説明

マットレスまたはマットレスセットのための単層防火布およびそれを防火するための方法

本発明は、マットレスのための防火構成要素として有用な単層不織布、ならびに不織布を含んでなるマットレスまたはマットレスセット、ならびに前記マットレスおよびマットレスセットを防火するための方法に関し、不織布は、1分あたり20℃の速度で700℃に空気中で加熱されたときに繊維重量の少なくとも10パーセントを維持するセルロース繊維少なくとも1平方ヤードあたり0.5オンス(1平方メートルあたり17グラム)と、1分あたり20℃の速度で500℃に空気中で加熱されたときに繊維重量の90パーセントを維持する有機繊維少なくとも1平方ヤードあたり0.5オンス(1平方メートルあたり17グラム)とを含んでなり、布は、少なくとも1平方ヤードあたり2.5オンス(1平方メートルあたり85グラム)を有する坪量と、少なくとも0.16グラム/cmの密度と、70メートル/分(225ft/分)以下の空気透過性とを有する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マットレスのための防火(fireblocking)構成要素として有用な単層不織布、ならびに不織布を含んでなるマットレスまたはマットレスセット、ならびに前記マットレスおよびマットレスセットを防火するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カリフォルニア州は、家庭、ホテル、および施設の火災で失われる命の数を低減しようとする試みにおいて、マットレスおよびマットレスセットの可燃性を規制し低減する運動を導いている。特に、カリフォルニア州消費者問題局の家具および断熱部(The Bureau of Home Furnishings and Thermal Insulation of the Department of Consumer Affairs of the State of California)は、マットレスセットの可燃性性能を定量化するために、技術報告(Technical Bulletin)603「大きい裸火に対する居住用マットレス/ボックススプリングセットの耐性の要件およびテスト手順(Requirements and Test Procedure for Resistance of a Residential Mattress/Box Spring Set to a Large Open−Flame)」を発行した。
【0003】
マットレスは、通常、外側寝具用布で被覆されたクッショニング材料またはバッティング(batting)によって被覆されたマットレスコアを含有する。ほとんどのクッショニング材料またはバッティングは、裸火に曝されたときに燃焼するフォームまたは繊維材料から製造される。フォームクッション、特に飛行機座席を防火する1つの有用な方法が、ブロースタイン(Blaustein)らへの特許文献1に開示されており、耐炎性布の3から7の層が、フォームを包むために座席の被覆布の下に使用される。航空機座席可燃性テスト方法ごとに必要な程度に、これらの防火されたクッションは、クッションに衝突する火炎ジェットに耐え、かつクッション全体を、火炎によって飲み込まれること、または火炎ジェットが除去された後に燃焼し続けることから防止する。マットレスに適用された場合、寝具用布の下の多数の防火層の使用は、剛性を加えるか、マットレスコアの弾力性を制限することがあり、全体的な快適さに影響を及ぼす。
【0004】
特許文献2、特許文献3、および特許文献4は、本質的に耐炎性の繊維と増加した耐炎性を有するセルロース繊維との混紡布を開示しており、布は、たとえば染色工程で添加剤として加えられる付加的な難燃剤を含有することができる。無機材料の低含有量のため、これらの引例に開示された耐炎性セルロース繊維は、高温に曝されたときにそれらの繊維重量の適切なパーセンテージを維持しない。
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,750,443号明細書
【特許文献2】米国特許第6,132,476号明細書
【特許文献3】米国特許第6,547,835号明細書
【特許文献4】米国特許第5,609,950号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、必要なのは、マットレスを防火するのに適した1つの布層である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、マットレスのための防火構成要素として有用な単層不織布であって、1分あたり20℃の速度で700Cに空気中で加熱されたときに繊維重量の少なくとも10パーセントを維持するセルロース繊維少なくとも1平方ヤードあたり0.5オンス(1平方メートルあたり17グラム)と、1分あたり20℃の速度で500℃に空気中で加熱されたときに繊維重量の90パーセントを維持する有機繊維少なくとも1平方ヤードあたり0.5オンス(1平方メートルあたり17グラム)とを含んでなり、布が、少なくとも1平方ヤードあたり2.5オンス(1平方メートルあたり85グラム)を有する坪量と、少なくとも0.16グラム/cmの密度と、70メートル/分(225ft/分)以下の空気透過性とを有する単層不織布に関する。
