マッサージ機
【課題】多様なマッサージを可能にするマッサージ機を提供する
【解決手段】熱付与機構40は、肩上部分をマッサージするための第1部分61と、肩のうちの後方湾曲部分をマッサージするための第2部分62とを有する。第1接触面61Aは、肩上部分の表面形状に対応する形状を有する。第2接触面62Aは、後方湾曲部分の表面形状に対応する形状を有する。
【解決手段】熱付与機構40は、肩上部分をマッサージするための第1部分61と、肩のうちの後方湾曲部分をマッサージするための第2部分62とを有する。第1接触面61Aは、肩上部分の表面形状に対応する形状を有する。第2接触面62Aは、後方湾曲部分の表面形状に対応する形状を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体をマッサージする揉み玉と、身体に熱を付与する熱付与機構とを含み、揉み玉と熱付与機構とが連動するマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のマッサージ機は、身体をマッサージする揉み玉と、身体に熱を付与する熱付与機構とを有する。身体は、熱付与機構からの熱が付与されることにより血行が促進する。このため、熱付与機構により身体に熱を付与することにより、揉み玉によるマッサージの効果が高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−178875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マッサージ機に対しては、ユーザーの身体の状態に応じてより多様なマッサージを行うことが望まれている。一方、特許文献1のマッサージ機は、揉み玉により身体をマッサージする機能を有しているが、これ以外には多様なマッサージを可能にすることに貢献する機能を有していない。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、多様なマッサージを可能にするマッサージ機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
・本発明のマッサージ機は、身体をマッサージする揉み玉と、前記身体に熱を付与する熱付与機構とを含み、前記揉み玉と前記熱付与機構とが連動するマッサージ機において、前記熱付与機構は、前記身体のうちの第1身体部位をマッサージするための第1部分と、前記身体のうちの第2身体部位をマッサージするための第2部分とを有すること、前記第1部分の外面のうちの前記第1身体部位に接触する第1接触面は、前記第1身体部位の表面形状に対応する形状を有すること、ならびに、前記第2部分の外面のうちの前記第2身体部位に接触する第2接触面は、前記第2身体部位の表面形状に対応する形状を有することを特徴とする。
【0007】
・このマッサージ機は、前記熱付与機構は、熱源およびこの熱源を覆うケースを有すること、ならびに、前記ケースは、前記熱源が配置される収納部分、前記第1部分、および前記第2部分を有することが好ましい。
【0008】
・このマッサージ機は、前記第1部分は、前記第1身体部位としての肩上部分をマッサージするものであり、前記肩上部分に押し付けられる方向を押付方向として、前記収納部分から前記押付方向に突出する形状を有すること、ならびに、前記第1部分の外面のうちの前記肩上部分に接触する第1接触面は、前記肩上部分の表面形状に対応する形状を有することが好ましい。
【0009】
・このマッサージ機は、前記第1接触面は、前記肩上部分の幅方向の傾斜に対応して傾斜していることが好ましい。
・このマッサージ機は、前記第2部分は、前記第2身体部位としての肩のうちの後方湾曲部分をマッサージすること、ならびに、前記第2部分の外面のうちの前記後方湾曲部分に接触する第2接触面は、前記後方湾曲部分の表面形状に対応する形状を有することが好ましい。
【0010】
・このマッサージ機は、前記熱付与機構は、前記身体のうちの第3身体部位をマッサージするための第3部分を有すること、ならびに、前記第3部分の外面のうちの前記第3身体部位に接触する第3接触面は、前記第3身体部位の表面形状に対応する形状を有することが好ましい。
【0011】
・このマッサージ機は、前記第3部分は、前記第3身体部位としての背中側の平坦部分をマッサージすること、ならびに前記第3部分の外面のうちの前記平坦部分に接触する第3接触面は、前記背中側の平坦部分の表面形状に対応する形状を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、多様なマッサージを可能にするマッサージ機を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態のマッサージ機について、斜視構造を示す斜視図。
【図2】同実施形態のマッサージ機について、側面視における断面構造を模式的に示す断面図。
【図3】同実施形態のマッサージ機について、制御系の構成を示すブロック図。
【図4】同実施形態のマッサージ機について、マッサージ機構の正面構造を示す正面図。
【図5】同実施形態のマッサージ機について、マッサージ機構の分解斜視構造を示す斜視図。
【図6】同実施形態のマッサージ機について、(a)は熱付与機構のケースの正面構造を示す正面図、(b)は同ケースの背面構造を示す背面図。
【図7】同実施形態のマッサージ機について、(a)は熱付与機構のケースの平面構造を示す平面図、(b)は同ケースの側面構造を示す側面図。
【図8】同実施形態のマッサージ機について、熱付与機構のケースの第1部分が肩上部分に押し付けられている状態を示す正面図。
【図9】同実施形態のマッサージ機について、熱付与機構のケースの第2部分が後方湾曲部分に押し付けられている状態を示す側面図。
【図10】同実施形態のマッサージ機について、熱付与機構のケースの第3部分が背中平坦部分に押し付けられている状態を示す側面図。
【図11】同実施形態のマッサージ機について、熱付与機構のケースの第3部分が腰平坦部分に押し付けられている状態を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照して、マッサージ機1の全体構成について説明する。
まず、マッサージ機1についての各方向を以下のように定義する。
(A)マッサージ機1の正面視かつ幅方向Xにおいて、中心側から外側に向かう方向を「外方向X1」とし、外側から中心側に向かう方向を「内方向X2」とする。
(B)背もたれ13の正面視かつ高さ方向Yにおいて、下側から上側に向かう方向を「上方向Y1」とし、上側から下側に向かう方向を「下方向Y2」とする。
