説明

ポリヌクレオチドの自動合成のための装置

本発明はa)複数の防湿性試薬容器、b)自動ポリヌクレオチド合成装置の合成プラットホーム上にシールを形成することができる乾燥ボックス、c)乾燥ボックスに試薬容器を接続する防湿性チューブ、d)そこでガスが試薬容器を加圧する、試薬容器をガスに接続する試薬ガス供給装置及びe)そこでガス調整装置が試薬容器内の定圧を維持する、試薬ガスフィードに接続されたデジタルガス調整装置、を有する、自動ポリヌクレオチド合成のための閉鎖された連続的無水系を維持するための装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概括的に生重合体合成、そしてより特別には無水状態を使用する高品質ポリヌクレオチドの自動合成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現代分子生物学における多数の技術は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、DNA解読、部位特異的突然変異誘発、全遺伝子アッセンブリー及び単一ヌクレオチドの多形性(SNP)分析を含む合成ポリヌクレオチドを使用する。ポリヌクレオチドは概括的に、分子生物学に使用される多数の他の試薬と異なり、ストック製品として入手できず、各使用者の指定に対して注文作製される。例えば、ポリヌクレオチドの配列、規模、純度及び修飾物は使用者により指定されることができる。
【0003】
ポリヌクレオチド合成化学及び処理技術の改善は、より低価格で、より早急な合成をもたらした。しかし、ポリヌクレオチド合成は一連の高い効率の化学反応を必要とする複雑な多段階工程のままである。理想的には、最終的ポリヌクレオチド生成物中の各ヌクレオチドの逐次(sequential)付加又はカップリングは、100%収率をもたらす100%効率を伴って起ると考えらえる。収率は各段階で又は完全な合成法の最後に回収される最終生成物の量を意味する。しかし、カップリング効率の効果は付加的であろうため、カップリング効率は100%より小さく、各段階における僅かな減少が最終的ポリヌクレオチド生成物の収率に実質的な減少をもたらす可能性がある。例えば99%〜98.5%又は98%の、カップリング効率の僅かな低下ですら、最終的ポリヌクレオチドの収率には重大な不利な影響をもつであろう。
【0004】
ポリヌクレオチドの合成における各段階の収率はまた、生成することができるポリヌクレオチドの長さを決定する。ポリヌクレオチドの収量は各段階で減少するので、合成反応を継続するのに十分な材料がない時点が存在する。例えば、カップリング効率が99%である場合は、合成後に存在する全長のポリヌクレオチド生成物の収率は20個のヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドに対して約83%、50個のヌクレオチド含有のポリヌクレオチドに対して61%、75個のヌクレオチド含有のポリヌクレオチドに対して48%そして100個のヌクレオチド含有のポリヌクレオチドに対して37%であろう。例えば、カップリング効率が98%である場合は、100個のヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドの収率は13%に低下する。従って、100個を超えるヌクレオチドを含有する高品質のポリヌクレオチドを経済的に合成することは困難であった。
【0005】
ポリヌクレオチドの合成におけるもう1つの課題は最終ポリヌクレオチド生成物中の不純物の存在である。不純物は合成反応からの前駆体試薬及び溶媒のみならずまた、所望のポリヌクレオチド生成物の全長に満たない、部分的ポリヌクレオチドが含まれることができる。これらの部分的ポリヌクレオチドは合成法期間のヌクレオチドの効率の悪いカップリングの結果であり、それらはしばしば、その後の適用における最終ポリヌクレオチド生成物の使用前の精製段階により除去される。部分的ポリヌクレオチド又は他の不純物からの最終ポリヌクレオチド生成物の精製は時間がかかり、最終ポリヌクレオチド生成物の収率減少をもたらす。
【0006】
特定の適用のためには高品質のそして長さの長いポリヌクレオチドをもつことは望ましい。例えば、完全な遺伝子が生成されるように合成ポリヌクレオチドを重複させることにより、完全遺伝子をアッセンブルすることができる。このような遺伝子アッセンブリーの適用には、完全遺伝子をアッセンブルするために要する段階数及び従って、時間量を減少するためには、より長いポリヌクレオチドが望ましい。減少したアニーリング効率のような逐次(sequential)アッセンブリー反応における不純物の効果は付加的であろうために、このような方法のためには高品質のポリヌクレオチドが必要とされる。更に、アッセンブルされた遺伝子配列中への望ましくない突然変異体の導入を防止するために高品質のポリヌクレオチドが必要とされる。
【0007】
従って、例えば、合成的遺伝子産生に適する原料として高品質のポリヌクレオチドの早急な合成を許す装置の需要が存在する。本発明はこの需要を充たし、同様に、関連した利点を提供する。
【発明の開示】
【0008】
本発明はa)複数の防湿性試薬容器、b)自動ポリヌクレオチド合成装置の合成プラットホーム上にシールを形成することができる乾燥ボックス、c)乾燥ボックスに試薬容器を接続する防湿性チューブ、d)ガスが試薬容器を加圧する、試薬容器をガスに接続される試薬ガスフィード及びe)試薬ガスフィードに接続されており、かつ、試薬容器内の定圧を維持するデジタルガス調整装置、を有する、自動ポリヌクレオチド合成のための閉鎖された連続的無水系を維持するための装置を提供する。本発明は更に、a)複数の防湿性試薬容器、b)自動ポリヌクレオチド合成装置の合成プラットホーム上にシールを形成することができる乾燥ボックス、c)乾燥ボックスに試薬容器を接続する防湿性チューブ、d)ガスが試薬容器を加圧する、試薬容器をガスに接続する試薬ガスフィード、e)試薬ガスフィードに接続されており、かつ、試薬容器内の定圧を維持するデジタルガス調整装置及びf)ポリヌクレオチド合成装置、を有する、自動ポリヌクレオチド合成のための閉鎖された連続的無水系を維持するための装置を提供する。
【0009】
本発明はポリヌクレオチドのような生重合体の自動化合成の装置を提供する。装置は合成環境を制御して、効率のより良い合成反応を許し、より高品質の合成生成物をもたらす。例えば、装置は自動ポリヌクレオチド合成のための閉鎖された連続系を維持することができ、そして試薬容器、自動ポリヌクレオチド合成装置の合成プラットホーム上にシールを形成することができる乾燥ボックス、チューブ及び試薬ガスフィードに接続された少なくとも1基のデジタルガス調整装置を含む。本発明の装置は湿気の侵入を排除するために封止されている接続体を含むことができる。更に、本発明の装置は少なくとも1基のフロースルーガス乾燥機を含むことができる。本発明の装置は、生成される合成生成物に、より高い品質をもたらす、合成反応の効率を高めるためにポリヌクレオチド合成装置又は他の自動生重合体合成装置と併せて使用することができる。
【0010】
1態様において、本発明は試薬容器、自動ポリヌクレオチド合成装置の合成反応室又は合成プラットホーム上にシールを形成することができる乾燥ボックス、防湿性チューブ、試薬ガスフィードに接続された少なくとも1基のデジタルガス調整装置及びポリヌクレオチド合成装置を含む装置を提供する。
【0011】
本発明の装置は合成環境を制御して、著しく効率の良い合成の状態を最適にする。本発明の装置は例えば、自動ポリヌクレオチド合成のための閉鎖された連続的無水系を維持することができる。このような装置の利点はポリヌクレオチド合成反応中の湿度が減少されることである。自動ポリヌクレオチド合成系内の湿度又は湿気の減少はカップリング効率の増加をもたらす。増加したカップリング効率は各段階における、より高い収率及び、より長いポリヌクレオチドを合成する能力をもたらす。増加したカップリング効率はまた、部分的ポリヌクレオチド生成物の量を減じ、それが最終的ポリヌクレオチド生成物の量を増加する。
【0012】
本発明の装置のもう1つの利点は、装置が圧力の安定性を制御することができることである。安定な圧力は合成反応における化学薬品の送達における変動を減ずることができる。例えば、合成反応が継続するに従って、試薬容器の容量及び高純度ガスの高圧ガスシリンダー中のガス圧が低下し、それが圧力の随伴する低下をもたらす。圧力のこの低下は、カップリング効率を減ずる可能性がある、合成反応中に送達される試薬の量の変化をもたらす可能性がある。デジタルガス調整装置のような本発明の装置の構成部品は現在時のガス圧をモニターし、反応して、より一定なレベルへの圧力の均等化をもたらすことができる。定圧の維持は合成反応における正確な量の試薬の、より恒常的な送達をもたらし、それがより良いカップリング効率をもたらす。系中に定圧を維持することはまた、系中の相対湿度を減少する補助になる。
【0013】
本発明の装置は例えば、低い水分含量及び化学試薬の恒常的送達のための安定した圧力レベルによりホメオスタティック状態を調整又は制御することができる。湿度の低下及び化学薬品送達の変動の減少双方が、より長くかつ、より高品質のポリヌクレオチドの生成を許す、より高いカップリング効率をもたらすことができる。高品質のポリヌクレオチドは精製段階なしで使用することができる。精製段階は時間がかかり、労力を要し、そして最終生成物のより低い収率をもたらす。長さの長い又は高品質のポリヌクレオチドは例えば、遺伝子アッセンブリー及び部位特異的突然変異誘発を含む幾つかの適用に有用である。
【0014】
本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」は、共有結合により一緒に結合される2以上のヌクレオチドを意味することが意図される。例えば、ヌクレオチドはホスホジエステル結合により一緒に結合されることができる。ポリヌクレオチドは4種のヌクレオチド、アデニン、グアニン、シトシン及びチミン又はヌクレオチド類似体及び、イノシン、ジデオキシヌクレオチド又はヌクレオチドのチオール誘導体のような誘導体を含むことができる。ポリヌクレオチドを生成するためにはヌクレオチド又はホスホロアミダイトのような、ヌクレオチドの異なる化学的形態を使用することができる。更に、ヌクレオチドは放射性ラベル、蛍光色素、強磁性物質、発光タグ又は、ビオチンのような検出可能な部分のような検出可能な部分を更に取り入れることができる。ポリヌクレオチドはまた、例えば、RNA及びペプチド核酸(PNA)を含む。
【0015】
本明細書で使用される用語「閉鎖された連続的系」は、最適化された合成環境のためのホメオスタシスを維持するような方法で、経時的に系中の可変物(variable)をモニターし、調整することができる系を意味することが意図される。経時的に可変物をモニターし、調整することは、可変物が同時に又は「リアルタイム」でモニターされ、調整されることを意味することが意図される。所望されるホメオスタティック状態は例えば、系中の湿気のパーセントに関して又は系中の圧力量のような他の指標により、使用者により設定されることができる。例えば、閉鎖された連続的系は、系中に調整された圧力量を維持するように、圧力量が定常的にモニターされ、調整される、閉鎖された領域であることができる。
【0016】
本明細書で使用される用語「閉鎖された連続的無水系」は、ホメオスタシスを維持するような方法で、同時に系中の湿気の量をモニターし、それに反応することができる系を意味することが意図される。所望されるホメオスタティック状態は、系中の湿気又は湿度のパーセントに対して使用者により設定することができる。例えば、閉鎖された連続的無水系は、湿気の量が、系からできるだけ多い湿気を排除するように定常的にモニターし調整される閉鎖された領域であることができる。更に、例えば、他の可変物を、圧力レベルのような閉鎖された連続的無水系中で調整することができる。
【0017】
用語の無水は低い水分含量を意味することが意図される。水分含量は幾つかの方法で、例えば、湿度計を使用して湿度のパーセントとして測定することができる。無水系は低レベルの湿度又は湿気を有することができる。無水系は例えば、5%以下の相対湿度(RH)、4%以下の相対湿度、3%以下の相対湿度、2%以下の相対湿度、1%以下の相対湿度、0.5%以下の相対湿度又は検出できる相対湿度なしであることができる。水分含量はまた、百万分の一部(ppm)単位で測定することができる。例えば、有機溶媒中の水分含量は無水有機溶媒に対して10ppm以下であることができる。
【0018】
本明細書で使用される「試薬」は他の物質を検出、検査、測定又は生成するための化学反応中に使用される物質を意味することが意図される。試薬がポリヌクレオチドのような所望の物質の製造に使用される時は、試薬は所望の物質の製造の任意の段階で使用することができる。例えば、試薬はポリヌクレオチドの製造の開始時に使用されるヌクレオチド溶液のような前駆体であることができる。更に、試薬は、未結合ヌクレオチドを洗い落とすために使用される洗浄溶液のような、ポリヌクレオチドの製造中の、後になって使用される溶液であることができる。例えば、アセトニトリル洗浄溶液はポリヌクレオチドの製造において使用することができる試薬である。試薬には例えば、アミダイト、脱ブロック剤、酸化剤、活性剤、キャッピング試薬及びアセトニトリル洗浄溶液が含まれる。
【0019】
本明細書で使用される用語「防湿性」は湿気に非透過性である物質を意味することが意図される。湿気は大気中の蒸気として又は物体の表面上に凝集した液体として感じることができる拡散した湿り気である。幾つかの防湿性物質は当業者に知られており、天然及び合成物質双方を含む。例えば、ステンレス鋼、ポリプロピレン、ポリスチレン及びテフロンは防湿性物質である。
【0020】
本明細書で使用される用語「乾燥ボックス」は自動ポリヌクレオチド合成装置の合成プラットホーム上に室を形成することができるフードを意味することが意図される。乾燥ボックスは、乾燥ボックスが十分なサイズの表面に封止されると、閉鎖された室を形成するような、1枚の開放された水平表面をもつフードである。乾燥ボックスはプラスチック、ガラス、重合体、エラストマー又はステンレス鋼のような防湿性物質から作製することができる。
【0021】
本明細書で使用される用語「試薬ガスフィード」はガス源から試薬容器にガスを運搬することができるチューブを意味することが意図される。試薬ガスフィードは所望の圧力レベルに耐えることができる物質から作製される。例えば、試薬ガスフィードは、ガスシリンダーを洗浄溶液容器に接続する、プラスチック、ステンレス鋼又はテフロンチューブであることができる。様々なタイプのチューブを試薬ガスフィードのために使用することができ、例えば、チューブは、チューブがガス源から試薬容器にガスを運搬することができる限り、異なるレベルの柔軟性又は異なる直径をもつことができる。
