説明

マイクロニードルアレイ装置

【課題】 本数やピッチを自由に選択し、且つ、成形不良の発生も少ないマイクロニードルアレイ装置を提供すること。
【解決手段】 開口部を備えるとともに流体供給用開口部を備えた下ケースと、下ケースの開口部を閉塞するように設置され貫通孔を備えた上ケースと、下ケースと上ケースとの間に収容・配置されマイクロニードルアレイ収容凹部を備え流体供給口と流体排出口を有する流体溝を備えている内部ブロックと、内部ブロックのマイクロニードルアレイ収容凹部内にそれぞれ収容・配置されマイクロニードルを備えたマイクロニードルアレイと、下ケースと内部ブロックとの間に設けられた流路溝とを具備し、下ケースの流体供給用開口部及び内部ブロックの流体供給口を介して流体溝内に流体を供給し、供給した流体を流体排出口及び流路溝を介して各マイクロニードルに供給し、各マイクロニードルを介して皮下に注入するようにしたもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、インシュリンの経皮投与等において使用されるマイクロニードルアレイ装置に係り、特に、マイクロニードルの個数やピッチを自由に選択して所望の構成を容易に実現することができ、且つ、薬液の漏れや注射前のマイクロニードルの溶解・変性(マイクロニードルが薬液に侵されることにより溶解又はその性質が変化すること)を防ぐことができるように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のマイクロニードルアレイ装置を開示するものとして、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3等がある。
まず、特許文献1に開示されているマイクロニードルは、基板上に厚み分布を持つ島状のエッチングマスクを形成し、このエッチングマスクと基板とのエッチングレートの差を利用して、基板を針状に加工するものである。
次に、特許文献2に開示されているマイクロ針は、マスクを使用したエッチングにより所望のマイクロ針を形成するものである。
さらに、特許文献3に開示されている微細針は、針を可溶材から構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−296037号公報
【特許文献2】特表2004−538106号公報
【特許文献3】特開2008−279237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の構成によると次のような問題があった。
まず、従来の構成によると、マイクロニードルの個数やピッチ等を自由に選択して、所望のマイクロニードルアレイ装置を構成することが困難であった。
又、多数のマイクロニードルを一度に成形しなければならず、その為、マイクロニードルのニードル部分に成形不良が発生してしまうという問題もあった。
又、例えば、PLA(Poly Lactic Acid)樹脂(ポリ乳酸樹脂)やPGA(Poly Glycolic Acid)樹脂(ポリグリコール酸樹脂)などの生体適合材料によるマイクロニードルを使用してマイクロニードルアレイ装置を構成した場合、注射前に薬液と触れることによってマイクロニードルが侵され、溶解・変性等により使用できなくなる可能性も想定される。
【0005】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、マイクロニードルの個数やピッチを自由に選択して所望の構成を実現することができ、且つ、成形不良の発生も少なく、注射前にマイクロニードルが薬液に侵されることのないマイクロニードルアレイ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1によるマイクロニードルアレイ装置は、開口部を備えるとともに流体供給用開口部を備えた下ケースと、上記下ケースの上記開口部を閉塞するように設置され貫通孔を備えた上ケースと、上記下ケースと上ケースとの間に収容・配置されマイクロニードルアレイ収容凹部を備えるとともに流体供給口と流体排出口を有する流体溝を備えている内部ブロックと、上記内部ブロックのマイクロニードルアレイ収容凹部内にそれぞれ収容・配置されマイクロニードルを備えたマイクロニードルアレイと、上記下ケースと上記内部ブロックとの間に設けられた流路溝と、を具備し、上記下ケースの流体供給用開口部及び上記内部ブロックの流体供給口を介して上記流体溝内に流体を供給し、上記供給した流体を上記流体排出口及び上記流路溝を介して上記各マイクロニードルに供給し、上記各マイクロニードルを介して皮下に注入するようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項2によるマイクロニードルアレイ装置は、請求項1記載のマイクロニードルアレイ装置において、上記内部ブロックと上記下ケースの間には上記流体供給口及び上記流体排出口を選択的に開放することができるシャッター板が設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項3によるマイクロニードルアレイ装置は、請求項1又は請求項2記載のマイクロニードルアレイ装置において、上記流路溝は上記下ケースに設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項4によるマイクロニードルアレイ装置は、請求項1記載のマイクロニードルアレイ装置において、上記流路溝は上記内部ブロックに設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項5によるマイクロニードルアレイ装置は、請求項2記載のマイクロニードルアレイ装置において、上記流路溝は上記シャッター板に設けられた貫通孔によって形成されることを特徴とするものである。
