説明

ポリマーコーティングされた紙またはボードのデジタル印刷

本発明は、ポリマーでコーティングされた紙またはボード(1)をデジタルで印刷するための方法、該方法に適した紙またはボード、およびデジタル印刷を備える製品パッケージの製造に関する。デジタル印刷中、印刷インク粒子は印刷に対応する位置で、ポリマーコーティングから形成される印刷面に電場で塗布され、該印刷インクは赤外線放射を活用して溶融により該印刷面に付着される。本発明にしたがって、印刷される紙またはボード(2)には、エテンメチルアクリレートコポリマー(EMA)等の帯電可能なエテンアクリレートコポリマーを含有する内側コーティング層(3)、およびこの上部に、たとえば低密度ポリエテン(LDPE)を含有し、機械的強度を与え、印刷インクを受け入れる印刷面を形成するポリオレフィンベースの外側シールド層(4)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷インク粒子が、印刷に際して電場でポリマーコーティングから形成される印刷面に塗布され、印刷インクが印刷を形成するために赤外線を活用して溶融により該印刷面に付着される、ポリマーコーティングされた紙またはボードのデジタル印刷のための方法に関する。本発明は、前記方法に適切な紙またはボード、およびデジタル印刷を施した製品パッケージを製造するための方法も備える。
【背景技術】
【0002】
デジタル印刷の技術は公知であり、とりわけカラー印刷、コピー機、およびプリンタで広く使用されている。欧州特許出願第629930号明細書には、移動するペーパーウェブの片側または両側でマルチカラー印刷を製作するデジタル印刷技術が記載されている。ウェブの経路に沿って設置された連続同期印刷ステーションでは、さまざまな印刷色合いが生じる。各ステーションは、ドラムの表面で規則正しい電荷を生じさせるために、周辺に充電器を配置した回転式ドラムを備えている。ドラムの周辺では、充電器の後に、ドラム表面の電荷の選択的な修正によりドラムの表面に潜像を生じさせるレーザスキャナ等のプリントヘッドが続き、潜像は次に現像ステーションで現像される。現像ステーションでは、異符号の電荷をもった印刷カラー粒子がドラム表面上の画像に対応した位置に運ばれる。この後、ドラム表面はウェブ表面に画像形成印刷インク粒子を移すために側面方向に通過するように誘導されるペーパーウェブと接触する。このために、ドラムとウェブのあいだの接点にコロナ転写装置が取り付けられ、ウェブの反対側では電流が電場を生じさせるコロナ転写装置上を導かれ、帯電した印刷インク粒子をドラム表面からペーパーウェブ表面に引き付ける。コロナ転写装置のすぐそばには、交流のコロナ装置がウェブの電荷を排除するために取り付けられ、ウェブがドラム表面から逸脱できるようになっている。ドラム表面は次にコロナ装置で予め充電され、残り印刷インク粒子が取り除かれた後、表面はこれと異なる前回のサイクルと同様に良好な新しい印刷サイクルのための準備が整う。
【0003】
前述のように、白黒印刷は黒い印刷インクを使用して単一の印刷ステーションで用紙の片側に製作できる。マルチカラー印刷では、さまざまな色で動作する複数の連続印刷ステーションで、さまざまな印刷インクが用紙に塗布され、移動するウェブ上で生じる印刷物に1つずつ色を加えていく。さらに、紙の両面印刷は、移動するペーパーウェブの両面に前述の印刷ステーションを配置することにより達成できる。
【0004】
前述のように用紙に対して1つまたは複数の印刷インクから構成される印刷が行われた後、この印刷物はウェブ経路に配置された固定ステーションで付着される。付着は、ウェブ表面を加熱する赤外線ラジエータによって行われ、ポリマー印刷インク粒子が用紙に溶融する。最終的には、仕上げられた印刷済みのウェブは、必要なときにはいつでも積み重ねたり縫い合わせたりできる用紙に分割したり、巻き直したりすることができる。
【0005】
原則的には、コピー機とプリンタには同様の技法が適用され、印刷基板は、連続ウェブではなく個々の用紙から成り立っている。用紙に加えて、プラスチックフィルムもコピー機の基板として好適である。
【0006】
国際公開第03/054634号パンフレットは、印刷面が帯電可能なエテンアクリレートコポリマーを含有するポリマーコーティングからなるデジタル印刷を施された紙とボードを開示している。明細書には、コロネーションによって、エテンメチルアクリレート(EMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、および低密度ポリエテン(LDPE)のコポリマーの帯電性(chargeability)を調べ、さまざまなポリマーでコーティングされたボードでのデジタル印刷で得られる印刷品質に関するより包括的な一連の比較試験を実施したことが記載されている。20%のEMA、つまりメチルアクリレートモノマーが20モル%を占めるEMAが、コーティングポリマーに最適であることが分かった。明細書に記載の結果から、パッケージ用ボードのコーティングとして通例使用されているポリオレフィンである低密度ポリエテン(LDPE)と高密度ポリエテン(HDPE)のデジタル印刷品質は、著しく低いことがわかる。