【0008】
本発明は、また、防火されたマットレスならびにマットレスおよびマットレスセットを防火する方法であって、前記マットレスが、マットレスコアと、単層不織防火布を含んでなるパネルと、1平方ヤードあたり2から8オンス(1平方メートルあたり68から271グラム)の範囲内の坪量を有する寝具用布とを含んでなり、単層不織布が、1分あたり20℃の速度で700Cに空気中で加熱されたときに繊維重量の少なくとも10パーセントを維持するセルロース繊維少なくとも1平方ヤードあたり0.5オンス(1平方メートルあたり17グラム)と、1分あたり20℃の速度で500℃に空気中で加熱されたときに繊維重量の90パーセントを維持する有機繊維少なくとも1平方ヤードあたり0.5オンス(1平方メートルあたり17グラム)とを含んでなり、布が、少なくとも1平方ヤードあたり2.5オンス(1平方メートルあたり85グラム)を有する坪量と、少なくとも0.16グラム/cmの密度と、70メートル/分(225ft/分)以下の空気透過性とを有する防火されたマットレスならびにマットレスおよびマットレスセットを防火する方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、マットレスのための防火構成要素として有用な単層不織布、およびその単層不織布を組入れてマットレスを防火するための方法に関する。単層不織布は、1分あたり20℃の速度で700Cに空気中で加熱されたときに繊維重量の少なくとも10パーセントを維持するセルロース繊維少なくとも1平方ヤードあたり0.5オンス(1平方メートルあたり17グラム)と、1分あたり20℃の速度で500℃に空気中で加熱されたときに繊維重量の90パーセントを維持する有機繊維少なくとも1平方ヤードあたり0.5オンス(1平方メートルあたり17グラム)とから構成される。本発明に使用される不織防火布の坪量は、少なくとも1平方ヤードあたり2.5オンス(1平方メートルあたり85グラム)である。坪量がその量より小さいそのような単層不織布は、適切な防火性能をもたらさない。本発明の不織防火布の最大実用坪量は、1平方ヤードあたり7オンスの範囲内である。より重い重量の布は、依然として保護をもたらすが、付加的な坪量があるので、難燃性性能の向上がほとんどない。単層防火布は、さらに、少なくとも1立方センチメートルあたり0.16グラムの密度、および空気透過性標準ASTM D−737「テキスタイル布の空気透過性(Air Permeability of Textile Fabric)」によって測定されるような225ft/分(70メートル/分)以下の空気透過性を有する。より低い密度またはより高い透過性を有する布は、マットレスの防火層として適切に機能するには多孔性すぎるか開きすぎると考えられる。この組成、坪量、および透過性を有する不織布を、マットレス、またはマットレスとファウンデーション(foundation)とを含んでなるマットレスセットのための単独防火構成要素として使用することができる。
【0010】
本発明の不織布は、チャー形成セルロース繊維少なくとも1平方ヤードあたり0.5オンス(1平方メートルあたり17グラム)を含有する。チャー形成とは、セルロース繊維が、1分あたり20℃の速度で700℃に空気中で加熱されたときにその重量の少なくとも10パーセントを維持することを意味する。そのようなセルロース繊維は、好ましくは、10%の無機化合物が繊維に組入れられる。そのような繊維、およびそのような繊維を製造するための方法は、一般に、米国特許第3,565,749号明細書および英国特許GB 1,064,271号明細書に開示されている。本発明に好ましいチャー形成セルロース繊維は、ケイ酸アルミニウムサイトを備えたポリケイ酸の形態の二酸化ケイ素を含有するビスコース繊維である。そのような繊維、およびそのような繊維を製造するための方法は、一般に、米国特許第5,417,752号明細書および国際公開第9217629号パンフレットに開示されている。ケイ酸を含有するビスコース繊維が、フィンランドのサテリ・オイ・カンパニー(Sateri Oy Company of Finland)によって商標ビジル(Visil)(登録商標)で販売されている。本発明のチャー形成繊維は、不織布に組入れられたとき、布を付加的な難燃性添加剤または局所的に付与される難燃性化合物で処理する必要なく、適切な防火性能をもたらす。
