説明

マスク及びその構成要素

非侵襲性正圧人工呼吸(NIPPV)のための快適で漏れの少ないマスク組立体が、患者の伸展性及び/又は治療を改善するために提供される。マスクシステムは、実質的に伸張不能及び/又は微細調節可能であるストラップを有するヘッドギア、及び/又は患者の顔面上の選択位置における改善/装着された封止及び/又はフィットを可能にする様々な構造を含むマスク及び/又はクッションを含むことが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2002年11月6日出願の米国仮出願第60/424005号、2003年9月22日出願の同第60/503896号、2003年2月14日出願の同第60/447327号、及び2003年7月22日出願の同第60/488752号の利益を主張し、これらを参照することによって、当該内容が本明細書において完全に組み込まれるものである。
【0002】
本発明は、一般に、非侵襲性正圧人工呼吸(NIPPV)、持続的正気道圧(CPAP)、及び人工呼吸器と共に使用されるフルフェイスマスクに関する。
【背景技術】
【0003】
正圧の呼吸可能気体の供給を人工呼吸器から患者に送ることは、機械と患者との間においてある種のインターフェースを必要とする。気管内挿入管が侵襲性人工呼吸の患者インターフェースとして通常使用される。非侵襲性人工呼吸では、ある形態のマスクが患者インターフェースとして使用される。
【特許文献1】米国特許出願第10/235846号明細書
【特許文献2】米国特許第6374826号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マスクはシェル又はフレームによって画定される鼻受け空洞を有する室を通常供えている。マスクはクッション等の快適な顔面接触部分を通常更に備え、これはシェル又はフレームの縁に固定されることが可能である。マスクは、通常、1セットの弾性ストラップ等ヘッドギアの構成を使用して患者の顔面上における適所に保持される。具体的にはマスクが長時間にわたって装着されなければならない場合、マスクの快適さを向上させることが引続きマスク設計者にとっての課題である。
【0005】
マスクが各使用者に対して構成されない限り、形状が多様であるために、マスクのほとんどの設計は妥協をゆるすものである。マスクの1つのデザインは、鼻の1つの形状を有する(例えば、高い鼻梁を有する)患者の小グループには良好にフィットするかもしれないが、異なる形状の鼻を有する(例えば、低い鼻梁を有する)他の小グループには不十分なフィットとなり得る。鼻梁領域において良好な封止を提供するマスクを設計することが特に困難となり得るが、その理由は顔面のその領域が特に微妙であるからである。
【0006】
マスククッションのひだ及びしわは、患者の顔面上に長期に装着される場合に非常に不快になることがある。更に、クッションを使用するにも関わらず、具体的にはクッションが圧縮される場合、マスクフレームの縁がクッションを介して感じられ、不快な表面が患者の顔面に現れることがある。
【0007】
いくつかの場合、マスクがマスク内にCoがたまるのを防止するために特にマスクから漏れる気体の流れを制御することを可能にする弁(ベント)を含むことが適切である。例えばマスクと患者の皮膚との間の接合部において、不注意に又は意図せずにマスクから気体が漏れる可能性もある。具体的には呼吸流れ信号に応答するような人工呼吸器の精巧な制御アルゴリズムの機能は、意図しない漏れの流れが低度又はゼロであるマスクを使用することで改善される。
【0008】
患者は睡眠中に動く。更に、頭の形状は、例えば腫大のために睡眠中に変化することがある。マスクは初めて装着するときは患者にうまくフィットさせることが可能であるが、後の夜間になると、このような動きのためにマスクがうまくフィットしていない可能性がある。従来の技術のマスクは、短縮又は伸張することができ、そうでない場合は、マスクを快適な低漏れ位置に戻すために頭上で再配置することができる弾性ヘッドギアストラップを通常含む。
【課題を解決するための手段】
【0009】
人工呼吸器によって提供される圧力支持レベルは、処置の過程中に変化することがある。いくつかの持続的正気道圧(CPAP)装置が低圧から治療圧への初期傾斜を提供する。他のCPAP装置は、流れ制限の指示に従って圧力を自動的に調節する。他の装置は、例えば、吸息中に高いレベルを提供し、呼息中に低いレベルを提供することによって、患者の呼吸サイクル内において圧力支持レベルを変化させる。弾性ヘッドギアストラップは圧力レベルに合うように配置されなければならない。弾性ストラップが高圧レベルに合うように配置される場合、低圧レベルではストラップがきつ過ぎて不快であるおそれがある。
【0010】
本発明の一態様は、従来技術のマスクの制限を克服する非侵襲性正圧人工呼吸と共に使用される快適で漏れが少ないマスクを提供する。
【0011】
他の態様では、それぞれが患者への伸展性及び/又は処置の改善を補助することが可能である以下の特徴、すなわち、実質的に伸張不能及び/又は微細調整可能であるストラップを含むヘッドギア;並びに/或いは患者の顔面上の選択位置における改善/適合された封止及び/又はフィットを可能にする様々な構造を含むマスク及び/又はクッション、の1つ又は複数を有するマスクシステムを提供することが望ましい。
【0012】
明細書中において、以下の解剖学用語が使用される:
【0013】
頭側:足から頭、及びそれを越えて伸びるベクトル方向。鼻は唇及びあごに対して頭側にある。
【0014】
尾側:頭から足、及びそれを越えて伸びるベクトル方向。
【0015】
前方:体の後から前、及びそれを越えて伸びるベクトル方向。鼻は耳に対して前方にあり、マスクは鼻に対して前方にある。
【0016】
後方:体の前から後に伸びるベクトル方向。耳は鼻に対して後方にある。
【0017】
冠状面:頭、足、及び肩の先端を含む面に平行な面。左耳から頭の頂点を越えて右耳に進行するストラップが冠状ストラップである。
【0018】
矢状面:頭、足、脊椎の後、及び鼻の先端を通過する面に平行な面。
【0019】
項部:首の後(の筋肉)に関する。
【0020】
後頭:首の後の筋肉が頭蓋底の後ろに挿入される骨隆起に関する。
【0021】
外耳道:耳の穴。
【0022】
KgF:キログラム重。
【0023】
頬骨:ほお骨(厳密には頬骨の本体)のほぼ杏の半分のサイズの前方突出部。
【0024】
内部眼角:上まぶた及び下まぶたが鼻梁に隣接して遭遇する点。
【0025】
これら及び他の態様は、例示される実施形態の以下の詳細な説明に記述されて明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
例示される実施形態は、同じ参照符号が同じ部分を指すことが可能である以下の図面を参照して説明される。
【0027】
本発明の以下の詳細な説明はマスク組立体の様々な実施形態に適用されるいくつかの異なる特徴の開示を含む。一実施形態に関して記述される任意の特徴は、他の実施形態の1つ又は複数の特徴と関連して使用されることが可能であることを理解すべきである。
【0028】
<< ヘッドギア >>
A.伸張不能ストラップ
図1〜5は、マスク組立体15及びヘッドギア組立体20を含む、マスクシステムの一実施形態を示す。図1に示されるように、ヘッドギア組立体20は、患者の頭をほぼ囲むように構成且つ配置される複数のストラップを含む。これらのストラップは、マスク組立体15に接続され、これにより、患者の顔面に関してマスク組立体15を保持する。マスク組立体15は、ヘッドギア組立体20の適用を実演する単なる一例として示されている。マスク組立体15は、当業者には明らかであるように、任意の適切な呼吸マスクによって代用されることが可能である。
【0029】
マスク組立体15を適所に保持するために、ヘッドギア組立体20は、矢状ストラップ25及び水平ストラップ30を使用する。水平ストラップ30は、一般に水平に配置され、患者の頭の周りに巻き付けられる。各水平ストラップ30の各端部31は、マスク組立体15に結合される。水平ストラップ30とマスク組立体15との間の構成は、以下で更に詳細に議論される。水平ストラップ30は、各耳のすぐ下を通って、首の筋肉の挿入領域を横断して、図2の36において全体的に示される頭蓋底に進行するように配置されることが好ましい。
【0030】
矢状ストラップ25の後端部40が、患者の頭の中間後方領域に配置されるように、水平ストラップ30のほぼ中点において提供される。図1からわかるように、患者の頭の後方領域における矢状ストラップ25の幅は、比較的広く例えば、矢状ストラップ25の残りの部分の幅の約2倍である。表面積がこのように大きいことは有利であるが、その理由は、圧力が変化する際、又はストラップの張力が変化する際、ストラップが患者の頭の非常に太った又は順応的な後ろ部分に沈み込むのを防止するように作用するからである。当然、ストラップ25は、それが不快になるほど広く及び/又は厚くあるべきではない。ストラップは、BREATHOPRENE(商標)等、冷却材料から形成されることが可能である。
【0031】
矢状ストラップ25は、後端部40f等の水平ストラップ30から45において一般に示される頭蓋の頂点を横断して延び、50において一般に示される患者の頭の前頭部の内側を横断して一般に延びる(図2参照)。矢状ストラップ25は、以下で更に詳細に議論されるように、マスク組立体15に結合される前端部55を有する。
【0032】
また、ヘッドギア組立体20は、矢状ストラップ25及び水平ストラップ30を相互接続する1対の冠状ストラップ35を含むことが好ましくても良い。各冠状ストラップ35の上端部60が、患者の頭の頂点45の近傍において矢状ストラップ25に接続される。各冠状ストラップ35は、上端部60等の頂点45から頭を横及び下に横断して延び、冠状ストラップ35の下端部65において各耳のすぐ前及びすぐ下において水平ストラップ30に接続される。
【0033】
冠状ストラップ35の各下端部65は、縫付け及び/又は接着剤により水平ストラップ30に接続されることが可能である。代替として、水平ストラップ30は、ストラップ部分の1つ又は複数の間において調整することを可能にする1つ又は複数のクリップ要素で、冠状ストラップ35及び/又は矢状ストラップ25の両方に接続しても良い。代替として、ヘッドギア組立体20のストラップの1つ又は複数は単一材料から形成され得る。
【0034】
マスク組立体15の確実且つ快適なフィットを維持するために、ヘッドギア組立体20のストラップは、実質的に伸張不能であるように形成されることが好ましい。すなわち、ストラップはいくらか柔軟であることが可能であるが、ストラップが著しく伸張できないことが好ましい。ストラップは形状を保持するように十分な硬さ又はこわさを有する。ストラップの考慮される材料には、ポリ塩化ビニル(PVC)、革、ポリプロピレン、又はポリウレタンがある。当然、他の材料も可能である。例えば、他の考慮される適切な材料は、比較的強い布テープとすることが可能である。また、ストラップは、ある程度の快適さを患者に追加するために、フェルト材料で裏打ちされても良い。他の変更は、冷却剤がストラップを流れることを可能にするように、送り孔又は穴を含むことが可能である。
【0035】
B.ストラップの微細調節
(1.第1実施形態)
図1を参照すると、ヘッドギア組立体20は、マスク組立体15に結合され、ヘッドギア組立体20のストラップに対してマスク組立体15の一部の調節を可能にする方式であることが好ましい。マスク組立体15は、フレーム組立体70、患者とインターフェース又は接触するクッション75、及びフレーム組立体70とクッション75との間に挿入されるクッションサポート80を含む。クッションサポート80は、アパーチャ(図示せず)を含み、アパーチャによって、加圧空気がマスク組立体70の加圧室に提供されて患者の気道に送達される。通常、エルボ85が、クッションサポート80のアパーチャに取外し式に接続される。スイベルエルボは、空気送達管(図示せず)に提供される迅速解放コネクタ86を含み、空気送達管は、流れ生成装置(図示せず)等の空気送達装置に結合される。
【0036】
フレーム組立体70は、1つ又は複数の交差部材100を備えるシャーシ95(図3において最適に示される)を含む。交差部材100は、矢状ストラップ25の前端部55に結合されるカンチレバー伸張部90を支持する。矢状ストラップ25の前端部55は、図1及び2において最適に示されるように、伸張部90の上に提供される受取りアパーチャ91を通るように誘導されるねじ込み部分105を備える。ナット110が、ねじ込み部分105の回りに回転して、これにより、伸張部90と患者の前頭部50との間の距離を調節することができる。したがって、ストラップの張力は、上述したように、具体的には矢状ストラップ25が実質的に伸張不能の材料で形成される場合、微細に調節することができる。
【0037】
図3はマスク組立体10の前面図を示す。図3において、シャーシ95がシャーシ95から離れて延びる複数のフィンガ部分115を含むことがわかる。シャーシ95の各側の最下フィンガ部材115は、水平ストラップ30の各端部31から延びるねじ込み部分105を受けるように構成されるアパーチャ120を含む。ナット110がねじ込み部分105にねじ込み式に固定され、これにより、マスク組立体15と患者の顔面との距離を微細に調節することができる。したがって、ストラップは、顔に加えられる力が約2から40cmHOの与えられた圧力範囲にわたって適切であるように、高精度にきつくすることができる。
【0038】
図3及び4において最適に示されるように、ねじ込み部分105は、ほぼ矩形の断面を有し、2つの比較的平坦な側面及びねじ込みセクションを有する2つの側面を含む。アパーチャ91及び120は、ねじ込み部分105の形状に対し比較的相補的である形状を有することが可能である。例えば、受けアパーチャ91、120はほぼ矩形の形状を有し、これにより、ナット110を調節するとき、ねじ込み部分105が回転するのを防止することが可能である。図示されていないが、ねじ込み部分105の端部は、ねじ込み部分105の回転を防止するように作用する矩形アパーチャを有する部材等の要素を含むことも可能である。
【0039】
図4は側面図を示し、各水平ストラップ30とフレーム組立体70との間の接続をより明瞭に示す。更に、図4は、フィンガ部分115それぞれが、シャーシ95の横部分96、97に旋回式等、移動可能に接続されることを示す。この具体的な例では、2つの上部フィンガ部分115は交差バー125と相互接続され、一方、2つの底部フィンガ部分115は同様の交差バー130と接続される。これにより、シャーシの各側にある2つの上部フィンガ部材及び2つの底部フィンガ部材は、それぞれ、一体的に移動することができ、これは、力の分布の観点から有利となる可能性がある。しかし、フィンガ部材のそれぞれが、シャーシ95の横部材96、97に関して独立に移動することができることが考慮される。
【0040】
この例では、各水平ストラップ30の端部31から延びるねじ込み部分105は、2つの下方フィンガ部分115に提供される受けアパーチャ120を介してねじ込まれる。したがって、ナット110が締め付けられる際に水平ストラップ30に残されるあらゆる緩みが取り除かれる。すべての緩みが取り除かれるとき、ナット110を更に締め付けることにより、右側の2つの下方フィンガ部分115が、クッションサポート80に対して時計回りに(上から見て)回転する。左側の2つの下方部分は、上から見て反時計回りに回転する。フィンガ部分115に隣接して少なくとも横部分82にあるクッションサポート80は、柔軟である。この柔軟性のために、横部分82はクッション75の対応するセクションに力を加え、これにより、患者の鼻の側面に接してつままれる。
【0041】
図4に示されるように、クッション75は、個々の顔面の輪郭によりよくフィットするように、例えばフィンガ115によって、柔軟又は変形可能なクッションサポート80と統合される。顔面によりよくフィットすることを可能にするようにクッションサポートを非常に柔軟に形成することと、マスクの内容積が各呼吸と共に過度に(例えば、>20mL)変化するように大変著しく柔軟とし、これにより1回呼吸量の測定が困難になることとの間には、兼合いが存在する。1〜3mmの厚さの通常のシリコーンが適切である。
【0042】
図5は、マスク組立体15の背面図を示し、患者の顔面の左側にある2つの上部フィンガ部分115が、クッションサポート80の横部分82の1つに接して互いに押し付けられている。2つの上部フィンガ部分115からクッション80の横部分82に加えられる力により、クッション75は鼻の側面に接してつままれ、これにより、異なる形状の鼻に対応してクッション75の封止性能を向上させるように変形する。
【0043】
図1〜5では、ストラップの張力、並びにサポート80の側面面82の柔軟性により、フィンガは回転しつつつままれ、これにより、鼻の側面及び可能であれば患者の顔面の一部を押しつぶす。これにより、独立した回転能力によって、あらゆる不規則な顔面の構造に対応することができる。これは、顔面に対する負荷を均等に分散させ、これにより、大きな接触力を領域から取り除くようにも作用する。
【0044】
図5は、上部トラップ(図示せず)の張力を増加させ、その結果、患者の鼻梁領域がつままれる様子を示す。これは、2レベル処置に特に有用であり、低圧では小さい力のみが加えられ、高圧では大きい力が加えられ、これは、快適さ及び封止を改善するのに有用である。非弾性材料で形成されたヘッドギアを提供することは、マスクが顔面上で「ピストン運動」、すなわち2レベル処置中の高圧において顔面から離れ、且つ/或いは2レベル処置中の低圧において顔面に落ち込むことを防止するように作用する。
【0045】
図1〜5の実施形態では、シャーシ95の各横部分96、97の上に提供される2つの上部フィンガ部分115は、ヘッドギア組立体20のあらゆるストラップ部材に接続されるように示されていない。しかし、そのような上部ストラップ部分の配置は、図2の仮想線135、140によって示されることが可能である。具体的には、仮想線135は、上部ストラップ部分が冠状ストラップ35の中間セクションに接続される状況を表す。仮想線140は、上部ストラップ部分がヘッドギアの各側面上の水平ストラップ30に接続される状況を表す。
【0046】
(2.第2実施形態)
図5A及び5Bは本発明の代替実施形態を示し、水平ストラップ30が第2コネクタ部分C2と選択的に結合される第1コネクタ部分C1を含む。第2コネクタ部分C2は下部ストラップLS及び上部ストラップUSに装着される。上部ストラップLS及び下部ストラップUSは、それらがフレーム70の横部分82に接して担持される点に締め付けられ、これにより、患者の鼻の側面に接して横方向に封止するように、内部力をクッション75に付与することが可能である。上部ストラップLS及び下部ストラップUSは、内部力が加えられる領域を最適に位置決めするように、フレーム70に調節可能なように固定することができる(矢印によって示される)。この実施形態では、サポート80の横部分82は柔軟材料で形成されるが、頂点はより硬質である。
【0047】
(3.第3実施形態)
