マイクロニードルアレイとマイクロニードルアレイ装置
【課題】 マイクロニードルを皮膚に対して斜めに突き刺すことができ、それによって、マイクロニードルによる注射の際、患者に対する痛みの軽減と薬液漏れの防止を両立できるマイクロニードルアレイとそのようなマイクロニードルアレイを有するマイクロニードルアレイ装置を提供すること。
【解決手段】 薬液注入口を備えるとともに開口部を備えたケースと、上記ケース内に内装されたニードルホルダと、マイクロニードルを有し上記ニードルホルダに傾斜された状態で保持され上記マイクロニードルの先端部を上記ケースの開口部より突出・配置させたマイクロニードルユニットと、を具備したマイクロニードルアレイとそれを有するマイクロニードルアレイ装置。
【解決手段】 薬液注入口を備えるとともに開口部を備えたケースと、上記ケース内に内装されたニードルホルダと、マイクロニードルを有し上記ニードルホルダに傾斜された状態で保持され上記マイクロニードルの先端部を上記ケースの開口部より突出・配置させたマイクロニードルユニットと、を具備したマイクロニードルアレイとそれを有するマイクロニードルアレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、複数のマイクロニードルをケース内に内装したマイクロニードルアレイとそのマイクロニードルアレイを使用したマイクロニードルアレイ装置に係り、特に、マイクロニードルがケースの表面に対して斜めに傾斜した状態で設置され、マイクロニードルによる注射の際、患者に対する痛みの軽減と薬液漏れの防止を実現できるよう工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のマイクロニードルを備えたマイクロニードルアレイは、例えば、エッチングなどの半導体製造プロセスを応用した手法によって製造される。この種の半導体製造プロセスを応用した手法は、例えば、特許文献1に開示されている。上記手法により製造されるマイクロニードルは平面(皮膚)に対して垂直に形成されたものとなる。
【0003】
そのため、図20に示すように、皮膚203の表面に対してマイクロニードル201を突き刺そうとしても、皮膚203の表面が変形してしまうために、十分に突き刺すことができず、その結果、皮膚203の表面に薬液205が漏れ出してしまうという問題があった。このような場合、マイクロニードル201を皮膚203にさらに強く押し付けて突き刺せば良いのであるが、それでは患者に対して不快感や傷みを与えることになってしまう。
【0004】
尚、注射時における患者の痛みの軽減と、効果的な薬液205の注入を考慮し、マイクロニードルを皮下100〜500μm程度の深さまで突き刺すのが良いとされる。
【0005】
患者に対して不快感や痛みを与えず、且つ、薬液205が皮膚203の表面に漏れ出ないようにするためには、マイクロニードル201を皮膚203の表面に対して傾斜させて突き刺せばよい。これにより、マイクロニードル201が十分に皮膚203内に侵入して薬液205が皮膚203の表面に漏れ出ないようにすることができ、且つ、マイクロニードル201の先端が皮膚203の表面から浅いところまでしか到達せず患者に対する痛みも緩和することができる。
尚、注射器を皮膚表面に対して傾斜させて突き刺すことを開示したものとして、例えば、特許文献2がある。この特許文献2には、皮膚表面に対して45度以上の角度で針を突き刺すことのできるミクロ注射器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−296037号公報
【特許文献2】特開昭56−95058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の構成によると、次のような問題があった。
すなわち、前述したように、皮膚20表面への薬液205の漏れ出しの防止と患者への痛みの緩和の両方を両立するためには、マイクロニードル201を皮膚20に対して傾斜させた状態で突き刺せばいいのであるが、従来のマイクロニードルアレイの構成では、マイクロニードル201を皮膚20に対し傾斜した状態で突き刺すことができなかった。
【0008】
本願発明は、このような点に基づいてなされたもので、その目的とするところは、マイクロニードルを皮膚に対して斜めに突き刺すことができ、それによって、マイクロニードルによる注射の際、患者に対する痛みの軽減と薬液漏れの防止を両立できるマイクロニードルアレイを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するべく請求項1に記載されたマイクロニードルアレイは、薬液注入口を備えるとともに開口部を備えたケースと、上記ケース内に内装されたニードルホルダと、マイクロニードルを有し上記ニードルホルダに傾斜された状態で保持され上記マイクロニードルの先端部を上記ケースの開口部より突出・配置させたマイクロニードルユニットと、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項2に記載されたマイクロニードルアレイは、請求項1記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記上ケースは、薬液注入口が設けられた薬液注入口側ケース要素と、上記開口部が設けられた開口部側ケースと、から構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項3に記載されたマイクロニードルアレイは、請求項2記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記開口部側ケース要素には上記マイクロニードルユニットを傾斜した状態でガイドする傾斜溝が設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項4に記載されたマイクロニードルアレイは、請求項3記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記マイクロニードルユニットには流路ボスが設けられていて、上記ニードルホルダには傾斜ガイド孔が設けられていて、上記流路ボスを上記傾斜ガイド孔に差し込むことにより、上記マイクロニードルユニットが傾斜した状態で保持されることを特徴とするものである。
又、請求項5に記載されたマイクロニードルアレイは、請求項1〜請求項4の何れかに記載のマイクロニードルアレイと、皮膚に設置され上記マイクロニードルアレイを傾斜方向にガイドするマイクロニードルアレイ装着用治具と、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項6に記載されたマイクロニードルアレイ装置は、請求項5記載のマイクロニードルアレイ装置において、上記マイクロニードルアレイ装着用治具は、上記マイクロニードルアレイのマイクロニードルが貫通することになる貫通孔が設けられた治具本体と、上記治具本体に組み込まれる上記マイクロニードルアレイを傾斜方向にガイドして上記マイクロニードルを上記貫通孔に導くガイド部と、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項7に記載されたマイクロニードルアレイ装置は、請求項6記載のマイクロニードルアレイ装着において、上記治具本体の表面には接着部が設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項8に記載されたマイクロニードルアレイ装置は、請求項7記載のマイクロニードルアレイ装着において、上記治具本体には、組み込まれる上記マイクロニードルアレイを保持するマイクロニードルアレイ保持手段が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
以上述べたように、請求項1記載のマイクロニードルアレイによると、薬液注入口を備えるとともに開口部を備えたケースと、上記ケース内に内装されたニードルホルダと、マイクロニードルを有し上記ニードルホルダに傾斜された状態で保持され上記マイクロニードルの先端部を上記ケースの開口部より突出・配置させたマイクロニードルユニットと、を具備した構成になっているので、マイクロニードルを皮膚に対し傾斜した状態で突き刺すことができるようになった。
