口部21、22との間に弁室23を設けたケーシング24と、前記弁室23を閉鎖するボンネット25と、前記ボンネット25によって回転自在に支持され前記弁室23内に収められた弁体26と、前記一次側及び二次側開口部21、22にそれぞれシール部材27、28を介在して挿入された一次側及び二次側シートリング29、30と、前記各シートリング29、30をそれぞれ前記弁体26の一次側及び二次側ポート31、32に押圧する押圧手段33、34を備えている。弁体26は弁軸44においてのみ回転自在に支持されたフローティング型である。
【0019】
前記のようなボールバルブにおいて、この発明は、前記一次側及び二次側シートリング29、30の外径面に一次側及び二次側シール装着部35、36が形成され、そのシール装着部35、36に前記のシール部材27、28及び各シール部材27、28の外端面を押すシール押さえ部材37、38が嵌合され、前記押圧手段33、34により該シール押さえ部材37、38が押圧される構成としたものである。
【0020】
なお、本発明において「フローティング型」というのは、図1に示したように弁体26が弁軸44のみで支持され流体圧によって弁体26が変位する構造のほかに、トラニオン型であってもその支持軸がケーシングに対してすき間嵌めされ、流体圧によって弁体がある程度変位し得る構造も含まれる。
(作用)
一次側及び二次側シートリング29、30には、それぞれ押圧手段33、34から内向きの押圧力P1(図2の白抜き矢印参照)を受け、これによって弁体26に押し当てられる。同時にその押圧力P1によって各シール部材27、28が圧縮される。
【0021】
いま、一次側の流体圧が相対的に高い場合を想定すると、閉状態になった弁体26は僅かに二次側に変位して二次側シートリング30に押し当てられ、該二次側シートリング30に外向きの押圧力P2を及ぼす。このため、二次側シール部材28には、押圧手段34の押圧力P1と一次側の流体圧による押圧力P2が両側から圧縮方向に作用する。
【0022】
シール部材28が圧縮されると、シール部材28の内径面がシートリング30に押し当てられるとともに、該シール部材28の外径面がケーシング24の開口部22の内径面に押し当てられ、これらの部分のシール作用を行う。シール部材28はシートリング30と一体に移動するので、シートリング30をシールするシール部材28の押圧力はシートリング30の移動に影響を与えない。
【0023】
また、シール部材28を圧縮する押圧力には前記のように流体圧による押圧力P2が加わるので、押圧手段34の押圧力P1は比較的小さく設定できる。このため、弁体26の開閉トルクの増大を抑制することができる。
【0024】
なお、二次側の流体圧が相対的に高い場合は、弁体26は一次側に変位するが、その場合の一次側における作用は前述の場合と同様である。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、この発明によるとフローティング型ボールバルブにおいて、自封性のない素材でなるシール部材を用いた場合においても高いシール性能を得ることができる。このため、膨張黒鉛等の自封性がなく耐熱性の高い素材で製作されたシール部材を用いることにより、従来のOリングを用いた場合に比べ高い流体温度における使用が可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、実施例にもとづいて、この発明の最良の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0027】
図1から図5に示した実施例1のボールバルブは、ケーシング24、ボンネット25、該ボンネット25によって支持され前記ケーシング24の内部に収納されたフローティング型の弁体26を主要な構成部材とする2方弁である。次にこれらの部材について詳細に説明する。
【0028】
ケーシング24の左右両端部には一次側開口部21、二次側開口部22が設けられ、それぞれの外端部に管路接続用のフランジ40、41が設けられる。前記開口部21、22の内端部相互間に弁室23が設けられる。
【0029】
弁室23は底面が閉塞されているが上面部が開放され、弁室23の内部に弁体26を挿入できるようになっている。弁室23の上部の開放部分にガスケット42を介して前記のボンネット25がボルト43によって取り付けられる。
【0030】
弁体26の弁軸44はボンネット25を貫通して上方に突き出し、その突き出した先端部にハンドル45が取り付けられる。また、弁軸44の周りにグランドパッキン46が封入され、パッキン押さえ47を介して押さえ輪48により押圧される。
【0031】
弁体26は弁軸44と直交する方向の弁孔49が設けられ、その一端が一次側ポート31、他端が二次側ポート32となっている。
【0032】
前記一次側開口部21と二次側開口部22の内径面にそれぞれ円筒形の一次側シートリング29と二次側シートリング30が挿入され、開弁状態において各シートリング29、30の内端が前記弁体26の一次側及び二次側ポート31、32の周りに密着される。弁体26が90度回転すると各シートリング29、30の先端部が弁体26の閉鎖面に密着され閉弁状態となる。
【0033】
図2に示したように、前記各シートリング29、30の外径面には、それぞれ直角の段差面51を挟んで軸方向内端側が大径部52、外端側が小径部53となる異径部分が形成される。一次側シートリング29においては、段差面51とこれに連続した小径部53とによって一次側シール装着部35が形成される。同様に、二次側シートリング30においては段差面51とこれに連続した小径部53とによって二次側シール装着部36が形成される。また、各小径部53の外端において更に小径のバネ受け面54が設けられる。
