マイクロチューブ用ピッキング工具
【課題】格子状に区画されたラック内に縦立収容されているマイクロチューブを複数本一括して、確実に抜き取るマイクロチューブ用ピッキング工具を提供する。
【解決手段】マイクロチューブの側面を四方から把持する複数の把持ピン121が、2行複数列でグリップ140の下面に垂設され、把持ピンの長さが、マイクロチューブの長さよりも短く、先端部分121bが、中央部分121aの直径よりも大きく、把持ピンの根元部分が、マイクロチューブ頭部に外接する位置に配設され、グリップが、マイクロチューブを把持する四本の把持ピンの中央にマイクロチューブと把持ピンとの係合を解除する押し出し棒160を挿通する挿通穴を有し、押し出し棒が、グリップの長さ及び把持ピンの長さを加算した長さよりも長いとともにグリップの上面側において押し出しハンドル150に固定されていることにより、上記課題を解決する。
【解決手段】マイクロチューブの側面を四方から把持する複数の把持ピン121が、2行複数列でグリップ140の下面に垂設され、把持ピンの長さが、マイクロチューブの長さよりも短く、先端部分121bが、中央部分121aの直径よりも大きく、把持ピンの根元部分が、マイクロチューブ頭部に外接する位置に配設され、グリップが、マイクロチューブを把持する四本の把持ピンの中央にマイクロチューブと把持ピンとの係合を解除する押し出し棒160を挿通する挿通穴を有し、押し出し棒が、グリップの長さ及び把持ピンの長さを加算した長さよりも長いとともにグリップの上面側において押し出しハンドル150に固定されていることにより、上記課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、創薬研究等の分野において、創薬用試料を封入した多数のマイクロチューブを保管する格子状に区画されたラックからマイクロチューブを抜き取るピッキング工具に関し、さらに詳しくは、複数のマイクロチューブを一括して抜き取るピッキング工具に関する。
【背景技術】
【0002】
創薬研究等の分野において、創薬用試料を封入した多数のマイクロチューブを並び立てた状態で高集積率で収納保管したり搬送したりするためにラックが用いられている。そして、このラックを所定の温度、湿度に保たれた自動回転棚に格納し、移載装置を用いて所望のラックを自動回転棚から入出庫口へ移載し、入出庫口において作業者がラックから所望のマイクロチューブを抜き取ったり、あるいは、ラックの所定の位置にマイクロチューブを収納したりする創薬用保管装置が提供されている。
【0003】
このような創薬用保管装置で使用されるラックとして、SBS(Society for Biomolecular Screening)規格に準拠した8行12列で96個に格子状に区画されたラック(以下、96ラック」と称す)が汎用されている。この96ラックでは、格子間ピッチが9mmで、マイクロチューブの頭部の径が約8mmであるため、隣接するマイクロチューブ間の隙間が僅かである。そのため、作業者が96ラックから所望のマイクロチューブを抜き取る場合、相当程度の手間を要していた。そこで、本出願人は、図11に示したようなマイクロチューブ用ピッキング工具500を開発している。
【0004】
このマイクロチューブ用ピッキング工具500は、4本の爪521を有し、これらの爪521の肉厚部521aに内接する円の直径に相当する、いわゆる、つかみ径DがマイクロチューブMTの頭部MT2の外径より小さく、弾性力によってマイクロチューブMTを保持する爪部ユニット520と、この爪部ユニット520と連結し作業者が握持する円筒形状の胴部ユニット540と、この胴部ユニット540を挿通し作業者が親指を使って押し込むことによって爪部ユニット520が保持しているマイクロチューブMTを押し戻してマイクロチューブMTの保持状態を解除する押し出し棒560を有している。爪部ユニット520と胴部ユニット540とは、爪部ユニット520の端部に設けられた連結部522の内周面に形成した雌ねじと胴部ユニット540の一端の外周面に形成した雄ねじとを螺合させることによって着脱可能に連結されている。
【0005】
そして、爪521の肉厚部521aは、最も肉厚な部分を中心として、爪の先端部及び根本部に向けてテーパー521b、521cが形成されている。押し出し棒560の上端部には、胴部ユニット540の内径より大きな直径を有する押し出しヘッド550を有しており、押し出し棒560が、胴部ユニット540をすり抜けることを防止している。
【特許文献1】特開2006−26775号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、前述したマイクロチューブ用ピッキング工具500では、ある96ラックからマイクロチューブMTを引き抜き、別の96ラックに移載する場合、マイクロチューブMTを1本ずつしか移載することができなかった。そのため、96ラックに収容されたマイクロチューブMTを一行12本、あるいは、一列8本を移載する必要がある場合には、1本ずつ移載する作業を繰り返さなければならず、能率が悪かった。
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題、すなわち、本発明の目的は、格子状に区画されたラック内に縦立収容されているマイクロチューブを複数本一括して、確実に抜き取るマイクロチューブ用ピッキング工具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
