説明

マイクロフォン、信号処理装置、コミュニケーションインタフェースシステム、音声話者認証システム、NAM音対応玩具装置

【課題】より聞きやすい音声を採取できるマイクロフォンを実現する。
【解決手段】鼻軟骨上の皮膚表面など、軟骨組織上の皮膚表面に集音部を装着し、発声器官の運動に伴う共振フィルタ特性変化により調音された、声帯の規則振動を伴わない、外部からは非可聴な呼吸音の体内軟部組織を伝導する振動音である非可聴つぶやき音を採取する。軟骨上の皮膚表面にマイクロフォンを装着することにより、体内軟部組織を伝導する距離が短いため、体内伝導音声の高域成分の減衰が少なく、より聞きやすい音声を採取できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコミュニケーションインタフェースシステムに関し、特に鼻軟骨上の皮膚表面に装着され、発声器官の運動に伴う共振フィルタ特性変化により調音された、声帯の規則振動を伴わない、外部からは非可聴な呼吸音の体内軟部組織を伝導する振動音である非可聴つぶやき音(Non?Audible Murmur;NAM)あるいは通常音声などの体内軟部組織を伝導する振動音を採取して音声入力するマイクロフォン(肉伝導マイクロフォン)を用いたコミュニケーションインタフェースシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、耳介の下方部の、頭蓋骨の乳様突起直下の、胸鎖乳頭筋上の皮膚表面に装着され、発声器官の運動に伴う共振フィルタ特性変化により調音された、声帯の規則振動を伴わない、外部からは非可聴な呼吸音の体内軟部組織を伝導する振動音である非可聴つぶやき音(NAM)を採取して、音声入力するマイクロフォン、および、これを用いたコミュニケーションインタフェースシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】国際公開WO2004/021738号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般的に、音声は、声帯の規則振動により生じる規則波(ピッチ)または気道の狭めで生ずる乱流雑音を音源とし、のどから口蓋にかけての調音器官を経て出力される。したがって、耳介の下方部の、頭蓋骨の乳様突起直下の、胸鎖乳頭筋上の皮膚表面を音声採取位置とすると、調音器官からやや距離があるため、体内軟部組織を伝導する過程で体内伝導音声の高周波数成分が減衰し、やや明瞭性を欠いた、こもったような音になってしまうという問題があった。また、従来法では音声の変調器官よりも音源側で信号を採取するため、NAM発声音声と通常発声音声で信号強度が大きく異なり、NAM発声音声にあわせてマイクアンプのゲインを設定しておくと、通常発声音声入力時にはオーバーフローしてしまうという問題もあった。
【0004】
本発明は上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的はより聞きやすい音声を採取できるマイクロフォン、これを用いた信号処理装置、コミュニケーションインタフェースシステム、音声話者認証システム、NAM音対応玩具装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1によるマイクロフォンは、鼻軟骨上の皮膚表面に装着される集音部を含み、発声器官の運動に伴う共振フィルタ特性変化により調音された、声帯の規則振動を伴わない、外部からは非可聴な呼吸音の体内軟部組織を伝導する振動音である非可聴つぶやき音または、通常音声を採取することを特徴とする。軟骨上の皮膚表面にマイクロフォンを装着することにより、体内軟部組織を伝導する距離が短いため、体内伝導音声の高域成分の減衰が少なく、より聞きやすい音声を採取できる。また、鼻軟骨上の皮膚表面にマイクロフォンを装着することにより、音源から変調器官を通り、エネルギーが口から多く放出されたあとで採取するので、通常発声音声でも固有鼻腔から鼻軟骨部に伝えられる音量はあまり増加しないため、NAM発声音声と通常発声音声とを同一のマイクアンプゲインで採取できる。
【0006】
本発明の請求項2によるマイクロフォンは、請求項1において、一端が共通の支点に接続された一対の支持部材と、前記一対の支持部材の他端同士を互いに接近させるように付勢するバネ部材とを含み、前記集音部は前記一対の支持部材の少なくとも一方の他端に設けられていることを特徴とする。このような構成を採用することにより、軟骨上の皮膚表面にマイクロフォンを安定して装着できる。
【0007】
本発明の請求項3によるマイクロフォンは、請求項1において、前記鼻軟骨上の皮膚表面に沿った形状を有し前記皮膚表面に前記集音部が接触している状態を維持する支持部と、左右の耳介それぞれに掛けるための一対の耳掛け部と、前記一対の耳掛け部と前記支持部との間を接続するアーム部とを含むことを特徴とする。このような構成を採用することにより、軟骨上の皮膚表面にマイクロフォンを安定して装着できる。
【0008】
本発明の請求項4によるマイクロフォンは、請求項1において、前記鼻軟骨上の皮膚表面を含む頭部皮膚表面に装着された環状の弾性体を有し、前記弾性体の弾性力により前記皮膚表面に前記集音部が接触している状態を維持することを特徴とする。このような構成を採用することにより、軟骨上の皮膚表面にマイクロフォンを安定して装着できる。
本発明の請求項5によるマイクロフォンは、請求項1において、前記集音部を覆うキャップ部と、前記キャップ部と左右の耳介それぞれとの間に設けられた一対の弾性体とを有し、前記弾性体の弾性力により前記皮膚表面に前記集音部が接触している状態を維持することを特徴とする。このような構成を採用することにより、軟骨上の皮膚表面にマイクロフォンを安定して装着できる。
【0009】
