マスクシステム
調節可能なマスクシステム(100)は、サイズ及び/または形状を変更できるシール(130)を有するクッションを含む。そのシールは、好ましくは、継ぎ目のない1ピースの連続した部材である。シールのサイズ及び/または形状の調節を行うために、アクチュエータを設けることができ、そのアクチュエータはダイヤル(190)の形態をとることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年6月24日出願の米国仮出願第61/213,611号、2009年11月20日出願の第61/272,933号、及び2009年12月9日出願の第61/285,026号の利益を主張するものであり、それらの文献はそれぞれ、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本技術は、例えば、空気または呼吸に適したガスを陽圧で患者または着用者の1つまたは複数の気道に送出する呼吸マスクに関する。詳細には、本技術は、調節可能なマスクシステム及び関連の方法に関する。
【背景技術】
【0003】
睡眠時呼吸障害(SDB:Sleep Disordered Breathing)を治療する経鼻的持続陽圧気道圧法(経鼻的CPAP:nasal Continuous Positive Airway Pressure)の使用は、Sullivanによって最初に開発された。例えば、特許文献1を参照されたい。経鼻的CPAPを提供する装置が、典型的には、陽圧(例えば、ブロワまたはフロージェネレータによってもたらされる2〜30cmH2O)の空気源、何らかの形態の患者とのインターフェースまたは呼吸マスクシステム(例えば、経鼻的マスクシステムまたはフルフェイスマスクシステム)、及び空気送出チューブを備える。
【0004】
呼吸マスクシステムが、典型的には、何らかの形態の緩衝要素(「クッション」)、シーリング要素、及び何らかの形態の安定化要素(例えば、フレーム及びヘッドギア)を含む。緩衝要素及びシーリング要素は、1ピース(one piece)に、または2以上のピースに形成されてもよく、別々の構造でもよい。緩衝要素及びシーリング要素を、単一の構造のうちの異なる部分から形成することができる。ヘッドギアは、軟質、可撓性、伸縮性のあるストラップの集合体を含むことができる。それらのストラップは、フォーム及び布等の複合材料から構築することができる。
【0005】
フレームは、クッション、ヘッドギア、及び空気送出チューブの連結を可能にする、硬質、半硬質、または軟質の構造とすることができる。フレームは、ポリカーボネート、シリコーン、または他の様々な材料から作製することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4944310号明細書
【特許文献2】国際公開第2008/011683号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2008/011682号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2008/070929号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の多くのマスクシステムでは、広い範囲の患者に寸法合わせするために、ある範囲の様々なサイズの構成要素(クッション、フレーム)を設ける必要がある。これらのマスクシステムは、意図した目的に対しては許容できるが、当技術分野では、従来のマスクシステムに関連する制限に対処するマスクシステムを提供する必要性が生じている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術は、マスクシステム及びそのマスクシステムを使用する方法に関する。本技術の一態様は、広い範囲の顔のサイズ及び/または形状に寸法合わせするマスクシステムである。本技術の別の態様は、陽圧の気道圧を維持するために使用できるマスクシステムである。
【0009】
本技術の一態様は、調節可能なマスクシステムに関する。本技術の別の態様は、陽圧を維持するように患者の顔に対してシール可能であり調節可能である、マスクシステムである。一形態では、マスクシステムは、長さを調節可能である。一形態では、マスクシステムは、シールを維持しながら調節可能である。一形態では、本技術の一態様によるマスクシステムが、調節可能なフレーム及びクッションを含み、そのフレームは、長さを調節可能であり、クッションは、フレームの長さの増大に応答して伸長するように適合されている。
【0010】
本技術の更なる態様が、シーリング部分を備えるマスクシステムに関し、そのシーリング部分は形状を変更することができる。
【0011】
本技術の更なる態様が、シーリング部分を備えるマスクシステムに関し、そのシーリング部分は形状を変更することができ、シーリング部分の外周の長さは一定である。
【0012】
本技術の更なる態様が、シーリング部分を備えるマスクシステムに関し、そのシーリング部分は、収縮及び/または延伸することができる。
【0013】
本技術の更なる態様が、シーリング部分を備えるマスクシステムに関し、そのシーリング部分は、収縮及び/または延伸することができ、シーリング部分の外周の長さは変更可能である。
【0014】
本技術の更なる態様が、シーリング部分を備えるマスクシステムに関し、そのシーリング部分は、収縮及び/または延伸及び/または形状変更することができる。
【0015】
本技術の更なる態様が、シーリング部分を備えるマスクシステムに関し、そのシーリング部分は、収縮及び/または延伸及び/または形状変更することができ、シーリング部分の外周の長さは変更可能である。
【0016】
一形態では、本技術によるマスクシステムは、シーリング部分を備え、そのシーリング部分は、第1の相対的に固定された部分と、第2の相対的に変更可能な部分を有する。そのマスクシステムは、第1の部分を大きく変更することなく第2の部分を変更するように調節することができる。一形態では、第1の部分は、相対的に固定された形状を維持することができ、第2の部分は、形状及び/または長さを調節可能である。一形態では、マスクシステムは、相対的に固定された部分2つと、第2の相対的に変更可能な部分とを備えることができ、その相対的に変更可能な部分が、好ましくは、相対的に固定された2つの部分の間に配置される。本技術の一形態では、マスクシステムが、相対的に固定された鼻根領域と、相対的に固定された唇領域と、それらの間の比較的調節可能なまたは変更可能な領域とを有する。
【0017】
別の態様が、広い範囲の患者に寸法合わせするために少ない構成要素及び/または少ない在庫しか必要としないマスクシステムに関する。
【0018】
更に別の態様が、臨床医に正確なサイズのマスクシステムを選択してもらう必要無しに、自宅での寸法合わせ及び/または診断を更に容易に可能にするマスクシステムに関する。
【0019】
更に別の態様が、広い範囲の患者のサイズ及び形状に寸法合わせするように形状及び/またはサイズを変更することができ、やはり患者または着用者の顔に対する快適且つ適当なシールを維持するマスクシールに関する。
【0020】
本技術の別の態様が、マスクの第2の部分に対してマスクの第1の部分を調節する手段に関する。
【0021】
本技術の別の態様が、被膜または可撓性の膜でカバーするかまたは別法でそれに連結することができる、骨組みまたは実質的に拡大不能なフレームに関し、その可撓性の膜により骨組みの姿勢を調節することができる。可撓性の膜を、延伸可能、折り畳み可能、及び/または折り曲げ可能とすることができる。
【0022】
本技術の別の態様が、シーリングして患者に係合する機能を維持しながら、骨組みの形状が変わるとシーリング機構の形状が変わるような、骨組みに連結されたクッションまたはシーリング機構に関する。
【0023】
本技術の別の態様は、可撓性のまたは拡大可能なカバー部材または接合部材に関し、その部材は、骨組みの一部分/複数部分の姿勢を変えるために接合部材を変形または移動できるように、骨組みまたは実質的に伸縮性のあるフレームの一部分の間に構成及び配置される。骨組みが第1の姿勢と第2の姿勢との間を移動すると、第1のマスクサイズから第2のマスクサイズに変更することができる。
【0024】
本技術の別の態様は、第1の姿勢から第2の姿勢に移動可能な骨組みまたはフレーム部分に関する。第2の姿勢を、第1の姿勢と実質的に垂直に位置合わせすることができる。
【0025】
本技術の別の態様は、第1の姿勢から第2の姿勢に移動可能な骨組みまたはフレーム部分に関する。第2の姿勢は、第1の姿勢に対して実質的に角度をとることができる。
【0026】
一例では、フレームと、そのフレームに設けられたクッションであって、着用者の皮膚に接触する、1ピースのシール構成要素または一緒に働く2ピース以上のシール構成要素を有し、そのシールが、着用者の顔の1つまたは複数の寸法に対してサイズ及び/または形状を調節可能である、クッションとを備える着用者用のマスクシステムが提供される。シールは、フォーム、TPE、シリコーン、または軟質、半軟質、及び硬い材料の複合材を含むことができる。
【0027】
別の例では、着用者用のマスクシステムを作製する方法であって、フレームを設けるステップと、そのフレームにクッションを設けるステップであって、そのクッションが、1ピースのシール構成要素または一緒に働く2ピース以上のシール構成要素を含む、クッションを設けるステップと、着用者に合わせてカスタマイズするために、最初のサイズと、異なる複数のサイズとの間で、更に異なるサイズから最初のサイズに戻すように調節できるように、シールを構成するステップとを含む、方法が提供される。
【0028】
更に別の例によれば、2〜30cmH2Oの範囲の加圧空気を送出するCPAPマスクシステムを着用者に寸法合わせする方法であって、マスクシステムの1ピースのシール構成要素または一緒に働く2ピース以上の構成要素を着用者に寸法合わせするステップと、着用者の顔に合わせたシールの1つまたは複数の寸法を調節するステップとを含む、方法が提供される。
【0029】
更に別の例によれば、フレームと、そのフレームに設けられたクッションであって、シールを含むクッションと、そのシールのサイズ及び/または形状を調節するために設けられた調節機構であって、そのシールの調節を行うアクチュエータシステムを含む調節機構とを備えるマスクシステムが提供される。
【0030】
本技術の一形態では、調節可能であり、それにより、最小長さと最大長さとの間で不連続の姿勢にできる、長さ調節機構を含むマスクシステムが提供される。一形態では、そのマスクシステムは更に、鼻根領域及び唇領域を相対位置が固定された状態で保持するロック機構またはラッチ機構を備える。
【0031】
本技術の別の態様が、上側フレーム部分及び下側フレーム部分を含むフレームと、上側フレーム部分に設けられた上側部分、下側フレーム部分に設けられた下側部分、及び上側部分と下側部分との間の調節部分を含む可撓性部材とを備える、マスクシステムに関する。その調節部分は、上側部分と下側部分との間、従って上側フレーム部分と下側フレーム部分との間の相対移動を可能にするように構成されている。
【0032】
本技術の別の態様が、構造要素(structural element)と、その構造要素に設けられ、患者の顔に対するシールを形成するように適合された順応要素(conforming element)とを備える、マスクシステムに関する。その構造要素及び順応要素のうちの少なくとも一部分が、膜で封入またはコートされている。
【0033】
本技術の別の態様が、2〜30cmH2Oの範囲の加圧空気を受容するように適合されたマスク内部呼吸チャンバを画定するフレームと、そのフレームに設けられ、患者の顔に対するシールを形成するように適合されたクッションとを含む、マスクシステムに関する。そのフレームは調節部分を含み、その調節部分は、少なくとも第1のサイズから第2のサイズにシールを調節し、その逆も同様に調節する。
【0034】
本技術の別の態様が、フレームと、そのフレームに設けられたクッションとを含む、マスクシステムに関する。そのフレームは、第1のフレーム部分及び第2のフレーム部分を含む。第1及び第2のフレーム部分は、互いに対して移動可能である。クッションは、患者の顔に対するシールを形成するように適合されている。シールの一部分は、第1及び第2のフレーム部分並びに/またはシールを互いに対して着脱する必要無しに、第1のフレーム部分と第2のフレーム部分との間の相対移動に基づいてサイズ及び/または形状を変更するように適合されている。
【0035】
本発明の他の態様、特性、及び利点は、本開示の一部であり例示によって本発明の原理を示す添付の図面と併せると、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0036】
添付の図面により、この技術の様々な実施形態の理解が助けられる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】シーリングの分布を示す、モデルとなる患者の頭の概略図である。
【図1A】シーリングの分布を示す、モデルとなる患者の頭の概略図である。
【図1B】シーリングの分布を示す、モデルとなる患者の頭の概略図である。
【図2】シーリングの分布を示す、モデルとなる患者の頭の概略図である。
【図2A】シーリングの分布を示す、モデルとなる患者の頭の概略図である。
【図3−1】本技術の一例による経鼻的マスクシステムまたはフルフェイスマスクシステムの図を示す。
【図3−2】本技術の一例による経鼻的マスクシステムまたはフルフェイスマスクシステムの図を示す。
【図3−3】本技術の一例による経鼻的マスクシステムまたはフルフェイスマスクシステムの図を示す。
【図3−4】本技術の一例による経鼻的マスクシステムまたはフルフェイスマスクシステムの図を示す。
【図3−5】本技術の一例による経鼻的マスクシステムまたはフルフェイスマスクシステムの図を示す。
【図3−6】本技術の一例による経鼻的マスクシステムまたはフルフェイスマスクシステムの図を示す。
【図4】そのサンプルとなるフレームである。
【図5−1】分離した上側フレームの図を示す。
【図5−2】分離した上側フレームの図を示す。
【図5−3】分離した上側フレームの図を示す。
【図5−4】分離した上側フレームの図を示す。
【図5−5】分離した上側フレームの図を示す。
【図6−1】分離した調節機構/アクチュエータサブアセンブリの図を示す。
【図6−2】分離した調節機構/アクチュエータサブアセンブリの図を示す。
【図6−3】分離した調節機構/アクチュエータサブアセンブリの図を示す。
【図6−4】分離した調節機構/アクチュエータサブアセンブリの図を示す。
【図6−5】分離した調節機構/アクチュエータサブアセンブリの図を示す。
【図6−6】分離した調節機構/アクチュエータサブアセンブリの図を示す。
【図7−1】分離したラックの図を示す。
【図7−2】分離したラックの図を示す。
【図7−3】分離したラックの図を示す。
【図7−4】分離したラックの図を示す。
【図7−5】分離したラックの図を示す。
【図8−1】分離した歯車/ピニオンの図を示す。
【図8−2】分離した歯車/ピニオンの図を示す。
【図8−3】分離した歯車/ピニオンの図を示す。
【図9−1】マスクシステムの組み立てステップの図を示す。
【図9−2】マスクシステムの組み立てステップの図を示す。
【図9−3】マスクシステムの組み立てステップの図を示す。
【図9−4】マスクシステムの組み立てステップの図を示す。
【図9−5】マスクシステムの組み立てステップの図を示す。
【図9−6】マスクシステムの組み立てステップの図を示す。
【図10−1】分離した内側シュラウドの図を示す。
【図10−2】分離した内側シュラウドの図を示す。
【図10−3】分離した内側シュラウドの図を示す。
【図10−4】分離した内側シュラウドの図を示す。
【図10−5】分離した内側シュラウドの図を示す。
【図11−1】分離した外側シュラウドの図を示す。
【図11−2】分離した外側シュラウドの図を示す。
【図11−3】分離した外側シュラウドの図を示す。
【図11−4】分離した外側シュラウドの図を示す。
【図11−5】分離した外側シュラウドの図を示す。
【図12−1】分離したダイヤルの図を示す。
【図12−2】分離したダイヤルの図を示す。
【図12−3】分離したダイヤルの図を示す。
【図12−4】分離したダイヤルの図を示す。
【図12−5】分離したダイヤルの図を示す。
【図13】代替の例を示す。
【図13−1】代替の例を示す。
【図14−1】代替の例を示す。
【図14−2】代替の例を示す。
【図15−1】クッション及び調節可能な領域またはガセットのサブアセンブリの図を示す。
【図15−2】クッション及び調節可能な領域またはガセットのサブアセンブリの図を示す。
【図15−3】クッション及び調節可能な領域またはガセットのサブアセンブリの図を示す。
【図15−4】クッション及び調節可能な領域またはガセットのサブアセンブリの図を示す。
【図15−5】クッション及び調節可能な領域またはガセットのサブアセンブリの図を示す。
【図16−1】分離した調節可能な領域またはガセットの図を示す。
【図16−2】分離した調節可能な領域またはガセットの図を示す。
【図16−3】分離した調節可能な領域またはガセットの図を示す。
【図16−4】分離した調節可能な領域またはガセットの図を示す。
【図16−5】分離した調節可能な領域またはガセットの図を示す。
【図17−1】代替のシールの構成を示す。
【図17−2】代替のシールの構成を示す。
【図18−1】別の代替のシールの構成を示す。
【図18−2】別の代替のシールの構成を示す。
【図18−3】別の代替のシールの構成を示す。
【図18−4】別の代替のシールの構成を示す。
【図18−5】別の代替のシールの構成を示す。
【図19−1】本技術の一実施形態による、歯間の間隔が狭い回転歯車及びラックを示す。
【図19−2】本技術の一実施形態による、歯間の間隔が広い回転歯車及びラックを示す。
【図20−1】本技術の一実施形態による、調節機構用の移動ストップを示す。
【図20−2】本技術の一実施形態による、調節機構用の移動ストップを示す。
【図21−1】本技術の一実施形態による、調節機構用のロック特徴部を示す。
【図21−2】本技術の一実施形態による、調節機構用のロック特徴部を示す。
【図22】本技術の別の実施形態による、調節機構用のロック特徴部を示す。
【図23−1】本技術の一実施形態による、調節機構用のウォーム歯車機構を示す。
【図23−2】本技術の一実施形態による、調節機構用のウォーム歯車機構を示す。
【図24−1】本技術の一実施形態による、調節機構用の摺動機構を示す。
【図24−2】本技術の一実施形態による、調節機構用の摺動機構を示す。
【図25】材料の圧縮による高さ調節を示す概略図である。
【図26−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図26−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図26−3】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図26−4】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図26−5】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図26−6】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図26−7】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図26−8】本技術の一実施形態によるクッション形状の代替例を示す。
【図26−9】本技術の一実施形態によるクッション形状の代替例を示す。
【図26−10】本技術の一実施形態によるクッション形状の代替例を示す。
【図26−11】本技術の一実施形態によるクッション形状の代替例を示す。
【図27−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図27−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図27−3】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図27−4】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図27−5】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図27−6】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図27−7】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図27−8】本技術の一実施形態によるクッション形状の代替例を示す。
【図27−9】本技術の一実施形態によるクッション形状の代替例を示す。
【図27−10】本技術の一実施形態によるクッション形状の代替例を示す。
【図27−11】本技術の一実施形態によるクッション形状の代替例を示す。
【図27−12】本技術の一実施形態によるクッション形状の代替例を示す。
【図28−1】本技術の一実施形態によるクッションを示す。
【図29−1】本技術の一実施形態によるクッションを示す。
【図30−1】本技術の一実施形態によるクッションを示す。
【図31−1】本技術の一実施形態によるクッションを示す。
【図32】材料の伸張または延伸による高さ調節を示す概略図である。
【図33−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−3】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−4】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−5】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−6】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−7】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−8】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−9】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−10】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−11】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−12】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−13】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−14】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−15】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−16】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−17】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−18】シリコーン膜部分、及びフォーム製アンダークッション部分を有する、クッションの代替例を示す。
【図33−19】シリコーン膜部分、及びフォーム製アンダークッション部分を有する、クッションの代替例を示す。
【図33−20】シリコーン膜部分、及びフォーム製アンダークッション部分を有する、クッションの代替例を示す。
【図33−21】シリコーン膜部分、及びフォーム製アンダークッション部分を有する、クッションの代替例を示す。
【図33−22】シリコーン膜部分、及びフォーム製アンダークッション部分を有する、クッションの代替例を示す。
【図33−23】シリコーン膜部分、及びフォーム製アンダークッション部分を有する、クッションの代替例を示す。
【図33−24】シリコーン膜部分、及びフォーム製アンダークッション部分を有する、クッションの代替例を示す。
【図33−25】シリコーン膜部分、及びフォーム製アンダークッション部分を有する、クッションの代替例を示す。
【図34−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図34−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図34−3】様々に形状を変更するクッションを示す概略図である。
【図34−4】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図34−5】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図34−6】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図34−7】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図34−8】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図34−9】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図34−10】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図35−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図35−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図35−3】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図36−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図36−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図37−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図37−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図38−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図38−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図38−3】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図38−4】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図39】本技術の一実施形態によるクッションを示す。
【図40−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図40−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図41−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図41−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図42−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図42−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図43−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図43−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図43−3】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図43−4】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図43−5】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図43−6】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図43−7】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図43−8】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図44−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図44−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図45】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図46−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図46−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図46−3】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図46−4】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図46−5】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図46−6】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図47】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図48−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図48−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図48−3】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図49】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図50】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図51−1】本技術の一実施形態による、クッションの形状変更の代替例を示す。
【図51−2】本技術の一実施形態による、クッションの形状変更の代替例を示す。
【図51−3】本技術の一実施形態による、クッションの形状変更の代替例を示す。
【図51−4】本技術の一実施形態による、クッションの形状変更の代替例を示す。
【図51−5】本技術の一実施形態による、クッションの形状変更の代替例を示す。
【図52−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図52−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図52−3】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図52−4】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図52−5】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図52−6】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図52−7】本技術の一実施形態による、クッション用のフレームを示す。
【図52−8】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図52−9】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図52−10】本技術の一実施形態による、クッションを補強する代替例を示す。
【図52−11】本技術の一実施形態による、クッションを補強する代替例を示す。
【図52−12】本技術の一実施形態による、クッションを補強する代替例を示す。
【図52−13】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図52−14】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図52−15】本技術の一実施形態による、クッション及び調節機構の図を示す。
【図52−16】本技術の一実施形態による、クッション及び調節機構の図を示す。
【図52−17】本技術の一実施形態による、クッション及び調節機構の図を示す。
【図52−18】本技術の一実施形態による、クッション及び調節機構の図を示す。
【図52−19】本技術の一実施形態による、クッション及び調節機構の図を示す。
【図52−20】本技術の一実施形態による、クッション及び調節機構の図を示す。
【図52−21】本技術の一実施形態による、クッション及び調節機構の図を示す。
【図52−22】本技術の一実施形態による、クッション及び調節機構の図を示す。
【図53】本技術の一実施形態による、クッション及び調節機構を示す。
【図54】本技術の一実施形態による骨組みの一部分の正面図を示す。
【図55】本技術の一実施形態による骨組みの一部分の等角図を示す。
【図56】本技術の一実施形態による骨組みの一部分の等角図を示す。
【図57】本技術の一実施形態によるマスクの一部分の等角図を示す。
【図58】本技術の一実施形態によるマスクの等角図を示す。
【図59】本技術の一実施形態によるマスクの骨組みの正面図を示す。
【図60】本技術の一実施形態による、マスクの断面図を示す。
【図61】本技術の一実施形態によるマスクの断面図の一部分を示す。
【図62】本技術の一実施形態によるマスクの一部分の分解等角図を示す。
【図63】本技術の一実施形態によるマスクの一部分を示す。
【図64】本技術の一実施形態によるマスクの正面等角図を示す。
【図65】本技術の一実施形態によるマスクの背面等角図を示す。
【図66】本技術の一実施形態によるマスクの背面図を示す。
【図67】本技術の一実施形態によるマスクの分解断面図を示す。
【図68】本技術の一実施形態によるマスクの断面図を示す。
【図69】本技術の一実施形態によるマスクの断面図の一部分を示す。
【図70】本技術の一実施形態によるマスクの一部分を示す。
【図71】本技術の一実施形態によるマスクの断面図を示す。
【図72】本技術の一実施形態によるマスクの断面図の一部分を示す。
【図73】本技術の一実施形態によるマスクの断面図の一部分を示す。
【図74】本技術の一実施形態によるピンチタイプの調節機構を示す。
【図75−1】使用時の図74のピンチタイプの調節機構の作動を示す。
【図75−2】使用時の図74のピンチタイプの調節機構の作動を示す。
【図76】本技術の別の実施形態による、ピンチタイプの調節機構を有するマスクを示す。
【図77】図76のピンチタイプの調節機構の概略図である。
【図78】本技術の一実施形態によるダイヤル式角度アジャスタを有するマスクを示す。
【図79】図78のアジャスタの一部分の斜視図である。
【図80】図78のアジャスタの概略図である。
【図81】図78のアジャスタの概略図である。
【図82】本技術の一実施形態による摺動タイプのアジャスタの概略図である。
【図82−1】本技術の一実施形態による摺動タイプのアジャスタの斜視図である。
【図83】本技術の一実施形態によるオーバセンタラッチ機構の概略図である。
【図84】本技術の一実施形態による、ラックアンドピニオンタイプの機構を有するマスクを示す。
【図85】図84のラックアンドピニオンタイプの機構の斜視図である。
【図86】本技術の別の実施形態によるラックアンドピニオンタイプの機構の図を示す。
【図87】本技術の別の実施形態によるラックアンドピニオンタイプの機構の図を示す。
【図88】本技術の別の実施形態によるラックアンドピニオンタイプの機構の図を示す。
【図89】本技術の別の実施形態による、ラックアンドピニオンタイプの機構を有するマスクの図を示す。
【図90】本技術の別の実施形態によるラックアンドピニオンタイプの機構の図を示す。
【図91】本技術の別の実施形態によるラックアンドピニオンタイプの機構の図を示す。
【図92】本技術の別の実施形態によるラックアンドピニオンタイプの機構の図を示す。
【図93】本技術の一実施形態による、クランク機構を有するマスクの概略図である。
【図94】本技術の一実施形態による調節機構の図を示す。
【図95】本技術の一実施形態による調節機構の図を示す。
【図96】本技術の一実施形態による調節機構を有するマスクを示す。
【図97】本技術の一実施形態による、摺動式アジャスタを有する調節機構を含むマスクの斜視図である。
【図98】本技術の別の実施形態による、摺動式アジャスタを有する調節機構を含むマスクの斜視図である。
【図99】本技術の一実施形態による、調節可能なサイドアームを有する調節機構を示す。
【図100】本技術の一実施形態による、調節可能なサイドアームを有する調節機構を示す。
【図101】本技術の別の実施形態による、調節可能なサイドアームを有する調節機構を示す。
【図102】本技術の一実施形態による、ヘッドギアコネクタを有する調節機構を示す。
【図103】本技術の一実施形態による、ヘッドギアコネクタを有する調節機構を示す。
【図104】本技術の一実施形態による、調節可能なサイドアームを有する調節機構を示す。
【図105】本技術の一実施形態による、調節可能なサイドアームを有する調節機構を示す。
【図106】クッションの代替実施形態を示す断面図である。
【図107】クッションの代替実施形態を示す断面図である。
【図108】クッションの代替実施形態を示す断面図である。
【図109】クッションの代替実施形態を示す断面図である。
【図110】クッションの代替実施形態を示す断面図である。
【図111】クッションの代替実施形態を示す断面図である。
【図112】クッションの代替実施形態を示す断面図である。
【図113】クッションの代替実施形態を示す断面図である。
【図114】クッションの代替実施形態を示す断面図である。
【図115】本技術の一実施形態による、一体化されたクッション及びフレームの正面図である。
【図116】本技術の一実施形態による、一体化されたクッション及びフレームの背面図である。
【図117】図115の一体化されたクッション及びフレームの断面図である。
【図118】図116の一体化されたクッション及びフレームの断面図である。
【図119】本技術の別の実施形態による、一体化されたクッション及びフレームの背面図である。
【図120】図119の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【図121】図119の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【図122】図119の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【図123】本技術の別の実施形態による、一体化されたクッション及びフレームの背面図である。
【図124】図123の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【図125】図123の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【図126】本技術の別の実施形態による、一体化されたクッション及びフレームの背面図である。
【図127】図126の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【図128】図126の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【図129】本技術の別の実施形態によるクッションの正面図である。
【図130】図129のクッションを通る断面図である。
【図131】図129のクッションを通る断面図である。
【図132】本技術の別の実施形態によるクッションの正面図である。
【図133】図132のクッションを通る断面図である。
【図134】図132のクッションを通る断面図である。
【図135】図132のクッションを通る断面図である。
【図136】本技術の別の実施形態による、一体化されたクッション及びフレームの正面図である。
【図137】図136の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【図138】図136の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【図139】図136の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【図140】図136の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【図141】図136の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下の説明は、共通の特徴及び特性を共有できる複数の実施形態に関連付けて行われる。任意の1つの実施形態の1つまたは複数の特性を、他の実施形態の1つまたは複数の特性と組み合わせることができると理解されたい。更に、実施形態のいずれかの任意の単一の特性または複数の特性の組み合わせにより、更なる実施形態を構成することができる。
【0039】
本明細書では、用語「備える(comprising)」はオープンな意味、すなわち「含む(including)」の意味であり、従って、クローズドな意味、すなわち「のみから構成される(consisting only of)」の意味に限定されないと理解すべきである。関連する用語「comprise」、「comprised」、及び「comprises」についても同様の解釈が為される。
【0040】
用語「空気(air)」は、呼吸に適したガス、例えば酸素を補給した空気を含むものとする。本明細書で説明するマスクシステムで使用するブロワを、空気以外の流体をポンプ輸送するように設計できることも認識されている。
【0041】
1.1 概要
本技術は、「フリーサイズ」の解決策、例えば、調節可能なフルフェイスマスク、調節可能な経鼻的マスク、またはフルフェイスマスクを経鼻的マスクに転用するマスク若しくはその逆に転用するマスク等、調節可能なマスクシステムを供給することを目的としたマスクシステムに関する。フリーサイズという用語は、人口の70〜80%を超える、好ましくは95%以上の人口に寸法合わせできる、単一のマスクシステムを指す。従来の多くのマスクシステムは、典型的には、人口の95%までをカバーするために、2、3、またはそれを越える数のサイズを必要とする。図示の実施形態では、マスクシステムは、2〜30cmH2Oの範囲の加圧空気が患者に供給されるCPAP療法で使用されるCPAPマスクシステムである。しかし、本技術の諸態様が他の適切なマスクシステムに応用可能な場合があることを理解されたい。
【0042】
フリーサイズのマスクが生み出す利益には、睡眠研究室用マスク並びに家庭用マスクが含まれる。例えば、睡眠研究室の場合は、マスクが調節可能であると、寸法合わせが単純化され、最初に患者のサイズを判定する必要がなくなり、選択が単純化される。更に、調節可能なマスクシステムが、口呼吸/漏出の問題を事実上克服する。例えば、患者がマスクを経鼻的マスクに調節しているがその患者は口呼吸することが分かった場合は、患者はマスクを調節してフルフェイスマスクにすることができる。また、調節可能なマスクシステムにより、単一の製品またはその製品の少ない数の部品しか保有する必要がないので在庫が減り、従って、在庫でふさがる設備(capital)の量が減り、且つ/または余分の在庫を保管するのに必要な空間が減る。
【0043】
耐久性のある医療器具(DME:durable medical equipment)または家庭用医療器具(HME:home medical equipment)の製造者に当てはめると、調節可能なマスクシステムにより、試着する最初のマスクの寸法が合う可能性があり、そのため、寸法合わせが単純化され、最初に患者のサイズを判定する必要がなくなり、選択が単純化される。フリーサイズのマスクシステムは、誤ったサイズを供給することが不可能なので、回収またはサイズ変更が減るはずである。更に、寸法合わせプロセスが単純化されると(好ましくは、1つのサイズしか利用できないと)、特に使用済みまたは汚れたマスクシステムを交換する必要があるときに、寸法合わせ及び注文が簡単なので、顧客忠誠度を高め、療法に対するコンプライアンスの可能性を増大させる助けをする。更に、フリーサイズのマスクシステムにより、数種の所定の固定サイズ(例えば、小、中、大等)のマスクシステムよりも、マスクサイズを調節して患者の顔の輪郭に寸法合わせする良好な選択肢が与えられる。更に、マスクシステムの調節機能により、例えばインサイチュ(in situ)で、漏出を事実上克服することができる。例示的な実施形態では、フリーサイズのマスクシステムは、構成要素(例えば、フレーム部、シール等)を互いに対して着脱する必要無しに調節可能であり、そのため、使用中に患者の顔の上でマスクシステムを簡単に調節することができる(例えば、使用中に漏出をなくすように調節可能なマスクシステム)。
【0044】
1.1.1 概略コンセプト
本技術の一実施形態によるマスクシステムは、シーリング部分、フレーム部分、調節可能な部分、機構、支持システム、及び空気送出システムのうちの一部または全てを備えることができる。
【0045】
シーリング部分
シーリング部分はインターフェースを備えることができ、そのインターフェースは、使用中に患者の気道に対してシールするようにマスクシステムに設けられる。シーリング部分を、概して可撓性の材料から形成することができる。シーリング部分を弾性とすることができる。シーリング部分を、例えば熱を加えることによって、選択的に成形可能である。シーリング部分は、ある機構によりシーリング部分の形状を第1の姿勢から第2の姿勢に変更できるように可撓性でよい。シーリング部分は、ある機構によりシーリング部分の外周の長さを第1の姿勢から第2の姿勢に変更できるように圧縮可能及び/または延伸可能でよい。あるいは、シーリング部分は、ある機構によりシーリング部分の外周の長さ及びシーリング部分の形状を第1の姿勢から第2の姿勢に変更できるように、可撓性、圧縮可能及び/または延伸可能でよい。シーリング部分を、フォーム、ゲル、シリコーン、熱可塑性エラストマー、または上記で説明した機能に適した他の任意の材料から形成することができる。シーリング部分は、伸張時はより可撓性が高く、圧縮時は可撓性が低くてよい。シーリング部分を、1つまたは複数の領域が異なるデュロメータ硬さ(durometer)を有する、1つまたは複数の材料から構成することができる。
【0046】
フレーム部分
フレーム部分は、シーリング部分の少なくとも一部分を支持または別法で形成するように適合された構造を備えることができる。一実施形態では、フレーム部分は鼻根部分を有することができ、その鼻根部分は、シーリング部分の鼻根部分の構造を支持及び維持するように適合されている。フレーム部分は更に頤部分を備えることができ、その頤部分は、シーリング部分の頤部分の構造を支持及び維持するように適合されている。フレーム部分を弾性とすることができる。フレーム部分はシーリング部分よりも堅くてよい。フレーム部分は更に、支持システムをシーリング部分に固定するアンカとして働くことができる。フレーム部分を、フォーム、ゲル、シリコーン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、金属、または上記で説明した機能に適した他の任意の材料から形成することができる。フレーム部分は、部分的に重なるセクション(例えば、入れ子式の構成)を含むことができ、従って、調節中に常にシーリング部分は支持される。
【0047】
調節可能な部分
調節可能な部分は実質的に可撓性の領域でよく、その領域は、調節部を機構からシーリング部分に移動させるように適合されている。調節部分は、シーリング部分と機構との中間にあってよい。一実施形態では、調節部分を、シーリング部分と一体形成することができる。調節部分はシーリング部分の一部分でよい。調節部分はフレームの一部分でよく、そのフレームは、調節部をその機構からシーリング部分に移動させる。調節部分は、その元々形成されていた形状に戻るように弾性でよく、マスクシステムの再使用を可能にすることができる。調節部分を、シリコーン、フォーム、ゲル、ナイロン、熱可塑性エラストマー、または上記で説明した機能に適切な他の任意の材料から形成することができる。
