説明

ボールペン用インキ逆流防止剤組成物

【課題】この発明は,ボールペン用インキ逆流防止剤組成物を提供することである。
【解決手段】 このボールペン用インキ逆流防止剤組成物は,難揮発性液体及び少なくとも1種の増ちょう剤から成る組成物であって,前記難揮発性液体の引火点が250℃以上であって,前記組成物が1気圧において温度20℃で液状である。前記増ちょう剤の配合量は,前記難揮発性液体に対して0.1〜6.0mass%である。このボールペン用インキ逆流防止剤組成物は,特に,内径が1.6〜2.7mmのインキを充填するインキ筒のボールペンに適用して好ましいものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,インキが充填されるボールペン用インキ筒に充填される水性又は油性インキのボールペン用インキ逆流防止剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に,インキ筒の末端が開放されているボールペンについては,単にインキのみを充填しただけではペン先を上向き又は横向きに放置するとインキがインキ筒を逆流して端部開口から外部に漏れてしまったり,少しの衝撃でもインキがインキ筒から飛散して周囲環境,衣服等を汚してしまう恐れがある。また,インキ筒に充填されたインキがインキ筒の端部開口から蒸発する恐れがある。これらの好ましくない現象を防止するために,インキ筒の端部開口からインキ筒に充填されたインキと連続させてインキ逆流防止剤又はインキ追従体と呼ばれる組成物をインキ筒に充填している。
【0003】
上記のようなボールペン用インキ逆流防止剤組成物の必要性能としては,次のような条件が要求されている。
1.追従性能としては,インキ逆流防止剤組成物がインキの消耗に従ってインキ末端から離れず追従し,また,インキ筒壁に付着してインキ筒末端部に残らないこと等である。 2.耐高温性能としては,インキ逆流防止剤組成物が輸送中等に遭遇する70℃程度の雰囲気においても難揮発性液体とゲル化剤が分離することなく,また,インキ逆流防止剤組成物がインキ筒内で流動又はインキ筒から流出しないことである。
3.耐衝撃性能としては,インキ逆流防止剤組成物が油性や水性のボールペンインキと混合して,インキ逆流防止剤組成物が汚染しないことである。
【0004】
従来,ボールペン用インキ逆流防止体組成物及びそれを用いたボールペンが知られている。該ボールペン用インキ逆流防止剤組成物は,難揮発性液体に,増粘剤及びアタクチックポリプロピレンを添加したものである。上記ボールペン用インキ逆流防止剤組成物は,増粘剤を添加して適度な粘着性を付与したものであり,筆記時におけるインキ追従性を向上させ,筆記先端部を上向き状態で放置又は衝撃を与えてもインキの逆流を防止し,インキ筒からインキが垂れ落ちるのを防止するものである。(例えば,特許文献1参照)。
【0005】
また,本出願人は,ボールペン用インキ逆流防止剤組成物として,優れた追従性,耐衝撃性,耐混合性を兼ね備えているものを開発して先に特許出願した。該ボールペン用インキ逆流防止剤組成物は,半固体状物質に予め決められた書定量のスチレン系熱可塑性エラストマーを配合し,25℃で不混和ちょう度及び混和ちょう度が200〜500であり,スプレッドメーター値が20〜50mmであり,20℃で且つせん断速度が1.0〜100sec-1における粘度が1000〜100000mPa・sである(例えば,特許文献2参照)。
【0006】
また,ボールペンインキ逆流防止用組成物として,マイグレーション及びダレの両方を同時に抑制するものが知られている。該ボールペンインキ逆流防止用組成物は,鉱油,ポリブテン,金属石鹸,スチレン系熱可塑性エラストマー及びアタクチックポリプロピレンを配合したものである(例えば,特許文献3参照)。
【特許文献1】特許第4033994号
【特許文献2】特開2005−239933号