本発明の請求項6による信号処理装置は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のマイクロフォンによって採取された信号に対して、信号処理を行うことを特徴とする。このような構成を採用することにより、軟骨上の皮膚表面に安定して装着したマイクロフォンによって採取された信号について種々の信号処理を行うことができる。
本発明の請求項7による信号処理装置は、請求項6において、前記マイクロフォンによって採取された信号を量子化するアナログデジタル変換部と、前記アナログデジタル変換部による量子化結果について加工を行うプロセッサ部と、前記プロセッサ部による加工結果を外部に送出する送出部とを含むことを特徴とする。このような構成により、量子化結果について加工を信号処理装置の内部で行うことができる。
【0010】
本発明の請求項8による信号処理装置は、請求項6において、前記マイクロフォンによって採取された信号を量子化するアナログデジタル変換部と、前記アナログデジタル変換部による量子化結果を外部に送出する送出部とを含み、前記量子化結果の加工を外部装置において行うようにしたことを特徴とする。このような構成により、量子化結果について加工を信号処理装置の外部で行うことができる。
【0011】
本発明の請求項9による信号処理装置は、請求項6において、前記マイクロフォンによって採取された信号を量子化するアナログデジタル変換部と、前記アナログデジタル変換部による量子化結果について加工を行うプロセッサ部と、前記プロセッサ部による加工結果について音声認識処理を行う音声認識部とを含むことを特徴とする。このような構成により、マイクロフォンによる採取音について音声認識処理を行うことができる。
【0012】
本発明の請求項10によるコミュニケーションインタフェースシステムは、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のマイクロフォンと、請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の信号処理装置と、を含み、前記信号処理装置による処理結果をコミュニケーションに使用するようにしたことを特徴とする。このような構成を採用することにより、軟骨上の皮膚表面に装着したマイクロフォンを、コミュニケーションに利用することができる。
【0013】
本発明の請求項11による音声話者認証システムは、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のマイクロフォンと、認証用の体内伝導音声に関するデータが予め記憶されている記憶手段と、前記マイクロフォンにより入力された体内伝導音声に関するデータと前記記憶手段に記憶されている体内伝導音声に関するデータとを照合することによって認証を行う認証手段とを含み、前記認証手段の認証結果に応じて外部機器を制御するようにしたことを特徴とする。このような構成により、マイクロフォンによる採取音によって外部機器を制御することができる。
【0014】
本発明の請求項12によるNAM音対応玩具装置は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のマイクロフォンにより入力され、発声器官の運動に伴う共振フィルタ特性変化により調音された、声帯の規則変動を伴わない、外部からは非可聴な呼吸音の体内軟部組織を伝導する振動音である非可聴つぶやき音(NAM音)に対応して所定動作を行うことを特徴とする。このような構成により、マイクロフォンによる採取音によって玩具装置を制御することができる。
本発明の請求項13によるNAM音対応玩具装置は、請求項12において、音声を出力するためのスピーカを有し、前記所定動作は、前記NAM音に対応した音声を前記スピーカから出力する動作であることを特徴とする。このような構成により、玩具装置を制御して腹話術などを行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、軟骨、特に鼻軟骨上の皮膚表面にマイクロフォンを装着することにより、体内軟部組織を伝導する距離が短いため、体内伝導音声の高域成分の減衰が少なく、より聞きやすい音声の採取が可能となる。また、調音器官の終端付近で採取するため、調音、すなわち、音素を特徴付けるフォルマントが形成されたあとの明瞭度の高い音声の採取が可能となる。さらに、音源から変調器官を通り、エネルギーが開口部(口)から多く放出されたあとで採取するので、通常発声音声でも固有鼻腔から鼻軟骨部に伝えられる音量はあまり増加しないため、NAM発声音声と通常発声音声が同一のマイクアンプゲインで採取可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において参照する各図では、他の図と同等部分は同一符号によって示されている。
まず、非可聴つぶやき(NAM)とは、発声器官の運動に伴う共振フィルタ特性変化により調音された、声帯の規則変動を伴わない、外部からは非可聴な呼吸音の体内軟部組織を伝導する振動音である。
【0017】
(装着位置)
図2(A)は顔面正面図、図2(B)は頭蓋骨側面図、図2(C)は頭蓋骨正面図である。これらの図において、鼻軟骨201の皮膚表面に肉伝導マイクロフォンを装着する。この鼻軟骨201は鼻骨202の下方で、骨が存在しない部分である。なお、図2(B)および図2(C)では、鼻軟骨の位置が斜線により示されている。
ここで、軟骨とは、多少とも繊維を含んだ、弾性に富んだ軟骨基質と軟骨細胞よりなる支持組織である(「マグローヒル科学技術用語大辞典第3版、1998年、日刊工業新聞社」)。
【0018】
(肉伝導マイクロフォンの構成例)
肉伝導マイクロフォン101の構成例が図3に示されている。同図において、本例の肉伝導マイクロフォン101は、皮膚表面への接触部301と、与えられた圧力に応じた電気信号を出力する圧電素子302と、環状のシールディング304と、空洞部303を確保するための硬質ゴム305と、吸音材306と、外部雑音の影響を抑えるための防振材307と、圧電素子302の出力信号を取り出すためのリード線308とを含んで構成されている。
