説明

マイクロレンズ基板、マイクロレンズ基板の製造方法、液晶パネル及び液晶装置

【課題】信頼性に優れ、液晶装置の表示性能を向上させることができるマイクロレンズ基板、マイクロレンズ基板の製造方法、液晶パネル及び液晶装置を提供する。
【解決手段】レンズ層22と透明導電膜25との間に遮光膜23の複数の開口部23aを埋める透明材料層24が形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マイクロレンズ基板、マイクロレンズ基板の製造方法、液晶パネル及び液晶装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、液晶装置に用いられる液晶パネルと、その液晶パネルの対向基板として用いられるマイクロレンズ基板が知られている。このマイクロレンズ基板は、薄膜トランジスタ(TFT)及び画素電極等を備えたTFT基板に対向して配置され、遮光膜(ブラックマトリクス)、透明導電膜(共通電極)及びマイクロレンズ等を備えている。また、カバーガラスの代わりにポリシラザン化合物が水と反応することにより生成される組成物を皮膜として用いたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−94368号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の技術では、図9に示すように、複数の開口部23aを有するブラックマトリクス23により、皮膜F上に凹凸が形成されている。そして、凹凸に沿って共通電極25が形成されている。ここで、ブラックマトリクス23は、通常、例えば数十〜数百nm程度の膜厚に形成され、共通電極25は数百nm程度の膜厚に形成される。このように、ブラックマトリクス23の膜厚が共通電極25の膜厚に対して比較的大きくなっている。
そのため、ブラックマトリクス23の角部Cにおいて共通電極25が極端に薄くなったり、断絶したりする虞がある。これにより、マイクロレンズ基板(対向基板)20Zの信頼性が低下するという課題がある。
また、共通電極25が凹凸に沿って形成されるため、対向基板20Zの液晶側の面に凹凸が形成される。これにより、液晶分子の配向が乱れて光漏れ等の表示不良が発生し、液晶パネルの表示性能が低下するという課題がある。
【0004】
そこで、この発明は、信頼性に優れ、液晶装置の表示性能を向上させることができるマイクロレンズ基板、マイクロレンズ基板の製造方法、液晶パネル及び液晶装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明のマイクロレンズ基板は、複数のマイクロレンズを備えたレンズ層と、前記レンズ層上に形成され、複数の開口部を有する遮光膜と、前記遮光膜を覆う透明導電膜と、を備えた液晶パネル用のマイクロレンズ基板であって、前記レンズ層と前記透明導電膜との間に前記遮光膜の前記複数の開口部を埋める透明材料層が形成されていることを特徴とする。
【0006】
このように構成することで、遮光膜の開口部を透明材料層によって埋め、遮光膜によってレンズ層上に形成された凹凸の凹部を埋めることができる。そのため、レンズ層上が透明材料層によって平坦化され、遮光膜を覆う透明導電膜が極端に薄くなったり断絶したりすることが防止される。したがって、マイクロレンズ基板の信頼性を向上させることができる。
また、レンズ層上が平坦化されるので、透明導電膜が平坦に形成され、マイクロレンズ基板の透明導電膜側の面が平坦になる。そのため、マイクロレンズ基板を液晶パネルに用いた場合に、基板間隔が均一化されて液晶層の層厚が一定になり、液晶分子の配向が均一になる。したがって、液晶パネルの光漏れ等の表示不良を防止することができ、液晶パネルの表示性能を向上させることができる。
【0007】
また、本発明のマイクロレンズ基板は、前記レンズ層は、樹脂材料または有機−無機複合材料により形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、マイクロレンズ基板を容易に製造することができる。
【0008】
また、本発明のマイクロレンズ基板は、前記透明材料層は樹脂材料により形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、レンズ層が同じ樹脂材料により形成されている場合には、レンズ層と透明材料層の屈折率を等しくして光の透過率を向上させることができる。また、レンズ層が有機−無機複合材料により形成されている場合には、無機材料を用いる場合と比較して、レンズ層と透明材料層との親和性を向上させ、密着性を向上させることができる。
【0009】
また、本発明のマイクロレンズ基板は、前記透明材料層はポリシラザン化合物または二酸化珪素により形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、透明材料層によりマイクロレンズ基板の封止性能を向上させることができる。
【0010】
また、本発明のマイクロレンズ基板は、前記透明材料層は有機−無機複合材料により形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、レンズ層が樹脂材料により形成されている場合には、レンズ層と透明材料層との親和性を向上させ、密着性を向上させることができる。また、レンズ層が透明材料層と同じ有機−無機複合材料により形成されている場合には、レンズ層と透明材料層の屈折率を等しくして光の透過率を向上させることができる。