又、請求項6によるマイクロニードルアレイ装置は、請求項1〜請求項5の何れかに記載のマイクロニードルアレイ装置において、上記マイクロニードルアレイは生体に対して安全なプラスチック材料から構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項7によるマイクロニードルアレイ装置は、請求項1〜請求項6の何れかに記載のマイクロニードルアレイ装置において、上記内部ブロックは弾性部材から構成されていて、且つ、上記下ケースの内部空間に対して若干量大きく成形されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
以上述べたように本願発明の請求項1によるマイクロニードルアレイ装置によると、開口部を備えるとともに流体供給用開口部を備えた下ケースと、上記下ケースの上記開口部を閉塞するように設置され貫通孔を備えた上ケースと、上記下ケースと上ケースとの間に収容・配置されマイクロニードルアレイ収容凹部を備えるとともに流体供給口と流体排出口を有する流体溝を備えている内部ブロックと、上記内部ブロックのマイクロニードルアレイ収容凹部内にそれぞれ収容・配置されマイクロニードルを備えたマイクロニードルアレイと、上記下ケースと上記内部ブロックとの間に設けられた流路溝と、を具備し、上記下ケースの流体供給用開口部及び上記内部ブロックの流体供給口を介して上記流体溝内に流体を供給し、上記供給した流体を上記流体排出口及び上記流路溝を介して上記各マイクロニードルに供給し、上記各マイクロニードルを介して皮下に注入するようにしたので、まず、マイクロニードルアレイ装置を複数の構成部材に分けることにより、マイクロニードルの本数やピッチ等を自由に選択して構成することが可能になった。特に、マイクロニードルアレイを適宜の数だけ組み合わせることにより、マイクロニードルの個数等を自由に選択することができ、所望の「行×列」のマイクロニードルアレイ装置を容易に提供することができる。その際、マイクロニードルアレイの各マイクロニードルのピッチを適宜変更することにより、マイクロニードルの個数だけでなく、そのピッチについても自由に選択して構成することができる。
又、請求項2によるマイクロニードルアレイ装置は、シャッター板によって流体溝の流体供給口及び流体排出口を選択的に開放することができるため、流体溝からの不用意な流体の漏れ出しを防止することができ、例えば、流体溝に充填された流体がマイクロニードルアレイを侵すような薬液である場合には、マイクロニードルアレイ装置を注射に用いる前にマイクロニードルアレイが薬液によって侵されて使用できなくなるのを防ぐことができる。
又、請求項3によるマイクロニードルアレイ装置も、請求項1や請求項2によるマイクロニードルアレイ装置と同様の効果を得ることができる。
又、請求項4によるマイクロニードルアレイ装置も、請求項1によるマイクロニードルアレイ装置と同様の効果を得ることができる。
又、請求項5によるマイクロニードルアレイ装置も、請求項2によるマイクロニードルアレイと同様の効果を得ることができる。
又、請求項6によるマイクロニードルアレイ装置は、請求項1〜請求項5の何れかに記載のマイクロニードルアレイ装置において、上記マイクロニードルアレイは生体に対して安全なプラスチック材料から構成されているので、生体の安全性を確実に確保することができる。
又、請求項7によるマイクロニードルアレイ装置は、請求項1〜請求項6の何れかに記載のマイクロニードルアレイ装置において、上記内部ブロックは弾性部材から構成されていて、且つ、上記下ケースの内部空間に対して若干量大きく成形されているので、別途シール材を使用することなく高いシール性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図で、マイクロニードルアレイ装置の全体の構成を示す斜視図である
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図1のII−II断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を示す図で、マイクロニードルアレイ装置の分解斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態を示す図で、マイクロニードルアレイ装置の応用範囲を説明するための平面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す図で、マイクロニードルアレイ装置の分解斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態を示す図で、マイクロニードルアレイ装置の断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態を示す図で、マイクロニードルアレイ装置の分解斜視図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態を示す図で、図8(a)は薬液充填状態のマイクロニードルアレイ装置を示す斜視図であり、図8(b)は薬液保管状態のマイクロニードルアレイ装置を示す斜視図であり、図8(c)は注射状態のマイクロニードルアレイ装置を示す斜視図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態を示す図で、図9(a)は薬液充填状態のマイクロニードルアレイ装置を示す断面図であり、図9(b)は薬液保管状態のマイクロニードルアレイ装置を示す断面図であり、図9(c)は注射状態のマイクロニードルアレイ装置を示す断面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態を示す図で、マイクロニードルアレイ装置の分解斜視図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態を示す図で、図11(a)は薬液充填状態のマイクロニードルアレイ装置を示す断面図であり、図11(b)は薬液保管状態のマイクロニードルアレイ装置を示す断面図であり、図11(c)は注射状態のマイクロニードルアレイ装置を示す断面図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態を示す図で、マイクロニードルアレイ装置の分解斜視図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態を示す図で、図13(a)は薬液充填状態のマイクロニードルアレイ装置を示す断面図であり、図13(b)は薬液保管状態のマイクロニードルアレイ装置を示す断面図であり、図13(c)は注射状態のマイクロニードルアレイ装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1乃至図4を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。図1乃至図3に示すように、まず、下ケース1がある。この下ケース1は器形状をなしていて、底壁3と、この底壁3より立設された4個の側面壁5、7、9、11とから構成されている。上記底壁3には複数個(この実施の形態の場合には6個)の流路溝13が形成されている。又、上記底壁3の中央部には薬液供給用開口部15が形成されている。又、下ケース1には開口部16が形成されている。上記下ケース1はプラスチック製又は金属製である。本実施の形態の場合にはプラスチック製である。
【0010】
上記下ケース1の開口部16を閉塞するように上ケース17が設置・固定されている。この上ケース17も上記下ケース1と同様にプラスチック製又は金属製である。本実施の形態の場合にはプラスチック製である。上記上ケース17の四隅の下面には差込ピン19が突設されている。一方、既に説明した下ケース1側には四隅に凹部21が形成されている。上記上ケース17は四隅の差込ピン19を下ケース1の四隅の凹部21に差し込んだ状態で図示しない接着フィルムを介して下ケース1に接着・固定されている。
【0011】
上記上ケース17には複数個(この実施の形態の場合には6個)の貫通孔23が穿孔されている。又、上ケース17の外側面であって上記貫通孔23の外周には貫通孔23より大径の凹部24が形成されている。この凹部24は後述するマイクロニードルが皮膚に刺さり易くなるように機能するものである。
【0012】
上記下ケース1と上ケース17との間には内部ブロック23が内装されている。この内部ブロック23は、例えば、シリコンゴム製であり、既に説明した下ケース1の内部空間の寸法に対して若干量大きく設定されている。それによって、下ケース1と上ケース17との間に内装された状態でパッキンとしての機能を発揮できるように構成されている。
尚、シリコンゴム以外にも、例えば、エラストマ等の弾性部材から構成することが考えられる。
【0013】
この内部ブロック23には複数個(この実施の形態の場合には2個)のマイクロニードルアレイ収容空間25、25が形成されている。このマイクロニードルアレイ収容空間25は、図3中下側が開口された状態で形成されている。又、上記マイクロニードルアレイ収容空間25、25の上面側には複数個(この実施の形態の場合には6個)の貫通孔27が穿孔されている。
【0014】
上記内部ブロック23の中央部には薬液溝29が形成されている。この薬液溝29の底壁には、図2に示すように、薬液供給口31が形成されているとともに、複数個(この実施の形態の場合には6個)の薬液排出口33が形成されている。
【0015】
上記内部ブロック23のマイクロニードルアレイ収容空間25、25内には、それぞれマイクロニードルアレイ35、35が内装されることになる。このマイクロニードルアレイ35は、例えば、生体に対して安全なプラスチック材料、具体的には、PLA(Poly Lactic Acid)樹脂(ポリ乳酸樹脂)、PVA(Poly Vinyl Alcohl)樹脂(ポリビニールアルコール樹脂)、PGA(Poly Glycolic Acid)樹脂(ポリグリコール酸樹脂)等から構成されている。上記マイクロニードルアレイ35は、縦方向に二つ割りの構成になっていて、二つのマイクロニードルアレイ要素37、37を貼り合わせた構成になっている。又、各マイクロニードルアレイ要素37には3つのマイクロニードル39が設けられている。又、図2に示すように、各マイクロニードル39には薬液流路41が形成されている。又、図1に示すように、下ケース1の薬液供給用開口部15にはチューブ51を介してポンプ53が接続されることになる。
尚、マイクロニードルアレイ35を縦方向に二つ割りの状態で成形して接着させることについては、本件特許出願人が別途特許出願している。
【0016】
以上の構成を基にその作用を説明する。
まず、ポンプ53よりチューブ51を介して供給された薬液は、薬液供給用開口部15、薬液供給口31を介して薬液溝29内に供給される。薬液溝29内に供給された薬液は各薬材排出口33を介して各流路溝13内に流入し、そこから、各マイクロニードル39の薬液流路41内に流入する。そして、マイクロニードル39を介して、例えば、皮下に注入されることになる。
【0017】
