説明

ポイント管理システム

【課題】ボランティアポイント制度を活用し、より広く有効なボランティア活動の推進を図るボランティアポイント管理システムを提供する。
【解決手段】本発明に係るポイント管理システムにおいて、DBは、活動家の属性情報とともに活動家毎にポイント残高を管理するポイント管理テーブルと、ポイントと引換えに活動家に提供される優待サービス及び引換ポイント数を管理するサービス管理テーブルとを含み、ポイント管理装置は、ポイント残高及び引換ポイント数に基づき、引換え可能な優待サービスをクライアント端末に選択させる選択手段と、選択画面から選択された優待サービスの利用申請を、当該優待サービスの受付システムに申請する申請手段とを有し、優待サービスは、優待サービスの利用を申請した活動家が、他の申請者よりも優先してサービスを享受できる優先権利であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポイント管理システムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ボランティア活動に関し各地域においては様々な取り組みがなされている。例えば、公園や歩道の清掃、介護施設への手助け等々、地域住民が一丸となって地域のボランティア活動を行っている。
【0003】
地方自治体サイドでもこのような地域のボランティア活動を推進するため、新たな取り組みも始まっている。一事例として、東京都稲城市では高齢の方がボランティアとして介護支援を行った場合にポイントを付与し、これに対して交付金を交付する制度を試行的に開始したことはよく知られるところである。この制度では、活動実績に応じてポイントが蓄積され、ポイントを利用することで実質的に介護保険料の負担を軽減できるようにすることで、高齢者自らの地域のボランティア活動への参加を促している(例えば非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】http://www.city.inagi.tokyo.jp/kurashi/fukushi/kaigohoken/kaigosien/index.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記このような制度は、ボランティア活動の推進という観点から広く普及されることが望ましい。稲城市の例では全国に先立って試行的、試験的に開始されたものであるが、よりよい仕組みにするためには今後改善・検討すべきいくつかの事項も挙がってきている。
【0006】
(1)例えば、このようなボランティアポイント制度においては、ボランティア活動実績に応じてポイントを付与し、ポイントを介護保険料に充当できるようにしているため、介護保険料相当分の費用を地方自治体が負担する必要がある。この点上記稲城市の例でその充当分は介護保険特別会計の地域事業支援金により賄われている。しかし近年地方自治体においては財政面で必ずしも十分な余裕がない自治体も多いため、このような制度を導入するにあたっては、財政面で十分な原資を確保できるかどうかが大きな課題である。逆にいえば、地方自治体の負担が少ないほどこのようなボランティアポイント制度は広く普及しうる。
【0007】
(2)また例えば、地域の事情や特性によっては、所望されるボランティア活動の内容は異なる。よって、画一的にポイント付与の対象となるボランティア活動の内容を与えるのではなく、地域住民の意思を反映した形で、地域に必要とされるボランティア活動がより推進される仕組みが求められる。
【0008】
(3)また例えば、ボランティアポイント制度においては、持続的で円滑な運用が求められるので、地域住民にとっての使い勝手は担保されるべきである。高齢者でも容易に参加できるように、万人にユーザフレンドリーなシステムであるべきである。
【0009】
ここで本来、ボランティア活動は地域市民の善意の行動に基づくものであり、従来より無償で行われてきた。しかし高齢化社会を迎えるなか、このようなボランティアポイント制度を有効に活用し地域住民に対しより積極的にボランティア活動への参加を促すことは、お互いを助け合いひいてはより安心できる地域社会を実現させる一つの方法である。
【0010】
そこで本発明では上記の点に鑑みて、ボランティアポイント制度を活用し、より広く有効なボランティア活動の推進を図るボランティアポイント管理システムを提供することを目的とする。具体的に、広くボランティアポイント制度を普及すべく、ポイント利用に際しては、原資不要で実現しうるサービスを提供するボランティアポイント管理システムを本発明により提案する。また、ポイント付与及び利用に際しては、地域住民の意思を反映した形で、ポイント付与の対象となるボランティア活動の内容や、ポイント利用の対象となるサービスの内容を決定しうるボランティアポイント管理システムを本発明により提案する。また、コンピュータに馴染みのない高齢者でも容易に参加できるよう、システムの使い勝手を向上させたボランティアポイント管理システムを本発明により提案する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明に係るポイント管理システムは、活動家のボランティア活動実績に応じて自治体又は自治体に基づく公共機関により発行されるボランティアポイントを管理するポイント管理装置と、ポイント管理に係る各種管理テーブルを記憶するDBと、クライアント端末とを含み構成されるポイント管理システムであって、前記DBは、前記活動家の属性情報とともに活動家毎にボランティアポイント残高を管理するポイント管理テーブルと、ボランティアポイントと引換えに活動家に提供される優待サービス及び引換ポイント数を管理するサービス管理テーブルと、を含み、前記ポイント管理装置は、前記ボランティアポイント残高及び前記引換ポイント数に基づき、引換え可能な優待サービスを前記クライアント端末に選択させる選択手段と、前記選択画面から選択された優待サービスの利用申請を、当該優待サービスの受付システムに申請する申請手段と、を有し、前記優待サービスは、前記自治体又は公共機関より提供されているサービスの利用に際し、優待サービスの利用を申請した活動家が、他の申請者よりも優先してサービスを享受できる優先権利又は優待権利であることを特徴とする。
【0012】
また上記課題を解決するため、前記ポイント管理システムにおいて、前記ポイント管理装置は、ボランティアポイントと引換えに活動家に提供される優待サービスの是非、又は当該優待サービスと引換える引換ポイント数の決定を、前記クライアント端末に投票させる第1の投票手段を有し、前記サービス管理テーブルの優待サービス及び引換ポイント数は、前記第1の投票手段による投票の結果とともに管理され、前記選択手段は、前記ボランティアポイント残高及び前記投票に基づき決定された引換ポイント数に基づき、引換え可能であって前記投票により所定投票数以上の優待サービスを選択させる選択画面を表示する。