まず、本請求項1に係る発明は、格子状に区画されたラック内に縦立収納されている円筒状のマイクロチューブを複数本一括して抜き取るマイクロチューブ用ピッキング工具において、前記マイクロチューブの側面を四方から把持する複数の把持ピンが、2行複数列でグリップの下面に垂設され、前記把持ピンの長さが、マイクロチューブの長さよりも短く形成され、前記把持ピンの先端部分が、中央部分の直径よりも大きな形状に形成され、前記把持ピンの根元部分が、マイクロチューブ頭部に外接する位置に配設され、前記グリップが、前記マイクロチューブを把持する四本の把持ピンの中央に、マイクロチューブと把持ピンとの係合を解除する押し出し棒を挿通する挿通穴を有し、前記押し出し棒が、グリップの長さ及び把持ピンの長さを加算した長さよりも長いとともにグリップの上面側において押し出しハンドルに固定されていることにより、前記課題を解決したものである。
【0009】
そして、本請求項2に係る発明は、請求項1に係るマイクロチューブ用ピッキング工具の構成に加えて、把持ピンの列間隔が、ラックのピッチ間隔と等しく、前記把持ピンの行間隔が、ラックのピッチ間隔よりも小さいことにより、前記課題をさらに解決したものである。
【0010】
また、本請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に係るマイクロチューブ用ピッキング工具の構成に加えて、把持ピンの先端部分の形状が、球状であることにより、前記課題をさらに解決したものである。
【発明の効果】
【0011】
本請求項1に係る発明によれば、格子状に区画されたラック内に縦立収納されている円筒状のマイクロチューブを抜き取るマイクロチューブ用ピッキング工具において、前記マイクロチューブの側面を四方から把持する複数の把持ピンが、2行複数列でグリップの下面に垂設され、前記把持ピンの長さが、マイクロチューブの長さよりも短く形成され、前記把持ピンの先端部分が、中央部分の直径よりも大きな形状に形成され、前記把持ピンの根元部分が、マイクロチューブ頭部に外接する位置に配設され、前記グリップが、前記マイクロチューブを把持する四本の把持ピンの中央に、マイクロチューブと把持ピンとの係合を解除する押し出し棒を挿通する挿通穴を有し、前記押し出し棒が、グリップの長さ及び把持ピンの長さを加算した長さよりも長いとともにグリップの上面側において押し出しハンドルに固定されていることにより、ラック一列状に並んだ複数のマイクロチューブを一括して抜き取ることができるため、マイクロチューブの移載作業の能率が格段に向上する。
【0012】
また、マイクロチューブを把持したときに、把持ピンがマイクロチューブの頭部と側面とに当接するため、マイクロチューブを垂直に保持することができ、マイクロチューブの把持姿勢が安定する。
【0013】
そして、本請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明が奏する効果に加えて、把持ピンの列間隔が、ラックのピッチ間隔と等しく、把持ピンの行間隔が、ラックのピッチ間隔よりも小さいことにより、ラックに一列状に連続して並んだマイクロチューブのみならず、一本の、あるいは、非連続に並んだ複数のマイクロチューブであっても、把持ピンの弾性力がマイクロチューブに確実に加わるため、安定した把持特性が実現できる。
【0014】
また、本請求項3に係る発明によれば、請求項1又は請求項2に係る発明が奏する効果に加えて、把持ピンの先端部分の形状が、球状であることにより、把持ピンを隣接するマイクロチューブ間にスムーズに挿入することができるため、マイクロチューブ用ピッキング工具の操作性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明のマイクロチューブ用ピッキング工具は、マイクロチューブの側面を四方から把持する複数の把持ピンが、2行複数列でグリップの下面に垂設され、把持ピンの長さが、マイクロチューブの長さよりも短く形成され、把持ピンの先端部分が、中央部分の直径よりも大きな形状に形成され、把持ピンの根元部分が、マイクロチューブ頭部に外接する位置に配設され、グリップが、マイクロチューブを把持する四本の把持ピンの中央に、マイクロチューブと把持ピンとの係合を解除する押し出し棒を挿通する挿通穴を有し、押し出し棒が、グリップの長さ及び把持ピンの長さを加算した長さよりも長いとともにグリップの上面側において押し出しハンドルに固定されていることにより、格子状に区画されたラック内に縦立収容されているマイクロチューブを複数本一括して、確実に抜き取ることができるものであれば、その具体的な実施の態様は、如何なるものであっても構わない。
【0016】
本発明の一実施例を図1乃至図10に基づいて説明する。