又、請求項2に記載されたマイクロニードルアレイは、請求項1記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記上ケースは、薬液注入口が設けられた薬液注入口側ケース要素と、上記開口部が設けられた開口部側ケースと、から構成されている構成になっているので、単純な構成で所望のケースを得ることができる。
又、請求項3に記載されたマイクロニードルアレイは、請求項2記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記開口部側ケース要素には上記マイクロニードルユニットを傾斜した状態でガイドする傾斜溝が設けられている構成になっているので、マイクロニードルを傾斜した状態でガイドすることができ、それによって、マイクロニードルを皮膚に対し傾斜した状態で突き刺すことを、より確実なものとすることができる。
又、請求項4に記載されたマイクロニードルアレイは、請求項3記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記マイクロニードルユニットには流路ボスが設けられていて、上記ニードルホルダには傾斜ガイド孔が設けられていて、上記流路ボスを上記傾斜ガイド孔に差し込むことにより、上記マイクロニードルユニットが傾斜した状態で保持される構成になっているので、それによって、マイクロニードルを皮膚に対し傾斜した状態で突き刺すことを、より確実なものとすることができる。
又、請求項5に記載されたマイクロニードルアレイは、請求項1〜請求項4の何れかに記載のマイクロニードルアレイと、皮膚に設置され上記マイクロニードルアレイを傾斜方向にガイドするマイクロニードルアレイ装着用治具と、を具備した構成になっているので、マイクロニードルアレイ装着用治具を使用することにより、マイクロニードルを皮膚に対し傾斜した状態で突き刺すことを、より確実なものとすることができる。
又、請求項6に記載されたマイクロニードルアレイ装置は、請求項5記載のマイクロニードルアレイ装置において、上記マイクロニードルアレイ装着用治具は、上記マイクロニードルアレイのマイクロニードルが貫通することになる貫通孔が設けられた治具本体と、上記治具本体に組み込まれる上記マイクロニードルアレイを傾斜方向にガイドして上記マイクロニードルを上記貫通孔に導くガイド部と、を具備した構成になっているので、それによっても、マイクロニードルを皮膚に対し傾斜した状態で突き刺すことを、より確実なものとすることができる。
又、請求項7に記載されたマイクロニードルアレイ装置は、請求項6記載のマイクロニードルアレイ装着において、上記治具本体の表面には接着部が設けられている構成になっているので、皮膚を平面形状に固定した状態とすることができ、マイクロニードルの皮膚への差し込みをより確実なものとすることができる。
又、請求項8に記載されたマイクロニードルアレイ装置は、請求項7記載のマイクロニードルアレイ装着において、上記治具本体には、組み込まれる上記マイクロニードルアレイを保持するマイクロニードルアレイ保持手段が設けられている構成になっているので、それによっても、上記効果をより確実なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、本実施の形態によるマイクロニードルアレイの構成を示す分解斜視図である。
【図2】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、本実施の形態によるマイクロニードルアレイを示す斜視図である。
【図3】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、図2におけるIII−III断面図である。
【図4】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、本実施の形態によるマイクロニードルアレイに用いられるマイクロニードルユニットを示す分解斜視図である。
【図5】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、マイクロニードルアレイに用いられるマイクロニードルユニットを示す斜視図である。
【図6】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、図5のVI−VI断面図である。
【図7】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、本実施の形態によるマイクロニードルアレイに用いられるマイクロニードルユニットの一部斜視図である。
【図8】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、本実施の形態によるマイクロニードルアレイに用いられるマイクロニードルユニットの一部分解斜視図である。
【図9】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、本実施の形態によるマイクロニードルアレイ装着用治具の構成を示す斜視図である。
【図10】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、本実施の形態によるマイクロニードルアレイをマイクロニードルアレイ装着用治具に装着する状態であって穿刺前の様子を示す斜視図である。
【図11】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、本実施の形態によるマイクロニードルアレイをマイクロニードルアレイ装着用治具に装着する状態であって穿刺後の様子を示す斜視図である。
【図12】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、図12(a)は本実施の形態によるマイクロニードルアレイをマイクロニードルアレイ装着用治具に装着する状態であって穿刺前の様子を示す側面図、図12(b)は図12(a)のb−b矢視図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図11のXIII−XIII断面図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図14(a)は開口部側ケースの平面図、図14(b)は開口部側ケースの正面図、図14(c)は開口部側ケースの側面図、図14(d)は図14(a)のd−d断面図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図15(a)はニードルホルダの平面図、図15(b)はニードルホルダの正面図、図15(c)はニードルホルダの側面図、図15(d)は図15(a)のd−d断面図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態を示す図で、マイクロニードルアレイの構成を示す斜視図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態を示す図で、マイクロニードルアレイ装置の構成を示す分解斜視図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態を示す図で、非使用時のマイクロニードルアレイ装置の構成を示す斜視図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態を示す図で、使用時のマイクロニードルアレイ装置の構成を示す斜視図である。
【図20】従来例を示す図で、マイクロニードルを皮膚表面に対して垂直に突き刺した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1乃至図15を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態によるマイクロニードルアレイ1の構成を示す分解斜視図であり、まず、薬液注入口側ケース3と、開口部側ケース5がある。上記薬液注入口側ケース3と開口部側ケース5との間には、複数列(この実施の形態の場合には6列)のマイクロニードルユニット7がニードルホルダ9に保持された状態で内装されている。
以下、順次詳細に説明していく。
【0013】