【0048】
機構
その形状を機械式に調節または変更するように、マスクシステムにある機構を設けることができ、それにより、シーリング部分の形状またはサイズが変更される。その機構を、フレーム、調節部分、またはシーリング部分に連結することができる。その機構は、少なくとも第1の位置から第2の位置に、且つ第2の位置から第1の位置に選択的に移動可能な部品を備えることができる。その部品は、歯車、ピボット、クランク、カム、ラチェット、または他の任意の機構によって移動可能であってよい。その部品は、人間または機械によって選択的に移動可能であってよく、すなわち、入力によって制御されるか、または自動的に移動可能であってよい。例えば、その部品は、片手の操作(例えば、ダイヤル、ピンチ機構等)によって選択的に移動可能でもよく、モータによって移動可能でもよい。
【0049】
支持システム
使用時にマスクシステムを適切な姿勢に支持し且つ/または安定させるように、マスクシステムに支持システムを設けることもできる。支持システムはストラップを備えることができ、そのストラップは、患者の頭の後ろ及び横に係合し、マスクシステムと連結するかまたは一体形成される。
【0050】
空気送出システム
マスクシステムに空気送出システムを連結することができ、その空気送出システムはエルボ及びチューブを含む。そのエルボを、マスクシステムとチューブとの間に配置することができる。チューブは、呼吸に適したガスをCPAP装置からエルボ、従ってマスクシステム及び患者に送出することができる。
【0051】
1.1.1.2 形状変更
シーリング部分の形状変更は、シーリング部分の輪郭または外形が機構の姿勢に応じて変更または適合できることを意味する。概して、シーリング部分は、実質的に一定の外周長さを有する。シーリング部分の材料は、収縮または延伸しないように十分に堅くてよく、むしろ、調節部分及び機構が必要とするような代替の構成になる。
【0052】
1.1.1.3圧縮/延伸
シーリング部分の圧縮または延伸は、シーリング部分の輪郭または外形が機構の姿勢に応じて変更または適合されることを意味する。シーリング部分により、外周長さが変更されてもよい。シーリング部分の材料は、シーリング部分の輪郭を変更できるように可撓性、弾性、及び/または圧縮可能であってよい。
【0053】
1.2 人体測定によるデータ
マスク製品設計(例えば、ResMedのMirage Quattro(登録商標)マスクまたはMirage Micro(登録商標)マスク)で行われた分析を調べると、顔の長さ(face height)と他の主な人体測定による測定値(例えば、口の幅、鼻の幅、鼻孔サイズ等)との間にはあまり相関関係がないことが分かっている。従って、少なくともMirage Quattro(登録商標)マスクシステムサイズ全体で変動する人体測定による一変数は、顔の長さ、例えば、鼻根領域から頤領域にわたる距離の測定値である。鼻根及び頤領域のクッションの設計は、全てのサイズにわたって概して一定である。従って、本技術は、一例では、必要な範囲にわたって顔面高さ(facial height)を調節することができ、具体的には鼻及び頬の側部において並びに鼻根及び頤領域にわたって、現行の製品と同じシール性能を有するフルフェイスマスクを対象としている。更なる例では、本技術の一態様は、経鼻的マスクからフルフェイスマスクに調節可能であり、その逆にも調節可能であり、鼻根を覆って、鼻の側部上で、頬に沿って、頤を覆って、更に唇上部領域を覆ってシールできるマスクを対象としている。追加の一例では、本技術の一態様は、長さ方向に調節可能であり、具体的には鼻根、鼻の側部、及び唇上部領域において、現行の製品と同じシール性能を有する経鼻的マスクを対象としている。追加の一例では、本技術の一態様は、患者の口を覆ってシールするために長さ方向に調節可能な口用シールを対象としている。
【0054】
1.3 シーリングの配列(Sealing Topology)
顔面高さの調節を必要とする範囲は、意図するシーリングの分布、及び意図するシール分布内である範囲の位置にわたってシールするシール設計の能力に左右される。
【0055】
底部(例えば、頤)のシーリング位置に関して図1に示すように、フルフェイスクッションのうちの口の下方部分の例示的なあるシーリング位置5は、下唇と頤との間の(口唇下の点を横切る)溝にある。経鼻的マスクの場合は、底部シーリング位置5.1は着用者の上唇になる。フルフェイスマスク及び経鼻的マスクの両方の場合に、上部(例えば、鼻根)シーリング位置では、最小位置10.1から最大位置10.2に及ぶ範囲Rのシーリング位置がある。クッションの最小シーリング配列は、骨の上方から鼻軟骨関節に位置すべきである。これは、過度の圧力が(シールから)軟らかい鼻軟骨に加えられる場合に、鼻孔が閉塞し、従って、鼻の抵抗が上昇し、治療の効果が低減する恐れがあるからである。代替の実施形態では、クッションは、鼻孔の閉塞を防止するために軟骨上への力が最小限である限り、鼻軟骨上をシールすることができる。
【0056】
鼻根を覆うシールに関する最大のシーリング配列は、システムの知覚される目障りの許容できるレベルである。クッションが患者の視野を邪魔するほど、その製品は物理的に目障りになる。更に、許容できる快適レベルを維持するには、シールは患者の目の上に突出すべきではない。
【0057】
例示的な顔の輪郭を図1A及び図1Bに示す。図1Aでは、矢印で示すように顔は実質的に平坦である。図1Bでは、やはり矢印で示すように顔は円形であるかまたは湾曲している。本技術の更なる実施形態では、マスクシステムを、円形の顔並びに平坦な顔を収容するように横方向に調節可能とすることができる。以下に説明する方法と同様にしてこれを実現することができるが、調節機構は、クッションの形状及び/またはサイズを垂直方向に修正する代わりに、クッションの形状及び/またはサイズを水平方向に修正することができる。
【0058】
1.4 様々な鼻根形状に対するシール機能
マスクシステムは、上記に示したように最小鼻根領域10.1と最大鼻根領域10.2との間のどこかをシールすべきである。従って、そのシールは、その領域にわたる鼻根の形状の変化に適合することができる。例えば、鼻根の高さは患者によって異なることがある。シールを、最も高い鼻根並びに最も低い鼻根上でシール可能にすることができる。
【0059】
1.4.1 寸法/サイズの調節
マスクシステムの形状及び/または1つ若しくは複数の寸法、例えば、高さ、幅、奥行き等を、様々な顔の分布、具体的には、高さまたは顔の輪郭(曲率)を有するある範囲の患者をカバーするように調節することができる。フルフェイスマスクの一例では、マスクシステムの高さを、約5から約75mmの間、例えば、少なくとも10mm、または約25から約35mmの間、または約30から約40mmの間の範囲にわたって可変とすることができる。好ましくは、マスクシステムの高さを約5から25mm調節することができる。好ましくは、マスクシステムの高さを約10から20mm調節することができる。最も好ましくは、マスクシステムの高さを約12から18mm調節することができる。最も好ましくは、マスクシステムの高さを約16mm調節することができる。最も好ましくは、マスクシステムの高さを約12mm調節することができる。
【0060】
概して、図2に示すように、マスクは一例では、比較的長い顔または最も長い顔の場合は、上記で区別した最小鼻根シーリング位置10.1の近くをシールするように、比較的小さい顔または最も小さい顔の場合は、上記で区別した最大の鼻根シーリング位置10.2をシールするように設計されている。図2Aに、上唇シーリング位置5.1及び鼻根シーリング位置10.1に沿ってシールするように設計された経鼻的マスクに関する一例を示す。
【0061】
2.1 第1の実施形態
図3−1は、本技術の一例による調節可能なマスクシステム100の斜視図である。図3−2から図3−6にマスクシステム100の追加の図を示す。そのマスクシステムは、例えば、上側フレーム部分112及び下側フレーム部分114を含むフレーム110と、少なくとも1つの中間部材または調節可能な部分116、例えば、上側フレーム部分と下側フレーム部分との間を延びる調節可能な領域またはガセットと、中間部材及びフレームに設けられたクッションまたはシーリング部分118と、フレームに(例えば、フレームの開口を介して)接続されるかまたは別法で設けられた(スイベルで示す)エルボ120とを含む。クッション、具体的には、クッションのシール130のサイズを変更する機構125が設けられる。その機構は、アクチュエータ134(例えば、ダイヤル、レバー、スイッチ等)を含むことができる。
【0062】
2.2 フレーム
図4に示すように、フレーム110はクッションの構造を支持する働きをする。図5−1から図5−5に上側フレーム112の追加の図を示す。フレーム110はまた、静的な上側及び下側のシール位置にクッションの形状を、例えば、フルフェイスマスクの場合は頤及び鼻根領域を維持する。フレーム110は更に、例えば、下側フレーム114のうちの開口135が設けられる位置に、硬質、半硬質、または別法で閉塞不能なエルボ連結点を設ける。フレーム、すなわち上側及び下側フレームはそれぞれ、マスクシステムを適切なヘッドギアと接続するヘッドギア連結点または支持システム連結点を1つまたは複数含むことができる。その適切なヘッドギアは、例えば、フルフェイスマスクの場合は、4若しくは5のストラップ装置、経鼻的マスクの場合は、2若しくは3のストラップ装置であり、あるいは(例えば、鼻用からフルフェイス用に)転用可能なマスクの場合は、調節可能な領域若しくはガセットまたは調節可能な部分の拡張部分を、追加の(上側または下側の)組の連結点を露出するように配置することもできる。フレーム(1つまたは複数)を、ポリカーボネート、ポリプロピレン、またはポリウレタン等、成型プラスチック、金属等の堅い材料から作製することができる。
【0063】
フレーム(1つまたは複数)を、(実質的な機能が維持される限り)「クッションクリップ」または他の任意の構成要素に一体化することができる。
【0064】
フレームを、シーリング部分に締まり嵌めによって連結することができる。フレームを、シーリング部分及び調節部分と一体形成することができる。フレームは、機構のインターフェースとなることができる。
【0065】
2.3 機構
好ましくは、機構125は、機構によって調節したマスクシステムの姿勢が確実に維持できるように堅い材料から構築される(すなわち、姿勢によっては、マスクシステムから加えられる何らかの力または抵抗がある可能性があり、機構がその力または抵抗を克服する必要がある)。
【0066】
好ましくは、機構125は、機構の、従ってマスクシステムの、耐用年数を保証するためにクリープが小さい材料から構築される。
【0067】
その機構の構成要素(例えば、ラック及び歯車)を、使用時に構成要素がきしむ可能性を低減するために異なる材料から構築することができる。
【0068】
2.3.1 ラックアンドピニオン
マスクシステム100は、図6−1から図6−6にサブアセンブリとして分離して示した機構125を含む。一例では、その機構は、フレームに設けられたラックアンドピニオン式機構の形態をとる。そのラックアンドピニオン式機構は、直線の列の歯車の歯145を有するラック140と、ラックの歯145と相互作用する歯155を有する回転歯車150とを含む。
【0069】
図6−6に最良に示すように、ラック140は、ラックアンドピニオン式機構によって上側フレーム部分112と下側フレーム部分114との間を相対移動するように、上側フレーム112要素に連結されるかまたは別法で設けられる。ラック140は、歯車150及びエルボ開口135の周りに寸法が合い、そのため、最大の移動を可能にするように設計されている。最大の移動は、機構が上側または下側フレーム部分の端部に位置する場合に可能である。
【0070】
ラック140上の歯145は、滑らかな高さ調節を行うことができるか、またはより不連続若しくは段階的な調節を行うように設計することができる。使用中の意図しない高さ変更を防止するために、歯を自動でロックするように設計することができる。歯を、歯車による調節のレベルを変えるように調整するためにサイズ設定及び間隔設定することができる。例えば、図19−1に、回転歯車150及びラック140を示す。そこでは、より細かく調節するように、それぞれの歯155、145がより小さく、歯同士の間隔がより狭い。あるいは、図19−2に、回転歯車150及びラック140を示す。そこでは、より大雑把にまたは粗く調節するようにそれぞれの歯155、145はより大きく、歯同士の間隔がより広い。
【0071】
ラック140を、成型プラスチック(ポリカーボネートまたはポリプロピレン等)、金属等、堅い材料から作製することができる。ラック140を、上側フレーム部分に組み込むことができ、従って、上側フレーム部分と同じ材料から作製することができる。ラック140を、ラックアンドピニオン式機構との永久アセンブリとして作製することができ、従って、このサブアセンブリと同じまたは異なる材料から作製することができる。図7−1から図7−5に分離したラック140の図を示す。
【0072】
2.3.2 歯車
歯車150はこの例ではエルボ120と同軸に配置されて、システムのサイズが最小限に抑えられ、使用し易い大型のダイヤルが可能になり、調節可能範囲が最大になる。歯車及びエルボは、共通の軸A(図6−5)を中心に別々に回転することができる。しかし、歯車及び調節機構を、概して、他の位置、例えば、マスクフレーム、シュラウド等に配置することができる。図8−1から図8−3に示すように、歯車を、シリンダ150.1として形成することができ、歯155は、シリンダの幅及び円周の少なくとも一部分にわたって形成される。
【0073】
歯車150を、(ポリカーボネートまたはポリプロピレン等の)成型プラスチック、金属等、堅い材料から作製することができる。歯車150を、ラックアンドピニオン式のシステムを有する永久アセンブリとして作製することができ、従って、このサブアセンブリと同じまたは異なる材料から作製することができる。
【0074】
2.3.3調節機構用の支持装置
図6−4及び図9−1から図9−6に示すように、調節機構125を、支持装置160によってフレームに対して支持することができる。支持装置は、内側シュラウド165及び/または外側シュラウド170を含むことができる。図9−1から図9−6に、様々な構成要素を加えるときの順序を示す。図9−6に、図9−4のフレーム及び調節機構サブアセンブリの、図9−5のクッション及び中間部材サブアセンブリとの組み立てを示す。
【0075】
内側シュラウド165(図9−1)は、下側フレーム114を備える。内側シュラウド165は、エルボ120用の開口135の周りに配置される歯車要素150の配置を助けるように働く。具体的には、内側シュラウド165は、歯車要素150の背面の壁を位置合わせし、歯車要素150の軸方向の移動を制限することによって、歯車要素150を配置する。内側シュラウド165はまた、確実にしっかりと歯車150とのインターフェースになるようにラック140を配置するのを助ける。例えば、内側シュラウド165は、一体化した垂直ガイドまたはレール175を1つまたは複数含むことができ、そのレール175は、ラック140を受容し、ラック140の横方向の移動を制限するように設計されている。好ましくは、ガイドまたはレール175はロック機構を有し、そのロック機構は、ラック140のアーム140.1がレールを越えて延びることを防止し、従って、システムを分解するのを防止する。例えば、図20−1に、アームのための移動ストップとして働く、各アーム140.1の自由端に設けられたロック特徴部または突起部140.2を示す。図20−2に示すように、ラックのアーム140.1が最高点に達すると、各アーム140.1のロック特徴部140.2は、それぞれのガイド175に係合またはそれを捕捉し、アーム140.1が更に移動しシステムを分解するのを防止する。
【0076】
内側シュラウド165は、(ポリカーボネートまたはポリプロピレン等の)成型プラスチック、金属等、堅い材料から作製することもできる。図10−1から図10−5に、分離した内側シュラウドを示す。
【0077】
内側シュラウド165を、下側フレーム部分114に組み込み、従って、下側フレーム部分114と同じ材料から作製することができる。あるいは、内側シュラウド165を、ラックアンドピニオン式機構を有する永久アセンブリとして作製し、従って、このサブアセンブリと同じまたは異なる材料から作製することができる。しかし、互いに対して移動する各要素ごとに異なる材料を選択すると、きしみ等のリスクを低減できることに留意されたい。
【0078】
外側シュラウド170(図11−1から図11−5に分離して示す)は、エルボ開口135の周りに歯車150を配置するのを助けるように機能する。具体的には、外側シュラウド170は丸い開口を含み、その丸い開口により、歯車150をエルボ開口135と同軸に配置し歯車150の横方向の移動を制限する。更に、外側シュラウド170は、歯車150の正面の壁を位置合わせし、歯車150の軸方向の移動を制限することによって、歯車150を配置する。外側シュラウド170はまた、確実にしっかりと歯車150とのインターフェースになるようにラック140を配置するのを助ける。外側シュラウド170は、ロック特徴部(例えば、可撓性のアーム185上の隆起特徴部180)を1つまたは複数有することができ、そのロック特徴部により、意図しないダイヤルの回転が防止される。これは他の構造を用いて実施することができるが、好ましくは、システムは、ヘッドギア、治療圧力、または顔からの反力等の外力または不意の力が加えられるときに移動すべきではない。
【0079】
例えば、図21−1及び図21−2にロック特徴部300を示し、そのロック特徴部300は、係合位置と係合解除位置との間で摺動可能である。係合解除位置では、図21−1に示すように、ロック特徴部300の端部分302は、歯車150の歯155から係合解除されて、歯車150の回転が可能になる。係合位置では、図21−2に示すように、ロック特徴部300の端部分302は、歯車150の歯155と係合して、歯車150の意図しない回転が防止される。ロック特徴部300は、ばね荷重式であり、図21−1に矢印で示す押しボタン304によって係合位置/係合解除位置間を手動で移動可能とすることができる。
【0080】
図22に示す別の例では、ロック特徴部310を、各ガイド175の一部分として一体化(例えば、モールド成形)し、係合位置と係合解除位置との間を移動可能にすることができる。係合位置では、図22に示すように、ロック特徴部310により突起部312が設けられ、その突起部312は、それぞれのアーム140.1の歯145と係合してアームの移動を防止するように適合されている。係合解除位置では(図示せず)、突起部312は、それぞれのアーム140.1の歯145から係合解除されて、アームの移動が可能になる。ロック特徴部310は、図22に矢印で示す押しボタン314によって係合位置/係合解除位置間を手動で移動可能とすることができる。
【0081】
外側シュラウド170を、(ポリカーボネートまたはポリプロピレン等の)成型プラスチック、金属等、堅い材料から作製することができる。外側シュラウド170を、内側シュラウド165に組み込むことができ、従って、内側シュラウド165と同じ材料から作製することができる。外側シュラウド170を、ラックアンドピニオン式機構を有する永久アセンブリとして作製でき、従って、このサブアセンブリと同じまたは異なる材料から作製することができる。
【0082】
2.3.4 アクチュエータ
調節機構は、図3−1及び図6−1から図6−5に最良に示されるように、アクチュエータ134を使用して移動を開始することができる。例えば、アクチュエータは、歯車150に接続されたダイヤル190の形態をとることができる。ダイヤル190が回転すると歯車150が回転する。この回転移動が、ラック140によって歯車の相互作用として垂直移動に変換される。ダイヤル190は、エルボ開口135の周りに配置されるが、簡単にアクセス可能であるように十分に大きく、従って、患者がマスクを使用しながら調節することができる。マスクシステムを本来の姿勢で着用している間にダイヤル190を操作することができる。図12−1から図12−5に分離したダイヤル190の図を示す。
【0083】
ダイヤル190は、回転可能な要素であることを明確に示す視覚的なデザインの印(例えば、矢印195)を1つまたは複数含むことができる。ダイヤル190は、1つまたは複数のロック特徴部、例えば、1つまたは複数の凹所200を有することができ、その凹所200は、外側シュラウド170上の隆起部180と噛み合い、そのため、意図しないダイヤルの回転が防止される。例えば、ダイヤル190の裏面210(外側シュラウド170に接触または直面する方の面)は、凹所200を有することができ、その凹所200により、可撓性のアーム(1つまたは複数)185の隆起部180が固定される。隆起部を越えると、可撓性のアーム180は、元の位置に弾性的に戻り、ダイヤルが回転して戻るのが防止される。ユーザは、ダイヤルを強制的にもう一方に戻し、すなわち、同じ隆起部を可撓性のアームを越えて押しやるように、反対方向に力を加えなければならなくなる。
【0084】
ダイヤル190を、(ポリカーボネートまたはポリプロピレン等の)成型プラスチック、金属等、堅い材料から作製することができる。ダイヤルを、歯車要素に組み込むことができ、従って、歯車要素と同じ材料から作製する。ダイヤルを、ラックアンドピニオン式システムとの永久アセンブリとして作製し、従って、このサブアセンブリと同じまたは異なる材料から作製することができる。ダイヤルを、柔らかな感触の特徴部でオーバーモールドして、見た目、使い易さ、及び直観性を改善することができる。
【0085】
ダイヤル190は、把持し易くする追加の特徴部、例えば、モールド成形された把持領域、荒面領域、タブ、または他の要素を有することができる。
【0086】
2.3.5 機構の代替形態
ラックアンドピニオン式機構を上記で考察してきたが、その機構は、クッション/シール、例えば、摺動機構、レバー、カム等のサイズ、寸法、及び/または形状の調節を行うために使用することができる多数の他のデバイスの代替案の一つに過ぎない。更に、調節機構に形状/サイズを変更させるアクチュエータ134をダイヤル190として説明しているが、他の形態も可能である。更に、アクチュエータ自体がなくても調節機構を使用してマスクシステムを調節することが可能である。
【0087】
図23−1及び図23−2にウォーム歯車機構を示す。そのウォーム歯車機構を使用して、クッションシールの寸法または形状を調節することができる。図示のように、ガイド175は、それぞれのウォーム歯車320を支持するように構成され、ウォーム歯車320はそれぞれ歯322を含み、その歯322は、それぞれのアーム140.1の歯145と係合するように適合されている。使用時には、ウォーム歯車320の回転は、それぞれのアーム140.1の垂直移動に変換される。
【0088】
図24−1及び図24−2に摺動機構を示し、その摺動機構は、クッションシールの寸法または形状を調節するために使用することができる。図22の実施形態と同様に、突起部332を含むロック特徴部330が、各ガイド175に(例えば、ガイドから独立してまたはガイドの一部分としてモールド成形して)設けられ、係合位置と係合解除位置との間を移動可能である。係合位置では、図24−1及び図24−2に示すように、突起部332はそれぞれのアーム140.1の歯145と係合して、アームの移動が防止される。係合解除位置では(図示せず)、突起部332は、それぞれのアーム140.1の歯145から係合解除されて、アーム140.1が垂直に摺動できる。ロック特徴部330を、図24−1及び図24−2に矢印で示す押しボタン334によって係合位置/係合解除位置間を手動で移動可能とすることができる。
【0089】
ピンチ
図74、図75−1、及び図75−2にピンチタイプの機構5510を示す。そのピンチタイプの機構5510は、スライダ5530の両側に可撓性のアーム部材5520を含み、スライダ5530はその両側に沿って歯車の歯を有する。係合解除位置では、図74に示すように、可撓性のアーム部材5520は、スライダ5530から係合解除されている。図75−1に示すようにアーム部材5520を互いに向かって挟むときに、アーム部材5520はそのベース5526を中心に枢動し、可撓性の各アーム部材の端部分5522がスライダ5530のそれぞれの歯と係合することが可能になる。アーム部材5520を互いに向かって更に移動させると、(可撓性のヒンジ5523を中心に)端部分が枢動し、それにより、アーム部材がスライダを押しやり、その位置を調節する。解放時には、端部分5522は、伸縮性のある部材5524の付勢によって図74の位置に弾性的に戻り、アーム部材は、ベース5526に対してその開始位置に弾性的に戻る。
【0090】
図76及び図77に別のピンチタイプ機構5610を示す。この実施形態では、その機構は、スライダ5630を一方の方向に移動させる第1組のアーム部材5620(1)と、スライダ5630をその反対方向に移動させる第2組のアーム部材5620(2)とを含む。アーム部材はそれぞれ、タブ5622と、タブとスライダとの間のアーム5624とを含む。使用時には、選択したタブ5620(1)または5620(2)を互いに向かって挟み、タブの可撓性により、アームをスライダのそれぞれの歯に押し込み、それにより、スライダの位置を(すなわち、図76及び図77に見られるように垂直方向に上下に)調節する。解放時には、アーム部材は、アームがスライダの歯から係合解除されたその開始位置(例えば、図77)に弾性的に戻る。図76にマスクに設けられた機構を示し、そこでは、アーム部材5620(1)、5620(2)及びそのベースが、下側フレーム部分5602に設けられ、スライダ5630が上側フレーム部分5604に設けられている。
【0091】
ダイヤル式角度アジャスタ
図78に、本技術の別の実施形態によるマスクに設けられた調節機構5710を示す。この実施形態では、その機構は、上側フレーム部分5702に設けられた第1の部分5720と、下側フレーム部分5704に設けられた第2の部分5730とを含む。第1の部分5720及び第2の部分5730は、ヒンジ部分5725によって互いに接続されており、そのヒンジ部分5725によって第1の部分が第2の部分に対して回転できるようになる。第2の部分に対して第1の部分の角度調節を行うために、アクチュエータまたはダイヤル5740が設けられている。図79から図81に概略的に示すように、ダイヤル5740は歯5742を含み、その歯5742は、第1の部分5720に設けられた歯5727とねじ係合するように構成されている。使用時には、ダイヤル5740を回転させて、第2の部分に対する第1の部分の姿勢を調節することができる。
【0092】
代替の実施形態では、図82及び図82−1に示すように、第1の部分5720及び第2の部分5730を、互いに対して摺動するように構成することができる。例えば、第2の部分5730は凹所5732を含み、その凹所5732は、第1の部分5720に設けられた従動部5722を受容するように適合されている。
【0093】
オーバセンタラッチ
図83に、例えば、スキーブーツのような、オーバセンタラッチを含む調節機構を示す。図示のように、その機構は、上側フレーム部分に設けられた第1の部分5820と、下側フレーム部分に設けられた第2の部分5830とを含む。第2の部分は一連の歯5832を含み、第1の部分はラッチ5822を含む。そのラッチ5822は、第2の部分に対する第1の部分の位置を調節するように歯のうちの1つと選択的に係合可能である。
【0094】
垂直ダイヤル調節
図84及び図85に、例えば図3−1に示すのと同様のラックアンドピニオンタイプの機構5910を示す。図示のように、ダイヤル5920は回転軸を有し、その回転軸は、使用時に水平に且つ患者の顔に垂直に延びる。この実施形態では、ラックをカバーするようにシュラウド5915が設けられる。更に、一実施形態では、図85に示すように、ダイヤル5920は歯車5922を含むことができ、その歯車5922は、ダイヤル上の2つの歯車5924と相互作用し、各歯車5924は、ラック5940の直線の歯車の歯5942と係合している。
【0095】
代替の実施形態では、図86から図88に示すように、ラックアンドピニオンタイプの機構6010のダイヤル6020を、回転軸が使用時に水平且つ患者の顔の面に平行になるように配置することができる。図示のように、ラック6040は上側フレーム部分6002に設けられ、ダイヤル6020は下側フレーム部分6004に設けられる。図88に示すように、ダイヤル6020は歯車6022を含み、その歯車6022は、ラック6040の直線の歯車の歯6042と相互作用する。図86及び図87に、延長した位置及び後退した位置の機構を示す。
【0096】
図89に示すように、機構6010は、2つのダイヤル6020(1)、6020(2)を含むことができ、ダイヤル6020(1)、6020(2)はそれぞれ、ラック6040の直線の歯車の歯に対して相互作用するように構成された歯車を有する。図86から図88の実施形態と同様に、ダイヤルはそれぞれ、使用時に水平且つ患者の顔の面に平行な回転軸を含む。
【0097】
別の代替実施形態では、図90から図92に示すように、調節機構のダイヤルを、その回転軸が使用時に垂直且つ患者の顔の面に平行になるように配置することができる。図示のように、上側フレーム部分6102はダイヤル6120を支持し、下側フレーム部分6104はねじ山開口6140を含み、そのねじ山開口6140は、ダイヤル6120に設けられたねじ山シャフト6122とねじ係合するように適合されている。使用時には、ダイヤルが回転すると、ねじ山シャフト6122がねじ山開口6140の内外に移動し、それにより、下側フレーム部分6104に対する上側フレーム部分6102の位置が調節される。図90及び図91に後退した位置及び延長した位置の機構を示す。
【0098】
外周クランク
図93に示すように、マスクの外周にクランク6210を設けることができる。そのクランクは、(例えば、ポリマー材料及び/または金属材料等から構築された)コード6220と係合しており、そのコード6220は、マスクの外周の少なくとも一部分に沿って(例えば、外周全体に沿って)延在する。クランク軸6215が、コード6220と係合しており、そのため、マスクの形状を変更するように、クランクが軸6515を中心に選択的にコード6220を巻くことが可能になる。
【0099】
引き出し、押し込み
図94及び図95に、上側フレーム部分6302に設けられる第1の部分6320と、下側フレーム部分6304に設けられる第2の部分6330とを含む調節機構を示す。第1の部分6320及び第2の部分6330は、第2の部分に対して第1の部分の位置を調節するピン及び孔の仕組みによって互いに接続されている。図示の実施形態では、第2の部分6330は1対のアーム6332を含み、各アーム6332がピンまたはボタン(図示せず)を含み、第1の部分6320は一対のアーム6322を含み、各アーム6322が一連の孔6324を含む。ピンを、選択した孔と解放可能に係合(例えば、野球帽のように押込み嵌め)させて、第1の部分と第2の部分との相対位置を調節することができる。ピン/孔の配置を逆にできることを理解されたい。
【0100】
別の実施形態では、図96に示すように、上側フレーム部分6402はピン6420を含むことができ、下側フレーム部分6404はスライダ部分6430を含むことができ、そのスライダ部分6430は、連結された一連の開口部6432を有する。ピン6420を、スライダ部分6430の開口部6432のうちの選択した1つの開口部と解放可能に係合させて、上側フレーム部分6402と下側フレーム部分6404との相対位置を調節することができる。
【0101】
サイドスライダ
図97及び図98に調節コード6520及びスライダ6530を含む調節機構を示す。その調節コード6520は、上側フレーム部分6502及び下側フレーム部分6504と関連しており、そのスライダ6530は、調節コードに沿って水平に移動可能であり、上側フレーム部分6502と下側フレーム部分6504との相対位置を調節する(例えば、ジッパのように、上側フレーム部分と下側フレーム部分を一緒に引く)ようになっている。その機構は、スライダがマスクの中心から外周に向かって移動すると上側フレーム部分と下側フレーム部分とが互いに向かって引かれるように配置することもでき(図97)、スライダがマスクの外周からその中心に移動すると上側フレーム部分と下側フレーム部分とが互いに向かって引かれるように配置することもできる(図98)。
【0102】
サイドアーム
図99及び図100に、上側フレーム部分に設けられる第1の部分6620と、下側フレーム部分に設けられる第2の部分6630とを含む調節機構を示す。第1の部分6620及び第2の部分6630は、サイドアーム6625によって互いに接続されており、各サイドアーム6625は、第1の部分と第2の部分との間の相対移動を可能にするヒンジ部分を含む。第1の部分及び第2の部分を互いに対して固定する固定装置が、第1の部分と第2の部分との間に設けられる。図示のように、第2の部分6630はピン6632を有するアームを含み、第1の部分6620は連結された一連の開口部6622を有するアームを含む。ピン6632を、開口部6622のうちの選択した1つの開口部と解放可能に係合させて、サイドアーム6625を枢動させ、第1の部分と第2の部分との相対位置を調節することができる。
【0103】
代替の実施形態では、図101に示すように、固定装置は、互いに独立にアームを調節できるように、アーム間を延びることができる。この実施形態では、アーム6625はそれぞれ、ピン(図示せず)を含み、そのピンを、アーム6635の各端部に設けられた開口部6622のうちの選択した1つの開口部と解放可能に係合させて、第1の部分と第2の部分との相対位置を調節する。
【0104】
ヘッドギアコネクタ機構
図102及び図103に、上側フレーム部分6702に設けられた第1の部分6720と、下側フレーム部分6704に設けられた第2の部分6730とを含む調節機構を示す。第1の部分6720は、上側ヘッドギアストラップ6752に係合するように適合された上側ヘッドギアコネクタ6722を設け、第2の部分6730は、下側ヘッドギアストラップ6754に係合するように適合された下側ヘッドギアコネクタ6732を設ける。図103に示すように、第1及び第2の部分は、それぞれのコネクタ部分6725、6735を含み、コネクタ部分6725、6735は、第1の部分と第2の部分との相対位置を調節するように摺動可能に互いに係合可能である(例えば、入れ子式の構成)。
【0105】
互いに形状変更しスキッシュする機構(Shape Change Squish Together Mechanism)
図104及び図105に、上側フレーム部分に設けられた第1の部分6820と、下側フレーム部分に設けられた第2の部分6830とを含む調節機構を示す。第1の部分6820は、上側ヘッドギアストラップに係合するように適合された上側ヘッドギアコネクタ6822を設け、第2の部分6830は、下側ヘッドギアストラップに係合するように適合された下側ヘッドギアコネクタ6832を設ける。第1の部分6820及び第2の部分6830は、サイドアーム6825によって互いに接続されている。アームはそれぞれ、第1の部分6820の支持アーム6824に枢動式に配設された第1の端部6825(1)と、第2の部分6830の支持アーム6834に枢動式に配設された第2の端部6825(2)と、第1の端部と第2の端部との間の可撓性部材6825(3)とを含む。枢動式に配設された端部及び可撓性部材により、第1及び第2の部分が互いに対して移動し、次いで、解放可能に適位置に固定されることが可能になる。
【0106】
2.3.6 モジュール式マスクシステム
別の可能性は、モジュール式システム220(図13)を提供することであり、そのシステム220では、上側フレーム部分225及び下側フレーム部分230が、上側シール部材235及び下側シール部材240をそれぞれ備え、それらのシール部材235、240は、それぞれのフレーム部分に設けられるかまたは別法で貼付され、例えば、共成形される。小柄の着用者用の経鼻的マスクまたはフルフェイスマスクを形成する、例えば、パズルのピース、または差込みタイプの取付け具、磁石等のような相補的なリンク要素240、245によって、シール部分と合体したフレーム部分を互いに直接連結して、シールの継ぎ目ができるだけ滑らかで連続し途切れないように、隣接するシール部分を互いに密接して維持することができる。
【0107】
マスクのサイズを大きくする必要がある場合は、着用者は、上側及び下側フレーム/シール部分を着脱し、中間アダプタ部材250.1、250.2、250.3を上側フレーム/シール部分と下側フレーム/シール部分との間に挿入することができる。好ましくは、中間アダプタは相補的なリンク要素240、245を有し、それらのリンク要素240、245は、上側及び下側フレーム/シール部分に対して一方向にしか寸法合わせすることができない。全範囲の異なるサイズ及び形状をカバーする複数の中間アダプタを設けることができる。アダプタはそれぞれ、異なる高さを有し、そのようなアダプタ部材の形状及び角度は、上側フレーム/シール部分と下側フレーム/シール部分との間の滑らかな移行を可能にするように変更することができる。
【0108】
上記では、フレーム部分225、230及び中間アダプタ部材250.1,250.2,250.3は、シール部分をそれぞれ含むことができる。しかし、アダプタ部材のうちの1つ及びフレーム部分225、230をカバーする単一の1ピースのシール252を設けることも可能である。シール252は、フレーム部分225をカバーするのに適切な最初の圧縮姿勢を有することになるが、同様にアダプタ部材のうちのいずれかをもカバーするために延伸可能または延長可能になる。シールは、フレーム部分、及び任意選択でアダプタ部材を受容する延長可能なチャネル252.1を形成することもできる(図13の断面図である図13−1参照)。例えば、フォーム、TPE、シリコーン、複合材等から作製されたシールの天然の可撓性により、シールがフレーム部分及びアダプタ部材上に保持される。
【0109】
2.3.7 アダプタ(1つまたは複数)を有する順応可能なシール
別の例では、フレーム110は、シールのサイズ及び/または形状の可変性を可能にする2ピースを必要としない。例えば、シールを、例えば、フォーム製シールの形態のシールを、単一ピースのフレームに接続または別法で設けることができる。シール255は、弛緩状態(図14−1)では、治療または使用を意図した最も小柄の着用者または患者の寸法を概して有するように著しく圧縮されている。着用者または患者がシールのサイズ及び/または形状を、例えば、量Xだけ変更する必要がある場合は、ユーザは、シール部分の少なくとも一部分に設ける、例えば、その内部に挿入することができる(図14−2)1つまたは複数のアダプタ260、265から選択することができる。それらのアダプタは、フォーム製シールがそれに順応する様々なサイズ及び形状になることができる。アダプタ260、265は、固定された形状を有することもでき、その形状を維持できる展性材料から作製することもできる。アダプタを取り外すかまたは分解すると、シールはそれ自体の弾性によってその元の(最小の)形状に戻る。
【0110】
上記で考察したような調節機構を使用してシール/クッションに接続されているときに、アダプタ260、265を調節することもでき、例えば、ダイヤルを使用してアダプタのサイズを変更することができる。パイプクランプが拡張及び縮小する方法と同様に調節を行うことができる(ねじ山と相互作用するように、バンド状の材料を溝と部分的に重ねる)。しかし、例えば、アダプタのサイズ/形状を変更することによって、シールのサイズのみ調節する必要がある。フレームのサイズを変更するかまたは別法で移動可能な部品を設ける必要はない。
【0111】
2.4 クッション及び中間部材
クッション118はシール130を含み、そのシール130をクッションと1ピースに形成することができる。あるいは、シール130を、クッション118に接続されるかまたは別法で設けられる別個の部材とすることができる。クッション及び中間部材は、合体したときに加圧呼吸チャンバを形成する。
【0112】
シール130を、一例では、フォーム材料から作製することができる。フォーム材料には、シリコーンフォーム、高密度フォーム、低密度フォーム、連続気泡フォーム、独立気泡フォーム等が含まれてよい。他の例示的なフォームの材料及び特性は、特許文献2、特許文献3、及び特許文献4に開示されており、これらの文献はそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に援用される。一例では、クッション118、または少なくともそのシールは、弛緩状態になると、より大柄の着用者に対応するように寸法設定される。サイズを小さくするかまたは形状を変更することが望ましいときは、調節機構、例えば、ラックアンドピニオン式のシステムで顔面高さを小さくするにつれて、フォームを圧縮するかまたは別法でその形状を変更することができる。あるいは、クッションは、中間の姿勢で開始するように寸法設定することができ、延伸して大型になるかまたは圧縮されて小型になる。更に別の代替形態では、クッションは、小型で開始し、延伸して中型及び大型のサイズになる。フォームは、圧縮または延伸されるときにシールできるように維持されるので、こうした用途には良い選択肢である。開始姿勢及び終了姿勢(大、小、または中)の点から同様の代替形態を調節可能な領域またはガセットに適用する。
【0113】
中間部材116(例えば、調節可能な領域またはガセット)は、(垂直方向に)高さを増減するように設計されているが、水平のシーリング力をクッションに送ることを維持して、正確なシーリングベクトルを維持する。代替形態として、調節可能な領域またはガセット116を、延伸可能または伸縮性のある材料、例えば、シリコーンから作製することができ、それらの材料は、力を加えるとその形状及び寸法が変更される。調節可能な領域またはガセット116を、(固有のまたは追加したばね力を含む)プラスチック材料から作製することができ、そのためそのプラスチック材料は、新しい姿勢に変形したときにその形状を保持する。調節可能な領域またはガセットの形状保持特性のおかげで、または形状を保持できる追加の構造、例えば、クランプ等によって、こうした任意の新しい姿勢の形状及びサイズを保持することができる。中間部材116は、折り目または起伏116.1を1つまたは複数含むことができる(例えば、図16−1から図16−5参照)。
【0114】
クッション118、または少なくともシール130は、一例では、ポリウレタン(PU)フォームから作製されている。中間部材116を、高密度PUフォームから作製することもできる。クッション118は、クッションをフレームに連結する構造、例えば、クッションフレーム間部材を含むことができる。例えば、その全体が参照により本明細書に援用される2009年2月27日に国際出願されたPCT/AU2009/000240号(国際公開第2009/108994号パンフレット)に記載されているように、硬質要素を軟質フォームクッションにオーバーモールドすることによって、そのクッションフレーム間部材を生産することができる。
【0115】
クッションは、中間部材116と上側フレーム部分112及び下側フレーム部分114との両方と通常噛み合う構造を含むことができる。例えば、クッションを、舌片部及び溝システムを使用して、フレーム(1つまたは複数)112、114及び中間部材に接続することができ、例えば、クッション118またはフレーム(1つまたは複数)/中間部材に舌片部280を設けることができ、他方には溝285を設けることができる。図15−1から図15−5に、調節可能な領域またはガセット116及びクッション118のサブアセンブリを示し、図16−1から図16−5に、調節可能な領域またはガセット116を分離して示す。一実施形態では、クッション118及び調節可能な領域またはガセット116を、1ピースに一体形成する、例えば、1ピースの構造としてモールド成形することができる。
【0116】
2.4.1 シーリングの輪郭
シールの形状及び/または1つまたは複数の寸法(例えば、顔面高さ)を調節するために、少なくとも2つの選択肢がある。第1に、図17−1から図17−2に示すように、シーリングの輪郭は、顔面高さの必要な調節を実現するために(圧縮または延伸ではなく)形状を変更することができ、この場合は、外周内の面積が概して一定である。図17−1に外周130.1を有するシール130を示し、図17−2に外周130.2を有するシール130を示す。その外周130.2は外周130.1と形状が異なるが長さが同じである。この場合は、同じシーリングの外周全体が、最初の形状及び変更された形状に維持され、外周の形状のみを変更して、シールの高さの変更を行う。鼻根領域及び頤(フルフェイスマスク)または上唇領域(経鼻的マスク)をカバーするシールの上部130.3及び底部130.4のサイズ及び形状は、好ましくは、実質的に一定のままであり、主として、シールの側部がその形状を変更することで高さ調節が可能になる。
【0117】
第2に、図18−1から図18−5に示すように、シーリングの輪郭を、顔面高さの必要なまたは所望の調節を実現するために圧縮する(若しくは縮小する)または延伸する(拡張する)ことができ、その場合は、外周内に画定された面積は可変とされている。図18−1に、シール外周131の弛緩した姿勢を示し、図18−2及び図18−3に、シールの外周131’の延伸した姿勢及び131”の圧縮された姿勢をそれぞれ示す。図18−4及び図18−5の代替案では、図18−4に、シール外周133の圧縮された姿勢を示し、図18−5に、シール外周133’の延伸した姿勢を示す。4つのノード137が移動する結果、延伸が起きる。
【0118】
第3の代替案は、ある程度の延伸/圧縮を伴う形状変更を可能にすることである。これらの代替形態では、やはり、調節の全範囲にわたってシールの上部及び底部の形状及びサイズは一定のままである。
【0119】
説明した例のシールは、好ましくは、継ぎ目または縫い目等を有しない1ピースの部材であり、着用者の皮膚との滑らかな連続したシーリング表面を概して形成する。
【0120】
3. 代替例
以下では、上記で説明した例の態様を1つまたは複数含むことができる「フリーサイズ」マスクシステムの代替例を示す。すなわち、以下の例は、1つまたは複数の共通の特徴及び特性を、上記で説明した例と共有することができる。
【0121】
3.1 フォームの例
以下に、フォームを使用して高さの変更を実現する「フリーサイズ」マスクシステムの代替例を示す。以下に、調節可能なフルフェイスマスクシステムを説明するが、それらの態様を他の適切なマスクシステム、例えば、経鼻的マスクシステムに応用できることを理解されたい。一例では、患者の鼻及び口を受容するためのオリフィスは、高さ約15〜20mm延びている。好ましい実施形態では、クッションの高さの変更は約10〜20mmである。あるいは、クッションの高さの変更は約12〜16mmとすることができる。クッションの高さの変更は約16mmとすることができる。クッションの高さの変更は約12mmとすることができる。
【0122】
実施形態では、図25に示すように、高さ調節は、例えば、上記で説明したラックアンドピニオンタイプの調節機構等の垂直調節機構による材料の圧縮に依拠することができる。しかし、高さ調節が材料の伸張または形状の変更を含むことができることを理解されたい。
【0123】
3.1.1 フォームの例1
図26−1及び図26−2に示すように、クッション418及び調節可能な領域またはガセット416は、例えば、圧縮切断によって形成された低密度ポリウレタンフォームから構築される。高密度ポリウレタンフォームから構築されたクッションクリップ422(上側部分422(1)及び下側部分422(2)を含む)が、(例えば、オーバーモールドまたは接着によって)クッション及び調節可能な領域またはガセットに設けられる。図26−3及び図26−4に示すように、クッションクリップ422は、フレーム410及び調節機構425との係合のためのインターフェースを設ける。
【0124】
使用時には、クッションは、調節機構によって圧縮されることで(例えば、大型サイズ(図26−3及び図26−5)から中型(図26−6)、更に小型(図26−4及び図26−7)に)サイズを小さくすることができる。
【0125】
一実施形態では、フォーム製調節可能な領域またはガセット416の1つまたは複数の部分は、例えば、漏出を抑えるために、シーラントまたは被覆したフォームを備えることができる。更に、代替の実施形態では、伸張によってサイズを大きくし、圧縮によってサイズを小さくし、例えば、−10mm圧縮/+10mm伸張するように構成された、中間または中型のフォームクッションを設けることができる。
【0126】
図26−8に示すように、クッション/調節可能な領域またはガセットを、概して平坦または凹形の内側に面した表面419を設けるように構成することができ、その表面419を圧縮下で少なくとも部分的に内側に折り畳むことができる。あるいは、図26−9に示すように、内側に面した表面419を、内側に折り畳む範囲または隆起する範囲を制御するために、概して凹形とすることができる。図26−10及び図26−11に、内側に面した表面419の代替例を示す。その内側に面した表面419は、内側への折り畳み範囲、例えば、一連の凹形表面(図26−10)、調節可能な領域またはガセット(図26−11)を制御する。鼻道の閉塞を防止するかまたは最小限に抑えるように内側に面した表面の折り畳みを制御する必要がある。
【0127】
