説明

マスク取付装置

帯紐(108)により使用者の顔面の密封位置にマスク(102)を保持し、マスク(102)とマスク取付組立体(104)とを患者界面装置(100)に設けて、少なくとも1つの帯紐(108)を患者界面装置(100)に接続するのに使用するマスク取付装置(10)。マスク(102)から延伸する係止要素(12)をマスク取付装置(10)に設け、軸部(14)と軸部(14)の直径より大きい直径を有するフランジ(16)とを係止要素(12)に設ける。把持要素アーム(20)及び留め具(28)を把持要素(18)に設ける。把持要素アーム(20)の第2の端部(24)は、第2の端部(24)を貫通する開口部(26)を有する。マスク取付組立体(104)の帯紐(108)を接続する留め具(28)は、把持要素アーム(20)の第1の端部(22)に取り付けられる。フランジ(16)を乗り越えて把持要素アーム(20)の開口部(26)を係止要素(12)の軸部(14)に隣接して係合し、係止要素(12)に把持要素(18)を係止する。

【発明の詳細な説明】
【優先権主張】
【0001】
本願は、米国特許法第119条(e)の規定により、2005年8月2日に出願された米国仮出願第60/704,688号の利益を主張し、参照することにより米国仮出願の内容を本明細書の一部とする。
【技術分野】
【0002】
本発明は、要約すると、例えば、使用者の顔面の密封位置にマスクを保持する帯紐(ストラップ)をヘッドギア等のマスク取付組立体に設け、呼吸マスク等の患者界面装置と、マスク取付組立体とを組み合わせて使用する構造体及び組立体に関する。特に、本発明は、呼吸マスクに接続されるマスク取付装置に関連し、このマスク取付装置は、着脱可能な留め具(バックル)と係止要素となるボタン要素(突起部材)の周りで連続的に回転できる把持要素(クリップ部材)とを備え、患者(被験者又は使用者)の利便性、使用容易性、調整容易性、取り外し容易性及び快適性を向上することができる。
【背景技術】
【0003】
医療機器を使用して、医療疾患を治療すること又は患者の状態を診断、治療若しくは監視することは、周知である。例えば、研究室又は何らかの他の環境で患者を監視して、種々の睡眠障害を治療することができる。前記睡眠障害の1つは、睡眠時無呼吸症である。閉塞性睡眠時無呼吸症は、睡眠中に上気道が圧潰される特徴があるのに対し、中枢性睡眠時無呼吸症は、全呼吸運動が一時停止する特徴がある。閉塞性睡眠時無呼吸症と中枢性睡眠時無呼吸症との合併症は、混合性無呼吸症と称する病状となる。
【0004】
前記医療疾患を診断しかつ/又は治療するには、有効に診断できかつ治療法を処方できる種々の設備と装置が必要である。また、患者に挿管せず又は外科的に気管切開管を患者の気管内に挿入せずに、非侵襲的に患者の気道に呼吸用気体を供給することが必要かつ望ましい状況は多く存在する。例えば、非侵襲的換気法として知られる技術を使用して、患者に気体を供給する方法は、公知である。患者の呼吸周期又は患者の監視状態に伴って変化する持続的気道陽圧(CPAP)又は可変気道圧を供給して、特に、閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)、鬱血性心不全、脳卒中、チェーンストークス呼吸症等の睡眠時無呼吸症候群等の医療疾患を治療することも公知である。通常鼻マスク又は鼻/口マスク等の患者界面装置を患者の顔面に装着し、患者の気道に人工呼吸器又は圧力支援装置を連結して、圧力/流れ発生装置から患者の気道に呼吸気体流を供給する非侵襲的換気法及び圧力支援治療法が実施される。
【0005】
肺疾患又は閉塞性睡眠時無呼吸症等の呼吸疾患を患う患者は、持続気道陽圧(CPAP)装置等の圧力支援装置による治療を受けることが多い。持続気道陽圧装置は、患者の呼吸周期間に患者の気道に流体流を送出して、流体の加圧力で気道を強制的に「開放状態に保持(splint)」して、睡眠中の気道圧潰を防止することができる。他の治療法では、患者の気道に送出する空気圧力を変化させ又は空気圧力を患者の呼吸周期に同期させて治療効果を最大にすると共に、患者の呼吸を快適にする2段階(bi-level)陽圧治療が患者に処方される。患者の呼気段階間及びその後の吸気段階間に低圧力の呼吸気体を患者に送出する「2段階」圧力支援も圧力支援装置により実施できる。
【0006】
患者が鼾をかいているか又は無呼吸、呼吸低下又は上気道抵抗症を体験しているか否か等の患者の検出状態に基づき、患者に与える呼吸用気体圧力を変化させる自動滴定(タイトレーション)陽圧治療を施すことも公知である。自動滴定陽圧治療装置は、患者が鼾をかいているか否かに基づき、患者に供給する圧力を調整する。例えば、圧力支援装置は、患者の気道内の圧力を積極的に検査して、完全気道閉塞又は部分気道閉塞が発生する可能性を決定し、圧力支援装置から出力する圧力を調整して、気道閉塞を回避することができる。
【0007】
患者に陽圧を支援する他の方法も公知である。例えば、比例補助換気圧力支援モードは、患者の呼吸動作に対応して患者に供給される気体の圧力を変更することにより、患者の呼吸快適性を増進する陽圧治療法である。比例気道陽圧(PPAP)装置は、患者が発生する流量に基づき、患者に呼吸用気体を供給する。
【0008】
本発明の明細書では、用語「圧力支援システム」、「圧力支援装置」又は「陽圧支援装置」は、人工呼吸器、持続気道陽圧(CPAP)装置、2段階換気(bi-level)装置、比例補助換気(PAV)装置、比例気道陽圧換気(PPAP)装置又は2段階圧力支援装置等のあらゆる医療装置若しくは患者の気道に呼吸用気体流を供給する方法を含む。
