説明

ママコート

【課題】 この発明は、「亀の甲」のような防寒機能のあるだっこ具ではなく、通常のだっこ具を使用しつつ、コートに改良を加えることにより乳児の防寒性の向上、特に脚部分の防寒を図ることを目的とするものである。
【解決手段】 この発明のママコートは、コート本体1の両前身頃間に補助布2を介在させて乳児をコート内に入れられるようにしたコートにおいて、前記補助布の内側下部に、乳児の脚を収納するポケット4を設けて構成する。
前記ポケットは、中綿素材やダウン素材など防寒性の高い素材で構成することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コート本体の両前身頃間に補助布(ダッカー)を介在させて乳児をコート内に入れられるようにしたコート、一般に「ママコート」と呼ばれるもの、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のママコートは、単にコートの両前身頃間に補助布を介在させてコート内に乳児が入るスペースを得るようにしたものである。そこで、従来のママコートを使用する場合は、肩から吊すだっこ具に乳児を保持し、その上からママコートを着用するが、だっこ具では乳児の脚部分がカバーされていないので、脚部分の防寒が不十分であった。
ちなみに、ママコートを着用するとコートの裾部分が大きく開くので、コートの裾から寒気がコート内に入り込み、乳児の脚はこの寒気に直接さらされるために脚が冷えがちであった。
【特許文献1】実用新案登録第3011639号
【0003】
上記実用新案は、防寒機能の付いただっこ具である「亀の甲」の本体の裾を折り返して二重にすることによって乳児の脚をくるみ、脚部分の防寒を図ろうとするものであるが、「亀の甲」は冬季専用であり、温暖季には防寒機能のないだっこ具を別途用意しなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、「亀の甲」のような防寒機能のあるだっこ具ではなく、通常のだっこ具を使用しつつ、コートに改良を加えることにより乳児の防寒性の向上、特に脚部分の防寒を図ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明のママコートは、コート本体の両前身頃間に補助布を介在させて乳児をコート内に入れられるようにしたコートにおいて、前記補助布の内側下部に、乳児の脚を収納するポケットを設けて構成する。
前記ポケットは、中綿素材やダウン素材など防寒性の高い素材で構成することが好ましい。
請求項2の発明は、前記補助布の上部には幅方向にアジャスター部材を装着して補助布の横幅を調整可能としたものである。
前記アジャスター部材は、紐を挿通する構造、ゴム素材を装着して伸縮自在とする構造が考えられるが、紐を用いることが乳児に圧迫感を与えないので好ましい。
【発明の効果】
【0006】
この発明のママコートは、だっこ具で保持した乳児の脚を補助布のポケットに収納することにより、コートの裾から入り込む冷気に脚がさらされることがなく、脚部分の防寒性を得ることができる。
また、請求項2の発明によれば、補助布の上部にアジャスター部材を装着してあるので、補助布の上部寸法を乳児の体格に合わせて調節することにより、補助布上部からの冷気の流入も防止することができる。その結果、ママコート内の保温性が向上し、乳児に快適な環境を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
コート本体1の両前身頃間に補助布2がファスナー3により着脱自在に取り付けてある。前記補助布2の内側面の下部には全幅に亘り、乳児の脚を収納するためのポケット4が設けてある(図2)。このポケット4の深さは乳児の脚が十分に入る大きさ(例えば25センチ程度)としてある(図3)。
前記ポケット4の上縁部にはゴム入りのギャザー5を形成してポケット4内の保温を図っている。また、前記補助布2の下縁にもゴム入りのギャザー6を形成し、ママコート内の保温を図っている。
【0008】
前記補助布2の上部には幅方向にアジャスター部材としての紐7が挿通してあり、補助布2の幅を調整できるようにしてある。前記紐7の位置は、乳児の首に対応する位置(例えば前記ポケット4の下端から50センチ程度)としてあり、紐7によって補助布の幅を絞ることにより、乳児の首部分の間隙を解消し、外部からの冷気の流入を防止するようにしてある(図4)。
【0009】
前記コート本体1の下部には後身頃を中心に、幅方向にゴム入りのギャザー8が形成してある(図5)。このギャザー8の位置は、前記補助布2の下縁のギャザー6と同じ高さとなるようにしてあり、補助布2のギャザー6とコート本体1のギャザー8とが共同して、ママコートの裾をすぼめる機能を果たし、コートの裾からの冷気の流入を防止するようにしてある。
【0010】
上記実施形態によれば、乳児の脚はポケット4に入るので、脚が冷気に直接さらされることがなく、脚の冷えが防止される。また、補助布2の上部の幅が調整可能であるから、補助布の上部の幅を乳児の体格に合わせて調整することにより、首部分からのママコート内への冷気の流入を防止することができ、乳児の上半身が冷気に直接さらされることもない。
【0011】
更に、補助布2の下縁のギャザー6とコート本体下部のギャザー8とによって、コートの裾部分がすぼまり、外部からの冷気の流入も防止される。したがって、前記補助布の上部の幅が調整可能であることと相俟って、ママコート内への冷気の流入が可及的に防止されることとなり、ママコート内の保温機能が顕著となり、乳児及びその母親に快適な環境を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0012】
この発明は、ママコートの改良として顕著な効果を奏するものであって、産業上の利用可能性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明実施形態の使用状態における斜視図
【図2】同じく補助布の背面図
【図3】同じくポケットの使用状態を示す図
【図4】同じく補助布上部の使用状態を示す図
【図5】同じくコート本体のギャザーを示す図
【符号の説明】
【0014】
1 コート本体
2 補助布
3 ファスナー
4 ポケット
5 ギャザー
6 ギャザー
7 紐
8 ギャザー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コート本体の両前身頃間に補助布を介在させて乳児をコート内に入れられるようにしたコートにおいて、
前記補助布の内側に、乳児の脚を収納するポケットを設けたママコート
【請求項2】
補助布の上部には幅方向にアジャスター部材を装着して補助布の横幅を調整可能とした、請求項1記載のママコート

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−104590(P2006−104590A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−289817(P2004−289817)
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【出願人】(591121498)株式会社ベネッセコーポレーション (30)
【Fターム(参考)】