接触部301には例えば金属板が使用される。シールディング304には例えば銅箔等が用いられる。吸音材306には例えばコルク等が用いられる。防振材307には例えばウレタン等が用いられる。
【0019】
(肉伝導マイクロフォンの別の構成例)
肉伝導マイクロフォン101の別の構成例が図4に示されている。同図において、本例の肉伝導マイクロフォン101は、皮膚への接触部2201と、コンデンサマイクロフォン部2202を含んで構成されている。接触部2201は、皮膚からの振動音をコンデンサマイクロフォン2202へ伝導し、シリコーンゴムなどの体内軟部組織の音響インピーダンスに近い音響インピーダンスを有する生体適合性物質が使用される。コンデンサマイクロフォン部2202は、2枚の振動板電極2202a及び2202bと、受信した振動音を電気信号として導出するためのリード線2202cとを有している。
【0020】
(スペクトラム及び振幅)
図5には、図3に示されている構造の肉伝導マイクロフォン101により、採取したNAM発声音声のスペクトラムが示されている。同図(A)は鼻軟骨201の皮膚表面から、同図(B)は特許文献1に記載されている乳様突起直下の皮膚表面から、それぞれサンプリング周波数16kHzで採取したNAM発声音声のスペクトラムである。両図を参照すると、乳様突起直下では約3kHzまでの音声信号しか採取できないのに対して、鼻軟骨では8kHzまでの音声信号が採取可能なことがわかる。
【0021】
図6には、図3に示されている構造の肉伝導マイクロフォン101により、採取した通常発声音声のスペクトラムが示されている。同図(A)は鼻軟骨201の皮膚表面から、同図(B)は特許文献1に記載されている乳様突起直下の皮膚表面から、それぞれサンプリング周波数16kHzで採取した通常発声音声のスペクトラムである。両図を参照すると、乳様突起直下では安定して採取できる音声信号が4kHz程度までなのに対して、鼻軟骨では8kHzまで音声信号が採取可能なことがわかる。
【0022】
図7には、図3に示されている構造の肉伝導マイクロフォン101により、採取したNAM発声音声と通常発声音声の波形が示されている。同図(A)は鼻軟骨201の皮膚表面から、同図(B)は特許文献1に記載されている乳様突起直下の皮膚表面から、それぞれサンプリング周波数16kHzで採取したNAM発声音声の波形及び通常発声音声の波形である。両図を参照すると、乳様突起直下では、NAM発声音声と通常発声音声とのレベル差が大きく、NAM発声音声にあわせてマイクアンプのゲインを設定すると、通常発声音声が飽和してしまう。これに対し、鼻軟骨では、NAM発声音声と通常発声音声とのレベル差が比較的小さく、NAM発声音声にあわせてマイクアンプのゲインを設定しても、通常発声音声が飽和しないことがわかる。
【0023】
図8には、図4に示されている構造の肉伝導マイクロフォン101により、採取されたNAM発声音声のスペクトラムが示されている。同図(A)は鼻軟骨201の皮膚表面から、同図(B)は特許文献1に記載されている乳様突起直下の皮膚表面から、それぞれサンプリング周波数16kHzで採取したNAM発声音声のスペクトラムである。また、図9には、図4に示されている構造の肉伝導マイクロフォン101により、採取された通常発声音声のスペクトラムが示されている。同図(A)は鼻軟骨201の皮膚表面から、同図(B)は特許文献1に記載されている乳様突起直下の皮膚表面から、それぞれサンプリング周波数16kHzで採取したNAM発声音声のスペクトラムである。NAM発声音声、通常発声音声とも鼻軟骨201の皮膚表面からのほうが、乳様突起直下の皮膚表面からよりも、高域まで安定して音声信号が採取可能なことがわかる。
【0024】
図10には、図4に示されている構造の肉伝導マイクロフォン101により、採取されたNAM発声音声と通常発声の波形が示されている。同図(A)は鼻軟骨201の皮膚表面から、同図(B)は特許文献1に記載されている乳様突起直下の皮膚表面から、それぞれサンプリング周波数16kHzで採取したNAM発声音声の波形及び通常発声音声の波形である。両図を参照すると、鼻軟骨201の皮膚表面から採取したほうが、乳様突起直下の皮膚表面から採取するよりも、NAM発声音声と通常発声のレベル差が小さくなることがわかる。
【0025】
(肉伝導マイクロフォンの装着方法)
次に、肉伝導マイクロフォン101の装着方法について説明する。
(1)クリップ型
図11(A)は肉伝導マイクロフォン101の構成を示す正面図、同図(B)は同図(A)矢印Y方向から見たの側面図、である。同図(A)及び同図(B)を参照すると、共通の支点となる支軸103に一端が接続された一対の支持部材103a及び103bと、これら一対の支持部材103a及び103bの他端同士を互いに接近させるように付勢するバネ702とによってクリップが形成され、支持部材103aの他端に肉伝導マイクロフォン101が設けられている。そして、このクリップを、図11(C)に示されているように、鼻軟骨をつまむようにして固定して装着する。ここで、同図(A)を参照すると、本例では装着性を安定させるためのダミー701が設けられている。肉伝導マイクロフォン101の位置とダミー701の位置とが左右反対でもよく、ダミー701の代わりに、肉伝導マイクロフォン101と同様の肉伝導マイクロフォンを設けてもよい。
【0026】
(2)耳掛けフレーム型
また、別の装着方法が図12に示されている。図12(A)を参照すると、鼻軟骨上の皮膚表面に沿った逆U字形状を有し、その皮膚表面に肉伝導マイクロフォン101及びダミー701が接触している状態を維持する支持部800と、左右の耳介それぞれに掛けるための一対の耳掛け部801L及び801Rと、一対の耳掛け部801L及び801Rと支持部800との間を接続するアーム部801a及び801bとによって、耳掛けフレームが形成されている。そして、この耳掛けフレームを、同図(B)に示されているように装着する。すなわち、耳掛け部801Lを左耳の耳介に掛け、同様に耳掛け部801Rを右耳の耳介に掛ける。そして、支持部800を、鼻軟骨上の皮膚表面に沿う位置に装着し、鼻軟骨上の皮膚表面に肉伝導マイクロフォン101及びダミー701が接触している状態とする。なお、肉伝導マイクロフォン101の位置とダミー701の位置とが左右反対でもよく、ダミー701の代わりに、肉伝導マイクロフォン101と同様の肉伝導マイクロフォンを設けてもよい。