【0015】
マッサージ機1は、ユーザーが着座する椅子10と、ユーザーの身体をマッサージするマッサージ機構20と、各種制御を実行する制御部70と、ユーザーがマッサージ機1の動作を指定するための操作部80とを有する。
【0016】
椅子10は、ユーザーの臀部を支持する座部11と、座部11を支持する脚部12と、ユーザーの背中を支持する背もたれ13と、ユーザーの肘を支持する肘掛14と、ユーザーの下腿を支持するオットマン15とを有する。またこの他に、座部11および背もたれ13を覆うカバー16を有する。
【0017】
操作部80は、オットマン15の動作の指定をするためのボタン、マッサージ機構20の動作を指定するためのボタン、および熱付与機構40の動作を指定するためのボタンを有する。
【0018】
図2を参照して、マッサージ機構20の構成について説明する。
マッサージ機構20は、身体をマッサージする揉み玉31と、身体に熱を付与する熱付与機構40と、揉み玉31および熱付与機構40を支持するアーム23と、アーム23を駆動する駆動機構21とを有する。またこの他に、高さ方向Yにおいて背もたれ13に対して駆動機構21を移動させるためのガイドレール22を有する。揉み玉31の材料としては、ゴム材料が用いられている。
【0019】
駆動機構21は、図1の制御部70からの指令に応じて、背もたれ13に対する高さ方向Yの位置およびアーム23の角度の少なくとも一方を変更する。揉み玉31および熱付与機構40は、駆動機構21に対するアーム23に対する角度の変化に応じて、駆動機構21に対する角度が変化する。
【0020】
図3を参照して、マッサージ機1の制御系の構成について説明する。
制御部70は、操作部80により指定されたマッサージ機1のマッサージモードに応じて、オットマン15、駆動機構21、および熱付与機構40のヒーター43(図5参照)を制御する。
【0021】
マッサージモードは、揉み玉31によりマッサージする第1モード、オットマン15によりマッサージする第2モード、および熱付与機構40によりマッサージする第3モードを含む。またこの他に、揉み玉31、オットマン15、および熱付与機構40の少なくとも2つを用いてマッサージする第4モードを有する。なお、操作部80は、第1モード、第3モード、および第4モードにおいてヒーター43の温度を指定することがきる。
【0022】
図4を参照して、熱付与機構40および揉み玉31の構成について説明する。
熱付与機構40は、電流の供給にともない発熱するヒーター43と、身体にヒーター43の熱を付与するケース50とを有する。ヒーター43としては、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒーターが用いられている。
【0023】
ケース50は、アーム23に固定されている。揉み玉31は、ケース50に対して回転可能な状態でケース50により支持されている。このため、ケース50、ヒーター43、および揉み玉31は、アーム23の駆動にともない一体的に動作する。
【0024】
図5を参照して、揉み玉31および熱付与機構40の詳細な構成について説明する。
熱付与機構40は、ケース50およびヒーター43に加えて、ヒーター43に電力を供給する第1電力線41と、制御部70に接続される第2電力線42と、第1電力線41と第2電力線42とを互いに接続するコネクター44とを有する。またこの他に、ケース50に対する揉み玉31の位置を固定する規制部材45を有する。なお、ヒーター43は「熱源」に相当する。
【0025】
ケース50は、ヒーター43を収容するケース本体60と、ケース本体60の開口部分を覆うカバー51とを有する。カバー51は、複数のボルト(図示略)によりケース本体60に固定されている。
【0026】
ケース本体60は、揉み玉31を支持する支持部分64と、ヒーター43を収容する収納部分65(図6参照)とを有する。ケース本体60およびカバー51の材料としては、アルミニウムが用いられている。
【0027】
揉み玉31は、ケース50に対する回転を支持する第1軸受32および第2軸受33を有する。第1軸受32および第2軸受33の材料としては、熱伝導率が低い合成樹脂が用いられている。
【0028】
規制部材45は、支持部分64が挿入される孔を有する挿入部分45Aと、ヒーター43から付与された熱を身体に向けて放熱する放熱部分45Bとを有する。規制部材45の材料としては、熱伝導率が高い合成樹脂が用いられている。
【0029】
第1軸受32は、揉み玉31の側面の一方に固定されている。第2軸受33は、揉み玉31の側面の他方に固定されている。規制部材45の挿入部分45Aは、第1軸受32および第2軸受33の孔に固定されている。ケース本体60の支持部分64は、規制部材45に対する回転が可能な状態で挿入部分45Aに挿入されている。
【0030】
熱付与機構40から身体への熱の移動について説明する。
ヒーター43の熱は、ケース本体60に移動する。ケース本体60の熱の一部は、支持部分64に移動する。支持部分64の熱は、規制部材45に移動する。規制部材45の放熱部分45Bは、挿入部分45Aから受けた熱を放熱する。放熱部分45Bから放出された熱の一部は、身体に移動する。
【0031】
ケース本体60のうちの支持部分64以外の部分は、身体に接触しているとき、ヒーター43の熱を身体に伝導する。また、身体に接触していないとき、ヒーター43の熱を放熱する。ケース本体60から放熱された熱の一部は、身体に移動する。
【0032】
図6および図7を参照して、ケース本体60の詳細な形状について説明する。
以下の説明において、肩上部分101は図8に記載の部分を、また後方湾曲部分102は図9に記載の部分を、また背中平坦部分103は図10に記載の部分を、また腰平坦部分104は図11に記載の部分をそれぞれ示している。
【0033】
肩上部分101は、鎖骨の上部およびその付近を示す。後方湾曲部分102は、肩上部分101の後方から背中側にかけての湾曲した部分を示す。背中平坦部分103は、背中のうちの表面形状の凹凸が比較的少ない部分を示す。腰平坦部分104は、腰のうちの表面形状の凹凸が比較的少ない部分を示す。
【0034】
図6に示されるように、ケース本体60は、肩上部分101をマッサージする第1部分61と、肩のうちの後方湾曲部分102をマッサージする第2部分62と、背中平坦部分103または腰平坦部分104をマッサージする第3部分63とを有する。またこの他に、第1部分61と第2部分62との境界に位置する連続部分66と、第2部分62と第3部分63との境界に位置する連続部分67とを有する。
