説明

マスコット収納型ショーツ

携行時にコンパクト且つ衛生的に収納でき更にはファッション性に優れたマスコット収納型ショーツを提供する。 本発明はショーツ本体(2)の前身頃と後身頃とウエスト部のいずれかの表側に縫着などでマスコット形状体(3)を一体化し、このマスコット形状体の背面側に設けられた収納口(35)からショーツ本体を収納可能に構成されている。マスコット形状体は人形、花、動物などをモチーフにしたマスコット型に作製されており、携行時の利
便性を考慮して係止手段(60)がキーホルダなどに吊持可能になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショーツ本体の表側に一体化されたマスコット形状体の内部にショーツ本体を収納可能にするショーツに関する。特に、携行時に衛生的且つファッション的に優れた、女性用のショーツに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外出時の予備的なショーツ、特に女性用ショーツは、ハンドバックやポーチ等に収納して携行されている。ハンドバックにショーツを入れている場合には、ハンドバックを開けた際に不意に他人に見られるなど羞恥の念にかられることもある。また、ショーツを入れる為のポーチ等を使用する場合は、荷物が嵩張るなどの問題点があった。
また、携行時の形態については、ショーツにポケットを設け、このポケットの中にショーツ全体を収納するものが知られている。更に、他の提案としてショーツ自体を幾重にも折りたたみ、真空包装したものが知られている。この種のショーツは、例えば特許文献1〜特許文献3に開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−282301号公報
【特許文献2】特開2000−328301号公報
【特許文献3】特開平8−158107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来では携行するショーツの性質上、その必要性や機能性のみが重視されている傾向にあった。特に、他に携行する楽しみ、或いはファッション性などは考慮されていなかった。
本発明の目的は、携行時にコンパクト且つ衛生的に収納でき更にはファッション性に優れたマスコット収納型ショーツを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成する為に、請求項1の発明に係るマスコット収納型ショーツは、前身頃と後身頃とウエスト部とを有するショーツ本体と、前記前身頃、後身頃、ウエスト部のいずれかの表側に一体化され、ショーツ本体の収納部を有するマスコット形状体とを備え、前記マスコット形状体は人形、花、動物、道具、ブランドマークなどをモチーフにした形状に作製されているとともに、背面側にはショーツ本体を出し入れする為の収納口が設けられていることを特徴としている。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1において、収納口はマスコット形状体の背面となる布地の一部分を重ね合わせて構成されていることを特徴としている。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1または2において、ショーツ本体がマスコット形状体の収納部内に縫着されていることを特徴としている。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかにおいて、マスコット形状体は芳香剤入りの袋が設けられていることを特徴としている。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかにおいて、マスコット形状体に係止手段を設け、該係止手段に吊り下げホルダーを取り付けることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、ショーツ本体の収納部を有するマスコット形状体を備えることにより、女性にとって必要不可欠な予備のショーツをコンパクトかつ衛生的に携行できる。更には、ハンドバックを開けた際に不意に他人に見られたとしてもマスコット形状体の外観イメージから快さを感じる為、羞恥の念に駆られることが無くなる。また人形、花、動物などをモチーフにしたマスコット形状体に作製されているので、ファッション的に優れており、遊び心も感じ取られる。
マスコット形状体は背面側に収納口を設けることによりマスコット形状体自体のデザインを損ねることなく作製できるので、加工も容易である。マスコット形状体を配する位置は、ショーツ本体の表側のどの位置にも限定されないので、多様なショーツ形状にも適合できると共に、デザイン的な自由度も高くさまざまなものをモチーフとして製作することができる。その結果多様な趣味性にも対応し、またコレクションなどの楽しみも得られる。
【0011】
請求項2の発明によれば、マスコット形状体に設けられるショーツ本体の収納口は一部分を重ね合わせることのみを特徴としている。その為、収納口の形状(大きさ)の作製上の設計自由度が高くなると共に、マスコット形状体の生産性を高めることができる。また、収納口に金具や止め具を使わないため、肌触りを損ねたり、皮膚炎などの原因となったりする事が無いから満足できる履き心地を得られる。
【0012】
請求項3の発明によれば、ショーツ本体の一部がマスコット形状体の収納部内に縫着されている為、ショーツ及びマスコットの形状を問わず、容易に一体化できる。また、マスコット形状体に脱衣時など不意に強い力が加わったとしても、十分な強度で取り付けられているため、脱落しない。更にはマスコットとして使用している際、誤ってショーツを脱落したり紛失したりすることが無い為、マスコット収納型ショーツ自体の使用における十分な耐久性が得られる。
【0013】
請求項4の発明によれば、マスコット形状体に芳香剤入りの袋を設けることにより、清潔感・清涼感・リラクゼーション効果などを得ることができる。
【0014】
請求項5の発明によれば、マスコット形状体に係止手段を設けることにより、携行時の利便性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
[図1]本発明に関わるマスコット収納型ショーツの実施例を表す平面図である。
[図2]マスコット収納型ショーツの背面図である。
[図3]マスコット形状体の正面図である。
[図4]マスコット形状体の背面図である。