【0013】
また上記課題を解決するため、前記ポイント管理システムにおいて、前記DBは、前記ボランティアポイント付与の対象となるボランティア活動及びボランティア活動に付与される付与ポイント数を管理するボランティア活動管理テーブルと、を含み、前記ポイント管理装置は、前記ボランティアポイント付与の対象となるボランティア活動の是非、又は当該ボランティア活動に付与されるポイント数の決定を、前記クライアント端末に投票させる第2の投票手段を有し、前記ボランティア活動管理テーブルのボランティア活動及び付与ポイント数は、前記第2の投票手段による投票の結果に基づき登録される。
【0014】
また上記課題を解決するため、前記ポイント管理システムにおいて、前記ポイント管理テーブルは、活動家の所属する自治体を識別する自治体識別子を含み、活動家毎のボランティアポイント残高に対応付けられて管理され、活動家の所属する自治体の変更に伴って、前記自治体識別子は、変更後の活動家の所属する自治体の自治体識別子に変更される。
【0015】
また上記課題を解決するため、前記ポイント管理システムにおいて、前記ポイント管理装置は、前記ポイント管理テーブルに管理される活動家の属性情報を前記受付システムに照合させることにより、活動家により前記申請手段による優待サービスの利用申請から以外の利用申請がなされていると判定された場合、前記ポイント管理テーブルからの当該活動家のボランティアポイント残高と、前記サービス管理テーブルからの当該優待サービスの引換ポイント数に基づき、優待サービスとして適用可能である旨を前記クライアント端末に通知する通知手段を有する。
【0016】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ボランティアポイント制度を活用し、より広く有効なボランティア活動の推進を図るボランティアポイント管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態に係るシステム構成図である。
【図2】ポイント管理装置10の一実施形態の主要構成を示すハードウェア構成図である。
【図3】ポイント管理装置10の一実施形態の主要機能を示す機能ブロック図である。
【図4】ポイント管理DB21の一例を示す。
【図5】ボランティア活動管理DB22の一例を示す。
【図6】サービス管理DB23の一例を示す。
【図7】ポイント管理システムのトップ画面例を示す。
【図8】ポイント申請画面の一例を示す。
【図9】ポイント利用画面の一例を示す。
【図10】申込情報の一例を示す。
【図11】ポイント利用処理のフローチャートである。
【図12】投票画面の一例を示す。
【図13】投票処理のフローチャートである。
【図14】優待サービスのお知らせの一例を示す。
【図15】通知処理のフローチャートである。
【図16】ポイント申請用の書式文書の一例を示す。
【図17】ポイント利用用の書式文書の一例を示す。
【図18】お知らせの書式文書の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態を各実施形態において図面を用いて説明する。本明細書では、ボランティア活動に関与する者という意味で「活動家」との表現を全般に用いているが、直接的にボランティア活動を行う実動者のみに限られるものではなく、本発明に係るポイント管理システムを利用し、ボランティアポイント制度に参加する地域住民をも広く含む概念である。またこれをポイント管理システム側からみれば、システム・ユーザ(利用者)ともいえる。
【0020】
[システム構成]
(全体構成)
はじめに、具体的な発明の内容を説明する前に、本発明を実施するにあたっての全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係るシステム構成図である。図に示されるように、本実施形態に係るネットワーク100は、データセンター30内のポイント管理装置10及び各種DB(データベース)20、クライアント端末40、クライアント端末50、各種自治体サービス管理システム60を含み構成される。
【0021】
ポイント管理装置10は、各種DB20と連携してボランティアポイント制度を実現管理するサーバ装置であり、活動家の情報、ボランティアポイント(以下単にポイントという場合がある)の管理、ポイントの利用に際するサービスの管理等を行う。またWebサーバとしての機能を有しており、ネットワーク100を介して、クライアント端末40やクライアント端末50とのインターフェースとしての役割も担う。ここでこのポイント管理装置10を中心として、ポイント管理装置10と連携を行う各種DB20やその他サーバ装置を含め、ポイント管理システムと呼ぶことができる。
【0022】
データセンター30には、ポイント管理装置10及び各種DB20が設置される。ボランティアポイント制度はその性格上、各地方自治体により実施される(場合が多い)と想定されることから、実運用においてはポイント管理システムの設備はデータセンターに設置されるとよい。地方自治体は、自ら大容量回線を維持したり、自らネットワーク管理を担うよりも、環境の整っているデータセンターに設備を設置した方が、安価で高品質なサービスを維持できるからである。また例えば、全国複数の地方自治体が一のデータセンターを共有利用することで、コストの低減、サービスの向上(ポイントの互換等)などを期待できる。
【0023】
クライアント端末40は、ボランティアポイント制度に参加する活動家の使用する端末装置である。具体的には、一般家庭においてインターネット接続され、Webブラウザを備えるPC(Personal Computer)が想定される。活動家はクライアント端末40を使用して、ポイント管理装置10にWebアクセスし、ポイントの利用等に係る操作を行う。
【0024】
クライアント端末50は、ボランティアポイント制度の運営事務局の担当者(例えば自治体職員等)の使用する端末装置である。具体的に上記と同様、インターネット接続され、Webブラウザを備えるPC(Personal Computer)でよい。ここで活動家の中には例えば高齢者など、PC環境を有していない活動家やPC操作を行えない活動家も含まれる。このような活動家に対しては、書類文書ベースで運営事務局とのやり取りを行えるようにし、運営事務局の担当者はその活動家本人に代行してポイント管理装置10にWebアクセスし、ポイントの利用等に係る操作を行う。この点変形例にて後述する。
【0025】
各種自治体サービス管理システム60は、自治体が提供している既存サービスを管理しているシステムである。一例として、公営住宅入居者管理システムが挙げられる。自治体は地域住民に対して公営住宅を提供している場合、一般に公営住宅に関する管理を行うシステムを設けている。本実施形態では、ポイントを公営住宅入居優先枠に利用できるようになっており、この場合、公営住宅入居者管理システムに対して申込の申請がなされることになる(詳細後述)。
