説明

マスメダルゲーム機におけるセンタ部の順番待ち解消システム

【課題】複数のターミナルが共用するセンタにセンタ演出処理待ちが発生した場合、プレイヤが待機か,短縮演出かを選択でき、短縮演出を選択したターミナルがあると、そのターミナルは待機リストから登録が消去されるためセンタを呼び出すフラグの順番が繰り上って待機時間全体の短縮を図ることができるマスメダルゲーム機におけるセンタ部の順番待ち解消システムを提供する。
【解決手段】複数のターミナルと、複数のターミナルで共用するセンタ部とから構成されている。ターミナルのゲームにおいてセンタの抽選機などを用いるイベントが発生した場合、センタでセンタ演出処理が行われる。このとき他のターミナルがセンタ演出処理のために待機リストに登録されていると、センタ演出処理待ちが発生する。プレイヤは待機するか,短縮演出かを選択でき、短縮演出を選択すると、ターミナルの液晶モニタでセンタ演出処理と同じビデオ再生を行い短縮演出を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のターミナルを持つマスメダルゲーム機のセンタ部の順番待ちを解消するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
フィールドの背後に配置されたチャッカーの孔を狙ってメダルエントリーからメダルを投入し、チャッカーに入れば、液晶画面のスロットが回転をして停止し、所定の役を得た場合、賞対応の数のメダルが例えばメダルフィールドに払い出させたり、チャッカーに入らず壁に当たって跳ね返りメダルフィールドに落下することにより、メダルフィールド上にメダルが堆積し、これら堆積したメダルを前後動するプッシャー台によって前方に少しずつ移動させ、前方にある払い出し口に押されたメダルを落下させたりすることによりメダルの払い出しを行うメダルゲーム機が従来より実施されている。そして特別の賞の演出を行うための共用部の周囲に上記メダルゲーム機をターミナルとして多数配置したマスメダルゲーム機が実施に供されている。
【0003】
このようなマスメダルゲーム機において、プレイヤはそれぞれのターミナルで上記メダルゲームを個別に行い、あるイベントが発生した場合、イベントによる特別の演出を共用部で行う。各ターミナルは、共用部を占有して特別の賞の演出を行うには、既に他のターミナルに占有されている場合、他のターミナルの演出が終了する迄、待たされることとなる。多数のターミナルに特別の賞の演出が発生する場合には、順番待ちのリストが作られ、その順番に従ってそれぞれのターミナルの特別の賞が実施されるため、相当の時間待たされる場合がある。
【0004】
このような場合、順番待ちするターミナルではプレイヤはゲームが中断するため、折角、高揚していた気持ちが興ざめする。また、待たされているターミナルはメダルエントリを行うことができず、メダルインカムが行われないため、マスメダルゲーム機の使用効率が悪くなる。
そこで、解決方法の1つとして共用部の順番待ちが発生した際に待機しているターミナルにおいてミニゲームを発生させ、ミニゲームをしている時間に共用部での演出の処理を進めて順番待ちを解消する対策が講じられている。このような対策によってプレイヤに待ち時間が長いと感じさせないようにしている。
【0005】
この種の方策を講じたものに遊戯装置及びその制御方法が提案されている(特許文献1)。この提案は複数のサテライトと、共用部とからなり、複数のサテライトで用いられる共用部が別のサテライトに占有され、共用部が使用可能になるまでの順番待ちが生じたサテライトにおいて、共用部が他のターミナルに占有されている待ち時間の遊戯性を改善することを目的としている。そのために、先に大当たりした権利を獲得した別のサテライトが存在するかチェックし、ジャックポット機構(共用部)をすぐに利用できるか、或いは他のサテライトが使用を終えるまでの順番待ちであるかを判定し、待ち状態である場合、順番待ちのサテライトで、待ち時間を利用してミニゲームイベントを実行している。他のサテライトがジャックポット機構の占有を開放し、ジャックポット機構を占有できる順番がきたときに、ただちにミニゲームイベントを終了して再挑戦プログラムを実行するものである。
【特許文献1】特開2007−167342号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記方法も、自分のターミナル(サテライト)とは関係ない演出で待たされるため、ゲームの興趣性が低下するという欠点がある。また、待機しているターミナルの総数が減らない限り結果的に時間は短縮されない点が克服されていないなどの問題が残るものである。