【0035】
第1部分61は、肩上部分101と接触する第1接触面61Aを有する。第1接触面61Aは、標準的な体型のユーザーの肩上部分101の表面形状に対応した形状を有する。連続部分66は、図6(a)、図6(b)、および図7(b)に示されるように、第1接触面61Aおよび第2接触面62Aのそれぞれに連続し、かつ身体にソフトな接触感を付与する湾曲形状を有する。
【0036】
第2部分62は、後方湾曲部分102と接触する第2接触面62Aを有する。第2接触面62Aは、標準的な体型のユーザーの後方湾曲部分102の表面形状に対応した形状を有する。連続部分67は、図6(a)、図6(b)、および図7(a)に示されるように、第2接触面62Aおよび第3接触面63Aのそれぞれに連続し、かつ身体にソフトな接触感を付与する湾曲形状を有する。
【0037】
第3部分63は、背中平坦部分103または腰平坦部分104と接触する第3接触面63Aを有する。第3接触面63Aは、標準的な体型のユーザーの背中平坦部分103および腰平坦部分104の表面形状に対応した形状を有する。
【0038】
以上のように、第1接触面61A、連続部分66、第2接触面62A、連続部分67、および第3接触面63Aは、ケース本体60の外面において連続して形成されている。なお、肩上部分101は「第1身体部位」に相当する。また、後方湾曲部分102は「第2身体部位」に相当する。また、背中平坦部分103および腰平坦部分104は「第3身体部位」に相当する。
【0039】
ここで、ケース本体60に関する方向について以下のように定義する。
(A)肩上部分101に対する第1部分61の押し付け方向を「押付方向ZA」とする。
(B)ケース本体60の長手方向ZXにおいて、コネクター44からケース本体60の先端部分に向かう方向を「第1長手方向ZX1」とし、ケース本体60の先端部分からコネクター44に向かう方向を「第2長手方向ZX2」とする。
(C)図7に示されるように、ケース本体60の厚さ方向ZYにおいて、支持部分64からカバー51に向かう方向を「第1厚さ方向ZY1」とし、カバー51から支持部分64に向かう方向を「第2長手方向ZY2」とする。
【0040】
第1部分61の詳細な形状について説明する。
図6(a)に示されるように、第1部分61は、収納部分65から押付方向ZAに向けて突出した形状を有する。第1部分61の「突出量HX」すなわち、ケース本体60の押付方向ZAおける収納部分65から第1接触面61Aまでの寸法は、長手方向ZXにおいて第1長手方向ZX1から第2長手方向ZX2に向かうにつれて次第に小さくなる。
【0041】
図7(a)に示されるように、第1接触面61Aは、標準的な体型のユーザーの肩上部分101に対応して身体幅方向に傾斜している。すなわち、第1部分61の突出量HXは、厚さ方向ZYにおいて第2厚さ方向ZY2から第1厚さ方向ZY1に向けて次第に大きくなる。
【0042】
なお、標準的な体型のユーザーの肩上部分101は、身体幅方向において内側から外側に向かうにつれて緩やかに下がる形状を有する。また、標準的な体型のユーザーの後方湾曲部分102は、身体前後方向において肩中央部分から肩背面部分に向かうにつれて緩やかに下がる形状を有する。
【0043】
図8〜図11を参照して、熱付与機構40の動作について説明する。
図8に示されるように、制御部70は、操作部80の操作にともない熱付与機構40により肩上部分101をマッサージすることを要求する信号を受信したとき、ケース本体60の第1接触面61Aを肩上部分101に押し付けるための指令を駆動機構21に送信する。
【0044】
駆動機構21は、制御部70からの指令に応じてアーム23を駆動させる。アーム23は、駆動機構21の動力によりケース本体60の第1接触面61Aを肩上部分101に押し付ける。ケース本体60は、第1接触面61Aが肩上部分101の表面にフィットした状態で肩上部分101をマッサージする。
【0045】
図9に示されるように、制御部70は、操作部80の操作にともない熱付与機構40により後方湾曲部分102をマッサージすることを要求する信号を受信したとき、ケース本体60の第2接触面62Aを後方湾曲部分102に押し付けるための指令を駆動機構21に送信する。
【0046】
駆動機構21は、制御部70からの指令に応じてアーム23を駆動させる。アーム23は、駆動機構21の動力によりケース本体60の第2接触面62Aを後方湾曲部分102に押し付ける。ケース本体60は、第2接触面62Aが後方湾曲部分102の表面にフィットした状態で後方湾曲部分102をマッサージする。
【0047】
図10に示されるように、制御部70は、操作部80の操作にともない熱付与機構40により背中平坦部分103をマッサージすることを要求する信号を受信したとき、ケース本体60の第3接触面63Aを背中平坦部分103に押し付けるための指令を駆動機構21に送信する。
【0048】
駆動機構21は、制御部70からの指令に応じてアーム23を駆動させる。アーム23は、駆動機構21の動力によりケース本体60の第3接触面63Aを背中平坦部分103に押し付ける。ケース本体60は、第3接触面63Aが背中平坦部分103の表面にフィットした状態で背中平坦部分103をマッサージする。
【0049】
図11に示されるように、制御部70は、操作部80の操作にともない熱付与機構40により腰平坦部分104をマッサージすることを要求する信号を受信したとき、ケース本体60の第3接触面63Aを腰平坦部分104に押し付けるための指令を駆動機構21に送信する。
【0050】
駆動機構21は、制御部70からの指令に応じてアーム23を駆動させる。アーム23は、駆動機構21の動力によりケース本体60の第3接触面63Aを腰平坦部分104に押し付ける。ケース本体60は、第3接触面63Aが腰平坦部分104の表面にフィットした状態で腰平坦部分104をマッサージする。
【0051】
(実施形態の効果)
本実施形態のマッサージ機1は、以下の効果を奏する。
(1)マッサージ機1は、揉み玉31および熱付与機構40を有する。熱付与機構40のケース本体60は、肩上部分101をマッサージするための第1部分61と、肩のうちの後方湾曲部分102をマッサージするための第2部分62とを有する。第1接触面61Aは、肩上部分101の表面形状に対応する形状を有する。第2接触面62Aは、後方湾曲部分102の表面形状に対応する形状を有する。
【0052】