【特許文献3】特開2007−136821号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら,インキ逆流防止剤組成物としては,これまで種々の組成物が開示されているが,近年,インキの組成,インキ筒の内径は多岐にわたり,上記のような必要性能の全ては必ずしも満足されていない。近年,ボールペンのインキを充填するインキ筒内径は,インキ消費量が細字用等の少ないボールペンに,ボールペン用インキ逆流防止剤組成物を使用する場合,良好な追従性を得るためには,組成物の流動性が不可欠であった。ボールペン用インキ逆流防止剤組成物のインキ筒内での流動性が不足すると,筆記時のインキ消費に伴って追従し難くなり,筆記描線のカスレを誘発する現象が発生する。このように,ボールペン用インキ逆流防止剤組成物は,流動性が不可欠となる一方,これを確保することで,消防法による第4類の危険物(引火性液体)に該当するようになり,輸送,貯蔵,供給の際は危険物貯蔵申請をする必要があった。
【0008】
本発明者らは,上記のようなボールペン用インキ逆流防止剤組成物の問題点を解消するため,鋭意検討した結果,ボールペン用インキ逆流防止剤組成物を引火点が250℃以上で,1気圧において温度20℃で液状を示す組成物に作製することによって,筆記時のインキ追従性を損なうことなく,消防法による非危険物(指定可燃物可燃性液体)に該当するボールペン用インキ逆流防止剤組成物が得られることが分かった。
【0009】
この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,細字用のインキ筒の内径の小さいボールペンであっても水性又は油性インキに対して追従性が良好であり,非危険物(指定可燃物可燃性液体)に該当する液状の組成物であって,優れた耐衝撃性,耐混合性を兼ね備えたボールペン用インキ逆流防止剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は,難揮発性液体及び少なくとも1種の増ちょう剤から成る組成物であって,前記難揮発性液体の引火点が250℃以上であって,前記組成物が1気圧において温度20℃で液状であることを特徴とするボールペン用インキ逆流防止剤組成物に関する。
【0011】
また,前記難揮発性液体は,精製鉱油,ポリ−α−オレフィン,α−オレフィン−コオリゴマー,ポリブテン,シリコーン油,ポリオキシアルキレングリコール油,及びエステル油から選ばれる1種又は2種以上の混合体である。
【0012】
また,前記増ちょう剤は,アルミニウム石けん,リチウム石けん,シリカゲル,スチレン系熱可塑性エラストマー,及びアタクチックポリプロピレンから選ばれる1種又は2種以上である。
【0013】
前記増ちょう剤の配合量は,前記難揮発性液体に対して0.1〜6.0mass%である。
【0014】
また,このボールペン用インキ逆流防止剤組成物については,温度20℃でせん断速度1.915sec- 1 における粘度が5000〜30000mPa・sである。
【0015】
このボールペン用インキ逆流防止剤組成物の使用方法は,特に,インキを充填するインキ筒の内径が1.6〜2.7mmの筒体の開口側から前記インキの尾端に密着して充填して適用されるものである。
【発明の効果】
【0016】
このボールペン用インキ逆流防止剤組成物は,上記のように構成されており,液状であって,消防法による非危険物(指定可燃物可燃性液体)に該当し,水性又は油性インキに対して追従性が極めて優れており,しかも,耐衝撃性や耐混合性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この発明によるボールペン用インキ逆流防止剤組成物は,インキが充填されるボールペン用インキ筒に充填された水性又は油性インキの尾端に密着してインキ筒に充填して適用するものであり,次のように構成したことを特徴とする。即ち,このボールペン用インキ逆流防止剤組成物は,難揮発性液体単独,又は難揮発性液体と少なくとも1種の増ちょう剤とから構成されている。難揮発性液体は,引火点が250℃以上である精製鉱油,ポリ−α−オレフィン,α−オレフィン−コオリゴマー,ポリブテン,シリコーン油,ポリオキシアルキレングリコール油,及びエステル油から選ばれる1種又は2種以上の混合体である。増ちょう剤は,アルミニウム石けん,リチウム石けん,シリカゲル,スチレン系熱可塑性エラストマー,アタクチックポリプロピレンから選ばれる1種又は2種以上から成るものである。
