マグナレトラクタシステムおよび方法
体腔内、例えば、腹部内で外科的処置を行うためのシステムおよび方法において、外科医が腹腔内の臓器および物体を制御するのを可能にするために、磁化装置が用いられる。このシステムおよび方法を用いると、外科医は、外科用器具を体腔内に配置する必要なく腹腔内処置を行うことができる。磁化装置によって、外科医は腹部内の様々な物体を牽引または配置することができるので、さらなる外科用ポートは必要ではない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、概して、ヒトおよび動物を含む被験体において使用するための外科手術の装置、システム、および方法、ならびに腹腔鏡検査を行った時に被験体の体内の物体を操作する装置、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
体腔、例えば、腹部において腹腔鏡手術を行っている時に、腹部において操作することができる手術機器の数は、切開された腹部ポートの数によって制限される。従って、外科医が同時に操作することができる臓器および組織の数は、所定の位置にある機器の数によって制限される。
【0003】
エンドメトリオーシスの標準的な腹腔鏡検査では、例えば、臍用ポートを通じてカメラが留置され、機器と一緒に用いるために2つの下腹部用ポートが作られる。骨盤内の深くにある、または卵巣の背後にあるエンドメトリオーシスに到達するために、エンドメトリオーシスを切除するために、またはエンドメトリオーシスに高周波療法を施すために、卵巣を牽引しなければならない。卵巣をつかみ、牽引するために、機器がポートの1つに挿入され、使用される。多くの場合、グラスパ(grasper)を使用して卵巣を制御することは難しく、このために、卵巣は不必要かつ制御不能に動くことが多い。カメラは臍用ポートを通じて挿入され、グラスパは第2のポートを通じて挿入された状態では、外科医が利用できるポートは1つしか残っていない。利用できるポートは1つしかないので、それにより、子宮内膜症の病変(endometrial implant)に高周波療法を施す、または子宮内膜症の病変を切除するプロセスはさらに難しくなる。なぜなら、基礎をなす組織への損傷を避けるために、腹膜をテント状にしなければならないからである。外科医は、たった1つの機器を用いて、腹膜をテント状にし、子宮内膜症の病変に高周波療法を施すか、もしくは子宮内膜症の病変を切除しなければならない、または、1つもしくは複数のさらなるポートを切開しなければならない。次いで、機器の操作が加わると、外科医は1度に2つしか機器を操作できないので、グラスパの制御をあきらめる必要がある。
【0004】
しかしながら、さらなるポートおよび機器は多くの理由から望ましくない。さらなるポートごとに付随して腹部切開が必要であり、このために腹膜および腹筋に穴が開き、血管に突き当たるリスクおよび感染症のリスクが高まる。さらに、目に見える瘢痕が形成する可能性があるので、患者にとって1つ1つの切開には美容と密接な関係がある。
【0005】
さらなる機器を腹腔に入れるためにポートを加える問題に加えて、腹腔内での作業空間が限られているという問題がある。さらに多くの機器が腹部に導入されると、その部位はうっ血する可能性がある。このうっ血により、意図せずに機器は互いに妨害し、衝突することがあるので、外科医にとって処置はさらに難しくなり、患者のリスクが高まる。
【0006】
例えば、腹腔鏡下子宮摘出術では、開腹式子宮摘出術において可能な有益なやり方で、子宮を牽引することは難しいことが多い。開腹式子宮摘出術では、しばしば、コークスクリュー器具が子宮底の中に入れられ、出血を少なくするために上方へ牽引するのに用いられる。子宮を牽引すると、子宮の側面への接近ならびに子宮動脈および基靭帯の縫合および結紮も極めて容易になる。これを腹腔鏡下で行うためには、外科医は余分なポートを試し、留置し、グラスパを用いて子宮を牽引しなければならず、これは非常に難しい作業であることが多い。さらに、切開を行うために他の機器が用いられている状態では、余分なグラスパは機器の散乱を引き起こすことが多い。
【0007】
さらに、外科医は、物理的には、1度に2つの機器を制御することに、すなわち、1つの手に1つの機器に限られている。さらなる機器を用いて機能を遂行する、例えば、卵巣を牽引する、または子宮を操作すると決めた場合、外科医は、全ての機器を同時に操作することができないという問題に遭遇すると考えられる。
【0008】
これらの問題を考慮に入れると、外科医が余分なポートを設置する必要なく、腹腔内の臓器および物体を牽引および操作し得る腹腔鏡下システムを有することが望ましく、臓器をより良好な管理下に置き、現在、腹腔鏡下では不可能な機能を遂行できることが望ましいと考えられる。外科医が、さらなる腹腔内機器の導入と関連する、さらなる腹腔うっ血なく、腹腔内の臓器および物体を操作し得るシステムを有することも望ましいと考えられる。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、外科医がさらなる物品を腹腔内に留置する必要なく腹腔内の臓器および物体を牽引および制御するのを可能にするために、磁場、例えば、磁石によって発生した磁場、およびこれらの磁場に応答する器具を使用する、腹腔鏡手術の方法およびシステムである。
【0010】
前記のシステムは、体内の物体および臓器に付着するために、ネジ、ループ、クリップ、クランプなどの様々な留め具を使用する。外科医がさらなる腹部ポートを設置することなく腹腔内の臓器および物体を制御するのを可能にするために、これらの留め具は、三次元空間内で、直接的または間接的に、電場または電磁場による影響を受けることができるか、電場または電磁場によって操作することができる。次いで、留め具は、これらを腹部に留置するために用いられた長い器具から脱着される。次いで、磁場源、例えば、磁石または電磁石を含む装置が腹部外に配置される。この装置によって発生した磁場は、腹部内の物体または臓器に付着された留め具を操作するのに用いられ、これにより、外科医は、腹腔内機器を用いることなく、またはさらなるポートを設置することなく、腹部の周囲にある物体を牽引するか、または適切な場所に置くことができる。
【0011】
本発明は、図面と組み合わせて、以下の詳細な説明からさらに詳しく理解および認識されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】体内装置、体外装置、および留置装置の一態様である。
【図2A】体内装置の一態様である。
【図2B】体内装置の磁気的に応答する部分の一態様である。
【図2C】設計が磁気材料の再利用をもたらす体内装置の一態様である。
【図2D】回転エネルギーに変換するためのネジ機構を有する体内装置の別の態様である。
【図2E】物体を留置するためのループ機構を有する体内装置の別の態様である。
【図2F】大きなループ機構を有する体内装置の別の態様である。
【図3A】留置装置の詳細な態様である。
【図3B】体内装置を係合する留置装置の一態様である。
【図3C】磁気エネルギーを利用する留置装置の別の態様である。
【図3D】電磁気エネルギーを利用する留置装置の別の態様である。
【図3E】電磁気エネルギー源に取り付けられた留置装置の別の態様である。
【図3F】回転エネルギーを発生させるインターフェースを有する留置装置の別の態様である。
【図3G】留置装置の別の態様である。装置に用いられる永久磁石は、再密封可能なチャンバの中に入れられてもよい。
【図3H】体内装置と係合されるコネクタの上面図である。
【図4A】磁力により作動される体外装置の一態様である。
【図4B】可動性磁石機構を含む体外装置の別の態様である。
【図4C】電磁気エネルギーを利用する体外装置の別の態様である。
【図4D】粘着物により固定される体外装置の別の態様である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明の詳細な説明
本発明は、腹腔鏡手術を行う外科医に、外科医が余分なポートを設置することなく腹腔内の臓器および物体を牽引および操作するのを可能にするシステムおよび方法を提供する。さらに、本発明を用いると、体腔内の空間が広がるために、外科医は機器の厳密な制御を維持することができる。
【0014】
好ましい態様において、本発明のシステムは、3種類のマグナレトラクタ(magnaretractor)装置である、体内装置1、体外装置2、および留置装置3が一緒に働くことにより、その機能を遂行する。図1を参照されたい。
【0015】
体内装置は、患者の体内の物体または組織に付着するのに用いられる一組の器具である。体内装置は、体内装置を体内の正しい位置に留置する留置装置と相互作用するように設計されている。体外装置は、体外から体内装置を操作し、外科医が操作しようと思っている物体または組織を操作するように設計されている。図2は、体内装置の好ましい態様を示す。好ましい態様は、ある形状の本体100、例えば、少なくとも一横断面においてトロカールより大きくないサイズを有する細いシャフトを含む。これは、好ましい使用方法において体内装置がトロカールポートを通って患者の身体に通されるので必要である。体内装置本体の1つの末端102において、装置は、物体または組織に付着するように適合される。本体の反対の末端104において、装置は留置装置と係合するように適合される。
【0016】
体内装置は、留置装置と物理的に係合し、体外装置からのエネルギーに応答するように設計されている。好ましい態様は、留め具の末端414の反対にある、体内装置の1つの末端104に配置された磁石120を使用することによって、これを達成する。留置装置の係合を支援するために、磁石は、磁石に引きつけられる材料を含む留置装置の末端を引きつける。留置装置の末端が、磁石を含む体内装置の末端の近くに引き寄せられると、2つの装置は引きつけられる。邪魔をする材料が留置装置と体内装置の間になければ、2つの装置は接触し、端と端とを付けて互いに密着する。都合よく、体内装置の磁石末端104は、留置装置と軸方向に位置が合うように丸められている。この位置合わせは、外科医がトロカールを通じて留置装置および体内装置を両方とも牽引するために、ならびに留置装置のインターフェースが体内装置の嵌合ノードと正しく係合するために絶対必要である。体内装置と留置装置との係合および位置合わせをさらに助けるために、溝または隆起108が、留置装置の末端に配置された溝または隆起108と嵌合するように体内装置の末端104に配置される。2つの装置が、これらの磁気引力によって互いに近接するように引っ張られると、溝および隆起によって、2つの装置は、体内装置の末端とわずかに重複する留置装置の末端と強制的に位置が合わさり、これにより緊密な接続が形成される。
【0017】
図2Bに示した類似する別の態様では、体内装置の本体100の一部は、磁気エネルギーに応答する材料から作られ、代わりに、磁石は留置装置の末端に配置される。この態様では、留置装置にある磁石は永久磁石または電磁石でもよい。この反対の態様によって遂行される機能は前記の機能と同一である。
【0018】
全ての医療装置と同様に、滅菌は、考慮すべき重要な事項である。典型的には、医療設備の滅菌はオートクレーブを用いて行われる。オートクレーブは、特に、存在する全ての微生物を死滅させるために、全ての微生物が耐える温度より高い温度まで設備を加熱する。残念なことに、本発明の一部の態様は、キュリー温度として知られるある特定の温度付近に加熱されると、磁気を恒久的に失う永久磁石を利用する。従って、器具が滅菌され、適切に磁化されるように、設計および使用の際には特別な関心を払わなければならない。正しい磁化を確実にする最も簡単な手順は、外科手術ごとに、新しい磁石を有する新しい装置を使用することである。または、キュリー温度が滅菌温度をはるかに超える磁石が用いられてもよい。再利用に対応するように、本発明の他の態様が設計される。
【0019】
体内装置のこのような態様の1つを図2Cに示した。これは、磁石を再利用できるが、残りを処分する選択肢を可能にするように設計されている。この態様において、本体100は、滅菌したプラスチックシェルによって少なくとも部分的に覆われる。本体100は、留置装置と係合する末端104に近接した再密封可能なチャンバ140を有し、ここに永久磁石120が配置されている。好ましい態様において、チャンバは、本体内の空洞146を覆うキャップ142によって形成され、このキャップは空洞の縁144にねじ込まれているか、または押し付けられている。外科手術の後に、手術チームは磁石120を体内装置から取り外し、装置の残りを滅菌するか、または廃棄するかどうかを決定することができる。チームが使用済みの体内装置を滅菌すると決めた場合、滅菌後に、利用可能な磁石を、前に滅菌した装置の再密封可能なチャンバ140に戻してもよい。チームが未使用の滅菌した体内装置を使用すると決めてもよく、この場合、利用可能な磁石をその再密封可能なチャンバ140に入れ、チャンバを再密封して、外科手術の準備を行ってもよい。いずれの方法でも、磁石は外科手術後に取り出され、従って、オートクレーブの破壊的な熱に曝露されない。
【0020】
体内装置の別の態様は、装置全体を再利用することに基礎を置いて設計されている。この態様において、本体100は、磁気的に不活性な金属から作られる。前の態様と同様に、体内装置の本体は、永久磁石を収納するために、末端104に近接した再密封可能なチャンバ140を有する。同様に、好ましい態様では、再密封可能なチャンバ140は、本体内の空洞146を覆う金属142キャップによって形成され、このキャップは空洞146の縁144にねじ込まれているか、または押し付けられている。外科手術の後に、手術チームは磁石120を体内装置から取り外し、次いで、オートクレーブ内で、この装置態様を滅菌することができる。外科手術の準備をするために、手術チームは、未使用の体内装置またはオートクレーブされた体内装置のいずれを使用してもよく、利用可能な磁石を再密封可能なチャンバ140に入れ、チャンバを再密封することによって外科手術の準備を完了する。この態様および方法を使用すると、磁石は外科手術後に取り出されるので、オートクレーブの破壊的な熱に曝露されない。
【0021】
もちろん、本発明の装置を滅菌するために、加熱を伴わない公知の滅菌方法を都合よく使用することができる。
【0022】
この構造は、外科医が使用するために組み立てられる、ほぼ無制限のタイプの付属品および留め具のための基盤を形成する。このような考えられる付属品には、ネジ、ループ、クリップ、クランプなどが含まれる。ネジは、手術のために適切な牽引を得るために、厚いまたは筋肉からなる臓器、例えば、子宮に穴を開け、打ち込むのに有用であり得る。図2Dに示した体内装置のネジの態様は、あるタイプのエネルギーを受け取り、それを回転エネルギーに変換するために、体内装置の末端104にポート106を有してもよい。この態様を用いた外科医は、体内装置を、操作することが望ましい組織に打ち込むために、ネジ210の回転を使用してもよい。
【0023】
ネジ体内装置の好ましい態様において、適合する留置装置3は、依然として患者の体外にある留置装置部分にあるインターフェース、例えば、回転可能なノブ220を有する。ノブ220を回すことによって、留置装置の末端にあるノード240に接続しているシャフト230が操作される。このノードは、ネジ体内装置にある第2の嵌合ノード250と係合する。次に、第2のノード250は、アクスル260によって、ネジ210に機械的に接続され、アクスル260は、本体100とは独立して回転するように適合されている。従って、留置装置にあるノブ220を回すことによって、体内装置にあるネジ210が回転される。操作することが望ましい身体部分と腹壁との最適距離を得るために、ネジ210の長さは変化してもよい。別の態様には、歪むことなく、人間が発揮することができるものよりも高い出力でシャフト230を動かし、ネジ210を回転させるための、留置装置の中にある、人間以外から動力を供給される駆動装置が含まれる。
【0024】
図2Eおよび2Fに示した体内装置の別の態様は、ループの形をしている。ループ態様は、物体のまわりにループを留置し、ループを締め、物体を捕獲することによって、物体に付着するのに使用することができる。完了した時に物体を放すために、ループは後で緩めることができる。
【0025】
ループ体内装置の好ましい態様において、適合する留置装置3は、依然として患者の体外にある本体部分に、インターフェース、例えば、レバー、ボタン、または引き金320を有する。この引き金320は、本体の第1の末端でノード340に接続しているシャフト330を動かす。このノードは、ループ体内装置にある第2の嵌合ノード350と係合する。次に、このノード350は、ノード350がループに向かって動くとループが開き、ノードがループから離れるとループが閉じるように、ループ300の一端または両端に機械的に接続されている。従って、ループは、患者の体外にある留置装置の引き金320を動かしている外科医に応答して開閉する。
【0026】
さらなる特徴は、体内装置が留置装置と係合していない時に、締められたループを維持するロッキング機構である。体内装置にある嵌合ノード350は、ばね360によって張力がかけられる。このばねは嵌合ノードをループから押し離し、従って、ループを閉じた状態にする。しかしながら、留置装置と係合している時に外科医が引き金320に圧力を加えると、この圧力は、ばねに容易に打ち勝ち、強制的にループを開くことができる。