【0011】
また、本発明のマイクロレンズ基板は、前記遮光膜と前記レンズ層との間に保護層が形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、保護層によりレンズ層を保護することができる。
【0012】
また、本発明のマイクロレンズ基板は、前記保護層は、ポリシラザン化合物または二酸化珪素により形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、保護層の封止性能を向上させることができる。
【0013】
また、本発明のマイクロレンズ基板は、前記遮光膜の厚さは50nm以上200nm以下の範囲であり、透明材料層の厚さは200nm以上2000nm以下の範囲であることを特徴とする。
このように構成することで、開口部を有する遮光膜によりレンズ層上に形成された凹凸を透明材料層によって、より確実に平坦化することができる。
【0014】
また、本発明のマイクロレンズ基板の製造方法は、複数のマイクロレンズを備えたレンズ層と、前記レンズ層上に形成され、複数の開口部を有する遮光膜と、前記遮光膜を覆う透明導電膜と、を備えたマイクロレンズ基板の製造方法であって、前記レンズ層上に前記遮光膜を形成する工程と、前記遮光膜の前記開口部を埋めるように、前記透明材料層を形成する工程と、前記透明材料層及び前記遮光膜を覆うように前記透明導電膜を形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0015】
このように製造することで、開口部を有する遮光膜の形成によりレンズ層上に形成された凹凸を、透明材料層の形成によって平坦化することができ、透明導電膜を形成する際に遮光膜の角部で透明導電膜が極端に薄くなったり断絶したりすることが防止される。したがって、マイクロレンズ基板の信頼性を向上させることができる。また、レンズ層上が平坦化されるので、透明導電膜が平坦に形成される。
【0016】
また、本発明のマイクロレンズ基板の製造方法は、前記透明材料層を形成する工程は、前記透明材料層の組成物を含む液状体を前記レンズ層上に塗布する工程と、前記液状体を硬化させる工程と、を有することを特徴とする。
このように製造することで、遮光膜の開口部に液状体が充填されて硬化し、遮光膜の開口部が透明材料層によって埋められた状態となる。
【0017】
また、本発明のマイクロレンズ基板の製造方法は、前記透明材料層を形成する工程において、低温化学気相成長法を用いて前記透明材料層を形成することを特徴とする。
このように製造することで、単一の工程で透明材料層を形成することができ、製造工程を簡略化させ、生産性を向上させることができる。
【0018】
また、本発明のマイクロレンズ基板の製造方法は、前記低温化学気相成長法において、テトラエチルオルソシリケートを用いて前記透明材料層を形成することを特徴とする。
このように製造することで、200度以下の低温で、二酸化珪素により透明材料層を形成することができる。
【0019】
また、本発明のマイクロレンズ基板の製造方法は、前記透明材料層の表面を化学機械研磨により平坦化する工程を有することを特徴とする。
このように製造することで、透明材料層をより高度に平坦化させ、透明導電膜をより平坦に形成し、マイクロレンズ基板の信頼性をさらに向上させることができる。
【0020】
また、本発明の液晶パネルは、上記のいずれかに記載のマイクロレンズ基板を備えている。また、本発明の液晶装置は、上記の液晶パネル備えている。
このように構成することで、信頼性が向上され、液晶に接する透明導電膜側の面が平坦化されたマイクロレンズ基板を備えているので、液晶パネルの信頼性が向上するとともに、液晶層の層厚が均一化され、表示性能が向上する。また、液晶装置は、信頼性と表示性能が向上した液晶パネルを搭載した高品質の液晶装置となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
<第一実施形態>
以下、本発明の第一実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各図面では、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を適宜変更している。
【0022】
(液晶パネル、マイクロレンズ基板)
図1は、本実施形態の液晶パネル100の構成を示す断面図である。
図1に示すように、液晶パネル100は、対向して配置されたTFT基板10と対向基板(マイクロレンズ基板)20とを備えている。TFT基板10の端部と対向基板20の端部とは、シール材(図示略)によって貼り合わせられており、TFT基板10と対向基板20との間には、液晶が封入されて液晶層30が形成されている。また、TFT基板10及び対向基板20の液晶層30と反対側には、それぞれ位相差板及び偏光板(図示略)が設けられている。
【0023】
TFT基板10は、液晶層30の液晶を駆動するための基板であり、基板本体11と、基板本体11上に設けられた複数の薄膜トランジスタ(TFT)12を備えている。基板本体11は、例えば、石英ガラス等の透明材料により形成されている。
【0024】
