説明

ポリマーひずみセンサー

要約
パーコレーション閾値以下及び好ましくはポリマーの10 %v/v未満の導電性ナノ粒子を組み入れた非導電性ポリマーよりなるひずみセンサー。該ポリマーはポリイミドであり、導電性ナノ粒子は、平均粒径が30〜40 nmであり、凝集体サイズが100〜200 nmのカーボンブラックである。該センサーは伸長、圧縮及びねじれを感知することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はひずみセンサーに関し、特に、容易に製造でき、ひずみを受ける構造物の連続的なモニターをするのに用いられる微小なひずみセンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ポリマーひずみゲージが提案されてきた。
米国特許5,989,700号は、電気抵抗が加えられた圧力を示すひずみゲージのような圧力変換器の製造に使うことができる、感圧性インクの調製法を開示している。該インクは、弾性ポリマー及びこのポリマー結合剤に均一に分散した半導性のナノ粒子を含む組成を有する。
【0003】
米国特許5,817,944号は、コンクリート構造物のための導電繊維を含むひずみセンサーを開示している。
米国特許6079277号は、炭素フィラメントのマトリックスを有するポリマー複合材料で構成されたひずみ又は圧力センサーを開示している。
【0004】
米国特許6276214号は、導電粒子とポリマーの複合材を利用したひずみセンサーを開示している。カーボンブラックは、導電ポリマーマトリックスを作るために、エチレン酢酸ビニル共重合体内に分散している。これらすべてのポリマーセンサーは、導電性の粒子を調製し、次いでそれらを溶液又は溶融加工によってポリマーに組み入れ、次に膜製造を行なうことによって製造される。次に、この部品を絶縁支持体に貼り付け、監視すべき機械構造物に組み込む。また、導線を該センサーに接続する必要がある。導電フィルムの抵抗変化に基づくポリマーひずみゲージは、一般に要求を満たすものではなく、ヒステリシスが原因で長い耐用年数を持たない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
改善された動作特性及び低ヒステリシスを示す、ポリマーひずみセンサーを開発することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の簡単な説明
この目的を達するため、本発明は、パーコレーション閾値未満及び好ましくはポリマーの10 体積%未満の導電性ナノ粒子を組み込んだ非導電性ポリマーよりなる複合材ポリマーひずみセンサーを提供する。
【0007】
従来技術のポリマーひずみセンサーの添加量(典型例として30 %v/v)と比べて導電性の粒子の添加量が相対的に低いということは、該複合材が、金属様の性質を示す従来技術のセンサーと比べて半導性であるということを意味する。
【0008】
該ポリマーは典型的にはポリイミド材料であり、及び、該導電性粒子は平均粒子サイズが30〜70 nmであり凝集体サイズが100〜200 nmであるグラファイト、カーボンブラック及びガラス状炭素を含む種々の形態の炭素である。このようなナノコンポジットひずみセンサー部品は導電トラックと共に、該部品が外部電子回路に接続可能なように種々のキャスティング法、印刷法又は従来公知の接着技術により被測定基板に直接プリント又は接着される。
【0009】
従来技術のポリマーひずみセンサーの添加量(典型例として30 %v/v)と比べて導電性の粒子の添加量が相対的に低いということは、該複合材が、金属様の性質を示す従来技術のセンサーに比べて半導性であるということを意味する。パーコレーションネットワークを与える導電粒子間の物理的接触に依存し、マイクロメカニカルなヒステリシスにより逸脱し易い従来技術の複合材のセンサーに比べて、提案された複合材はパーコレーション閾値より十分低い。従来技術のポリマーセンサーは、該複合材のパーコレーション導電通路が壊れることにより導電性の減少を示す。添加量を下げることで、添加量が高いことで生ずるマイクロメカニカルなポリマーの複合材の特性の悪化が最小限となる。
【0010】
これらの複合材は、電子ホッピング機構による電気伝導性の増加を示す。このようなシステムの電気伝導特性(温度依存/変形依存/電圧依存等)は、前記炭素のサイズ、炭素ナノ粒子の濃度及び粒子間距離に依存する。前記複合材構造の電気伝導度は、炭素ナノ粒子の濃度を1 %v/vから8 %v/vへと増加させると、10-7から10-2S/cmまで連続的に変化する。このように、これらの複合材のフィルムは、その温度特性において半導体の性質を持ち、このことは、ひずみセンサーに活用されておらず、非常に低いヒステリシスのひずみセンサーフィルムに活用されている非パーコレーション電子伝達機構としての挙動に特有である。これらのフィルムにおいて、炭素−ポリイミドナノコンポジットフィルムの電気特性における、変形(deformation)依存の変化(この変化は変形過程で起きる粒子間間隔の変化に決定的に依存する)は、これらのフィルムの応用としてのひずみセンサーを実現するために活用される。