【0027】
体内装置の中で、ループ300は、動滑車310および定置型滑車315によって駆動される。動滑車310はピストン130の上に取り付けられる。図2Eに示したように、ループ300は動滑車310と定置型滑車315の間に通される。嵌合ノード350がループに向かって押されると、ピストン130および動滑車310は定置型滑車315に向かって進む。図2Fに示したように、これにより、ループ300が本体100内でとらなければならない内部経路が短くなり、ループは本体100の外でさらに伸びる。嵌合ノード350が末端104に向かって押されると、図2Eに示したように、ピストン130および動滑車310は、突出した位置まで戻る。図2Eに示したように、これにより、ループ300が本体100内でとらなければならない内部経路が長くなり、ループは本体100の外でさらに縮む。嵌合ノード350から力が除かれると、ばね360によって、ピストン130および嵌合滑車310は、この経路が長い状態に戻る。
【0028】
体内装置の第3の態様は、クリップ機構である。クリップ態様は、手術用クリップを、クリップ体内装置の末端に近接している物体に付着させながら、物体を牽引し、クリップを所定の位置に残すのに使用することができる。クリップ体内装置の好ましい態様において、適合する留置装置は、依然として患者の体外にある装置部分に、インターフェース、例えば、レバー、ボタン、または引き金を有する。この引き金は、装置の末端にあるノードに接続しているシャフトを動かす。このノードは、クリップ体内装置にある第2の嵌合ノードと係合する。次に、第2のノードは、ノードがクリップに向かって動くと、クリップがクリップ体内装置から押し出され、物体の上で恒久的に閉じるように、ピストン130によって機械的に接続されている。従って、クリップは、患者の体外にある留置装置の引き金を動かしている外科医に応答して物体を取り囲む。
【0029】
体内装置の第4の態様は、クランプである。クランプ態様は、物体に簡単に付着するために使用することができ、これにより、外科医は、物体の位置を維持するために、クランプを開き、物体の周りでクランプを閉じる。物体を離すために、クランプは後で開くことができる。
【0030】
図2Aに示したクランプ体内装置の好ましい態様において、適合する留置装置3は、依然として患者の体外にある装置部分に、インターフェース、例えば、レバー、ボタン、または引き金420を有する。この引き金420により、装置の末端にあるノード440に接続するシャフト430が操作される。このノード440は、クランプ体内装置にある第2の嵌合ノード450と係合する。次に、第2のノード450は、ノード450がクランプに向かって動くとクランプが開き、ノードがクランプから離れるとクランプが閉じるように、ピストン130によってクランプ410の一端または両端に機械的に接続されている。従って、クランプは、患者の体外にある留置装置の引き金420を動かしている外科医に応答して開閉する。さらなる特徴は、体内装置が留置装置と係合していない時に、クランプをぴんと張った状態に保つロッキング機構である。クランプ410を用いることによって、体内装置にある嵌合ノード450に、ばね張力がかけられる。クランプは、好ましくは、静止時に、クランプの尖叉414をある点まで閉じる1種類の剛性材料で組み立てられる。さらにしっかりとつかむために、尖叉414の一端または両端の近くに歯418が配置されてもよい。尖叉は、本体100を通って滑車418の端から端まで通される可撓性フィラメント416によって互いに接続されている。ピストン130は、本体100の中で、フィラメント416と物理的に接触している。尖叉414のばね機能は、フィラメント416をぴんと張った位置に保つ。このぴんと張ったフィラメント416はピストン130を押し付けて、クランプから離す。しかしながら、留置装置と係合している時には、外科医が引き金420に圧力を加えると、この圧力は、尖叉414によりフィラメントに加えられる張力に容易に打ち勝つことができる。この圧力によって、嵌合ノード450およびピストン130はクランプ410に向かって強制的に動き、フィラメント416が引き伸ばされる。圧力がフィラメント416に加わると、尖叉414は強制的に開く。
【0031】
留置装置は、体内装置を患者の体内の適切な場所に物理的に置き、体内装置を物体に付着させるのに用いられる器具である。図3Aおよび3Bに示した好ましい態様は、ある形状とある長さを有し、少なくとも一横断面においてトロカールより大きくないサイズを有し、体内の離れた部位に到達することができ、かつ患者の体外に残っている装置部分を外科医が快適に操作することができる長さの、本体500を含む。
【0032】
好ましい態様は、トロカールを通じて患者の体内に留置される、本体末端に配置されたコネクタ502をさらに含む。このコネクタは、非常に多くの体内装置1のいずれかを係合および解放するように適合されている。コネクタは、外科手術中に依然として患者の体外にある本体末端の近くにある係合インターフェースによって制御される。この係合インターフェースは、ボタン、外部装置との電気接続、最も好ましくは、本体の長さに沿った方向に摺動し、シャフト506によって、本体500の遠端にあるコネクタ502に機械的に取り付けられた係合レバー504でもよい。係合レバー504が遠端の近くへと動かされると、コネクタ502は係合レバーと一緒に動いて、体内装置1を捕獲し、体内装置1と係合する。レバーが遠端から離れると、コネクタはレバーと一緒に動いて、体内装置を解放および放出する。
【0033】
好ましい態様はまた、依然として患者の体外にある本体末端の近くにある別のインターフェースも含む。この作用インターフェースは、留置装置と係合すると、外科医または体外の別の動力源から体内装置へ力学的エネルギーを伝える。作用インターフェースの好ましい態様は、バネ仕掛けの引き金510の形をしたレバーである。引き金510は、シャフト512によって、本体500の遠端にあるノード514に機械的に接続されている。このノード514は、体内装置1にある嵌合ノード50と係合し、次に、体内装置は、その使用のために、送られたエネルギーを変換する。作用インターフェースはまた、代わりに外部装置との電気接続でもよい。
【0034】
前記の体内装置の好ましい態様との係合を助けるために、留置装置は、体内装置にある永久磁石を引きつける磁気的に応答する材料を有しなければならない。従って、好ましい態様は、患者の身体に入る末端の近くに、留置装置の本体500の中に配置された磁気的に応答する材料525の塊を有する。この磁気的に応答する材料525はコネクタ502に機械的に接続されており、係合インターフェースが末端に向かって動かされると、末端に向かって動く。係合インターフェースが末端から離れると、磁気的に応答する材料525は本体500のさらに上の方へ向かい、末端から離れる。結果として、係合インターフェースは、体内装置と係合するように配置されると、磁気的に応答する材料は本体の末端に最も近接し、従って、体内装置の中の磁石にさらに容易に引きつけられる。さらに、係合インターフェースは、体内装置から解放させるように配置されると、磁気的に応答する材料は引き離され、体内装置磁石が引きつける範囲の外になり、従って、2つの装置は分離する。
【0035】
本発明の開示に従って、任意の磁気的に応答する材料を利用できることが認識されると考えられる。本発明において好ましい磁気的に応答する材料には、二価鉄材料または鉄含有材料、希土類含有材料などが含まれる。例示的な磁気材料を表1に列挙している。
【0036】
図3Cおよび3Dに示した別の態様において、留置装置は、患者の身体に入る本体末端の近くに配置された磁石530または電磁石540を含む。体内装置のある特定の態様において、磁石530は磁気的に応答する材料を引きつけ、これにより、外科医による患者の体内の体内装置との係合の支援において同じ機能が遂行される。好ましい態様と同様に、この磁石530は、本体500のシャフトの中に配置され、コネクタ502に機械的に接続されてもよい。このやり方では、係合インターフェースが末端に向かって摺動されると、磁石530は本体500の末端のさらに近くへと動く。磁石が末端に近づくと、留置装置は体内装置をさらに容易に引きつける。同様に、係合インターフェースが末端から離れるように摺動されると、磁石は本体内部へと動き、末端から離れる。磁石が末端から離れると、体内装置は留置装置に引きつけられなくなり、これにより容易に分離される。
【0037】
電磁石540を使用する場合、システムは、制御された一時的な磁気を利用することができる。体内装置1と係合するために、電磁石540の電源がオンにされ、そのため電磁石540は、対応する体内装置の中の磁気的に応答する材料120を引きつける。同様に、体内装置を解放するために、電磁石540の電源がオフにされる。外科医によるわずかな動きで、体内装置はもはや留置装置に引きつけられなくなり、2つの装置は分離することができる。電磁石の電源を入れるために、着脱可能な電源が、依然として患者の体外にある末端の近くで留置装置に接続している。この電源は留置装置の外部にあるので、留置装置をさらに小さくすることができる。さらに、電源は着脱可能であるので、手術チームは電源を脱着し、通常滅菌するようにオートクレーブ中で留置装置を滅菌することができる。滅菌したら、次いで、チームは、後の処置において使用するために電源を再び取り付けることができる。
【0038】
好ましい態様はまた、依然として患者の体外にある本体の末端の近くに第3のインターフェースを含む。インターフェース550が外科医によって作動されると、コネクタ502およびコネクタ502に係合した任意の物体は、留置装置の軸に沿って回転するようになる。この態様を利用すると、現在、外科医が患者の体内で腹腔鏡機器を回転するやり方と同じように、外科医のインターフェース550は、留置装置に取り付けられた体内装置1を関節接続(articulate)することができる。
【0039】
永久磁石を含む留置装置の態様では、滅菌を伴う前記の体内装置において見られたように、類似の状況が生じる。オートクレーブ内での典型的な滅菌は、永久磁石から磁気を奪い取ることがある。図3Gに示したように、永久磁石を用いた態様において、これを阻止するために、磁石530は、患者の身体を通る本体500の末端に近接した再密封可能なチャンバ560の中に入れられてもよい。好ましい態様において、再密封可能なチャンバは、本体内の空洞を覆うキャップ562によって形成され、キャップは空洞の縁に押し付けられている。外科手術の後に、手術チームは磁石530を留置装置から取り外し、残りをオートクレーブ内で滅菌することができる。後の外科手術のための準備の際に、チームは、未使用の留置装置またはオートクレーブした留置装置を選択し、利用可能な磁石を再密封可能なチャンバに入れ、チャンバの上にあるキャップを交換し、それによって、留置装置は、後の外科手術において利用できるようになる。
【0040】
図3Hは、コネクタの上面図およびコネクタと体内装置との相互作用を示す。体内装置と留置装置の係合および位置合わせをさらに助けるために、溝または隆起108が、コネクタ502上の溝または隆起508と嵌合するように体内装置の末端に配置される。2つの装置が、これらの磁気引力によって互いに近接するように引っ張られると、溝および/または隆起108によって、体内装置は、体内装置の末端とわずかに重複するコネクタ502の溝および隆起508と強制的に位置が合わさり、これにより緊密な接続が形成される。さらに、留置装置には、係合インターフェースに機械的に接続された可動性または可撓性のタブ509が備え付けられてもよい。係合インターフェースが本体の末端に向かって動かされると、このタブ509は、体内装置にある溝109の中に嵌め合い式に収まるように適合されている。従って、タブは体内装置を留置装置に固定する。
【0041】
このシステムの第3の主要な成分は、体外装置である。この装置は、体内装置、および患者の体内で体内装置に付着している任意の物体を、適切な場所に置くのに使用することができる。この装置の好ましい態様は、取り付けられたハンドル、および好ましくは、磁石または他の磁気エネルギー源を有する、ある形状の本体を含む。体外装置は、体内装置に結び付けられた物体を操作するのに十分な磁場を生じることができる磁場源を必要とする。
【0042】
図4Aに示した好ましい態様において、体外装置は、磁石610が、表面から離れて本体600の中心に入れられている円板のような形状をしていてもよい。この態様において、本体は磁石の周りにシェルを形成し、シェルは、医学的に不活性なプラスチックもしくは磁気的に不活性な金属または両材料の組み合わせからなる。両材料とも、磁石が患者の身体と直接接触しないようにするのに適しているが、磁石を保護する目的も満たしている。好ましい態様において用いられる多くのタイプの磁石は非常に脆いか、または砕けやすいので、別の磁石を引きつける力によって接触すると磁石が崩壊する可能性がある。磁石を内部にしまっておくために、磁石を取り囲む本体は、硬い表面または対応するマグナレトラクタ装置と衝突した場合にはエネルギーの一部を吸収する。
【0043】
滅菌のために、体外装置は、使い捨てのまたは滅菌可能なカバー620によって部分的に包まれてもよい。留置装置および体内装置と同様に、永久磁石の使用は、典型的な滅菌方法、すなわち、オートクレーブの使用によって、磁石の磁気特性が破壊され得る状況を表している。外科手術において使用した後に、手術チームは、このカバーを体外装置から取り外し、廃棄するか、または後で使用するために滅菌してもよい。次いで、後の外科手術のための準備の際に、チームは、利用可能な体外装置の上に新しいカバーまたは滅菌済みカバーを単に載せるだけでよい。外科手術中に滅菌カバーが体外装置から離れないようにするために、体外装置の本体に摩擦により密着するように、カバーは、形状に合った(form-fitting)ブーツを含むことが好ましい。
【0044】
後の外科手術のために体外装置が滅菌されていることを確実にするさらなる方法は、再密封可能な磁石チャンバを有する体外装置態様を使用することである。この態様において、再密封可能なチャンバ640は装置本体600の中心領域にある。好ましい態様において、チャンバは、本体内の空洞を覆うキャップ642によって形成され、このキャップは空洞の縁にねじ込まれているか、または押し付けられている。外科手術の後に、手術チームは磁石610を体外装置2から取り外し、装置を滅菌するか、または廃棄するかを決定することができる。チームが使用済みの体外装置を滅菌すると決めた場合、滅菌後に、利用可能な磁石を、前に滅菌した装置の再密封可能なチャンバ640に入れることができる。チームが未使用の滅菌した体外装置を使用すると決めてもよく、この場合、外科手術の準備の際に、利用可能な磁石を再密封可能なチャンバに入れることができる。いずれの方法でも、磁石はオートクレーブの破壊的な熱に曝露されない。
【0045】
永久磁石を含む前記の態様の全てにおいて、それぞれの使用にとって様々な利益および不利益を有する、利用可能な磁石の選択肢が多くある。体外装置の磁石は、数センチメートルの距離から体腔内の望ましい物体を操作できるのに足りる引く(または押す)力を出すのに必要なだけ、強くなければならない。例えば、子宮類線維腫の子宮摘出術を行う際に、付着された体内装置を磁石が引っ張る力は、子宮を動かすために、5センチメートルという離れた位置に、または患者の身体のさらに離れた位置に届かなければならない。
【0046】
この状況は、より大きく、より強力な磁石の使用を示唆しているが、他の考慮すべき事項は、磁石が、機能を乱すことなく可能な限り弱いことを求めている。例えば、外科医が患者の体内に複数の体内装置を留置する可能性はかなり高い。不都合なことに、極めて強力な磁石は、意図された体内装置および意図されない体内装置、ならびに室(room)の中に磁気的に応答する材料を含む他の任意の物体を引きつける可能性がある。さらに、このような強力な磁石はまた、処置を行うために必要以上に物理的に大きく、それにより、あまりに動かしにくくて制御または固定することができない。第3の考慮すべき事項は、非常に強力な磁石が、磁石に引きつけられた物体にかなりの力を加え、このために、患者を傷つけるのに十分な力で、物体と磁石との間にある組織がはさみつぶされる可能性があることである。
【0047】
従って、本発明は、様々なサイズ、形状、および材料の磁石、または調節可能な電磁石を有する一組の体外装置を含む。どのタイプの磁石を選択するかという選択における手術チームの第1の考慮すべき事項は、器具を再利用するかどうか、もしそうであれば、器具をどのように滅菌するかに関係する。使用済みの体外装置を廃棄すると決めた手術チームは、個々の磁石の費用の点でしか選択肢が制限されず、従って、この特定の患者または処置に必要な磁気強度のみ考慮する必要がある。
【0048】
しかしながら、再利用すると決めた手術チームは、使用を望んだ磁石のキュリー温度および特定の滅菌方法を考慮しなければならない。前記のように、オートクレーブを使用すると磁石の磁気が破壊されることがある。従って、チームには、再利用のために3つの選択肢がある。第1の選択肢は、オートクレーブによって生じる温度より非常に高いキュリー温度を有する磁石、例えば、サマリウムコバルトまたはアルニコ磁石を選択することである。この選択肢を用いた場合、他の機器と同様に、チームは単に装置全体をオートクレーブに入れるだけでよい。多くの目的のために、これは妥当な解決策であり得る。しかしながら、サマリウムコバルトおよびアルニコ磁石は両方ともネオジム磁石より弱く、そのような強度が、厚い脂肪組織を有する患者にとって、または深い位置にある物体もしくは重い物体の操作を必要する処置において必要な場合がある。
