説明

マッサージ機

【課題】足裏に限らず他の患部でも快適なマッサージを受けることができるマッサージ機を得る。
【解決手段】本体ケース1内に収納されたモータ6により回転駆動される偏心軸10と、本体ケース1の外側に設けられると共に偏心軸10に直交して設けられ偏心軸10が回転可能に挿入された振動板2とを備える。振動板2と一体的に、かつ、振動板2の外周に沿って枠状の施療部材22を設けると共に、施療部材22は本体ケース1と反対側に振動板2から離して設けた。振動板2に施療部材22側に突き出した中央凸部2aを形成し、中央凸部2a内に偏心軸10による駆動点を配置した。施療部材22は四角枠状に形成され、施療部材22の対向する2辺を弓なりに窪ませて湾曲形成し、中央凸部2aと湾曲形成した2辺の高さをほぼ同一とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動板を揺動してマッサージを施すマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、揺動する振動板によりマッサージを施すマッサージ機としては種々のものが知られている。例えば、特許文献1にあるように、モータの駆動軸に偏心軸を連結して偏心軸を回転駆動し、偏心軸の先端を振動板に回転可能に連結して、振動板の揺動によりマッサージを施すようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−75061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、こうした従来のものでは、振動板に足裏を載せて、快適なマッサージを受けることができるが、他の患部、例えば、腿や背中を振動板に載せてマッサージを受けようとすると、安定せず、快適なマッサージを受けることができないという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、足裏に限らず他の患部でも快適なマッサージを受けることができるマッサージ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を達成すべく、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。即ち、
本体ケース内に収納されたモータにより回転駆動される偏心軸と、前記本体ケースの外側に設けられると共に前記偏心軸に直交して設けられ前記偏心軸が回転可能に挿入された振動板とを備え、前記振動板を揺動してマッサージを施すマッサージ機において、
前記振動板と一体的に、かつ、前記振動板の外周に沿って枠状の施療部材を設けると共に、前記施療部材は前記本体ケースと反対側に前記振動板から離して設けたことを特徴とするマッサージ機がそれである。
【0007】
前記振動板に前記施療部材側に突き出した中央凸部を形成し、該中央凸部内に前記偏心軸による駆動点を配置した構成とするとよい。また、前記施療部材は四角枠状に形成された構成としてもよい。その際、四角枠状の前記施療部材の対向する2辺を弓なりに窪ませて湾曲形成し、前記中央凸部と湾曲形成した前記2辺の高さをほぼ同一とした構成とするとよい。
【0008】
前記偏心軸の一端と前記モータの駆動軸とを連結する連結軸を設けると共に、前記連結軸に筒状補強部材を装着した構成としてもよい。また、前記振動板と前記施療部材とにそれぞれ複数の突起を設けた構成としてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のマッサージ機は、振動板による足裏のマッサージに限らず、施療部材による腿や背中等の他の患部でも快適なマッサージを受けることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態としてのマッサージ機の正面図である。
【図2】本実施形態のマッサージ機の側面図である。
【図3】本実施形態のマッサージ機の底面図である。
【図4】本実施形態のマッサージ機の一部を断面で示す拡大側面図である。
【図5】本実施形態のマッサージ機の振動板と施療部材との図1のAA線での断面図である。
【図6】本実施形態のマッサージ機の振動板と施療部材との図1のBB線での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下本発明を実施するための形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1〜図3に示すように、1は箱型状に形成された本体ケースで、2は合成樹脂等により形成された振動板で、振動板2は、本体ケース1の外側の上面側に配置され、矩形に形成されている。