【0026】
(ハードウェア)
ここで、本実施形態に係るポイント管理装置10のハードウェア構成について簡単に説明しておく。図2は、ポイント管理装置10の一実施形態の主要構成を示すハードウェア構成図である。ポイント管理装置10は、主要な構成として、CPU101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、補助記憶装置104、記憶媒体読取装置105、入力装置106、表示装置107、及び通信装置108を含む構成である。
【0027】
CPU101は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路から構成され、装置全体を制御する回路である。また、ROM102は、CPU101で実行される所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を格納するメモリであり、RAM103は、CPU101がROM102に格納された所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を実行して各種の制御を行うときの作業エリア(ワーク領域)として使用するメモリである。
【0028】
補助記憶装置104は、汎用のOS(Operating System)、プログラムを含む各種情報を格納する装置であり、不揮発性の記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)などが用いられる。
【0029】
なお、上記各種情報は、補助記憶装置104以外にも、CD−ROM(Compact Disk - ROM)やDVD(Digital Versatile Disk)、USBメモリ等の携帯型メディアなどの各種記憶媒体やその他のメディアに記憶されてもよく、これらの記憶媒体に格納された各種情報は、記憶媒体読取装置105などのドライブ装置を介して読み取ることが可能である。
【0030】
入力装置106は、ユーザが各種入力操作を行うための装置である。入力装置106は、マウス、キーボード、表示装置107の表示画面上に重畳するように設けられたタッチパネルスイッチなどを含む。表示装置107は、各種データを表示画面に表示する装置である。例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)などから構成される。
【0031】
通信装置108は、ネットワークを介して他の機器との通信を行う装置である。有線ネットワークや無線ネットワークなど含む各種ネットワーク形態に応じた通信をサポートする。
【0032】
(機能)
次に、ポイント管理装置10の機能構成について簡単に説明する。図3は、ポイント管理装置10の一実施形態の主要機能を示す機能ブロック図である。ポイント管理装置10は、主要な機能として、更新部301、投票部302、選択部303、申請部304、及び通知部305を含む構成である。
【0033】
またポイント管理装置10は、ポイント管理DB21、ボランティア活動管理DB22サービス管理DB23等の各種DBを自装置又は自装置外に備える。ポイント管理DB21は、活動家の属性情報とともに活動家毎にボランティアポイント残高を管理するポイント管理テーブルを含む。またボランティア活動管理DB22は、ボランティアポイント付与の対象となるボランティア活動及びボランティア活動に付与される付与ポイント数を管理するボランティア活動管理テーブルを含む。またサービス管理DB23は、ボランティアポイントと引換えに活動家に提供される優待サービス及び引換ポイント数を管理するサービス管理テーブルを含む。これら各種DB及び各種テーブルに関しては具体例を示しながら再度後述する。なおここでいう優待サービスとは、ボランティアポイントと引換えに享受できるポイントサービスをいうが、本実施形態ではポイントサービスの種類やその性格に基づいて優待サービスと呼ぶこととする。この点も再度後述する。
【0034】
更新部301は、ポイント管理DB21、サービス管理DB23、ボランティア活動DB23等の各種DBの情報を更新する機能を有している。例えば、ポイント管理DB21に関しては、ポイントが付与されたり利用された場合、ポイント管理DB21のポイント管理テーブルにてポイントの増減更新を行う。またサービス管理DB23、ボランティア活動DBに関しては、サービスメニューやボランティア活動メニューが追加、削除された場合、メニューの増減更新を行う。
【0035】
投票部302は、ボランティアポイントと引換えに活動家に提供される優待サービスの是非、又は当該優待サービスと引換えられる引換ポイント数の決定を、活動家(クライアント端末)に投票させる機能を有している。またさらに、ボランティアポイント付与の対象となるボランティア活動の是非と、当該ボランティア活動に付与されるポイント数の決定とを、活動家(クライアント端末)に投票させる機能を有している。この点再度後述する。
【0036】
選択部303は、ボランティアポイント残高及び引換ポイント数に基づき、引換え可能な優待サービスをクライアント端末に選択させる機能を有している。具体的に、活動家がボランティアポイントを利用して優待サービスを受ける場合の、サービス選択画面(サービス申請画面)を生成し、活動家(クライアント端末)に対し表示させる。
【0037】
申請部304は、サービス選択画面から選択された優待サービスの利用申請を、当該サービスの受付システムに申請する機能を有している。これにより、優待サービスの申請がなされる。なおここでいう受付システムは、上述の各種自治体サービス管理システム60に対応する。
【0038】
通知部305は、ポイント管理テーブルに管理される活動家の属性情報を各種自治体サービス管理システム60に照合させることにより、活動家により優待サービスの利用申請から以外の利用申請がなされていると判定された場合、ポイント管理テーブルからの当該活動家のボランティアポイント残高と、サービス管理テーブルからの当該優待サービスの引換ポイント数に基づき、優待サービスとして適用可能である旨をクライアント端末40に通知する機能を有している。ここで各種自治体サービス管理システム60は、上述のように自治体が提供している既存サービスを管理しているシステムである。よって本ポイント管理装置10を経由しなくとも、一般通常ルートからそのサービスを住民が申し込むことも当然可能である。一方、本ポイント管理装置10を経由することでポイントと引換えに優待サービスを享受可能であることから、活動家が通常にあるサービスを各種自治体サービス管理システム60に利用申請している場合であって、本ポイント管理装置10により優待サービスを受けられる場合、その旨をその活動家にお知らせ(通知)する。これにより活動家に対しより有利に利用できる優待サービスをPUSH型で通知するとともに、ひいては積極的にボランティアポイント制度への積極的な参加を促すものである。