【0027】
(3)弾性バンド型
図13(A)に示されているような肉伝導マイクロフォン101及びダミー701が取り付けられたバンド901を用いてもよい。このバンド901は、鼻軟骨上の皮膚表面を含む頭部皮膚表面に装着された環状の弾性体であり、例えばゴムで形成される。そして、バンド901の内面には、肉伝導マイクロフォン101とダミー701とが取り付けられている。
同図(B)には、バンド901の装着状態が示されている。この装着状態においては、バンド901の弾性力により、鼻軟骨上の皮膚表面に肉伝導マイクロフォン101とダミー701とが接触している状態を維持することができる。なお、肉伝導マイクロフォン101の位置とダミー701の位置とが左右反対でもよく、ダミー701の代わりに、肉伝導マイクロフォン101と同様の肉伝導マイクロフォンを設けてもよい。
【0028】
(4)鼻キャップ型
さらに、図14(A)に示されているように、鼻用キャップ1001と耳掛けバンドとを組み合わせた構造を採用しても良い。この鼻用キャップ1001は、道化師が付けるような卵型の中空構造である。鼻用キャップ1001は例えば合成樹脂で成型し、その内面に肉伝導マイクロフォン101及びダミー701を設ける。鼻用キャップ1001には、装着者の左右の耳介に掛けるための耳掛けバンド1002R及び1002Lが設けられている。耳掛けバンド1002R及び1002Lには、ゴムなど伸縮性のある素材を採用する。
【0029】
同図(B)には、装着状態が示されている。同図に示されているように、耳掛けバンド1002R、1002Lと、装着者の左右の耳介それぞれとの間に、耳掛けバンドを掛ければ、耳掛けバンド1002R、1002Lの弾性力により鼻軟骨上の皮膚表面に肉伝導マイクロフォン101及びダミー701が接触している状態を維持することができる。なお、肉伝導マイクロフォン101の位置とダミー701の位置とが左右反対でもよく、ダミー701の代わりに、肉伝導マイクロフォン101と同様の肉伝導マイクロフォンを設けてもよい。
【実施例1】
【0030】
図1は、本発明によるコミュニケーションインタフェースシステムを携帯電話システムに適用した場合の構成例を示す図である。通話者100は、肉伝導マイクロフォン101を鼻軟骨の皮膚表面にあてる。肉伝導マイクロフォン101を装着する鼻軟骨の位置が図2に示されている。
肉伝導マイクロフォン101は、マイクロフォンケーブル104、イヤフォン・マイクロフォンケーブル105により携帯電話機106に接続される。イヤフォン102は耳孔内に装着され、肉伝導マイクロフォン101と同じく、イヤフォン・マイクロフォンケーブル105により携帯電話機106に接続されている。イヤフォン102の代わりにスピーカを用いても良い。無線ネットワーク107は、例えば、無線基地局109a及び109bと、基地局制御装置110a及び110bと、交換機111a及び111bと、通信網108とを含んで構成されている。本例では、携帯電話機112が無線基地局109bと無線通信することにより、携帯電話機106と携帯電話機112との間で通話が可能となる。
【0031】
図15は通話者100が発声した非可聴つぶやき音(NAM)あるいは通常音声が相手側に伝わるまでのフローチャート、図16は相手側が発声した音声が通話者100に伝わるまでのフローチャートである。
図15において、通話者100の非可聴つぶやき音(NAM)あるいは通常音声などの体内軟部組織を伝導する振動音1101は、鼻軟骨の皮膚表面から肉伝導マイクロフォン101の接触部301に伝わり(ステップ1102)、マイクロフォン内の圧電素子302を振動させることによって電気信号となりリード線308から取り出される(ステップ1103)。この電気信号が有線の通信手段により、携帯電話機106に送信される(ステップ1104)。
携帯電話機106に送信された電気信号は、無線ネットワーク107を介して、通話相手の携帯電話機112に送信され(ステップ1105)、通話相手の携帯電話機112のスピーカで電気信号から振動音に変換されて(ステップ1106)、通話者100の再生音声1107となる。
【0032】
一方、図16において、通話相手の音声1201は、通話相手の携帯電話機112のマイクロフォンで電気信号に変換され(ステップ1202)、無線ネットワーク107を経由して、携帯電話機106に送信される(ステップ1203)。電気信号はさらに携帯電話機106から有線の通話手段により、イヤフォン102またはスピーカに送信され(ステップ1204)、イヤフォン102またはスピーカで電気信号から振動音に変換されて(ステップ1205)、通話相手の再生音声1206となる。なお、携帯電話機106に内蔵のスピーカから音声を直接聞く場合は、イヤフォン102は必要ない。この場合、例えば、図17に示すように、プラスチックや形状記憶合金など弾性素材ででき、肉伝導マイクロフォン101と一体化され、肉伝導マイクロフォン101からの信号を携帯電話機106に伝達するマイク接続部2601の先端を携帯電話機106のイヤフォンマイク端子に差込み、肉伝導マイクロフォン101の接触部301が鼻軟骨の皮膚表面に安定して接触するようにマイク接続部2601の曲がり具合や携帯電話機106の位置を調整して、肉伝導マイクロフォン101と携帯電話機106に内蔵のスピーカを使用して通話を行っても良い。
【実施例2】
【0033】
図18は、本発明によるコミュニケーションインタフェースシステムを携帯電話システムに適用した場合の他の構成例を示す図である。