【0018】
このボールペン用インキ逆流防止剤組成物は,内径が1.6〜2.7mmのインキを充填するインキ筒の開口側からインキの尾端に密着して充填して使用されるものである。また,前記組成物は,温度20℃でせん断速度1.915sec- 1 における粘度が5000〜30000mPa・sである。
【実施例】
【0019】
以下,この発明によるボールペン用インキ逆流防止剤組成物の実施例1〜12,及び本願発明との比較のため,比較例1,2を作製した。
難揮発性液体としての精製鉱油,ポリ−α−オレフィン,α−オレフィン−コオリゴマー,ポリブテン,シリコーン油,ポリオキシアルキレングリコール油,及びエステル油は,市販されているものを入手することができる。実施例1〜13及び比較例1,2は,耐熱容器に原料を計り取り,良く混合した後に,160℃に加熱し,次いで,これを冷却した後に,3段ロールミルを通過させて得た。
増ちょう剤としてのアルミニウム石けんは,常法により合成可能であるが,市販のものを使用することもできる。また,増ちょう剤としてのリチウム石けんは,常法により合成可能であり,市販のものを使用することもできる。増ちょう剤としてのシリカゲルは,常法により合成可能であり,市販のものを使用することもできる。また,シリカゲルとしては,微粒子シリカやメチル化処理した微粒子シリカを使用することができる。増ちょう剤としてのスチレン系熱可塑性エラストマーは,常法により合成可能であり,市販のものを使用することもできる。実施例で使用したスチレン系熱可塑性エラストマーAは,スチレン含有量35wt%のセプトン1001(クラレ製商品名)であり,スチレン系熱可塑性エラストマーBは,スチレン含有量30wt%のセプトン2002(クラレ製商品名)である。増ちょう剤としてのアタクチックポリプロピレンは,常法により合成可能であり,市販のものを使用することもできる。
【0020】
引火点測定について:
引火点はJISK2265に則りクリーブランド開放式により測定した値を記載した。 液状確認試験について:
平底円筒型透明ガラス缶(内径30mm,高さ120mm,以下,試験管と称する)に試料を55mmの高さまでとり,試験管を直立して試料温度を試験温度20℃に保持させた後,その試験管を水平に倒し,試料に流動性を生じさせる。この結果,試料液面の先端が試料採取面から30mmの距離において30秒以内であるものが液状であると判断できる。
【0021】
ボールペンの追従性試験,耐衝撃性試験,及び耐混合性試験を行うため,表2,4,6に示す3種の市販ボールペンA,B,Cを使用した。市販ボールペンAは,インキ筒の内径が2.7mmであり,組成物充填量が0.03mm3 である。市販ボールペンBは,インキ筒の内径が1.9mmであり,組成物充填量が0.02mm3 である。市販ボールペンCは,インキ筒の内径が1.6mmであり,組成物充填量が0.02mm3 である。
市販ボールペンA,B,Cへの組成物の充填は,容器内のインキ逆流防止剤組成物を注射器を用いて吸い取り,インキ筒壁に付着しているインキ逆流防止剤組成物を拭き取った後に,実施例1〜13, 比較例1,2の組成物をそれぞれ表に示す量だけインキ末端部にインキと連続させて充填し,下記の(1)〜(3)の評価試験を行った。
【0022】
このボールペン用インキ逆流防止剤組成物の試料として,表1に示す実施例1〜5,表3に示す実施例6〜10,及び表5に示す実施例11〜13を調製した。実施例1〜13について,液状確認によって液状であり,引火点は250℃以上であり,消防法による第4類の危険物(引火性液体)に該当せず,輸送,貯蔵,供給の際は危険物貯蔵申請は不要である。また,このボールペン用インキ逆流防止剤組成物の比較のため,表5に示す比較例1,2を調製した。比較例1は液状確認では固体状であり,引火点は250℃以上であった。
【0023】
【表1】