【0039】
以上説明したこれらの機能は、実際にはCPU101が実行するプログラムにより実現される。
【0040】
(DB構成)
次に、上述のポイント管理DB21、ボランティア活動管理DB22、サービス管理DB23等の各種DBに関し、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0041】
図4は、ポイント管理DB21の一例を示す。ポイント管理DB21は、図に示されるように、活動家の属性情報とともに活動家毎にボランティアポイント残高を管理するポイント管理テーブルが保持される。テーブルには、活動家(ユーザ)の属性情報及びポイント残高の情報が格納される。属性情報は、ユーザID、氏名、住所等々、一般にユーザ情報ともいうべき活動家に帰属する情報である。ポイント残高は、その活動家に現在付与されているボランティアポイントの残高である。よってポイント管理DB21には、1の活動家につき1のテーブルがエントリーされる。
【0042】
図5は、ボランティア活動管理DB22の一例を示す。ボランティア活動管理DB22は、図に示されるように、ボランティアポイント付与の対象となるボランティア活動内容及びそのボランティア活動に付与される付与ポイント数を管理するボランティア活動管理テーブルが保持される。例えば、ボランティア活動内容として「車椅子補助」、「公共施設清掃」、「福祉施設補助員」などが登録され、またそれら活動に対応する付与ポイント数及び付与単位が保持される。そして例えば「車椅子補助」の例では、「車椅子補助」というボランティア活動を活動家が行った場合、1回に付き20のボランティアポイントが付与されることを示す。
【0043】
またボランティア活動管理テーブルには、「有効投票総数」、「可決数」、「否決数」、「投票状況」なる情報も保持されている。本実施形態でボランティア活動内容は、ポイント管理装置10を通じて活動家の投票によりそのボランティア活動内容をボランティアポイント付与の対象の活動としてよいかどうかが決定されるので、例えば可決数が否決数を上回った場合、正式にそのボランティア活動内容はボランティアポイント付与の対象の活動として認定される。これらの点再度後述する。
【0044】
図6は、サービス管理DB23の一例を示す。サービス管理DB23は、図に示されるように、ボランティアポイントと引換えに活動家に提供される優待サービス及び引換ポイント数を管理するサービス管理テーブルが保持される。
【0045】
例えば、活動家に提供される利用メニュー内容として「公営住宅入居優先」、「介護施設入居優先」、「公共施設利用優先」、「公共施設キャンセル待ち優先」、「市民花火大会観覧席指定優先」等々が登録され、またそれらメニューに対応する利用ポイント数及び利用単位が保持される。そして例えば「公営住宅入居優先」の例では、「公営住宅入居優先」というポイントサービスを活動家が利用する場合、1回に付き500のボランティアポイントが必要とされることを示す。
【0046】
またサービス管理テーブルにも同様に、「有効投票総数」、「可決数」、「否決数」、「投票状況」なる情報も保持されている。本実施形態で利用メニュー内容は、ポイント管理装置10を通じて活動家の投票によりその利用メニュー内容をボランティアポイント利用の対象のポイントサービスとしてよいかどうかが決定されるので、例えば可決数が否決数を上回った場合、正式にその利用メニュー内容はボランティアポイント利用の対象のポイントサービスとして認定される。この点再度後述する。
【0047】
ここで、ボランティアポイントと引換えに活動家に提供される優待サービス(ポイントサービス)に言及しておく。図6の具体例でも示されるように、本実施形態のポイントサービス性格としては、自治体(又は公共機関)より提供されている各種サービスの利用に際し、そのサービスの利用を申請した活動家が、他の申請者よりも優先してそのサービスを享受できる優先権利又は優待権利といった性格を有する。仮に公営住宅入居費用をポイントで充当できるというようなポイントサービスであると、活動家から見れば直接的な費用はかからないことになるが、自治体から見れば公営住宅入居費用相当額の費用を実際には負担しなくてはならない。即ちこの場合、ポイントサービスを提供していくには一定の原資が必要となってくる。しかしながら、本来ボランティア活動は地域市民の善意の行動に基づくものであり従来より無償で行われてきたことを鑑みれば、ポイントに対して換金性を強めることは、本来のボランティア活動の主旨からすると必ずしも馴染むものではない。またボランティアポイント制度の持続的な運用にあたって自治体の負担もまた考慮する必要がある。そこで本実施形態においては、ボランティアポイントと引換えに活動家に提供されるポイントサービスは、原資負担の発生しない優先権利という性質を有するサービスを採用することとしたものである。
【0048】
[実施形態1]
次いで、活動家がポイント管理装置10を通じて、ボランティア活動を行うことによりそれまで貯めたボランティアポイントを利用し、ポイントサービスの申請する迄の流れを、操作画面の具体例及びフローチャートを用いながら、以下説明していく。
【0049】
図7は、ポイント管理システムのトップ画面例を示す。まず活動家はクライアント端末40を操作し、ポイント管理装置10にアクセスする。ユーザID及びパスワード等の入力及び認証を経ると、図7に示されるトップ画面がクライアント端末40上に表示される。
【0050】
トップ画面には、活動家(ここでは日本太郎)のポイント残高(ここでは1090pt)が表示されるとともに、「ポイント申請」、「ポイント利用」、「投票」、「ポイント申請・利用履歴」などの操作メニューが表示されている。「ポイント申請」は、ボランティア活動を行なった後、ポイントを申請する際に使用する操作メニューである。「ポイント利用」は、それまで貯めたポイントを利用する際に使用する操作メニューである。「投票」は、ボランティアポイント付与の対象となるボランティア活動の是非や、ボランティアポイントと引換えに活動家に提供される優待サービスの是非が、活動家らの投票によって決定できるメニューである。「ポイント申請・利用履歴」は、それまでポイント申請・利用した履歴等が確認できるメニューである。
【0051】
(ポイント申請)
図7のトップ画面において、活動家が「ポイント申請」を操作すると、ポイント申請の画面に遷移する。図8は、ポイント申請画面の一例を示す。活動家はポイント申請画面を操作して、ボランティア活動内容を選択し、活動日・時間を申請することにより、ポイントを得ることができる。申請後、申請を行った活動家のボランティア活動実績は何らかの方法により確認される必要がある。従って申請を受付けてから例えば運営事務局の担当者により活動実績が確認された後、ポイント管理DB21のポイント管理テーブルに付与分のポイントが加算される。