【0022】
本明細書で使用される用語「デジタルガス調整装置」は経時的にガス圧を正確にモニターし、ガス圧力を所望のレベルに調整するように機能する装置に出力信号を送達することができる装置を意味することが意図される。デジタルガス調整装置は系中のガス圧をモニターし、そして一定レベルのガス圧力を維持するように設定することができる。例えば、容器内の試薬レベルが変化するか又はガスシリンダー内の圧力が変化する時に、容器内にもたらされる圧力の変化がデジタルガス調整装置により正確にモニターされ、デジタル表示装置上に示されるように、デジタルガス調整装置は、加圧された試薬容器、高圧ガスシリンダー又は閉鎖系中のガス圧レベルをモニターすることができる。次にデジタルガス調整装置は、試薬容器に侵入するガスの量を制御する弁に信号を送り、容器内のガス圧力を均等化するように容器に侵入するガスの量を調整することができる。このように、連続的ホメオスタティック系が維持される。デジタル信号はアナログ信号の使用より、ガス圧のより正確な調整を許す。従ってデジタル信号はガス圧の同時の調整を許す。デジタルガス調整装置は例えば、0.1psiの圧力、0.05psiの圧力又は0.01psiの圧力の区切りでガス圧を維持するために使用することができる。ガス調整装置が正確なほど、系内の圧力の制御がより正確である。デジタルガス調整装置は例えば、Alicat Scientificから市販されている。
【0023】
自動ポリヌクレオチド合成装置の、本明細書で使用される用語「合成プラットホーム」は、ポリヌクレオチド合成が起る1又は複数の反応容器又は反応室を含む又は保持することができる自動ポリヌクレオチド合成装置の表面を意味することが意図される。例えば、合成プラットホームはポリヌクレオチド合成反応が起ることができる1又は複数のウェル又はカラム又はプレートを含むことができる。幾つかの自動ポリヌクレオチド合成装置が市販されている。例えば、Applied Biosystems ABI 381A及びPerseptive Biosystems 8905は市販されている標準ポリヌクレオチド合成装置である。更にポリヌクレオチド合成装置は、例えばMerMadeポリヌクレオチド合成装置のような注文製造された合成装置であることもできる(引用により本明細書に取り入れられているRayner等、Genome Research 8:741−747(1998)を参照されたい)。
【0024】
本明細書で使用される用語「フロースルーガス乾燥機」は、接合具中の物質が乾燥機中をフロースルーすることができるチューブのような接合具と一線に配置されている乾燥装置を意味することが意図される。乾燥装置は接合具中の物質から湿気を除去する任意の装置であることができる。例えば、乾燥装置は接合具中の物質を乾燥する乾燥物質を含むことができる。幾つかの乾燥物質、例えば、5A分子ふるい及びDRIERITEを使用することができ、それらは当該技術分野で知られている。DRIERITEのような乾燥物質は空気1l当り0.005mgの乾燥までガスを乾燥することができる。DRIERITE中のインジケーターの色は枯渇する時に青からピンクに変化する。
【0025】
本発明は自動ポリヌクレオチド合成のための閉鎖された連続的系を維持するための装置を提供する。本発明の装置は幾つかの試薬容器、自動ポリヌクレオチド合成装置の合成プラットホーム上にシールを形成することができる乾燥ボックス、試薬容器を乾燥ボックスに接続する防湿性チューブ、試薬容器をガスに接続する試薬ガスフィード及び試薬ガスフィードに接続されたデジタルガス調整装置をもつことができる。チューブが溶媒と接している装置内の場所にある時、選択される防湿性チューブはまた溶媒抵抗性である。異なる溶媒に抵抗性である幾つかの物質が当該技術分野で知られている。
【0026】
本発明の装置はオリゴヌクレオチドのような生重合体の合成を最適化するための制御された環境の室を形成する。閉鎖された連続的系は圧力のような、系内の可変物を調整することができる。1態様において、装置はシリコーンコーキング材で封止される接合具を含む。もう1つの態様において、封止された接合具は1平方インチ当り100ポンド(psi)を超える圧力を維持することができる。
【0027】
ポリヌクレオチド(オリゴヌクレオチドとしても知られる)を合成する方法は当該技術分野で知られており、例えば、Oligonucelotide Synthesis:A Practical Approach,Gate,刊行,IRL Press,Oxford(1984);Weiler等、Anal.Biochem.243:218(1996);Maskos等、Nucleic Acids Res.20(7):1679(1992);Atkinson等、Solid Phase Synthesis of Oligodeoxyribonucleotides by the Phosphitetriester Method,in Oligonucleotide Synthesis 35(M.J.Gait ed.,1984);Blackburn及びGait(eds.),Nucleic Acids in Chemistry and Biology,Second Edition,New York:Oxford University Press(1996)並びにAnsubel等、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Baltimore,MD(1999)中に記載されていることを認めることができる。
【0028】
ポリヌクレオチド及び他の重合体配列のアレーを生成するための固相合成法は例えば、Pirrung等、米国特許第5,143,854号明細書(PCT出願書国際公開第90/15070号パンフレットも参照されたい)、Fodor等、PCT出願書国際公開第92/10092号パンフレット、Fodorl等、Science(1991)251:767−777及びWinkler等,米国特許第6,136,269号明細書,Southern等、PCT出願書国際公開第89/10997号パンフレット及びBlanchard,PCT出願書国際公開第98/41531号パンフレット中に記載されていることを見いだすことができる。これらの方法にはミクロピンを使用するアレーの合成及び印刷、写真平板及びオリゴヌクレオチドアレーのインクジェット合成が含まれる。
【0029】
ポリヌクレオチドの逐次アニーリングによる大きい核酸重合体を合成する方法は例えば、Evansに対するPCT出願書国際公開第99/14318号パンフレット及びEvansに対する米国特許第6,521,427号明細書中に記載されていることを見いだすことができる。前記の引用物はすべてそれら全体を引用により本明細書中に取り入れられている。
【0030】
ポリヌクレオチドはホスホロアミダイト化学反応を使用して市販の核酸合成装置上で生成することができる。The Practical Approachシリーズはホスホロアミダイト及び代わりの合成法を概説した(Brown,T.,及びDorkas,J.S.Oligonucleotide and Analogues a Practical approach,Ed.F.Eckstien,IRL Press Oxford UK(1995))。
【0031】
ポリヌクレオチドの化学的合成は4種の構成ブロック(塩基ホスホロアミダイト)が直線状重合体として結合される工程である。成分の塩基に加えて、ヌクレオチド間の結合の形成、酸化、キャッピング、脱トリチル化及び脱保護を補助するために、多数の試薬が必要とされる。自動化合成は逐次(sequential)化学反応、マトリックスに試薬を送達するための一連の弁及びタイマー並びに最後に精製、定量、生成物のQC及び凍結乾燥を含むことができる合成後の処理の流れ、のための骨格として働く固形支持マトリックス上で実施することができる。
【0032】
幾つかの標準DNA塩基(G、C及びA)は、反応性の第一級アミンを含有し、従って第一級環外アミンを合成中に望ましくない反応に参加しないように、保護基で修飾することができる。更に、4種のホスホロアミダイトは同様に保護される必要があるリン結合を含む。これらの感受性サイトを保護するために使用される化学基は、DNA合成サイクル中はそのままで留まることができるが、正常な未修飾DNAがもたらされるように、合成後に容易に除去されることができる。多数の異なる保護法が開発されてきた。例えば、b−シアノエチル保護リンをもつホスホロアミダイトを使用することができる。複素環式塩基には第一級アミンの保護はしばしば、アデニン及びチトシンに対してはベンゾイル基によりそしてグアニンに対してはジメチルホルムアミジン又はイソブチル基のいずれかにより提供される。第一級アミンをもたないチミンは塩基の保護を必要としない。これらの保護基は合成中に使用される条件下で安定であるが、アンモニアによる処理により急速に、そして有効に除去される。
【0033】
活性化モノマーがそれら自体と反応せずに、固形支持体に繋留された生長しているポリヌクレオチド鎖上の5’−OHとのみ反応することができるように、塩基−ホスホロアミダイトの5’−OHをブロックすることも望ましい。今日の化学は例えば、ジメトキシトリチル(DMT)基を使用する。縮合後、DMT基は酸との処置により新規に添加された塩基から開裂される。放出されたDMTカチオンは橙色であり、DNAのカップリング効率の進行を490nmの分光測定値によりモニターすることができる。
【0034】
デオキシリポース糖の3’ヒドロキシ基は著しく反応性のホスフィチル化剤で誘導される。この基上のホスフェートの酸素は通常、高温で、水酸化アンモニア処理を使用するβ−脱離により除去することができるβ−シアノエチル部分によりマスクされる。
【0035】
自動化合成は固形支持体、通常、制御された多孔質ガラス(CPG)又はポリスチレン上で実施することができる。CPGは反応室として働く小カラム中に充填される。充填されたカラムをDNA合成装置上の試薬送達ラインに結合し、化学反応はコンピューターの制御下で進行する。塩基は3’から5’方向(DNAポリメラーゼによる酵素合成と逆方向)に生長している鎖に付加される。「普遍的(universal)」支持体は存在するが合成はよりしばしば、3’ヒドロキシルにエステル結合により結合されている第1の塩基ですでに誘導されているCPGを使用して開始される。合成はCPG固形支持体に結合された第1の塩基で開始し、3’y5’方向に伸長する。CPG粒子は比較的大きく、多孔質で、容量に対する表面の比率を著しく増加するチャンネルを含み、それにより、反応を、少容量の試薬を使用して小さい反応室内で実施させる。CPGは、片方の末端に試薬の入り口、そして他方に出口(廃棄物)を伴う、2種のフィルターフリット間の「カラム」内に配置される。
【0036】
ポリヌクレオチド合成サイクルは以下に説明されるように4段階:(1)脱ブロック、(2)活性化/カップリング、(3)キャッピング及び(4)酸化、において進行することができる。
【0037】
脱ブロック:合成サイクルはジクロロメタン(DCM)中のジクロロ酢酸(DCA)又はトリクロロ酢酸(TCA)に短時間暴露することにより5’−末端塩基の5’ヒドロキシルからのDMT基の除去により開始する。生成されるトリチルカチオンの収率を合成反応の効率をモニターする補助にするために測定することができる。ヌクレオシド構成ブロック上の反応性物質(第一級アミン及び遊離ヒドロキシル)保護は、暴露された5’ヒドロキシルがカップリング反応(次の段階)に参加することができる唯一の反応性求核原子であることを確実にする。
【0038】
活性化/カップリング:DNAホスホロアミダイトはカップリング時にテトラゾール又はテトラゾール誘導体中での処理により、より反応性形態に転化される。これらの工程は、ホスホロアミダイトの急速な脱プロトン化、その後の、ホスホロテトラゾリド中間体の可逆的な、そして比較的遅い形成により起る。活性化デオキシリボヌクレオシド−ホスホロアミダイト試薬とのカップリング反応は早急で、効率がよい。ホスホロアミダイトに対するテトラゾールの過剰が完全な活性化及びCPGに結合される反応性ポリヌクレオチドに対するホスホロアミダイトの過剰を確実にするために使用することができる。これらのタイプの条件下で、>99%のカップリング効率を達成することができる。
【0039】
キャッピング:塩基カップリング反応は100%の効率をもたないので、CPG支持体上の少量の生長ポリヌクレオチドは結合せず、望ましくない先端を切り取られた物質をもたらすであろう。ブロックされない限り、これらの先端を切り取られ又は部分的なポリヌクレオチド生成物は後のサイクルにおいて基剤として働き続け、延長し、そして内部欠損をもつほとんど全長のポリヌクレオチドをもたらすことができる。これらの先端を切り取られた又は部分的なポリヌクレオチド生成物は(n−1)−量体物質と呼ばれる。これらの「反応の失敗物」は大部分、無水酢酸による遊離5’−OHのアセチル化を伴う「キャッピング」により次の合成サイクルに参加することを妨げられることができる。
【0040】
酸化:この時点で、DNA塩基は電位の不安定な3価のホスファイトトリエステルにより結合される。この物質は酸化により安定な5価ホスホトリエステル結合に転化される。水/ピリジン/テトラヒドロフラン中での希ヨウ素との反応生成物の処理は、加水分解されて、5価のリンを生ずるヨウ素−リン付加物を形成する。酸化段階はポリヌクレオチド合成の1サイクルを完結し、その後のサイクルは新規付加5’−塩基からの5’−DMTの除去で開始する。
【0041】
開裂及び脱保護:合成完了後、ポリヌクレオチドを室温で濃水酸化アンモニウムで固形支持体から開裂することができる。高温におけるアンモニア中での連続培養はシアノエチル基のβ−脱離によりリンを脱保護し、そして更に複素環式塩基から保護基を除去する。
【0042】
合成後の処理:合成中は、全長のポリヌクレオチド及び先端切り取り生成物又は部分的ポリヌクレオチド生成物の双方がCPG支持体に結合されたままである。合成後、その物質を同様に開裂して回収すると、最終反応生成物は所望の物質及び非所望の物質の不均一混合物である。ポリヌクレオチドの長さが増加するに従って、不純物がより大量に蓄積する。更に、開裂した保護基もまた存在する。この時点で、ポリヌクレオチドは伝統的に「脱塩され」、その工程では僅かな分子不純物(保護基及び短い先端切り取り生成物)をゲル濾過又は有機固相抽出(SPE)法を使用して除去される。
【0043】