【0024】
【表2】

【0025】
【表3】

【0026】
【表4】

【0027】
【表5】

【0028】
【表6】

【0029】
(1)追従性試験について:
10cm/secの速度でインキが無くなるまで連続して筆記を続け, インキ逆流防止剤組成物がインキの消耗に追従していくか否かを観察した。インキ逆流防止剤組成物の一部がインキ筒壁に付着してインキ筒末端部の残ったもの及びインキ逆流防止剤組成物が動かず, 途中で筆記不能になったものは不合格とした。
(2)耐衝撃性試験について:
ペン先を上にして持ち, 高さ1mの場所からコンクリート床に50回落下させた後に,外観を観察した。インキ逆流防止剤組成物がインキ筒内で流動又はインキ筒から流出したものは不合格とした。
(3)耐混合性試験について:
ペン先を上向きにして70℃恒温空気浴に30日間静置後に,外観を観察した。インキ逆流防止剤組成物がインキと混合したものは不合格とした。
【0030】
〔実施例1〕
精製鉱油:95.5mass%,アルミニウム石けん:0.5mass%,スチレン系熱可塑性エラストマーA:1.0mass%,スチレン系熱可塑性エラストマーB:0.5mass%,アタクチックポリプロピレン:2.5mass%,E型粘度値(20℃,1.915sec- 1 ,5分)で5000mP・sである。
〔実施例2〕
精製鉱油:95.0mass%,アルミニウム石けん:1.0mass%,スチレン系熱可塑性エラストマーA:1.0mass%,スチレン系熱可塑性エラストマーB:0.5mass%,アタクチックポリプロピレン:2.5mass%,E型粘度値(20℃,1.915sec- 1 ,5分)で9300mP・sである。
〔実施例3〕
精製鉱油:94.0mass%,アルミニウム石けん:1.0mass%,スチレン系熱可塑性エラストマーA:2.0mass%,アタクチックポリプロピレン:3.0mass%,E型粘度値(20℃,1.915sec- 1 ,5分)で16500mP・sである。
〔実施例4〕
精製鉱油:94.2mass%,アルミニウム石けん:1.8mass%,スチレン系熱可塑性エラストマーA:1.0mass%,スチレン系熱可塑性エラストマーB:0.5mass%,アタクチックポリプロピレン:2.5mass%,E型粘度値(20℃,1.915sec- 1 ,5分)で25000mP・sである。
〔実施例5〕
精製鉱油:94.0mass%,アルミニウム石けん:2.0mass%,スチレン系熱可塑性エラストマーA:1.0mass%,スチレン系熱可塑性エラストマーB:0.5mass%,アタクチックポリプロピレン:2.5mass%,E型粘度値(20℃,1.915sec- 1 ,5分)で28400mP・sである。
〔実施例6〕
精製鉱油:95.0mass%,リチウム石けん:1.0mass%,スチレン系熱可塑性エラストマーA:1.0mass%,スチレン系熱可塑性エラストマーB:0.5mass%,アタクチックポリプロピレン:2.5mass%,E型粘度値(20℃,1.915sec- 1 ,5分)で26300mP・sである。
〔実施例7〕
精製鉱油:95.0mass%,シリカゲル:1.0mass%,スチレン系熱可塑性エラストマーA:1.0mass%,スチレン系熱可塑性エラストマーB:0.5mass%,アタクチックポリプロピレン:2.5mass%,E型粘度値(20℃,1.915sec- 1 ,5分)で23100mP・sである。
〔実施例8〕
ポリ−α−オレフィン:99.0mass%,アルミニウム石けん:1.0mass%,E型粘度値(20℃,1.915sec- 1 ,5分)で15800mP・sである。
〔実施例9〕
α−オレフィン−コオリゴマー:100.0mass%,E型粘度値(20℃,1.915sec- 1 ,5分)で9200mP・sである。
〔実施例10〕
ポリブデン:99.0mass%,アルミニウム石けん:1.0mass%,E型粘度値(20℃,1.915sec- 1 ,5分)で15100mP・sである。
〔実施例11〕
シリコーン油: 99.9mass%,シリカゲル:0.1mass%,E型粘度値(20℃,1.915sec- 1 ,5分)で9600mP・sである。
〔実施例12〕
ポリオキシアルキレングリコール:99.0mass%,シリカゲル:1.0mass%,E型粘度値(20℃,1.915sec- 1 ,5分)で21000mP・sである。
〔実施例13〕
エステル油:99.0mass%,アルミニウム石けん:1.0mass%,E型粘度値(20℃,1.915sec- 1 ,5分)で25300mP・sである。
