説明

マッサージ補助装置

【課題】マッサージを行う人が異なっても、一定のマッサージ効果が提供でき、説明文などの理解をせずに容易にマッサージを行うことができるマッサージ補助装置を提供する。
【解決手段】1又はそれ以上の発光体10を有し、発光体から発する光を顔面に照射し、発光体の移動に伴って移動する顔面上の光によって指圧をさせる位置を指し示すマッサージ補助装置であって、発光体を駆動させる駆動手段11と、駆動手段及び発光体を所定のプログラムに基づいて駆動及び発光させる制御手段12と、所定のプログラムを格納する格納手段13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自らの顔などのマッサージを行う際に手助けとなるマッサージ補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、顔や頭など(以下、単に顔とも言う)のマッサージをすることによって健康や美容を維持しようとする試みが盛んに行われている。これに伴い、多くの人が、エステサロン、マッサージサロン、治療院などで顔のマッサージを受けている。一般に、エステサロンなどでマッサージを受けると多くの費用が掛かる。そこで、最近では、自ら自身の顔のマッサージを行う人も増えてきている。しかし、マッサージの知識や技術のない人では自らマッサージをしても効率のよいマッサージを行えないという問題がある。この問題を解消するために、下記の特許文献1では、マッサージの方法や効果などを視覚的に提供することにより、効果的にマッサージを行える技術が開示されている。
【特許文献】 特開2005−314329(要約)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、イラストや説明文でマッサージ方法を解説しているが、人によってはマッサージ方法の理解が異なり、一定のマッサージ効果を提供することが困難である場合がある。また、説明文などを読む手間があり面倒である。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、マッサージを行う人が異なっても、一定のマッサージ効果が提供でき、説明文などの理解をせずに容易にマッサージを行うことができるマッサージ補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明によれば、1又はそれ以上の発光体を有し、前記発光体から発する光を顔面に照射し、前記発光体の移動に伴って移動する前記顔面上の光によって指圧をさせる位置を指し示すマッサージ補助装置であって、前記発光体を駆動させる駆動手段と、前記駆動手段及び前記発光体を所定のプログラムに基づいて駆動及び発光させる制御手段と、前記所定のプログラムを格納する格納手段とを備えるマッサージ補助装置が提供される。この構成により、マッサージを行う人が異なっても、一定のマッサージ効果が提供でき、説明文などの理解をせずに容易にマッサージを行うことができる。
【0006】
また、本発明のマッサージ補助装置において、前記所定のプログラムが、前記発光体から発する前記光の前記顔面上の移動が、前記顔面上において指圧位置に沿った移動となるように、前記駆動手段を制御するとともに、前記発光体の移動の際に前記発光体が発光するように前記発光体を制御するプログラム情報であることは、本発明の好ましい態様である。この構成により、指圧すべき位置を光の位置によって認識できる。
【0007】
また、本発明によれば、1又はそれ以上の発光体を有し、前記発光体によって顔面に照射された光によって指圧をさせる位置を指し示すマッサージ補助装置であって、前記発光体を所定のプログラムに基づいて発光させる制御手段と、前記所定のプログラムを格納する格納手段とを備えるマッサージ補助装置が提供される。この構成により、マッサージを行う人が異なっても、一定のマッサージ効果が提供でき、説明文などの理解をせずに容易にマッサージを行うことができる。
【0008】
また、本発明のマッサージ補助装置において、前記所定のプログラムが、前記顔面上において指圧すべき位置に照射された前記光が当たるように、前記発光体それぞれを発光制御するためのプログラム情報であることは、本発明の好ましい態様である。この構成により、指圧すべき位置を光の位置によって認識できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のマッサージ補助装置は、上記構成を有し、マッサージを行う人が異なっても、一定のマッサージ効果が提供でき、説明文などの理解をせずに容易にマッサージを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