【0007】
本発明は上記状況に鑑みなされたもので、その目的は、複数のターミナルが共用するセンタにセンタ演出処理待ちが発生した場合、プレイヤが待機か,短縮演出かを選択でき、短縮演出を選択したターミナルがあると、そのターミナルは待機リストから登録を消去されるためセンタを呼び出すフラグの順番が繰り上って待機時間全体の短縮を図ることができるマスメダルゲーム機におけるセンタ部の順番待ち解消システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために本発明の請求項1記載の発明は、メダルを投入し、メダルを所定の孔に入れたり、メダルフィールドに堆積したりすることによりメダル払い出しのゲームを行える複数のターミナルと、複数のターミナルが共用しセンタ演出のための機能を有するセンタ部とを備え、それぞれのターミナルに所定のイベントが発生した場合、前記センタ部を占有してセンタ演出を行うように構成されたマスメダルゲーム機において、センタ部を使用中のターミナルの有無を確認するターミナル使用確認手段と、前記ターミナル使用確認手段の確認によりセンタ部を使用しているターミナルが存在しない場合、センタ部を用いたセンタ演出処理を行うセンタ演出処理手段と、前記ターミナル使用確認手段の確認によりセンタ部を使用しているターミナルが存在する場合、前記センタ部のメモリ部の待機リストに所定のイベントが発生したターミナルを登録し、登録したターミナルの順番を確認する順番確認手段と、前記順番確認手段で他のターミナルの待機数が所定の数か否かを判断するターミナル待機数判断手段と、ターミナル待機数が所定の数以下の場合、前記センタ演出処理手段によりセンタ演出処理を行い、所定の数以上の場合、ターミナルで短縮演出を行うか否かをプレイヤに選択させる選択手段と、プレイヤが前記選択手段で短縮演出処理を選択した場合、短縮演出処理を行って前記待機リストから短縮演出処理を行うターミナルの登録を消去する短縮演算処理手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において前記ターミナルで行う短縮演出処理は、前記センタ部で行うセンタ演出処理の映像を、ターミナルのモニタに再生して行うことを特徴とする。
本発明の請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において前記センタ部は、円盤部の外周付近にボールを周縁に沿って放出し、円盤部中央付近に配置された複数の溝の何れかに、放出されたボールが入ることによって払い出すメダルの数を決定するアナログ抽選形の抽選機Aと、複数のリールを回転させ、該複数のリールを順次停止させ、停止させた位置でそれぞれのリールが表示する図柄,文字などが一致した場合、一致した図柄,文字などに対応して設定されている報酬対応のメダル数を払い出すことを決定するスロットマシンによる抽選機Bとを有し、前記抽選機AまたはBの駆動によってセンタ演出処理を行うことを特徴とする。
本発明の請求項4記載の発明は、請求項1,2または3記載の発明において前記センタ部は、メダル払い出し装置を有し、各ターミナルで発生したイベントによるメダル払い出しを前記メダル払い出し装置で行うことを特徴とする。
本発明の請求項5記載の発明は、請求項1乃至4記載の発明において前記マスメダルゲーム機は、センタ演出処理を行う抽選機AおよびBならびにメダル払い出し装置を回転装置上に搭載し、該センタ部を中心に周囲に複数のターミナルを配置して構成し、ターミナルにイベントが発生し待機リストにイベントが発生したターミナルを登録した後に前記センタ演出処理手段によりセンタ演出処理を行う場合、前記回転装置を駆動して前記センタ部のセンタ演出処理を行う抽選機または払い出し装置をイベントが発生したターミナルの前に移動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記構成によれば以下の利点を有する。
1.センタ部による演出をプレイヤがスキップ選択できるためプレイヤの待ち時間をなくすことができる。
2.システム全体の待ち時間を減らしているので、時間当たりインカムを向上させることができる。
3.熟練したプレイヤの場合では、センタ部の機構を使用した派手な演出よりも手元に戻ってくるメダルの枚数の体感的な量を気にする傾向が見られる。よって演出および払い出し方法に選択の余地を与えることによりプレイヤの熟練度に応じた興趣性を提供することができる。