【0011】
単層不織布は、1分あたり20℃の速度で500℃に空気中で加熱されたときに繊維重量の90パーセントを維持する有機繊維最小1平方ヤードあたり0.5オンスを含有する。そのような有機繊維は、通常、耐炎性であり、繊維または繊維から製造された布の限界酸素指数(LOI)が23から26%の範囲より大きいことを意味し、すなわち、繊維または布が空気中で火炎を支持しない。好ましい繊維は、火炎に曝されたときに過度に収縮せず、すなわち、繊維の長さは火炎に曝されたときに著しく短くならない。1分あたり20℃の速度で500℃に空気中で加熱されたときに繊維重量の90パーセントを維持する有機繊維1平方ヤードあたり0.5オンス(1平方メートルあたり17グラム)を含有する布は、衝突する火炎によって燃焼されたときに限られた量の亀裂および開口部を有する傾向がある。
【0012】
好ましい有機繊維はパラ−アラミドポリマーを含んでなる。ここで使用されるように、「アラミド」は、アミド(−CONH−)結合の少なくとも85%が2つの芳香環に直接結合されたポリアミドを意味する。添加剤をアラミドとともに使用することができる。実際に、他のポリマー材料10重量パーセントまでをアラミドとブレンドすることができること、または、他のジアミン10パーセントがアラミドのジアミンと置換されるか他の二酸塩化物10パーセントがアラミドの二酸塩化物と置換されたコポリマーを使用することができることがわかっている。本発明の実施において、好ましいパラ−アラミドはポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)である。
【0013】
本発明に有用なパラ−アラミド繊維を製造するための方法は、一般に、たとえば、米国特許第3,869,430号明細書、米国特許第3,869,429号明細書、および米国特許第3,767,756号明細書に開示されている。そのような芳香族ポリアミド有機繊維およびこれらの繊維のさまざまな形態は、デラウェア州ウィルミントンのデュポン・カンパニー(DuPont Company, Wilmington, Delaware)から商標ケブラー(Kevlar)(登録商標)繊維で入手可能である。
【0014】
本発明の不織布は、エアレイド不織布またはウェットレイド不織布を製造するための方法を含む従来の不織シート形成法によって製造することができ、そのような形成されたシートを、スパンレース法、ハイドロレース(hydrolacing)法、ニードルパンチ法、または不織シートを生成することができる他の方法によって、強化して布にすることができる。米国特許第3,508,308号明細書および米国特許第3,797,074号明細書に開示されたスパンレース法、ならびに米国特許第2,910,763号明細書および米国特許第3,684,284号明細書に開示されたニードルパンチ法が、本発明の不織布の製造に有用な、当該技術において周知の方法の例である。本発明の好ましい不織布は、高圧ウォータージェットを使用して繊維を絡ませて凝集シートにするエアレイドスパンレースまたはハイドロレース(hydrolaced)不織布である。
【0015】
不織布は、さらに、燃焼されたときに火炎抑制ガスを放出するガス発生(off gassing)材料を含むことができる。好ましいガス発生材料は、モダクリル繊維またはポリ塩化ビニル繊維などのハロゲン含有ポリマーから製造された繊維である。これらのポリマーは、燃焼されたときに塩素含有ガスを放出する。そのような材料1平方ヤードあたり4オンス(1平方メートルあたり136グラム)までを単層不織布に加えることができる。有用なモダクリル繊維としては、米国特許第5,506,042号明細書に開示されたものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
防火不織布は、寝具用布のすぐ下のマットレス上に配置してもよい。好ましくは、そのような寝具用布は、坪量が1平方ヤードあたり2から8オンスの範囲内である織られたまたは編まれた布であり、これは、マットレスに豪華な外観および審美的魅力を与える。寝具用布が難燃性であること、または寝具用布の任意のステッチングまたはキルティングが耐火性糸で行われることは、必要でない。防火構成要素がマットレスの残りの可燃性材料を完全に被覆すると想定して、火炎に曝されたとき、寝具用布は、迅速に燃え尽き、防火された内部を備えたマットレスを残す。
【0017】
本発明の防火不織布は、マットレスのパネルおよび/またはボーダーを防火するのに有用であり、マットレスのボーダー対パネルで異なった量のクッショニング材料を使用してもよい。マットレスを完全に防火するために、防火をマットレスのパネルおよびボーダーすべてに組入れなければならない。これは、防火特性のいずれも失うことなく、マットレスの両面を使用することができるように、マットレスが所有者によってひっくり返されることを可能にする。