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、マイクロニードルアレイ装置を複数の構成部材に分けることにより、マイクロニードル39の本数やピッチ等を自由に選択して構成することが可能になった。特に、列状のマイクロニードルアレイ35を適宜の数だけ組み合わせることにより、マイクロニードル39の本数等を自由に選択することができ、所望の「行×列」のマイクロニードルアレイ装置を容易に提供することができるものである。
その際、マイクロニードルアレイ35の各マイクロニードル39のピッチを適宜変更することにより、マイクロニードル39の個数だけでなく、そのピッチについても自由に選択して構成することができるものである。
又、下ケース1と上ケース17の間に弾性部材からなり、且つ、内部空間より若干大きな内部ブロック23を挟み込んだ構成とすることにより、別途シール材を使用することなく、高いシール性能を備えたマイクロニードルアレイ装置を提供することができるものである。
又、マイクロニードルアレイ35は縦方向に二つ割りの構成をなしているので、マイクロニードル39の成形不良等をなくすことができる。
又、マイクロニードルアレイ35は、生体に対して安全なプラスチック材料、具体的には、ポリ乳酸樹脂、PVA樹脂、PGA樹脂等から構成されているので、生体の安全性を確実に確保することができる。
又、上ケース17には凹部24が形成されているので、マイクロニードル39の皮膚への差し込みをも確実なものとすることができる。
【0018】
次に、図5及び図6を使用して、本願発明の第2の実施の形態について説明する。
なお、上ケース17及びマイクロニードルアレイ35については、前述した第一の実施の形態の場合と共通するため、その構成の説明を省略し、同じ符号を付すこととする。
【0019】
図5及び図6に示すように、本実施の形態によるマイクロニードルアレイ装置には、まず、下ケース55がある。この下ケース55は器形状を成していて、底壁57と、この底壁57より立設された4個の側面壁59、61、63、65とから構成されている。上記底壁57の中央部には薬液供給用開口部67が形成されている。又、上記下ケース55には開口部69が形成されている。又、上記下ケース55の図5中上側の面の四隅には上ケース17の差込ピン19に対応する凹部70、70、70、70が形成されている。本実施の形態の場合も、上記下ケース55はプラスチック製であるが、金属製である場合も考えられる。
【0020】
前述した第一の実施の形態の場合と同様、上記下ケース55の開口部69を閉塞するように上ケース17が設置・固定される。
【0021】
上記下ケース55と上ケース17との間には内部ブロック71が内装されている。この内部ブロック71も、前述した第一の実施の形態の内部ブロック23と同様にシリコンゴム等の弾性部材でできており、上記下ケース55の内部空間に対して若干大きく設定されているものである。
【0022】
上記内部ブロック71には複数個(この実施の形態の場合には2個)のマイクロニードルアレイ収容空間73、73が形成されている。このマイクロニードルアレイ収容空間73は、図5中上側が開口された状態で形成されている。
又、図5及び図6に示すように、上記内部ブロック71には薬液溝75が形成されている。上記薬液溝75の底面(図6中下側の面)の中央付近には薬液供給口77が設けられている。また、上記薬液溝75の底面(図5中下側の面)には薬液排出口79、79、79、79、79、79が設けられている。又、上記内部ブロック71の図5及び図6中下側の面には、複数(この実施の形態の場合は6個)の流路溝81が形成されている。この流路溝81は上記薬液溝75と上記マイクロニードルアレイ収容空間73を連通させており、上記流路溝81と上記薬液溝75とは薬液排出口79によって連絡されている。
又、上記薬液供給口77は上記下ケース55の薬液供給用開口部67と連通する。
【0023】
上記内部ブロック71のマイクロニードルアレイ収容空間73、73内には、それぞれマイクロニードルアレイ35、35が内装される。このマイクロニードルアレイ35の各マイクロニードル39の薬液流路41は、それぞれ、上記内部ブロック71の流路溝81及び薬液排出口79を介して上記薬液溝75と連通する。
【0024】
本実施の形態によるマイクロニードルアレイ装置も、前述した第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイ装置と同様の作用、効果を奏する。
【0025】
次に、図7乃至図9を用いて、本願発明の第3の実施の形態について説明する。
なお、上ケース17及びマイクロニードルアレイ35については前述した第一の実施の形態の場合と同一であり、下ケース1も前述した第一の実施の形態の場合と殆ど同様であるため、その共通する構成の説明を省略し、同じ符号を付すこととする。
【0026】
まず、本実施の形態によるマイクロニードルアレイ装置には、下ケース1がある。この下ケース1は、第一の実施の形態によるマイクロニードルアレイ装置における下ケース1と略同様の構成であるが、図7に示すように、その側面(図7中右側の面)にシャッターつまみ用貫通孔82が穿孔されている。このシャッターつまみ用貫通孔82は、上記下ケース1の内部空間と連通している。又、上記下ケース1の内部空間の底面(図7中下側の面)と上記シャッターつまみ用貫通孔82の底面(図7中下側の面)とは面一(一つの平面として連続している)となっている。
また、前述した第一の実施の形態の場合と同様、上記下ケース1の開口部16を閉塞するように上ケース17が設置・固定される。
【0027】