ここで、図1は、本実施例のマイクロチューブ用ピッキング工具と、12本のマイクロチューブが一行目に収容されたラックとを示した斜視図であり、図2は、図1に示したマイクロチューブ用ピッキング工具を矢視II方向から見たときの斜視図であり、図3は、本実施例のマイクロチューブ用ピッキング工具の正面図であり、図4は、図3に示したマイクロチューブ用ピッキング工具を矢視IV方向から見たときの側面図である。そして、図5は、図2に示したマイクロチューブ用ピッキング工具が1本のマイクロチューブを把持した状態を示した斜視図であり、図6は、図5に示した1本のマイクロチューブを把持したマイクロチューブ用ピッキング工具の正面図であり、図7は、図6に示したマイクロチューブ用ピッキング工具を矢視VII方向から見たときの底面図であり、図8は、本実施例のマイクロチューブ用ピッキング工具によって把持されるマイクロチューブの上面図、側面図、底面図であり、図9は、図3に示したマイクロチューブ用ピッキング工具を矢視IX方向から見たときの底面図であり、図10は、図9のX部の拡大図である。
【0017】
本実施例のマイクロチューブ用ピッキング工具100は、図1に示すように、格子状に区画されたラックR内に縦立収容されている円筒状のマイクロチューブMTを複数本一括して抜き取るものであって、把持ピン121と、グリップ140と、押し出し棒160と、押し出しハンドル150とを基本的な装置構成として備えている。これらの構成要素の材質としては、ポリアセタール等の寸法安定性や耐摩耗性に優れたエンジニアリングプラスチックを用いることが好ましい。特に、把持ピン121については、弾性変形する必要があるため、弾力性に優れたポリエチレンを用いることがより好ましい。
【0018】
本実施例のマイクロチューブ用ピッキング工具100が対象とするラックRは、前述したSBS(Society for Biomolecular Screening)規格に準拠した8行12列で96個に格子状に区画されたラックである。このラックは、行間隔ピッチP1と列間隔ピッチP2が等しく、具体的には、9mmピッチである。
【0019】
そのため、マイクロチューブ用ピッキング工具100は、1列状に並んだ最大12本のマイクロチューブMTの側面をそれぞれ四方から把持して一括して抜き取るため、図2に示すように、グリップ140の下面に2行13列で把持ピン121が垂設されている。なお、グリップ140に垂設する把持ピン121の数としては、2行13列に限られることなく、例えば、ラックRの行数、すなわち、8行に対応させて2行9列としたり、ラックRの列数の半分、すなわち、6列に対応させて2行7列とすることもできる。
【0020】
そして、図6に示すように、把持ピン121の長さL1は、マイクロチューブMTの長さL2よりも短く形成されている。また、把持ピン121の中央部分121aは、円柱形であり、その直径は、ラックRに隣接して収容されたマイクロチューブMTの隙間に入る大きさである。そして、1本の把持ピン121は、両端に位置する把持ピン121、すなわち、1列目と13列目の把持ピン121を除き、隣接する2本のマイクロチューブMTの把持に寄与している。
【0021】
さらに、把持ピン121の先端部分121bは、隣接したマイクロチューブMTの隙間に入りやすいように円錐形状や曲面形状とすることが好ましい。把持ピン121は、弾性力を利用して、マイクロチューブMTを把持する。そのため、把持した時に1本のマイクロチューブMTを把持した把持ピン121の先端部分121bが開くので、その変形状態で把持ピン121がマイクロチューブMTを確実に把持できるように、図1乃至図6に示すように、把持ピン121は、先端部分121bが、中央部分121aの直径よりも大きな形状に形成されている。本実施例では、把持ピン121を隣接するマイクロチューブMT間にスムーズに挿入できるとともに、均等な弾性力を隣接するマイクロチューブMTに与えることができるため、把持ピン121の先端部分121bを球状としている。
【0022】
また、把持ピン121の根元部分は、図7に示すように、マイクロチューブMTの頭部に外接する位置に配設されている。これにより、マイクロチューブMTは、4本の把持ピン121により、図6に示すように、その頭部と側面部により支持されるため、垂直状態を保って確実に把持される。図8は、本実施例のマイクロチューブ用ピッキング工具100がピッキングの対象としているマイクロチューブMTの1例を示しており、(a)がその上面図であり、(b)がその側面図であり、(c)がその底面図である。このマイクロチューブMTの底面には、図8(c)に示すように、各マイクロチューブを識別するために2次元コードCを設けることも可能である。
【0023】
グリップ140には、図10に示すように、マイクロチューブMTを把持する4本の把持ピン121の中央にマイクロチューブMTと把持ピン121との係合を解除する押し出し棒160を挿通する挿通穴142を有している。本実施例の場合、図9に示すように12個の挿通穴142を有しており、それぞれの挿通穴142に押し出し棒160が挿通している。
【0024】
この押し出し棒160の長さL4は、図6に示すように、グリップ140の長さL3及び把持ピン121の長さL1を加算した長さよりも長く、すなわち、L3+L1<L4であるとともに、グリップ140の上面側において、すべての押し出し棒160が押し出しハンドル150に固定されている。したがって、図3と図6の対比によって明らかなように、1本のマイクロチューブMTだけを把持した場合であっても、12本全ての押し出し棒160が連動して上昇する。
【0025】