図5C〜5Hは本発明の他の実施形態を示し、調節機構によりヘッドストラップの張力を粗く及び微細に調節することが可能になる。図5Cは、マスクフレーム800を含み、且つ窒息防止バルブ810を含むエルボ805を備えるマスク組立体全体を示す。迅速解放クランプ815は患者がヘッドギアを迅速に取り外すことを可能にするように提供され、これは、参照によって完全に本明細書に組み込まれている前記特許文献1に記載されている。図5Dは一部開位置にある迅速解放機構を示し、一方、図5Eは完全に開放されている迅速解放機構を示す。
【0048】
ストラップ820が、患者の頭の上においてマスク組立体を保持するために提供される1対のストラップ端部820A、820Bを含む。820B等のストラップ端部の一方は、例えばスロット821を介して、固定位置においてマスクフレームの一端に取外し式に接続されることが可能であり、これにより、マスク組立体を繰返して取り外し、配置し直すことで生じることがあるストラップ820の長さの変化が回避される。他のストラップ820Aは、調節可能であるように配置及び構成される。当然、ストラップ820の両端は調節可能である。ストラップ端部820Bは、例えばリベット822又は他の固定具により固定されるストラップ820においてループを創出することによって、スロット821を通るループとすることが可能である。
【0049】
調節組立体825がストラップ820を調節するために提供される。具体的には、図5Fに示されるように、調節組立体825は全長を通るストラップ受けスロット835を有するほぼ矩形の角柱830を含むことが可能である。スロットは角柱の端面に示される開口840を有する。角柱は、図5Gに最適に示されるように、上部部分836、下部部分837、及びねじ込みねじ845を含む。上部部分836及び下部部分837は、ストラップの長さを粗く調整するために適合される第1位置を想定することができ、ストラップ端部820Aをスロット835の全長を通して引くことができる。微細調整のために適合される第2位置において、上部部分836及び下部部分837は遭遇し、これにより、ねじ込みねじ845がストラップ端部820Aと係合して、ストラップ端部がスロット835を通って移動するのを防止する。ねじ845は、回転時、ヘッドギアを締め付ける、又は緩めるために、ストラップ端部820Aを並進させる。上部部分836及び下部部分837は、スロット及びピン構成841、842を介して並進し、これにより、ねじ845は、スロット835と係合し、且つそれから外れるように動くことが可能になる。ねじ込みねじ845は、第1ギア部分850を有する角柱835の長さを越えて延びる一端を有する。図5Hに示されるように、第1ギア部分850は直角で第2ギア部分855と係合する。第2ギア部分855はそれに装着された円筒ノブ860を有する。円筒ノブ860を回転させることによって、第2ギア部分855は回転し、第1ギア部分850、したがってねじ845を駆動する。回転方向に応じて、ストラップはスロットを経て引かれ又は押され、これにより、ストラップ長の微細調整が可能になる。
【0050】
C.膨張可能袋:ラビオラス(Raviolus)及び後頭空気ピロー(Occipital Pneumatic Pillow)
(1.第1実施形態)
図1を参照すると、ヘッドギア組立体20は、ヘッドギア組立体20の上の矢状ストラップ25等に沿って提供される「ラビオラス」145と呼ばれる特定の形態の袋を含むように示されている。ラビオラス145は、マスク圧の全範囲にわたって患者の顔面に比較的一定のストラップ力を加えるために提供される。ラビオラス145は、より高圧においてマスクを顔面の上に引くように空気圧により作用する動的構成要素である。ラビオラス145は、マスク組立体15の上にある、又はそれに近接するポートに装着された小直径のシリコーン管150を介して、マスクの圧力と連通する。この例では、管150は、エルボ85に提供される。矢状ストラップ25の張力は、ラビオラス145を介して流れ生成装置の圧力によって少なくとも一部駆動され、これにより、より高圧においてより大きいストラップ張力/変位が生じ、より低圧においてより小さいストラップ張力/変位が生じる。
【0051】
ラビオラス145は、好ましい実施形態として示されているが、ストラップ張力/変位の変化は、電気システム及び機械システムを含めて、他の機構によって達成することができる。マスク圧力が増加する際に、ラビオラス圧力は増加し、これにより、ラビオラスは、より球状に膨張し、前後方向に短くなり、したがって、カンチレバー90を後方に引いて、マスクを顔面に対してより堅固に押し付ける。
【0052】
第1近似まで、ラビオラス又はカンチレバー90によって生成される後方に向けられる力は、マスクの圧力に関して線形である。比例定数は、ナット110が締め付けられるにつれ大きくなり、ラビオラスは、任意の与えられたマスク圧力においてより細長くなる。したがって、ラビオラス145は、マスクがある圧力において封止するように設定される場合、すべての圧力において封止して、マスクの空気圧を常時均衡させる自動補償機構と見なすことができる。
【0053】
圧力がΔPだけ増加する際にラビオラスを容積ΔVだけ膨張させることにより、ΔVΔPがカンチレバー90の上の装着点91を力に抵抗してある距離後方に引くように作用する。
【0054】
ラビオラス145は、上部ストラップの上にのみ提供されるが、他は、水平ストラップ30を含めて、残りのストラップの上に提供することもできる。しかし、ラビオラス145はこの実施形態では下部ストラップに加えられないが、その理由は、患者の頬及び下唇が波打つ自然な傾向が、動作圧力の範囲にわたってその領域において良好な封止を創出するように、ラビオラス145の行為をある程度近似するからである。すなわち、マスクの上部の封止機構とマスクの底部の封止機構とは異なる。マスクの底部について、マスクの設計者は、患者の下唇及び頬が膨張することに依拠させることができ、一方、マスクの上部では異なる機構が使用されるが、その理由は、一部には鼻梁領域の顔面構造が非常に骨質で硬質であるためである。
【0055】
(2.ラビオラスに関するさらなる詳細)
ラビオラス145を全般的に説明したが、ここで、ラビオラスのより具体的な原理を詳細に示す図6〜15Aに注目して説明する。
【0056】
ラビオラス145は、2つの側面147に沿ってひだを付けられ、次いでひだなし端部150において封止されたシリコーン等のエラストマの矩形の薄い有壁管とすることが可能である。ひだなし封止端部150は、矢状ストラップ25等、マスク組立体15のヘッドストラップに挿入される。図6及び7は、患者の呼息中等の圧力が小さい又はない緩んだ状態にあるラビオラス145を示し、一方、図8及び9は、患者の吸息中等の処置圧力下のラビオラス145を示す。患者が吸息中には相対的に高圧に露呈され、呼息中には相対的に低圧に露呈される2レベル人工呼吸に関して、ラビオラス145は圧力pまで膨張されてラビオラス145は短くなり及び/又は幅広になり、ヘッドストラップ25はよりきつく引かれるようになる。
【0057】
以下において、ラビオラス145は縦方向に柔軟で横方向に硬いと想定され、これにより、ラビオラスは全圧力において上部が平坦な交差セクションを維持する。これは、硬質ロッドを上面及び底面に対して横方向に接着することによって、又は横リッジを有するように上面及び底面を成型することによって、及び/又は右蛇腹壁と左蛇腹壁との間において内部結合ワイヤを使用することによって、製造時に達成することができる。実際には、基本的な概念及び以下の議論は、これらの改良を必要とせずにゆるく近似するように作用する。
【0058】
図10の例では、ラビオラス145は幅W及び膨張高さ2hを有する。蛇腹側面は無視できる力を及ぼすと想定され、計算には含まれない。ストラップの力はfである。図10では、ラビオラス145は縦に半分に切断され、1対の硬質プレートが切断線(切断面)に装着され、その一方が参照符号155として示されている。2つのプレートは硬質ロッド160によって接続される。硬質ロッド160の力もfである。
【0059】
上部ストラップの軸表面張力(単位長さ当たりの力)をtとする。組立体は時間と共には移動しないので、見えているプレート155に作用する力の合計はゼロでなければならない。これらの力は、左に作用する2tWと、右に作用する2pWh及び右に作用する硬質ロッド160の力fとが等しい。
2tW=f+2pWh (式1)
【0060】
p>0(正圧)において、ストラップの張力がない場合、ラビオラス145の上面及び底面は共に円筒を形成する(すなわちθ=π/2)。ストラップ25が張力下にあるとき、ラビオラス145の表面は、図11の断面図に示されるように、半径rの円筒の2つの不完全対称セグメントとなる。
【0061】
2つの表面がストラップと遭遇する線は、平衡下にある。すなわち、ストラップに対する正味の力は存在しない。装着点を越えるラビオラス145の表面は不規則であるので、装着点を越える領域は、半径rの円筒の残りで置き換えることができる。
【0062】
上面又は底面の断面は、半径rの円弧であり、円の中心において角度2θを定める。
【0063】
簡単な幾何学から、ラビオラス145の上面又は底面とストラップの継続部との間の角度も、図12に示されるようにθである。したがって、接合部における正味の力はゼロであるので、以下となる。
f=2wt・cos(θ) (式2)
【0064】
図12から明らかな他の制約は、以下の通りである。
h=r(1−cos(θ)) (式3)
最後に、ラビオラス145がLの平坦長(ストラップ間の距離)を有する場合、弧の周囲は、下式によって与えられる。
L=2rθ (式4)
【0065】
したがって、4つの連立方程式(式1〜4)、5つの未知数p、h、t、f、及びθ、並びに定数W及びLが存在する。fについて解くと、以下となる。
f=pWL・cos(θ)/θ (0<θ<π/2) (式5)
【0066】
なお、以下の特別な特徴に留意されたい。
(i)ラビオラスが平坦である場合、すなわちθ→0の場合、あらゆる正圧が無限の力を生成する。
(ii)θ=π/2である場合、ラビオラスは円筒であり、fはすべてのpについてゼロである。蛇腹側面の振舞いを無視すると、W及びLは力の生成について等価な役割を担う。いずれか一方を2倍にすると力も2倍になる。
【0067】
生成される力は、ラビオラス145の長さと共に変化する。図11から、ラビオラスの端部間の距離xは以下によって与えられることがわかる。
x=2r・sin(θ) (式6)
式4にrを代入すると、以下となる。
x=L・sin(θ)/θ (式7)
以下を思い出されたい。
f=pWL・cos(θ)/θ (式5)
【0068】
表1は上記の式を使用してプロットしたものである。表1の列2は、様々な角度θについて静止長さLの端数としてラビオラスの長さ「x」を示す(図11参照)。列3は、圧力p、幅W、及び静止長Lの積の端数として、生成される力「f」を示す(図10参照)。
【0069】
【表1】

【0070】
図13は、長さx(静止長さLの端数として)に対する力f(pLWの端数として)をプロットした。
【0071】
式5及び7をθに関して微分すると、以下となる。
df/dθ=−pWL[sin(θ)/θ+cos(θ)/θ] (式5a)
dx/dθ=L[cos(θ)/θ−sin(θ)/θ] (式7a)
式5aを式7aで割ると、以下を得る(0<θ<=π/2)。
df/dx=pW[cos(θ)/θ+sin(θ)]/「sin(θ)/θ−cos(θ)」 (式8a)
【0072】
θ→0のリミットを取ると(空のラビオラス)、分母は1になるが、分子は無限になり、したがって、ばねは無限の正の剛性(硬さ)を有する。完全に膨張したラビオラスでは(θ=π/4)、剛性(硬さ)は+4pW/πである。表2は、この剛性を前出の表に追加して示す。
【0073】
【表2】

【0074】

実際のラビオラスは、以下の通りにすることが可能である。
W=5cm=0.05メートル
L=6cm=0.06メートル
P=20cmHO=1960N/m〜2,000N/m
【0075】
ラビオラス145が部分的に膨張されて2つの硬質サポート間において保持される場合、ストラップの張力は圧力と共に直線的に増加する。
【0076】
与えられた任意の幾何的形状に対して、生成される力はラビオラスの静止長さ及び幅に比例する。
【0077】
与えられた任意の圧力に対して、生成される力は、ラビオラスが静止長さにあるとき無限であり、その後著しく急激に減少する。
【0078】
例として、20cmHOに接続された長さが6cmで幅が5cmのラビオラスは、0.5cmだけ短縮されるときに約0.633KgFを生成し、1.0cmだけ短縮されるときに0.300KgFを生成し、1.5cmだけ短縮されるときに138gFを生成する。
【0079】
このように力が長さに非常に強く依拠する効果は、ヘッドストラップをねじで締め付けることにより、与えられた圧力において任意の望ましい力を生成することが可能になることである。
【0080】
マスク組立体15は、2つのストラップ25、30によって3点において顔面上に保持される。マスク組立体15を底辺が12cmで高さが12cmの2等辺三角形、高さ2cm及び底辺2cmの底角のより小さい2つの三角形とする。したがって、マスクの面積は70cmとなる。
【0081】
20cmHOの圧力において、空気圧は1400グラム重(gF)を及ぼし、5cmHOでは、わずかに350グラム重である。封止するために、ストラップは、これより30%大きい力又は1820グラム重を及ぼすことが必要であると想定する。
【0082】
図15によれば、1)重心Cは、マスクの底部から約4.5cm上にある、又は上部から7.5cm下にある、2)底部ストラップは、マスクの底部から約3.5cm上、又は重心から1cm下に装着される、3)上部ストラップは、重心より15cm程度上にある長いレバーアームに装着される、と想定する。
【0083】
底部ストラップは、上部ストラップより約15倍重心に近く装着されるので、底部ストラップは、15/16の負荷を担い、わずかに100グラム重が上部ストラップによって担持されることになる。
【0084】
長さが6cmで幅が5cmのラビオラスが、上部ストラップにある。ラビオラスは、管150によってマスクに接続される。ラビオラスは、長さが4.35cmに短縮されるとき、20cmHOにおいて100グラム重を生成する。この長さにおける硬さ及び圧力は、1cmあたり0.232KgFである。
【0085】
ラビオラス145が、エラスタンスESTRAPの伸縮性ヘッドギアストラップと直列であると想定する。伸縮性ストラップ及びラビオラスの自由端部は固定される。全システムのエラスタンスは、ヘッドギアのエラスタンスとラビオラスのエラスタンスとの合計である。
【0086】
例えば、幅が5cmで長さが6cmのラビオラスが、1KgF当たり10cmのエラスタンスで、よく洗浄された従来のResMed(登録商標)ヘッドストラップと直列に取り付けられるとする。ラビオラスは、以前と同様に、20cmHOにあり、長さが4.35cmで、0.1KgFを及ぼす。
【0087】
これらの条件下にあるラビオラスのばね定数は、0.232KgF/cmであり、したがって、エラスタンスは、4.3cm/KgFである。したがって、システム全体は、14.3cm/KgFの(局所)エラスタンスを有する。システム全体のエラスタンスは、従来のストラップによって大きく影響される。
【0088】
他の例として、幅が5cmで長さが6cmのラビオラスで、圧力20cmHOとする。したがって、長さは、再びx=4.35cmであり、f=100グラム重の力を生成する。ラビオラスは、エラスタンス0.1Kg/cm、すなわちばね定数Kstrap=10Kg/cmのストラップと再び直列である。次のステップは、圧力が5cmHOに低下するとき、何が起きるかを決定することである。
【0089】
長さxのラビオラスに関して伸縮性ストラップによって生成される力の式は、以下のようになる。
fSTRAP=f−Kstrap(x−x)
【0090】
これを、20cmHO及び5cmHOにおいてラビオラスによって生成される力のグラフの上にプロットすると図15Aを得る。
【0091】
ヘッドギアは収縮し、これにより、ラビオラスの長さは、4.35cmから約4.8cmになり、ストラップの張力は、所望されるように0.1KgFから0.05KgFに減少する代わりに、わずかに約0.55KgFに減少する。
【0092】
ラビオラスがない場合、鼻梁によって担持される不必要なストラップ張力は75グラム重である。実質的に伸張不能又は硬質のヘッドストラップでは、適切に調節されたラビオラスはこれをゼロに減少させる。しかし、非常に柔軟なヘッドストラップでは、不必要なストラップ張力は45グラムであり、又はラビオラスがない場合の2分の1よりわずかに大きい。
【0093】
(2.第2実施形態)
図16〜35は、本発明の他の実施形態を示す。
【0094】
符号410で全体的に示されるマスク及びヘッドギア組立体が、頭のモデルに装着された状態で図16〜18に示されている。マスク及びヘッドギア組立体410は、マスク組立体412、ヘッドギア414、及び膨張可能袋を備える。袋は、ヘッドギア414のフィットを調節するために、ヘッドギア414に結合された後頭空気ピロー416の形態を取りこむ。
【0095】
マスク組立体412は、マスク本体組立体418、及びマスク本体組立体のサポート又は「スケルトン」として作用するマスクフレーム436(以下においてより詳細に記述される)を含む。マスク本体組立体418は、図27に示されるように、前から見るとほぼ三角形の形状を有する。
【0096】
1つの好ましい形態では、マスク本体組立体418は顔面接触部分420及び本体部分422を備える。マスク本体組立体418の顔面接触部分420は、痛み、不快さ、及び皮膚の損傷を生じることなく、詳細なフィットを提供する。具体的には、顔面接触部分420は鼻の骨部分の周りにおいて封止を提供するように設計される。皮膚に対する損傷を回避するために、顔面接触部分420の一部が、平均顔面毛細血管圧力(通常、約25mmHg)より大きい平均圧力を顔面に及ぼさないことが好ましい。
【0097】
一般に、顔面接触部分420は、内眼角の高さにおいて鼻骨(鼻軟骨の上)の側面をつまむような輪郭とされる。顔面接触部分420は、鼻骨の側面において内向き封止を形成する。しかし、顔面接触部分420は、軟骨を押すことによる直接的に、或いは付近の柔組織を押すことによる間接的に、鼻翼をつままないように設計される。更に、顔面接触部分420は、眼、睫毛、又は眼の内眼角にある涙管機構に接触しないことが好ましい。
【0098】
マスク本体組立体418の顔面接触部分420は、図27〜31の図からわかるように、いくつかの主要な輪郭特徴を含む。ノッチ424が、鼻梁(鼻根点)に対応するために提供される。ライズ426が上顎骨の前頭突起をはめ込むために提供される。第2ノッチ428が頬骨(すなわち、頬骨の上顎突起)に対応するために提供される。更に、第2ライズ430があごをはめ込むために提供され、第3ノッチ431が下顎弓に対応するために提供される。
【0099】