この構成によれば、揉み玉31および熱付与機構40のそれぞれによりマッサージすることが可能になる。また、熱付与機構40により身体の複数の部位をマッサージすることが可能になる。すなわち、マッサージ機1による多様なマッサージが可能になる。また、身体の形状に対応した第1接触面61Aおよび第2接触面62Aを有するため、ケース本体60から肩上部分101および後方湾曲部分102に効率よく熱が付与される。
【0053】
(2)ケース本体60の第1部分61は、収納部分65から押付方向ZAに突出する形状を有する。この構成によれば、第1部分61により肩上部分101をマッサージするとき、ケース本体60の別の部分が身体に接触しにくい。
【0054】
(3)第1接触面61Aは、肩上部分101の幅方向Xの傾斜に対応して傾斜している。この構成によれば、第1接触面61Aが肩上部分101に押し付けられたとき、肩上部分101に対する第1接触面61Aのフィット感が高くなる。このため、肩上部分101のマッサージ効果が高くなる。
【0055】
(4)熱付与機構40のケース本体60は、背中平坦部分103および腰平坦部分104をマッサージするための第3部分63を有する。第3部分63の第3接触面63Aは、背中平坦部分103および腰平坦部分104の表面形状に対応した形状を有する。
【0056】
この構成によれば、マッサージ機1によりさらに多様なマッサージを行うことができる。また、身体の形状に対応した第3接触面63Aを有するため、ケース本体60から背中平坦部分103および腰平坦部分104に効率よく熱が付与される。
【0057】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態以外の実施形態を含む。以下、本発明のその他の実施形態としての上記実施形態の変形例を示す。なお、以下の各変形例は、互いに組み合わせることもできる。
【0058】
・上記実施形態のマッサージ機1のケース50は、肩上部分101をマッサージする第1部分61と、後方湾曲部分102をマッサージする第2部分62と、背中平坦部分103および腰平坦部分104をマッサージする第3部分とを有する。一方、変形例のケース50は以下の(A)および(B)の少なくとも一方の構成を有する。
【0059】
(A)変形例のケース50は、第1部分61〜第3部分63のうちの1つに代えて、または第1部分61〜第3部分63に加えて、頸部の側部をマッサージする第4部分を有する。第4部分は、頸部の側部の表面形状に対応した接触面を有する。
【0060】
(B)変形例のケース50は、第1部分61〜第3部分63のうちの1つに代えて、または第1部分61〜第3部分63に加えて、頸部と肩との付け根部分をマッサージする第5部分を有する。第5部分は、頸部と肩との付け根部分の表面形状に対応した接触面を有する。
【0061】
・上記実施形態のマッサージ機1のケース50は、身体をマッサージするための3つの部分(第1部分61〜第3部分63)を有する。一方、変形例のケース50は、第1部分61〜第3部分63の1つを省略している。
【0062】
・本発明は、上記実施形態に例示される椅子型のマッサージ機以外の他のマッサージ機に適用することもできる。他のマッサージ機としては、例えばベッド型のマッサージ機、およびハンディタイプのマッサージ機が挙げられる。要するに、揉み玉および熱付与機構を有するマッサージ機であれば、いずれのマッサージ機に対しても本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0063】
1…マッサージ機、31…揉み玉、40…熱付与機構、43…ヒーター(熱源)、50…ケース、61…第1部分、61A…第1接触面、62…第2部分、62A…第2接触面、63…第3部分、63A…第3接触面、65…収納部分、101…肩上部分(第1身体部位)、102…後方湾曲部分(第2身体部位)、103…背中平坦部分(第3身体部位)、104…腰平坦部分(第3身体部位)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体をマッサージする揉み玉と、身体に熱を付与する熱付与機構とを含み、揉み玉と熱付与機構とが連動するマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のマッサージ機は、身体をマッサージする揉み玉と、身体に熱を付与する熱付与機構とを有する。身体は、熱付与機構からの熱が付与されることにより血行が促進する。このため、熱付与機構により身体に熱を付与することにより、揉み玉によるマッサージの効果が高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−178875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マッサージ機に対しては、ユーザーの身体の状態に応じてより多様なマッサージを行うことが望まれている。一方、特許文献1のマッサージ機は、揉み玉により身体をマッサージする機能を有しているが、これ以外には多様なマッサージを可能にすることに貢献する機能を有していない。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、多様なマッサージを可能にするマッサージ機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
・本発明のマッサージ機は、身体をマッサージする揉み玉と、前記身体に熱を付与する熱付与機構とを含み、前記揉み玉と前記熱付与機構とが連動するマッサージ機において、前記熱付与機構は、前記身体のうちの第1身体部位をマッサージするための第1部分と、前記身体のうちの第2身体部位をマッサージするための第2部分とを有すること、前記第1部分の外面のうちの前記第1身体部位に接触する第1接触面は、前記第1身体部位の表面形状に対応する形状を有すること、ならびに、前記第2部分の外面のうちの前記第2身体部位に接触する第2接触面は、前記第2身体部位の表面形状に対応する形状を有することを特徴とする。
【0007】
・このマッサージ機は、前記熱付与機構は、熱源およびこの熱源を覆うケースを有すること、ならびに、前記ケースは、前記熱源が配置される収納部分、前記第1部分、および前記第2部分を有することが好ましい。
【0008】
・このマッサージ機は、前記第1部分は、前記第1身体部位としての肩上部分をマッサージするものであり、前記肩上部分に押し付けられる方向を押付方向として、前記収納部分から前記押付方向に突出する形状を有すること、ならびに、前記第1部分の外面のうちの前記肩上部分に接触する第1接触面は、前記肩上部分の表面形状に対応する形状を有することが好ましい。
【0009】