【0052】
なお、ポイント申請画面において、選択リストに表示されるボランティア活動内容は、ボランティア活動管理DB22のボランティア活動管理テーブルにおいて(図5)、「ボランティア活動内容」項目及び「付与ポイント数」項目の値が参照されて表示されるが、さらに表示されるものは「可決数」が所定数以上の条件を満たす「ボランティア活動内容」に限られる。例えば、可決数が否決数を上回っている「ボランティア活動内容」、またさらに可決数が有効投票総数の過半数に達している「ボランティア活動内容」といった具合である。詳細は後述するが、本実施形態でボランティア活動内容は、活動家の投票によりそのボランティア活動内容をボランティアポイント付与の対象の活動としてよいかどうかが決定されるからである。ここでは、可決数が否決数を上回っている「ボランティア活動内容」をポイント付与の対象の活動と決定することにしているので、この条件を満たすボランティア活動内容が図8の選択リスト内に表示される。
【0053】
(ポイント利用)
図7のトップ画面において、活動家が「ポイント利用」を操作すると、ポイント利用の画面に遷移する。図9は、ポイント利用画面の一例を示す。活動家はポイント利用画面を操作して、利用メニュー内容を選択し、サービス利用の申請をすることにより、各種優待サービスを利用することができる。
【0054】
また申請後には、申請を行ったサービスを受付ける各種自治体サービス管理システム60に対してポイント管理装置10から申込情報の申請がなされる。また申込情報の申請が受付けてから任意のタイミングで、ポイント管理DB21のポイント管理テーブルに利用分のポイントが減算される。
【0055】
例えば申込情報に関し、活動家が500ptを使用して「公営住宅入居優先」のサービスを利用した場合、別途自治体が既存に設けている公営住宅入居者管理システムなどに、当該申込情報が伝達される必要がある。よって、ポイント管理装置10は、サービス利用の申請がなされると、申込情報を生成し、利用サービスに応じた各種自治体サービス管理システム60に当該申込情報が伝達する。この例では、ポイント管理装置10は、「公営住宅入居優先」サービス利用の申請がなされると、申込情報を生成し、公営住宅入居者管理システムに当該申込情報が伝達する。公営住宅入居者管理システムで申込情報が受付けられると、当該システム上、その活動家に対して公営住宅入居優先の処理が進行し、これにより活動家は500ptに代えて「公営住宅入居優先」の優待サービスを享受することができる。
【0056】
ここで申込情報の一例を示しておく(図10)。ポイント管理装置10は、サービス利用の申請がなされると、図に示されるような申込情報を生成し、利用サービスに応じた各種自治体サービス管理システム60に当該申込情報を伝達する。伝達後、ポイント管理装置10はこの申込情報を別途保存しておくこととする。
【0057】
なお、上記ポイント利用画面において、選択リストに表示される利用メニュー内容は、サービス管理DB23のサービス管理テーブル(図6)における「利用メニュー内容」項目及び「利用ポイント数」項目の値が参照されて表示されるが、表示されるものはさらに「可決数」が所定数以上の条件を満たす「利用メニュー内容」に限られる。例えば、可決数が否決数を上回っている「利用メニュー内容」、またさらに可決数が有効投票総数の過半数に達している「利用メニュー内容」といった具合である。本実施形態で利用メニュー内容は、活動家の投票によりその利用メニュー内容をボランティアポイント利用の対象のサービスとしてよいかどうかが決定されるからである。ここでは、可決数が否決数を上回っている「利用メニュー内容」をポイント利用の対象のサービスと決定することにしているので、この条件を満たす利用メニュー内容が図9の選択リスト内に表示される。
【0058】
(情報処理)
次にポイント管理装置10による上記ポイント利用に関する情報処理について説明する。図11は、ポイント利用処理のフローチャートである。
【0059】
まず活動家はクライアント端末40を操作し、ポイント管理装置10にアクセスする。具体的にはWebブラウザからポイント管理装置10の所定URLを入力すると、ログイン画面が表示されるので(非図示)、活動家が所定のユーザID及びパスワードを入力することによりユーザ認証がなされる(S1101)。そして認証が成功すると(S1102)、次へ進む。
【0060】
認証が成功すると、ポイント管理装置10はトップ画面(例えば図7)を生成し、クライアント端末40に表示する(S1102)。このときポイント管理装置10は、ポイント管理DB21のポイント管理テーブルから、活動家の属性情報やポイント残高の情報を取得し、これをトップ画面に反映させる。
【0061】
トップ画面において、活動家が「ポイント利用」を操作すると、ポイント管理装置10はポイント利用画面を生成しクライアント端末40に表示する(図9)。このときポイント管理装置10は、サービス管理DB23のサービス管理テーブルから、利用メニュー、利用ポイント、上限件数、利用済件数、可決数、否決数、投票状況などの情報を取得し、これら情報に基づいてポイント利用画面の生成を行う。ポイント利用画面において、選択リストに表示される利用メニュー内容は、上述したように所定の条件を満たす「利用メニュー内容」である。具体的に選択部303は、例えば以下の条件を満たす利用メニュー内容を選択リスト内に表示する。つまりその活動家にとって、利用可能な利用メニューを抽出して表示する。
ポイント残高≧利用ポイント数
上限件数>利用済件数
可決数>否決数(またさらに、可決数>有効投票総数/2)
「投票状況」=「終了」
【0062】
なおここで、所定の条件を満たす「利用メニュー内容」を抽出して表示するのは、活動家が利用不可能な利用メニューの表示をしないようにして、不必要に多数の利用メニューが表示されるのを防止するためである。しかしいうまでもなく、所定の条件を満たす「利用メニュー内容」に必ずしも限定する必要はなく、全ての「利用メニュー内容」を表示させてもよい。この場合、その時点では利用不可能な利用メニューかもしれないが、どんなメニューが利用メニューとして存在するのか、あと何ポイントでそのメニューが利用できるのか等、把握できるようになるので、活動家に対しボランティアポイント制度活用をより一層促すことができる、という点で効果がある。この場合は、所定条件で所望の「利用メニュー内容」を検索できるよう、さらに検索機能を設けるとよい。
【0063】
次に、活動家が選択リスト内から利用を所望する優先サービスを選択する(S1105)。即ち、「利用メニュー内容」から1の優先サービスが選択・決定される。
【0064】