本例では、肉伝導マイクロフォン101及びイヤフォン102が、携帯電話機106と無線の通信手段で接続されている。同図において、本例のシステムでは、肉伝導マイクロフォン101及びイヤフォン102側の第1の無線通信ユニット1301と、携帯電話機106側の第2の無線通信ユニット1302との間で無線通信を行う。
【0034】
第1の無線通信ユニット1301及び第2の無線通信ユニット1302の内部構成例が図19に示されている。同図に示されているように、第1の無線通信ユニット1301は、例えばBluetooth(登録商標)などの規格に準拠したデジタル無線通信部1401、アンテナ1406、マイクアンプ1402、スピーカアンプ1405、ADコンバータ1403、DAコンバータ1404、電池1407を含んで構成されている。
【0035】
一方、携帯電話機109側の第2の無線通信ユニット1302は、デジタル無線通信部1401に対応したデジタル無線通信部1408とアンテナ1411、ADコンバータ1409、DAコンバータ1410、電池1412を含んで構成されている。
ここで、デジタル無線通信部1401とデジタル無線通信部1408とは同一ものでよく、第2の無線通信ユニット1302は、携帯電話機106内に収納されてもよい。第2の無線通信ユニット1302が、携帯電話機106内に収納されない場合、第2の無線通信ユニット1302は、携帯電話機109のイヤフォンマイク端子を介して携帯電話機106に接続される。また、第2の無線通信ユニット1302が携帯電話機106から電源を供給してもらえる場合には、電池1412は不要である。
【0036】
このような構成において、通話者100が発声した場合には、通話者100の非可聴つぶやき音(NAM)あるいは通常音声などにより生成され、リード線308から取り出された電気信号は、マイクアンプ1402で増幅され、ADコンバータ1403でデジタル信号に変換された後、デジタル無線通信部1401でデジタル変調されてアンテナ1406より送信される。送信信号は、携帯電話機106側のアンテナ1411で受信され、デジタル無線通信部1408でデジタル復調された後に、DAコンバータ1420でアナログ信号に変換され、携帯電話機106に取り込まれる。
【0037】
一方、通話相手が発声した場合は、通話相手の音声はADコンバータ1409でデジタル信号に変換され、デジタル無線通信部1408でデジタル変調された後、アンテナ1411から送信され、アンテナ1406で受信される。受信信号はデジタル無線通信部1401でデジタル復調され、DAコンバータ1404でアナログ信号に変換された後、スピーカアンプ1405で増幅され、イヤフォン102に入力される。
【0038】
デジタル無線通信部1401、デジタル無線通信部1408として、例えばBluetooth(登録商標) Ver1.1に準拠したものを使用した場合、最大通信速度は721kbpsとなり、さらに出力がBluetooth(登録商標) Class2に対応している場合、デジタル無線通信部1402、デジタル無線通信部1408の出力は最大4dBmで、見通しの条件において10m程度の通信が可能となる。
【実施例3】
【0039】
図20は、本発明によるコミュニケーションインタフェースシステムを、音声認識システムに応用した場合の構成例を示す図である。
図1の場合と同様に、使用者1500は、肉伝導マイクロフォン101を鼻軟骨の皮膚表面に装着する。使用者1500が非可聴つぶやき音(NAM)あるいは通常音声などで発声したコマンドまたは、かな列によって生ずる、体内軟部組織を伝導する振動音は、鼻軟骨の皮膚表面から肉伝導マイクロフォン101の接触部301に伝わり、マイクロフォン内の圧電素子302を振動させることによって電気信号となりリード線308から取り出される。
【0040】
この電気信号がマイクロフォンケーブル104により音声認識機能を持ったパーソナルコンピュータ1501または携帯端末1502に送信され、パーソナルコンピュータ1501または携帯端末1502において音声認識が行われる。認識結果は、例えば、パーソナルコンピュータ1501または携帯端末1502において動作するアプリケーションを起動/制御するためのコマンドとして使用される。また、肉伝導マイクロフォン101からの電気信号を、Bluetooth(登録商標)などの無線の通信手段により、パーソナルコンピュータ1501または携帯端末1502に送信してもよい。
【実施例4】
【0041】
図21は、本発明によるコミュニケーションインタフェースシステムを、音声認証によるドアロック解錠システムに適用した場合の構成例を示すブロック図である。ここで、音声認証アルゴリズムには、例えば文献「生体認証技術」瀬戸洋一著、共立出版社2002年5月 P.64〜68に記載されているような方式を用いる。この方式は、まず、キーワードを発声して音声パターンを登録しておき、認証時に同一キーワードを発声して登録パターンとの類似度を計算し、予め設定した閾値と比較して本人かどうか判定を行う方式である。
【0042】
同図において、ドアロック解錠システムは、肉伝導マイクロフォン101と、音声前処理部1601と、音声認証システム1604と、ドアロック制御システム1607と、ドア1608とから構成されている。さらに音声前処理部1601は、マイクアンプ1602とADコンバータ1603とからなり、音声認証システム1604は音声認証部1605と登録パターン記憶部1606とからなる。
【0043】
このような構成において、ドアロックを解錠したい場合、認証登録者1600は、鼻軟骨の皮膚表面に肉伝導マイクロフォン101を装着し、認証用キーワードを、非可聴つぶやき音(NAM音)または通常音で発声する。前記NAM音または通常音は肉伝導マイクロフォン101により採取され電気信号に変換された後、マイクロフォンケーブル104を通して音声前処理部1601内のマイクアンプ1602に入力される。電気信号に変換されたNAM音または通常音は、マイクアンプ1602で増幅され、ADコンバータ1603でデジタル化された後、音声認証部1605へ入力される。音声認証部1605は、あらかじめ登録用に発声されたNAM音または通常音をもとに作成・登録され、登録パターン記憶部1606に記憶された音声パターンと、認証時に発声されたNAM音または通常音との類似度を計算し、あらかじめ設定した閾値と比較して、発話者1600が部屋への入出権限を持つものか否かを判断する。
【0044】
音声認証部1605で得られた判断結果はドアロック制御システム1607へ送信され、ドアロック制御システム1607は前記判断結果に従い、入出権限を持つものと判断された場合に、ドア1608のドアロックを一定時間開錠する。
なお、認証対象者1600は、NAM発声、通常発声いずれの方法で発声してもよいが、登録時と認証時で同じ発声方法を用いる必要がある。ただし、登録時に、NAM発声と通常発声の両方の登録パターンを用意し、認証時には、周囲の状況に応じて発声方法を選択することも可能である。また、肉伝導マイクロフォン101からの電気信号を、Bluetooth(登録商標)などの無線の通信手段により、音声前処理部1601に送信してもよい。
【実施例5】
【0045】
図22は、本発明によるコミュニケーションインタフェースシステムを、腹話術システムに適用した場合の構成例を示すブロック図である。腹話術システムは、操作者1700と腹話術人形1701から構成され、さらに腹話術人形1701は、音声処理ユニット1702とスピーカ1703を含む。音声処理ユニット1702の内部構成例を図23に示す。音声処理ユニット1702は、マイクアンプ1801、ADコンバータ1802、有音声出力部1803、DAコンバータ1804、スピーカアンプ1805、電池1806を有する。
【0046】
操作者1700は、鼻軟骨の皮膚表面に肉伝導マイクロフォン101を装着し、腹話術人形1701に喋らせたい発話内容を、唇の動作を最小限に抑えて第三者には聞こえぬようにし、非可聴つぶやき音(NAM音)でつぶやく。前記非可聴つぶやき音(NAM音)は肉伝導マイクロフォン101により採取され、電気信号に変換された後、マイクロフォンケーブル104を通して腹話術人形内部の音声処理ユニット1702内のマイクアンプ1801に入力される。電気信号に変換されたNAM音は、マイクアンプ1801で増幅され、ADコンバータ1802でデジタル化された後、有音声出力部1803へ入力される。
【0047】
有音声出力部1803では入力されたNAM音を聞きやすい音声に変換する。音声変換された音声信号はDAコンバータ1804でアナログ信号に戻され、スピーカアンプ1805で出力レベルを調整された後、腹話術人形の喉付近に取り付けられたスピーカ1703から音声として出力される。操作者1700はスピーカ1703から出る音声に応じて腹話術人形1の口を動かし、可聴音声を出力することで腹話術を実現することができる。なお、腹話術人形を動かす方法は、例えば、口形状変化制御装置を使ってもよいし、手動で動かしても構わない。また口形状変化制御装置を使う場合、その口形状変化制御装置の駆動を開始するタイミング、駆動している時間の情報を音声処理ユニット1702から得てもよい。
【0048】
ここで、有音声出力部1803におけるつぶやき音から聞きやすい音声への変換は、例えば、フォルマント周波数と基本周波数の相関関係を利用して、つぶやき音のフォルマント周波数から基本周波数を推定し、つぶやき音に基本周波数を付与して有声音として出力することにより可能である。
また、音声処理ユニット1702は操作者1700が保持してもよい。さらに、肉伝導マイクロフォン101からの電気信号を、Bluetooth(登録商標)などの無線の通信手段により、音声処理ユニット1702に送信してもよい。
【実施例6】
【0049】
図24は、本発明によるコミュニケーションインタフェースシステムを、音声障害者会話支援システムとして利用した場合の構成例を示すブロック図である。音声障害者会話支援システムは、声帯を切除してしまったり、声帯に障害があるため声帯を使用した通常の発声が困難な人、または、呼吸筋が衰弱しているなどの原因で通常レベルの発声が困難な人の会話を支援するシステムである。本システムは、使用者1900とスピーカ内蔵音声処理ユニット1901とから成り、スピーカ内蔵音声処理ユニット1901は、使用者の胸ポケット等に収納される。
【0050】
スピーカ内蔵音声処理ユニット1901の内部構成例が図25に示されている。同図において、スピーカ内蔵音声処理ユニット1901は、マイクアンプ2001、ADコンバータ2002、有音声出力部2003、DAコンバータ2004、スピーカアンプ2005、スピーカ2006、電池2007を含んで構成されている。
【0051】
使用者1900は、鼻軟骨の皮膚表面に肉伝導マイクロフォン101を装着し、会話相手に伝えたい内容をつぶやく。このつぶやき音は肉伝導マイクロフォン101により採取され、電気信号に変換された後、マイクロフォンケーブル104を通してスピーカ内蔵音声処理ユニット1901内のマイクアンプ2001に入力される。電気信号に変換されたつぶやき音は、マイクアンプ2001で増幅され、ADコンバータ2002でデジタル化された後、有音声出力部2003へ入力される。有音声出力部2003では入力されたつぶやき音を聞きやすい音声に変換する。音声変換された音声信号はDAコンバータ2004でアナログ信号に戻され、スピーカアンプ2005で出力レベルを調整された後、スピーカ2006から音声として出力される。
ここで、有音声出力部2003におけるつぶやき音から聞きやすい音声への変換は、例えば、フォルマント周波数と基本周波数の相関関係を利用して、つぶやき音のフォルマント周波数から基本周波数を推定し、つぶやき音に基本周波数を付与して有声音として出力することにより可能である。
【0052】