上記下ケース1と上ケース17との間には内部ブロック83が内装されている。この内部ブロック83も、前述した第一の実施の形態の場合と同様、シリコンゴム等弾性部材からなり、上記下ケース1の内部空間に対して若干量大きく設定されているものである。
【0028】
上記内部ブロック83には複数個(この実施の形態の場合は2個)のマイクロニードルアレイ収容空間85、85が形成されている。このマイクロニードルアレイ収容空間25は、図7中下側が開口された状態で形成されている。又、上記マイクロニードルアレイ収容空間85、85の上面側には複数個(この実施の形態の場合には6個)の貫通孔87が穿孔されている。
【0029】
上記内部ブロック83の中央部には薬液溝89が形成されている。この薬液溝89の底壁には、薬液供給口91が形成されていると共に、複数個(この実施の形態の場合には6個)の薬液排出口93が形成されている。
又、上記内部ブロック83には、図7中下側に開口したシャッター板収容部95が形成されている。上記シャッター板収容部95は、上記マイクロニードルアレイ収容空間25と連通し、上記薬液供給口91及び上記薬液排出口93を介して上記薬液溝89と連通している。又、上記シャッター板収容部95の図7中右側にはシャッターつまみ用溝97が形成されている。上記内部ブロック83が上記下ケース1内に収められたとき、上記下ケース1のシャッターつまみ用貫通孔82、上記内部ブロック83のシャッターつまみ用溝97及びシャッター板収容部95が連通することとなる。
【0030】
上記内部ブロック83のシャッター板収容部95内には、シャッター板99が図7中左右方向に移動可能に収容されている。上記シャッター板99は、図7に示すように、略長方形の板状部材からなるシャッター板本体101と、このシャッター板本体101から図7中右側に突出・形成されたシャッターつまみ103とからなる。また、上記シャッター板本体101には、円形の供給用貫通孔105が穿孔されている。また、上記シャッター板本体101には薬液溝側貫通孔107とマイクロニードルアレイ側貫通孔109の2つの孔からなる組が6組穿孔されている。また、上記シャッターつまみ103には、充填位置表示目盛111、保管位置表示目盛113、注射位置表示目盛115が表示されている。これらの表示目盛は、シャッター板99を操作する際の目安として用いられる。
【0031】
また、上記シャッターつまみ103は、上記内部ブロック83のシャッターつまみ用溝97と上記下ケース1の内部空間の底面との間、及び、上記下ケース1のシャッターつまみ用貫通孔82を貫通して、外部に突出している。
上記シャッターつまみ103を手などによって把持し、上記シャッター板99を移動させることができる。上記シャッター板99の移動により、上記薬液供給口91の開閉や、上記薬液排出口93及び上記下ケース1の流路溝13を介した上記薬液溝89とマイクロニードル39の薬液流路41との連通・遮断を行うことができる。
また、上記シャッター板収容部95の高さ(図9(a)中上下方向長さ)は、上記シャッター板99の厚さに対して若干小さめに設定されている。
【0032】
以上の構成を基にその作用を説明する。
まず、シャッターつまみ103を把持して、シャッター板99をその充填位置表示目盛111がシャッターつまみ用貫通孔82の外側の開口部に重なる位置へと移動させると、マイクロニードルアレイ装置は図8(a)に示すような状態となる。この状態では、図9(a)に示すように、下ケース1の薬液供給用開口部15、シャッター板99の供給用貫通孔105、内部ブロック83の薬液供給口91、及び、上記内部ブロック83の薬液溝89が連通している。また、上記薬液溝89の全ての薬液排出口93は上記シャッター板99によって塞がれた状態となっている。この状態が、マイクロニードルアレイ装置の薬液充填状態である。
【0033】
この状態において、図示しないチューブが上記薬液供給用開口部15を貫通して、上記内部ブロックの薬液供給口91に差し込まれる。そして、このチューブを介して図示しないポンプにより、薬液が上記薬液溝89内に充填される。
なお、上記薬液供給口91の径は上記チューブの径よりも若干小さめに設定されており、上記内部ブロック83はシリコンゴム等の弾性部材からなるため、上記薬液供給口91の内周面と上記チューブの外周面との間のシール性が確保される。
【0034】
上記薬液溝89に薬液を充填し終えたら上記チューブを薬液供給用開口部15から抜き去り、上記シャッターつまみ103を把持して、上記シャッター板99をその保管位置表示目盛113が上記シャッターつまみ用貫通孔82の外側の開口部に重なる位置へと移動させる。このとき、マイクロニードルアレイ装置は図8(b)に示す状態となる。この状態では、図9(b)に示すように、上記内部ブロック83の薬液供給口91及び全ての薬液排出口93は上記シャッター板99によって塞がれている。そのため、充填された薬液は上記薬液溝89内に閉じ込められた状態となる。この状態が、マイクロニードルアレイ装置の薬液保管状態である。
【0035】
次に、上記シャッターつまみ103を把持して、上記シャッター板99をその注射位置表示目盛115が上記シャッターつまみ用貫通孔82の外側の開口部に重なる位置へと移動させる。このとき、マイクロニードルアレイ装置は図8(c)に示す状態となる。この状態では、図9(c)に示すように、上記内部ブロック83の薬液供給口91は上記シャッター板99によって塞がれている。その一方、全ての上記薬液排出口93は開放されており、上記薬液溝89とマイクロニードルマイクロニードル39の全ての薬液流路41は、上記薬液排出口93、上記シャッター板99の薬液溝側貫通孔107、下ケース1の流路溝13、及び、上記シャッター板99のマイクロニードルアレイ側貫通孔109を介して、連絡された状態となっている。この状態がマイクロニードルアレイ装置の注射状態である。この状態で上記マイクロニードル39を皮膚に対して突き刺すことにより、上記薬液溝89内の薬液を上記マイクロニードル39を介して皮下に注入することができる。