まず、薬液注入口側ケース3であるが、略長方形の板状をなしていて、中央には薬液注入口11が設けられている。又、薬液注入口側ケース3の四隅には貫通孔13、13、13、13がそれぞれ穿孔されている。これら4個の貫通孔13、13、13、13には固定ねじ15、15、15、15が通されることになる。
【0014】
又、上記薬液注入口側ケース3の対向する一対の側面には、二つずつの係合凸部21、21が、所定角度だけ傾斜した状態で設けられていて、これら二つずつの係合凸部21、21には、係合凹部23、23がそれぞれ形成されている。
尚、図1では、片側の側面のみを示しているが、反対側の側面にも、同様の係合凸部21、21、係合凹部23、23が設けられている。
【0015】
又、図3に示すように、上記薬液注入口側ケース3の図中下側の面には、薬液流通溝22が格子状に形成されており、又、その薬液流通22以外の部分は突起24となっている。
【0016】
次に、開口部側ケース5の構成について説明する。上記開口部側ケース5は、図14にも示すように、中空であって、略長方形の板状をなしている。上記開口部側ケース5の四隅には、ねじ孔25、25、25、25がそれぞれ設けられている。既に説明した固定ねじ15、15、15、15は、薬液注入口側ケース3側の貫通孔13、13、13、13を通り、これらのねじ孔25、25、25、25にそれぞれ螺合されることになる。それによって、上記薬液注入口側ケース3と開口部側ケース5との間に、複数列のマイクロニードルユニット7がニードルホルダ9に保持された状態で内装・固定されることになる。
【0017】
上記開口部側ケース5の内側であって対向する内側面には、図14(a)にも示すように、それぞれ複数(この実施の形態の場合には6個)傾斜ガイド溝27、27が設けられている。これら対向・配置された傾斜ガイド溝27、27によって、それぞれのマイクロニードルユニット7の両端を支持するとともに傾斜方向にガイドするものである。又、上記傾斜ガイド溝27の近傍にはストッパ28が設けられていて、上記マイクロニードルユニット7の両端が係合された場合に、上記ストップ28に当接することになり、その位置が規制されることになる。
尚、上記傾斜ガイド溝27、27か形成されている部分は、図14(b)、図14(d)に示すように、下方に突出した状態になっている。
【0018】
又、上記開口部側ケース5の内周面には環状段付部29が設けられている。この環状段付部29上に、ニードルホルダ9が載置されることになる。
【0019】
次に、ニードルホルダ9の構成について説明する。ニードルホルダ9は、例えば、シリコンゴム等の弾性体から構成されている。又、上記ニードルホルダ9は、図15にも示すように、略長方形の板状をなしていて、複数個(この実施の形態の場合には、6個×6列=36個)の傾斜ガイド孔31が設けられている。これら複数個の傾斜ガイド孔31によって、マイクロニードルユニット7を傾斜した状態で保持するものである。又、ストッパ32が設けられていて、上記マイクロニードルユニット7の各マイクロニードルが係合された場合に、上記ストップ32に当接することになり、その位置が規制されることになる。又、上記傾斜ガイド孔31の部分は、図15(b)、図15(d)に示すように、下方に突出した状態になっている。
尚、この傾斜ガイド孔31には薬液注入口側ケース3の薬液流通溝22が連通される構成になる。
【0020】
又、上記ニードルホルダ9は収納される空間に対して若干大きめに形成されている。それによって、シール機能を発揮するように構成されている。又、既に説明した薬液注入口側ケース3の突起24によって、上記ニードルホルダ9の浮き上がりは防止されるように構成されている。
【0021】
次に、マイクロニードルユニット7の構成について説明する。上記マイクロニードルユニット7は、図4〜図8に示すような構成になっている。すなわち、上記マイクロニードルユニット7は、図4に示すように、二つ割り構造になっていて、主針側分割要素33と副針側分割要素35とから構成されている。上記マイクロニードルユニット7は、これら主針側分割要素33と副針側分割要素35を貼り合わせることにより構成されている。また、図5に示すように、一つのマイクロニードルユニット7には、複数個(この実施の形態の場合には6個)のマイクロニードル37が設けられている。上記6個のマイクロニードル37の基部には流路ボス39が設けられている。これら流路ボス39は、既に説明したニードルホルダ9の傾斜ガイド孔31にそれぞれ差し込まれることになり、それによって、マイクロニードルユニット7がニードルホルダ9に傾斜された状態で保持されることになる。
【0022】
上記主針側分割要素33と副針側分割要素35との接合面側の構成を詳しく説明する。図8に示すように、まず、主針側分割要素33側には、第1嵌合溝41aが形成されていて、この第1嵌合溝41aの中央部に第2嵌合溝41bが形成されている。また、先端部には、さらに別の第3嵌合溝41cが形成されている。
【0023】
一方、上記副針側分割要素35側には、比較的大きな第1嵌合リブ43aが突出・形成されている。この第1嵌合リブ43aの中央部には一対の第2嵌合リブ43b、43bが突出・形成されている。また、先端部には、さらに別の第3嵌合リブ43cが突出・形成されている。
【0024】
そして、上記主針側分割要素33と副針側分割要素35とを接合することにより、薬液流路45が形成されることになる。すなわち、第1嵌合溝41aに第1嵌合リブ43aを嵌合させる。又、第2嵌合溝41bの両端に一対の第2嵌合リブ43b、43bを嵌合させる。それによって、一対の第2嵌合リブ43b、43b間に、上記薬液流路45の一部が形成されることになる。又、第3嵌合溝41c内に第3嵌合リブ43cを嵌合させることになるが、その際、第3嵌合溝41cと第3嵌合リブ43cとの間には隙間が形成されるように構成されている。この隙間が上記薬液流路45の残りの部分となる。
【0025】
又、上記薬液流路45の後端は既に説明した流路ボス39の部位まで延長されている(図7に示す。)。すなわち、図6に示すように、上記主針側分割要素33側には、第4嵌合溝41dが形成されており、一方、副針側分割要素35側には、第4嵌合リブ43dが形成されている。これら第4嵌合溝41dと第4嵌合リブ43dを隙間を存した状態で嵌合させることにより、流路ボス39側の薬液流路45が構成されるものである。
尚、マイクロニードル37の先端は非接着となっていて薬液流出口38となっている。
【0026】
このように、第1嵌合溝41a、第2嵌合溝41b、第3嵌合溝41c、第4嵌合溝41dと、第1嵌合リブ43a、一対の第2嵌合リブ43b、43b、第3嵌合リブ43c、第4嵌合リブ43dを嵌合させて薬液流路45を形成する構成を採用することにより、上記主針側分割要素33と副針側分割要素35との強固な接合構造を得ることができる。また、上記副針側分割要素35の先端部にはストレート部47が設けられており、それによって、穿刺性を向上させるようにしている。
【0027】
次に、図9を参照して、マイクロニードルアレイ装着用治具51の構成について説明する。このマイクロニードルアレイ装着用治具51は、金属製であって、板材にプレス加工を施すことによって形成されている。まず、底板部53があり、この底板部53の左右両側には、それぞれ二つずつの側壁部55、55が折曲・形成されている。
【0028】
片側の側壁部55、55をみると、傾斜ガイド溝57、57がそれぞれ設けられている。上記傾斜ガイド溝57は、下側に設けられた下側傾斜ガイド片59と、上側に設けられた上側傾斜ガイド片61とから構成されている。上記上側傾斜ガイド片61は、板ばね状に設けられていて、係合凸部63が設けられている。この係合凸部63の先端面が傾斜ガイド面65となっている。
尚、左右二つずつ計4個の全ての側壁部55に同様の傾斜ガイド溝57が設けられている。
そして、上記各傾斜ガイド溝57の上側傾斜ガイド片16の係合凸部63が、既に説明したマイクロニードルアレイ1の薬液注入口側ケース3の係合凹部23に係合することになる。
【0029】
上記底壁部53には複数個(この実施の形態の場合には、6個×6列=36個)の貫通孔71が穿孔されている。これら複数個の貫通孔71に、既に説明したマイクロニードル37の先端部が貫通することになる。
【0030】
上記マイクロニードルアレイ装着用治具51には、接着剤が塗布されて接着部81が設けられるとともに、その表面には剥離紙83が剥離可能に貼り付けられる。
【0031】
以上の構成を基にその作用を説明する。