4.センタ部の機構に複数の役割を持たせている場合には、特に演出でのセンタ部の呼び出しを分散させる効果が期待できる。
5.センタを使用しないでゲームを進行させることも可能になるため、センタ部分でトラブルが発生した場合でも機械全体を止めずに運営することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は、本発明によるマスメダルゲーム機の外観を示す正面図、図2Aは本発明によるマスメダルゲーム機の構成を示す平面図である。
8台のターミナル(1)〜(8)のメダルゲーム機がセンタ部7の周囲に配置されている。センタ部7はターンテーブル3の上に抽選機(A)4,抽選機(B)兼メダル払い出し装置5およびメダル払い出し装置6を搭載して構成されている。センタ演出処理を行う装置は、上記抽選機(A)4,抽選機(B)兼メダル払い出し装置5またはメダル払い出し装置6である。
ターンテーブル3は図示しない回転駆動機構により回動可能であり、センタ部7の機能を用いるイベントが発生したターミナルに対し、センタ演出処理を行う場合、対応する抽選機またはメダル払い出し装置がイベントが発生したターミナルの前に位置付けられるように回転して停止する。センタ部はいずれのターミナルによっても占有されていない状態では回転し続けている。
【0011】
ターミナル(1)〜(8)の上部に透明板2が設置され、プレイヤは透明板2を通してセンタ部の抽選機(A)4,抽選機(B)兼メダル払い出し装置5およびメダル払い出し装置6を見ることができる。1以上のターミナルがセンタ部のセンタ演出処理のため待機状態になっている場合、現在センタ部のセンタ演出処理を行っているターミナルを除き他のターミナルは待機状態となるが、待機状態となっているターミナルのプレイヤは、待機状態のターミナルが所定の数以上の場合(例えば、2つのターミナルが待機状態)、センタ演出処理の代わりに短縮演出処理を選択してターミナル自体で短縮演出処理を行うことによりシステム全体の処理時間を短縮することができる。また、自らのターミナルの処理時間も短縮することができる。
【0012】
図2Bは抽選機(A)および(B)の構成の詳細を説明するための図である。
抽選機(A)はアナログ抽選で行うものであり、ボール11を放出し回転させるための円盤ボール回転部10a,円盤ボール回転部10aで減速して落下するボールを受けるための4個の溝12a〜12dを設けた円盤中央部10bより構成されている。各溝12a〜12dはそれぞれ異なる配当メダル個数に設定してある。例えば、溝12aは配当メダル数10枚,溝12bは配当メダル数15枚,溝12cは配当メダル数20枚,溝12dは配当メダル数30枚である。
したがって溝12dに11dに示すようにボールが落下すれば、30枚のメダルが後述するメダルフィールドに払い出される。
【0013】
抽選機(B)は、回転停止する3つのリール14a,14bおよび14cからなるメカスロットマシンであり、停止した図柄,文字などがすべて揃った場合、図柄,文字などの絵柄によってそれぞれ異なる賞に当たる。例えば☆が3つ揃えば、メダル20枚の払い出しであり、ターミナルの払い出し口からメダル20枚が払い出される。抽選機(B)は抽選機(A)と異なりメダル払い出し装置も備えている。この兼ね備えられたメダル払い出し装置は抽選機(B)で抽選して得られた数のメダルをターミナルに払い出す。
【0014】
図3は、ターミナルであるメダルゲーム機の外観の詳細を示す正面図である。
正面に液晶モニタ21が配置され、その手前にプッシャー台23が設けられている。プッシャー台23は前後動を繰り返し、後退することによりプッシャー台23に堆積したメダルを手前のメダルフィールド32に落とし、また、前進することによりメダルフィールド32に堆積したメダルを手前方向に押す。プッシャー台23の前端部23aが堆積したメダル35を押すことにより押されたメダル35に接しているメダル35も手前に押されることとなり、プッシャー台23が前後動を繰り返し、さらにメダルフィールド32に落下するメダル35が増加することにより、堆積したメダル35の中の最も手前に位置するメダル35はメダル払い出し落下部31まで移動すると、落下して払い出される。
【0015】
プッシャー台23の側面にある入賞メダル払い出し口22は、大当たりに入賞して払い出されるメダル35が出てくる口であり、払い出されたメダル35はプッシャー台23やメダルフィールド32に落下する。入賞メダル払い出し口22から払い出されるメダルは、ターミナルで入賞した場合にメダル払い出しホッパ30から図示しないガイドを通して供給されるメダルであり、またセンタ部7のメダル払い出し装置6や抽選機(B)に兼ね備えられている払い出し装置で払い出されるメダル35である。
チェッカー24はメダルを入れるための多数の孔を有しており、孔にメダルが入ると、図示しないメダル検出器によってメダル通過が検出され、例えば液晶モニタ21に表示されるスロットマシンが回転を開始し、停止する。スロットマシンの停止したリールの絵柄が一致すれば、絵柄によって異なる賞が発生する。
【0016】
液晶モニタ21,プッシャー台23,チェッカー24,メダルフィールド32を含む領域は透明板33で外部と仕切られている。この透明板33の外側の左右にメダルエントリー25,25が配置されている。プレイヤがチェッカー24の孔を狙ってメダル35をメダルエントリー25に投入すると、メダル35は図示しないガイドを通り、チェッカー24に目掛けて飛び出す。守備よくチェッカー24の孔に入れば、上述したように液晶モニタ21に表示されるスロットマシンが回転を開始し、停止する。またチェッカー24の孔に入らなければ、内部の壁などに衝突してプッシャー台23やメダルフィールド32の上に落下し堆積する。
【0017】
メダルゲーム機の左右にスピーカ26,26が配置されており、ゲーム待機時に待ち受け用の音楽や賞に当たった場合の音などを出力する。
メダルゲーム機の前面中央に獲得メダルを払い出すための獲得メダル払い出し口28を有するメダル受け29が設けられている。メダル受け29の左側にはゲームの種類を選択したり、ゲーム中に決定したりする場合に操作される選択ボタン(A,B)27が設けられている。さらに前面の扉34内にはメダル払い出しホッパ30を備えている。メダル払い出しホッパ30は回収したメダルを受け、メダルを払い出しするため上部に転送するガイドなどを有するホッパやメダルボックスから構成されている。
【0018】
図4は、本発明によるマスメダルゲーム機の回路の実施の形態を示すブロック図である。この実施の形態は各ターミナルがゲームの一部において占有するセンタ部40と、センタ部40とそれぞれ通信装置60を介して信号をやり取りする8個のターミナル部50より構成されている。
センタ部40はCPU41,抽選装置42,サウンド出力装置43,メダル払い出しホッパ44を含んでいる。また、メモリ部46を有し、該メモリ部46はイベント発生によりセンタ部を用いるセンタ演出処理を行うターミナルが発生した場合、そのターミナルの待機リストをメモリ部46に記憶(登録)する。この例ではターミナル(2),ターミナル(5),ターミナル(3)・・・ターミナル(n)が待機リストに登録され、ターミナル(2)以降がこの順番でセンタ演出処理を待っている状態を示している。
【0019】
抽選装置42は抽選機(A)と(B)を含んでおり、CPU41の制御の下に抽選機(A)と(B)が駆動させられる。
サウンド出力装置43はセンタ部40のセンタ演出処理の際に用いられ、抽選で特別な賞に当たった場合など、派手な音楽などを出力する。
メダル払い出しホッパ44は、メダル払い出し装置6に内蔵されるもので、センタ部40のメダル払い出し装置6を利用するイベントが発生したターミナルに対し払い出しを行う。
【0020】
CPU41は図示しないROMに格納されたメダルゲームプログラムを読み込むことにより、センタ部40を動作すべきマスメダルゲームを制御するものである。CPU41は図示しないターンテーブル3の回転駆動機構を制御し、ターンテーブル3を一定の速度で回転させたり、停止させたりする。
CPU41は抽選機(A)のアナログ抽選において、図示しないボール放出機構を駆動させてボール11を円盤ボール回転部10aに放出させる制御を行い、放出されたボール11が円盤中央部10bに設けた4個の溝12a〜12dのどの溝に入ったかを図示しない検出器により検出し、溝対応に設定されているメダル数を払い出す制御を行う。
【0021】
CPU41はまた抽選機(B)のメカスロットマシンにおいて、各メカスロットのリール14a,14b,14cを図示しないモータを駆動することにより回転させ、各リール14a,14b,14cを順番に1ずつ停止させる制御を行う。これにより抽選による結果が決定する。この抽選により例えば、特別な賞が当たると、その特別な賞対応の数のメダルが抽選機(B)に設けられている払い出し装置より払い出される。
【0022】
ターミナル部50は入力装置51,CPU52,映像出力装置53,サウンド出力装置54およびメダル払い出しホッパ55を備えている。
入力装置51は選択ボタン27およびメダルエントリー25の図示しないメダルセンサを含むものである。メダルエントリー25のメダルセンサはメダルのIN/OUTを検出し、その情報はCPU52に送られる。