【0034】
前記の各シール装着部35、36にそれぞれ一次側及び二次側シール部材27、28及びこれらに対応した一次側及び二次側シール押さえ部材37、38が装着される。
【0035】
図3に示したように、前記の一次側シール部材27(かっこ付きの符号は二次側シール部材28の場合を示す。図4、図5においても同じ。)は、前記の段差面51に合致する直角の内端面55a、その内端面55aの内径側に連続した内径面55b、外径側に連続した外径面55c、及びこれらの内外径の面55b、55cに対し角度θで傾斜した外端面55dからなる断面形状が台形のものである。シール部材27、28の素材は、使用温度に応じて、ゴム、フッ素樹脂等が使用できるが、比較的高温の場合は、膨張黒鉛を使用することができる。膨張黒鉛の使用温度は−200〜600℃であり、ゴム製Oリングに比べ高温域での使用が可能である。
【0036】
また、前記のシール押さえ部材37(シール押さえ部材38も同様)は、前記シール部材27、28の外端面55dに対向した端面が同じ傾斜角θをもった傾斜面に形成され、その外端面55dに押し当てられる。各シール押さえ部材37、38の外端部は、各シートリング29、30のバネ受け面54上に達する長さに形成される(図2参照)。
【0037】
前記の各シール押さえ部材37、38の外端部を押圧する一次側押圧手段33、34は、それぞれリング状の皿バネ56と、押さえリング57とから構成される。皿バネ56は、前記のバネ受け面54の周りに嵌合され、シール押さえ部材37、38と押さえリング57との間に介在される。押さえリング57は、各開口部21、22の外端内径面に形成された雌ネジ部58にネジ結合される。押さえリング57を操作することにより押さえリング57を皿バネ56に押し当て、シール押さえ部材37、38を介して各シール部材27、28に所要の押圧力を及ぼすことができる。
【0038】
なお、シートリング29、30の外端面と前記の押さえリング57との間には、相互の干渉を防止すべく所要のすき間aが設けられる(図2参照)。
【0039】
実施例1のボールバルブは以上のような構成であり、次にその作用について説明する。
【0040】
図1は、一次側、二次側の各シートリング29、30の内端が弁体26の一次側及び二次側ポート31、32に密着した開弁状態を示している。前記皿バネ56の押圧力が、シール押さえ部材37、38及びシール部材27、28を介して各シートリング29、30の弁体26に対する接触部に及ぶ。その接触部において管路の一次側と二次側のシールが行われる。
【0041】
また、前記と同時に皿バネ56の押圧力によってシール部材27、28が圧縮され、開口部21、22の内径面、及びシートリング29、30の外径面のシールを行う。
【0042】
前記の開弁状態から、ハンドル45の操作により、弁体26が90度回転されると、閉弁状態となり、各シートリング29、30の内端が弁体26の閉塞面に接触する。
【0043】
前記の閉弁状態においていずれか一方の側、例えば一次側の流体圧が二次側の流体圧より高い場合、フローティング型の弁体26の性状により二次側に変位する。その変位が発生すると、弁体26は二次側シートリング30に押し当てられる。これと同時に一次側シートリング29がその押圧手段33の皿バネ56の押圧力によって弁体26の変位に追従して移動する。このため、一次側シートリング29が弁体26から離れることが防止される。
【0044】
前記の場合、流体圧が一定以上に高いときは、流体が一次側シートリング29と弁体26との接触面から弁室23に漏出し、二次側シートリング30のシール部材28の外径面におけるシールを破って外部に漏出するおそれがある。このため、シール部材28には所定のシール圧を発生するように圧縮力を作用させる必要がある。
【0045】
この圧縮力は、二次側押圧手段34の皿バネ56による押圧力P1(図2参照)と、これに対向した前記の流体圧に起因する押圧力P2の総和として付与される。同程度の圧縮力を皿バネ56のみで付与しようとすると、皿バネ56の押圧力P1が大きくなるめ、二次側シートリング30の弁体26に対する押圧力が大きくなり、これにより弁体26の開閉トルクが大きくなって操作性を損なう。しかし、この実施例1においては、シール部材28に同じ圧縮力を作用させる場合において、皿バネ56の押圧力P1は、流体圧による押圧力P2の分だけ小さくてよいので、弁体26の開閉トルクに与える影響が小さい。
【0046】
なお、前記の場合とは逆に、二次側流体圧が相対的に高いときは、前記と同様の作用が一次側において行われる。
【0047】
次に、前記シール部材27、28の断面形状について説明する。図2及び図3に示したように、外端面55dが傾斜角θをもった傾斜面に形成されているため、前記の圧縮力P1、P2が作用すると、その傾斜した外端面55dがシール押さえ部材37、38の傾斜面に沿って滑りを生じ、外端面55dの先端部及びその近傍が膨出してシール部59(図3の一点鎖線参照)となり、開口部21、22の内径面に強く押し付けられ効果的なシール作用を行う。
【0048】
前記のシール部59は、傾斜した外端面55dに沿って斜め外向きに延び出すので、外部から弁室23に向けて流れる流体に対し効果的なシールを行う。
【0049】
次に、前記シール部材27、28の変形例を図4、図5に基づいて説明する。
【0050】