【0031】
〔比較例1〕
精製鉱油:93.5mass%,アルミニウム石けん:2.5mass%,スチレン系熱可塑性エラストマーA:1.0mass%,スチレン系熱可塑性エラストマーB:0.5mass%,アタクチックポリプロピレン:2.5mass%,E型粘度値(20℃,1.915sec- 1 ,5分)で30600mP・sであり,増ちょう剤が合計で6.5mass%であって固体状である。
〔比較例2〕
精製鉱油:95.9mass%,アルミニウム石けん:0.1mass%,スチレン系熱可塑性エラストマーA:1.0mass%,スチレン系熱可塑性エラストマーB:0.5mass%,アタクチックポリプロピレン:2.5mass%,E型粘度値(20℃,1.915sec- 1 ,5分)で4700mP・sである。
【0032】
実施例1〜13,比較例1,2の評価試験結果から明らかなように,本願発明のボールペン用インキ逆流防止剤組成物は,優れた高温性能,追従性,耐衝撃性,及び耐混合性を兼ね備えていることが分かった。
実施例1〜5の評価試験結果を表2に示す。実施例1〜5の全ての組成物が追従性,耐衝撃性,及び耐混合性を兼ね備えたものであった。
実施例6〜10の評価試験結果を表4に示す。実施例6〜10の全ての組成物が追従性,耐衝撃性,及び耐混合性を兼ね備えたものであった。
実施例11〜13の評価試験結果を表6に示す。実施例11〜13の全ての組成物が追従性,耐衝撃性,及び耐混合性を兼ね備えたものであった。
上記のように,実施例1〜13について,各試験を行うため使用したボールペンにおけるインキ筒の内径は,1.6〜2.7mmであったが,良好な試験結果を得ることができたので,ボールペンは,インキ筒の内径が1.6〜2.7mmの範囲であれば,十分にボールペン用インキ逆流防止剤組成物の機能を果たことができることが確認できた。
比較例1,2の評価試験結果を表6に示す。比較例1は追従性が不合格になり,比較例2は耐衝撃性が不合格になった。
【産業上の利用可能性】
【0033】
この発明によるボールペン用インキ逆流防止組成物は,水性ボールペン及び油性ボールペンにおいて,インキ筒に充填されたインキの尾端に連続してインキ筒に充填されるインキ追従体に使用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
難揮発性液体及び少なくとも1種の増ちょう剤から成る組成物であって,前記難揮発性液体の引火点が250℃以上であって,前記組成物が1気圧において温度20℃で液状であることを特徴とするボールペン用インキ逆流防止剤組成物。
【請求項2】
前記難揮発性液体は,精製鉱油,ポリ−α−オレフィン,α−オレフィン−コオリゴマー,ポリブテン,シリコーン油,ポリオキシアルキレングリコール油,及びエステル油から選ばれる1種又は2種以上の混合体であることを特徴とする請求項1に記載のボールペン用インキ逆流防止剤組成物。
【請求項3】
前記増ちょう剤は,アルミニウム石けん,リチウム石けん,シリカゲル,スチレン系熱可塑性エラストマー,及びアタクチックポリプロピレンから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のボールペン用インキ逆流防止剤組成物。
【請求項4】
前記増ちょう剤の配合量は,前記難揮発性液体に対して0.1〜6.0mass%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のボールペン用インキ逆流防止剤組成物。
【請求項5】
温度20℃でせん断速度1.915sec- 1 における粘度が5000〜30000mPa・sであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のボールペン用インキ逆流防止剤組成物。
【請求項6】
前記組成物は,内径が1.6〜2.7mmのインキを充填するインキ筒の開口側から前記インキの尾端に密着して充填して適用されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のボールペン用インキ逆流防止剤組成物。

【公開番号】特開2010−52242(P2010−52242A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−218982(P2008−218982)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(390022275)株式会社日本礦油 (25)
【Fターム(参考)】