マストの連結方法およびその方法に用いる装置
【課題】狭隘な敷地での施工を容易にするマストの連結方法およびその方法に用いる装置を提供する。
【解決手段】既設の下部マストにシャトルを装着し、シャトルが備える鉛直方向への移動機能と中心軸周りの回転機能を用いて、下部マストの上に上部マストを1節ずつ連結する。上部マストはシャトルに装着し、最初に下部マストより高い位置まで上昇させ、次に下部マストの上方に水平移動させる。下部マストと上部マストはシャトルの回転軸に対して同距離にあるため、シャトルの回転によって水平移動させた上部マストは下部マストの真上に位置する。最後にシャトルを下降させ、上部マストの下端と下部マストの上端のフランジをボルトで固定する。
【解決手段】既設の下部マストにシャトルを装着し、シャトルが備える鉛直方向への移動機能と中心軸周りの回転機能を用いて、下部マストの上に上部マストを1節ずつ連結する。上部マストはシャトルに装着し、最初に下部マストより高い位置まで上昇させ、次に下部マストの上方に水平移動させる。下部マストと上部マストはシャトルの回転軸に対して同距離にあるため、シャトルの回転によって水平移動させた上部マストは下部マストの真上に位置する。最後にシャトルを下降させ、上部マストの下端と下部マストの上端のフランジをボルトで固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のマストを連結する方法およびその方法に用いる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
全長が数十メートルにもおよぶ長尺の柱状体を建柱する場合、地面上で複数のマストを連結し、一本の連続した柱状体とした後に起重機を用いて起立させる方法が従来知られており、現在でもこの方法による建柱工事が多くの現場で施工されている。しかしこの方法では長尺の柱状体を倒置させ得るだけの広く平坦な敷地が必要であり、さらには起重機を安全に操作するための十分な作業半径が必要であるため、建造物が密集する狭隘な都市部や伐採を要する山間部における施工には適していない。
【0003】
狭隘な敷地での施工を可能にする技術はこれまでにもいくつか提案がなされており、その代表的なものとして特許文献1、2に開示されたものを挙げることができる。特許文献1には、最上部から下に一節ずつマストを継ぎ足していく工法が開示されている。特許文献2には、これとは逆に最下部から上に一節ずつ積み上げていく工法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−301026号公報
【特許文献2】特開平8−296346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたような下にマストを継ぎ足していく工法では、新たなマストを継ぎ足すときにこれまでに連結された複数のマストを持ち上げて宙に浮かせなければならないため、相当に堅牢な構造の昇降装置とこれらを支える架台が必要となる。従って本工事に着手する前の準備工の段階での作業負担が大きく、工事費も嵩むという問題がある。
【0006】
これに対し、上にマストを積み上げていく工法では、マストの昇降時にかかる荷重負担はマスト一節分であるため、昇降装置も含めた支持構造を簡略化することが可能である。しかしながら特許文献2ではマストを吊り上げるためのロープと位置を案内するためのロープの2本のロープを同時に操りながらの積み上げ作業となるため、作業難易度が高く、慣れないと時間を浪費することになる。
【0007】
本発明は、従来の技術にあった問題点を解消することを解決すべき課題として創作されたものであり、その目的は、狭隘な敷地での施工を容易にするマストの連結方法およびその方法に用いる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明は、鉛直方向に起立させた下部マストに上部マストを連結する方法であって、前記下部マストに下部ガイドレールを装着する工程と、上下部分が中心軸周りに相対的に回転可能なシャトルの下部を前記下部ガイドレールに鉛直方向に移動可能に装着する工程と、前記上部マストに上部ガイドレールを装着する工程と、前記上部ガイドレールに前記シャトルの上部を鉛直方向に移動可能に装着する工程と、前記上部マストを前記シャトルに対して移動不能に仮固定する工程と、前記シャトルを前記上部マストの下端が前記下部マストの上端を超える高さまで移動させる工程と、前記シャトルの上部を下部に対して回転させて前記上部マストを前記下部マストの真上に位置させる工程と、前記シャトルを下方に移動させて前記上部マストと前記下部マストを連結する工程と、前記上部マストの前記シャトルに対する仮固定を解除して前記シャトルを下方に移動させる工程を含む、方法を提供する。
【0009】
さらに本発明は、鉛直方向に起立した下部マストに上部マストを連結するための装置であって、下部マストに装着された下部ガイドレールと、上部マストに装着された上部ガイドレールと、上下部分が中心軸周りに相対的に回転可能なシャトルと、前記シャトルの上部および下部に装着されるとともに前記下部ガイドレールに鉛直方向に移動可能に装着された第1のガイドと、前記シャトルの上部に装着されるとともに前記上部ガイドレールに鉛直方向に移動可能に装着された第2のガイドと、前記第2のガイドを前記上部ガイドレールに対して移動不能に仮固定するストッパーを備えた、装置を提供する。