【0018】
防火不織布は、また、マットレスとマットレスファウンデーションとのマットレスセットを防火するために使用することができる。ボックススプリングなどのファウンデーションは、通常、所有者によってひっくり返されず、完全に防火される必要はないが、一般に、ボーダー上に、および場合により、通常マットレスと接触するファウンデーションの面またはパネル上に防火を有する必要があるだけである。マットレスと接触するこのファウンデーションパネルは、一般に火炎から遮蔽され、そのため、パネルに使用される材料は、典型的には、たとえばマットレスのパネルと同じ程度の防火を有する必要はない。さらに、マットレスファウンデーションは、ボーダーおよび/またはパネルに大きい程度のクッショニング材料を有さないであろう。しかし、単層防火布は、通常、マットレスファウンデーションボーダーの外側寝具用布の下に使用される。
【0019】
本発明は、さらに、マットレスのための防火構成要素として有用な単層不織布をマットレスコアに設けることによって、マットレスコアを防火するための方法に関し、布は、1分あたり20℃の速度で700℃に空気中で加熱されたときに繊維重量の少なくとも10パーセントを維持するセルロース繊維少なくとも1平方ヤードあたり0.5オンス(1平方メートルあたり17グラム)と、1分あたり20℃の速度で500℃に空気中で加熱されたときに繊維重量の90パーセントを維持する有機繊維少なくとも1平方ヤードあたり0.5オンス(1平方メートルあたり17グラム)とを含んでなり、布は、少なくとも1平方ヤードあたり2.5オンス(1平方メートルあたり85グラム)を有する坪量を有する。不織布は、また、燃焼されたときに火炎抑制ガスを放出する、1平方ヤードあたり4オンス(1平方メートルあたり136グラム)までの量のガス発生材料を含んでもよい。
【0020】
マットレスコアを防火する1つの方法は、寝具用布材料の下のマットレスコアのパネルおよびボーダーを完全に被覆して、マットレスを封入することによる。これは、どのパネルまたはボーダーが火炎に曝されるかに関わらず、マットレスが防火されることを確実にする。
【0021】
テスト方法
マットレス燃焼性能
カリフォルニア州消費者問題局の家具および断熱部(The Bureau of Home Furnishings and Thermal Insulation of the Department of Consumer Affairs of the State of California)(米国95660−5595カリフォルニア州ノースハイランズ、オレンジグローブアベニュー3485(3485 Orange Grove Avenue, North Highlands, California 95660−5595, USA))は、マットレスセットの可燃性性能を定量化するために、2003年2月付の技術報告(Technical Bulletin)603「大きい裸火に対する居住用マットレス/ボックススプリングセットの耐性の要件およびテスト手順(Requirements and Test Procedure for Resistance of a Residential Mattress/Box Spring Set to a Large Open−Flame)」を発行した。このプロトコルは、マットレスおよびファウンデーションが十分に換気された条件下で特定の燃える点火源に曝されたときに特定の火災テスト反応を測定することによって、マットレス/ファウンデーションセットの燃焼挙動を定める手段を提供する。それは、2003年2月付の「1対のガスバーナを使用してマットレス/ファウンデーションセットをテストするプロトコル(Protocol of Testing Mattress/Foundation Sets Using a Pair of Gas Burners)」という題の国立標準技術研究所刊行物(the National Institute of Standards and Technology Publication)に基く。
【0022】
点火の時点から、(1)スリープセットの燃焼がすべて止まる、(2)1時間の期間が経過する、または(3)テスト室のフラッシュオーバが避けられないと思われるまで、特定の対のガスバーナを加える間およびその後の燃焼を説明するテストデータが得られる。燃焼テスト標本からの放熱(火災によって発生されたエネルギー)の速度を、酸素消費熱量測定によって測定する。原理、制限、および必要な計装の説明が、ASTM E 1590「マットレスの火災テストの標準テスト方法(Standard Test Method of Fire Testing of Mattresses)」に見出される。テストと関連する専門用語は、ASTM E 176「火災標準の標準専門用語(Standard Terminology of Fire Standards)」に定義される。