<第1の実施の形態>
以下に、本発明の第1の実施の形態に係るマッサージ補助装置について説明する。図1は、マッサージ補助装置の構成の一例を示す構成図である。図1に示すように、マッサージ補助装置は、発光体10、駆動手段11、制御手段12、格納手段13から構成されている。発光体10は、人体に当てても害を及ぼさない光(可視光)を発するものであり、例えば発光ダイオード(LED)などが考えられる。しかし、発光体10は、これに限られるものではなく、人体に害を及ぼさない光を発する発光体であればよい。また、なお、近年、美容医学などではフラクショナルレーザ治療などが盛んに行われており、レーザ光によって肌質の改善を行ったり、肌のくすみなどを除去したりしている。このレーザ光を発光体10が発光する光とすることも実施可能である。第2の実施の形態においても同様である。また、発光体10は、1つに限られるものではなく、後述するように複数あってもよい。なお、発光体10の発光量を調整できるような構成とすることも可能である。このことは、後述するように発光量の強弱(多少)で指圧の強さを示す場合や、マッサージを行う場所の環境が一定でない場合(例えば、マッサージを行う部屋が暗いといった場合や逆に部屋が明るいといった場合など)に有効である。第2の実施の形態においても同様である。また、指圧の強さを、発光体10の発光色や発光量の強弱で示すようにしてもよい。また、発光のタイミングや発光時間は、所望のマッサージに応じて適宜設定される。第2の実施の形態においても同様である。
【0011】
駆動手段11は、発光体10を駆動させるものであって、例えばモータやモータによる動力を発光体10に伝達するためのシャフトなどを含む機構などに相当する。なお、駆動手段11は、発光体10ごとに用意されていてもよい。駆動手段11は、後述する制御手段12からの信号に基づいて、発光体10から発せられる光が顔面上の指圧位置に照射されるように発光体10を駆動させる。顔面に当てられた光に沿ってユーザなどが指圧などのマッサージを行うことにより、マッサージの初心者であっても効率よく適切にマッサージを行うことができる。
【0012】
制御手段12は、駆動手段11及び発光体10を所定のプログラムに基づいて駆動及び発光させるための制御を行うものであって、例えばCPUなどに相当する。ここで、所定のプログラムとは、発光体10から発する光の顔面上の移動が、顔面上において指圧位置に沿った移動となるように、駆動手段11を制御するとともに、発光体10の移動の際に発光体10が発光するように発光体10を制御するプログラム情報である。
【0013】
すなわち、制御手段12は、マッサージ補助装置の起動(電源のON(オン)など)に基づいて、あらかじめ格納手段13(例えば、HDDやメモリなど)に格納された所定のプログラムを読み出す。制御手段12は、読み出した所定のプログラムの処理に基づいて、駆動手段11を駆動させるための信号を駆動手段11に送信するとともに、発光させるべき発光体10に対して発光を指示するための信号を該当する発光体10に送信する。これにより、発光体10は、所定のプログラムに応じた指圧位置(マッサージ位置)に沿って移動するとともに、顔面上において指圧すべき指圧位置に光を照射する。
【0014】
次に、本発明の第1の実施の形態に係るマッサージ補助装置を更に具体的に説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態に係るマッサージ補助装置の一例の外観図である。図2に示すように、マッサージ補助装置の前面21には、複数の発光体10が配置され、それぞれの発光体10はそれぞれの発光体10に対して設けられた移動範囲である所定の範囲22内を移動することができる。所定の範囲22は、所定の範囲22内を移動する発光体10によって発光される光が顔面上の指圧位置に当たるように設けられている。なお、マッサージ補助装置を使用するユーザの顔の大きさには個人差があり、照射される光の当たる位置が顔面上で微妙にずれることが考えられる。そこで、後述する以外に、顔の大きさの個人差にも対応できるように、例えば発光体10から照射される光を屈折させて所望の指圧位置に光が当たるようなレンズなどを前面21の前に設置できるようにしてもよい。すなわち、顔が大きめのユーザは光が外側(顔の中心と逆側)に屈折するようなレンズを用い、顔が小さめのユーザは光が内側(顔の中心側)に屈折するようなレンズを用いる。ただし、顔の大きさの個人差に対応するための照射方法はこれに限られるものではない。例えば、発光体10自身が上下左右方向(または360度方向)に所定の角度まで傾くことが可能となることで、照射させる位置の微調整を可能とさせる照射方法などもある。なお、これらの照射方法及び後述するユーザの大きさを決定する初期設定を用いた照射方法については、第2の実施の形態においても同様である。図2はマッサージ補助装置の一例であって、発光体10の数や所定の範囲22の前面21上における位置はこれに限られるものではない。