・このマッサージ機は、前記第1接触面は、前記肩上部分の幅方向の傾斜に対応して傾斜していることが好ましい。
・このマッサージ機は、前記第2部分は、前記第2身体部位としての肩のうちの後方湾曲部分をマッサージすること、ならびに、前記第2部分の外面のうちの前記後方湾曲部分に接触する第2接触面は、前記後方湾曲部分の表面形状に対応する形状を有することが好ましい。
【0010】
・このマッサージ機は、前記熱付与機構は、前記身体のうちの第3身体部位をマッサージするための第3部分を有すること、ならびに、前記第3部分の外面のうちの前記第3身体部位に接触する第3接触面は、前記第3身体部位の表面形状に対応する形状を有することが好ましい。
【0011】
・このマッサージ機は、前記第3部分は、前記第3身体部位としての背中側の平坦部分をマッサージすること、ならびに前記第3部分の外面のうちの前記平坦部分に接触する第3接触面は、前記背中側の平坦部分の表面形状に対応する形状を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、多様なマッサージを可能にするマッサージ機を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態のマッサージ機について、斜視構造を示す斜視図。
【図2】同実施形態のマッサージ機について、側面視における断面構造を模式的に示す断面図。
【図3】同実施形態のマッサージ機について、制御系の構成を示すブロック図。
【図4】同実施形態のマッサージ機について、マッサージ機構の正面構造を示す正面図。
【図5】同実施形態のマッサージ機について、マッサージ機構の分解斜視構造を示す斜視図。
【図6】同実施形態のマッサージ機について、(a)は熱付与機構のケースの正面構造を示す正面図、(b)は同ケースの背面構造を示す背面図。
【図7】同実施形態のマッサージ機について、(a)は熱付与機構のケースの平面構造を示す平面図、(b)は同ケースの側面構造を示す側面図。
【図8】同実施形態のマッサージ機について、熱付与機構のケースの第1部分が肩上部分に押し付けられている状態を示す正面図。
【図9】同実施形態のマッサージ機について、熱付与機構のケースの第2部分が後方湾曲部分に押し付けられている状態を示す側面図。
【図10】同実施形態のマッサージ機について、熱付与機構のケースの第3部分が背中平坦部分に押し付けられている状態を示す側面図。
【図11】同実施形態のマッサージ機について、熱付与機構のケースの第3部分が腰平坦部分に押し付けられている状態を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照して、マッサージ機1の全体構成について説明する。
まず、マッサージ機1についての各方向を以下のように定義する。
(A)マッサージ機1の正面視かつ幅方向Xにおいて、中心側から外側に向かう方向を「外方向X1」とし、外側から中心側に向かう方向を「内方向X2」とする。
(B)背もたれ13の正面視かつ高さ方向Yにおいて、下側から上側に向かう方向を「上方向Y1」とし、上側から下側に向かう方向を「下方向Y2」とする。
【0015】
マッサージ機1は、ユーザーが着座する椅子10と、ユーザーの身体をマッサージするマッサージ機構20と、各種制御を実行する制御部70と、ユーザーがマッサージ機1の動作を指定するための操作部80とを有する。
【0016】
椅子10は、ユーザーの臀部を支持する座部11と、座部11を支持する脚部12と、ユーザーの背中を支持する背もたれ13と、ユーザーの肘を支持する肘掛14と、ユーザーの下腿を支持するオットマン15とを有する。またこの他に、座部11および背もたれ13を覆うカバー16を有する。
【0017】
操作部80は、オットマン15の動作の指定をするためのボタン、マッサージ機構20の動作を指定するためのボタン、および熱付与機構40の動作を指定するためのボタンを有する。
【0018】
図2を参照して、マッサージ機構20の構成について説明する。
マッサージ機構20は、身体をマッサージする揉み玉31と、身体に熱を付与する熱付与機構40と、揉み玉31および熱付与機構40を支持するアーム23と、アーム23を駆動する駆動機構21とを有する。またこの他に、高さ方向Yにおいて背もたれ13に対して駆動機構21を移動させるためのガイドレール22を有する。揉み玉31の材料としては、ゴム材料が用いられている。
【0019】
駆動機構21は、図1の制御部70からの指令に応じて、背もたれ13に対する高さ方向Yの位置およびアーム23の角度の少なくとも一方を変更する。揉み玉31および熱付与機構40は、駆動機構21に対するアーム23に対する角度の変化に応じて、駆動機構21に対する角度が変化する。
【0020】
図3を参照して、マッサージ機1の制御系の構成について説明する。
制御部70は、操作部80により指定されたマッサージ機1のマッサージモードに応じて、オットマン15、駆動機構21、および熱付与機構40のヒーター43(図5参照)を制御する。
【0021】
マッサージモードは、揉み玉31によりマッサージする第1モード、オットマン15によりマッサージする第2モード、および熱付与機構40によりマッサージする第3モードを含む。またこの他に、揉み玉31、オットマン15、および熱付与機構40の少なくとも2つを用いてマッサージする第4モードを有する。なお、操作部80は、第1モード、第3モード、および第4モードにおいてヒーター43の温度を指定することがきる。
【0022】
図4を参照して、熱付与機構40および揉み玉31の構成について説明する。
熱付与機構40は、電流の供給にともない発熱するヒーター43と、身体にヒーター43の熱を付与するケース50とを有する。ヒーター43としては、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒーターが用いられている。
【0023】
ケース50は、アーム23に固定されている。揉み玉31は、ケース50に対して回転可能な状態でケース50により支持されている。このため、ケース50、ヒーター43、および揉み玉31は、アーム23の駆動にともない一体的に動作する。
【0024】
図5を参照して、揉み玉31および熱付与機構40の詳細な構成について説明する。
熱付与機構40は、ケース50およびヒーター43に加えて、ヒーター43に電力を供給する第1電力線41と、制御部70に接続される第2電力線42と、第1電力線41と第2電力線42とを互いに接続するコネクター44とを有する。またこの他に、ケース50に対する揉み玉31の位置を固定する規制部材45を有する。なお、ヒーター43は「熱源」に相当する。