3.1.2 フォームの例2
図27−1及び図27−2に示すように、クッション518は、例えば圧縮切断によって形成された、低密度ポリウレタンフォームから構築される。高密度ポリウレタンフォームから構築された調節可能な領域またはガセット516及びクッションクリップ522(上側部分522(1)及び下側部分522(2)を含む)は、(例えば、オーバーモールド、接着によって)クッションに設けられる。図27−3及び図27−4に示すように、クッションクリップ522は、フレーム510及び調節機構525との係合のためのインターフェースを設ける。
【0128】
使用時には、クッションは、調節機構によって圧縮することで(例えば、大型サイズ(図27−3及び図27−5)から中型(図27−6)、更に小型(図27−4及び図27−7)に)サイズを小さくすることができる。一実施形態では、調節可能な領域またはガセットの壁の厚さ(例えば、局部的に薄くなっている壁)及び/または形状を、可撓性、例えば、より一定の圧縮を促進するように構成することができる。
【0129】
代替の実施形態では、伸張によってサイズを大きくし、圧縮によってサイズを小さくし、例えば、−10mm圧縮/+10mm伸張するように構成された、中間または中型のフォームクッションを設けることができる。
【0130】
図27−8に示すように、調節可能な領域またはガセット516は、例えば、調節可能な領域またはガセットヒンジ516(1)に沿って、局部的に壁の薄い部分を含み、そのため、より一定の圧縮のための可撓性を強化することができる。更に、クッション/調節可能な領域またはガセットの内側に面した表面は、上記で説明したように、内側に折り畳む範囲または隆起する範囲を制御するように構成することができる。更に、調節可能な領域またはガセットのインターフェースまたは取付け構成に対して、クッションは、折り畳みを制御するように構成されてよい。例えば、調節可能な領域またはガセット516を、突合せ継ぎ手521(図27−9)によって、またはクッション518の側部523に沿って(図27−10)、クッション518の正面に取り付けることができる。別の例では、クッション518の内側に面した表面を、可撓性を強化するために調節可能な領域またはガセットとすることができる(図27−11)。更に、調節可能な領域またはガセット516を、可撓性を強化するために、調節可能な領域またはガセットに沿って削減された体積519を有する突合せ継ぎ手によって、クッション518に取り付けることができる(図27−12)。この実施形態では、調節可能な領域またはガセット点に沿って追加の接合部を設けることができる。
【0131】
3.1.3 フォームの例3
図28−1に示すように、クッション618及び調節可能な領域またはガセット616は、低密度ポリウレタンフォームから構築されており、例えば、圧縮切断によって形成されている。高密度ポリウレタンフォームから構築されたフレーム610(上側フレーム部分612及び下側フレーム部分614を含む)が、クッション及び調節可能な領域またはガセットに(例えば、オーバーモールド、接着によって)設けられている。図示のように、フレーム610は、調節機構との係合のためのインターフェースを設ける、一体化された特徴部615を1つまたは複数含むことができる。使用時には、クッションを、調節機構によって圧縮することでサイズを小さくすることができる。
【0132】
3.1.4 フォームの例4
図29−1に示すように、クッション718、調節可能な領域またはガセット716、及び患者の鼻の上を延びる上側フレーム部分712は、低密度ポリウレタンフォームから構築されており、例えば、圧縮切断によって形成されている。高密度ポリウレタンフォームから構築された下側クッションクリップ722及び上側インターフェース構造723が、(例えば、オーバーモールドまたは接着によって)クッション、調節可能な領域またはガセット、及び上側フレーム部分に設けられる。クッションクリップ722及びインターフェース構造723は、フレーム及び調節機構との係合のためのインターフェースを設ける。使用時には、クッションを、調節機構によって圧縮することでサイズを小さくすることができる。
【0133】
3.1.5 フォームの例5
図30−1に示すように、クッション818、調節可能な領域またはガセット816、並びに上側フレーム部分812及び下側フレーム部分814は、低密度ポリウレタンフォームから構築されており、例えば、圧縮切断によって形成されている。高密度ポリウレタンフォームから構築された上側インターフェース構造822及び下側インターフェース構造823は、(例えば、オーバーモールドまたは接着によって)上側及び下側フレーム部分に設けられる。インターフェース構造822、823は、フレーム及び調節機構との係合のためのインターフェースを設ける。使用時には、クッションを、調節機構によって圧縮することでサイズを小さくすることができる。
【0134】
3.1.6 フォームの例6
図31−1に示すように、クッション918は、低密度ポリウレタンフォームから構築されており、例えば、圧縮切断によって形成されている。高密度ポリウレタンフォームから構築された調節可能な領域またはガセット916並びに上側フレーム部分912及び下側フレーム部分914は、(例えば、オーバーモールドまたは接着によって)クッションに設けられる。調節可能な領域またはガセット916の壁の厚さ(例えば、局部的な壁の薄い部分)及び/または形状を、可撓性または圧縮を促進するように構成することができる。上側フレーム部分912及び下側フレーム部分914は、フレーム及び調節機構との係合のためのインターフェースを含むことができる。使用時には、クッションを、調節機構によって圧縮することでサイズを小さくすることができる。
【0135】
3.2 2部構成クッション
以下に、2部構成クッションを使用して高さの変更を実現する「フリーサイズ」マスクシステムの代替例を示す。以下に、調節可能なフルフェイスマスクシステムを説明するが、それらの態様を他の適切なマスクシステム、例えば、経鼻的マスクシステムに応用できることを理解されたい。
【0136】
いくつかの実施形態では、図32に示すように、高さ調節は、例えば、上記で説明したラックアンドピニオンタイプの調節機構等の垂直調節機構による材料の伸張または圧縮に依拠することができる。しかし、高さ調節が材料の伸張または形状の変更を含むことができることを理解されたい。
【0137】
3.2.1 2部構成クッションの例1
図33−1及び図33−2に示すように、クッション1018は、単一の壁と、鼻根に沿って、更に口の周りをシールするように適合されたシリコーン膜部分1030と、膜部分1030に設けられた別個のアンダークッション部分1032(例えば、PUフォーム、被覆したフォーム、シリコーンフォーム、ゲルポケット)とを含む。図示のように、膜部分1030は、患者の鼻の側部に沿って、アンダークッション部分1032を見せる切除領域1031を含む。使用時には、アンダークッション部分1032は、鼻根に沿って、更に口の周りで膜部分1030を支持し、アンダークッション部分1032の露出部分は、圧縮タイプのシールを鼻の側部に沿って形成する。
【0138】
図33−3に示すように、クッション1018はフレームに設けられ、そのフレームは上側フレーム部分1012及び下側フレーム部分1014を含む。上側フレーム部分1012と下側フレーム部分1014との間に、フォーム製の調節可能な領域またはガセット1016が設けられる。
【0139】
調節機構1025が(例えば、調節可能なねじ構成)が、上側フレーム部分1012と下側フレーム部分1014との間に高さ調節のために設けられている。使用時には、クッションを、調節機構によって圧縮することで、サイズを小さく(例えば、大型サイズ(図33−4)から中型(図33−5)に、更に小型(図33−6)に)することができる。
【0140】
例示的な実施形態では、例えば、それらの部分の間のシールを強化し漏出を防止するために、アンダークッション部分1032の1つまたは複数の部分を、膜部分1030に付着させる(例えば、接着する)ことができる。こうした実施形態では、使用時に、すなわち、フレームからの圧縮力が膜部分を通してアンダークッション部分に伝達されるときに、アンダークッション部分1032の曲げ特徴を制御するように、切除領域1031のサイズを選択することができる。例えば、図33−7に、左側の切除領域1031(L)が右側の切除領域1031(R)よりも大きいクッションを示す。図示のように、膜部分1030がアンダークッション部分1032上で右側よりも左側でより高くより中間寄りに着座するので、左右で異なる曲げモードになり、そのため、アンダークッション部分1032の左側により大きいS字形の曲げが生じる。
【0141】
図33−8に、クッションの圧縮シールゾーン(C)と、クッションの拡張シールゾーン(A)と、圧縮シールゾーンと拡張シールゾーンとの間の移行ゾーン(B)とを示す。一実施形態では、快適性を強化するために、膜部分1030が拡張シールゾーン(A)で外側に拡張可能でありながら、アンダークッション部分1032のうちの圧縮シールゾーン(C)の高さを、圧縮シールを設けることができるように高くすることができ、それにより、全体のストラップの伸張量が低減される。
【0142】
図33−9及び図33−10にクッションを示す。そのクッションは、シリコーン膜部分1130とアンダークッション部分1132とを含み、そのアンダークッション部分1132は、2部構成のポリウレタンフォーム(例えば、多孔質のフォーム)から(例えば、モールド成形によって)構築されており、膜部分1130に挿入可能である。一実施形態では、フォーム製アンダークッション部分1132を、被覆してもよく、被覆しなくてもよい。上記で説明したように、膜部分1130は、アンダークッション部分1132を見せる切除領域1131を含む。しかし、代替の実施形態では、膜部分は、切除部分無しで連続していてもよい。
【0143】
例示的な実施形態では、アンダークッション部分1132の1つまたは複数の部分を、例えば、膜部分からアンダークッション部分に圧縮力を簡単に伝達するために、膜部分1130に付着させる(例えば、接着する)ことができる。一実施形態では、図33−14に示すように、膜部分1130の縁部セグメント1130(1)のうちのアンダークッション部分1132に隣接する部分を、アンダークッション部分1132からはがすことができ、それにより、例えば、自由に移動するままになり、膜を使用時に患者の顔に対するシーリングにおいてより自由にすることができる。
【0144】
図33−11に、クッション1118に設けられた(例えば、シリコーン(例えば、ショアAが28のシリコーン)から構築された)調節可能な領域またはガセット1116を示し、図33−12及び図33−13に、フレーム及び調節機構との係合のためのインターフェースを設けるクリップ部分1122を示す。更に、図33−12及び図33−13に(例えば、半硬質材料から構築された)支持部分1123を示す。その支持部分1123は、クリップ部分に設けられ(例えば、接着され)、フォーム製アンダークッション部分1132を使用時に支持するように適合されている。図33−15から図33−17に、調節機構(例えば、図33−15に小型の調節機構を示し、図33−16に中型の調節機構を示す)によってサイズを小さくしたクッションを示す。
【0145】
例示的な実施形態では、シリコーン膜部分及びフォーム製アンダークッション部分は、例えば、サイズ変更中にシリコーン及びフォームの全体にわたって荷重をうまく分配するか、谷部のサイズを低減するか、または患者シーリング面の表面の不連続性を低減するように、同様の堅さを含むことができる。例示的な実施形態では、患者の顔の敏感でない領域でクッションの形状変更が(例えば、クッションの谷部が生じてよい位置に)起きるようにクッションを構成することができる。
【0146】
この実施形態では、フォーム製アンダークッション部分は、圧縮に依拠し、シリコーン膜部分は、患者の顔のシールに対する空気圧に依拠する。これにより、それら2つの間に移行期間を含む、反対のシーリング機構が設けられる。図示の実施形態は、例えば、フォームをよりシリコーンシールのように働かせることによって、反対のシーリング機構になり、逆も同様である。
【0147】
図33−18から図33−25に、シリコーン膜部分及びフォーム製アンダークッション部分を有するクッションの代替例を示す。図33−18では、フォーム製アンダークッション部分1132を、シリコーン膜部分1130と実質的に面一にすることができる。図33−19に示すように、部品1130、1132間のインターフェース1133を、ある角度で配置することができる。使用時にフォームが圧縮されるときは、シリコーンもわずかに収縮することができる。図33−20では、シリコーン膜部分1130が連続しており、そのため、フォーム製アンダークッション部分1132が患者の顔と接触することが避けられ、シーリング表面上のフォーム/シリコーン間のインターフェースが避けられる。図33−21では、フォーム製アンダークッション部分1132は、フォーム自体の内部に切除部分1135(例えば、クッションの外周の1つまたは複数の部分に沿った1つまたは複数の切除部分)を含み、これにより、圧縮/形状変更が容易になり、すなわち、硬さが低減されて、膜が実質的に全ての変形を吸収しないようになる。図33−22では、フォーム製アンダークッション部分1132は、シリコーン膜部分1130から突出しており、すなわち、フォームは緩やかに湾曲しており、それにより、圧縮シールと膜シールとの間で移行できる。フォームは、その内部に切除部分1137を含むことができ、そのため、フォームが、より大きい領域にわたって変形してシールすることができ、圧縮が簡単になり、例えば、硬さが低減され、そのため、膜が実質的に全ての変形を吸収しないようになる。図33−23では、フォーム製アンダークッション部分1132は、上記で説明したようにシリコーン膜部分1130から突出しており、やはり、可撓性のフラップ1139を含んで、膜部分1130が接合するように可撓性の要素を設ける。そのフラップは、シールタイプ間の移行部をより滑らかにして、曲率が滑らかなときにある段階で膜がフォームに接合でき、例えば、しわ及び谷が防止される。圧縮/拡張部分とフラップとの間で釣り合うように競合するフォーム及びシリコーンは、膜部分に部分的に重なって、フォームとシリコーン部品との間のシールを強化することができる。図33−24では、シリコーン膜部分1130は、フォーム製アンダークッション部分1132に対するアーチとして取り付けられ(例えば、接着され)て、谷部をそれらの間に有する2つの隆起が設けられる。フォームが収縮し膜が拡張すると、それらの間の谷部は小さくなり、それにより、2つのインターフェース間にシールが実現される。図33−25では、切除部分1136を、フォーム1132自体の内部に設けることができ、その切除部分1136は、膜1130とフォーム1132との間のインターフェースにフォームの薄い壁セクション1138を残すように十分に大きい。使用時には、フォームは収縮するが、フォームの薄い壁セクション1138は、空気圧のせいで拡張して、圧縮シールと膜シールとの間の移行を助ける。
【0148】
3.2.2 2部構成クッションの例2
図34−1及び図34−2に、単一の壁を含むクッション1218と、鼻根に沿って、更に口の周りをシールするように適合されたシリコーン膜部分1230と、膜部分1230と一体化されたフレーム部1212とを示す。膜部分1230には、別個のアンダークッション部分1232(例えば、PUフォーム、被覆したフォーム、シリコーンフォーム、ゲル袋、TPE、デュロメータ硬さが低いシリコーン)が設けられている。図示のように、膜部分1230は、患者の鼻の側部に沿ってアンダークッション部分1232を見せる切除領域1231を含む。使用時には、アンダークッション部分1232は、鼻根に沿って、更に口の周りで膜部分1230を支持し、アンダークッション部分1232の露出部分は、鼻の側部に沿って圧縮タイプのシールを形成する。
【0149】
一実施形態では、形状変更によって調節を吸収することができ、すなわち、材料は、大型サイズのクッションの外周長さを変更して小柄のユーザに寸法合わせするために、実質的に延伸または圧縮されない。膜がないと、膜を延伸または圧縮することなく、変形することなく、従って、シールを中断させることなく、アンダークッションが形状変更することが可能になる。もっと正確に言えば、クッションを変形して必要な形状にするために材料の座屈または変形によって調節を吸収する。一例では、クッションは、大型から小型への20mmの高さ変更を行うことができる。
【0150】
図34−3は様々な小型のクッション形状を示し、それらの形状は、大型のクッション形状の外周の同じ長さを維持することによって構築されている。図示のように、クッションの上側及び下側部分は、両端のサイズが実質的に同一のままであり、クッションの移行領域または口の幅8000は大きくなる。好ましくは、移行領域は、目の下に十分な隙間を有しつつ曲率の大きさを下げる。更に、鋭利な角部またはきつい半径を、好ましくは避けて、例えば、クッションの望ましくない変形が避けられる。
【0151】
例示的な実施形態では、クッションを、「中型」サイズになるようにモールド成形することができ、次いで、延伸して「大型」サイズにするか、または形状を変更して「小型」サイズにすることができる。しかし、高さ調節が材料の延伸、圧縮、及び/または形状変更の複数の態様を含むことができることを理解されたい。
【0152】
図34−4及び図34−7に、シリコーン膜部分3030と、膜部分3030に設けられたゲル部品3032とを含む、例示的なクッションを示す。その膜部分3030は、ゲル部品3032を見せる切除領域3031を含む。ゲル部品3032を、切除領域にのみ設けることができるか、またはクッションの外周全体に沿って延びるゲル製アンダークッションの一部とすることができる。上側フレーム部分3012及び下側フレーム部分3014と、上側フレーム部分と下側フレーム部分との間の調節可能な領域またはガセット3016と、調節機構3025とが、クッションに設けられる。
【0153】
図34−8から図34−10に、調節機構によってサイズを小さくしたクッションを示す(例えば、図34−8に大型サイズを示し、図34−9に中型を示し、図34−10に小型を示す)。ゲルは、外側につぶれてよく、延伸してサイズを小さくすることができる。一実施形態では、そのゲル部分を、凸形の状態でシリコーン部分に取り付けることができ、そのため、そのゲル部分は、サイズが小さくなるときに呼吸チャンバから離れる方外側に変形して、例えば、鼻道の閉塞が防止される。更に、一実施形態では、そのゲル部分は、(切除領域において)シリコーン部分から上方に突出して、例えば、使用時に連続したシーリングの接触を維持することができる。一実施形態では、ヘッドギアの上部ストラップを、ゲル部品の周りでクッションの輪郭を制限するように配置し、シールのために更に局部的に圧縮することができる。
【0154】
3.2.3 2部構成クッションの例3
図35−1から図35−3にクッション1318を示す。そのクッション1318は、単一の壁と、鼻根に沿って、更に頤の周りをシールするように適合されたシリコーン膜部分1330と、膜部分1330に設けられた別個のアンダークッション部分1332(例えば、PUフォーム、被覆したフォーム、シリコーンフォーム、ゲルポケット)とを含む。クッションには、別々の上側フレーム部分1312及び下側フレーム部分1314が設けられる。図示のように、アンダークッション部分1332は、ブリッジ部分1333(調節可能な部分とも呼ばれる)を含み、そのブリッジ部分1333は、延伸を吸収するように上側フレーム部分1312と下側フレーム部分1314とをつなぐ。図示のように、膜部分1330は、患者の鼻の側部に沿ってアンダークッション部分1332を見せる切除領域1331を含む。使用時には、アンダークッション部分1332は、鼻根に沿って、更に口の周りに、膜部分1330を支持し、アンダークッション部分1332の露出部分は、鼻の側部に沿って圧縮タイプのシールを形成する。
【0155】
3.2.4 2部構成クッションの例4
図36−1及び図36−2にクッション1418(例えば、デュロメータ硬さが低いTPU/TPE/PURまたはデュロメータ硬さが低いシリコーン/シリコーンフォームから構築されている)を示し、そのクッション1418は、マスク外周に沿って連続した圧縮タイプのシールを設けるように適合されている。クッションには、別々の上側フレーム部分1412及び下側フレーム部分1414が設けられる。図示のように、クッション1418はブリッジ部分1433(調節可能な部分)を含み、そのブリッジ部分1433は、延伸を吸収するように上側フレーム部分1412と下側フレーム部分1414とをつなぐ。ブリッジ部分1433を、クッションと同じ材料から構築することができる。
【0156】
3.2.5 2部構成クッションの例5
図37−1及び図37−2に、デュロメータ硬さを2つ有するクッション(dual durometer cushion)1518を示す。そのクッション1518は、単一の壁と、鼻根に沿って、更に頤の周りを、シールするように適合された膜部分1530と、膜部分1530にオーバーモールドされた、デュロメータ硬さが低いアンダークッション部分1532とを含む。クッションには、別々の上側フレーム部分1512及び下側フレーム部分1514が設けられる。図示のように、アンダークッション部分1532はブリッジ部分1533を含み、そのブリッジ部分1533は、延伸を吸収するように上側フレーム部分1512と下側フレーム部分1514とをつなぐ。図示のように、膜部分1530は、患者の鼻の側部に沿って、アンダークッション部分1532を見せる切除領域1531を含む。使用時には、アンダークッション部分1532は、鼻根に沿って、更に頤の周りに、膜部分1530を支持し、アンダークッション部分1532の露出部分は、鼻の側部に沿って、圧縮/膜シールを形成する。従って、アンダークッション部分1530、1532は、連続した膜シールを設けるように協働する。
【0157】
3.2.6 2部構成クッションの例6
図38−1から図38−4にクッション1618を示す。そのクッション1618は、単一の壁と、頤領域の周りをシールするように適合された膜部分1630と、膜部分1630と一体化されたフレーム部1612とを含む。図38−3に示すように、膜部分1630には、デュロメータ硬さが低い別個のアンダークッション部分1632(例えば、モールド成形されたフォーム、PUフォーム、被覆したフォーム、シリコーンフォーム、ゲルポケット)が設けられる。使用時には、アンダークッション部分1632は、頤領域の周りで膜部分1630を支持し、アンダークッション部分1632は、鼻根及び鼻の側部に沿って圧縮タイプのシールを形成する。図38−4に示すように、クッションの調節(例えば、サイズ変更のための延伸/変形)は、アンダークッション部分1632に局部化される。膜部分及びフレーム部を、一緒に締まり嵌めするか、または一緒にモールド成形することができる。
【0158】
3.3 アコーディオン形式の調節可能な領域またはガセットの例
図39に、アコーディオン形式の調節可能な領域またはガセット1716を有するクッションを示す。調節可能な領域またはガセット1716により、顔面高さの必要な調節を実現するためにシーリングの輪郭が(圧縮または延伸ではなく)形状を変更することが可能になる。
【0159】
3.4 ピンチの例
図40−1及び図40−2に、軟質クッション1818(例えば、シリコーン、TPE)を示し、その軟質クッション1818は、患者の顔に対して連続した圧縮タイプのシールを形成するように適合されたフレームと一体化されている。独立のローラ機構1825(例えば、ローリングピンを含む)が、クッションに設けられており、シーリングの輪郭を調節するように構成されている。すなわち、ローラ機構は、鼻根領域の周りでクッションを一緒に挟み、シーリングの輪郭の形状を調節し、サイズ範囲(例えば、小、中、及び大)をカバーするように垂直に調節されてよい。
【0160】
この例では、クッションは、第1のサイズから第2のサイズに形状が変更される。外周の長さは一定のままであり、クッションの各部分の割合が、例えばクッションを小さくするように変更し、クッションの下側部分は外に広がっている。
【0161】
3.5 延伸するシーリング輪郭(フレームの点接触)の例
図41−1及び図41−2に、例えば、TPE、TPUから構築されたクッション1918を示す。フレームはピン部材1925を含み、そのピン部材1925はクッションと点接触する。ピン部材は、より大型にするにはクッションのシーリングの輪郭を、例えば、小型から中型、中型から大型に延伸する調節機構によって調節可能である。
【0162】
3.6 延伸するシーリング輪郭(フレーム調節可能な領域またはガセット)の例
図42−1及び図42−2に、例えば、TPE、TPUから構築されたクッション2018示す。調節可能な領域またはガセット2016を有するフレーム2012が、クッションとの連続した接触を有する。フレームは、より大型にするにはクッションのシーリングの輪郭を、例えば、小型から中型、中型から大型に延伸する調節機構によって調節可能である。
【0163】
3.7 モジュールの例
図43−1から図43−3に、汎用的ベースセクション2118を含むモジュール式シーリング構成を示す。その汎用的ベースセクション2118は、交換可能な上部セクション、例えば、大型サイズの上部セクション2120(1)、中型の上部セクション2120(2)、または小型の上部セクション2120(3)を収容するように適合されている。ベースセクション2118は、口及び鼻の側部の周りをシールするように適合されたクッション/フレームを含む。各上部セクション2120(1)、2120(2)、2120(3)は、ベースセクションに固定可能であり、鼻及び鼻根の周りをシールするように適合されたクッション/フレームを含む。一実施形態では、クッション/フレームをそれぞれ、シリコーンからモールド成形して、部品の数を減らすことができ、例えば、フレーム部分を、クッション部分よりも厚いシリコーンとすることができる。
【0164】
図43−4から図43−6に、上部セクション2120をベースセクション2118に固定する例示的な構成を示す。図示のように、上部セクション2120は、フレーム2130及びシーリング膜2132を含み(図43−4及び図43−5)、ベースセクション2118は、フレーム2140及びシーリング膜2142を含む(図43−6)。ピン/溝構成(例えば、フレーム2130上のピン2130(1)及びフレーム2140上の溝2140(1))が、フレーム2130、2140を互いに位置合わせし配置するために設けられ、ラッチ構成(例えば、フレーム2140上のラッチ2140(2)及びフレーム2130上の溝2130(2))が、フレームを互いに、例えば、スナップ嵌めによって固定するために設けられている。
【0165】
図示のように、膜2132、2142は、それぞれのフレームを越えて突出しており、そのため、膜は、上部及び底部セクションが互いに固定されるときに、部分的に重なり、互いにシールする。図43−7に、互いに部分的に重なる膜2132、2142を示す。図43−8に示すように、膜2132、2142を支持するより厚いシリコーンセクション2133、2143を、互いに面一に配置することができて、例えば、漏出を防止し、フレームのチャネル中に組み付けることができる。
【0166】
3.8 ヒンジによる外部骨組みの例
図44−1から図44−2及び図45に、(例えば、シリコーン、TPE/TPU、フォーム等から構築された)クッション2218を示す。そのクッション2218は、(例えば、シリコーン、TPE、処理済の繊維素材から構築された)可撓性のフレーム2212によって支持されている。骨組みスタイルの調節機構2225が、フレームに接続され、シーリングの輪郭を調節するように構成されており、例えば、調節機構は、フレーム、従ってクッションを垂直に調節する面に向かって/そこから離れる方に調節される。すなわち、調節機構は、ベース、及びベースとフレーム2212との間に配設された枢動式調節部材を含む。使用時には、ベースの姿勢を調節して、調節部材の姿勢を調節することができ、それにより、フレーム、従ってクッションの形状を調節する。図45に示すように、形状変更によって調節を吸収し、すなわち、材料は延伸または圧縮されない。
【0167】
図44−1に、大型サイズに調節されたマスクシステムを示す。そのシステムでは、調節機構2225は、延伸してより高くなるようにクッションを支持している。
【0168】
図44−2に、小型に調節されたマスクシステムを示す。そのシステムでは、調節機構2225は、クッションを弛緩した姿勢または開始姿勢に維持する。
【0169】
3.9 熱成形されたクッション及び骨組みフレーム
図54から図73に、本技術の代替の実施形態によるマスクシステムの代替の構成を示す。好ましくは、マスクシステムは、骨組みまたは拡大不能なフレーム部分を備えることができる。骨組みにより、マスクシステムの空所または呼吸チャンバ内で患者の鼻に寸法合わせされるように、マスクシステムの構造または形状を定めることができる。好ましくは、骨組みを、膜または可撓性部材の延伸及び/または形状変更によって、第1の姿勢から第2の姿勢に、調節可能または再配置可能とすることができ、膜が骨組みに連結されるかまたは取り付けられている。膜を、やはりマスクシステムをシーリングまたは別法でカバーしながら、骨組みの1つまたは複数の部分に取り付けることができ、そのため患者に治療を施すことが可能になる。骨組み及び/または膜は、ヘッドギア、エルボ、空気送出チューブ、通気システム等、患者とのインターフェースの追加の要素を連結するアンカ留めまたは取付け部分として働くこともできる。
【0170】
骨組み及び膜を、熱成形によって組み立てることができる。好ましくは、クッションまたはシーリング部材は、骨組み及び/または膜に連結されて、患者とマスクシステムとの間のシールに影響を及ぼす。クッションは、骨組み及び/または膜に着脱可能に取付け可能とすることができる。好ましくは、クッションは、骨組み及び膜に熱成形によって組み付けられる。
【0171】
有益なことに、マスクシステムの一部分または全体を熱成形することによって、マスクシステムは、その部品数を減らすことができ、洗浄を簡単にすることができ、安く製造することができ、且つ/またはより可撓性が高く、あまり目障りにならず、ユーザフレンドリにすることができる。
【0172】
最も好ましくは、クッションは、患者との圧縮シールを行うことができる順応可能な材料でよい。好ましくは、クッションは、フォーム、ゲルの布または他の変形可能な材料から構築することができる。膜を、布等、可撓性であり実質的に伸縮性のある材料から構築することができる。骨組みを、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ナイロン、アルミニウム、スチール等、実質的に拡大不能な材料から構築することができる。あるいは、骨組みを、シリコーンまたは熱可塑性ウレタン(TPU:thermoplastic urethane)等、可撓性の材料から作製することができる。骨組みを、荷重をかけた後でその意図した形状に戻るように、実質的に弾性とすることができる。
【0173】
3.9.1 熱成形の実施形態1
図54及び図55に、骨組みの上側または上部分5050を示し、その上部分5050は、使用時に患者の鼻を概して覆うように配置することができる。上側部分5050は、オリフィス5055を含むことができ、そのオリフィス5055は、例えば、調節機構、通気口、エルボ、または空気送出チューブを受容するように適合されている。上側部分5050は、構造の完全性または強度のために開口またはオリフィスがなくてもよい。好ましくは、上側部分5050は、開口5051を1つまたは複数含むことができ、その開口5051により、材料、従って上側骨組み部分の重量が低減されコストが削減される。それらの開口5051により、骨組みを少なくとも部分的に屈曲させるかまたは曲げることを可能にすることもできる。
【0174】
図56に、骨組みの下側または底部分5060を示す。その下側または底部部分5060を、使用時に患者の口または頤を概して覆うように配置することができる。下側部分5060は、オリフィス5065を含むことができ、そのオリフィス5065は、例えば、調節機構、通気口、エルボ、または空気送出チューブを受容するように適合されている。下側部分5060は、構造の完全性または強度のために開口またはオリフィスがなくてもよい。好ましくは、下側部分5060は、開口5061を1つまたは複数を含むことができ、その開口5061により、材料、従って下側骨組み部分の重量が低減されコストが削減される。それらの開口5061により、骨組みを少なくとも部分的に屈曲させるかまたは曲げることを可能にすることもできる。
【0175】
図59では、上側部分5050が下側部分5060に対して相対位置にある。好ましくは、中心領域における上側部分5050と下側部分5060との間の距離Xを、10〜30mm、例えば、12〜20mm、18mmとすることができる。好ましくは、角部または最も外側の領域における上側部分5050と下側部分5060との間の距離Yを、15から40mm、例えば、20〜30mm、26mmとすることができる。
【0176】
図57に、骨組みに連結するかまたは別法でそれと共に形成することができる膜5100を示す。膜5100は、上側骨組み部分5055及び下側骨組み部分5065とそれぞれ位置合わせする、上側部分5155及び下側部分5165を含むことができる。膜5100は更に、調節領域5110を含むことができ、その調節領域5110は、屈曲、延伸、折り畳み、且つ/または曲げて、上側部分5155及び下側部分5165の距離または位置合わせ、従って上側骨組み5055及び下側骨組み5065の姿勢を調節することができる。調節領域5110は、上側部分5155及び下側部分5165よりも可撓性があってよい。あるいは、調節領域5110は、上側部分5155及び下側部分5165と同じ可撓性を有することができる。膜5100は、上側骨組み部分5055及び下側骨組み部分5065上のそれぞれの開口と位置合わせする開口5105を含むことができる。
【0177】
図58に、膜5100と共に配置されたときの、骨組みの上側部分5050と、骨組みの下側部分5060との相対位置を示す。調節領域5110は、骨組み部分の距離または位置合わせの再配置または調節を容易にするように、概して上側部分5050と下側部分5060との間に配置される。図60に、マスクシステムを通る断面を示す。そのマスクシステムでは、骨組みの上側部分5050及び下側部分5060は、膜5100の内部に配置されている。調節領域5110は、実質的に上側部分5050と下側部分5060との間にあってよい。
【0178】
図61に図60の断面図の一部を示す。上側部分5050を、膜5100の内部に配置または封入することができる。更に、骨組み部分と膜部分との間に撓み性のある材料5180を配置して、外観をソフトにしマスクシステムの快適性を向上させることができる。撓み性のある材料は、例えば、フォーム、布、3Dのウィーブ、フェルト、ゲルでよい。
【0179】
好ましくは、骨組み、膜、及び撓み性のある材料を、積層及び/または熱成形によって形成することができる。例えば、患者に接触する面の膜5100Bがあってもよく、その膜5100Bを、撓み性のある材料5110Bに積層するかまたは別法で取り付けることができる。患者に接触しない面の膜5100Aもあってよく、その膜5100Aを、撓み性のある材料5110Aに積層するかまたは別法で取り付けることができる。上側部分5050及び下側部分5060を、工具中で膜5100Aと膜5100Bの積層体間に配置することができる。その工具に熱を加えて、膜5100A及び5100Bを一緒に熱形成または接合することができる。過度の材料5080が、膜の接合部に現れることがあり、それを、手による切断、打抜き、超音波打抜き、または溶接によって切り落とすことができる。
【0180】
例示的な実施形態では、図60及び図61に示すように、上側部分5050及び下側部分5060はナイロンから構築され、撓み性のある材料5110A及び5110Bはフォーム材料(例えば、厚さ約1〜10mm、例えば、5mmの連続気泡ポリウレタンフォーム)であり、膜5100A及び5100Bは、布材料(例えば、厚さ約0.1〜1.0mm、例えば、0.5mm)から構築されている。しかし、上記で述べたように他の適切な材料が可能でありうることを理解されたい。図60に示すように、例えば、フォーム/布材料によって、オリフィス5055、5065の内側及び外側の縁部が仕上げされる。
【0181】
3.9.2 熱成形の実施形態2
一実施形態では、骨組みを膜でシールまたはカバーして、第1の部分を形成することができ、クッションを膜でシールまたはカバーして、第2の部分を形成することができ、第1及び第2の部分を、接続するかまたは取り付けて、マスクシステムを形成することができる。
【0182】
図62に、構造要素5200と、位置決め要素5210と、順応要素5220とを示す。構造要素5200により、使用時に患者の鼻に接触するのを避けるために概してドーム形または半球形状のマスクシステムにすることができる。位置決め要素5210は、順応要素5220を形成及び支持することができる。位置決め要素5210は、順応要素5220を構造要素5200に連結することもできる。順応要素5220は、患者に接触し、且つ/または快適な圧縮領域を患者に与えることができ、そのため、マスクシステムとシーリングしながら係合することができる。
【0183】
骨組みまたは構造要素5200を、弾性、伸縮性、及び/または可撓性とすることができる。骨組みは、オリフィス5205を1つまたは複数含むことができ、そのオリフィス5205は、調節機構、通気口、エルボ、空気送出チューブ等と係合するように適合されている。骨組み5200は、調節領域5201を含むことができ、その調節領域5201を、可撓性または変形可能とすることができ、そのため、上側領域5202を骨組み5200の下側部分5203に対して再位置合わせまたは再配置することができる。好ましくは、骨組み5200を、シリコーン、ナイロン、TPU、熱可塑性エラストマー(TPE:thermoplastic elastomers)等、弾性の材料から構築することができる。好ましくは、調節領域5201は、上側領域5202及び下側領域5203よりも可撓性があってよい。これは、調節領域5201に異なる材料を使用し、調節領域5201を上側領域5202及び下側領域5203に取り付けることによって実現することができる。好ましくは、骨組み5200を、同じ材料から形成することができ、調節領域5201の厚さは、上側領域5202及び下側領域5203の少なくとも一部分よりも小さい。好ましくは、調節領域を、上側領域5202と下側領域5203との間に配置することができる。
【0184】
骨組み5200を、膜で封入またはコートすることができ、その膜は、図63〜図69に示すような第1の部分5250A及び第2の部分5250Bを有する。上側部分5252を上側領域5202と位置合わせし、下側部分5253を下側領域5203と位置合わせして、第1の部分5250Aを(図63に示すように)骨組みの外側または患者に接触しない面に配置することができる。第1の部分5250Aは、オリフィス5255を1つまたは複数有することができ、そのオリフィス5255は、骨組みのオリフィスと位置合わせされており、例えば、オリフィス5255は骨組み上のそれぞれのオリフィスの位置でシールされ、従って、第1の部分5250Aは骨組み上のオリフィスをカバーしない。第1の部分5250Aは更に、骨組み上の調節領域と位置合わせできる調節領域5251を含むことができる。第2の部分5250Bを、骨組みの内側または患者に接触する面に配置することができる。第2の部分5250Bを、構造要素5200の外周に沿って第1の部分5250Aに接合することができる。この接合部を、熱成形、接着、縫合等で作ることができる。こうした構成を図67に示す。
【0185】
位置決め要素5210を、順応可能要素5220と係合させ、それに取り付け、且つ/またはそれと共に形成することができる。位置決め要素5210は、第1の面5211及び第2の面5212を有することができ、それらの面のうちの一方を、構造要素5200の隣に位置合わせすることができ、他方の面を、順応要素5220の近位に位置合わせまたは配置することができる。位置決め要素は、順応構造を効果的なシーリング位置に配置するために内側に湾曲するように形成することができる。順応要素5220は、第1の面5222及び第2の面5221を有することができ、それらの面のうちの一方を、位置決め要素5210の隣に位置合わせすることができ、他方の面を、患者の近位に位置合わせまたは配置することができる。
【0186】
好ましい実施形態では、順応要素5220は、位置決め要素5210とインターフェースをとり内側部分を形成することができる。内側部分を、膜またはコーティングによって封入またはカバーすることができる。膜は、図67〜図69に示すように、第1の部分5250C及び第2の部分5250Dを備えることができる。第1の部分5250Cを、マスクシステムの外側部分または患者に接触する部分に配置することができる。第2の部分5250Dを、マスクシステムの内部またはその内面に配置することができる。第2の部分5250Dを、内側部分の外周に沿って第1の部分5250Cに接合することができる。この接合部を、熱成形、接着、縫合等で作ることができる。こうした構成を図67に示す。
【0187】
好ましくは、膜5250A、5250B、5250C、及び5250Dを、織布または不織布から構築することができる。一実施形態では、順応要素5220を、フォーム(例えば、厚さ約1〜10mm、例えば、5mmの連続気泡のポリウレタンフォーム)から構築することができ、位置決め要素5210を、TPU、シリコーン、等から構築することができる。しかし、他の適切な材料を使用できることを理解されたい。
【0188】
図68に、位置決め要素5210及び順応要素5220のサブアセンブリを有する構造要素5200のアセンブリを示す。すなわち、構造要素5200及び位置決め要素/順応要素サブアセンブリ5210、5220は、膜の層(例えば、布)で別々にカバーされ、次いで、膜でカバーした構造要素と、膜でカバーした位置決め要素/順応要素サブアセンブリとが互いに取り付けられる。構造要素5200及びサブアセンブリ(位置決め要素5210及び順応要素5220)による膜の層を、領域5280においてつなげることができる。膜の層を、接着、溶接、面ファスナ、プレススタッド、または他の連結機構によって取り付けることができる。好ましくは、連結機構は、表面間の漏出を防止するために気密である。図69に、連結領域5280をより詳細に示す。
【0189】
3.9.3 熱成形の実施形態3
図70から図73に本技術の代替の実施形態を示す。支持構造または構造要素5300は、マスクシステムの本体またはフレームを形成することができる。支持構造5300は、上側領域5302及び下側領域5303を含むことができる。上側領域5302及び下側領域5303を、調節可能な領域5310から間隔をあけて配置するかまたは分離することができる。調節可能な領域5310により、上側領域5302を下側領域5303に対して移動可能に配置可能にすることができる。支持構造5300は、通気孔、調節機構、エルボ、空気送出チューブ等と連結するための1つまたは複数のオリフィスまたは開口5305を含むこともできる。
【0190】
支持構造5300は、位置決め部分5352を含むことができ、その位置決め部分5352を、支持構造の患者に接触する面とすることができ、概してC字形の断面を有するかまたは支持構造の内側領域に向かって内側に湾曲することができる。位置決め部分5352により、患者に対するマスクのシールを可能にするかまたは強化することができるように順応部分5400を配置または位置合わせすることができる。
【0191】
支持構造5300を、シリコーン、TPU、またはTPE等、単一の材料から構築することができる。マスクシステムの他の領域よりも高い可撓性を必要とする領域(調節可能な領域5310または位置決め部分5352等)の厚さを小さくして、可撓性を高めることが可能である。あるいは、支持構造を、各領域の異なる可撓性及び伸縮性を可能にする様々な材料から構築することができる。
【0192】
順応部分5400は、快適で、可撓性があり、変形可能であってよい。順応部分5400を、フォーム(例えば、連続気泡ポリウレタンフォーム)、ゲル、シリコーン、TPE、TPU、布等から構築することができる。順応部分は、支持構造5300の位置決め部分5352とのインターフェースとなるかまたは別法でそれと位置合わせすることができる。
【0193】
膜またはカバー5350を、支持構造5300及び順応部分5400を包むかまたはコートするように適合することができる。好ましくは、膜5350を、支持構造5300及び順応部分5400に熱成形できる布とすることができる。好ましくは、支持構造を、コートするか、またはカバー5350に付着できるTPUまたは他の材料から構築することができる。
【0194】
図72及び図73に示すように、面5355に沿って、膜5350を支持構造5300に取り付けることができる。図72に示すように、面5355の長さZを、1〜10mm、例えば、3〜8mm、5mmとすることができる。面5355により、シールの完全性及び耐用年数、並びにカバー5350と支持構造5300との間の接着性を増大させることができる。あるいは、カバー5350を順応部分5400に取り付けることができる。更なる代替形態では、カバー5350、順応部分5400、及び支持構造5300は、点またはナイフエッジ5344において接合することができる(図73参照)。これを、打抜き、超音波打抜き、縫合、接着剤、または他の方法によってシールするかまたは別法で接合することができる。
【0195】
図示の実施形態では、膜5350は、支持構造5300の外側及び順応部分5400の患者に接触する面に沿ってのみ設けられ、すなわち、支持構造5300の内側及び順応部分5400の患者に接触しない面に沿って設けられない。膜5350は、オリフィスを1つまたは複数含み、そのオリフィスは、支持構造5300上のオリフィス5305、例えば、支持構造上のそれぞれのオリフィスにおいてシールされた膜のオリフィスと位置合わせし、従って、膜は支持構造上でオリフィスをカバーしない。
【0196】
3.9.4 クッションの代替実施形態
図106〜図114に、材料、例えば、フォーム、布、半硬質要素、及び/またはシリコーンの組み合わせから構築されたクッションの代替実施形態を示す。これらの材料は、クッションを調節可能にし、そのクッションは、サイズ調節中のシーリング表面における変形を制限することによってシールを丈夫にする。シリコーンばねの上部にフォームと布とを組み合わせることにより、フォーム/布が非常にしなやかなので、圧縮及び延伸による変形を最小限にすることができる。シリコーンばねにより、マスクに体積を追加することなく、患者の顔の様々な輪郭に対応するように移動量が比較的大きくなり、更に、クッションのサイズ調節を正確に行うための何らかの構造が設けられる。
【0197】
図106に、シリコーンフレーム部分またはバンド7002と、シリコーン製アンダークッション7004と、フォーム製シーリング部分7006とを含むクッションを示す。シリコーンバンドにより、マスクの正面に可撓性が与えられ、クッションのサイズの調節機能が可能になる。シリコーン製アンダークッションにより、全体の体積が最小限に抑えられ、全体のばね調節が可能になり、フォーム製シーリング部分を通る漏出が最小限に抑えられる。フォーム製シーリング部分により、フォームのしなやかな材料特性を用いてクッションサイズを調節するときにシーリングの表面でのひずみが最小限に抑えられ、患者の顔の小さい折り目/しわをふさぎ、最初に接触したときに快適になる。
【0198】
クッションの外周の1箇所または選択した部分に沿って、シリコーン製アンダークッションを設けることができる。例えば、クッションの外周全体に沿ってシリコーン製アンダークッションを設けることもでき、クッション外周のうちの1つまたは複数の部分ではシリコーン製アンダークッションを取り外すこともできる(例えば、鼻根及び頤または上唇領域にはシリコーン製アンダークッションを設けず、従って、フォーム製シーリング部分のみがそれらの領域にシーリング力を加える)。
【0199】
図107に、図106と同様のクッションを示す。図106とは異なり、図107のクッションは、シリコーン製アンダークッション7004及びフォーム製シーリング部分7006を覆う布層7008を含む。その布層により、フォームの耐久性が改善され、快適性(滑らかな表面仕上げ、柔らかな感触等)を改善することができ、見た目が良くなる。
【0200】
図108に、バンド無しの構成、すなわち、シリコーン/TPE製のアンダークッションまたはばね要素7004と、フォーム部分7006と、フォーム部分及びアンダークッションの外側に沿った布層7008との構成を示す。
【0201】
図109に、シリコーン/TPE製のバンド7002及びアンダークッション7004と、フォーム部分7006と、フォーム部分、アンダークッション、及びバンドの外側にのみ沿っている布層7008とを示す。
【0202】
図110に、シリコーン/TPE製のバンド7002及びアンダークッション7004と、フォーム部分7006と、フォーム部分、アンダークッション、及びバンドの外側並びにアンダークッション及びバンドの内側に沿っている布層7008とを示す。
【0203】