1つの好ましい形態では、顔面接触部分420は、シリコーンの「皮膚」又はシートによって覆われたポリウレタン発泡体で構成される。シリコーン材料が、粘着又は剥離の性質を有さずに形成することができる最も柔らかい(すなわち、最低デュロメータ値)材料であることが好ましい。通常、シリコーン皮膚は、皮膚が発泡体に対してしわになるのを防止するために、発泡体に接着剤で結合される。
【0100】
マスク本体組立体418の本体部分422は、エルボ430、窒息防止バルブ、及びベントを支持する。本体部分422は、マスク組立体412のフレーム436に対して、マスク本体組立体418が比較的自由にひずむ、又は湾曲することを可能にし、また、フレーム436が適所からスライドすることを防止する配置及び制約機構としても作用する。マスク本体組立体418は、図33Aの平面図及び図33Bの断面図に示されている。1つの好ましい形態では、本体部分422は、シリコーンであり、顔面接触部分420と共成型され、顔面接触部分422と連続する。
【0101】
マスク組立体412は、力をヘッドギアからクッションに伝達する圧力プレート又はフレーム436を含む。図21において最適に示されるように、フレーム436は、ほぼ三角形の形状であり、ベース438、側方440、及び頂点部分442を備える。フレーム436は、弾性的に柔軟であり、これにより、フレーム436は、患者のあご及び鼻に巻き付くことが可能になる。フレーム436のベース438及び頂点442の部分は、一般に、比較的硬質な側方部440より柔軟であるように構成される。頂点442及びベース部分438は、縦方向軸Lを規定し、その周りに、フレーム436が、図32及び35に示されるように、弾性的に湾曲することができる。フレーム436が弾性的に柔軟であることにより、マスク組立体412は、より広範な顔面形状により精密にフィットすることが可能になる。例えば、同じマスク組立体412を、より広く平坦な顔面(いわゆる、パンダ形)を有する患者と同様に、狭い角度の顔面(いわゆる、わに形)を有する患者に使用することができる。
【0102】
フレーム436のベース部分438は、ほぼ「C」又は三日月の形状である。頂点部分442は、ほぼブーメラン又は山形の形状である。
【0103】
柔軟頂点部分442及びベース部分438は、幅が約2cmの1mmポリプロピレンシートから構成されることが可能である。各側方部440は、100mm×20mm×1mmのアルミニウムの1対の同じ形状の部品から構成されることが可能である。フレーム436は、4つのリベットでリベット留めする、又は接着結合等の他の既知の技術で接合することができる。
【0104】
図32の図面に別に示されているフレーム436は、各側方部440の上に取り付けられた二又ブラケット444を含む。各ブラケット444は、アルミニウム又は他の実質的に硬質の材料で構成される。ボルトを受けるように適合され、これによりブラケット444を固定する側方部440の長さに沿って、一連の穴446がある。側方部440に対するブラケット444の角度は、ボルトを緩めて、角度を調節し、ボルトを締め付けることによって調節可能である。側方部に沿ったブラケット444の位置は、異なる穴の内部において固定することによって調節することができる。両方のブラケット444が、側方部440に沿って同じ相対位置に取り付けられる必要はない。このようにして、患者の顔面のあらゆる非対称をある程度許容することができる。1つのブラケット444が、各側方部に固定される。ブラケット444は、ヘッドギア414のねじ込みアーム450のナット448を受けて、それと係合するように適合される。
【0105】
更に、フレーム436は、ウエッジ形スペーサを含むことが可能である。使用時、スペーサは、側方部440及び/又は頂点部分442とマスク本体組立体418の顔面接触部分420との間に操作式に固定される。スペーサは、上部において厚さが1〜2cmであり、マスクを下に中間辺りにおいてゼロまで細くなる。更に、ウエッジは、外側から内側にゼロの厚さまで細くなる。ウエッジは、ほぼ非圧縮性の材料から構成される。ウエッジは、封止を補助するために、マスク本体組立体418の上部に追加の力を提供する。更に、ウエッジは、鼻骨の側方においてマスク本体組立体418をつまみ、マスク本体組立体418の外縁を内側より強く押し付ける。
【0106】
ヘッドギア414は、ストラップ組立体452、後頭空気ピロー416又は他の動的調節可能張力要素、及びマスク組立体412と接触するねじ込みアーム450の対を備える。一般に、ヘッドギア414は、マスク組立体412の空気中心において始まるマスク組立体412からヘッドギア414への力ベクトルが、右外耳道と左外耳道との間の中点を通過するように、構成及び構成される。
【0107】
図22及び34に最適に示されるように、ストラップ組立体452は、後頭下ストラップ456、冠状(クラウン)ストラップ458、及び1対の耳覆い460を備える。この実施形態では、ストラップ456、458、460は、単一部品ヘッドギア組立体の端部であるが、本発明の他の実施形態では、ストラップは、一体式ストラップであり、随意選択で適切な点において共に接続される。ストラップ456、458、460は、1mmポリプロピレンシート等、柔軟であるが、実質的に伸張不能なプラスチック材料から構成され、随意選択で、発泡体、フェルト、又は快適さを向上させる他のクッション材料の層で一方又は両方の側を覆われることが可能である。ストラップは、柔軟であるが伸張不能な材料で形成されるので、ストラップ56、58、60は、患者の頭の形状に順応することができるが、2KgFの張力の影響を受けるとき、一般に1〜2mmを超えて延びない。
【0108】
後頭下ストラップ456は、後頭部の下であるが、項部筋肉の上を通り、幅は約4cmである。クラウンストラップ458は、患者の頭の頭頂部を通過し、幅は約2cmである。耳覆い460は、耳を部分的に又は完全に囲むように構成されることが可能である。耳覆い460は、幅がほぼ2cmのプラスチック材料の楕円環から構成され、皮膚接触グレードフェルトで裏打ちされる。フェルトは、耳の付け根に食い込むのを防止するために、環とわずかに重なるべきである。
【0109】
1対の硬質ねじ込みアーム450が、耳覆い460から延びる。一実施形態では、アームは、5mmのねじ込みナイロンロッドから構成される。アーム450は、外耳道に操作式に近接し、且つほぼ水平面において前方に延びるように配置される。各アーム450の全長の上にねじ込み式に取り付けられ、且つそれに沿って移動可能であるバレルナット又はサムホイール468がある。各ナット又はサムホイール468は、図16、17、19、及び20に示されるように、マスクフレーム436の上に取り付けられたブラケット444と取外し式に係合するように適合される。アーム450は、図19、23、及び24に示されるように、旋回コネクタ470によって、ヘッドギア414の耳覆い460に接続される。(旋回コネクタ470の第1位置及び第2位置は、それぞれ、図24及び25に示される)。このようにして、アーム450の相対角度位置は、調節可能である。ナット468をねじ込みアームに沿って移動させることによって、フレーム436及びヘッドギア414内の張力は、精密に調節することができる。この構成は、迅速リリース機構をも提供する。フレーム436は、柔軟ベース部分438及び頂点部分442を含むので、フレームは、アーム450に沿ったナット468の位置に応じて湾曲するが、その理由は、ナットが、患者にとって最も適切なフィットを見つけるように調節されるからである。
【0110】
膨張可能後頭空気ピロー416は、ストラップ456、458、460と力伝達関係にあり、一般に後頭部の領域において、ストラップ組立体452の下で頭の後部において操作式に配置される。後頭空気ピロー416は、膨張及び収縮することができる。一実施形態では、図23に示されるように、後頭空気ピロー416は、管464を介してマスク組立体412の空気送達導管462に接続される。このようにして、後頭空気ピロー416の圧力は、マスク組立体412の圧力と同様になる。マスク組立体412の圧力が増加するとき、後頭空気ピロー416は膨張し、その結果、ヘッドギア414の張力も同時に増加し、マスク組立体412が顔面から離れて、漏れることを防止する。このようにして、様々なマスク圧力中にマスク組立体412が動くのが阻止される。
【0111】
後頭空気ピロー416は、後頭空気ピロー416の空気圧と関連して(Pbladder)、ヘッドギアストラップ456、458、460に対する力(すなわち、マスク組立体412の圧力によって生じるストラップ456、458、460に対する力)を相殺するように、十分な面積(Abladder)を有して設計される。一般に、後頭空気ピロー416の面積は、マスクによって生じる力を超える力を提供するように十分に大きくあるべきであり、マスク投影面積(Amask)とマスク圧力(Pmask)との積である。したがって、以下を得る。
bladder×Pbladder=Σストラップに加えられる力
更に、以下のようになる。
bladder×Pbladder>Amask×Pmask
【0112】
1つの好ましい形態では、後頭空気ピロー416は、ほぼ11cm×16cmであり、約1.5mmから約2.5mmの範囲の壁の厚さを有し、全体的な収縮の厚さは3〜5mmである。
【0113】
上述された実施形態では、後頭空気ピロー416の圧力は、マスクの圧力が増加すると共に増加する。しかし、本発明の他の実施形態では、後頭空気ピロー416の膨張及び収縮は、マスク圧力以外のパラメータによって制御することができる。例えば、センサが、例えば、マスク組立体412に接続されたフロー生成装置のフローを連続的に監視して、フローの漏れ成分を見つけるために低域通過ろ過することによって、マスク組立体412における漏れを監視することができる。漏れが多いと判定されるとき、後頭空気ピロー416は、膨張を停止する。反対に、漏れが少ないと判定されるとき、後頭空気ピロー416は、収縮することが可能である。漏れ検出センサを使用して後頭空気ピロー416の圧力を制御することは、マスク組立体412が顔面に接して依然として封止されていることを可能にする最小限の張力量にヘッドギア414を維持することを可能にし、また、ヘッドギア414に角に張力をかけることに特有である使用者の不快さ、皮膚の損傷、及び他の問題を低減するように作用する。
【0114】
更に、ヘッドギア414において2つ以上の後頭空気ピロー416を使用することが望ましい可能性がある。2つ以上の後頭空気ピロー416が使用される場合、後頭空気ピロー416は、ヘッドギア414の回りのいくつかの位置に配置することができる。更に、複数の後頭空気ピロー416のそれぞれは、他とは独立に膨張及び収縮することができる。このタイプの構成は、患者の顔面の非対称性を補償するのをより容易にするが、その理由は、局所的且つ必要な場所にのみ張力をヘッドギア414において加えることができるからである。複数の後頭空気ピロー416は、マスク組立体412の圧力が増加及び減少する際に、それぞれ膨張及び収縮することが可能である。又は、漏れの流れの測定に基づいて、感知及び制御システムによって膨張及び収縮されることが可能である。
【0115】
本発明の代替実施形態では、MUSCLE WIRES(登録商標)(モンド-トロニクス,インク(Mondo-Tronics,Inc.)、[米国カルフォルニア州サンラファエル在])等、電流が加えられるときに収縮する形状記憶合金(SMA)ワイヤが、動的引張要素として使用されることが可能である。(通常、電流が加えられるときの収縮反応は、電流がワイヤを通過することによってワイヤが加熱されるためである)。これらのタイプの要素が、動的張力調節を生成するために使用される場合、ワイヤがマスク圧力の増加と同期して収縮するために、別の制御装置が提供される必要がある。
【0116】
他の適切な動的引張要素には、サーボモータ、及び生体模倣材料から創出される「人工筋肉」がある。
【0117】
D.アルゴリズム
図16の実施形態による後頭空気ピロー416は、例えば、事前に設定された張力までまず膨張することができる。一実施形態では、患者の顔面に接して封止的にマスクを保持する方法が、後頭空気ピローを頭及び/又は首の後部に接して配置することと、1つ又は複数のストラップが、後頭空気ピローの上、それを経て、又はその一部として進行して、ストラップがマスクに装着されるように前方に進行させることと、マスク圧力Pmaskのアフィン関数である圧力Pbladderに関して後頭空気ピローを膨張させることとを含むことが可能である。
bladder=P+Amaskmask
上式で、Pは、最低の意図した使用圧力においてマスクを封止するのに十分な正の圧力、Amaskは、後頭空気ピローとストラップとの後方向の接触面積と、後頭空気ピローと頭の後部との前方向の接触面積との小さい方である。
【0118】
複数の実施形態において、マスク圧力のアフィン関数である圧力に関する後頭空気ピローの膨張は、マスク圧力に比例する信号を生成するために、圧力変換器でマスク圧力を測定することと、調節可能な増幅(gain)及びオフセットを有する増幅器に信号を加えることと、増幅器の出力を電圧制御可能圧力源に加えることと、前記圧力源からの気体で後頭空気ピローを膨張させることと、マスクが最低の必要な圧力において封止するようにオフセットを調節することと、最高の必要な圧力においてマスクが封止するように、増幅を調節することとを備える。
【0119】
複数の実施形態において、圧力変換器からの信号VptがVpt=Kptmaskである場合、制御可能な圧力源が、圧力Pc=Kccを生成し、マスクと顔面との接触面積の前方向の投影はAmaskであり、ストラップと後頭空気ピローの背面との接触面積の後方向の投影はAbladderであり、ゼロ圧力において封止を生成するのに必要な力はFであり、したがって、増幅器は、以下の出力電圧を生成する。
out=F/Abladder+Amask/Abladderc/Kptin
【0120】
複数の実施形態において、マスク圧力のアフィン関数である圧力で後頭空気ピローを膨張させることは、第1ピストンを含む第1円筒に第1ホースを介してマスクを接続し、第1ピストンが連結を介して第2円筒の第2ピストンに接続され、第2シリンダが第2ホースを介して後頭空気ピローに接続されることと、マスクが最低の意図した使用圧力において封止するように、後頭空気ピローを十分に膨張させるように、前記連結を偏向させることとを備える。
【0121】
複数の実施形態において、偏向は、ばね及び/又は重みによって提供されることが可能である。
【0122】
マスクを患者の顔面に接して封止的に保持する装置が、頭の後部から前方にマスクまで延び、最低の意図した使用圧力において顔面に接して封止的にマスクを保持するように十分に締め付けられる第1セットの伸張可能ストラップと、やはり頭の後部から前方にマスクまで延び、第1セットの上にある第2セットの伸張不能ストラップと、第1セットのストラップと第2セットのストラップとの間において頭の後部に配置され、マスクの空気と空気連通する後頭空気ピローとを含むことが可能である。
【0123】
動作時、第1伸張可能セットのストラップは、マスクの圧力とは独立に、固定された一定の力を提供し、第2セットのストラップを介して作用する後頭空気ピローは、マスクの圧力の線形関数である力を提供する。2つの力は合成されて、マスク圧力のアフィン関数である力を提供する。最適な構成は、おおよそ、頭の後部の上への後頭空気ピローによる接触面積と、第2セットのストラップの上への後頭空気ピローの接触領域との小さい方の前方向投影が、顔面上におけるマスクの接触面積の後方向投影と同じであるときである。
【0124】
他の実施形態では、患者の顔面に接して封止的にマスクを保持する装置が、頭の後部から前方にマスクまで延びる1セットの硬質ストラップと、前記ストラップと頭の後部との間に配置され、大気内圧において後部壁と前部壁との間において非ゼロ内部距離を有する半硬質ばね式後頭空気ピローと、後頭空気ピローをマスクに接続するホースとを含むことが可能である。
【0125】
後頭空気ピローは、シリコーン、ラテックス、又はポリウレタン等、弾性材料で従来通りに構成されることが可能である。その弾力性は、シリコーン、ラテックス、ポリウレタン、及び/又はPVCの発泡体等、ばね性材料で、又は1つ又は複数の内部ばね又は外部ばねで、ピローを充填することによって調節されることが可能である。快適な内部ばねは、外部後頭空気ピローより小さい、第2封止空気及び/又は流体充填弾性内部後頭空気ピローから創出することができる。
【0126】
最適には、大気内圧における後頭空気ピローの前壁と後壁との前後分離は、約2〜4cm、好ましくは3cmであるべきであり、これにより、ストラップの力を過度に増大又は低減せずに、首が妥当な範囲で動くことが可能になり、また、マスク圧力が増加する際に、頭の後部(髪、皮膚、脂肪、筋肉)の構造並びにマスククッション及び顔面組織について考慮される圧縮を見込む。
【0127】
後頭空気ピロー壁と任意の発泡体充填剤又はばねとの組合せ剛性(硬さ)は、ストラップが、ほぼ中間移動距離まで、又は張力をかけられていない長さより約1.5センチメートル短く締め付けられるとき、すべての意図した圧力においてマスクが封止するのに十分な力を生成するようなものであることが好ましい。通常、力は、マスクの特性及びフィットに応じて、200〜600gの大きさである。
【0128】
ストラップの張力が、より高いマスク圧力において増加する際に、マスククッション及び頭の後部の組織は、圧縮される。これにより、後頭空気ピローは膨張する。後頭空気ピローは、意図したように硬いことが好ましく、且つ任意の低圧において封止するのに必要な力Fを提供するために、ゆるい長さより短くストラップを締め付けることによって圧縮されているので、後頭空気ピローの弾力性は、後頭空気ピローが膨張する際に、よりいっそう小さい力を提供する。初期ばねはね返り力のこの損失は、マスクの面積Amaskより適度に大きい面積Abladderを有する後頭空気ピローを使用することによって補償されるはずである。
【0129】
後頭空気ピローが加圧されており、頭の後部に前から接し、且つストラップに後部から接して作用するとき、ストラップと接触した平坦断面を有する部分と、ストラップと接触していない各側の湾曲部分とが存在する。ストラップと接触している領域のみ、具体的にはこの領域の前方向投影が、有用なストラップ張力を生成する。実際には、通常のサイズの完全に成人の顔面マスクでは、例えば、側面から側面までが約17cm、上部から底部までが11.5cm、及び厚さが3cmの寸法を有する袋が適切である。ストラップとの接触の投影面積は、側面から側面までが約15cmで上部から底部までが10cmであり、したがって、袋は、面積150cmのピストンとほぼ同様に作用する。当然、これらは、好ましさ及び/又は応用分野に応じて修正することができる例のみである。
【0130】
<< フレーム >>
A.調節可能フレーム
(1.第1実施形態)
図36は、クッション172の形態にある患者インターフェースを備えるフレーム170を含む本発明の実施形態を表す。フレーム170は、上述された実質的に伸張不能な材料で形成されることが可能である複数のストラップ180を使用して、患者の頭の上において支持される。各ストラップ180は、患者がストラップの張力を調節することができるように、ナット185を受けるように適合される端部においてねじ込み部分を含むことが可能である。実質的に硬質の材料で形成される反りストラップ175がフレーム170に提供される。