TFT12のソースには、データ線駆動回路(図示略)から延びるデータ線が電気的に接続されており、TFT12のドレインには画素電極13が電気的に接続されている。画素電極13は、ITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電材料により形成されている。TFT12及び画素電極13は、液晶パネル100の画素に対応してマトリックス状に多数配置され、データ線駆動回路はデータ線を介して画像信号を各画素に供給する。
【0025】
TFT12のゲートには、走査線駆動回路(図示略)から延びる走査線が電気的に接続されている。走査線駆動回路から所定のタイミングで走査線にパルス的に供給される走査信号は、線順次でTFT12のゲートに印加されるようになっている。TFT12のゲートに走査信号が印加されると、TFT12のゲートとソースの間が一定期間オンとなり、データ線から供給される画像信号が所定のタイミングで画素電極13に書き込まれるようになっている。
また、TFT基板10の液晶層30側には、例えば、ポリイミドにより形成され、液晶層30の液晶分子の配向を規定する配向膜14が設けられている。
【0026】
対向基板20は、基板本体21、レンズ層22、ブラックマトリクス(遮光膜)23、透明材料層24、共通電極(透明導電膜)25、及び配向膜26を備えている。対向基板の液晶層30側に設けられた配向膜26は、配向膜14と同様に、例えば、ポリイミドにより形成され、液晶分子の配向を規定するように構成されている。
基板本体21の液晶層30側には、液晶パネル100の画素に対応して多数の半球状の凹部21aが形成されている。ここで、基板本体21は、例えば、石英ガラス等の透明性を有する材料により形成されている。基板本体21の材料としては、例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等が挙げられるが、中でも、石英ガラスが好ましい。石英ガラスは、機械的強度、耐熱性が高く、また、線膨張係数が非常に低く、熱による形状の変化が少ない。また、短波長領域の透過率も高く光エネルギーによる劣化もほとんどないという利点もある。
【0027】
基板本体21上には、基板本体21の凹部21aに対応する多数の半球状の凸部22aを有するレンズ層22が形成されている。レンズ層22の凸部22aが形成された面は、基板本体21の凹部21aが形成された面に密着し、凸部22aが凹部21aに隙間なく収容されている。レンズ層22の厚さは、液晶パネル100の設計仕様等により決定され、例えば、約10μm〜約50μm程度の厚さに形成される。本実施形態では、レンズ層22の厚さは、例えば、約30μm程度に形成されている。
【0028】
レンズ層22は、例えば、エポキシ系の熱硬化樹脂等の透明性を有する材料により形成されている。このように、レンズ層22が屈折率の異なる基板本体21と密着することで、凸部22aがマイクロレンズとして機能するように構成されている。
レンズ層22の材料としては、エポキシ系の熱硬化樹脂以外にも、例えば、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂等の熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、ポリエチレン等の透明性を有する樹脂材料や、これらの樹脂材料にSiO(二酸化珪素)等を結合させた有機−無機複合材料を用いることができる。
【0029】
レンズ層22の液晶層30側には、複数の開口部23aを有するブラックマトリクス23が形成されている。ブラックマトリクス23の開口部23aは、液晶パネル100の画素に対応すると共に、凸部22aからなる各マイクロレンズに対応して開口されている。
ここで、本実施形態では、ブラックマトリクス23は、例えば、Crにより形成され、厚さは約100nm程度となっている。ブラックマトリクス23は、Cr以外にも、Al、Al合金、Ni、Zn、Ti等の金属膜、カーボンやチタン等を分散した樹脂層などにより形成することができる。
【0030】
また、レンズ層22上には、開口部23aを埋め、ブラックマトリクス23を覆うように透明材料層24が形成されている。透明材料層24の厚さは、例えば、約2000nm程度の厚さに形成されている。
ここで、透明材料層24は、例えば、ポリシラザン化合物によって形成されている。透明材料層24の材料としては、ポリシラザン化合物以外にも、例えば、SiO(二酸化珪素)、有機−無機複合材料、あるいはレンズ層22と同様の樹脂材料等を用いることができる。本実施形態において有機―無機複合材料とは、有機成分と無機成分とが共有結合により結合したもののことを指す。有機−無機複合材料は、その分子内に、樹脂材料と同様の化学構造を有している。
【0031】
透明材料層24上には、例えば、ITO等の透明導電性材料により形成され、透明材料層24及びブラックマトリクス23を覆う平面ベタ状の共通電極25が設けられている。共通電極25上には、例えば、ポリイミドにより形成され、液晶層30の液晶分子の配向を規定する配向膜26が設けられている。
【0032】
以上のような構成の液晶パネル100は、データ線からの画像信号をTFT12でスイッチング制御することにより、複数の画素の画素電極13に個別に画像信号を伝達できるようになっている。画素電極13に画像信号が伝達されると、画素電極13と共通電極25との間に所定の電界が印加されて、これら電極間の液晶分子は、電界に応じた方向を向くようになる。そして、照明装置等(図示省略)から射出され、液晶パネル100の対向基板20に入射した光Lは、マイクロレンズとして機能するレンズ層22の凸部22aによって集光されて、ブラックマトリクス23の開口部23aを通過する。これにより、対向基板20を透過する光Lが増加して、光Lの利用効率が向上する。対向基板20を透過した光Lは、対向基板20側からTFT基板10側に向かう間に、液晶層30により画像信号に応じて変調される。そして、変調された光Lが、偏光板等でフィルタリングされることにより、階調表示が可能となっている。