【0011】
これらの炭素ポリマーナノコンポジットの薄膜における電気伝導率は、ひずみがゼロの下で電気伝導のための伝導粒子のパーコレーションネットワークの存在に依存する従来技術のポリマーひずみセンサーと異なり、ナノ粒子間の電子ホッピングに決定的に依存する。ひずみがゼロの下でのこれらのナノコンポジットのフィルムの半導体の特徴を持つ挙動は、これらの抵抗の温度依存の補償機構をも提供する。
【0012】
このことは、本発明のひずみセンサー素子(SSE)が以下に応答することを可能とする:
(a)引張りひずみの下、粒子間間隔が広がることにより該フィルムの電気抵抗の増加による、張力(すなわち、伸長)変形、並びに
(b)パーコレーションネットワークの存在により圧縮荷重の影響を受けない従来技術によるポリマーを基礎とするひずみセンサーと異なり、圧縮荷重の下粒子間間隔の減少により生ずるSSEフィルムの電気抵抗の減少による、圧縮変形、及び
(c)伸長及び圧縮双方の変形による、ねじれ変形。
【0013】
このSSEは容易に製造することができ、特定の用途及び感度の要求に依存して、薄膜又は厚膜又はあらゆる固体形態を含む、あらゆる形態、大きさで用いることができる。
このようなSSEの特有の性能により、例えば張力及び圧縮変形及び力、ねじれ変形及び力、振動、衝撃及び正弦波状に変化する変形の定量的モニタリングが可能となる。
【0014】
適切な種類のポリマーは、マイクロエレクトロニクスデバイスにおいて一般に用いられるポリイミドである。ポリイミドは、優れたマイクロメカニカルな特性、化学的な特性及び電気的な特性を-270℃〜260℃の広い温度領域内で持つ。
【0015】
好ましい導電性ナノ粒子は、平均粒子サイズが30〜70 nmであり、凝集体サイズが100〜200 nmであるようなカーボンブラックである。更に好ましい炭素含有量は1 %v/vである。
図1に示すように、ナノコンポジットフィルムはカーボンブラックをポリイミドの前駆体、すなわち、n-メチル2-ピロリドン(NMP)溶媒中のベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物及び4,4’−オキシビスベンゼンアミン(BPDA-ODA)のポリアミド酸を組み入れることにより作製される。キャストフィルムは50〜100ミクロンの範囲にある。カーボンブラックは平均粒子サイズが30〜70 nmであり、凝集体サイズが100〜200 nmである。炭素の添加量は、電気伝導率が10-6〜10-2 S cm-1の範囲となり、図2に示すように半導体領域にある10 %v/v未満に保たれる。図3は、シリコン基板上に炭素量5 %v/vでキャストしたナノコンポジットの温度に対する電気抵抗のグラフを示す。典型的な半導体の性質であるが、温度が上昇すると電気抵抗が減少する。また、該グラフは、熱サイクルを行なう際に電気抵抗のヒステリシス挙動が減少することも示す。図4は、自立及び支持された炭素−ポリイミドナノコンポジット薄膜における温度依存性の電気抵抗の変化を示す。二種類のフィルムにおける電気抵抗の変化の違いは、ポリマーナノコンポジットフィルムでの電気的挙動における基板の効果を示す。本発明の利点は、パーコレーション領域まで粒子を添加したポリマーフィルムに比べて、図3に示すように非常に低いヒステリシスを有することである。添加量が比較的低いため、該複合材のマイクロメカニカルな特性は、図5に示されるような純粋なポリイミドの特性と類似している。本発明のセンサーで得られた静的ひずみに対する抵抗は、図6及び図7に示される。伸長モード(tensile-mode)において、自立したひずみセンサーフィルムはゲージファクター8を示し(図6)、そして曲げモード(bending mode)においては、シリコン基板に固定されたひずみセンサーは、ゲージファクター12を示した。ひずみセンサー素子が異なる基板に用いられる時、最大25のゲージファクターが得られた。
【0016】
いくつかの基板では、ゲージファクター25が可能である。従来公知の金属ひずみゲージは通常5未満のゲージファクターを持つ。
このSSEのこれらの特有の性能の適用が、炭素繊維複合材のボート用オールのマイクロメカニカルな挙動をモニターするための適用により例示されている。
【0017】