【0131】
調節機構176が、フレーム170の追加の調節可能性のために提供される。具体的には、調節機構176は、ウエッジ195の並進運動を実施するように回転することができる調節ねじ190を含む。ウエッジ195は、フレーム170の頂点に提供される最上部ヘッドストラップ180と位置合わせされる仮想軸196に沿って動くことができる。調節ねじ190の回転により、ウエッジ195は、反りストラップ175の内表面に接して移動する。図36Aに示される代替では、ウエッジ195は反りストラップ175の外表面と係合するように提供されることが可能である。どちらの場合でも、ウエッジ195がフレーム170の上部に向かって上方に移動する場合、ウエッジ195の上面197は、反りストラップ175の内面又は外面に押し付けられ、これにより、フレームは仮想軸196にほぼ平行であるか、又はそれと一致する軸の回りに湾曲する。
【0132】
この湾曲により、フレーム170の横部分は、クッション172の側面に押し付けられ、これにより、患者の鼻の側面上につまみ力を課す。フレーム170の下方部分において調節可能性を提供することにより、マスクが様々なタイプの鼻の特徴により容易に適合することが可能になる。当然、調節可能性は、フレームの上部部分又は中間部分に沿って提供することもできる。調節可能性は、患者が与えられた圧力について望ましい接触力を設定することを見込み、フレームは顔面に加えられる力が実質的に一定であるように、圧力の変化に対応するように屈曲、旋回、又は湾曲することが可能である。
【0133】
(2.第2実施形態)
図37は、図36の実施形態と同様の実施形態を示すが、追加の特徴を含む。例えば、図37は、鉄リング210等、リング状部材によって囲まれるアパーチャ200を開示する。図38に示されるように、アパーチャ200は、エルボと同様であるコネクタ215を受けるように適合される。コネクタ215は、フレーム170の鉄リング210と磁気的に結合するように適合される第1鉄リング220を含む。コネクタ215は、スイベル230において提供される磁気リング235を介してスイベル部材230と磁気的に結合するように適合される第2鉄リング225を含む。
【0134】
図38は、クッションの構成に関してより詳細に示す。具体的には、クッション172は、フレーム170の内部に提供される発泡体等のベース部材240と、ベース部分240によって支持されるシリコーン等の部材245とを含む。
【0135】
図37では、ウエッジ195の上面197と反りストラップ175の内面との距離は、個々の構成要素をより容易に見るように誇張されている。
【0136】
図39は、調節ねじ190、ウエッジ195、及びフレーム170の詳細な図を示す。具体的には、調節ねじ190は、調節ねじ190のノブ260の両端に提供されるねじ込み部分250及びディスク部分225を含む。フレーム170は、ディスク225を受けるように適合された交差スロット260を含む。フレーム170は、調節ねじ190のねじ込み部分250を受けるように適合された縦方向スロット265を有する。フレーム170は、ウエッジ195の下方本体部分275を受けるように、追加の前部スロット270を含む。フレーム170は、フレーム170の底部縁273から間隔をおいて位置する直立部材272を有する延長部271を含む。直立部材272は、ねじ山を付けることが可能である軸受274を含む。ウエッジ195は、縦方向スロット265を画定する内壁部材285と係合する溝280を含む。ウエッジ195は、部分的ねじ込み部分290を含む。部分的ねじ込み部分290は、ねじ込み部分250と係合するように適合される。
【0137】
調節機構を組み立てるために、ねじ込み部分250及びディスク255は、それぞれ、縦方向スロット265及び横方向スロット260に挿入される。次いで、ウエッジ195の部分的ねじ込み部分290は、ねじ込み部分250の上に下ろされ、本体部分275は、当初、直立部材272とフレーム170の底部端部273に隣接する内壁部材285の端部との間に配置される。溝280は、壁部材285に沿ってスライドするように誘導される。これにより、ノブ260が回転する際に、ウエッジ195は、フレーム170のチャネル295内において前後に移動する。ウエッジ195の極限位置は、それぞれ図40A及び40Bに示されている。
【0138】
図41から53は、患者の顔面/鼻の横側面に沿ってつまむことを可能にする追加の実施形態を示す。同様の部分が、図36から40Bの実施形態と比較して、同じ参照符号で示されている。これらの実施形態のそれぞれは、調節に対するさらなる制御を見込み、異なる形状の鼻を有する患者間における相貌のばらつきにより容易に適合する。
【0139】
(3.第3実施形態)
図41の実施形態では、ノブ190が、1つのラック、好ましくは1対のラック191に操作式に結合され、ラックは、ノブ190の回転時に反対方向に動く。ラック191の遠位端部193は、フレームの横部分と係合し、例えば、フレームはカム表面を含み、カム表面は、遠位端部193が横方向外向きに移動するにつれ、厚さが段階的に増大して、フレームが仮想垂直軸の回りに湾曲、屈曲、及び/又は旋回することを可能にし、これにより、患者の顔面/鼻の側面に接してつまむことが改善される。
【0140】
(4.第4実施形態)
図42A及び42Bの実施形態では、膜は、小さい漏れを封止するのを補助し、したがって、調節の精度は重要ではない。更に、図42A及び42Bの実施形態は、下あごから離れるのを実質的に排除する。図42A及び42Bは、追加の調節点をも含み、これにより、マスクを患者にはめ込むのをよりいっそう微細に調節することが可能になる。例えば、各ノブ190は、クッション172に提供されるピストン197と操作式に接続される。
【0141】
(5.第5実施形態)
図43A及び43Bにおいて、フレーム170は、半硬質であり、一方、クッション172は、柔軟部材300に取り付けられる。ストラップの張力が増加する際に、クッションに対する部材300のばねの行為は、患者の鼻の側面に接して封止するのを補助する。例えば、フレーム170は、柔軟部材300の硬さと比較して、比較的硬いばねとすることが可能である。したがって、わに形の顔面を有する患者は、柔軟部材300の硬さに依拠することが可能であり、パンダ様の顔面を有する患者は、柔軟であるが、柔軟部材300より相対的に硬いフレーム170に接して平坦に位置する柔軟部材300に依拠することが可能である。この実施形態は、調節ノブを含むようには示されていないが、そのように適合させることができる。
【0142】
(6.第6実施形態)
図44A〜44Cの実施形態では、調節ねじ190の回転により、ねじのカム形表面194が、クッションサポート上の突出部196と係合し、これにより、患者の鼻に内向きに向かってクッションをつまむ。
【0143】
(7.第7実施形態)
図45、46A、及び46Bは、本発明の他の実施形態を示し、フレームは、フレーム170に関して旋回することができる側翼部分305を含む。概念的には、この実施形態は、フィンガ部分115がシャーシ95に関して旋回するように提供される図1に示される実施形態と同様である。図46Aは、図45の実施形態の分解図であり、一方、図46Bは、図45の実施形態の組立て図である。この実施形態は、他の実施形態と同様に、クッションの側方が、異なる形状の鼻を有する様々な患者により容易に順応することを可能にする。この実施形態は、顔面の形状に自動的に順応するが、その理由は、ストラップ180が、フレーム170の各側翼部分305に接続されるからである。マスク/クッションが頬から離昇することは低減され、顔面に対するクッションのより均一な圧力を達成することができる。この実施形態も、上述された他の実施形態の多くと同様に、取替え可能又は使い捨ての可能クッションを見込む。
【0144】
(8.第8実施形態)
図45A及び45Bは、図45の実施形態と同様の他の実施形態を示し、側翼部分305は、クリック行為又は検出行為によって、いくつかの所定の位置においてヒンジ式に接続することができる。図45Bは、側翼部分305の上の2つのヒンジ部分の間に提供されるつまみ306を含む部分分解図を示す。フレーム170は、つまみ306を受けるように適合された複数の溝307を含み、これにより、複数の離散位置において調節することが可能になる。
【0145】
図47及び48は、ストラップの張力が増加する際に、患者の鼻Nの上に側翼部分305を段階的に封止配置することを示す。
【0146】
(9.第9実施形態)
図49及び50は、マスク組立体のシャーシ又は中央フレームに関して、側翼部分が、旋回等移動することを可能にする調節機構の他の実施形態を示す。調節機構は、側翼部分305のフランジ313の上に提供されるピンを受けることができる複数の穴312を含む。ヒンジ311は、リビングヒンジ、ピン、一体式ピン等とすることができる。
【0147】
(10.第10実施形態)
図51は、本発明の他の実施形態によるマスク組立体510の分解透視図である。マスク組立体510は、半硬質マスクシャーシ512及びクッション/2次フレーム514の2つの主要部分を有する。2つの部分512、514は、分離可能であるが、上述されたように、取外し式又は固定式に接続されることが可能である。一般に、マスクシャーシ512は、マスクのヘッドギア(図51には示されず)と接続されるように構成且つ配置され、クッション/2次フレーム514は、患者の顔面との快適な封止を形成するように構成及び適合される。マスクシャーシ512及びクッション/2次フレーム514は、使用者の顔面に対するマスク組立体510のフィットの微調整を提供するために、クッション/2次フレーム514がマスクシャーシ512に対して移動又は変形するように共動する構造を有する。
【0148】
以下の記述では、「上部」、「底部」、「左」、及び「右」等、ある方向用語が使用される。特に断りがない限り、方向用語は、それぞれの図面の図の座標系に関して使用される。
【0149】
クッション/2次フレーム514は、クッション部分516及び2次フレーム部分518を備える。2つの部分516、518は、固定式に接続される。クッション/2次フレーム514は、口マスク、鼻マスク、口及び鼻マスク、又は使用者の治療プロトコルと共存可能であるあらゆる他のタイプのマスクとして作用するようにサイズ決めされることが可能である。
【0150】
2次フレーム部分518は、三角形又はピラミッド形の形状であり、クッション/2次フレーム514が封止を形成するように設計される顔面の特徴(例えば、鼻、鼻及び口等)に対応するように十分な内容積を提供する。2次フレーム部分518は、2面が空いている。2次フレーム部分518の外側面上には、コネクタ520が、気体供給導管に接続されるように提供される。内側において、2次フレーム部分518は、空いており、クッション部分516が接続されるフランジ522の中にフレア状になっている。2次フレーム部分518は、ポリプロピレン等、柔軟又は半柔軟材料で形成されることが可能である。
【0151】
クッション部分516は、一般に柔らかく快適な構造であり、例えば、シリコーン膜、プラスチック部材の内部にカプセル化された発泡体材料(ポリウレタン発泡体等)、又は空気もしくは他の気体で充填された封止済みの変形可能区画とすることが可能である。クッション部分は、2次フレーム部分18に成型(すなわち融合)する、接着剤を使用して固定する、又は適切な接続構造で固定することが可能である。
【0152】
2次フレーム部分518は、クッション/2次フレーム514をマスクシャーシ512に接続するように構成且つ配置される構造をも含む。患者外向き表面上の2次フレーム部分の上部及び底部には、クッション/2次フレーム514をマスクシャーシ512に固定するために、マスクシャーシ512の対応する受け穴526に挿入されるように適合される接続部材524がある。接続部材524は、クッション/2次フレーム514とマスクシャーシ512との間においてスナップばめを提供するために、受け穴526に挿入される際に内向きにたわむように構成及び配置される。接続部材524は図51に示されているが、クッション/2次フレーム514とマスクシャーシ512との間の接続は、あらゆる他のタイプの適切なコネクタとすることが可能である。2次フレーム部分518は、以下で記述される方式で調節ホイール530と共動する表面を有する突出部528をも含む。
【0153】
マスクシャーシ512は、半硬質材料のほぼ三角形の輪郭のプレートであり、これは、クッション/2次フレーム514と共成型されることが可能である。マスクシャーシ512は、マスクヘッドギア534の対応する端部について接続リセプタクル532を提供する。マスクシャーシ512において、2つの接続リセプタクル532は提供され、マスクシャーシ512の左縁及び右縁のそれぞれに1つある。しかし、ヘッドギアストラップ又はストラップ端部の数及び位置に応じて、任意の数の接続リセプタクル532が提供され、必要に応じてマスクシャーシ512の回りに配置されることが可能である。図51では、接続リセプタクル532及びマスクヘッドギア534は、取外し可能スナップばめ接続を有するように示されている。しかし、接続リセプタクル532は、任意のタイプの従来の接続構造とすることが可能である。マスクシャーシ512の上部縁540は、一般に、マスクヘッドギアの矢状ストラップ又はストラップ部分に接続される接続構造を含む。矢状ストラップ又はストラップ端部の構成に応じて、上部縁540における接続構造は、接続リセプタクル532又は他の接続構造とすることが可能である。
【0154】
マスクシャーシ512は、クッション/2次フレーム514の隆起中央部分518を受けるように構成及びサイズ決めされる中央アパーチャ536を含み、これにより、コネクタ520は、マスクシャーシ512の中央アパーチャ536を経て気体を送る適切な導管に接続されることが可能である。マスクシャーシ512の左側及び右側の上の中央アパーチャ536に隣接して、調節ホイール保持部分542がある。調節ホイール保持部分542の位置は、一般に、クッション/2次フレーム514上の突出部528の位置に対応する。各調節ホイール保持部分542は、マスクシャーシ512の周囲表面に対して隆起され、ねじ込み穴544等の穴を含む。
【0155】
調節ホイール530、調節ホイール保持部分542、及び突出部528の動作及び相互関係は、図52及び53によりよく示されている。これらの図は、係合位置にある接続されたマスクシャーシ512及びクッション/2次フレーム514の一部の概略的な断面図であり、調節ホイール保持部分542に装備されて、2次フレーム518上の突出部528と係合している調節ホイール530を示す。調節ホイール530は、ねじ込みロッド又はリベット546を備え、その一端は、蝶ねじを形成するように使用者回転可能ヘッド548に固定され、他端は、ボア544に結合又は提供される。図52では、ホイール530のより狭い又はより薄い部分が、突出部528と接触している。その結果、クッション/2次フレーム514は、マスクシャーシ512によって影響されない実質的に変形されていない状態にある。クッション/2次フレーム514の無変形状態は、ギャップが存在するために、又は単に封止力が不十分であるために、使用者の皮膚に接した良好な封止を形成する、又は形成しない可能性がある。
【0156】
皮膚550に接したクッション/2次フレーム514の力を調節するために、使用者は、調節ホイール530を回転させ、これにより、ホイール530のより厚い部分が突出部528に向かって移動して、それと接触する。より厚い部分が突出部528に接触した後、2次フレーム部分514は、たわみ、これにより、クッション516は、患者の皮膚に向かって、又はより接近するように移動し、封止力及び/又はフィットを調節する。図53は、ホイール530がクッション/2次フレーム514を皮膚に向かってたわませ、皮膚550とクッション部分516との間のギャップを排除する、及び/又はその間のフィット/封止を改善する位置にあるホイール530を示す。
【0157】
上述された調節機構の他に、マスクシャーシ512のある部分が、マスクシャーシ512が様々な顔面形状に対応するようにわずかに屈曲することを可能にするために、局所的に弱められることが可能である。例えば、線Wに沿ったマスクシャーシ512の部分は、マスクシャーシ512が屈曲することを可能にするように、局所的に弱められることが可能である。マスクシャーシ512は、ポリカーボネート等の材料、補剛リブ等の幾何学的形状、ヘッドギアからの張力等の制約、又はその組合せにより、2次フレームより硬くすることができる。
【0158】
図51は、マスクシャーシ512及びクッション/2次フレーム514が別々の部品であり、マスクシャーシ512に対するクッション/2次フレーム514の運動が主にたわみによって行われる本発明の実施形態を示す。しかし、本発明の他の実施形態では、配置構造は、クッション/2次フレームをマスクシャーシに対して動かすために、マスクシャーシ及び/又はクッション/2次フレームに含まれることが可能である。更に、マスクシャーシ及びクッション/2次フレームは、他の実施形態において上述されたように、別々又は分離可能な構成要素としては提供されないことが可能である。
【0159】
B.フィン
(1.第1実施形態)
図53A〜53Gは、本発明の2つの密接に関係付けられる実施形態を示す。各実施形態は、鼻の側面に接した横封止力の改善を補助するように構造化且つ配置される。これらの実施形態は、鼻梁領域における特定の使用法を有するが、鼻又は口の下方部分に隣接する領域等、他の領域において適用することもできる。
【0160】
図53A〜53Cは、フレーム600がほぼ三角形の形状を有し、この例では、顔面マスククッション全体を支持するように構造化される一実施形態を示すが、鼻クッションのフレームとして使用されるように適合することができる。フレーム600は、概ね円、台形、又はインターフェースとして作用する患者の意図した領域に対応する任意の形状等、他の形状を含むことが可能である。
【0161】
フレーム600は、少なくとも1つ、及び好ましくは複数のアパーチャ615を有するコネクタインターフェース610をそれぞれが含む1対の横部材605を含む。各アパーチャ615は、ヘッドギアストラップ、好ましくは上述された実質的に伸張不能なタイプの端部を受けるように構造化される。ヘッドギアストラップは、アパーチャ615のいずれか1つに接続することができる。代替として、アパーチャは、コネクタインターフェース610の側壁617に提供することができる。
【0162】
図53B及び53Cに示されるように、患者の顔面に向かって配向された表面616が、1対のフィン620を含み、これは、使用時、患者の鼻の側面のすぐ横方向外向きに位置する。図53Bからわかるように、フィン620は、患者の鼻の鼻梁領域に位置するが、フィン620は、患者の鼻の側面を越えて、又はその領域全体に沿って延びることもできる。フィン620は、顔面クッション(図示せず)において、又はクッションの外面上において形成される対応するスロット又は溝において受けられるように構造化される。各フィン620は、フィンとクッションとの間においてロックを創出するように作用することができ、また重量を低減することも可能である1つ又は複数の穴625を含むことが可能である。