【0012】
図4に示すように、振動板2と本体ケース1とは、ゴム等を素材に用いて円柱状に形成された弾性支柱3(一部のみ図示する)により連結されている。弾性支柱3は、振動板2の各コーナー付近に本体ケース1から、4個立設されており、その両端が各々振動板2の裏面側と本体ケース1とに固着され、振動板2が略水平面内で揺動できるように構成されている。本体ケース1の下面には、複数の脚部材4が取り付けられると共に、本体ケース1の下面に揺動アーム5が揺動可能に取り付けられている。
【0013】
複数の全ての脚部材4を床面等に当接させることにより、振動板2はほぼ水平面内で揺動する。また、揺動アーム5を引き出して、一部の脚部材4と揺動アーム5とを床面に当接させることにより、振動板2を斜めに配置することができ、振動板2に足裏を載せるのが容易になる。
【0014】
また、本体ケース1にはモータ6が内蔵されており、モータ6は駆動軸7が本体ケース1に対して垂直に配置されている。モータ6の駆動軸7には同軸上に連結軸8が螺着されており、連結軸8の先端は振動板2側に延出されて、連結軸8の先端には偏心軸10が螺着されている。尚、連結軸8と偏心軸10とを別体で形成して螺着により連結する場合に限らず、連結軸8と偏心軸10とを一体に形成してもよい。
【0015】
偏心軸10は、振動板2の中央凸部2aの下面側に嵌着された軸受12に嵌入されている。偏心軸10は、モータ6の駆動軸7に所定量偏心して取り付けられており、また、偏心軸10と振動板2とは、軸受12を介して接続され、相対的に回転できるようにされている。
【0016】
更に、偏心軸10には、冷却ファン14が取り付けられており、冷却ファン14には、カウンタウエイト16が固定されている。カウンタウエイト16は、偏心軸10の偏芯方向と180度反対側に設けられている。モータ6の軸受9と冷却ファン14との間の連結軸8には筒状の補強部材17が装着されている。
【0017】
振動板2の上面には、半球状の多数の小突起18や中突起20が設けられると共に、振動板2の中央は、本体ケース1側と反対側に突き出すように高く形成された中央凸部2aが設けられ、この振動板2の中央凸部2aの下面側に前述した軸受12が嵌着されている。中央凸部2aの上面側には、複数の突起3aや小突起3bが設けられている。尚、振動板2上には、他にも多数の突起が形成されている。
【0018】
図1に示すように、振動板2の外周に沿って枠状の施療部材22が、本体ケース1と反対側に振動板2から離して設けられている。枠状の施療部材22の枠の内側に足を入れて振動板2の上に足裏を載せることができるように構成されている。
【0019】
また、本実施形態では、施療部材22は四角の枠状に形成されており、施療部材22は対向する辺同士がほぼ対称形状に形成され、一方の対向する一対の辺である脚用施療部24a,24bは、図2、図4に示すように、ほぼ直線状に形成されている。この一対の脚用施療部24a,24bは、内部が中空に形成されており、内部にはヒータ26が挿入配置されている。ヒータ26は、一対の脚用施療部24a,24bの一方の内部にのみ配置してもよく、あるいは、一対の脚用施療部24a,24bの両方の内部に配置するようにしてもよい。両脚用施療部24a,24bには、振動板2の中央凸部2a側に複数の大小の突起25a,25bが形成されている。
【0020】
一対の脚用施療部24a,24bは振動板2の中央凸部2aよりも高い位置に設けられており、一対の脚用施療部24a,24bは、ほぼ中央に設けられた連結部28a,28bにより振動板2の中央凸部2aに連結されている。連結部28a,28bの高さは、ほぼ中央凸部2aの高さと同じに形成されており、連結部28a,28bは振動板2を上方に突出させて形成されている。
【0021】
他方の一対の辺である背中用施療部30a,30bはその両端がそれぞれ一対の脚用施療部24a,24bの両端に接続されている。一対の背中用施療部30a,30bは、中央が振動板2側に弓状に湾曲して形成されており、一対の背中用施療部30a,30bの中央は振動板2の中央凸部2aの高さとほぼ同じ高さに形成されている。一対の背中用施療部30a,30bの両側端にはそれぞれ突起31a,31b,31c,31dが形成されている。
【0022】
一対の背中用施療部30a,30bは、図6に示すように、下方に開口して断面形状がほぼコ字状に形成されており、一対の背中用施療部30a,30bは、振動板2と連結部32a,32bにより連結され、連結部32a,32bの幅は振動板2の幅とほぼ同じに形成されている。
【0023】
次に前述した本実施形態のマッサージ機の作動について説明する。