以下は、ボート用のオールにこれらのひずみセンサー素子を配置することにより得られた、その潜在的な適用を示す例である。
図8は左手用のオール(LO)の略図を示す。ブレードからの距離はシャフトがブレードと接合する点から計測する。位置はブレードを基準として決定する。表1は試験用のオール上のSSEの正確な幾何学的な位置を提供する。
【0018】
【表1】

【0019】
試験用の配置
この実証に用いられるSSEは、長さ5 mm、幅1 mm、厚さ約0.06 mmの帯板により構成される。SSEの電気抵抗は、INSTRONを用いてオールをブレードの全面を下にして平行に固定し、ハンドルから鋲までオールを保持し及びシャフトの端を上方に引くことによりUniversal Testing Machine(INSTRON)を用いてボートをこぐ動きをシミュレートしながら、マルチメーターを備えた、コンピュータ制御のデータ収集システムを用いて計測した。ボート用のオールはハンドルからスリーブまでコンクリートのテーブルに保持し、試験中、確実にオールのこの部分が動いたり変形したりしないようにした。シャフトがブレードと接合する部分であるシャフトの端部に、特別に設計された取り付け具を用いてINSTRONが取り付けられる。この位置でのブレードの垂直変位は300 Nの力に対して約130 mmであった。オールを毎分1000 mmの速度(連続的な試験において約112荷重サイクルで1450秒以上)で繰り返し変形させた。すべてのSSEの電気抵抗を同時にモニターした。
【0020】
図9は最後の10サイクルでの時間に対する抵抗の変化を示す:異なる場所に配置されたSSEは、それぞれの抵抗比の変化に反映される異なる量のひずみを受けた。ブレードの中心から600 mmの位置のひずみゲージSG3及び900 mmの位置のSG4は、適用された荷重により、似かよったひずみ応答を示し、これら2ヶ所でのオールの変形特性が似かよっていることを示した。これらの2つのSSEは、オールシャフトの変形がこの位置で最大であることを示す、最大の応答をも示した。300 mmの位置にあるひずみゲージSG1は、SG3及びSG4に比べて小さいひずみ(3分の2)を示し、このことはこの位置におけるひずみがより小さいことを示す。また、500 mmに位置するSG2は最小の変形を示した。800 mmの位置(上部)で軸に沿って配置されたひずみゲージSG5は、オールに300ニュートンの引張荷重をかけた時、圧縮特性を示した。上記の試験は、ボート用のオールの変形をモニターする際のこれらのSSEの性能を示し、これにより、我々はオールにおける最大及び最小のひずみの位置を同定することが出来る。また、この試験は我々のひずみセンサー素子が、他のひずみセンサー素子の位置に対して90°の角度であるがオールシャフトの軸に沿って配置されたひずみセンサー素子SG5の挙動によって示されるように、圧縮変形に応答する性能をも示した。図10は加えた荷重に対する抵抗の変化のプロットである。変化した電気抵抗は、荷重なしの条件での83,300オームから、300ニュートンでの83,700オームである。加えら
れた荷重に対する抵抗の線型の変化が得られた。その挙動は該軸に沿って配置されたすべてのひずみセンサー素子で同様であった。ひずみセンサーの温度を一定に保った場合、すべてのひずみセンサーにおいて繰り返し荷重の下での電気抵抗の応答は再現性が高かった。
【0021】
その半導体の特性により、荷重のない条件での電気抵抗は温度によって変化した。しかし、温度に対するひずみセンサー素子の抵抗の変化の割合は同様のままであった。例えば、図11は2つの異なる温度でのひずみセンサー素子SG1に加えられた荷重に対する抵抗の変化を示す。環境温度の影響により、加えた荷重に対する抵抗を示す曲線がY軸に沿って移動する。しかし、抵抗の荷重係数(傾き)は同じままである。
【0022】
我々のひずみセンサー素子の圧縮変形特性のセンシングの実証
図8において、他のSSEに対して90°の角度をなしているがシャフトに沿って配置されたひずみセンサー素子SG5は、加えられた荷重が増加した際の抵抗の減少を示した。これは、シャフト軸に沿ったSG5の横方向の圧縮成分によるものである。
【0023】
INSTRONを用いて、オールのシャフトに、前回伸長変形を与えたすべてのひずみセンサー素子が今度はこの荷重配置の下で圧縮されるように、反対方向に荷重を加えた。
図12は、ひずみセンサー素子に繰り返し荷重をかけている間の、時間に対してプロットした抵抗の変化を示す。ひずみセンサー素子の伸長変形の間は、シャフトに加えた最大荷重を300 Nに保ち、オールシャフトにおける反対方向の変形試験の間は、200 Nの最大荷重に保った。
【0024】
図12は、正の方向、並びに負の方向の繰り返し荷重の下でのひずみセンサー素子の抵抗の連続的な変化を示す。観察された変形もまた、両方向で、荷重に対して比例関係であった。
【0025】
このことは、上記のデータが、伸長、圧縮双方に加えられた荷重に対して、抵抗の相対的な変化としてプロットされた図13において、より明確に見られる。
図14は、200ニュートンの荷重により生じる伸長及び圧縮変形を受けたオールに、シャフトの軸に沿って配置された種々のひずみゲージの抵抗の相対的な変化を示す。それぞれのひずみゲージの値に見られる僅かな変動は、シャフト軸に沿ってSSEフィルムを配置する際の小さな実験変動に起因するかもしれない。
【0026】
ひずみセンサー素子は伸長及び圧縮変形に電気的に応答するという固有の性能があるので、特定の幾何学的位置にSSE帯板を配置することにより、試験用材料に起こるねじれ変形を計測するために使用することができる。これらの炭素ポリマーナノコンポジット薄膜のこの挙動を示す試験において、薄い帯板の形状のSSEをその縦方向がシャフトの軸に対して45°であるように配置した。次に、オールのシャフトを時計回り並びに反時計回りにねじり変形させた。この配置の下で、SSEは、ねじりの力が1方向に加えられたとき伸長圧力を受け、ねじりの力の方向が反転したとき圧縮圧力を受けた。従って、ねじりの力が1方向に加えられたとき、SSEからの電気的な応答は正の変化となり、方向が反転したとき、負の変化となる。相対変化もまたねじれ変形の量とともに変化する。
【0027】
図15に示すように、オールを時計回り並びに反時計回りにねじることによってこのひずみセンサー素子SG2にトルクを加えた。SG2は、反対方向に伸長圧力を受ける一方、1方向に圧縮圧力を受けた。抵抗値の変化はトルクの角度に依存し、従って、受けた回転角に依存する。また、変化の符号は、加えたトルクの方向に依存する。
【0028】
上記のねじれ変形計測に用いられる炭素繊維のシャフトはオールのハンドルからオール
のブレードにかけて直径が減少する中空のチューブであり、従って、ねじり変形の定量は複雑な仕事となる。定量的な意味においてSSEの性能を示すため、別の試験をINSTRON試験機を用いて行なった。試験の配置の概略図を図16に示す。
【0029】
炭素繊維複合材よりなる一定の口径の中空チューブ11を用いた。装置はチューブ11で構成され、該チューブはアンカー14で固定台12に一端で固定され、ベアリング15に支持されている他端においてねじりの力を受けた。チューブの大きさは長さが1500 mm、内径44.7 mm及び外径46.2 mmである。薄い帯板の形態のSSE17を、その縦方向がチューブの軸に対して45°となり、チューブがアンカーされた位置から100 mmの位置となるように配置した。次にチューブ11に、稼動アーム16(レバー)及びINSTRON試験機を用いて150 Nmのトルクを時計回りに、120 Nmのトルクを反時計方向にかける事によりねじれ変形を与えた。センサー位置から1160 mm及びセンサー位置から1060 mmの位置で該トルクをかけた。加えられたトルクによるオールの曲げの効果を最小化するため、360 mm離れて別々にある2つの固定されたボールベアリングの間に位置する場所に該トルクをかけた。この構成の下、SSE 17は時計回り方向にねじりの力が加えられると正味の有効伸長圧力を受け、ねじりの力が反時計回りの方向に加えられると正味の有効圧縮圧力を受ける。従って、SSE17の電気抵抗の変化はねじりの力が時計回り方向に加えられると正であり、反時計回りに加えられると負となる。相対的変動もまた加えられたねじりの力の量と共に変化する。
【0030】
繰り返しねじれ変形を加えたときの、時間に対するa)チューブに加えられたトルク、b)ねじれ変形の角度(度)及びc)SSEの電気抵抗の変化が図17に示されている。
抵抗値の変化はトルクの角度に依存し、従って受けた回転の角度に依存し、変化の符号は与えられたトルクの方向に依存する。
【0031】
上記より、本発明は、大小のひずみを計測するために用いることのできるひずみゲージを提供すると理解することができる。ポリマーフィルムは容易に切断することができ、大抵の表面形及び表面形状に接着することができる。
【0032】
当業者は、本発明の中心的な教示から離れずに、記載された態様以外の態様において本発明を実施することが出来ることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、本発明の1つの実施形態において用いられた製造段階を示す。
【図2】図2は、20℃における炭素含有量に対する電気伝導率の変化を示す。
【図3】図3は、自立フィルム及び支持されたフィルム間の温度依存の電気抵抗の変化を示す。
【図4】図4は、熱サイクルによる電気的なヒステリシスを示す。
【図5】図5は、充填されていないポリマーと比較した、本発明のセンサーの典型的なマイクロメカニカルな挙動を示す。
【図6】図6は、本発明のセンサーの典型的な電気機械的な挙動を示す。
【図7】図7は、ひずみ抵抗の変化及び本発明のセンサーのゲージファクターを示す。
【図8】図8は、オールの軸に沿って置かれたSSEの位置を示す炭素繊維複合材のボートのオールを図示したものである。
【図9】図9は、該オールの周期的変形の間、ひずみセンサー素子について得られた、時間に対する抵抗比の割合のグラフである。
【図10】図10は、ひずみセンサー素子について得られた、加えた負荷に対する抵抗の変化をプロットしたものである。
【図11】図11は、2つの異なる温度に於ける繰り返し荷重試験で得られた、ひずみのセンサー素子SG1が感じた抵抗の変化のグラフである。
【図12】図12は、与えられたひずみセンサー素子に繰り返し荷重をかけている間の、時間に対する抵抗の変化である。
【図13】図13は、伸長及び圧縮変形の影響を受けた時のSSEの抵抗の相対変化のグラフである。
【図14】図14は、200 Nを適用することにより生成した伸長並びに圧縮変形に対して、オールシャフトの軸に沿って置かれたすべてのひずみセンサー素子に対して得られた抵抗の相対変化のグラフである。
【図15】図15は、オールシャフトに繰り返しねじれ変形を、時計回り及び反時計回りに加えた時の、時間に対する抵抗の変化をプロットしたグラフである。
【図16】図16は、インストロン試験機を用いたねじり変形測定のために配置された、炭素繊維複合材のチューブ配置の詳細を与える概略図である。
【図17】図17は、繰り返しねじり変形を炭素繊維複合材のチューブに加えた時の、時間に対する、a)チューブにかかるトルク、b)ねじれ変形の角度(度)及びc)SSEの電気抵抗の変化を表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーコレーション閾値以下及び好ましくはポリマーの容量の10 %未満の導電性ナノ粒子を組み入れた非導電性ポリマーよりなる複合材ポリマーひずみセンサー。
【請求項2】
前記ポリマーがポリイミドである、請求項1に記載のひずみセンサー。
【請求項3】
前記導電性ナノ粒子は、30〜70 nmの平均粒径及び100〜200 nmの凝集体サイズを持つカーボンブラックである、請求項1及び請求項2のいずれかに記載のひずみセンサー。
【請求項4】
電気伝導率が10-6〜10-2 S cm-1の範囲内である、請求項1乃至3のいずれかに記載のひずみセンサー。
【請求項5】
装置が外部の電子回路に接続可能となるように、導電トラックが複合材ポリマーひずみセンサー上に付着された、請求項1乃至4のいずれかに記載のひずみセンサー。
【請求項6】
十分な量の導電性ナノ粒子をポリマー溶液に分散させる段階、及び次に該ポリマーのフィルムをキャストし、導電性ナノ粒子がポリマーのパーコレーション閾値より少ない量だけ存在するフィルムを形成する段階を含む、ポリマーひずみセンサーを調製する方法。
【請求項7】
前記ポリマーがポリイミドであり、導電性ナノ粒子は30〜70 nmの平均粒径及び100〜200 nmの凝集体サイズを持つカーボンブラックである、請求項6に記載のポリマーひずみセンサーを調製する方法。
【請求項8】
導電性ナノ粒子が前記ポリマーの10体積%未満存在する、請求項6または請求項7に記載のポリマーひずみセンサーを調製する方法。
【請求項9】
導電性ナノ粒子が、前記ポリマー複合材に10-6〜10-2S cm-1の範囲内の導電性を与える量だけ存在する、請求項6または請求項7に記載のポリマーひずみセンサーを調製する方法。
【請求項10】
伸長、圧縮及びねじれにおけるひずみを感知することのできる、請求項1乃至5に記載のポリマー複合材より形成されるひずみセンサー素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2008−542691(P2008−542691A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512648(P2008−512648)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【国際出願番号】PCT/AU2006/000680
【国際公開番号】WO2006/125253
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(506018639)ロイヤル・メルボルン・インスティテュート・オブ・テクノロジー (4)
【氏名又は名称原語表記】ROYAL MELBOURNE INSTITUTE OF TECHNOLOGY
【Fターム(参考)】