【0049】
第2の選択肢は、再密封可能なチャンバの中に取り外し可能な磁石を有する体外装置を選択することである。この選択肢を用いた場合、チームは、使用後に磁石を装置から取り出す。次いで、チームが典型的に機器を滅菌するように、装置をオートクレーブの中に入れることができる。次いで、滅菌後に、チームは磁石を装置に戻した後に、別の外科手術を行う。磁石を任意の利用可能な装置の中に入れることができるので、チームが磁石を同じ装置に入れることには制限はない。この選択肢はどのような状況でもうまくいくが、手術チームは、必要な用心をしておかなければならない。
【0050】
最後の選択肢は、装置の中に恒久的に配置された磁石を使用することである。使用後に、手術チームは、滅菌が達成されるまで、キュリー温度に関係なく、体外装置全体をオートクレーブに入れることができる。装置に埋め込まれた磁石は消磁されている可能性があるので、使用前に、チームは、磁石の完全な磁石能力を戻すために、装置を再磁化装置(remagnetizer)に入れなければならない。チームはこれを現場で行ってもよく、磁石を再磁化する再磁化サービスを行うことができる適切なベンダーに装置を返してもよい。再磁化装置の好ましい態様は、再磁化プロセス中に体外装置を1つの位置に保つために、体外装置と物理的に嵌合する本体を含む。再磁化装置は、マグナレトラクタ装置内の磁石を高強度磁場に曝露し、これによって、磁石は元の磁場を保持するようになる。体内装置および留置装置を滅菌および再磁化するために、この選択肢は同様に用いられてもよい。
【0051】
(表1)例示的な磁石およびその特徴
【0052】
磁石のサイズおよび材料は磁石の強度を決定するが、形状は、距離が離れるにつれて、どれくらいの磁場が「減少する」かということに影響を及ぼす。例えば、長い棒状の磁石は、1センチメートル離れた、重さ1キログラムの物体を磁石の方へ加速させるのに十分な強さであり得る。この同じ磁石であっても、2センチメートル離れていれば、重さ250グラムの物体しか加速できず、5センチメートル離れていれば、重さ40グラムの物体しか加速できない。この状況では、磁場の強度は距離の二乗に比例して減少するといわれ、この磁石の届く範囲は深くなっている。異なる形状を有する磁石も、1センチメートル離れた、重さ1キログラムの物体を磁石の方へ加速できる場合があるが、2センチメートルでは、重さ125グラムの物体しか加速できない場合があり、5センチメートルからは、重さ8グラムの物体しか加速させない場合がある。この状況では、磁場の強度は距離の三乗に比例して減少するといわれ、届く範囲は浅くなっている。従って、外科医は、届く範囲が深いまたは浅い体外装置を選択するという選択肢を有する。
【0053】
外科手術中に、外科医は、患者の身体の腹壁の厚さを測定するグラデーションを有する特殊なトロカールを使用してもよい。この測定と、外科医が、動かそうとする物体の近似重量を知っていることで、外科医は、複数の利用可能な装置の中から、必要な強度の磁石を有する適切な体外装置を選択することができる。
【0054】
体外装置は、関節接続可能な(articulable)継手の上に磁石を配置することによって微調整することができる。この態様では、好ましくは、図4Bに示したカップ形状を利用し、関節接続可能な継手660を操作することによって、磁石610を患者の身体のさらに近くに、または患者の身体からさらに離して動かすことができる。このように、外科医は、体内の体内装置によって保持されている物体に対して、さらに強いまたはさらに弱い力を加えることができる。さらに、外科医は、磁石を含んでいる体内装置を使用してもよく、この磁石は、体外装置2の中の磁石610と相互作用する。関節接続可能な継手660を使用することで、外科医は、体外装置660の磁石を回転させることができ、これにより、近くの体内装置の磁石が同調して回転するようになる。結果として、外科医は、体外装置に取り付けられた磁石を関節接続することによって、患者の体内の物体の姿勢を操作することができる。
【0055】
図4Cに示した別の態様は磁気エネルギー源として電磁石615を使用する。この態様において、外科医が1個の体内装置を適切な場所に置くのに必要な最小磁場を選択するのを可能にし、他の装置または磁気的に応答する物体を妨害しないようにするために、電磁石615の磁場の強度は調節することができる。着脱可能な電源ケーブル617が電気を電磁石615に送る。
【0056】
体外装置の使用を簡単にするために、外科医は、患者の身体と接触している表面670を容易に動かすために、表面670を潤滑剤で処理(lubricate)してもよく、装置が所定の位置から一度も動かないようにするために、装置を身体、手術用ドレープ、手術台、または別の固定された物体に固定してもよい。
【0057】
ある決まった位置に体外装置を固定するのは、空気ポンプを用いて達成することもできる。図4A、4B、および4Cに示した好ましい態様は、空気ポンプに接続することができるポート650を体外装置の一側面に配置する。このポートによって、外科医は、体外装置2を、患者の体外の望ましい場所に配置することができる。次いで、空気ポンプを使用すると、外科医は、真下のポート650から空気をポンプで送ることができ、それによって、体外装置2と患者の身体との間の圧力が小さくなる。結果として生じた圧力差によって、体外装置は、患者の身体の所定の位置に穏やかにロックされる。外科医が装置を取り外したい時には、空気ポンプにある放出弁を開いて、装置と患者の身体との間の部位に正常圧を戻し、従って、装置のロックを解除することができる。
【0058】
体外装置はまた、医療用粘着物を用いて患者の身体に固定されてもよい。半永久的な粘着物が体外装置2の底面670に直接配置されてもよく、または粘着物は、図4Dに示したように、体外装置の縁の周りに配置されてもよい。縁は、患者の身体に密着している時に、体外装置2の下面670と位置が合うように動かすことができてもよく、患者の身体に密着していない時には、体外装置の下面670から上へ引っ込めてもよい。
【0059】
エンドメトリオーシスの標準的な腹腔鏡検査では、患者の腹部に3つのポートが開けられる。臍用ポートを通じてカメラが留置され、機器使用には2つの下腹部用ポートが用いられる。しばしば、エンドメトリオーシスは骨盤内の深くにあるか、または卵巣の背後にある。エンドメトリオーシスに到達し、エンドメトリオーシスを切除するか、エンドメトリオーシスに高周波療法を施すために、外科医は、1つのポートを通じて卵巣を牽引しなければならない。基礎構造への損傷を阻止するために、エンドメトリオーシスを切除またはエンドメトリオーシスに高周波療法を施しうる前に、腹膜をテント状にしなければならない。
【0060】
本発明を用いる場合、外科医は、3つのポート:臍用ポートにカメラを留置し、下腹部に2つの手術用ポートを設置することによって、開始することができる。次いで、外科医は、クランプ体内装置を留置装置に係合することができる。手術用ポートの1つを用いて、外科医は、トロカールを通じて、この組み合わせを患者の身体に送り込み、牽引しようとする卵巣の上にクランプを留置することができる。次いで、外科医は体外装置を腹部外面に配置することができる。磁場がクランプを引きつけ、外科医は体外装置に向かって卵巣を誘導することができる。体外装置は、体外装置の縁またはアンカーの上の粘着物を使用してロックすることができる。卵巣が腹壁に接して牽引され、体外装置によって維持されている状態で、外科医は、クランプ体内装置を留置装置から解放し、トロカールを通じて、留置装置を患者の体外へ牽引することができる。卵巣は、依然として、前腹壁の内面に接して、術野の十分に外側で、大きな腹腔内機器を組み込むことなく牽引されたままである。従って、外科医は2つの腹腔内機器しか必要とせず、補助なしに術野において機器の全てを制御することができる。有利なことに、このことは術野における機器の散乱を少なくする。
【0061】
本発明はまた、腹腔鏡下子宮摘出術を行う際に非常に有益であり得る。開腹式子宮摘出術では、しばしば、コークスクリューが子宮底の中に入れられ、出血を少なくするために上方へ牽引するのに用いられる。子宮を牽引すると、子宮の側面への到達ならびに子宮動脈および基靭帯の縫合および結紮も極めて容易になる。腹腔鏡下子宮摘出術の実施における困難の1つは、同じように子宮を牽引する手法が無いことである。余分なポートを外科的に設置し、グラスパを用いて子宮を牽引することは難しいことが多い。さらなるグラスパは、切開を行うために用いられている他の腹腔内機器の邪魔になることが多い。また、外科医は、同時に2つを超える機器を物理的に操作することができない。最後に、外科医は、グラスパを用いて子宮を操作しようとする際に困難に遭遇することが多い。
【0062】
本発明を用いると、外科医は開腹式子宮摘出術を行っているのと同じやり方で、子宮を牽引することができる。初めに、外科医は、ネジ体内装置と留置装置を係合させ、その組み合わせを、トロカールを通じて患者の身体に挿入する。次いで、外科医は、ネジを適切な場所に置き、ネジを回して子宮底に入れることができる。次いで、体外装置を前外側腹壁の上に配置することができる。外科医は、筋肉からなり、塊状である子宮を引きつけるのに十分に強力な磁石を有する体外装置を選択しなければならない。次いで、ネジ体内装置および付着された子宮は、体外装置の磁場に向かって引きつけられる。従って、体外装置は、本質的には、開腹の場合と同様に子宮を上方に牽引する。さらに、子宮を動かし、子宮の側面および子宮頚部に容易に到達するようにするために、体外装置は必要に応じて側方に動かすことができる。ネジ体内装置が子宮に付着された状態で、外科医は留置装置を解放させ、かつトロカールを通じて患者の体外へと牽引し、従って、他の腹腔内機器のために体内空間を空けることができる。
【0063】
本発明はまた、卵管結紮または子宮外妊娠のために卵管摘出術を行っている際に、パフォーマンスを高めるのに使用することもできる。現行の処置は、3つのポート:カメラ用の臍用ポートおよび手術用の2つのポートを用いて行われる。処置には、外科医が切除を行っている間に、手術アシスタントが卵管をつかみ、保持する必要がある。しかしながら、本発明を用いると、外科医は補助なしで、2つだけのポート:カメラ用の臍用ポートおよび恥骨上手術用ポートを用いて処置を行うことができる。初めに、外科医は、クランプ体内装置と留置装置を係合させ、その組み合わせを、トロカールを通じて患者の身体に通すことによって開始する。この時点で、外科医はクランプを、切除しようとする卵管部位へとうまく動かすことができる。次いで、外側腹壁の上に配置された体外装置を用いて、卵管を牽引し、つかむことができる。卵管が牽引された状態で、外科医は留置装置を解放させ、かつトロカールを通じて患者の体外へと牽引し、それによって、別の腹腔内装置のために空間を空けることができる。次に、卵管の望ましい部分を切除するために、ハーモニックスカルペル(harmonic scalpel)または他のこのような装置が用いられる。従って、余分なポートおよび手術アシスタントは必要とされない。切除が完了した後に、次いで、外科医は、留置装置を、トロカールを通じて患者の身体に再挿入し、卵管に依然として付着しているクランプ体内装置を操作することができる。次いで、外科医は、留置装置を体内装置と再び係合し、卵管からクランプを離すことができる。最後に、外科医は、切除された卵管を腹腔から取り出し、留置装置およびクランプの組み合わせを、トロカールを通じて牽引し、外科的処置において用いられたポートを密封することができる。
【0064】
本発明はまた、外科医が腹腔鏡手術の一般的な合併症の多くを避けるのを助けるのに使用することができる。腹腔鏡手術における一般的な合併症は尿管損傷である。尿管損傷が迅速に処置されなければ腎機能損傷の原因となることがあり、腎臓を完全に失う可能性がある。本発明は、尿管を術野から離すために、体内装置、例えば、無鉤クランプまたはループを挿入することによって尿管損傷を阻止する。
【0065】
本発明はまた、一般的な外科的処置でも使用することができる。例えば、本発明を用いると、腹腔鏡肥満手術をより効率的に行うことができる。腹腔鏡肥満処置の間に、外科医は肝臓を牽引しなければならない。現在、このレトラクタは手術用ポートの使用を必要とする。本発明を用いると、外科医は、トロカールを占有する機器を用いることなく肝臓を牽引することができる。従って、少ないポート数、少ない腹腔内うっ血により外科手術を行うことができる。
【0066】
本発明はまた、動物に対して行われる腹腔鏡下処置でも使用することができる。例えば、ヒヒに対して日常的に行われる腹腔鏡手術を、本発明によってより効率的に行うことができる。診断のための腹腔鏡下処置の間に、ヒヒの子宮および卵巣は、ヒトの子宮および卵巣よりもよく動くことが発見されている。本発明を用いると、外科医は、把持鉗子を用いることなくヒヒの子宮および卵巣を牽引することができる。このことは、ヒヒに対して行われた腹腔鏡下処置において、把持鉗子を使用することによって円靱帯出血がわずかにあることが報告されているので好ましい。腹腔鏡手術はまた、イヌ、ラマ、アルパカ、雌ウマ、ライオン、および雌ウシなどの哺乳動物を含む他の動物に対しても行われる。本発明を用いると、外科医は、ヒトと同様に、このような手術をより効率的に行うことができると考えられる。
【0067】
外科医が局所解剖学を熟知しており、かつ内部の物体または臓器を体内の別の物体または臓器に接近させるように動かすことを必要とする、どのような状況でも、当業者であれば非常に多くのさらなる利点を理解することができる。
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、概して、ヒトおよび動物を含む被験体において使用するための外科手術の装置、システム、および方法、ならびに腹腔鏡検査を行った時に被験体の体内の物体を操作する装置、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
体腔、例えば、腹部において腹腔鏡手術を行っている時に、腹部において操作することができる手術機器の数は、切開された腹部ポートの数によって制限される。従って、外科医が同時に操作することができる臓器および組織の数は、所定の位置にある機器の数によって制限される。
【0003】
エンドメトリオーシスの標準的な腹腔鏡検査では、例えば、臍用ポートを通じてカメラが留置され、機器と一緒に用いるために2つの下腹部用ポートが作られる。骨盤内の深くにある、または卵巣の背後にあるエンドメトリオーシスに到達するために、エンドメトリオーシスを切除するために、またはエンドメトリオーシスに高周波療法を施すために、卵巣を牽引しなければならない。卵巣をつかみ、牽引するために、機器がポートの1つに挿入され、使用される。多くの場合、グラスパ(grasper)を使用して卵巣を制御することは難しく、このために、卵巣は不必要かつ制御不能に動くことが多い。カメラは臍用ポートを通じて挿入され、グラスパは第2のポートを通じて挿入された状態では、外科医が利用できるポートは1つしか残っていない。利用できるポートは1つしかないので、それにより、子宮内膜症の病変(endometrial implant)に高周波療法を施す、または子宮内膜症の病変を切除するプロセスはさらに難しくなる。なぜなら、基礎をなす組織への損傷を避けるために、腹膜をテント状にしなければならないからである。外科医は、たった1つの機器を用いて、腹膜をテント状にし、子宮内膜症の病変に高周波療法を施すか、もしくは子宮内膜症の病変を切除しなければならない、または、1つもしくは複数のさらなるポートを切開しなければならない。次いで、機器の操作が加わると、外科医は1度に2つしか機器を操作できないので、グラスパの制御をあきらめる必要がある。
【0004】
しかしながら、さらなるポートおよび機器は多くの理由から望ましくない。さらなるポートごとに付随して腹部切開が必要であり、このために腹膜および腹筋に穴が開き、血管に突き当たるリスクおよび感染症のリスクが高まる。さらに、目に見える瘢痕が形成する可能性があるので、患者にとって1つ1つの切開には美容と密接な関係がある。
【0005】
さらなる機器を腹腔に入れるためにポートを加える問題に加えて、腹腔内での作業空間が限られているという問題がある。さらに多くの機器が腹部に導入されると、その部位はうっ血する可能性がある。このうっ血により、意図せずに機器は互いに妨害し、衝突することがあるので、外科医にとって処置はさらに難しくなり、患者のリスクが高まる。
【0006】
例えば、腹腔鏡下子宮摘出術では、開腹式子宮摘出術において可能な有益なやり方で、子宮を牽引することは難しいことが多い。開腹式子宮摘出術では、しばしば、コークスクリュー器具が子宮底の中に入れられ、出血を少なくするために上方へ牽引するのに用いられる。子宮を牽引すると、子宮の側面への接近ならびに子宮動脈および基靭帯の縫合および結紮も極めて容易になる。これを腹腔鏡下で行うためには、外科医は余分なポートを試し、留置し、グラスパを用いて子宮を牽引しなければならず、これは非常に難しい作業であることが多い。さらに、切開を行うために他の機器が用いられている状態では、余分なグラスパは機器の散乱を引き起こすことが多い。
