説明

ポケットバイアルパッケージ及び吐出装置

本発明は、液体製品を包含し吐出するためのポケットバイアル型の装置に関する。装置は、剛性バイアル(9)内に配置されたフレキシブルなポケットであって、ポケットに収容された製品を放出するためのポンプ又はバルブが設けられたポケットを有する。ポケットは、少なくとも1つの筒状に巻かれたシート(1)から構成された筒状壁を含み、筒状壁の横側部の一方が、ポケットの底を構成する固体エンド部材(8)に対してシールされた態様で取り付けられ、その他方が、バイアルへの取付リングを構成する環状エンド部材(7)に対してシールされた態様で取り付けられる。シート(1)の2つの縦側部(3、5)は、シールされた態様で一方が他方に対して取付けられ、内側の縦側部の端部は、フレキシブルな被覆帯体(6)によってマスクされている。本発明は、ポケット内に封入される製品の汚染リスクを低減するために用いられ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体製品を包含し吐出するための装置に関し、より端的には、液性又はペースト状の液体製品を包含し吐出するためのポケットバイアル型の装置に用いられるフレキシブルなポケットに関し、より具体的には、剛性容器内に配置され、ポンプ又はバルブが配置されたフレキシブルなポケットを備えることにより、フレキシブルなポケット内の液体製品が空気から十分に隔離され、ポンプ又はバルブの作動によりポケットから吐出可能となる。
【背景技術】
【0002】
液体を包含し吐出するためのポケットバイアル型の装置が広く知られている。これらの装置は、通常、剛性のシェルを有する容器を有し、この中には、収縮可能なフレキシブルポケットが配置され、これは、ポケット内の製品の排出に応じて次第に収縮する。「エアレス」ポンプという手段により、又は、バイアル内においてポケットの壁に対して作用する噴射ガスの圧力の下でポケットから製品が吐出される。エアレスポンプによりポケットから製品を吐出する場合、通気孔が、通常、バイアルの底又は首部に設けられ、これにより、ポンプの各作動に応じて、外気がバイアルとポケット間の空間に進入し、ポケットの壁に十分な圧力がかかった状態が維持されてポケットが収縮する。
【0003】
この技術に関する例示的な実施形態が、特許FR2.723.356に記述されており、この文献は、ポリエチレン、又はポリプロピレンといったフレキシブルなプラスチックから成り、剛性容器内に配置されたポケットを有し、その首部には、空気導入口が設けられている。
ポケットバイアルに関する別の実施形態が、特許FR2.827.844に開示されており、同文献は、シールされた剛性バイアル内に配置され、ポンプ又はバルブが配置されたフレキシブルポケットを有する装置に関し、ここで、そのポケットは、一方がポケットの底を構成し、他方がバイアル、及びポンプ又はバルブに対して取付けられるリングを構成する2つのエンド部材の各側面上において巻かれた金属又はプラスチックシートから成る筒状壁を備える。
【0004】
出願WO97.20757は、エアロゾル用に設計されたプラスチック管ポケットの製造方法を開示し、その開口がリングに対してシールされ、他方の端部が、ポケットの底を形成するように折り曲げられてシールされている。
【0005】
ポケット内に包含された製品は、空気中酸素との反応による酸化に対して敏感であることが多く、シール不足によりポケット内へ空気が進入すると劣化してしまう。シール欠陥は、ポケットとポンプの結合部分において生じることが最も多い。これらは、ポケットの製造に用いられる材料の多孔性に起因することもある。加えて、既存の製品のポケットの壁が収縮時に曲がると、これらの曲げにより空気の流入を伴う亀裂が生じるリスクが生じ、その流入した空気がポケットの内部に到達すると、最終的には、ポケット内に包含された製品の完全性の確保が至らなくなってしまう。最後に、ポケットの壁がその収縮時に曲げを形成し、これにより、製品の保持容量が生じ、よって、残りの製品の吐出効率が制限される。
【0006】
ポケットに亀裂が生じるリスクを制限するための技術が、特許FR2.770.834に開示されており、この文献は、プラスチック又はアルミニウムシートといったフレキシブルな材料から成るポケットに、ポケットの過大収縮を抑制するフリーフロートを含め、これにより、亀裂リスクを制限することを提案する。しかしながら、この技術の欠点は、相当な保持容量を形成することである。
【0007】
ポケットバイアルは、プラスチック材料の射出又は注入により慣例的に製造されている。バイアルは、アルミニウムといった金属から壁が成る場合は型打ち、又はプラスチックから壁が成る場合は射出又は射出吹込成形により製造されるが、フレキシブルなポケットは、通常、適当な型におけるポリエチレン又はポリプロピレンの射出吹込成形、又は噴出吹込成形により製造される。
【0008】
ポケットは、上述の特許FR2.827.844に開示されているように、各壁において十分なシール特性を有するアルミニウムシート又はプラスチック/アルミニウム類の多層材からも構成されることがある。この種のポケットは、シートが積層され、その側部がシールされ、首部又は剛性リングに対して適合されて構成される。そのようなポケットの製造は、相対的に単純であるが、円筒を形成するための2つの対向するシートの側部の結合領域が余分な厚みを有するという欠点を持つ。加えて、この余分な厚みにより、シートを構成する層の厚みが顕在化し、層に含まれる化合物が微量にポケット内に入れられた製品に入り込むリスクが、この非保護領域において僅かであることはなく、金属層を含む複層フィルムの場合には尚更である。
特許US5.248.063は、多層シートから形成され、ラミネートされたポケットを開示し、その多層シートの端部がプラスチックフィルムにより覆われ、シートの層剥離が抑制されている。筒状に巻かれたシートの隣接する側部に対してテープを当てる技術が、特許US3.066.063及びDE1729018に開示されている。
【0009】
単一シートの2つの側部を一つにシールするための様々な技術が、特許FR2.511.974及びCA1.003.350のように知られているが、例えばアルミニウム製の金属シートの端部のシールの良好なシール性を達成し維持することは、使用中に変形及びストレスを受けるため、往々にして困難である。シールが強化され、シールが曲げを形成してシール性を確保する場合、この結果は、ポケットの正しい収縮、及びポケットが包含する製品の供給を劣化させるリブとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】FR2.723.356号明細書
【特許文献2】FR2.827.844号明細書
【特許文献3】WO97.20757号明細書
【特許文献4】FR2.770.834号明細書
【特許文献5】US5.248.063号明細書
【特許文献6】US3.066.063号明細書
【特許文献7】DE1729018号明細書
【特許文献8】FR2.511.974号明細書
【特許文献9】CA1.003.350号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、ポケットの壁の構成材とポケットに含まれる製品との間での汚染リスクをできる限り減じることにより、良好な安全性を具備するポケットバイアル型の装置が望まれている。
【0012】
良好な機械的強度を提供しつつ、簡単にリサイクル可能であり、シール性を失うことなく、かつポケットとバイアル間の無駄な空間を過剰に伴うことなく、バイアル容量に対して、及びポケットに封入されるべき製品の量に対して簡易に適合可能であるポケットを具備し、簡単にかつ安く製造することができるポケットバイアル型の装置も望まれている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、既知の方法により筒状ポケットを形成するように巻かれたシートの斜視図である。
【図2】図2は、本発明の技術に係る筒の内面上に被覆帯体を具備するシートの斜視図である。
【図3】図3は、本発明の変形例に係る斜視図であり、シートの両方の内面上に被覆帯体が配置されている。
【図4】図4は、両方のエンド部材と共に図2の筒を有する完成されたポケットがバイアル内に収容されたポケットバイアルの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の正確な主題は、ポケット内に収容された製品の汚染リスクに対して良好なセキュリティー性を有する液体製品を包含し吐出するためのポケットバイアル型の装置である。
【0015】
本発明の更なる主題は、ポケットバイアルの製造方法であり、この方法は、簡易に再利用可能であり、かつ想定される用途に応じて単一又は複合の材料を用い、また、優れた機械的強度、端的には優れた耐衝撃性を有するバイアル及びポケットに用いられる材料を最小限の量だけ用いる。
【0016】
本発明に係る液体製品を包含し吐出するための装置は、シールされた剛性バイアル内に配置されたフレキシブルポケットを具備するタイプであり、ポンプ又はバルブが配置され、そのポケットが、少なくとも1つの筒状に巻かれたシートから構成された筒状壁を含み、その横側部/水平側部の一方が、ポケットの底を構成する固体エンド部材に対してシールされた態様で取り付けられ、その他方が、バイアルへの取付リングを構成する環状エンド部材に対してシールされた態様で取り付けられ、前記シートの2つの縦側部は、シールされた態様で一方が他方に対して取付けられ、ここで特に注目すべきことに、シートの2つの縦側部/長手側部は、シールされた態様で一方が他方に対して取付けられ、そして、内側の縦側部の端部は、フレキシブルな被覆帯体によってマスクされている。
