説明

マッサージ機

【課題】使用者への振動の伝わり方が異なる複数種類の振動パターンを用意することができるマッサージ機を提供する。
【解決手段】マッサージ機は、内部に流体が収容された袋体21と、袋体21に当接する複数の超音波振動子23と、各超音波振動子23のうち少なくとも2つの超音波振動子で発生する振動に基づく合成振動が袋体21の作用面210で発生するように各超音波振動子23を制御する制御装置31と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者に対して施術を行うマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内部に水などの流動体が収容された袋体と、複数の振動体とを備える装置として、例えば特許文献1に記載の美容器具が提案されている。この美容器具において、各振動体は、袋体において使用者の身体の一部が当接する当接領域とは反対側に配置されている。そして、各振動体を順番に振動させることにより、振動体で発生した振動が、袋体を介して使用者に伝達されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−208750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年では、使用者に対して施術を行うマッサージ機でも、振動体で発生した振動を、内部に水などの流動体が収容される袋体を介して使用者に伝達させる技術の開発が行われている。こうした開発の背景の基では、マッサージ機に、特許文献1に記載の技術を適用することが考えられる。
【0005】
マッサージ機においては、使用者に対する振動の伝わり方(例えば、振動の大きさ、振動の伝わる位置、振動の周波数)が異なる複数種類の振動パターンを用意することが強く望まれている。しかしながら、引用文献1に記載の技術をマッサージ機に単に適用しただけでは、振動パターンの数が限られてしまう。つまり、使用者に提供可能な振動パターンの数を増やすという点で改善の余地があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用者への振動の伝わり方が異なる複数種類の振動パターンを用意することができるマッサージ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、内部に流体が収容された袋体と、複数の振動体とを備え、前記各振動体で発生した振動を、前記袋体内の流体を介して該袋体の作用面まで伝達させるマッサージ機において、前記各振動体のうち少なくとも2つの振動体で発生する振動に基づく合成振動が前記作用面で発生するように前記各振動体を制御する制御手段を備えることを要旨とする。
【0008】
本発明のマッサージ機において、前記制御手段は、前記作用面における合成振動の発生位置、前記作用面で発生させる合成振動の振幅、及び前記作用面で発生させる合成振動の周波数のうち少なくとも一つを調整すべく前記各振動体を制御することが好ましい。
【0009】
本発明のマッサージ機において、前記各振動体は、前記袋体内において流体が収容される収容空間を挟んで前記作用面の反対側に配置されており、前記振動体が振動する方向は、前記袋体において前記振動体が接触する部位と交差する方向であることが好ましい。
【0010】
本発明のマッサージ機において、前記振動体が振動する方向は、前記袋体において前記振動体が接触する部位と直交する方向と一致していることが好ましい。
本発明のマッサージ機において、前記制御手段は、前記振動体で発生する振動の振幅及び周波数のうち少なくとも一方を、前記振動体毎に個別に制御することが好ましい。
【0011】
本発明のマッサージ機において、前記制御手段は、一部の前記振動体で発生する振動と、他の前記振動体で発生する振動との位相が異なるように、又は、一部の前記振動体の振動開始のタイミングが、他の前記振動体の振動開始のタイミングと異なるように、前記各振動体を制御することが好ましい。
【0012】
本発明のマッサージ機において、前記制御手段は、前記振動体から発生する振動の周波数が前記袋体内に収容される流体の固有振動数と一致するように、前記各振動体を制御することが好ましい。
【0013】
本発明のマッサージ機において、前記袋体の内面には、凹凸を有する模様が形成されていることが好ましい。
本発明のマッサージ機において、前記袋体の内面には、非一様な凹凸を有する模様が形成されていることが好ましい。
【0014】
本発明のマッサージ機において、前記各振動体は、該各振動体との距離が同等となる中心位置と、内部に収容される流体を含んだ前記袋体の重心位置とが一致するように配置されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、使用者への振動の伝わり方が異なる複数種類の振動パターンを用意することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のマッサージ機を具体化した一実施形態を模式的に示す側面図。
