説明

ポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法

本発明の目的は、生分解性のポリヒドロキシアルカノエートを溶剤抽出法により簡便に得る方法を提供することである。
本発明は、抽出溶剤が炭素数4〜10の1価アルコールであり、溶解液総量に対して水を0.1重量%から10重量%含有するポリヒドロキシアルカノエート溶解液を70℃以上に保温し、70℃より低い温度に冷却することにより、ポリヒドロキシアルカノエートの結晶を析出させることを特徴とする、ポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオマス内に蓄積したポリヒドロキシアルカノエートを、溶剤を用いて効率よく製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリヒドロキシアルカノエート(以降、PHAと略す)は、多くの微生物種の菌体内にエネルギー貯蔵物質として合成、蓄積される生分解性の熱可塑性ポリエステルである。微生物によって天然の有機酸や油脂を炭素源に生産されるPHAは、土中や水中の微生物により完全に生分解されるため自然界の炭素循環プロセスに取り込まれることになる。従って、PHAは生態系への悪影響がほとんどない環境調和型のプラスチック材料と言える。近年、合成プラスチックが環境汚染、廃棄物処理、石油資源の観点から深刻な社会問題となるに至り、PHAが環境に優しいグリーンプラスチックとして注目され、その実用化が切望されている。
【0003】
PHAを工業的に生産する場合には、生来的にPHAを生産する微生物を用いる場合や、PHA合成酵素遺伝子を微生物や植物に組換え、形質転換体を取得しそれを製造用宿主として用いる場合がある。そのどちらの場合もPHAはそれらバイオマス中に蓄積されるため、PHAの製造は、PHAを含むバイオマスを回収し、そのバイオマスから分離精製して行われることになる。
【0004】
バイオマスからのPHAの分離精製に関しては、PHA溶解性の溶剤を用いて抽出し、貧溶剤を用いて晶析を行い、結晶を回収する方法が最も簡便な方法として知られている。例えば、PHAが蓄積されたバイオマスを乾燥し、乾燥バイオマスからクロロホルムや塩化メチレンなどのハロゲン系有機溶媒を用いてPHAを抽出した後、抽出液をメタノールやヘキサンなどの貧溶媒と混合することによってPHAを析出させて回収する方法(特許文献1)がある。これらの抽出溶剤では、乾燥バイオマスからしか抽出できないため培養液から得られたバイオマスを乾燥する工程が必要となってくる。さらに環境規制に関わるハロゲン系有機溶媒を使用することなどの問題がある。
特許文献2には溶剤による湿バイオマスからのPHB(3−ヒドロキシブチレートのホモポリマー)の抽出方法が記載されているが、ここで用いられる溶剤はプロパンジオールやグリセリンホルマールなどいずれも特殊なものであり、経済性等の点で工業的な利用には不十分である。
【0005】
また、特許文献3では、水との混和性の好ましい溶剤での抽出が公開されている。そこでは、メタノール、エタノール、またはイソプロパノールが挙げられているが、これらの溶剤では沸点を大きく超える100℃以上の加圧状態でバイオマスを処理しないとPHAは抽出できないし、実施例1あるいは2で用いられている140℃という高温での溶解は激しい分子量低下を起こすことが懸念される。さらに、冷却により硬質で不透明なゲルを形成後、これを回転ロールで圧縮するとあるが、本発明者らはポリマーが硬質で不透明なゲルになると、反応容器からの払い出しがもはや不可能となり、実質的にPHAは回収不能となることを経験した。
特許文献4では、主に植物からのPHAの回収を溶剤を用いて行っているが、PHA濃度1%で行っており、このような低濃度では使用する溶剤量が膨大となり実質的に工業化は困難である。また、上記条件においてもゲル化を防止できないことを本発明者らは経験した。
【0006】
このように、PHAを溶剤により抽出し回収する場合、晶析時のゲル化が激しいため実質的に簡便と考えられる溶剤抽出法が利用できない。あるいは、ゲル化を回避するためには低濃度での溶解と晶析を行うしかなく、PHAの回収が非効率になるため工業的に採算が合わない、という現状がある。このように、PHAのゲル化は深刻な問題であるが、PHAが実用化に到っていない大きな原因の一つになっているにもかかわらず、未だゲル化を回避する有効な手立ては見つかっていない。
【特許文献1】特開昭59−205992号公報
【特許文献2】特開平2−69187号公報
【特許文献3】特表平10−504460号公報