【0036】
以上本実施の形態によると、前述した第一の実施の形態の場合の効果に加え、次のような効果を奏することができる。
まず、シャッター板99の位置によって、マイクロニードルアレイ装置の状態を前述した薬液充填状態、薬液保管状態、及び、注射状態に確実に切り換えることができる。そのため、薬液を薬液溝89に充填する際の薬液排出口93からの薬液の漏れ、薬液を保管する際の薬液溝89からの薬液の漏れ、注射する際の薬液供給口91からの薬液の漏れを防止することができる。
特に、マイクロニードルアレイ35が薬液によって侵されるような材質からなる場合、注射前にマイクロニードルアレイ35が薬液に触れてしまうのを防ぐことができ、それによって、マイクロニードルアレイ35の溶解・変性を防止することができる。
また、上記内部ブロック83はシリコンゴム等の弾性部材からなり、上記シャッター板収容部95の高さ(図9(a)中上下方向長さ)は、上記シャッター板99の厚さに対して若干小さめに設定されている。そのため、上記シャッター板99の図9(a)中上側の面は上記内部ブロック83によって押圧され、そのことによってシール性が高められ、薬液の漏れを防止することができる。
【0037】
また、上記シャッター板99の操作により、容易にマイクロニードルアレイ装置の状態を薬液充填状態、薬液保管状態、及び、注射状態に切り換えることができる。また、シャッターつまみ103には充填位置表示目盛111、保管位置表示目盛113、注射位置表示目盛115が、それぞれ、薬液充填状態、薬液保管状態、及び、注射状態の目安として表示されているため、これらの状態への切換操作を確実に行うことができる。
【0038】
次に図10及び図11を用いて、本願発明の第4の実施の形態について説明する。
なお、上ケース17及びマイクロニードルアレイ35は前述した第1の実施の形態の場合と同一であり、これらについては、説明を省略し、同じ符号を付すこととする。
【0039】
まず、本実施の形態によるマイクロニードルアレイ装置には、下ケース117がある。この下ケース117は器形状を成していて、底壁119と、この底壁119より立設された4個の側面壁121、123、125、127とから構成されており、開口部129が形成されている。上記底壁57には上記開口部129側に開口したシャッター板収容部131が形成されている。また、上記シャッター板収容部131の図10中右側には、上記下ケース117を貫通してシャッターつまみ用貫通孔133が形成されている。また、上記シャッター板収容部131の中央部には薬液供給用開口部135が形成されている。また、下ケース117には上ケース17の差込ピン19に対応した凹部136が形成されている。
【0040】
前述した第一の実施の形態の場合と同様、上記下ケース117の開口部129を閉塞するように上記上ケース17が設置・固定される。
【0041】
上記下ケース117と上ケース17との間には内部ブロック137が内装されている。この内部ブロック137も、前述した第一の実施の形態の場合と同様、シリコンゴム等弾性部材からなり、上記下ケース117の内部空間に対して若干量大きく設定されているものである。
【0042】
上記内部ブロック137には複数個(この実施の形態の場合は2個)のマイクロニードルアレイ収容空間139、139が形成されている。このマイクロニードルアレイ収容空間139は、図10中下側が開口された状態で形成されている。又、上記マイクロニードルアレイ収容空間139、139の上面側には複数個(この実施の形態の場合には6個)の貫通孔141が穿孔されている。
【0043】
上記内部ブロック137の中央部には薬液溝143が形成されている。この薬液溝143の底壁には、薬液供給口145が形成されていると共に、複数個(この実施の形態の場合には6個)の薬液排出口147が形成されている。
【0044】
上記下ケース117のシャッター板収容部131内には、シャッター板149が図10中左右方向に移動可能に収容されている。上記シャッター板149は、図10に示すように、前述した第3の実施の形態と同様、シャッター板本体151と、このシャッター板本体151から突出・形成されたシャッターつまみ153とからなる。
また、上記シャッター板本体151には、円形の供給用貫通孔155が穿孔されている。また、上記シャッター板本体151には長穴157が6個穿孔されている。この長穴157は、上記シャッター板149が上記シャッター板収容部131に収容されると、上記シャッター板収容部131の底面によって図11(c)中下側の開口部が閉鎖され流路溝165として機能するものである。
【0045】
また、上記シャッターつまみ153には、前述した第3の実施の形態と同様、充填位置表示目盛159、保管位置表示目盛161、注射位置表示目盛163が表示されている。
また、上記シャッターつまみ153は、上記下ケース117のシャッターつまみ用貫通孔133を貫通して、外部に突出している。
また、上記シャッター板収容部131の高さ(図11(a)中上下方向長さ)は、上記シャッター板149の厚さに対して若干小さめに設定されている。
【0046】
本実施の形態によるマイクロニードルアレイ装置の作用は、前述した第3の実施の形態によるマイクロニードルアレイ装置の場合と略同様である。すなわち、シャッター板149の移動により薬液充填状態、薬液保管状態及び注射状態を切り換えることができ、図11(a)に示す状態が本実施の形態によるマイクロニードルアレイ装置の薬液充填状態であり、図11(b)に示す状態が薬液保管状態であり、図11(c)に示す状態が注射状態である。