図4(a)に示したシール部材27(28)は、内端面55aが傾斜角θの傾斜面となっており、これに接する段差面51も同じ角度の傾斜面となっている。他の3面55b、55c、55dは相互に直交する面である。シール部59は傾斜面に沿って図3の場合と反対に斜め内向きに延び出す。
【0051】
図4(b)(c)に示したものは、2本のシール部材27(28)、27(28)の組合せによって構成したものである。図4(b)の場合は、一方のシール部材27(28)の外端面55dとこれに接した他方のシール部材27(28)の内端面55aがそれぞれ傾斜面となっている。段差面51、端面51’は直角形成される。いずれの場合も、傾斜面の先端部分にシール部59が生じる。
【0052】
図4(c)の場合は、一方のシール部材27(28)の内端面55aが傾斜面となり、他方の外端面55dが傾斜面となっている。これらの傾斜面55a、55dに接する段差面51、シール押さえ部材37(38)の端面51’もそれぞれ傾斜面となっている。
【0053】
図5(a)(b)に示した変形例は、シール部材27(28)をシートリング29(30)の長さ方向に距離をおいて2箇所に設け、両者の間に補助シール押さえ部材39を介在したものである。シール部材27(28)を長さ方向の1箇所に設ける場合に比べ、一層確実なシール作用を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】実施例1の断面図
【図2】同上の一部拡大断面図
【図3】同上のシール部分の拡大断面図
【図4】(a)から(c) 同上のシール部分の変形例の断面図
【図5】(a)(b) 同上のシール部分の変形例の断面図
【図6】従来例の一部断面図
【符号の説明】
【0055】
21 一次側開口部
22 二次側開口部
23 弁室
24 ケーシング
25 ボンネット
26 弁体
27 一次側シール部材
28 二次側シール部材
29 一次側シートリング
30 二次側シートリング
31 一次側ポート
32 二次側ポート
33 一次側押圧手段
34 二次側押圧手段
35 一次側シール装着部
36 二次側シール装着部
37 一次側シール押さえ部材
38 二次側シール押さえ部材
39 補助シール押さえ部材
40、41 フランジ
42 ガスケット
43 ボルト
44 弁軸
45 ハンドル
46 グランドパッキン
47 パッキン押さえ
48 押さえ輪
49 弁孔
51 段差面
51’ 端面
52 大径部
53 小径部
54 バネ受け面
55a 内端面
55b 内径面
55c 外径面
55d 外端面
56 皿バネ
57 押さえリング
58 雌ネジ部
59 シール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次側及び二次側開口部(21、22)の間に弁室(23)を設けたケーシング(24)と、前記弁室(23)を閉鎖するボンネット(25)と、前記ボンネット(25)によって支持され前記弁室(23)に収められたフローティング型の弁体(26)と、前記一次側及び二次側開口部(21、22)にそれぞれシール部材(27、28)を介在して挿入された一次側及び二次側シートリング(29、30)と、前記各シートリング(29、30)をそれぞれ前記弁体(26)に押圧する一次側及び二次側押圧手段(33、34)を備えてなるボールバルブにおいて、前記一次側及び二次側シートリング(29、30)の外径面にシール装着部(35、36)が形成され、そのシール装着部(35、36)に前記のシール部材(27、28)及び各シール部材(27、28)の外端面に接してシール押さえ部材(37、38)がそれぞれ嵌合され、前記押圧手段(33、34)によって該シール押さえ部材(37、38)が押圧されるようにしたことを特徴とするボールバルブ。
【請求項2】
前記各シートリング(29、30)の外径面に内端側が大径部(52)、外端側が小径部(53)となる異径の部分が形成され、前記シール装着部(35、36)が前記大径部(52)と小径部(53)の間の段差面(51)と、その段差面(51)に連続した前記小径部(53)によって形成されたことを特徴とする請求項1に記載のボールバルブ。
【請求項3】
前記シール部材(27、28)の前記段差面(51)に接触する面とその反対側の面のいずれか一方の面に所定の傾斜角θをもった傾斜面が形成され、その傾斜面に当接される相手部材に前記傾斜面に合致する傾斜面が形成されたことを特徴とする1又は2に記載のボールバルブ。
【請求項4】
前記シール部材(27、28)がそれぞれ複数本組み合わせて構成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のボールバルブ。
【請求項5】
前記複数のシール部材(27、28)が当該シートリング(29、30)の長さ方向に所定の間隔をおいて配置された2本のシール部材(27、28)によって構成され、これら各シール部材(27、28)の間に補助シール押さえ部材(39)が介在されたことを特徴とする請求項4に記載のボールバルブ。
【請求項6】
前記シール部材(27、28)が、膨張黒鉛等の非自封性素材によって形成されたことを特徴とする1から5のいずれかに記載のボールバルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−103242(P2009−103242A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−276436(P2007−276436)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(591063051)日本ボールバルブ株式会社 (5)
【Fターム(参考)】