まず、図10に示すように、上記マイクロニードルアレイ装着用治具51から剥離紙83を剥がして接着部81を露出させ、皮膚91に貼り付けて固定する。
【0032】
次に、図10に示すように、皮膚91に貼り付けて固定した上記マイクロニードルアレイ装着用治具51に、マイクロニードルアレイ1を装着していく。そして、図11に示すように、上記マイクロニードルアレイ装着用治具51に、マイクロニードルアレイ1を装着・固定し、さらに、皮膚91に押し付ける。それによって、所望の穿刺が可能になる。後は、マイクロニードルアレイ装着用治具51側の係合凸部63、63に、マイクロニードルアレイ1側の係合凹部23、23が係合することにより、マイクロニードルアレイ1がマイクロニードルアレイ装着用治具51に固定されることになる。
【0033】
そして、薬液注入口11を介して薬液が注入されると、薬液流通溝22を介して、各マイクロニードルユニット7の各薬液流路45内に流入し、各マイクロニードル37の先端の薬液流出口38から皮下に注入されることになる。
【0034】
以上、本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、マイクロニードルアレイ1のマイクロニードルユニット7のマイクロニードル37を傾斜した状態で皮膚91に容易に穿刺することができるようになった。それによって、薬液を皮下に確実に注入することができ、又、薬液の漏れを防止することができる。
又、マイクロニードルアレイ装着用治具51を皮膚91に押し付ける構成になっており、それによって、上記皮膚91の表面を平面状に保った状態に固定することができる。特に、本実施の形態の場合には、マイクロニードルアレイ装着用治具51の表面に接着部81が設けられているので、皮膚91の表面を平面状に保った状態に固定する効果をより確実なものとすることができる。このように、皮膚91の表面を平面状に保った状態に固定することができるので、穿刺時における皮膚91の変形を防止することができ、マイクロニードル37を皮下所望深さまで確実に穿刺させることができる。
又、上記マイクロニードルアレイ装着用治具51には、傾斜ガイド溝57が設けられているので、マイクロニードルアレイ1を上記マイクロニードルアレイ装着用治具51に確実に、且つ、容易に取り付けることができる。
又、上記マイクロニードルアレイ装着用治具51には、4つの係合凸部63が設けられているため、上記マイクロニードルアレイ1を上記マイクロニードルアレイ装着用治具51に確実に固定することができ、皮膚91に対するマイクロニードルアレイ1の位置も確実に固定されることとなる。
【0035】
次に、図16乃至図19を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。この第2の実施の形態の場合には、前記第1の実施の形態におけるマイクロニードルアレイ1の薬液注入口側ケース3の係合凸部21に、係合凹部23とは別に係合凹部23′を設けた構成になっている。
尚、その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同じであり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
【0036】
上記構成によると、非使用時には、図16に示すように、係合凸部21の係合凹部23′が、上側傾斜ガイド片61の係合凸部63に係合した状態になっている。この状態では、マイクロニードルアレイ1側のマイクロニードル37が、マイクロニードルアレイ装着用治具51の貫通孔71から突出するようなことはなく、それによって、マイクロニードル37の不用意な損傷を防止するようにしている。
【0037】
そして、使用時には、図17に示すように、前記第1の実施の形態において説明したように、係合凸部21の係合凹部23が、上側傾斜ガイド片61の係合凸部63に係合した状態になる。
【0038】
以上、この第2の実施の形態によると、前記第1の実施の形態の場合と同様の効果を奏することができるとともに、非使用時におけるマイクロニードル37の不用意な損傷を防止することができる。
【0039】
尚、本願発明は、前記第1、第2の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、前記一実施の形態の場合には、接着部を設ける場合を例に挙げて説明しているがそれに限定されるものではない。例えば、注射時間が短時間の場合には、接着部を設けないような構成も考えられる。
例えば、マイクロニードルの数やこれに対応した治具本体の貫通孔の数は任意である。
また、マイクロニードルの形状についても、四角錘形状に限らず、多角錘形状や円錐形状など、様々なものが考えられる。
又、前記一実施の形態のように、治具本体の表面の全面に接着部を設けるのではなく、貫通孔の開口部を塞ぐように部分的に設けることも考えられる。
又、前記一実施の形態の場合には、接着剤の塗布により接着部を設けるようにしたが、例えば、両面接着紙の片側の剥離紙を剥がして貼り付けるようにしてもよい。
その他、図示した構成はあくまで一例であってそれに限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、例えば、複数のマイクロニードルをケース内に内装したマイクロニードルアレイとそのマイクロニードルアレイを使用したマイクロニードルアレイ装置に係り、特に、マイクロニードルがケースの表面に対して斜めに傾斜した状態で設置され、マイクロニードルによる注射の際、患者に対する痛みの軽減と薬液漏れの防止を実現できるよう工夫したものに関し、例えば、インシュリンの経皮投与等に用いられるマイクロニードルアレイとマイクロニードルアレイ装置として好適である。
【符号の説明】
【0041】
1 マイクロニードルアレイ
3 薬液注入口側ケース
5 開口部側ケース
7 マイクロニードル
9 ニードルホルダ
27 傾斜ガイド溝
31 傾斜ガイド孔
37 マイクロニードル
51 マイクロニードルアレイ装着用治具
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、複数のマイクロニードルをケース内に内装したマイクロニードルアレイとそのマイクロニードルアレイを使用したマイクロニードルアレイ装置に係り、特に、マイクロニードルがケースの表面に対して斜めに傾斜した状態で設置され、マイクロニードルによる注射の際、患者に対する痛みの軽減と薬液漏れの防止を実現できるよう工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のマイクロニードルを備えたマイクロニードルアレイは、例えば、エッチングなどの半導体製造プロセスを応用した手法によって製造される。この種の半導体製造プロセスを応用した手法は、例えば、特許文献1に開示されている。上記手法により製造されるマイクロニードルは平面(皮膚)に対して垂直に形成されたものとなる。
【0003】
そのため、図20に示すように、皮膚203の表面に対してマイクロニードル201を突き刺そうとしても、皮膚203の表面が変形してしまうために、十分に突き刺すことができず、その結果、皮膚203の表面に薬液205が漏れ出してしまうという問題があった。このような場合、マイクロニードル201を皮膚203にさらに強く押し付けて突き刺せば良いのであるが、それでは患者に対して不快感や傷みを与えることになってしまう。
【0004】
尚、注射時における患者の痛みの軽減と、効果的な薬液205の注入を考慮し、マイクロニードルを皮下100〜500μm程度の深さまで突き刺すのが良いとされる。
【0005】
患者に対して不快感や痛みを与えず、且つ、薬液205が皮膚203の表面に漏れ出ないようにするためには、マイクロニードル201を皮膚203の表面に対して傾斜させて突き刺せばよい。これにより、マイクロニードル201が十分に皮膚203内に侵入して薬液205が皮膚203の表面に漏れ出ないようにすることができ、且つ、マイクロニードル201の先端が皮膚203の表面から浅いところまでしか到達せず患者に対する痛みも緩和することができる。
尚、注射器を皮膚表面に対して傾斜させて突き刺すことを開示したものとして、例えば、特許文献2がある。この特許文献2には、皮膚表面に対して45度以上の角度で針を突き刺すことのできるミクロ注射器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−296037号公報