【0033】
ここで、本実施形態の対向基板20は、レンズ層22と共通電極25との間にブラックマトリクス23の複数の開口部23aを埋める透明材料層24が形成されている。これにより、ブラックマトリクス23と開口部23aによってレンズ層22上に形成された凹凸が、透明材料層24により埋められて平坦化される。
【0034】
また、本実施形態では、ブラックマトリクス23の厚さは約100nm程度であり、透明材料層24の厚さは、例えば、約2000nm程度の厚さに形成されている。そのため、図1に示すように、透明材料層24によりブラックマトリクス23の開口部23aが埋められると共に、ブラックマトリクス23を完全に覆うことができる。これにより、ブラックマトリクス23と開口部23aとにより形成されたレンズ層22上の凹凸が、透明材料層24によって、より確実に平坦化される。これにより、図9に示す従来の対向基板20Zのように、凸状のブラックマトリクス23の角部Cにより共通電極25が極端に薄くなったり断絶したりすることが防止される。したがって、対向基板20の信頼性を向上させ、液晶パネル100の信頼性を向上させることができる。
【0035】
また、ブラックマトリクス23と開口部23aによる凹凸が透明材料層24により平坦化されるので、共通電極25がブラックマトリクス23と開口部23aによる凹凸によらず平坦に形成され、対向基板20の液晶層30側の面が平坦になる。これにより、液晶層30の液晶分子の配向を均一化することができる。したがって、液晶層30において光漏れ等の表示不良が発生することを防止してコントラストを向上させ、液晶パネル100の表示性能を向上させることができる。
【0036】
また、本実施形態の透明材料層24はポリシラザン化合物により形成されているので、封止性に優れたものとなり、樹脂材料により形成されたレンズ層22と、液晶層30を確実に隔離して、液晶層30の劣化を防止することができる。また、ポリシラザン化合物は、光に対する高い安定性を有し、耐熱性に優れ、高い硬度を有し、吸水率が低く、科学的安定性にも優れている。したがって、従来用いられていたカバーガラスを用いる必要が無い。このため、カバーガラスを用いる場合の製造工程において必然的に発生するパーティクルによる悪影響の可能性を排除することができ、対向基板20の信頼性を特に優れたものとすることができる。
【0037】
また、透明材料層24をSiOにより形成した場合にも、ポリシラザン化合物の場合と同様に封止性に優れたものとなり、樹脂材料により形成されたレンズ層22と液晶層30とを確実に隔離させることができ、液晶層30の劣化を防止することができる。また、SiOは、光に対する高い安定性を有し、耐熱性に優れ、高い硬度を有し、吸水率が低く、科学的安定性にも優れている。したがって、この場合にもカバーガラスを用いる必要が無い。
【0038】
また、透明材料層24を有機―無機複合材料により形成した場合には、その分子内に、樹脂材料と同様の化学構造を有し、樹脂材料との親和性が高い。したがって、レンズ層22と透明材料層24との密着性を優れたものとすることができる。その結果、対向基板20の耐久性、信頼性を向上させることができる。
また、レンズ層22と透明材料層24とを同様の有機−無機複合材料により形成した場合には、レンズ層22と透明材料層24の屈折率を等しくして光Lの透過率を向上させることができる。
【0039】
また、透明材料層24をレンズ層22と同様の樹脂材料により形成した場合には、レンズ層22と透明材料層24の屈折率を同等にして光Lの透過率を向上させ、光Lの利用効率を向上させ、液晶パネル100の表示性能を向上させることができる。
また、レンズ層22を有機−無機複合材料により形成し、透明材料層24を樹脂材料により形成した場合には、レンズ層22を無機材料により形成した場合と比較して、レンズ層22と透明材料層24との親和性を向上させ、レンズ層22と透明材料層24との密着性を向上させることができる。
【0040】
以上説明したように、本実施形態によれば、対向基板20の信頼性、光学特性及び耐久性を向上させることができ、信頼性、光学特性及び耐久性に優れ、表示性能が向上された液晶パネル100を提供することができる。
【0041】
(対向基板の製造方法)
次に、本実施形態の対向基板20の製造方法について説明する。以下の説明では、透明材料層24の形成工程を中心に説明し、その他の工程の説明は適宜省略する。なお、透明材料層24の形成工程以外の工程については、公知のものを採用することができる。
【0042】
まず、厚さが均一で、たわみや傷のない石英ガラス等からなる基板本体21を用意し、フォトリソグラフィー法、エッチング法等により、図2に示すように、液晶パネル100の画素に対応した半球状の凹部21aをアレイ状に形成する。
次いで、凹部21aが形成された基板本体21上に、約200℃程度の温度で硬化する無溶媒タイプの熱硬化樹脂220を滴下して塗布する。このとき、基板本体21の外周部の凹部21aが形成されていない箇所に、例えば、直径約30μmの球状スペーサSを配置しておく。
【0043】
次に、基板本体21上に塗布した熱硬化樹脂220の表面をプレス用ガラス板Pによりプレスして平坦化すると共に、熱硬化樹脂220の厚さを球状スペーサSにより規定して均一化する。このとき、プレス用ガラス板Pとしては、例えば、基板本体21と同様の石英ガラスからなるものを用い、プレス面P1をフッ化表面とするフッ化処理等の表面加工を行っておくことが望ましい。そして、熱硬化樹脂220を約200℃程度の温度に加熱して硬化させる。熱硬化樹脂220が完全に硬化してレンズ層22が形成された後、プレス用ガラス板Pをレンズ層22の表面から剥離して離形させる。
【0044】
次に、図3(a)に示すように、レンズ層22上にブラックマトリクス23を形成する。本実施形態では、ブラックマトリクス23のパターンに対応するパターンが形成されたマスク(図示略)をレンズ層22上に位置決めして配置し、スパッタ法によりブラックマトリクス23を形成する。このとき、ブラックマトリクス23の厚さは、例えば、約100nm程度に形成する。これにより、レンズ層22上に液晶パネル100の画素に対応する複数の開口部23aを有するブラックマトリクス23が形成される。
ここで、ブラックマトリクス23の形成方法は、上述のスパッタ法に限られない。例えば、ブラックマトリクス23の材料の膜をレンズ層22上に全面成膜した後、その膜上に感光性レジストを塗布し、さらにブラックマトリクス23の形状のマスクを用いて露光・現像して膜をエッチングするフォトリソグラフィー法によりブラックマトリクス23の細密パターンを形成してもよい。
【0045】
次に、ブラックマトリクス23が形成されたレンズ層22上に透明材料層24を形成する。
透明材料層24をポリシラザン化合物により形成する場合には、図3(b)に示すように、ポリシラザン化合物を含む液状体240をレンズ層22上に滴下してスピンコート法により塗布する。このとき、液状体240の厚さは、例えば、約2000nm程度となるようにする。これにより、ブラックマトリクス23の開口部23aを埋めるように液状体240がレンズ層22上に塗布され、ブラックマトリクス23が液状体240によって覆われた状態となる。
【0046】
次に、レンズ層22上の液状体240を、例えば、約150℃の温度で約1時間程度加熱して完全に硬化させ、透明材料層24を形成する。これにより、透明材料層24は、ブラックマトリクス23の開口部23aを埋めると共に、ブラックマトリクス23を覆いレンズ層22上の凹凸を平坦化するように形成される。
【0047】
一方、ブラックマトリクス23を覆う透明材料層24をSiOにより形成する場合には、ブラックマトリクス23が形成されたレンズ層22上に低温化学気相成長法を用いて透明材料層24を形成する。ここでは、約200℃以下の温度で行う化学気相成長法(CVD)を低温CVDという。本実施形態では、テトラエチルオルソシリケート(Tetraethyl Orthosilicate:TEOS)を用い、約200℃以下の温度で、例えば、約200nm程度の厚さの透明材料層24を形成する。これにより、透明材料層24は、ブラックマトリクス23の開口部23aを埋めると共に、ブラックマトリクス23を覆いレンズ層22上の凹凸を平坦化するように形成される。
【0048】
透明材料層24をポリシラザン化合物やSiO等により形成した後、平坦化処理が必要な場合には、化学機械研磨(CMP)により平坦化する。透明材料層24上の凹凸の高さが、例えば、約100nm以上である場合には、CMPによる平坦化処理を行うことが望ましい。
【0049】
次に、図3(c)に示すように、透明材料層24上に、透明材料層24およびブラックマトリクス23を覆うようにベタ状の共通電極25を形成し、共通電極25上に配向膜26を形成する。そして、対向基板20の配向膜の形成面とは反対側の面に、位相差板及び偏光板(図示略)を貼り合わせる。以上により、図1に示すような対向基板20が製造される。
【0050】
以上説明したように、本実施形態の対向基板20の製造方法によれば、開口部23aを有するブラックマトリクス23によりレンズ層22上に形成された凹凸を、透明材料層24の形成により平坦化することができ、共通電極25を形成する際に共通電極25が極端に薄くなったり断絶したりすることが防止される。したがって、対向基板20の信頼性を向上させることができる。
【0051】
また、開口部23aを有するブラックマトリクス23によるレンズ層22上の凹凸が平坦化されるので、共通電極25が平坦に形成され、図1に示すように、対向基板20の液晶層30側の面が平坦になる。これにより、液晶層30の液晶分子の配向が均一化される。したがって、液晶層30の光漏れ等の表示不良を防止することができ、液晶パネル100の表示性能を向上させることができる。
【0052】
また、透明材料層24をポリシラザン化合物によって形成する場合には、ポリシラザン化合物を含む液状体240を塗布して硬化させることで、ブラックマトリクス23の開口部に液状体240が充填されて硬化され、ブラックマトリクス23の開口部23aを透明材料層24によって埋めると共にブラックマトリクス23が透明材料層24によって覆われる。したがって、ブラックマトリクス23によってレンズ層22上に形成された凹凸を透明材料層24によって平坦化することができる。
【0053】
また、透明材料層24をSiOによって形成する場合には、低温CVDの単一の工程のみで透明材料層24を形成することができる。したがって、塗布工程と硬化工程を有する透明材料層24の形成工程と比較して、製造工程を簡略化させ、生産性を向上させることができる。また、TEOSを用いることで、約200℃以下の温度で透明材料層24を形成することができ、レンズ層22が劣化することを防止できる。