【0163】
使用時、フィン620は、患者の鼻の側面に接して良好な封止を維持するように作用するある程度の横サポートを提供する。例えば、ストラップの張力が増加される際に通常のクッションは横方向外向きに波打つ傾向を有し、したがって、クッションの封止又は快適さを損なう可能性が増大する。フィン620を提供することにより、クッションが外向きに波打つのを防止するように作用し、これにより、患者の鼻の側面に沿って封止を維持するように作用する。
【0164】
フレーム600は、一般に軸Aの回りに旋回、湾曲、又はたわむことができるように、柔軟であるように構造化されることが可能である。したがって、ヘッドギアストラップが締め付けられるとき、フレーム600は、軸Aの回りに移動することが可能であり、これにより、フィン620は、患者の鼻の側面をつまむように内向きに移動する。更に、又は代替として、図53Cの矢印によって示されるように、マスクの側方が湾曲する、旋回する、又はたわむとき、フレーム600の上部部分601が、図53Bの矢印によって示されるように、患者の鼻梁領域に向かって湾曲する、旋回する、又はたわむ。初期位置では、上部部分601は、患者の鼻から離れるように湾曲されている。したがって、側方ストラップを調節することにより、鼻梁領域の封止が改善され、これにより、上部ストラップの必要性が回避される。
【0165】
マスクが主要垂直軸Aの回りにたわむとき、フレーム600は、2次水平軸Bに関してまっすぐになる傾向がある。この結果、フレーム600の上部601は顔面により接近し、クッションは鼻梁に押し込まれる。
【0166】
これは、フレームが1つの軸の回りに湾曲されるとき、他の軸の回りにすでに湾曲されているフレームのセクションが、より大きなひずみを受けるという原理に基づく。したがって、材料のひずみエネルギーを最小限に抑えるために、ひずみエネルギーがより小さい位置に移動するように、組み込まれている湾曲をまっすぐにする。組み込まれている湾曲が顔面から離れる際に、これをまっすぐにすることにより、マスクのその部分は、顔面により接近する。
【0167】
湾曲を面外の位置及び方向に変化させることによって、フレームが1つの既知の面において湾曲される際に、フレームの任意の所望の部分を所望通りに内外に移動させることができることがわかる。
【0168】
代替として、又は更に、フレーム600は、例えばリビングヒンジ等のヒンジである、フレーム600の上部部分及び/又は底部部分に組み込まれている弱さ630の1つ又は複数の線を含むことが可能である。弱さ600の線により、フレーム600は、軸Aの回りにより容易に移動することが可能になる。
【0169】
(2.第2実施形態)
図53D及び53Eの実施形態は、図53A〜Cの実施形態に非常に類似している。主な違いは、図53D及び53Dのコネクタインターフェース610が、ヘッドギアストラップの端部を受けるために1つのアパーチャ615のみを含むことである。アパーチャ615は、ストラップの相対的により薄い部分が内部においてスライドすることを可能にするようにサイズ決めされるが、ストラップに提供される調節可能ナットが通過することを可能にしないスロット617を含む。更に、図53Eからわかるように、フィン620は、図53A〜Cの実施形態とは異なり、アパーチャを含まない。
【0170】
図53Fは、患者の頭のモデルの動作位置にある図53D〜Eのフレーム600を示す。クッションC及びエルボEが、フレーム600に装着されている。図53Gは、フレームの断面図である。
【0171】
C.パッドを有するフレーム
図53Hは、フレーム640がパッド645を備える、本発明の他の実施形態を示す。パッド645は、フレーム640の底部部分650に沿って延び、フレーム640の各側面660に提供されるクリップ655及びヘッドギアストラップ656の少なくとも一部より下に提供されることが可能である。したがって、パッド645は、患者の頬に接するクリップ655及び/又はストラップ656の可能性のある装着に対して追加の快適さを提供することが可能である。パッド645は、ゲル及び/又は発泡体材料で形成されることが可能である。
【0172】
D.ペッグを有するフレーム
図53Iは、クッション663等の顔面インターフェースを担持する第1フレーム部材661及び第2フレーム部材662を示す。第1フレーム部材661は、主要開口664及び複数の第1穴665を含む。第2フレーム部材662は、第1フレーム部材662の穴665と位置合わせされる複数の第2穴666を含む。第2フレーム部材662は、第1フレーム部材661の主要開口665を経て挿入されるように構造化された突出部667を含む。
【0173】
複数のペッグ668が、第1部材661と第2部材662との間に提供される。各ペッグ668は、第1端部669及び第2端部670を含む。第1端部669は、第1穴665に挿入され、一方、第2端部670は、第2穴666に提供される。各ペッグ668は、スペーサ又はストッパ671を備えることが可能である。各ペッグ668は、クッション663の内部に関して深さを調節するように選択される長さ「L」を有する。例えば、ペッグ668は、第2端部670が、患者の顔面の外観に適合されるクッション663内の深さまで第2穴666を貫入するように、様々な長さを有して示されている。図示されるようにペッグ668は、プレスばめ保持によりフレーム661、662及び/又はクッション663を適所に保持することが可能であり、或いは、ペッグ668は、バー又はアンダーカット等、クッション又はフレーム部材を保持するために他の構造を含むことが可能である。
【0174】
E.膨張可能クッション
図53J〜53Pは、フレーム170が、シリコーン及び/又は発泡体等で形成されたクッション172を支持する本発明の一実施形態を示す。フレーム170は、フレーム170の周囲の回りに提供される1つ又は複数のヘッドギア接続点171を含むことが可能である。クッション172は、患者の鼻の鼻梁領域に提供される膨張可能袋173を含むことが可能である。膨張可能袋173は、クッション172内に埋め込まれる単一部品であるように示されているが、所望の位置において、クッション172の離散部分に提供される別々の部品を含むことができる。例えば、袋は、クッションの頂点を含まない、クッションの各側に提供される2つの袋を含むことが可能である。袋又は各膨張可能袋173は、膨張可能袋173の容積を調節するために、空気又はゲル等の材料源と連通することが可能である。袋又は各膨張可能袋は、関連するクッション/フレームセクションと患者の顔面との距離を低減又は増大させるために提供される。例えば、図53L〜53Pは、フレーム170が側方においてつままれる際に、段階的に減少する鼻梁領域における距離Dを示す。図53L〜53Pは、クッション172の側方の形状の変化が非対称であることを示すが、患者の鼻の外観が対称又は非対称であるかに応じて、対称的な方式でクッション及び/又は膨張可能袋173の形状を変化させることが好ましい可能性がある。
【0175】
クッション172は、圧力を増加させて加える際に側方の波打ちを最小限に抑えるように構造化することもできる。例えば、クッションの外側壁(患者の鼻から離れている)は、圧力の増加に比較的耐性があるように、比較的厚い寸法で形成することができ、これにより、外壁が圧力の増加と共に波打つ可能性が低減される。反対に、クッションの内壁(患者の鼻に隣接する)は、比較的薄い寸法の壁部材で形成することができ、これにより、内壁は患者の鼻に向かって容易にたわむことが可能になり、これにより、封止が改善される。
【0176】
<< クッション >>
本明細書において使用される際に、「後部」及び「後方」という用語は、装着者の顔面と接触するように適合されるクッション組立体の側を指し、「前部」及び「前方」という用語は、マスクのシェル又は本体と接触するように適合されるクッション組立体の側を指す。やはり本明細書において使用される際に、「マスク」という用語は、鼻マスク及びフルフェイスマスクを指す。
【0177】
図54A〜54Cは、それぞれ、フィッシャーアンドペイケル(Fisher & Paykel)によって製造されるACLAIM鼻マスクである、他の既知のマスクの分解された背面図、側面図、及び底面図である。ACLAIM鼻マスクは、硬質フレーム又はシェル50、並びに薄いシリコーン封止形成膜10及び発泡体リム30を含むクッション組立体を含む。シェル50は、内壁52によって画定されるチャネル51を含む。使用時、発泡体リム30は、チャネル51に部分的に配置され、後方(すなわち、装着者の顔面に向かって)延びる。膜10は、つまみ及び溝機構60(図54D)によりシェル50の縁に固定される。発泡体リム30は、支持構造として作用する。
【0178】
本明細書にわたって使用されるように、「ACLAIMクッション」という用語は、図54A〜54Dに示されるクッション組立体を指す。
【0179】
ACLAIMクッション等のいくつかの従来のクッションに付随する問題は、高圧下において崩壊して、顔面がフレームの縁にさらされることがあることである。これは、患者にとって不快であり、顔面に傷跡又はただれを残すことがある。
【0180】
図55A〜55Dを参照すると、本発明の第1実施形態によるクッション組立体100が、MIRAGE(登録商標)クッションと同様に、シリコーン膜110及びアンダークッション(U/C)120を含む。膜110及びアンダークッション120は、下在クッションフランジ140によって支持される。膜110及びアンダークッション120は、下在クッションフランジ140と共に1部品要素として形成されることが可能である。膜110、アンダークッション120、及び下在クッションフランジ140は、シリコーンで形成されることが可能であり、別々の要素として、又は1部品ユニットとして形成されることが可能である。図には示されていないが、クッションフランジ、膜、及びアンダークッションは、鼻梁領域、頬領域、上唇領域(鼻マスクの場合)、又はあご領域(フルフェイスマスクの場合)によって画定される装着者の顔面の輪郭と整合するように、概ね三角形に成形される。図55Dに示されるように、膜110は、アンダークッション120とほぼ同じ形状であり、アンダークッション120を囲む。
【0181】
クッション組立体100は、膜110とアンダークッション120との間に柔軟要素130を含む。好ましい実施形態では、柔軟要素130は、発泡体インサートである。図55Dを参照すると、柔軟要素130は、膜110とアンダークッション120との間に配置される。柔軟要素130は、アンダークッション120によって支持され、クッション組立体100の初期の柔らかい圧縮を提供する。本発明の第1実施形態による柔軟要素が、図56A〜56Fに示されている。
【0182】
柔軟要素130は、ポリウレタン発泡体等の柔らかい圧縮可能なエラストマから構成されたインサートとすることが可能である。柔軟要素130は、ショアA20の硬さ以下を有する柔らかいシリコーンから構成されることも可能である。柔軟要素130は熱可塑性エラストマとすることも更に可能である。
【0183】
柔軟要素130は、当初小さいばね定数を提示するばねのように作用する。柔軟要素130に加えて、アンダークッション120は、相対的により硬い、又は堅いばね定数の特性を提示する。第1実施形態の各層のそれぞれの役割は、(i)膜110がその外面と使用者の顔面との間で封止する、(ii)柔軟要素130が順応層として作用して膜110がアンダークッション120の上に早期に崩壊するのを防止する、(iii)クッション組立体100のクッションフランジ140が支持層として作用し、膜110が顔面に対して移動可能に動くのを防止して顔面がマスクのフレーム、本体、又はシェルに接触するのを防止し、そうでない場合は封止を損なうように膜110に対して動くのを防止する。
【0184】
柔軟要素130は、クッション組立体100の膜110とアンダーカット120との間の空洞を追跡するように成形される。柔軟要素130の間隔は膜内面115に対するもので、膜110が患者の顔面に接して封止するように外向きに波打つ能力が依然としてある。
【0185】
図57A〜57Cは、MIRAGE(登録商標)クッション(図57B)及びACLAIMクッション(図57C)の機械的特性と比較したクッション組立体100(図57A)の機械的特性を示す。y軸は、相対クッション高さh/hを表す。クッション組立体100が当初の高さhにあるとき、相対クッション高さは1である。クッション組立体100が元の高さの半分に圧縮される場合、相対クッション高さは0.5である。x軸はクッション組立体100に対する圧縮力Fを表す。力Fはマスクシェルと患者の顔面との間において使用されるクッション組立体100に作用する合力としてもよい。
【0186】
図58及び59A〜59Fを参照すると、本発明の第2実施形態によるクッション組立体200が、膜210、柔軟アンダークッション220、柔軟要素230、及び下在クッションフランジ240を含む。膜210及びアンダークッション220は、下在クッションフランジ240を有する1部品ユニットとして形成されることが可能である。下在クッションフランジ240は、下在クッションフランジ240の後縁においてマスクのフレーム又はシェル250に装着可能である。好ましい実施形態では、柔軟要素230は、発泡体インサートである。柔軟要素230は、シリコーンで形成されることも可能である。
【0187】
図60A〜60Cは、それぞれ、本発明の第2実施形態によるクッション組立体200、MIRAGE(登録商標)クッション、及びACLAIMクッションの機械的特性を示す。図60Dは、単一セットの軸上における3つのクッションの比較を示す。y軸は、相対クッション高さh/hを表し、x軸は、クッションに対する圧縮力Fを表す。圧縮力は、クッション組立体に加えられる最大圧縮力のパーセントとして表されている。
【0188】
図60Aを参照すると、膜210にほぼ対応する初期ゾーンにおいて、クッション高さは、最大力の約20%の圧縮力によって、約95%に低減される。クッション組立体200の柔軟要素230に対応する第2ゾーンにおいて、圧縮は、最大力の約60%の圧縮力によって、95%から80%になる。アンダークッション220に対応する第3ゾーンにおいて、最大の100%まで力を増大させることにより、クッション組立体200はわずかにのみ更に圧縮される。
【0189】
図60BはMIRAGE(登録商標)クッションの機械的特性を示す。約75%の圧縮が膜に対応するゾーンにおいて最大力の約50%の力によって達成される。圧縮力を更に増加させることによって、アンダークッションの圧縮に対応してクッションの相対高さはわずかずつ減少する。
【0190】
図60CはACLAIMクッション組立体の機械的特性を示す。初期の約90%までの圧縮は、小さい力で比較的容易に達成される。その後、圧縮力を更に増加させることにより、発泡体は最大力の約30%の力によって大きく圧縮される。最大力の30%より大きい圧縮力を加えることによって、発泡体インサートがマスクシェルに接して完全に圧縮される際に、ACLAIMクッション組立体はごくわずかに圧縮されるか、或いはほとんどまったく圧縮されない。
【0191】
図60Dは1セットの軸の上における3つの前記曲線の比較を示す。
【0192】
図61は、柔軟要素130、230及びアンダークッション120、220をそれぞればねと類比することによって、第1実施形態及び第2実施形態によるクッション組立体100、200の機能を示す図である。柔軟要素130、230のばね定数は、アンダークッション120、220のばね定数より小さい。図61に示されるように、柔軟要素130、230は、クッション組立体に対する圧縮力を当初取り除くために、柔らかいばねとして作用する。柔軟要素130、230は、クッション組立体100、200の柔らかい感触を向上させ、装着者の顔面に対するクッション組立体100、200の快適さを向上させ、これにより、封止を改善して漏れの低減又は排除を行う。
【0193】
クッション組立体100、200に対する圧縮力が増加する際に、より硬いアンダークッション120、220が続いて圧縮を開始する。アンダークッション120、220は装着者の顔面がマスクシェルに接触する可能性を低減又は排除する。
【0194】
図62を参照すると、本発明の第3実施形態によるクッション組立体300が、下在クッションフランジ340から延びる膜310を含む。下在クッションフランジ340は、後端部においてマスクシェル350に装着される。柔軟要素330が膜310と下在クッションフランジ340との間に配置される。この実施形態の柔軟要素330は、第1実施形態及び第2実施形態の柔軟要素より一般に高く又は深い。この実施形態の柔軟要素330は1つの材料で形成される。クッションフランジ340はアンダークッションを含まない。この実施形態では、膜310は、1次封止を達成し、柔軟要素330によって支持され、これにより、様々な位置において圧縮力が分散されてより快適なマスクシステムとなる。
【0195】
柔軟要素330の他の図面が、図63A〜63Bに示されている。この実施形態では、柔軟要素330は異なる特性(力たわみ特性)の複数のセグメント331、332、334、335を含む。柔軟要素330の後側を示す図63Bに示されるように、セグメント333及び334は、マスクの鼻梁領域に配置されることが可能である。セグメント333及び334は、個々の装着者のサイズ及び形状の相違に対応するように、異なるサイズ及び形状、並びに異なるばね定数(すなわち硬さ)とすることが可能である。セグメント331、332、333、334は、個々の装着者のサイズ及び形状の相違に対応するように、異なるサイズ、形状、及びばね定数とすることが可能であることを理解されたい。また、任意の数のセグメントを使用することが可能であることも理解されたい。
【0196】
柔軟要素330は硬質リテーナ355によって支持される。リテーナ355は、クッション組立体300及びマスクの組み立て中に柔軟要素330を保持する。柔軟要素330及びリテーナ355は、共に接合されてサブ組立体として使用されることが可能である。リテーナ355は、エルボリテーナクリップ360を有する延長部を含むことも可能である。エルボリテーナクリップ360は、流れ生成装置から空気を供給するために必要とされる回転エルボ370を保持する。リテーナの他の外観が図64A〜64Eに示されている。
【0197】
図65を参照すると、本発明の第4実施形態によるクッション組立体400が2つ又は3つの層構造を含む。第1層はクッションフランジ440からなる。クッションフランジ440の前面がマスクのシェルと係合するように適合される。第2層はクッションフランジ440に接続された柔軟要素430からなる。柔軟要素430は、クッションの形状を規定し、顔面係合構造を形成する。柔軟要素430は、皮膚460からなる第3層を備えることが可能である。
【0198】