【0010】
本発明においては、マストの連結に際し、下部マストの上に上部マストを連結するという上にマストを積み上げていく方式を採用している。シャトルが備える鉛直方向への移動機能と中心軸周りの回転機能を用いて、マストの鉛直方向への移動と水平方向への移動という2つの移動工程を組み合わせることによりマストの連結を行う。シャトルは上部マストをシャトルの上部に仮固定した状態で下部ガイドレールを伝って上昇し、上部マストを所定の高さまで移動させ、その位置でシャトルの上部を回転させ、上部マストを下部マストの真上の位置まで水平移動させる。マストの連結を終えたら上部マストの仮固定を解除し、上部ガイドレールと下部ガイドレールを伝ってシャトルを下降させる。このシャトルの一連の動作を繰り返すことにより、マストを順に積み上げながら連結することができる。
【0011】
下部マストと上部マストがシャトルの回転軸に対して同距離にあれば、シャトルを回転させるだけで上部マストが下部マストの真上に位置するようになる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シャトルが備える鉛直方向への移動機能と回転機能を用いてマストの連結を行うため、重機などを配置する余裕のない狭隘な敷地であっても連結作業が可能である。またシャトルが備える機能により、上部マストが連結に適した位置に案内されるため、熟練した技術者でなくても簡単に連結作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】風況観測マストの全体図
【図2】1節マストの構造図
【図3】2節〜13節マストの構造図
【図4】1節マストと2節マストを連結した状態を示す側面図
【図5】14節マストの構造図
【図6】1節マストと2節マストの建起しの様子を示す作業状況図
【図7】1節マストと2節マストを固定した状態を示す側面図
【図8】シャトルの構造図
【図9】上部シャトルの装着の様子を示す作業状況図
【図10】上架設備の構造図
【図11】下部シャトルの装着の様子を示す作業状況図
【図12】3節マストの連結方法を示す模式図
【図13】シャトルの鉛直移動機能による3節マストの移動の様子を示す作業状況図
【図14】シャトルの回転機能による3節マストの移動の様子を示す作業状況図
【図15】2節マストと3節マストの連結の様子を示す作業状況図
【図16】14節ガイドレールの撤去の様子を示す作業状況図
【図17】13節ガイドレールの撤去の様子を示す作業状況図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態について添付した図面を参照しながら説明する。図1に示す風況観測マストは、局地における風の状況を観測、記録するための構造物である。14本の鋼管マストを鉛直方向に連結した全高40mの長尺の構造物であり、8段の支線で4方向より支持されている。地上高30mと40mの位置にそれぞれ風向・風速計が設置されており、最上部には避雷針が設置されている。地表面には地耐力を考慮したベースプレートと支線を留めるための支線アンカーが設置されている。
【0015】
図2に示す1節マストは風況観測マストの最下部に位置する鋼管マストである。1節マストは全長3mの丸鋼管を主体とし、中心軸を挟んで対向する側面に昇降足場が適宜の間隔で設けられている。最上部には接続フランジが設けられており、他の鋼管マストと連結する際に用いられる。最下部はベースプレートに回動可能に枢支されたマスト受金物と連結され、マスト留めボルトで固定されている。一方の昇降足場にはFMスカイロック(登録商標)が設けられている。FMスカイロック(登録商標)は昇降足場を使って風況観測マストを昇り降りする作業員の転落を防止するための安全昇降設備である。FMスカイロック(登録商標)と同じ場所にはさらにガイドレールが設置され、ガイドレール留めボルトで固定されている。ガイドレールは1節マストと平行に配置されており、上端は1節マストの最上端(接続フランジの上端)と同じ高さの位置にある。ガイドレールの全長は1節マストの全長より少し短くなっているため、ガイドレールとベースプレートの間には数10cm程度の隙間が形成される。
【0016】
1節マストの上に連結する2節マスト乃至13節マストの12本の鋼管マストは全て同型である。ここでは図3に示す第2段マストを例にとって説明する。2節マストは基本的には1節マストと同様の構成であり、中空の丸鋼管に昇降足場とFMスカイロック(登録商標)、そしてガイドレールを設置した構成となっている。1節マストとの違いは、最下部にも接続フランジが設けられていること、そしてガイドレールの全長がマストの全長と同じであること、さらには中央よりやや上方寄りの位置に上架滑車支持金具が設けられていることである。上架滑車支持金具には滑車が取り付けられるようになっており、3節目以降の鋼管マストや資材等をウィンチを用いて持ち上げる際に使用される。
【0017】