【0054】
また、上述のようにブラックマトリクス23を形成した後に、透明材料層24を形成することで、透明材料層24の形成時にブラックマトリクス23が約200℃程度の温度に加熱され、ブラックマトリクス23の応力が緩和される。
【0055】
また、共通電極25の形成前に透明材料層24の表面をCMPにより平坦化した場合には、透明材料層24の表面をより高度に平坦化させ、共通電極25をより平坦に形成し、対向基板20の信頼性をより向上させることができる。
【0056】
また、レンズ層22の形成工程において、基板本体21と同様に石英ガラスによって形成されたプレス用ガラス板Pを用いることで、熱硬化樹脂220を加熱して硬化させる際に、プレス用ガラス板Pは基板本体と同様の挙動を示す。したがって、レンズ層22の形成時に基板本体21とプレス用ガラス板Pとの線膨張係数の差異による応力が作用することを防止できる。
【0057】
また、プレス用ガラス板Pのプレス面P1にフッ化処理等の表面処理を施すことで、プレス用ガラス板Pを透明材料層24から剥離して離形させる際に、プレス用ガラス板Pを容易に剥離させることができる。
【0058】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について、図2を援用し、図4及び図5(a)〜図5(c)を用いて説明する。本実施形態では、対向基板20Aのレンズ層22とブラックマトリクス23との間に保護層27が形成されている点で、上述の第一実施形態で説明した対向基板20と異なっている。その他の点は第一実施形態と同様であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0059】
(液晶パネル、対向基板)
図4に示すように、本実施形態の液晶パネル100Aは、レンズ層22とブラックマトリクス23との間に保護層27が形成された対向基板20Aを備えている。保護層27は、例えば、ポリシラザン化合物またはSiOによって形成されている。
【0060】
このように構成することで、保護層27により、例えば、ブラックマトリクス23の形成時等にレンズ層を保護することができる。また、保護層27を、ポリシラザン化合物またはSiOにより形成することで、保護層27の封止性能を向上させることができる。したがって、レンズ層22と液晶層30とを確実に隔離して液晶層30の劣化を防止することができる。
【0061】
(対向基板の製造方法)
次に、この実施の形態の対向基板20Aの製造方法について説明する。
まず、図2に示すように、第一実施形態と同様に、基板本体21上にレンズ層22を形成する。
次に、図5(a)に示すように、レンズ層22上に保護層27を形成する。保護層27は、例えば、第一実施形態で説明した透明材料層24と同様の形成方法により、ポリシラザン化合物またはSiOにより形成する。
その後、保護層27上に第一実施形態と同様にブラックマトリクス23を形成し、図5(b)及び図5(c)に示すように、透明材料層24、共通電極25及び配向膜26を形成する。
【0062】
本実施形態の対向基板20Aの製造方法によれば、ブラックマトリクス23、透明材料層24、共通電極25及び配向膜26を形成する際に、保護層27によりレンズ層22を保護することができる。また、保護層27を、ポリシラザン化合物またはSiOにより形成することで、保護層27の封止性能を向上させ液晶層30の劣化を防止することができる。
【0063】
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態について、図2を援用し、図6及び図7(a)〜図7(c)を用いて説明する。本実施形態では、透明材料層24Bがレンズ層22と同様の樹脂材料により形成され、透明材料層24Bと共通電極25との間に保護層27が形成されている点で、上述の第一実施形態で説明した対向基板20と異なっている。その他の点は第一実施形態と同様であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0064】
(液晶パネル、対向基板)
図6に示すように、本実施形態の液晶パネル100Bは、レンズ層22上にレンズ層22と同様の樹脂材料からなる透明材料層24Bが形成され、透明材料層24B上に第二実施形態と同様の保護層27が形成された対向基板20Bを備えている。保護層27は、第二実施形態と同様に、例えば、ポリシラザン化合物またはSiOによって形成されている。
【0065】
このように構成することで、第一実施形態と同様に、ブラックマトリクス23によってレンズ層22上に形成された凹凸を透明材料層24Bにより平坦化することができるだけでなく、透明材料層24Bとレンズ層22の屈折率を同等にして、光Lの利用効率を向上させることができる。
また、透明材料層24B上に保護層27を形成することで、第二実施形態と同様に、保護層27により透明材料層24及びレンズ層22を保護することができる。また、保護層27を、ポリシラザン化合物またはSiOにより形成することで、保護層27の封止性能を向上させ、透明材料層24と液晶層30とを確実に隔離して液晶層30の劣化を防止することができる。
【0066】
(対向基板の製造方法)
次に、この実施の形態の対向基板20Bの製造方法について説明する。