【0015】
図2に示されるマッサージ補助装置の電源スイッチ20が不図示のユーザによってON状態にされると、制御手段12は、格納手段13に格納された所定のプログラムを読み出し、所定のプログラムの処理を開始する。制御手段12は、所定のプログラムの処理に基づいて、図2において不図示の駆動手段11を駆動させるための信号を駆動手段11に送信するとともに、発光するべき発光体10を発光させるための信号を該当する発光体10に送信する。
【0016】
駆動手段11は、受信した信号に基づいて該当する発光体10を駆動させ、信号を受信した発光体10は、受信した信号に基づいて発光体10自身を発光させたり、発光を止めたりする。なお、マッサージ補助装置を用いる場合の位置は、例えば顔面の位置を基準として、顔面から所定の距離離れた位置(例えば、両者の間の距離が30cm(ユーザが椅子に座って、マッサージ補助装置を机やテーブルに置いた場合の距離)など)である。しかし、マッサージ補助装置を用いる際に置かれる位置はこれに限られるものではない。また、マッサージ補助装置の発光体の光が顔面に適切に照射されるように、発光体の照射角度を調整することができる。具体的には、マッサージ補助装置の底面の前方側(前面21側)の位置に、マッサージ補助装置を傾かせるための部材を設置し角度を調整できるようにしてもよい。また、上述したように、発光体10自身が上下左右方向(または360度方向)に所定の角度まで傾くことが可能となることで、マッサージ補助装置の前面21と顔面との間の位置関係を気にせずに発光体10からの光を適切に顔面に当てることができる。第2の実施の形態においても同様である。また、ユーザそれぞれの顔の大きさに対応させるために、あらかじめユーザの顔の大きさを決定する初期設定ができるようにしてもよい。
【0017】
この初期設定は、例えばマッサージ補助装置を顔面から所定の距離に配置させ、不図示の初期設定ボタンなどを押し、顔面内の主要な器官(目、鼻、口、あご、額、耳など)の位置を自動若しくは手動で測ることによって、ユーザそれぞれの顔面に合った指圧位置を発光体10によって照射することができる。なお、顔面内の主要な器官の位置を自動で測る方法として、例えば、マッサージ補助装置自身に装備された撮像装置(カメラなど)又はマッサージ補助装置に接続可能な撮像装置によって撮像されたユーザの画像を解析し、主要な器官の位置を検出する方法が用いられてもよい。第2の実施の形態においても同様である。制御手段12は、検出された位置の情報に基づいて、駆動手段11及び発光体10を制御するための信号を生成して送信する。第2の実施の形態の場合、後述する制御手段31は、検出された位置の情報に基づいて、発光体30を発光制御するための信号を生成して送信する。これによって、ユーザそれぞれの顔面に合った指圧位置を発光体10によって照射することができる。
【0018】
ユーザがマッサージ補助装置を所定の位置に置き、電源スイッチ20をON状態にし、初期設定などを行うと、指圧位置に沿って発光体10が移動するとともに発光する。これにより、ユーザは鏡などを利用して顔面に照射された光の移動に沿って自身で指圧することができる。なお、初期設定をせずに、上述したレンズを前面21の前に設置して電源スイッチ20をON状態にしてもよい。第2の実施の形態においても同様である。
【0019】
<第2の実施の形態>
以下に、第2の実施の形態に係るマッサージ補助装置について図3を用いて説明する。図3は第2の実施の形態に係るマッサージ補助装置の構成の一例を示す構成図である。図3に示すように、マッサージ補助装置は、発光体30、制御手段31、格納手段32から構成されている。第1の実施の形態に係るマッサージ補助装置と比較して、第2の実施の形態に係るマッサージ補助装置は駆動手段が有していないが、その他の構成要素については第1の実施の形態に係るマッサージ補助装置のそれぞれの構成要素と同様のものであるため説明を省略する。なお、格納手段32に格納された所定のプログラムは、顔面上において指圧すべき位置に照射された光が当たるように、発光体30それぞれを発光制御するためのプログラム情報である。
【0020】