図4に示すように、1節マストと2節マストを連結すると、1節マストに設置された1節ガイドレールと2節マストに設置された2節ガイドレールが一繋がりに連続する。同様に3節目以降の鋼管マストを連結した場合もその都度ガイドレールが連続し、一繋がりとなったガイドレールの全長が延長される。
【0018】
風況観測マストの最上部の14節マストは、図5に示すように全長が他の鋼管マストの半分であり、最上部に避雷針が設けられている。
【0019】
次に風況観測マストを建柱するときの手順について説明する。1節マストと2節マストは横倒しした状態で連結し、その後に図6に示すように建起しを行う。1節マストの下端部はマスト受金物に連結する。1節マストの中央よりベースプレート寄り位置には鋼管マストと直角になるようにウィンチ固定架台を取り付け、架台の先端には手巻ウィンチを設置する。またウィンチ固定架台の先端と1節マストの間には建起し補強仮ロープを仮設する。手巻ウィンチに巻かれた建起仮ロープは建起し方向に引き出し、地面に打設された仮設アンカーにシャックルなどを用いて連結する。2節マストには滑車と1段目の支線となる4本のワイヤを取り付ける。
【0020】
手巻ウィンチを稼動させると、ウィンチ固定架台と建起し補強仮ロープを介して1節マストと2節マストに建起し方向に引っ張る力が作用し、1節マストと2節マストの連結体は横倒しの姿勢から起立姿勢へと変位する。1節マストと2節マストが起き上がったら、1段目支線を4方向に展開し、1節マストと2節マストの中心軸が建起し位置に重なるように張力を調整する。図7は1節マストと2節マストが4方に張設された1段目支線によって鉛直方向に起立した姿勢に固定された状態を示している。
【0021】
1節マストと2節マストの固定が完了したら3節目以降の鋼管マストの連結作業へと移行する。3節目以降の鋼管マストは本発明のマスト連結方法を用いて行われる。この方法にはガイドレールの他にシャトルを使用する。シャトルは、図8に示すように上部シャトルと下部シャトルの2つの部分で構成されており、両部分はシャトルターンテーブルで結合されている。上下シャトルの境界部分には心棒が内蔵されており、これにより上部シャトルと下部シャトルは強度を維持しながら中心軸周りに相対的に回転可能になっている。上部シャトルには中心軸を挟んで対向する側面にそれぞれガイドが設けられている。ガイドは上部シャトルの中央と上下両端近傍にそれぞれ1つずつ設けられており、一番下のガイドにはシャトル固定ピンが設けられている。下部シャトルには一方の側面にのみ3つのガイドが設けられている。これらのガイドは上部シャトルの場合と同じく下部シャトルの中央と上下両端近傍にそれぞれ1つずつ設けられている。さらに下部シャトルには中央よりやや下寄りの位置にシャトル上架吊箇所となる金具が取り付けられている。
【0022】
上部シャトルは、先にガイドのみをガイドレールに装着し、その後にガイドに固定するという順番でガイドレールに装着する。ガイドレールに装着された上部シャトルはガイドレールに沿って鉛直方向に移動可能になっている。ガイドは、ガイドレールとベースプレートの間に形成されている隙間からガイドレールに装着する。上部シャトルの他方のガイドには図9に示すように3節マストのガイドレールを装着し、シャトル固定ピンで留める。シャトル固定ピンはガイドとガイドレールが相対的に移動しないように両者を仮固定するストッパーの役割を果たす。これにより3節マストは上部シャトルに対して一時的に固定された状態となり、シャトルの動きに追従して鉛直方向に移動する。上部シャトルの装着が完了したらガイドレールに沿って上昇させ、上部シャトルの真下に下部シャトルを装着するための空間を形成する。
【0023】
上部シャトルを上昇させる際には手巻ウィンチを用いる。手巻ウィンチは1節マストと2節マストの建起しに使用したものを用いることができる。シャトルの移動にはケプラロープを使用するため、建起しの際に使用した仮ロープは取り外し、ケプラロープと交換する。ケプラロープは、図10に示すように1節マストと2節マストにそれぞれ取り付けられた滑車に掛けられ、先端に取り付けられたシャックルが上部シャトルに連結されている。
【0024】
下部シャトルは上部シャトルを装着した後にガイドレールに装着する。装着方法は上部シャトルの場合と同じである。下部シャトルはガイドレールへの装着後に上部シャトルと連結する。この連結の際には、両シャトルの境界部に心棒を挿入するとともに回転防止ピンを用いて上下のシャトルが回転しないように仮固定を行う。心棒の下部シャトル側はボルトで留められ、上部シャフト側はぬけ防止ピンで留められている。最後に、上部シャトルに連結されているシャックルを取り外し、下部シャトルに移す。これにより3節マストの連結準備が完了する。図11はガイドレールにシャトルが装着された状態を示しており、上部シャトルにはこれから連結しようとする3節マストが装着されている。
【0025】