【0009】
酸素タンクに別途流体接続される圧力発生装置により、酸素又は空気等の気体が通常供給される。調整装置、圧力発生装置及び導管を通じて、気体供給源から酸素が患者界面装置に流入する。圧力発生装置と気体ホース等の導管は、連結組立体を介して患者界面装置に接続しなければならない患者回路である。
【0010】
従来の圧力支援装置(圧力支援システム)では、圧力発生装置からの出口導管に可撓性導管を連結しなければならない。可撓性導管は、圧力発生装置から患者界面装置に呼吸用気体流を供給する患者回路の一部を構成する。圧力支援装置では、患者界面装置は、患者回路を患者の気道に接続して、増加圧力気体流を患者の気道に供給する機能がある。
【0011】
前記の通り、患者に気体又は酸素を供給するには、患者は、鼻マスク(外部緩衝体及び/又は内部凸部を含む)、鼻/口マスク、全面型面体、鼻カニューレ、マウスピース、気管内チューブ、気管内挿入管又は被覆体等の患者界面装置を使用しなければならない。患者界面装置は、通常マスク殻と、マスク殻に取り付けられて患者の表面に接触する緩衝体とを有する。マスク殻と緩衝体は、患者の頭部の周囲に捲回されるヘッドギアにより、所定の位置に保持される。マスクとヘッドギアは、一体となって患者界面装置組立体を形成する。通常のマスク取付組立体は、可撓性を有しかつ長さを調節できる帯紐を有するヘッドギアを備え、マスクから延伸する帯紐により、患者にマスクを取り付けることができる。患者界面装置を取り付ける他の方法は、患者の頭部の正面と背面とに配置されて使用者に対してマスクを保持する把持装置を使用する。例えば、下記特許文献1を参照されたい。
【0012】
通常長時間装着される前記患者界面装置では、様々な問題を考慮しなければならない。例えば、持続気道陽圧(CPAP)又は他の陽圧治療を行って閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)を治療するとき、患者は、通常睡眠時に患者界面装置を一晩中装着する。前記用途に適する患者界面装置は、頻繁に二律背反する2つの目標である快適性と技術的有効性とを考慮する必要がある。何れの目標も達成しなければ、患者界面装置の効能は、低下する。技術的効果を除く快適な患者界面体は、優れた患者適応性を有するが、無技術的効果により、得られる治療の恩恵は、最小限のものである。別法として、快適性を除く技術的効果のある患者界面装置は、患者を治療に有効であるが、快適性が依然なく、患者適応性が低いことが多い。これにより、患者が得る最大の治療効果も損なわれる。このように、患者の気道に接続される圧力支援装置の更なる進歩が要求されている。
【0013】
マスク等の患者界面装置の両側部と上部とに複数の連結部を設け、ヘッドギア組立体に設けられる上方帯紐と下方帯紐の各両端部を患者界面装置の連結部に挿通して、上方帯紐と下方帯紐を緊締することにより、着用者の顔面に患者界面装置を保持する技術は、公知である。通常長時間装着するマスクでは、ヘッドギアは、不快感を低減しながら、十分に気密に患者の顔面にマスクを密着して保持できることが重要である。患者快適性の向上と共に、マスク及び/又はヘッドギアの調整機能は、重大である。しかしながら、最も重要なのは、マスクと使用者の顔面との密封性を維持する点である。従来の技術では、マスクの様々な位置に帯紐を取り付けて密封性を達成する種々のヘッドギアが開発された。
【0014】
また、従来の技術では、ヘッドギアの帯紐の位置を変更できるカラー(襟部材)マスク組立体の種々の実施の形態が提案された。例えば、バーネットら名義の下記特許文献2は、マスクの帯紐を取り付ける多数の切欠部84を有しかつマスクに取り付けられるカラー34を開示する。マスクに取り付けられて取付位置を変更できる他のカラーは、オグデンら名義の下記特許文献3に開示される。顔面マスク組立体1に接続される剛性のある板9が特許文献3のマスク組立体に設けられる。位置調節可能な帯紐13R,13L等の帯紐を開口部29,31に挿入して、使用者の顔面の密封位置にマスク組立体1が固定される。しかしながら、特許文献2及び特許文献3のカラーは、様々な位置間で移動できるが、十分な可撓性がなく、十分に回転できず又はマスクに対して容易に着脱できない。
【0015】
更に、特許文献2と同様の構造と作用を有する従来の技術による他のマスク取付装置又はカラーは、ラヴェル名義の下記特許文献4に図示され説明される。特に、特許文献4のマスク取付装置は、マスク殻4に取り付けられる保持部材12,212を備える。特許文献4の図1、図2A、図7及び図9〜図11に明示されるように、下方接続部14,214と、少なくとも1つの上部接続部16,216とが保持部材12,212に設けられる。特許文献2のカラーのように、特許文献4のマスク取付装置では、接続する帯紐及び帯紐位置を多数の取付箇所で変更できるが、マスク殻4の周りに保持部材12,212を回転できない。従って、特許文献4のマスク取付装置は、回転不能で、取付構造に可撓性が与えられない。また、特許文献4のマスク取付装置は、マスクに対して留め具(及び帯紐)を簡単に着脱する構造を備えていない。ラジェら名義の下記特許文献5は、図A11及び図F36に示されるように、非回転式でかつ非可撓性の特許文献4と同様のヘッドギア/帯紐組立体を開示する。
【0016】
更に、ヘッカーら名義の下記特許文献6は、従来の技術による別のマスク取付装置を開示する。特許文献6は、マスク1から延伸する鳩目部7として形成される把持要素を開示する。特許文献6のマスクは、マスクに取り付けられるカラーに対向して、留め具又は鳩目部7を各々有する患者把持要素をマスク殻に直接取り付けられる構造を示す。
【特許文献1】米国特許第6,516,802号公報
【特許文献2】米国特許第6,412,488号公報
【特許文献3】米国特許第5,662,101号公報
【特許文献4】米国特許第6,631,718号公報
【特許文献5】米国特許第6,823,869号公報
【特許文献6】米国特許第6,595,214号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
カラー装置について説明したように、特許文献6の鳩目部7(又は保持要素)は、マスクに対し取り外し不能に固定される。従って、前記把持要素は、非回転式であり、折り曲げ不能な帯紐取付組立体を例示する。また、前記マスク取付装置では、適切な密封性を維持することが困難である。
従って、本発明の目的は、単一又は複数の前記課題に対処して、気体給付技術分野での従来のマスク取付組立体、マスク、ヘッドギア等の欠陥を解消するマスク取付装置を提供することにある。本発明の広義の着想により、マスク取付構造、マスク取付装置及び患者界面装置が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0018】
特に、本発明のマスク取付装置は、マスクを有する患者界面装置とマスク取付組立体とを組み合わせて使用するものである。使用者の顔面の密封位置にマスクを保持する少なくとも1つであるが、通常多数の帯紐をマスク取付組立体に設けられる。マスクの壁部から延伸する係止要素をマスク取付装置に設け、係止要素に軸部とフランジ(「頭部」、「鍔部」又は「キャップ」ともいう)とを設けるが、フランジは、軸部の直径より大きい直径を有する。また、把持要素アームと留め具とを有する把持要素がマスク取付装置に設けられる。把持要素アームは、第1の端部と、第2の端部と、第2の端部を貫通する開口部とを有する。把持要素アームの第1の端部に留め具を取り付けて、留め具にマスク取付組立体の帯紐を係合することができる。フランジを乗り越えて係止要素の軸部に隣接して把持要素アームの開口部を係合することにより、係止要素に把持要素を係止できる。係止要素の軸部の周りに把持要素を連続的に回転することができる。
【0019】
本発明は、マスク壁及びマスク壁を貫通するマスク接続口を有するマスクと、マスク接続口に流体接続されるマスク導管連結部と、使用者の顔面上の密封位置にマスクを保持する少なくとも1つの帯紐を有するマスク取付組立体とを設けた患者界面装置にも関連する。患者界面装置は、把持要素アームと留め具とを有する把持要素を設けたマスク取付装置を更に備える。把持要素アームは、第1の端部と、第2の端部と、第2の端部を貫通する開口部とを有する。把持要素アームの第1の端部に留め具を取り付けて、マスク取付組立体の帯紐を留め具に係合できる。フランジを乗り越えて把持要素アームの開口部を係止要素の軸部に隣接して係合することにより、把持要素を係止要素に係合できる。係止要素の軸部の周りに把持要素を連続的に回転することができる。
【0020】
参照符号により各図の対応する部分を示す添付図面に関する以下の説明、特許請求の範囲及び本明細書の全構成部分により、本発明の前記目的及び他の特徴及び特性、構造の関連要素の操作法及び機能、部品の組み合わせ並びに製造経済性は、明らかとなろう。しかしながら、図面は、図示及び説明の目的に過ぎず、発明の範囲を制限しないものであることは、明確に理解できよう。別途明記しない限り、明細書及び特許請求の範囲に使用する用語「1つ(a)」、「1つ(an)」及び「その(the)」の単数形は、複数の対象を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、図1の使用者の顔面Aに組み合わせて使用するマスク取付装置10に関連し、本発明の種々の実施の形態を図1〜図10に示す。特に、図1の略示ブロック図に示すように、マスク取付装置10は、マスク102とマスク取付組立体104とを設けた患者界面装置100に組み合わせて使用する構造を有する。マスク102は、鼻マスク(外部緩衝体及び/又は内部プロングを含む)、口マスク、鼻/口マスク、全面型面体又は当該技術分野で公知の他の類似装置及び類似構造体である。また、本発明のマスク取付装置10は、患者界面装置100のあらゆる部品及び付属品と併用することができる。マスク壁106を貫通するマスク接続口(図示せず)がマスク102に設けられる。患者が吸気を行うため、マスク接続口を通じてマスク102内に酸素及び空気等の呼吸気体が流入する。
【0022】
使用者の顔面Aの密封位置にマスク102を保持する少なくとも1つ、通常多数の帯紐108がマスク取付組立体104に設けられる。多数の異なる種類と改造されたマスク取付組立体104と帯紐108を有するヘッドギアとに組み合わせて使用できることが本発明のマスク取付装置10の一利点である。例えば、三箇所取付組立体、四箇所取付組立体、垂直方向取付組立体、水平方向取付組立体と共に、マスク取付装置10を使用することができ、使用者の顔面Aにマスク102を固定する多数の帯紐108を前記組立体の何れにも設けることができる。また、公知のように、マスク取付組立体104及び/又は付属するヘッドギア若しくは保持装置に対して帯紐108を調節することができる。
【0023】
一実施の形態では、マスク102に取り付けられかつマスク102から延伸する額接触部材110を有する額支持組立体が患者界面装置100に設けられる。額支持組立体の一例は、米国特許出願公開第2004/0045551号公報に図示されかつ説明されるが、この米国特許出願は、本発明の譲受人に譲渡され、参照することによりこの米国特許出願の内容を本明細書の一部とする。額接触部材110の少なくとも一部は、使用者の額の一部に接触する。公知のように、使用者の額に快適に接触する額当てを額接触部材110に設けてもよい。例えば、米国特許第5,884,624号及び第6,397,847号公報に開示される着脱自在のゲル塗布緩衝体等のゲル塗布緩衝体を額当てに使用でき、参照することにより前記米国特許の内容を本明細書の一部とする。
【0024】
一実施の形態では、マスク接続口(図示せず)に流体接続されるマスク導管連結部112が患者界面装置100に設けられる。他の実施の形態では、マスク導管連結部112は、第1の端部114と第2の端部116とを有し、マスク導管連結部112の第1の端部114は、マスク102に取り付けられる。マスク導管連結部112の第2の端部116は、患者回路118、導管120、圧力支援器122、気体供給源124又はそれらの何れかの組み合わせに流体接続される。患者回路118は、当該技術分野では公知の装置である。特に、圧力支援器122に流体接続される導管120が患者回路118に通常設けられる。動作時に、圧力支援器122は、酸素タンク又は他の同様の気体供給源124から供給される酸素を収容し、導管120、マスク導管連結部112及びマスク接続口を通じて、圧力支援装置122から通常酸素又は空気である呼吸用気体が上記のようにマスク102内に流れる。このように、患者は、吸気用の気体給付を受ける。
【0025】
図2の概略図に示すように、本発明の実施の形態では、マスク壁106から延伸するボタン要素(係止要素)12がマスク取付装置10に設けられる。軸部14及びフランジ16がボタン要素12に設けられる。特に、フランジ16は、軸部14の直径より大きい直径を有する。また、把持要素18がマスク取付装置10に設けられる。第1の端部22及び第2の端部24を有する把持要素アーム20が把持要素18に設けられる。開口部26は、把持要素アーム20の第2の端部24を貫通して設けられる。
【0026】
把持要素アーム20の第1の端部22に取り付けられる留め具28が把持要素18に更に設けられる。マスク取付組立体104の単一又は複数の帯紐108が、留め具28に接続される。即ち、留め具28を貫通する留め具開口部52により留め具28が形成され、公知のように、留め具開口部52に通して帯紐108を把持要素アーム20に取り付けることができる。
【0027】
使用時に、フランジ16を乗り越えて把持要素アーム20の開口部26をボタン要素12の軸部14に隣接して係合することにより、把持要素18をボタン要素12に係止することができる。ボタン要素12に係止された把持要素18は、ボタン要素12の軸部14の周りに連続的に回転することができる。この回転構造により、様々な異なるマスク取付組立体104と帯紐108に組み合わせて把持要素18を使用することができ、帯紐108の角度方向とデザインとに無関係に把持要素18を有効に使用できる。
【0028】
一実施の形態では、図2〜図4に示すように、把持要素アーム20の第2の端部24から摘み(タブ)30が突出する。使用者は、摘み30を把持でき、摘み30を摘むか又は把持して、ボタン要素12から把持要素18を分離することができる。
【0029】
図2及び図3に示すように、摘み30の表面34から突出又は延伸する1つ、通常多数の隆起(リッジ)32が摘み30に設けられる。前記隆起32は、使用者がより確実に摘み30を把持する掴み面を形成する。また、前記隆起32の代わりに、溝、瘤又は他の凸部又は凹部を摘み30の表面34に設けて、使用者が把持し易い掴み面を形成してもよい。
【0030】
図6に明示するように、キノコ形状、円錐形状又はそれらの何らかの組み合わせ等の様々な形状にボタン要素12のフランジ16を形成してもよい。勿論、本発明の範囲を逸脱せずに様々な形状にフランジ16及びボタン要素12を形成してもよい。また、一実施の形態では、把持要素アーム20の開口部26をボタン要素12に係合した後に、把持要素アーム20を保持する保持面36がボタン要素12のフランジ16に設けられる。ボタン要素12に把持要素18を係合する図4及び図5に前記係合構造を示し、取り付けた後に把持要素アーム20を保持するのに十分な大きさにフランジ16の幅又は直径が形成され、同様に、保持面36の幅又は直径が形成される。しかしながら、把持要素アーム20、把持要素18及び留め具28が軸部14の周りに十分に回転できるが、把持要素アーム20の開口部26の直径は、軸部14の直径より小さい。種々の他の利点のみならず、容易かつ便利に把持要素18の位置を調整できると共に、ボタン要素12から把持要素18を取り外すのに必要な可撓性(融通性又は柔軟性)をこの回転構造が与えることは、当業者が理解できよう。
【0031】
一実施の形態では、フランジ16を乗り越えて軸部14の周りに対して簡単に把持要素開口部26を着脱できるように、フランジ16の保持面36の少なくとも一部は、傾斜面(軸部14からフランジ16の外面に向かい拡径するテーパ状)に形成される。従って、他の実施の形態で詳述するように、可撓性の把持要素アーム20に組み合わせて使用するとき、傾斜面38を形成することにより、極めて容易に把持要素18をボタン要素12から取り外すことができる。
【0032】
摘み30と共に、所望の方向にのみ把持要素18を容易に取り外せるように、傾斜面38を具体的に配置することができる。例えば、留め具28に帯紐108を取り付けるとき、帯紐108の緊締力により、把持要素アーム20は、使用者の顔面Aに向って回転する。帯紐108を適切に留め具28に接続して、摘み30の表面34をフランジ16の保持面36に係止させれば、把持要素18は、ボタン要素12から容易には外れない状態になる。従って、使用者の顔面Aに対するマスク102の密封性が低下するおそれがない。把持要素18を取り外すとき、角度約90度だけ把持要素18を回転させて、把持要素アーム20を傾斜面38に整合させる。この方向では、レバーアームとして把持要素アーム20を使用して、テコの原理でボタン要素12から把持要素18を取り外すことができる。
【0033】
本発明の他の実施の形態では、把持要素アーム20の開口部26を変形できるように、十分に可撓性を有する材料により把持要素アーム20を形成することができる。例えば、剛性のある構造が必要であれば、把持要素アーム20全体を可撓性材料により製造する必要はない。その代わりに、開口部26に隣接する把持要素アーム20の表面の一部のみを可撓性材料により形成することができる。何れにせよ、使用時に、把持要素アーム20の開口部26は、変形又は拡張されて、ボタン要素12のフランジ16を乗り越えて通過することができる。フランジ16を乗り越えて通過した後、軸部14に隣接して配置される開口部26は、軸部14の周囲でかつ隣接して初期の形状に戻り又は復帰する。また、上記のように、保持面36と開口部26との相対的寸法により、一度開口部26が初期の形状に復帰すると、保持面36により把持要素アーム20は、所定の位置に保持される(保持面36から離脱せずに)。更に、開口部26により、把持要素アーム20は、軸部14の周り及び周辺で回転することができる。また、把持要素アーム20の可撓性により、患者又は使用者は、軸部14に対して把持要素アーム20を容易に取り外しかつ再装着することができ、把持要素アーム20の運動と帯紐108の調整とに更に融通性を付与できる。
【0034】
可撓性を有しかつ変形可能な様々な材料から把持要素アーム20を製造できると思われる。例えば、シリコーン、シリコーン主成分とする材料、低デュロメータ(低ゴム硬度)のシリコーン、エラストマ材料、軟質エラストマ(軟性弾性材)、熱可塑性エラストマ又はそれらの何れか組み合わせから材料を選択できる。前記可撓性材料を使用して、使用者の顔面Aに対するより良好な密封性を付与でき、留め具28に帯紐108を接続し、後にボタン要素12に把持要素アーム20を取り付けると、マスク取付組立体104の帯紐108の引張方向に基づき、可撓性の把持要素アーム20を種々の方向に向けることができる。また、前記可撓性材料を使用すれば、ボタン要素12から把持要素アーム20をより容易に取り外すことができる。
【0035】
他の実施の形態では、把持要素アーム20の第1の端部22から留め具28を取り外すことができる。例えば、図7及び図8に示すように、把持要素アーム20の第1の端部22に留め具環状部40を設けてもよい。また、留め具環状溝42が留め具28に設けられる。使用時に、把持要素アーム20の留め具環状部40を拡張して、留め具環状溝42の全周囲に留め具環状部40を取り付けることができる。本実施の形態では、剛性のある材料により留め具28を形成するので、留め具28の留め具環状溝42の周囲で容易に留め具環状部40を引き伸ばして、留め具環状部40を留め具環状溝42内に装着することができる。また、留め具環状溝42を構成する一対又は複数の壁部44により、把持要素アーム20の留め具環状部40が留め具28から滑り落ち又は異なる態様で留め具28から分離することを確実に防止できる。
【0036】
剛性のある留め具28を使用して、マスク取付組立体104の帯紐108を剛性のある留め具28により強固に接続することができる。特に、可撓性材料により留め具28を製造すれば、帯紐108に作用する引張力により、可撓性の留め具28が過度に引張されて破損に至ることは、明らかに望ましくない事象である。従って、剛性のある材料の使用により、帯紐108による留め具28の過度引張を防止できる。
【0037】
前記実施の形態での可撓性留め具環状部40とは異なり、図9に示す他の実施の形態では、把持要素アーム20の第1の端部22に固定具(クランプ)46を設けることができる。C形の固定具又は類似の構造体の形態で固定具46を形成できる。また、この実施の形態では、剛性のある材料又は半剛性の材料により把持要素アーム20の固定具46を形成することができる。例えば、把持要素アーム20の固定具46にスナップ作用又は他の方法で留め具環状部40内に留め具28を嵌合又は係合して、把持要素アーム20に留め具28を適切に係合することができる。把持要素アーム20に留め具28を取り付ける類似の手段も使用することができる。
【0038】