【特許文献4】米国特許第5942597号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の課題は、ポリヒドロキシアルカノエート含有バイオマスより、溶剤を用いてポリヒドロキシアルカノエートを抽出後ポリヒドロキシアルカノエートを晶析する時、ポリヒドロキシアルカノエートが実質的に払い出し不可能なゲル化した状態になるのを回避し、回収が極めて容易な状態の当該ポリマーを得る方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、乾燥バイオマスあるいは湿バイオマスからPHAを炭素数4〜10の1価のアルコール中に70℃以上で溶解させたのち、該抽出液をバイオマス残渣から分離し、抽出溶液中に水分が0.1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%存在するように抽出液を調製し、この抽出液を含水状態にすることがPHAの強度のゲル化を最小限に止め、さらに溶液を70℃より温度を低くすることにより収量が増大し、しかもPHAが濾過により回収可能な状態となることを発見し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は、抽出溶剤が炭素数4〜10の1価アルコールであり、溶解液総量に対して水を0.1重量%から10重量%含有するポリヒドロキシアルカノエート溶解液を70℃以上に保温し、70℃より低い温度に冷却することにより、ポリヒドロキシアルカノエートの結晶を析出させることを特徴とする、ポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法に関する。
【0010】
以下に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に使用される抽出溶剤は炭素数4から10の1価のアルコールであり、そのような抽出溶剤としてはブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、及びそれらの異性体が挙げられるが、より好ましくは沸点が比較的低く、値段が比較的安価な炭素数4〜7の、抽出、溶解能力に非常に優れている1価アルコールであり、そのような1価のアルコールとしては、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール及びそれらの異性体が本発明の抽出溶剤として特に好ましい。上記ブタノールとしては、イソブタノールが好ましい。上記抽出溶剤は、1種又は2種以上を用いることができる。
【0011】
本発明の好ましい実施態様によれば、PHAは乾燥バイオマスから抽出することもできるし、湿バイオマスからの抽出も行うことができる。何れの場合にも、抽出溶液中に水分が0.1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%存在するように抽出液を調製する。これにより、抽出後の晶析時に強度のゲル化が緩和されることを、本発明者らは初めて発見した。但し、抽出液中の水分含量が10重量%を超える場合、抽出溶剤の回収が困難となる。
【0012】
抽出操作の好ましい実施態様によれば、バイオマスよりPHAを本発明による抽出溶剤の1つで抽出する。PHA濃度は特に制限されないが、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは2〜15重量%、さらに好ましくは3〜10重量%になるよう抽出溶剤を加えればよい。PHAを抽出するための温度は70℃以上が好ましく、より好ましくは80℃以上、さらに好ましくは90℃以上で行う。しかし、PHAの分解を回避するために温度は実質的に100℃を越えないことが好ましい。PHAを抽出するための時間は特に制限されないが、一般に20〜150分であり、良好な抽出効率と分解を防ぐ点から60〜120分がより好ましい。次いで抽出溶液を不溶性バイオマスと分離する。この場合加熱された濾過器、あるいは加熱された遠心分離機、例えばデカンター等を使用するのが有利である。分離を行うときは加圧状態で行っても良いが、分離中に温度が70℃よりも低くなると急激にゲル化し、やがて固化して残渣との分離が不能となる場合がある。そのためバイオマス残渣を除去するまでは溶液は常に70℃以上で保温する。その後、抽出液を70℃より低い温度まで徐冷することによりPHAの晶出量を増大させることができる。
【0013】
PHAの回収は、PHA溶解溶液から液体を濾過、遠心分離など当業者には周知の方法で行われる。回収したPHAは、水、メタノール、エタノール、ブタノール、アセトン、ヘキサン、ヘプタンなどの溶剤またはその混合物で洗浄することができるが、これらに限られるわけではない。PHAの乾燥は、当業者には周知の方法、たとえば気流乾燥、真空乾燥などで行われる。
【0014】