また、図10に示すように、把持ピン121の列間隔P3が、ラックRのピッチ間隔(P1=P2:図1参照)と等しく形成されている。このことにより、本実施例のマイクロチューブ用ピッキング工具100は、ラックRの行方向に並んだ複数のマイクロチューブMTも列方向に並んだ複数のマイクロチューブMTも同様に一括して把持することができる。
【0026】
一方、把持ピン121の行間隔P4が、ラックRのピッチ間隔P1、P2よりも小さく形成されている。このことにより、各マイクロチューブMTに、把持ピン121の行間隔P4方向からの弾性力が確実に加わるため、ラックRに一列状に連続して並んだマイクロチューブのみならず、一本の、あるいは、非連続に並んだ複数のマイクロチューブMTであっても、安定して把持することができる。
【0027】
次に、本実施例のマイクロチューブ用ピッキング工具100を用いて、あるラックから別のラックにマイクロチューブMTを移載するときの動作を説明する。マイクロチューブ用ピッキング工具100は、押し出し棒160が垂直になるようにグリップ140を握持すると、図3に示すように、押し出し棒160及び押し出しハンドル150の自重により、押し出しハンドル150がグリップ140と接触する状態となり、押し出し棒160がグリップ140の下方に最も突き出た状態になる。このとき、前述したように押し出し棒160の長さは、グリップ140の長さ及び把持ピン121の長さを加算した長さより長いため、押し出し棒160は、把持ピン121よりも下方に突き出た状態になる。また、押し出し棒160は、マイクロチューブを把持する四本の把持ピンの中央に設けられた挿通穴に挿通しているため、その間隔は、把持ピン121の列間隔P3(図10参照)と同様に、ラックRのピッチ間隔と等しい。
【0028】
この状態で、図1に示すように、抜き取る対象のマイクロチューブMTが縦立収納されたラックRの上方にマイクロチューブ用ピッキング工具100を垂直に保持する。そして、押し出し棒160の下端面と所望のマイクロチューブMTの頭部面を接触させる。その状態から、さらに、グリップ140を下方に押し込むと把持ピン121が拡幅し、図5及び図6に示すように、マイクロチューブMTの頭部面が、グリップ140の下端面に接触する。このように、マイクロチューブMTを把持したマイクロチューブ用ピッキング工具100を別のラックの所望の位置に垂直に保持し、押し出しハンドル150を押し込むと、押し出し棒160がマイクロチューブMTの頭部面に当接し、マイクロチューブMTと把持ピン121との係合が解除され、把持したマイクロチューブMTをラックの所望の位置に一括して挿入することができる。
【0029】
本発明のマイクロチューブ用ピッキング工具によれば、格子状に区画されたラック内に縦立収容されているマイクロチューブを複数本一括して、確実に抜き取ることができ、その効果は甚大である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本実施例のマイクロチューブ用ピッキング工具とラックとを示した斜視図。
【図2】図1に示したマイクロチューブ用ピッキング工具を矢視II方向から見たときの斜視図。
【図3】本実施例のマイクロチューブ用ピッキング工具の正面図。
【図4】図3に示したマイクロチューブ用ピッキング工具を矢視IV方向から見たときの側面図。
【図5】図2に示したマイクロチューブ用ピッキング工具が1本のマイクロチューブを把持した状態を示した斜視図。
【図6】図5に示したマイクロチューブ用ピッキング工具の正面図。
【図7】図6に示したマイクロチューブ用ピッキング工具を矢視VII方向から見たときの底面図。
【図8】(a)がマイクロチューブの上面図、(b)が側面図、(c)が底面図。
【図9】図3に示したマイクロチューブ用ピッキング工具を矢視IX方向から見たときの底面図。
【図10】図9のX部の拡大図。
【図11】従来のマイクロチューブ用ピッキング工具の斜視図。
【符号の説明】
【0031】
100 ・・・ マイクロチューブ用ピッキング工具
121 ・・・ 把持ピン
140 ・・・ グリップ
142 ・・・ 挿通穴
150 ・・・ 押し出しハンドル
160 ・・・ 押し出し棒
R ・・・ ラック
MT・・・ マイクロチューブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、創薬研究等の分野において、創薬用試料を封入した多数のマイクロチューブを保管する格子状に区画されたラックからマイクロチューブを抜き取るピッキング工具に関し、さらに詳しくは、複数のマイクロチューブを一括して抜き取るピッキング工具に関する。
【背景技術】
【0002】
創薬研究等の分野において、創薬用試料を封入した多数のマイクロチューブを並び立てた状態で高集積率で収納保管したり搬送したりするためにラックが用いられている。そして、このラックを所定の温度、湿度に保たれた自動回転棚に格納し、移載装置を用いて所望のラックを自動回転棚から入出庫口へ移載し、入出庫口において作業者がラックから所望のマイクロチューブを抜き取ったり、あるいは、ラックの所定の位置にマイクロチューブを収納したりする創薬用保管装置が提供されている。
【0003】