他の実施の形態では、十分に可撓性のある材料により把持要素アーム20を形成し、留め具28の少なくとも一部上に把持要素アーム20の第1の端部22をモールド成型することもできる。例えば、図10に示すように、複数の接触面50を有する構造体48を留め具28に設けることができる。公知のように、モールド成型工程間にモールド成型可能な材料を充填し又はモールド成型可能な材料を別の方法で接触面50に接触させて、留め具28の一部を覆って把持要素アーム20の第1の端部22をモールド成型することができる。硬化時に、把持要素アーム20は、留め具28にモールド成型される。このように、大きい剛性を有する材料により留め具28を形成しながら、大きい可撓性を有する材料により把持要素アーム20を形成できる。例えば、剛性のある前記材料は、樹脂、剛性のあるポリマー、成型材料又は合成材料等でよい。
【0039】
他の実施の形態では、本発明は、前記マスク102とマスク取付組立体104とを設ける患者界面装置100に適用される。また、単一でもよいが、通常多数の帯紐108がマスク取付組立体104に設けられる。前記のように、マスク102のマスク壁106に組み合わせてマスク取付装置10が使用される。特に、把持要素18を連結して使用するボタン要素12をマスク壁106の種々の位置に取り付けることができる。マスク壁106の多くの場所に種々のボタン要素12を配置して、使用者に種々の取り付け位置を提供できる。また、患者界面装置100の部品及び付属品のあらゆる表面にボタン要素12を形成することができる。
【0040】
一実施の形態では、マスク取付組立体は、少なくとも三箇所取付組立体であり、少なくとも1つの取付箇所は、マスク取付装置10の把持要素18の留め具28である。他の実施の形態では、図1に示すように、額接触部材110が患者界面装置100に設けられ、マスク取付組立体104に組み合わせて使用するため、マスク取付装置10のボタン要素12は、額接触部材110の壁部又は一部から突出する。
【0041】
このように、可撓性を有しかつ回転可能な把持要素18を備えるマスク取付装置10は、ボタン要素12に組み合わせて使用される。前記のように、傾斜面38及び摘み30に組み合わせて、可撓性材料を使用すれば、ボタン要素12から把持要素18を容易に取り外すことができる。従って、(少なくとも1つの帯紐108を取り付けたとき)把持要素18を取り外せば、マスク102、マスク導管連結部112、額接触部材110又はそれらの何れかの組み合わせに対して間接的に取り付けられた帯紐108を取り外しかつ/又は解放することができる。
【0042】
使用時に、使用者又は患者は、種々のマスク取付組立体104と付属のマスク102に組み合わせて、マスク取付装置10を使用することができる。単一型のマスク取付組立体104に限定されるのとは対照的に、例えば、睡眠時に使用者が調整を行うため、前記のように、ボタン要素12の軸部14の周りに把持要素アーム20を回転させて、患者界面装置100を使用しながら、異なるマスク取付組立体104を使用したり、使用者が移動することができる。従って、使用者は、好みのヘッドギア又はマスク取付組立体104を接続する本発明のマスク取付装置10を使用して、マスク102のマスク壁106又は患者界面装置100の他の組立体若しくは部品の好適な位置にボタン要素12を設けることができる。
【0043】
把持要素アーム20の回転構造により、マスク102から把持要素アーム20が突出する方向を調整できる。前記マスク102は、使用者が通常睡眠中に使用するので、方向調整構造は、特に好都合である。周知のように、睡眠中の使用者は、自己の頭部の方向を調整するので、マスク102上に作用する力が変化することが多い。把持要素アーム20の回転可能な連結構造により、使用者が操作しなくても、マスク102上に作用する力が変化するとき、把持要素アーム20の方向は、自律調整される。使用者が自己の頭部を移動するとき、軸部14の周りに把持要素アーム20が回転する構造と、把持要素アーム20の可撓性特性により、把持要素18上に作用する複数の外力を均等化する方向に把持要素18が方向を自律調整するので、マスク102と使用者の顔面Aとの密封構造を破壊する帯紐108の離脱可能性又は使用者の不快感を最小化することができる。
【0044】
軸部14の周りに把持要素アーム20を回転して、種々の異なる方向に把持要素アーム20の配置角度を変更できるので、把持要素アーム20に作用するモーメントを所望の方向に向けて使用者の顔面A上に形成される密封構造を強化すると共に、使用者の快適性を最大化できることは、当業者には理解されよう。他の用途では、使用者の固有の容貌又はマスク102の特殊な設計のため、マスク102周囲の他の領域で密封が不十分になることがある。帯紐108を介して種々の異なる方向に把持要素アーム20を向けて密封完全性が犠牲となった特定領域に無関係に密封完全性を強化することを、本発明の発明者らは、企図する。例えば、使用者の頬とマスク102との界面で密封性が犠牲となったときでも、帯紐108を調整し、下方向でなく横方向に把持要素アーム20を偏向することができる。
【0045】
このように、本発明は、患者界面装置100に組み合わせて使用できかつボタン要素12に対して容易に把持要素18を着脱できるマスク取付装置10を提供する。また、付属品の形状と大きさにより、ボタン要素12の軸部14の周りに把持要素18を連続的に回転することができる。更に、熱可塑性エラストマ等の十分に可撓性を有する材料から把持要素アーム20を製造すれば、把持要素アーム20の開口部26を拡張しかつ変形して、ボタン要素12のフランジ16を乗り越え、その後、開口部26は、初期の形状に復帰して、フランジ16の保持面36により把持要素アーム20が保持される。