定常のPCR又はDNA解読のような簡単な適用において短いプライマーを使用する時は、更なる精製を伴わない脱塩ポリヌクレオチドの使用が適当であることができる。しかし、クローン形成、部位特異的突然変異誘発又は遺伝子アッセンブリー適用中に使用される場合、n−1及び他の先端切り取り又は部分的ポリヌクレオチド物質は、欠失変異体をもたらすことができる。先端切り取り又は部分的ポリヌクレオチド物質を除去するためには、PAGE又はHPLCによる精製を使用することができる。
【0044】
ポリヌクレオチドの合成効率は典型的には、化学反応の各サイクルに対して約98〜99%であり、従って各サイクルに対し約1〜2%の反応生成物は期待されるより1塩基短いであろう。幾つかの先端切り取り物質は「キャッピング」しないので、DNA合成の更なるサイクル中に寄与し続ける。60−量体のポリヌクレオチドに対して、最終生成物の50%未満が所望の全長分子であろう。最終合成生成物は、配列の不均一集合物、有効には各可能な位置の欠失変異体のプールを表わす(n−1)−量体及び(n−2)−量体(等)の分子の混合集団を含むであろう。
【0045】
合成の規模は出発物質の量を表わし、他方、合成収率は合成及び精製段階が完了した後に回収される最終生成物の量を表わす。ポリヌクレオチド合成において、3’末端塩基は注文者により注文された規模で固形支持体に結合される。塩基は3’から5’の方向に一度に1個ずつ付加される。理想的には各付加塩基は100%の効率でカップリングして、100%収率をもたらすと考えられる。実際には、カップリング効率は100%より幾分小さく、この僅かな減少が最終オリゴヌクレオチド収率の実質的な減少をもたらすことができる(カップリング効率は付加的であろうため)。更に、カップリング効率は付加される各塩基に対して変動することができ、従って配列自体が収率の広範なばらつきの原因であることができる。250−nモル規模の反応に対して、脱保護及び精製後の最終収量は10〜100nモルにわたることができる。ある配列は他の配列より高い収量をもたらす傾向をもち、この傾向は通常再生可能である。1種の20−塩基配列の合成に対する収量は2種の配列が同一日に、同一機械上で、同一試薬を使用して実施されるとしても、異なる20−塩基配列に対して得られるものの2倍であることができる。収量の幾らかのばらつき性はまた、使用される個々の機械から由来することができる。
【0046】
与えられる合成に対する理論的な収量は(Effn−1であり、ここでEffはカップリング効率を表わし、そして「n」はポリヌクレオチド中の塩基数を表わす。カップリング効率が99%(Eff=0.99)である場合、合成後に存在する全長生成物の割合は20−量体に対して、約(0.99)19又は83%、50−量体に対して(0.99)49又は61%、そして75−量体に対して(0.99)74又は48%であろう。カップリング効率の僅かな減少は期待収量に実質的な減少をもたらすであろう。例えば、カップリング効率が99%である場合、100−量体に対する収率は(0.99)99又は37%であるが、カップリング効率が98%に低下する場合は、収率は(0.98)99又は13%に低下する。
【0047】
しかし、カップリング効率は付加される各塩基によりばらつく。恐らく、固形支持体の表面の近位の立体妨害のために、カップリング効率は最初の5〜6個の塩基に対して、より低い。次に、20番目の塩基の付加に特徴的であるように、カップリング効率は約99%の最適値まで増加し、そして次に長さが延長されるに従って、最適値より低いレベルに、再度低下する。カップリング効率は実際ポリヌクレオチドが非常に長くなるにつれて減少するので、100−量体上の収率はしばしば10%未満であることができる。生成物はまた、実施される場合に任意の精製過程中でも喪失され、それは更に収率を減少する。
【0048】
本発明はa)複数の防湿性試薬の容器、b)自動ポリヌクレオチド合成装置の合成プラットホーム上にシールを形成することができる乾燥ボックス、c)試薬容器を乾燥ボックスに接続する防湿性チューブ、d)ガスが試薬容器を加圧する、試薬容器をガスに接続する試薬ガスフィード及びe)ガス調整装置が試薬容器内に定圧を維持する、試薬ガスフィードに接続されたデジタルガス調整装置、を有する自動ポリヌクレオチド合成のための閉鎖された連続的無水系を維持するための装置を提供する。閉鎖された連続的無水系は系中の湿気含量を調整することができる。本発明の装置の1例は図2〜8に示される装置の様々な図及び拡大図を伴って、図1に示される。
【0049】
本明細書に記載され、図に示される本発明の装置の様々な態様の外に、当業者は、自動ポリヌクレオチド合成のための閉鎖された連続的無水系を維持するための本発明の装置の構造又は機能から逸脱せずに、僅かな修飾物及び並べ換え物を本明細書に記載され、例示される本発明の装置中に取り入れることができることを理解するであろう。例えば、系の一部又はすべての湿気含量に対して、より大掛かりのレベルの調整的制御を与えることができる修飾物は、閉鎖された連続的無水系を維持するための本発明の装置の一構成部品として含まれることができる。湿気含量の調整的制御は他の構成部品から隔離できる系の一部に対して及ぼすことができるか、又は制御は自動化系の非隔離可能な部分に対して及ぼすことができる。隔離可能な部分には例えば、試薬の容器、溶液の容器、廃棄物の容器、乾燥ボックス及び、弁又はソレノイドで終結するチューブが含まれる。系の非隔離可能な部分には例えば、隔離可能な部分の補完部分が含まれることができる。更に、湿気含量の調整的制御は全系に対して全体的に及ぼすことができる。
【0050】
閉鎖された連続的無水系を維持するための調整的制御には、ディメンション、容量、封止剤、チューブの長さ、弁、ソレノイド、使用者のアクセス及びデジタル又は他の機械的又は電気的調整装置に対する僅かな修飾物が含まれることができる。例えば、容器、室又はチューブのより小さい容量は系中に導入される湿気量を減少し、そして/又は系から除去されることが必要な湿気量を減少するか又はそれら双方である。侵入又は排出湿気のいずれか又は双方の減少は無水状態のホメオスタシスを維持するために調整することが必要な定格荷重(net load)を減少する。当業者は、サイズ又はディメンション、容量、封止剤、使用者のアクセスあるいはデジタル又は機械的圧力、容量又は真空調整装置の様々な組み合わせ及び入れ替えを組み合わせて、本明細書に記載される態様と同様な又はそれらより良い性能の特徴を有する閉鎖された連続的無水系を構成することができることを理解するであろう。
【0051】
本明細書に記載される態様に対する他の修飾物には例えば、本明細書に例示される物質よりも大きい防湿性を示す物質の置き換え物が含まれることができる。例えば、本発明は閉鎖された連続的無水系を維持する装置を提供する。従って有益な防湿性を示す又は湿気不透過性を示す当業者に知られた物質を、本発明の装置から逸脱することなく、本明細書に記載される例示的物質に置き換えることができる。従って、当業者は、本明細書に提供される教示及び指導を与えられて、閉鎖された連続的無水系を維持する装置には、系の無水状態のホメオスタシスを維持又は補強する、本明細書に記載される装置に対する修飾物及びその構成部品の組み合わせ物が含まれ得ることを理解するであろう。
【0052】
図1に示すように、本発明の装置は複数の試薬容器を含む。図1において、ヌクレオチド試薬を保持する試薬容器は1〜6と標識されている。脱保護剤、酸化剤、活性剤及びキャッピング試薬のような合成溶液を含む試薬容器は7〜11と標識されている。装置はまた、自動ポリヌクレオチド合成装置(乾燥ボックス内、図に表れない)の合成プラットホーム上にシールを形成することができる乾燥ボックス(12)を含む。チューブ(図示されない)は個々のソレノイド弁(118、119)を介して試薬容器を乾燥ボックス(12)に接続する。試薬ガスフィードと集合的に呼ばれる更なるチューブ(例えば、60、63、65、67、68、73、76、78)は試薬容器をガスシリンダー(図6及び7に示されている)に接続する。デジタルガス調整装置(22、23、図6及び7参照)は試薬ガスフィードに接続される。更に、2本のフロースルーガス乾燥機(16、17、図5参照)は乾燥ボックス(12)に接続される。更に2基のフロースルーガス乾燥機はヌクレオチド試薬容器(15、図6参照)を加圧するために使用される試薬ガスフィード及び洗浄溶液の容器(14、図7参照)を加圧するために使用されるガスフィード内に配置されている。
【0053】
図1に示すように本発明の装置は複数の試薬容器を含む。試薬容器は合成反応中の任意の地点で使用される任意の試薬を保持することができる。例えば、試薬容器はヌクレオチド試薬(1〜6)、もう1種の合成溶液(例えば、脱保護剤、酸化剤、活性剤もしくはキャッピング試薬(7〜11))又は、アセトニトリルのような洗浄溶液を保持することができる。ヌクレオチド試薬を保持する4個の試薬容器は、アデニン、チミン、シトシン及びグアニンのようなヌクレオチド塩基の試薬を保持するために使用することができる。第5の容器は最後のホスフェート・ホスホロアミダイト塩基を維持することができ、そして第6の容器は、必要な場合に混合ヌクレオチド塩基試薬として使用することができる。1態様において、試薬容器はヌクレオチド溶液容器又は洗浄溶液容器である。もう1つの態様において、装置は1個の洗浄溶液容器及び1又は複数のヌクレオチド溶液容器を含む。
【0054】
試薬容器は液体試薬を保持することができる。1態様において、試薬容器は防湿性である。防湿性容器は外部環境からの湿気を容器の内部に侵入させない。防湿性容器はステンレス鋼、ガラス又はプラスチックのような防湿性物質からできているか又はそれらでコートされている。試薬容器はまた、それらが保持する物質にも抵抗性である、例えば、アセトニトリルのような溶媒を保持する試薬容器は溶媒抵抗性容器である。
【0055】
使用されている試薬が湿気を含まないことを確保するために、試薬を混合する前に、試薬容器、例えばガラスびんを洗浄し、オーブンで乾燥することができる。びんは乾燥ボックス内で充填され、分子ふるいを添加され、試薬を使用する前に24時間静置される。更に、試薬容器中に挿入される取り込みラインにテフロンフィルターを付加される(added)。これは取り込みライン中に導入され、そして合成プレート中に導入されるふるいからの微細物又は他の小粒子の量を減少する。
【0056】
自動化合成のための閉鎖された連続的無水系を確実にするために本発明の装置中に他の構成部品を含むことができる。例えば、系は合成に送達される幾らか又はすべての化学試薬を貯蔵するための乾燥キャビネットを含むことができる。代表的乾燥キャビネットは防湿性物質から製造され、真空を維持するのに十分な接合部で封止されることができる。このような閉鎖された系のキャビネットは、乾燥剤の注入用圧力ポンプ及び圧力の維持のための真空ポンプ又は双方のような調整用構成部品との接続のために取り付けられる入り口及び出口をもつことができる。乾燥キャビネットは更に、任意の弁、デジタル調整装置あるいは、閉鎖された連続的無水系の調整又は維持のための、装置の他の構成部品又は部分に対して本明細書に記載される他の構成部品を含む又はそれらに取り付けることができる。更に、乾燥キャビネットは例えば、試薬を充填させる1、2又は3又はそれを超える正面のアクセスドアを含むことができる。系の乾燥キャビネット内の閉鎖された連続的無水環境の維持及び調整は例えば、操作前、その間又はその後にキャビネットをとおる乾燥窒素、アルゴン又はヘリウム又は他の無水ガスの一定の流れを発生することにより達成することができる。このような乾燥キャビネットは系操作のこれらの各相の期間中、試薬又は他の合成物質を連続的乾燥環境中に維持させる。乾燥キャビネットはまた、例えば、他の補助的構成部分を含むか又は他の補助的機能を実施することができる。例えば、乾燥キャビネットは二次的流出封じ込め物又は火災防御物を含むことができる。連続的無水状態を更に維持するためにキャビネット中に固形乾燥剤を導入することもできる。
【0057】
ガラス容器は例えば、以下のプロトコールを使用して洗浄することができる。液体及びアミダイトを保持するための任意のサイズ、例えば、4L、950ml及び450mlのアンバーコートびんは以下のように洗浄することができる。びんを、ACS試薬等級のアセトニトリルで4回、ACS試薬等級のアセトンで2回、次にACS試薬等級のメタノールで2回すすぐ。すじが見えなくなるまで、びんの外側をふき取る。2〜3分間びんを逆さにして空にする。24時間、65℃以上のオーブン中に逆さに置く(ペーパータオル上に置く)。
【0058】
ホスフェートホスホロアミダイト又は特製アミダイトを保持するための試験管又は注文ガラス容器は例えば以下のように洗浄することができる:熱水中で試験管ブラシをすすぐ。Micron−90で試験管をこする。Micron−90溶液中に再度入れ換える前に試験管ブラシをすすぐ。次に脱イオン(dI)水の熱水中でガラス容器をすすぐ。ガラス容器をACS試薬等級のアセトニトリルで4回、ACS試薬等級のアセトンで2回そして次にACS試薬等級のメタノールで2回すすぐ。外側をふき取る。24時間、65℃以上のオーブン中に逆さに置く(ペーパータオル上に置く)。
【0059】
合成反応に使用される試薬は例えば、Cruachem(Dulles,VA),Beckmann Instruments(Fullerton,CA),ABI(Foster City,CA)及びGlen Research(Sterling,VA)から購入可能である。ホスホロアミダイトは典型的には50グラムの量の粉末形態で配達され、乾燥アルゴン又は窒素を充填された別々のグローブ・ボックス中の例えば、950mlの試薬びん中に無水アセトニトリル(0.0002%HO;>10ppmHO)で直接希釈することができる。これは20−量体の10回の2プレート実施に十分量の試薬を提供する。
【0060】
アミダイト塩基は以下のように調製することができる:作業はフード内に配置された無水グローブ・ボックス内で実施することができる。第1に、必要な試薬:例えば、Annovis(950mlびん)からのアミダイト(A、G、T、C)及び例えば、EM Scienceからの無水アセトニトリル(950mlびん)を集める。これらの品物を乾燥ボックス中に入れ、閉鎖する。湿度モニターが0〜2%相対湿度に達するまで窒素ガス及び「急速パージ」のスイッチを入れる。次に上部の弁を閉鎖し、無水グローブ・ボックス内で10psiで、より低い流速で窒素パージを継続する。
【0061】
作業濃度は1gの無水ホスホロアミダイト/16〜19mlの無水アセトニトリル溶媒である−無水アセトニトリルを50〜60グラムの無水A、G、C又はTホスホロアミダイト粉末を含有する950mlびんの首に注入する。びんを激しく震盪して、ホスホロアミダイト粉末を溶液中に懸濁させる。アミダイトが完全に溶解するまで待ち、次に各びんに約50グラムのゼオライトを添加し、蓋をする。びんに日付を付け、ロット番号を記す。無水グローブ・ボックスから取り出し、合成装置上に無水アミダイト溶液の試薬びんを置く。A、T、G及びCは無水アセトニトリル溶媒中への無水A、T、G、Cアミダイト粉末の懸濁後約2週間、使用することができる。