【0017】
本発明の1つの実施形態によれば、被覆帯体は、内壁上において各縦側部の結合部の両側において前記シートの2つの縦側部夫々に対して貼り合わされている。
【0018】
本発明の別の実施形態によれば、前記被覆帯体は、前記シートの前記内側の縦側部の端部を包み込み、前記2つの縦側部の間にあって折りたたまれている。そして、次に、シートの両側部が円筒に形成される過程と同時にシール/封着される。被覆帯体の幅が、ポケットの寸法に応じて変化するが、通常は、2〜10mmであり、好ましくは、4〜6mmである。
【0019】
上述のように、ポケットの壁を構成するシートは、想定される用途に応じて、様々な単一又は複合材から成り得る。その厚みは、およそ20μm〜250μmの間であり、好ましくは、90%を超える優れた供給率を達成するべく、最適な動作状態、端的にはバイアルが徐々に空になるにつれてポケットが円滑に収縮する動作状態とするために、50μm〜150μmの間である。これらの供給率は、使用される材料に応じて変動し得る。
【0020】
単層又は複層であるシートは、各エンド部材の外周に対して自身の各側部が取り付けられて円筒の母線に沿って閉じられる。
【0021】
1つの実施形態によれば、円筒ポケットが、数枚の金属フィルム、又はプラスチックフィルムにより少なくとも一面上が被覆された1枚の金属シートに対して連結された多層複合材を含む。この複層複合体は、例えば、金属又はプラスチックから成る2つのエンド部材上において巻かれる。一つの端的な効果的な実施形態は、少なくとも2つのプラスチックフィルムの間に挿入されたアルミニウムシートを備える。複層複合体のプラスチックフィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、等から選択され得る。
【0022】
多層シートは、各エンド部材の外周に対してその側部が取付けられて円筒の母線に沿って閉じられる。
【0023】
本発明の別の実施形態によれば、多層シートは、プラスチック/バリヤーポリマー/プラスチックの複合体、及び、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンの2つのフィルム間に挿入されたEVOHフィルムである。EVOHは、ガス、端的には酸素及び水蒸気に対して良好なバリア性を有するエチレン/ビニルアルコールポリマーである。
【0024】
その複合材は、4層、すなわち、ポリエチレン/ポリアミド/アルミニウム/ポリエチレンテレフタレート、又はその他のポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム/ポリエチレンも有し得る。後者の複層構造は、シートを巻いた後、ボンディング又はシーリングにより、側部‐側部を簡易に取り付け得るという有利な効果を有し、これは、両方が同じ材料であるシートの一方の側部の内側部分が他方の側部の外側部分に対して付されるためである。
【0025】
そのような複層複合コーティングは、強力なシールが必要であるとき、又はポケットに収容された製品の特性がそれを要求するときには、特に利用価値が高い。
【0026】
1つの変形例によれば、2つの金属又はプラスチック製のエンド部材上において巻かれたアルミニウムシートを使用することができ、シートの2つの対向した側部が、円筒の母線/外周方向に沿って一方から他方に対して封着される。
【0027】
すべての場合において、被覆帯体は、上述のように、2つの側部の結合部分上に、また筒を構成するシートの内面上に配置される。被覆帯体は、好ましくは、シートの内皮層を形成する材料と同一の材料から成る。例えば、少なくともポリエチレン単層を内皮層とするシートと、同材料のポリエチレンから成る被覆帯体を用いることが有利である。
【0028】
これにより、ポケット内に入れられた製品に接触するポケットの内皮層を構成する材料の連続性を確保することが可能になる。液体製品は、従って、一つの材料と接触することに限られる。加えて、一度封着されれば、被覆帯体は、シートの内皮層と実質的に同じ厚みを有する。
【0029】
別の変形例によれば、フレキシブルな厚紙、又は、ポリマー/紙/ポリマーの複合材、好ましくは、ポリエチレン/紙/ポリエチレンから成るシートが使用される。この種類の材料の利点は、この分野において使用されているPE/PET/アルミニウム/PEの複層よりも、より簡単にリサイクル可能であることである。
【0030】
上述のように、金属シート、又は多層シートが、エンド部材に用いられる材料の特質に応じて、好ましくは、ボンディング又はシーリングにより、2つのエンド部材の各外周に対して取付けられる。
【0031】