【図2】施術機構を模式的に示す背面図。
【図3】袋体の内面の面形状を模式的に示す断面図。
【図4】施術機構を駆動させるための電気的構成を示すブロック図。
【図5】2つの振動に基づく合成振動を説明するグラフ。
【図6】(a)(b)は超音波振動子から発生させる振動の振幅を調整する様子を示すグラフ。
【図7】(a)は各超音波振動子から周波数の異なる振動が発生する様子を示すグラフ、(b)は周波数の異なる2つの振動に基づく合成振動を説明するグラフ。
【図8】(a)(b)は各超音波振動子から発生する振動の位相を制御した場合に作用面で発生する合成振動の変化を説明するグラフ。
【図9】(a)(b)は各超音波振動子からの振動の発生タイミングを調整した場合に作用面で発生する合成振動の変化を説明するグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を、椅子型のマッサージ機(以下、単に「マッサージ機」という。)に具体化した一実施形態を図1〜図9に従って説明する。なお、以下における本明細書中の説明において、マッサージ機に着座した使用者の正面を「前側」とし、使用者の背面側を「後側」というものとする。また、「幅方向」とは使用者の左右方向に該当する方向であり、「上下方向」とはマッサージ機が設置される設置面と直交する方向に該当する方向であるものとする。
【0018】
図1に示すように、本実施形態のマッサージ機11は、上面が使用者100の臀部を支持する着座面として機能する座部12と、該座部12の後側に配置され、座部12に着座する使用者100の背中を保持するための背もたれ部13とを備えている。また、座部12の幅方向(図1では紙面と直交する方向)における両側には、使用者100の腕を保持するための肘掛14が設けられている。
【0019】
また、マッサージ機11には、使用者100に対して施術を行うための施術機構20が設けられている。例えば、施術機構20は、自身で発生した振動を使用者100の背中に伝達することにより、使用者100に対して施術を行う構成となっている。
【0020】
図1及び図2に示すように、施術機構20は、軟質の材料で構成された袋体21を備えている。この袋体21は、前後方向から見た場合に平面視略楕円形状をなしている。そして、袋体21の前面(即ち、使用者の背中に対向する側の面)の大部分は、座部12に着座する使用者100に対して振動を付与する作用面210となっている。こうした袋体21内は、水などの液体(流体)が充填(収容)される収容空間22となっている。
【0021】
また、図3に示すように、袋体21の内面211には、非一様な凹凸を有する模様が形成されている。つまり、内面211全体には、深さH1、幅H2及び断面形状などが異なる多数の凹部212が形成されている。
【0022】
図2に示すように、袋体21において収容空間22を挟んだ作用面210の反対側である裏面213には、複数(本実施形態では4つ)の振動体としての超音波振動子23(23a,23b,23c,23d)が設けられている。これら各超音波振動子23a〜23dは、前後方向から見た場合に、該各超音波振動子23a〜23dとの距離が同等となる中心位置P1と、内部に収容される液体を含んだ袋体21の重心位置P2とが一致するように配置されている。つまり、各超音波振動子23a〜23dは、袋体21の重心位置P2を中心とした円(図2では二点鎖線で示す。)上に配置されている。
【0023】
図4に示すように、超音波振動子23a〜23dは、規定の方向A(図4では一点鎖線で示す直線が延びる方向)に振動するように構成されている。そして、超音波振動子23a〜23dは、袋体21において超音波振動子23a〜23dに接触する部位に対して規定の方向Aが直交するように配置されている。
【0024】
また、本実施形態のマッサージ機11には、使用者100によって操作されるコントローラー30と、該コントローラー30からの入力信号に基づき施術機構20を制御する制御手段としての制御装置31とが設けられている。この制御装置31は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどで構築されるデジタルコンピューターと、各超音波振動子23a〜23dを駆動させるための駆動回路となどを有している。
【0025】
そして、制御装置31は、図4及び図5に示すように、各超音波振動子23a〜23dのうち少なくとも2つの超音波振動子で発生する振動を合成した合成振動が袋体21の作用面210で発生するように、各超音波振動子23a〜23dを制御する。図5では、2つの超音波振動子からの各振動を合成した合成振動に基づく波形が示されている。本実施形態では、制御装置31は、図6(a)(b)に示すように、各超音波振動子23a〜23dで発生する振動の発生態様(振幅や周波数)及び振動の発生タイミングを、超音波振動子23a〜23d毎に個別に制御する。その結果、作用面210で発生する合成振動の態様(作用面210での発生位置、振幅及び周波数など)が、制御装置31によって調整される。
【0026】
次に、本実施形態の施術機構20の作用について、図5及び図7〜図9を参照して説明する。
例えば、図5に示すように、一の超音波振動子(例えば、超音波振動子23a)から第1の振幅の振動が発生し、他の超音波振動子(例えば、超音波振動子23b)から第2の振幅の振動が発生したとする。なお、第2の振幅は、第1の振幅とは異なる値であり、各振動の周波数は同一周波数である。この場合、袋体21の作用面210には、各超音波振動子23a,23bからの各振動を合成した合成振動が発生する。この合成振動の周波数は各超音波振動子23a,23bからの振動の周波数と同一周波数であると共に、合成振動の振幅は各超音波振動子23a,23bからの振動の振幅を合計した値となる。このように各超音波振動子23a〜23dで発生させる各振動の周波数を個別に調整することにより、作用面210で発生させる合成振動の振幅の大きさがきめ細やかに調整される。
【0027】
なお、各超音波振動子からの振動の周波数を同一とする場合には、各超音波振動子からの振動の周波数が、袋体21内に収容される液体特有の固有周波数と同一周波数に設定される。
【0028】
また、図7(a)に示すように、一の超音波振動子(例えば、超音波振動子23a)から第1の周波数の振動が発生し、他の超音波振動子(例えば、超音波振動子23b)から第2の周波数の振動が発生したとする。なお、第2の周波数は、第1の周波数の半分の周波数である。この場合、袋体21の作用面210には、各超音波振動子23a,23bからの各振動が、袋体21内の液体を介して伝達される。
【0029】
すると、作用面210では図7(b)に示す振動パターンの合成振動が発生し、該合成振動が使用者100に伝達される。また、超音波振動子23bから第1の周波数の3分の1の第3の周波数の振動が発生した場合には、図7(b)に示す振動パターンとは異なる振動パターンに基づいた合成振動が、作用面210を介して使用者100に伝達される。このように各超音波振動子23a〜23dで発生する振動の周波数を各別に異ならせることにより、複雑に振動する合成振動が生成される。
【0030】
また、図8(a)(b)に示すように、各超音波振動子からの振動の周波数を同一としたとしても、各振動の位相を調整することにより、複数の振動パターンに基づいた合成振動が生成される。例えば、超音波振動子23a(一部の超音波振動子)からの振動と超音波振動子23b(他の超音波振動子)からの振動との位相差を変更させることにより、作用面210において振動する位置が変更される。
【0031】
また、図9(a)(b)に示すように、各超音波振動子からの振動の発生タイミングを異ならせることにより、作用面210において振動する部位が異なる複数の振動パターンが用意される。例えば、超音波振動子23aからの振動の発生タイミングと超音波振動子23bからの振動の発生タイミングとが同一である場合には、図9(a)に示すように、各超音波振動子23a,23bとの中間位置で合成振動が発生する。その一方で、超音波振動子23aからの振動の発生タイミングよりも超音波振動子23bからの振動の発生タイミングを遅らせた場合、図9(b)に示すように、各超音波振動子23a,23bとの中間位置よりも超音波振動子23bに近い位置で合成振動が発生する。つまり、各超音波振動子23a〜23dからの振動の発生タイミングを調整することにより、作用面210における合成振動の発生位置が調整される。
【0032】
上述したように、各超音波振動子23a〜23dを振動させた場合、袋体21の内面211では、液体を介して伝達された振動の一部が反射される。しかし、本実施形態の袋体21の内面211には、非一様な凹凸の模様が形成されている(図3参照)。その結果、袋体21内では、振動が乱反射し、反射波は、内面211に衝突するたびに減衰される。そのため、袋体21において設計上意図しない位置で、反射波に基づく振動が発生する可能性が低くなる。
【0033】
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、少なくとも2つの超音波振動子で発生した振動が袋体21内の液体を介して作用面210に伝達されると、該各超音波振動子からの振動を合成した合成振動が作用面210で発生する。そして、作用面210で発生した合成振動がマッサージ機11を使用する使用者100に伝達される。したがって、各超音波振動子23a〜23dでの振動の発生態様を制御することにより、使用者100への振動の伝わり方が異なる複数種類の振動パターンを用意することができる。すなわち、マッサージ機11の使用者100に対して、本実施形態の施術機構20は様々な振動パターンに基づいた施術を提供することができる。
【0034】
(2)本実施形態では、合成振動を積極的に調整すべく各超音波振動子23a〜23dの振動の発生態様(振幅、周波数、発生タイミングなど)が個別に調整される。つまり、作用面210では、様々な種類の合成振動が発生する。その結果、多くの種類の合成振動に基づいた施術を、使用者100に提供することができる。
【0035】