【0062】
ホスフェート・ホスホロアミダイトは以下のように調製することができる。作業はフード内に配置された無水グローブ・ボックス中で実施することができる。このアミダイトは実施が完了後に調製することができる。第1に、−80℃の冷凍庫から5’−CEホスホリル化ホスホロアミダイト(Cruachemからの0.5g又は1.0gいずれかのびん,DMT非含有)を取り出し、無水グローブ・ボックス内に入れる。グローブ・ボックス内に更に無水アセトニトリル、化学的に抵抗性のシリンジ、21ゲージの針、清浄な乾燥したアンバーコートされた注文ガラス容器(50又は15mL)及び蓋を入れる。湿度モニターが0〜2%相対湿度に達するまでアルゴン又は窒素及び「急速パージ」のスイッチを入れる。弁を閉鎖し、無水ガスのパージを減少する。包装を開封する。正確な濃度は0.5g無水ホスホロアミダイト/8ml無水アセトニトリル溶媒である。カップリングを2倍にするために−ウェル当り100μlの2倍には、どのくらいの量のこの溶液が必要か、を計算する。96ウェルのプレートに対して、これは19.2ml(安全のために22mlを加える)である。シリンジ(10〜20cc及び21ゲージの針)を使用して、無水アセトニトリル溶媒をそれら自体の包装物内でアミダイトに移す。アミダイトを室温で10分間溶解させる。注文の円錐形の50mlのアンバーガラスを無水窒素でパージする。各液滴を得るために、5’−溶液からの隔壁蓋を外すことにより、清浄な、乾燥ガラス容器に溶液を移す。蓋をする。d5位置のアセトニトリル洗浄びん又はオーブン乾燥した空のびんを取り出す。d5位置に注文ガラス容器を置く。びんの蓋は必要な、できるだけ短時間だけ開ける。無水ホスフェート・ホスホロアミダイト1〜2mlでラインをプライムする(prime)。古いホスホリル化試薬と混合しない。5’−ホスフェート・ホスホロアミダイト試薬は1時間以内、合成装置上にある。
【0063】
図1に示すように、本発明の装置は乾燥ボックス(12)を含む。乾燥ボックスは自動ポリヌクレオチド合成装置の合成プラットホーム上に配置することができるフードである。次に合成プラットホームが乾燥ボックスの底部になる。乾燥ボックスが合成プラットホーム上に封止されると、それは合成プラットホームの周囲の閉鎖された連続的系の一部になることができる。乾燥ボックスは幾つかの物質、例えば、湿気及び溶媒抵抗性物質(例えば、Pyrexガラス、ステンレス鋼、ポリプロピレン)から構成するか又はテフロンを使用することができる。1態様において、乾燥ボックスは防湿性物質から製造され、ポリヌクレオチド合成のための閉鎖された連続的無水系を提供するように合成プラットホーム上に封止される。図1に示される乾燥ボックスは、合成プラットホームを含む乾燥ボックスの内部を見るために使用することができる、ガラスの観察窓(図1に示される109、110、111、図2D中の120及び図4A中の121)を含む。
【0064】
乾燥ボックスはまた、図1に例示されたもの以外の様々なディメンション及びサイズをもつようにデザインされ、構成されることができる。例えば、乾燥ボックスは合成機械、構成部品、試薬及び溶液のために十分な空間を許しながら、その容量を最小にするように構成することができる。乾燥ボックス容量の最小化は合成環境内の湿気の量を減少し、従って無水条件に対する調整的管理を増強する。乾燥ボックスの容量及びディメンションは自動化合成装置のスタンド又は他の部品のディメンションに適合するように修飾することができる。閉鎖された連続的無水系を維持するための本発明の装置に有用な乾燥ボックス容量の特別な例は102l、70l又はそれより小さい。
【0065】
本発明の装置の乾燥ボックス中に取り入れることができる他の構成部品には、操作中に閉鎖された連続的無水系の完全性を維持する特徴物が含まれる。例えば、気密及びグローブによるアクセスは、閉鎖された連続的無水環境と妥協することなしに、オペレーターに操作中に系に伴うどんな問題でも対処させ、並びに系中へそして系から合成プレートを出し入れさせる。このような特徴物は、それがどんな特定の操作中でもすべての試料又はマルチウェルプレートを妨害したり又は台なしにすることなしに、同時に、操作、完成した合成物の取り出し又は新規合成物の導入を許すので、多数のマルチウェルプレートの同時合成期間中に有益である。
【0066】
本発明の装置は幾つかのシール、例えば、乾燥ボックスと合成プラットホーム間のシール及び接合具と容器間のシールを含む。シールは気密接続体を形成するクロージャー(connectors)を意味することが意図される。シールは例えば、ガラス、プラスチック又は金属との気密な接続体を形成することができる任意の物質から作製することができる。更に、シールは溶媒低構成物質から作製することができる。封止物質には例えば、ゴム、TYGON又はシリコーンが含まれる。1態様において、本発明の装置中の接続体は湿気の侵入を排除するために封止されている。もう1つの態様において、接続体はシリコーンのコーキングで封止されている。更なる態様において、接続体は二重封止されている。
【0067】
装置中で使用されるシールは気密接続体を維持するのに十分に強力でなければならない。シールの強度は例えば、真空又は特定強度の圧力を維持するその能力により測定することができる。本発明の装置の封止された接続体は100psiを超える、75psiを超える、50psiを超える又は25psiを超える圧力を維持することができる。1態様において、本発明の装置の封止された接続体は25psiを超える圧力を維持することができる。
【0068】
乾燥ボックスの継ぎ目は内側及び外側に二重封止され、そしてアクセスドア上のガスケットはシリコーンシーラーで補強されている。更に、ケーブルの結合具(couplings)は封止され、注入ラインに供給するために使用される開放チューブ結合具はシリコーンゴムの封止物を使用して封止される。
【0069】
本発明の装置は乾燥ボックス内に湿度計を含む。湿度計は例えば、デジタル湿度計であることができる。湿度計は内部の乾燥ボックス湿度を現在時で系により連続的にモニターさせることができる。次にこのデータを手動又は自動的にコンピューター中に供給して、合成を開始する前の前以て決められた期間待機するように妨げられる時に、いつ合成を開始するべきか決定するために使用することができる。例えば、乾燥ボックス内の湿度が1%以下の湿度である時には合成を開始するようにプログラムすることができる。更に系は、湿度が特定量を超える場合にオペレーターに警告し、必要なら合成反応を中断させることができる。
【0070】
合成乾燥ボックスの湿度含量が高すぎると、反応が開始できない又は進行することができないので、合成反応の効率は湿度計の追加により改善することができる。更に、設定された期間の代わりに、湿度レベルに基づいて合成反応を開始することは、許容レベルへの湿度の低下に要する時間が設定時間より短い場合には、合成反応を速めることができる。例えば、Dickinson Model TP120 SN 02221347のような湿度計をDickinsonから購入可能である。
【0071】
図1に示されるように、本発明の装置は試薬容器(1〜11)、乾燥ボックス(12)及び化学薬品注入ライン装置(13、118、119)を含む。装置の様々な構成部品を接続するチューブは図5〜8に示される。チューブは例えば、湿気及び溶媒抵抗性チューブであることができる。プラスチック及びTYGON、テフロン及びポリプロピレンチューブのような幾つかのタイプの防湿性及び溶媒抵抗性チューブが当該技術分野で知られており、市販されている。例えば、該装置に使用されるチューブはテフロンチューブであることができる。
【0072】
チューブは様々な方法で試薬容器に接続することができる。例えば、チューブは試薬容器のような、装置の他の構成部品に取り外し可能に接続することができる。これはチューブの早急で便利な調整又は取り替え及び容器の変更を許す。1態様において、取り外し可能な接続体は容器の入り口又は出口のような開口部の外側表面上にチューブを延伸することにより達成することができる。入り口又は出口の外側表面上に延伸されたチューブは弾性のリング又は金属の留め具のような留め具により定位置に保持することができる。更に、例えば、チューブは、片方の端の入り口又は出口のような開口部の外側表面及び他方の端の入り口又は出口の外側表面の周囲を包む外側の覆い(sheath)により定位置に保持されて気密クロージャーを形成することができる。便利な外側の覆いは例えば、TYGONチューブを含むチューブの短い部分であることができる。更に例えば、チューブを様々な容器に接続するためにSwaglok Parker圧力パイプ接合金具(fittings)、ポリプロピレン及びステンレス鋼接合金具を使用することができる。
【0073】
図6に示されるように、本発明の装置は試薬ガスフィード又は、試薬容器を、試薬容器を加圧するガス(58)に接続するライン(例えば、60、63、65、67、68)を含む。1態様において、試薬ガスフィードは湿気及び溶媒抵抗性チューブから作製される。ガスフィードは加圧ガスを運搬するので、適当な強度及び組成のチューブ及びシールが使用される。例えば、ガスフィードは片方の端でSwaglok圧力パイプ接合金具を使用してガスシリンダーに、そして他方の端でSwaglok圧力パイプ接合金具を使用して1又は複数の試薬容器に接続されるテフロンチューブであることができる。試薬ガスフィードはヌクレオチド溶液のような試薬をガスシリンダー、例えば、ヘリウムガスシリンダーに接続することができる。ヘリウムは、送達ライン中の気泡を防止することができる、試薬ボトルを加圧するために使用することができる。更に、試薬ガスフィード(例えば、73、76、78)は洗浄溶液、例えば、アセトニトリルのような試薬をガスシリンダー(71)に接続することができる(図7参照)。
【0074】
幾つかのタイプのガスを本発明の装置に使用することができる。本発明の装置に使用されるガスは安定であるか又はそれら自体に対してほとんど反応性を含まない不活性ガスであることができる。例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン及びラドンのような希ガスは装置内に使用することができる不活性ガスである。更に、窒素のようなガスは不活性ガスとして本発明の装置内に使用することができる。1態様において本発明の装置に使用されるガスは窒素、アルゴン又はヘリウムである。もう1つの態様において、ヘリウムは試薬容器を加圧するために使用され、そして窒素は乾燥ボックス内に使用されている。窒素ガスは例えば、液体窒素(N)の沸騰ジュワーから誘導することができる。窒素を使用することに対する利点はそれが安価なガスであることである。
【0075】
図1で示されるように、本発明の装置は、ガス調整装置が試薬容器内に定圧を維持するデジタルガス調整装置(22、23参照)を含む。1態様において、ガス調整装置はデジタルガス調整装置である。ガス調整装置はリアルタイムで正確にガス圧のレベルをモニターすることができ、ガス圧を一定に維持するためにガスのレベルを調整することができる。一定レベルのガス圧は、所望の値の近位で僅かに変動することができる圧力レベルである。例えば、試薬の容量が低下するに従って、試薬容器内の圧力は変動する。この変化はガス調整装置により早急に検出され、信号が送られ、それが所望のレベルへのガス圧の復帰調整をもたらす。ガス調整装置はガス圧の僅かな変化に早急に反応することができるので、ガス圧の僅かな変化は短時間、経験され得るが、ガス圧のレベルは本質的に一定である。何かの理由で、系内の圧力が特定量より下に低下すると、系はオペレーターに警告し、必要な場合は合成反応を中断させることができる。
【0076】
1態様において、本発明の装置は試薬容器(1〜11)をガス供給材料(supply)(例えば、58、71)に接続するチューブに接続されたフロースルーガス乾燥機(例えば、14、15)を含む。例えば、本発明の装置は試薬ガスフィード(例えば、60、63、65、67、68、73、76、78)に接続されたフロースルーガス乾燥機(14、15)を含むことができる。更なる態様において、本発明の装置はガスシリンダー(38)を乾燥ボックス(12)に接続するチューブ(例えば、40、41)に接続された少なくとも1基のフロースルーガス乾燥機(16)を含む(図5参照)。図5に示されるように、乾燥ボックス(12)の出口にチューブをとおって接続されたフロースルーガス乾燥機(17)を大気に換気することができる。また更なる態様において、本発明の装置は乾燥ボックスガスの出口に接続されたフロースルーガス乾燥機、ヌクレオチド溶液の容器を加圧するために使用される試薬ガスフィードに接続されたフロースルーガス乾燥機、及びアセトニトリル洗浄溶液の容器(ジュワーとしても知られる)を加圧するために使用される試薬ガスフィードに接続されるフロースルーガス乾燥機を含む。
【0077】
乾燥ボックスのガスの入り口及び出口に接続されたフロースルーガス乾燥機は、液体窒素ジュワーから乾燥ボックス中に導入されているガスが前以て乾燥されること及び乾燥ボックス廃棄物から逆流により、ほとんどから全く湿気が導入されないことを確実にすることを補助するために使用することができる。試薬ガスフィードに接続されたフロースルーガス乾燥機は、湿気が確実に試薬又は洗浄化学薬品中に導入されないように補助する。
【0078】
フロースルーガス乾燥機は乾燥物質を含むことができる。更に、乾燥性物質は湿気含量を減少するために、乾燥ボックス内又は他の任意の場所に配置することができる。乾燥剤は湿気吸収物質である。多数の乾燥剤が当該技術分野で知られており、市販の、例えば粘土基材物質及びゼオライトである。市販の乾燥剤には、例えば、Drierite及びSiliporite NK10Fが含まれる。1態様において、本発明の装置に使用される乾燥物質は五酸化リン及び水酸化ナトリウムである。もう1つの態様において、本発明の装置に使用される乾燥物質はDRIERITE及び5Aの分子ふるいである。
【0079】
フロースルーガス乾燥機は、ガスラインから湿気、不純物及び粒状物を除去するための表示するDRIERITE及び5A分子ふるいを充填された、例えば、DRIERITE Gas Purifierである。このようなガス精製装置は圧縮タイプのチューブの留め具を使用して取り付けることができる。青からピンクへのDRIERITEの色彩変化が乾燥能の枯渇を示す。DRIERITEは既知の方法により取り替える又は再生することができる。5A分子ふるいは5オングストローム未満の有効分子直径をもつ不純物を除去する。DRIERITE Gas Purifierは市販されている。それは成形ポリカーボネートから作製されたカラム及びo−リングガスケットを付けたポリカーボネートキャップを有する。DRIERITE及び分子ふるいはフェルトのフィルター間の定位置に固定されている。床支持体及びコイルのばねはステンレス鋼であり、出口フリットは40ミクロンである。カラムのディメンションは2 5/8インチ(6.67cm)×11 3/8インチ(28.9cm)である。接続体は1/8インチ(0.32cm)のステンレス鋼の雄型チューブ留め具である。推奨最大作業圧力は100psigであり、水タンク容量は25グラムである。推奨流量は最大効率に対して300リッター/時間までである。
【0080】
本発明の装置は合成プレート真空チャックと廃棄物容器間に少なくとも1個のインラインソレノイド弁(24、25)を含むことができる。これらの通常は閉鎖されたソレノイドは主真空系により活性化され、プレートが空にされた後に、合成フィルタープレートから廃棄物容器を隔離するために働くことができる(図8を参照されたい)。これは廃棄物容器を均等化から防止し、容器を連続的陰圧(真空)下に維持させることができる。もたらされる効果は、系が最初に廃棄物容器をポンプで真空にする必要なしに、合成プレートを即座に真空にすることができることである。もう1つの態様において、本発明の装置は、均等化を防止するために経路変更しそして、迂回される三方真空入り口ソレノイド弁(26、27)をもつことができる。Welchの自動洗浄テフロンdrg Vacuum System Model 2025のような高強度真空系を本発明の装置に使用することができる。
【0081】
合成プレートを固定するために使用されるチャックは標準の合成装置におけるより深い回収ボールをもつように修飾することができる。例えば、チャックは8mm、より深い回収ボールをもつように修飾することができる。この修飾物は、試薬が反応段階中にフィルタープレートをとおって漏洩する場合に、試薬がボールを充填しないで、フィルター合成プレート中の異なる合成ミクロウェルを交差汚染させないので、有用である。
【0082】
本発明の装置は、生成されるポリヌクレオチド生成物の品質を高めるために、ポリヌクレオチド合成装置と連動して使用することができる。従って、本発明はまた、a)複数の防湿性試薬容器、b)自動ポリヌクレオチド合成装置の合成プラットホーム上にシールを形成することができる乾燥ボックス、c)乾燥ボックスに試薬容器を接続する防湿性チューブ、d)そこでガスが試薬容器を加圧する、試薬容器をガスに接続する試薬ガスフィード、e)そこでガス調整装置が試薬容器内の定圧を維持する、試薬ガスフィードに接続されたデジタルガス調整装置及びf)ポリヌクレオチド合成装置、を含む、自動ポリヌクレオチド合成のための閉鎖された連続的無水系を維持するための装置を提供する。
【0083】
以前に説明されたように、前記の装置中の接続体は例えばシリコーンコーキングを使用して湿気の侵入を排除するように封止することができる。更に封止された接続体は100psi強度を超える圧力を維持することができる。更に前記のように、試薬容器はヌクレオチド溶液の容器又は廃棄物溶液の容器であることができ、そして1態様において、試薬容器は洗浄溶液の容器であり、そして1又は複数のヌクレオチド溶液の容器である。装置は更に、乾燥ボックスに乾燥試薬を配達する試薬容器を加圧するチューブに接続され又は試薬ガスフィードに接続された少なくとも1基のフロースルーガス乾燥機を含むことができる。更に、装置は湿度計を含むことができる。
【0084】
当該技術分野で知られた幾つかのポリヌクレオチド合成装置は注文製造及び市販品双方が本発明の装置中に取り込まれることができる。1態様において、本発明の装置は本発明の装置に取り付ける又はその部品であることができる、Rayner等、(Genome Resezrch 8:741−747(1998)に記載されたようなヌクレオチド合成装置を含む。
【0085】
ポリヌクレオチド合成装置は標準のホスホロアミダイト化学反応を使用して1回の実施でポリヌクレオチドの2枚の標準の96−ウェルのプレートを合成することができる。機械は1枚のプレート中で標準の、変質した(degenerate)又は修飾されたポリヌクレオチドの組み合わせ物を生成することができる。実施時間は20−量体の2枚のプレート及び40nMの反応規模に対し約17時間以下であることができる。反応容器は各ウェルの底部に穴を開けた、標準のポリプロピレンの96−ウェルのプレートであることができる。本発明の装置に使用することができる他のサイズの反応容器には例えば、当該技術分野で周知のマルチウェルフォーマットをもつプレートが含まれる。例えば、xyテーブルはプレート1枚当り例えば、96,192,384,1152又は1536ウェルをもつマルチウェルプレートを収納するように拡大又は縮小することができる。更に、単一の又は複数のマルチウェルプレートを本発明の装置に使用することができる。有用な数のマルチウェルプレートは例えば、1、2、3、4、5又は6又はそれより多いマルチウェルプレートであることができる。本明細書に提供される教示及び指導を与えられると、当業者は、1〜多数のマルチウェルプレートを収納するために、xyテーブル、ソフトウエア制御系又は注入系をどのように調整するかを知るであろう。
【0086】
96−ウェル反応容器を例示する前記の特定の例において、2枚のプレートを別の真空チャック中に入れ、xyテーブル上に固定する。各ウェルを順次、適当な試薬注入ライン下に配置して、専用弁を切り替えることにより試薬を注入する。例えば、本発明の装置は合成実施のために例えば、96−ピン注入系を使用することができる。96−ピン注入系は、各合成段階において注入されるすべての「満杯のプレート」の試薬を
単一の注入系を連続的にとおさずに、12注入装置のバンクを介して送達させる。試薬のこのような平行した分配は連続的分配に比較して、系に、より短時間で合成段階を実施させる。更に、注入ヘッド上の利用可能な洗浄ラインを増加することができる。例えば、洗浄ラインの数を例えば、12から24に増加することは複数の機能に対するラインの使用を減少するので、それにより合成時間を減少する。更に注入装置は宝石を備えた先端をもつミクロ注入装置であることができ、更に注入物の流れの精度を高め、送達容量を低下させる。機械操作は、始動及び停止方法について使用者を指導するコンピューターにより制御され、走行の状態に対する連続的アップデートを提供し、そして定期的に実行することができる多数のサービス手順を容易にさせる。
【0087】
Rayner等(上記)により記載されたポリヌクレオチド合成装置の外に、多数のポリヌクレオチドの早急な合成に利用可能な他の高処理量ポリヌクレオチド合成装置が存在する。例えば、Lawrence Livermore National LabのHuman Genome Centerにより設計され、構築されたポリヌクレオチド合成装置は多チャンネルフォーマットを使用する(Sindelar and Jaklevic,Nucleic Acids Res.23:982−987(1995))。この系もまたホスホロアミダイト化学反応を使用するが、各実施に対し、12個のポリヌクレオチドに限定される。Stanford UniversityのGenome Centerで設計され、構築されたポリヌクレオチド合成装置のAMOSは同様な化学反応を使用し、MerMade合成装置(Lashkari等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:7912−7915(1995))と同様な反応規模で96−ウェルのフォーマット中に直接合成する。
【0088】
ポリヌクレオチド合成装置は約3×3フィート(91×91cm)の面積及び6ft(182.9cm)の高さのスタンドをもつことができる。合成試薬は標準の加圧溶媒びん中に、機械の上部に貯蔵することができ、機械の中心部分に配置された合成室にテフロンラインにより運搬される。機械を制御している電子機器及びコンピューターは都合に応じて、主要枠組みの内側又は外側のいずれかに配置することができる別のカート中に配置することができる。2個のアルゴンタンク(びんの圧力及び不活性合成環境を提供するための)を枠組みの側部に固定することができる。機械はLabView(National Instruments,Austin,TX)中に書かれた制御プログラムを走行するMacintosh Quadra 950により操作することができる。プログラムはオペレーターに始動及び停止法を指導し、使用者に連続的にアップデートした系状態を提供しながら、合成工程を制御する。更に、合成のソフトウエアは本明細書に記載されたあらゆる様々な態様を収容するか又は、試料合成の機能又は速度を促進するように修飾又は開発することができる。例えば、合成試料の平行した又は同時の処理を本発明の装置に使用することができる。同時の処理はそれが各プレートに必要な合成時間の量を短縮するために、有益である。
【0089】
合成室は3成分:内側の室、外側の室及びxyテーブルからなることができる。2枚の96−ウェルプレートは2個の別の真空チャック内に配置され、それは次に内側の室内に配置され、内側の室は封止され、そしてxyテーブル上に固定される。これを順次、xyテーブルの完全な運動を収容するのに十分なサイズの、より大きな外側の室内に含む。注入ヘッドを外側の室の上部に固定し、コンピューターの制御下にあるxyテーブルが化学薬品注入ヘッドの下方にあちこちプレートを移動させる。化学薬品は水蒸気及び空気の存在に対して特に感受性である(Gait”Oligonucleotide Synthesis:A practical approach”Oxford University Press,New York,N.Y.1984)。2室の組み合わせ物は反応物からこれらの不純物を排除するようになっている。更に、脱ブロック及び酸化ラインからの蒸気によるホスホロアミダイト及びテトラゾールラインのあらゆる汚染を最少にするために、アルゴンの一定流のために、アルゴンを内側の室及び、内側の室の壁の上部と、外側の室の屋根との間の小さな空隙中に連続的にポンプで送る。反応物からの水蒸気及び空気を減少させるために2室の組み合わせ物を使用するオリゴヌクレオチド合成装置と異なり、本請求の装置は1個の連続的な無水の乾燥ボックスの反応室を含む。
【0090】
2枚の合成プレートは各段階後に試薬の化学薬品の排水を許すために2個の真空チャック内に個々に固定することができる。真空チャックはプレートの周囲に一緒にボルトで留められる2個の部品からなる。チャックの下半分はプレートとチャックの間にシールを提供するためのガスケット及び真空に接続される排水ラインを含む。プレートは外側の室の上部の封止可能なアクセスドアをとおって充填する前に真空チャック中に固定することができる。
【0091】
試薬を例えば、化学薬品注入ヘッドを経てウェル中に導入することができる。化学薬品注入ヘッドはアクセスドア(これはまた、各走行の前のヘッドの洗浄を容易にする)の中心に配置することができる。化学薬品注入ヘッドは室内で試薬を担持するための15個のリードスルー(lead−throughs)からなる。6個の注入ヘッドは対である。これらの対の4個はこの段階のテーブルの移動を最少にするためにホスホロアミダイト及びアクチベーターの同時注入のためである。第5のものはキャッピング段階のための2種の化学薬品の注入のためのものである。最後の注入対は修飾又は縮退(degenerate)塩基のいずれかに対するものである。試薬はびんからdcソレノイド弁に、そして弁から1/16−インチ(0.16mm)の直径のテフロンチューブによりリードスルーに送達することができる。チューブがそれをとおってリードスルーに侵入するシールを形成するためにシリコーン封止剤を使用することができる。弁はソフトウエアによりスイッチ切り替えされるソリッドステートの継電器により個々に制御することができる。これらの弁により得ることができる最少の注入容量は<20μlである。しかし、ウェル中の試薬の適当な混合を確実にするために、注入容量は少なくとも60μlでなければならない。
【0092】
合成装置の電子機器は3種の主要な構成装置:モーター増幅ボックス、継電バー及び電力供給ボックス、をもつことができる。xyテーブルのモーターはソフトウエアからモーター増幅ボックスに制御信号を送信する、NuLogic0Lコントローラーカード(NuLogic,Needham,MA)により制御することができる。モーター増幅ボックスは順次、モーターに必要な電圧を送り、モーションリミット及びホーム信号を、カードをとおって制御ソフトウエアに戻す。弁はNational Instuments NB−DIO−96カードにより制御することができる。信号はカードから3バンクの継電器カードに送られる(各カードは8継電器を含む)。2カードは試薬注入のためのDC弁を制御し、第3のカードはアルゴン及び真空系に使用されるAC弁を制御する。モーター及び弁のためのAC及びDC電圧源は電圧供給ボックスにより提供される。
【0093】
合成装置はLabView3.1.1.(National Instruments,Austin,TX)を走行するMacintosh Quadra 950コンピューターにより制御することができる。ソフトウエアは機械の操作を制御する。起動手順は必要な段階をとおってオペレーターをプロンプトする一連のダイアログボックスに従うことにより実行される。機械が一旦走行設定され、合成手順が開始された後には、更なる使用者の介入は必要でない。ソフトウエアがテーブルの動き及び弁操作を処理し、合成工程の状態の連続的アップデートを提供し、そして合成が完了したら、必要な停止段階を実施する。更に、使用者に、様々なサービス及び保守手順(注入容量の目盛合わせ及びプレートの補正及びウェルの位置の再設定のような)を実施されるための一連のオプションが存在する。
【0094】
本発明の装置の一部としての合成装置上のソレノイド弁は以下の方法を使用して目盛補正することができる。
【0095】
コンピューターソフトウエアにおいて、”Calibrate Valves(弁を目盛補正)”を選択し、次に”Load Run Profile(ラン・プロファイルをロード)”を選択する。主室のドアは垂直でなければならない。左側上で出発し、補正したいライン上でクリックする。設定は(1)これは現在の注入時間である、そして(2)これは現在の注入容量/塩基である、とでるであろう。それぞれ、(3)ここに新規の注入時間を入力せよ、そして(4)ここで新規の注入容量を入力せよ、中に設定をタイプする。(5)何回の注入実施を望むか、に対しては次の設定を使用することができる、例えば:120mLに対して5、100mLに対して6、600mLに2、等。ラインをクリアするためには”Inject(注入)”を選択する。ラインがクリーンで直線になると、選択されたラインの下方に透明なエッピンドルフチューブを配置して、”Inject(注入)”を再度クリックする。与えらえた注入時間に実際に送達される量を決定するために、次の式:
(エッピンドルフチューブ中の容量)/(注入の#)
を使用する。
【0096】
容量が次のよう:例えば、dt、dA、dG、dC、d5、actT、actA、actG、actC、act5、capB、deblock(脱ブロック):100mL;Wash(洗浄):650mL;Oxidaizer(酸化剤):80mL;cap(キャッピング) A:120mLであるように必要に応じて注入時間を変更する。維持することが望ましい変更を実施後に、「Save Replace(置き換えを保存)」を選択する。最後に脱ブロックを実施する。「Exit(終了)」、そして次に「Edit Run Profie(実行プロファイルを編集)」を選択する。以下の待機時間、例えば、Deblock Step(脱ブロック段階):50秒;Coupling Steps(カップリング段階)−A、T、G、C及び5:270秒;Capping Steps(キャッピング段階):100秒;Oxidize Steps(酸化段階):70秒をを使用することができる。以下のパージ時間、例えば、Purge(パージ)1:1800秒;Drain(排水):2秒;Purge(パージ)2:1800秒;(1及び2は各室のパージを意味する)を使用することができる。以下の真空時間(vacuum time)、例えば、Drain(排水)1:15秒;Equalization(均等化)1:2秒;Darin(排水)2:15秒;均等化(Equalize)2:2秒(1及び2はプレートを表わす)を使用することができる。
【0097】
合成の実行に必要なパラメーターはコントロールソフトウエアによりアクセスされる1群の簡単なテキストファイル中に保存することができる。これらのファイルは各ポリヌクレオチドの配列並びに注入容量、合成サイクル中の各段階の待機時間、各段階後の洗浄サイクル数についての情報、並びにプレート及びウェルの補正及びxyテーブルのモーター速度/加速度を含む。これらはプレートに対する異なる濃度及び収率を許すために各プレートにつき編集することができる。
【0098】
合成工程は3’から5’末端に向かって実施される。反応は既に結合された第1の塩基を伴って、Controlled Pore Glass support(制御された多孔質ガラス支持体)(CPG)(Prime Synthesis又はGlen Research)を使用することにより開始される。次に、次の塩基をこの支持体に結合させる。反応プレートには2種のオプションが利用可能である。安価な方法は各ウェルの底部に1/64−インチ(0.4mm)の穴を空ける、標準の96−ウェルのプレート(National Lab Net,Woodbridge,NJ)を修飾することである。CPGのための支持体は円形のガラス繊維フリットを(Scienceware,Pequannoq,NJ)〜3mmの直径に切断し、それを各ウェルの底部に置くことにより提供される。あるいはまた、フリットですでにウェル中に充填されたフィルタープレート(Orochem DNA合成フィルタープレート)を使用することである。この装置は僅かにより高価であるが、その価格はプレートの準備における時間の節約により相殺される。両装置において、支持体と穴サイズの組み合わせ物は真空がプレートの下側に適用されるまで、試薬がウェル中に確実に留まるのに十分である。
【0099】
反応パラメーターは、キャピラリー電気泳動法(CE)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及び質量分析法の組み合わせを使用してポリヌクレオチドの品質を評価することにより満足な操作条件に合わせることができる。CE及びHPLC曲線はNの純度%についての情報を提供するが、他方、HPLC曲線は合成工程完了後に、残された残留化学薬品の量を定量するために使用することができる。配列データを読み取った後に、窒素で反応室を充填し、空気を追い出すための第1の30分間のパージ段階が存在する。次にコンピューターは、各ウェルを合成工程中の現段階に適した化学薬品注入ラインと順次整列させるためにxyテーブルを移動させて、対応する1又は複数の弁を操作する。その段階に対する注入が終結すると、反応を完了させるための50〜270秒間の待機時間がある。チャックに対する真空の適用によりプレートから試薬を除去する。各段階後、ウェルをアセトニトリル〜600mlで1又は2回(合成段階に応じて)洗浄して、合成の次の段階の前に、確実に未使用試薬が除去されるようにする。
【0100】
フィルタープレートを充填するためのプロトコールは以下である:
各タイプのCPGに対して、フィルターから20mlのAerosol PE barrier Tipの1〜3mmを切断する。CPGをOrochem合成フィルタープレートの各ウェルに移動するために、移動ピペット(各塩基に対して1本)及び電気ピペットエードを連動して使用する。標準CPGに対しては、使用されている各ウェルにCPGを0.003g(40nモル規模、乾燥充填法)を添加することによりフィルタープレートを準備する。ポリヌクレオチドの3’末端で塩基(A、T、G、C)に対応するCPG−塩基(A、T、G、C)を確実に使用する。真空チャック中にOrochem合成フィルタープレートを置き、ドリル及び六角ビットを使用してボルトで固定する。廃棄物チューブが上部にあり、ウェルA1は左下の角にあるように真空チャックを配置する。ドリル上の把握は最小のトルク設定でなければならない。ボルトを直角に締める。シリンジを使用して、各ウェルの側部のCPGをアセトニトリルで洗い落とす。汚染を回避するために針でCPGに接触しないように注意する。プレートをフォイルのシールで覆う。CPGを含むウェルのフォイル上にマークする。
【0101】
コンピューター上の実行を設定するためのプロトコールは以下である。
【0102】
最初に、Welchのテフロンの乾燥真空ポンプのスイッチを入れる。ソフトウエアプログラムを使用して、「Home Teble(ホームテーブル)」、次に「Injection Head Test(注入ヘッドテスト)」を選択する。2lゲージの針及びシリンジに無水アセトニトリルを充填する。注入ラインの末端をクリーンにし、末端を均等(even)にする。「Inject all Left(左側すべてを注入)」、「Inject Wash(洗浄物を注入)」及び「Inject all Right(右側すべてを注入)」を選択することにより、主要なデブリー及び気泡のラインをクリアにする。以前に説明されたように弁を目盛補正する。乾燥ボックスに、ポリプロピレン(pp)トレーに新鮮な五酸化リン(P)を添加する。ソフトウエアのAlign Page(整列ページ)上で、d6位に行く。古いP及び水酸化ナトリウム(NaOH)を除去する。
【0103】
以下の設定及び実行コンポーネントを設定することができる。「Cycles(サイクル)」上で、以下のパラメーター、例えば、WASH:Prewash(前洗浄)、Deblock(脱ブロック)、Coupling(カップリング)、Capping(キャッピング)=1,Interim Deblock(中間脱ブロック)=0;Oxidize(酸化),Final(最終)=2、b)#Deblock Steps(#脱ブロック段階)=2、c)#Final Deblock Steps(#最終脱ブロック段階)=2、d)#2nd Capping Steps(#第2回最終キャッピング段階)=1、を設定することができる。実行で使用されるであろうプレートを選択する。CPGのタイプが適切に設定されていることを確認する、例えば、標準のCPGを使用している時は、「標準」(標準のCPGは第1塩基を含む)を選択する。Extra Coupling Options(追加のカップリングオプション)に対してはdA、dG、dT、dC及びd5に対するカップリングサイクル数が2である。dA、dG、dT、dC及びd5に対するアクチベーターと塩基注入間の遅れは10ミリ秒であることができる。d6〜d10を使用しない限り、これらは0に設定しなければならない。カップリングの待機時間は270秒に設定することができる。5’ホスホリル化されているポリヌクレオチドに対しては、これらのウェルに対しDMT ONを選択する。これを必要としないプライマー又はポリヌクレオチドに対しては、DMT OFFを選択する。窒素が流れていること及び、実行を完了するのに十分存在することを確認する。
【0104】
Alicat弁は例えば、アセトニトリルジュワーが2.50psiに加圧され、そして試薬びんが4.0psiに加圧されるように設定することができる。あらゆる結晶を洗い落とすために、必要な場合はシリンジを使用してアセトニトリルで注入ヘッドをすすぎ、乾燥する。アセトニトリルジュワーから誘導しているライン中に気泡がないことを確実にするために、各注入ライン上で個々にクリックすることによりラインをパージする。視覚観察により、弁、試薬びん,真空びん及びラインにおける漏洩を確認する。プライムする時は(priming)一度に1本のラインをプライムする(廃棄物排水ラインを含む)。各注入ラインにパルス数を入力する。30ミリ秒間に、アクチベーターラインに対して2、そしてアミダイト及びホスホリル化試薬に対して1のデフォルト設定を使用することができる。機械上の所定位置にOrochem合成フィルタープレートを含む真空チャックを配置し、良好なシールを得るために手動で締める。CPG含有ウェルからフォイルを外し、洗浄を実施する。残留CPGを洗い落とすために2〜3回反復する。合成装置を走行する前に、相対湿度(RH)が1.0%RH以下になるまで待機する。走行が完了すると、プログラムを終了して、最起動する。「Set Up Run(実行設定)」に戻る。混合し、5’ホスホリル化するアミダイト試薬を添加する。5’ホスホリル化されないポリヌクレオチドが存在する場合は、それらは最初の実行時にDMTをオフにしていたにちがいないことに注意されたい。5’ライン、キャップライン、脱ブロックライン、関連アクチベーターライン、酸化剤ライン及びアセトニトリルラインをプライムする。Run(実行)ボタンをクリックする。
【0105】
ヌクレオチドの開裂及び脱保護のプロトコールは以下である:
合成が完了後、合成装置から真空チャックを取り出し、チャックからポリヌクレオチド含有フィルタープレートを取り出す。合成完了後に真空チャック中に残された有機廃棄物があるかも知れないので、フィルタープレートを外す前に廃棄物を空ける。廃棄物を除くためにペーパータオル上にOrochemの合成フィルタープレートの先端をブロットする。進行する前にそれが完全に乾燥していることを確認する。Orochemの合成フィルタープレートを深いウェル、例えば、2mlの、深いウェルの丸底Nunc回収プレート中に入れる。深いウェルの回収プレートに日付、ポリヌクレオチドのバッチID、合成装置及びウェル番号を標識する。各ウェルにアンモニアメチルアミン(AMA)(水酸化アンモニウム:メチルアミン(1:1),4℃で保存、1週間有効)200mlを添加し、室温で5分間インキュベートする。水酸化アンモニウムACS試薬を例えば、Sigma(A−6899)から得ることができ、水中メチルアミン40重量%溶液を例えば、Aldrich(42,646−6)から得ることができる。フィルタープレート中のミクロウェル中のCPGが乾燥するように窒素を通気する。圧力をかけながらゆする運動は液体をフィルターに強制的にとおすことを容易にすることができる。反復する。2.0mlの深さのウェルの回収プレートにAMA100mlを直接添加する。CPG含有Orochem合成フィルタープレートを廃棄する。回収プレートを例えば、注文のアルミニウム加熱ブロックのチャック中に、清浄な96ウェルNuncシリコーン封止剤で固く封止する。プレートの上部にもう1個のスペーサー(へこみをもたない)を配列し、チャック中に入れる。ねじを締める。オーブンを65℃に前以て加熱する。65℃で45分間インキュベートする。45分後、インキュベーターからアルミニウム加熱ブロックのチャックを取り出し、即座に−80℃の冷凍庫中に約1時間入れる。
【0106】
ポリヌクレオチドの凍結乾燥及び再懸濁のプロトコールは以下である:
バランスプレートをもつSpeed Vac中に回収プレートを入れる。他のすべてのスチッチを入れる前に、両方の蒸気トラップを約24時間冷却させる。高度真空のオイルポンプ[10−4Torr]の油ボックスを、パージしている液体窒素ジュワーからの液体窒素ガス沸騰をスチッチオンにする((少なくとも10psi及び最小の設定)。Speed Vac(急速真空化)のスチッチを入れる。底部の弁はオンの位置にあって、真空を引いていなければならない。Speed Vacが最高速度にある時は、抽気(bleed)の矢印が左側にあるように、弁を時計回りに回転することにより上部の弁をゆっくり開く。プレートが乾燥すると、空気を入れるために上部の弁をゆっくり抽気する。次にSpeed Vac及び底部の弁のスイッチを切る。ポリヌクレオチドはふわふわした白色−淡黄色のプラグ様に見える。多チャンネルピペットを使用し、150mlの滅菌、濾過(0.2ミクロン)そしてオートクレーブ処理した18メガオームの滅菌MilliQ水を各ウェルに添加し、プレートをフォイルで封止する。ポリヌクレオチドのプレートを低速で30分間、渦の上に置いて再懸濁させる。
【0107】
生成された各ポリヌクレオチドを、その品質を検査することができるか又は生成されたポリヌクレオチドの試料採取を選択し、例えば、Beckman P/ACE MDQ96−ウェルCE、HPLC又は質量分析計上で品質を試験することができる。純度はポリヌクレオチドの主要ピークあるいはCE又はHPLC曲線のNの面積の百分率を採ることにより計算される。
【0108】
BioTek PowerWave HTを使用するオリゴヌクレオチドの定量は以下のように実施することができる。
【0109】
多チャンネルピペットを使用してプレート(未精製オリゴ糖)を「ストック」するために、目盛合わせしたMultiChannel Pipette(多チャンネルピペット)でUV 96−ウェルプレート(例えば、Costarからの)中に各オリゴ3mlを入れる。PAGE/Desalted(脱塩)プレートに対しては試料10mlを入れる。各ウェルに297mlの18 MOHM MilliQ滅菌水(MQHO)を添加する(1/100希釈)。ブランクのウェルが一列中に残る場合は、300mlのMQHOを各ウェル(少なくとも3ウェル)に添加する。そうでない場合は、300mlのMQHOを全体の次の空の列に添加する。PAGE/Desalted(脱塩)プレートに対して、1:10希釈率で90mlの水を添加する。充填した96ウェルのプレートに対して、試料及び水をプレート上のA1〜G12中に、そしてH1〜H12中にはブランクを充填する。もう1枚のプレートには試料及び水をH1〜H12中に、そしてG1〜G12中にはブランクを充填する。
【0110】
右上角にA1を伴って、プレートを分光光度計、例えば、BioTek Spectophotometer中に配置する。DNAに対する260及び280の波長における光学密度を決定するために、分光光度計に関するソフトウエアを使用する。例えば、試料プロトコールは次のパラメーターをもつことができる:Reading Type(読み取りタイプ):端点(endpoint);Wavelength(波長):1=260,2=280;ReadMode(読み取りモード)=通常、Plate(プレート):Type(タイプ)=96ウェル、Size(サイズ)=8×12、First Well(最初のウェル)=A1、Last Well(最後のウェル)=H12;Shaking(振動):強度=0、期間=0;温度調節;なし、遅延時間=00:00:00;PreReadings(前読み取り):経路長補正波長。Sample+Water(試料+水)を含有のウェルに対しては、Type(タイプ)の引き下ろしメニュー中のSample(試料)を選択する。Blancs(ブランク)を含有する列のものに対しては、Type(タイプ)をBlkに替える。プレートを読む。ソフトウエアは保存することができるMicrosoft Excel(マイクロソフトのエクセル)のワークシートを作成することができる。
【0111】
ポリヌクレオチドの質量分析法のプロトコールは以下である。
【0112】
MASS SPEC PROTOCOL v.1.1
I.試料の準備
凍結乾燥したストックの合成プレートに、濾過し、オートクレーブ処理した水18 MOHM dI水150mlを添加する。フォイルで封止し、再懸濁するまで30分間震盪する。前記の方法を使用して、例えば、BioTek−PowerWaveHTを使用してオリゴヌクレオチドを定量する。ファイルのOD260経路長補正カラムをコピーし、それをExcel(エクセル)ファイル及びCSVファイル上のOD260中に張り付ける。csvファイルはPackard Multiprobe II ex液体処理装置を制御するために使用されるファイルである。Excel(エクセル)ファイルを印刷し、プロジェクトフォールダーをMALDI下に入れる。Packardを使用のために準備する(マニュアル参照)。
【0113】
Packardのファイル”Maldi water only(Maldi水のみ)”を開く。プレート例えば、Abgeneプレートをデッキ上の適当な位置に配置し、水桶の蓋を外す。96未満のウェルに対し、デッキ上のプレートの輪郭を修飾する。「(Execute)実行」を選択する。プロンプトされる時に正しいCSVファイルを呼び出す。Packardの水添加が完了すると、プレート中にストックのポリヌクレオチドの適当量をピペット添加するために多チャンネルピペット及びフィルターの先端(tips)を使用する。フォイルで封止し、穏やかに渦撹拌し、次に400gで60秒間、SpeedVac(真空ではない)又はBeckman plate Centrifuge中で短時間スピンする。次の段階まで4℃の冷蔵庫中に入れる。
II.Samsungスポッター
スポッター中の埃を回避する段階を採る。KimWipe及び必要な場合はメタノールで払拭する。2枚の偵察プレートにチップがないことを確認する。ソフトウエアプログラムを開く。Rinse Tank(リンスタンク)、(Sonicator)Wash Tank((音波処理装置)洗浄タンク)及びWaste Tank(廃棄物タンク)のボックスがすべてグリーンであることを確認する。そうでない時は、供給タンクに脱イオン水を充填することができる。(音波処理)洗浄タンクを脱イオン水とエタノール(又はメタノール又はイソプロパノール)の50:50溶液(容量)で充填することができる。廃棄物タンクを空にし、底部を覆うのに十分なだけの100%ブリーチを添加する。
【0114】
主要ピンの状態調整:
「Home Machine(ホームマシーン)」、次に「Pin Conditioning(ピン状態調整)」を選択する。Sonicator Status(音波処理装置状態)下で、「Drain Sonicator(音波処理装置排水)」を選択し、音波処理浴が空であることを確認する。ドアを開けてスポッターデッキにアクセスする。曲ったノズルのスクイーズボトルにより音波処理装置中の浴の上部に100%エタノール(又はメタノール又はイソプロパノール)を注ぐ。ドアを閉める。Pin Conditioning box(ピンの状態調整ボックス)を閉め、エラーログを閉じる。「Pin Conditioning(ピンの状態調整)」の主要ヘッド又は単一ヘッド及び「Start(開始)」を選択する。ピンはアルコール中に降下され、30分間状態調整されるであろう。終結すると、「Drain Sonicator(音波処理装置排水)」及び「Fill Sonicator(音波処理装置充填)」を選択する。ソフトウエアを使用して状態調整の期間を変えることができる。
【0115】
通常の実行−96すべてのウェルがスポットされる−を開始するために:以下の実行設定を使用することができる、例えば:a)Transfer Defition File(定義ファイル移動):96から96、b)Cycle Run(サイクル実行):Auto Run(自動実行)、c)Spotting(スポット実施):Wet Run(湿式実行)、d)Operation(操作):Analyte Only(被検体のみ)、e)Display Warning Message(警告メッセージ表示):Timed Display 30sec.(時限表示30秒)、f)Pin Conditioning Time(ピン状態調整時間):30分。以下のChip Inspection(チップ観察)設定を使用することができる、例えば、a)Check Auto Inspect Chip Position(チップの位置の自動観察を確認する、b)Check Apply Correction(補正適用を確認する)。以下のClean Setting(清浄化クリーン設定)オプションを使用することができ、例えば、a)Clean Cycles(サイクルを清浄化する):1秒(sec.),b)Rinse Time(リンス時間):3秒、c)Wash Time(洗浄時間):5秒、d)Dry Time(乾燥時間):0.2秒、e)Wash/Supply(洗浄/供給):100秒、e)Clean Sequence items(配列製品を清浄化)−すすぎ、乾燥、洗浄、乾燥をオンにする(すべてを確認する)。以下のLoad/Dispense(充填/分配)オプションを使用することができる、例えば、a)Load Time(充填時間):3秒、b)Load Offset(充填補正):1秒、c)Load Speed(充填速度):40mm/秒、d)Disp.Time(分配時間):0、e)Disp.Offset(分配補正):1、f)Disp.Speed(分配速度):80mm/秒。
【0116】
試料(少なくとも50ml)含有MPTを適当な部分に置く。チップ位置#1が右上にあるようにSCOUT(スカウト)プレートを配置する。Sequenom logoは左を指していなければならない。チップを選択されたスポットに配置し、Start(開始)ボタンを選択する。
【0117】
単一ピンによる1対1スポット添加に対して:
Operation Tool(操作ツール)下で、MTP Type(MTPタイプ)及びCHIP Type(チップタイプ)を96に替える。Transfer Definition(移動定義)はSingle Pin Transfer(単一ピン移動)でなければならない。Enable Modify(修飾不可能)を選択し、MTPマップ上で、スポット添加されるウェルを選択する。MTPマップ上の適当なウェルがハイライトされたら、これらの試料がスポット添加されるチップ上のウェルをハイライトする。MTPがCHIPに作図されたら、Save Definition File(定義ファイルを保存)を選択する。OPERATION TAB(操作タブ)、Run Setup Tab(実行設定タブ)上で、Load Method(ロード方法)を選択する。以下の実行設定を使用することができる、例えば、a)Transfer Defition File(定義ファイルを移動):Custom(顧客)、b)Custom Folder(顧客フォルダー)からSinglePin.def(単一ピン定義)をロードする。残りの設定は前記の96から96と同様である。
III.Bruker AutoFlex MALDI−TOF/SpectroAcquire RT
A.Bruker AutoFlex/Oligo Check Version 2.0.0.20/SpectroAcquireバージョン3.0.1.14
ソフトウエア上のFlex Control Methodウインドーから適当な方法を選択する、例えば、50−量体に対して、best test 55mer.parを使用することができる。best test 55mer.parに対して、IS1=20.00kV、IS2=18.30kV、Lens(レンズ)=9.90kV、Reflector(レフレクター)=0.0kV、Polanty=陽性、Detector(検出装置)=限定、PIE=600ns、1500Daまでに抑制。質量分析法の図面上で、レーザーの上部にカーサーでポイントする。圧力は例えば、1500〜1800mbarであることができる。Spectrometer(質量分析装置)タブ上で、高圧(HV)OFFを入れる。MALDI上で、側部のグリーンボタンを押してプローブする。チップ含有SCOUTプレートをトレー中に入れる。トレーの配置に注意し、トレーを閉める。
【0118】
RTソフトウエアを選択し、コンピューターをオンにする。Mass Array Oligo Check Software(大量アレーオリゴチェックソフトウエア)を開く。Oligo Check Caller(オリゴチェックコーラー)、Oligo Check(オリゴチェック)及びOligo Check Acquirer(オリゴチェックアクワイアラー)を選択する。
【0119】
自動実行を実施するために:
Bruker AutoFlex上で、以下の方法を使用することができる。Oligo Check(オリゴチェック)及び、Initialize Maldi Run(Maldi実行開始)を選択する。Initialize Auto Run(自動実行開始)ウインドー中で、プレートの名称を入力し、チップ配置を可能にし、チップ位置を選択し、ブラウズし、そしてインプットファイル:q:\Maldi\年\プレート名 msを入力する。データベースからLoad Maldi Run(Maldi実行ロード)を選択する。Muldi Run Specifier(Maldi実行指定)ウインドー中でALLをクリックする。表われるツリーを開き、実行名を選択する。プレート名を選択し、実行をハイライトする。Submit Maldi Run for Processing(処理のためのMaldi実行服従)を選択し、スポッティングが1:1の場合はSpectroJet、又はすべての6ピンが使用された場合はSpectroPointを選択する。Scoring Mode(評価モード)(SNR)に対しては、以下のパラメーターを使用することができる、例えば、SNR Cutoff(中断):1、Confidence Level(信頼度):0。SpectroAcquireに戻り、Tools(ツール)、Condifure(構成)、Mass Spectometer Method(質量分析法)を選択する。オートランを開始する時にはLoad Method(ロード方法)を選択する。Tools(ツール)メニューからLoad Parameters(ロードパラメーター)を選択し、正しいパラメーターファイルを開く。Auto Run Setup Tab(自動実行設定タブ)上で、それがあるChip Position(チップ位置)の次に、実行のための正確な名称をタイプする。より完全な平均化のために、”Use all Raster positions(すべてのラスター位置を使用する)”を選択する。Run(実行)を選択する。
【0120】
分析するために:
Oligo Check Acquirer(オリゴチェックアクワイアラー)を選択する。データベースからLoad Maldi Run(Maldi実行をロード)を選択し、左側パネルのツリーを介してプレートに移動する。試料を再スポットし、再シュートする必要のあるトレース及び記録並びに失敗したものを調べる。試料を再シュートする必要がある場合は、再シュートされるもののみを映すようにmsファイルを修飾し、マッピングが正しいことを確認する。データを保存するためにJPEGファイルを作成することもできる。
【0121】
手動シュートを実施するために:
RTソフトウエア上で、Tools(ツール)メニューからLoad Parameters(ロードパラメーター)を選択し、例えば、50mer.parを選択する。Manual(手動)コントロールタブに行く。AutoFlexの側部のグリーンボタンを押し、チップを挿入する。グリーンボタンを押してクローズする。チップの配置及びプレートの配置については前記を参照する。Stage Position(位置確認)ボックス中の正しいチップ位置を入力する。ウェル表示(例えば、A1、F3等)により最初にシュートされるスポットを選択する。このデータをRaw Data File(生のデータファイル)下に保存するために、Save Spectrum to a File(ファイルにスペクトルを保存)を選択する。JOGによる矢印を使用して、スポットにクロスヘアを整列させる。Acquire(アクワイア)を選択する。
【0122】
目盛補正するために:
興味対象の長さを括弧にいれて3点サンプルを準備する。例えば、50−量体に対して、45、50及び55を選択する。様々な濃度で混合されたストックオリゴをスポットに使用することができる。例えば、各100mMで開始し、次に希釈する。最大長さに対しては、より短い長さよりも大量を添加することができる。目標は大体同様な強度ですべての3ピークを見ることである。単一ピンを使用して96チップをスポットする。Samsung Spotter上で単一ピンのスポット実施の指示に従い、以前に説明されたように手動でシュートする。シュートを保存する。解析能に対し各スペクトルを概観し、例えば、少なくとも10スペクトルを保持する。
【0123】
各スペクトルにつき、以下を実施する。スペクトルにカーサーをもってきて、マウスを使用して各ピーク上で拡大する。ピークの左側上を左クリックし、ピークの右側までドラッグしながら左ボタンを押し続ける。ボタンを放す。これはピーク上を拡大するであろう。位置決めハンドが表われるまでピークの頂点上にクロスヘアを向ける。ハンド上を左クリックする。頂点を通って垂直点線が下降し、スペクトル上に質量が表われるであろう。下方に「ピーク1」が適当な質量及び高さを伴って形成されるであろう。他のピークについて反復する。3点スペクトルにおいて各ピークにつきこれを実施後、期待される質量をタイプする。カーサーを主要3点頭部に配置し、右クリックする。Calibrate Spectrum(スペクトル修正)を選択する。A、B及びC値が与えられるであろう。すべてのファイルにつき反復する。A、B及びCすべての数値を収集し、平均する。
【0124】
この出願書全体に、様々な刊行物を括弧内に引用してきた。それらの全体のこれらの刊行物の開示は、本発明が関与する当該技術分野の状態をより完全に説明するために、本出願書中に引用によりここに取り入れられている。
【0125】
本発明は開示された態様に関して説明されたが、当業者は、詳説された特定の実験は本発明を具体的に示すだけであることを容易に認めるであろう。本発明の精神から逸脱せずに様々な修飾物を作製することができることが理解されなければならない。従って、本発明は以下の請求項によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】ポリヌクレオチドの自動合成のための装置を示す。図1の装置は、ヌクレオチドのための試薬容器(1〜6)、合成溶液のための試薬容器(7〜11)、ガラスの観察窓(109、110、111)をもつ乾燥ボックス(12)、試薬ビンを合成プレートに接続する個々のソレノイド弁(118、119)をもつ化学薬品注入装置のための枠組み(13)、乾燥ボックスの入り口及び出口に接続された貫通(flow−through)ガス乾燥機(14、15)、ヌクレオチド試薬容器及び洗浄溶液の容器を加圧するために使用される試薬ガスフィード中に配置された貫通ガス乾燥機(16、17)、乾燥ボックスへのガスの入り口(18、19)、貫通ガス乾燥機(17)への入り口(20)及び貫通ガス乾燥機(17)への出口(21)、デジタルガス調整装置(22、23)、合成プレートから有機廃棄物容器へのインラインのソレノイド弁(24)、装置の上部のための枠組み(105)、装置の底部のための枠組み(115)、合成溶液試薬の容器のための枠組み(106、107)及びヌクレオチド試薬の容器のための枠組み(108)、コンピューター(112)、弁を制御する管理装置ボックス(113)、管理装置を遮断するためのキルスイッチ(114)、テーブルの上面(116)並びにソレノイド弁を保持する板の一部(117、図3及び4に、より詳細に示される)を示す。
【図2】図1に示した装置の複数の図を示す。図2Aは平面図であり、図2Bは斜めの角度の図であり、図2Cは正面図であり、図2Dは側面図である。装置の部分は図1と同様に標識を付けられている。図2Dにおいて、合成溶液のための試薬容器7及び8並びにヌクレオチドのための試薬容器1、2及び3は装置の右側上に配置されている合成溶液のための試薬容器9、10及び11並びにヌクレオチドのための試薬容器4、5及び6を示すために取り外されていることに注意されたい。
【図3】図1に示した装置の拡大図を示す。装置の部分は図1と同様に標識を付けられている。図3はソレノイド弁を保持する板(117)及びソレノイド弁(26〜31)の、より詳細な図を示す。
【図4】図4A及び図4Bは、合成プレートから有機廃棄物容器へのインラインのソレノイド弁(24、25)及び有機廃棄物容器への真空入り口ソレノイド弁(26、27)並びにその他のソレノイド弁(28〜31)の位置を示す、図1に示した装置の拡大図を示す。図4Aはまた、ガラスの観察窓(111及び121)をもつ乾燥ボックス(12)を示す。
【図5】乾燥ボックスの環境のガスの流れの拡大図を示す。液体窒素ジュワーからの吹きこぼれを乾燥ボックスのガス追い出しに使用することができる。図は液体窒素ジュワー(38)及びガス調整装置(39)、ガスの出口及び入り口(32、33)をもつ図1からのガス乾燥機(16)、液体窒素ジュワー及びガス調整装置(38、39)を下方のガス乾燥機の入り口(33)に接続するチューブ(40)及び上部ガス乾燥機の出口(32)を主ガス制御ソレノイド弁(28)に接続するチューブ(41)を示す。チューブ(42)は主ガス制御装置(28)を高流量制御ソレノイド弁(30)に接続し、チューブ(44)は高流量制御ソレノイド弁(30)を高流量流量計(37)に接続し、そしてチューブ(46)は高流量流量計(37)を三方接合具(48)に接続する。チューブ(43)は主ガス制御ソレノイド弁(28)を低流量制御ソレノイド弁(31)に接続し、そしてチューブ(45)は低流量制御ソレノイド弁(31)を低流量流量計(36)に接続し、そしてチューブ(47)は低流量流量計(36)を三方接合具(48)に接続する。チューブ(49)は三方接合具(48)を三方接合具(50)に接続する。チューブ(52)は三方接合具(50)をガス入り口(18)に接続し、そしてチューブ(51)は三方接合具(50)をガス入り口(19)に接続する。チューブ(54)はガス出口(35)を三方接合具(55)に接続し、そしてチューブ(53)はガス出口(34)を三方接合具(55)に接続する。ガス入り口及び出口(18、19、34及び35)は乾燥ボックス(12)に接続される。チューブ(56)は三方接合具(55)をガス乾燥機(17)上のガス入り口(20)に接続し、そしてチューブ(57)はガス乾燥機(17)上のガス出口(21)を換気のために大気に接続する。
【図6】試薬ビン圧力系の拡大図を示す。図は制御されたヘリウムガス供給材料(58)及びガス調整装置(59)、制御されたヘリウムガス供給材料及びガス調整装置(58、59)及び、ガス乾燥機(15)上のガス入り口(61)を接続するチューブ(60)を示す。チューブ(62)はガス乾燥機(15)上のガス出口(62)をデジタルガス調整装置(22)上の入り口(64)と接続する。チューブ(65)はデジタルガス調整装置(22)を三方接合具(66)と接続する。チューブ(67)は三方接合具(66)をガス供給マニホールド(69)と接続し、そしてチューブ(68)は三方接合具(66)をガス供給マニホールド(70)と接続する。ガス供給マニホールドは各試薬ビン(図1には示されない)に供給する。
【図7】アセトニトリル(ACN)洗浄系の拡大図を示す。図は、制御されたヘリウムガス供給材料(71)及びガス調整装置(72)、制御されたヘリウムガス供給材料及びガス調整装置(71、72)及びガス乾燥機(14)上のガス入り口(74)を接続するチューブ(73)を示す。チューブ(76)はガス乾燥機(14)上のガス出口(75)をデジタルガス調整装置(23)上の入り口(77)と接続する。チューブ(78)はデジタルガス調整装置(23)をアセトニトリルジュワー(79)と接続する。チューブ(80)はアセトニトリルジュワー(79)を三方接合具(81)と接続する。チューブ(82)は三方接合具(81)をソレノイド弁洗浄ラインマニホールド(83)と接続し、そしてチューブ(84)は三方接合具(81)をソレノイド弁洗浄ラインマニホールド(85)と接続する。
【図8】真空系の拡大図を示す。図は、廃棄物容器(86)をソレノイド弁(25)と接続するチューブ(87)及びソレノイド弁(25)を合成プレート(プレート1)(89)と接続するチューブ(88)を示す。図はまた、廃棄物容器(99)をソレノイド弁(24)と接続するチューブ(100)及びソレノイド弁(24)を合成プレート(プレート2)(102)と接続するチューブ(101)を示す。チューブ(90)は廃棄物容器(86)を三方真空入り口ソレノイド弁(26)と接続し、そしてチューブ(91)は三方真空入り口ソレノイド弁(26)を乾燥テフロン真空ポンプ(93)及びトラップ(92)と接続する。チューブ(103)は廃棄物容器(99)を三方真空入り口ソレノイド弁(27)と接続し、そしてチューブ(104)は三方真空入り口ソレノイド弁(27)を乾燥テフロン真空ポンプ及びトラップ(92、93)と接続する。チューブ(95)は排水廃棄物容器(96)を排水管(drain)(94)と接続し、そしてチューブ(97)は排水廃棄物容器(96)を真空入り口ソレノイド弁(29)と接続する。チューブ(98)は真空入り口ソレノイド弁(29)を乾燥テフロン真空ポンプ及びトラップ(92、93)と接続する。
【図9】図1で示された装置上で合成された、未精製50−量体のCNT4−F−8 5’ ACACAAAAATCGAGGTGGCTCAGTTTGTGAAAGACCTGCTGCTGCACCTG 3’(配列確認番号:1)ポリヌクレオチドのMALDI−TOF質量分析法(Sequenom Inc.)のスペクトルを示す。
【図10】図1で示された装置上で合成された、未精製50量体のCNT4−R 5’ GCACAGAGGAGCTTTCTGATTCTGTGTGATATTCACCAGCTCCTCGATCA 3’(配列確認番号:2)ポリヌクレオチドのMALDI−TOF質量分析法(Sequenom Inc.)のスペクトルを示す。
【図11】Qiagen Inc.から購入して得た、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)で精製され且つ脱塩された50量体のポリT 5’ TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT(配列確認番号:3)ポリヌクレオチドのMALDI−TOF質量分析法(Sequenom Inc.)スペクトルを示す。
【図12】Integrated DNA Technologies Inc.から購入して得た、PAGE精製され且つ脱塩された50量体のIPP1 F4 5’ AGTTCACCGTTCCGCTGCTGGAACCGCACCTGGACCCGGAAGCGGCGGAA 3’(配列確認番号:4)ポリヌクレオチドのMALDI−TOF質量分析法(Sequenom Inc.)スペクトルを示す。
【図13】Integrated DNA Technologies Inc.から購入して得た、PAGE精製され且つ脱塩された50−量体のIPP1 F6 5’ CCAGTCTTCTCCGGAAATCGACGAAGACCGTATCCCGAACCCGCACCTGA 3’(配列確認番号:5)ポリヌクレオチドのMALDI−TOF質量分析法(Sequenom Inc.)スペクトルを示す。
【図14】市販のBioAutomation MermadeTMオリゴヌクレオチド合成装置を使用してEgea Biosciencesで生成した、未精製のEPO 001 F−7 5’AGCAGGCGGTTGAAGTTTGGCAGGGTCTGGCGCTGCTGTCTGAAGCGGTT(配列確認番号:6)ポリヌクレオチドのMALDI−TOF質量分析法(Sequenom Inc.)スペクトルを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)複数の防湿性試薬容器、
b)自動ポリヌクレオチド合成装置の合成プラットホーム上にシールを形成することができる乾燥ボックス、
c)該乾燥ボックスに該試薬容器を接続する防湿性チューブ、
d)ガスが該試薬容器を加圧する、該試薬容器をガスに接続する試薬ガスフィード及び
e)該試薬ガスフィードに接続されており、かつ、該試薬容器内の定圧を維持するデジタルガス調整装置、
を含んでなる、自動ポリヌクレオチド合成のための閉鎖された連続的無水系を維持するための装置。
【請求項2】
該接続体(connections)が湿気の侵入を排除するために封止されている、請求項1の装置。
【請求項3】
該封止された接続体が100psi強度より大きい圧力を維持することができる、請求項2の装置。
【請求項4】
該接続体がシリコーンコーキング材で封止されている、請求項2の装置。
【請求項5】
該試薬容器がヌクレオチド溶液の容器又は洗浄溶液の容器である、請求項1の装置。
【請求項6】
該ガスが窒素、アルゴン又はヘリウムである、請求項1の装置。
【請求項7】
該チューブに接続されたフロースルー(flow through)ガス乾燥機を更に含んでなる、請求項1の装置。
【請求項8】
該試薬ガスフィードに接続されたフロースルーガス乾燥機を更に含んでなる、請求項1又は7の装置。
【請求項9】
該乾燥ボックス内部にデジタル湿度計を更に含んでなる、請求項1又は7の装置。
【請求項10】
該乾燥ボックス内部にデジタル湿度計を更に含んでなる、請求項8の装置。
【請求項11】
a)複数の防湿性試薬容器、
b)自動ポリヌクレオチド合成装置の合成プラットホーム上にシールを形成することができる乾燥ボックス、
c)該乾燥ボックスに該試薬容器を接続する防湿性チューブ、
d)ガスが該試薬容器を加圧する、該試薬容器をガスに接続する試薬ガスフィード、
e)該試薬ガスフィードに接続されており、かつ、該試薬容器内の定圧を維持するデジタルのガス調整装置及び
f)ポリヌクレオチド合成装置、
を含んでなる、自動ポリヌクレオチド合成のための閉鎖された連続的無水系を維持するための装置。
【請求項12】
該接続体が湿気の侵入を排除するために封止されている、請求項11の装置。
【請求項13】
該封止された接続体が100psi強度を超える圧力を維持することができる、請求項12の装置。
【請求項14】
該接続体がシリコーンコーキング材で封止されている、請求項12の装置。
【請求項15】
該試薬容器がヌクレオチド溶液の容器又は洗浄溶液の容器である、請求項11の装置。
【請求項16】
該ガスが窒素、アルゴン又はヘリウムである、請求項11の装置。
【請求項17】
該チューブに接続されたフロースルーガス乾燥機を更に含んでなる、請求項11の装置。
【請求項18】
該試薬ガスフィードに接続されたフロースルーガス乾燥機を更に含んでなる、請求項11又は17の装置。
【請求項19】
該乾燥ボックス内部にデジタル湿度計を更に含んでなる、請求項11又は17の装置。
【請求項20】
該乾燥ボックス内部にデジタル湿度計を更に含んでなる、請求項18の装置。

【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2007−525185(P2007−525185A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−514319(P2006−514319)
【出願日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/014271
【国際公開番号】WO2004/099435
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.PYREX
3.Macintosh
【出願人】(505411583)イージア・バイオサイエンシズ・エルエルシー (1)
【出願人】(306040506)
【出願人】(306040517)
【出願人】(306040492)
【Fターム(参考)】