第1層(クッションフランジ440)は、ポリウレタンエラストマ(気泡なし)の硬質層とすることが可能である。第2層(柔軟要素430)は、ウレタン発泡体又は柔らかいシリコーンで形成されることが可能である。第3層(皮膚460)は、シリコーン皮膚で形成されることが可能である。好ましくは、皮膚460は、均一な、或いは負荷又は必要な変形の予測される程度に応じて変化するような0.2から0.6mmの厚さを有する。
【0199】
図66を参照すると、本発明の第5実施形態によるクッション組立体550は、2層又は3層の構造を含む。第1層はクッションフランジ540からなる。クッションフランジ540の前面がマスクのシェルと係合するように適合される。クッションフランジ540は前面から背面に向かって延びる支持部分545を含む。支持部分は柔軟であり、上述されたアンダーカットと同様の方式で作用する。第2層はクッションフランジ540に装着され、且つ支持部分545を囲む柔軟要素530からなる。柔軟要素530は、クッションの形状を規定し、顔面係合構造を形成する。柔軟要素530は皮膚560からなる第3層を備えることが可能である。
【0200】
第1層(クッションフランジ540)は硬質ポリウレタンエラストマ(気泡なし)とすることが可能である。第2層(柔軟要素530)は、ウレタン発泡体又は柔らかいシリコーンで形成されることが可能である。第3層(皮膚560)は、均一な厚さ或いは上述されたように変化する厚さを有するシリコーン皮膚で形成されることが可能である。
【0201】
使用時、柔軟要素530は、装着者の顔面と接触して圧縮力を加えられると圧縮を開始する。圧縮力が増加するにつれ、柔軟要素530は支持部分545に対して完全に圧縮されるまで更に圧縮される。圧縮力を更に加えることにより、支持部分545は圧縮される。したがって、柔軟要素530と支持部分とは、図61に示されるのと同様の方式で2つのばねとして作用する。
【0202】
図67を参照すると、本発明の第6実施形態によるクッション組立体600が、第1層及び第2層を含む。第1層はクッションフランジ640からなる。クッションフランジ640の前面が、マスクのシェルと係合するように適合される。第2層はクッションフランジ640に接続された柔軟要素630からなる。柔軟要素430はクッションの形状を規定し、顔面係合構造を形成する。
【0203】
第1層(クッションフランジ640)は、硬質ポリウレタンエラストマ(気泡なし)とすることが可能である。第2層(柔軟要素630)は発泡体で形成され、比較的低硬質の第1部分631及び比較的高硬質の第2部分632からなる。異なる硬さは、第1部分631及び第2部分632のドットの相対間隔によって示されるように、異なる密度を有する発泡体で柔軟要素を形成することによって達成され得る。柔軟要素630は、密度の変化する単一部品、或いは異なる密度を有する複数部品としても良い。柔軟要素630は2つの異なる硬さ(密度)を有するように図67には示されているが、柔軟要素630は3つ以上の硬さ(密度)を有して形成されても良いことを理解されたい。図67に示されるように、第2部分632は、装着者の顔面がクッションフランジ640に押し付けられるのを防止するために、クッションフランジ640を越えて延びる領域632aを含む。
【0204】
使用時、柔軟要素630の第1部分631は、装着者の顔面と接触して圧縮力を加えられると圧縮を開始する。圧縮力が増加するにつれ、第1部分631は完全に圧縮され、そして、第2部分632は圧縮を開始する。第2部分632が第1部分631より硬質であるので、圧縮力を加えることによるクッション組立体600の相対高さの減少は、第2領域632では第1領域631より小さくなる。
【0205】
図67には示されていないが、クッション組立体600は皮膚等の第3層を備えても良いことを理解されたい。
【0206】
図68及び図69は、本発明の他の実施形態を示す。発泡体クッション700がフレーム705に提供される。フレームはアパーチャ710を含み、該アパーチャ710を介して支持ロッド715が挿入される。アパーチャ710及び支持ロッド715は互いにねじ込まれていても良く、ロッド715のヘッド部分720の位置が両側矢印によって示されるように動くことが可能である。図69に示されるように、フレーム705は、ロッド715が動くことを可能にするためにノブ725を備えていても良い。フレーム705は1つの調節ロッド715のみを含むように示されているが、当然、複数のそのような構成を提供することが可能である。ロッド715の位置を調節することにより、与えられた圧力範囲について、クッションの微細構成を修正することが可能になる。
【0207】
図70〜79は、本発明による発泡体クッションの追加の実施形態の断面図を示す。
【0208】
図70及び71において、発泡体クッション729の内部はばね要素730を含む。ばね要素730に対するクッション材料の量は、患者の顔面に関するクッションの位置に応じて変更することができる。例えば、問題の領域又は鋭敏な封止領域では、ばね要素730がより深くクッションに埋め込まれ、これにより、問題の領域又は鋭敏な領域の封止が、ばね要素があるとすればそれが大きく寄与することをほぼ必要とせずに、クッションのみによって形成されるように、クッションを修正することができる。1つの利点はばね要素730が完全に埋め込まれて見えないことであり、これによって、知覚が簡単になり、患者の治療伸展に作用し得る。
【0209】
図72は、発泡体で形成されたクッション732と、シリコーンで形成されることが好ましくクッション732の内面に提供されるベローズ734を示す。ベローズ734は、患者の顔面に容易に順応することができる。図73は、サポート732の外面上に部材736を有する構成である。
【0210】
図74は、クッション732がクッション732の内部に構成され多室740と連通するチャネル738を備える構成である。チャネル738は、クッションの硬さ特性を変更することができるように、加圧空気、又はゲル等の他の媒体源と連通する。
【0211】
図75A、75B、及び79は、クッションが加圧される際に少なくとも2つのばね定数において提供される様々な断面図を示す。図77及び78では、クッション732は、圧縮中に少なくとも3つのばね定数を含む。図77では、クッション732は、それぞれ異なるばね定数を有する3つの層L1、L2、及びL3を含む。図78は、ヘッド部分747を第1溝748内に圧縮する際の第1ばね定数、中央部分749を第2溝751内に圧縮する際の第2ばね定数、及びベース部分753と係合する際の第3ばね定数を有する。
【0212】
図76は、クッションと患者の顔面との間において、吸引等により封止を維持するように作用することが可能である凹み756を有するクッション732を示す。
【0213】
柔軟要素としての発泡体インサートの1つの利点は、発泡体がシリコーンより圧縮性で優れ、したがって、本発明による発泡体インサートを含むクッション組立体がヘッドギアからの負荷のより良好な分布を達成することである。
【0214】
柔軟要素としてのシリコーンの1つの利点は、シリコーンが、清浄が容易であり、患者との生体適合性の可能性がより高いことである。上述された実施形態の各要素、膜、柔軟要素、及びクッションフランジは、機械式ばねとして作用することに留意されたい。上述された実施形態は、組み合わせて使用されることが可能であり、例えば、第1実施形態及び第2実施形態の柔軟要素は、異なる硬さ(密度)の複数の領域を有することが可能であり、又は、第2実施形態の柔軟要素の個々のセグメントは、異なる硬さ(密度)の複数の領域を有することが可能である。開示された膜、柔軟要素、及びクッションフランジの多くの組合せを使用して、所望の快適さレベルを達成することができる。
【0215】
柔軟要素は、所望の効果を提供するように、一定の密度又は複数の密度の粘弾性発泡体から形成することができる。柔軟要素は、一定の密度又は複数の密度の開放セル発泡体又は閉鎖セル発泡体から形成することもできる。柔軟要素は、皮膚で覆われる、又は覆われないことが可能である。
【0216】
本発明の一実施形態によるクッション組立体を含むマスク組立体は、レスメッドリミテッド(ResMed Limited)によって製造されるULTRA MIRAGE(登録商標)マスクシステムと同様の4ストラップヘッドギアを使用することができる。
【0217】
本発明の一実施形態によるクッション組立体を含むマスク組立体は、内容が相互参照によって本明細書に含まれている前記特許文献2によるヘッドギアクリップを使用することができる。
【0218】
マスクシステムに対する本発明のクッション組立体の1つの利点は、使用者にとって快適さが向上することである。これは、封止を達成するために十分なストラップ張力を必要とする人にとって、力が一様に分布するために可能である。柔軟要素も、使用者が夜間に動く間、膜の形状及び有効な封止を維持するように作用する。
【0219】
本発明のクッション組立体の他の利点は、製造が容易で製造コストが低減されることを含む。また、本発明のクッション組立体は、マスクに取り付けられる前に組み立てることを必要とする3部品クッションであるACLAIMクッション等、従来の技術のクッションより複雑ではない。
【0220】
本発明の他の利点は、柔軟要素により膜のひずみがより少なくなることである。これにより、医師又は臨床医が、より確実な封止でより短い時間においてマスクをはめ込むことが可能になる。
【0221】
本発明の他の利点は、柔軟要素を膜の下に提供することにより、より安定な封止が達成されることである。柔軟要素は、マスクの動きを低減することにより、顔面とクッションとの間の漏れ率についてより小さいばらつきを提供する。これにより、2レベル機械によって提供される治療が改善される。
【0222】
適切な力を提供するために、柔軟要素は、適切な力変位特性を有するべきである。この要件は、要素が、顔面特徴に当初整合するためにたわむように十分柔らかくあるべできあるが、クッションフランジの硬質部分を圧縮することにより、完全に圧縮されて、使用者にとって不快となるべきではないというものである。
【0223】
上述された例のいくつかでは、クッションは、接着剤を使用してフレームに提供されることが可能である。図80に示される他の実施形態では、クッションは、機械的固定具を使用してフレームに提供されることが可能である。図80の例では、マスク組立体900が、本体部分902、及び本体部分902に提供されるクッション904を含む。クッション904は、例えば、連続シリコーン膜908で覆われたネオプレンクッション906を含むことが可能である。柔軟部分910が、上述された理由により、本体部分902の周囲に沿って提供されることが可能である。本体部分902及び膜908は、この例では、単一部品で形成されることが可能である。膜908は、柔軟フレーム910の表面916と係合するために、内部周囲ショルダ912及び外部周囲ショルダ914を含む。外部周囲ショルダ914は、柔軟フレーム910の縁の回りに巻き付けることが可能である。代替として、外部周囲ショルダは、柔軟フレーム910の外縁に対応するように溝を含むと述べることが可能である。同様に、内部周辺ショルダは、柔軟フレーム910の内部周囲に対応するように溝を含むことが可能である。すなわち、部材908は、フレーム910の縁に「スナップオン」する。
【0224】
クッションの縁をフレームにスナップさせることにより、ネオプレンクッションをフレームに接着する必要性が排除されるが、接着は、ネオプレンクッションとシリコーン膜との間において使用されることが可能である。この構成は、組立体の優れた統合性を提供して、すべての部品の間のより確実な接続を提供し、また、ネオプレンクッションと接着に必要なナイロンフレームとの化学的共存可能性に関連するあらゆる問題を排除する。
【0225】
マスク組立体は、過酷な使用によって及ぼされる力に耐え、したがってより優れた確実性及び患者の安全性をもたらすように十分頑強である。膜908は、空気の漏れを低減する封止空気経路を提供する。
【0226】
本発明による柔軟要素において使用されるのに適切な発泡体の緩和曲線が、図81に示される。
【0227】
以下の表は、本発明のすべての実施形態による柔軟要素において使用されるのに適切な発泡体の例示的な特性を列挙する。
【0228】
【表3】

【0229】
以下に見られる定義は、公に利用可能な基準材料から得られたものであり、例示的な特性の上記の表に関して上述されたのと同じ単位の尺度を使用しないことがある。
【0230】
密度は、発泡体の単位体積あたりの重量であり、以下では、立方フィート当たりのポンドで表されるが(pcf)、上記の密度は、g/cmで測定されている。ポリエーテル柔軟ウレタン発泡体の一般的な範囲は、1から4pcfである。この密度は、ラテックスゴム発泡体の場合とは異なり、硬度の尺度ではない。与えられた負荷担持要件について、より密度の大きい発泡体が、一般に、より優れた品質及び性能を与える。
【0231】
圧縮負荷たわみ(CLD)も、負荷担持の尺度であり、一般に、与えられたパーセンテージたわみにおいて平方インチ(約6.45cm)あたりのポンド(約0.45kg)で表される。全サンプルは、この試験において圧縮され、値は、発泡体の厚さに無関係であり、厚さが長さ及び幅の測定値を超えないことを提供する。CLDは、あるタイプの特別な発泡体及びいくつかの半柔軟発泡体の硬度を特定するために使用される。値は、様々な人の年齢又は熱老化の条件下における負荷担持の変化を判定するのにも使用される。
【0232】
くぼみ負荷たわみ(ILD)は、負荷担持の1つの尺度であり、発泡体の与えられたパーセンテージたわみにおいて50平方インチ(約322.5cm)あたりのポンド荷重で表される。この値を得るために、50平方インチ(約322.5cm)の円形プレートが、発泡体の上面に押し込まれ、与えられたたわみにおいて停止して、負荷又はスケールを読み取る。例えば、30の25パーセントILDは、4インチ(約10cm)の厚さの発泡体の部品を3インチ(約7.6cm)の厚さに圧縮するために、30ポンド(約13.6kg)の負荷を必要とすることを意味する。負荷が大きくなると、発泡体は硬くなる。この試験では、発泡体のサンプルサイズは、円形プレートより大きく、スラブ発泡体ではほぼ15インチ×15インチ(約38.1cmx約38.1cm)である。
【0233】
いくつかの仕様が、他のプレート構成及び寸法についてILDを確定する。ILDは、ラテックス発泡体に使用される同じ測定からRMA(ゴム製造業者アソシエーション)(Rubber Manufacturers Association)と呼ばれることもある。柔軟発泡体を特定する提案された実施は、USU(ウレタンスラブコアなし)、USC(ウレタンスラブコアあり)、UMU(ウレタン成形コアなし)、UMC(ウレタン成形コアあり)である。このコードに続く数字は、25パーセントILDを特定し、例えば、USU-30は、30の25パーセントILDを有するコアなしスラブを指す。発泡体の当初の厚さは、特定されなければならないが、その理由は、値が当初の発泡体の厚さによって影響を受けるからである。(BASF(Wyandotte Technical Advisory)、「Effect of Foam Thickness on ILD」を参照されたい)。
【0234】
サグファクタは、65パーセントILD対25パーセントILDの比であり、クッション品質の表示を与える。大きい値は、底付きに対する抵抗を示す。小さいサグファクタを有する発泡体は、しばしば、「底付き」し、低い性能を与える。この数値の他の用語は、SAGファクタ及びSAGモデュラスである。
【0235】
初期硬度ファクタ(IHF)は、25パーセントILD対5パーセントILDの比である。このファクタは、表面の感触を確定する。しなやかな又は柔らかい表面の発泡体は、大きい値を有し、一方、堅い又は硬質の表面は、小さい値を有する。初期硬度ファクタの他の用語は、快適さファクタである。
【0236】
ILDの測定では、値は、25パーセントのたわみ、65パーセントのたわみ、及び負荷が除去される際に再び25パーセントの反射において通常取られる。当初の25パーセントのたわみによって除算された負荷の解放時のこの25パーセントのたわみは、回復であり、パーセンテージとして表される。大きい回復値が、クッションの応用例には望ましいが、一方、小さい回復値が、衝撃吸収の応用例には望ましい。小さい回復の発泡体は、「デッド」と呼ばれることがある。
【0237】
くぼみ残留寸法負荷(IRGL)は、負荷担持の他の尺度であり、与えられた負荷におけるインチとして表される。同じ50平方インチ(約322.5cm)の円形プレートが、ILDについて使用されるが、この場合、プレートは、与えられた負荷で重み付けされる。通常の負荷は、25、50、又は75ポンド(約11.3、約22.7、又は約34kg)である。IRGL値は、インチで表される。発泡体の当初の厚さは、値を有意味にするために既知でなければならない。この尺度は、自動車の発泡体仕様においてしばしば使用される。ILD値とIRGL値との間には、確立された補正はない。
【0238】
ガイドファクタは、25パーセントILD対密度の比である。この項は、異なる密度を有する発泡体の相対硬度を決定するのに有用である。密度がより近くなると、比較はより良好になる。密度が異なるとき、最大ガイドファクタを有する発泡体は、コストは有利であるが、必ずしも性能が優れているとは限らない。ガイドファクタの他の用語は、正規化ILDである。
【0239】
くぼみモデュラス(IM)は、20パーセントILDと40パーセントILDとの限界の間で1パーセントのくぼみを生成するために必要な負荷である。この線の傾きは、座屈に対する発泡体セル壁の耐性に依拠する。
【0240】
弾性は、発泡体の弾性又は弾力性の尺度である。この試験では、スチールボールが発泡体の上に落とされ、跳ね返りが、パーセント弾性として表される。回復と同様に、望ましい値は、応用例に依拠する。非常に柔らかい発泡体では、弾性は、誤りを導くことがあるが、その理由は、発泡体が、ボールの負荷をかけると底付きするからである。これは、発泡体が非常に「よくはずむ」又は弾性的である場合でも、小さい弾性値を与える。ボールの跳ね返りは、この特性の他の用語である。
【0241】
張力強度は、発泡体が引き離される際に発泡体を壊すために必要な張力の量の尺度であり、平方インチ(約6.45cm)あたりのポンド(約0.4536kg)で表される。張力強度は、品質の制御検査として使用することができる。1つの一般的な試験は、熱老化後の張力強度の変化の決定である。
【0242】
伸びは、一般に、張力強度が決定されるのと同時に測定される。これは、発泡体が破壊される前に発泡体を伸張することができる程度の測定であり、当初の長さのパーセンテージとして表される。
【0243】
引裂き強度は、裂け又は破壊が開始された後、発泡体の引裂きを続行するのに必要な力の尺度であり、線形インチあたりのポンド(pli又はより一般的にはpi)で表される。この特性は、材料が縫われる、ステープルで留められる、又は「ホグリング」される応用例について発泡体の適正を判定するのに重要である。
【0244】
圧縮ひずみは、制御された時間及び温度条件下において発泡体が圧縮されて保持された後における、発泡体の変形の尺度である。標準的な条件は、158°Fにおいて22時間である。この試験では、発泡体は、当初の厚さのパーセンテージとして与えられる厚さまで圧縮される。圧縮ひずみは、当初の圧縮のパーセンテージとして表されることが最も一般的である。