【0007】
しかしながら、エテンアクリレートのコポリマーは柔らかく、低融点を有するという特徴を有する。たとえば、前述の20%EMAの融点は、約80℃から90℃である。その柔らかさのために、これらは、パッケージ用ボードの一番上のコーティング層として使用されると、摩擦を受けて磨耗する。融点が低いために、これら自体は容易にヒートシール可能であるが、封止中、過剰に溶融しやすいため、たとえば最も一般的に使用されているヒートシールポリマーLDPEよりも制御するのが困難である。また粘着性を有するため、たとえば冷却ロールに付着しやすいなど押し出し成形においても問題を生じ、必ず低い運動速度を適用する必要がある。
【0008】
国際公開第03/054634号パンフレットは、ポリマー中のメチルアクリレートモノマーの比率が上昇するにつれて増加するEMAの粘着性に言及している。明細書には、コーティングの非粘着性と高い印刷品質とのあいだの妥協点として、メチルアクリレートモノマーの割合を約15%とするという結論が記載されている。明細書には、印刷インクの溶融の後に、デジタル印刷された表面上に保護ワニスを塗布することが可能であることも述べられているが、この場合印刷プロセスにさらに作業工程が追加されることになる。
【発明の開示】
【0009】
本発明は、印刷後に別途の保護操作を行うことなく耐磨耗印刷面を達成するために、デジタルで印刷されたポリマーコーティングされた紙またはボードに関する前述の機械的な問題点を解決することを目的とする。本発明のデジタル印刷方法は、エテンアクリレートコポリマーを含有する帯電可能な内側コーティング層と、機械的強度を与え最終的に印刷インクを受け入れる印刷面を形成する上部ポリオレフィンベースの保護層を備える紙またはボード上で印刷が実行されることによって特徴付けられている。
【0010】
本発明は、エテンアクリレートコポリマーを用いて達成される高いデジタル印刷適性は、これを含有する層が、印刷インクを受け入れるための印刷面としても同時に働くシールド層を形成する薄いポリオレフィン層でコーティングされても消えることがなく、また顕著に悪化することもないという驚くべき観察に基づいている。従来の研究では、LDPEおよびHDPEは低いデジタル印刷性能を有することが見出されていたことを考慮すると、この結果は予想外である。
【0011】
本発明は、LDPEまたはHDPE等のポリオレフィンの有利な機械的特性に基づいて、明白な優位点を達成する。これらの溶融温度がエテンアクリレートコポリマーの溶融温度より高いことを考慮すると、これらは押し出し、および共押し出しが容易で、また高い耐摩耗性を有する。これらは、IR放射の下で、印刷インクの付着に著しい影響を及ぼさない。これらは印刷インクの放射を受けて溶融するポリマー成分と溶融するが、おそらくそれに伴ってこれらの一部も溶融している。
【0012】
本発明で使用できる帯電可能なエテンアクリレートコポリマーの中で、特にエテンメチルアクリレートコポリマー(EMA)に言及することができ、メチルアクリレートモノマーの割合は9〜20モル%、好ましくは約20モル%である。他の考えられるポリマーには、EMAに酷似しているエテンエチルアクリレートコポリマー(EEA)とエテンブチルアクリレートコポリマー(EBA)が含まれる。
【0013】
これらのポリマーを含むポリマー層は7〜20g/m2の範囲の推奨重量を有する。
【0014】
これらのポリマーは、帯電可能な層において、そのまま使用することができ、上部シールド層に含有されるポリオレフィンのような別のポリマーの中でドーピングされていてもよい。
【0015】
機械的シールドおよび印刷面としての機能を果たす最外部のコーティング層に適したポリマーとしては、前述の低密度ポリエテン(LDPE)と高密度ポリエテン(HDPE)の他に、それらの混合物、つまりたとえばLDPEがたとえばポリプロペン(PP)等の別のポリマーでドーピングされている混合物が含まれる。LDPEとその混合物は、通例使用されるシーラとの容易なヒートシール適性という特別の優位点を有する。コーティングの優れたデジタル印刷適性を保証するために、シールド層は薄くなければならず、好ましくは2〜10g/m2の範囲、さらに有利には5〜7g/m2の範囲の重量とならなければならない。
【0016】
印刷が施された製品パッケージを製造するための本発明の方法は、前述のようにポリマーコーティング層を備えた包装紙またはパッケージ用ボードが、本発明にしたがってデジタルで印刷された後に、折り目を付け、熱融着してパッケージを形成することを特徴とする。
【0017】
本発明の範囲に含まれるポリマーでコーティングされた、デジタルで印刷可能な紙またはボードは、エテンアクリレートコポリマーを含有する帯電可能な内側コーティング層と、機械的強度を付与するために結合剤を使用せずに直接これに付着され、シールド層が印刷インクを受け入れる印刷面を形成する、ポリオレフィンベースの外側層を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明のポリマーでコーティングされた紙またはボードが、たとえば食品パッケージに使用される場合、典型的なポリマーが、たとえばエチルビニルアルコールコポリマー(EVOH)およびポリアミド(PA)を包含する、1つまたは複数の水蒸気および/または酸素障壁層を備えていてもよい。障壁層は紙またはボードのベースと帯電可能なアクリレートコポリマー層のあいだに、あるいは紙またはボードの印刷面を基準にして反対側に配置されていてもよい。封止可能なパッケージでは、紙またはボードの両側には、好ましくは最外部にヒートシール可能なポリオレフィン層を備える。互いの上にコーティングを形成するポリマー層は、それ自体が公知の方法で共押し出しによって、紙またはボード基板上で製造できる。
【0019】
以下、実施例によって、添付図面を参照しながら本発明をさらに詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、ファイバサブストレート2の片側が、内側の帯電可能なEMA層3と、さらに薄い外部LDPEシールド層4からなるポリマーコーティングで共押し出しによってコーティングされている、本発明のポリマーでコーティングされたデジタルで印刷可能なボード1を示す。ファイバサブストレート2は、ケミサーモ−メカニカルパルプ(CTMP)の中間層と、130〜600g/m2、好ましくは170〜300g/m2の範囲の重量を有する漂白された硫酸塩の外側層から形成される、たとえば三層のボードからなってよい。帯電可能な層3の中に含まれるEMAは、エテンアクリレートモノマーとメチルアクリレートモノマーを共重合することによって形成され、後者はモノマー組成の中で20モル%を占める。このEMA品質は特に有利なデジタル印刷品質を有する。EMA層3は、7〜20g/m2の範囲の重量を有していてもよい。外側LDPE層4は2〜10g/m2の範囲、好ましくは5〜7g/m2の重量を有する。LDPE層4は、印刷インク粒子を受け入れ、IR放射を活用して溶融によって印刷インクが付着されるボードの機械的に耐久性のある印刷面の機能を果たす。帯電可能なEMAはLDPEコーティング層だけで達成される品質に比較して印刷品質を顕著に改善するが、LDPE層4は、このようにして下にあるさらに柔らかいEMA層3のためのシールド層の機能を果たす。外側層4の中のLDPEは、ヒートシール可能であるというさらなる優位点を有し、したがって多様なパッケージ用途にふさわしい。
【0021】
図2に示されている本発明の実施形態は、外側シールド層4のポリマーがLDPEの代わりにHDPEであるという点においてだけ図1のものとは異なる。視覚的評価では、図1と図2のポリマー層の組み合わせ3、4は高いデジタル印刷品質を達成した。HDPEは融点がLDPEより高いために、LDPEほど容易にヒートシール可能ではないが、本発明にしたがって非常に薄い層4として塗布されると、それは、下にある容易に溶けるEMA層によってきつい封止が提供されるように熱風ヒートシールのあいだに溶けることがある。
【0022】
図3の本発明の実施形態は、ファイバサブストレート2の反対側に、おそらく10〜40g/m2の範囲の重量を有するLDPEヒートシール層が備えられているという点で、図1の実施形態と異なる。両側にコーティングされたこのようなパッケージ用ボードは、外面にデジタル印刷が施されている、ヒートシールによって閉じられている筺体および容器に特に適している。
【0023】
図4に示されている本発明の実施形態はファイバサブストレート2の両面で対称的に配置されている、前述のEMA層とLDPE層3、4を互いの上部に備える。このようなコーティングされたボードは両面とも上手にデジタルで印刷できる。ボードがパッケージを形成するためにヒートシールされると、その2つの側の任意の一方がデジタルで印刷されたパッケージの外面を形成してよい。
【0024】
図5に示されている本発明の実施形態は、EVOH酸素障壁層6が、EMA層3の反対側のファイバサブストレート2の側面でファイバサブストレート2とLDPEヒートシール層5のあいだに挿入されているという点で、図3に示されている実施形態と異なる。必要な場合、結合剤層をEVOH層とLDPE層6、5のあいだに追加で設けることができる。このようなコーティングされたボードはパッケージの外面がデジタルで印刷され、酸素障壁6がパッケージのファイバサブストレート2の中に留まる、たとえば食品パッケージのようなヒートシールによって閉じられる酸素を通さないパッケージに適している。酸素と水蒸気両方の浸透を防ぐEVOH層6は、たとえば、5〜10g/m2の範囲の重量を有する。酸素障壁はEVOHの代わりに、たとえばポリアミドからなってよい。EVOHとポリアミドは互いの上部の層として併用することができ、このようにして互いの障壁特性を相互に補足する。
【0025】
図6に示されている本発明の実施形態は、EVOH酸素障壁層6がファイバサブストレート2と帯電可能なEMA層3のあいだに配置されるという点で、図5に示されている実施形態と異なる。また、図7では、ファイバサブストレート2は両側に水蒸気障壁の機能を果たすHDPE層7を備えており、これらの層は10〜20g/m2の範囲の重量を有し、好ましくは実質的に等しい厚さのHDPE層7を備える。後者の実施形態は、特にデジタル印刷を備えたパッケージを対象とし、包装された製品および/またはファイバサブストレートを外部の湿気および包装された製品自体により生じる水分の両方から保護することが望ましい。
【実施例1】
【0026】
170g/m2の重量の戸棚がデジタル印刷され、片面を2層ポリマーコーティングでコーティングされた一連の試験が実施され、内側コーティング層の重量は15g/m2であり、外側コーティング層の重量は5g/m2である。異なるコーティングがなされ、次にコロネーションされた合計14枚の板(サンプル1〜14)が、欧州特許第629330号明細書によって開示されている技術にしたがって、毎分7.35mの通過速度でマルチカラー印刷され(黄色、青色、赤色、黒色)、6つの部材からなる評価ボードが印刷されたサンプルの印刷品質を、最良のサンプルを値1、最低のサンプルを値14とする優位性の順序で目視で評価した。平均と偏差はこれらの値に基づいて計算された。試験は緑色と赤色の印刷の斑点形成(mottling)値の、および青色(シアン)と赤色(マゼンタ)の耐摩耗性(%)の測定も備える。結果を表1に示す。
【0027】
目視評価は高デジタル印刷品質に関して主要な規準と考えられてきた。しかしながら、それには、ボードの部材間での値の偏差として出現する客観的な査定という欠点がある。それにも関わらず、一連の試験の際立って最高の結果はサンプル7と8について得られ、EMA20層(メチルアクリレートモノマーが20モル%を占めるEMA)は印刷面の機能を果たす薄いLDPE層またはHDPE層で覆われていた。
【実施例2】
【0028】
内側コーティング層が15g/m2という重量を有し、外側コーティング層が5g/m2という重量を有する170g/m2の重量を有し、片面に2層ポリマーコーティングでコーティングされた戸棚のデジタル印刷を備える一連の試験が実施された。異なるコーティングがなされ、以後コロネーションされた合計5枚の板(サンプル1〜5)が、EP特許明細書第629330号によって開示されている技術にしたがって、毎分7.35mの通過速度でマルチカラー印刷された(黄色、青色、赤色、黒色)。サンプル3から5の内側コーティング層は、実施例1で使用されたポリマー、つまりEMA20、すなわちメチルアクリレートモノマーが20モル%を占め、残りがLDPEから構成されるEMAで使用されたポリマーの5%(サンプル3)、15%(サンプル4)、または25%(サンプル5)を含有するポリマー混合物であった。6つの部材からなる評価ボードが、優位性の順序で印刷品質の目視査定を行い、最高のサンプルが値1を、最低のサンプルが値5を与えられた。これらの値の平均が計算された。結果を表2に示す。
【0029】
一連の試験の群を抜いた最高の結果はサンプル2で得られ、該サンプルの最も内側の層の材料は純粋なEMA20であった。EMA20とLDPE(サンプル3〜5)は純粋なLDPE(サンプル1)より優れた結果を生じさせた。
【0030】
【表1】

【0031】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】EMA層を片側に、およびこの上にLDPEシールド層を有する本発明のボードを示す。
【図2】EMA層を片側に、およびこの上にHDPEシールド層を有する本発明のボードを示す。
【図3】ボードの反対側もLDPE層でコーティングされる点を除き、図1に示されたものに対応するボードを示す。
【図4】EMA層とLDPEシールド層で両側をコーティングされたボードを示す。
【図5】図3に示されたボードと一致するが、EVOH酸素障壁層が追加されたボードを示す。
【図6】図3に示されたボードと一致するが、EVOH酸素障壁層が追加されたボードを示す。
【図7】図3に示されたボードに一致するが、HDPE水蒸気障壁層が両側に加えられるボードを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷インク粒子が、印刷に際して電場でポリマーコーティングから形成される印刷面に塗布され、前記印刷インクが印刷物を形成するために赤外線放射を活用して溶融によって前記印刷面に付着される、ポリマーでコーティングされる紙またはボード(1)をデジタルで印刷するための方法であって、印刷が該紙またはボード(1、2)上になされ、該紙またはボードが、帯電可能なエテンアクリレートコポリマーを含有する内側コーティング層(3)と、この上部に配置され、機械的強度を付与し、印刷インクを受け入れる該印刷面を形成する外側のポリオレフィンベースのシールド層(4)とを備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
赤外線放射が、前記印刷インクを印刷面に付着することを目的として前記シールド層を溶かすために使用されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
ポリマーベースの印刷インク粒子が使用され、赤外線によって溶かされて印刷面に付着されることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記紙またはボードの内側の帯電可能なコーティング層(3)が、メチルアクリレートモノマーが約20モル%を占めるエテンメチルアクリレートコポリマー(EMA)を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記帯電可能な内側コーティング層が7〜20g/m2の範囲の重量(3)を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記シールド層(4)が低密度ポリエテン(LDPE)、高密度ポリエテン(HDPE)またはこれらの混合物を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記シールド層(4)がヒートシール可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記シールド層(4)が2〜10g/m2、好ましくは5〜7g/m2の範囲の重量を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ポリマーコーティングされた包装紙またはボードが、前記請求項のいずれかに記載の方法でデジタルで印刷された後、パッケージを形成するために折り目を付けられヒートシールされることを特徴とする印刷された製品パッケージを製造するための方法。
【請求項10】
エテンアクリレートコポリマーを含有する帯電可能な内側コーティング層(3)、および機械的強度を付与し、印刷インクを受け入れる印刷面を形成するために結合剤なしで直接的にこれに付着される外側ポリオレフィンベースのシールド層(4)を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法に適切なポリマーコーティングされ、デジタルで印刷された紙またはボード。
【請求項11】
前記内側の帯電可能なポリマー層(3)が、メチルアクリレートモノマーが約20モル%を占め、層重量が7〜20g/m2の範囲のエテンメチルアクリレートコポリマー(EMA)を含有することを特徴とする請求項10記載の紙またはボード。
【請求項12】
シールド層(4)が低密度ポリエテン(LDPE)、高密度ポリエテン(HDPE)またはこれらの混合物からなり、層重量が2〜10g/m2、好ましくは5〜7g/m2の範囲であることを特徴とする請求項10または11記載の紙またはボード。
【請求項13】
ファイバサブストレート(2)が130〜600g/m2、好ましくは170〜300g/m2の範囲の重量を有する包装用ボード(1)であることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の紙またはボード。
【請求項14】
前記ファイバサブストレートが20〜130g/m2、好ましくは40〜120g/m2の範囲の重量を有することを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の紙またはボード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−502930(P2008−502930A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515976(P2007−515976)
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【国際出願番号】PCT/FI2005/000282
【国際公開番号】WO2005/124469
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(501176369)
【Fターム(参考)】