次に、第2の実施の形態に係るマッサージ補助装置について更に具体的に図4を用いて説明する。図4に示すように、マッサージ補助装置の前面41には複数の発光体30が配置されている。この例では、発光体30の数は縦に10個、横に10個配列されており、計100個であるが、発光体30の数はこれに限られるものではない。発光体30の数が多ければ後述するように、発光の仕方のバリエーションを増やすことができるため、より繊細で精度の高いマッサージを行うことが可能である。なお、発光体30それぞれは取り外し可能であって、お互いに交換可能であってもよい。これにより、発光頻度の多い発光体と発光頻度の少ない発光体とを交換し、それぞれの発光体の寿命を平均的にすることが可能となる。第1の実施の形態においても同様である。
【0021】
第2の実施の形態に係るマッサージ補助装置は、第1の実施の形態に係るマッサージ補助装置のように、不図示のユーザによって電源スイッチ40がON状態にされることにより起動する。ON状態になると、制御手段31は、格納手段32に格納された所定のプログラムを読み込み、読み込んだ所定のプログラムを処理する。制御手段31は、処理する所定のプログラムに基づいて、発光させるべき発光体30に対して発光するための信号(発光信号)を送信する。発光体30は、受信した信号に基づいて自身を発光させる。
【0022】
ここで、発光体30の発光の具体的な例について図5を用いて説明する。図5は、上述したマッサージ補助装置の前面41を拡大したものである。前面41には100個の発光体30が配置されている。ここで、それぞれの発光体を示す際、座標値[i、j]を用いて示す。すなわち、例えば左下の隅を基準として、左下の隅に位置する発光体は発光体[1、1]、右下の隅に位置する発光体は発光体[100、1]、左上の隅に位置する発光体は発光体[1、100]、右上の隅に位置する発光体は発光体[100、100]と表す。
【0023】
例えば、所定のプログラムの一部が目の下に位置するラインをマッサージさせるためのプログラムである場合、制御手段31は読み込んだプログラムに基づいて、目の下に位置するラインに相当する発光体、例えば左目の下に位置するラインに相当する発光体[2、7]、発光体[3、6]、発光体[4、6]を発光させるための信号を該当する発光体に送信する。この信号に基づいて、発光体[2、7]、発光体[3、6]、発光体[4、6]はそれぞれ発光する。この場合、発光体[2、7]、発光体「3、6]、発光体[4、6]は時間差をつけて発光するようにしてもよい。これにより、マッサージをする方向を示すことができる。
【0024】
なお、右目の下のラインに相当する発光体[9、7]、発光体[8、6]、発光体[7、6]についても同様である。また、他の部位(頬、目頭、鼻の脇、額、あご、首など)においても同様にそれぞれの部位に相当する発光体を発光させることにより、顔面などに対する一連のマッサージを行うことができる。上述した例では、発光体の数を100個としているが、この数を多くすることによって、発光の仕方のバリエーションを増やすことができるため、より繊細で精度の高いマッサージを行うことが可能である。
【0025】
ここで、第1及び第2の実施の形態に係るマッサージ補助装置を用いた際のユーザの顔面を図6に示す。図6に示すように、例えば顔面上の目の下には照射された光の位置60があり、所定のプログラムに基づいて駆動する発光体により、光の位置60が左右方向に移動する。第2の実施の形態の場合であれば、所定のプログラムにより対応する部分の発光体が発光し、光の位置60が左右方向に移動する。この光の位置60の移動に沿って指圧を行うことによって、初心者でも効率よく、適切なマッサージを行うことができる。
【0026】
第1及び第2の実施の形態で述べたように、マッサージの手順をプログラミングした所定のプログラムに基づいて、駆動手段を駆動させ発光体を発光させる、又は発光体を発光させることにより、マッサージの初心者であっても効率よく、適切なマッサージを行うことができる。なお、プログラミングするマッサージ手順のプログラムは、1つのマッサージ手順に限られるものではなく、現存する様々なマッサージ手順(くすみ解消専用のマッサージ手順、むくみ解消のマッサージ手順、小顔にするためのマッサージ手順など)を実現できるプログラムである。
【0027】
また、上述した各実施の形態では、顔面のマッサージに用いる場合について説明したが、顔面に限らず、頭部、脚、腹部、胸部などの他の人体の部位についても同様に用いることが可能である。また、各実施の形態で説明したマッサージ補助装置の前面は平らな面の一面のみで構成されているが、図7に示すように、複数の面で構成されるようにしてもよい。ここでは、前面が3面から構成されているが、中心の前面の上下に不図示の前面があってもよい。これにより、前面の一面のみでは発光された光が当たりにくい部位にも発光された光を当てることができ、立体的な顔のマッサージを効率よく行うことができる。また、各実施の形態ではマッサージをする際の補助装置として説明したが、マッサージの補助に限られることはなく、顔面へ照射される光の発光制御によって、例えば化粧(メイクアップ)の手順を示すようにしてもよい。これにより、化粧の苦手なユーザや流行の化粧をユーザ自らで容易にすることが可能となる。