本発明におけるPHAとは、ヒドロキシアルカノエートの重合体の総称である。ヒドロキシアルカノエート成分としては特に限定されないが、具体的には、3−ヒドロキシブチレート(3HB)、3−ヒドロキシバレレート(3HV)、3−ヒドロキシプロピオネート、4−ヒドロキシブチレート、4−ヒドロキシバレレート、5−ヒドロキシバレレート、3−ヒドロキシヘキサノエート(3HH)、3−ヒドロキシヘプタノエート、3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシノナノエート、3−ヒドロキシデカノエートなどが挙げられる。本発明におけるPHAは、これらヒドロキシアルカノエートの単重合体であっても、2種以上が共重合した共重合体であってもよいが、2種以上が共重合した共重合体が好ましい。PHAの具体例としては、3HBの単重合体であるPHBや、3HBと3HVの2成分共重合体であるPHBV、3HBと3HHとの2成分共重合体PHBH(特許第2777757号公報参照)または、3HBと3HVと3HHとの3成分共重合体PHBHV(特許第2777757号公報参照)などが例示できる。特に、生分解性ポリマーとしての分解性と柔らかい性質を持つ点で、モノマー成分として3HHを有する共重合体が好ましく、より好ましくはPHBHである。このときPHBHを構成する各モノマーのmol比については特に限定されるものではないが、良好な加工性を示す点から1〜99mol%のものが好ましく、より好ましくは1〜30mol%である。また、晶析時の結晶性状の良好さから、好ましくは3HHmol%は20mol%以下であり、より好ましくは15mol%以下、とりわけ操作性の良好さから10mol%以下が好ましい。PHBHVの場合、構成する各モノマーユニットの組成比については特に限定されるものではないが、例えば、3HBユニットの含量は1〜95mol%、3HVユニットの含量は1〜96mol%、3HHユニットの含量は1〜30mol%といった範囲のものが好適である。
【0015】
PHAが実用化できるためには、PHAはゲルクロマトグラフィー法でポリスチレンを分子量標準とした重量平均分子量1万以上を有しなければならない。好ましくは5万以上、より好ましくは10万以上、特に20万以上である。
【0016】
本発明に用いられるバイオマスは、細胞内にPHAを蓄積することが可能な生物であれば特に限定されない。例えば、Alcaligenes lipolytica、Alcaligenes latus等のアルカリゲネス属、Ralstonia eutrophaなどのラルストニア属、シュウドモナス属(Pseudomonas)、バチルス属(Bacillus)、アゾトバクター属(Azotobacter)、ノカルディア属(Nocardia)、アエロモナス属(Aeromonas)、Clostridium属、Halobacterium属、Rhodospirillum属、Zoogloea属、Candida属、Yarrowia属、Saccharomyces属などの微生物は、培養条件を調整することによってPHAを細胞内に蓄積することが可能である。また、これら微生物のPHA合成に関与する遺伝子群を導入した形質転換体であっても良い。その場合、宿主としては特に限定されず、上記微生物の他、大腸菌や酵母(WO01/88144参照)などの微生物や、さらには植物などが挙げられる。このなかで、アエロモナス属のA.caviaeや、該A.caviaeのPHA合成酵素群の遺伝子を導入した形質転換菌体が、ポリマーとして優れたPHBHを合成できる能力があるという点で好ましい。特に、A.caviaeのPHA合成酵素群の遺伝子を導入したRalstonia eutrophaがより好ましく、該微生物の1例は、Alcaligenes eutrophus AC32(受託日:平成9年8月7日、受託番号:FERM BP−6038)として日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6にある独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに、ブダペスト条約に基づいて国際寄託されている。
【0017】
ここに挙げたPHA生産微生物の培養方法については特に限定されないが、例えば特開2001−340078号公報に示した当業者に周知の方法が用いられる。
【0018】
PHAを回収するうえで、培養後の微生物菌中のPHA含有率は、高い方が好ましいのは当然であり、工業レベルでの適用においては乾燥菌体中に50重量%以上のPHAが含有されているのが好ましく、以後の分離操作、分離ポリマーの純度等を考慮するとより好ましいPHA含有率は60重量%以上、さらには70重量%以上である。
【0019】
培養完了後は、菌体を定法で、例えば噴霧乾燥等により直接培養液から乾燥菌体を得る、あるいは、遠心や膜分離などの方法により菌体を回収する。回収した菌体は、乾燥した状態、あるいは水で湿らした湿菌体の状態で抽出工程に用いることができる。また、回収菌体をメタノール、アセトン等の脂質溶剤で洗浄した湿菌体、あるいはこれを乾燥したものもPHA抽出用菌体として用いることができる。
【0020】
本発明により得られたポリヒドロキシアルカノエートは、各種繊維、糸、ロープ、織物、編物、不織布、紙、フィルム、シート、チューブ、板、棒、容器、袋、部品、発泡体などの形状に成形できる。また、2軸延伸フィルムにも加工できる。成形品は、農業、漁業、林業、園芸、医学、衛生品、衣料、非衣料、包装、その他の分野に好適に用いることができる。
【0021】
本発明により処理した後のバイオマス物質は動物飼料として用いることが好ましい。従って、本発明で用いる溶媒は、動物飼料として許容可能の量であることが好ましい。しかし、溶媒はバイオマス物質から実質的に除去する方が好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の方法により、ゲル化を抑制し、流動性があり、払い出し可能なポリヒドロキシアルカノエートを得ることができるため、生分解性のポリヒドロキシアルカノエートを工業的に安価に生産、提供できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
以下の実施例においては、いずれも共重合ポリエステルとして、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシヘキサノエート)(以下、PHBHと略す)を生産した。もちろん本発明はこれら実施例にその技術範囲を限定するものではなく、PHBHに限られるものではない。
【0024】
(実施例1)
アエロモナス・キャビエ由来のPHA合成酵素群遺伝子を導入したR.eutropha(寄託番号FERM BP−6038)を特開2001−340078の実施例1に記載した方法で培養を行い、PHBHの生産を行った。培養終了後遠心分離により菌体を回収し湿菌体を得た。さらにこの菌体を50℃で15時間真空乾燥し乾燥菌体を得た。乾燥菌体中のPHBHの含量は60%、重量平均分子量は130万、3−ヒドロキシヘキサノエート(以下、3HHと略す)組成は7mol%であった。この乾燥菌体24.8gにイソブタノール211.4gを加え、100℃で1時間抽出を行った。溶液を100℃に保温したジャケット式加圧濾過器に移し濾過によりPHBH溶解液を回収した。回収した溶解液を90℃に保温し、その温度を維持した状態で、溶液を強攪拌しながら水10gを徐々に添加した(水含量は4.1重量%)。添加終了後、溶液を強攪拌しながら室温まで徐々に冷却すると、PHBHが沈殿した。該沈殿は濾過により容易に回収できた。回収したPHBHをイソブタノール50gで洗浄後45℃で真空乾燥した。回収量は14.1g(95%)、純度99%以上、3HH組成7mol%であった。分子量は110万と減少したが、加工には十分な分子量であった。
【0025】
(実施例2)
アエロモナス・キャビエ由来のPHA合成酵素群遺伝子を導入したR.eutropha(寄託番号FERM BP−6038)を特開2001−340078の実施例1に記載した方法で培養を行い、PHBHの生産を行った。培養終了後遠心分離により菌体を回収し湿菌体を得た。湿菌体中のPHBHの含量は30%、重量平均分子量は130万、3HH組成は7mol%であった。この湿菌体50.0gにイソブタノール211.4gを加え、100℃で1時間抽出を行った。溶液を100℃に保温したジャケット式加圧濾過器に移し濾過によりPHBH溶解液を回収した。回収した溶解液を90℃に保温し、その温度を維持した状態で、溶液を強攪拌しながら水5gを徐々に添加した(水含量は1.9重量%)。添加終了後、溶液を強攪拌しながら室温まで徐々に冷却すると、PHBHが沈殿した。該沈殿は濾過により容易に回収できた。回収したPHBHをイソブタノール50gで洗浄後45℃で真空乾燥した。回収量は14.1g(94%)、純度99%以上、3HH組成7mol%であった。分子量は110万と減少したが、加工には十分な分子量であった。
【0026】
(比較例1)
実施例1において、水を添加することなく強攪拌下PHA抽出液を徐冷により室温まで冷却した(水含量は0.04重量%)。その結果、PHAはゲル化し流動性が無くなったため、払い出し不能であった。その後、水を添加しても流動性は改善されず、払い出し不能であった。
【0027】