更新部301は、所定の更新処理を行う(S1106)。具体的に、ポイント管理DB21のポイント管理テーブル上ポイント残高から、選択されたサービスに必要な利用ポイント数分を減算する。またサービス管理DBのサービス管理テーブルの前記選択されたサービスに対応する利用済件数に1加算する。
【0065】
そして申請部304は、上述したように申込情報(図10)を生成し、利用サービスに応じた各種自治体サービス管理システム60に当該申込情報を伝達する(S1107)。各種自治体サービス管理システム60で申込情報が受付けられると、当該システム上にて申込の処理が進行し、活動家は所望の優先サービスを享受できる。
【0066】
最後に、上記処理が完了すると、活動家のクライアント端末40に対し、受付お知らせ画面等を生成し表示させる(S1108)。例えば、「500ptと引換えに、公営住宅入居の優先枠への登録を行いました。この結果は、公営住宅管理課より後日通知されます。」などの表示を行う。
【0067】
以上本実施形態においては、活動家はボランティア管理装置10を通じてボランティアポイントの申請から利用までの操作を容易に行うことが可能となる。またポイント利用に際し、ポイントと引換えに交換できるサービスは原資負担の発生しない優待サービスであるので、本来のボランティア活動の主旨を損なわず、またボランティアポイント制度の持続的な運用にあたって自治体の負担も軽減され、ひいてはボランティア活動の促進及び普及を効果的に促すことができる。
【0068】
[実施形態2]
上述したように、本実施形態に係るポイント管理装置10においては、ボランティアポイント付与の対象となるボランティア活動や、ボランティアポイントと引換えに活動家に提供される優待サービスは、活動家の投票によって決定される。即ち上記実施形態1で、ポイント申請画面中のボランティア活動内容(図8)や、ポイント利用画面の利用メニュー内容(図9)は、活動家の投票によって決定されているものであり、投票によって決定されてはじめて、ポイント申請画面やポイント利用画面に反映されるようになっている。このようにすることで市民の声を的確に反映させ、ボランティアポイント制度をより公平で各地域に即した実効性のあるものにすることができ、直接的にはボランティア活動を行わない市民もボランティア活動に関与できる。なおここでいう活動家とは、実際にはボランティア活動自体は行っていなくとも、本発明に係るポイント管理システムを利用して投票のみを行う地域市民、システム・ユーザ(利用者)をも含む。以下活動家の投票に関し説明していく。
【0069】
(投票)
トップ画面(図7)において、活動家が「投票」を操作すると、投票画面に遷移する。図12は、投票画面の一例を示す。投票画面には、現在投票の対象として取り上げられている「ボランティア活動内容」及び「利用メニュー内容」の候補が表示される。候補までのエントリーの方法は多々考えられるが、例えば運営事務局が日々活動家や市民の声に基づいて候補となりうる「ボランティア活動内容」及び「利用メニュー内容」を選出することができる。しかし最終的に採用されるかどうかは活動家の投票結果による。
【0070】
図12の投票画面例では、ボランティアポイント付与の対象となるボランティア活動内容には、「市民マラソン大会誘導員」、「駅前清掃」が候補として挙げられており、ボランティアポイントと引換えに活動家に提供される優待サービスには、「市役所手続き待ち優先」、「貸出書籍キャンセル待ち優先」が候補として挙げられている。活動家はクライアント端末40を操作して、「可決」、「否決」(さらに「棄権」を設けてもよい)を選択して、「投票する」ボタンを押下すると、投票数が集計される。また最終的に、投票カウントはボランティア活動管理DB22のボランティア活動管理テーブルやサービス管理DB23のサービス管理テーブルの「有効投票総数」、「可決数」、「否決数」の情報に反映される。
【0071】
そして投票結果としての「有効投票総数」、「可決数」、「否決数」の情報は、上述したようにポイント申請画面の選択リスト(図8)、及びポイント利用画面の選択リスト(図9)に反映されるか否かに影響する。即ちこれにより市民の声を的確に反映させ、ボランティアポイント制度をより公平で各地域に即した実効性のあるものにすることができる。
【0072】
なお図12の投票画面例では、ポイント数に関しては活動家の声・意見を反映できない。よって例えば、「付与ポイント数」又は「利用ポイント数」の項目値は活動家が任意入力できるようにすることができる。具体的に、「付与ポイント数」又は「利用ポイント数」の項目値には、5、10、20pt・・と入力できるようにし、集計結果において入力された値から導かれる所定演算値(平均値等)を最終的な「付与ポイント数」又は「利用ポイント数」に採用する。このようにすることで、ポイント数値に関しても活動家の声・意見を反映できる。なおそもそもポイントの対象とすべきでないと思う場合(否決意思)、活動家は0ptと入力すればよい。
【0073】
(情報処理)
次にポイント管理装置10による上記投票に関する情報処理について説明する。図13は、投票処理のフローチャートである。
【0074】
S1101〜1103まで、つまりログインからトップ画面の生成表示までのフローは、図11で説明した通りであるので説明を省略する。
【0075】
トップ画面(図7)において、活動家が「投票」を操作すると、ポイント管理装置10は投票画面(図12)を生成しクライアント端末40に表示する(S1304)。このときポイント管理装置10は、ボランティア活動管理DB22のボランティア活動管理テーブルから「ボランティア活動」(「投票状況」が「投票中」)の項目値の情報を取得し、またサービス管理DB23のサービス管理テーブルから「利用メニュー内容」(「投票状況」が「投票中」)の項目値の情報を取得し、これら情報に基づいて投票画面の生成を行う。
【0076】
この結果、投票画面には、現在投票の対象として取り上げられている「利用メニュー内容」及び「利用メニュー内容」の候補が表示される。なおここで、ボランティア活動管理テーブルやサービス管理テーブルには、予め例えば運営事務局が日々活動家や市民の声に基づいて候補となりうる「ボランティア活動内容」及び「利用メニュー内容」を選出し登録しているものとする。
【0077】
活動家はクライアント端末40を操作して、「可決」又は「否決」を選択して、「投票する」ボタンを押下すると(S1305)、投票数の集計処理がなされる(S1306)。具体的に、「ボランティア活動内容」に対する投票がなされると、ボランティア活動管理DB22のボランティア活動管理テーブルにおいて、「可決」又は「否決」項目に集計結果に応じていずれかに1加算する。同様に、「利用メニュー内容」に対する投票がなされると、サービス管理DB23のサービス管理テーブルにおいて、「可決」又は「否決」項目に集計結果に応じていずれかに1加算される。
【0078】