【0028】
以下に、上述した光の照射によって化粧の手順を示す化粧補助装置の1つ目の実施の形態について説明する。図8は、化粧補助装置の構成の一例を示す構成図である。図8に示すように、化粧補助装置は、発光体80、駆動手段81、制御手段82、格納手段83から構成されている。発光体80は、人体に当てても害を及ぼさない光(可視光)を発するものであり、例えば発光ダイオード(LED)などが考えられる。しかし、発光体80は、これに限られるものではなく、人体に害を及ぼさない光を発する発光体であればよい。
【0029】
また、なお、近年、美容医学などではフラクショナルレーザ治療などが盛んに行われており、レーザ光によって肌質の改善を行ったり、肌のくすみなどを除去したりしている。このレーザ光を発光体80が発光する光とすることも実施可能である。なお、後述する2つ目の実施の形態においても同様である。また、発光体80は、1つに限られるものではなく、後述するように複数あってもよい。なお、発光体80の発光量を調整できるような構成とすることも可能である。このことは、後述するように発光量の強弱(多少)で化粧の濃さを示す場合や、化粧を行う場所の環境が一定でない場合(例えば、化粧を行う部屋が暗いといった場合や逆に部屋が明るいといった場合など)に有効である。後述する2つ目の実施の形態においても同様である。また、化粧の濃さは、発光体80の発光色や発光量の強弱で示すようにしてもよい。また、発光のタイミングや発光時間は、所望の化粧に応じて適宜設定される。後述する2つ目の実施の形態においても同様である。
【0030】
駆動手段81は、発光体80を駆動させるものであって、例えばモータやモータによる動力を発光体80に伝達するためのシャフトなどを含む機構などに相当する。なお、、駆動手段81は、発光体80ごとに用意されていてもよい。駆動手段81は、後述する制御手段82からの信号に基づいて、発光体80から発せられる光が顔面上の化粧位置に照射されるように発光体80を駆動させる。顔面に当てられた光に沿ってユーザなどが化粧を行うことにより、化粧の苦手な者や化粧の初心者であっても効率よく適切に化粧を行うことができる。
【0031】
制御手段82は、駆動手段81及び発光体80を所定のプログラムに基づいて駆動及び発光させるための制御を行うものであって、例えばCPUなどに相当する。ここで、所定のプログラムとは、発光体80から発する光の顔面上の移動が、顔面上において化粧位置に沿った移動となるように、駆動手段81を制御するとともに、発光体80の移動の際に発光体80が発光するように発光体80を制御するプログラム情報である。
【0032】
すなわち、制御手段82は、化粧補助装置の起動(電源のON(オン)など)に基づいて、あらかじめ格納手段83(例えば、HDDやメモリなど)に格納された所定のプログラムを読み出す。制御手段82は、読み出した所定のプログラムの処理に基づいて、駆動手段81を駆動させるための信号を駆動手段81に送信するとともに、発光させるべき発光体80に対して発光を指示するための信号を該当する発光体80に送信する。これにより、発光体80は、所定のプログラムに応じた化粧位置(化粧箇所)に沿って移動することにより、顔面上において化粧すべき化粧位置に光を照射する。
【0033】
次に、1つ目の実施の形態に係る化粧補助装置を更に具体的に説明する。図9は、1つ目の実施の形態に係る化粧補助装置の一例の外観図である。図9に示すように、化粧補助装置の前面91には、複数の発光体80が配置され、それぞれの発光体80はそれぞれの発光体80に対して設けられた移動範囲である所定の範囲92内を移動することができる。所定の範囲92は、所定の範囲92内を移動する発光体80によって発光される光が顔面上の化粧位置に当たるように設けられている。なお、化粧補助装置を使用するユーザの顔の大きさには個人差があり、照射される光の当たる位置が顔面上で微妙にずれることが考えられる。そこで、後述する以外に、顔の大きさの個人差にも対応できるように、例えば発光体80から照射される光を屈折させて所望の化粧位置に光が当たるようなレンズなどを前面91の前に設置できるようにしてもよい。すなわち、顔が大きめのユーザは光が外側(顔の中心と逆側)に屈折するようなレンズを用い、顔が小さめのユーザは光が内側(顔の中心側)に屈折するようなレンズを用いる。ただし、顔の大きさの個人差に対応するための照射方法はこれに限られるものではない。例えば、発光体80自身が上下左右方向(または360度方向)に所定の角度まで傾くことが可能となることで、照射させる位置の微調整を可能とさせる照射方法などもある。なお、これらの照射方法及び後述するユーザの大きさを決定する初期設定を用いた照射方法については、後述する2つ目の実施の形態においても同様である。図9は化粧補助装置の一例であって、発光体80の数や所定の範囲92の前面91上における位置はこれに限られるものではない。