本実施例における分子量の測定は、Shodex K806L(300x8mm、2本連結)(昭和電工社製)を装着した島津製作所製ゲルクロマトグラフィシステム(RI検出)を用いクロロホルムを移動相として分析した。分子量標準サンプルには市販の標準ポリスチレンを用いた。またPHBHの純度はPHBHをメチルエステル化しガスクロマトグラフィにより測定した。水分含量はケット科学研究所製の赤外線水分計FD―230を用いて測定した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽出溶剤が炭素数4〜10の1価アルコールであり、溶解液総量に対して水を0.1重量%から10重量%含有するポリヒドロキシアルカノエート溶解液を70℃以上に保温し、70℃より低い温度に冷却することにより、ポリヒドロキシアルカノエートの結晶を析出させることを特徴とする、ポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項2】
1価アルコールがブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、及びそれらの異性体から選択されることを特徴とする請求項1に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項3】
ポリヒドロキシアルカノエート溶解液におけるポリヒドロキシアルカノエート濃度が1重量%から20重量%であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項4】
ポリヒドロキシアルカノエートが、3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシバレレート、3−ヒドロキシプロピオネート、4−ヒドロキシブチレート、4−ヒドロキシバレレート、5−ヒドロキシバレレート、3−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシヘプタノエート、3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシノナノエートおよび3−ヒドロキシデカノエートからなる群から選択されるモノマーのうち少なくとも2種類以上が共重合した共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項5】
ポリヒドロキシアルカノエートが、3−ヒドロキシヘキサノエートと他のヒドロキシアルカノエート1種以上との共重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項6】
ポリヒドロキシアルカノエートが、3−ヒドロキシヘキサノエートと3−ヒドロキシブチレートとの共重合体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項7】
ポリヒドロキシアルカノエートが、Aeromonas属、Alcaligenes属、Azotobacter属、Bacillus属、Clostridium属、Halobacterium属、Norcadia属、Rhodospirillum属、Psuedomonas属、Ralstonia属、Zoogloea属、Candida属、Yarrowia属及びSaccharomyces属からなる群より選択される少なくとも1種の微生物により産生されたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項8】
ポリヒドロキシアルカノエートが、アエロモナス・キャビエ由来のポリヒドロキシアルカノエート合成遺伝子群を導入された形質転換体により産生されたものである請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項9】
アエロモナス・キャビエ由来のポリヒドロキシアルカノエート合成遺伝子群を導入された形質転換体が、アエロモナス・キャビエ由来のポリヒドロキシアルカノエート合成遺伝子群を導入されたRalstonia eutrophaである請求項8に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。
【請求項10】
ポリヒドロキシアルカノエートを抽出し、かつその溶媒含量を低下させた後の残存バイオマス物質を動物の飼料とすることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリヒドロキシアルカノエート結晶の製造方法。

【国際公開番号】WO2005/049691
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【発行日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515654(P2005−515654)
【国際出願番号】PCT/JP2004/017245
【国際出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】