【0046】
本発明のマスク取付装置10と患者界面装置100は、マスク取付組立体104に十分な回転機能と調整機能を付与すると共に、マスク102と使用者の顔面Aとの密封性を低下せずに、マスク取付組立体104に調節と移動の融通性を更に付与することができる。マスク取付組立体104の帯紐108の方向により、種々の角度と方向に可撓性の把持要素アーム20を屈曲し又は湾曲することができる。従って、好適な一実施の形態では、把持要素アーム20が十分に撓みかつ回転できるので、予め設定され又は予め決められた位置に把持要素アーム20を配置しなくてよい。また、本発明のマスク取付装置10により、マスク102を装着する患者の移動自由度が増加する。
【0047】
現在最も実用的かつ好適と思われる実施の形態を図示して詳記したが、前記記載は単に説明の便宜に過ぎず、本発明を開示した実施の形態に限定されず、本発明は、特許請求の範囲内に該当すると共に、特許請求の範囲と同趣旨の変更態様並びに同等の装置を包含すること企図する。例えば、何れかの実施の形態の単一又は複数の特徴を何れかの他の実施の形態の単一又は複数の特徴に可能な範囲内で組み合わせられることを本発明が企図することは、理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】マスク取付組立体を有する患者界面装置に組み合わせて使用する本発明の原理によるマスク取付装置の略示ブロック図
【図2】マスク取付装置のボタン要素から分離するマスク取付装置の把持要素を示す本発明の原理によるマスク取付装置の分解斜視図
【図3】ボタン要素に把持要素を取り付けた図2のマスク取付装置を示す斜視図
【図4】図3のマスク取付装置の拡大斜視図
【図5】マスクに組み合わせて使用する本発明の原理によるマスク取付装置の斜視図
【図6】本発明の原理によるマスク取付装置のボタン要素の一実施の形態を示す拡大斜視図
【図7】本発明の原理によるマスク取付装置の把持要素の一実施の形態を示す分解斜視図
【図8】図7の把持要素を変形した把持要素の斜視図
【図9】本発明の原理によるマスク取付装置の把持要素の別の実施の形態を示す斜視図
【図10】本発明の原理によるマスク取付装置の把持要素の他の実施の形態を示す分解斜視図
【符号の説明】
【0049】
(10)・・マスク取付装置、 (12)・・係止要素、 (14)・・軸部、 (16)・・フランジ、 (18)・・把持要素、 (20)・・把持要素アーム、 (22)・・第1の端部、 (24)・・第2の端部、 (26)・・開口部、 (28)・・留め具、 (30)・・摘み、 (32)・・隆起、 (36)・・保持面、 (100)・・患者界面装置、 (102)・・マスク、 (104)・・マスク取付組立体、 (106)・・壁部(マスク壁)、 (108)・・帯紐、 (110)・・額接触部材、 (112)・・マスク導管連結部、 (114)・・第1の端部、 (116)・・第2の端部、 (118)・・患者回路、 (120)・・導管、 (122)・・圧力支援器、 (124)・・気体供給源、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク(102)と少なくとも1つの帯紐(108)を有しかつ使用者の顔面の密封位置にマスク(102)を保持するマスク取付組立体(104)とを備える患者界面装置(100)に組み合わせて使用するマスク取付装置(10)において、
マスク(102)の壁部(106)から延伸しかつ軸部(14)と軸部(14)の直径より大きい直径を有するフランジ(16)とを有する少なくとも1つの係止要素(12)と、
第1の端部(22)、第2の端部(24)及び第2の端部(24)を貫通する開口部(26)が形成された把持要素アーム(20)を有する把持要素(18)とを備え、
フランジ(16)を乗り越えて係止要素(12)に把持要素アーム(20)の開口部(26)を係合することにより、把持要素(18)を係止要素(12)に係止し、
係止要素(12)の軸部(14)の周囲で把持要素(18)を連続的に回転できることを特徴とするマスク取付装置(10)。
【請求項2】
把持要素アーム(20)から延伸する摘み(30)を更に設け、
使用者は、摘み(30)を把持して係止要素(12)から把持要素(18)を分離する請求項1に記載のマスク取付装置(10)。
【請求項3】
摘み(30)の表面から延伸する少なくとも1つの隆起(32)を更に設け、
隆起(32)は、使用者が摘み(30)を把持する掴み面を形成する請求項2に記載のマスク取付装置(10)。
【請求項4】
把持要素アーム(20)を貫通する開口部(26)に隣接する把持要素アーム(20)の少なくとも一部を、十分に可撓性を有する材料により形成し、
使用時に、開口部(26)が変形して係止要素(12)のフランジ(16)を乗り越えて通過した後、開口部(26)は、ほぼ初期の形状に復帰して、係止要素(12)の軸部(14)の周りに隣接して開口部(26)を配置する請求項1に記載のマスク取付装置(10)。
【請求項5】
可撓性材料は、シリコーン、シリコーン主成分とする材料、低デュロメータのシリコーン、エラストマ材料、軟質エラストマ、熱可塑性エラストマを含む群から選択される請求項4に記載のマスク取付装置(10)。
【請求項6】