図111に、シリコーン/TPE製のバンド7002及びアンダークッション7004と、フォーム部分7006と、フォーム部分及びアンダークッションの外側にのみ沿っている布層7008とを示す。
【0204】
図112に、半硬質バンド7002と、シリコーン/TPE製アンダークッション7004と、フォーム部分7006と、フォーム部分、アンダークッション、及びバンドの外側にのみ沿っている布層7008とを示す。
【0205】
図113に、半硬質バンド7002と、シリコーン/TPE製アンダークッション7004と、アンダークッション及びバンドの外側にのみ沿って延びるフォーム部分7006と、アンダークッション及びバンドの外側に沿ってフォーム部分に沿って延びる布層7008とを示す。
【0206】
図114に、積層したフォーム/布(気密)バンド7012と、半硬質の骨組みフレーム7010と、シリコーン/TPE製アンダークッション7004と、フォーム部分7006と、フォーム部分、アンダークッション、骨組みフレーム、及びバンドの外側、並びにアンダークッション、骨組みフレーム、及びバンドの内側に沿っている布層7008とを示す。
【0207】
3.10 ポケット(インサート)の例
図46−1から図46−6にクッション2418を示す。そのクッション2418は、(例えば、シリコーンから構築された)可撓性のフレーム2412によって支持されている。フレーム2412は、「小型」サイズとしてモールド成形されており、一体化されたポケット2414を1つまたは複数含む。そのポケット2414はそれぞれ、異なるサイズのインサート2415(例えば、モールド成形した硬いインサート、空気/ゲル袋等)を受容するように適合されている。使用時には、選択したインサート(例えば、大型サイズ(図46−4)、中型(図46−5)、または小型(図46−6))は、フレームポケットに挿入されて、フレームを延伸させ、それによりクッションのサイズを調節する。図46−3にインサートのないフレームを示し、図46−2にインサートを有するフレームを示す。
【0208】
この例では、クッション2148は、第1のサイズから第2のサイズに延伸されている。
【0209】
3.11 ポケット(ポンプ)例
上記で説明した図46−1から図46−6の実施形態の代替として、(別個のインサートではなく)ガスまたは液体を使用して、ポケット2414を、例えば、ポンプによって充填することができる。
【0210】
3.12 可撓性のトランク(Flexible Trunk)の例
図47に、患者の口の周りをシールするように適合されたクッション2518を有する硬質のベースセクション2512を示す。可撓性の調節可能な領域またはガセット構造2516(例えば、シリコーン、TPEから構築される)が、クッション及びベースセクションから上方向に延びて、患者の鼻及び鼻根領域の周りにシールを形成する。調節可能な領域またはガセット構造に設けられたシールを、例えば接着剤または展性のクリップ2520によって、患者の鼻の周りに維持することができる。
【0211】
展性のクリップ2520は、患者の鼻の上にクッションをクランプ留めするかまたは挟む。
【0212】
3.13 スクロールの例
図48−1から図48−3に、クッションと一体化された可撓性のフレームを示す。図示のように、クッションの膜2618を反転させ、スクロールするかまたは巻いて、クッションの全体のサイズを変更し、例えば、図48−1の構成から図48−2の構成にすることができる。すなわち、膜をそれ自体に巻いて、クッションの外側の外周を短くし、従って、マスクサイズを調節することができる。図48−3は、膜2618がそれ自体に巻かれた分離図である。
【0213】
3.14 展性の例
図49に可撓性のフレーム2712(例えば、シリコーンから構築される)によって支持された、クッション2718を示す。可撓性のフレーム2712は、メモリ構成要素2725、例えば、ステンレス鋼のワイヤマトリックス、ワイヤメッシュ、熱成形可能な構成要素、形状記憶ポリマーと一体化されて設けられる(例えば、オーバーモールドされる)。一体化されたメモリ構成要素により、フレームの形状、従って、クッションのシーリングの輪郭を全ての平面で調節し、使用時のこうした形状を保持することが可能になる。形状変更によって調節を吸収し、すなわち、材料は延伸または圧縮されない。
【0214】
3.15鼻の下の例
図50に、硬質ベースセクション2812を示し、その硬質ベースセクション2812は、患者の口の周りをシールするように適合されたクッション2818を有する。別個のシール構造2816が、クッション及びベースセクションから上に延びて、鼻の下のシールを形成するか、または鼻のベースの回りに経鼻的クレードルを形成する。シール構造2816の可撓性によってサイズの変動を吸収することができる。
【0215】
3.16 形状変更の例
図51−1から図51−5に、「形状変更(shape-change)」して異なるサイズのクッションになる様々な構成を示す。図51−1では、クッションにスリット3102を1つまたは複数設けることができ、それにより、スリットから離れた領域にはあまり影響を及ぼさずに比較的大きい角度変更が可能になる。図51−2では、クッションのうちのクッションの座屈中に収縮する領域に、概してU字形の切欠き3202を1つまたは複数設けることができる。そのU字形の切欠きにより、必要な位置において弱い力で材料を曲げることができる。図51−3では、必要な位置において弱い力で材料を曲げることができるように、クッションに、概してU字形のスロットを1つまたは複数設けることができる。この構成は、上記で説明したスリットと同様であるが、2つの面の間の隙間が大きいのでいずれかの方向に移動することが可能である。図51−4では、クッション3301は、その長さに沿って混在または変動する曲率を有することができる。こうした実施形態では、フレアが生じることができる位置にはより多くの材料をもたらすことができ、余分の材料は、材料が外側にあまり広がらない程度に顔に対するシールの低下を防止するのを助ける。図51−5では、膜の底部に切欠き3302を設けることができ、それにより壁が顔に向かって曲がり、外側の膜に沿って伸張する。こうした伸張により、クッションが圧縮されてより小型になるときに膜がその形状を維持することが可能になる。
【0216】
図52−1及び図52−2に、クッション8100を示し、そのクッション8100は、サイズ間の形状の変更ができる概して「バイクのシート」タイプの形状である。図52−1に中型のクッションを示し、図52−2に小型のクッションを示す。この実施形態では、口の幅は、サイズ間で概して一定に維持され、サイズを調節するために鼻の幅は最小限に抑えられる。図52−3に示すように、クッションとフレームとの間のインターフェース3401がクッションをマスクの中心に案内し、それにより、形状変更を助けるように、フレームの底部半分を改変することができる。
【0217】
一実施形態では、クッションの形状変更領域または移行領域にあるクッションの側壁を薄くすることができ、クッションに可撓性がもたらされる。これにより、クッションを、フレームから離れる方に変形するのではなく、主に鼻に向かって変形可能にすることができる。
【0218】
一実施形態では、図52−4に示すように、フレームの鼻根領域に支持体3402が設けられて、例えば、クッションの壁が丸まって鼻に入り、従って患者の鼻孔を塞ぐことを防止することができる。
【0219】
一実施形態では、図52−5及び図52−6に示すように、クッションに調節可能な領域またはガセット3516が設けられて、例えば、クッションの壁に堅さを加え、フレームから離れる方に変形するのを防止することができる。図52−5に小型のクッションを示し、図52−6に中型のクッションを示す。
【0220】
図52−7に、例示的なフレーム8200を示し、そのフレーム8200は、クッションを収容し、クッションが所望の形状に変形できるようにする上側フレーム部分8202及び下側フレーム部分8204を含む。図示のように、上側フレーム部分8202及び下側フレーム部分8204はそれぞれ、クッションを受容するクッションチャネル8206を設けることができる。
【0221】
図52−8及び図52−9にクッション8300を示し、そのクッション8300は、概して、サイズ間で形状を変更できる「西洋ナシ」形状である。図52−8に中型のクッションを示し、図52−9に小型のクッションを示す。この実施形態では、口の幅を大きくしてサイズを調節する。
【0222】
クッションを小型に圧縮する間に、外側及び内側の膜が広がることがある。以下に、広がりを防止する代替例を示す。例えば、図52−10に示すように、1つまたは複数のリブ8400(例えば、シリコーンビード)を、膜に設けて、堅さを増大させ、膜が広がるのを低減または防止することができる。図52−10から図52−12に、ある程度外側に広がる膜を示す。追加の補強要素が、外側への広がりを低減している。広がりを更に低減または防止するために、内側に湾曲した姿勢に膜を維持するように補強材のサイズを大きくするかまたはそれを合体させることができる。図52−11では、外側の膜が大きくカールすることがあり、例えば、シリコーン製ストリップ8402が広がる領域の膜に設けられている。それらのストリップを、ある角度で配置して、膜の湾曲を伸ばし膜の拘束を助けて、広がるのを防止することができる。図52−12では、外側の膜は、広がる領域に厚くした領域8404を含むことができる。
【0223】
図52−13及び図52−14に、概して「西洋ナシ」形状のクッション8500を示す。そのクッション8500は、例えば、クッションに堅さを加えるために、調節可能な領域またはガセット8510を備える。
【0224】
図52−15から図52−22に、可撓性のフレーム8620に支持されたクッション8610と、フレームに接続されシーリングの輪郭を調節するように構成された(上側ヘッドギアコネクタ8632及び下側ヘッドギアコネクタ8634を含み、エルボ8640を支持する)調節機構8630と示す。例えば、調節機構は、上側部分8635及び下側部分8637を含み、それらは互いに枢動して、調節のための部分の間の相対移動が可能になる。図52−15、図52−17、及び図52−19に、より大型になるように調節されたクッションを示し、図52−16、図52−18、図52−20に、より小型になるように調節されたクッションを示す。図52−21及び図52−22に示すように、「高価な」構成要素(例えば、調節機構8630、ヘッドギアコネクタ8632、8634、及びエルボ8640)は、サブアセンブリとして使い捨ての/交換可能なクッション8610/フレーム8620から分離している。こうした構成により、クッション/フレーム材料、例えば、シリコーン、フォーム、ゲル等の選択が可能になる。図示のように、円形の開口部8650、8652が2つ(例えば、図52−21参照)クッションフレームに設けられて、簡単な寸法合わせ、取り外し、及びシーリングによって調節機構を収容する。クッションフレームは、比較的硬質であり、そのため、調節機構が差込み可能であり、形状変更しない領域を硬質にすることも可能である。
【0225】
図53に、クッションがオーバーヘッドチューブによって支持された別の構成を示す。図示のように、クッション4018には、上側フレーム部分4012及び下側フレーム部分4014が、設けられており、それらのフレーム部分間に調節可能な領域またはガセット4016を有する。オーバーヘッドチューブは、チューブ部分4005を含み、そのチューブ部分4005は、上側フレーム部分4012及び下側フレーム部分4014のうちの一方または両方とねじ係合しており、そのため、こうしたチューブ部分4005が回転すると、上側フレーム部分と下側フレーム部分とが相対移動し、従って、クッション4018が高さ調節される。
【0226】
3.17 一体化されたクッション及びフレーム領域(バンド)
一実施形態では、クッション及びフレームの構成要素を、1ピースの構造、すなわち、単一のモールド成形部分として一体形成することができる。こうした構成により、クッションとフレームとのインターフェースをなくし(例えば、それにより、クッションとフレームとの間のインターフェースにおいて漏出の可能性がなくなる)、複数の部品をなくすことができる。例示的な実施形態では、一体化されたクッション及びフレームを、シリコーン(例えば、ショアAが40のシリコーン)等のエラストマー材料からモールド成形することができる。
【0227】
図115から図118に、本技術の一実施形態による一体化されたクッション及びフレーム7100を示す。図示のように、一体化されたクッション及びフレーム7100は、クッション領域7102と、フレーム領域7104と、調節可能な領域またはガセット領域7106とを含む。上記で説明したように、クッション領域は、使用時に患者の顔に対するシールを形成するように適合された膜7103を設け、クッション領域は、クッション領域の長さ及び/または形状を変更できるように可撓性、圧縮可能、及び/または延伸可能である。フレーム領域は、マスク内部呼吸チャンバを画定し、クッション領域の少なくとも一部分を支持するかまたは別法で形成するように適合されている。調節可能な領域により、実質的に可撓性の領域が設けられており、その領域は、クッション及びフレーム領域の機械的な抵抗を軽減して、クッションのサイズを変更するように延伸及び圧縮するように適合されている。調節可能な領域は、クッション膜の輪郭に移行して、その結果、側部に沿った一連の「スクープアウト(scooped out)」領域になる。こうした「スクープアウト」の位置は、シール性能に影響を及ぼすことなく、形状変更する間にクッション輪郭へのストレスを軽減するように最適化されている。
【0228】
フレーム領域の正面は、2つの開口、例えば、エルボを収容する下側開口7110と、通気インサートを収容する上側開口7112とを含む。
【0229】
使用時には、一体化されたクッション及びフレームを、外部骨組みに設けることができ、それにより、硬質支持構造、サイズを調節する作動または調節機構、及びヘッドギアを取り付ける構造が設けられる。
【0230】
3.17.1 アンダークッション支持構造
以下に、膜を支持するアンダークッション支持構造の代替の実施形態を示す。
【0231】
別々に形成及び取付け
図117及び図118の例示的な実施形態では、膜7103を支持するアンダークッション支持構造(図示せず)が、一体化されたクッション及びフレーム7100とは別個にモールド成形され、次いで、(例えば、接ぎ合わせることで)それに取り付けられる。アンダークッション支持構造の位置決めを助けるために、一体化されたクッション及びフレーム7100は、その内面に沿って走る、画定されたショルダ7114と、1つまたは複数の一体化されたリブ特徴部7116とを含む。しかし、アンダークッション支持構造を、一体化されたクッション及びフレーム7100と1ピースに一体形成できることを理解されたい。
【0232】
アンダークッションフィンガ
図119から図122に、連続したフラップタイプのアンダークッション7205が、クッションの鼻領域SN及び角領域Cの側部に沿って設けられ、間隔をあけて配置された個別のアンダークッションフィンガ7215が、クッションの頬領域CHに沿って設けられている構成を示す。この実施形態では、アンダークッションは、鼻根領域NB及び上唇または頤領域ULには設けられておらず、すなわち、膜7103にのみ設けられている。クッションの長手方向軸に沿ってアンダークッションのないこうした構成により、その長手方向軸に沿ったクッション可撓性が強化される。
【0233】
アンダークッションフィンガは、サイズ変更中にその領域のクッションの延伸または圧縮を抑制することなく、シーリング方向でクッションを十分に支持する。これは、サイズ変更中の変形が最小限であるガセット形状の頂点にフィンガを配置することによって実現される。アンダークッションフィンガ7215は、アンダークッション7205と同様の曲率を含むが、アンダークッションフィンガは、フィンガの不連続の構造を補償するために輪郭がより厚い。
【0234】
一実施形態では、アンダークッション及びアンダークッションフィンガを、一体化されたクッション及びフレーム7100と一緒に、一体にモールド成形して1ピース(例えば、ショアA40または同様のシリコーン)にすることができる。
【0235】
デュロメータ硬さが低いアンダークッション
図123から図125に、クッションの鼻領域SN、頬領域CH、及び角領域Cの側部に沿って、デュロメータ硬さが低いアンダークッション7305(例えば、ショアA硬度が2〜10の材料)を設ける構成を示す。この実施形態では、アンダークッションは、鼻根領域NB及び上唇または頤領域ULには設けられておらず、すなわち、膜7103にのみ設けられている。クッションの長手方向軸に沿ってアンダークッションのないこうした構成により、その長手方向軸に沿ったクッション可撓性が強化される。図125に示すように、アンダークッション7305は、低硬度の材料を補償するために輪郭がより厚い。
【0236】
アンダークッション7305は、クッションをシーリング方向に十分に支持し、一方で、軟質且つ可撓性のアンダークッション構造を使用してクッションのサイズを調節するのに必要な力を低減し、やはりガセット領域の形状を最適化する。図124に示すように、最小限の力でその領域での延伸及び圧縮を可能にするために、ガセット領域7106においてアンダークッション7305にストレスリリーフ7307が設けられる。
【0237】
一実施形態では、アンダークッション(例えば、ショアA硬度が2〜10のシリコーンまたはTPE)を、例えば、デュロメータ硬さを2つ有するモールド成形によって、一体化されたクッション及びフレーム7100(例えば、ショアA硬度が40のシリコーンまたはTPE)と一緒に、モールド成形して1ピースにすることができる。
【0238】
低いデュロメータ硬さ
図126から図128に、デュロメータ硬さが低い材料(例えば、ショアA硬度が2〜10の材料)がアンダークッション7405及び膜7403の両方のために利用される構成を示す。この実施形態では、アンダークッションは、クッションの鼻領域SN、頬領域CH、及び角領域Cの側部に沿って設けられており、鼻根領域NB及び上唇または頤領域ULにはアンダークッションが設けられていない。クッションの長手方向軸に沿ってアンダークッションのないこうした構成により、その長手方向軸に沿ったクッション可撓性が強化される。
【0239】
こうした構成により、従来のモールド成形技術でクッションをモールド成形することが可能であり、例えば、デュロメータ硬さを2つ有するモールド成形は必要ない。こうした構成は、シーリング方向にクッションを十分に支持し、クッション全体に軟質且つ可撓性の材料を使用して、クッションサイズを調節するのに必要な力が低減される。図123から図125の実施形態と同様に、最小限の力でその領域での延伸及び圧縮を可能にするために、ガセット領域においてアンダークッションにストレスリリーフ7407が設けられてもよい(図127参照)。
【0240】
図123から図125の実施形態と同様に、アンダークッション7405は、低硬度の材料を補償するために輪郭がより厚い(図128参照)。この実施形態では、低硬度の材料を補償するために、膜7403を(例えば、図115から図125の膜よりも)厚く作製する。例えば、図127の拡大詳細図に示すように、膜7403の厚さXは約0.7〜1.0mmである。対照的に、図115から図125の前述の実施形態ではこうした厚さは約0.3〜0.5mmである。
【0241】
3.17.2 単一壁クッション
以下に、単一壁クッション、すなわち、アンダークッション支持構造無しで膜のみのクッションの代替の実施形態を示す。
【0242】
単一壁クッションの第1の例示的な実施形態
図129から図131にクッション7500を示し、そのクッション7500は、外周に沿って膜7503のみを含み、すなわち、アンダークッション支持構造が含まれない。クッションは、デュロメータ硬さが低い材料(例えば、ショアA硬度が2〜10の材料)から構築されており、膜の厚さは、クッションの異なる領域で変化させ、そのため、2重壁のクッション、すなわち、膜及びアンダークッションと同様の機能がもたらされる。
【0243】
従来のデュロメータ硬さが高い材料(例えば、ショアAが40のシリコーン)の代わりに、軟質であり、可撓性であり、デュロメータ硬さが低い材料(例えば、ショアAが2〜10のシリコーン)を使用することによって、クッションサイズを調節するのに必要な力が小さくなる。更に、デュロメータ硬さが低い材料は、ショアAが40のシリコーンと比べると、非常に厚い壁セクションにより同程度の可撓性及び順応性を有する。厚いクッションセクションを有する例示的な利益は、サイズ変更中に起きることがある、挟まれ及び座屈に対してより抵抗性があることである。
【0244】
一実施形態では、クッションの断面は、膜がクッションの角領域Cで最も厚く、鼻領域SN及び頬領域CHの側部でより厚く、鼻根領域NB及び上唇または頤領域ULで最も薄くなるように変化させる。
【0245】
図130に最も薄い領域にある膜の断面を示し、これは、シール及び快適性を最適にするためにクッションに膨張するのに十分な可撓性をもたらす。図131に、そのより厚い領域のうちの1つに沿った膜の断面を示し、その領域は、順応性の程度を維持しながら、支持構造として機能し、底部に触れないように抵抗する(resist bottoming out)ことができる。
【0246】
図130に示すように、サイズ調節を助けるために、ガセット領域にストレスリリーフ7507を設けることができる。クッション7500は、フレーム領域若しくはバンドに(例えば、接ぎ合わせることで)取り付けられてもよく、またはクッションは、一体化するかまたはモールド成形して、バンドを有する1ピースにすることができる。
【0247】
単一壁クッションの第2の例示的な実施形態
図132から図135に、本技術の別の実施形態による単一壁クッション7600を示す。図129〜図131の実施形態と同様に、クッション7600は、その外周に沿って膜7603しか含まず、膜の厚さは、2重壁クッションと同様の機能をもたらすように外周によって様々である。
【0248】
この実施形態では、膜7603の形状または曲率は、「鼻用マスクシステム(Nasal Mask System)」との表題で2010年5月28日に国際出願されたPCT/AU2010/000657号(国際公開第2010/135785号パンフレット)に開示された、クッション中のアンダークッションの形状と同様のものとすることができる。その文献は、2009年5月29日出願の米国仮特許出願第61/213,326号、2009年7月2日出願の米国仮特許出願第61/222,711号、2009年8月25日出願の米国仮特許出願第61/272,162号、2009年9月4日出願の米国仮特許出願第61/272,250号、2009年11月20日出願の米国仮特許出願第61/263,175号、及び2010年3月18日出願の米国仮特許出願第61/282,693号、並びに2009年6月2日出願のオーストラリア仮出願第2009902524号、及び2009年12月15日出願のオーストラリア仮出願第2009906101号の利益を主張するものであり、これらの文献はそれぞれ参照によりその全体が本明細書に援用される。図129から図131の実施形態では、膜7503の形状または曲率は、上述の国際出願に記載のクッションの膜の形状と同様のものとすることができる。
【0249】
図示のように、材料7609の薄いリップ部が膜7603から離れて延びる。こうした薄いリップ部7609は、クッションの外周全体に沿って延び、膨張によってシールするように構成されている。
【0250】
図133に、可撓性を強化するためにテーパ状壁セクション7611がクッションの上部及びベースに用いられ、従って、シール及び快適性を最適にするために膜が膨張できることを示す。図134に、より厚い領域の1つに沿った膜の断面を示し、その領域は、順応性の程度を維持しながら、支持構造として機能し、底部に触れないように抵抗することができる。
【0251】
図129〜図131の実施形態と同様に、クッション7600は、デュロメータ硬さが低い材料(例えば、ショアA硬度が2〜10の材料)から構築されている。従来のショアAが40のシリコーンの代わりに軟質で可撓性の材料を使用することによって、クッションサイズを調節するのに必要な相対的な力を小さくすることができる。更に、デュロメータ硬さが低い材料は、ショアAが40のシリコーンと比べると、非常に厚い壁セクションにより同程度の可撓性及び順応性を有する。厚いクッションセクションを有する例示的な利益は、サイズ変更中に起きるであろう挟まれ及び座屈に対してより抵抗性があることである。
【0252】
単一壁クッションの第3の例示的な実施形態
図136から図141に、本技術の一実施形態による一体化されたクッション及びフレーム7700を示す。図示のように、一体化されたクッション及びフレーム7700は、クッション領域7702と、フレーム領域7704と、調節可能な領域またはガセット領域7706とを含む。フレーム領域の正面は、エルボを収容する開口7710を含む。
【0253】
上記で説明したように、クッション領域は、その外周に沿って膜7703しか含まない。一体化されたクッション及びフレームは、デュロメータ硬さが低い材料(例えば、ショアA硬度2〜10の材料)から構築することができ、膜の厚さは、2重壁のクッション、すなわち、膜及びアンダークッションに同様の機能をもたらすように、クッションの異なる領域において変化させる。例えば、クッションの断面は、膜が鼻根領域NB及び上唇または頤領域ULで最も薄く(図137参照)、鼻領域SN、頬領域CH、及び角部領域Cの側面でより厚くなるように変化させる。
【0254】
その膜は、低硬度材料を補うように(例えば、図115から図125の膜よりも)厚く作製されている。例えば、図137に示すように、膜の厚さd1は約0.7〜1.0mm(例えば、0.8mm)である。対照的に、図115から図125の前述の実施形態のこうした厚さは約0.3〜0.5mmである。更に、図141に示すように、膜の厚さd2は約1.0〜1.5mm(例えば、1.2mm)であり、厚さd3は約1.5〜3.5mm(例えば、2.5mm)である。
【0255】
本技術によるマスクシステムの一利点は、患者に陽圧療法を施すことができるように、調節できることと、患者の顔にシールを形成できることである。本技術の更なる利点は、患者の顔にある間に調節でき、そのため、患者に寸法合わせするのがより単純且つ/または簡単になることである。本技術の更なる利点は、マスクシステムが調節されながらシールを維持することである。本技術の別の利点は、細かい、例えば約1mm未満の調節、並びに粗い、例えば約2から3mmを越える調節を可能にすることである。本技術によるマスクシステムの別の利点は、1つの調節点を介してマスクシステムを調節できることであり、そのため、使用が単純になり、使い易さが改善される。本技術によるマスクシステムの一利点は、マスクシステムの第2の部分に対するマスクシステムの第1の部分の調節の制御を、マスクシステムの2つの部品の相対位置をゆがめることなく容易にする機構が提供されることである。本技術によるマスクシステムの一利点は、例えば、部分的に重なる領域、凹所領域、閉鎖領域、及び汚れまたは細菌が蓄積する場合がある他の位置を避けることによって、洗浄が比較的簡単な調節機構が提供されることである。本技術の一態様によるマスクシステムの一利点は、例えば折り目または部分的に重なるセクションによってもたらされるように、シール形成部分に漏出通路を回避することである。本技術の一態様によるマスクシステムの一利点は、顔のパーツ、例えば鼻領域にぶつかることなく調節を行うことができ、他のマスクの特徴部、例えばエルボにぶつかることなく簡単に調節可能である調節機構が提供されることである。本技術の一利点は、互いに対して調節できる第1及び第2のマスク部分を含むマスクシステムが提供されることであり、マスクシステムは更に、一形態では、第1及び第2のマスク部分にヘッドギア取付け点を含む。
【0256】
現在最も実用的であり好ましい実施形態と考えられるものに関連して本発明を説明してきたが、本発明は開示された実施形態に限定されるものではなく、逆に、本発明の精神及び範囲内に含まれる様々な修正形態及び等価構成を包含するものであることを理解されたい。更に、上記で説明した様々な実施形態を他の実施形態と併せて実施でき、例えば、一実施形態の態様を別の実施形態の態様と組み合わせて、更に他の実施形態を実現することができる。更に、任意の所与のアセンブリの独立した特性または構成要素はそれぞれ、追加の実施形態を構成することができる。更に、任意の所与のアセンブリの独立した構成要素、任意の所与のアセンブリの個別の構成要素の1つまたは複数の部分、及び1つまたは複数の実施形態の様々な構成要素の組み合わせはそれぞれ、装飾用の設計特徴部を1つまたは複数含むことができる。更に、本発明はOSAを患う患者に対する特定の用途を有するが、他の病気(例えば、鬱血性心不全、糖尿病、病的肥満、脳卒中、肥満症治療手術等)を患う患者が上記の教示から利益を得ることができることを理解されたい。更に、上記の教示は、患者にも非医療用途における非患者にも同様に応用することができる。
【符号の説明】
【0257】
100 マスクシステム
110 フレーム
112 上側フレーム部分
114 下側フレーム部分
116 中間部材、調節可能な領域、ガセット
118 クッション、シーリング部分
120 エルボ
125 調節機構
130 シール
134 アクチュエータ
190 ダイヤル
195 矢印
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年6月24日出願の米国仮出願第61/213,611号、2009年11月20日出願の第61/272,933号、及び2009年12月9日出願の第61/285,026号の利益を主張するものであり、それらの文献はそれぞれ、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本技術は、例えば、空気または呼吸に適したガスを陽圧で患者または着用者の1つまたは複数の気道に送出する呼吸マスクに関する。詳細には、本技術は、調節可能なマスクシステム及び関連の方法に関する。
【背景技術】
【0003】
睡眠時呼吸障害(SDB:Sleep Disordered Breathing)を治療する経鼻的持続陽圧気道圧法(経鼻的CPAP:nasal Continuous Positive Airway Pressure)の使用は、Sullivanによって最初に開発された。例えば、特許文献1を参照されたい。経鼻的CPAPを提供する装置が、典型的には、陽圧(例えば、ブロワまたはフロージェネレータによってもたらされる2〜30cmH2O)の空気源、何らかの形態の患者とのインターフェースまたは呼吸マスクシステム(例えば、経鼻的マスクシステムまたはフルフェイスマスクシステム)、及び空気送出チューブを備える。
【0004】
呼吸マスクシステムが、典型的には、何らかの形態の緩衝要素(「クッション」)、シーリング要素、及び何らかの形態の安定化要素(例えば、フレーム及びヘッドギア)を含む。緩衝要素及びシーリング要素は、1ピース(one piece)に、または2以上のピースに形成されてもよく、別々の構造でもよい。緩衝要素及びシーリング要素を、単一の構造のうちの異なる部分から形成することができる。ヘッドギアは、軟質、可撓性、伸縮性のあるストラップの集合体を含むことができる。それらのストラップは、フォーム及び布等の複合材料から構築することができる。
【0005】
フレームは、クッション、ヘッドギア、及び空気送出チューブの連結を可能にする、硬質、半硬質、または軟質の構造とすることができる。フレームは、ポリカーボネート、シリコーン、または他の様々な材料から作製することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4944310号明細書
【特許文献2】国際公開第2008/011683号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2008/011682号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2008/070929号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の多くのマスクシステムでは、広い範囲の患者に寸法合わせするために、ある範囲の様々なサイズの構成要素(クッション、フレーム)を設ける必要がある。これらのマスクシステムは、意図した目的に対しては許容できるが、当技術分野では、従来のマスクシステムに関連する制限に対処するマスクシステムを提供する必要性が生じている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術は、マスクシステム及びそのマスクシステムを使用する方法に関する。本技術の一態様は、広い範囲の顔のサイズ及び/または形状に寸法合わせするマスクシステムである。本技術の別の態様は、陽圧の気道圧を維持するために使用できるマスクシステムである。
【0009】
本技術の一態様は、調節可能なマスクシステムに関する。本技術の別の態様は、陽圧を維持するように患者の顔に対してシール可能であり調節可能である、マスクシステムである。一形態では、マスクシステムは、長さを調節可能である。一形態では、マスクシステムは、シールを維持しながら調節可能である。一形態では、本技術の一態様によるマスクシステムが、調節可能なフレーム及びクッションを含み、そのフレームは、長さを調節可能であり、クッションは、フレームの長さの増大に応答して伸長するように適合されている。
【0010】
本技術の更なる態様が、シーリング部分を備えるマスクシステムに関し、そのシーリング部分は形状を変更することができる。
【0011】
本技術の更なる態様が、シーリング部分を備えるマスクシステムに関し、そのシーリング部分は形状を変更することができ、シーリング部分の外周の長さは一定である。
【0012】
本技術の更なる態様が、シーリング部分を備えるマスクシステムに関し、そのシーリング部分は、収縮及び/または延伸することができる。
【0013】
本技術の更なる態様が、シーリング部分を備えるマスクシステムに関し、そのシーリング部分は、収縮及び/または延伸することができ、シーリング部分の外周の長さは変更可能である。
【0014】
本技術の更なる態様が、シーリング部分を備えるマスクシステムに関し、そのシーリング部分は、収縮及び/または延伸及び/または形状変更することができる。
【0015】
本技術の更なる態様が、シーリング部分を備えるマスクシステムに関し、そのシーリング部分は、収縮及び/または延伸及び/または形状変更することができ、シーリング部分の外周の長さは変更可能である。
【0016】
一形態では、本技術によるマスクシステムは、シーリング部分を備え、そのシーリング部分は、第1の相対的に固定された部分と、第2の相対的に変更可能な部分を有する。そのマスクシステムは、第1の部分を大きく変更することなく第2の部分を変更するように調節することができる。一形態では、第1の部分は、相対的に固定された形状を維持することができ、第2の部分は、形状及び/または長さを調節可能である。一形態では、マスクシステムは、相対的に固定された部分2つと、第2の相対的に変更可能な部分とを備えることができ、その相対的に変更可能な部分が、好ましくは、相対的に固定された2つの部分の間に配置される。本技術の一形態では、マスクシステムが、相対的に固定された鼻根領域と、相対的に固定された唇領域と、それらの間の比較的調節可能なまたは変更可能な領域とを有する。
【0017】
別の態様が、広い範囲の患者に寸法合わせするために少ない構成要素及び/または少ない在庫しか必要としないマスクシステムに関する。
【0018】
更に別の態様が、臨床医に正確なサイズのマスクシステムを選択してもらう必要無しに、自宅での寸法合わせ及び/または診断を更に容易に可能にするマスクシステムに関する。
【0019】
更に別の態様が、広い範囲の患者のサイズ及び形状に寸法合わせするように形状及び/またはサイズを変更することができ、やはり患者または着用者の顔に対する快適且つ適当なシールを維持するマスクシールに関する。
【0020】
本技術の別の態様が、マスクの第2の部分に対してマスクの第1の部分を調節する手段に関する。
【0021】
本技術の別の態様が、被膜または可撓性の膜でカバーするかまたは別法でそれに連結することができる、骨組みまたは実質的に拡大不能なフレームに関し、その可撓性の膜により骨組みの姿勢を調節することができる。可撓性の膜を、延伸可能、折り畳み可能、及び/または折り曲げ可能とすることができる。
【0022】
本技術の別の態様が、シーリングして患者に係合する機能を維持しながら、骨組みの形状が変わるとシーリング機構の形状が変わるような、骨組みに連結されたクッションまたはシーリング機構に関する。
【0023】
本技術の別の態様は、可撓性のまたは拡大可能なカバー部材または接合部材に関し、その部材は、骨組みの一部分/複数部分の姿勢を変えるために接合部材を変形または移動できるように、骨組みまたは実質的に伸縮性のあるフレームの一部分の間に構成及び配置される。骨組みが第1の姿勢と第2の姿勢との間を移動すると、第1のマスクサイズから第2のマスクサイズに変更することができる。
【0024】
本技術の別の態様は、第1の姿勢から第2の姿勢に移動可能な骨組みまたはフレーム部分に関する。第2の姿勢を、第1の姿勢と実質的に垂直に位置合わせすることができる。
【0025】
本技術の別の態様は、第1の姿勢から第2の姿勢に移動可能な骨組みまたはフレーム部分に関する。第2の姿勢は、第1の姿勢に対して実質的に角度をとることができる。
【0026】
一例では、フレームと、そのフレームに設けられたクッションであって、着用者の皮膚に接触する、1ピースのシール構成要素または一緒に働く2ピース以上のシール構成要素を有し、そのシールが、着用者の顔の1つまたは複数の寸法に対してサイズ及び/または形状を調節可能である、クッションとを備える着用者用のマスクシステムが提供される。シールは、フォーム、TPE、シリコーン、または軟質、半軟質、及び硬い材料の複合材を含むことができる。
【0027】
別の例では、着用者用のマスクシステムを作製する方法であって、フレームを設けるステップと、そのフレームにクッションを設けるステップであって、そのクッションが、1ピースのシール構成要素または一緒に働く2ピース以上のシール構成要素を含む、クッションを設けるステップと、着用者に合わせてカスタマイズするために、最初のサイズと、異なる複数のサイズとの間で、更に異なるサイズから最初のサイズに戻すように調節できるように、シールを構成するステップとを含む、方法が提供される。
【0028】
更に別の例によれば、2〜30cmH2Oの範囲の加圧空気を送出するCPAPマスクシステムを着用者に寸法合わせする方法であって、マスクシステムの1ピースのシール構成要素または一緒に働く2ピース以上の構成要素を着用者に寸法合わせするステップと、着用者の顔に合わせたシールの1つまたは複数の寸法を調節するステップとを含む、方法が提供される。
【0029】
更に別の例によれば、フレームと、そのフレームに設けられたクッションであって、シールを含むクッションと、そのシールのサイズ及び/または形状を調節するために設けられた調節機構であって、そのシールの調節を行うアクチュエータシステムを含む調節機構とを備えるマスクシステムが提供される。
【0030】
本技術の一形態では、調節可能であり、それにより、最小長さと最大長さとの間で不連続の姿勢にできる、長さ調節機構を含むマスクシステムが提供される。一形態では、そのマスクシステムは更に、鼻根領域及び唇領域を相対位置が固定された状態で保持するロック機構またはラッチ機構を備える。
【0031】
本技術の別の態様が、上側フレーム部分及び下側フレーム部分を含むフレームと、上側フレーム部分に設けられた上側部分、下側フレーム部分に設けられた下側部分、及び上側部分と下側部分との間の調節部分を含む可撓性部材とを備える、マスクシステムに関する。その調節部分は、上側部分と下側部分との間、従って上側フレーム部分と下側フレーム部分との間の相対移動を可能にするように構成されている。
【0032】
本技術の別の態様が、構造要素(structural element)と、その構造要素に設けられ、患者の顔に対するシールを形成するように適合された順応要素(conforming element)とを備える、マスクシステムに関する。その構造要素及び順応要素のうちの少なくとも一部分が、膜で封入またはコートされている。
【0033】
本技術の別の態様が、2〜30cmH2Oの範囲の加圧空気を受容するように適合されたマスク内部呼吸チャンバを画定するフレームと、そのフレームに設けられ、患者の顔に対するシールを形成するように適合されたクッションとを含む、マスクシステムに関する。そのフレームは調節部分を含み、その調節部分は、少なくとも第1のサイズから第2のサイズにシールを調節し、その逆も同様に調節する。
【0034】
本技術の別の態様が、フレームと、そのフレームに設けられたクッションとを含む、マスクシステムに関する。そのフレームは、第1のフレーム部分及び第2のフレーム部分を含む。第1及び第2のフレーム部分は、互いに対して移動可能である。クッションは、患者の顔に対するシールを形成するように適合されている。シールの一部分は、第1及び第2のフレーム部分並びに/またはシールを互いに対して着脱する必要無しに、第1のフレーム部分と第2のフレーム部分との間の相対移動に基づいてサイズ及び/または形状を変更するように適合されている。
【0035】
本発明の他の態様、特性、及び利点は、本開示の一部であり例示によって本発明の原理を示す添付の図面と併せると、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0036】
添付の図面により、この技術の様々な実施形態の理解が助けられる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】シーリングの分布を示す、モデルとなる患者の頭の概略図である。
【図1A】シーリングの分布を示す、モデルとなる患者の頭の概略図である。
【図1B】シーリングの分布を示す、モデルとなる患者の頭の概略図である。
【図2】シーリングの分布を示す、モデルとなる患者の頭の概略図である。
【図2A】シーリングの分布を示す、モデルとなる患者の頭の概略図である。
【図3−1】本技術の一例による経鼻的マスクシステムまたはフルフェイスマスクシステムの図を示す。
【図3−2】本技術の一例による経鼻的マスクシステムまたはフルフェイスマスクシステムの図を示す。
【図3−3】本技術の一例による経鼻的マスクシステムまたはフルフェイスマスクシステムの図を示す。
【図3−4】本技術の一例による経鼻的マスクシステムまたはフルフェイスマスクシステムの図を示す。
【図3−5】本技術の一例による経鼻的マスクシステムまたはフルフェイスマスクシステムの図を示す。
【図3−6】本技術の一例による経鼻的マスクシステムまたはフルフェイスマスクシステムの図を示す。
【図4】そのサンプルとなるフレームである。
【図5−1】分離した上側フレームの図を示す。
【図5−2】分離した上側フレームの図を示す。
【図5−3】分離した上側フレームの図を示す。
【図5−4】分離した上側フレームの図を示す。
【図5−5】分離した上側フレームの図を示す。
【図6−1】分離した調節機構/アクチュエータサブアセンブリの図を示す。
【図6−2】分離した調節機構/アクチュエータサブアセンブリの図を示す。
【図6−3】分離した調節機構/アクチュエータサブアセンブリの図を示す。
【図6−4】分離した調節機構/アクチュエータサブアセンブリの図を示す。
【図6−5】分離した調節機構/アクチュエータサブアセンブリの図を示す。
【図6−6】分離した調節機構/アクチュエータサブアセンブリの図を示す。
【図7−1】分離したラックの図を示す。
【図7−2】分離したラックの図を示す。
【図7−3】分離したラックの図を示す。
【図7−4】分離したラックの図を示す。
【図7−5】分離したラックの図を示す。
【図8−1】分離した歯車/ピニオンの図を示す。
【図8−2】分離した歯車/ピニオンの図を示す。
【図8−3】分離した歯車/ピニオンの図を示す。
【図9−1】マスクシステムの組み立てステップの図を示す。
【図9−2】マスクシステムの組み立てステップの図を示す。
【図9−3】マスクシステムの組み立てステップの図を示す。
【図9−4】マスクシステムの組み立てステップの図を示す。
【図9−5】マスクシステムの組み立てステップの図を示す。
【図9−6】マスクシステムの組み立てステップの図を示す。
【図10−1】分離した内側シュラウドの図を示す。
【図10−2】分離した内側シュラウドの図を示す。
【図10−3】分離した内側シュラウドの図を示す。
【図10−4】分離した内側シュラウドの図を示す。
【図10−5】分離した内側シュラウドの図を示す。
【図11−1】分離した外側シュラウドの図を示す。
【図11−2】分離した外側シュラウドの図を示す。
【図11−3】分離した外側シュラウドの図を示す。
【図11−4】分離した外側シュラウドの図を示す。
【図11−5】分離した外側シュラウドの図を示す。
【図12−1】分離したダイヤルの図を示す。
【図12−2】分離したダイヤルの図を示す。
【図12−3】分離したダイヤルの図を示す。
【図12−4】分離したダイヤルの図を示す。
【図12−5】分離したダイヤルの図を示す。
【図13】代替の例を示す。
【図13−1】代替の例を示す。
【図14−1】代替の例を示す。
【図14−2】代替の例を示す。
【図15−1】クッション及び調節可能な領域またはガセットのサブアセンブリの図を示す。
【図15−2】クッション及び調節可能な領域またはガセットのサブアセンブリの図を示す。
【図15−3】クッション及び調節可能な領域またはガセットのサブアセンブリの図を示す。
【図15−4】クッション及び調節可能な領域またはガセットのサブアセンブリの図を示す。
【図15−5】クッション及び調節可能な領域またはガセットのサブアセンブリの図を示す。
【図16−1】分離した調節可能な領域またはガセットの図を示す。
【図16−2】分離した調節可能な領域またはガセットの図を示す。
【図16−3】分離した調節可能な領域またはガセットの図を示す。
【図16−4】分離した調節可能な領域またはガセットの図を示す。
【図16−5】分離した調節可能な領域またはガセットの図を示す。
【図17−1】代替のシールの構成を示す。
【図17−2】代替のシールの構成を示す。
【図18−1】別の代替のシールの構成を示す。
【図18−2】別の代替のシールの構成を示す。
【図18−3】別の代替のシールの構成を示す。
【図18−4】別の代替のシールの構成を示す。
【図18−5】別の代替のシールの構成を示す。
【図19−1】本技術の一実施形態による、歯間の間隔が狭い回転歯車及びラックを示す。
【図19−2】本技術の一実施形態による、歯間の間隔が広い回転歯車及びラックを示す。
【図20−1】本技術の一実施形態による、調節機構用の移動ストップを示す。
【図20−2】本技術の一実施形態による、調節機構用の移動ストップを示す。
【図21−1】本技術の一実施形態による、調節機構用のロック特徴部を示す。
【図21−2】本技術の一実施形態による、調節機構用のロック特徴部を示す。
【図22】本技術の別の実施形態による、調節機構用のロック特徴部を示す。
【図23−1】本技術の一実施形態による、調節機構用のウォーム歯車機構を示す。
【図23−2】本技術の一実施形態による、調節機構用のウォーム歯車機構を示す。
【図24−1】本技術の一実施形態による、調節機構用の摺動機構を示す。
【図24−2】本技術の一実施形態による、調節機構用の摺動機構を示す。
【図25】材料の圧縮による高さ調節を示す概略図である。
【図26−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図26−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図26−3】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図26−4】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図26−5】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図26−6】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図26−7】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図26−8】本技術の一実施形態によるクッション形状の代替例を示す。
【図26−9】本技術の一実施形態によるクッション形状の代替例を示す。
【図26−10】本技術の一実施形態によるクッション形状の代替例を示す。
【図26−11】本技術の一実施形態によるクッション形状の代替例を示す。
【図27−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図27−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図27−3】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図27−4】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図27−5】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図27−6】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図27−7】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図27−8】本技術の一実施形態によるクッション形状の代替例を示す。
【図27−9】本技術の一実施形態によるクッション形状の代替例を示す。
【図27−10】本技術の一実施形態によるクッション形状の代替例を示す。
【図27−11】本技術の一実施形態によるクッション形状の代替例を示す。
【図27−12】本技術の一実施形態によるクッション形状の代替例を示す。
【図28−1】本技術の一実施形態によるクッションを示す。
【図29−1】本技術の一実施形態によるクッションを示す。
【図30−1】本技術の一実施形態によるクッションを示す。
【図31−1】本技術の一実施形態によるクッションを示す。
【図32】材料の伸張または延伸による高さ調節を示す概略図である。
【図33−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−3】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−4】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−5】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−6】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−7】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−8】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−9】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−10】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−11】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−12】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−13】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−14】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−15】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−16】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−17】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図33−18】シリコーン膜部分、及びフォーム製アンダークッション部分を有する、クッションの代替例を示す。
【図33−19】シリコーン膜部分、及びフォーム製アンダークッション部分を有する、クッションの代替例を示す。
【図33−20】シリコーン膜部分、及びフォーム製アンダークッション部分を有する、クッションの代替例を示す。
【図33−21】シリコーン膜部分、及びフォーム製アンダークッション部分を有する、クッションの代替例を示す。
【図33−22】シリコーン膜部分、及びフォーム製アンダークッション部分を有する、クッションの代替例を示す。
【図33−23】シリコーン膜部分、及びフォーム製アンダークッション部分を有する、クッションの代替例を示す。
【図33−24】シリコーン膜部分、及びフォーム製アンダークッション部分を有する、クッションの代替例を示す。
【図33−25】シリコーン膜部分、及びフォーム製アンダークッション部分を有する、クッションの代替例を示す。
【図34−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図34−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図34−3】様々に形状を変更するクッションを示す概略図である。
【図34−4】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図34−5】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図34−6】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図34−7】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図34−8】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図34−9】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図34−10】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図35−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図35−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図35−3】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図36−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図36−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図37−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図37−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図38−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図38−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図38−3】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図38−4】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図39】本技術の一実施形態によるクッションを示す。
【図40−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図40−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図41−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図41−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図42−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図42−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図43−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図43−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図43−3】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図43−4】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図43−5】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図43−6】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図43−7】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図43−8】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図44−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図44−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図45】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図46−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図46−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図46−3】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図46−4】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図46−5】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図46−6】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図47】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図48−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図48−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図48−3】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図49】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図50】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図51−1】本技術の一実施形態による、クッションの形状変更の代替例を示す。
【図51−2】本技術の一実施形態による、クッションの形状変更の代替例を示す。
【図51−3】本技術の一実施形態による、クッションの形状変更の代替例を示す。
【図51−4】本技術の一実施形態による、クッションの形状変更の代替例を示す。
【図51−5】本技術の一実施形態による、クッションの形状変更の代替例を示す。
【図52−1】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図52−2】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図52−3】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図52−4】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図52−5】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図52−6】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図52−7】本技術の一実施形態による、クッション用のフレームを示す。
【図52−8】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図52−9】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図52−10】本技術の一実施形態による、クッションを補強する代替例を示す。
【図52−11】本技術の一実施形態による、クッションを補強する代替例を示す。
【図52−12】本技術の一実施形態による、クッションを補強する代替例を示す。
【図52−13】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図52−14】本技術の一実施形態によるクッションの図を示す。
【図52−15】本技術の一実施形態による、クッション及び調節機構の図を示す。
【図52−16】本技術の一実施形態による、クッション及び調節機構の図を示す。
【図52−17】本技術の一実施形態による、クッション及び調節機構の図を示す。
【図52−18】本技術の一実施形態による、クッション及び調節機構の図を示す。
【図52−19】本技術の一実施形態による、クッション及び調節機構の図を示す。
【図52−20】本技術の一実施形態による、クッション及び調節機構の図を示す。
【図52−21】本技術の一実施形態による、クッション及び調節機構の図を示す。
【図52−22】本技術の一実施形態による、クッション及び調節機構の図を示す。
【図53】本技術の一実施形態による、クッション及び調節機構を示す。
【図54】本技術の一実施形態による骨組みの一部分の正面図を示す。
【図55】本技術の一実施形態による骨組みの一部分の等角図を示す。
【図56】本技術の一実施形態による骨組みの一部分の等角図を示す。
【図57】本技術の一実施形態によるマスクの一部分の等角図を示す。
【図58】本技術の一実施形態によるマスクの等角図を示す。
【図59】本技術の一実施形態によるマスクの骨組みの正面図を示す。
【図60】本技術の一実施形態による、マスクの断面図を示す。
【図61】本技術の一実施形態によるマスクの断面図の一部分を示す。
【図62】本技術の一実施形態によるマスクの一部分の分解等角図を示す。
【図63】本技術の一実施形態によるマスクの一部分を示す。
【図64】本技術の一実施形態によるマスクの正面等角図を示す。
【図65】本技術の一実施形態によるマスクの背面等角図を示す。
【図66】本技術の一実施形態によるマスクの背面図を示す。
【図67】本技術の一実施形態によるマスクの分解断面図を示す。
【図68】本技術の一実施形態によるマスクの断面図を示す。
【図69】本技術の一実施形態によるマスクの断面図の一部分を示す。
【図70】本技術の一実施形態によるマスクの一部分を示す。
【図71】本技術の一実施形態によるマスクの断面図を示す。
【図72】本技術の一実施形態によるマスクの断面図の一部分を示す。
【図73】本技術の一実施形態によるマスクの断面図の一部分を示す。
【図74】本技術の一実施形態によるピンチタイプの調節機構を示す。
【図75−1】使用時の図74のピンチタイプの調節機構の作動を示す。
【図75−2】使用時の図74のピンチタイプの調節機構の作動を示す。
【図76】本技術の別の実施形態による、ピンチタイプの調節機構を有するマスクを示す。
【図77】図76のピンチタイプの調節機構の概略図である。
【図78】本技術の一実施形態によるダイヤル式角度アジャスタを有するマスクを示す。
【図79】図78のアジャスタの一部分の斜視図である。
【図80】図78のアジャスタの概略図である。
【図81】図78のアジャスタの概略図である。
【図82】本技術の一実施形態による摺動タイプのアジャスタの概略図である。
【図82−1】本技術の一実施形態による摺動タイプのアジャスタの斜視図である。
【図83】本技術の一実施形態によるオーバセンタラッチ機構の概略図である。
【図84】本技術の一実施形態による、ラックアンドピニオンタイプの機構を有するマスクを示す。
【図85】図84のラックアンドピニオンタイプの機構の斜視図である。
【図86】本技術の別の実施形態によるラックアンドピニオンタイプの機構の図を示す。
【図87】本技術の別の実施形態によるラックアンドピニオンタイプの機構の図を示す。
【図88】本技術の別の実施形態によるラックアンドピニオンタイプの機構の図を示す。
【図89】本技術の別の実施形態による、ラックアンドピニオンタイプの機構を有するマスクの図を示す。
【図90】本技術の別の実施形態によるラックアンドピニオンタイプの機構の図を示す。
【図91】本技術の別の実施形態によるラックアンドピニオンタイプの機構の図を示す。
【図92】本技術の別の実施形態によるラックアンドピニオンタイプの機構の図を示す。
【図93】本技術の一実施形態による、クランク機構を有するマスクの概略図である。
【図94】本技術の一実施形態による調節機構の図を示す。
【図95】本技術の一実施形態による調節機構の図を示す。
【図96】本技術の一実施形態による調節機構を有するマスクを示す。
【図97】本技術の一実施形態による、摺動式アジャスタを有する調節機構を含むマスクの斜視図である。
【図98】本技術の別の実施形態による、摺動式アジャスタを有する調節機構を含むマスクの斜視図である。
【図99】本技術の一実施形態による、調節可能なサイドアームを有する調節機構を示す。
【図100】本技術の一実施形態による、調節可能なサイドアームを有する調節機構を示す。
【図101】本技術の別の実施形態による、調節可能なサイドアームを有する調節機構を示す。
【図102】本技術の一実施形態による、ヘッドギアコネクタを有する調節機構を示す。
【図103】本技術の一実施形態による、ヘッドギアコネクタを有する調節機構を示す。
【図104】本技術の一実施形態による、調節可能なサイドアームを有する調節機構を示す。
【図105】本技術の一実施形態による、調節可能なサイドアームを有する調節機構を示す。
【図106】クッションの代替実施形態を示す断面図である。
【図107】クッションの代替実施形態を示す断面図である。
【図108】クッションの代替実施形態を示す断面図である。
【図109】クッションの代替実施形態を示す断面図である。
【図110】クッションの代替実施形態を示す断面図である。
【図111】クッションの代替実施形態を示す断面図である。
【図112】クッションの代替実施形態を示す断面図である。
【図113】クッションの代替実施形態を示す断面図である。
【図114】クッションの代替実施形態を示す断面図である。
【図115】本技術の一実施形態による、一体化されたクッション及びフレームの正面図である。
【図116】本技術の一実施形態による、一体化されたクッション及びフレームの背面図である。
【図117】図115の一体化されたクッション及びフレームの断面図である。
【図118】図116の一体化されたクッション及びフレームの断面図である。
【図119】本技術の別の実施形態による、一体化されたクッション及びフレームの背面図である。
【図120】図119の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【図121】図119の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【図122】図119の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【図123】本技術の別の実施形態による、一体化されたクッション及びフレームの背面図である。
【図124】図123の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【図125】図123の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【図126】本技術の別の実施形態による、一体化されたクッション及びフレームの背面図である。
【図127】図126の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【図128】図126の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【図129】本技術の別の実施形態によるクッションの正面図である。
【図130】図129のクッションを通る断面図である。
【図131】図129のクッションを通る断面図である。
【図132】本技術の別の実施形態によるクッションの正面図である。
【図133】図132のクッションを通る断面図である。
【図134】図132のクッションを通る断面図である。
【図135】図132のクッションを通る断面図である。
【図136】本技術の別の実施形態による、一体化されたクッション及びフレームの正面図である。
【図137】図136の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【図138】図136の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【図139】図136の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【図140】図136の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【図141】図136の一体化されたクッション及びフレームを通る断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下の説明は、共通の特徴及び特性を共有できる複数の実施形態に関連付けて行われる。任意の1つの実施形態の1つまたは複数の特性を、他の実施形態の1つまたは複数の特性と組み合わせることができると理解されたい。更に、実施形態のいずれかの任意の単一の特性または複数の特性の組み合わせにより、更なる実施形態を構成することができる。
【0039】
本明細書では、用語「備える(comprising)」はオープンな意味、すなわち「含む(including)」の意味であり、従って、クローズドな意味、すなわち「のみから構成される(consisting only of)」の意味に限定されないと理解すべきである。関連する用語「comprise」、「comprised」、及び「comprises」についても同様の解釈が為される。
【0040】
用語「空気(air)」は、呼吸に適したガス、例えば酸素を補給した空気を含むものとする。本明細書で説明するマスクシステムで使用するブロワを、空気以外の流体をポンプ輸送するように設計できることも認識されている。
【0041】
1.1 概要
本技術は、「フリーサイズ」の解決策、例えば、調節可能なフルフェイスマスク、調節可能な経鼻的マスク、またはフルフェイスマスクを経鼻的マスクに転用するマスク若しくはその逆に転用するマスク等、調節可能なマスクシステムを供給することを目的としたマスクシステムに関する。フリーサイズという用語は、人口の70〜80%を超える、好ましくは95%以上の人口に寸法合わせできる、単一のマスクシステムを指す。従来の多くのマスクシステムは、典型的には、人口の95%までをカバーするために、2、3、またはそれを越える数のサイズを必要とする。図示の実施形態では、マスクシステムは、2〜30cmH2Oの範囲の加圧空気が患者に供給されるCPAP療法で使用されるCPAPマスクシステムである。しかし、本技術の諸態様が他の適切なマスクシステムに応用可能な場合があることを理解されたい。
【0042】
フリーサイズのマスクが生み出す利益には、睡眠研究室用マスク並びに家庭用マスクが含まれる。例えば、睡眠研究室の場合は、マスクが調節可能であると、寸法合わせが単純化され、最初に患者のサイズを判定する必要がなくなり、選択が単純化される。更に、調節可能なマスクシステムが、口呼吸/漏出の問題を事実上克服する。例えば、患者がマスクを経鼻的マスクに調節しているがその患者は口呼吸することが分かった場合は、患者はマスクを調節してフルフェイスマスクにすることができる。また、調節可能なマスクシステムにより、単一の製品またはその製品の少ない数の部品しか保有する必要がないので在庫が減り、従って、在庫でふさがる設備(capital)の量が減り、且つ/または余分の在庫を保管するのに必要な空間が減る。
【0043】
耐久性のある医療器具(DME:durable medical equipment)または家庭用医療器具(HME:home medical equipment)の製造者に当てはめると、調節可能なマスクシステムにより、試着する最初のマスクの寸法が合う可能性があり、そのため、寸法合わせが単純化され、最初に患者のサイズを判定する必要がなくなり、選択が単純化される。フリーサイズのマスクシステムは、誤ったサイズを供給することが不可能なので、回収またはサイズ変更が減るはずである。更に、寸法合わせプロセスが単純化されると(好ましくは、1つのサイズしか利用できないと)、特に使用済みまたは汚れたマスクシステムを交換する必要があるときに、寸法合わせ及び注文が簡単なので、顧客忠誠度を高め、療法に対するコンプライアンスの可能性を増大させる助けをする。更に、フリーサイズのマスクシステムにより、数種の所定の固定サイズ(例えば、小、中、大等)のマスクシステムよりも、マスクサイズを調節して患者の顔の輪郭に寸法合わせする良好な選択肢が与えられる。更に、マスクシステムの調節機能により、例えばインサイチュ(in situ)で、漏出を事実上克服することができる。例示的な実施形態では、フリーサイズのマスクシステムは、構成要素(例えば、フレーム部、シール等)を互いに対して着脱する必要無しに調節可能であり、そのため、使用中に患者の顔の上でマスクシステムを簡単に調節することができる(例えば、使用中に漏出をなくすように調節可能なマスクシステム)。
【0044】
1.1.1 概略コンセプト
本技術の一実施形態によるマスクシステムは、シーリング部分、フレーム部分、調節可能な部分、機構、支持システム、及び空気送出システムのうちの一部または全てを備えることができる。
【0045】
シーリング部分
シーリング部分はインターフェースを備えることができ、そのインターフェースは、使用中に患者の気道に対してシールするようにマスクシステムに設けられる。シーリング部分を、概して可撓性の材料から形成することができる。シーリング部分を弾性とすることができる。シーリング部分を、例えば熱を加えることによって、選択的に成形可能である。シーリング部分は、ある機構によりシーリング部分の形状を第1の姿勢から第2の姿勢に変更できるように可撓性でよい。シーリング部分は、ある機構によりシーリング部分の外周の長さを第1の姿勢から第2の姿勢に変更できるように圧縮可能及び/または延伸可能でよい。あるいは、シーリング部分は、ある機構によりシーリング部分の外周の長さ及びシーリング部分の形状を第1の姿勢から第2の姿勢に変更できるように、可撓性、圧縮可能及び/または延伸可能でよい。シーリング部分を、フォーム、ゲル、シリコーン、熱可塑性エラストマー、または上記で説明した機能に適した他の任意の材料から形成することができる。シーリング部分は、伸張時はより可撓性が高く、圧縮時は可撓性が低くてよい。シーリング部分を、1つまたは複数の領域が異なるデュロメータ硬さ(durometer)を有する、1つまたは複数の材料から構成することができる。
【0046】
フレーム部分
フレーム部分は、シーリング部分の少なくとも一部分を支持または別法で形成するように適合された構造を備えることができる。一実施形態では、フレーム部分は鼻根部分を有することができ、その鼻根部分は、シーリング部分の鼻根部分の構造を支持及び維持するように適合されている。フレーム部分は更に頤部分を備えることができ、その頤部分は、シーリング部分の頤部分の構造を支持及び維持するように適合されている。フレーム部分を弾性とすることができる。フレーム部分はシーリング部分よりも堅くてよい。フレーム部分は更に、支持システムをシーリング部分に固定するアンカとして働くことができる。フレーム部分を、フォーム、ゲル、シリコーン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、金属、または上記で説明した機能に適した他の任意の材料から形成することができる。フレーム部分は、部分的に重なるセクション(例えば、入れ子式の構成)を含むことができ、従って、調節中に常にシーリング部分は支持される。
【0047】
調節可能な部分
調節可能な部分は実質的に可撓性の領域でよく、その領域は、調節部を機構からシーリング部分に移動させるように適合されている。調節部分は、シーリング部分と機構との中間にあってよい。一実施形態では、調節部分を、シーリング部分と一体形成することができる。調節部分はシーリング部分の一部分でよい。調節部分はフレームの一部分でよく、そのフレームは、調節部をその機構からシーリング部分に移動させる。調節部分は、その元々形成されていた形状に戻るように弾性でよく、マスクシステムの再使用を可能にすることができる。調節部分を、シリコーン、フォーム、ゲル、ナイロン、熱可塑性エラストマー、または上記で説明した機能に適切な他の任意の材料から形成することができる。
【0048】
機構
その形状を機械式に調節または変更するように、マスクシステムにある機構を設けることができ、それにより、シーリング部分の形状またはサイズが変更される。その機構を、フレーム、調節部分、またはシーリング部分に連結することができる。その機構は、少なくとも第1の位置から第2の位置に、且つ第2の位置から第1の位置に選択的に移動可能な部品を備えることができる。その部品は、歯車、ピボット、クランク、カム、ラチェット、または他の任意の機構によって移動可能であってよい。その部品は、人間または機械によって選択的に移動可能であってよく、すなわち、入力によって制御されるか、または自動的に移動可能であってよい。例えば、その部品は、片手の操作(例えば、ダイヤル、ピンチ機構等)によって選択的に移動可能でもよく、モータによって移動可能でもよい。
【0049】
支持システム
使用時にマスクシステムを適切な姿勢に支持し且つ/または安定させるように、マスクシステムに支持システムを設けることもできる。支持システムはストラップを備えることができ、そのストラップは、患者の頭の後ろ及び横に係合し、マスクシステムと連結するかまたは一体形成される。
【0050】
空気送出システム
マスクシステムに空気送出システムを連結することができ、その空気送出システムはエルボ及びチューブを含む。そのエルボを、マスクシステムとチューブとの間に配置することができる。チューブは、呼吸に適したガスをCPAP装置からエルボ、従ってマスクシステム及び患者に送出することができる。
【0051】
1.1.1.2 形状変更
シーリング部分の形状変更は、シーリング部分の輪郭または外形が機構の姿勢に応じて変更または適合できることを意味する。概して、シーリング部分は、実質的に一定の外周長さを有する。シーリング部分の材料は、収縮または延伸しないように十分に堅くてよく、むしろ、調節部分及び機構が必要とするような代替の構成になる。
【0052】
1.1.1.3圧縮/延伸
シーリング部分の圧縮または延伸は、シーリング部分の輪郭または外形が機構の姿勢に応じて変更または適合されることを意味する。シーリング部分により、外周長さが変更されてもよい。シーリング部分の材料は、シーリング部分の輪郭を変更できるように可撓性、弾性、及び/または圧縮可能であってよい。
【0053】
1.2 人体測定によるデータ
マスク製品設計(例えば、ResMedのMirage Quattro(登録商標)マスクまたはMirage Micro(登録商標)マスク)で行われた分析を調べると、顔の長さ(face height)と他の主な人体測定による測定値(例えば、口の幅、鼻の幅、鼻孔サイズ等)との間にはあまり相関関係がないことが分かっている。従って、少なくともMirage Quattro(登録商標)マスクシステムサイズ全体で変動する人体測定による一変数は、顔の長さ、例えば、鼻根領域から頤領域にわたる距離の測定値である。鼻根及び頤領域のクッションの設計は、全てのサイズにわたって概して一定である。従って、本技術は、一例では、必要な範囲にわたって顔面高さ(facial height)を調節することができ、具体的には鼻及び頬の側部において並びに鼻根及び頤領域にわたって、現行の製品と同じシール性能を有するフルフェイスマスクを対象としている。更なる例では、本技術の一態様は、経鼻的マスクからフルフェイスマスクに調節可能であり、その逆にも調節可能であり、鼻根を覆って、鼻の側部上で、頬に沿って、頤を覆って、更に唇上部領域を覆ってシールできるマスクを対象としている。追加の一例では、本技術の一態様は、長さ方向に調節可能であり、具体的には鼻根、鼻の側部、及び唇上部領域において、現行の製品と同じシール性能を有する経鼻的マスクを対象としている。追加の一例では、本技術の一態様は、患者の口を覆ってシールするために長さ方向に調節可能な口用シールを対象としている。
【0054】
1.3 シーリングの配列(Sealing Topology)
顔面高さの調節を必要とする範囲は、意図するシーリングの分布、及び意図するシール分布内である範囲の位置にわたってシールするシール設計の能力に左右される。
【0055】
底部(例えば、頤)のシーリング位置に関して図1に示すように、フルフェイスクッションのうちの口の下方部分の例示的なあるシーリング位置5は、下唇と頤との間の(口唇下の点を横切る)溝にある。経鼻的マスクの場合は、底部シーリング位置5.1は着用者の上唇になる。フルフェイスマスク及び経鼻的マスクの両方の場合に、上部(例えば、鼻根)シーリング位置では、最小位置10.1から最大位置10.2に及ぶ範囲Rのシーリング位置がある。クッションの最小シーリング配列は、骨の上方から鼻軟骨関節に位置すべきである。これは、過度の圧力が(シールから)軟らかい鼻軟骨に加えられる場合に、鼻孔が閉塞し、従って、鼻の抵抗が上昇し、治療の効果が低減する恐れがあるからである。代替の実施形態では、クッションは、鼻孔の閉塞を防止するために軟骨上への力が最小限である限り、鼻軟骨上をシールすることができる。
【0056】
鼻根を覆うシールに関する最大のシーリング配列は、システムの知覚される目障りの許容できるレベルである。クッションが患者の視野を邪魔するほど、その製品は物理的に目障りになる。更に、許容できる快適レベルを維持するには、シールは患者の目の上に突出すべきではない。
【0057】
例示的な顔の輪郭を図1A及び図1Bに示す。図1Aでは、矢印で示すように顔は実質的に平坦である。図1Bでは、やはり矢印で示すように顔は円形であるかまたは湾曲している。本技術の更なる実施形態では、マスクシステムを、円形の顔並びに平坦な顔を収容するように横方向に調節可能とすることができる。以下に説明する方法と同様にしてこれを実現することができるが、調節機構は、クッションの形状及び/またはサイズを垂直方向に修正する代わりに、クッションの形状及び/またはサイズを水平方向に修正することができる。
【0058】
1.4 様々な鼻根形状に対するシール機能
マスクシステムは、上記に示したように最小鼻根領域10.1と最大鼻根領域10.2との間のどこかをシールすべきである。従って、そのシールは、その領域にわたる鼻根の形状の変化に適合することができる。例えば、鼻根の高さは患者によって異なることがある。シールを、最も高い鼻根並びに最も低い鼻根上でシール可能にすることができる。
【0059】
1.4.1 寸法/サイズの調節
マスクシステムの形状及び/または1つ若しくは複数の寸法、例えば、高さ、幅、奥行き等を、様々な顔の分布、具体的には、高さまたは顔の輪郭(曲率)を有するある範囲の患者をカバーするように調節することができる。フルフェイスマスクの一例では、マスクシステムの高さを、約5から約75mmの間、例えば、少なくとも10mm、または約25から約35mmの間、または約30から約40mmの間の範囲にわたって可変とすることができる。好ましくは、マスクシステムの高さを約5から25mm調節することができる。好ましくは、マスクシステムの高さを約10から20mm調節することができる。最も好ましくは、マスクシステムの高さを約12から18mm調節することができる。最も好ましくは、マスクシステムの高さを約16mm調節することができる。最も好ましくは、マスクシステムの高さを約12mm調節することができる。
【0060】
概して、図2に示すように、マスクは一例では、比較的長い顔または最も長い顔の場合は、上記で区別した最小鼻根シーリング位置10.1の近くをシールするように、比較的小さい顔または最も小さい顔の場合は、上記で区別した最大の鼻根シーリング位置10.2をシールするように設計されている。図2Aに、上唇シーリング位置5.1及び鼻根シーリング位置10.1に沿ってシールするように設計された経鼻的マスクに関する一例を示す。
【0061】
2.1 第1の実施形態
図3−1は、本技術の一例による調節可能なマスクシステム100の斜視図である。図3−2から図3−6にマスクシステム100の追加の図を示す。そのマスクシステムは、例えば、上側フレーム部分112及び下側フレーム部分114を含むフレーム110と、少なくとも1つの中間部材または調節可能な部分116、例えば、上側フレーム部分と下側フレーム部分との間を延びる調節可能な領域またはガセットと、中間部材及びフレームに設けられたクッションまたはシーリング部分118と、フレームに(例えば、フレームの開口を介して)接続されるかまたは別法で設けられた(スイベルで示す)エルボ120とを含む。クッション、具体的には、クッションのシール130のサイズを変更する機構125が設けられる。その機構は、アクチュエータ134(例えば、ダイヤル、レバー、スイッチ等)を含むことができる。
【0062】
2.2 フレーム
図4に示すように、フレーム110はクッションの構造を支持する働きをする。図5−1から図5−5に上側フレーム112の追加の図を示す。フレーム110はまた、静的な上側及び下側のシール位置にクッションの形状を、例えば、フルフェイスマスクの場合は頤及び鼻根領域を維持する。フレーム110は更に、例えば、下側フレーム114のうちの開口135が設けられる位置に、硬質、半硬質、または別法で閉塞不能なエルボ連結点を設ける。フレーム、すなわち上側及び下側フレームはそれぞれ、マスクシステムを適切なヘッドギアと接続するヘッドギア連結点または支持システム連結点を1つまたは複数含むことができる。その適切なヘッドギアは、例えば、フルフェイスマスクの場合は、4若しくは5のストラップ装置、経鼻的マスクの場合は、2若しくは3のストラップ装置であり、あるいは(例えば、鼻用からフルフェイス用に)転用可能なマスクの場合は、調節可能な領域若しくはガセットまたは調節可能な部分の拡張部分を、追加の(上側または下側の)組の連結点を露出するように配置することもできる。フレーム(1つまたは複数)を、ポリカーボネート、ポリプロピレン、またはポリウレタン等、成型プラスチック、金属等の堅い材料から作製することができる。
【0063】
フレーム(1つまたは複数)を、(実質的な機能が維持される限り)「クッションクリップ」または他の任意の構成要素に一体化することができる。
【0064】
フレームを、シーリング部分に締まり嵌めによって連結することができる。フレームを、シーリング部分及び調節部分と一体形成することができる。フレームは、機構のインターフェースとなることができる。
【0065】
2.3 機構
好ましくは、機構125は、機構によって調節したマスクシステムの姿勢が確実に維持できるように堅い材料から構築される(すなわち、姿勢によっては、マスクシステムから加えられる何らかの力または抵抗がある可能性があり、機構がその力または抵抗を克服する必要がある)。
【0066】
好ましくは、機構125は、機構の、従ってマスクシステムの、耐用年数を保証するためにクリープが小さい材料から構築される。
【0067】
その機構の構成要素(例えば、ラック及び歯車)を、使用時に構成要素がきしむ可能性を低減するために異なる材料から構築することができる。
【0068】
2.3.1 ラックアンドピニオン
マスクシステム100は、図6−1から図6−6にサブアセンブリとして分離して示した機構125を含む。一例では、その機構は、フレームに設けられたラックアンドピニオン式機構の形態をとる。そのラックアンドピニオン式機構は、直線の列の歯車の歯145を有するラック140と、ラックの歯145と相互作用する歯155を有する回転歯車150とを含む。
【0069】
図6−6に最良に示すように、ラック140は、ラックアンドピニオン式機構によって上側フレーム部分112と下側フレーム部分114との間を相対移動するように、上側フレーム112要素に連結されるかまたは別法で設けられる。ラック140は、歯車150及びエルボ開口135の周りに寸法が合い、そのため、最大の移動を可能にするように設計されている。最大の移動は、機構が上側または下側フレーム部分の端部に位置する場合に可能である。
【0070】
ラック140上の歯145は、滑らかな高さ調節を行うことができるか、またはより不連続若しくは段階的な調節を行うように設計することができる。使用中の意図しない高さ変更を防止するために、歯を自動でロックするように設計することができる。歯を、歯車による調節のレベルを変えるように調整するためにサイズ設定及び間隔設定することができる。例えば、図19−1に、回転歯車150及びラック140を示す。そこでは、より細かく調節するように、それぞれの歯155、145がより小さく、歯同士の間隔がより狭い。あるいは、図19−2に、回転歯車150及びラック140を示す。そこでは、より大雑把にまたは粗く調節するようにそれぞれの歯155、145はより大きく、歯同士の間隔がより広い。
【0071】
ラック140を、成型プラスチック(ポリカーボネートまたはポリプロピレン等)、金属等、堅い材料から作製することができる。ラック140を、上側フレーム部分に組み込むことができ、従って、上側フレーム部分と同じ材料から作製することができる。ラック140を、ラックアンドピニオン式機構との永久アセンブリとして作製することができ、従って、このサブアセンブリと同じまたは異なる材料から作製することができる。図7−1から図7−5に分離したラック140の図を示す。
【0072】
2.3.2 歯車
歯車150はこの例ではエルボ120と同軸に配置されて、システムのサイズが最小限に抑えられ、使用し易い大型のダイヤルが可能になり、調節可能範囲が最大になる。歯車及びエルボは、共通の軸A(図6−5)を中心に別々に回転することができる。しかし、歯車及び調節機構を、概して、他の位置、例えば、マスクフレーム、シュラウド等に配置することができる。図8−1から図8−3に示すように、歯車を、シリンダ150.1として形成することができ、歯155は、シリンダの幅及び円周の少なくとも一部分にわたって形成される。
【0073】
歯車150を、(ポリカーボネートまたはポリプロピレン等の)成型プラスチック、金属等、堅い材料から作製することができる。歯車150を、ラックアンドピニオン式のシステムを有する永久アセンブリとして作製することができ、従って、このサブアセンブリと同じまたは異なる材料から作製することができる。
【0074】
2.3.3調節機構用の支持装置
図6−4及び図9−1から図9−6に示すように、調節機構125を、支持装置160によってフレームに対して支持することができる。支持装置は、内側シュラウド165及び/または外側シュラウド170を含むことができる。図9−1から図9−6に、様々な構成要素を加えるときの順序を示す。図9−6に、図9−4のフレーム及び調節機構サブアセンブリの、図9−5のクッション及び中間部材サブアセンブリとの組み立てを示す。
【0075】
内側シュラウド165(図9−1)は、下側フレーム114を備える。内側シュラウド165は、エルボ120用の開口135の周りに配置される歯車要素150の配置を助けるように働く。具体的には、内側シュラウド165は、歯車要素150の背面の壁を位置合わせし、歯車要素150の軸方向の移動を制限することによって、歯車要素150を配置する。内側シュラウド165はまた、確実にしっかりと歯車150とのインターフェースになるようにラック140を配置するのを助ける。例えば、内側シュラウド165は、一体化した垂直ガイドまたはレール175を1つまたは複数含むことができ、そのレール175は、ラック140を受容し、ラック140の横方向の移動を制限するように設計されている。好ましくは、ガイドまたはレール175はロック機構を有し、そのロック機構は、ラック140のアーム140.1がレールを越えて延びることを防止し、従って、システムを分解するのを防止する。例えば、図20−1に、アームのための移動ストップとして働く、各アーム140.1の自由端に設けられたロック特徴部または突起部140.2を示す。図20−2に示すように、ラックのアーム140.1が最高点に達すると、各アーム140.1のロック特徴部140.2は、それぞれのガイド175に係合またはそれを捕捉し、アーム140.1が更に移動しシステムを分解するのを防止する。
【0076】
内側シュラウド165は、(ポリカーボネートまたはポリプロピレン等の)成型プラスチック、金属等、堅い材料から作製することもできる。図10−1から図10−5に、分離した内側シュラウドを示す。
【0077】
内側シュラウド165を、下側フレーム部分114に組み込み、従って、下側フレーム部分114と同じ材料から作製することができる。あるいは、内側シュラウド165を、ラックアンドピニオン式機構を有する永久アセンブリとして作製し、従って、このサブアセンブリと同じまたは異なる材料から作製することができる。しかし、互いに対して移動する各要素ごとに異なる材料を選択すると、きしみ等のリスクを低減できることに留意されたい。
【0078】
外側シュラウド170(図11−1から図11−5に分離して示す)は、エルボ開口135の周りに歯車150を配置するのを助けるように機能する。具体的には、外側シュラウド170は丸い開口を含み、その丸い開口により、歯車150をエルボ開口135と同軸に配置し歯車150の横方向の移動を制限する。更に、外側シュラウド170は、歯車150の正面の壁を位置合わせし、歯車150の軸方向の移動を制限することによって、歯車150を配置する。外側シュラウド170はまた、確実にしっかりと歯車150とのインターフェースになるようにラック140を配置するのを助ける。外側シュラウド170は、ロック特徴部(例えば、可撓性のアーム185上の隆起特徴部180)を1つまたは複数有することができ、そのロック特徴部により、意図しないダイヤルの回転が防止される。これは他の構造を用いて実施することができるが、好ましくは、システムは、ヘッドギア、治療圧力、または顔からの反力等の外力または不意の力が加えられるときに移動すべきではない。
【0079】
例えば、図21−1及び図21−2にロック特徴部300を示し、そのロック特徴部300は、係合位置と係合解除位置との間で摺動可能である。係合解除位置では、図21−1に示すように、ロック特徴部300の端部分302は、歯車150の歯155から係合解除されて、歯車150の回転が可能になる。係合位置では、図21−2に示すように、ロック特徴部300の端部分302は、歯車150の歯155と係合して、歯車150の意図しない回転が防止される。ロック特徴部300は、ばね荷重式であり、図21−1に矢印で示す押しボタン304によって係合位置/係合解除位置間を手動で移動可能とすることができる。
【0080】
図22に示す別の例では、ロック特徴部310を、各ガイド175の一部分として一体化(例えば、モールド成形)し、係合位置と係合解除位置との間を移動可能にすることができる。係合位置では、図22に示すように、ロック特徴部310により突起部312が設けられ、その突起部312は、それぞれのアーム140.1の歯145と係合してアームの移動を防止するように適合されている。係合解除位置では(図示せず)、突起部312は、それぞれのアーム140.1の歯145から係合解除されて、アームの移動が可能になる。ロック特徴部310は、図22に矢印で示す押しボタン314によって係合位置/係合解除位置間を手動で移動可能とすることができる。
【0081】
外側シュラウド170を、(ポリカーボネートまたはポリプロピレン等の)成型プラスチック、金属等、堅い材料から作製することができる。外側シュラウド170を、内側シュラウド165に組み込むことができ、従って、内側シュラウド165と同じ材料から作製することができる。外側シュラウド170を、ラックアンドピニオン式機構を有する永久アセンブリとして作製でき、従って、このサブアセンブリと同じまたは異なる材料から作製することができる。
【0082】
2.3.4 アクチュエータ
調節機構は、図3−1及び図6−1から図6−5に最良に示されるように、アクチュエータ134を使用して移動を開始することができる。例えば、アクチュエータは、歯車150に接続されたダイヤル190の形態をとることができる。ダイヤル190が回転すると歯車150が回転する。この回転移動が、ラック140によって歯車の相互作用として垂直移動に変換される。ダイヤル190は、エルボ開口135の周りに配置されるが、簡単にアクセス可能であるように十分に大きく、従って、患者がマスクを使用しながら調節することができる。マスクシステムを本来の姿勢で着用している間にダイヤル190を操作することができる。図12−1から図12−5に分離したダイヤル190の図を示す。
【0083】
ダイヤル190は、回転可能な要素であることを明確に示す視覚的なデザインの印(例えば、矢印195)を1つまたは複数含むことができる。ダイヤル190は、1つまたは複数のロック特徴部、例えば、1つまたは複数の凹所200を有することができ、その凹所200は、外側シュラウド170上の隆起部180と噛み合い、そのため、意図しないダイヤルの回転が防止される。例えば、ダイヤル190の裏面210(外側シュラウド170に接触または直面する方の面)は、凹所200を有することができ、その凹所200により、可撓性のアーム(1つまたは複数)185の隆起部180が固定される。隆起部を越えると、可撓性のアーム180は、元の位置に弾性的に戻り、ダイヤルが回転して戻るのが防止される。ユーザは、ダイヤルを強制的にもう一方に戻し、すなわち、同じ隆起部を可撓性のアームを越えて押しやるように、反対方向に力を加えなければならなくなる。
【0084】
ダイヤル190を、(ポリカーボネートまたはポリプロピレン等の)成型プラスチック、金属等、堅い材料から作製することができる。ダイヤルを、歯車要素に組み込むことができ、従って、歯車要素と同じ材料から作製する。ダイヤルを、ラックアンドピニオン式システムとの永久アセンブリとして作製し、従って、このサブアセンブリと同じまたは異なる材料から作製することができる。ダイヤルを、柔らかな感触の特徴部でオーバーモールドして、見た目、使い易さ、及び直観性を改善することができる。
【0085】
ダイヤル190は、把持し易くする追加の特徴部、例えば、モールド成形された把持領域、荒面領域、タブ、または他の要素を有することができる。
【0086】
2.3.5 機構の代替形態
ラックアンドピニオン式機構を上記で考察してきたが、その機構は、クッション/シール、例えば、摺動機構、レバー、カム等のサイズ、寸法、及び/または形状の調節を行うために使用することができる多数の他のデバイスの代替案の一つに過ぎない。更に、調節機構に形状/サイズを変更させるアクチュエータ134をダイヤル190として説明しているが、他の形態も可能である。更に、アクチュエータ自体がなくても調節機構を使用してマスクシステムを調節することが可能である。
【0087】
図23−1及び図23−2にウォーム歯車機構を示す。そのウォーム歯車機構を使用して、クッションシールの寸法または形状を調節することができる。図示のように、ガイド175は、それぞれのウォーム歯車320を支持するように構成され、ウォーム歯車320はそれぞれ歯322を含み、その歯322は、それぞれのアーム140.1の歯145と係合するように適合されている。使用時には、ウォーム歯車320の回転は、それぞれのアーム140.1の垂直移動に変換される。
【0088】
図24−1及び図24−2に摺動機構を示し、その摺動機構は、クッションシールの寸法または形状を調節するために使用することができる。図22の実施形態と同様に、突起部332を含むロック特徴部330が、各ガイド175に(例えば、ガイドから独立してまたはガイドの一部分としてモールド成形して)設けられ、係合位置と係合解除位置との間を移動可能である。係合位置では、図24−1及び図24−2に示すように、突起部332はそれぞれのアーム140.1の歯145と係合して、アームの移動が防止される。係合解除位置では(図示せず)、突起部332は、それぞれのアーム140.1の歯145から係合解除されて、アーム140.1が垂直に摺動できる。ロック特徴部330を、図24−1及び図24−2に矢印で示す押しボタン334によって係合位置/係合解除位置間を手動で移動可能とすることができる。
【0089】
ピンチ
図74、図75−1、及び図75−2にピンチタイプの機構5510を示す。そのピンチタイプの機構5510は、スライダ5530の両側に可撓性のアーム部材5520を含み、スライダ5530はその両側に沿って歯車の歯を有する。係合解除位置では、図74に示すように、可撓性のアーム部材5520は、スライダ5530から係合解除されている。図75−1に示すようにアーム部材5520を互いに向かって挟むときに、アーム部材5520はそのベース5526を中心に枢動し、可撓性の各アーム部材の端部分5522がスライダ5530のそれぞれの歯と係合することが可能になる。アーム部材5520を互いに向かって更に移動させると、(可撓性のヒンジ5523を中心に)端部分が枢動し、それにより、アーム部材がスライダを押しやり、その位置を調節する。解放時には、端部分5522は、伸縮性のある部材5524の付勢によって図74の位置に弾性的に戻り、アーム部材は、ベース5526に対してその開始位置に弾性的に戻る。
【0090】
図76及び図77に別のピンチタイプ機構5610を示す。この実施形態では、その機構は、スライダ5630を一方の方向に移動させる第1組のアーム部材5620(1)と、スライダ5630をその反対方向に移動させる第2組のアーム部材5620(2)とを含む。アーム部材はそれぞれ、タブ5622と、タブとスライダとの間のアーム5624とを含む。使用時には、選択したタブ5620(1)または5620(2)を互いに向かって挟み、タブの可撓性により、アームをスライダのそれぞれの歯に押し込み、それにより、スライダの位置を(すなわち、図76及び図77に見られるように垂直方向に上下に)調節する。解放時には、アーム部材は、アームがスライダの歯から係合解除されたその開始位置(例えば、図77)に弾性的に戻る。図76にマスクに設けられた機構を示し、そこでは、アーム部材5620(1)、5620(2)及びそのベースが、下側フレーム部分5602に設けられ、スライダ5630が上側フレーム部分5604に設けられている。
【0091】
ダイヤル式角度アジャスタ
図78に、本技術の別の実施形態によるマスクに設けられた調節機構5710を示す。この実施形態では、その機構は、上側フレーム部分5702に設けられた第1の部分5720と、下側フレーム部分5704に設けられた第2の部分5730とを含む。第1の部分5720及び第2の部分5730は、ヒンジ部分5725によって互いに接続されており、そのヒンジ部分5725によって第1の部分が第2の部分に対して回転できるようになる。第2の部分に対して第1の部分の角度調節を行うために、アクチュエータまたはダイヤル5740が設けられている。図79から図81に概略的に示すように、ダイヤル5740は歯5742を含み、その歯5742は、第1の部分5720に設けられた歯5727とねじ係合するように構成されている。使用時には、ダイヤル5740を回転させて、第2の部分に対する第1の部分の姿勢を調節することができる。
【0092】
代替の実施形態では、図82及び図82−1に示すように、第1の部分5720及び第2の部分5730を、互いに対して摺動するように構成することができる。例えば、第2の部分5730は凹所5732を含み、その凹所5732は、第1の部分5720に設けられた従動部5722を受容するように適合されている。
【0093】
オーバセンタラッチ
図83に、例えば、スキーブーツのような、オーバセンタラッチを含む調節機構を示す。図示のように、その機構は、上側フレーム部分に設けられた第1の部分5820と、下側フレーム部分に設けられた第2の部分5830とを含む。第2の部分は一連の歯5832を含み、第1の部分はラッチ5822を含む。そのラッチ5822は、第2の部分に対する第1の部分の位置を調節するように歯のうちの1つと選択的に係合可能である。
【0094】
垂直ダイヤル調節
図84及び図85に、例えば図3−1に示すのと同様のラックアンドピニオンタイプの機構5910を示す。図示のように、ダイヤル5920は回転軸を有し、その回転軸は、使用時に水平に且つ患者の顔に垂直に延びる。この実施形態では、ラックをカバーするようにシュラウド5915が設けられる。更に、一実施形態では、図85に示すように、ダイヤル5920は歯車5922を含むことができ、その歯車5922は、ダイヤル上の2つの歯車5924と相互作用し、各歯車5924は、ラック5940の直線の歯車の歯5942と係合している。
【0095】
代替の実施形態では、図86から図88に示すように、ラックアンドピニオンタイプの機構6010のダイヤル6020を、回転軸が使用時に水平且つ患者の顔の面に平行になるように配置することができる。図示のように、ラック6040は上側フレーム部分6002に設けられ、ダイヤル6020は下側フレーム部分6004に設けられる。図88に示すように、ダイヤル6020は歯車6022を含み、その歯車6022は、ラック6040の直線の歯車の歯6042と相互作用する。図86及び図87に、延長した位置及び後退した位置の機構を示す。
【0096】
図89に示すように、機構6010は、2つのダイヤル6020(1)、6020(2)を含むことができ、ダイヤル6020(1)、6020(2)はそれぞれ、ラック6040の直線の歯車の歯に対して相互作用するように構成された歯車を有する。図86から図88の実施形態と同様に、ダイヤルはそれぞれ、使用時に水平且つ患者の顔の面に平行な回転軸を含む。
【0097】
別の代替実施形態では、図90から図92に示すように、調節機構のダイヤルを、その回転軸が使用時に垂直且つ患者の顔の面に平行になるように配置することができる。図示のように、上側フレーム部分6102はダイヤル6120を支持し、下側フレーム部分6104はねじ山開口6140を含み、そのねじ山開口6140は、ダイヤル6120に設けられたねじ山シャフト6122とねじ係合するように適合されている。使用時には、ダイヤルが回転すると、ねじ山シャフト6122がねじ山開口6140の内外に移動し、それにより、下側フレーム部分6104に対する上側フレーム部分6102の位置が調節される。図90及び図91に後退した位置及び延長した位置の機構を示す。
【0098】
外周クランク
図93に示すように、マスクの外周にクランク6210を設けることができる。そのクランクは、(例えば、ポリマー材料及び/または金属材料等から構築された)コード6220と係合しており、そのコード6220は、マスクの外周の少なくとも一部分に沿って(例えば、外周全体に沿って)延在する。クランク軸6215が、コード6220と係合しており、そのため、マスクの形状を変更するように、クランクが軸6515を中心に選択的にコード6220を巻くことが可能になる。
【0099】
引き出し、押し込み
図94及び図95に、上側フレーム部分6302に設けられる第1の部分6320と、下側フレーム部分6304に設けられる第2の部分6330とを含む調節機構を示す。第1の部分6320及び第2の部分6330は、第2の部分に対して第1の部分の位置を調節するピン及び孔の仕組みによって互いに接続されている。図示の実施形態では、第2の部分6330は1対のアーム6332を含み、各アーム6332がピンまたはボタン(図示せず)を含み、第1の部分6320は一対のアーム6322を含み、各アーム6322が一連の孔6324を含む。ピンを、選択した孔と解放可能に係合(例えば、野球帽のように押込み嵌め)させて、第1の部分と第2の部分との相対位置を調節することができる。ピン/孔の配置を逆にできることを理解されたい。
【0100】
別の実施形態では、図96に示すように、上側フレーム部分6402はピン6420を含むことができ、下側フレーム部分6404はスライダ部分6430を含むことができ、そのスライダ部分6430は、連結された一連の開口部6432を有する。ピン6420を、スライダ部分6430の開口部6432のうちの選択した1つの開口部と解放可能に係合させて、上側フレーム部分6402と下側フレーム部分6404との相対位置を調節することができる。
【0101】
サイドスライダ
図97及び図98に調節コード6520及びスライダ6530を含む調節機構を示す。その調節コード6520は、上側フレーム部分6502及び下側フレーム部分6504と関連しており、そのスライダ6530は、調節コードに沿って水平に移動可能であり、上側フレーム部分6502と下側フレーム部分6504との相対位置を調節する(例えば、ジッパのように、上側フレーム部分と下側フレーム部分を一緒に引く)ようになっている。その機構は、スライダがマスクの中心から外周に向かって移動すると上側フレーム部分と下側フレーム部分とが互いに向かって引かれるように配置することもでき(図97)、スライダがマスクの外周からその中心に移動すると上側フレーム部分と下側フレーム部分とが互いに向かって引かれるように配置することもできる(図98)。
【0102】
サイドアーム
図99及び図100に、上側フレーム部分に設けられる第1の部分6620と、下側フレーム部分に設けられる第2の部分6630とを含む調節機構を示す。第1の部分6620及び第2の部分6630は、サイドアーム6625によって互いに接続されており、各サイドアーム6625は、第1の部分と第2の部分との間の相対移動を可能にするヒンジ部分を含む。第1の部分及び第2の部分を互いに対して固定する固定装置が、第1の部分と第2の部分との間に設けられる。図示のように、第2の部分6630はピン6632を有するアームを含み、第1の部分6620は連結された一連の開口部6622を有するアームを含む。ピン6632を、開口部6622のうちの選択した1つの開口部と解放可能に係合させて、サイドアーム6625を枢動させ、第1の部分と第2の部分との相対位置を調節することができる。
【0103】
代替の実施形態では、図101に示すように、固定装置は、互いに独立にアームを調節できるように、アーム間を延びることができる。この実施形態では、アーム6625はそれぞれ、ピン(図示せず)を含み、そのピンを、アーム6635の各端部に設けられた開口部6622のうちの選択した1つの開口部と解放可能に係合させて、第1の部分と第2の部分との相対位置を調節する。
【0104】
ヘッドギアコネクタ機構
図102及び図103に、上側フレーム部分6702に設けられた第1の部分6720と、下側フレーム部分6704に設けられた第2の部分6730とを含む調節機構を示す。第1の部分6720は、上側ヘッドギアストラップ6752に係合するように適合された上側ヘッドギアコネクタ6722を設け、第2の部分6730は、下側ヘッドギアストラップ6754に係合するように適合された下側ヘッドギアコネクタ6732を設ける。図103に示すように、第1及び第2の部分は、それぞれのコネクタ部分6725、6735を含み、コネクタ部分6725、6735は、第1の部分と第2の部分との相対位置を調節するように摺動可能に互いに係合可能である(例えば、入れ子式の構成)。
【0105】
互いに形状変更しスキッシュする機構(Shape Change Squish Together Mechanism)
図104及び図105に、上側フレーム部分に設けられた第1の部分6820と、下側フレーム部分に設けられた第2の部分6830とを含む調節機構を示す。第1の部分6820は、上側ヘッドギアストラップに係合するように適合された上側ヘッドギアコネクタ6822を設け、第2の部分6830は、下側ヘッドギアストラップに係合するように適合された下側ヘッドギアコネクタ6832を設ける。第1の部分6820及び第2の部分6830は、サイドアーム6825によって互いに接続されている。アームはそれぞれ、第1の部分6820の支持アーム6824に枢動式に配設された第1の端部6825(1)と、第2の部分6830の支持アーム6834に枢動式に配設された第2の端部6825(2)と、第1の端部と第2の端部との間の可撓性部材6825(3)とを含む。枢動式に配設された端部及び可撓性部材により、第1及び第2の部分が互いに対して移動し、次いで、解放可能に適位置に固定されることが可能になる。
【0106】
2.3.6 モジュール式マスクシステム
別の可能性は、モジュール式システム220(図13)を提供することであり、そのシステム220では、上側フレーム部分225及び下側フレーム部分230が、上側シール部材235及び下側シール部材240をそれぞれ備え、それらのシール部材235、240は、それぞれのフレーム部分に設けられるかまたは別法で貼付され、例えば、共成形される。小柄の着用者用の経鼻的マスクまたはフルフェイスマスクを形成する、例えば、パズルのピース、または差込みタイプの取付け具、磁石等のような相補的なリンク要素240、245によって、シール部分と合体したフレーム部分を互いに直接連結して、シールの継ぎ目ができるだけ滑らかで連続し途切れないように、隣接するシール部分を互いに密接して維持することができる。
【0107】
マスクのサイズを大きくする必要がある場合は、着用者は、上側及び下側フレーム/シール部分を着脱し、中間アダプタ部材250.1、250.2、250.3を上側フレーム/シール部分と下側フレーム/シール部分との間に挿入することができる。好ましくは、中間アダプタは相補的なリンク要素240、245を有し、それらのリンク要素240、245は、上側及び下側フレーム/シール部分に対して一方向にしか寸法合わせすることができない。全範囲の異なるサイズ及び形状をカバーする複数の中間アダプタを設けることができる。アダプタはそれぞれ、異なる高さを有し、そのようなアダプタ部材の形状及び角度は、上側フレーム/シール部分と下側フレーム/シール部分との間の滑らかな移行を可能にするように変更することができる。
【0108】
上記では、フレーム部分225、230及び中間アダプタ部材250.1,250.2,250.3は、シール部分をそれぞれ含むことができる。しかし、アダプタ部材のうちの1つ及びフレーム部分225、230をカバーする単一の1ピースのシール252を設けることも可能である。シール252は、フレーム部分225をカバーするのに適切な最初の圧縮姿勢を有することになるが、同様にアダプタ部材のうちのいずれかをもカバーするために延伸可能または延長可能になる。シールは、フレーム部分、及び任意選択でアダプタ部材を受容する延長可能なチャネル252.1を形成することもできる(図13の断面図である図13−1参照)。例えば、フォーム、TPE、シリコーン、複合材等から作製されたシールの天然の可撓性により、シールがフレーム部分及びアダプタ部材上に保持される。
【0109】
2.3.7 アダプタ(1つまたは複数)を有する順応可能なシール
別の例では、フレーム110は、シールのサイズ及び/または形状の可変性を可能にする2ピースを必要としない。例えば、シールを、例えば、フォーム製シールの形態のシールを、単一ピースのフレームに接続または別法で設けることができる。シール255は、弛緩状態(図14−1)では、治療または使用を意図した最も小柄の着用者または患者の寸法を概して有するように著しく圧縮されている。着用者または患者がシールのサイズ及び/または形状を、例えば、量Xだけ変更する必要がある場合は、ユーザは、シール部分の少なくとも一部分に設ける、例えば、その内部に挿入することができる(図14−2)1つまたは複数のアダプタ260、265から選択することができる。それらのアダプタは、フォーム製シールがそれに順応する様々なサイズ及び形状になることができる。アダプタ260、265は、固定された形状を有することもでき、その形状を維持できる展性材料から作製することもできる。アダプタを取り外すかまたは分解すると、シールはそれ自体の弾性によってその元の(最小の)形状に戻る。
【0110】
上記で考察したような調節機構を使用してシール/クッションに接続されているときに、アダプタ260、265を調節することもでき、例えば、ダイヤルを使用してアダプタのサイズを変更することができる。パイプクランプが拡張及び縮小する方法と同様に調節を行うことができる(ねじ山と相互作用するように、バンド状の材料を溝と部分的に重ねる)。しかし、例えば、アダプタのサイズ/形状を変更することによって、シールのサイズのみ調節する必要がある。フレームのサイズを変更するかまたは別法で移動可能な部品を設ける必要はない。
【0111】
2.4 クッション及び中間部材
クッション118はシール130を含み、そのシール130をクッションと1ピースに形成することができる。あるいは、シール130を、クッション118に接続されるかまたは別法で設けられる別個の部材とすることができる。クッション及び中間部材は、合体したときに加圧呼吸チャンバを形成する。
【0112】
シール130を、一例では、フォーム材料から作製することができる。フォーム材料には、シリコーンフォーム、高密度フォーム、低密度フォーム、連続気泡フォーム、独立気泡フォーム等が含まれてよい。他の例示的なフォームの材料及び特性は、特許文献2、特許文献3、及び特許文献4に開示されており、これらの文献はそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に援用される。一例では、クッション118、または少なくともそのシールは、弛緩状態になると、より大柄の着用者に対応するように寸法設定される。サイズを小さくするかまたは形状を変更することが望ましいときは、調節機構、例えば、ラックアンドピニオン式のシステムで顔面高さを小さくするにつれて、フォームを圧縮するかまたは別法でその形状を変更することができる。あるいは、クッションは、中間の姿勢で開始するように寸法設定することができ、延伸して大型になるかまたは圧縮されて小型になる。更に別の代替形態では、クッションは、小型で開始し、延伸して中型及び大型のサイズになる。フォームは、圧縮または延伸されるときにシールできるように維持されるので、こうした用途には良い選択肢である。開始姿勢及び終了姿勢(大、小、または中)の点から同様の代替形態を調節可能な領域またはガセットに適用する。
【0113】
中間部材116(例えば、調節可能な領域またはガセット)は、(垂直方向に)高さを増減するように設計されているが、水平のシーリング力をクッションに送ることを維持して、正確なシーリングベクトルを維持する。代替形態として、調節可能な領域またはガセット116を、延伸可能または伸縮性のある材料、例えば、シリコーンから作製することができ、それらの材料は、力を加えるとその形状及び寸法が変更される。調節可能な領域またはガセット116を、(固有のまたは追加したばね力を含む)プラスチック材料から作製することができ、そのためそのプラスチック材料は、新しい姿勢に変形したときにその形状を保持する。調節可能な領域またはガセットの形状保持特性のおかげで、または形状を保持できる追加の構造、例えば、クランプ等によって、こうした任意の新しい姿勢の形状及びサイズを保持することができる。中間部材116は、折り目または起伏116.1を1つまたは複数含むことができる(例えば、図16−1から図16−5参照)。
【0114】
クッション118、または少なくともシール130は、一例では、ポリウレタン(PU)フォームから作製されている。中間部材116を、高密度PUフォームから作製することもできる。クッション118は、クッションをフレームに連結する構造、例えば、クッションフレーム間部材を含むことができる。例えば、その全体が参照により本明細書に援用される2009年2月27日に国際出願されたPCT/AU2009/000240号(国際公開第2009/108994号パンフレット)に記載されているように、硬質要素を軟質フォームクッションにオーバーモールドすることによって、そのクッションフレーム間部材を生産することができる。
【0115】
クッションは、中間部材116と上側フレーム部分112及び下側フレーム部分114との両方と通常噛み合う構造を含むことができる。例えば、クッションを、舌片部及び溝システムを使用して、フレーム(1つまたは複数)112、114及び中間部材に接続することができ、例えば、クッション118またはフレーム(1つまたは複数)/中間部材に舌片部280を設けることができ、他方には溝285を設けることができる。図15−1から図15−5に、調節可能な領域またはガセット116及びクッション118のサブアセンブリを示し、図16−1から図16−5に、調節可能な領域またはガセット116を分離して示す。一実施形態では、クッション118及び調節可能な領域またはガセット116を、1ピースに一体形成する、例えば、1ピースの構造としてモールド成形することができる。
【0116】
2.4.1 シーリングの輪郭
シールの形状及び/または1つまたは複数の寸法(例えば、顔面高さ)を調節するために、少なくとも2つの選択肢がある。第1に、図17−1から図17−2に示すように、シーリングの輪郭は、顔面高さの必要な調節を実現するために(圧縮または延伸ではなく)形状を変更することができ、この場合は、外周内の面積が概して一定である。図17−1に外周130.1を有するシール130を示し、図17−2に外周130.2を有するシール130を示す。その外周130.2は外周130.1と形状が異なるが長さが同じである。この場合は、同じシーリングの外周全体が、最初の形状及び変更された形状に維持され、外周の形状のみを変更して、シールの高さの変更を行う。鼻根領域及び頤(フルフェイスマスク)または上唇領域(経鼻的マスク)をカバーするシールの上部130.3及び底部130.4のサイズ及び形状は、好ましくは、実質的に一定のままであり、主として、シールの側部がその形状を変更することで高さ調節が可能になる。
【0117】
第2に、図18−1から図18−5に示すように、シーリングの輪郭を、顔面高さの必要なまたは所望の調節を実現するために圧縮する(若しくは縮小する)または延伸する(拡張する)ことができ、その場合は、外周内に画定された面積は可変とされている。図18−1に、シール外周131の弛緩した姿勢を示し、図18−2及び図18−3に、シールの外周131’の延伸した姿勢及び131”の圧縮された姿勢をそれぞれ示す。図18−4及び図18−5の代替案では、図18−4に、シール外周133の圧縮された姿勢を示し、図18−5に、シール外周133’の延伸した姿勢を示す。4つのノード137が移動する結果、延伸が起きる。
【0118】
第3の代替案は、ある程度の延伸/圧縮を伴う形状変更を可能にすることである。これらの代替形態では、やはり、調節の全範囲にわたってシールの上部及び底部の形状及びサイズは一定のままである。
【0119】
説明した例のシールは、好ましくは、継ぎ目または縫い目等を有しない1ピースの部材であり、着用者の皮膚との滑らかな連続したシーリング表面を概して形成する。
【0120】
3. 代替例
以下では、上記で説明した例の態様を1つまたは複数含むことができる「フリーサイズ」マスクシステムの代替例を示す。すなわち、以下の例は、1つまたは複数の共通の特徴及び特性を、上記で説明した例と共有することができる。
【0121】
3.1 フォームの例
以下に、フォームを使用して高さの変更を実現する「フリーサイズ」マスクシステムの代替例を示す。以下に、調節可能なフルフェイスマスクシステムを説明するが、それらの態様を他の適切なマスクシステム、例えば、経鼻的マスクシステムに応用できることを理解されたい。一例では、患者の鼻及び口を受容するためのオリフィスは、高さ約15〜20mm延びている。好ましい実施形態では、クッションの高さの変更は約10〜20mmである。あるいは、クッションの高さの変更は約12〜16mmとすることができる。クッションの高さの変更は約16mmとすることができる。クッションの高さの変更は約12mmとすることができる。
【0122】
実施形態では、図25に示すように、高さ調節は、例えば、上記で説明したラックアンドピニオンタイプの調節機構等の垂直調節機構による材料の圧縮に依拠することができる。しかし、高さ調節が材料の伸張または形状の変更を含むことができることを理解されたい。
【0123】
3.1.1 フォームの例1
図26−1及び図26−2に示すように、クッション418及び調節可能な領域またはガセット416は、例えば、圧縮切断によって形成された低密度ポリウレタンフォームから構築される。高密度ポリウレタンフォームから構築されたクッションクリップ422(上側部分422(1)及び下側部分422(2)を含む)が、(例えば、オーバーモールドまたは接着によって)クッション及び調節可能な領域またはガセットに設けられる。図26−3及び図26−4に示すように、クッションクリップ422は、フレーム410及び調節機構425との係合のためのインターフェースを設ける。
【0124】
使用時には、クッションは、調節機構によって圧縮されることで(例えば、大型サイズ(図26−3及び図26−5)から中型(図26−6)、更に小型(図26−4及び図26−7)に)サイズを小さくすることができる。
【0125】
一実施形態では、フォーム製調節可能な領域またはガセット416の1つまたは複数の部分は、例えば、漏出を抑えるために、シーラントまたは被覆したフォームを備えることができる。更に、代替の実施形態では、伸張によってサイズを大きくし、圧縮によってサイズを小さくし、例えば、−10mm圧縮/+10mm伸張するように構成された、中間または中型のフォームクッションを設けることができる。
【0126】
図26−8に示すように、クッション/調節可能な領域またはガセットを、概して平坦または凹形の内側に面した表面419を設けるように構成することができ、その表面419を圧縮下で少なくとも部分的に内側に折り畳むことができる。あるいは、図26−9に示すように、内側に面した表面419を、内側に折り畳む範囲または隆起する範囲を制御するために、概して凹形とすることができる。図26−10及び図26−11に、内側に面した表面419の代替例を示す。その内側に面した表面419は、内側への折り畳み範囲、例えば、一連の凹形表面(図26−10)、調節可能な領域またはガセット(図26−11)を制御する。鼻道の閉塞を防止するかまたは最小限に抑えるように内側に面した表面の折り畳みを制御する必要がある。
【0127】
3.1.2 フォームの例2
図27−1及び図27−2に示すように、クッション518は、例えば圧縮切断によって形成された、低密度ポリウレタンフォームから構築される。高密度ポリウレタンフォームから構築された調節可能な領域またはガセット516及びクッションクリップ522(上側部分522(1)及び下側部分522(2)を含む)は、(例えば、オーバーモールド、接着によって)クッションに設けられる。図27−3及び図27−4に示すように、クッションクリップ522は、フレーム510及び調節機構525との係合のためのインターフェースを設ける。
【0128】
使用時には、クッションは、調節機構によって圧縮することで(例えば、大型サイズ(図27−3及び図27−5)から中型(図27−6)、更に小型(図27−4及び図27−7)に)サイズを小さくすることができる。一実施形態では、調節可能な領域またはガセットの壁の厚さ(例えば、局部的に薄くなっている壁)及び/または形状を、可撓性、例えば、より一定の圧縮を促進するように構成することができる。
【0129】
代替の実施形態では、伸張によってサイズを大きくし、圧縮によってサイズを小さくし、例えば、−10mm圧縮/+10mm伸張するように構成された、中間または中型のフォームクッションを設けることができる。
【0130】
図27−8に示すように、調節可能な領域またはガセット516は、例えば、調節可能な領域またはガセットヒンジ516(1)に沿って、局部的に壁の薄い部分を含み、そのため、より一定の圧縮のための可撓性を強化することができる。更に、クッション/調節可能な領域またはガセットの内側に面した表面は、上記で説明したように、内側に折り畳む範囲または隆起する範囲を制御するように構成することができる。更に、調節可能な領域またはガセットのインターフェースまたは取付け構成に対して、クッションは、折り畳みを制御するように構成されてよい。例えば、調節可能な領域またはガセット516を、突合せ継ぎ手521(図27−9)によって、またはクッション518の側部523に沿って(図27−10)、クッション518の正面に取り付けることができる。別の例では、クッション518の内側に面した表面を、可撓性を強化するために調節可能な領域またはガセットとすることができる(図27−11)。更に、調節可能な領域またはガセット516を、可撓性を強化するために、調節可能な領域またはガセットに沿って削減された体積519を有する突合せ継ぎ手によって、クッション518に取り付けることができる(図27−12)。この実施形態では、調節可能な領域またはガセット点に沿って追加の接合部を設けることができる。
【0131】
3.1.3 フォームの例3
図28−1に示すように、クッション618及び調節可能な領域またはガセット616は、低密度ポリウレタンフォームから構築されており、例えば、圧縮切断によって形成されている。高密度ポリウレタンフォームから構築されたフレーム610(上側フレーム部分612及び下側フレーム部分614を含む)が、クッション及び調節可能な領域またはガセットに(例えば、オーバーモールド、接着によって)設けられている。図示のように、フレーム610は、調節機構との係合のためのインターフェースを設ける、一体化された特徴部615を1つまたは複数含むことができる。使用時には、クッションを、調節機構によって圧縮することでサイズを小さくすることができる。
【0132】
3.1.4 フォームの例4
図29−1に示すように、クッション718、調節可能な領域またはガセット716、及び患者の鼻の上を延びる上側フレーム部分712は、低密度ポリウレタンフォームから構築されており、例えば、圧縮切断によって形成されている。高密度ポリウレタンフォームから構築された下側クッションクリップ722及び上側インターフェース構造723が、(例えば、オーバーモールドまたは接着によって)クッション、調節可能な領域またはガセット、及び上側フレーム部分に設けられる。クッションクリップ722及びインターフェース構造723は、フレーム及び調節機構との係合のためのインターフェースを設ける。使用時には、クッションを、調節機構によって圧縮することでサイズを小さくすることができる。
【0133】
3.1.5 フォームの例5
図30−1に示すように、クッション818、調節可能な領域またはガセット816、並びに上側フレーム部分812及び下側フレーム部分814は、低密度ポリウレタンフォームから構築されており、例えば、圧縮切断によって形成されている。高密度ポリウレタンフォームから構築された上側インターフェース構造822及び下側インターフェース構造823は、(例えば、オーバーモールドまたは接着によって)上側及び下側フレーム部分に設けられる。インターフェース構造822、823は、フレーム及び調節機構との係合のためのインターフェースを設ける。使用時には、クッションを、調節機構によって圧縮することでサイズを小さくすることができる。
【0134】
3.1.6 フォームの例6
図31−1に示すように、クッション918は、低密度ポリウレタンフォームから構築されており、例えば、圧縮切断によって形成されている。高密度ポリウレタンフォームから構築された調節可能な領域またはガセット916並びに上側フレーム部分912及び下側フレーム部分914は、(例えば、オーバーモールドまたは接着によって)クッションに設けられる。調節可能な領域またはガセット916の壁の厚さ(例えば、局部的な壁の薄い部分)及び/または形状を、可撓性または圧縮を促進するように構成することができる。上側フレーム部分912及び下側フレーム部分914は、フレーム及び調節機構との係合のためのインターフェースを含むことができる。使用時には、クッションを、調節機構によって圧縮することでサイズを小さくすることができる。
【0135】
3.2 2部構成クッション
以下に、2部構成クッションを使用して高さの変更を実現する「フリーサイズ」マスクシステムの代替例を示す。以下に、調節可能なフルフェイスマスクシステムを説明するが、それらの態様を他の適切なマスクシステム、例えば、経鼻的マスクシステムに応用できることを理解されたい。
【0136】
いくつかの実施形態では、図32に示すように、高さ調節は、例えば、上記で説明したラックアンドピニオンタイプの調節機構等の垂直調節機構による材料の伸張または圧縮に依拠することができる。しかし、高さ調節が材料の伸張または形状の変更を含むことができることを理解されたい。
【0137】
3.2.1 2部構成クッションの例1
図33−1及び図33−2に示すように、クッション1018は、単一の壁と、鼻根に沿って、更に口の周りをシールするように適合されたシリコーン膜部分1030と、膜部分1030に設けられた別個のアンダークッション部分1032(例えば、PUフォーム、被覆したフォーム、シリコーンフォーム、ゲルポケット)とを含む。図示のように、膜部分1030は、患者の鼻の側部に沿って、アンダークッション部分1032を見せる切除領域1031を含む。使用時には、アンダークッション部分1032は、鼻根に沿って、更に口の周りで膜部分1030を支持し、アンダークッション部分1032の露出部分は、圧縮タイプのシールを鼻の側部に沿って形成する。
【0138】
図33−3に示すように、クッション1018はフレームに設けられ、そのフレームは上側フレーム部分1012及び下側フレーム部分1014を含む。上側フレーム部分1012と下側フレーム部分1014との間に、フォーム製の調節可能な領域またはガセット1016が設けられる。
【0139】
調節機構1025が(例えば、調節可能なねじ構成)が、上側フレーム部分1012と下側フレーム部分1014との間に高さ調節のために設けられている。使用時には、クッションを、調節機構によって圧縮することで、サイズを小さく(例えば、大型サイズ(図33−4)から中型(図33−5)に、更に小型(図33−6)に)することができる。
【0140】
例示的な実施形態では、例えば、それらの部分の間のシールを強化し漏出を防止するために、アンダークッション部分1032の1つまたは複数の部分を、膜部分1030に付着させる(例えば、接着する)ことができる。こうした実施形態では、使用時に、すなわち、フレームからの圧縮力が膜部分を通してアンダークッション部分に伝達されるときに、アンダークッション部分1032の曲げ特徴を制御するように、切除領域1031のサイズを選択することができる。例えば、図33−7に、左側の切除領域1031(L)が右側の切除領域1031(R)よりも大きいクッションを示す。図示のように、膜部分1030がアンダークッション部分1032上で右側よりも左側でより高くより中間寄りに着座するので、左右で異なる曲げモードになり、そのため、アンダークッション部分1032の左側により大きいS字形の曲げが生じる。
【0141】
図33−8に、クッションの圧縮シールゾーン(C)と、クッションの拡張シールゾーン(A)と、圧縮シールゾーンと拡張シールゾーンとの間の移行ゾーン(B)とを示す。一実施形態では、快適性を強化するために、膜部分1030が拡張シールゾーン(A)で外側に拡張可能でありながら、アンダークッション部分1032のうちの圧縮シールゾーン(C)の高さを、圧縮シールを設けることができるように高くすることができ、それにより、全体のストラップの伸張量が低減される。
【0142】
図33−9及び図33−10にクッションを示す。そのクッションは、シリコーン膜部分1130とアンダークッション部分1132とを含み、そのアンダークッション部分1132は、2部構成のポリウレタンフォーム(例えば、多孔質のフォーム)から(例えば、モールド成形によって)構築されており、膜部分1130に挿入可能である。一実施形態では、フォーム製アンダークッション部分1132を、被覆してもよく、被覆しなくてもよい。上記で説明したように、膜部分1130は、アンダークッション部分1132を見せる切除領域1131を含む。しかし、代替の実施形態では、膜部分は、切除部分無しで連続していてもよい。
【0143】
例示的な実施形態では、アンダークッション部分1132の1つまたは複数の部分を、例えば、膜部分からアンダークッション部分に圧縮力を簡単に伝達するために、膜部分1130に付着させる(例えば、接着する)ことができる。一実施形態では、図33−14に示すように、膜部分1130の縁部セグメント1130(1)のうちのアンダークッション部分1132に隣接する部分を、アンダークッション部分1132からはがすことができ、それにより、例えば、自由に移動するままになり、膜を使用時に患者の顔に対するシーリングにおいてより自由にすることができる。
【0144】
図33−11に、クッション1118に設けられた(例えば、シリコーン(例えば、ショアAが28のシリコーン)から構築された)調節可能な領域またはガセット1116を示し、図33−12及び図33−13に、フレーム及び調節機構との係合のためのインターフェースを設けるクリップ部分1122を示す。更に、図33−12及び図33−13に(例えば、半硬質材料から構築された)支持部分1123を示す。その支持部分1123は、クリップ部分に設けられ(例えば、接着され)、フォーム製アンダークッション部分1132を使用時に支持するように適合されている。図33−15から図33−17に、調節機構(例えば、図33−15に小型の調節機構を示し、図33−16に中型の調節機構を示す)によってサイズを小さくしたクッションを示す。
【0145】
例示的な実施形態では、シリコーン膜部分及びフォーム製アンダークッション部分は、例えば、サイズ変更中にシリコーン及びフォームの全体にわたって荷重をうまく分配するか、谷部のサイズを低減するか、または患者シーリング面の表面の不連続性を低減するように、同様の堅さを含むことができる。例示的な実施形態では、患者の顔の敏感でない領域でクッションの形状変更が(例えば、クッションの谷部が生じてよい位置に)起きるようにクッションを構成することができる。
【0146】
この実施形態では、フォーム製アンダークッション部分は、圧縮に依拠し、シリコーン膜部分は、患者の顔のシールに対する空気圧に依拠する。これにより、それら2つの間に移行期間を含む、反対のシーリング機構が設けられる。図示の実施形態は、例えば、フォームをよりシリコーンシールのように働かせることによって、反対のシーリング機構になり、逆も同様である。
【0147】
図33−18から図33−25に、シリコーン膜部分及びフォーム製アンダークッション部分を有するクッションの代替例を示す。図33−18では、フォーム製アンダークッション部分1132を、シリコーン膜部分1130と実質的に面一にすることができる。図33−19に示すように、部品1130、1132間のインターフェース1133を、ある角度で配置することができる。使用時にフォームが圧縮されるときは、シリコーンもわずかに収縮することができる。図33−20では、シリコーン膜部分1130が連続しており、そのため、フォーム製アンダークッション部分1132が患者の顔と接触することが避けられ、シーリング表面上のフォーム/シリコーン間のインターフェースが避けられる。図33−21では、フォーム製アンダークッション部分1132は、フォーム自体の内部に切除部分1135(例えば、クッションの外周の1つまたは複数の部分に沿った1つまたは複数の切除部分)を含み、これにより、圧縮/形状変更が容易になり、すなわち、硬さが低減されて、膜が実質的に全ての変形を吸収しないようになる。図33−22では、フォーム製アンダークッション部分1132は、シリコーン膜部分1130から突出しており、すなわち、フォームは緩やかに湾曲しており、それにより、圧縮シールと膜シールとの間で移行できる。フォームは、その内部に切除部分1137を含むことができ、そのため、フォームが、より大きい領域にわたって変形してシールすることができ、圧縮が簡単になり、例えば、硬さが低減され、そのため、膜が実質的に全ての変形を吸収しないようになる。図33−23では、フォーム製アンダークッション部分1132は、上記で説明したようにシリコーン膜部分1130から突出しており、やはり、可撓性のフラップ1139を含んで、膜部分1130が接合するように可撓性の要素を設ける。そのフラップは、シールタイプ間の移行部をより滑らかにして、曲率が滑らかなときにある段階で膜がフォームに接合でき、例えば、しわ及び谷が防止される。圧縮/拡張部分とフラップとの間で釣り合うように競合するフォーム及びシリコーンは、膜部分に部分的に重なって、フォームとシリコーン部品との間のシールを強化することができる。図33−24では、シリコーン膜部分1130は、フォーム製アンダークッション部分1132に対するアーチとして取り付けられ(例えば、接着され)て、谷部をそれらの間に有する2つの隆起が設けられる。フォームが収縮し膜が拡張すると、それらの間の谷部は小さくなり、それにより、2つのインターフェース間にシールが実現される。図33−25では、切除部分1136を、フォーム1132自体の内部に設けることができ、その切除部分1136は、膜1130とフォーム1132との間のインターフェースにフォームの薄い壁セクション1138を残すように十分に大きい。使用時には、フォームは収縮するが、フォームの薄い壁セクション1138は、空気圧のせいで拡張して、圧縮シールと膜シールとの間の移行を助ける。
【0148】
3.2.2 2部構成クッションの例2
図34−1及び図34−2に、単一の壁を含むクッション1218と、鼻根に沿って、更に口の周りをシールするように適合されたシリコーン膜部分1230と、膜部分1230と一体化されたフレーム部1212とを示す。膜部分1230には、別個のアンダークッション部分1232(例えば、PUフォーム、被覆したフォーム、シリコーンフォーム、ゲル袋、TPE、デュロメータ硬さが低いシリコーン)が設けられている。図示のように、膜部分1230は、患者の鼻の側部に沿ってアンダークッション部分1232を見せる切除領域1231を含む。使用時には、アンダークッション部分1232は、鼻根に沿って、更に口の周りで膜部分1230を支持し、アンダークッション部分1232の露出部分は、鼻の側部に沿って圧縮タイプのシールを形成する。
【0149】
一実施形態では、形状変更によって調節を吸収することができ、すなわち、材料は、大型サイズのクッションの外周長さを変更して小柄のユーザに寸法合わせするために、実質的に延伸または圧縮されない。膜がないと、膜を延伸または圧縮することなく、変形することなく、従って、シールを中断させることなく、アンダークッションが形状変更することが可能になる。もっと正確に言えば、クッションを変形して必要な形状にするために材料の座屈または変形によって調節を吸収する。一例では、クッションは、大型から小型への20mmの高さ変更を行うことができる。
【0150】
図34−3は様々な小型のクッション形状を示し、それらの形状は、大型のクッション形状の外周の同じ長さを維持することによって構築されている。図示のように、クッションの上側及び下側部分は、両端のサイズが実質的に同一のままであり、クッションの移行領域または口の幅8000は大きくなる。好ましくは、移行領域は、目の下に十分な隙間を有しつつ曲率の大きさを下げる。更に、鋭利な角部またはきつい半径を、好ましくは避けて、例えば、クッションの望ましくない変形が避けられる。
【0151】
例示的な実施形態では、クッションを、「中型」サイズになるようにモールド成形することができ、次いで、延伸して「大型」サイズにするか、または形状を変更して「小型」サイズにすることができる。しかし、高さ調節が材料の延伸、圧縮、及び/または形状変更の複数の態様を含むことができることを理解されたい。
【0152】
図34−4及び図34−7に、シリコーン膜部分3030と、膜部分3030に設けられたゲル部品3032とを含む、例示的なクッションを示す。その膜部分3030は、ゲル部品3032を見せる切除領域3031を含む。ゲル部品3032を、切除領域にのみ設けることができるか、またはクッションの外周全体に沿って延びるゲル製アンダークッションの一部とすることができる。上側フレーム部分3012及び下側フレーム部分3014と、上側フレーム部分と下側フレーム部分との間の調節可能な領域またはガセット3016と、調節機構3025とが、クッションに設けられる。
【0153】
図34−8から図34−10に、調節機構によってサイズを小さくしたクッションを示す(例えば、図34−8に大型サイズを示し、図34−9に中型を示し、図34−10に小型を示す)。ゲルは、外側につぶれてよく、延伸してサイズを小さくすることができる。一実施形態では、そのゲル部分を、凸形の状態でシリコーン部分に取り付けることができ、そのため、そのゲル部分は、サイズが小さくなるときに呼吸チャンバから離れる方外側に変形して、例えば、鼻道の閉塞が防止される。更に、一実施形態では、そのゲル部分は、(切除領域において)シリコーン部分から上方に突出して、例えば、使用時に連続したシーリングの接触を維持することができる。一実施形態では、ヘッドギアの上部ストラップを、ゲル部品の周りでクッションの輪郭を制限するように配置し、シールのために更に局部的に圧縮することができる。
【0154】
3.2.3 2部構成クッションの例3
図35−1から図35−3にクッション1318を示す。そのクッション1318は、単一の壁と、鼻根に沿って、更に頤の周りをシールするように適合されたシリコーン膜部分1330と、膜部分1330に設けられた別個のアンダークッション部分1332(例えば、PUフォーム、被覆したフォーム、シリコーンフォーム、ゲルポケット)とを含む。クッションには、別々の上側フレーム部分1312及び下側フレーム部分1314が設けられる。図示のように、アンダークッション部分1332は、ブリッジ部分1333(調節可能な部分とも呼ばれる)を含み、そのブリッジ部分1333は、延伸を吸収するように上側フレーム部分1312と下側フレーム部分1314とをつなぐ。図示のように、膜部分1330は、患者の鼻の側部に沿ってアンダークッション部分1332を見せる切除領域1331を含む。使用時には、アンダークッション部分1332は、鼻根に沿って、更に口の周りに、膜部分1330を支持し、アンダークッション部分1332の露出部分は、鼻の側部に沿って圧縮タイプのシールを形成する。
【0155】
3.2.4 2部構成クッションの例4
図36−1及び図36−2にクッション1418(例えば、デュロメータ硬さが低いTPU/TPE/PURまたはデュロメータ硬さが低いシリコーン/シリコーンフォームから構築されている)を示し、そのクッション1418は、マスク外周に沿って連続した圧縮タイプのシールを設けるように適合されている。クッションには、別々の上側フレーム部分1412及び下側フレーム部分1414が設けられる。図示のように、クッション1418はブリッジ部分1433(調節可能な部分)を含み、そのブリッジ部分1433は、延伸を吸収するように上側フレーム部分1412と下側フレーム部分1414とをつなぐ。ブリッジ部分1433を、クッションと同じ材料から構築することができる。