映像出力装置53はCPU52の制御の下に液晶モニタ21にゲームの待ち受け画面やメダルゲームの画面を再生する。また、センタ部の抽選機(A)や(B)の代わりに短縮演出処理として抽選機(A)や(B)をビデオ画面で表示し、ビデオ画面上でセンタ部で行われる抽選機(A)や(B)と同じ処理を行う。これにより、センタ部でのセンタ演出処理を回避できメダルゲーム機の処理時間の短縮化を図ることができる。
【0023】
また、サウンド出力装置54は、ターミナル部50のメダルゲーム処理の際の各演出で用いられ、抽選で特別な賞に当たった場合など、その状態を示す音楽などを出力する。
メダル払い出しホッパ55は、各ターミナルで発生するメダル払い出しを行うものである。短縮演出でも使用される。
なお、ターミナルで短縮演出する際、センタ部のアナログ抽選とターミナルのビデオ抽選の違いやセンタ部およびターミナル部の払い出し機構は、センタ部とターミナル部で全く同じ条件にするのは難しいので、ソフトウェア的な制御を加えて回避する。
【0024】
CPU52は図示しないROMに格納されたターミナルのメダルゲームプログラムを読み込むことにより、ターミナル部50で動作すべきメダルゲームを制御し実現する。
CPU52はメダルの払い出しが発生した場合、メダル払い出し装置のメダル払い出し機構でメダルを払い出すための駆動回路を制御する。
CPU52はまたターミナル使用確認手段の機能を有し、センタ部の抽選機(A)または(B)またはメダル払い出し装置6を用いるイベントが発生した場合、センタ部40のCPU41にアクセスし、メモリ部46の待機リストを参照することによりセンタ部40を使用中の他のターミナルがあるか否かを確認する。
【0025】
確認の結果、センタ部40を使用しているターミナルが存在しない場合、センタ部を用いたセンタ演出処理を行う(センタ演出処理手段の機能)。
一方、センタ部40を使用しているターミナルが存在する場合、センタ部40のメモリ部46の待機リスト45にイベントが発生したターミナルを登録するようにセンタ部40のCPU41に依頼する。CPU41はCPU52からの依頼によりイベントが発生したターミナルを待機リストに追加記憶する。これによりCPU52は登録したターミナルの順番を確認する(順番確認手段の機能)。
【0026】
ついでCPU52は待機リストから他のターミナルの待機数が所定の数nになっているか否かを判断する(ターミナル待機数判断手段の機能)。
ターミナル待機数が所定の数n以下の場合、CPU52はその旨の情報をCPU41に伝達し、CPU41はセンタ演出処理を行う。また、所定の数n以上の場合、液晶モニタ21にターミナルで短縮演出を行うか否かをプレイヤに選択させる画面を表示する。
プレイヤが短縮演出処理を選択した場合、短縮演出処理を行う。そして待機リストから短縮演出処理を行うターミナルの登録を消去する(短縮演算処理手段の機能)。CPU52はこのようにゲームを制御し、短縮演出のペイアウト率も調整する。
【0027】
図5はセンタ部と1つのターミナルの外観を示す斜視図、図6はセンタ部の払い出し装置による払い出し動作を説明するための図である。
図5の状態はセンタ部のメダル払い出し装置6をターミナル20が占有するため、ターンテーブル3をターミナル20の前に移動させたものである。メダル払い出し装置6の払い出し口6aがターミナル20のメダル受け口36の真上に位置付けられている。
ターミナル20のゲームにおける大当たりでメダル払い出し装置6により払い出しを受ける場合、他のターミナルの待ちがなければ、当初ターミナルより離れた位置にあったメダル払い出し装置6がターンテーブル3の回転によりターミナル20の方向に移動させられる(図6(a))。そして図6(b)に示すようにターミナル20の前まで移動したとき、ターンテーブル3は停止しメダル払い出し装置6はメダル払い出し可能となる。
CPU41は図示しないメダル払い出し機構を駆動してメダル払い出し装置6を図6(c)に示すように傾けて大当たりで払い出されるべき数のメダル35を排出し、排出されたメダル35はターミナル20のメダル受け口36に入る。
メダル受け口36に入ったメダル35は図3に示す入賞メダル払い出し口22からプッシャー台23やメダルフィールド32に払い出される。
【0028】
図7は、本発明によるマスメダルゲーム機のセンタ演出に注目した処理の流れを示すフローチャートである。