(3)具体的には、各超音波振動子23a〜23dで発生する振動の振幅を個別に調整することにより、振幅の大きさの異なる複数種類の合成振動に基づいた施術を、使用者100に提供することができる。
【0036】
(4)また、各超音波振動子23a〜23dで発生する振動の周波数を個別に調整することにより、使用者100に提供する合成振動のリズムを変化させることができる。
(5)各超音波振動子23a〜23dで発生する振幅の位相を変更させたり、各超音波振動子23a〜23dからの振動の発生タイミングを個別に調整したりすることにより、袋体21の作用面210での合成振動の発生位置を調整することができる。すなわち、本実施形態では、施術機構20を移動させることなく、使用者100の身体のうち振動を伝える位置を変更させることができる。そのため、施術機構20を移動させるための移動機構などを省略できる分、マッサージ機11の構成を簡略化させることができる。
【0037】
(6)超音波振動子23a〜23dが振動する方向は、袋体21において超音波振動子23a〜23dが接触する部位と直交する方向と一致している。そのため、超音波振動子23a〜23dで発生した振動を、袋体21内の液体を介して作用面210側に効率良く伝達させることができる。
【0038】
(7)各超音波振動子23a〜23dで発生する振動の周波数を一致させる場合、該周波数が、袋体21内に収容される液体の固有周波数に設定される。そのため、超音波振動子23a〜23dと液体とが共振する。その結果、超音波振動子23a〜23dで発生する振動の周波数を液体の固有周波数とは異なる周波数とする場合と比較して、袋体21の作用面210で発生する合成振動の振幅を大きくすることができる。つまり、消費電力量の増大を抑制しつつ、振幅の大きな合成振動に基づいた施術を使用者100に提供することができる。
【0039】
(8)袋体21の内面211には、多数の凹部212が形成されている。そのため、袋体21内で発生する反射波を減衰させることができる。したがって、袋体21において設計上意図しない位置での振動の発生を抑制することができる。
【0040】
(9)しかも、内面211には、非一様な凹凸が形成されている。そのため、周波数の異なる複数種類の反射波が発生するような状況においても、各反射波を減衰させることができる。
【0041】
(10)さらに、本実施形態では、各超音波振動子23a〜23dの中心位置P1と、内部に収容される液体を含んだ袋体21の重心位置P2とが一致している。そのため、袋体21の重心位置P2に対して各超音波振動子23a〜23dが偏り無く配置されることにより、作用面210側に各超音波振動子23a〜23dで発生した振動を効率的に伝達させることができる。
【0042】
なお、本実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・実施形態において、施術機構20は、少なくとも2つ以上の超音波振動子23を備えた構成であれば、4つ以外の任意数(例えば2つや5つ)の超音波振動子23を備えた構成であってもよい。
【0043】
・実施形態において、各超音波振動子23a〜23dの中心位置P1は、内部に収容された液体を含んだ袋体21の重心位置P2とは一致していなくてもよい。
・実施形態において、各超音波振動子23a〜23dを、袋体21の裏面213の周縁以外の任意の位置(例えば、袋体21の重心位置P2と周縁との中間位置)に配置してもよい。
【0044】
・実施形態において、袋体21の内面211には、一様な凹凸を有する模様を形成してもよい。
・実施形態において、袋体21の内面211には、全体ではなく一部にのみ凹凸を有する模様を形成してもよい。また、袋体21の内面211には、凹凸を設けなくてもよい。
【0045】
・実施形態において、各超音波振動子23a〜23dから発生させる振動の周波数を、袋体21内の液体の固有周波数と一致させなくてもよい。
・実施形態において、各超音波振動子23a〜23dを、振動を袋体21に伝達できるのであれば、袋体21において超音波振動子23a〜23dに接触する部位に対して規定の方向Aが直交しないように配置してもよい。つまり、規定の方向Aが袋体21において超音波振動子23a〜23dに接触する部位に対して交差するように、各超音波振動子23a〜23dを設置してもよい。
【0046】
・実施形態において、各超音波振動子23a〜23dを、袋体21において作用面210以外の部位に当接するように配置してもよい。
・また、袋体21には、流体が収容される収容空間22に隔離された隔離室を別途設け、該隔離室内に超音波振動子23a〜23dを配置してもよい。
【0047】
・実施形態において、作用面210で合成振動を発生させる場合には、施術機構20が備える各超音波振動子23a〜23dを全て駆動させてもよいし、各超音波振動子23a〜23dのうち少なくとも2つ(例えば、3つ)を駆動させるようにしてもよい。
【0048】
・実施形態において、合成振動の制御とは、作用面210における合成振動の発生位置の調整制御と、作用面210で発生させる合成振動の振幅の調整制御と、作用面210で発生させる合成振動の周波数の調整制御のうち何れか一つの調整制御であってもよい。