把持要素アーム(20)の開口部(26)の直径は、係止要素(12)の軸部(14)の直径より大きく、把持要素アーム(20)を係止要素(12)に取り付けるとき、軸部(14)の周りで把持要素アーム(20)を回転できる請求項1に記載のマスク取付装置(10)。
【請求項7】
把持要素(18)の留め具(28)を大きい剛性を有する材料により形成した請求項1に記載のマスク取付装置(10)。
【請求項8】
把持要素アーム(20)は、把持要素アーム(20)の第1の端部に取り付けらる留め具(28)を更に有し、
マスク組立体(104)の少なくとも1つの帯紐を留め具(28)に接続する請求項1に記載のマスク取付装置(10)。
【請求項9】
大きな可撓性を有する材料により把持要素アーム(20)を形成し、
留め具(28)の少なくとも一部を覆って把持要素アーム(20)の第1の端部の少なくとも一部をモールド成型した請求項7に記載のマスク取付装置(10)。
【請求項10】
実質的にキノコ形状、円錐形状又はそれらの何らかの組み合わせ形状に係止要素(12)のフランジ(16)を形成した請求項1に記載のマスク取付装置(10)。
【請求項11】
係止要素(12)に把持要素(18)を係合した後に把持要素アーム(20)を保持する保持面(36)を係止要素(12)のフランジ(16)に設けた請求項1に記載のマスク取付装置(10)。
【請求項12】
保持面(36)の少なくとも一部に傾斜面を設け、把持要素(18)の開口部(26)をより少ない抵抗で変形させて、フランジ(16)を乗り越えて軸部(14)の周囲から把持要素(18)を取り外す請求項11に記載のマスク取付装置(10)。
【請求項13】
貫通するマスク接続口が設けられたマスク壁(106)を備えるマスク(102)と、
マスク接続口に流体接続されるマスク導管連結部(112)と、
少なくとも1つの帯紐(108)を有するマスク取付組立体(104)と、
マスク取付装置(10)とを備え、
マスク取付装置(10)は、(i)マスク壁(106)、マスク導管連結部(112)の壁部又はそれらの何れかの組み合わせから延伸する少なくとも1つの係止要素(12)と、(ii)把持要素(18)とを備え、
係止要素(12)は、軸部(14)と、軸部(14)の直径より大きい直径を有するフランジ(16)とを備え、
把持要素(18)は、
(1)第1の端部(22)、第2の端部(24)及び第2の端部(24)を貫通する開口部(26)を有する把持要素アーム(20)と、
(2)把持要素(18)の第1の端部(22)に取り付けられかつマスク取付組立体(104)の少なくとも1つの帯紐(108)に係合される留め具(28)とを備え、
フランジ(16)を乗り越えて把持要素アーム(20)の開口部(26)を係止要素(12)の軸部(14)に隣接して係合することにより、把持要素(18)を係止要素(12)に係止し、
係止要素(12)の軸部(14)の周囲で把持要素(18)を連続的に回転できることを特徴とする患者界面装置(100)。
【請求項14】
マスク取付組立体(104)は、少なくとも三箇所取付組立体であり、
少なくとも1つの取付箇所は、マスク取付装置(10)の把持要素(18)の留め具(28)とした請求項13に記載の患者界面装置(100)。
【請求項15】
使用者の額の少なくとも一部に接触する少なくとも一部を有する額接触部材(110)を更に設けた請求項13に記載の患者界面装置(100)。
【請求項16】
マスク取付装置(10)の係止要素(12)は、額接触部材(110)の壁部から延伸する請求項15に記載の患者界面装置(100)。
【請求項17】
マスク(102)は、鼻マスク、鼻/口マスク、口マスク、全面型面体又はそれらの何れかの組み合わせである請求項13に記載の患者界面装置(100)。
【請求項18】
マスク導管連結部(112)は、第1の端部(114)と第2の端部(116)とを有し、
マスク導管連結部(112)の第1の端部(114)をマスク(102)に取り付け、
患者回路(118)、導管(120)、圧力支援器(122)、気体供給源(124)又はそれらの何れかの組み合わせにマスク導管連結部(112)の第2の端部(116)を流体接続した請求項13に記載の患者界面装置(100)。
【請求項19】
マスク取付組立体(104)の少なくとも1つの帯紐を調整できる請求項13に記載の患者界面装置(100)。
【請求項20】
マスク取付組立体(104)の少なくとも1つの帯紐(108)を把持要素(18)の留め具(28)に取り付け、
係止要素(12)から把持要素(18)を取り外すことにより、マスク(102)、マスク導管連結部(112)、額接触部材(110)又はそれらの何れかの組み合わせと、少なくとも1つの帯紐(108)との間接的接続を解除する請求項13に記載の患者界面装置(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−502429(P2009−502429A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525066(P2008−525066)
【出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/029590
【国際公開番号】WO2007/016424
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(505338497)アールアイシー・インベストメンツ・エルエルシー (81)