【0047】
図11(a)に示すように、薬液充填状態においては、下ケース117の薬液供給用開口部135、シャッター板149の供給用貫通孔155及び内部ブロック137の薬液供給口145が連通し、薬液排出口147及びマイクロニードルアレイ35の薬液流路41が上記シャッター板149によって閉鎖されることで、薬液溝143に薬液を充填することができる状態となる。
図11(b)に示すように、薬液保管状態においては、上記シャッター板149によって、上記薬液供給口145、上記薬液排出口147、及び、上記薬液流路41が閉鎖されるため、上記薬液溝143に薬液を保管する状態となる。
図11(c)に示すように、注射状態においては、上記シャッター板149によって上記薬液供給口145が閉鎖され、上記薬液排出口147、上記流路溝165及び上記薬液流路41が連通して、上記薬液溝143に充填された薬液がマイクロニードル39から放出される状態となる。
【0048】
また、本実施の形態によるマイクロニードルアレイ装置の効果も、前述した第3の実施の形態によるマイクロニードルアレイ装置の場合と同様である。
【0049】
次に、図12及び図13を使用して、本願発明の第5の実施の形態について説明する。
なお、上ケース17、マイクロニードルアレイ35及びシャッター板149は前述した第4の実施の形態の場合と同一であり、これらについては、説明を省略し、同じ符号を付すこととする。また、下ケース55は、前述した第2の実施の形態の場合と殆ど同様であり、共通する構成については説明を省略し、同一の符号を付すこととする。
【0050】
まず、本実施の形態によるマイクロニードルアレイ装置には、下ケース55がある。この下ケース55は、前述した第2の実施の形態の場合と殆ど同じ構成であり、上記側面壁61にシャッターつまみ用貫通孔169が形成されている点のみが異なる。又、上記下ケース55の内部空間の底面(図12中下側の面)と上記シャッターつまみ用貫通孔169の底面(図12中下側の面)とは一つの平面として連続している。
また、前述した第一の実施の形態の場合と同様、上記下ケース55の開口部69を閉塞するように上ケース17が設置固定される。
【0051】
上記下ケース55と上ケース17との間には内部ブロック171が内装されている。この内部ブロック171も、前述した第一の実施の形態の場合と同様、シリコンゴム等弾性部材からなり、上記下ケース1の内部空間に対して若干量大きく設定されているものである。
【0052】
上記内部ブロック171には複数個(この実施の形態の場合には2個)のマイクロニードルアレイ収容空間173、173が形成されている。このマイクロニードルアレイ収容空間173は、図12中上側が開口された状態で形成されている。
又、上記内部ブロック171には薬液溝175が形成されている。上記薬液溝175の底面(図13中下側の面)の中央付近には薬液供給口177が設けられている。また、上記薬液溝175の底面(図13中下側の面)には薬液排出口179、179、179、179、179、179が設けられている。
又、上記マイクロニードルアレイ収容空間173の底面(図13中下側の面)には貫通孔181、181、181が穿孔されている。この貫通孔181の数は、上記マイクロニードルアレイ収容空間173に収容されるマイクロニードルアレイ35の薬液流路41及びマイクロニードル39の数に対応したものである。
【0053】
また、上記内部ブロック171の底面(図13中下側の面)には、上記内部ブロック171の図13中下側に開口したシャッター板収容部183が形成されている。上記シャッター板収容部183は、上記マイクロニードルアレイ収容空間173と上記貫通孔181を介して連通し、上記薬液供給口177及び上記薬液排出口179を介して上記薬液溝175と連通している。又、上記内部ブロック171は、上記シャッター板収容部183の図12中右側にシャッターつまみ用溝185が形成されている。上記内部ブロック171が上記下ケース55内に収められたとき、上記下ケース55のシャッターつまみ用貫通孔169、上記内部ブロック171のシャッターつまみ用溝185及びシャッター板収容部183が連通することとなる。
【0054】
上記内部ブロック171のシャッター板収容部183内には、シャッター板149が図12中左右方向に移動可能に収容されている。上記シャッター板149の個々の長穴157は、上記下ケース55の底面57によって図13(c)中下側の開口部を閉鎖されることで、流路溝165として機能するものである。また、シャッターつまみ153は、上記内部ブロック171のシャッターつまみ用溝185と上記下ケース55の内部空間の底面との間、及び、上記下ケース55のシャッターつまみ用貫通孔169を貫通して、外部に突出している。
【0055】
本実施の形態によるマイクロニードルアレイ装置による作用は、前述した第4の実施の形態の場合と同様である。すなわち、シャッター板149の移動により薬液充填状態、薬液保管状態及び注射状態を切り換えることができ、図13(a)に示す状態が本実施の形態によるマイクロニードルアレイ装置の薬液充填状態であり、図13(b)に示す状態が薬液保管状態であり、図13(c)に示す状態が注射状態である。
【0056】
図13(a)に示すように、薬液充填状態においては、下ケース55の薬液供給用開口部67、シャッター板149の供給用貫通孔155及び内部ブロック171の薬液供給口177が連通し、薬液排出口179及び貫通孔181が上記シャッター板149によって閉鎖されることで、薬液溝175に薬液を充填することができる状態となる。