【0025】
ケース50は、ヒーター43を収容するケース本体60と、ケース本体60の開口部分を覆うカバー51とを有する。カバー51は、複数のボルト(図示略)によりケース本体60に固定されている。
【0026】
ケース本体60は、揉み玉31を支持する支持部分64と、ヒーター43を収容する収納部分65(図6参照)とを有する。ケース本体60およびカバー51の材料としては、アルミニウムが用いられている。
【0027】
揉み玉31は、ケース50に対する回転を支持する第1軸受32および第2軸受33を有する。第1軸受32および第2軸受33の材料としては、熱伝導率が低い合成樹脂が用いられている。
【0028】
規制部材45は、支持部分64が挿入される孔を有する挿入部分45Aと、ヒーター43から付与された熱を身体に向けて放熱する放熱部分45Bとを有する。規制部材45の材料としては、熱伝導率が高い合成樹脂が用いられている。
【0029】
第1軸受32は、揉み玉31の側面の一方に固定されている。第2軸受33は、揉み玉31の側面の他方に固定されている。規制部材45の挿入部分45Aは、第1軸受32および第2軸受33の孔に固定されている。ケース本体60の支持部分64は、規制部材45に対する回転が可能な状態で挿入部分45Aに挿入されている。
【0030】
熱付与機構40から身体への熱の移動について説明する。
ヒーター43の熱は、ケース本体60に移動する。ケース本体60の熱の一部は、支持部分64に移動する。支持部分64の熱は、規制部材45に移動する。規制部材45の放熱部分45Bは、挿入部分45Aから受けた熱を放熱する。放熱部分45Bから放出された熱の一部は、身体に移動する。
【0031】
ケース本体60のうちの支持部分64以外の部分は、身体に接触しているとき、ヒーター43の熱を身体に伝導する。また、身体に接触していないとき、ヒーター43の熱を放熱する。ケース本体60から放熱された熱の一部は、身体に移動する。
【0032】
図6および図7を参照して、ケース本体60の詳細な形状について説明する。
以下の説明において、肩上部分101は図8に記載の部分を、また後方湾曲部分102は図9に記載の部分を、また背中平坦部分103は図10に記載の部分を、また腰平坦部分104は図11に記載の部分をそれぞれ示している。
【0033】
肩上部分101は、鎖骨の上部およびその付近を示す。後方湾曲部分102は、肩上部分101の後方から背中側にかけての湾曲した部分を示す。背中平坦部分103は、背中のうちの表面形状の凹凸が比較的少ない部分を示す。腰平坦部分104は、腰のうちの表面形状の凹凸が比較的少ない部分を示す。
【0034】
図6に示されるように、ケース本体60は、肩上部分101をマッサージする第1部分61と、肩のうちの後方湾曲部分102をマッサージする第2部分62と、背中平坦部分103または腰平坦部分104をマッサージする第3部分63とを有する。またこの他に、第1部分61と第2部分62との境界に位置する連続部分66と、第2部分62と第3部分63との境界に位置する連続部分67とを有する。
【0035】
第1部分61は、肩上部分101と接触する第1接触面61Aを有する。第1接触面61Aは、標準的な体型のユーザーの肩上部分101の表面形状に対応した形状を有する。連続部分66は、図6(a)、図6(b)、および図7(b)に示されるように、第1接触面61Aおよび第2接触面62Aのそれぞれに連続し、かつ身体にソフトな接触感を付与する湾曲形状を有する。
【0036】
第2部分62は、後方湾曲部分102と接触する第2接触面62Aを有する。第2接触面62Aは、標準的な体型のユーザーの後方湾曲部分102の表面形状に対応した形状を有する。連続部分67は、図6(a)、図6(b)、および図7(a)に示されるように、第2接触面62Aおよび第3接触面63Aのそれぞれに連続し、かつ身体にソフトな接触感を付与する湾曲形状を有する。
【0037】
第3部分63は、背中平坦部分103または腰平坦部分104と接触する第3接触面63Aを有する。第3接触面63Aは、標準的な体型のユーザーの背中平坦部分103および腰平坦部分104の表面形状に対応した形状を有する。
【0038】
以上のように、第1接触面61A、連続部分66、第2接触面62A、連続部分67、および第3接触面63Aは、ケース本体60の外面において連続して形成されている。なお、肩上部分101は「第1身体部位」に相当する。また、後方湾曲部分102は「第2身体部位」に相当する。また、背中平坦部分103および腰平坦部分104は「第3身体部位」に相当する。
【0039】
ここで、ケース本体60に関する方向について以下のように定義する。
(A)肩上部分101に対する第1部分61の押し付け方向を「押付方向ZA」とする。
(B)ケース本体60の長手方向ZXにおいて、コネクター44からケース本体60の先端部分に向かう方向を「第1長手方向ZX1」とし、ケース本体60の先端部分からコネクター44に向かう方向を「第2長手方向ZX2」とする。
(C)図7に示されるように、ケース本体60の厚さ方向ZYにおいて、支持部分64からカバー51に向かう方向を「第1厚さ方向ZY1」とし、カバー51から支持部分64に向かう方向を「第2長手方向ZY2」とする。
【0040】
第1部分61の詳細な形状について説明する。
図6(a)に示されるように、第1部分61は、収納部分65から押付方向ZAに向けて突出した形状を有する。第1部分61の「突出量HX」すなわち、ケース本体60の押付方向ZAおける収納部分65から第1接触面61Aまでの寸法は、長手方向ZXにおいて第1長手方向ZX1から第2長手方向ZX2に向かうにつれて次第に小さくなる。
【0041】
図7(a)に示されるように、第1接触面61Aは、標準的な体型のユーザーの肩上部分101に対応して身体幅方向に傾斜している。すなわち、第1部分61の突出量HXは、厚さ方向ZYにおいて第2厚さ方向ZY2から第1厚さ方向ZY1に向けて次第に大きくなる。
【0042】
なお、標準的な体型のユーザーの肩上部分101は、身体幅方向において内側から外側に向かうにつれて緩やかに下がる形状を有する。また、標準的な体型のユーザーの後方湾曲部分102は、身体前後方向において肩中央部分から肩背面部分に向かうにつれて緩やかに下がる形状を有する。
【0043】
図8〜図11を参照して、熱付与機構40の動作について説明する。
図8に示されるように、制御部70は、操作部80の操作にともない熱付与機構40により肩上部分101をマッサージすることを要求する信号を受信したとき、ケース本体60の第1接触面61Aを肩上部分101に押し付けるための指令を駆動機構21に送信する。