また、マイクアンプ2001で増幅されたつぶやき音のままでも、会話相手が発話内容を十分理解できる場合は、図26に示されているように、マイクアンプ2001をスピーカ2006と電池2007のみからなる簡易型スピーカ内蔵音声処理ユニット2101を用いて、肉伝導マイクロフォン101により採取され電気信号に変換されたつぶやき音を、簡易型スピーカ内蔵音声処理ユニット1901内のマイクアンプ2001で増幅し、スピーカ2006から音声として出力してもよい。
【0053】
肉伝導マイクロフォン101からの電気信号を、Bluetooth(登録商標)などの無線の通信手段により、スピーカ内蔵音声処理ユニット1901または簡易型スピーカ内蔵音声処理ユニット2101に送信してもよい。また、スピーカ内蔵音声処理ユニット1901または簡易型スピーカ内蔵音声処理ユニット2101からスピーカ2006を取り出し、ユニット外部に設置してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明により、周囲の人に気づかれずに高品質の音声入力が可能となることにより、電車内などの公共の場所や秘匿性が要求されるような場所や状況でも、携帯電話などの通信装置、音声認識装置、音声認証装置が広く利用できるようになる。また、声帯の規則振動を用いない音声や、微小音声を入力できることから、声帯を切除してしまったり、声帯に障害がある人、または、呼吸筋が衰弱しているなどの原因で通常レベルの発声が困難な人も最適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明によるコミュニケーションインタフェースシステムを携帯電話システムに適用した場合の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明によるコミュニケーションインタフェースシステムにおいてマイクロフォンの装着位置を示す図である。
【図3】肉伝導マイクロフォンの一例を示す側面断面ブロック図、及びその構成部品単位に分解された状態を示すブロック図である。
【図4】肉伝導マイクロフォンの別の一例を示す側面断面ブロック図である。
【図5】鼻軟骨と乳様突起直下から採取されたNAM発声音声のスペクトルを示す図である。
【図6】鼻軟骨と乳様突起直下から採取された通常発声音声のスペクトルを示す図である。
【図7】鼻軟骨と乳様突起直下から採取されたNAM発声音声と通常発声音声の波形を示す図である。
【図8】別の一例の肉伝導マイクロフォンにより、鼻軟骨と乳様突起直下から採取されたNAM発声音声のスペクトラムを示す図である。
【図9】別の一例の肉伝導マイクロフォンにより、鼻軟骨と乳様突起直下から採取された通常発声音声のスペクトラムを示す図である。
【図10】別の一例の肉伝導マイクロフォンにより、鼻軟骨と乳様突起直下から採取されたNAM発声音声と通常発声音声の波形を示す図である。
【図11】本発明によるコミュニケーションインタフェースシステムにおいてマイクロフォンの装着方法の一例を示す図である。
【図12】本発明によるコミュニケーションインタフェースシステムにおいてマイクロフォンの装着方法の別の一例を示す図である。
【図13】本発明によるコミュニケーションインタフェースシステムにおいてマイクロフォンの装着方法の別の一例を示す図である。
【図14】本発明によるコミュニケーションインタフェースシステムにおいてマイクロフォンの装着方法の別の一例を示す図である。
【図15】本発明を用いたコミュニケーションインタフェースシステムを携帯電話システムに適用した場合の送信時の処理フロー例を示すブロック図である。
【図16】本発明を用いたコミュニケーションインタフェースシステムを携帯電話システムに適用した場合の受信時の処理フロー例を示すブロック図である。
【図17】本発明によるコミュニケーションインタフェースシステムを携帯電話システムに適用した場合の構成例を示す別のブロック図である。
【図18】本発明によるコミュニケーションインタフェースシステムを携帯電話システムに適用した場合の構成例を示す別のブロック図である。
【図19】無線通信ユニットの構成例を示す別のブロック図である。
【図20】本発明によるコミュニケーションインタフェースシステムを音声認識システムに適用した場合の構成例を示す別のブロック図である。
【図21】本発明によるコミュニケーションインタフェースシステムを音声認証によるドアロック解錠システムに適用した場合の構成例を示す別のブロック図である。
【図22】本発明によるコミュニケーションインタフェースシステムを腹話術システムに適用した場合の構成例を示す別のブロック図である。
【図23】音声処理ユニットの構成例を示す別のブロック図である。
【図24】発明によるコミュニケーションインタフェースシステムを音声障害者会話支援システムに適用した場合の構成例を示す別のブロック図である。
【図25】スピーカ付き音声処理ユニットの構成例を示す別のブロック図である。
【図26】別のスピーカ付き音声処理ユニットの構成例を示す別のブロック図である。
【符号の説明】
【0056】
100 通話者
101 肉伝導マイクロフォン
102 イヤフォン
103 クリップ
104 マイクロフォンケーブル
105 イヤフォン・マイクロフォンケーブル
106、112 携帯電話機
107 無線ネットワーク
108 通信網
109 無線基地局
110 基地局制御装置
111 交換機
201 鼻軟骨
202 鼻骨
301 接触部
302 圧電素子
303 空洞部
304 シールディング
305 硬質ゴム
306 吸音材
307 防振ウレタン
308 リード線
701 ダミー
702 バネ
801 フレーム
901 バンド
1001 鼻用キャップ
1002 耳掛け
1301 第1の無線通信ユニット
1302 第2の無線通信ユニット
1401、1408 デジタル無線通信部
1402 マイクアンプ
1403、1409 ADコンバータ
1404、1410 DAコンバータ
1405 スピーカアンプ
1406、1411 アンテナ
1407、1412 電池
1500 使用者