【0023】
一般に、テストプロトコルは、寝具を燃焼することによってマットレスおよびファウンデーションに課される熱流束レベルおよび持続期間を模倣するように設計された1対のプロパンバーナを使用する。バーナは、異なる流束を異なる時間の間マットレストップおよびマットレス/ファウンデーションの側面に課す。このように曝す間およびその後、テスト標本から時間依存放熱速度の測定を行う。
【0024】
マットレス/ファウンデーションを、キャッチ表面上に位置する短いベッドフレームの上に配置する。テストの間、立ち昇る煙が、放熱速度を測定するように取付けられたフードによって捕えられる。実用性のため、ツインサイズのマットレスおよびファウンデーションをテストする。バーナによる点火後、標本を、十分に換気された条件下で自由に燃焼させる。
【0025】
同じ割合で描かれていないガスバーナの一般的な配置の代表的な図が、図1に示されている。テスト標本10は、ファウンデーション30上に配置されたマットレス20を含み、T字形バーナ40および50が、標本を燃焼するようにセットされる。バーナ40は、マットレスの頂面上に火炎を衝突させ、マットレスの表面から39mmにセットされる。第2のバーナ50は、マットレス/ファウンデーションの組合せの側面上に垂直に火炎を衝突させ、標本の側面から42mmにセットされる。サイドバーナおよびトップバーナは、標本の長さに沿って同じ場所にセットされないが、図3に一般に示されているように、長さに沿って約18から20cm互いにオフセットされる。バーナは、テスト方法ごとに特別に構成され整列される。
【0026】
テスト標本を、12摂氏(54華氏)を超える周囲温度および70パーセント未満の相対湿度でテスト前24時間状態調整する。マットレスおよびファウンデーションのテスト標本を、互いの上にならびにフレームおよびキャッチ表面上に中心に置く。マットレスがファウンデーションより1から2cm狭い場合、マットレスを、マットレスおよびファウンデーションの側面が垂直に整列されるまで移動してもよい。バーナを、標準ごとに整列させ標本から隔置する。データ記録およびロギング装置を、点火の少なくとも1分前にオンにする。バーナを点火し、トップバーナを70秒間燃焼させ、サイドバーナを50秒間燃焼させ(可能であれば)、次に、それらを領域から除去する。燃焼およびくすぶりのしるしがすべて終わるまで、または1時間が経過するまで、データ収集を続ける。
【0027】
熱重量分析(ThermoGravametric Analysis)
本発明に使用される繊維は、特定の加熱速度で高温に加熱されたときにそれらの繊維重量の一部を維持する。この繊維重量を、デラウェア州ニューアーク(Newark, Delaware)のTAインスツルメンツ(TA Instruments)(ウォーターズコーポレーション(Waters Corporation)の1事業部)から入手可能なモデル2950熱重量分析器(Thermogravimetric Analyzer)(TGA)を使用して測定した。TGAは、サンプル重量損失対上昇温度のスキャンを与える。TA汎用分析(Universal Analysis)プログラムを使用して、パーセント重量損失を任意の記録温度で測定することができる。プログラムプロファイルは、サンプルを50℃で平衡させ、温度を1分あたり10または20℃から50から1000℃で上昇させ、10ml/分で供給されるガスとして空気を使用し、500マイクロリットルのセラミックカップ(PN 952018.910)サンプルコンテナを使用することからなる。
【0028】
テスト手順は次の通りである。TGAを、TAシステムズ(Systems)2900コントローラ(Controller)上のTGAスクリーンを使用してプログラムした。サンプルIDを入力し、1分あたり20度の計画された温度上昇プログラムを選択した。空のサンプルカップを、機器の風袋機能を使用して風袋を計った。繊維サンプルを約1/16インチ(0.16cm)の長さに切断し、サンプルカップをサンプルで緩く充填した。サンプル重量は10から50mgの範囲内でなければならない。TGAはバランスを有し、したがって、厳密な重量を予め定める必要はない。サンプルのいずれも、カップの外側にあってはならない。充填されたサンプルカップをバランスワイヤ上に装填し、熱電対がカップの頂縁に近いがそれに触れていないことを確かめた。炉をカップの上に上昇させ、TGAを開始する。いったんプログラムが完了すると、TGAは、自動的に炉を低下させ、サンプルカップを除去し、冷却モードになる。次に、TAシステムズ2900汎用分析プログラムを使用して、分析し、温度の範囲にわたるパーセント重量損失についてのTGAスキャンを生成する。
【0029】
空気透過性