まず第一実施形態と同様に、図2に示すように基板本体21上にレンズ層22を形成し、図7(a)に示すようにレンズ層22上にブラックマトリクス23を形成する。
次いで、図7(b)に示すように、第一実施形態のポリシラザン化合物による透明材料層24の形成方法と同様に、熱硬化樹脂240Bをレンズ層22上に塗布し、加熱して硬化させ、透明材料層24Bを形成する。ここで、熱硬化樹脂240Bは、レンズ層22の形成に用いた熱硬化樹脂220と同様のものを用いる。
次に、図7(c)に示すように、透明材料層24B上に、例えば、第二実施形態と同様の方法でポリシラザン化合物またはSiOにより保護層27を形成する。その後、保護層27上に第一実施形態と同様に共通電極25及び配向膜26を形成する。
【0067】
本実施形態の対向基板20Bの製造方法によれば、第一実施形態と同様に、ブラックマトリクス23によってレンズ層22上に形成された凹凸を透明材料層24Bにより平坦化することができるだけでなく、透明材料層24Bとレンズ層22の屈折率を同等にして、光Lの利用効率を向上させることができる。
また、透明材料層24B上に保護層27を形成することで、第二実施形態と同様に保護層27によって透明材料層24B及びレンズ層22を保護することができる。また、保護層27を、ポリシラザン化合物またはSiOにより形成することで、保護層27の封止性能を向上させ、透明材料層24Bと液晶層30とを確実に隔離して液晶層30の劣化を防止することができる。
【0068】
<プロジェクタ>
次に、本発明の液晶装置としてプロジェクタの一実施形態について、図8を用いて説明する。図8は、プロジェクタ800の要部を示す概略構成図である。このプロジェクタ800は、前述した実施形態に係る液晶パネル100を光変調手段として備えたものである。
【0069】
図8において、810は光源、813、814はダイクロイックミラー、815、816、817は反射ミラー、818は入射レンズ、819はリレーレンズ、820は出射レンズ、822、823、824は前述した実施形態に係る液晶パネル100からなる光変調手段、825はクロスダイクロイックプリズム、826は投射レンズである。光源810は、メタルハライド等のランプ811とランプの光を反射するリフレクタ812とによって構成されている。
【0070】
ダイクロイックミラー813は、光源810からの白色光に含まれる赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー817で反射されて、赤色光用光変調手段822に入射される。また、ダイクロイックミラー813で反射された緑色光は、ダイクロイックミラー814によって反射され、緑色光用光変調手段823に入射される。さらに、ダイクロイックミラー813で反射された青色光は、ダイクロイックミラー814を透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ818、リレーレンズ819および出射レンズ820を含むリレーレンズ系からなる導光手段821が設けられている。この導光手段821を介して、青色光が青色光用光変調手段824に入射される。
【0071】
各光変調手段822、823、824により変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム825に入射する。このクロスダイクロイックプリズム825は4つの直角プリズムを貼り合わせたものであり、その界面には赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とがX字状に形成されている。これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ826によってスクリーン827上に投影され、画像が拡大されて表示される。
【0072】
前述したプロジェクタ800は、上述した液晶パネル100を光変調手段として備えている。この液晶パネル100は、上述した対向基板20を備え、信頼性に優れ表示性能が向上されたものとなっているので、このプロジェクタ800は信頼性に優れ、画像表示性能の良好な高性能のプロジェクタとなる。
【0073】
尚、この発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、透明材料層の厚さは、ブラックマトリクスと開口部により形成された凹凸が100nm以下となるような厚さであれば、2000nm以下の厚さであっても良い。例えば、ブラックマトリクスの厚さが、約50nm〜約200nm程度の範囲の厚さである場合に、透明材料層の厚さを約200nm〜約2000nm程度の範囲の厚さに形成することができる。
【0074】
また、上述の実施形態では、凹部の形成にエッチング法を用いたが、凹部の形成方法はこれに限定されるものではなく、所望の形状が形成できるものであれば良い。ただし、光学的にロスがないか許容できる程度のレンズ面が形成されるものでなくてはならない(例えば、面粗さ等)。
【0075】
また、レンズ層の厚さは、上述の実施形態で説明した厚さに限定されない。レンズ層の厚さは、液晶パネルの仕様により適宜調整され、例えば、約10μm〜50μm程度の範囲にあるのが好ましい。
また、透明材料層の組成物を含む液状体をスピンコート法により塗布する場合には、濡れ性を向上させるために、例えば、0プラズマなどによる表面処理を施しても良い。