【0245】
疲労は、シミュレーションされたサービス条件下における負荷担持の損失の測定であり、一般にパーセンテージ負荷損失として表される。2つの最も一般的な疲労試験は、静的疲労及びローラせん断疲労である。
【0246】
静的疲労試験では、発泡体は、室温において17時間、当初の厚さの25パーセントまで圧縮される。ILD損失が、当初の値のパーセンテージとして計算される。
【0247】
ローラせん断疲労試験では、発泡体の幅より長いローラが、発泡体を横断して往復して回転される。ローラは、せん断行為を付与するように、オフセット位置において取り付けられる。試験は、一定たわみ設定又は一定ローラ重量の使用について異なる。損失が、試験方法において指定されたILD又はIRGLについて計算される。
【0248】
空気の流れは、分あたりの空気の立方フィート(cfm)で表される発泡体の多孔性又は開放性の測定である。空気は、ASTM手続きにおいて指定されるように真空によって発泡体を経て引き出すことができ、又は、BASF(Wyandotte Technical Advisory)、「BWC Portable Air Flow Apparatus」及び「BWC Portable Air Flor Apparatus-Improved Model」に記載されている装置を使用して吹き出させることができる。
【0249】
多くの他の発泡体の特性及び試験手続きが存在する。これらの多くは、特定の最終的な使用法を考慮して開発された。試験方法の用語及び記述の他の定義は、特定の発泡体仕様シートのASTM標準的方法D-1564及びD-2406に見ることができる。
【0250】
本発明は、最も実用的で好ましい実施形態であると現在見なされているものに関して記述されたが、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではなく、対照的に、本発明の精神及び範囲内に含まれる様々な修正及び相当な構成を網羅することを意図していることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0251】
【図1】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図5A】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図5B】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図5C】微細調節可能性及び迅速解放能力を有する本発明の代替実施形態を示す図である。
【図5D】微細調節可能性及び迅速解放能力を有する本発明の代替実施形態を示す図である。
【図5E】微細調節可能性及び迅速解放能力を有する本発明の代替実施形態を示す図である。
【図5F】微細調節可能性及び迅速解放能力を有する本発明の代替実施形態を示す図である。
【図5G】微細調節可能性及び迅速解放能力を有する本発明の代替実施形態を示す図である。
【図5H】微細調節可能性及び迅速解放能力を有する本発明の代替実施形態を示す図である。
【図6】患者に供給される空気圧に従ってストラップの張力を変化させる機構及び原理を概略的に示す図である。
【図7】患者に供給される空気圧に従ってストラップの張力を変化させる機構及び原理を概略的に示す図である。
【図8】患者に供給される空気圧に従ってストラップの張力を変化させる機構及び原理を概略的に示す図である。
【図9】患者に供給される空気圧に従ってストラップの張力を変化させる機構及び原理を概略的に示す図である。
【図10】患者に供給される空気圧に従ってストラップの張力を変化させる機構及び原理を概略的に示す図である。
【図11】患者に供給される空気圧に従ってストラップの張力を変化させる機構及び原理を概略的に示す図である。
【図12】患者に供給される空気圧に従ってストラップの張力を変化させる機構及び原理を概略的に示す図である。
【図13】患者に供給される空気圧に従ってストラップの張力を変化させる機構及び原理を概略的に示す図である。
【図14A】患者に供給される空気圧に従ってストラップの張力を変化させる機構及び原理を概略的に示す図である。
【図14B】患者に供給される空気圧に従ってストラップの張力を変化させる機構及び原理を概略的に示す図である。
【図15】患者に供給される空気圧に従ってストラップの張力を変化させる機構及び原理を概略的に示す図である。
【図15A】患者に供給される空気圧に従ってストラップの張力を変化させる機構及び原理を概略的に示す図である。
【図16】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図17】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図18】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図19】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図20】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図21】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図22】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図23】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図24】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図25】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図26】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図27】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図28】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図29】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図30】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図31】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図32】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図33A】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図33B】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図34】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図35】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図36】患者の鼻の側面を効果的に封止することができる本発明の実施形態を示す図である。
【図36A】患者の鼻の側面を効果的に封止することができる本発明の実施形態を示す図である。
【図37】患者の鼻の側面を効果的に封止することができる本発明の実施形態を示す図である。
【図38】患者の鼻の側面を効果的に封止することができる本発明の実施形態を示す図である。
【図39】患者の鼻の側面を効果的に封止することができる本発明の実施形態を示す図である。
【図40】患者の鼻の側面を効果的に封止することができる本発明の実施形態を示す図である。
【図40A】患者の鼻の側面を効果的に封止することができる本発明の実施形態を示す図である。
【図40B】患者の鼻の側面を効果的に封止することができる本発明の実施形態を示す図である。
【図41】患者の鼻の側面に沿った封止の改善を可能にするフレームクッション示す本発明の代替実施形態を示す図である。
【図42A】患者の鼻の側面に沿った封止の改善を可能にするフレームクッション示す本発明の代替実施形態を示す図である。
【図42B】患者の鼻の側面に沿った封止の改善を可能にするフレームクッション示す本発明の代替実施形態を示す図である。
【図43A】患者の鼻の側面に沿った封止の改善を可能にするフレームクッション示す本発明の代替実施形態を示す図である。
【図43B】患者の鼻の側面に沿った封止の改善を可能にするフレームクッション示す本発明の代替実施形態を示す図である。
【図44A】患者の鼻の側面に沿った封止の改善を可能にするフレームクッション示す本発明の代替実施形態を示す図である。
【図44B】患者の鼻の側面に沿った封止の改善を可能にするフレームクッション示す本発明の代替実施形態を示す図である。
【図44C】患者の鼻の側面に沿った封止の改善を可能にするフレームクッション示す本発明の代替実施形態を示す図である。
【図45】患者の鼻の側面に沿った封止の改善を可能にするフレームクッション示す本発明の代替実施形態を示す図である。
【図45A】患者の鼻の側面に沿った封止の改善を可能にするフレームクッション示す本発明の代替実施形態を示す図である。
【図45B】患者の鼻の側面に沿った封止の改善を可能にするフレームクッション示す本発明の代替実施形態を示す図である。
【図46A】患者の鼻の側面に沿った封止の改善を可能にするフレームクッション示す本発明の代替実施形態を示す図である。
【図46B】患者の鼻の側面に沿った封止の改善を可能にするフレームクッション示す本発明の代替実施形態を示す図である。
【図47】患者の鼻の側面に沿った封止の改善を可能にするフレームクッション示す本発明の代替実施形態を示す図である。
【図48】患者の鼻の側面に沿った封止の改善を可能にするフレームクッション示す本発明の代替実施形態を示す図である。
【図49】患者の鼻の側面に沿った封止の改善を可能にするフレームクッション示す本発明の代替実施形態を示す図である。
【図50】患者の鼻の側面に沿った封止の改善を可能にするフレームクッション示す本発明の代替実施形態を示す図である。
【図51】患者の鼻の側面に沿った封止の改善を可能にするフレームクッション示す本発明の代替実施形態を示す図である。
【図52】患者の鼻の側面に沿った封止の改善を可能にするフレームクッション示す本発明の代替実施形態を示す図である。
【図53】患者の鼻の側面に沿った封止の改善を可能にするフレームクッション示す本発明の代替実施形態を示す図である。
【図53A】クッションを支持するためにフィンガが提供されるフレームの他の実施形態を示す図である。
【図53B】クッションを支持するためにフィンガが提供されるフレームの他の実施形態を示す図である。
【図53C】クッションを支持するためにフィンガが提供されるフレームの他の実施形態を示す図である。
【図53D】クッションを支持するためにフィンガが提供されるフレームの他の実施形態を示す図である。
【図53E】クッションを支持するためにフィンガが提供されるフレームの他の実施形態を示す図である。
【図53F】クッションを支持するためにフィンガが提供されるフレームの他の実施形態を示す図である。
【図53G】クッションを支持するためにフィンガが提供されるフレームの他の実施形態を示す図である。
【図53H】フレームがパッドを含む本発明の追加の実施形態を示す図である。
【図53I】本発明の他の実施形態の分解透視図である。
【図53J】フレームが膨張可能クッションを支持する本発明の他の実施形態を示す図である。
【図53K】フレームが膨張可能クッションを支持する本発明の他の実施形態を示す図である。
【図53L】フレームが膨張可能クッションを支持する本発明の他の実施形態を示す図である。
【図53M】フレームが膨張可能クッションを支持する本発明の他の実施形態を示す図である。
【図53N】フレームが膨張可能クッションを支持する本発明の他の実施形態を示す図である。
【図53O】フレームが膨張可能クッションを支持する本発明の他の実施形態を示す図である。
【図53P】フレームが膨張可能クッションを支持する本発明の他の実施形態を示す図である。
【図54A】従来の技術のACLAIMクッションの背面図を分解図で示す図である。
【図54B】従来の技術のACLAIMクッションの側面図を分解図で示す図である。
【図54C】従来の技術のACLAIMクッションの底面図を分解図で示す図である。
【図54D】図54A〜54Cの従来の技術のACLAIMクッションの断面図である。
【図55A】本発明の第1実施形態によるクッション組立体の背面図である。
【図55B】本発明の第1実施形態によるクッション組立体の底面図である。
【図55C】本発明の第1実施形態によるクッション組立体の側面図である。
【図55D】第1実施形態によるクッション組立体の断面図である。
【図56A】第1実施形態によるクッション組立体の柔軟要素の背面図である。
【図56B】第1実施形態によるクッション組立体の柔軟要素の上面図である。
【図56C】第1実施形態によるクッション組立体の柔軟要素の底面図である。
【図56D】第1実施形態によるクッション組立体の柔軟要素の側面透視図である。
【図56E】第1実施形態によるクッション組立体の柔軟要素の背面透視図である。
【図56F】第1実施形態によるクッション組立体の柔軟要素の前面透視図である。
【図57A】第1実施形態によるクッション組立体の機械的特性を示すグラフである。
【図57B】MIRAGE(登録商標)クッションの機械的特性を示すグラフである。
【図57C】ACLAIMクッションの機械的特性を示すグラフである。
【図58】本発明の第2実施形態によるクッション組立体の断面図である。
【図59A】第2実施形態によるクッション組立体の柔軟要素の前面図である。
【図59B】第2実施形態によるクッション組立体の柔軟要素の背面図である。
【図59C】第2実施形態によるクッション組立体の柔軟要素の側面図である。
【図59D】第2実施形態によるクッション組立体の柔軟要素の前面透視図である。
【図59E】第2実施形態によるクッション組立体の柔軟要素の背面透視図である。
【図60A】第2実施形態によるクッション組立体の機械的特性を示すグラフである。
【図60B】MIRAGE(登録商標)クッションの機械的特性を示すグラフである。
【図60C】ACLAIMクッションの機械的特性を示すグラフである。
【図60D】3つのクッションの機械的特性の比較を示すグラフである。
【図61】圧縮力下における第1実施形態及び第2実施形態によるクッション組立体の動作を示すグラフである。
【図62】本発明の第3実施形態によるクッション組立体の透視図である。
【図63A】第3実施形態によるクッション組立体の柔軟要素の前面図である。
【図63B】第3実施形態によるクッション組立体の柔軟要素の背面図である。
【図63C】第3実施形態によるクッション組立体の柔軟要素の側面図である。
【図63D】第3実施形態によるクッション組立体の柔軟要素の前面透視図である。
【図63E】第3実施形態によるクッション組立体の柔軟要素の背面透視図である。
【図64A】第3実施形態によるクッション組立体のリテーナの前面図である。
【図64B】第3実施形態によるクッション組立体のリテーナの背面図である。
【図64C】第3実施形態によるクッション組立体のリテーナの側面図である。
【図64D】第3実施形態によるクッション組立体のリテーナの前面透視図である。
【図64E】第3実施形態によるクッション組立体のリテーナの背面透視図である。
【図65】本発明の第4実施形態によるクッション組立体の断面図である。
【図66】本発明の第5実施形態によるクッション組立体の断面図である。
【図67】本発明の第6実施形態によるクッション組立体の断面図である。
【図68】クッションの剛性を選択的に変化させることができる本発明の実施形態を示す図である。
【図69】クッションの剛性を選択的に変化させることができる本発明の実施形態を示す図である。
【図70】本発明によるクッションの他の実施形態を示す図である。
【図71】本発明によるクッションの他の実施形態を示す図である。
【図72】本発明によるクッションの他の実施形態を示す図である。
【図73】本発明によるクッションの他の実施形態を示す図である。
【図74】本発明によるクッションの他の実施形態を示す図である。
【図75A】本発明によるクッションの他の実施形態を示す図である。
【図75B】本発明によるクッションの他の実施形態を示す図である。
【図76】本発明によるクッションの他の実施形態を示す図である。
【図77】本発明によるクッションの他の実施形態を示す図である。
【図78】本発明によるクッションの他の実施形態を示す図である。
【図79】本発明によるクッションの他の実施形態を示す図である。
【図80】本発明の他の実施形態の断面図である。
【図81】本発明のすべての実施形態による柔軟要素として使用されるのに適切な発泡体の緩和曲線を示す図である。
【符号の説明】
【0252】
10 マスク組立体、膜
15、412、510、800 マスク組立体
20 ヘッドギア組立体
25 矢状ストラップ、ヘッドストラップ
30 水平ストラップ、発泡体リム
31 端部
35 冠状ストラップ
50 前頭部、シェル
51 チャネル
52 内壁
55 前端部
60 つまみ及び溝機構
70 フレーム組立体
75、172、663、732、904 クッション
80 クッションサポート
82 横部分
85 エルボ
86 迅速解放コネクタ
90 カンチレバー延長部
91 アパーチャ
95 シャーシ
96、97 横部分
100 交差部材、クッション組立体
105 ねじ込み部分
110 ナット、シリコーン膜
115 複数のフィンガ部分
120 アパーチャ、アンダークッション
125 交差バー
130 交差バー、柔軟要素
135 仮想線
140 仮想線、下在クッションフランジ
145 ラビオラス
147 2つの側面
150 シリコーン管、ひだなし端部
155 プレート
160 剛性ロッド
170、436、705 フレーム
171 1つ又は複数のヘッドギア接続点
173 膨張可能ブラダ
175 反りストラップ
176 調節機構
180 複数のストラップ
185、448 ナット
190 調節ねじ
191 1対のラック
193 遠位端部
194 カム形表面
195 ウエッジ
196 仮想軸、突出部
197 上面
200 アパーチャ、クション組立体
210 鉄リング、膜
215、520 コネクタ
220 第1鉄リング、柔軟アンダークッション
225 第2鉄リング
230 スイベル部材、柔軟要素
235 磁気リング
240 ベース部材、下在クッションフランジ
245、310、736 膜
250 ねじ込み部分、マスクフレーム又はシェル
255 ディスク部分
260 ノブ、横スロット
265 縦スロット
270 追加の前部スロット
271 延長部
272 直立部材
273 底部縁
274 軸受
275 下方本体部分
280、307、748 溝