本発明に係る方法は、まず、オープンな筒状ポケットを形成するべくシートの2つの対向する側部を内側から外側へシールするのに適当なサイズにシートを切断する。なお、オープンな筒状ポケットは、エンド部材に対してその開口が取り付けられ、次に、剛性バイアルに対して挿入され、リングを構成する環状エンド部材によりその内部に保持される。次に、被覆帯体を切断し、続いて、シートの内面上にシールする。次に、内面上の被覆帯体を保持しつつ、側部同士の接触領域が正しく被覆されることに注意を払いつつ、シートそれ自身を巻く。次に、シーリングを実行して、内側領域が連続にされた態様のシールされた筒が得られる。
【0032】
一方から他方への側部の取付、そして、エンド部材に対する取付は、例えば、超音波、衝撃、摩擦、又は、熱封着といった慣例のシーリング技術により実行可能である。好ましくは、ポケットの壁形成に用いられる材料に最適な熱−シーリング技術が使用される。貼り合わせは、ボンディングによっても為されるが、これは、ポケットにより包含される液体が、接着剤の構成物質により生じ得る汚染に起因する如何なる有害作用にもリスクを負わない場合に限る。
【0033】
シートは、当初は、平坦形状を有するため、適当な工具を使用して、それを形状出しし、そこに製品を入れることが必要となる。本発明に用いられるポケットの充填工程は、本分野において知られている大多数のポケットとは異なり、部分的に充填する前にポケットを初めに真空にし、そして、中性ガス雰囲気で最終工程を行うことを要求しない。
【0034】
本発明に係る方法の有利な効果の一つは、そのシーリング方法に起因して、完全な円柱形状を具備して相対的な大きな容量(例えば、150mlを超える)のポケットを得ることができる。
【0035】
本発明に係る方法は、特に、バイアルの容量に対して、及びポケットに封入されるべき製品の量に対して自身の容量を簡易に適合可能であるポケットを製造することが可能になるという有利な効果を有する。これは、製造的観点から特に有益であり、なぜなら、従来技術では、コスト制約から、所定寸法の少ないモデルにバイアル種を制限することがあり、例えば、剛性バイアルは、30、60、又は90mlにその容量が通例に提案され、結果的に、65mlの内容物を有するポケットを、例えば、90mlのバイアルに挿入し、結果として、ポケットとバイアルとの間に無駄な空間が相当に生じることになる。
本発明の技術によれば、ポケットの容量は、ポケット及びバイアルを構成する円筒の直径及び高さを調整することにより簡易にバイアルの容量に対して適合され、無駄な空間を低減することができる。
【0036】
これにより、追加的有利な効果として、アルコールといった相対的に揮発性の製品がポケットに収容されると、その一部が、使用される材質に応じて壁を通過し、その減じられた無駄な空間が即時に飽和され、そして、製品の損失に上限が課される。
【0037】
加えて、ASTM標準D6344−4に準拠して、落下試験を伴う垂直衝撃試験を実施すると、被覆帯体により強度を落とす非対称性が導入されつつも、耐衝撃性に実質的な改善が見られた。加えて、弱領域が、2つの側部が一つになったシール上にあり、この弱さは、シール長の増加に従って特に増大する。詳細には、シールの長さとは異なり、その厚みは、その強度にほとんど影響しないことが知られている。
【0038】
円筒の外側に向かって側部が折り畳まれ、側部の内面同士が接触する従来方法により製造されたポケットと比較すると、本試験によれば、一つの側部の内面が他方の側部の外面と接触するようにポケットを構成するシートの側部の組立が行われて耐衝撃性が格段に改善することも明らかになった。
【0039】
本試験は、高さ0.6m〜4mの範囲から鉛直に配向されたポケットバイアルを落下することから成る。
【0040】
各ポケットは、上述のように、2つのエンド部材に対して接着された多層シートから成る。層構成は、外皮層から内皮層へ、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム/ポリエチレンである。ポリエチレン層の厚みは、50μmであり、アルミニウム及びポリエチレンテレフタレート層夫々の厚みは、12μmである。本発明に係るポケットは、厚み100μmのポリエチレン帯体を有する。
【0041】
100mlの容量を有する円柱形状のポケットには、水が充填される。これらは、剛性ポリエチレン製バイアル内に配置され、図4に示すように、ポケットの上部の環状リングによって、バイアルへのポケットの組付けが実行され、ポケットの首部にスナップ−フィット接続により通常のポンプがマウントされる。そのようにアセンブリされる各ポケットバイアルの重さは、およそ150gである。
【0042】
バイアルの直径よりも僅かに広い直径の垂直筒により、バイアルの落下をガイドし、バイアルの配向を保ち、かつハード面に対するインパクト状態の規則性を確保する。ポケットバイアルは、バイアルの底が接地面に初めに衝突するように配向されている。
【0043】