このような創薬用保管装置で使用されるラックとして、SBS(Society for Biomolecular Screening)規格に準拠した8行12列で96個に格子状に区画されたラック(以下、96ラック」と称す)が汎用されている。この96ラックでは、格子間ピッチが9mmで、マイクロチューブの頭部の径が約8mmであるため、隣接するマイクロチューブ間の隙間が僅かである。そのため、作業者が96ラックから所望のマイクロチューブを抜き取る場合、相当程度の手間を要していた。そこで、本出願人は、図11に示したようなマイクロチューブ用ピッキング工具500を開発している。
【0004】
このマイクロチューブ用ピッキング工具500は、4本の爪521を有し、これらの爪521の肉厚部521aに内接する円の直径に相当する、いわゆる、つかみ径DがマイクロチューブMTの頭部MT2の外径より小さく、弾性力によってマイクロチューブMTを保持する爪部ユニット520と、この爪部ユニット520と連結し作業者が握持する円筒形状の胴部ユニット540と、この胴部ユニット540を挿通し作業者が親指を使って押し込むことによって爪部ユニット520が保持しているマイクロチューブMTを押し戻してマイクロチューブMTの保持状態を解除する押し出し棒560を有している。爪部ユニット520と胴部ユニット540とは、爪部ユニット520の端部に設けられた連結部522の内周面に形成した雌ねじと胴部ユニット540の一端の外周面に形成した雄ねじとを螺合させることによって着脱可能に連結されている。
【0005】
そして、爪521の肉厚部521aは、最も肉厚な部分を中心として、爪の先端部及び根本部に向けてテーパー521b、521cが形成されている。押し出し棒560の上端部には、胴部ユニット540の内径より大きな直径を有する押し出しヘッド550を有しており、押し出し棒560が、胴部ユニット540をすり抜けることを防止している。
【特許文献1】特開2006−26775号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、前述したマイクロチューブ用ピッキング工具500では、ある96ラックからマイクロチューブMTを引き抜き、別の96ラックに移載する場合、マイクロチューブMTを1本ずつしか移載することができなかった。そのため、96ラックに収容されたマイクロチューブMTを一行12本、あるいは、一列8本を移載する必要がある場合には、1本ずつ移載する作業を繰り返さなければならず、能率が悪かった。
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題、すなわち、本発明の目的は、格子状に区画されたラック内に縦立収容されているマイクロチューブを複数本一括して、確実に抜き取るマイクロチューブ用ピッキング工具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
まず、本請求項1に係る発明は、格子状に区画されたラック内に縦立収納されている円筒状のマイクロチューブを複数本一括して抜き取るマイクロチューブ用ピッキング工具において、前記マイクロチューブの側面を四方から把持する複数の把持ピンが、2行複数列でグリップの下面に垂設され、前記把持ピンの長さが、マイクロチューブの長さよりも短く形成され、前記把持ピンの先端部分が、中央部分の直径よりも大きな形状に形成され、前記把持ピンの根元部分が、マイクロチューブ頭部に外接する位置に配設され、前記グリップが、前記マイクロチューブを把持する四本の把持ピンの中央に、マイクロチューブと把持ピンとの係合を解除する押し出し棒を挿通する挿通穴を有し、前記押し出し棒が、グリップの長さ及び把持ピンの長さを加算した長さよりも長いとともにグリップの上面側において押し出しハンドルに固定されていることにより、前記課題を解決したものである。
【0009】
そして、本請求項2に係る発明は、請求項1に係るマイクロチューブ用ピッキング工具の構成に加えて、把持ピンの列間隔が、ラックのピッチ間隔と等しく、前記把持ピンの行間隔が、ラックのピッチ間隔よりも小さいことにより、前記課題をさらに解決したものである。
【0010】
また、本請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に係るマイクロチューブ用ピッキング工具の構成に加えて、把持ピンの先端部分の形状が、球状であることにより、前記課題をさらに解決したものである。
【発明の効果】
【0011】
本請求項1に係る発明によれば、格子状に区画されたラック内に縦立収納されている円筒状のマイクロチューブを抜き取るマイクロチューブ用ピッキング工具において、前記マイクロチューブの側面を四方から把持する複数の把持ピンが、2行複数列でグリップの下面に垂設され、前記把持ピンの長さが、マイクロチューブの長さよりも短く形成され、前記把持ピンの先端部分が、中央部分の直径よりも大きな形状に形成され、前記把持ピンの根元部分が、マイクロチューブ頭部に外接する位置に配設され、前記グリップが、前記マイクロチューブを把持する四本の把持ピンの中央に、マイクロチューブと把持ピンとの係合を解除する押し出し棒を挿通する挿通穴を有し、前記押し出し棒が、グリップの長さ及び把持ピンの長さを加算した長さよりも長いとともにグリップの上面側において押し出しハンドルに固定されていることにより、ラック一列状に並んだ複数のマイクロチューブを一括して抜き取ることができるため、マイクロチューブの移載作業の能率が格段に向上する。