【0034】
図9に示される化粧補助装置の電源スイッチ90が不図示のユーザによってON状態にされると、制御手段82は、格納手段83に格納された所定のプログラムを読み出し、所定のプログラムの処理を開始する。制御手段82は、所定のプログラムの処理に基づいて、図9において不図示の駆動手段81を駆動させるための信号を駆動手段81に送信するとともに、発光するべき発光体80を発光させるための信号を該当する発光体80に送信する。
【0035】
駆動手段81は、受信した信号に基づいて該当する発光体80を駆動させ、信号を受信した発光体80は、受信した信号に基づいて発光体80自身を発光させたり、発光を止めたりする。なお、化粧補助装置を用いる場合の位置は、例えば顔面の位置を基準として、顔面から所定の距離離れた位置(例えば、両者の間の距離が30cm(ユーザが椅子に座って、化粧補助装置を机やテーブルに置いた場合の距離)など)である。しかし、化粧補助装置を用いる際に置かれる位置はこれに限られるものではない。また、化粧補助装置の発光体の光が顔面に適切に照射されるように、発光体の照射角度を調整することができる。具体的には、化粧補助装置の底面の前方側(前面91側)の位置に、化粧補助装置を傾かせるための部材を設置し角度を調整できるようにしてもよい。また、上述したように、発光体80自身が上下左右方向(または360度方向)に所定の角度まで傾くことが可能となることで、化粧補助装置の前面91と顔面との間の位置関係を気にせずに発光体80からの光を適切に顔面に当てることができる。後述する2つ目の実施の形態においても同様である。後述する2つ目の実施の形態の場合には、発光体を上下左右方向(または360度方向)に傾かせるための不図示の駆動手段を設け、制御手段からの制御信号に基づいて不図示の駆動手段を駆動させることにより発光体を傾けさせることになる。また、ユーザそれぞれの顔の大きさに対応させるために、あらかじめユーザの顔の大きさを決定する初期設定ができるようにしてもよい。
【0036】
この初期設定は、例えば化粧補助装置を顔面から所定の距離に配置させ、不図示の初期設定ボタンなどを押し、顔面内の主要な器官(目、鼻、口、あご、額、耳など)の位置を自動若しくは手動で測ることによって、ユーザそれぞれの顔面に合った化粧位置を発光体80によって照射することができる。なお、顔面内の主要な器官の位置を自動で測る方法として、例えば、化粧補助装置自身に装備された撮像装置(カメラなど)又は化粧補助装置に接続可能な撮像装置によって撮像されたユーザの画像を解析し、主要な器官の位置を検出する方法が用いられてもよい。後述する2つ目の実施の形態においても同様である。制御手段82は、検出された位置の情報に基づいて、駆動手段81及び発光体80を制御するための信号を生成して送信する。後述する2つ目の実施の形態の場合、後述する制御手段101は、検出された位置の情報に基づいて、発光体100を発光制御するための信号を生成して送信する。これによって、ユーザそれぞれの顔面に合った化粧位置を発光体80によって照射することができる。
【0037】
ユーザが化粧補助装置を所定の位置に置き、電源スイッチ90をON状態にし、初期設定などを行うと、化粧位置に沿って発光体80が移動するとともに発光する。これにより、ユーザは鏡などを利用して顔面に照射された光の移動に沿って自身で化粧することができる。なお、初期設定をせずに、上述したレンズを前面91の前に設置して電源スイッチ90をON状態にしてもよい。後述する2つ目の実施の形態においても同様である。
【0038】
以下に、2つ目の実施の形態に係る化粧補助装置について図10を用いて説明する。図10は2つ目の実施の形態に係る化粧補助装置の構成の一例を示す構成図である。図10に示すように、化粧補助装置は、発光体100、制御手段101、格納手段102から構成されている。1つ目の実施の形態に係る化粧補助装置と比較して、2つ目の実施の形態に係る化粧補助装置は駆動手段が有していないが、その他の構成要素については1つ目の実施の形態に係るマッサージ補助装置のそれぞれの構成要素と同様のものであるため説明を省略する。ただし、上述したように、発光体自身が上下左右方向(または360度方向)に所定の角度まで傾くような態様の場合には、発光体自身を駆動させる駆動手段が必要になるが、その駆動手段と発光体自体を結合した発光駆動手段としてもよい。なお、格納手段102に格納された所定のプログラムは、顔面上において化粧すべき位置に照射された光が当たるように、発光体100それぞれを発光制御するためのプログラム情報である。