【0007】
さらに、外科医は、物理的には、1度に2つの機器を制御することに、すなわち、1つの手に1つの機器に限られている。さらなる機器を用いて機能を遂行する、例えば、卵巣を牽引する、または子宮を操作すると決めた場合、外科医は、全ての機器を同時に操作することができないという問題に遭遇すると考えられる。
【0008】
これらの問題を考慮に入れると、外科医が余分なポートを設置する必要なく、腹腔内の臓器および物体を牽引および操作し得る腹腔鏡下システムを有することが望ましく、臓器をより良好な管理下に置き、現在、腹腔鏡下では不可能な機能を遂行できることが望ましいと考えられる。外科医が、さらなる腹腔内機器の導入と関連する、さらなる腹腔うっ血なく、腹腔内の臓器および物体を操作し得るシステムを有することも望ましいと考えられる。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、外科医がさらなる物品を腹腔内に留置する必要なく腹腔内の臓器および物体を牽引および制御するのを可能にするために、磁場、例えば、磁石によって発生した磁場、およびこれらの磁場に応答する器具を使用する、腹腔鏡手術の方法およびシステムである。
【0010】
前記のシステムは、体内の物体および臓器に付着するために、ネジ、ループ、クリップ、クランプなどの様々な留め具を使用する。外科医がさらなる腹部ポートを設置することなく腹腔内の臓器および物体を制御するのを可能にするために、これらの留め具は、三次元空間内で、直接的または間接的に、電場または電磁場による影響を受けることができるか、電場または電磁場によって操作することができる。次いで、留め具は、これらを腹部に留置するために用いられた長い器具から脱着される。次いで、磁場源、例えば、磁石または電磁石を含む装置が腹部外に配置される。この装置によって発生した磁場は、腹部内の物体または臓器に付着された留め具を操作するのに用いられ、これにより、外科医は、腹腔内機器を用いることなく、またはさらなるポートを設置することなく、腹部の周囲にある物体を牽引するか、または適切な場所に置くことができる。
【0011】
本発明は、図面と組み合わせて、以下の詳細な説明からさらに詳しく理解および認識されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】体内装置、体外装置、および留置装置の一態様である。
【図2A】体内装置の一態様である。
【図2B】体内装置の磁気的に応答する部分の一態様である。
【図2C】設計が磁気材料の再利用をもたらす体内装置の一態様である。
【図2D】回転エネルギーに変換するためのネジ機構を有する体内装置の別の態様である。
【図2E】物体を留置するためのループ機構を有する体内装置の別の態様である。
【図2F】大きなループ機構を有する体内装置の別の態様である。
【図3A】留置装置の詳細な態様である。
【図3B】体内装置を係合する留置装置の一態様である。
【図3C】磁気エネルギーを利用する留置装置の別の態様である。
【図3D】電磁気エネルギーを利用する留置装置の別の態様である。
【図3E】電磁気エネルギー源に取り付けられた留置装置の別の態様である。
【図3F】回転エネルギーを発生させるインターフェースを有する留置装置の別の態様である。
【図3G】留置装置の別の態様である。装置に用いられる永久磁石は、再密封可能なチャンバの中に入れられてもよい。
【図3H】体内装置と係合されるコネクタの上面図である。
【図4A】磁力により作動される体外装置の一態様である。
【図4B】可動性磁石機構を含む体外装置の別の態様である。
【図4C】電磁気エネルギーを利用する体外装置の別の態様である。
【図4D】粘着物により固定される体外装置の別の態様である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明の詳細な説明
本発明は、腹腔鏡手術を行う外科医に、外科医が余分なポートを設置することなく腹腔内の臓器および物体を牽引および操作するのを可能にするシステムおよび方法を提供する。さらに、本発明を用いると、体腔内の空間が広がるために、外科医は機器の厳密な制御を維持することができる。
【0014】
好ましい態様において、本発明のシステムは、3種類のマグナレトラクタ(magnaretractor)装置である、体内装置1、体外装置2、および留置装置3が一緒に働くことにより、その機能を遂行する。図1を参照されたい。
【0015】
体内装置は、患者の体内の物体または組織に付着するのに用いられる一組の器具である。体内装置は、体内装置を体内の正しい位置に留置する留置装置と相互作用するように設計されている。体外装置は、体外から体内装置を操作し、外科医が操作しようと思っている物体または組織を操作するように設計されている。図2は、体内装置の好ましい態様を示す。好ましい態様は、ある形状の本体100、例えば、少なくとも一横断面においてトロカールより大きくないサイズを有する細いシャフトを含む。これは、好ましい使用方法において体内装置がトロカールポートを通って患者の身体に通されるので必要である。体内装置本体の1つの末端102において、装置は、物体または組織に付着するように適合される。本体の反対の末端104において、装置は留置装置と係合するように適合される。
【0016】
体内装置は、留置装置と物理的に係合し、体外装置からのエネルギーに応答するように設計されている。好ましい態様は、留め具の末端414の反対にある、体内装置の1つの末端104に配置された磁石120を使用することによって、これを達成する。留置装置の係合を支援するために、磁石は、磁石に引きつけられる材料を含む留置装置の末端を引きつける。留置装置の末端が、磁石を含む体内装置の末端の近くに引き寄せられると、2つの装置は引きつけられる。邪魔をする材料が留置装置と体内装置の間になければ、2つの装置は接触し、端と端とを付けて互いに密着する。都合よく、体内装置の磁石末端104は、留置装置と軸方向に位置が合うように丸められている。この位置合わせは、外科医がトロカールを通じて留置装置および体内装置を両方とも牽引するために、ならびに留置装置のインターフェースが体内装置の嵌合ノードと正しく係合するために絶対必要である。体内装置と留置装置との係合および位置合わせをさらに助けるために、溝または隆起108が、留置装置の末端に配置された溝または隆起108と嵌合するように体内装置の末端104に配置される。2つの装置が、これらの磁気引力によって互いに近接するように引っ張られると、溝および隆起によって、2つの装置は、体内装置の末端とわずかに重複する留置装置の末端と強制的に位置が合わさり、これにより緊密な接続が形成される。
【0017】
図2Bに示した類似する別の態様では、体内装置の本体100の一部は、磁気エネルギーに応答する材料から作られ、代わりに、磁石は留置装置の末端に配置される。この態様では、留置装置にある磁石は永久磁石または電磁石でもよい。この反対の態様によって遂行される機能は前記の機能と同一である。
【0018】
全ての医療装置と同様に、滅菌は、考慮すべき重要な事項である。典型的には、医療設備の滅菌はオートクレーブを用いて行われる。オートクレーブは、特に、存在する全ての微生物を死滅させるために、全ての微生物が耐える温度より高い温度まで設備を加熱する。残念なことに、本発明の一部の態様は、キュリー温度として知られるある特定の温度付近に加熱されると、磁気を恒久的に失う永久磁石を利用する。従って、器具が滅菌され、適切に磁化されるように、設計および使用の際には特別な関心を払わなければならない。正しい磁化を確実にする最も簡単な手順は、外科手術ごとに、新しい磁石を有する新しい装置を使用することである。または、キュリー温度が滅菌温度をはるかに超える磁石が用いられてもよい。再利用に対応するように、本発明の他の態様が設計される。
【0019】
体内装置のこのような態様の1つを図2Cに示した。これは、磁石を再利用できるが、残りを処分する選択肢を可能にするように設計されている。この態様において、本体100は、滅菌したプラスチックシェルによって少なくとも部分的に覆われる。本体100は、留置装置と係合する末端104に近接した再密封可能なチャンバ140を有し、ここに永久磁石120が配置されている。好ましい態様において、チャンバは、本体内の空洞146を覆うキャップ142によって形成され、このキャップは空洞の縁144にねじ込まれているか、または押し付けられている。外科手術の後に、手術チームは磁石120を体内装置から取り外し、装置の残りを滅菌するか、または廃棄するかどうかを決定することができる。チームが使用済みの体内装置を滅菌すると決めた場合、滅菌後に、利用可能な磁石を、前に滅菌した装置の再密封可能なチャンバ140に戻してもよい。チームが未使用の滅菌した体内装置を使用すると決めてもよく、この場合、利用可能な磁石をその再密封可能なチャンバ140に入れ、チャンバを再密封して、外科手術の準備を行ってもよい。いずれの方法でも、磁石は外科手術後に取り出され、従って、オートクレーブの破壊的な熱に曝露されない。
【0020】
体内装置の別の態様は、装置全体を再利用することに基礎を置いて設計されている。この態様において、本体100は、磁気的に不活性な金属から作られる。前の態様と同様に、体内装置の本体は、永久磁石を収納するために、末端104に近接した再密封可能なチャンバ140を有する。同様に、好ましい態様では、再密封可能なチャンバ140は、本体内の空洞146を覆う金属142キャップによって形成され、このキャップは空洞146の縁144にねじ込まれているか、または押し付けられている。外科手術の後に、手術チームは磁石120を体内装置から取り外し、次いで、オートクレーブ内で、この装置態様を滅菌することができる。外科手術の準備をするために、手術チームは、未使用の体内装置またはオートクレーブされた体内装置のいずれを使用してもよく、利用可能な磁石を再密封可能なチャンバ140に入れ、チャンバを再密封することによって外科手術の準備を完了する。この態様および方法を使用すると、磁石は外科手術後に取り出されるので、オートクレーブの破壊的な熱に曝露されない。
【0021】
もちろん、本発明の装置を滅菌するために、加熱を伴わない公知の滅菌方法を都合よく使用することができる。
【0022】
この構造は、外科医が使用するために組み立てられる、ほぼ無制限のタイプの付属品および留め具のための基盤を形成する。このような考えられる付属品には、ネジ、ループ、クリップ、クランプなどが含まれる。ネジは、手術のために適切な牽引を得るために、厚いまたは筋肉からなる臓器、例えば、子宮に穴を開け、打ち込むのに有用であり得る。図2Dに示した体内装置のネジの態様は、あるタイプのエネルギーを受け取り、それを回転エネルギーに変換するために、体内装置の末端104にポート106を有してもよい。この態様を用いた外科医は、体内装置を、操作することが望ましい組織に打ち込むために、ネジ210の回転を使用してもよい。
【0023】
ネジ体内装置の好ましい態様において、適合する留置装置3は、依然として患者の体外にある留置装置部分にあるインターフェース、例えば、回転可能なノブ220を有する。ノブ220を回すことによって、留置装置の末端にあるノード240に接続しているシャフト230が操作される。このノードは、ネジ体内装置にある第2の嵌合ノード250と係合する。次に、第2のノード250は、アクスル260によって、ネジ210に機械的に接続され、アクスル260は、本体100とは独立して回転するように適合されている。従って、留置装置にあるノブ220を回すことによって、体内装置にあるネジ210が回転される。操作することが望ましい身体部分と腹壁との最適距離を得るために、ネジ210の長さは変化してもよい。別の態様には、歪むことなく、人間が発揮することができるものよりも高い出力でシャフト230を動かし、ネジ210を回転させるための、留置装置の中にある、人間以外から動力を供給される駆動装置が含まれる。
【0024】
図2Eおよび2Fに示した体内装置の別の態様は、ループの形をしている。ループ態様は、物体のまわりにループを留置し、ループを締め、物体を捕獲することによって、物体に付着するのに使用することができる。完了した時に物体を放すために、ループは後で緩めることができる。
【0025】
ループ体内装置の好ましい態様において、適合する留置装置3は、依然として患者の体外にある本体部分に、インターフェース、例えば、レバー、ボタン、または引き金320を有する。この引き金320は、本体の第1の末端でノード340に接続しているシャフト330を動かす。このノードは、ループ体内装置にある第2の嵌合ノード350と係合する。次に、このノード350は、ノード350がループに向かって動くとループが開き、ノードがループから離れるとループが閉じるように、ループ300の一端または両端に機械的に接続されている。従って、ループは、患者の体外にある留置装置の引き金320を動かしている外科医に応答して開閉する。
【0026】
さらなる特徴は、体内装置が留置装置と係合していない時に、締められたループを維持するロッキング機構である。体内装置にある嵌合ノード350は、ばね360によって張力がかけられる。このばねは嵌合ノードをループから押し離し、従って、ループを閉じた状態にする。しかしながら、留置装置と係合している時に外科医が引き金320に圧力を加えると、この圧力は、ばねに容易に打ち勝ち、強制的にループを開くことができる。
【0027】
体内装置の中で、ループ300は、動滑車310および定置型滑車315によって駆動される。動滑車310はピストン130の上に取り付けられる。図2Eに示したように、ループ300は動滑車310と定置型滑車315の間に通される。嵌合ノード350がループに向かって押されると、ピストン130および動滑車310は定置型滑車315に向かって進む。図2Fに示したように、これにより、ループ300が本体100内でとらなければならない内部経路が短くなり、ループは本体100の外でさらに伸びる。嵌合ノード350が末端104に向かって押されると、図2Eに示したように、ピストン130および動滑車310は、突出した位置まで戻る。図2Eに示したように、これにより、ループ300が本体100内でとらなければならない内部経路が長くなり、ループは本体100の外でさらに縮む。嵌合ノード350から力が除かれると、ばね360によって、ピストン130および嵌合滑車310は、この経路が長い状態に戻る。
【0028】
体内装置の第3の態様は、クリップ機構である。クリップ態様は、手術用クリップを、クリップ体内装置の末端に近接している物体に付着させながら、物体を牽引し、クリップを所定の位置に残すのに使用することができる。クリップ体内装置の好ましい態様において、適合する留置装置は、依然として患者の体外にある装置部分に、インターフェース、例えば、レバー、ボタン、または引き金を有する。この引き金は、装置の末端にあるノードに接続しているシャフトを動かす。このノードは、クリップ体内装置にある第2の嵌合ノードと係合する。次に、第2のノードは、ノードがクリップに向かって動くと、クリップがクリップ体内装置から押し出され、物体の上で恒久的に閉じるように、ピストン130によって機械的に接続されている。従って、クリップは、患者の体外にある留置装置の引き金を動かしている外科医に応答して物体を取り囲む。
【0029】
体内装置の第4の態様は、クランプである。クランプ態様は、物体に簡単に付着するために使用することができ、これにより、外科医は、物体の位置を維持するために、クランプを開き、物体の周りでクランプを閉じる。物体を離すために、クランプは後で開くことができる。
【0030】
図2Aに示したクランプ体内装置の好ましい態様において、適合する留置装置3は、依然として患者の体外にある装置部分に、インターフェース、例えば、レバー、ボタン、または引き金420を有する。この引き金420により、装置の末端にあるノード440に接続するシャフト430が操作される。このノード440は、クランプ体内装置にある第2の嵌合ノード450と係合する。次に、第2のノード450は、ノード450がクランプに向かって動くとクランプが開き、ノードがクランプから離れるとクランプが閉じるように、ピストン130によってクランプ410の一端または両端に機械的に接続されている。従って、クランプは、患者の体外にある留置装置の引き金420を動かしている外科医に応答して開閉する。さらなる特徴は、体内装置が留置装置と係合していない時に、クランプをぴんと張った状態に保つロッキング機構である。クランプ410を用いることによって、体内装置にある嵌合ノード450に、ばね張力がかけられる。クランプは、好ましくは、静止時に、クランプの尖叉414をある点まで閉じる1種類の剛性材料で組み立てられる。さらにしっかりとつかむために、尖叉414の一端または両端の近くに歯418が配置されてもよい。尖叉は、本体100を通って滑車418の端から端まで通される可撓性フィラメント416によって互いに接続されている。ピストン130は、本体100の中で、フィラメント416と物理的に接触している。尖叉414のばね機能は、フィラメント416をぴんと張った位置に保つ。このぴんと張ったフィラメント416はピストン130を押し付けて、クランプから離す。しかしながら、留置装置と係合している時には、外科医が引き金420に圧力を加えると、この圧力は、尖叉414によりフィラメントに加えられる張力に容易に打ち勝つことができる。この圧力によって、嵌合ノード450およびピストン130はクランプ410に向かって強制的に動き、フィラメント416が引き伸ばされる。圧力がフィラメント416に加わると、尖叉414は強制的に開く。
【0031】
留置装置は、体内装置を患者の体内の適切な場所に物理的に置き、体内装置を物体に付着させるのに用いられる器具である。図3Aおよび3Bに示した好ましい態様は、ある形状とある長さを有し、少なくとも一横断面においてトロカールより大きくないサイズを有し、体内の離れた部位に到達することができ、かつ患者の体外に残っている装置部分を外科医が快適に操作することができる長さの、本体500を含む。
【0032】
好ましい態様は、トロカールを通じて患者の体内に留置される、本体末端に配置されたコネクタ502をさらに含む。このコネクタは、非常に多くの体内装置1のいずれかを係合および解放するように適合されている。コネクタは、外科手術中に依然として患者の体外にある本体末端の近くにある係合インターフェースによって制御される。この係合インターフェースは、ボタン、外部装置との電気接続、最も好ましくは、本体の長さに沿った方向に摺動し、シャフト506によって、本体500の遠端にあるコネクタ502に機械的に取り付けられた係合レバー504でもよい。係合レバー504が遠端の近くへと動かされると、コネクタ502は係合レバーと一緒に動いて、体内装置1を捕獲し、体内装置1と係合する。レバーが遠端から離れると、コネクタはレバーと一緒に動いて、体内装置を解放および放出する。
【0033】
好ましい態様はまた、依然として患者の体外にある本体末端の近くにある別のインターフェースも含む。この作用インターフェースは、留置装置と係合すると、外科医または体外の別の動力源から体内装置へ力学的エネルギーを伝える。作用インターフェースの好ましい態様は、バネ仕掛けの引き金510の形をしたレバーである。引き金510は、シャフト512によって、本体500の遠端にあるノード514に機械的に接続されている。このノード514は、体内装置1にある嵌合ノード50と係合し、次に、体内装置は、その使用のために、送られたエネルギーを変換する。作用インターフェースはまた、代わりに外部装置との電気接続でもよい。
【0034】
前記の体内装置の好ましい態様との係合を助けるために、留置装置は、体内装置にある永久磁石を引きつける磁気的に応答する材料を有しなければならない。従って、好ましい態様は、患者の身体に入る末端の近くに、留置装置の本体500の中に配置された磁気的に応答する材料525の塊を有する。この磁気的に応答する材料525はコネクタ502に機械的に接続されており、係合インターフェースが末端に向かって動かされると、末端に向かって動く。係合インターフェースが末端から離れると、磁気的に応答する材料525は本体500のさらに上の方へ向かい、末端から離れる。結果として、係合インターフェースは、体内装置と係合するように配置されると、磁気的に応答する材料は本体の末端に最も近接し、従って、体内装置の中の磁石にさらに容易に引きつけられる。さらに、係合インターフェースは、体内装置から解放させるように配置されると、磁気的に応答する材料は引き離され、体内装置磁石が引きつける範囲の外になり、従って、2つの装置は分離する。
【0035】
本発明の開示に従って、任意の磁気的に応答する材料を利用できることが認識されると考えられる。本発明において好ましい磁気的に応答する材料には、二価鉄材料または鉄含有材料、希土類含有材料などが含まれる。例示的な磁気材料を表1に列挙している。
【0036】
図3Cおよび3Dに示した別の態様において、留置装置は、患者の身体に入る本体末端の近くに配置された磁石530または電磁石540を含む。体内装置のある特定の態様において、磁石530は磁気的に応答する材料を引きつけ、これにより、外科医による患者の体内の体内装置との係合の支援において同じ機能が遂行される。好ましい態様と同様に、この磁石530は、本体500のシャフトの中に配置され、コネクタ502に機械的に接続されてもよい。このやり方では、係合インターフェースが末端に向かって摺動されると、磁石530は本体500の末端のさらに近くへと動く。磁石が末端に近づくと、留置装置は体内装置をさらに容易に引きつける。同様に、係合インターフェースが末端から離れるように摺動されると、磁石は本体内部へと動き、末端から離れる。磁石が末端から離れると、体内装置は留置装置に引きつけられなくなり、これにより容易に分離される。
【0037】
電磁石540を使用する場合、システムは、制御された一時的な磁気を利用することができる。体内装置1と係合するために、電磁石540の電源がオンにされ、そのため電磁石540は、対応する体内装置の中の磁気的に応答する材料120を引きつける。同様に、体内装置を解放するために、電磁石540の電源がオフにされる。外科医によるわずかな動きで、体内装置はもはや留置装置に引きつけられなくなり、2つの装置は分離することができる。電磁石の電源を入れるために、着脱可能な電源が、依然として患者の体外にある末端の近くで留置装置に接続している。この電源は留置装置の外部にあるので、留置装置をさらに小さくすることができる。さらに、電源は着脱可能であるので、手術チームは電源を脱着し、通常滅菌するようにオートクレーブ中で留置装置を滅菌することができる。滅菌したら、次いで、チームは、後の処置において使用するために電源を再び取り付けることができる。
【0038】
好ましい態様はまた、依然として患者の体外にある本体の末端の近くに第3のインターフェースを含む。インターフェース550が外科医によって作動されると、コネクタ502およびコネクタ502に係合した任意の物体は、留置装置の軸に沿って回転するようになる。この態様を利用すると、現在、外科医が患者の体内で腹腔鏡機器を回転するやり方と同じように、外科医のインターフェース550は、留置装置に取り付けられた体内装置1を関節接続(articulate)することができる。
【0039】
永久磁石を含む留置装置の態様では、滅菌を伴う前記の体内装置において見られたように、類似の状況が生じる。オートクレーブ内での典型的な滅菌は、永久磁石から磁気を奪い取ることがある。図3Gに示したように、永久磁石を用いた態様において、これを阻止するために、磁石530は、患者の身体を通る本体500の末端に近接した再密封可能なチャンバ560の中に入れられてもよい。好ましい態様において、再密封可能なチャンバは、本体内の空洞を覆うキャップ562によって形成され、キャップは空洞の縁に押し付けられている。外科手術の後に、手術チームは磁石530を留置装置から取り外し、残りをオートクレーブ内で滅菌することができる。後の外科手術のための準備の際に、チームは、未使用の留置装置またはオートクレーブした留置装置を選択し、利用可能な磁石を再密封可能なチャンバに入れ、チャンバの上にあるキャップを交換し、それによって、留置装置は、後の外科手術において利用できるようになる。
【0040】
図3Hは、コネクタの上面図およびコネクタと体内装置との相互作用を示す。体内装置と留置装置の係合および位置合わせをさらに助けるために、溝または隆起108が、コネクタ502上の溝または隆起508と嵌合するように体内装置の末端に配置される。2つの装置が、これらの磁気引力によって互いに近接するように引っ張られると、溝および/または隆起108によって、体内装置は、体内装置の末端とわずかに重複するコネクタ502の溝および隆起508と強制的に位置が合わさり、これにより緊密な接続が形成される。さらに、留置装置には、係合インターフェースに機械的に接続された可動性または可撓性のタブ509が備え付けられてもよい。係合インターフェースが本体の末端に向かって動かされると、このタブ509は、体内装置にある溝109の中に嵌め合い式に収まるように適合されている。従って、タブは体内装置を留置装置に固定する。
【0041】
このシステムの第3の主要な成分は、体外装置である。この装置は、体内装置、および患者の体内で体内装置に付着している任意の物体を、適切な場所に置くのに使用することができる。この装置の好ましい態様は、取り付けられたハンドル、および好ましくは、磁石または他の磁気エネルギー源を有する、ある形状の本体を含む。体外装置は、体内装置に結び付けられた物体を操作するのに十分な磁場を生じることができる磁場源を必要とする。
【0042】
図4Aに示した好ましい態様において、体外装置は、磁石610が、表面から離れて本体600の中心に入れられている円板のような形状をしていてもよい。この態様において、本体は磁石の周りにシェルを形成し、シェルは、医学的に不活性なプラスチックもしくは磁気的に不活性な金属または両材料の組み合わせからなる。両材料とも、磁石が患者の身体と直接接触しないようにするのに適しているが、磁石を保護する目的も満たしている。好ましい態様において用いられる多くのタイプの磁石は非常に脆いか、または砕けやすいので、別の磁石を引きつける力によって接触すると磁石が崩壊する可能性がある。磁石を内部にしまっておくために、磁石を取り囲む本体は、硬い表面または対応するマグナレトラクタ装置と衝突した場合にはエネルギーの一部を吸収する。
【0043】
滅菌のために、体外装置は、使い捨てのまたは滅菌可能なカバー620によって部分的に包まれてもよい。留置装置および体内装置と同様に、永久磁石の使用は、典型的な滅菌方法、すなわち、オートクレーブの使用によって、磁石の磁気特性が破壊され得る状況を表している。外科手術において使用した後に、手術チームは、このカバーを体外装置から取り外し、廃棄するか、または後で使用するために滅菌してもよい。次いで、後の外科手術のための準備の際に、チームは、利用可能な体外装置の上に新しいカバーまたは滅菌済みカバーを単に載せるだけでよい。外科手術中に滅菌カバーが体外装置から離れないようにするために、体外装置の本体に摩擦により密着するように、カバーは、形状に合った(form-fitting)ブーツを含むことが好ましい。
【0044】
後の外科手術のために体外装置が滅菌されていることを確実にするさらなる方法は、再密封可能な磁石チャンバを有する体外装置態様を使用することである。この態様において、再密封可能なチャンバ640は装置本体600の中心領域にある。好ましい態様において、チャンバは、本体内の空洞を覆うキャップ642によって形成され、このキャップは空洞の縁にねじ込まれているか、または押し付けられている。外科手術の後に、手術チームは磁石610を体外装置2から取り外し、装置を滅菌するか、または廃棄するかを決定することができる。チームが使用済みの体外装置を滅菌すると決めた場合、滅菌後に、利用可能な磁石を、前に滅菌した装置の再密封可能なチャンバ640に入れることができる。チームが未使用の滅菌した体外装置を使用すると決めてもよく、この場合、外科手術の準備の際に、利用可能な磁石を再密封可能なチャンバに入れることができる。いずれの方法でも、磁石はオートクレーブの破壊的な熱に曝露されない。
【0045】
永久磁石を含む前記の態様の全てにおいて、それぞれの使用にとって様々な利益および不利益を有する、利用可能な磁石の選択肢が多くある。体外装置の磁石は、数センチメートルの距離から体腔内の望ましい物体を操作できるのに足りる引く(または押す)力を出すのに必要なだけ、強くなければならない。例えば、子宮類線維腫の子宮摘出術を行う際に、付着された体内装置を磁石が引っ張る力は、子宮を動かすために、5センチメートルという離れた位置に、または患者の身体のさらに離れた位置に届かなければならない。
【0046】
この状況は、より大きく、より強力な磁石の使用を示唆しているが、他の考慮すべき事項は、磁石が、機能を乱すことなく可能な限り弱いことを求めている。例えば、外科医が患者の体内に複数の体内装置を留置する可能性はかなり高い。不都合なことに、極めて強力な磁石は、意図された体内装置および意図されない体内装置、ならびに室(room)の中に磁気的に応答する材料を含む他の任意の物体を引きつける可能性がある。さらに、このような強力な磁石はまた、処置を行うために必要以上に物理的に大きく、それにより、あまりに動かしにくくて制御または固定することができない。第3の考慮すべき事項は、非常に強力な磁石が、磁石に引きつけられた物体にかなりの力を加え、このために、患者を傷つけるのに十分な力で、物体と磁石との間にある組織がはさみつぶされる可能性があることである。
【0047】
従って、本発明は、様々なサイズ、形状、および材料の磁石、または調節可能な電磁石を有する一組の体外装置を含む。どのタイプの磁石を選択するかという選択における手術チームの第1の考慮すべき事項は、器具を再利用するかどうか、もしそうであれば、器具をどのように滅菌するかに関係する。使用済みの体外装置を廃棄すると決めた手術チームは、個々の磁石の費用の点でしか選択肢が制限されず、従って、この特定の患者または処置に必要な磁気強度のみ考慮する必要がある。
【0048】
しかしながら、再利用すると決めた手術チームは、使用を望んだ磁石のキュリー温度および特定の滅菌方法を考慮しなければならない。前記のように、オートクレーブを使用すると磁石の磁気が破壊されることがある。従って、チームには、再利用のために3つの選択肢がある。第1の選択肢は、オートクレーブによって生じる温度より非常に高いキュリー温度を有する磁石、例えば、サマリウムコバルトまたはアルニコ磁石を選択することである。この選択肢を用いた場合、他の機器と同様に、チームは単に装置全体をオートクレーブに入れるだけでよい。多くの目的のために、これは妥当な解決策であり得る。しかしながら、サマリウムコバルトおよびアルニコ磁石は両方ともネオジム磁石より弱く、そのような強度が、厚い脂肪組織を有する患者にとって、または深い位置にある物体もしくは重い物体の操作を必要する処置において必要な場合がある。
【0049】
第2の選択肢は、再密封可能なチャンバの中に取り外し可能な磁石を有する体外装置を選択することである。この選択肢を用いた場合、チームは、使用後に磁石を装置から取り出す。次いで、チームが典型的に機器を滅菌するように、装置をオートクレーブの中に入れることができる。次いで、滅菌後に、チームは磁石を装置に戻した後に、別の外科手術を行う。磁石を任意の利用可能な装置の中に入れることができるので、チームが磁石を同じ装置に入れることには制限はない。この選択肢はどのような状況でもうまくいくが、手術チームは、必要な用心をしておかなければならない。
【0050】
最後の選択肢は、装置の中に恒久的に配置された磁石を使用することである。使用後に、手術チームは、滅菌が達成されるまで、キュリー温度に関係なく、体外装置全体をオートクレーブに入れることができる。装置に埋め込まれた磁石は消磁されている可能性があるので、使用前に、チームは、磁石の完全な磁石能力を戻すために、装置を再磁化装置(remagnetizer)に入れなければならない。チームはこれを現場で行ってもよく、磁石を再磁化する再磁化サービスを行うことができる適切なベンダーに装置を返してもよい。再磁化装置の好ましい態様は、再磁化プロセス中に体外装置を1つの位置に保つために、体外装置と物理的に嵌合する本体を含む。再磁化装置は、マグナレトラクタ装置内の磁石を高強度磁場に曝露し、これによって、磁石は元の磁場を保持するようになる。体内装置および留置装置を滅菌および再磁化するために、この選択肢は同様に用いられてもよい。
【0051】
(表1)例示的な磁石およびその特徴
【0052】
磁石のサイズおよび材料は磁石の強度を決定するが、形状は、距離が離れるにつれて、どれくらいの磁場が「減少する」かということに影響を及ぼす。例えば、長い棒状の磁石は、1センチメートル離れた、重さ1キログラムの物体を磁石の方へ加速させるのに十分な強さであり得る。この同じ磁石であっても、2センチメートル離れていれば、重さ250グラムの物体しか加速できず、5センチメートル離れていれば、重さ40グラムの物体しか加速できない。この状況では、磁場の強度は距離の二乗に比例して減少するといわれ、この磁石の届く範囲は深くなっている。異なる形状を有する磁石も、1センチメートル離れた、重さ1キログラムの物体を磁石の方へ加速できる場合があるが、2センチメートルでは、重さ125グラムの物体しか加速できない場合があり、5センチメートルからは、重さ8グラムの物体しか加速させない場合がある。この状況では、磁場の強度は距離の三乗に比例して減少するといわれ、届く範囲は浅くなっている。従って、外科医は、届く範囲が深いまたは浅い体外装置を選択するという選択肢を有する。
【0053】
外科手術中に、外科医は、患者の身体の腹壁の厚さを測定するグラデーションを有する特殊なトロカールを使用してもよい。この測定と、外科医が、動かそうとする物体の近似重量を知っていることで、外科医は、複数の利用可能な装置の中から、必要な強度の磁石を有する適切な体外装置を選択することができる。
【0054】
体外装置は、関節接続可能な(articulable)継手の上に磁石を配置することによって微調整することができる。この態様では、好ましくは、図4Bに示したカップ形状を利用し、関節接続可能な継手660を操作することによって、磁石610を患者の身体のさらに近くに、または患者の身体からさらに離して動かすことができる。このように、外科医は、体内の体内装置によって保持されている物体に対して、さらに強いまたはさらに弱い力を加えることができる。さらに、外科医は、磁石を含んでいる体内装置を使用してもよく、この磁石は、体外装置2の中の磁石610と相互作用する。関節接続可能な継手660を使用することで、外科医は、体外装置660の磁石を回転させることができ、これにより、近くの体内装置の磁石が同調して回転するようになる。結果として、外科医は、体外装置に取り付けられた磁石を関節接続することによって、患者の体内の物体の姿勢を操作することができる。
【0055】
図4Cに示した別の態様は磁気エネルギー源として電磁石615を使用する。この態様において、外科医が1個の体内装置を適切な場所に置くのに必要な最小磁場を選択するのを可能にし、他の装置または磁気的に応答する物体を妨害しないようにするために、電磁石615の磁場の強度は調節することができる。着脱可能な電源ケーブル617が電気を電磁石615に送る。
【0056】
体外装置の使用を簡単にするために、外科医は、患者の身体と接触している表面670を容易に動かすために、表面670を潤滑剤で処理(lubricate)してもよく、装置が所定の位置から一度も動かないようにするために、装置を身体、手術用ドレープ、手術台、または別の固定された物体に固定してもよい。
【0057】
ある決まった位置に体外装置を固定するのは、空気ポンプを用いて達成することもできる。図4A、4B、および4Cに示した好ましい態様は、空気ポンプに接続することができるポート650を体外装置の一側面に配置する。このポートによって、外科医は、体外装置2を、患者の体外の望ましい場所に配置することができる。次いで、空気ポンプを使用すると、外科医は、真下のポート650から空気をポンプで送ることができ、それによって、体外装置2と患者の身体との間の圧力が小さくなる。結果として生じた圧力差によって、体外装置は、患者の身体の所定の位置に穏やかにロックされる。外科医が装置を取り外したい時には、空気ポンプにある放出弁を開いて、装置と患者の身体との間の部位に正常圧を戻し、従って、装置のロックを解除することができる。
【0058】
体外装置はまた、医療用粘着物を用いて患者の身体に固定されてもよい。半永久的な粘着物が体外装置2の底面670に直接配置されてもよく、または粘着物は、図4Dに示したように、体外装置の縁の周りに配置されてもよい。縁は、患者の身体に密着している時に、体外装置2の下面670と位置が合うように動かすことができてもよく、患者の身体に密着していない時には、体外装置の下面670から上へ引っ込めてもよい。
【0059】
エンドメトリオーシスの標準的な腹腔鏡検査では、患者の腹部に3つのポートが開けられる。臍用ポートを通じてカメラが留置され、機器使用には2つの下腹部用ポートが用いられる。しばしば、エンドメトリオーシスは骨盤内の深くにあるか、または卵巣の背後にある。エンドメトリオーシスに到達し、エンドメトリオーシスを切除するか、エンドメトリオーシスに高周波療法を施すために、外科医は、1つのポートを通じて卵巣を牽引しなければならない。基礎構造への損傷を阻止するために、エンドメトリオーシスを切除またはエンドメトリオーシスに高周波療法を施しうる前に、腹膜をテント状にしなければならない。
【0060】
本発明を用いる場合、外科医は、3つのポート:臍用ポートにカメラを留置し、下腹部に2つの手術用ポートを設置することによって、開始することができる。次いで、外科医は、クランプ体内装置を留置装置に係合することができる。手術用ポートの1つを用いて、外科医は、トロカールを通じて、この組み合わせを患者の身体に送り込み、牽引しようとする卵巣の上にクランプを留置することができる。次いで、外科医は体外装置を腹部外面に配置することができる。磁場がクランプを引きつけ、外科医は体外装置に向かって卵巣を誘導することができる。体外装置は、体外装置の縁またはアンカーの上の粘着物を使用してロックすることができる。卵巣が腹壁に接して牽引され、体外装置によって維持されている状態で、外科医は、クランプ体内装置を留置装置から解放し、トロカールを通じて、留置装置を患者の体外へ牽引することができる。卵巣は、依然として、前腹壁の内面に接して、術野の十分に外側で、大きな腹腔内機器を組み込むことなく牽引されたままである。従って、外科医は2つの腹腔内機器しか必要とせず、補助なしに術野において機器の全てを制御することができる。有利なことに、このことは術野における機器の散乱を少なくする。
【0061】
本発明はまた、腹腔鏡下子宮摘出術を行う際に非常に有益であり得る。開腹式子宮摘出術では、しばしば、コークスクリューが子宮底の中に入れられ、出血を少なくするために上方へ牽引するのに用いられる。子宮を牽引すると、子宮の側面への到達ならびに子宮動脈および基靭帯の縫合および結紮も極めて容易になる。腹腔鏡下子宮摘出術の実施における困難の1つは、同じように子宮を牽引する手法が無いことである。余分なポートを外科的に設置し、グラスパを用いて子宮を牽引することは難しいことが多い。さらなるグラスパは、切開を行うために用いられている他の腹腔内機器の邪魔になることが多い。また、外科医は、同時に2つを超える機器を物理的に操作することができない。最後に、外科医は、グラスパを用いて子宮を操作しようとする際に困難に遭遇することが多い。
【0062】
本発明を用いると、外科医は開腹式子宮摘出術を行っているのと同じやり方で、子宮を牽引することができる。初めに、外科医は、ネジ体内装置と留置装置を係合させ、その組み合わせを、トロカールを通じて患者の身体に挿入する。次いで、外科医は、ネジを適切な場所に置き、ネジを回して子宮底に入れることができる。次いで、体外装置を前外側腹壁の上に配置することができる。外科医は、筋肉からなり、塊状である子宮を引きつけるのに十分に強力な磁石を有する体外装置を選択しなければならない。次いで、ネジ体内装置および付着された子宮は、体外装置の磁場に向かって引きつけられる。従って、体外装置は、本質的には、開腹の場合と同様に子宮を上方に牽引する。さらに、子宮を動かし、子宮の側面および子宮頚部に容易に到達するようにするために、体外装置は必要に応じて側方に動かすことができる。ネジ体内装置が子宮に付着された状態で、外科医は留置装置を解放させ、かつトロカールを通じて患者の体外へと牽引し、従って、他の腹腔内機器のために体内空間を空けることができる。
【0063】
本発明はまた、卵管結紮または子宮外妊娠のために卵管摘出術を行っている際に、パフォーマンスを高めるのに使用することもできる。現行の処置は、3つのポート:カメラ用の臍用ポートおよび手術用の2つのポートを用いて行われる。処置には、外科医が切除を行っている間に、手術アシスタントが卵管をつかみ、保持する必要がある。しかしながら、本発明を用いると、外科医は補助なしで、2つだけのポート:カメラ用の臍用ポートおよび恥骨上手術用ポートを用いて処置を行うことができる。初めに、外科医は、クランプ体内装置と留置装置を係合させ、その組み合わせを、トロカールを通じて患者の身体に通すことによって開始する。この時点で、外科医はクランプを、切除しようとする卵管部位へとうまく動かすことができる。次いで、外側腹壁の上に配置された体外装置を用いて、卵管を牽引し、つかむことができる。卵管が牽引された状態で、外科医は留置装置を解放させ、かつトロカールを通じて患者の体外へと牽引し、それによって、別の腹腔内装置のために空間を空けることができる。次に、卵管の望ましい部分を切除するために、ハーモニックスカルペル(harmonic scalpel)または他のこのような装置が用いられる。従って、余分なポートおよび手術アシスタントは必要とされない。切除が完了した後に、次いで、外科医は、留置装置を、トロカールを通じて患者の身体に再挿入し、卵管に依然として付着しているクランプ体内装置を操作することができる。次いで、外科医は、留置装置を体内装置と再び係合し、卵管からクランプを離すことができる。最後に、外科医は、切除された卵管を腹腔から取り出し、留置装置およびクランプの組み合わせを、トロカールを通じて牽引し、外科的処置において用いられたポートを密封することができる。
【0064】
本発明はまた、外科医が腹腔鏡手術の一般的な合併症の多くを避けるのを助けるのに使用することができる。腹腔鏡手術における一般的な合併症は尿管損傷である。尿管損傷が迅速に処置されなければ腎機能損傷の原因となることがあり、腎臓を完全に失う可能性がある。本発明は、尿管を術野から離すために、体内装置、例えば、無鉤クランプまたはループを挿入することによって尿管損傷を阻止する。
【0065】
本発明はまた、一般的な外科的処置でも使用することができる。例えば、本発明を用いると、腹腔鏡肥満手術をより効率的に行うことができる。腹腔鏡肥満処置の間に、外科医は肝臓を牽引しなければならない。現在、このレトラクタは手術用ポートの使用を必要とする。本発明を用いると、外科医は、トロカールを占有する機器を用いることなく肝臓を牽引することができる。従って、少ないポート数、少ない腹腔内うっ血により外科手術を行うことができる。
【0066】
本発明はまた、動物に対して行われる腹腔鏡下処置でも使用することができる。例えば、ヒヒに対して日常的に行われる腹腔鏡手術を、本発明によってより効率的に行うことができる。診断のための腹腔鏡下処置の間に、ヒヒの子宮および卵巣は、ヒトの子宮および卵巣よりもよく動くことが発見されている。本発明を用いると、外科医は、把持鉗子を用いることなくヒヒの子宮および卵巣を牽引することができる。このことは、ヒヒに対して行われた腹腔鏡下処置において、把持鉗子を使用することによって円靱帯出血がわずかにあることが報告されているので好ましい。腹腔鏡手術はまた、イヌ、ラマ、アルパカ、雌ウマ、ライオン、および雌ウシなどの哺乳動物を含む他の動物に対しても行われる。本発明を用いると、外科医は、ヒトと同様に、このような手術をより効率的に行うことができると考えられる。
【0067】
外科医が局所解剖学を熟知しており、かつ内部の物体または臓器を体内の別の物体または臓器に接近させるように動かすことを必要とする、どのような状況でも、当業者であれば非常に多くのさらなる利点を理解することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
本体の第1の末端に近接し、かつ体内装置を選択的に係合および解放するように適合されたコネクタと、
体内装置を係合および解放するために前記コネクタを制御するように前記コネクタに動作可能に接続された、本体の第2の末端に近接した第1のインターフェースと、
留置装置から体内装置へと力学的エネルギーを送るように適合された、第2の末端に近接した第2のインターフェースと
を含む留置装置。
【請求項2】
磁気エネルギーに応答する材料をさらに含む、請求項1記載の留置装置。
【請求項3】
本体の第1の末端がシャフトを含み、
磁気エネルギーに応答する材料が第1のインターフェースに連結されており、かつ
前記磁気エネルギーに応答する材料が、前記第1のインターフェースに応答して前記シャフト内を動く、
請求項2記載の留置装置。
【請求項4】
体内装置との係合を助けるために、第1の末端に近接した磁石をさらに含む、請求項1記載の留置装置。
【請求項5】
本体の第1の末端がシャフトを含み、
磁石が第1のインターフェースに連結されており、かつ
前記磁石が、前記第1のインターフェースに応答して前記シャフト内を動く、
請求項4記載の留置装置。
【請求項6】
磁石が電磁石である、請求項4記載の留置装置。
【請求項7】
電磁石に電力を供給するために、留置装置の第2の末端に近接した着脱可能な電磁石電源をさらに含む、請求項6記載の留置装置。
【請求項8】
磁石が、留置装置の第1の末端にある再密封可能なチャンバに入れられている、請求項4記載の留置装置。
【請求項9】
体内装置の末端にある1つまたは複数の隆起または溝と位置が合う、第1の末端に近接した1つまたは複数の隆起または溝をさらに含む、請求項2記載の留置装置。
【請求項10】
本体が、一端に近接したシャフトを含む、請求項1記載の留置装置。
【請求項11】
コネクタが、
第1のインターフェースに応答し、かつ体内装置にある溝の中に嵌め合い式に収まるように適合された可動性タブ
を含む、請求項1記載の留置装置。
【請求項12】
第1のインターフェースがレバーを含む、請求項1記載の留置装置。
【請求項13】
第1のインターフェースがボタンを含む、請求項1記載の留置装置。
【請求項14】
第1のインターフェースが、外部装置との電気接続を含む、請求項1記載の留置装置。
【請求項15】
第2のインターフェースがレバーを含む、請求項1記載の留置装置。
【請求項16】
第2のインターフェースが引き金を含む、請求項1記載の留置装置。
【請求項17】
第2のインターフェースがばねを含む、請求項1記載の留置装置。
【請求項18】
第2のインターフェースが、外部装置との電気接続を含む、請求項1記載の留置装置。
【請求項19】
シャフトによって分けられている第1の末端と第2の末端とを有する留置装置であって、
第1の末端が、体内装置を選択的に係合および解放するように適合されており、
第2の末端に近接した第1のレバーが、体内装置を係合および解放するためにコネクタを制御するように該コネクタに動作可能に接続されており、
第2の末端に近接した第2のレバーが、留置装置から体内装置へと力学的エネルギーを送るように動作可能に接続されるように適合されており、
第1の末端に近接した電磁石が、体内器具を係合するのを助ける、
留置装置。
【請求項20】
本体と、
物体に付着するように適合された、本体の第1の末端と、
留置装置と係合されかつ留置装置から解放されるように適合された、本体の第2の末端と
を含む体内装置。
【請求項21】
第2の末端が強磁性材料を含む、請求項20記載の体内装置。
【請求項22】
第2の末端が永久磁石材料を含む、請求項20記載の体内装置。
【請求項23】
留置装置の末端にある1つまたは複数の隆起または溝と位置が合う、第2の末端に近接した1つまたは複数の隆起または溝をさらに含む、請求項20記載の体内装置。
【請求項24】
本体の少なくとも一部を取り囲むプラスチックシェルと、
第2の末端に近接した再密封可能なチャンバと、
前記再密封可能なチャンバの中に入れられ、前記再密封可能なチャンバから取り出すことができる永久磁石と
をさらに含む、請求項20記載の体内装置。
【請求項25】
第2の末端に近接した再密封可能なチャンバと、
前記再密封可能なチャンバの中に入れられた永久磁石と
をさらに含む体内装置であって、
本体が、磁気的に不活性な金属を含む、
請求項20記載の体内装置。
【請求項26】
コネクタおよび該コネクタに接続された任意の物体を本体の軸に沿って回転させるように該コネクタに動作可能に接続された、本体の第2の末端に近接した第3のインターフェースをさらに含む、請求項20記載の体内装置。
【請求項27】
留置装置からエネルギーを受け取るように適合されたインターフェースをさらに含む、請求項20記載の体内装置。
【請求項28】
エネルギーが磁気エネルギーを含む、請求項27記載の体内装置。
【請求項29】
本体の第1の末端に配置されたネジをさらに含む、請求項27記載の体内装置。
【請求項30】
インターフェースにより送られたエネルギーによってネジが回る、請求項29記載の体内装置。
【請求項31】
ネジが、該ネジが回った場合に物体を係合するように適合されている、請求項30記載の体内装置。
【請求項32】
本体の第1の末端に配置されたループをさらに含む、請求項27記載の体内装置。
【請求項33】
インターフェースにより送られたエネルギーによってループが締まる、または緩まる、請求項32記載の体内装置。
【請求項34】
ループが、該ループが締まった場合に物体を係合するように適合されている、請求項33記載の体内装置。
【請求項35】
本体の第1の末端に配置されたクリップをさらに含む、請求項27記載の体内装置。
【請求項36】
インターフェースにより送られたエネルギーによってクリップが開く、または閉じる、請求項35記載の体内装置。
【請求項37】
クランプが、クリップが閉じた場合に物体を留めるように適合されている、請求項36記載の体内装置。
【請求項38】
本体の第1の末端に配置されたクランプをさらに含む、請求項27記載の体内装置。
【請求項39】
インターフェースにより送られたエネルギーによってクランプが開く、または閉じる、請求項38記載の体内装置。
【請求項40】
クランプが、該クランプが閉じた場合に1つまたは複数の物体を締め付けるように適合されている、請求項39記載の体内装置。
【請求項41】
本体の第1の末端に配置された留め具をさらに含む、請求項27記載の体内装置。
【請求項42】
インターフェースにより送られたエネルギーによって留め具が動く、請求項41記載の体内装置。
【請求項43】
留め具が、該留め具が動いた場合に物体を係合するように適合されている、請求項42記載の体内装置。
【請求項44】
本体と、
留置装置と係合されかつ留置装置から解放されるように適合されたドッキングポートを含む、本体の第1の末端と、
留置装置が体内装置にエネルギーを送るのを可能にするインターフェースと、
インターフェースにより送られたエネルギーを受け取ることによって動かされる、ネジ、ループ、クリップ、クランプ、または留め具と
を含む体内装置であって、
本体が、強磁性材料または永久磁石材料を含む、
体内装置。
【請求項45】
中心部および周辺端部を含む本体と、
本体に取り付けられたハンドルと、
本体に連結された磁気エネルギー源と
を含む体外装置。
【請求項46】
中心部が、カップを形成するように周辺端部よりも高くなっている、請求項45記載の体外装置。
【請求項47】
本体が、医学的に不活性なプラスチックで少なくとも部分的にコーティングされている、請求項45記載の体外装置。
【請求項48】