【0012】
また、マイクロチューブを把持したときに、把持ピンがマイクロチューブの頭部と側面とに当接するため、マイクロチューブを垂直に保持することができ、マイクロチューブの把持姿勢が安定する。
【0013】
そして、本請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明が奏する効果に加えて、把持ピンの列間隔が、ラックのピッチ間隔と等しく、把持ピンの行間隔が、ラックのピッチ間隔よりも小さいことにより、ラックに一列状に連続して並んだマイクロチューブのみならず、一本の、あるいは、非連続に並んだ複数のマイクロチューブであっても、把持ピンの弾性力がマイクロチューブに確実に加わるため、安定した把持特性が実現できる。
【0014】
また、本請求項3に係る発明によれば、請求項1又は請求項2に係る発明が奏する効果に加えて、把持ピンの先端部分の形状が、球状であることにより、把持ピンを隣接するマイクロチューブ間にスムーズに挿入することができるため、マイクロチューブ用ピッキング工具の操作性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明のマイクロチューブ用ピッキング工具は、マイクロチューブの側面を四方から把持する複数の把持ピンが、2行複数列でグリップの下面に垂設され、把持ピンの長さが、マイクロチューブの長さよりも短く形成され、把持ピンの先端部分が、中央部分の直径よりも大きな形状に形成され、把持ピンの根元部分が、マイクロチューブ頭部に外接する位置に配設され、グリップが、マイクロチューブを把持する四本の把持ピンの中央に、マイクロチューブと把持ピンとの係合を解除する押し出し棒を挿通する挿通穴を有し、押し出し棒が、グリップの長さ及び把持ピンの長さを加算した長さよりも長いとともにグリップの上面側において押し出しハンドルに固定されていることにより、格子状に区画されたラック内に縦立収容されているマイクロチューブを複数本一括して、確実に抜き取ることができるものであれば、その具体的な実施の態様は、如何なるものであっても構わない。
【0016】
本発明の一実施例を図1乃至図10に基づいて説明する。
ここで、図1は、本実施例のマイクロチューブ用ピッキング工具と、12本のマイクロチューブが一行目に収容されたラックとを示した斜視図であり、図2は、図1に示したマイクロチューブ用ピッキング工具を矢視II方向から見たときの斜視図であり、図3は、本実施例のマイクロチューブ用ピッキング工具の正面図であり、図4は、図3に示したマイクロチューブ用ピッキング工具を矢視IV方向から見たときの側面図である。そして、図5は、図2に示したマイクロチューブ用ピッキング工具が1本のマイクロチューブを把持した状態を示した斜視図であり、図6は、図5に示した1本のマイクロチューブを把持したマイクロチューブ用ピッキング工具の正面図であり、図7は、図6に示したマイクロチューブ用ピッキング工具を矢視VII方向から見たときの底面図であり、図8は、本実施例のマイクロチューブ用ピッキング工具によって把持されるマイクロチューブの上面図、側面図、底面図であり、図9は、図3に示したマイクロチューブ用ピッキング工具を矢視IX方向から見たときの底面図であり、図10は、図9のX部の拡大図である。
【0017】
本実施例のマイクロチューブ用ピッキング工具100は、図1に示すように、格子状に区画されたラックR内に縦立収容されている円筒状のマイクロチューブMTを複数本一括して抜き取るものであって、把持ピン121と、グリップ140と、押し出し棒160と、押し出しハンドル150とを基本的な装置構成として備えている。これらの構成要素の材質としては、ポリアセタール等の寸法安定性や耐摩耗性に優れたエンジニアリングプラスチックを用いることが好ましい。特に、把持ピン121については、弾性変形する必要があるため、弾力性に優れたポリエチレンを用いることがより好ましい。
【0018】
本実施例のマイクロチューブ用ピッキング工具100が対象とするラックRは、前述したSBS(Society for Biomolecular Screening)規格に準拠した8行12列で96個に格子状に区画されたラックである。このラックは、行間隔ピッチP1と列間隔ピッチP2が等しく、具体的には、9mmピッチである。
【0019】
そのため、マイクロチューブ用ピッキング工具100は、1列状に並んだ最大12本のマイクロチューブMTの側面をそれぞれ四方から把持して一括して抜き取るため、図2に示すように、グリップ140の下面に2行13列で把持ピン121が垂設されている。なお、グリップ140に垂設する把持ピン121の数としては、2行13列に限られることなく、例えば、ラックRの行数、すなわち、8行に対応させて2行9列としたり、ラックRの列数の半分、すなわち、6列に対応させて2行7列とすることもできる。
【0020】
そして、図6に示すように、把持ピン121の長さL1は、マイクロチューブMTの長さL2よりも短く形成されている。また、把持ピン121の中央部分121aは、円柱形であり、その直径は、ラックRに隣接して収容されたマイクロチューブMTの隙間に入る大きさである。そして、1本の把持ピン121は、両端に位置する把持ピン121、すなわち、1列目と13列目の把持ピン121を除き、隣接する2本のマイクロチューブMTの把持に寄与している。