本試験は、20個のポケットバイアルの3組について試験した。ポケットバイアルの全ては、同寸法(バイアル高さ:137mm, 直径: 42mm)である。第1組は、外側へ折られ、内面が内面へとシールされた標準のポケットを含む。第2組は、内面から外面へとお互いの側部がシールされたポケットを含む。第3組は、本発明に係るポケットを含む。
【0044】
第1試験は、高さ0.60mからバイアルを落下させる。第1試験に耐えたバイアルは、次に、1.2mの第2試験を受ける。これに耐えたバイアルは、次に、2.0mの第3試験を受ける。もしその前の試験に耐えたならば、次に、3.3m、最終的に4.0mを受ける。
【0045】
各バイアルは、各高さについて3回試験される。
【0046】
測定の結果は、下に示すとおりである。
【0047】
【表1】

【0048】
この表は、失敗数を示す。このように、全てのポケットバイアルが第1試験に耐えた(失敗なし)。第1組(スタンダードポケット)は、20ポケットバイアル中のいずれもが2.0m落下に耐えられなかった。第2組のポケットバイアルは、3.3mの落下に耐えたが、6/20のバイアルは4.0mの落下に耐えられなかった。他方、第3組(発明)の全てのポケットバイアルは、4.0mの落下に耐えられた。
【0049】
従って、追加的なシールの存在にもかかわらず、耐衝撃性に向上が見られる。
【0050】
破裂耐性を測定する試験によれば、本発明に係るポケットは、従来技術により製造されたポケットよりも高い耐性を有することが分かった。そして、上述の試験に用いられたものと同一の多層シートを具備するポケットの破裂耐性は、3.1bar(3.1 105 Pa)であり、他方、外側に折られ、内面から内面へとシールされたスタンダードポケットの耐性は、同一の条件において、僅か1.9bar(1.9 105 Pa)であった。
【0051】
これらの結果は、供給率の低下を伴うことなく得られ、換言すれば、被覆帯体は、供給率に悪影響を与えることがない。
【0052】
本発明に係るポケットバイアルの例示的な実施形態が添付図面の参照により以下に記述される。図1は、既知の方法により筒状ポケットを形成するように巻かれたシートの斜視図である。図2は、本発明の技術に係る筒の内面上に被覆帯体を具備するシートの斜視図である。図3は、本発明の変形例に係る斜視図であり、シートの両方の内面上に被覆帯体が配置されている。図4は、両方のエンド部材と共に図2の筒を有する完成されたポケットがバイアル内に収容されたポケットバイアルの分解図である。
【0053】
図1は、ポリエチレン層により両面が被覆されたアルミニウムシート(2)を含むシート(1)を示す。従って、シートは、外側ポリエチレンフィルム(3)及び内側ポリエチレンフィルム(4)を含む。
【0054】
シート(1)がいったん巻かれると、その2つの末端部が、領域(5)において重なり合い、一方の側部寄りの内面が他方の側部寄りの外面上に配置される。シートの2つの側部が重なり合った領域の幅は、およそ5mmである。2つの側部は、により互いに取り付けられる。
【0055】
シートの幅は、可変であり、ポケットの高さに対応し、筒が形成されると、各エンド部材上に配置される。
【0056】
図2は、シート(1)の内面上に配置されたポリエチレン帯体(6)を明示する。帯体(6)は、およそ6mmの幅を有し、シート(1)の幅全域上の2つの側部の重なり合いを覆い、内側の側部の露出端部をマスク/隠蔽する。被覆帯体 (6)、一方の内皮層/内側表層、及び他方のシートの外皮層/外側表層を形成する材料の同一性により、一方から他方へ2つの側部のシールが容易となり、大抵50〜150マイクロメートル厚の被覆帯体をその側部らの結合部分に取り付けることが容易となる。熱封着が好ましくは用いられる。
【0057】
加えて、同一の材料、本例では、ポリエチレンが、シートの全内面に用いられ、そして、ポケット内の製品と接触する。従って、ポケットの内面を形成する材料の品質に何ら途切れが生じていない。ポリエチレン被覆層により、シートの内側の側部の端部(エッジ)がマスクされ、ポケットに入れられた製品とアルミニウムとの接触が抑制され、50〜150μmのオーダーの薄厚、好ましくは、およそ100μmの薄厚により、無視可能な程度の余分な厚みが僅かに生じるだけである。
【0058】
図3は、本発明の変形実施形態を示し、ここで、被覆帯体 (6)は、シート(1)の内側の側部の端部を包み込む。
【0059】
この変形例により、使用される工具に応じてシーリング工程が容易になる。なぜなら、被覆帯体(6)が、まず、多層シート(1)の側部の一方に対してはじめに取付けられ、シールされるためであり、引き続き、シートが円筒に巻かれ、2つの側部及び被覆帯体のシーリングが次に行われる。
【0060】
図2及び3は、シーリング工程前のシート(1)及び帯体(6)部分らの斜視図を示す。
【0061】