【0044】
駆動機構21は、制御部70からの指令に応じてアーム23を駆動させる。アーム23は、駆動機構21の動力によりケース本体60の第1接触面61Aを肩上部分101に押し付ける。ケース本体60は、第1接触面61Aが肩上部分101の表面にフィットした状態で肩上部分101をマッサージする。
【0045】
図9に示されるように、制御部70は、操作部80の操作にともない熱付与機構40により後方湾曲部分102をマッサージすることを要求する信号を受信したとき、ケース本体60の第2接触面62Aを後方湾曲部分102に押し付けるための指令を駆動機構21に送信する。
【0046】
駆動機構21は、制御部70からの指令に応じてアーム23を駆動させる。アーム23は、駆動機構21の動力によりケース本体60の第2接触面62Aを後方湾曲部分102に押し付ける。ケース本体60は、第2接触面62Aが後方湾曲部分102の表面にフィットした状態で後方湾曲部分102をマッサージする。
【0047】
図10に示されるように、制御部70は、操作部80の操作にともない熱付与機構40により背中平坦部分103をマッサージすることを要求する信号を受信したとき、ケース本体60の第3接触面63Aを背中平坦部分103に押し付けるための指令を駆動機構21に送信する。
【0048】
駆動機構21は、制御部70からの指令に応じてアーム23を駆動させる。アーム23は、駆動機構21の動力によりケース本体60の第3接触面63Aを背中平坦部分103に押し付ける。ケース本体60は、第3接触面63Aが背中平坦部分103の表面にフィットした状態で背中平坦部分103をマッサージする。
【0049】
図11に示されるように、制御部70は、操作部80の操作にともない熱付与機構40により腰平坦部分104をマッサージすることを要求する信号を受信したとき、ケース本体60の第3接触面63Aを腰平坦部分104に押し付けるための指令を駆動機構21に送信する。
【0050】
駆動機構21は、制御部70からの指令に応じてアーム23を駆動させる。アーム23は、駆動機構21の動力によりケース本体60の第3接触面63Aを腰平坦部分104に押し付ける。ケース本体60は、第3接触面63Aが腰平坦部分104の表面にフィットした状態で腰平坦部分104をマッサージする。
【0051】
(実施形態の効果)
本実施形態のマッサージ機1は、以下の効果を奏する。
(1)マッサージ機1は、揉み玉31および熱付与機構40を有する。熱付与機構40のケース本体60は、肩上部分101をマッサージするための第1部分61と、肩のうちの後方湾曲部分102をマッサージするための第2部分62とを有する。第1接触面61Aは、肩上部分101の表面形状に対応する形状を有する。第2接触面62Aは、後方湾曲部分102の表面形状に対応する形状を有する。
【0052】
この構成によれば、揉み玉31および熱付与機構40のそれぞれによりマッサージすることが可能になる。また、熱付与機構40により身体の複数の部位をマッサージすることが可能になる。すなわち、マッサージ機1による多様なマッサージが可能になる。また、身体の形状に対応した第1接触面61Aおよび第2接触面62Aを有するため、ケース本体60から肩上部分101および後方湾曲部分102に効率よく熱が付与される。
【0053】
(2)ケース本体60の第1部分61は、収納部分65から押付方向ZAに突出する形状を有する。この構成によれば、第1部分61により肩上部分101をマッサージするとき、ケース本体60の別の部分が身体に接触しにくい。
【0054】
(3)第1接触面61Aは、肩上部分101の幅方向Xの傾斜に対応して傾斜している。この構成によれば、第1接触面61Aが肩上部分101に押し付けられたとき、肩上部分101に対する第1接触面61Aのフィット感が高くなる。このため、肩上部分101のマッサージ効果が高くなる。
【0055】
(4)熱付与機構40のケース本体60は、背中平坦部分103および腰平坦部分104をマッサージするための第3部分63を有する。第3部分63の第3接触面63Aは、背中平坦部分103および腰平坦部分104の表面形状に対応した形状を有する。
【0056】
この構成によれば、マッサージ機1によりさらに多様なマッサージを行うことができる。また、身体の形状に対応した第3接触面63Aを有するため、ケース本体60から背中平坦部分103および腰平坦部分104に効率よく熱が付与される。
【0057】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態以外の実施形態を含む。以下、本発明のその他の実施形態としての上記実施形態の変形例を示す。なお、以下の各変形例は、互いに組み合わせることもできる。
【0058】
・上記実施形態のマッサージ機1のケース50は、肩上部分101をマッサージする第1部分61と、後方湾曲部分102をマッサージする第2部分62と、背中平坦部分103および腰平坦部分104をマッサージする第3部分とを有する。一方、変形例のケース50は以下の(A)および(B)の少なくとも一方の構成を有する。
【0059】
(A)変形例のケース50は、第1部分61〜第3部分63のうちの1つに代えて、または第1部分61〜第3部分63に加えて、頸部の側部をマッサージする第4部分を有する。第4部分は、頸部の側部の表面形状に対応した接触面を有する。
【0060】
(B)変形例のケース50は、第1部分61〜第3部分63のうちの1つに代えて、または第1部分61〜第3部分63に加えて、頸部と肩との付け根部分をマッサージする第5部分を有する。第5部分は、頸部と肩との付け根部分の表面形状に対応した接触面を有する。
【0061】
・上記実施形態のマッサージ機1のケース50は、身体をマッサージするための3つの部分(第1部分61〜第3部分63)を有する。一方、変形例のケース50は、第1部分61〜第3部分63の1つを省略している。
【0062】
・本発明は、上記実施形態に例示される椅子型のマッサージ機以外の他のマッサージ機に適用することもできる。他のマッサージ機としては、例えばベッド型のマッサージ機、およびハンディタイプのマッサージ機が挙げられる。要するに、揉み玉および熱付与機構を有するマッサージ機であれば、いずれのマッサージ機に対しても本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0063】