図12は3節マストを2節マストに連結する手順を模式的に示したものである。図中に示されているように、既設の1節マストおよび2節マストにシャトルを装着し、シャトルが備える鉛直方向への移動機能と中心軸周りの回転機能を用いて、2節マストの上に3節マストを連結する。図13に示すように、最初にシャトルを3節マストの下端と2節マストの上端との間に数cmの隙間ができる程度の高さまで上昇させる。次に、図14に示すように上部シャトルを中心軸周りに180度回転させ、3節マストを反転させる。これにより3節マストは2節マストの真上に位置する。このまま図15に示すようにシャトルを僅かに下降させ、3節マストと2節マストの接続フランジを接合させる。3節ガイドレールと2節ガイドレールが連続するように両マストの位置合わせの微調整を行いながら接続フランジ同士をボルトで固定する。2節マストと3節マストの固定が完了したら、シャトル固定ピンを抜き取り、シャトルと3節マストの仮固定を解除する。これによりシャトルは鉛直方向に移動可能になり、一繋がりに連続する1節ガイドレールから3節ガイドレールに沿って昇降可能になる。
【0026】
3節マストの連結が完了したら続いて4節マストの連結作業に着手する。最初に、3節マストの連結作業のために最上部に移動しているシャトルを最下部まで下降させる。次に、4節マストを上部シャトルに装着し、ガイドと4節ガイドレールはシャトル固定ピンで仮固定する。2節マストに取り付けていた滑車は取り外して3節マストに移設する。この後は3節マストの連結作業と同様に、シャトルが備える鉛直方向への移動機能と中心軸周りの回転機能を用いて、3節マストの上に4節マストを連結する。5節マスト乃至14節マストの連結作業も同様の要領、手順にて行う。
【0027】
なお2段目以降の支線の取り付けについては、上部滑車を用いて引き上げ、支線を取り付けるべき鋼管マストに予め装着しておいた支線バンドに取り付ける。4本の支線の取り付けが完了したら、四方に展張し、支線アンカーに略均等に張力が掛かるように張設する。
【0028】
最後に地上高30mと40mの位置にそれぞれ風向・風速計を設置して風況観測マストの建柱作業は完了する。この後は1節マスト乃至14節マストに装着されているガイドレールを撤去する。これは重量の削減とともに風雨等の抵抗をできるだけ少なくするために行うものである。ガイドレールの撤去は、鋼管マストの連結時の順序とは逆に14節マストから行う。シャトル固定ピンでガイドと14節ガイドレールの仮固定を行った後に、14節ガイドレールを14節マストに固定しているボルトを緩めて14節ガイドレールを14節マストから離脱させる。このまま上部シャトルを180度回転させ、14節ガイドレールをシャトルを挟んで反対側の位置に移動させる。図16は、14節マストから取り外された14節ガイドレールがシャトルを挟んで反対側の位置に移動した状態を示している。
【0029】
この状態からシャトルを下降させ、図17に示すように14節ガイドレールの反対側にあるガイドと13節ガイドレールをシャトル固定ピンにて仮固定する。そして13節ガイドレールを13節マストに固定しているボルトを緩め、上部シャトルを45〜90度ほど回転させてから回転防止ピンで上部シャトルと下部シャトルを回転不能に仮固定する。これによりシャトルに仮固定されている14節ガイドレールと13節ガイドレールの2本のガイドレールが12節目より下のガイドレールと干渉することがない位置に移動し、安全にシャトルを下降させることができるようになる。シャトルを地表まで下降させたら、仮固定されている2本のガイドレールを撤去する。12節目以降のマストについても同様の要領、手順でガイドレールを2本ずつ撤去していく。
【0030】
以上、本発明の実施の形態の説明を行ったが、鋼管マストの本数や形状、図中に記した寸法や名称等は風況観測マストの諸元に適合したものになっている。本発明は風況観測マスト以外の構造物の建柱にも適用可能であり、その場合、マストの材質や形状、連結本数などは構造物の大きさや使用目的などに応じて任意に選択することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のマストを連結する方法およびその方法に用いる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
全長が数十メートルにもおよぶ長尺の柱状体を建柱する場合、地面上で複数のマストを連結し、一本の連続した柱状体とした後に起重機を用いて起立させる方法が従来知られており、現在でもこの方法による建柱工事が多くの現場で施工されている。しかしこの方法では長尺の柱状体を倒置させ得るだけの広く平坦な敷地が必要であり、さらには起重機を安全に操作するための十分な作業半径が必要であるため、建造物が密集する狭隘な都市部や伐採を要する山間部における施工には適していない。
【0003】
狭隘な敷地での施工を可能にする技術はこれまでにもいくつか提案がなされており、その代表的なものとして特許文献1、2に開示されたものを挙げることができる。特許文献1には、最上部から下に一節ずつマストを継ぎ足していく工法が開示されている。特許文献2には、これとは逆に最下部から上に一節ずつ積み上げていく工法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−301026号公報
【特許文献2】特開平8−296346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたような下にマストを継ぎ足していく工法では、新たなマストを継ぎ足すときにこれまでに連結された複数のマストを持ち上げて宙に浮かせなければならないため、相当に堅牢な構造の昇降装置とこれらを支える架台が必要となる。従って本工事に着手する前の準備工の段階での作業負担が大きく、工事費も嵩むという問題がある。