図13(b)に示すように、薬液保管状態においては、上記シャッター板149によって、上記薬液供給口177、上記薬液排出口179、及び、上記貫通孔181が閉鎖されるため、上記薬液溝175に薬液を保管する状態となる。
図13(c)に示すように、注射状態においては、上記シャッター板149によって上記薬液供給口177が閉鎖され、上記薬液排出口179、上記流路溝165、上記貫通孔181及びマイクロニードルアレイ35の薬液流路41が連通して、上記薬液溝175に充填された薬液がマイクロニードル39から放出される状態となる。
【0057】
また、本実施の形態によるマイクロニードルアレイ装置による効果は、前述した第3の実施の形態の場合と同様である。
【0058】
尚、本発明は前記第1〜第5の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、図4に示すように、使用するマイクロニードルアレイ35の個数を適宜調整することにより、最終的に得られるマイクロニードルアレイシステムのマイクロニードル39の数を自由に選択することができる。
又、前記第1〜第5の実施の形態における内部ブロックに、ポンプ機能や逆止弁の機能の全部または一部を持たせるように構成してもよい。
また、第4の実施の形態や第5の実施の形態の場合において、シャッター板149の長穴157の代わりに溝を設け、これを流路溝とする構成としてもよい。
その他、図示した構成はあくまで一例でありそれに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、マイクロニードルアレイ装置に係り、特に、マイクロニードルの個数やピッチを自由に選択して所望の構成を容易に実現することができるように工夫したものに関し、例えば、インシュリンの投与に使用される機器に好適である。
【符号の説明】
【0060】
1 下ケース
13 流路溝
15 薬液供給用開口
17 上ケース
22 貫通孔
23 内部ブロック
25 マイクロニードルアレイ収容空間
29 薬液溝
35 マイクロニードルアレイ
39 マイクロニードル
55 下ケース
81 流路溝
67 薬液供給用開口
71 内部ブロック
73 マイクロニードルアレイ収容空間
75 薬液溝
83 内部ブロック
85 マイクロニードルアレイ収容空間
89 薬液溝
99 シャッター板
117 下ケース
137 内部ブロック
139 マイクロニードルアレイ収容空間
143 薬液溝
149 シャッター板
165 流路溝
171 内部ブロック
173 マイクロニードルアレイ収容空間
175 薬液溝


【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を備えるとともに流体供給用開口部を備えた下ケースと、
上記下ケースの上記開口部を閉塞するように設置され貫通孔を備えた上ケースと、
上記下ケースと上ケースとの間に収容・配置されマイクロニードルアレイ収容凹部を備えるとともに流体供給口と流体排出口を有する流体溝を備えている内部ブロックと、
上記内部ブロックのマイクロニードルアレイ収容凹部内にそれぞれ収容・配置されマイクロニードルを備えたマイクロニードルアレイと、
上記下ケースと上記内部ブロックとの間に設けられた流路溝と、を具備し、
上記下ケースの流体供給用開口部及び上記内部ブロックの流体供給口を介して上記流体溝内に流体を供給し、上記供給した流体を上記流体排出口及び上記流路溝を介して上記各マイクロニードルに供給し、上記各マイクロニードルを介して皮下に注入するようにしたことを特徴とするマイクロニードルアレイ装置。
【請求項2】
請求項1記載のマイクロニードルアレイ装置において、
上記内部ブロックと上記下ケースの間には上記流体供給口及び上記流体排出口を選択的に開放することができるシャッター板が設けられていることを特徴とするマイクロニードルアレイ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のマイクロニードルアレイ装置において、
上記流路溝は上記下ケースに設けられていることを特徴とするマイクロニードルアレイ装置。
【請求項4】
請求項1記載のマイクロニードルアレイ装置において、
上記流路溝は上記内部ブロックに設けられていることを特徴とするマイクロニードルアレイ装置。
【請求項5】
請求項2記載のマイクロニードルアレイ装置において、
上記流路溝は上記シャッター板に設けられた貫通孔によって形成されることを特徴とするマイクロニードルアレイ装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れかに記載のマイクロニードルアレイ装置において、
上記マイクロニードルアレイは生体に対して安全なプラスチック材料から構成されていることを特徴とるすマイクロニードルアレイ装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れかに記載のマイクロニードルアレイ装置において、
上記内部ブロックは弾性部材から構成されていて、且つ、上記下ケースの内部空間に対して若干量大きく成形されていることを特徴とするマイクロニードルアレイ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−71092(P2012−71092A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261037(P2010−261037)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(391008537)ASTI株式会社 (73)
【Fターム(参考)】