周辺端部が、磁気的に不活性な金属を含む、請求項45記載の体外装置。
【請求項49】
本体を少なくとも部分的に包むカバーをさらに含む、請求項45記載の体外装置。
【請求項50】
本体の周辺端部を覆う、形状に合った(form-fitting)ブーツを含む、請求項45記載の体外装置。
【請求項51】
再密封可能なチャンバを中心部の内側にさらに含む体外装置であって、
磁気エネルギー源が、前記再密封可能なチャンバの中に入れられている、
請求項45記載の体外装置。
【請求項52】
磁気エネルギー源が、調節可能な電磁石を含む、請求項45記載の体外装置。
【請求項53】
磁気エネルギー源が永久磁石を含む、請求項45記載の体外装置。
【請求項54】
永久磁石が、希土類磁石、ネオジム磁石、アルニコ磁石、またはサマリウムコバルト磁石を含む、請求項53記載の体外装置。
【請求項55】
体外装置の周辺端部が潤滑剤で処理(lubricate)されている、請求項45記載の体外装置。
【請求項56】
体外装置の周辺端部が磁気エネルギー源を含む、請求項45記載の体外装置。
【請求項57】
磁気エネルギー源が、継手によって中心部に接続されている、請求項45記載の体外装置。
【請求項58】
継手が、関節接続可能な(articulable)継手を含む、請求項57記載の体外装置。
【請求項59】
中心部の外側と中心部の内側とを接続するポートをさらに含む体外装置であって、
ポートが、中心部の内側の圧力を上げるおよび下げるために空気ポンプに接続されるように適合されている、
請求項45記載の体外装置。
【請求項60】
体外装置をある位置に保持するためにアンカーをさらに含む、請求項45記載の体外装置。
【請求項61】
アンカーが、患者の身体に付着するように適合されている、請求項60記載の体外装置。
【請求項62】
アンカーが、手術台に付着するように適合されている、請求項60記載の体外装置。
【請求項63】
粘着物が、本体の底面に配置されている、請求項45記載の体外装置。
【請求項64】
垂直に動いて、本体の底面と位置が合うように、および本体の底面から離れて上がるように適合された、本体を取り囲む縁と、
患者の身体の外側に密着するように縁の底面に配置された粘着物と
をさらに含む、請求項45記載の体外装置。
【請求項65】
エネルギーに応答する体内装置を、留置装置に付着させる工程;
患者の身体に入る穴を通じて体内装置を通す工程;
前記体内装置を物体に付着させる工程;および
患者の外部にありかつ体内装置に極めて接近している体外装置を動かして、体内装置にエネルギーを供給し、前記物体を適切な場所に置く工程
を含む、患者の体内の物体を操作する方法。
【請求項66】
トロカールが、患者の身体に入る穴に配置される、請求項65記載の方法。
【請求項67】
トロカールが、患者の身体に入る穴の厚さを測定するために、その外面にグラデーションをさらに含む、請求項66記載の方法。
【請求項68】
留置装置が、
本体と、
本体の第1の末端に近接し、かつ体内装置を選択的に係合および解放するように適合されたコネクタと
を含む、請求項65記載の方法。
【請求項69】
体内装置が、物体に付着するように適合された第1の末端と、留置装置と係合されかつ留置装置から解放されるように適合された第2の末端とを有する本体を含む、請求項65記載の方法。
【請求項70】
体外装置が、本体と、本体に取り付けられたハンドルと、本体に連結された磁気エネルギー源とを含む、請求項65記載の方法。
【請求項71】
体外装置が、本体と、本体に取り付けられたハンドルと、本体に連結された磁石とを含む、方法であって、
トロカール上のグラデーションによって測定される患者の身体に入る穴の厚さに応じた、患者の身体内部の体内装置と相互作用するのに必要な強度に応じて、複数の磁石から磁石を選択する工程
をさらに含む、請求項67記載の方法。
【請求項72】
体外装置が、本体と、本体に取り付けられたハンドルと、本体に連結された電磁石とを含む、方法であって、
トロカール上のグラデーションによって測定される患者の身体に入る穴の厚さに応じた、患者の身体内部の体内装置と相互作用するのに必要な強度に応じて、電磁石に加える電流を選択する工程
をさらに含む、請求項67記載の方法。
【請求項73】
物体がヒト組織を含む、請求項65記載の方法。
【請求項74】
ヒト組織が非管腔臓器を含む、請求項73記載の方法。
【請求項75】
非管腔臓器が卵巣を含む、請求項74記載の方法。
【請求項76】
ヒト組織が子宮を含む、請求項73記載の方法。
【請求項77】
ヒト組織が腸の一区画を含む、請求項73記載の方法。
【請求項78】
ヒト組織が胃を含む、請求項73記載の方法。
【請求項79】
ヒト組織が胆嚢を含む、請求項73記載の方法。
【請求項80】
物体が医療装置を含む、請求項73記載の方法。
【請求項81】
患者の体外で、体内装置を留置装置の第1の末端に係合する工程;
留置装置に力を加えることによって、患者の身体の穴を通じて体内装置を通す工程;
留置装置を使用して、患者の体内の物体の近くに体内装置を置く工程;
体内装置を物体に付着させる工程;
留置装置から体内装置を解放する工程;
体外装置を用いて体内装置を適切な場所に置く工程;
穴を介して患者の身体から留置装置を牽引する工程;
患者の身体の穴を通じて留置装置を再挿入する工程;
体内装置を留置装置の第1の末端に係合する工程;
穴を介して患者の身体から留置装置および体内装置を牽引する工程
をさらに含む、請求項68記載の方法。
【請求項82】
複数の体内装置から体内装置を選択する工程;
患者の体外で、体内装置を留置装置の第1の末端に係合する工程;
留置装置に力を加えることによって、患者の身体の穴を通じて体内装置を通す工程;
留置装置を使用して、患者の体内の物体の近くに体内装置を置く工程;
留置装置を介して体内装置に力を加えて、体内装置を前記物体に付着させる工程;
留置装置から体内装置を解放する工程;
穴を介して患者の身体から留置装置を牽引する工程;
複数の体外装置から、磁気エネルギー源を有する体外装置を選択する工程;
患者の外部にありかつ体内装置に極めて接近している前記体外装置を動かして、体内装置にエネルギーを供給し、前記物体を適切な場所に置く工程;
体外装置を患者から取り外す工程;
患者の身体の穴を通じて留置装置を再挿入する工程;
体内装置を、患者の身体内部にある留置装置の第1の末端に係合する工程;および
穴を介して患者の身体から留置装置および体内装置を牽引する工程
を含む、患者の体内の物体を操作する方法。
【請求項83】
エネルギー源と同期して体内装置を適切な場所に置くように、エネルギー源の関節接続可能な接続を調節する工程をさらに含む、請求項82記載の方法。
【請求項84】
低下した磁力を有する永久磁石材料を有するマグナレトラクタ(magnaretractor)装置の第1の末端と嵌合する第1の部分を有する本体と、
前記マグナレトラクタ装置の永久磁石材料を再磁化する、本体内部に配置された磁石源と
を含む、再磁化装置(remagnetizer)。
【請求項85】
マグナレトラクタ装置が留置装置を含む、請求項84記載の再磁化装置。
【請求項86】
マグナレトラクタ装置が体内装置を含む、請求項84記載の再磁化装置。
【請求項87】
マグナレトラクタ装置が体外装置を含む、請求項84記載の再磁化装置。
【請求項88】
前の外科手術において以前に用いられたマグナレトラクタ装置を、オートクレーブに入れる工程;および
後の外科手術用にマグナレトラクタ装置を準備するために、オートクレーブにおいてマグナレトラクタ装置を滅菌する工程
を含む、外科手術準備方法。
【請求項89】
マグナレトラクタ装置が永久磁石を含む、方法であって、
オートクレーブにおいてマグナレトラクタ装置を滅菌した後に、前記マグナレトラクタ装置の永久磁石を再磁化する工程をさらに含む、請求項88記載の方法。
【請求項90】
前の外科手術において以前に用いられ、かつ再密封可能なチャンバと永久磁石とを含む第1のマグナレトラクタ装置を提供する工程;
第1のマグナレトラクタ装置の再密封可能なチャンバを開封する工程;
第1のマグナレトラクタ装置の再密封可能なチャンバから永久磁石を取り出す工程;
再密封可能なチャンバを有する第2のマグナレトラクタ装置を提供する工程;
前記永久磁石を、第2のマグナレトラクタ装置の再密封可能なチャンバに入れる工程;および
第2のマグナレトラクタ装置の再密封可能なチャンバを密封する工程
を含む、外科手術準備方法。
【請求項91】
第2のマグナレトラクタ装置の再密封可能なチャンバを密封した後に、後の外科手術において第2のマグナレトラクタ装置を使用する工程をさらに含む、請求項90記載の方法。
【請求項92】
前の外科手術において以前に用いられ、かつ再密封可能なチャンバと永久磁石とを含む第1のマグナレトラクタ装置を提供する工程;
マグナレトラクタ装置の再密封可能なチャンバを開封する工程;
再密封可能なチャンバから永久磁石を取り出す工程;
マグナレトラクタ装置を滅菌する工程;
取り出された永久磁石を、再密封可能なチャンバに再挿入する工程;および
第2のマグナレトラクタ装置の再密封可能なチャンバを再密封する工程
を含む、外科手術準備方法。
【請求項93】
第2のマグナレトラクタ装置の再密封可能なチャンバを密封した後に、後の外科手術において第2のマグナレトラクタ装置を使用する工程をさらに含む、請求項92記載の方法。
【請求項94】
マグナレトラクタ装置を滅菌する工程が、マグナレトラクタ装置をオートクレーブに入れることを含む、請求項92記載の方法。
【請求項95】
前の外科手術において以前に用いられ、かつ第1の着脱可能なカバーを含むマグナレトラクタ装置を提供する工程;
マグナレトラクタ装置から第1の着脱可能なカバーを取り外す工程;
第2の着脱可能なカバーを提供する工程;および
第2の着脱可能なカバーをマグナレトラクタ装置の上に置く工程
を含む、外科手術準備方法。
【請求項96】
第2の着脱可能なカバーをマグナレトラクタ装置の上に置いた後に、後の外科手術においてマグナレトラクタ装置を使用する工程をさらに含む、請求項95記載の方法。
【請求項97】
前の外科手術において以前に用いられ、かつ着脱可能な電磁石電源を含むマグナレトラクタ装置を提供する工程;
着脱可能な電磁石電源をマグナレトラクタ装置から取り外す工程;
マグナレトラクタ装置を滅菌する工程;および
着脱可能な電磁石電源をマグナレトラクタ装置に再接続する工程
を含む、外科手術準備方法。
【請求項98】
第2の着脱可能なカバーをマグナレトラクタ装置の上に置いた後に、後の外科手術においてマグナレトラクタ装置を使用する工程をさらに含む、請求項97記載の方法。
【請求項99】
マグナレトラクタ装置を滅菌する工程が、マグナレトラクタ装置をオートクレーブに入れることを含む、請求項97記載の方法。
【請求項100】
前の外科手術において以前に用いられ、かつ着脱可能な電磁石電源を含む第1のマグナレトラクタ装置を提供する工程;
着脱可能な電磁石電源を第1のマグナレトラクタ装置から取り外す工程;
第2のマグナレトラクタ装置を提供する工程;および
電磁石電源を第2のマグナレトラクタ装置に接続する工程
を含む、外科手術準備方法。
【請求項101】
第2の着脱可能なカバーをマグナレトラクタ装置の上に置いた後に、後の外科手術においてマグナレトラクタ装置を使用する工程をさらに含む、請求項100記載の方法。
【請求項102】
第1の体内装置と、
可動性であり、かつ身体に極めて接近して留置されるように適合された第1の体外装置と、
体内装置と嵌合し、かつ体内装置を患者の体内に留置するように適合された第1の留置装置と
を含む、外科手術システムであって、
体内装置が、患者の体内にありながら、体外装置に応答するように適合されている、
外科手術システム。
【請求項103】
体内装置が、
本体と、
物体に付着するように適合された、本体の第1の末端と、
留置装置と係合されかつ留置装置から解放されるように適合された、本体の第2の末端と
を含む、請求項102記載の外科手術システム。
【請求項104】
留置装置が、
本体と、
本体の第1の末端に近接し、かつ体内装置を選択的に係合および解放するように適合されたコネクタと、
体内装置を係合および解放するために前記コネクタを制御するように前記コネクタに動作可能に接続された、本体の第2の末端に近接した第1のインターフェースと、
留置装置から体内装置へと力学的エネルギーを送るように適合された、第2の末端に近接した第2のインターフェースと
を含む、請求項102記載の外科手術システム。
【請求項105】
体外装置が
本体と、
本体に取り付けられたハンドルと、
本体に連結された磁気エネルギー源と
を含む、請求項102記載の外科手術システム。
【請求項106】
体内装置が患者の体内に留置された後、体内装置、体外装置、および留置装置の少なくとも1つを滅菌するためのオートクレーブをさらに含む、請求項102記載の外科手術システム。
【請求項107】
患者の身体の汚染を阻止するために、第1の体外装置を少なくとも部分的に覆う滅菌済みカバーをさらに含む、請求項102記載の外科手術システム。
【請求項1】
本体と、
本体の第1の末端に近接し、かつ体内装置を選択的に係合および解放するように適合されたコネクタと、
体内装置を係合および解放するために前記コネクタを制御するように前記コネクタに動作可能に接続された、本体の第2の末端に近接した第1のインターフェースと、
留置装置から体内装置へと力学的エネルギーを送るように適合された、第2の末端に近接した第2のインターフェースと
を含む留置装置。
【請求項2】
磁気エネルギーに応答する材料をさらに含む、請求項1記載の留置装置。
【請求項3】
本体の第1の末端がシャフトを含み、
磁気エネルギーに応答する材料が第1のインターフェースに連結されており、かつ
前記磁気エネルギーに応答する材料が、前記第1のインターフェースに応答して前記シャフト内を動く、
請求項2記載の留置装置。
【請求項4】
体内装置との係合を助けるために、第1の末端に近接した磁石をさらに含む、請求項1記載の留置装置。
【請求項5】
本体の第1の末端がシャフトを含み、
磁石が第1のインターフェースに連結されており、かつ
前記磁石が、前記第1のインターフェースに応答して前記シャフト内を動く、
請求項4記載の留置装置。
【請求項6】
磁石が電磁石である、請求項4記載の留置装置。
【請求項7】
電磁石に電力を供給するために、留置装置の第2の末端に近接した着脱可能な電磁石電源をさらに含む、請求項6記載の留置装置。
【請求項8】
磁石が、留置装置の第1の末端にある再密封可能なチャンバに入れられている、請求項4記載の留置装置。
【請求項9】
体内装置の末端にある1つまたは複数の隆起または溝と位置が合う、第1の末端に近接した1つまたは複数の隆起または溝をさらに含む、請求項2記載の留置装置。
【請求項10】
本体が、一端に近接したシャフトを含む、請求項1記載の留置装置。
【請求項11】
コネクタが、
第1のインターフェースに応答し、かつ体内装置にある溝の中に嵌め合い式に収まるように適合された可動性タブ
を含む、請求項1記載の留置装置。
【請求項12】
第1のインターフェースがレバーを含む、請求項1記載の留置装置。
【請求項13】
第1のインターフェースがボタンを含む、請求項1記載の留置装置。
【請求項14】
第1のインターフェースが、外部装置との電気接続を含む、請求項1記載の留置装置。
【請求項15】
第2のインターフェースがレバーを含む、請求項1記載の留置装置。
【請求項16】
第2のインターフェースが引き金を含む、請求項1記載の留置装置。
【請求項17】
第2のインターフェースがばねを含む、請求項1記載の留置装置。
【請求項18】
第2のインターフェースが、外部装置との電気接続を含む、請求項1記載の留置装置。
【請求項19】
シャフトによって分けられている第1の末端と第2の末端とを有する留置装置であって、
第1の末端が、体内装置を選択的に係合および解放するように適合されており、
第2の末端に近接した第1のレバーが、体内装置を係合および解放するためにコネクタを制御するように該コネクタに動作可能に接続されており、
第2の末端に近接した第2のレバーが、留置装置から体内装置へと力学的エネルギーを送るように動作可能に接続されるように適合されており、
第1の末端に近接した電磁石が、体内器具を係合するのを助ける、
留置装置。
【請求項20】
本体と、
物体に付着するように適合された、本体の第1の末端と、
留置装置と係合されかつ留置装置から解放されるように適合された、本体の第2の末端と
を含む体内装置。
【請求項21】
第2の末端が強磁性材料を含む、請求項20記載の体内装置。
【請求項22】
第2の末端が永久磁石材料を含む、請求項20記載の体内装置。
【請求項23】
留置装置の末端にある1つまたは複数の隆起または溝と位置が合う、第2の末端に近接した1つまたは複数の隆起または溝をさらに含む、請求項20記載の体内装置。
【請求項24】
本体の少なくとも一部を取り囲むプラスチックシェルと、
第2の末端に近接した再密封可能なチャンバと、
前記再密封可能なチャンバの中に入れられ、前記再密封可能なチャンバから取り出すことができる永久磁石と
をさらに含む、請求項20記載の体内装置。
【請求項25】
第2の末端に近接した再密封可能なチャンバと、
前記再密封可能なチャンバの中に入れられた永久磁石と
をさらに含む体内装置であって、
本体が、磁気的に不活性な金属を含む、
請求項20記載の体内装置。
【請求項26】