【0156】
3.2.5 2部構成クッションの例5
図37−1及び図37−2に、デュロメータ硬さを2つ有するクッション(dual durometer cushion)1518を示す。そのクッション1518は、単一の壁と、鼻根に沿って、更に頤の周りを、シールするように適合された膜部分1530と、膜部分1530にオーバーモールドされた、デュロメータ硬さが低いアンダークッション部分1532とを含む。クッションには、別々の上側フレーム部分1512及び下側フレーム部分1514が設けられる。図示のように、アンダークッション部分1532はブリッジ部分1533を含み、そのブリッジ部分1533は、延伸を吸収するように上側フレーム部分1512と下側フレーム部分1514とをつなぐ。図示のように、膜部分1530は、患者の鼻の側部に沿って、アンダークッション部分1532を見せる切除領域1531を含む。使用時には、アンダークッション部分1532は、鼻根に沿って、更に頤の周りに、膜部分1530を支持し、アンダークッション部分1532の露出部分は、鼻の側部に沿って、圧縮/膜シールを形成する。従って、アンダークッション部分1530、1532は、連続した膜シールを設けるように協働する。
【0157】
3.2.6 2部構成クッションの例6
図38−1から図38−4にクッション1618を示す。そのクッション1618は、単一の壁と、頤領域の周りをシールするように適合された膜部分1630と、膜部分1630と一体化されたフレーム部1612とを含む。図38−3に示すように、膜部分1630には、デュロメータ硬さが低い別個のアンダークッション部分1632(例えば、モールド成形されたフォーム、PUフォーム、被覆したフォーム、シリコーンフォーム、ゲルポケット)が設けられる。使用時には、アンダークッション部分1632は、頤領域の周りで膜部分1630を支持し、アンダークッション部分1632は、鼻根及び鼻の側部に沿って圧縮タイプのシールを形成する。図38−4に示すように、クッションの調節(例えば、サイズ変更のための延伸/変形)は、アンダークッション部分1632に局部化される。膜部分及びフレーム部を、一緒に締まり嵌めするか、または一緒にモールド成形することができる。
【0158】
3.3 アコーディオン形式の調節可能な領域またはガセットの例
図39に、アコーディオン形式の調節可能な領域またはガセット1716を有するクッションを示す。調節可能な領域またはガセット1716により、顔面高さの必要な調節を実現するためにシーリングの輪郭が(圧縮または延伸ではなく)形状を変更することが可能になる。
【0159】
3.4 ピンチの例
図40−1及び図40−2に、軟質クッション1818(例えば、シリコーン、TPE)を示し、その軟質クッション1818は、患者の顔に対して連続した圧縮タイプのシールを形成するように適合されたフレームと一体化されている。独立のローラ機構1825(例えば、ローリングピンを含む)が、クッションに設けられており、シーリングの輪郭を調節するように構成されている。すなわち、ローラ機構は、鼻根領域の周りでクッションを一緒に挟み、シーリングの輪郭の形状を調節し、サイズ範囲(例えば、小、中、及び大)をカバーするように垂直に調節されてよい。
【0160】
この例では、クッションは、第1のサイズから第2のサイズに形状が変更される。外周の長さは一定のままであり、クッションの各部分の割合が、例えばクッションを小さくするように変更し、クッションの下側部分は外に広がっている。
【0161】
3.5 延伸するシーリング輪郭(フレームの点接触)の例
図41−1及び図41−2に、例えば、TPE、TPUから構築されたクッション1918を示す。フレームはピン部材1925を含み、そのピン部材1925はクッションと点接触する。ピン部材は、より大型にするにはクッションのシーリングの輪郭を、例えば、小型から中型、中型から大型に延伸する調節機構によって調節可能である。
【0162】
3.6 延伸するシーリング輪郭(フレーム調節可能な領域またはガセット)の例
図42−1及び図42−2に、例えば、TPE、TPUから構築されたクッション2018示す。調節可能な領域またはガセット2016を有するフレーム2012が、クッションとの連続した接触を有する。フレームは、より大型にするにはクッションのシーリングの輪郭を、例えば、小型から中型、中型から大型に延伸する調節機構によって調節可能である。
【0163】
3.7 モジュールの例
図43−1から図43−3に、汎用的ベースセクション2118を含むモジュール式シーリング構成を示す。その汎用的ベースセクション2118は、交換可能な上部セクション、例えば、大型サイズの上部セクション2120(1)、中型の上部セクション2120(2)、または小型の上部セクション2120(3)を収容するように適合されている。ベースセクション2118は、口及び鼻の側部の周りをシールするように適合されたクッション/フレームを含む。各上部セクション2120(1)、2120(2)、2120(3)は、ベースセクションに固定可能であり、鼻及び鼻根の周りをシールするように適合されたクッション/フレームを含む。一実施形態では、クッション/フレームをそれぞれ、シリコーンからモールド成形して、部品の数を減らすことができ、例えば、フレーム部分を、クッション部分よりも厚いシリコーンとすることができる。
【0164】
図43−4から図43−6に、上部セクション2120をベースセクション2118に固定する例示的な構成を示す。図示のように、上部セクション2120は、フレーム2130及びシーリング膜2132を含み(図43−4及び図43−5)、ベースセクション2118は、フレーム2140及びシーリング膜2142を含む(図43−6)。ピン/溝構成(例えば、フレーム2130上のピン2130(1)及びフレーム2140上の溝2140(1))が、フレーム2130、2140を互いに位置合わせし配置するために設けられ、ラッチ構成(例えば、フレーム2140上のラッチ2140(2)及びフレーム2130上の溝2130(2))が、フレームを互いに、例えば、スナップ嵌めによって固定するために設けられている。
【0165】
図示のように、膜2132、2142は、それぞれのフレームを越えて突出しており、そのため、膜は、上部及び底部セクションが互いに固定されるときに、部分的に重なり、互いにシールする。図43−7に、互いに部分的に重なる膜2132、2142を示す。図43−8に示すように、膜2132、2142を支持するより厚いシリコーンセクション2133、2143を、互いに面一に配置することができて、例えば、漏出を防止し、フレームのチャネル中に組み付けることができる。
【0166】
3.8 ヒンジによる外部骨組みの例
図44−1から図44−2及び図45に、(例えば、シリコーン、TPE/TPU、フォーム等から構築された)クッション2218を示す。そのクッション2218は、(例えば、シリコーン、TPE、処理済の繊維素材から構築された)可撓性のフレーム2212によって支持されている。骨組みスタイルの調節機構2225が、フレームに接続され、シーリングの輪郭を調節するように構成されており、例えば、調節機構は、フレーム、従ってクッションを垂直に調節する面に向かって/そこから離れる方に調節される。すなわち、調節機構は、ベース、及びベースとフレーム2212との間に配設された枢動式調節部材を含む。使用時には、ベースの姿勢を調節して、調節部材の姿勢を調節することができ、それにより、フレーム、従ってクッションの形状を調節する。図45に示すように、形状変更によって調節を吸収し、すなわち、材料は延伸または圧縮されない。
【0167】
図44−1に、大型サイズに調節されたマスクシステムを示す。そのシステムでは、調節機構2225は、延伸してより高くなるようにクッションを支持している。
【0168】
図44−2に、小型に調節されたマスクシステムを示す。そのシステムでは、調節機構2225は、クッションを弛緩した姿勢または開始姿勢に維持する。
【0169】
3.9 熱成形されたクッション及び骨組みフレーム
図54から図73に、本技術の代替の実施形態によるマスクシステムの代替の構成を示す。好ましくは、マスクシステムは、骨組みまたは拡大不能なフレーム部分を備えることができる。骨組みにより、マスクシステムの空所または呼吸チャンバ内で患者の鼻に寸法合わせされるように、マスクシステムの構造または形状を定めることができる。好ましくは、骨組みを、膜または可撓性部材の延伸及び/または形状変更によって、第1の姿勢から第2の姿勢に、調節可能または再配置可能とすることができ、膜が骨組みに連結されるかまたは取り付けられている。膜を、やはりマスクシステムをシーリングまたは別法でカバーしながら、骨組みの1つまたは複数の部分に取り付けることができ、そのため患者に治療を施すことが可能になる。骨組み及び/または膜は、ヘッドギア、エルボ、空気送出チューブ、通気システム等、患者とのインターフェースの追加の要素を連結するアンカ留めまたは取付け部分として働くこともできる。
【0170】
骨組み及び膜を、熱成形によって組み立てることができる。好ましくは、クッションまたはシーリング部材は、骨組み及び/または膜に連結されて、患者とマスクシステムとの間のシールに影響を及ぼす。クッションは、骨組み及び/または膜に着脱可能に取付け可能とすることができる。好ましくは、クッションは、骨組み及び膜に熱成形によって組み付けられる。
【0171】
有益なことに、マスクシステムの一部分または全体を熱成形することによって、マスクシステムは、その部品数を減らすことができ、洗浄を簡単にすることができ、安く製造することができ、且つ/またはより可撓性が高く、あまり目障りにならず、ユーザフレンドリにすることができる。
【0172】
最も好ましくは、クッションは、患者との圧縮シールを行うことができる順応可能な材料でよい。好ましくは、クッションは、フォーム、ゲルの布または他の変形可能な材料から構築することができる。膜を、布等、可撓性であり実質的に伸縮性のある材料から構築することができる。骨組みを、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ナイロン、アルミニウム、スチール等、実質的に拡大不能な材料から構築することができる。あるいは、骨組みを、シリコーンまたは熱可塑性ウレタン(TPU:thermoplastic urethane)等、可撓性の材料から作製することができる。骨組みを、荷重をかけた後でその意図した形状に戻るように、実質的に弾性とすることができる。
【0173】
3.9.1 熱成形の実施形態1
図54及び図55に、骨組みの上側または上部分5050を示し、その上部分5050は、使用時に患者の鼻を概して覆うように配置することができる。上側部分5050は、オリフィス5055を含むことができ、そのオリフィス5055は、例えば、調節機構、通気口、エルボ、または空気送出チューブを受容するように適合されている。上側部分5050は、構造の完全性または強度のために開口またはオリフィスがなくてもよい。好ましくは、上側部分5050は、開口5051を1つまたは複数含むことができ、その開口5051により、材料、従って上側骨組み部分の重量が低減されコストが削減される。それらの開口5051により、骨組みを少なくとも部分的に屈曲させるかまたは曲げることを可能にすることもできる。
【0174】
図56に、骨組みの下側または底部分5060を示す。その下側または底部部分5060を、使用時に患者の口または頤を概して覆うように配置することができる。下側部分5060は、オリフィス5065を含むことができ、そのオリフィス5065は、例えば、調節機構、通気口、エルボ、または空気送出チューブを受容するように適合されている。下側部分5060は、構造の完全性または強度のために開口またはオリフィスがなくてもよい。好ましくは、下側部分5060は、開口5061を1つまたは複数を含むことができ、その開口5061により、材料、従って下側骨組み部分の重量が低減されコストが削減される。それらの開口5061により、骨組みを少なくとも部分的に屈曲させるかまたは曲げることを可能にすることもできる。
【0175】
図59では、上側部分5050が下側部分5060に対して相対位置にある。好ましくは、中心領域における上側部分5050と下側部分5060との間の距離Xを、10〜30mm、例えば、12〜20mm、18mmとすることができる。好ましくは、角部または最も外側の領域における上側部分5050と下側部分5060との間の距離Yを、15から40mm、例えば、20〜30mm、26mmとすることができる。
【0176】
図57に、骨組みに連結するかまたは別法でそれと共に形成することができる膜5100を示す。膜5100は、上側骨組み部分5055及び下側骨組み部分5065とそれぞれ位置合わせする、上側部分5155及び下側部分5165を含むことができる。膜5100は更に、調節領域5110を含むことができ、その調節領域5110は、屈曲、延伸、折り畳み、且つ/または曲げて、上側部分5155及び下側部分5165の距離または位置合わせ、従って上側骨組み5055及び下側骨組み5065の姿勢を調節することができる。調節領域5110は、上側部分5155及び下側部分5165よりも可撓性があってよい。あるいは、調節領域5110は、上側部分5155及び下側部分5165と同じ可撓性を有することができる。膜5100は、上側骨組み部分5055及び下側骨組み部分5065上のそれぞれの開口と位置合わせする開口5105を含むことができる。
【0177】
図58に、膜5100と共に配置されたときの、骨組みの上側部分5050と、骨組みの下側部分5060との相対位置を示す。調節領域5110は、骨組み部分の距離または位置合わせの再配置または調節を容易にするように、概して上側部分5050と下側部分5060との間に配置される。図60に、マスクシステムを通る断面を示す。そのマスクシステムでは、骨組みの上側部分5050及び下側部分5060は、膜5100の内部に配置されている。調節領域5110は、実質的に上側部分5050と下側部分5060との間にあってよい。
【0178】
図61に図60の断面図の一部を示す。上側部分5050を、膜5100の内部に配置または封入することができる。更に、骨組み部分と膜部分との間に撓み性のある材料5180を配置して、外観をソフトにしマスクシステムの快適性を向上させることができる。撓み性のある材料は、例えば、フォーム、布、3Dのウィーブ、フェルト、ゲルでよい。
【0179】
好ましくは、骨組み、膜、及び撓み性のある材料を、積層及び/または熱成形によって形成することができる。例えば、患者に接触する面の膜5100Bがあってもよく、その膜5100Bを、撓み性のある材料5110Bに積層するかまたは別法で取り付けることができる。患者に接触しない面の膜5100Aもあってよく、その膜5100Aを、撓み性のある材料5110Aに積層するかまたは別法で取り付けることができる。上側部分5050及び下側部分5060を、工具中で膜5100Aと膜5100Bの積層体間に配置することができる。その工具に熱を加えて、膜5100A及び5100Bを一緒に熱形成または接合することができる。過度の材料5080が、膜の接合部に現れることがあり、それを、手による切断、打抜き、超音波打抜き、または溶接によって切り落とすことができる。
【0180】
例示的な実施形態では、図60及び図61に示すように、上側部分5050及び下側部分5060はナイロンから構築され、撓み性のある材料5110A及び5110Bはフォーム材料(例えば、厚さ約1〜10mm、例えば、5mmの連続気泡ポリウレタンフォーム)であり、膜5100A及び5100Bは、布材料(例えば、厚さ約0.1〜1.0mm、例えば、0.5mm)から構築されている。しかし、上記で述べたように他の適切な材料が可能でありうることを理解されたい。図60に示すように、例えば、フォーム/布材料によって、オリフィス5055、5065の内側及び外側の縁部が仕上げされる。
【0181】
3.9.2 熱成形の実施形態2
一実施形態では、骨組みを膜でシールまたはカバーして、第1の部分を形成することができ、クッションを膜でシールまたはカバーして、第2の部分を形成することができ、第1及び第2の部分を、接続するかまたは取り付けて、マスクシステムを形成することができる。
【0182】
図62に、構造要素5200と、位置決め要素5210と、順応要素5220とを示す。構造要素5200により、使用時に患者の鼻に接触するのを避けるために概してドーム形または半球形状のマスクシステムにすることができる。位置決め要素5210は、順応要素5220を形成及び支持することができる。位置決め要素5210は、順応要素5220を構造要素5200に連結することもできる。順応要素5220は、患者に接触し、且つ/または快適な圧縮領域を患者に与えることができ、そのため、マスクシステムとシーリングしながら係合することができる。
【0183】
骨組みまたは構造要素5200を、弾性、伸縮性、及び/または可撓性とすることができる。骨組みは、オリフィス5205を1つまたは複数含むことができ、そのオリフィス5205は、調節機構、通気口、エルボ、空気送出チューブ等と係合するように適合されている。骨組み5200は、調節領域5201を含むことができ、その調節領域5201を、可撓性または変形可能とすることができ、そのため、上側領域5202を骨組み5200の下側部分5203に対して再位置合わせまたは再配置することができる。好ましくは、骨組み5200を、シリコーン、ナイロン、TPU、熱可塑性エラストマー(TPE:thermoplastic elastomers)等、弾性の材料から構築することができる。好ましくは、調節領域5201は、上側領域5202及び下側領域5203よりも可撓性があってよい。これは、調節領域5201に異なる材料を使用し、調節領域5201を上側領域5202及び下側領域5203に取り付けることによって実現することができる。好ましくは、骨組み5200を、同じ材料から形成することができ、調節領域5201の厚さは、上側領域5202及び下側領域5203の少なくとも一部分よりも小さい。好ましくは、調節領域を、上側領域5202と下側領域5203との間に配置することができる。
【0184】
骨組み5200を、膜で封入またはコートすることができ、その膜は、図63〜図69に示すような第1の部分5250A及び第2の部分5250Bを有する。上側部分5252を上側領域5202と位置合わせし、下側部分5253を下側領域5203と位置合わせして、第1の部分5250Aを(図63に示すように)骨組みの外側または患者に接触しない面に配置することができる。第1の部分5250Aは、オリフィス5255を1つまたは複数有することができ、そのオリフィス5255は、骨組みのオリフィスと位置合わせされており、例えば、オリフィス5255は骨組み上のそれぞれのオリフィスの位置でシールされ、従って、第1の部分5250Aは骨組み上のオリフィスをカバーしない。第1の部分5250Aは更に、骨組み上の調節領域と位置合わせできる調節領域5251を含むことができる。第2の部分5250Bを、骨組みの内側または患者に接触する面に配置することができる。第2の部分5250Bを、構造要素5200の外周に沿って第1の部分5250Aに接合することができる。この接合部を、熱成形、接着、縫合等で作ることができる。こうした構成を図67に示す。
【0185】
位置決め要素5210を、順応可能要素5220と係合させ、それに取り付け、且つ/またはそれと共に形成することができる。位置決め要素5210は、第1の面5211及び第2の面5212を有することができ、それらの面のうちの一方を、構造要素5200の隣に位置合わせすることができ、他方の面を、順応要素5220の近位に位置合わせまたは配置することができる。位置決め要素は、順応構造を効果的なシーリング位置に配置するために内側に湾曲するように形成することができる。順応要素5220は、第1の面5222及び第2の面5221を有することができ、それらの面のうちの一方を、位置決め要素5210の隣に位置合わせすることができ、他方の面を、患者の近位に位置合わせまたは配置することができる。
【0186】
好ましい実施形態では、順応要素5220は、位置決め要素5210とインターフェースをとり内側部分を形成することができる。内側部分を、膜またはコーティングによって封入またはカバーすることができる。膜は、図67〜図69に示すように、第1の部分5250C及び第2の部分5250Dを備えることができる。第1の部分5250Cを、マスクシステムの外側部分または患者に接触する部分に配置することができる。第2の部分5250Dを、マスクシステムの内部またはその内面に配置することができる。第2の部分5250Dを、内側部分の外周に沿って第1の部分5250Cに接合することができる。この接合部を、熱成形、接着、縫合等で作ることができる。こうした構成を図67に示す。
【0187】
好ましくは、膜5250A、5250B、5250C、及び5250Dを、織布または不織布から構築することができる。一実施形態では、順応要素5220を、フォーム(例えば、厚さ約1〜10mm、例えば、5mmの連続気泡のポリウレタンフォーム)から構築することができ、位置決め要素5210を、TPU、シリコーン、等から構築することができる。しかし、他の適切な材料を使用できることを理解されたい。
【0188】
図68に、位置決め要素5210及び順応要素5220のサブアセンブリを有する構造要素5200のアセンブリを示す。すなわち、構造要素5200及び位置決め要素/順応要素サブアセンブリ5210、5220は、膜の層(例えば、布)で別々にカバーされ、次いで、膜でカバーした構造要素と、膜でカバーした位置決め要素/順応要素サブアセンブリとが互いに取り付けられる。構造要素5200及びサブアセンブリ(位置決め要素5210及び順応要素5220)による膜の層を、領域5280においてつなげることができる。膜の層を、接着、溶接、面ファスナ、プレススタッド、または他の連結機構によって取り付けることができる。好ましくは、連結機構は、表面間の漏出を防止するために気密である。図69に、連結領域5280をより詳細に示す。
【0189】
3.9.3 熱成形の実施形態3
図70から図73に本技術の代替の実施形態を示す。支持構造または構造要素5300は、マスクシステムの本体またはフレームを形成することができる。支持構造5300は、上側領域5302及び下側領域5303を含むことができる。上側領域5302及び下側領域5303を、調節可能な領域5310から間隔をあけて配置するかまたは分離することができる。調節可能な領域5310により、上側領域5302を下側領域5303に対して移動可能に配置可能にすることができる。支持構造5300は、通気孔、調節機構、エルボ、空気送出チューブ等と連結するための1つまたは複数のオリフィスまたは開口5305を含むこともできる。
【0190】
支持構造5300は、位置決め部分5352を含むことができ、その位置決め部分5352を、支持構造の患者に接触する面とすることができ、概してC字形の断面を有するかまたは支持構造の内側領域に向かって内側に湾曲することができる。位置決め部分5352により、患者に対するマスクのシールを可能にするかまたは強化することができるように順応部分5400を配置または位置合わせすることができる。
【0191】
支持構造5300を、シリコーン、TPU、またはTPE等、単一の材料から構築することができる。マスクシステムの他の領域よりも高い可撓性を必要とする領域(調節可能な領域5310または位置決め部分5352等)の厚さを小さくして、可撓性を高めることが可能である。あるいは、支持構造を、各領域の異なる可撓性及び伸縮性を可能にする様々な材料から構築することができる。
【0192】
順応部分5400は、快適で、可撓性があり、変形可能であってよい。順応部分5400を、フォーム(例えば、連続気泡ポリウレタンフォーム)、ゲル、シリコーン、TPE、TPU、布等から構築することができる。順応部分は、支持構造5300の位置決め部分5352とのインターフェースとなるかまたは別法でそれと位置合わせすることができる。
【0193】
膜またはカバー5350を、支持構造5300及び順応部分5400を包むかまたはコートするように適合することができる。好ましくは、膜5350を、支持構造5300及び順応部分5400に熱成形できる布とすることができる。好ましくは、支持構造を、コートするか、またはカバー5350に付着できるTPUまたは他の材料から構築することができる。
【0194】
図72及び図73に示すように、面5355に沿って、膜5350を支持構造5300に取り付けることができる。図72に示すように、面5355の長さZを、1〜10mm、例えば、3〜8mm、5mmとすることができる。面5355により、シールの完全性及び耐用年数、並びにカバー5350と支持構造5300との間の接着性を増大させることができる。あるいは、カバー5350を順応部分5400に取り付けることができる。更なる代替形態では、カバー5350、順応部分5400、及び支持構造5300は、点またはナイフエッジ5344において接合することができる(図73参照)。これを、打抜き、超音波打抜き、縫合、接着剤、または他の方法によってシールするかまたは別法で接合することができる。
【0195】
図示の実施形態では、膜5350は、支持構造5300の外側及び順応部分5400の患者に接触する面に沿ってのみ設けられ、すなわち、支持構造5300の内側及び順応部分5400の患者に接触しない面に沿って設けられない。膜5350は、オリフィスを1つまたは複数含み、そのオリフィスは、支持構造5300上のオリフィス5305、例えば、支持構造上のそれぞれのオリフィスにおいてシールされた膜のオリフィスと位置合わせし、従って、膜は支持構造上でオリフィスをカバーしない。
【0196】
3.9.4 クッションの代替実施形態
図106〜図114に、材料、例えば、フォーム、布、半硬質要素、及び/またはシリコーンの組み合わせから構築されたクッションの代替実施形態を示す。これらの材料は、クッションを調節可能にし、そのクッションは、サイズ調節中のシーリング表面における変形を制限することによってシールを丈夫にする。シリコーンばねの上部にフォームと布とを組み合わせることにより、フォーム/布が非常にしなやかなので、圧縮及び延伸による変形を最小限にすることができる。シリコーンばねにより、マスクに体積を追加することなく、患者の顔の様々な輪郭に対応するように移動量が比較的大きくなり、更に、クッションのサイズ調節を正確に行うための何らかの構造が設けられる。
【0197】
図106に、シリコーンフレーム部分またはバンド7002と、シリコーン製アンダークッション7004と、フォーム製シーリング部分7006とを含むクッションを示す。シリコーンバンドにより、マスクの正面に可撓性が与えられ、クッションのサイズの調節機能が可能になる。シリコーン製アンダークッションにより、全体の体積が最小限に抑えられ、全体のばね調節が可能になり、フォーム製シーリング部分を通る漏出が最小限に抑えられる。フォーム製シーリング部分により、フォームのしなやかな材料特性を用いてクッションサイズを調節するときにシーリングの表面でのひずみが最小限に抑えられ、患者の顔の小さい折り目/しわをふさぎ、最初に接触したときに快適になる。
【0198】
クッションの外周の1箇所または選択した部分に沿って、シリコーン製アンダークッションを設けることができる。例えば、クッションの外周全体に沿ってシリコーン製アンダークッションを設けることもでき、クッション外周のうちの1つまたは複数の部分ではシリコーン製アンダークッションを取り外すこともできる(例えば、鼻根及び頤または上唇領域にはシリコーン製アンダークッションを設けず、従って、フォーム製シーリング部分のみがそれらの領域にシーリング力を加える)。
【0199】
図107に、図106と同様のクッションを示す。図106とは異なり、図107のクッションは、シリコーン製アンダークッション7004及びフォーム製シーリング部分7006を覆う布層7008を含む。その布層により、フォームの耐久性が改善され、快適性(滑らかな表面仕上げ、柔らかな感触等)を改善することができ、見た目が良くなる。
【0200】
図108に、バンド無しの構成、すなわち、シリコーン/TPE製のアンダークッションまたはばね要素7004と、フォーム部分7006と、フォーム部分及びアンダークッションの外側に沿った布層7008との構成を示す。
【0201】
図109に、シリコーン/TPE製のバンド7002及びアンダークッション7004と、フォーム部分7006と、フォーム部分、アンダークッション、及びバンドの外側にのみ沿っている布層7008とを示す。
【0202】
図110に、シリコーン/TPE製のバンド7002及びアンダークッション7004と、フォーム部分7006と、フォーム部分、アンダークッション、及びバンドの外側並びにアンダークッション及びバンドの内側に沿っている布層7008とを示す。
【0203】
図111に、シリコーン/TPE製のバンド7002及びアンダークッション7004と、フォーム部分7006と、フォーム部分及びアンダークッションの外側にのみ沿っている布層7008とを示す。
【0204】
図112に、半硬質バンド7002と、シリコーン/TPE製アンダークッション7004と、フォーム部分7006と、フォーム部分、アンダークッション、及びバンドの外側にのみ沿っている布層7008とを示す。
【0205】
図113に、半硬質バンド7002と、シリコーン/TPE製アンダークッション7004と、アンダークッション及びバンドの外側にのみ沿って延びるフォーム部分7006と、アンダークッション及びバンドの外側に沿ってフォーム部分に沿って延びる布層7008とを示す。
【0206】
図114に、積層したフォーム/布(気密)バンド7012と、半硬質の骨組みフレーム7010と、シリコーン/TPE製アンダークッション7004と、フォーム部分7006と、フォーム部分、アンダークッション、骨組みフレーム、及びバンドの外側、並びにアンダークッション、骨組みフレーム、及びバンドの内側に沿っている布層7008とを示す。
【0207】
3.10 ポケット(インサート)の例
図46−1から図46−6にクッション2418を示す。そのクッション2418は、(例えば、シリコーンから構築された)可撓性のフレーム2412によって支持されている。フレーム2412は、「小型」サイズとしてモールド成形されており、一体化されたポケット2414を1つまたは複数含む。そのポケット2414はそれぞれ、異なるサイズのインサート2415(例えば、モールド成形した硬いインサート、空気/ゲル袋等)を受容するように適合されている。使用時には、選択したインサート(例えば、大型サイズ(図46−4)、中型(図46−5)、または小型(図46−6))は、フレームポケットに挿入されて、フレームを延伸させ、それによりクッションのサイズを調節する。図46−3にインサートのないフレームを示し、図46−2にインサートを有するフレームを示す。
【0208】
この例では、クッション2148は、第1のサイズから第2のサイズに延伸されている。
【0209】
3.11 ポケット(ポンプ)例
上記で説明した図46−1から図46−6の実施形態の代替として、(別個のインサートではなく)ガスまたは液体を使用して、ポケット2414を、例えば、ポンプによって充填することができる。
【0210】
3.12 可撓性のトランク(Flexible Trunk)の例
図47に、患者の口の周りをシールするように適合されたクッション2518を有する硬質のベースセクション2512を示す。可撓性の調節可能な領域またはガセット構造2516(例えば、シリコーン、TPEから構築される)が、クッション及びベースセクションから上方向に延びて、患者の鼻及び鼻根領域の周りにシールを形成する。調節可能な領域またはガセット構造に設けられたシールを、例えば接着剤または展性のクリップ2520によって、患者の鼻の周りに維持することができる。
【0211】
展性のクリップ2520は、患者の鼻の上にクッションをクランプ留めするかまたは挟む。
【0212】
3.13 スクロールの例
図48−1から図48−3に、クッションと一体化された可撓性のフレームを示す。図示のように、クッションの膜2618を反転させ、スクロールするかまたは巻いて、クッションの全体のサイズを変更し、例えば、図48−1の構成から図48−2の構成にすることができる。すなわち、膜をそれ自体に巻いて、クッションの外側の外周を短くし、従って、マスクサイズを調節することができる。図48−3は、膜2618がそれ自体に巻かれた分離図である。
【0213】
3.14 展性の例
図49に可撓性のフレーム2712(例えば、シリコーンから構築される)によって支持された、クッション2718を示す。可撓性のフレーム2712は、メモリ構成要素2725、例えば、ステンレス鋼のワイヤマトリックス、ワイヤメッシュ、熱成形可能な構成要素、形状記憶ポリマーと一体化されて設けられる(例えば、オーバーモールドされる)。一体化されたメモリ構成要素により、フレームの形状、従って、クッションのシーリングの輪郭を全ての平面で調節し、使用時のこうした形状を保持することが可能になる。形状変更によって調節を吸収し、すなわち、材料は延伸または圧縮されない。
【0214】
3.15鼻の下の例
図50に、硬質ベースセクション2812を示し、その硬質ベースセクション2812は、患者の口の周りをシールするように適合されたクッション2818を有する。別個のシール構造2816が、クッション及びベースセクションから上に延びて、鼻の下のシールを形成するか、または鼻のベースの回りに経鼻的クレードルを形成する。シール構造2816の可撓性によってサイズの変動を吸収することができる。
【0215】
3.16 形状変更の例
図51−1から図51−5に、「形状変更(shape-change)」して異なるサイズのクッションになる様々な構成を示す。図51−1では、クッションにスリット3102を1つまたは複数設けることができ、それにより、スリットから離れた領域にはあまり影響を及ぼさずに比較的大きい角度変更が可能になる。図51−2では、クッションのうちのクッションの座屈中に収縮する領域に、概してU字形の切欠き3202を1つまたは複数設けることができる。そのU字形の切欠きにより、必要な位置において弱い力で材料を曲げることができる。図51−3では、必要な位置において弱い力で材料を曲げることができるように、クッションに、概してU字形のスロットを1つまたは複数設けることができる。この構成は、上記で説明したスリットと同様であるが、2つの面の間の隙間が大きいのでいずれかの方向に移動することが可能である。図51−4では、クッション3301は、その長さに沿って混在または変動する曲率を有することができる。こうした実施形態では、フレアが生じることができる位置にはより多くの材料をもたらすことができ、余分の材料は、材料が外側にあまり広がらない程度に顔に対するシールの低下を防止するのを助ける。図51−5では、膜の底部に切欠き3302を設けることができ、それにより壁が顔に向かって曲がり、外側の膜に沿って伸張する。こうした伸張により、クッションが圧縮されてより小型になるときに膜がその形状を維持することが可能になる。
【0216】
図52−1及び図52−2に、クッション8100を示し、そのクッション8100は、サイズ間の形状の変更ができる概して「バイクのシート」タイプの形状である。図52−1に中型のクッションを示し、図52−2に小型のクッションを示す。この実施形態では、口の幅は、サイズ間で概して一定に維持され、サイズを調節するために鼻の幅は最小限に抑えられる。図52−3に示すように、クッションとフレームとの間のインターフェース3401がクッションをマスクの中心に案内し、それにより、形状変更を助けるように、フレームの底部半分を改変することができる。
【0217】
一実施形態では、クッションの形状変更領域または移行領域にあるクッションの側壁を薄くすることができ、クッションに可撓性がもたらされる。これにより、クッションを、フレームから離れる方に変形するのではなく、主に鼻に向かって変形可能にすることができる。
【0218】
一実施形態では、図52−4に示すように、フレームの鼻根領域に支持体3402が設けられて、例えば、クッションの壁が丸まって鼻に入り、従って患者の鼻孔を塞ぐことを防止することができる。
【0219】
一実施形態では、図52−5及び図52−6に示すように、クッションに調節可能な領域またはガセット3516が設けられて、例えば、クッションの壁に堅さを加え、フレームから離れる方に変形するのを防止することができる。図52−5に小型のクッションを示し、図52−6に中型のクッションを示す。
【0220】
図52−7に、例示的なフレーム8200を示し、そのフレーム8200は、クッションを収容し、クッションが所望の形状に変形できるようにする上側フレーム部分8202及び下側フレーム部分8204を含む。図示のように、上側フレーム部分8202及び下側フレーム部分8204はそれぞれ、クッションを受容するクッションチャネル8206を設けることができる。
【0221】
図52−8及び図52−9にクッション8300を示し、そのクッション8300は、概して、サイズ間で形状を変更できる「西洋ナシ」形状である。図52−8に中型のクッションを示し、図52−9に小型のクッションを示す。この実施形態では、口の幅を大きくしてサイズを調節する。
【0222】
クッションを小型に圧縮する間に、外側及び内側の膜が広がることがある。以下に、広がりを防止する代替例を示す。例えば、図52−10に示すように、1つまたは複数のリブ8400(例えば、シリコーンビード)を、膜に設けて、堅さを増大させ、膜が広がるのを低減または防止することができる。図52−10から図52−12に、ある程度外側に広がる膜を示す。追加の補強要素が、外側への広がりを低減している。広がりを更に低減または防止するために、内側に湾曲した姿勢に膜を維持するように補強材のサイズを大きくするかまたはそれを合体させることができる。図52−11では、外側の膜が大きくカールすることがあり、例えば、シリコーン製ストリップ8402が広がる領域の膜に設けられている。それらのストリップを、ある角度で配置して、膜の湾曲を伸ばし膜の拘束を助けて、広がるのを防止することができる。図52−12では、外側の膜は、広がる領域に厚くした領域8404を含むことができる。
【0223】
図52−13及び図52−14に、概して「西洋ナシ」形状のクッション8500を示す。そのクッション8500は、例えば、クッションに堅さを加えるために、調節可能な領域またはガセット8510を備える。
【0224】
図52−15から図52−22に、可撓性のフレーム8620に支持されたクッション8610と、フレームに接続されシーリングの輪郭を調節するように構成された(上側ヘッドギアコネクタ8632及び下側ヘッドギアコネクタ8634を含み、エルボ8640を支持する)調節機構8630と示す。例えば、調節機構は、上側部分8635及び下側部分8637を含み、それらは互いに枢動して、調節のための部分の間の相対移動が可能になる。図52−15、図52−17、及び図52−19に、より大型になるように調節されたクッションを示し、図52−16、図52−18、図52−20に、より小型になるように調節されたクッションを示す。図52−21及び図52−22に示すように、「高価な」構成要素(例えば、調節機構8630、ヘッドギアコネクタ8632、8634、及びエルボ8640)は、サブアセンブリとして使い捨ての/交換可能なクッション8610/フレーム8620から分離している。こうした構成により、クッション/フレーム材料、例えば、シリコーン、フォーム、ゲル等の選択が可能になる。図示のように、円形の開口部8650、8652が2つ(例えば、図52−21参照)クッションフレームに設けられて、簡単な寸法合わせ、取り外し、及びシーリングによって調節機構を収容する。クッションフレームは、比較的硬質であり、そのため、調節機構が差込み可能であり、形状変更しない領域を硬質にすることも可能である。
【0225】
図53に、クッションがオーバーヘッドチューブによって支持された別の構成を示す。図示のように、クッション4018には、上側フレーム部分4012及び下側フレーム部分4014が、設けられており、それらのフレーム部分間に調節可能な領域またはガセット4016を有する。オーバーヘッドチューブは、チューブ部分4005を含み、そのチューブ部分4005は、上側フレーム部分4012及び下側フレーム部分4014のうちの一方または両方とねじ係合しており、そのため、こうしたチューブ部分4005が回転すると、上側フレーム部分と下側フレーム部分とが相対移動し、従って、クッション4018が高さ調節される。
【0226】
3.17 一体化されたクッション及びフレーム領域(バンド)
一実施形態では、クッション及びフレームの構成要素を、1ピースの構造、すなわち、単一のモールド成形部分として一体形成することができる。こうした構成により、クッションとフレームとのインターフェースをなくし(例えば、それにより、クッションとフレームとの間のインターフェースにおいて漏出の可能性がなくなる)、複数の部品をなくすことができる。例示的な実施形態では、一体化されたクッション及びフレームを、シリコーン(例えば、ショアAが40のシリコーン)等のエラストマー材料からモールド成形することができる。
【0227】
図115から図118に、本技術の一実施形態による一体化されたクッション及びフレーム7100を示す。図示のように、一体化されたクッション及びフレーム7100は、クッション領域7102と、フレーム領域7104と、調節可能な領域またはガセット領域7106とを含む。上記で説明したように、クッション領域は、使用時に患者の顔に対するシールを形成するように適合された膜7103を設け、クッション領域は、クッション領域の長さ及び/または形状を変更できるように可撓性、圧縮可能、及び/または延伸可能である。フレーム領域は、マスク内部呼吸チャンバを画定し、クッション領域の少なくとも一部分を支持するかまたは別法で形成するように適合されている。調節可能な領域により、実質的に可撓性の領域が設けられており、その領域は、クッション及びフレーム領域の機械的な抵抗を軽減して、クッションのサイズを変更するように延伸及び圧縮するように適合されている。調節可能な領域は、クッション膜の輪郭に移行して、その結果、側部に沿った一連の「スクープアウト(scooped out)」領域になる。こうした「スクープアウト」の位置は、シール性能に影響を及ぼすことなく、形状変更する間にクッション輪郭へのストレスを軽減するように最適化されている。
【0228】
フレーム領域の正面は、2つの開口、例えば、エルボを収容する下側開口7110と、通気インサートを収容する上側開口7112とを含む。
【0229】
使用時には、一体化されたクッション及びフレームを、外部骨組みに設けることができ、それにより、硬質支持構造、サイズを調節する作動または調節機構、及びヘッドギアを取り付ける構造が設けられる。
【0230】
3.17.1 アンダークッション支持構造
以下に、膜を支持するアンダークッション支持構造の代替の実施形態を示す。
【0231】
別々に形成及び取付け
図117及び図118の例示的な実施形態では、膜7103を支持するアンダークッション支持構造(図示せず)が、一体化されたクッション及びフレーム7100とは別個にモールド成形され、次いで、(例えば、接ぎ合わせることで)それに取り付けられる。アンダークッション支持構造の位置決めを助けるために、一体化されたクッション及びフレーム7100は、その内面に沿って走る、画定されたショルダ7114と、1つまたは複数の一体化されたリブ特徴部7116とを含む。しかし、アンダークッション支持構造を、一体化されたクッション及びフレーム7100と1ピースに一体形成できることを理解されたい。
【0232】
アンダークッションフィンガ
図119から図122に、連続したフラップタイプのアンダークッション7205が、クッションの鼻領域SN及び角領域Cの側部に沿って設けられ、間隔をあけて配置された個別のアンダークッションフィンガ7215が、クッションの頬領域CHに沿って設けられている構成を示す。この実施形態では、アンダークッションは、鼻根領域NB及び上唇または頤領域ULには設けられておらず、すなわち、膜7103にのみ設けられている。クッションの長手方向軸に沿ってアンダークッションのないこうした構成により、その長手方向軸に沿ったクッション可撓性が強化される。
【0233】
アンダークッションフィンガは、サイズ変更中にその領域のクッションの延伸または圧縮を抑制することなく、シーリング方向でクッションを十分に支持する。これは、サイズ変更中の変形が最小限であるガセット形状の頂点にフィンガを配置することによって実現される。アンダークッションフィンガ7215は、アンダークッション7205と同様の曲率を含むが、アンダークッションフィンガは、フィンガの不連続の構造を補償するために輪郭がより厚い。
【0234】
一実施形態では、アンダークッション及びアンダークッションフィンガを、一体化されたクッション及びフレーム7100と一緒に、一体にモールド成形して1ピース(例えば、ショアA40または同様のシリコーン)にすることができる。
【0235】
デュロメータ硬さが低いアンダークッション
図123から図125に、クッションの鼻領域SN、頬領域CH、及び角領域Cの側部に沿って、デュロメータ硬さが低いアンダークッション7305(例えば、ショアA硬度が2〜10の材料)を設ける構成を示す。この実施形態では、アンダークッションは、鼻根領域NB及び上唇または頤領域ULには設けられておらず、すなわち、膜7103にのみ設けられている。クッションの長手方向軸に沿ってアンダークッションのないこうした構成により、その長手方向軸に沿ったクッション可撓性が強化される。図125に示すように、アンダークッション7305は、低硬度の材料を補償するために輪郭がより厚い。
【0236】
アンダークッション7305は、クッションをシーリング方向に十分に支持し、一方で、軟質且つ可撓性のアンダークッション構造を使用してクッションのサイズを調節するのに必要な力を低減し、やはりガセット領域の形状を最適化する。図124に示すように、最小限の力でその領域での延伸及び圧縮を可能にするために、ガセット領域7106においてアンダークッション7305にストレスリリーフ7307が設けられる。
【0237】
一実施形態では、アンダークッション(例えば、ショアA硬度が2〜10のシリコーンまたはTPE)を、例えば、デュロメータ硬さを2つ有するモールド成形によって、一体化されたクッション及びフレーム7100(例えば、ショアA硬度が40のシリコーンまたはTPE)と一緒に、モールド成形して1ピースにすることができる。
【0238】
低いデュロメータ硬さ
図126から図128に、デュロメータ硬さが低い材料(例えば、ショアA硬度が2〜10の材料)がアンダークッション7405及び膜7403の両方のために利用される構成を示す。この実施形態では、アンダークッションは、クッションの鼻領域SN、頬領域CH、及び角領域Cの側部に沿って設けられており、鼻根領域NB及び上唇または頤領域ULにはアンダークッションが設けられていない。クッションの長手方向軸に沿ってアンダークッションのないこうした構成により、その長手方向軸に沿ったクッション可撓性が強化される。
【0239】
こうした構成により、従来のモールド成形技術でクッションをモールド成形することが可能であり、例えば、デュロメータ硬さを2つ有するモールド成形は必要ない。こうした構成は、シーリング方向にクッションを十分に支持し、クッション全体に軟質且つ可撓性の材料を使用して、クッションサイズを調節するのに必要な力が低減される。図123から図125の実施形態と同様に、最小限の力でその領域での延伸及び圧縮を可能にするために、ガセット領域においてアンダークッションにストレスリリーフ7407が設けられてもよい(図127参照)。
【0240】
図123から図125の実施形態と同様に、アンダークッション7405は、低硬度の材料を補償するために輪郭がより厚い(図128参照)。この実施形態では、低硬度の材料を補償するために、膜7403を(例えば、図115から図125の膜よりも)厚く作製する。例えば、図127の拡大詳細図に示すように、膜7403の厚さXは約0.7〜1.0mmである。対照的に、図115から図125の前述の実施形態ではこうした厚さは約0.3〜0.5mmである。
【0241】
3.17.2 単一壁クッション
以下に、単一壁クッション、すなわち、アンダークッション支持構造無しで膜のみのクッションの代替の実施形態を示す。
【0242】
単一壁クッションの第1の例示的な実施形態
図129から図131にクッション7500を示し、そのクッション7500は、外周に沿って膜7503のみを含み、すなわち、アンダークッション支持構造が含まれない。クッションは、デュロメータ硬さが低い材料(例えば、ショアA硬度が2〜10の材料)から構築されており、膜の厚さは、クッションの異なる領域で変化させ、そのため、2重壁のクッション、すなわち、膜及びアンダークッションと同様の機能がもたらされる。
【0243】
従来のデュロメータ硬さが高い材料(例えば、ショアAが40のシリコーン)の代わりに、軟質であり、可撓性であり、デュロメータ硬さが低い材料(例えば、ショアAが2〜10のシリコーン)を使用することによって、クッションサイズを調節するのに必要な力が小さくなる。更に、デュロメータ硬さが低い材料は、ショアAが40のシリコーンと比べると、非常に厚い壁セクションにより同程度の可撓性及び順応性を有する。厚いクッションセクションを有する例示的な利益は、サイズ変更中に起きることがある、挟まれ及び座屈に対してより抵抗性があることである。