【0039】
次に、2つ目の実施の形態に係る化粧補助装置について更に具体的に図11を用いて説明する。図11に示すように、化粧補助装置の前面111には複数の発光体100が配置されている。この例では、発光体100の数は縦に10個、横に10個配列されており、計100個であるが、発光体100の数はこれに限られるものではない。発光体100の数が多ければ後述するように、発光の仕方のバリエーションを増やすことができるため、より繊細で精度の高い化粧を行うことが可能である。なお、発光体100それぞれは取り外し可能であって、お互いに交換可能であってもよい。これにより、発光頻度の多い発光体と発光頻度の少ない発光体とを交換し、それぞれの発光体の寿命を平均的にすることが可能となる。1つ目の実施の形態においても同様である。
【0040】
2つ目の実施の形態に係る化粧補助装置は、1つ目の実施の形態に係る化粧補助装置のように、不図示のユーザによって電源スイッチ110がON状態にされることにより起動する。ON状態になると、制御手段101は、格納手段102に格納された所定のプログラムを読み込み、読み込んだ所定のプログラムを処理する。制御手段101は、処理する所定のプログラムに基づいて、発光させるべき発光体100に対して発光するための信号(発光信号)を送信する。発光体100は、受信した信号に基づいて自身を発光させる。
【0041】
ここで、発光体100の発光の具体的な例について図12を用いて説明する。図12は、上述した化粧補助装置の前面111を拡大したものである。前面111には100個の発光体90が配置されている。ここで、それぞれの発光体を示す際、座標値[i、j]を用いて示す。すなわち、例えば左下の隅を基準として、左下の隅に位置する発光体は発光体[1、1]、右下の隅に位置する発光体は発光体[100、1]、左上の隅に位置する発光体は発光体[1、100]、右上の隅に位置する発光体は発光体[100、100]と表す。
【0042】
例えば、所定のプログラムの一部が目の下に位置するラインに化粧させるためのプログラムである場合、制御手段91は読み込んだプログラムに基づいて、目の下に位置するラインに相当する発光体、例えば左目の下に位置するラインに相当する発光体[2、7]、発光体[3、6]、発光体[4、6]を発光させるための信号を該当する発光体に送信する。この信号に基づいて、発光体[2、7]、発光体[3、6]、発光体[4、6]はそれぞれ発光する。この場合、発光体[2、7]、発光体[3、6]、発光体[4、6]は時間差をつけて発光するようにしてもよい。これにより、化粧をする方向を示すことができる。
【0043】
なお、右目の下のラインに相当する発光体[9、7]、発光体[8、6]、発光体[7、6]についても同様である。また、他の部位(頬、目頭、鼻の脇、額、あご、首など)においても同様にそれぞれの部位に相当する発光体を発光させることにより、顔面などに対する一連の化粧を行うことができる。上述した例では、発光体の数を100個としているが、この数を多くすることによって、発光の仕方のバリエーションを増やすことができるため、より繊細で精度の高い化粧を行うことが可能である。
【0044】
ここで、1つ目及び2つ目の実施の形態に係る化粧補助装置を用いた際のユーザの顔面を図13に示す。図13に示すように、例えば顔面上の目の下には照射された光の位置130があり、所定のプログラムに基づいて駆動する発光体により、光の位置130が左右方向に移動する。2つ目の実施の形態の場合であれば、所定のプログラムにより対応する部分の発光体が発光し、光の位置130が左右方向に移動する。この光の位置130の移動に沿って化粧を行うことによって、化粧の苦手な者や化粧の初心者でも効率よく、適切な所望の化粧を行うことができる。
【0045】
1つ目及び2つ目の実施の形態で述べたように、化粧の手順をプログラミングした所定のプログラムに基づいて、駆動手段を駆動させ発光体を発光させる、又は発光体を発光させることにより、化粧の苦手な者や化粧の初心者であっても効率よく、適切な所望の化粧を行うことができる。なお、プログラミングする化粧手順のプログラムは、1つの化粧手順に限られるものではなく、現存する様々な化粧手順(くすみやむくみ解消専用の化粧手順、リハビリ的な化粧手順、小顔にするための化粧手順など)を実現できるプログラムである。
【0046】
また、上述した各実施の形態では、顔面の化粧に用いる場合について説明したが、顔面に限らず、頭部、脚、腹部、胸部などの他の人体の部位についても同様に用いることが可能である。また、各実施の形態で説明した化粧補助装置の前面は平らな面の一面のみで構成されているが、図14に示すように、複数の面で構成されるようにしてもよい。ここでは、前面が3面から構成されているが、中心の前面の上下に不図示の前面があってもよい。これにより、前面の一面のみでは発光された光が当たりにくい部位にも発光された光を当てることができ、立体的な顔の化粧を効率よく行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明に係るマッサージ補助装置は、マッサージを行う人が異なっても、一定のマッサージ効果が提供でき、説明文などの理解をせずに容易にマッサージを行うことができるため、自らの顔などのマッサージを行う際に手助けとなるマッサージ補助装置などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るマッサージ補助装置の構成の一例を示す構成図
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るマッサージ補助装置の外観を示す外観図
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るマッサージ補助装置の構成の一例を示す構成図
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るマッサージ補助装置の外観を示す外観図
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るマッサージ補助装置の前面を拡大した図
【図6】本発明の第1及び第2の実施の形態に係るマッサージ補助装置を用いた際のユーザの顔面を示す図
【図7】本発明の第1及び第2の実施の形態に係るマッサージ補助装置の前面の他の態様の一例を示す外観図
【図8】1つ目の実施の形態に係る化粧補助装置の構成の一例を示す構成図
【図9】1つ目の実施の形態に係る化粧補助装置の外観を示す外観図
【図10】2つ目の実施の形態に係る化粧補助装置の構成の一例を示す構成図
【図11】2つ目の実施の形態に係る化粧補助装置の外観を示す外観図
【図12】2つ目の実施の形態に係る化粧補助装置の前面を拡大した図
【図13】1つ目及び2つ目の実施の形態に係る化粧補助装置を用いた際のユーザの顔面を示す図
【図14】1つ目及び2つ目の実施の形態に係る化粧補助装置の前面の他の態様の一例を示す外観図
【符号の説明】
【0049】
10、30 発光体
11 駆動手段
12、31 制御手段
13、32 格納手段
20、40 電源スイッチ
21、41 前面
22 所定の範囲
60 光の位置
80、30 発光体
81 駆動手段
82、101 制御手段
83、102 格納手段
90、110 電源スイッチ
91、111 前面
92 所定の範囲
130 光の位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又はそれ以上の発光体を有し、前記発光体から発する光を顔面に照射し、前記発光体の移動に伴って移動する前記顔面上の光によって指圧をさせる位置を指し示すマッサージ補助装置であって、
前記発光体を駆動させる駆動手段と、
前記駆動手段及び前記発光体を所定のプログラムに基づいて駆動及び発光させる制御手段と、
前記所定のプログラムを格納する格納手段とを
備えるマッサージ補助装置。
【請求項2】
前記所定のプログラムは、前記発光体から発する前記光の前記顔面上の移動が、前記顔面上において指圧位置に沿った移動となるように、前記駆動手段を制御するとともに、前記発光体の移動の際に前記発光体が発光するように前記発光体を制御するプログラム情報である請求項1に記載のマッサージ補助装置。
【請求項3】
1又はそれ以上の発光体を有し、前記発光体によって顔面に照射された光によって指圧をさせる位置を指し示すマッサージ補助装置であって、
前記発光体を所定のプログラムに基づいて発光させる制御手段と、
前記所定のプログラムを格納する格納手段とを
備えるマッサージ補助装置。
【請求項4】
前記所定のプログラムは、前記顔面上において指圧すべき位置に照射された前記光が当たるように、前記発光体それぞれを発光制御するためのプログラム情報である請求項3に記載のマッサージ補助装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−18147(P2009−18147A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−212460(P2007−212460)
【出願日】平成19年7月23日(2007.7.23)
【出願人】(507209735)
【Fターム(参考)】