【0049】
・実施形態において、振動体は、周期的な振動を袋体21に伝達可能な構成であれば、超音波振動子以外の他の任意のアクチュエーター(例えば、モーター)などであってもよい。
【0050】
・実施形態において、袋体21内に収容される液体は、水以外の他の任意の液体(例えば、アルコール系の液体)であってもよい。
・また、袋体21内に収容される流体は、ゲルやゾルであってもよいし、粉体や粒状体であってもよいし、空気などの気体であってもよい。つまり、本実施形態でいう「流体」とは、液体及び気体だけではなく、粉体及び粒状体を含んだ概念である。
【0051】
・実施形態において、袋体21の形状は、平面視略楕円形状以外の他の任意の形状であってもよい。例えば、袋体21は、前後方向から見た場合に平面視略矩形状をなすものであってもよい。
【0052】
・実施形態において、施術機構20を、座部12に設けてもよい。この場合、座部12に保持される使用者100の臀部などが施術機構20によって施術される。
・実施形態において、マッサージ機11には、複数(例えば、2つ)の施術機構20を設けてもよい。例えば、座部12と背もたれ部13に施術機構20を1つずつ設けてもよい。
【0053】
・本発明のマッサージ機を、椅子型のマッサージ機以外の他の任意のマッサージ機(例えば、使用者100が寝そべることができるマッサージ機)に具体化してもよい。
【符号の説明】
【0054】
11…マッサージ機、21…袋体、210…作用面、211…内面、22…収容空間、23,23a〜23d…振動体の一例としての超音波振動子、31…制御手段としての制御装置、P1…中心位置、P2…重心位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に流体が収容された袋体と、複数の振動体とを備え、
前記各振動体で発生した振動を、前記袋体内の流体を介して該袋体の作用面まで伝達させるマッサージ機において、
前記各振動体のうち少なくとも2つの振動体で発生する振動に基づく合成振動が前記作用面で発生するように前記各振動体を制御する制御手段を備えることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記作用面における合成振動の発生位置、
前記作用面で発生させる合成振動の振幅、
及び前記作用面で発生させる合成振動の周波数
のうち少なくとも一つを調整すべく前記各振動体を制御することを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記各振動体は、前記袋体内において流体が収容される収容空間を挟んで前記作用面の反対側に配置されており、
前記振動体が振動する方向は、前記袋体において前記振動体が接触する部位と交差する方向であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記振動体が振動する方向は、前記袋体において前記振動体が接触する部位と直交する方向と一致していることを特徴とする請求項3に記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記制御手段は、前記振動体で発生する振動の振幅及び周波数のうち少なくとも一方を、前記振動体毎に個別に制御することを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記制御手段は、
一部の前記振動体で発生する振動と、他の前記振動体で発生する振動との位相が異なるように、
又は、一部の前記振動体の振動開始のタイミングが、他の前記振動体の振動開始のタイミングと異なるように、
前記各振動体を制御することを特徴とする請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載のマッサージ機。
【請求項7】
前記制御手段は、前記振動体から発生する振動の周波数が前記袋体内に収容される流体の固有振動数と一致するように、前記各振動体を制御することを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載のマッサージ機。
【請求項8】
前記袋体の内面には、凹凸を有する模様が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のうち何れか一項に記載のマッサージ機。
【請求項9】
前記袋体の内面には、非一様な凹凸を有する模様が形成されていることを特徴とする請求項8に記載のマッサージ機。
【請求項10】
前記各振動体は、該各振動体との距離が同等となる中心位置と、内部に収容される流体を含んだ前記袋体の重心位置とが一致するように配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項9のうち何れか一項に記載のマッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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