285 内壁部材
290 部分的ねじ込み部分
295 チャネル
300 柔軟部材
305 側翼部分
306 つまみ
311 ヒンジ
312 複数の穴
313 フランジ
330 柔軟要素
331、332、333、334、335 セグメント
340 下在クッションフランジ
350 マスクシェル
355 剛性リテーナ
360 エルボリテーナクリップ
370 回転エルボ
400、500 クッション組立体
410 マスク及びヘッドギア組立体
414 ヘッドギア
416 後頭空気ピロー
418 マスク本体組立体
420 顔面接触部分
422 本体部分
424 ノッチ
426 ライズ
428 第2ノッチ
430 第2ライズ、柔軟要素
431 第3ノッチ
438 ベース
440 側方部、クッションフランジ
442 頂点部分
444 ブラケット
450 アーム
452 ストラップ組立体
456 後頭下ストラップ
458 冠状ストラップ
460 1対の耳覆い、皮膚
462 空気送達導管
464 管
468 バレルナット又はサムホイール
470 旋回コネクタ
512 半剛性マスクシャーシ
514 クッション/2次フレーム
516 クッション部分
518 第2フレーム部分
522 フランジ
524 接続部材
526 受け穴
528 突出部
530 調節ホイール、柔軟要素
532 接続リセプタクル
534 ヘッドギア
536 中央アパーチャ
540 上部縁、クッションフランジ
542 調節ホイール保持部分
544 ねじ込み穴
545 支持部分
548 使用者回転可能ヘッド
550、560 皮膚
600 フレーム、クッション組立体
601 上部部分
605 1対の横部材
610 コネクタインターフェース
615 アパーチャ
616、916 表面
617 側壁、スロット
620 1対のフィン
625 1つ又は複数の穴
630 弱さ、柔軟要素
631 第1部分
632 第2部分
632a 領域
640 フレーム、クッションフランジ
645 パッド
650 底部部分
655 クリップ
656、820 ストラップ
660 側面
661 第1フレーム部材
662 第2フレーム部材
664 主要開口
665 複数の第1穴
666 複数の第2穴
667 突出部
668 複数のペッグ
669 第1端部
670 第2端部
700 発泡体クッション
710 アパーチャ
715 支持ロッド
720 ヘッド部分
725 ノブ
729 発泡体クッション
730 ばね要素
734 ベローズ
738 チャネル
740 室
747 圧縮ヘッド部分
749 圧縮中央部分
751 第2溝
753 ベース部分
756 凹み
800 マスクフレーム
805 エルボ
810 窒息防止バルブ
815 迅速解放クランプ
820A、820B 1対のストラップ端部
821 スロット
822 リベット
825 調節組立体
830 角柱
835 ストラップ受けスロット
836 上方部分
837 下方部分
840 開口
841、842 スロット及びピン構成
845 ねじ込みねじ
850 第1ギア部分
855 第2ギア部分
860 円筒ノブ
902 本体部分
906 ネオプレンクッション
908 連続シリコーン膜
910 柔軟フレーム
912 内部周囲ショルダ
914 外部周囲ショルダ
C1 第1コネクタ部分
C2 第2コネクタ部分
LS 下方ストラップ
US 上方ストラップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正圧人工呼吸のためのマスク組立体であって、
患者の顔面の少なくとも一部と封止的に係合するように構成且つ配置され、患者に加圧呼吸可能気体を提供するマスク本体組立体と、
マスククッションに接続され、ストラップ装着機構の係合部を受ける1つ又は複数の受け構造を有するマスクフレームと、
ヘッドギア組立体と、
を備え、
前記ヘッドギア組立体は、それぞれが前記マスクフレームの前記受け構造と係合するように構成且つ配置される前記ストラップ装着機構を有する1つ又は複数のストラップと、
前記患者に供給される前記呼吸可能気体の圧力に従って前記1つ又は複数のストラップの張力を自動的に調節するために前記1つ又は複数のストラップに結合される動的引張要素と、
を備えてなることを特徴とするマスク組立体。
【請求項2】
前記1つ又は複数のストラップが実質的に伸張不能であることを特徴とする請求項1に記載のマスク組立体。
【請求項3】
前記動的引張要素が、前記1つ又は複数のストラップに結合される後頭空気ピロー又はラビオラス等の膨張可能袋であることを特徴とする請求項1及び2のいずれか一項に記載のマスク組立体。
【請求項4】
前記膨張可能袋が、前記マスク組立体に供給される前記加圧呼吸可能気体の一部によって膨張されることを特徴とする請求項3に記載のマスク組立体。
【請求項5】
前記膨張可能袋の圧力が、前記患者に供給される前記呼吸可能気体の圧力増加と共に増加することを特徴とする請求項3又は4のいずれか一項に記載のマスク組立体。
【請求項6】
2つの端部を有する導管を更に備え、第1端部が呼吸可能気体導管と係合するように構成され、第2端部が前記膨張可能袋と係合するように構成され、該導管が流体連通することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載のマスク組立体。
【請求項7】
非侵襲性正圧人工呼吸マスクのストラップ張力を制御する方法であって、
動的引張要素を前記マスクの前記ストラップに結合する段階と、
前記患者に供給される前記呼吸可能気体の圧力増加と共に前記動的引張要素に前記ストラップの前記張力を自動的に増加させる段階と、
を備えてなることを特徴とするストラップ張力を制御する方法。
【請求項8】
前記動的引張要素が、後頭空気ピロー又はラビオラス等の膨張可能袋であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記動的引張要素に前記ストラップの前記張力を自動的に増加させる段階は、前記患者に供給される前記呼吸可能気体の圧力増加と共に前記膨張可能袋を自動的に膨張させることを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
正圧人工呼吸マスクに接続されるように構成且つ配置される実質的に伸張不能なヘッドギア組立体であって、
1つ又は複数の実質的に伸張不能なストラップと、
前記1つ又は複数のストラップと力伝達関係にある後頭空気ピロー又はラビオラス等の膨張可能袋と、
を備えてなることを特徴とするヘッドギア組立体。
【請求項11】
非侵襲性正圧人工呼吸のためのマスク組立体において、
柔軟ベース及び頂点部分によって接続される実質的に硬質な側方部を有するマスクフレームと、
前記マスクフレームに係合されて該マスクフレームに対して移動可能なマスク本体組立体と、
前記マスクフレームに取外し可能に接続されるように構成且つ配置されるヘッドギアであって、力伝達関係にある動的引張要素を有し、前記動的引張要素が当該マスク組立体の使用時に該ヘッドギアの張力を自動的に調節するように構成及び適合されているヘッドギアと、
を備えてなることを特徴とするマスク組立体。
【請求項12】
前記動的引張要素が、後頭空気ピロー又はラビオラス等の膨張可能袋であることを特徴とする請求項11に記載のマスク組立体。
【請求項13】
患者の顔面に配置されるように適合される非侵襲性正圧人工呼吸のためのマスク組立体であって、
柔軟ベース部分及び頂点部分によって接続される実質的に硬質の側方部を有し、前記頂点部分及びベース部分が縦軸を規定するマスクフレームと、
前記マスクフレームに係合されるマスク本体組立体と、
前記マスク本体に係合されるマスククッションと、
患者の頭の側面にそって操作式に位置するように構成且つ配置される少なくとも1つのストラップを含むヘッドギアと、
を備えてなり、
前記マスクフレームが、前記縦軸の回りにおける前記患者の顔面の周囲に弾性的に屈曲して前記患者の顔面の形状に対応可能であると共に前記少なくとも1つのストラップに固定され得ることを特徴とするマスク組立体。
【請求項14】
患者の顔面に対して封止的にマスクを保持する方法であって、
後頭空気ピローを頭及び/又は首の一部に接して配置する段階と、
ストラップに前記後頭空気ピローの上を通過させて前記ストラップが前記マスクに装着されるように前方に進行させる段階と、
前記後頭空気ピローを、マスク圧力Pmaskのアフィン関数である圧力Pbladder
bladder=P+Amaskmask
で膨張させる段階と、を備えてなり、
上式で、Pは前記マスクが意図した最低の使用圧力において封止するのに十分な正圧であり、Amaskは、前記後頭空気ピローと前記ストラップの後部との後方向の接触面積と、前記後頭空気ピローと前記後頭部との前方向の接触面積と、のいずれか小さい方の面積であることを特徴とするマスクを保持する方法。
【請求項15】
前記後頭空気ピローをマスク圧力のアフィン関数である圧力で膨張させる前記段階が、
圧力変換器でマスク圧力を測定し、該マスク圧力に比例する信号を生成する段階と、
調節可能な増幅及びオフセットを有する増幅器に前記信号を与える段階と、
前記増幅器の出力を電圧制御可能圧力源に与える段階と、
前記後頭空気ピローを前記圧力源からの気体で膨張させる段階と、
最低必要圧力において前記マスクが封止するように前記オフセットを調節する段階と、
最高必要圧力において前記マスクが封止するように前記増幅を調節する段階と、
を含むことを特徴とする請求項14に記載のマスクを保持する方法。
【請求項16】
前記圧力変換器からの前記信号VptがVpt=Kptmaskであり、前記制御可能圧力源が圧力P=Kを生成し、前記マスクと前記顔面との前記接触面積の後方向における投影がAmaskであり、前記ストラップと前記後頭空気ピローの前面との前記接触面積の後方向における投影がAbladderであり、ゼロの圧力において封止を生成するために必要な力がFであり、したがって、前記増幅器が出力電圧:
out=F/Abladder+Amask/Abladderc/Kptin
を生成することを特徴とする請求項14又は15のいずれか一項に記載のマスクを保持する方法。
【請求項17】
マスク圧力のアフィン関数である圧力で前記後頭空気ピローを膨張させる前記段階が、
第1ピストンを含む第1シリンダに第1ホースを介して前記マスクを接続し、前記第1ピストンが連結を介して第2シリンダの第2ピストンに接続され、前記第2シリンダが第2ホースを介して前記後頭空気ピローに接続される段階と、前記後頭空気ピローを十分に膨張させるように前記連結を偏向させることで、意図した最低の使用圧力において前記マスクを封止させる段階と、
を含むことを特徴とする請求項14乃至16のいずれか一項に記載のマスクを保持する方法。
【請求項18】
患者の顔面に接して封止的にマスクを保持する装置であって、
頭の後部から前記マスクに向かって進行し、意図した最低の使用圧力において前記マスクを前記顔面に接して封止的に保持するように十分に締め付ける伸張可能ストラップの第1セットと、
再び頭の後部から前記マスクに向かって進行し前記第1セットの上に位置する伸張可能ストラップの第2セットと、
前記第1セットと前記第2セットとの間において頭の後部に配置され、前記マスクの空気と空気連通する膨張可能後頭空気ピローと、
を備えてなることを特徴とするマスクを保持する装置。
【請求項19】
非侵襲性正圧人工呼吸を患者に適用するためのマスク組立体において、
加圧された呼吸可能気体の供給を受けるように構成された少なくとも1つのアパーチャを有する主本体を含むフレームであって、前記主本体に提供される少なくとも1つの選択フレーム部分を含み、前記選択フレーム部分が前記主本体に対して調節可能であるフレームと、
前記フレームに提供されるクッションであって、前記患者とのインターフェースを提供するように構成され、該クッションが正圧を加える際に力を前記患者に加え、前記力が、1)前記正圧の与えられた値について前記主本体に対する前記選択フレーム部分の位置、及び/又は、2)前記正圧の変化、に従って調節可能であるクッションと、
を備えてなることを特徴とするマスク組立体。
【請求項20】
前記フレーム部分に提供される少なくとも1つのヘッドギア接続部を更に備え、前記フレーム部分がヘッドギアストラップの張力の変化に従って移動可能であり、これにより、使用時に前記患者の鼻及び/又は顔面の側面に加えられる力を調節することを特徴とする請求項19に記載のマスク組立体。
【請求項21】
前記フレームが、前記主本体と前記選択フレーム部分との相対位置を変化させるように操作可能である少なくとも1つ、及び好ましくは複数の離間ノブを有する調節機構を含むことを特徴とする請求項19に記載のマスク組立体。
【請求項22】
前記選択フレーム部分が、前記クッションを支持する柔軟部材を含むことを特徴とする請求項19に記載のマスク組立体。
【請求項23】
前記主本体及び前記選択フレーム部分が、互いに結合される2つの別々の部分に形成されていることを特徴とする請求項19に記載のマスク組立体。
【請求項24】
前記主本体及び前記選択フレーム部分が、カム機構によって可動に構成されていることを特徴とする請求項19に記載のマスク組立体。
【請求項25】
前記クッションが少なくとも1つの膨張可能要素を内部に含み、前記患者に対して有効な硬さ及び/又は有効な装着を調節していることを特徴とする請求項19に記載のマスク組立体。
【請求項26】
前記膨張可能要素が、前記クッションの鼻梁領域のサイズを選択的に調節するように形成されていることを特徴とする請求項25に記載のマスク組立体。
【請求項27】
前記選択フレーム部分が、柔軟材料で形成された前記フレームの各側面を含むことを特徴とする請求項19に記載のマスク組立体。
【請求項28】
前記クッションが、前記クッションの複数の剛性率を前記力の変化に伴い提供する少なくとも1つの要素を含むことを特徴とする請求項19に記載のマスク組立体。
【請求項30】
睡眠障害呼吸の治療に使用されるマスクのクッション組立体において、
比較的硬質材料のクッションフランジであって、前記マスクの本体に接続されるように構成される前面及び該前面に対向する背面を有するクッションフランジと、
前記クッションフランジに接続され、前記背面に向かって延び、第1の剛性を有するアンダークッションと、
前記クッションフランジに接続されて前記背面に向かって延びる膜であって、前記アンダークッションの形状と概ね整合しつつ前記アンダークッションを囲む形状を有し、前記第1の剛性より小さい第2の剛性を有し、装着者の顔面と係合し、その係合時に前記マスクと前記装着者の顔面との間の隙間を封止するように形成される膜と、
前記アンダークッションと前記膜との間に配置され、前記第2の剛性より大きく且つ前記第1の剛性より小さい少なくとも第3の剛性を有する柔軟要素と、
を備えてなることを特徴とするクッション組立体。
【請求項31】
前記柔軟要素が複数のセグメントで形成されていることを特徴とする請求項30に記載のクッション組立体。
【請求項32】
前記柔軟要素が発泡体で形成され、且つ前記柔軟要素がシリコーンで形成されていることを特徴とする請求項30又は31のいずれか一項に記載のクッション組立体。
【請求項33】
睡眠障害呼吸の治療に使用されるマスクのクッション組立体において、
比較的硬質材料のクッションフランジであって、前記マスクの本体に接続されるように適合される前面と該前面に対向する背面とを有するクッションフランジと、
前記クッションフランジに接続されて前記背面に向かって延びる膜であって、第1の剛性を有し、装着者の顔面と係合しつつその係合時に前記マスクと前記装着者の顔面との間に封止を形成するように適合される膜と、
前記膜と前記クッションフランジとの間に配置され、前記第1の剛性より大きい少なくとも第2の剛性を有する柔軟要素と、
前記柔軟要素をサポートして係合するリテーナであって、前記柔軟要素が前記クッションフランジと該リテーナとの間に配置されているリテーナと、
を備えてなることを特徴とするクッション組立体。
【請求項34】
睡眠障害呼吸の治療に使用されるマスクのクッション組立体において、
前記マスクの本体に接続されるように適合される前面と前記前面に対向する背面とを有する第1の層と、
前記第1の層に接続されて前記第1の層の前面から背面に向かって延びる第2の層であって、クッションの形状を規定し、装着者の顔面と係合しつつその係合時に前記マスクと前記装着者の顔面との間において封止を形成し、当該クッション組立体に力を加えると圧縮するように適合される第2層と、
を備えてなることを特徴とするクッション組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図15A】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図41】
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【図45】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図57A】
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【図57B】
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【図57C】
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【図58】
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【図60A】
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【図60B】
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【図60C】
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【図60D】
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【図61】
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【図62】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【図80】
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【図81】
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【公表番号】特表2006−505373(P2006−505373A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−502078(P2005−502078)
【出願日】平成15年11月6日(2003.11.6)
【国際出願番号】PCT/AU2003/001471
【国際公開番号】WO2004/041342
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(500046450)レスメド リミテッド (192)