コネクタおよび該コネクタに接続された任意の物体を本体の軸に沿って回転させるように該コネクタに動作可能に接続された、本体の第2の末端に近接した第3のインターフェースをさらに含む、請求項20記載の体内装置。
【請求項27】
留置装置からエネルギーを受け取るように適合されたインターフェースをさらに含む、請求項20記載の体内装置。
【請求項28】
エネルギーが磁気エネルギーを含む、請求項27記載の体内装置。
【請求項29】
本体の第1の末端に配置されたネジをさらに含む、請求項27記載の体内装置。
【請求項30】
インターフェースにより送られたエネルギーによってネジが回る、請求項29記載の体内装置。
【請求項31】
ネジが、該ネジが回った場合に物体を係合するように適合されている、請求項30記載の体内装置。
【請求項32】
本体の第1の末端に配置されたループをさらに含む、請求項27記載の体内装置。
【請求項33】
インターフェースにより送られたエネルギーによってループが締まる、または緩まる、請求項32記載の体内装置。
【請求項34】
ループが、該ループが締まった場合に物体を係合するように適合されている、請求項33記載の体内装置。
【請求項35】
本体の第1の末端に配置されたクリップをさらに含む、請求項27記載の体内装置。
【請求項36】
インターフェースにより送られたエネルギーによってクリップが開く、または閉じる、請求項35記載の体内装置。
【請求項37】
クランプが、クリップが閉じた場合に物体を留めるように適合されている、請求項36記載の体内装置。
【請求項38】
本体の第1の末端に配置されたクランプをさらに含む、請求項27記載の体内装置。
【請求項39】
インターフェースにより送られたエネルギーによってクランプが開く、または閉じる、請求項38記載の体内装置。
【請求項40】
クランプが、該クランプが閉じた場合に1つまたは複数の物体を締め付けるように適合されている、請求項39記載の体内装置。
【請求項41】
本体の第1の末端に配置された留め具をさらに含む、請求項27記載の体内装置。
【請求項42】
インターフェースにより送られたエネルギーによって留め具が動く、請求項41記載の体内装置。
【請求項43】
留め具が、該留め具が動いた場合に物体を係合するように適合されている、請求項42記載の体内装置。
【請求項44】
本体と、
留置装置と係合されかつ留置装置から解放されるように適合されたドッキングポートを含む、本体の第1の末端と、
留置装置が体内装置にエネルギーを送るのを可能にするインターフェースと、
インターフェースにより送られたエネルギーを受け取ることによって動かされる、ネジ、ループ、クリップ、クランプ、または留め具と
を含む体内装置であって、
本体が、強磁性材料または永久磁石材料を含む、
体内装置。
【請求項45】
中心部および周辺端部を含む本体と、
本体に取り付けられたハンドルと、
本体に連結された磁気エネルギー源と
を含む体外装置。
【請求項46】
中心部が、カップを形成するように周辺端部よりも高くなっている、請求項45記載の体外装置。
【請求項47】
本体が、医学的に不活性なプラスチックで少なくとも部分的にコーティングされている、請求項45記載の体外装置。
【請求項48】
周辺端部が、磁気的に不活性な金属を含む、請求項45記載の体外装置。
【請求項49】
本体を少なくとも部分的に包むカバーをさらに含む、請求項45記載の体外装置。
【請求項50】
本体の周辺端部を覆う、形状に合った(form-fitting)ブーツを含む、請求項45記載の体外装置。
【請求項51】
再密封可能なチャンバを中心部の内側にさらに含む体外装置であって、
磁気エネルギー源が、前記再密封可能なチャンバの中に入れられている、
請求項45記載の体外装置。
【請求項52】
磁気エネルギー源が、調節可能な電磁石を含む、請求項45記載の体外装置。
【請求項53】
磁気エネルギー源が永久磁石を含む、請求項45記載の体外装置。
【請求項54】
永久磁石が、希土類磁石、ネオジム磁石、アルニコ磁石、またはサマリウムコバルト磁石を含む、請求項53記載の体外装置。
【請求項55】
体外装置の周辺端部が潤滑剤で処理(lubricate)されている、請求項45記載の体外装置。
【請求項56】
体外装置の周辺端部が磁気エネルギー源を含む、請求項45記載の体外装置。
【請求項57】
磁気エネルギー源が、継手によって中心部に接続されている、請求項45記載の体外装置。
【請求項58】
継手が、関節接続可能な(articulable)継手を含む、請求項57記載の体外装置。
【請求項59】
中心部の外側と中心部の内側とを接続するポートをさらに含む体外装置であって、
ポートが、中心部の内側の圧力を上げるおよび下げるために空気ポンプに接続されるように適合されている、
請求項45記載の体外装置。
【請求項60】
体外装置をある位置に保持するためにアンカーをさらに含む、請求項45記載の体外装置。
【請求項61】
アンカーが、患者の身体に付着するように適合されている、請求項60記載の体外装置。
【請求項62】
アンカーが、手術台に付着するように適合されている、請求項60記載の体外装置。
【請求項63】
粘着物が、本体の底面に配置されている、請求項45記載の体外装置。
【請求項64】
垂直に動いて、本体の底面と位置が合うように、および本体の底面から離れて上がるように適合された、本体を取り囲む縁と、
患者の身体の外側に密着するように縁の底面に配置された粘着物と
をさらに含む、請求項45記載の体外装置。
【請求項65】
エネルギーに応答する体内装置を、留置装置に付着させる工程;
患者の身体に入る穴を通じて体内装置を通す工程;
前記体内装置を物体に付着させる工程;および
患者の外部にありかつ体内装置に極めて接近している体外装置を動かして、体内装置にエネルギーを供給し、前記物体を適切な場所に置く工程
を含む、患者の体内の物体を操作する方法。
【請求項66】
トロカールが、患者の身体に入る穴に配置される、請求項65記載の方法。
【請求項67】
トロカールが、患者の身体に入る穴の厚さを測定するために、その外面にグラデーションをさらに含む、請求項66記載の方法。
【請求項68】
留置装置が、
本体と、
本体の第1の末端に近接し、かつ体内装置を選択的に係合および解放するように適合されたコネクタと
を含む、請求項65記載の方法。
【請求項69】
体内装置が、物体に付着するように適合された第1の末端と、留置装置と係合されかつ留置装置から解放されるように適合された第2の末端とを有する本体を含む、請求項65記載の方法。
【請求項70】
体外装置が、本体と、本体に取り付けられたハンドルと、本体に連結された磁気エネルギー源とを含む、請求項65記載の方法。
【請求項71】
体外装置が、本体と、本体に取り付けられたハンドルと、本体に連結された磁石とを含む、方法であって、
トロカール上のグラデーションによって測定される患者の身体に入る穴の厚さに応じた、患者の身体内部の体内装置と相互作用するのに必要な強度に応じて、複数の磁石から磁石を選択する工程
をさらに含む、請求項67記載の方法。
【請求項72】
体外装置が、本体と、本体に取り付けられたハンドルと、本体に連結された電磁石とを含む、方法であって、
トロカール上のグラデーションによって測定される患者の身体に入る穴の厚さに応じた、患者の身体内部の体内装置と相互作用するのに必要な強度に応じて、電磁石に加える電流を選択する工程
をさらに含む、請求項67記載の方法。
【請求項73】
物体がヒト組織を含む、請求項65記載の方法。
【請求項74】
ヒト組織が非管腔臓器を含む、請求項73記載の方法。
【請求項75】
非管腔臓器が卵巣を含む、請求項74記載の方法。
【請求項76】
ヒト組織が子宮を含む、請求項73記載の方法。
【請求項77】
ヒト組織が腸の一区画を含む、請求項73記載の方法。
【請求項78】
ヒト組織が胃を含む、請求項73記載の方法。
【請求項79】
ヒト組織が胆嚢を含む、請求項73記載の方法。
【請求項80】
物体が医療装置を含む、請求項73記載の方法。
【請求項81】
患者の体外で、体内装置を留置装置の第1の末端に係合する工程;
留置装置に力を加えることによって、患者の身体の穴を通じて体内装置を通す工程;
留置装置を使用して、患者の体内の物体の近くに体内装置を置く工程;
体内装置を物体に付着させる工程;
留置装置から体内装置を解放する工程;
体外装置を用いて体内装置を適切な場所に置く工程;
穴を介して患者の身体から留置装置を牽引する工程;
患者の身体の穴を通じて留置装置を再挿入する工程;
体内装置を留置装置の第1の末端に係合する工程;
穴を介して患者の身体から留置装置および体内装置を牽引する工程
をさらに含む、請求項68記載の方法。
【請求項82】
複数の体内装置から体内装置を選択する工程;
患者の体外で、体内装置を留置装置の第1の末端に係合する工程;
留置装置に力を加えることによって、患者の身体の穴を通じて体内装置を通す工程;
留置装置を使用して、患者の体内の物体の近くに体内装置を置く工程;
留置装置を介して体内装置に力を加えて、体内装置を前記物体に付着させる工程;
留置装置から体内装置を解放する工程;
穴を介して患者の身体から留置装置を牽引する工程;
複数の体外装置から、磁気エネルギー源を有する体外装置を選択する工程;
患者の外部にありかつ体内装置に極めて接近している前記体外装置を動かして、体内装置にエネルギーを供給し、前記物体を適切な場所に置く工程;
体外装置を患者から取り外す工程;
患者の身体の穴を通じて留置装置を再挿入する工程;
体内装置を、患者の身体内部にある留置装置の第1の末端に係合する工程;および
穴を介して患者の身体から留置装置および体内装置を牽引する工程
を含む、患者の体内の物体を操作する方法。
【請求項83】
エネルギー源と同期して体内装置を適切な場所に置くように、エネルギー源の関節接続可能な接続を調節する工程をさらに含む、請求項82記載の方法。
【請求項84】
低下した磁力を有する永久磁石材料を有するマグナレトラクタ(magnaretractor)装置の第1の末端と嵌合する第1の部分を有する本体と、
前記マグナレトラクタ装置の永久磁石材料を再磁化する、本体内部に配置された磁石源と
を含む、再磁化装置(remagnetizer)。
【請求項85】
マグナレトラクタ装置が留置装置を含む、請求項84記載の再磁化装置。
【請求項86】
マグナレトラクタ装置が体内装置を含む、請求項84記載の再磁化装置。
【請求項87】
マグナレトラクタ装置が体外装置を含む、請求項84記載の再磁化装置。
【請求項88】
前の外科手術において以前に用いられたマグナレトラクタ装置を、オートクレーブに入れる工程;および
後の外科手術用にマグナレトラクタ装置を準備するために、オートクレーブにおいてマグナレトラクタ装置を滅菌する工程
を含む、外科手術準備方法。
【請求項89】
マグナレトラクタ装置が永久磁石を含む、方法であって、
オートクレーブにおいてマグナレトラクタ装置を滅菌した後に、前記マグナレトラクタ装置の永久磁石を再磁化する工程をさらに含む、請求項88記載の方法。
【請求項90】
前の外科手術において以前に用いられ、かつ再密封可能なチャンバと永久磁石とを含む第1のマグナレトラクタ装置を提供する工程;
第1のマグナレトラクタ装置の再密封可能なチャンバを開封する工程;
第1のマグナレトラクタ装置の再密封可能なチャンバから永久磁石を取り出す工程;
再密封可能なチャンバを有する第2のマグナレトラクタ装置を提供する工程;
前記永久磁石を、第2のマグナレトラクタ装置の再密封可能なチャンバに入れる工程;および
第2のマグナレトラクタ装置の再密封可能なチャンバを密封する工程
を含む、外科手術準備方法。
【請求項91】
第2のマグナレトラクタ装置の再密封可能なチャンバを密封した後に、後の外科手術において第2のマグナレトラクタ装置を使用する工程をさらに含む、請求項90記載の方法。
【請求項92】
前の外科手術において以前に用いられ、かつ再密封可能なチャンバと永久磁石とを含む第1のマグナレトラクタ装置を提供する工程;
マグナレトラクタ装置の再密封可能なチャンバを開封する工程;
再密封可能なチャンバから永久磁石を取り出す工程;
マグナレトラクタ装置を滅菌する工程;
取り出された永久磁石を、再密封可能なチャンバに再挿入する工程;および
第2のマグナレトラクタ装置の再密封可能なチャンバを再密封する工程
を含む、外科手術準備方法。
【請求項93】
第2のマグナレトラクタ装置の再密封可能なチャンバを密封した後に、後の外科手術において第2のマグナレトラクタ装置を使用する工程をさらに含む、請求項92記載の方法。
【請求項94】
マグナレトラクタ装置を滅菌する工程が、マグナレトラクタ装置をオートクレーブに入れることを含む、請求項92記載の方法。
【請求項95】
前の外科手術において以前に用いられ、かつ第1の着脱可能なカバーを含むマグナレトラクタ装置を提供する工程;
マグナレトラクタ装置から第1の着脱可能なカバーを取り外す工程;
第2の着脱可能なカバーを提供する工程;および
第2の着脱可能なカバーをマグナレトラクタ装置の上に置く工程
を含む、外科手術準備方法。
【請求項96】
第2の着脱可能なカバーをマグナレトラクタ装置の上に置いた後に、後の外科手術においてマグナレトラクタ装置を使用する工程をさらに含む、請求項95記載の方法。
【請求項97】
前の外科手術において以前に用いられ、かつ着脱可能な電磁石電源を含むマグナレトラクタ装置を提供する工程;
着脱可能な電磁石電源をマグナレトラクタ装置から取り外す工程;
マグナレトラクタ装置を滅菌する工程;および
着脱可能な電磁石電源をマグナレトラクタ装置に再接続する工程
を含む、外科手術準備方法。
【請求項98】
第2の着脱可能なカバーをマグナレトラクタ装置の上に置いた後に、後の外科手術においてマグナレトラクタ装置を使用する工程をさらに含む、請求項97記載の方法。
【請求項99】
マグナレトラクタ装置を滅菌する工程が、マグナレトラクタ装置をオートクレーブに入れることを含む、請求項97記載の方法。
【請求項100】
前の外科手術において以前に用いられ、かつ着脱可能な電磁石電源を含む第1のマグナレトラクタ装置を提供する工程;
着脱可能な電磁石電源を第1のマグナレトラクタ装置から取り外す工程;
第2のマグナレトラクタ装置を提供する工程;および
電磁石電源を第2のマグナレトラクタ装置に接続する工程
を含む、外科手術準備方法。
【請求項101】
第2の着脱可能なカバーをマグナレトラクタ装置の上に置いた後に、後の外科手術においてマグナレトラクタ装置を使用する工程をさらに含む、請求項100記載の方法。
【請求項102】
第1の体内装置と、
可動性であり、かつ身体に極めて接近して留置されるように適合された第1の体外装置と、
体内装置と嵌合し、かつ体内装置を患者の体内に留置するように適合された第1の留置装置と
を含む、外科手術システムであって、
体内装置が、患者の体内にありながら、体外装置に応答するように適合されている、
外科手術システム。
【請求項103】
体内装置が、
本体と、
物体に付着するように適合された、本体の第1の末端と、
留置装置と係合されかつ留置装置から解放されるように適合された、本体の第2の末端と
を含む、請求項102記載の外科手術システム。
【請求項104】
留置装置が、
本体と、
本体の第1の末端に近接し、かつ体内装置を選択的に係合および解放するように適合されたコネクタと、
体内装置を係合および解放するために前記コネクタを制御するように前記コネクタに動作可能に接続された、本体の第2の末端に近接した第1のインターフェースと、
留置装置から体内装置へと力学的エネルギーを送るように適合された、第2の末端に近接した第2のインターフェースと
を含む、請求項102記載の外科手術システム。
【請求項105】
体外装置が
本体と、
本体に取り付けられたハンドルと、
本体に連結された磁気エネルギー源と
を含む、請求項102記載の外科手術システム。
【請求項106】
体内装置が患者の体内に留置された後、体内装置、体外装置、および留置装置の少なくとも1つを滅菌するためのオートクレーブをさらに含む、請求項102記載の外科手術システム。
【請求項107】
患者の身体の汚染を阻止するために、第1の体外装置を少なくとも部分的に覆う滅菌済みカバーをさらに含む、請求項102記載の外科手術システム。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【公表番号】特表2011−504767(P2011−504767A)
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535125(P2010−535125)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/084991
【国際公開番号】WO2009/070743
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(507136648)イースタン バージニア メディカル スクール (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/084991
【国際公開番号】WO2009/070743
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(507136648)イースタン バージニア メディカル スクール (4)
【Fターム(参考)】
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