【0021】
さらに、把持ピン121の先端部分121bは、隣接したマイクロチューブMTの隙間に入りやすいように円錐形状や曲面形状とすることが好ましい。把持ピン121は、弾性力を利用して、マイクロチューブMTを把持する。そのため、把持した時に1本のマイクロチューブMTを把持した把持ピン121の先端部分121bが開くので、その変形状態で把持ピン121がマイクロチューブMTを確実に把持できるように、図1乃至図6に示すように、把持ピン121は、先端部分121bが、中央部分121aの直径よりも大きな形状に形成されている。本実施例では、把持ピン121を隣接するマイクロチューブMT間にスムーズに挿入できるとともに、均等な弾性力を隣接するマイクロチューブMTに与えることができるため、把持ピン121の先端部分121bを球状としている。
【0022】
また、把持ピン121の根元部分は、図7に示すように、マイクロチューブMTの頭部に外接する位置に配設されている。これにより、マイクロチューブMTは、4本の把持ピン121により、図6に示すように、その頭部と側面部により支持されるため、垂直状態を保って確実に把持される。図8は、本実施例のマイクロチューブ用ピッキング工具100がピッキングの対象としているマイクロチューブMTの1例を示しており、(a)がその上面図であり、(b)がその側面図であり、(c)がその底面図である。このマイクロチューブMTの底面には、図8(c)に示すように、各マイクロチューブを識別するために2次元コードCを設けることも可能である。
【0023】
グリップ140には、図10に示すように、マイクロチューブMTを把持する4本の把持ピン121の中央にマイクロチューブMTと把持ピン121との係合を解除する押し出し棒160を挿通する挿通穴142を有している。本実施例の場合、図9に示すように12個の挿通穴142を有しており、それぞれの挿通穴142に押し出し棒160が挿通している。
【0024】
この押し出し棒160の長さL4は、図6に示すように、グリップ140の長さL3及び把持ピン121の長さL1を加算した長さよりも長く、すなわち、L3+L1<L4であるとともに、グリップ140の上面側において、すべての押し出し棒160が押し出しハンドル150に固定されている。したがって、図3と図6の対比によって明らかなように、1本のマイクロチューブMTだけを把持した場合であっても、12本全ての押し出し棒160が連動して上昇する。
【0025】
また、図10に示すように、把持ピン121の列間隔P3が、ラックRのピッチ間隔(P1=P2:図1参照)と等しく形成されている。このことにより、本実施例のマイクロチューブ用ピッキング工具100は、ラックRの行方向に並んだ複数のマイクロチューブMTも列方向に並んだ複数のマイクロチューブMTも同様に一括して把持することができる。
【0026】
一方、把持ピン121の行間隔P4が、ラックRのピッチ間隔P1、P2よりも小さく形成されている。このことにより、各マイクロチューブMTに、把持ピン121の行間隔P4方向からの弾性力が確実に加わるため、ラックRに一列状に連続して並んだマイクロチューブのみならず、一本の、あるいは、非連続に並んだ複数のマイクロチューブMTであっても、安定して把持することができる。
【0027】
次に、本実施例のマイクロチューブ用ピッキング工具100を用いて、あるラックから別のラックにマイクロチューブMTを移載するときの動作を説明する。マイクロチューブ用ピッキング工具100は、押し出し棒160が垂直になるようにグリップ140を握持すると、図3に示すように、押し出し棒160及び押し出しハンドル150の自重により、押し出しハンドル150がグリップ140と接触する状態となり、押し出し棒160がグリップ140の下方に最も突き出た状態になる。このとき、前述したように押し出し棒160の長さは、グリップ140の長さ及び把持ピン121の長さを加算した長さより長いため、押し出し棒160は、把持ピン121よりも下方に突き出た状態になる。また、押し出し棒160は、マイクロチューブを把持する四本の把持ピンの中央に設けられた挿通穴に挿通しているため、その間隔は、把持ピン121の列間隔P3(図10参照)と同様に、ラックRのピッチ間隔と等しい。
【0028】
この状態で、図1に示すように、抜き取る対象のマイクロチューブMTが縦立収納されたラックRの上方にマイクロチューブ用ピッキング工具100を垂直に保持する。そして、押し出し棒160の下端面と所望のマイクロチューブMTの頭部面を接触させる。その状態から、さらに、グリップ140を下方に押し込むと把持ピン121が拡幅し、図5及び図6に示すように、マイクロチューブMTの頭部面が、グリップ140の下端面に接触する。このように、マイクロチューブMTを把持したマイクロチューブ用ピッキング工具100を別のラックの所望の位置に垂直に保持し、押し出しハンドル150を押し込むと、押し出し棒160がマイクロチューブMTの頭部面に当接し、マイクロチューブMTと把持ピン121との係合が解除され、把持したマイクロチューブMTをラックの所望の位置に一括して挿入することができる。
【0029】
本発明のマイクロチューブ用ピッキング工具によれば、格子状に区画されたラック内に縦立収容されているマイクロチューブを複数本一括して、確実に抜き取ることができ、その効果は甚大である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本実施例のマイクロチューブ用ピッキング工具とラックとを示した斜視図。
【図2】図1に示したマイクロチューブ用ピッキング工具を矢視II方向から見たときの斜視図。
【図3】本実施例のマイクロチューブ用ピッキング工具の正面図。
【図4】図3に示したマイクロチューブ用ピッキング工具を矢視IV方向から見たときの側面図。
【図5】図2に示したマイクロチューブ用ピッキング工具が1本のマイクロチューブを把持した状態を示した斜視図。
【図6】図5に示したマイクロチューブ用ピッキング工具の正面図。
【図7】図6に示したマイクロチューブ用ピッキング工具を矢視VII方向から見たときの底面図。
【図8】(a)がマイクロチューブの上面図、(b)が側面図、(c)が底面図。
【図9】図3に示したマイクロチューブ用ピッキング工具を矢視IX方向から見たときの底面図。
【図10】図9のX部の拡大図。
【図11】従来のマイクロチューブ用ピッキング工具の斜視図。
【符号の説明】
【0031】
100 ・・・ マイクロチューブ用ピッキング工具
121 ・・・ 把持ピン
140 ・・・ グリップ
142 ・・・ 挿通穴
150 ・・・ 押し出しハンドル
160 ・・・ 押し出し棒
R ・・・ ラック
MT・・・ マイクロチューブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子状に区画されたラック内に縦立収納されている円筒状のマイクロチューブを複数本一括して抜き取るマイクロチューブ用ピッキング工具において、
前記マイクロチューブの側面を四方から把持する複数の把持ピンが、2行複数列でグリップの下面に垂設され、
前記把持ピンの長さが、マイクロチューブの長さよりも短く形成され、
前記把持ピンの先端部分が、中央部分の直径よりも大きな形状に形成され、
前記把持ピンの根元部分が、マイクロチューブ頭部に外接する位置に配設され、
前記グリップが、前記マイクロチューブを把持する四本の把持ピンの中央にマイクロチューブと把持ピンとの係合を解除する押し出し棒を挿通する挿通穴を有し、
前記押し出し棒が、グリップの長さ及び把持ピンの長さを加算した長さよりも長いとともにグリップの上面側において押し出しハンドルに固定されていることを特徴とするマイクロチューブ用ピッキング工具。
【請求項2】
前記把持ピンの列間隔が、前記ラックのピッチ間隔と等しく、前記把持ピンの行間隔が、前記ラックのピッチ間隔よりも小さいことを特徴とする請求項1記載のマイクロチューブ用ピッキング工具。
【請求項3】
前記把持ピンの先端部分の形状が、球状であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のマイクロチューブ用ピッキング工具。
【請求項1】
格子状に区画されたラック内に縦立収納されている円筒状のマイクロチューブを複数本一括して抜き取るマイクロチューブ用ピッキング工具において、
前記マイクロチューブの側面を四方から把持する複数の把持ピンが、2行複数列でグリップの下面に垂設され、
前記把持ピンの長さが、マイクロチューブの長さよりも短く形成され、
前記把持ピンの先端部分が、中央部分の直径よりも大きな形状に形成され、
前記把持ピンの根元部分が、マイクロチューブ頭部に外接する位置に配設され、
前記グリップが、前記マイクロチューブを把持する四本の把持ピンの中央にマイクロチューブと把持ピンとの係合を解除する押し出し棒を挿通する挿通穴を有し、
前記押し出し棒が、グリップの長さ及び把持ピンの長さを加算した長さよりも長いとともにグリップの上面側において押し出しハンドルに固定されていることを特徴とするマイクロチューブ用ピッキング工具。
【請求項2】
前記把持ピンの列間隔が、前記ラックのピッチ間隔と等しく、前記把持ピンの行間隔が、前記ラックのピッチ間隔よりも小さいことを特徴とする請求項1記載のマイクロチューブ用ピッキング工具。
【請求項3】
前記把持ピンの先端部分の形状が、球状であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のマイクロチューブ用ピッキング工具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−101481(P2009−101481A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−276574(P2007−276574)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(000003355)株式会社椿本チエイン (861)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(000003355)株式会社椿本チエイン (861)
【Fターム(参考)】
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