【0244】
一実施形態では、クッションの断面は、膜がクッションの角領域Cで最も厚く、鼻領域SN及び頬領域CHの側部でより厚く、鼻根領域NB及び上唇または頤領域ULで最も薄くなるように変化させる。
【0245】
図130に最も薄い領域にある膜の断面を示し、これは、シール及び快適性を最適にするためにクッションに膨張するのに十分な可撓性をもたらす。図131に、そのより厚い領域のうちの1つに沿った膜の断面を示し、その領域は、順応性の程度を維持しながら、支持構造として機能し、底部に触れないように抵抗する(resist bottoming out)ことができる。
【0246】
図130に示すように、サイズ調節を助けるために、ガセット領域にストレスリリーフ7507を設けることができる。クッション7500は、フレーム領域若しくはバンドに(例えば、接ぎ合わせることで)取り付けられてもよく、またはクッションは、一体化するかまたはモールド成形して、バンドを有する1ピースにすることができる。
【0247】
単一壁クッションの第2の例示的な実施形態
図132から図135に、本技術の別の実施形態による単一壁クッション7600を示す。図129〜図131の実施形態と同様に、クッション7600は、その外周に沿って膜7603しか含まず、膜の厚さは、2重壁クッションと同様の機能をもたらすように外周によって様々である。
【0248】
この実施形態では、膜7603の形状または曲率は、「鼻用マスクシステム(Nasal Mask System)」との表題で2010年5月28日に国際出願されたPCT/AU2010/000657号(国際公開第2010/135785号パンフレット)に開示された、クッション中のアンダークッションの形状と同様のものとすることができる。その文献は、2009年5月29日出願の米国仮特許出願第61/213,326号、2009年7月2日出願の米国仮特許出願第61/222,711号、2009年8月25日出願の米国仮特許出願第61/272,162号、2009年9月4日出願の米国仮特許出願第61/272,250号、2009年11月20日出願の米国仮特許出願第61/263,175号、及び2010年3月18日出願の米国仮特許出願第61/282,693号、並びに2009年6月2日出願のオーストラリア仮出願第2009902524号、及び2009年12月15日出願のオーストラリア仮出願第2009906101号の利益を主張するものであり、これらの文献はそれぞれ参照によりその全体が本明細書に援用される。図129から図131の実施形態では、膜7503の形状または曲率は、上述の国際出願に記載のクッションの膜の形状と同様のものとすることができる。
【0249】
図示のように、材料7609の薄いリップ部が膜7603から離れて延びる。こうした薄いリップ部7609は、クッションの外周全体に沿って延び、膨張によってシールするように構成されている。
【0250】
図133に、可撓性を強化するためにテーパ状壁セクション7611がクッションの上部及びベースに用いられ、従って、シール及び快適性を最適にするために膜が膨張できることを示す。図134に、より厚い領域の1つに沿った膜の断面を示し、その領域は、順応性の程度を維持しながら、支持構造として機能し、底部に触れないように抵抗することができる。
【0251】
図129〜図131の実施形態と同様に、クッション7600は、デュロメータ硬さが低い材料(例えば、ショアA硬度が2〜10の材料)から構築されている。従来のショアAが40のシリコーンの代わりに軟質で可撓性の材料を使用することによって、クッションサイズを調節するのに必要な相対的な力を小さくすることができる。更に、デュロメータ硬さが低い材料は、ショアAが40のシリコーンと比べると、非常に厚い壁セクションにより同程度の可撓性及び順応性を有する。厚いクッションセクションを有する例示的な利益は、サイズ変更中に起きるであろう挟まれ及び座屈に対してより抵抗性があることである。
【0252】
単一壁クッションの第3の例示的な実施形態
図136から図141に、本技術の一実施形態による一体化されたクッション及びフレーム7700を示す。図示のように、一体化されたクッション及びフレーム7700は、クッション領域7702と、フレーム領域7704と、調節可能な領域またはガセット領域7706とを含む。フレーム領域の正面は、エルボを収容する開口7710を含む。
【0253】
上記で説明したように、クッション領域は、その外周に沿って膜7703しか含まない。一体化されたクッション及びフレームは、デュロメータ硬さが低い材料(例えば、ショアA硬度2〜10の材料)から構築することができ、膜の厚さは、2重壁のクッション、すなわち、膜及びアンダークッションに同様の機能をもたらすように、クッションの異なる領域において変化させる。例えば、クッションの断面は、膜が鼻根領域NB及び上唇または頤領域ULで最も薄く(図137参照)、鼻領域SN、頬領域CH、及び角部領域Cの側面でより厚くなるように変化させる。
【0254】
その膜は、低硬度材料を補うように(例えば、図115から図125の膜よりも)厚く作製されている。例えば、図137に示すように、膜の厚さd1は約0.7〜1.0mm(例えば、0.8mm)である。対照的に、図115から図125の前述の実施形態のこうした厚さは約0.3〜0.5mmである。更に、図141に示すように、膜の厚さd2は約1.0〜1.5mm(例えば、1.2mm)であり、厚さd3は約1.5〜3.5mm(例えば、2.5mm)である。
【0255】
本技術によるマスクシステムの一利点は、患者に陽圧療法を施すことができるように、調節できることと、患者の顔にシールを形成できることである。本技術の更なる利点は、患者の顔にある間に調節でき、そのため、患者に寸法合わせするのがより単純且つ/または簡単になることである。本技術の更なる利点は、マスクシステムが調節されながらシールを維持することである。本技術の別の利点は、細かい、例えば約1mm未満の調節、並びに粗い、例えば約2から3mmを越える調節を可能にすることである。本技術によるマスクシステムの別の利点は、1つの調節点を介してマスクシステムを調節できることであり、そのため、使用が単純になり、使い易さが改善される。本技術によるマスクシステムの一利点は、マスクシステムの第2の部分に対するマスクシステムの第1の部分の調節の制御を、マスクシステムの2つの部品の相対位置をゆがめることなく容易にする機構が提供されることである。本技術によるマスクシステムの一利点は、例えば、部分的に重なる領域、凹所領域、閉鎖領域、及び汚れまたは細菌が蓄積する場合がある他の位置を避けることによって、洗浄が比較的簡単な調節機構が提供されることである。本技術の一態様によるマスクシステムの一利点は、例えば折り目または部分的に重なるセクションによってもたらされるように、シール形成部分に漏出通路を回避することである。本技術の一態様によるマスクシステムの一利点は、顔のパーツ、例えば鼻領域にぶつかることなく調節を行うことができ、他のマスクの特徴部、例えばエルボにぶつかることなく簡単に調節可能である調節機構が提供されることである。本技術の一利点は、互いに対して調節できる第1及び第2のマスク部分を含むマスクシステムが提供されることであり、マスクシステムは更に、一形態では、第1及び第2のマスク部分にヘッドギア取付け点を含む。
【0256】
現在最も実用的であり好ましい実施形態と考えられるものに関連して本発明を説明してきたが、本発明は開示された実施形態に限定されるものではなく、逆に、本発明の精神及び範囲内に含まれる様々な修正形態及び等価構成を包含するものであることを理解されたい。更に、上記で説明した様々な実施形態を他の実施形態と併せて実施でき、例えば、一実施形態の態様を別の実施形態の態様と組み合わせて、更に他の実施形態を実現することができる。更に、任意の所与のアセンブリの独立した特性または構成要素はそれぞれ、追加の実施形態を構成することができる。更に、任意の所与のアセンブリの独立した構成要素、任意の所与のアセンブリの個別の構成要素の1つまたは複数の部分、及び1つまたは複数の実施形態の様々な構成要素の組み合わせはそれぞれ、装飾用の設計特徴部を1つまたは複数含むことができる。更に、本発明はOSAを患う患者に対する特定の用途を有するが、他の病気(例えば、鬱血性心不全、糖尿病、病的肥満、脳卒中、肥満症治療手術等)を患う患者が上記の教示から利益を得ることができることを理解されたい。更に、上記の教示は、患者にも非医療用途における非患者にも同様に応用することができる。
【符号の説明】
【0257】
100 マスクシステム
110 フレーム
112 上側フレーム部分
114 下側フレーム部分
116 中間部材、調節可能な領域、ガセット
118 クッション、シーリング部分
120 エルボ
125 調節機構
130 シール
134 アクチュエータ
190 ダイヤル
195 矢印
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者用のマスクシステムであって、
フレームと、
前記フレームに設けられたクッションであって、前記着用者の皮膚に接触する1ピースのシールを有し、前記シールが、前記着用者の顔の1つまたは複数の寸法に対してサイズ及び/または形状を調節可能である、クッションと
を備える、マスクシステム。
【請求項2】
前記シールがフォームを含む、請求項1に記載のマスクシステム。
【請求項3】
前記シールの形状が、前記着用者の顔の前記寸法に合うように変形可能であり、前記シールの外周が、前記形状が変形しても概して一定のままである、請求項1から2のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項4】
前記フレームが上側及び下側フレーム部分を含み、前記上側及び下側フレーム部分が、1つまたは複数の中間部材によって互いに連結されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項5】
1つまたは複数の前記中間部材が、前記シールの前記サイズ及び/または形状が変形するときに拡張または縮小を可能にする、1つまたは複数の折り目を有する調節可能な領域またはガセットの形態をとる、請求項4に記載のマスクシステム。
【請求項6】
前記シールが、前記中間部材並びに前記上側及び下側フレーム部分の両方と共通で噛み合う構造を含む、請求項4から5のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項7】
前記シールが溝を含み、前記上側及び下側フレーム部分が、前記溝に挿入された、前記中間部材と共通の舌片部を形成する、請求項4から6のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項8】
前記シールが舌片部を含み、前記上側及び下側フレーム部分が、前記舌片部を受容するように、前記中間部材と共通の連続した溝を形成する、請求項4から6のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項9】
前記中間部材の高さが調節中に可変とされており、鼻根領域並びに下側頤領域または上唇領域の長さ及び形状が概して一定のままである、請求項4から8のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項10】
前記シールが、延伸可能且つ圧縮可能な材料を含む、請求項1から2のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項11】
前記シールの外周内に画定される面積が可変とされた、請求項10に記載のマスクシステム。
【請求項12】
前記シールの高さが、約5から約75mmの範囲にわたって可変とされた、請求項1から11のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項13】
前記範囲が約25から約35mmの間である、請求項12に記載のマスクシステム。
【請求項14】
前記範囲が約30から約40mmの間である、請求項12に記載のマスクシステム。
【請求項15】
前記シールの高さが、少なくとも10mmの範囲にわたって可変とされた、請求項1から11のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項16】
前記シールが、比較的長い顔の場合は最小鼻根シーリング位置の近くでシールし、比較的小さい顔の場合は最大鼻根シーリング位置でシールするように設計及び寸法設定されている、請求項1から15のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項17】
着用者用のマスクシステムを作製する方法であって、
フレームを設けるステップと、
前記フレームにクッションを設けるステップであって、前記クッションが1ピースのシールを含む、クッションを設けるステップと、
前記着用者に合わせてカスタマイズするために、最初のサイズと、異なる複数のサイズとの間で調節できるように、前記シールを構成するステップと
を含む、方法。
【請求項18】
人口の95%までの人に寸法合わせするように前記シールの調節機能を構成する、請求項17に記載の着用者用のマスクシステムを作製する方法。
【請求項19】
2〜30cmH2Oの範囲の加圧空気を送出するように適合されたCPAPマスクシステムを着用者に寸法合わせする方法であって、
前記マスクシステムの1ピースのシールを前記着用者に寸法合わせするステップと、
前記着用者の顔に合わせた前記シールの1つまたは複数の寸法を調節するステップと
を含む、方法。
【請求項20】
前記調節するステップが、前記シールの外周の長さは概して一定のままで、前記着用者の顔の長さに合わせて前記シールの高さを増減するように前記外周の形状を変更するステップを含む、請求項19に記載のマスクシステムを着用者に寸法合わせする方法。
【請求項21】
前記シールが、1つまたは複数の頬領域によって連結された鼻根領域及び下側領域を含み、前記頬領域の高さを前記調節ステップ中に変更し、前記鼻根及び下側領域のサイズ及び形状は概して一定のままである、請求項19に記載のマスクシステムを着用者に寸法合わせする方法。
【請求項22】
前記調節するステップが、前記シールを延伸または圧縮するステップを含む、請求項21に記載のマスクシステムを着用者に寸法合わせする方法。
【請求項23】
前記調節するステップが、前記シールの外周内に画定される面積の変更を伴う、請求項21から22のいずれか一項に記載のマスクシステムを着用者に寸法合わせする方法。
【請求項24】
前記調節するステップが、前記シールの外周内の面積の変更を伴わない、請求項19に記載のマスクシステムを着用者に寸法合わせする方法。
【請求項25】
前記シールの形状のみが変更される、請求項24に記載のマスクシステムを着用者に寸法合わせする方法。
【請求項26】
前記シールがフォームから作製されている、請求項19または21から23のいずれか一項に記載の、マスクシステムを着用者に寸法合わせする方法。
【請求項27】
前記マスクを着用している間に前記調節ステップを実行できる、請求項19から26のいずれか一項に記載のマスクシステムを着用者に寸法合わせする方法。
【請求項28】
フレームと、
前記フレームに設けられたクッションであって、シールを含むクッションと、
前記シールのサイズ及び/または形状を調節するために設けられた調節機構であって、前記シールの調節を行うアクチュエータを含む調節機構と
を備える、マスクシステム。
【請求項29】
前記アクチュエータが、前記フレームに設けられた回転可能なダイヤルを備える、請求項28に記載のマスクシステム。
【請求項30】
前記フレームに接続されたエルボを更に備え、前記エルボが、前記エルボ及びダイヤルが共通の軸を中心に互いに別々に回転可能になるように前記ダイヤルの中心を貫通する、請求項28から29のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項31】
前記フレーム及びシールが、フルフェイスマスクシステムを画定するようにサイズ設定される、請求項28から30のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項32】
前記フレームが、上側フレーム部分及び下側フレーム部分を含み、前記上側フレーム部分と前記下側フレーム部分との間に中間部材が設けられている、請求項28から31のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項33】
前記中間部材が、サイズ/形状の変更を吸収する1つまたは複数の折り目を有する、調節可能な領域またはガセットを備える、請求項32に記載のマスクシステム。
【請求項34】
前記調節機構がラック及びピニオンを含む、請求項28から33のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項35】
前記ラックが、前記フレームに設けられたエルボ開口の両側に設けられたアーム部を2つ含み、前記アーム部のうちの少なくとも1つが、前記ピニオンに係合する歯を含む、請求項34に記載のマスクシステム。
【請求項36】
前記ラックが、互いに対して移動可能な前記フレームの上側フレーム部分と下側フレーム部分との間を延び、前記ピニオンが、前記アクチュエータに接続された歯車の形態をとる、請求項34から35のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項37】
前記ラックが、前記上側フレーム部分に固定された上側部分を含む、請求項36に記載のマスクシステム。
【請求項38】
内側シュラウドを更に備え、前記内側シュラウドが、前記フレーム上に前記ピニオンを配置するのを助け、前記ラックとピニオンとの間の相互作用を保証するのを助けるように、前記フレームに連結されるかまたはその一部として形成される、請求項34から37のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項39】
外側シュラウドを更に備え、前記外側シュラウドと前記内側シュラウドとの間に前記ピニオンが収納される、請求項38に記載のマスクシステム。
【請求項40】
前記調節機構の不意の作動を防止するロック部材を更に備える、請求項28から39のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項41】
前記ロック機構が、隆起部及び溝の構成を含み、前記アクチュエータが、前記隆起部または前記溝のいずれかを含む、請求項40に記載のマスクシステム。
【請求項42】
前記ロック部材が、前記隆起部を含む偏向可能なアームを含む、請求項40に記載のマスクシステム。
【請求項43】
上側フレーム部分及び下側フレーム部分を含むフレームと、
前記上側フレーム部分に設けられた上側部分、前記下側フレーム部分に設けられた下側部分、及び前記上側部分と前記下側部分との間の調節部分とを含む、可撓性部材であって、前記調節部分が、前記上側部分と前記下側部分との間、従って、前記上側フレーム部分と下側フレーム部分との間の相対移動を可能にするように構成されている、可撓性部材と
を備える、マスクシステム。
【請求項44】
前記可撓性部材が、可撓性であり実質的に伸縮性のある材料から構築される、請求項43に記載のマスクシステム。
【請求項45】
前記可撓性部材が布から構築される、請求項44に記載のマスクシステム。
【請求項46】
前記フレームと前記可撓性部材との間に撓み性のある材料を更に備える、請求項43から45のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項47】
前記マスクシステムが、積層及び/または熱成形によって形成される、請求項43から46のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項48】
構造要素と、
前記構造要素に設けられ、患者の顔に対するシールを形成するように適合された順応要素と
を備え、
前記構造要素及び順応要素の少なくとも一部分が、膜で封入またはコートされている、マスクシステム。
【請求項49】
前記順応要素を形成及び支持する位置決め要素を更に備え、前記位置決め要素の少なくとも一部分が、前記膜で封入またはコートされる、請求項48に記載のマスクシステム。
【請求項50】
前記膜が織布または不織布から構築される、請求項48から49のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項51】
前記マスクシステムが熱成形によって形成される、請求項48から50のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項52】
2〜30cmH2Oの範囲の加圧空気を受容するように適合されたマスク内部呼吸チャンバを画定するフレームと、
前記フレームに設けられ、患者の顔に対するシールを形成するように適合された、クッションとを備え、
前記フレームが調節部分を含み、その調節部分が、少なくとも第1のサイズから第2のサイズに前記シールを調節し、その逆も同様に調節する、CPAPマスクシステム。
【請求項53】
前記フレームが、上側フレーム部分及び下側フレーム部分を含み、前記調節部分が、前記上側フレーム部分と前記下側フレーム部分との間に設けられる、請求項52に記載のマスクシステム。
【請求項54】
前記下側フレーム部分が、エルボを収容する開口を含む、請求項53に記載のマスクシステム。
【請求項55】
前記上側フレーム部分が、通気インサートを収容する開口を含む、請求項53から54のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項56】
前記クッションが、膜と、前記膜を支持するアンダークッション支持構造とを含む、請求項52から55のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項57】
前記アンダークッション支持構造が、前記クッションの1つまたは複数の選択した領域に設けられる、請求項53に記載のマスクシステム。
【請求項58】
前記アンダークッション支持構造が、前記クッションの鼻領域、頬領域、及び角領域の側部に沿って設けられ、鼻根領域及び上唇または頤領域には設けられない、請求項57に記載のマスクシステム。
【請求項59】
前記頬領域に沿った前記アンダークッション支持構造が、間隔をあけて配置された個別のフィンガとして設けられる、請求項58に記載のマスクシステム。
【請求項60】
前記アンダークッション支持構造が、前記クッション及びフレームの残りの部分よりもデュロメータ硬さが低い材料から構築される、請求項58に記載のマスクシステム。
【請求項61】
前記アンダークッション支持構造及び膜が、前記フレームよりもデュロメータ硬さが低い材料から構築される、請求項58に記載のマスクシステム。
【請求項62】
前記クッションが膜しか含まない、請求項52から55のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項63】
前記クッションが、ショアA硬度約2〜10のデュロメータ硬さを有する材料から構築される、請求項62に記載のマスクシステム。
【請求項64】
前記膜が、前記クッションの異なる領域で様々な厚さを含む、請求項62から63のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項65】
前記膜が、前記クッションの角領域で最も厚く、前記クッションの鼻領域及び頬領域の側部でより厚く、前記クッションの前記鼻根領域及び上唇または頤領域で最も薄い、請求項64に記載のマスクシステム。
【請求項66】
材料の薄いリップ部が前記膜の自由端から離れて延びる、請求項62から65のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項67】
前記フレーム及びシーリング部分が、エラストマー材料から1ピースに一体形成される、請求項52から66のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項68】
前記フレーム及びシーリング部分がシリコーンからモールド成形される、請求項67に記載のマスクシステム。
【請求項69】
第1のフレーム部分及び第2のフレーム部分を含むフレームであって、前記第1及び第2のフレーム部分が、互いに対して移動可能である、フレームと、
前記フレームに設けられ、前記患者の顔に対するシールを形成するように適合された、クッションとを備え、
前記第1及び第2のフレーム部分並びに/または前記シールを互いに対して着脱する必要無しに、前記シールが、前記第1のフレーム部分と前記第2のフレーム部分との間の相対移動に基づいてサイズ及び/または形状を変更するように適合されている、マスクシステム。
【請求項70】
前記フレームが、前記第1のフレーム部分と前記第2のフレーム部分との間に調節部分を含み、前記調節部分が、前記第1のフレーム部分と前記第2のフレーム部分との間の相対移動を可能にするように構成される、請求項69に記載のマスクシステム。
【請求項71】
前記フレーム部分が、少なくとも第1のサイズから第2のサイズに移動可能であり、逆も同様である、請求項69から70のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項72】
加圧ガスによって患者を治療するマスクシステムであって、
使用時に患者とのシールを形成するように適合されたシーリング部分と、
使用時に前記シーリング部分を前記患者の適位置にアンカ留めするように適合された支持部分と、
前記シーリング部分の長さを第1の姿勢から第2の姿勢に調節するように適合された調節可能な部分とを備え、
前記シーリング部分が、前記第1の姿勢及び前記第2の姿勢において前記患者とのシールを形成するように適合されている、マスクシステム。
【請求項73】
加圧ガスによって患者を治療するマスクシステムであって、
使用時に患者とのシールを形成するように適合されたシーリング部分と、
使用時に前記シーリング部分を前記患者の適位置にアンカ留めするように適合された支持部分と、
調節可能な部分とを備え、
前記シーリング部分が、前記シールを維持しながら前記調節可能な部分によって長さを調節するように構築及び配置される、マスクシステム。
【請求項1】
着用者用のマスクシステムであって、
フレームと、
前記フレームに設けられたクッションであって、前記着用者の皮膚に接触する1ピースのシールを有し、前記シールが、前記着用者の顔の1つまたは複数の寸法に対してサイズ及び/または形状を調節可能である、クッションと
を備える、マスクシステム。
【請求項2】
前記シールがフォームを含む、請求項1に記載のマスクシステム。
【請求項3】
前記シールの形状が、前記着用者の顔の前記寸法に合うように変形可能であり、前記シールの外周が、前記形状が変形しても概して一定のままである、請求項1から2のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項4】
前記フレームが上側及び下側フレーム部分を含み、前記上側及び下側フレーム部分が、1つまたは複数の中間部材によって互いに連結されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項5】
1つまたは複数の前記中間部材が、前記シールの前記サイズ及び/または形状が変形するときに拡張または縮小を可能にする、1つまたは複数の折り目を有する調節可能な領域またはガセットの形態をとる、請求項4に記載のマスクシステム。
【請求項6】
前記シールが、前記中間部材並びに前記上側及び下側フレーム部分の両方と共通で噛み合う構造を含む、請求項4から5のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項7】
前記シールが溝を含み、前記上側及び下側フレーム部分が、前記溝に挿入された、前記中間部材と共通の舌片部を形成する、請求項4から6のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項8】
前記シールが舌片部を含み、前記上側及び下側フレーム部分が、前記舌片部を受容するように、前記中間部材と共通の連続した溝を形成する、請求項4から6のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項9】
前記中間部材の高さが調節中に可変とされており、鼻根領域並びに下側頤領域または上唇領域の長さ及び形状が概して一定のままである、請求項4から8のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項10】
前記シールが、延伸可能且つ圧縮可能な材料を含む、請求項1から2のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項11】
前記シールの外周内に画定される面積が可変とされた、請求項10に記載のマスクシステム。
【請求項12】
前記シールの高さが、約5から約75mmの範囲にわたって可変とされた、請求項1から11のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項13】
前記範囲が約25から約35mmの間である、請求項12に記載のマスクシステム。
【請求項14】
前記範囲が約30から約40mmの間である、請求項12に記載のマスクシステム。
【請求項15】
前記シールの高さが、少なくとも10mmの範囲にわたって可変とされた、請求項1から11のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項16】
前記シールが、比較的長い顔の場合は最小鼻根シーリング位置の近くでシールし、比較的小さい顔の場合は最大鼻根シーリング位置でシールするように設計及び寸法設定されている、請求項1から15のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項17】
着用者用のマスクシステムを作製する方法であって、
フレームを設けるステップと、
前記フレームにクッションを設けるステップであって、前記クッションが1ピースのシールを含む、クッションを設けるステップと、
前記着用者に合わせてカスタマイズするために、最初のサイズと、異なる複数のサイズとの間で調節できるように、前記シールを構成するステップと
を含む、方法。
【請求項18】
人口の95%までの人に寸法合わせするように前記シールの調節機能を構成する、請求項17に記載の着用者用のマスクシステムを作製する方法。
【請求項19】
2〜30cmH2Oの範囲の加圧空気を送出するように適合されたCPAPマスクシステムを着用者に寸法合わせする方法であって、
前記マスクシステムの1ピースのシールを前記着用者に寸法合わせするステップと、
前記着用者の顔に合わせた前記シールの1つまたは複数の寸法を調節するステップと
を含む、方法。
【請求項20】
前記調節するステップが、前記シールの外周の長さは概して一定のままで、前記着用者の顔の長さに合わせて前記シールの高さを増減するように前記外周の形状を変更するステップを含む、請求項19に記載のマスクシステムを着用者に寸法合わせする方法。
【請求項21】
前記シールが、1つまたは複数の頬領域によって連結された鼻根領域及び下側領域を含み、前記頬領域の高さを前記調節ステップ中に変更し、前記鼻根及び下側領域のサイズ及び形状は概して一定のままである、請求項19に記載のマスクシステムを着用者に寸法合わせする方法。
【請求項22】
前記調節するステップが、前記シールを延伸または圧縮するステップを含む、請求項21に記載のマスクシステムを着用者に寸法合わせする方法。
【請求項23】
前記調節するステップが、前記シールの外周内に画定される面積の変更を伴う、請求項21から22のいずれか一項に記載のマスクシステムを着用者に寸法合わせする方法。
【請求項24】
前記調節するステップが、前記シールの外周内の面積の変更を伴わない、請求項19に記載のマスクシステムを着用者に寸法合わせする方法。
【請求項25】
前記シールの形状のみが変更される、請求項24に記載のマスクシステムを着用者に寸法合わせする方法。
【請求項26】
前記シールがフォームから作製されている、請求項19または21から23のいずれか一項に記載の、マスクシステムを着用者に寸法合わせする方法。
【請求項27】
前記マスクを着用している間に前記調節ステップを実行できる、請求項19から26のいずれか一項に記載のマスクシステムを着用者に寸法合わせする方法。
【請求項28】
フレームと、
前記フレームに設けられたクッションであって、シールを含むクッションと、
前記シールのサイズ及び/または形状を調節するために設けられた調節機構であって、前記シールの調節を行うアクチュエータを含む調節機構と
を備える、マスクシステム。
【請求項29】
前記アクチュエータが、前記フレームに設けられた回転可能なダイヤルを備える、請求項28に記載のマスクシステム。
【請求項30】
前記フレームに接続されたエルボを更に備え、前記エルボが、前記エルボ及びダイヤルが共通の軸を中心に互いに別々に回転可能になるように前記ダイヤルの中心を貫通する、請求項28から29のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項31】
前記フレーム及びシールが、フルフェイスマスクシステムを画定するようにサイズ設定される、請求項28から30のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項32】
前記フレームが、上側フレーム部分及び下側フレーム部分を含み、前記上側フレーム部分と前記下側フレーム部分との間に中間部材が設けられている、請求項28から31のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項33】
前記中間部材が、サイズ/形状の変更を吸収する1つまたは複数の折り目を有する、調節可能な領域またはガセットを備える、請求項32に記載のマスクシステム。
【請求項34】
前記調節機構がラック及びピニオンを含む、請求項28から33のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項35】
前記ラックが、前記フレームに設けられたエルボ開口の両側に設けられたアーム部を2つ含み、前記アーム部のうちの少なくとも1つが、前記ピニオンに係合する歯を含む、請求項34に記載のマスクシステム。
【請求項36】
前記ラックが、互いに対して移動可能な前記フレームの上側フレーム部分と下側フレーム部分との間を延び、前記ピニオンが、前記アクチュエータに接続された歯車の形態をとる、請求項34から35のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項37】
前記ラックが、前記上側フレーム部分に固定された上側部分を含む、請求項36に記載のマスクシステム。
【請求項38】
内側シュラウドを更に備え、前記内側シュラウドが、前記フレーム上に前記ピニオンを配置するのを助け、前記ラックとピニオンとの間の相互作用を保証するのを助けるように、前記フレームに連結されるかまたはその一部として形成される、請求項34から37のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項39】
外側シュラウドを更に備え、前記外側シュラウドと前記内側シュラウドとの間に前記ピニオンが収納される、請求項38に記載のマスクシステム。
【請求項40】
前記調節機構の不意の作動を防止するロック部材を更に備える、請求項28から39のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項41】
前記ロック機構が、隆起部及び溝の構成を含み、前記アクチュエータが、前記隆起部または前記溝のいずれかを含む、請求項40に記載のマスクシステム。
【請求項42】
前記ロック部材が、前記隆起部を含む偏向可能なアームを含む、請求項40に記載のマスクシステム。
【請求項43】
上側フレーム部分及び下側フレーム部分を含むフレームと、
前記上側フレーム部分に設けられた上側部分、前記下側フレーム部分に設けられた下側部分、及び前記上側部分と前記下側部分との間の調節部分とを含む、可撓性部材であって、前記調節部分が、前記上側部分と前記下側部分との間、従って、前記上側フレーム部分と下側フレーム部分との間の相対移動を可能にするように構成されている、可撓性部材と
を備える、マスクシステム。
【請求項44】
前記可撓性部材が、可撓性であり実質的に伸縮性のある材料から構築される、請求項43に記載のマスクシステム。
【請求項45】
前記可撓性部材が布から構築される、請求項44に記載のマスクシステム。
【請求項46】
前記フレームと前記可撓性部材との間に撓み性のある材料を更に備える、請求項43から45のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項47】
前記マスクシステムが、積層及び/または熱成形によって形成される、請求項43から46のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項48】
構造要素と、
前記構造要素に設けられ、患者の顔に対するシールを形成するように適合された順応要素と
を備え、
前記構造要素及び順応要素の少なくとも一部分が、膜で封入またはコートされている、マスクシステム。
【請求項49】
前記順応要素を形成及び支持する位置決め要素を更に備え、前記位置決め要素の少なくとも一部分が、前記膜で封入またはコートされる、請求項48に記載のマスクシステム。
【請求項50】
前記膜が織布または不織布から構築される、請求項48から49のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項51】
前記マスクシステムが熱成形によって形成される、請求項48から50のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項52】
2〜30cmH2Oの範囲の加圧空気を受容するように適合されたマスク内部呼吸チャンバを画定するフレームと、
前記フレームに設けられ、患者の顔に対するシールを形成するように適合された、クッションとを備え、
前記フレームが調節部分を含み、その調節部分が、少なくとも第1のサイズから第2のサイズに前記シールを調節し、その逆も同様に調節する、CPAPマスクシステム。
【請求項53】
前記フレームが、上側フレーム部分及び下側フレーム部分を含み、前記調節部分が、前記上側フレーム部分と前記下側フレーム部分との間に設けられる、請求項52に記載のマスクシステム。
【請求項54】
前記下側フレーム部分が、エルボを収容する開口を含む、請求項53に記載のマスクシステム。
【請求項55】
前記上側フレーム部分が、通気インサートを収容する開口を含む、請求項53から54のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項56】
前記クッションが、膜と、前記膜を支持するアンダークッション支持構造とを含む、請求項52から55のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項57】
前記アンダークッション支持構造が、前記クッションの1つまたは複数の選択した領域に設けられる、請求項53に記載のマスクシステム。
【請求項58】
前記アンダークッション支持構造が、前記クッションの鼻領域、頬領域、及び角領域の側部に沿って設けられ、鼻根領域及び上唇または頤領域には設けられない、請求項57に記載のマスクシステム。
【請求項59】
前記頬領域に沿った前記アンダークッション支持構造が、間隔をあけて配置された個別のフィンガとして設けられる、請求項58に記載のマスクシステム。
【請求項60】
前記アンダークッション支持構造が、前記クッション及びフレームの残りの部分よりもデュロメータ硬さが低い材料から構築される、請求項58に記載のマスクシステム。
【請求項61】
前記アンダークッション支持構造及び膜が、前記フレームよりもデュロメータ硬さが低い材料から構築される、請求項58に記載のマスクシステム。
【請求項62】
前記クッションが膜しか含まない、請求項52から55のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項63】
前記クッションが、ショアA硬度約2〜10のデュロメータ硬さを有する材料から構築される、請求項62に記載のマスクシステム。
【請求項64】
前記膜が、前記クッションの異なる領域で様々な厚さを含む、請求項62から63のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項65】
前記膜が、前記クッションの角領域で最も厚く、前記クッションの鼻領域及び頬領域の側部でより厚く、前記クッションの前記鼻根領域及び上唇または頤領域で最も薄い、請求項64に記載のマスクシステム。
【請求項66】
材料の薄いリップ部が前記膜の自由端から離れて延びる、請求項62から65のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項67】
前記フレーム及びシーリング部分が、エラストマー材料から1ピースに一体形成される、請求項52から66のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項68】
前記フレーム及びシーリング部分がシリコーンからモールド成形される、請求項67に記載のマスクシステム。
【請求項69】
第1のフレーム部分及び第2のフレーム部分を含むフレームであって、前記第1及び第2のフレーム部分が、互いに対して移動可能である、フレームと、
前記フレームに設けられ、前記患者の顔に対するシールを形成するように適合された、クッションとを備え、
前記第1及び第2のフレーム部分並びに/または前記シールを互いに対して着脱する必要無しに、前記シールが、前記第1のフレーム部分と前記第2のフレーム部分との間の相対移動に基づいてサイズ及び/または形状を変更するように適合されている、マスクシステム。
【請求項70】
前記フレームが、前記第1のフレーム部分と前記第2のフレーム部分との間に調節部分を含み、前記調節部分が、前記第1のフレーム部分と前記第2のフレーム部分との間の相対移動を可能にするように構成される、請求項69に記載のマスクシステム。
【請求項71】
前記フレーム部分が、少なくとも第1のサイズから第2のサイズに移動可能であり、逆も同様である、請求項69から70のいずれか一項に記載のマスクシステム。
【請求項72】
加圧ガスによって患者を治療するマスクシステムであって、
使用時に患者とのシールを形成するように適合されたシーリング部分と、
使用時に前記シーリング部分を前記患者の適位置にアンカ留めするように適合された支持部分と、
前記シーリング部分の長さを第1の姿勢から第2の姿勢に調節するように適合された調節可能な部分とを備え、
前記シーリング部分が、前記第1の姿勢及び前記第2の姿勢において前記患者とのシールを形成するように適合されている、マスクシステム。
【請求項73】
加圧ガスによって患者を治療するマスクシステムであって、
使用時に患者とのシールを形成するように適合されたシーリング部分と、
使用時に前記シーリング部分を前記患者の適位置にアンカ留めするように適合された支持部分と、
調節可能な部分とを備え、
前記シーリング部分が、前記シールを維持しながら前記調節可能な部分によって長さを調節するように構築及び配置される、マスクシステム。
【図1】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図2A】
【図3−1】
【図3−2】
【図3−3】
【図3−4】
【図3−5】
【図3−6】
【図4】
【図5−1.5−3】
【図5−2】
【図5−4】
【図5−5】
【図6−1】
【図6−2】
【図6−3】
【図6−4】
【図6−5】
【図6−6】
【図7−1】
【図7−2】
【図7−3】
【図7−4】
【図7−5】
【図8−1】
【図8−2】
【図8−3】
【図9−1】
【図9−2】
【図9−3】
【図9−4.9−5】
【図9−6】
【図10−1】
【図10−2】
【図10−3】
【図10−4】
【図10−5】
【図11−1】
【図11−2】
【図11−3】
【図11−4】
【図11−5】
【図12−1】
【図12−2】
【図12−3】
【図12−4】
【図12−5】
【図13】
【図13−1】
【図14−1.14−2】
【図15−1】
【図15−2】
【図15−3】
【図15−4】
【図15−5】
【図16−1】
【図16−2】
【図16−3】
【図16−4】
【図16−5】
【図17−1】
【図17−2】
【図18−1】
【図18−2】
【図18−3】
【図18−4】
【図18−5】
【図19−1】
【図19−2】
【図20−1】
【図20−2】
【図21−1】
【図21−2】
【図22】
【図23−1】
【図23−2】
【図24−1】
【図24−2】
【図25】
【図26−1】
【図26−2】
【図26−3】
【図26−4】
【図26−5】
【図26−6】
【図26−7】
【図26−8】
【図26−9】
【図26−10】
【図26−11】
【図27−1】
【図27−2】
【図27−3】
【図27−4】
【図27−5】
【図27−6】
【図27−7】
【図27−8】
【図27−9】
【図27−10】
【図27−11】
【図27−12】
【図28−1】
【図29−1】
【図30−1】
【図31−1】
【図32】
【図33−1】
【図33−2】
【図33−3】
【図33−4】
【図33−5】
【図33−6】
【図33−7】
【図33−8】
【図33−9】
【図33−10】
【図33−11】
【図33−12】
【図33−13】
【図33−14】
【図33−15】
【図33−16】
【図33−17】
【図33−18】
【図33−19】
【図33−20】
【図33−21】
【図33−22】
【図33−23】
【図33−24】
【図33−25】
【図34−1】
【図34−2】
【図34−3】
【図34−4】
【図34−5】
【図34−6】
【図34−7】
【図34−8】
【図34−9】
【図34−10】
【図35−1】
【図35−2】
【図35−3】
【図36−1】
【図36−2】
【図37−1】
【図37−2】
【図38−1】
【図38−2】
【図38−3】
【図38−4】
【図39】
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【図72】
【図73】
【図74】
【図75−1】
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【図76】
【図77】
【図78】
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【図81】
【図82】
【図82−1】
【図83】
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【図86】
【図87】
【図88】
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【図104】
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【図106】
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【図109】
【図110】
【図111】
【図112】
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【図114】
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【図124】
【図125】
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【図130】
【図131】
【図132】
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【図134】
【図135】
【図136】
【図137】
【図138】
【図139】
【図140】
【図141】
【公表番号】特表2012−530561(P2012−530561A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516438(P2012−516438)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際出願番号】PCT/AU2010/000796
【国際公開番号】WO2010/148453
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(500046450)レスメド・リミテッド (192)
【氏名又は名称原語表記】ResMed Limited
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際出願番号】PCT/AU2010/000796
【国際公開番号】WO2010/148453
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(500046450)レスメド・リミテッド (192)
【氏名又は名称原語表記】ResMed Limited
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