[図5]ショーツ収納口の開口の状態を示す背面図である。
[図6]ショーツ本体とマスコット形状体の断面図である。
[図7]マスコット形状体へショーツ本体2を収納した状態を示す側面図である。
[図8]マスコット形状体の取り付け位置に係る他の実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0016】
1 マスコット収納型ショーツ
2 ショーツ本体
3 マスコット形状体
35 収納口
40 縫合部
50 芳香剤袋
60 吊り下げホルダー
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明はショーツ本体の前身頃と後身頃とウエスト部のいずれかの表側に縫着などでマスコット形状体を一体化し、このマスコット形状体の内部にショーツ本体を収納可能にし、携行時の実用性とファッション性を備えることにより実現した。
【実施例1】
【0018】
図1および図2において、マスコット収納型ショーツ1はショーツ本体2とマスコット形状体3とから構成されている。ショーツ本体2は前身頃21と後身頃22とウエスト部23と股部24を有する。マスコット形状体3は人形、花、動物、道具、ブランドマークなどをモチーフにしたマスコット型に形成されている。
【0019】
図3および図4において、マスコット形状体3は前部32と背部33の周縁37で縫い合わせ、内部にショーツ本体2が収納可能な空間34が形成されている。マスコット形状体3はショーツ本体1の前身頃21、後身頃22、ウエスト部23のいずれかの表側に縫着により一体化されている。マスコット形状体3の背面側にはショーツ本体2を収納する為の収納口35が設けられている。この収納口35は、図5に示すようにマスコット形状体3の背面となる布地の一部分を重ね合わせて構成されている。
【0020】
ショーツ本体2を完全に空間34へ収納するため、マスコット形状体3の内面36には、図6に示すように縫合部40によってショーツ本体2の一部が縫着により一体化されている。この縫合部40はマスコット形状体3の形状に合わせショーツ本体2との縫着面積及び縫着糸材更には縫着方法を取捨選択する。これにより、ショーツ本体2の収納の妨げにならずまた、マスコット形状体3が脱落しない強度を持たせている。
【0021】
マスコットとして使用する際、ショーツ本体2を小さくまとめ、マスコット形状体3の背面部の収納口35を開いてショーツ本体2を通し、ショーツ収納部である空間34に全体を収納する。図7に示すようにショーツ本体2の容積により空間34が膨張し、マスコット形状体が丸みを持つことにより、マスコットとしての形状を呈する。
【0022】
マスコット形状体3には吊り下げホルダー60が設けられている。携行時バック等に吊り下げて携帯することができるよう構成されている。
本実施例では係止手段を上部にリング型の吊り下げホルダーとして説明している。吊り下げホルダーの形状に関してはリング型に限らず、チェーン型やクリップ型やピン型など各種の構造が適宜選択できる。また、取り付け位置に関しても上部に限らず、携行時の利便性を考慮し背面部などへの取り付けも適宜選択できる。
【0023】
好ましくは、図4と図6に示すようにマスコット形状体3の空間34に芳香剤袋50が設けられている。マスコット使用時又はショーツ使用時には芳香剤袋50によりほのかな香りが周囲に漂い、清潔感や清涼感を与える。芳香剤袋50は脱着可能であり、芳香剤の補充又は交換ができる。また、使用状況や個人的趣味により芳香剤袋50を取り外して無香料で使用することも可能である。更に、芳香剤袋50の形状又は形態は袋状のみならず、香料を染込ませたり、繊維に練り込んだりと様々な構成を採用できる。
【0024】
本実施例はマスコット形状体3をショーツ本体2の前身頃21のほぼ中央に取り付けた構造で説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図8に示すようにショーツ本体2のウエスト部23に配する構成や図示を省略した後身頃22に配する構成でも良く、これらの態様を適宜選択可能である。
また本実施例は収納口がマスコット形状体3の背面中央に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではない。マスコット形状体3のモチーフに合わせて収納口の形を変えたり、その開け方も横開きや斜め開きなどに変えたり、デザイン性や機能性を考慮して決定される。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
前身頃と後身頃とウエスト部とを有するショーツ本体と、
前記前身頃、後身頃、ウエスト部のいずれかの表側に一体化され、前記ショーツ本体の収納部を有するマスコット形状体と、を備え、
前記マスコット形状体は人形、花、動物などをモチーフにした形状に作製されていると共に、背面側には前記ショーツ本体を出し入れする為の収納口が設けられていることを特徴とするマスコット収納型ショーツ。
【請求項2】
請求項1において、収納口はマスコット形状体の背面となる布地の一部分を重ね合わせて構成されていることを特徴とするマスコット収納型ショーツ。
【請求項3】
請求項1または2において、ショーツ本体がマスコット形状体の収納部内に縫着されていることを特徴とするマスコット収納型ショーツ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、マスコット形状体は芳香剤入りの袋が設けられていることを特徴とするマスコット収納型ショーツ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、マスコット形状体に係止手段を設け、該係止手段に吊り下げホルダーを取り付けることを特徴とするマスコット収納型ショーツ。

【国際公開番号】WO2005/077212
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【発行日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−517890(P2005−517890)
【国際出願番号】PCT/JP2004/008740
【国際出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(504398889)
【出願人】(504398890)
【Fターム(参考)】