1501 パーソナルコンピュータ
1502 情報携帯端末
1600 認証登録者
1601 音声前処理部
1602 マイクアンプ
1603 ADコンバータ
1604 音声話者認証システム
1605 音声話者認証部
1606 登録パターン記憶部
1607 ドアロック制御システム
1608 ドア
1700 操作者
1701 腹話術人形
1702 音声処理ユニット
1703 スピーカ
1801 マイクアンプ
1802 ADコンバータ
1803 有音声出力部
1804 DAコンバータ
1805 スピーカアンプ
1806 電池
1900 使用者
1901 スピーカ内蔵音声処理ユニット
2001 マイクアンプ
2002 ADコンバータ
2003 有音声出力部
2004 DAコンバータ
2005 スピーカアンプ
2006 スピーカ
2007 電池
2101 簡易型スピーカ内蔵音声処理ユニット
2201 接触部
2202 コンデンサマイクロフォン部
2202a、2202b 振動電極
2202c リード線
2601 マイク接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鼻軟骨上の皮膚表面に装着される集音部を含み、
発声器官の運動に伴う共振フィルタ特性変化により調音された、声帯の規則振動を伴わない、外部からは非可聴な呼吸音の体内軟部組織を伝導する振動音である非可聴つぶやき音または、通常音声を採取することを特徴とするマイクロフォン。
【請求項2】
一端が共通の支点に接続された一対の支持部材と、前記一対の支持部材の他端同士を互いに接近させるように付勢するバネ部材とを含み、前記集音部は前記一対の支持部材の少なくとも一方の他端に設けられていることを特徴とする請求項1記載のマイクロフォン。
【請求項3】
前記鼻軟骨上の皮膚表面に沿った形状を有し前記皮膚表面に前記集音部が接触している状態を維持する支持部と、左右の耳介それぞれに掛けるための一対の耳掛け部と、前記一対の耳掛け部と前記支持部との間を接続するアーム部とを含むことを特徴とする請求項1記載のマイクロフォン。
【請求項4】
前記鼻軟骨上の皮膚表面を含む頭部皮膚表面に装着された環状の弾性体を有し、前記弾性体の弾性力により前記皮膚表面に前記集音部が接触している状態を維持することを特徴とする請求項1記載のマイクロフォン。
【請求項5】
前記集音部を覆うキャップ部と、前記キャップ部と左右の耳介それぞれとの間に設けられた一対の弾性体とを有し、前記弾性体の弾性力により前記皮膚表面に前記集音部が接触している状態を維持することを特徴とする請求項1記載のマイクロフォン。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のマイクロフォンによって採取された信号に対して、信号処理を行うことを特徴とする信号処理装置。
【請求項7】
前記マイクロフォンによって採取された信号を量子化するアナログデジタル変換部と、前記アナログデジタル変換部による量子化結果について加工を行うプロセッサ部と、前記プロセッサ部による加工結果を外部に送出する送出部とを含むことを特徴とする請求項6記載の信号処理装置。
【請求項8】
前記マイクロフォンによって採取された信号を量子化するアナログデジタル変換部と、前記アナログデジタル変換部による量子化結果を外部に送出する送出部とを含み、前記量子化結果の加工を外部装置において行うようにしたことを特徴とする請求項6記載の信号処理装置。
【請求項9】
前記マイクロフォンによって採取された信号を量子化するアナログデジタル変換部と、前記アナログデジタル変換部による量子化結果について加工を行うプロセッサ部と、前記プロセッサ部による加工結果について音声認識処理を行う音声認識部とを含むことを特徴とする請求項6記載の信号処理装置。
【請求項10】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のマイクロフォンと、請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の信号処理装置と、を含み、前記信号処理装置による処理結果をコミュニケーションに使用するようにしたことを特徴とするコミュニケーションインタフェースシステム。
【請求項11】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のマイクロフォンと、認証用の体内伝導音声に関するデータが予め記憶されている記憶手段と、前記マイクロフォンにより入力された体内伝導音声に関するデータと前記記憶手段に記憶されている体内伝導音声に関するデータとを照合することによって認証を行う認証手段とを含み、前記認証手段の認証結果に応じて外部機器を制御するようにしたことを特徴とする音声話者認証システム。
【請求項12】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のマイクロフォンにより入力され、発声器官の運動に伴う共振フィルタ特性変化により調音された、声帯の規則変動を伴わない、外部からは非可聴な呼吸音の体内軟部組織を伝導する振動音である非可聴つぶやき音(NAM音)に対応して所定動作を行うことを特徴とするNAM音対応玩具装置。
【請求項13】
音声を出力するためのスピーカを有し、前記所定動作は、前記NAM音に対応した音声を前記スピーカから出力する動作であることを特徴とする請求項12記載のNAM音対応玩具装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−229301(P2006−229301A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−37532(P2005−37532)
【出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【出願人】(000000033)旭化成株式会社 (901)
【出願人】(505057509)