【特許文献2】特開昭56−95058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の構成によると、次のような問題があった。
すなわち、前述したように、皮膚20表面への薬液205の漏れ出しの防止と患者への痛みの緩和の両方を両立するためには、マイクロニードル201を皮膚20に対して傾斜させた状態で突き刺せばいいのであるが、従来のマイクロニードルアレイの構成では、マイクロニードル201を皮膚20に対し傾斜した状態で突き刺すことができなかった。
【0008】
本願発明は、このような点に基づいてなされたもので、その目的とするところは、マイクロニードルを皮膚に対して斜めに突き刺すことができ、それによって、マイクロニードルによる注射の際、患者に対する痛みの軽減と薬液漏れの防止を両立できるマイクロニードルアレイを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するべく請求項1に記載されたマイクロニードルアレイは、薬液注入口を備えるとともに開口部を備えたケースと、上記ケース内に内装されたニードルホルダと、マイクロニードルを有し上記ニードルホルダに傾斜された状態で保持され上記マイクロニードルの先端部を上記ケースの開口部より突出・配置させたマイクロニードルユニットと、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項2に記載されたマイクロニードルアレイは、請求項1記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記上ケースは、薬液注入口が設けられた薬液注入口側ケース要素と、上記開口部が設けられた開口部側ケースと、から構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項3に記載されたマイクロニードルアレイは、請求項2記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記開口部側ケース要素には上記マイクロニードルユニットを傾斜した状態でガイドする傾斜溝が設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項4に記載されたマイクロニードルアレイは、請求項3記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記マイクロニードルユニットには流路ボスが設けられていて、上記ニードルホルダには傾斜ガイド孔が設けられていて、上記流路ボスを上記傾斜ガイド孔に差し込むことにより、上記マイクロニードルユニットが傾斜した状態で保持されることを特徴とするものである。
又、請求項5に記載されたマイクロニードルアレイは、請求項1〜請求項4の何れかに記載のマイクロニードルアレイと、皮膚に設置され上記マイクロニードルアレイを傾斜方向にガイドするマイクロニードルアレイ装着用治具と、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項6に記載されたマイクロニードルアレイ装置は、請求項5記載のマイクロニードルアレイ装置において、上記マイクロニードルアレイ装着用治具は、上記マイクロニードルアレイのマイクロニードルが貫通することになる貫通孔が設けられた治具本体と、上記治具本体に組み込まれる上記マイクロニードルアレイを傾斜方向にガイドして上記マイクロニードルを上記貫通孔に導くガイド部と、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項7に記載されたマイクロニードルアレイ装置は、請求項6記載のマイクロニードルアレイ装着において、上記治具本体の表面には接着部が設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項8に記載されたマイクロニードルアレイ装置は、請求項7記載のマイクロニードルアレイ装着において、上記治具本体には、組み込まれる上記マイクロニードルアレイを保持するマイクロニードルアレイ保持手段が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
以上述べたように、請求項1記載のマイクロニードルアレイによると、薬液注入口を備えるとともに開口部を備えたケースと、上記ケース内に内装されたニードルホルダと、マイクロニードルを有し上記ニードルホルダに傾斜された状態で保持され上記マイクロニードルの先端部を上記ケースの開口部より突出・配置させたマイクロニードルユニットと、を具備した構成になっているので、マイクロニードルを皮膚に対し傾斜した状態で突き刺すことができるようになった。
又、請求項2に記載されたマイクロニードルアレイは、請求項1記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記上ケースは、薬液注入口が設けられた薬液注入口側ケース要素と、上記開口部が設けられた開口部側ケースと、から構成されている構成になっているので、単純な構成で所望のケースを得ることができる。
又、請求項3に記載されたマイクロニードルアレイは、請求項2記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記開口部側ケース要素には上記マイクロニードルユニットを傾斜した状態でガイドする傾斜溝が設けられている構成になっているので、マイクロニードルを傾斜した状態でガイドすることができ、それによって、マイクロニードルを皮膚に対し傾斜した状態で突き刺すことを、より確実なものとすることができる。
又、請求項4に記載されたマイクロニードルアレイは、請求項3記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記マイクロニードルユニットには流路ボスが設けられていて、上記ニードルホルダには傾斜ガイド孔が設けられていて、上記流路ボスを上記傾斜ガイド孔に差し込むことにより、上記マイクロニードルユニットが傾斜した状態で保持される構成になっているので、それによって、マイクロニードルを皮膚に対し傾斜した状態で突き刺すことを、より確実なものとすることができる。
又、請求項5に記載されたマイクロニードルアレイは、請求項1〜請求項4の何れかに記載のマイクロニードルアレイと、皮膚に設置され上記マイクロニードルアレイを傾斜方向にガイドするマイクロニードルアレイ装着用治具と、を具備した構成になっているので、マイクロニードルアレイ装着用治具を使用することにより、マイクロニードルを皮膚に対し傾斜した状態で突き刺すことを、より確実なものとすることができる。
又、請求項6に記載されたマイクロニードルアレイ装置は、請求項5記載のマイクロニードルアレイ装置において、上記マイクロニードルアレイ装着用治具は、上記マイクロニードルアレイのマイクロニードルが貫通することになる貫通孔が設けられた治具本体と、上記治具本体に組み込まれる上記マイクロニードルアレイを傾斜方向にガイドして上記マイクロニードルを上記貫通孔に導くガイド部と、を具備した構成になっているので、それによっても、マイクロニードルを皮膚に対し傾斜した状態で突き刺すことを、より確実なものとすることができる。
又、請求項7に記載されたマイクロニードルアレイ装置は、請求項6記載のマイクロニードルアレイ装着において、上記治具本体の表面には接着部が設けられている構成になっているので、皮膚を平面形状に固定した状態とすることができ、マイクロニードルの皮膚への差し込みをより確実なものとすることができる。
又、請求項8に記載されたマイクロニードルアレイ装置は、請求項7記載のマイクロニードルアレイ装着において、上記治具本体には、組み込まれる上記マイクロニードルアレイを保持するマイクロニードルアレイ保持手段が設けられている構成になっているので、それによっても、上記効果をより確実なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、本実施の形態によるマイクロニードルアレイの構成を示す分解斜視図である。
【図2】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、本実施の形態によるマイクロニードルアレイを示す斜視図である。
【図3】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、図2におけるIII−III断面図である。
【図4】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、本実施の形態によるマイクロニードルアレイに用いられるマイクロニードルユニットを示す分解斜視図である。
【図5】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、マイクロニードルアレイに用いられるマイクロニードルユニットを示す斜視図である。
【図6】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、図5のVI−VI断面図である。
【図7】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、本実施の形態によるマイクロニードルアレイに用いられるマイクロニードルユニットの一部斜視図である。
【図8】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、本実施の形態によるマイクロニードルアレイに用いられるマイクロニードルユニットの一部分解斜視図である。
【図9】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、本実施の形態によるマイクロニードルアレイ装着用治具の構成を示す斜視図である。
【図10】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、本実施の形態によるマイクロニードルアレイをマイクロニードルアレイ装着用治具に装着する状態であって穿刺前の様子を示す斜視図である。
【図11】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、本実施の形態によるマイクロニードルアレイをマイクロニードルアレイ装着用治具に装着する状態であって穿刺後の様子を示す斜視図である。
【図12】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、図12(a)は本実施の形態によるマイクロニードルアレイをマイクロニードルアレイ装着用治具に装着する状態であって穿刺前の様子を示す側面図、図12(b)は図12(a)のb−b矢視図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図11のXIII−XIII断面図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図14(a)は開口部側ケースの平面図、図14(b)は開口部側ケースの正面図、図14(c)は開口部側ケースの側面図、図14(d)は図14(a)のd−d断面図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図15(a)はニードルホルダの平面図、図15(b)はニードルホルダの正面図、図15(c)はニードルホルダの側面図、図15(d)は図15(a)のd−d断面図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態を示す図で、マイクロニードルアレイの構成を示す斜視図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態を示す図で、マイクロニードルアレイ装置の構成を示す分解斜視図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態を示す図で、非使用時のマイクロニードルアレイ装置の構成を示す斜視図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態を示す図で、使用時のマイクロニードルアレイ装置の構成を示す斜視図である。
【図20】従来例を示す図で、マイクロニードルを皮膚表面に対して垂直に突き刺した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1乃至図15を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態によるマイクロニードルアレイ1の構成を示す分解斜視図であり、まず、薬液注入口側ケース3と、開口部側ケース5がある。上記薬液注入口側ケース3と開口部側ケース5との間には、複数列(この実施の形態の場合には6列)のマイクロニードルユニット7がニードルホルダ9に保持された状態で内装されている。
以下、順次詳細に説明していく。
【0013】
まず、薬液注入口側ケース3であるが、略長方形の板状をなしていて、中央には薬液注入口11が設けられている。又、薬液注入口側ケース3の四隅には貫通孔13、13、13、13がそれぞれ穿孔されている。これら4個の貫通孔13、13、13、13には固定ねじ15、15、15、15が通されることになる。
【0014】
又、上記薬液注入口側ケース3の対向する一対の側面には、二つずつの係合凸部21、21が、所定角度だけ傾斜した状態で設けられていて、これら二つずつの係合凸部21、21には、係合凹部23、23がそれぞれ形成されている。
尚、図1では、片側の側面のみを示しているが、反対側の側面にも、同様の係合凸部21、21、係合凹部23、23が設けられている。
【0015】
又、図3に示すように、上記薬液注入口側ケース3の図中下側の面には、薬液流通溝22が格子状に形成されており、又、その薬液流通22以外の部分は突起24となっている。
【0016】
次に、開口部側ケース5の構成について説明する。上記開口部側ケース5は、図14にも示すように、中空であって、略長方形の板状をなしている。上記開口部側ケース5の四隅には、ねじ孔25、25、25、25がそれぞれ設けられている。既に説明した固定ねじ15、15、15、15は、薬液注入口側ケース3側の貫通孔13、13、13、13を通り、これらのねじ孔25、25、25、25にそれぞれ螺合されることになる。それによって、上記薬液注入口側ケース3と開口部側ケース5との間に、複数列のマイクロニードルユニット7がニードルホルダ9に保持された状態で内装・固定されることになる。
【0017】
上記開口部側ケース5の内側であって対向する内側面には、図14(a)にも示すように、それぞれ複数(この実施の形態の場合には6個)傾斜ガイド溝27、27が設けられている。これら対向・配置された傾斜ガイド溝27、27によって、それぞれのマイクロニードルユニット7の両端を支持するとともに傾斜方向にガイドするものである。又、上記傾斜ガイド溝27の近傍にはストッパ28が設けられていて、上記マイクロニードルユニット7の両端が係合された場合に、上記ストップ28に当接することになり、その位置が規制されることになる。
尚、上記傾斜ガイド溝27、27か形成されている部分は、図14(b)、図14(d)に示すように、下方に突出した状態になっている。
【0018】
又、上記開口部側ケース5の内周面には環状段付部29が設けられている。この環状段付部29上に、ニードルホルダ9が載置されることになる。
【0019】
次に、ニードルホルダ9の構成について説明する。ニードルホルダ9は、例えば、シリコンゴム等の弾性体から構成されている。又、上記ニードルホルダ9は、図15にも示すように、略長方形の板状をなしていて、複数個(この実施の形態の場合には、6個×6列=36個)の傾斜ガイド孔31が設けられている。これら複数個の傾斜ガイド孔31によって、マイクロニードルユニット7を傾斜した状態で保持するものである。又、ストッパ32が設けられていて、上記マイクロニードルユニット7の各マイクロニードルが係合された場合に、上記ストップ32に当接することになり、その位置が規制されることになる。又、上記傾斜ガイド孔31の部分は、図15(b)、図15(d)に示すように、下方に突出した状態になっている。
尚、この傾斜ガイド孔31には薬液注入口側ケース3の薬液流通溝22が連通される構成になる。
【0020】
又、上記ニードルホルダ9は収納される空間に対して若干大きめに形成されている。それによって、シール機能を発揮するように構成されている。又、既に説明した薬液注入口側ケース3の突起24によって、上記ニードルホルダ9の浮き上がりは防止されるように構成されている。
【0021】
次に、マイクロニードルユニット7の構成について説明する。上記マイクロニードルユニット7は、図4〜図8に示すような構成になっている。すなわち、上記マイクロニードルユニット7は、図4に示すように、二つ割り構造になっていて、主針側分割要素33と副針側分割要素35とから構成されている。上記マイクロニードルユニット7は、これら主針側分割要素33と副針側分割要素35を貼り合わせることにより構成されている。また、図5に示すように、一つのマイクロニードルユニット7には、複数個(この実施の形態の場合には6個)のマイクロニードル37が設けられている。上記6個のマイクロニードル37の基部には流路ボス39が設けられている。これら流路ボス39は、既に説明したニードルホルダ9の傾斜ガイド孔31にそれぞれ差し込まれることになり、それによって、マイクロニードルユニット7がニードルホルダ9に傾斜された状態で保持されることになる。
【0022】
上記主針側分割要素33と副針側分割要素35との接合面側の構成を詳しく説明する。図8に示すように、まず、主針側分割要素33側には、第1嵌合溝41aが形成されていて、この第1嵌合溝41aの中央部に第2嵌合溝41bが形成されている。また、先端部には、さらに別の第3嵌合溝41cが形成されている。
【0023】
一方、上記副針側分割要素35側には、比較的大きな第1嵌合リブ43aが突出・形成されている。この第1嵌合リブ43aの中央部には一対の第2嵌合リブ43b、43bが突出・形成されている。また、先端部には、さらに別の第3嵌合リブ43cが突出・形成されている。
【0024】
そして、上記主針側分割要素33と副針側分割要素35とを接合することにより、薬液流路45が形成されることになる。すなわち、第1嵌合溝41aに第1嵌合リブ43aを嵌合させる。又、第2嵌合溝41bの両端に一対の第2嵌合リブ43b、43bを嵌合させる。それによって、一対の第2嵌合リブ43b、43b間に、上記薬液流路45の一部が形成されることになる。又、第3嵌合溝41c内に第3嵌合リブ43cを嵌合させることになるが、その際、第3嵌合溝41cと第3嵌合リブ43cとの間には隙間が形成されるように構成されている。この隙間が上記薬液流路45の残りの部分となる。
【0025】
又、上記薬液流路45の後端は既に説明した流路ボス39の部位まで延長されている(図7に示す。)。すなわち、図6に示すように、上記主針側分割要素33側には、第4嵌合溝41dが形成されており、一方、副針側分割要素35側には、第4嵌合リブ43dが形成されている。これら第4嵌合溝41dと第4嵌合リブ43dを隙間を存した状態で嵌合させることにより、流路ボス39側の薬液流路45が構成されるものである。
尚、マイクロニードル37の先端は非接着となっていて薬液流出口38となっている。
【0026】
このように、第1嵌合溝41a、第2嵌合溝41b、第3嵌合溝41c、第4嵌合溝41dと、第1嵌合リブ43a、一対の第2嵌合リブ43b、43b、第3嵌合リブ43c、第4嵌合リブ43dを嵌合させて薬液流路45を形成する構成を採用することにより、上記主針側分割要素33と副針側分割要素35との強固な接合構造を得ることができる。また、上記副針側分割要素35の先端部にはストレート部47が設けられており、それによって、穿刺性を向上させるようにしている。
【0027】
次に、図9を参照して、マイクロニードルアレイ装着用治具51の構成について説明する。このマイクロニードルアレイ装着用治具51は、金属製であって、板材にプレス加工を施すことによって形成されている。まず、底板部53があり、この底板部53の左右両側には、それぞれ二つずつの側壁部55、55が折曲・形成されている。
【0028】
片側の側壁部55、55をみると、傾斜ガイド溝57、57がそれぞれ設けられている。上記傾斜ガイド溝57は、下側に設けられた下側傾斜ガイド片59と、上側に設けられた上側傾斜ガイド片61とから構成されている。上記上側傾斜ガイド片61は、板ばね状に設けられていて、係合凸部63が設けられている。この係合凸部63の先端面が傾斜ガイド面65となっている。
尚、左右二つずつ計4個の全ての側壁部55に同様の傾斜ガイド溝57が設けられている。
そして、上記各傾斜ガイド溝57の上側傾斜ガイド片16の係合凸部63が、既に説明したマイクロニードルアレイ1の薬液注入口側ケース3の係合凹部23に係合することになる。
【0029】
上記底壁部53には複数個(この実施の形態の場合には、6個×6列=36個)の貫通孔71が穿孔されている。これら複数個の貫通孔71に、既に説明したマイクロニードル37の先端部が貫通することになる。
【0030】
上記マイクロニードルアレイ装着用治具51には、接着剤が塗布されて接着部81が設けられるとともに、その表面には剥離紙83が剥離可能に貼り付けられる。
【0031】
以上の構成を基にその作用を説明する。
まず、図10に示すように、上記マイクロニードルアレイ装着用治具51から剥離紙83を剥がして接着部81を露出させ、皮膚91に貼り付けて固定する。
【0032】
次に、図10に示すように、皮膚91に貼り付けて固定した上記マイクロニードルアレイ装着用治具51に、マイクロニードルアレイ1を装着していく。そして、図11に示すように、上記マイクロニードルアレイ装着用治具51に、マイクロニードルアレイ1を装着・固定し、さらに、皮膚91に押し付ける。それによって、所望の穿刺が可能になる。後は、マイクロニードルアレイ装着用治具51側の係合凸部63、63に、マイクロニードルアレイ1側の係合凹部23、23が係合することにより、マイクロニードルアレイ1がマイクロニードルアレイ装着用治具51に固定されることになる。
【0033】
そして、薬液注入口11を介して薬液が注入されると、薬液流通溝22を介して、各マイクロニードルユニット7の各薬液流路45内に流入し、各マイクロニードル37の先端の薬液流出口38から皮下に注入されることになる。
【0034】
以上、本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、マイクロニードルアレイ1のマイクロニードルユニット7のマイクロニードル37を傾斜した状態で皮膚91に容易に穿刺することができるようになった。それによって、薬液を皮下に確実に注入することができ、又、薬液の漏れを防止することができる。
又、マイクロニードルアレイ装着用治具51を皮膚91に押し付ける構成になっており、それによって、上記皮膚91の表面を平面状に保った状態に固定することができる。特に、本実施の形態の場合には、マイクロニードルアレイ装着用治具51の表面に接着部81が設けられているので、皮膚91の表面を平面状に保った状態に固定する効果をより確実なものとすることができる。このように、皮膚91の表面を平面状に保った状態に固定することができるので、穿刺時における皮膚91の変形を防止することができ、マイクロニードル37を皮下所望深さまで確実に穿刺させることができる。
又、上記マイクロニードルアレイ装着用治具51には、傾斜ガイド溝57が設けられているので、マイクロニードルアレイ1を上記マイクロニードルアレイ装着用治具51に確実に、且つ、容易に取り付けることができる。
又、上記マイクロニードルアレイ装着用治具51には、4つの係合凸部63が設けられているため、上記マイクロニードルアレイ1を上記マイクロニードルアレイ装着用治具51に確実に固定することができ、皮膚91に対するマイクロニードルアレイ1の位置も確実に固定されることとなる。
【0035】
次に、図16乃至図19を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。この第2の実施の形態の場合には、前記第1の実施の形態におけるマイクロニードルアレイ1の薬液注入口側ケース3の係合凸部21に、係合凹部23とは別に係合凹部23′を設けた構成になっている。
尚、その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同じであり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
【0036】
上記構成によると、非使用時には、図16に示すように、係合凸部21の係合凹部23′が、上側傾斜ガイド片61の係合凸部63に係合した状態になっている。この状態では、マイクロニードルアレイ1側のマイクロニードル37が、マイクロニードルアレイ装着用治具51の貫通孔71から突出するようなことはなく、それによって、マイクロニードル37の不用意な損傷を防止するようにしている。
【0037】
そして、使用時には、図17に示すように、前記第1の実施の形態において説明したように、係合凸部21の係合凹部23が、上側傾斜ガイド片61の係合凸部63に係合した状態になる。
【0038】
以上、この第2の実施の形態によると、前記第1の実施の形態の場合と同様の効果を奏することができるとともに、非使用時におけるマイクロニードル37の不用意な損傷を防止することができる。
【0039】
尚、本願発明は、前記第1、第2の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、前記一実施の形態の場合には、接着部を設ける場合を例に挙げて説明しているがそれに限定されるものではない。例えば、注射時間が短時間の場合には、接着部を設けないような構成も考えられる。
例えば、マイクロニードルの数やこれに対応した治具本体の貫通孔の数は任意である。
また、マイクロニードルの形状についても、四角錘形状に限らず、多角錘形状や円錐形状など、様々なものが考えられる。
又、前記一実施の形態のように、治具本体の表面の全面に接着部を設けるのではなく、貫通孔の開口部を塞ぐように部分的に設けることも考えられる。
又、前記一実施の形態の場合には、接着剤の塗布により接着部を設けるようにしたが、例えば、両面接着紙の片側の剥離紙を剥がして貼り付けるようにしてもよい。
その他、図示した構成はあくまで一例であってそれに限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、例えば、複数のマイクロニードルをケース内に内装したマイクロニードルアレイとそのマイクロニードルアレイを使用したマイクロニードルアレイ装置に係り、特に、マイクロニードルがケースの表面に対して斜めに傾斜した状態で設置され、マイクロニードルによる注射の際、患者に対する痛みの軽減と薬液漏れの防止を実現できるよう工夫したものに関し、例えば、インシュリンの経皮投与等に用いられるマイクロニードルアレイとマイクロニードルアレイ装置として好適である。
【符号の説明】
【0041】
1 マイクロニードルアレイ
3 薬液注入口側ケース
5 開口部側ケース
7 マイクロニードル
9 ニードルホルダ
27 傾斜ガイド溝
31 傾斜ガイド孔
37 マイクロニードル
51 マイクロニードルアレイ装着用治具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液注入口を備えるとともに開口部を備えたケースと、
上記ケース内に内装されたニードルホルダと、
マイクロニードルを有し上記ニードルホルダに傾斜された状態で保持され上記マイクロニードルの先端部を上記ケースの開口部より突出・配置させたマイクロニードルユニットと、
を具備したことを特徴とするマイクロニードルアレイ。
【請求項2】
請求項1記載のマイクロニードルアレイにおいて、
上記上ケースは、薬液注入口が設けられた薬液注入口側ケース要素と、上記開口部が設けられた開口部側ケースと、から構成されていることを特徴とするマイクロニードルアレイ。
【請求項3】
請求項2記載のマイクロニードルアレイにおいて、
上記開口部側ケース要素には上記マイクロニードルユニットを傾斜した状態でガイドする傾斜溝が設けられていることを特徴とするマイクロニードルアレイ装置。
【請求項4】
請求項3記載のマイクロニードルアレイにおいて、
上記マイクロニードルユニットには流路ボスが設けられていて、上記ニードルホルダには傾斜ガイド孔が設けられていて、上記流路ボスを上記傾斜ガイド孔に差し込むことにより、上記マイクロニードルユニットが傾斜した状態で保持されることを特徴とするマイクロニードルアレイ。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れかに記載のマイクロニードルアレイと、
皮膚に設置され上記マイクロニードルアレイを傾斜方向にガイドするマイクロニードルアレイ装着用治具と、
を具備したことを特徴とするマイクロニードルアレイ装置。
【請求項6】
請求項5記載のマイクロニードルアレイ装置において、
上記マイクロニードルアレイ装着用治具は、上記マイクロニードルアレイのマイクロニードルが貫通することになる貫通孔が設けられた治具本体と、
上記治具本体に組み込まれる上記マイクロニードルアレイを傾斜方向にガイドして上記マイクロニードルを上記貫通孔に導くガイド部と、
を具備したことを特徴とするマイクロニードルアレイ装着。
【請求項7】
請求項6記載のマイクロニードルアレイ装着において、
上記治具本体の表面には接着部が設けられていることを特徴とするマイクロニードルアレイ装着。
【請求項8】
請求項7記載のマイクロニードルアレイ装着において、
上記治具本体には、組み込まれる上記マイクロニードルアレイを保持するマイクロニードルアレイ保持手段が設けられていることを特徴とするマイクロニードルアレイ装着。
【請求項1】
薬液注入口を備えるとともに開口部を備えたケースと、
上記ケース内に内装されたニードルホルダと、
マイクロニードルを有し上記ニードルホルダに傾斜された状態で保持され上記マイクロニードルの先端部を上記ケースの開口部より突出・配置させたマイクロニードルユニットと、
を具備したことを特徴とするマイクロニードルアレイ。
【請求項2】
請求項1記載のマイクロニードルアレイにおいて、
上記上ケースは、薬液注入口が設けられた薬液注入口側ケース要素と、上記開口部が設けられた開口部側ケースと、から構成されていることを特徴とするマイクロニードルアレイ。
【請求項3】
請求項2記載のマイクロニードルアレイにおいて、
上記開口部側ケース要素には上記マイクロニードルユニットを傾斜した状態でガイドする傾斜溝が設けられていることを特徴とするマイクロニードルアレイ装置。
【請求項4】
請求項3記載のマイクロニードルアレイにおいて、
上記マイクロニードルユニットには流路ボスが設けられていて、上記ニードルホルダには傾斜ガイド孔が設けられていて、上記流路ボスを上記傾斜ガイド孔に差し込むことにより、上記マイクロニードルユニットが傾斜した状態で保持されることを特徴とするマイクロニードルアレイ。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れかに記載のマイクロニードルアレイと、
皮膚に設置され上記マイクロニードルアレイを傾斜方向にガイドするマイクロニードルアレイ装着用治具と、
を具備したことを特徴とするマイクロニードルアレイ装置。
【請求項6】
請求項5記載のマイクロニードルアレイ装置において、
上記マイクロニードルアレイ装着用治具は、上記マイクロニードルアレイのマイクロニードルが貫通することになる貫通孔が設けられた治具本体と、
上記治具本体に組み込まれる上記マイクロニードルアレイを傾斜方向にガイドして上記マイクロニードルを上記貫通孔に導くガイド部と、
を具備したことを特徴とするマイクロニードルアレイ装着。
【請求項7】
請求項6記載のマイクロニードルアレイ装着において、
上記治具本体の表面には接着部が設けられていることを特徴とするマイクロニードルアレイ装着。
【請求項8】
請求項7記載のマイクロニードルアレイ装着において、
上記治具本体には、組み込まれる上記マイクロニードルアレイを保持するマイクロニードルアレイ保持手段が設けられていることを特徴とするマイクロニードルアレイ装着。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−94530(P2013−94530A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242168(P2011−242168)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(391008537)ASTI株式会社 (73)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(391008537)ASTI株式会社 (73)
【Fターム(参考)】
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