空気透過性を、標準ASTM D−737「テキスタイル布の空気透過性(Air Permeability of Textile Fabric)」に従って測定した。
【実施例】
【0030】
各々がマットレスとファウンデーションとから構成される4のスリープセットを、典型的なマットレスおよびボックススプリング構成技術を用いて製造し、各セットは、使用された防火布のタイプおよび坪量が異なるだけであった。マットレスコアは、繊維パッドおよび0.5インチ(1.25センチメートル)のフォームシートで被覆された標準鋼コイル構成であった。ファウンデーションは、標準鋼コイルおよびウッドボックス構成であった。すべてのマットレスがタイト(スムース)トップスタイルであった。表1は、4のマットレスに使用された防火布の組成および坪量を記載する。
【0031】
【表1】

【0032】
次の構成要素を順に、すなわち、3.5oz/ydの織られた(?)ポリエステル寝具用布、表2からの単層防火布、面積密度が0.75oz/ydの約1インチのポリエステルバッティング、1インチのポリウレタンフォームシート、0.5インチのポリウレタンフォームシート、および約1oz/ydの不織バッキングシートを、標準ポリエステル糸でともにキルティングすることによって、マットレスのためのパネル材料を組立てた。パネル材料を使用して、2面マットレスの両面(頂面および底面)を被覆した。
【0033】
次の構成要素を順に、すなわち、3.5oz/ydの織られた(?)ポリエステル寝具用布、表2から選択された同じ防火布(パネルに使用されたのと同じ)、0.187インチのポリウレタンフォーム、および約1oz/ydの不織バッキングシートを、標準ポリエステル糸でともにキルティングすることによって、別個の作業でボーダー材料を組立てた。ボーダー材料を使用して、マットレスの4の垂直側面すべてを被覆した。
【0034】
ボーダー材料を、また、ファウンデーションの上縁上の2インチ(5.1センチメートル)のコンチネンタルまたはウォーターフォール設計、すなわち、ボーダー材料が上縁にわたって折り曲げられ、ファウンデーショントップパネル上に延在する設計を用いて、ファウンデーションの4の垂直側面上で使用した。
【0035】
コンチネンタル端縁内のファウンデーショントップパネル領域を、標準的な滑らないパッドの下のスパンレース不織布(50%のケブラー(登録商標)および50%のビジル(登録商標)の組成を有する)3oz/yd(102g/m)で被覆した。すべてのボーダーおよびパネル複合体材料シームを、ケブラー(登録商標)繊維を含有する糸で縫った。FR処理されたポリエステルシームテープも全体にわたって使用した。
【0036】
すべてのスリープセットを、カリフォルニア州の技術報告603に従って個別に燃焼した。5のすべてが、最初の30分以内に150キロワット未満のピーク放熱速度を有し、最初の10分以内に25メガジュール未満の総放熱を有した。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】バーナ、本発明のマットレスおよびマットレスセットの燃焼性能をテストするために使用されるマットレスおよびファウンデーションの配列を簡略化された態様で示す。
【図2】本発明のマットレスおよびマットレスセットを燃焼するために使用されるバーナの配列のオフセットを簡略化された態様で示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マットレスのための防火構成要素として有用な単層不織布であって、
a)1分あたり20℃の速度で700℃に空気中で加熱されたときに繊維重量の少なくとも10パーセントを維持するセルロース繊維少なくとも1平方ヤードあたり0.5オンス(1平方メートルあたり17グラム)と、
b)1分あたり20℃の速度で500℃に空気中で加熱されたときに繊維重量の90パーセントを維持する有機繊維少なくとも1平方ヤードあたり0.5オンス(1平方メートルあたり17グラム)とを含んでなり、
c)布が、少なくとも1平方ヤードあたり2.5オンス(1平方メートルあたり85グラム)を有する坪量と、少なくとも0.16グラム/cmの密度と、70メートル/分(225ft/分)以下の空気透過性とを有する単層不織布。
【請求項2】
1平方ヤードあたり2.5から7オンス(1平方メートルあたり85から237グラム)の坪量を有する請求項1に記載の布。
【請求項3】
有機繊維がパラ−アラミドポリマーを含んでなる繊維である請求項2に記載の布。
【請求項4】
パラ−アラミドがポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)である請求項3に記載の布。
【請求項5】
セルロース繊維が、ケイ酸を含有するビスコース繊維である請求項2に記載の布。
【請求項6】
