説明

ボールペンチップ

【課題】インキが詰まるということがなく、安定した吐出を得られる効果があるボールペンチップを提供する。
【解決手段】少なくとも塗布部材となるボールと、このボールを一部が開口部より臨出した状態で回転自在に抱持するボールホルダーとで構成され、ボールホルダーはインキ通路としての連通孔によって両端を連通し、この連通孔の途中に、ボールの後方移動の終点となる内方突出部を有し、この内方突出部にインキの流通可能な複数の溝を、この内方突出部が形成する連通孔の小径部とボールが配置されるボール抱持室とに連通し内方突出部の後部には連通しない状態に形成したボールペンチップにおいて、前記溝の連通孔の小径部への開口部が、先方に向かって小幅に傾斜している部分を有するボールペンチップ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも塗布部材となるボールと、このボールを一部が開口部より臨出した状態で回転自在に抱持するボールホルダーとで構成されるボールペンチップの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ボールペンチップは、ボール抱持室とその中に回転自在に抱持されたボールとの隙間をインキの流路とすることで吐出を可能としている。よって、ボール抱持室にインキを供給するインキ通路の最外部は、壁面に近いところの加工になるものであった。
【特許文献1】特開平10−217665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ボール抱持室にインキを供給するインキ通路の加工は、ブローチ加工と呼ばれる剪断加工にて行われているが、剪断を得るための力がかかるので、加工しない部分、例えばボール抱持室の真円形が損なわれて、ボールとの隙間が不均一となり、筆跡が乱れたりインキが漏れる原因となる問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
即ち、本発明は、筆記部材であるボールを抱持するボールホルダーのボール抱持室にインキを供給するインキ通路をボール抱持室形成前に形成するボールペンチップの製造方法要旨とする。
【発明の効果】
【0005】
予め、後工程では剪断加工となるインキ通路の形成をなしておくため、その後の加工後も、剪断加工の影響を極力少ないものとでき、安定したインキ吐出にて、きれいな筆跡を形成できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明のボールペンチップは、あらかじめ非円形穴を形成させたパイプ材を使う。もちろん、通常、矢溝などとよばれる放射状のインキ通路を形成することも予め実施することとなる。
【実施例】
【0007】
図面に基づいて、一例について説明する。
図1に記載したものは、引き抜き加工にて製造したパイプ体1である。引き抜き時の入れ子の形状にて適宜形状が形成できる。図2にその縦断面図を示すが、本例では正5角形の穴2が形成され、その穴2が、パイプ体のなが手方向全体に形成ているものである。
図3に示すように、次いで切削加工にてボール抱持室となる部分を形成する。即ち、適宜深さの切削加工にて穴2の開口部分を横断面円形に形成することによって、ボール抱持室予定部3が形成される。このボール抱持室となる部分にボール4を配置して、ボール4が抜けどめされるよう、先端部5をかしめて、基本的なボールペンチップの形状が形成される。
【0008】
このように作成したボールペンチップは、剪断加工となる内側の加工を予め形成するので、インキ流通路を均一に形成でき、良好な筆跡を形成するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】パイプ材の外観図。
【図2】図1の縦断面図。
【図3】図2のI−I’線断面矢視図
【図4】ボール抱持室形成後の状態を示す縦断面図。
【符号の説明】
【0010】
1 パイプ体
2 穴
3 ボール抱持室予定部
4 ボール
5 先端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筆記部材であるボールを抱持するボールホルダーのボール抱持室にインキを供給するインキ通路をボール抱持室形成前に形成するボールペンチップの製造方法。
【請求項2】
前記インキ通路の形成を、押し出し又は引き抜きによるパイプ形成加工による請求項1記載のボールペンチップの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−276117(P2007−276117A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−101281(P2006−101281)
【出願日】平成18年4月1日(2006.4.1)
【出願人】(000005511)ぺんてる株式会社 (899)
【Fターム(参考)】