【0006】
これに対し、上にマストを積み上げていく工法では、マストの昇降時にかかる荷重負担はマスト一節分であるため、昇降装置も含めた支持構造を簡略化することが可能である。しかしながら特許文献2ではマストを吊り上げるためのロープと位置を案内するためのロープの2本のロープを同時に操りながらの積み上げ作業となるため、作業難易度が高く、慣れないと時間を浪費することになる。
【0007】
本発明は、従来の技術にあった問題点を解消することを解決すべき課題として創作されたものであり、その目的は、狭隘な敷地での施工を容易にするマストの連結方法およびその方法に用いる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明は、鉛直方向に起立させた下部マストに上部マストを連結する方法であって、前記下部マストに下部ガイドレールを装着する工程と、上下部分が中心軸周りに相対的に回転可能なシャトルの下部を前記下部ガイドレールに鉛直方向に移動可能に装着する工程と、前記上部マストに上部ガイドレールを装着する工程と、前記上部ガイドレールに前記シャトルの上部を鉛直方向に移動可能に装着する工程と、前記上部マストを前記シャトルに対して移動不能に仮固定する工程と、前記シャトルを前記上部マストの下端が前記下部マストの上端を超える高さまで移動させる工程と、前記シャトルの上部を下部に対して回転させて前記上部マストを前記下部マストの真上に位置させる工程と、前記シャトルを下方に移動させて前記上部マストと前記下部マストを連結する工程と、前記上部マストの前記シャトルに対する仮固定を解除して前記シャトルを下方に移動させる工程を含む、方法を提供する。
【0009】
さらに本発明は、鉛直方向に起立した下部マストに上部マストを連結するための装置であって、下部マストに装着された下部ガイドレールと、上部マストに装着された上部ガイドレールと、上下部分が中心軸周りに相対的に回転可能なシャトルと、前記シャトルの上部および下部に装着されるとともに前記下部ガイドレールに鉛直方向に移動可能に装着された第1のガイドと、前記シャトルの上部に装着されるとともに前記上部ガイドレールに鉛直方向に移動可能に装着された第2のガイドと、前記第2のガイドを前記上部ガイドレールに対して移動不能に仮固定するストッパーを備えた、装置を提供する。
【0010】
本発明においては、マストの連結に際し、下部マストの上に上部マストを連結するという上にマストを積み上げていく方式を採用している。シャトルが備える鉛直方向への移動機能と中心軸周りの回転機能を用いて、マストの鉛直方向への移動と水平方向への移動という2つの移動工程を組み合わせることによりマストの連結を行う。シャトルは上部マストをシャトルの上部に仮固定した状態で下部ガイドレールを伝って上昇し、上部マストを所定の高さまで移動させ、その位置でシャトルの上部を回転させ、上部マストを下部マストの真上の位置まで水平移動させる。マストの連結を終えたら上部マストの仮固定を解除し、上部ガイドレールと下部ガイドレールを伝ってシャトルを下降させる。このシャトルの一連の動作を繰り返すことにより、マストを順に積み上げながら連結することができる。
【0011】
下部マストと上部マストがシャトルの回転軸に対して同距離にあれば、シャトルを回転させるだけで上部マストが下部マストの真上に位置するようになる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シャトルが備える鉛直方向への移動機能と回転機能を用いてマストの連結を行うため、重機などを配置する余裕のない狭隘な敷地であっても連結作業が可能である。またシャトルが備える機能により、上部マストが連結に適した位置に案内されるため、熟練した技術者でなくても簡単に連結作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】風況観測マストの全体図
【図2】1節マストの構造図
【図3】2節〜13節マストの構造図
【図4】1節マストと2節マストを連結した状態を示す側面図
【図5】14節マストの構造図
【図6】1節マストと2節マストの建起しの様子を示す作業状況図
【図7】1節マストと2節マストを固定した状態を示す側面図
【図8】シャトルの構造図
【図9】上部シャトルの装着の様子を示す作業状況図
【図10】上架設備の構造図
【図11】下部シャトルの装着の様子を示す作業状況図
【図12】3節マストの連結方法を示す模式図
【図13】シャトルの鉛直移動機能による3節マストの移動の様子を示す作業状況図
【図14】シャトルの回転機能による3節マストの移動の様子を示す作業状況図
【図15】2節マストと3節マストの連結の様子を示す作業状況図
【図16】14節ガイドレールの撤去の様子を示す作業状況図
【図17】13節ガイドレールの撤去の様子を示す作業状況図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態について添付した図面を参照しながら説明する。図1に示す風況観測マストは、局地における風の状況を観測、記録するための構造物である。14本の鋼管マストを鉛直方向に連結した全高40mの長尺の構造物であり、8段の支線で4方向より支持されている。地上高30mと40mの位置にそれぞれ風向・風速計が設置されており、最上部には避雷針が設置されている。地表面には地耐力を考慮したベースプレートと支線を留めるための支線アンカーが設置されている。
【0015】
図2に示す1節マストは風況観測マストの最下部に位置する鋼管マストである。1節マストは全長3mの丸鋼管を主体とし、中心軸を挟んで対向する側面に昇降足場が適宜の間隔で設けられている。最上部には接続フランジが設けられており、他の鋼管マストと連結する際に用いられる。最下部はベースプレートに回動可能に枢支されたマスト受金物と連結され、マスト留めボルトで固定されている。一方の昇降足場にはFMスカイロック(登録商標)が設けられている。FMスカイロック(登録商標)は昇降足場を使って風況観測マストを昇り降りする作業員の転落を防止するための安全昇降設備である。FMスカイロック(登録商標)と同じ場所にはさらにガイドレールが設置され、ガイドレール留めボルトで固定されている。ガイドレールは1節マストと平行に配置されており、上端は1節マストの最上端(接続フランジの上端)と同じ高さの位置にある。ガイドレールの全長は1節マストの全長より少し短くなっているため、ガイドレールとベースプレートの間には数10cm程度の隙間が形成される。
【0016】
1節マストの上に連結する2節マスト乃至13節マストの12本の鋼管マストは全て同型である。ここでは図3に示す第2段マストを例にとって説明する。2節マストは基本的には1節マストと同様の構成であり、中空の丸鋼管に昇降足場とFMスカイロック(登録商標)、そしてガイドレールを設置した構成となっている。1節マストとの違いは、最下部にも接続フランジが設けられていること、そしてガイドレールの全長がマストの全長と同じであること、さらには中央よりやや上方寄りの位置に上架滑車支持金具が設けられていることである。上架滑車支持金具には滑車が取り付けられるようになっており、3節目以降の鋼管マストや資材等をウィンチを用いて持ち上げる際に使用される。
【0017】
図4に示すように、1節マストと2節マストを連結すると、1節マストに設置された1節ガイドレールと2節マストに設置された2節ガイドレールが一繋がりに連続する。同様に3節目以降の鋼管マストを連結した場合もその都度ガイドレールが連続し、一繋がりとなったガイドレールの全長が延長される。
【0018】
風況観測マストの最上部の14節マストは、図5に示すように全長が他の鋼管マストの半分であり、最上部に避雷針が設けられている。
【0019】
次に風況観測マストを建柱するときの手順について説明する。1節マストと2節マストは横倒しした状態で連結し、その後に図6に示すように建起しを行う。1節マストの下端部はマスト受金物に連結する。1節マストの中央よりベースプレート寄り位置には鋼管マストと直角になるようにウィンチ固定架台を取り付け、架台の先端には手巻ウィンチを設置する。またウィンチ固定架台の先端と1節マストの間には建起し補強仮ロープを仮設する。手巻ウィンチに巻かれた建起仮ロープは建起し方向に引き出し、地面に打設された仮設アンカーにシャックルなどを用いて連結する。2節マストには滑車と1段目の支線となる4本のワイヤを取り付ける。
【0020】
手巻ウィンチを稼動させると、ウィンチ固定架台と建起し補強仮ロープを介して1節マストと2節マストに建起し方向に引っ張る力が作用し、1節マストと2節マストの連結体は横倒しの姿勢から起立姿勢へと変位する。1節マストと2節マストが起き上がったら、1段目支線を4方向に展開し、1節マストと2節マストの中心軸が建起し位置に重なるように張力を調整する。図7は1節マストと2節マストが4方に張設された1段目支線によって鉛直方向に起立した姿勢に固定された状態を示している。
【0021】
1節マストと2節マストの固定が完了したら3節目以降の鋼管マストの連結作業へと移行する。3節目以降の鋼管マストは本発明のマスト連結方法を用いて行われる。この方法にはガイドレールの他にシャトルを使用する。シャトルは、図8に示すように上部シャトルと下部シャトルの2つの部分で構成されており、両部分はシャトルターンテーブルで結合されている。上下シャトルの境界部分には心棒が内蔵されており、これにより上部シャトルと下部シャトルは強度を維持しながら中心軸周りに相対的に回転可能になっている。上部シャトルには中心軸を挟んで対向する側面にそれぞれガイドが設けられている。ガイドは上部シャトルの中央と上下両端近傍にそれぞれ1つずつ設けられており、一番下のガイドにはシャトル固定ピンが設けられている。下部シャトルには一方の側面にのみ3つのガイドが設けられている。これらのガイドは上部シャトルの場合と同じく下部シャトルの中央と上下両端近傍にそれぞれ1つずつ設けられている。さらに下部シャトルには中央よりやや下寄りの位置にシャトル上架吊箇所となる金具が取り付けられている。
【0022】
上部シャトルは、先にガイドのみをガイドレールに装着し、その後にガイドに固定するという順番でガイドレールに装着する。ガイドレールに装着された上部シャトルはガイドレールに沿って鉛直方向に移動可能になっている。ガイドは、ガイドレールとベースプレートの間に形成されている隙間からガイドレールに装着する。上部シャトルの他方のガイドには図9に示すように3節マストのガイドレールを装着し、シャトル固定ピンで留める。シャトル固定ピンはガイドとガイドレールが相対的に移動しないように両者を仮固定するストッパーの役割を果たす。これにより3節マストは上部シャトルに対して一時的に固定された状態となり、シャトルの動きに追従して鉛直方向に移動する。上部シャトルの装着が完了したらガイドレールに沿って上昇させ、上部シャトルの真下に下部シャトルを装着するための空間を形成する。
【0023】
上部シャトルを上昇させる際には手巻ウィンチを用いる。手巻ウィンチは1節マストと2節マストの建起しに使用したものを用いることができる。シャトルの移動にはケプラロープを使用するため、建起しの際に使用した仮ロープは取り外し、ケプラロープと交換する。ケプラロープは、図10に示すように1節マストと2節マストにそれぞれ取り付けられた滑車に掛けられ、先端に取り付けられたシャックルが上部シャトルに連結されている。
【0024】
下部シャトルは上部シャトルを装着した後にガイドレールに装着する。装着方法は上部シャトルの場合と同じである。下部シャトルはガイドレールへの装着後に上部シャトルと連結する。この連結の際には、両シャトルの境界部に心棒を挿入するとともに回転防止ピンを用いて上下のシャトルが回転しないように仮固定を行う。心棒の下部シャトル側はボルトで留められ、上部シャフト側はぬけ防止ピンで留められている。最後に、上部シャトルに連結されているシャックルを取り外し、下部シャトルに移す。これにより3節マストの連結準備が完了する。図11はガイドレールにシャトルが装着された状態を示しており、上部シャトルにはこれから連結しようとする3節マストが装着されている。
【0025】
図12は3節マストを2節マストに連結する手順を模式的に示したものである。図中に示されているように、既設の1節マストおよび2節マストにシャトルを装着し、シャトルが備える鉛直方向への移動機能と中心軸周りの回転機能を用いて、2節マストの上に3節マストを連結する。図13に示すように、最初にシャトルを3節マストの下端と2節マストの上端との間に数cmの隙間ができる程度の高さまで上昇させる。次に、図14に示すように上部シャトルを中心軸周りに180度回転させ、3節マストを反転させる。これにより3節マストは2節マストの真上に位置する。このまま図15に示すようにシャトルを僅かに下降させ、3節マストと2節マストの接続フランジを接合させる。3節ガイドレールと2節ガイドレールが連続するように両マストの位置合わせの微調整を行いながら接続フランジ同士をボルトで固定する。2節マストと3節マストの固定が完了したら、シャトル固定ピンを抜き取り、シャトルと3節マストの仮固定を解除する。これによりシャトルは鉛直方向に移動可能になり、一繋がりに連続する1節ガイドレールから3節ガイドレールに沿って昇降可能になる。
【0026】
3節マストの連結が完了したら続いて4節マストの連結作業に着手する。最初に、3節マストの連結作業のために最上部に移動しているシャトルを最下部まで下降させる。次に、4節マストを上部シャトルに装着し、ガイドと4節ガイドレールはシャトル固定ピンで仮固定する。2節マストに取り付けていた滑車は取り外して3節マストに移設する。この後は3節マストの連結作業と同様に、シャトルが備える鉛直方向への移動機能と中心軸周りの回転機能を用いて、3節マストの上に4節マストを連結する。5節マスト乃至14節マストの連結作業も同様の要領、手順にて行う。
【0027】
なお2段目以降の支線の取り付けについては、上部滑車を用いて引き上げ、支線を取り付けるべき鋼管マストに予め装着しておいた支線バンドに取り付ける。4本の支線の取り付けが完了したら、四方に展張し、支線アンカーに略均等に張力が掛かるように張設する。
【0028】
最後に地上高30mと40mの位置にそれぞれ風向・風速計を設置して風況観測マストの建柱作業は完了する。この後は1節マスト乃至14節マストに装着されているガイドレールを撤去する。これは重量の削減とともに風雨等の抵抗をできるだけ少なくするために行うものである。ガイドレールの撤去は、鋼管マストの連結時の順序とは逆に14節マストから行う。シャトル固定ピンでガイドと14節ガイドレールの仮固定を行った後に、14節ガイドレールを14節マストに固定しているボルトを緩めて14節ガイドレールを14節マストから離脱させる。このまま上部シャトルを180度回転させ、14節ガイドレールをシャトルを挟んで反対側の位置に移動させる。図16は、14節マストから取り外された14節ガイドレールがシャトルを挟んで反対側の位置に移動した状態を示している。
【0029】
この状態からシャトルを下降させ、図17に示すように14節ガイドレールの反対側にあるガイドと13節ガイドレールをシャトル固定ピンにて仮固定する。そして13節ガイドレールを13節マストに固定しているボルトを緩め、上部シャトルを45〜90度ほど回転させてから回転防止ピンで上部シャトルと下部シャトルを回転不能に仮固定する。これによりシャトルに仮固定されている14節ガイドレールと13節ガイドレールの2本のガイドレールが12節目より下のガイドレールと干渉することがない位置に移動し、安全にシャトルを下降させることができるようになる。シャトルを地表まで下降させたら、仮固定されている2本のガイドレールを撤去する。12節目以降のマストについても同様の要領、手順でガイドレールを2本ずつ撤去していく。
【0030】
以上、本発明の実施の形態の説明を行ったが、鋼管マストの本数や形状、図中に記した寸法や名称等は風況観測マストの諸元に適合したものになっている。本発明は風況観測マスト以外の構造物の建柱にも適用可能であり、その場合、マストの材質や形状、連結本数などは構造物の大きさや使用目的などに応じて任意に選択することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向に起立させた下部マストに上部マストを連結する方法であって、
前記下部マストに下部ガイドレールを装着する工程と、
上下部分が中心軸周りに相対的に回転可能なシャトルの下部を前記下部ガイドレールに鉛直方向に移動可能に装着する工程と、
前記上部マストに上部ガイドレールを装着する工程と、
前記上部ガイドレールに前記シャトルの上部を鉛直方向に移動可能に装着する工程と、
前記上部マストを前記シャトルに対して移動不能に仮固定する工程と、
前記シャトルを前記上部マストの下端が前記下部マストの上端を超える高さまで移動させる工程と、
前記シャトルの上部を下部に対して回転させて前記上部マストを前記下部マストの真上に位置させる工程と、
前記シャトルを下方に移動させて前記上部マストと前記下部マストを連結する工程と、
前記上部マストの前記シャトルに対する仮固定を解除して前記シャトルを下方に移動させる工程を含む、方法。
【請求項2】
少なくとも3本のマストを連結する場合において、既に連結された2本のマストを前記下部マストとして地表面に設置し、3本目のマストを前記上部マストとして前記下部マストに連結する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
鉛直方向に起立させた下部マストに上部マストを連結するための装置であって、
下部マストに装着された下部ガイドレールと、
上部マストに装着された上部ガイドレールと、
上下部分が中心軸周りに相対的に回転可能なシャトルと、
前記シャトルの上部および下部に装着されるとともに前記下部ガイドレールに鉛直方向に移動可能に装着された第1のガイドと、
前記シャトルの上部に装着されるとともに前記上部ガイドレールに鉛直方向に移動可能に装着された第2のガイドと、
前記第2のガイドを前記上部ガイドレールに対して移動不能に仮固定するストッパーを備えた、装置。
【請求項1】
鉛直方向に起立させた下部マストに上部マストを連結する方法であって、
前記下部マストに下部ガイドレールを装着する工程と、
上下部分が中心軸周りに相対的に回転可能なシャトルの下部を前記下部ガイドレールに鉛直方向に移動可能に装着する工程と、
前記上部マストに上部ガイドレールを装着する工程と、
前記上部ガイドレールに前記シャトルの上部を鉛直方向に移動可能に装着する工程と、
前記上部マストを前記シャトルに対して移動不能に仮固定する工程と、
前記シャトルを前記上部マストの下端が前記下部マストの上端を超える高さまで移動させる工程と、
前記シャトルの上部を下部に対して回転させて前記上部マストを前記下部マストの真上に位置させる工程と、
前記シャトルを下方に移動させて前記上部マストと前記下部マストを連結する工程と、
前記上部マストの前記シャトルに対する仮固定を解除して前記シャトルを下方に移動させる工程を含む、方法。
【請求項2】
少なくとも3本のマストを連結する場合において、既に連結された2本のマストを前記下部マストとして地表面に設置し、3本目のマストを前記上部マストとして前記下部マストに連結する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
鉛直方向に起立させた下部マストに上部マストを連結するための装置であって、
下部マストに装着された下部ガイドレールと、
上部マストに装着された上部ガイドレールと、
上下部分が中心軸周りに相対的に回転可能なシャトルと、
前記シャトルの上部および下部に装着されるとともに前記下部ガイドレールに鉛直方向に移動可能に装着された第1のガイドと、
前記シャトルの上部に装着されるとともに前記上部ガイドレールに鉛直方向に移動可能に装着された第2のガイドと、
前記第2のガイドを前記上部ガイドレールに対して移動不能に仮固定するストッパーを備えた、装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−233344(P2012−233344A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102537(P2011−102537)
【出願日】平成23年4月29日(2011.4.29)
【出願人】(511109021)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月29日(2011.4.29)
【出願人】(511109021)
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