最後に、上記処理が完了すると、活動家のクライアント端末40に対し、投票受付お知らせ画面等を生成し表示させる(S1107)。上記処理は、投票期間中、全活動家からの投票を受付け集計し、開票日において投票結果を確定させる。即ち投票対象であった「ボランティア活動内容」及び「利用メニュー内容」においてテーブル上、「投票状況」を「終了」と変更し、投票の受付を終了させる。
【0079】
以上本実施形態においては、ポイント付与及び利用に際して、ポイント付与の対象となるボランティア活動の内容や、ポイント利用の対象となるサービスの内容を投票により決定しうるので、地域の事情や特性によっては、所望されるボランティア活動やサービスの内容は異なるところ、地域住民の意思を反映した形で、地域に必要とされるボランティア活動がより推進される。
【0080】
[実施形態3]
次に、活動家に対して例えば定期的に現在利用可能な優待サービスをお知らせ(通知)することにより、活動家に対しボランティアポイント制度への参加をより一層促すことができる。上述のように各種自治体サービス管理システム60は、自治体が提供している既存サービスを管理しているシステムであるので、本ポイント管理装置10を経由しなくとも、一般通常ルートからそのサービスを住民が申し込むことも当然可能である。一方、本ポイント管理装置10を経由することでポイントと引換えに優待サービスを享受可能であることから、活動家が通常にあるサービスを各種自治体サービス管理システム60に利用申請している場合であって、本ポイント管理装置10により優待サービスを受けられる場合、その旨をその活動家にお知らせ(通知)する。これにより活動家に対しより有利に利用できる優待サービスをPUSH型で通知するとともに、ひいては積極的にボランティアポイント制度への積極的な参加を促すものである。
【0081】
図14は、優待サービスのお知らせの一例を示す。この例で活動家は公営住宅の入居申請を行っていたところ、ポイント(500pt)と引換えに公営住宅入居優先を適用できる旨を通知している。そしてこの活動家が公営住宅入居優先を適用することにより、公営住宅入居の可能性を高めることができる。
【0082】
(情報処理)
次にポイント管理装置10による上記通知に関する情報処理について説明する。図15は、通知処理のフローチャートである。
【0083】
まずポイント管理装置10は、ポイント管理テーブルに管理される活動家の属性情報(氏名等)を取得する(S1501)。そして属性情報を用いて、各種自治体サービス管理システム60に対し、該当する活動家(申込者)が申請中のサービスが存在するか否かを照合する(S1502)。
【0084】
該当者があれば(S1503)、その活動家の過去の申込情報(申込中であるもの)と照合する(S1504)。この申込情報とは、過去にポイントを利用して優待サービスの申込を行った申込情報であり、これを申込履歴として使用できる。よって、各種自治体サービス管理システム60で申請中のサービスと、申込情報による申請中のサービスとを同一サービスであるか否か照合する
同一サービスである場合(S1505)、続けてそのサービスの情報(利用ポイント数)をサービス管理テーブルから取得する(S1506)。ポイント残高≧利用ポイント数の条件を満たすか否かの判定を行い(S1507)、この条件を満たす場合は、即ち活動家が通常ルートでサービスを各種自治体サービス管理システム60に利用申請している場合であって、ポイント管理装置10により優待サービスを受けられるにも関わらず、優待サービスの利用申請を行っていない場合に該当する。
【0085】
よってその旨のお知らせ情報が生成されてから(S1508)、通知部305により通知される(S1509)。このお知らせ情報は、例えば図14の例に示される通りである。お知らせ情報の通知方法は電子メール等が考えられるが、トップ画面(図7)に「お知らせ」なるメニューを表示させ、お知らせ画面にて同様のお知らせ情報を表示することも可能である。
【0086】
以上本実施形態においては、活動家が通常にあるサービスを各種自治体サービス管理システム60に利用申請している場合であって、本ポイント管理装置10により優待サービスを受けられる場合、その旨をその活動家にお知らせ(通知)するので、活動家に対しより有利に利用できる優待サービスをPUSH型で通知するとともに、ひいては積極的にボランティアポイント制度への積極的な参加を促すことができる。
【0087】
[変形例1]
これまでの実施形態1〜3においては、活動家がクライアント端末40を操作して、ポイント管理装置10にアクセスすることにより、ポイント申請、ポイント利用、投票の各オペレーションを行ってきた。しかしながら、上述したように活動家の中には例えば高齢者など、PC環境を有していない活動家やPC操作を行えない活動家も含まれる。このような活動家に対しては、図1に示されるように書類文書ベースで運営事務局とのやり取りを行えるようにし、運営事務局の担当者はその活動家本人に代行してポイント管理装置10にWebアクセスし、ポイントの利用等に係る操作を行う。以下簡単に説明する。
【0088】
図16は、ポイント申請用の書式文書の一例を示す。活動家がポイント申請用の書式文書に記入し、運営事務局の担当者に送付すると、上述の実施形態1にて説明したように、運営事務局の担当者はその活動家本人に代行して、ポイント管理装置10にWebアクセスしポイントの申請等に係る操作を行う。
【0089】
図17は、ポイント利用用の書式文書の一例を示す。活動家がポイント利用用の書式文書に記入し、運営事務局の担当者に送付すると、上述の実施形態2にて説明したように、運営事務局の担当者はその活動家本人に代行して、ポイント管理装置10にWebアクセスしポイントの利用等に係る操作を行う。
【0090】
図18は、お知らせの書式文書の一例を示す。上述の実施形態3にて説明したように、活動家が通常にあるサービスを各種自治体サービス管理システム60に利用申請している場合であって、本ポイント管理装置10により優待サービスを受けられる場合、その旨を文書でもってその活動家にお知らせ(通知)する。
【0091】
[変形例2]
これまでの実施形態1〜3においては、ポイント管理装置10及び各種DB20はデータセンター30に設置された(図1)。ボランティアポイント制度はその性格上、各地方自治体により実施される(場合が多い)と想定されることから、実運用においてはポイント管理システムの設備はデータセンターに設置されると都合がよいからである。
【0092】
ここで、ボランティアポイント制度は、各地方自治体毎に実施・運営されると想定されるが、ある自治体住民である活動家が別の自治体に移転した場合、それまで蓄積しているボランティアポイントを移転先の自治体においても引き続き利用できるとボランティア活動促進の観点から好ましい。またある活動家が2つの自治体の境界地区に住居している場合、その活動家にとって実際の生活エリアは両自治体をまたぐ場合も想定される。この場合も同様に、それまで蓄積しているボランティアポイントを両自治体において利用できると便利である。