また、ポリシラザン化合物を含む液状体を硬化させる条件は、液状体の組成によって異なり、上述の実施形態で説明した条件に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の第一実施形態における液晶パネルの構成を示す断面図である
【図2】同、液晶パネルの対向基板の製造工程を示す断面図である。
【図3】(a)〜(c)は、同、対向基板の製造工程を示す断面図である。
【図4】本発明の第二実施形態における液晶パネルの構成を示す断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、同、液晶パネルの対向基板の製造工程を示す断面図である。
【図6】本発明の第三実施形態における液晶パネルの構成を示す断面図である。
【図7】(a)〜(c)は、同、液晶パネルの対向基板の製造工程を示す断面図である。
【図8】本発明の実施形態におけるプロジェクタを示す概略構成図である。
【図9】従来の対向基板の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0077】
20,20A,20B 対向基板(マイクロレンズ基板)、22 レンズ層、22a 凸部(マイクロレンズ)、23 ブラックマトリクス(遮光膜)、23a 開口部、24,24B 透明材料層、25 共通電極(透明導電膜)、27 保護層、100,100A,100B 液晶パネル、240 液状体、800 プロジェクタ(液晶装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマイクロレンズを備えたレンズ層と、前記レンズ層上に形成され、複数の開口部を有する遮光膜と、前記遮光膜を覆う透明導電膜と、を備えた液晶パネル用のマイクロレンズ基板であって、
前記レンズ層と前記透明導電膜との間に前記遮光膜の前記複数の開口部を埋める透明材料層が形成されていることを特徴とするマイクロレンズ基板。
【請求項2】
前記レンズ層は、樹脂材料または有機−無機複合材料により形成されていることを特徴とする請求項1記載のマイクロレンズ基板。
【請求項3】
前記透明材料層は樹脂材料により形成されていることを特徴とする請求項2記載のマイクロレンズ基板。
【請求項4】
前記透明材料層はポリシラザン化合物または二酸化珪素により形成されていることを特徴とする請求項2記載のマイクロレンズ基板。
【請求項5】
前記透明材料層は有機−無機複合材料により形成されていることを特徴とする請求項2記載のマイクロレンズ基板
【請求項6】
前記遮光膜と前記レンズ層との間に保護層が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のマイクロレンズ基板。
【請求項7】
前記保護層は、ポリシラザン化合物または二酸化珪素により形成されていることを特徴とする請求項6記載のマイクロレンズ基板。
【請求項8】
前記遮光膜の厚さは50nm以上200nm以下の範囲であり、透明材料層の厚さは200nm以上2000nm以下の範囲であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のマイクロレンズ基板。
【請求項9】
複数のマイクロレンズを備えたレンズ層と、前記レンズ層上に形成され、複数の開口部を有する遮光膜と、前記遮光膜を覆う透明導電膜と、を備えた液晶パネル用のマイクロレンズ基板の製造方法であって、
前記レンズ層上に前記遮光膜を形成する工程と、
前記遮光膜の前記開口部を埋めるように、前記透明材料層を形成する工程と、
前記透明材料層及び前記遮光膜を覆うように前記透明導電膜を形成する工程と、
を有することを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項10】
前記透明材料層を形成する工程は、前記透明材料層の組成物を含む液状体を前記レンズ層上に塗布する工程と、前記液状体を硬化させる工程と、を有することを特徴とする請求項9記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項11】
前記透明材料層を形成する工程において、低温化学気相成長法を用いて前記透明材料層を形成することを特徴とする請求項9記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項12】
前記低温化学気相成長法において、テトラエチルオルソシリケートを用いて前記透明材料層を形成することを特徴とする請求項11記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項13】
前記透明材料層の表面を化学機械研磨により平坦化する工程を有することを特徴とする請求項9ないし請求項12のいずれか一項に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項14】
請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載のマイクロレンズ基板を備えた液晶パネル。
【請求項15】
請求項14記載の液晶パネルを備えた液晶装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−175599(P2009−175599A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−16171(P2008−16171)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】