単層不織布が、燃焼されたときに火炎抑制ガスを放出するガス発生材料をさらに含んでなる請求項1に記載の布。
【請求項7】
ガス発生材料がモダクリル繊維である請求項6に記載の布。
【請求項8】
ガス発生材料がポリ塩化ビニル繊維である請求項6に記載の布。
【請求項9】
a)マットレスコアと、
b)単層不織防火布を含んでなるパネルと、
c)1平方ヤードあたり2から8オンス(1平方メートルあたり68から271グラム)の範囲内の坪量を有する寝具用布とを含んでなる防火されたマットレスであって、
単層不織布が、(i)1分あたり20℃の速度で700℃に空気中で加熱されたときに繊維重量の少なくとも10パーセントを維持するセルロース繊維少なくとも1平方ヤードあたり0.5オンス(1平方メートルあたり17グラム)と、(ii)1分あたり20℃の速度で500℃に空気中で加熱されたときに繊維重量の90パーセントを維持する有機繊維少なくとも1平方ヤードあたり0.5オンス(1平方メートルあたり17グラム)とを含んでなり、布が、少なくとも1平方ヤードあたり2.5オンス(1平方メートルあたり85グラム)の坪量と、少なくとも0.16グラム/cmの密度と、70メートル/分(225ft/分)以下の空気透過性とを有する防火されたマットレス。
【請求項10】
単層不織布を含んでなるボーダーをさらに含んでなる請求項9に記載の防火されたマットレス。
【請求項11】
有機繊維がパラ−アラミドポリマーを含んでなる繊維である請求項9に記載の防火されたマットレス。
【請求項12】
パラ−アラミドがポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)である請求項11に記載のマットレス。
【請求項13】
セルロース繊維が、ケイ酸を含有するビスコース繊維である請求項9に記載のマットレス。
【請求項14】
単層不織布が、燃焼されたときに火炎抑制ガスを放出するガス発生材料をさらに含んでなる請求項9に記載のマットレス。
【請求項15】
ガス発生材料がモダクリル繊維である請求項14に記載のマットレス。
【請求項16】
ガス発生材料がポリ塩化ビニル繊維である請求項14に記載のマットレス。
【請求項17】
連続不織防火布が、耐火性糸で縫われたシームを含んでなる請求項9に記載のマットレス。
【請求項18】
耐火性糸がパラ−アラミド糸またはガラス糸を含んでなる請求項17に記載のマットレス。
【請求項19】
マットレスコアを有するマットレスを防火するための方法であって、
マットレスコアに、マットレスのための防火構成要素として有用な単層不織布を設ける工程を含んでなり、単層不織布が、
a)1分あたり20℃の速度で700℃に空気中で加熱されたときに繊維重量の少なくとも10パーセントを維持するセルロース繊維少なくとも1平方ヤードあたり0.5オンス(1平方メートルあたり17グラム)と、
b)1分あたり20℃の速度で500℃に空気中で加熱されたときに繊維重量の90パーセントを維持する有機繊維少なくとも1平方ヤードあたり0.5オンス(1平方メートルあたり17グラム)とを含んでなり、
布が、少なくとも1平方ヤードあたり2.5オンス(1平方メートルあたり85グラム)の坪量と、少なくとも0.16グラム/cmの密度と、70メートル/分(225ft/分)以下の空気透過性とを有する方法。
【請求項20】
有機繊維がパラ−アラミドポリマーを含んでなる繊維である請求項19に記載のマットレスを防火するための方法。
【請求項21】
パラ−アラミドがポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)である請求項20に記載のマットレスを防火するための方法。
【請求項22】
セルロース繊維が、ケイ酸を含有するビスコース繊維である請求項19に記載のマットレスを防火するための方法。
【請求項23】
単層不織布が、燃焼されたときに火炎抑制ガスを放出するガス発生材料をさらに含んでなる請求項19に記載のマットレスを防火するための方法。
【請求項24】
ガス発生材料がモダクリル繊維である請求項23に記載のマットレスを防火するための方法。
【請求項25】
ガス発生材料がポリ塩化ビニル繊維である請求項23に記載のマットレスを防火するための方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−500801(P2007−500801A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522054(P2006−522054)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/024459
【国際公開番号】WO2005/012617
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】