ターミナル20ではプレイヤはチェッカー24の孔を狙ってメダルエントリー25にメダルを投入しゲームフィールドにメダルを飛び出させる(ステップ(以下「S」という)001)。このようにしてプレイヤがメダルゲームを進めるうちに、センタ演出を行うイベントが生じ、センタ演出フラグが発生する。CPU52はこのセンタ演出フラグが立ったことにより通信装置60を介してセンタ部40を呼び出す(S002)。そしてメモリ部46の待機リスト45を参照することにより、センタ使用中のターミナルが存在するか否かを確認する(S003)。
【0029】
センタ使用中のターミナルが存在しなければ(待機リストに他のターミナルの登録がない)、抽選機(A),(B)やメダル払い出し装置6を用いたセンタ演出処理を行う(S004)。このときセンタ部の使用する装置がセンタ演出フラグを発したターミナル20から離れている場合、抽選機(A),(B)またはメダル払い出し装置をセンタ演出フラグを発したターミナル20の前まで移動させてセンタ演出処理を行う。センタ演出処理が終了すると、プレイヤはターミナル20のメダル投入のゲームに戻る。
一方、センタ使用中のターミナルが存在すれば、待機リスト45にターミナル20を登録する。このとき待機中の他のターミナルは実施順位が付けられて登録されており、既に登録されている他のターミナルの最後の順位のつぎの順位に記録される。そして待機リスト上で、今登録したターミナル20は何番目に実施できるか否かを確認する(S005)。
【0030】
ここで待機の順番に条件が付けられており、今登録したターミナルがn>1,n≦1(nはセンタ演出処理を実施する順番)によって次の処理のシーケンスが異なる。
例えば、nが1であった場合、S010に該当し待機中のターミナルのうち1番目に処理ができるため、既に処理中である他のターミナルのセンタ演出処理が終了するのを待つ(S011)。そして既に処理中である他のターミナルのセンタ演出処理が終了すると、1番目に登録されたターミナルのセンタ演出処理に移行する(S004)。
また、nが2以上である場合、S006に該当し、液晶モニタ21に短縮演出とするか否かを選択する画面が表示される(S007)。
一定時間経過する前にプレイヤが短縮演出処理を選択しない操作をすれば、S005に戻り、再度待機リスト上での順番の確認を行う。
一方、プレイヤが短縮演出処理を選択した場合か、一定時間経過してもプレイヤが何ら操作しない場合、短縮演出処理に移行する(S008)。短縮演出処理は、例えば抽選機(A),(B)であれば、既に述べたように液晶モニタにセンタ演出処理のビデオ画面を再生してセンタ部と同様な処理を行う。
【0031】
短縮演出処理した後は、CPU52はセンタ部40のCPU41にその旨を伝え、これによりCPU41は短縮演出処理したターミナルを待機リスト上から消去する(S009)。待機リスト上から消去した後は、S001に移行しプレイヤはターミナル20のメダル投入のゲームに戻る。
以上の実施の形態は、ターミナルにメダルプッシャーゲーム機を用いた場合を説明したが、ターミナルはメダルを投入しイベントなどが発生してメダルの払い出しが生じるゲーム機であるならば、メダルプッシャーゲーム機に限ることはない。
また、ターンテーブルに抽選機(A),(B)および大当たりの際のメダル払い出し装置を設置したセンタ部の例について説明したが、センタ演出処理を行うものは、抽選機(A),(B)およびメダル払い出し装置に限らず、他の種類のセンタ演出処理を行う装置を設置してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
イベント会場やゲームセンタに設置される複数のメダルゲーム機を持つマスメダルゲーム機である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明によるマスメダルゲーム機の外観を示す正面図である。
【図2A】本発明によるマスメダルゲーム機の構成を示す平面図である。
【図2B】抽選機(A)および(B)の詳細を説明するための図である。
【図3】ターミナルであるメダルゲーム機の外観の詳細を示す正面図である。
【図4】本発明によるマスメダルゲーム機の回路の実施の形態を示すブロック図である。
【図5】センタ部と1つのターミナルの外観を示す斜視図である。
【図6】センタ部の払い出し動作を説明するための図である。
【図7】本発明によるマスメダルゲーム機のセンタ演出に注目した処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0034】
1 マスメダルゲーム機
2 透明板
3 ターンテーブル
4 抽選機(A)
5 抽選機(B)兼メダル払い出し装置