【0093】
従って、物理的に複数の自治体が同一のデータセンター30にポイント管理装置10及び各種DB20を設置するようにするとよい。また複数の自治体においてボランティアポイントの互換性を担保するため、各自治体はポイント管理DB21のポイント管理テーブルにおいて、活動家の所属する自治体を識別する自治体識別子を含ませておく。具体的には、ポイント管理テーブルに新たに自治体識別子の項目を設けてもよいし、「アルファベット+固有番号」というように「ユーザID」の規則性を持たせておきこれを自治体識別子に代えてもよい(図4)。この場合「A」は○○市を示す。
【0094】
そして活動家の所属する自治体の変更に伴って、移転先の自治体にその活動家のポイント管理テーブルの情報が移転通知されるとともに、自治体識別子は変更後の活動家の所属する自治体の自治体識別子に変更される。また複数の自治体のポイント管理DB21を統合した場合でも自治体識別子により活動家の所属する自治体を捕捉できる。
【0095】
このようにポイント管理DB21のポイント管理テーブルにおいて、活動家の所属する自治体を識別する自治体識別子を含ませておくことにより、複数の自治体においてボランティアポイントの互換性を担保でき、ひいてはボランティア活動促進に寄与することができる。
【0096】
[総括]
以上本発明によれば、ボランティアポイント制度を活用し、より広く有効なボランティア活動の推進を図るボランティアポイント管理システムを提供することが可能となる。即ち、本発明に係るポイント管理システムよれば、広くボランティアポイント制度を普及すべく、ポイント利用に際しては、原資不要で実現しうる優待サービスを提供できる。またポイント付与及び利用に際しては、地域住民の意思を反映した形で、ポイント付与の対象となるボランティア活動の内容や、ポイント利用の対象となるサービスの内容を決定できる。またコンピュータに馴染みのない高齢者でも容易に参加できるよう、システムの使い勝手を向上させることができる。
【0097】
なお、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0098】
10 ポイント管理装置
20 各種DB
21 ポイント管理DB
22 ボランティア活動管理DB
23 サービス管理DB
30 データセンター
40 クライアント端末
50 クライアント端末
60 各種自治体サービス管理システム
100 ネットワーク
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 補助記憶装置
105 記憶媒体読取装置
106 入力装置
107 表示装置
108 通信装置
301 更新部
302 投票部
303 選択部
304 申請部
305 通知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活動家のボランティア活動実績に応じて自治体又は自治体に基づく公共機関により発行されるボランティアポイントを管理するポイント管理装置と、ポイント管理に係る各種管理テーブルを記憶するDBと、クライアント端末とを含み構成されるポイント管理システムであって、
前記DBは、
前記活動家の属性情報とともに活動家毎にボランティアポイント残高を管理するポイント管理テーブルと、
ボランティアポイントと引換えに活動家に提供される優待サービス及び引換ポイント数を管理するサービス管理テーブルと、
を含み、
前記ポイント管理装置は、
前記ボランティアポイント残高及び前記引換ポイント数に基づき、引換え可能な優待サービスを前記クライアント端末に選択させる選択手段と、
前記選択画面から選択された優待サービスの利用申請を、当該優待サービスの受付システムに申請する申請手段と、
を有し、
前記優待サービスは、前記自治体又は公共機関より提供されているサービスの利用に際し、優待サービスの利用を申請した活動家が、他の申請者よりも優先してサービスを享受できる優先権利又は優待権利であること、
を特徴とするポイント管理システム。
【請求項2】
前記ポイント管理装置は、
ボランティアポイントと引換えに活動家に提供される優待サービスの是非、又は当該優待サービスと引換える引換ポイント数の決定を、前記クライアント端末に投票させる第1の投票手段を有し、
前記サービス管理テーブルの優待サービス及び引換ポイント数は、前記第1の投票手段による投票の結果とともに管理され、
前記選択手段は、前記ボランティアポイント残高及び前記投票に基づき決定された引換ポイント数に基づき、引換え可能であって前記投票により所定投票数以上の優待サービスを選択させる選択画面を表示すること、
を特徴とする請求項1記載のポイント管理システム。
【請求項3】
前記DBは、
前記ボランティアポイント付与の対象となるボランティア活動及びボランティア活動に付与される付与ポイント数を管理するボランティア活動管理テーブルと、
を含み、
前記ポイント管理装置は、
前記ボランティアポイント付与の対象となるボランティア活動の是非、又は当該ボランティア活動に付与されるポイント数の決定を、前記クライアント端末に投票させる第2の投票手段を有し、
前記ボランティア活動管理テーブルのボランティア活動及び付与ポイント数は、前記第2の投票手段による投票の結果に基づき登録されること、
を特徴とする請求項1又は2記載のポイント管理システム。
【請求項4】
前記ポイント管理テーブルは、活動家の所属する自治体を識別する自治体識別子を含み、活動家毎のボランティアポイント残高に対応付けられて管理され、
活動家の所属する自治体の変更に伴って、前記自治体識別子は、変更後の活動家の所属する自治体の自治体識別子に変更されること、
を特徴とする請求項1ないし3何れか一項記載のポイント管理システム。
【請求項5】
前記ポイント管理装置は、
前記ポイント管理テーブルに管理される活動家の属性情報を前記受付システムに照合させることにより、活動家により前記申請手段による優待サービスの利用申請から以外の利用申請がなされていると判定された場合、
前記ポイント管理テーブルからの当該活動家のボランティアポイント残高と、前記サービス管理テーブルからの当該優待サービスの引換ポイント数に基づき、優待サービスとして適用可能である旨を前記クライアント端末に通知する通知手段を有することを特徴とする請求項1ないし4何れか一項記載のポイント管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−175595(P2011−175595A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40911(P2010−40911)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(591106864)富士通エフ・アイ・ピー株式会社 (95)