1…マッサージ機、31…揉み玉、40…熱付与機構、43…ヒーター(熱源)、50…ケース、61…第1部分、61A…第1接触面、62…第2部分、62A…第2接触面、63…第3部分、63A…第3接触面、65…収納部分、101…肩上部分(第1身体部位)、102…後方湾曲部分(第2身体部位)、103…背中平坦部分(第3身体部位)、104…腰平坦部分(第3身体部位)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体をマッサージする揉み玉と、前記身体に熱を付与する熱付与機構とを含み、前記揉み玉と前記熱付与機構とが連動するマッサージ機において、
前記熱付与機構は、前記身体のうちの第1身体部位をマッサージするための第1部分と、前記身体のうちの第2身体部位をマッサージするための第2部分とを有すること、
前記第1部分の外面のうちの前記第1身体部位に接触する第1接触面は、前記第1身体部位の表面形状に対応する形状を有すること、
ならびに、前記第2部分の外面のうちの前記第2身体部位に接触する第2接触面は、前記第2身体部位の表面形状に対応する形状を有すること
を特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
請求項1に記載のマッサージ機において、
前記熱付与機構は、熱源およびこの熱源を覆うケースを有すること、
ならびに、前記ケースは、前記熱源が配置される収納部分、前記第1部分、および前記第2部分を有すること
を特徴とするマッサージ機。
【請求項3】
請求項2に記載のマッサージ機において、
前記第1部分は、前記第1身体部位としての肩上部分をマッサージするものであり、前記肩上部分に押し付けられる方向を押付方向として、前記収納部分から前記押付方向に突出する形状を有すること、
ならびに、前記第1部分の外面のうちの前記肩上部分に接触する第1接触面は、前記肩上部分の表面形状に対応する形状を有すること
を特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
請求項3に記載のマッサージ機において、
前記第1接触面は、前記肩上部分の幅方向の傾斜に対応して傾斜していること
を特徴とするマッサージ機。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記第2部分は、前記第2身体部位としての肩のうちの後方湾曲部分をマッサージすること、
ならびに、前記第2部分の外面のうちの前記後方湾曲部分に接触する第2接触面は、前記後方湾曲部分の表面形状に対応する形状を有すること
を特徴とするマッサージ機。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記熱付与機構は、前記身体のうちの第3身体部位をマッサージするための第3部分を有すること、
ならびに、前記第3部分の外面のうちの前記第3身体部位に接触する第3接触面は、前記第3身体部位の表面形状に対応する形状を有すること
を特徴とするマッサージ機。
【請求項7】
請求項6に記載のマッサージ機において、
前記第3部分は、前記第3身体部位としての背中側の平坦部分をマッサージすること、
ならびに、前記第3部分の外面のうちの前記平坦部分に接触する第3接触面は、前記背中側の平坦部分の表面形状に対応する形状を有すること
を特徴とするマッサージ機。
【請求項1】
身体をマッサージする揉み玉と、前記身体に熱を付与する熱付与機構とを含み、前記揉み玉と前記熱付与機構とが連動するマッサージ機において、
前記熱付与機構は、前記身体のうちの第1身体部位をマッサージするための第1部分と、前記身体のうちの第2身体部位をマッサージするための第2部分とを有すること、
前記第1部分の外面のうちの前記第1身体部位に接触する第1接触面は、前記第1身体部位の表面形状に対応する形状を有すること、
ならびに、前記第2部分の外面のうちの前記第2身体部位に接触する第2接触面は、前記第2身体部位の表面形状に対応する形状を有すること
を特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
請求項1に記載のマッサージ機において、
前記熱付与機構は、熱源およびこの熱源を覆うケースを有すること、
ならびに、前記ケースは、前記熱源が配置される収納部分、前記第1部分、および前記第2部分を有すること
を特徴とするマッサージ機。
【請求項3】
請求項2に記載のマッサージ機において、
前記第1部分は、前記第1身体部位としての肩上部分をマッサージするものであり、前記肩上部分に押し付けられる方向を押付方向として、前記収納部分から前記押付方向に突出する形状を有すること、
ならびに、前記第1部分の外面のうちの前記肩上部分に接触する第1接触面は、前記肩上部分の表面形状に対応する形状を有すること
を特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
請求項3に記載のマッサージ機において、
前記第1接触面は、前記肩上部分の幅方向の傾斜に対応して傾斜していること
を特徴とするマッサージ機。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記第2部分は、前記第2身体部位としての肩のうちの後方湾曲部分をマッサージすること、
ならびに、前記第2部分の外面のうちの前記後方湾曲部分に接触する第2接触面は、前記後方湾曲部分の表面形状に対応する形状を有すること
を特徴とするマッサージ機。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記熱付与機構は、前記身体のうちの第3身体部位をマッサージするための第3部分を有すること、
ならびに、前記第3部分の外面のうちの前記第3身体部位に接触する第3接触面は、前記第3身体部位の表面形状に対応する形状を有すること
を特徴とするマッサージ機。
【請求項7】
請求項6に記載のマッサージ機において、
前記第3部分は、前記第3身体部位としての背中側の平坦部分をマッサージすること、
ならびに、前記第3部分の外面のうちの前記平坦部分に接触する第3接触面は、前記背中側の平坦部分の表面形状に対応する形状を有すること
を特徴とするマッサージ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−66546(P2013−66546A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206028(P2011−206028)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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