6 メダル払い出し装置
10 円盤
11 ボール
12a〜12d 溝
13 スロット機
14a〜14c リール
20 ターミナル(メダルゲーム機)
21 液晶モニタ
22 入賞メダル払い出し口
23 プッシャー台
24 チェッカー
25 メダルエントリー
26 スピーカ
27 選択ボタン
28 獲得メダル払い出し口
29 メダル受け
30 メダル払い出しホッパ
31 メダル払い出し落下部
36 メダル受け口
40 センタ部
41,52 CPU
42 抽選装置
43,54 サウンド出力装置
44,55 メダル払い出しホッパ
45 待機リスト
50 ターミナル部
51 入力装置
53 映像出力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メダルを投入し、メダルを所定の孔に入れたり、メダルフィールドに堆積したりすることによりメダル払い出しのゲームを行える複数のターミナルと、複数のターミナルが共用しセンタ演出のための機能を有するセンタ部とを備え、それぞれのターミナルに所定のイベントが発生した場合、前記センタ部を占有してセンタ演出を行うように構成されたマスメダルゲーム機において、
センタ部を使用中のターミナルの有無を確認するターミナル使用確認手段と、
前記ターミナル使用確認手段の確認によりセンタ部を使用しているターミナルが存在しない場合、センタ部を用いたセンタ演出処理を行うセンタ演出処理手段と、
前記ターミナル使用確認手段の確認によりセンタ部を使用しているターミナルが存在する場合、前記センタ部のメモリ部の待機リストに所定のイベントが発生したターミナルを登録し、登録したターミナルの順番を確認する順番確認手段と、
前記順番確認手段で他のターミナルの待機数が所定の数か否かを判断するターミナル待機数判断手段と、
ターミナル待機数が所定の数以下の場合、前記センタ演出処理手段によりセンタ演出処理を行い、所定の数以上の場合、ターミナルで短縮演出を行うか否かをプレイヤに選択させる選択手段と、
プレイヤが前記選択手段で短縮演出処理を選択した場合、短縮演出処理を行って前記待機リストから短縮演出処理を行うターミナルの登録を消去する短縮演算処理手段と、
を備えたことを特徴とするマスメダルゲーム機におけるセンタ部の順番待ち解消システム。
【請求項2】
前記ターミナルで行う短縮演出処理は、前記センタ部で行うセンタ演出処理の映像を、ターミナルのモニタに再生して行うことを特徴とする請求項1記載のマスメダルゲーム機におけるセンタ部の順番待ち解消システム。
【請求項3】
前記センタ部は、
円盤部の外周付近にボールを周縁に沿って放出し、円盤部中央付近に配置された複数の溝の何れかに、放出されたボールが入ることによって払い出すメダルの数を決定するアナログ抽選形の抽選機Aと、
複数のリールを回転させ、該複数のリールを順次停止させ、停止させた位置でそれぞれのリールが表示する図柄,文字などが一致した場合、一致した図柄,文字などに対応して設定されている報酬対応のメダル数を払い出すことを決定するスロットマシンによる抽選機Bとを有し、
前記抽選機AまたはBの駆動によってセンタ演出処理を行うことを特徴とする請求項1または2記載のマスメダルゲーム機におけるセンタ部の順番待ち解消システム。
【請求項4】
前記センタ部は、
メダル払い出し装置を有し、
各ターミナルで発生したイベントによるメダル払い出しを前記メダル払い出し装置で行うことを特徴とする請求項1,2または3記載のマスメダルゲーム機におけるセンタ部の順番待ち解消システム。
【請求項5】
前記マスメダルゲーム機は、
センタ演出処理を行う抽選機AおよびBならびにメダル払い出し装置を回転装置上に搭載し、該センタ部を中心に周囲に複数のターミナルを配置して構成し、
ターミナルにイベントが発生し待機リストにイベントが発生したターミナルを登録した後に前記センタ演出処理手段によりセンタ演出処理を行う場合、前記回転装置を駆動して前記センタ部のセンタ演出処理を行う抽選機または払い出し装置をイベントが発生したターミナルの前に移動させることを特徴とする請求項1乃至4記載のマスメダルゲーム機におけるセンタ部の順番待ち解消システム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−46330(P2010−46330A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−213874(P2008−213874)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)