図4は、円筒に巻かれて被覆帯体(6)により閉じられたシート(1)と、エンド部材(7、8)を有するアセンブリを示し、同アセンブリが剛性バイアル(9)内に挿入されることを示す。環状エンド部材 (7)が、バイアル(9)に対する取付リングを構成し、他方、凹んだ固体エンド部材(8)がポケットの底を構成する。
【0062】
自身の作動用のボタンを保持したポンプ (不図示)が、特許FR2.827.844の技術によって、シールされた態様にてポケットの首部に対してマウントされる。
【0063】
通常の技術によって、空気回路(不図示)が、ポンプ又は取付リングを構成する環状エンド部材に設けられ、外側からポケットとバイアル間の空間へと空気を通過させる。ポケットバイアルを使用するときに限り空気回路を開けるための手段は、例えば、ポンプ作動用ボタンに圧力をかけたときのみ開け、ポケットから吐出される液体の量に等しい分の空気量だけの進入を許可する既知の閉システムにより設けられる。例えば、空気回路を閉じる手段は、ポンプが作動されない限り、閉じた状態を保つバルブ素子から構成される。変形例 (不図示)によれば、この空気回路は、バイアルの底に設けられた単純な通気口により代替され得る。必要であれば、この通気口は、バルブ素子及びフィルタが備え付けら得る。
【0064】
図4に示すように、シートの幅及び高さを変更し、バイアルの容量にポケットを適合し、これら2つの間の無駄な容量に上限を課すことは容易である。
【符号の説明】
【0065】
1:シート
6:被覆帯体
7:エンド部材
8:エンド部材
9:バイアル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体製品を包含し吐出するためのポケットバイアル型の装置であって、
剛性バイアル内に配置されたフレキシブルなポケットであって、当該ポケットに収容された前記製品を放出するためのポンプ又はバルブが設けられたポケットを備え、
当該ポケットは、少なくとも1つの筒状に巻かれたシートから構成された筒状壁を含み、
当該筒状壁の横側部の一方が、前記ポケットの底を構成する固体エンド部材に対してシールされた態様で取り付けられ、その他方が、前記バイアルへの取付リングを構成する環状エンド部材に対してシールされた態様で取り付けられ、
前記シートの2つの縦側部は、シールされた態様で一方が他方に対して取付けられ、内側の縦側部の端部は、フレキシブルな被覆帯体によってマスクされている、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記被覆帯体は、内壁上において各縦側部の結合部の両側において前記シートの前記2つの縦側部夫々に対して貼り合わされる、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、前記被覆帯体は、前記シートの前記内側の縦側部の端部を包み込み、前記2つの縦側部の間にあって折りたたまれている、装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の装置であって、前記筒状壁を構成する前記シートは、単層又は複層である、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の液体製品を包含し吐出するための装置であって、複層である前記シートは、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリアミドから材料選択された少なくとも2つのプラスチックフィルム間に挿入されたアルミニウムシートを含む、装置。
【請求項6】
請求項4に記載の液体製品を包含し吐出するための装置であって、複層である前記シートは、ポリエチレン/紙/ポリエチレンの複合材である、装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液体製品を包含し吐出するための装置であって、
前記被覆帯体は、前記シートの内皮層と同一の材料から成る、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の液体製品を包含し吐出するための装置であって、
前記シートは、少なくとも1つのポリエチレン層を内皮層として備え、
前記被覆帯体は、同一のポリエチレンから成る、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−525304(P2012−525304A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507802(P2012−507802)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050804
【国際公開番号】WO2010/125304
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(504223640)
【Fターム(参考)】