モータ6の駆動軸7を回転駆動して連結軸8を介して偏心軸10を回転すると、軸受12を介して、振動板2がモータ6の駆動軸7を中心にして、弾性支柱3に支えられながら揺動する。連結軸8に筒状の補強部材17を装着したので、偏心軸10をモータ6から離れた位置に設けても、駆動軸7の回転を偏心軸10に確実に伝達できる。また、偏心軸10と共に、冷却ファン14も回転し、冷却ファン14の回転により、モータ6が空冷され、カウンタウエイト16が旋回し、振動板2の揺動方向の反動を打ち消す。
【0024】
そして、例えば、足裏等の患部を振動板2に当ててマッサージを受けることができる。その際、小突起18、中突起20を患部に当て、それぞれの指圧効果を得ながら振動板2の揺動によるマッサージを受けることができる。
【0025】
また、例えば、一対の脚用施療部24a,24bに架かるように、脚のふくらはぎや腿を当てて、振動板2と共に振動する施療部材22によりふくらはぎや腿のマッサージを受けることができる。その際、ヒータ26に通電することにより、ヒータ26が内部に配置されている脚用施療部24a,24bの一方、あるいは、両方が暖められ、温熱効果を得ることができる。
【0026】
更に、一対の背中用施療部30a,30bに架かるように、背中や腰を当てて、振動板2と共に振動する施療部材22により背中や腰のマッサージを受けることができる。その際、振動板2の中央凸部2aの突起3aが背中や腰に当たり好適な刺激を加えると共に、突起25a,25bも背中や腰に当たり好適な刺激を加える。
【0027】
このように、振動板2よりも高い位置に施療部材22を設けたので、振動板2による足裏等のマッサージに限らず、施療部材22の脚用施療部24a,24bによる腿等や背中用施療部30a,30bによる背中のマッサージを受けることができる。
【0028】
施療部材22を設けたことにより重心位置が高くなっても、振動板2の中央凸部2aに偏心軸10による駆動点を設けたので、重心位置の近くで振動板2を揺動駆動することができ、振動板2と施療部材22とを適切に揺動させることができる。
【0029】
振動板2上に連結部28a,28bを設けて、背中用施療部30a,30bの中央と中央凸部2aと連結部28a,28bとの高さをほぼ同じにしたので、背中を背中用施療部30a,30bに架けた際の身体への密着性を向上させることができる。
【0030】
以上本発明はこの様な実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【符号の説明】
【0031】
1…本体ケース 2…振動板
2a…中央凸部 3…弾性支柱
4…脚部材 6…モータ
7…駆動軸 8…連結軸
9,12…軸受 10…偏心軸
14…冷却ファン 16…カウンタウエイト
22…施療部材 24a,24b…脚用施療部
26…ヒータ 28a,28b…連結部
30a,30b…背中用施療部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケース内に収納されたモータにより回転駆動される偏心軸と、前記本体ケースの外側に設けられると共に前記偏心軸に直交して設けられ前記偏心軸が回転可能に挿入された振動板とを備え、前記振動板を揺動してマッサージを施すマッサージ機において、
前記振動板と一体的に、かつ、前記振動板の外周に沿って枠状の施療部材を設けると共に、前記施療部材は前記本体ケースと反対側に前記振動板から離して設けたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記振動板に前記施療部材側に突き出した中央凸部を形成し、該中央凸部内に前記偏心軸による駆動点を配置したことを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記施療部材は四角枠状に形成されたことを特徴とする請求項2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
四角枠状の前記施療部材の対向する2辺を弓なりに窪ませて湾曲形成し、前記中央凸部と湾曲形成した前記2辺の高さをほぼ同一としたことを特徴とする請求項3に記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記偏心軸の一端と前記モータの駆動軸とを連結する連結軸を設けると共に、前記連結軸に筒状補強部材を装着したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記振動板と前記施療部材とにそれぞれ複数の突起を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のマッサージ機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate