マルチジェネレータ溶出システム
供給データ、需要データ、及びジェネレータそれぞれの利用可能な放射能を考慮して計算する溶出スケジュールに従って、複数の親娘ジェネレータから選択的に溶出する、マルチジェネレータ溶出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性同位体ジェネレータの分野に関する。より具体的には、本発明は、マルチジェネレータ溶出システムを対象とする。
【背景技術】
【0002】
核分裂生成Mo−99の供給は不確実な状態にある。カナダのNRUリアクタ及びPettenのHFRリアクタという2つのリアクタのみが、核分裂生成Mo−99の世界中の供給のうち約60〜70%に相当する。これらのリアクタのうちどちらかが、定期保守又は予定外の修理のためにオフラインになると、事実上、核医学法が必要不可欠な事例のみに低減されることになる。核分裂Mo−99の製造に使用されるリアクタは全て、それぞれの使用寿命の終わりに近付いてきており、現在は、Pallasと呼ばれるPettenの代替品である、1つの代替のリアクタしか計画されていない。更なる懸念は、核分裂Mo−99の標的材料である高濃縮ウラン(HEU)の拡散が、テロリスト及び悪徳政府の手に陥ることである。HEUは核兵器の製造に使用される。
【0003】
或いは、ゲル系ジェネレータは、動力炉を含むあらゆる原子炉で行うことができる、天然モリブデンの中性子放射化(n,γ)から得られるMo−99を使用する。残念なことに、n,γ法で生成されたMo−99は、HEU又は低濃縮ウラン(LEU)のどちらであっても、U−235の核分裂から生成されたMo−99に比べて比放射能が低い傾向にある。比放射能が低いということは、Mo−99を非常に大型のアルミナカラムに置いて不活性モリブデンを全て吸着させるか、或いは、溶出可能なカラム(例えば、モリブデン酸ジルコニウム又はモリブデン酸チタン)全体の容量を低減する不溶性ゲルマトリックスに変えなければならないことを意味する。続いて、特にアルミナカラムが使用される場合、Tc−99m娘核種のカラムを溶出するのに、大きな溶出量が求められる。従来技術は、低い比放射能及び/又は低活性のジェネレータが遭遇する全ての課題に対処できていない。
【0004】
Nucl.Med.Comm.,25 609−614(2004)は、モリブデン酸ジルコニウムゲルジェネレータからTc−99mの高い放射能濃度を得る必要性について考察している(「コールドキット」配合、並びにより大規模な放射線薬学における経済的理由から、より高い濃度が求められる場合が多い)。
【0005】
米国特許第5729821号は、アルミナ系カラム上のMo−99収着剤からのTc−99mの濃縮方法を開示している。そのシステムは、溶出液の濃縮を達成するのに複数のカラムを必要とする。Tc−99mは、食塩水中の塩素イオンとのイオン交換によって一次カラムから溶出されるので、複数のカラムを使用しなければならない。次に、陽イオン(ナトリウム)が二次カラム(この場合、ハロゲン化銀ベース)によって除去され、過テクネチウム酸が、引き続き食塩水で溶出して過テクネチウム酸ナトリウムを形成するため、三次陰イオンカラムに濃縮される。この方法は、酸性塩又は弱酸を使用して、Tc−99mを親核種Mo−99(例えば、アルミナカラム)から分離し溶出すると共に、過テクネチウム酸イオンを陰イオンカラムで濃縮できるように、陽イオンカラムを使用して溶出によって陽イオンを除去することを必要とする。
【0006】
Applied Radiation and Isotopes 66(2008)1814−1817は、Mo−99を含有する溶液からTc−99mを抽出する方法を開示している。これは、有機溶媒(塩化メチレン中の臭化テトラブチルアンモニウム溶液)を使用して、Tc−99mを抽出し濃縮することを必要とする、複雑な手順である。
【0007】
Applied Radiation and Isotope 66(2008)1295−1299は、低比放射能のアルミナ系ジェネレータを食塩水を用いて溶出してTc−99mを除去する、上述の方法の変形例である引用された方法を開示している。溶出液は、強陰イオン交換体ダウエックスカラムで濃縮される。Tc−99mは、臭化テトラブチルアンモニウム溶液を用いた溶出によって除去され、塩化メチレンを用いてバイアルに収集される。有機溶媒は、真空ポンピングによって乾燥状態まで除去され、コールドキットと共に用いるため、食塩水で還元される。この方法は、濃縮Tc−99mを調製するのに必要な時間の点で非実用的である。
【0008】
米国特許第6157036号は、低比放射能のイオン交換型ジェネレータ(即ち、アルミナ)向けの方法を開示している。そのシステムは、米国特許第5729821号の方法に類似した複数カラムを使用する。その方法は、より安全な負圧の代わりに正圧を使用して流体を移動させる(負圧(真空)は、放射性物質に関与する移転に関して本質的により安全である)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、効率の目的から、娘核種の核内増殖(grow−in)を管理するシステムが必要とされている。また、当該分野において、無駄を最小限に抑え、一連のジェネレータによって生成される娘核種を最大限に使用する溶出システムが必要とされている。更に、HEUの増殖のリスクを低減することができる溶出システムが必要とされている。また、一連のジェネレータからの溶出液を収集バイアルに方向付けるための、自動作動システムによって操作可能なマニホルドキットが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
当該分野における必要性に鑑みて、本発明は、複数の親娘核種ジェネレータと、親娘核種ジェネレータそれぞれの放射能の核内増殖を追跡する制御システムとを備える、マルチジェネレータ溶出システムを提供する。
【0011】
制御システムは、放射能生成のための要件を示す需要データを受け取ると共に、所望量の娘核種を供給するため、ジェネレータのうち選択されたものから第1の溶出液を用いて溶出するように構成される。受信部は、少なくとも生成すべき娘核種の量と、娘核種の量を生成するスケジュールとを含む需要データを受け取る。受信部は、制御システムが複数のジェネレータからの娘核種の溶出を予定して、需要データによって表される需要を満たすように、制御システムによって操作可能である。受信部は供給データも受け取ることになる。
【0012】
本発明はまた、複数のジェネレータのうち選択されたものから娘核種を収集するための濃縮カラムを提供する。濃縮カラムは適切なカラム媒体を含有する。例えば、娘核種がTc−99mのとき、濃縮カラムは望ましくは、娘核種が溶出される陰イオンカラムである。娘核種を前記濃縮カラムから受け入れる収集容器も提供される。
【0013】
それに加えて、本発明は、親娘核種ジェネレータそれぞれの放射能の核内増殖を追跡し、娘核種に対する入力された需要を満たすようにジェネレータの中からの溶出を予定する、マルチジェネレータ溶出システムを提供する。
【0014】
本発明はまた、カラムを溶出するための第2の溶出剤源を提供してもよい。用途に応じて、第2の溶出剤は第1の溶出剤と異なってもよく、又は両方とも同じであってもよい。それに加えて、ジェネレータ及び濃縮カラムの両方を溶出するのに同じ溶出剤が使用される実施形態では、溶出剤は単一の供給源から取り出されてもよい。或いは、第1の溶出剤源は、共通の供給源からではなく、各ジェネレータに対して個々に供給されてもよい。本発明はまた、注射用水などの高純水がジェネレータを溶出する共通のリザーバから供給されるとき、この水が、溶出工程の間に溶出システムの構成要素をすすぐのにも使用されてもよい例を提供する。本発明はまた、高純水源が、マルチジェネレータ溶出システムの構成要素をすすぐ目的のみに供給されてもよい例を想到する。
【0015】
更にそれに加えて、本発明は、ジェネレータによって生成される娘核種に関して入力された需要データを調整し、ジェネレータそれぞれの利用可能な放射能を時間に伴って追跡し、ジェネレータの中からの溶出を予定して、娘核種に関して入力された需要を満たす、マルチジェネレータ溶出システムを操作する方法を提供する。
【0016】
更に、本発明は、制御システムによって操作して、複数の親娘ジェネレータの中から分離カラムへの溶出を指示してもよい、マニホルドシステムのためのキットを提供する。
【0017】
本発明は、核薬学におけるジェネレータの管理及び操作の当業者に関する課題を解決する。限定ではなく例示目的のTc−99m/Mo−99ジェネレータを使用して、本発明は、複数のジェネレータ部からの娘核種[Tc−99m]過テクネチウム酸溶出を組合せ、濃縮すると共に、崩壊した又は低活性のジェネレータの耐用期間を延長する。本発明は、ERPシステム及び手動入力からの需要データと併せて、効率及びコスト削減を最大限にするように同位体の「核内増殖」を自動的に管理する。本発明はまた、操作作業者が、供給不足及び予期しない需要の増加をモデリングするときなど、「仮説」シナリオをモデリングするのを可能にする。それに加えて、本発明は、ジェネレータ並びに放射能を扱う全ての構成要素を安全に格納する、放射線遮蔽の後側に収容されてもよい。本発明は、ガンマゲル系Mo−99ジェネレータを、核分裂系ジェネレータとより動作的に競合させることができ、従って、高濃縮ウラン(HEU)を照射することによって生成されるMo−99の実行可能な代替物が促進され、その結果、核爆弾等級の材料の増殖が低減される。更に、本発明は、電子カルテ用の処方箋配合データ交換を提供する。
【0018】
Tc−99m/Mo−99ジェネレータで使用されるMo−99は、一般的に、ジェネレータの総コストの75%以上に相当する。ジェネレータ及び同位体の購入は、一般的に最大の単一の費目である。Mo−99は既知の指数関数的割合で崩壊してTc−99mになり、Tc−99mも既知の指数関数的割合で崩壊する。一般的なジェネレータは、送達されたときに既知量の放射能を含む。ジェネレータが溶出されると、Tc−99mが除去されてMo−99が残されて、崩壊してTc−99mとなり続ける。任意の所与の時間におけるジェネレータの利用可能なTc−99mの量を正確に決定するのに必要な計算は非常に複雑であり、簡単に行えない。本発明は、これらの計算を簡単に且つ迅速に実行するソフトウェアを組み込んだ制御システムを提供する。マルチジェネレータ溶出システムと併せてこのソフトウェアを利用することによって、制御システムが、任意の所与の需要に対するジェネレータの効率的な組合せを選択することができる。それに加えて、手動で操作者が入力することによって、又は企業資源計画システムからのデータリンクによって、履歴に基づく若しくはリアルタイムの需要を得ることができる。
【0019】
モリブデン酸チタン 「ゲル」系ジェネレータは、比放射能が非常に低いMo−99を使用し、そのことが、業界標準の核分裂Mo−99系ジェネレータよりも濃縮度が低く、合計放射能含有量が全体的に低い溶出に結び付く。本発明のマルチジェネレータ溶出システムは、これらの課題を排除して、ゲル系ジェネレータが業界標準の核分裂系ジェネレータよりも動作的に競合できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】従来技術の親娘ジェネレータの概略断面図である。
【図2】Mo−99/Tc−99mジェネレータの放射能崩壊曲線を示す図である。
【図3】Tc−99m同位体イオンの連続溶出後のMo−99/Tc−99mジェネレータ内のTc−99mの崩壊曲線を示す図である。
【図4】ゲル系Mo−99ジェネレータ用のマルチジェネレータ溶出システムを示す図である。
【図5】図4の溶出システムの代替を示す図である。
【図6】アルミナ系Mo−99ジェネレータ用のマルチジェネレータ溶出システムを示す図である。
【図7】図6の溶出システムの代替を示す図である。
【図8】本発明のマルチジェネレータ溶出システムの一部としてのカセット系マニホルドを示す図である。
【図9】本発明の方法を示すフローチャートである。
【図10】本発明のマルチジェネレータ溶出システムに供給情報を供給する、本発明のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画面例を示す図である。
【図11】マルチジェネレータ溶出システム用の溶出管理システムのGUIの画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、より高い放射能濃度を必要とする「コールドキット」を用いて還元するため、大量溶出からの溶出液を濃縮する。一実施形態では、本発明はTc−99mを濃縮するシステムを提供する。本発明は、特に溶出液のQC試験を用いて、ワークフロー効率を達成するためにより大規模な放射線薬学における溶出液を濃縮することができ、また、マルチジェネレータを個々に溶出するのに掛かる時間を排除する。それに加えて、本発明は、収率が低く、従って溶出液の放射能濃度が低くなるために使用されない傾向がある、満期に近付いているジェネレータを満期まで更に十分に利用できるようにして、コスト削減を達成する。本発明は、需要を供給とより良好に一致させるソフトウェアを組み込み、従って、コスト削減を達成すると共に無駄と損失を最小限に抑える。本発明は、有機溶媒を使用する必要性を軽減し、従って無駄と危険な有機溶媒の使用とを排除する。
【0022】
本発明は、複数の親娘ジェネレータを使用するマルチジェネレータ溶出システムを提供し、ジェネレータそれぞれにおける親娘同位体の核内増殖関係を追跡する、溶出されたジェネレータの出力を濃縮する。これら3つの概念全てを併せて、適用及び使用効率の両方において、比放射能が低いジェネレータに関する本質的な課題を解決する。
【0023】
マルチジェネレータ溶出システムは、望ましくは、鉛の壁で囲われたホットセルなどの放射線遮蔽エンクロージャ内に取り囲まれる。本発明は単一のジェネレータからの溶出を管理するように働くが、好ましい実施形態では、マルチジェネレータが管理される。本発明の一実施形態は、天然モリブデン(n,γMo−99)の中性子放射化から得られるMo−99を利用する、多数のMo−99チタン/Tc−99mチタン[Mo−99]モリブデン酸ゲルジェネレータを利用する。Mo−99/Tc−99m親娘ジェネレータからの溶出の管理について特定して言及しているが、本発明は、他の娘同位体又は娘核種を溶出するのに他のタイプのジェネレータが用いられてもよいことを想到する。
【0024】
従って、本発明の一実施形態では、鉛遮蔽エンクロージャは1つ以上のMo−99/Tc−99mジェネレータを含む。ジェネレータは、ジェネレータの任意の組合せを1以上の濃縮カラムに溶出させることができる、流路システムを介して互いに接続される。Tc−99mの場合、濃縮カラムは陰イオンカラムである。続いて、濃縮Tc−99mは、放射線薬学で使用できる状態にある要求された放射能濃度で、濃縮カラムを収集バイアルに溶出される。制御システムは、需要、利用可能な供給、及び今後の需要に基づいて、ジェネレータの最も効率的な組合せを選択する。
【0025】
放射能の利用可能な供給と、放射能に関する現在及び今後の需要の両方は、ジェネレータ自体から、又は放射線薬学の企業資源計画(ERP)システムからそれぞれ、受信部及び制御システムに手動で入力されるか又は電子的に転送されてもよい。例えば、ジェネレータ自体から転送されるデータは、バーコードなどのジェネレータ上のラベルから電子的に読取り又はスキャンすることができる。「供給データ」とも呼ばれるジェネレータに関するかかるデータは、日付及び放射能の両方を提供する、ジェネレータの校正データを含むことができる。それに加えて、供給データは、ジェネレータが使用可能な日時及び第1の溶出設定の日付を含むことが想到される。同様に、必要な放射能及びかかる放射能がシステムによって求められる時間を含むデータは、手動又は電子的のどちらかで制御システムに入力してもよい。本発明では、データ受信部が需要データの手動及び/又は電子的な入力向けに構成されることが想到される。
【0026】
供給データを使用して、制御システムは、望ましくは設定間隔で、例えば30分ごとに、各ジェネレータの利用可能な放射能を計算し、それを操作者に表示することができる。需要データは、望ましくは、供給データと同じ時間間隔にわたって同様に表示される。制御システムは、利用可能なジェネレータのうちどれを所与の時間に溶出させるかを選択して、可能な限り最も効率的な形で需要データを満たし、結果として各ジェネレータの耐用寿命を最大限にすると共に無駄を最小限に抑える、最良に適合する溶出プロファイル又はスケジュールを計算するコンピュータを含む。制御システムは、望ましくは、需要データ及び複数のジェネレータの放射能レベルの一般化勾配減少アルゴリズム分析を行って、無駄を最小限に抑えるのに最適な溶出スケジュールを決定するようにプログラムされる。或いは、本発明は、制御システムが、複数のジェネレータからの様々な溶出スケジュールのシミュレーションを実行し、溶出スケジュールを選択して、需要データを満たす際の娘核種の無駄な量を最低限にすることを想到する。溶出スケジュールは操作者にも供給される。
【0027】
望ましくは、溶出スケジュールは、操作者に対して、所与の時間に溶出するのに異なるジェネレータを代わりにスケジューリングすることによって、計算された最適化溶出スケジュールのオーバーライディングという選択肢を与えるGUIで表示される。操作者が溶出スケジュールを修正することを決定すると、制御システムは、溶出スケジュールを再計算し、各ジェネレータに関する時間に伴う更新済みの放射能の利用可能性、並びにジェネレータそれぞれからの溶出のスケジューリングされた時間の両方を表示する。更新済みの溶出スケジュールが操作者にとって申し分がない場合、スケジュールに従って選択されたジェネレータを溶出する溶出命令に従う。このようにして、本発明は、ジェネレータからの溶出を監視し管理する「オペレータ・イン・ザ・ループ」の選択肢を提供し、操作者による計算されたスケジュールのオーバーライディングを可能にする。或いは、本発明は、操作者が介入する必要なしに動作することができ、従って、操作者の入力なしでスケジュールされた溶出を自動的に行うことができ、それによって操作者が他の薬学的作業に気を配ることができる。
【0028】
溶出指示は、選択されたジェネレータの溶出を電子的に制御するのに使用される。ジェネレータが溶出されるのに従って、制御システムは内成長計算を更新し、必要であれば溶出スケジュールを更新する。本発明は、操作者又はシステムのどちらかが、選択されたジェネレータが実際に溶出されたことを確認する段階を行うことを想到する。
【0029】
溶出スケジュールを取り込むのに使用される計算は、望ましくは、親核種の半減期及び崩壊方程式、娘核種の半減期及び崩壊方程式、溶出の収量効率、並びに親核種の崩壊に利用可能な溶出の分率など、既知の定数を考慮に入れる。それに加えて、制御システムは、親娘に対する均衡方程式及びジェネレータの満了時間を考慮する。ほとんどのジェネレータは、製薬の満期要件である2週間の寿命を有するが、親同位体が長い半減期、例えばSr−90/Y−90を有する場合、それよりもはるかに長い可能性がある。
【0030】
本発明は、技術面及び経済面の両方で多数の利点を提供する。本発明は、従って、各溶出工程ごとに選択されたジェネレータから溶出された放射能の濃縮装置として機能することができる。これは、ジェネレータの効率的な利用を可能にするだけではなく、満期に近付いているジェネレータを併せて濃縮するので、それらを互いに組合せてまだ利用することを可能にする。自動操作は、製薬作業者が暴露される放射線量を低減することができる。労働能率も実現される。例えば、4つのジェネレータが個々に溶出される場合、4つの別個の品質管理試験が必要である。本発明は、個々の溶出を濃縮することによって、濃縮された溶出に対して単一の品質管理試験を行うことを可能にして、より多量の放射能を臨床用途向けに収集バイアル内で保持することができる。
【0031】
本発明は、ゲルジェネレータが核分裂ジェネレータの相対的な比放射能よりも低いのにも関わらず、それらの使用を商用の実行可能な選択肢とする。本発明のマルチジェネレータ溶出システム(MGES)は、上述のゲル系ジェネレータシステムの不利な点を排除することを意図する。それに加えて、ゲルジェネレータの使用によって、従来の供給源による目減り又は不足の間、同位体供給の管理が改善される。
【0032】
システムは、望ましくは、2つ以上のゲルジェネレータを収容する遮蔽区域を含む。これらのジェネレータは個別の弁マニホルドに接続され、それは、適切な時間に選択された1以上のジェネレータを溶出して計画された需要を満たすように、制御システムによって選択することができる。Tc−99mは、1つ以上の選択されたジェネレータに溶出剤を通すことによって溶出される。Tc−99mはアルミナ濃縮カラムに収集される。1以上のジェネレータからの収集が完了すると、制御システムは、溶出剤を用いて濃縮カラムを溶出して業界標準の遮蔽収集バイアルに入れる。溶出剤は、リザーバから、又はジェネレータを溶出するのに現在使用されている個々の食塩水バイアルから取り出すことができる。
【0033】
流路、濃縮カラム、及び収集バイアル設備は全て、望ましくは、ホットセルによって遮蔽されて操作者に対する放射線保護をもたらす。個々の構成要素の遮蔽はまた、放射線遮蔽ホットセル内で提供されてもよい。
【0034】
Tc−99m溶出を濃縮する様々な方法が実証されてきた。親娘同位体の内成長関係を決定する計算は広く知られているが、複雑なためあまり使用されない。n,γMo−99をゲルジェネレータシステム及び他のジェネレータシステムに使用することも知られている。本発明は、これら3つの概念全てを、複数のジェネレータに対する供給データ、利用可能な放射能、及び需要データを管理する単一の溶出システムに持ち込み、適用及び使用効率の両方において、比放射能が低いジェネレータに関する本質的な課題を解決する。
【0035】
本発明は、モリブデン酸ジルコニウム又はチタンのゲルジェネレータシステムで機能する。修正によって、(詳述されるような)本発明はアルミナ系システムでも機能する。従って、アルミナ系システムと連携するため、追加のカラム及び流路が必要となる。
【0036】
モリブデン酸チタンゲルジェネレータ設計の概念が証明されてきた。ゲルは、照射した天然モリブデン金属から照射後に生成される。確立された方法は、予成形ゲル又は三酸化モリブデンを照射することを含む。金属を照射することによって、収率、安全性、及び処理効率という利点が提供される。
【0037】
次に、図1を参照すると、本発明のマルチジェネレータ溶出システムに組み込まれた従来技術の親娘ジェネレータ110は、より寿命の短い娘核種へと崩壊する長寿命の親核種を含む。親及び娘核種は同位体ではないので、娘核種を化学的に隔離することができる。溶出剤は、親及び娘核種を含有するカラムを通して方向付けられるが、娘核種のみをカラムからの溶出液として運び去る。溶出後、親核種(ジェネレータに残っている)が崩壊して、娘核種の新たな供給がもたらされる。従って、ジェネレータは、親の放射能を消耗するまで、必要に応じて娘核種を新たに供給することができる。
【0038】
ジェネレータ110は、鉛などの放射線遮蔽材料から形成されるジェネレータ本体112を含む。ジェネレータ本体112は、親核種を保持するカラム116を含有するカラムキャビティ114を画定する。ジェネレータ本体112は、カラムキャビティ114と溶出剤キャビティ122との間を流体連通して延在する細長い溶出剤チャネル118、及び溶出剤キャビティ122と収集キャビティ124との間を流体連通して延在する細長い溶出液チャネル120を画定する。カラム116は、親核種が結合するが、そこから中の娘核種を溶出させてもよい媒体126を含む。溶出剤キャビティ122は溶出剤バイアル130を支持し、収集キャビティ124は中にある収集バイアル132を支持する。溶出剤導管134は、溶出剤をバイアル130内からカラム116へと送達するため、溶出剤バイアル130とカラム116との間を流体連通して延在する。各端部において、溶出剤導管134は、バイアル130及びカラム116の隔壁をそれぞれ穿刺する、細長い針125a及び125bで終端する。溶出液導管136は、溶出液をカラム116からバイアル132へと送達するため、カラム116から収集バイアル132まで延在する。各端部において、溶出液導管136は、バイアル132及びカラム116の隔壁をそれぞれ穿刺する、細長い針129a及び129bで終端する。一般的に、収集バイアル132は排気バイアルなので、バイアル内の低圧によって溶出剤流体が溶出剤バイアル130からカラム116を通してその中へと取り出される。個別の給気導管140は、溶出剤バイアル130から溶出剤を排出するのを支援するため、溶出剤バイアル116と給気フィルタ142との間を流体連通して延在する。一般的には、収集バイアル132はそれ自体の放射線遮蔽144内に収容されるので、遮蔽144を収集キャビティ124から除去するのに伴って、充填済みになった収集バイアル132が、更なる処理のために収集された溶出液を薬剤師が取り出してもよい場所に運ばれる。
【0039】
一実施形態では、カラム116は、崩壊して、収着剤として酸性アルミナを含むTc−99mとなる、Mo−99を含有する。そのため、カラム116は酸性アルミナカラムであるが、上述したように、他のタイプのカラムも使用されてもよい。本発明は、複数のジェネレータ110を組み込むことを想到する。以下に示すように、本発明は更に、収集バイアルを、共通の収集バイアルにつながる導管を備えた各ジェネレータと交換することを想到する。それに加えて、本発明は、それ自体の溶出剤バイアル130を有する各ジェネレータの代わりに、必要に応じてあらゆるジェネレータ全てに方向付けられてもよい、共通の溶出剤源が設けられてもよいことを想到する。例えば、カラム116がMo−99を含む酸性アルミナカラムであるとき、溶出剤バイアル130は、カラムからTc−99m核種を溶出する食塩水源を提供してもよい。或いは、例えばゲルジェネレータの場合、注射用水源が溶出剤として提供されてもよい。
【0040】
本発明は、本発明によって使用されるジェネレータが核分裂又はn,γジェネレータのどちらかであってもよいことを想到する。例えば、Lantheus Medical Imaging社(331 Treble Cove Rd.,N.Billerica,MA 01862、USA)から市販のTechneLite(登録商標)(テクネチウムTc−99mジェネレータ)を使用してもよい。TechneLiteジェネレータは、乾燥ジェネレータとして知られているものであり、つまり、システムを溶出する外部食塩水源を有する。ほとんどのジェネレータはこの方式である傾向にある。他の核分裂系ジェネレータと同様に、TechneLiteジェネレータは、酸性アルミナカラムに基づいて、Mo−99の格納とそれに続く娘同位体Tc−99mの分離を容易にしている。同様に、ジェネレータ110は、Ultra−Technekow(商標)DTE(Coviden(Mallinckrodt社,2703 Wagner Place,Maryland Heights,MO 63043,USA)から市販のテクネチウムTc−99mジェネレータ)を備えてもよい。Ultra−TechnekowはTechneLiteユニットに非常に類似している。更に或いは、DryTec(登録商標)(テクネチウムTc−99mジェネレータ)が本発明と共に使用されてもよい。DryTecジェネレータは、GE Healthcare社(The Grove Centre,White Lion Road,Little Chalfont,Buckinghamshire HP7 9LL,UK)から市販されており、上記に列挙した他の核分裂ジェネレータに類似している。
【0041】
更に、ジェネレータ110は、n,γ又はゲルジェネレータであってもよい。1つのゲルジェネレータは、インド原子力エネルギー省(BRIT/BARC Vashi Complex,Sector−20 Vashi,Navi Mumbai−400 705,India)から市販のTc−99mゲルテック(Geltech)ジェネレータである。99mTc用のゲルテックジェネレータは、一次のモリブデン酸ジルコニウム99Moゲルカラム及び二次の浄化酸性アルミナカラムから構成される二重カラムシステムである。これらのタイプのジェネレータは、核分裂タイプのジェネレータとは構造的に異なるが、やはり同様の形で、塩性溶出剤を使用して過テクネチウム酸ナトリウムを生成するように機能する。ゲルジェネレータは真の意味でクロマトグラフィ的ではないが、「溶出剤」という用語は、本明細書ではジェネレータ内へと方向付けられる流体を説明するのに使用され、「溶出液」という用語は、本明細書では娘核種を含むゲルジェネレータを出る流体を説明するのに使用される。
【0042】
図2は、Mo−99/Tc−99mジェネレータの放射能崩壊曲線を示す。図3は、ジェネレータが有用でなくなる地点に達するまで、時間と共に利用可能な放射能がどのように崩壊するかを示す。図3はまた、Tc−90m同位体イオンの連続溶出後のMo−99/Tc−99mジェネレータ内のTc−99mの崩壊曲線を示す。線Aは、親核種Mo−99の全体的な崩壊を示し、線B〜Dは、ジェネレータのカラムに何も残らないように娘核種がその時点で溶出される近似最大値までの、娘核種Tc−99mの核内増殖を示す。親核種は崩壊し続けて娘核種になるので、娘核種の利用可能な放射能の時間に伴う増加が示される。式1は、前回の溶出の時点で存在するMo−99放射能A01が分かっているときの、前回の溶出後の任意の時点(t)でジェネレータ内に存在する理論上のTc−99m放射能(A2)について記述する均衡方程式である。
【0043】
【数1】
式中、λ1はMo−99の崩壊定数、λ2はTc−99mの崩壊定数である。本発明は、放射能の需要を、ジェネレータそれぞれの放射能の計算された利用可能性とリンクする。
【0044】
図4は、本発明のマルチジェネレータ溶出システム200を示す。マルチジェネレータ溶出システム200は、複数のジェネレータ110を組み込んでいる。ジェネレータ110は、望ましくは、個々の弁がそれに対応する個々のジェネレータと選択可能に流体連通するようにして、弁及び導管を含むマニホルド(図示なし)に接続される。望ましくは、マニホルドは、溶出剤をシステム300に引き込む低圧源又は真空源に接続される。マニホルドは、ジェネレータの溶出液出力を濃縮カラム212へと方向付ける。溶出剤は、第1の溶出剤源214からジェネレータ110の選択されたものへと方向付けられ、選択されたジェネレータから結果として得られる溶出液は全てカラム212に方向付けられる。濃縮カラム212は、ジェネレータからの娘核種を中に捕捉する。第2の溶出剤源216からの第2の溶出剤は、濃縮カラム212を通って、娘核種を収集バイアル218へと溶出するように方向付けられる。ジェネレータ110、カラム212、溶出剤源214及び216、並びに収集バイアルは、望ましくは、操作者の暴露を制限するように、放射線遮蔽ホットセル222のキャビティ224内に配置される。
【0045】
システム200は、制御システム226及び受信部228を含む。受信部228及び制御システム226は、単一のコンピュータシステムの一部として提供されてもよい。受信部228は、供給データ及び需要データの両方を受け取り、それを制御システム226が使用して、図9〜12に関して記載するように、ジェネレータ110の溶出スケジュールを作成することができる。供給データによって、既知の開始放射能及び日付、ジェネレータが利用可能になった日時、並びに第1の溶出のオフセットの日時を含む、校正データに基づいて、ジェネレータ110それぞれからの利用可能な放射能の量を計算することが可能になる。需要データは、必要とされる放射能の量及び時点に関する。需要データは、SAP又はSlimlineなどのERPモジュール231から受信部228に自動的に入力されてもよく、或いは手動で受信部228に入力されてもよい。制御システム226は、望ましくは、利用可能な放射能に対する需要データに一致させて、無駄を最小限の量に抑えて溶出される娘核種を最大限にするように、どのジェネレータをいつ溶出するかを決定することによって、溶出スケジュールを計算する。次に、制御システム226は、望ましくは、溶出を実施するホットセル222内に位置する作動システム235に対する命令をダウンロードする。本発明は更に、制御システム226が或いは、作動システム235とは別個に、又は両方の機能を行う単一体のコンピュータ化システムとして、ホットセル222内に設けられてもよいことを想到する。
【0046】
限定ではなく例示として、この構成では、ジェネレータ110はMo−99/Tc−99mジェネレータ(モリブデン酸チタン[99Mo])ゲルジェネレータである。第1の溶出剤源214は、望ましくは、娘核種Tc−99mをジェネレータから溶出する第1の溶出剤として弱酸を供給するが、注射用滅菌水などの高純水もゲルジェネレータを溶出するのに使用されてもよい。濃縮カラム212は、ジェネレータ110からの溶出液中の過テクネチウム酸を捕捉するアルミナ収着剤を含む。第2の溶出剤源216は、カラム212から過テクネチウム酸を溶出し、収集バイアル218に収集するための食塩水を供給する。次に、過テクネチウム酸ナトリウムをコールドキットと共に使用して、放射性トレーサに標識付けしてもよい。
【0047】
本発明を用いて、ジェネレータの任意の組合せを溶出し、溶出されたジェネレータからの放射能をカラム212に収集してもよい。最終的な放射能濃度は、非常に少量で溶出することができる、濃縮カラム212の溶出によって決定する。それに加えて、放射能を複数のジェネレータから収集し濃縮することができるので、ジェネレータは満期まで継続的に使用されてもよい。
【0048】
次に図5を参照すると、マルチジェネレータ溶出システム200の代替表現が示される。図5では、弁マニホルド250と接続された5つのゲルジェネレータ110a〜eが示される。マニホルド250は、望ましくは、GE Healthcare(Liege,BE)から市販のFASTlab(商標)カセットに使用される線形に配列されたストップコックマニホルドに基づく。マニホルド250は、16個の3方向/3位置ストップコック弁1〜17を含む。弁1〜17はそれぞれ、隣接したマニホルド弁及びそれらの間に位置する個々のルアーに対する3つの開放ポートを含む。各弁は、3つの関連するポートのうち任意の2つを互いに流体連通させる一方で第3のポートを流体隔離する回転可能なストップコックを含む。本発明は更に、弁を横切って3つのポート全てを流体連通させることもできるように、ストップコックがT字形の内部通路を中に含むことができることを想到するが、かかる実施形態は、連続する流体流の間に汚染が起こるのを防ぐため、追加のすすぎを必要とする可能性がある、デッドスペースをもたらす。マニホルド250は、その対向する端部において、真空ポート18a及び19aをそれぞれ画定する、第1及び第2のソケットコネクタ18及び19を更に含む。マニホルド250及び弁1〜17のストップコック、並びに後述する導管は、望ましくはポリマー材料から、例えばPP、PE、ポリスルホン、Ultem、又はPEEKから形成される。図8に示されるように、マニホルドは、望ましくは、25個の3方向/3位置ストップコック弁を含むが、実際の弁の数は、ユーザの要求を満たすように拡張可能である。未使用の弁は、単に、ルアー継手によって覆われたそれらのルアー接続とそれらのストップコックとを有して、隣接した弁間のフローに対して流体連通をもたらしてもよい。
【0049】
本明細書に記載される弁の接続はそれぞれ、そのルアーコネクタによって画定されるポートで作られる。図5に示されるように、弁1は、そのルアー接続においてフィルタ付きベント251を支持する。弁2は、細長い導管252によって第1の溶出剤源214に接続される。第1の溶出剤源214は、ジェネレータ110〜eから娘核種を溶出する溶出剤を供給する。第1の溶出剤源214は、望ましくは、フィルタ付きベント233とも流体連通して接続されて、導管252を通して溶出剤を弁2に向かって流出させるのを支援する。弁3は、細長い導管254によって第2のマニホルド256に接続されて、ジェネレータ110a〜eの溶出剤チャネル118への開放接続をもたらす。つまり、本発明は、望ましくは、ジェネレータそれぞれを溶出する単一の溶出剤源を提供するが、本発明は、図1に示されるように、各ジェネレータがそれ自体の溶出剤源を有しても良いことも想到する。ジェネレータ110a〜eの溶出液チャネル120はそれぞれ、細長い導管260a〜eによってマニホルド250に後方接続される。導管260a〜eはそれぞれ、ジェネレータ110a〜eの個々の溶出液チャネル120間で弁4〜8まで延在する。
【0050】
弁9は、ジェネレータからの溶出液がカラム212に方向付けられてもよいように、細長い導管262によって濃縮カラム212の入力ポートに接続される。弁10は、細長い導管264によって第2の溶出剤源216に接続される。第2の溶出剤源216は、カラム212から娘核種を溶出する溶出剤を供給する。第2の溶出剤源216は、望ましくは、フィルタ付きベント263とも流体連通して接続されて、導管262を通して第2の溶出剤を弁9に向かって流出させるのを支援する。弁11及び12は、弁10及び13の間で流体流をもたらすように向き付けられた、ルアー継手及びそれらのストップコックによって覆われる。弁13は、中の製品流体を方向付けることができるように、細長い導管266によって収集バイアル218の入力ポート268に接続される。弁14は、細長い導管270によって、廃棄物バイアル219の入力ポート272に接続される。弁15は、カラム212が望ましくは弁15に直接接続するようにして、カラム212の出力ポートに接続される。弁16は、細長い導管274によって、廃棄物バイアル215の出力ポート275に接続される。弁17は、細長い導管276によって、収集バイアル218の出力ポート278に接続される。
【0051】
次にサンプル溶出について記載する。ジェネレータ110a及び110cからの放射能の溶出を必要とする溶出スケジュールは計算されている。ポート19aで真空(即ち、十分な低圧)を適用することによって、第1の溶出剤が第1の供給源214から引き出される。弁1〜17は、第1の溶出剤が弁2及び3並びに導管254を通してマニホルド256に流れ込むように設定される。最初に、弁5〜8は、ジェネレータ110aからの溶出液流が導管260aを通って弁9へと流れることができるように設定される。弁9は、溶出液が導管262を通してカラム212の入口ポートに流れるように方向付ける。溶出液は、カラム212から弁15を通して引き出されて弁14へと、また廃棄物バイアル219内へと流れ込む。廃棄物バイアル219の容積は、液体を全て収集し、ひいてはカラム212から送達するのに十分な容積である。次に、弁4のストップコックを回転させてジェネレータ110aを隔離し、弁6のストップコックを回転させて、第1の溶出剤が第2のマニホルド256からジェネレータ110cに流れ込むようにする。次に、ジェネレータ110cからの溶出液は、弁6〜8を通して弁9へと方向付けられる。弁9は、溶出液が導管262を通してカラム212の入口ポートに流れるように方向付ける。溶出液は、カラム212から弁15を通して引き出されて弁14へと、また廃棄物バイアル219内へと流れ込む。このようにして、ジェネレータ110a及び110cからの娘核種は濃縮カラム212に収集されている。
【0052】
カラム212から娘核種を溶出するため、弁10は、ポート19aで吸引した状態で、第2の溶出剤を供給源264から導管264を通して弁9に向かって方向付けるように設定される。第2の溶出剤は、導管262を通して、カラム212の入口ポートを通して、且つカラム212を通して引き出される。カラム212を出て弁15に入る際、カラム212溶出液は、収集バイアル218内へと分配される娘核種を含有する。この溶出液は、弁13へ、また導管266を通してバイアル218内へと方向付けられ、ポート19aからの吸引は弁17及び導管276を通して適用される。次に、バイアル218は、娘核種を薬剤師による更なる処理に供給するため、除去されるか又は引き出されてもよい。従って、後に続くジェネレータからの分配は、同じ収集バイアルに方向付けられてもよく、或いは、制御システム226は、需要データの要件を満たすため、ジェネレータ110a〜eから分配するあらゆる残りの放射能をその計算に含めているので、前回の分配からの未使用の溶出液と別の方法で組み合わされてもよい。
【0053】
マニホルド250は、望ましくは、弁のストップコックの向きを係合し設定すると共に、マニホルドを通してバイアル内へと流体を引き出す低圧吸引又は真空をもたらす、作動システム235に取り付けられて形成される。作動システム235は、弁1〜17のストップコックそれぞれを係合し、溶出操作全体を通してそれぞれを所望の向きで位置付けることができる、回転可能なアームを含む。作動システム235はまた、ポート18a及び19aの1つを液密接続でそれぞれ係合して、本発明に従ってマニホルドに対する低圧源又は真空源を提供する、一対のコックを含む。望ましくは、マニホルド250は、弁を操作し真空を適用するようにプログラムされているFASTlab(商標)(GE Healthcare(Liege,BE)から市販)合成デバイスに取付け可能である。FASTlab合成装置は、ホットセル環境で動作するように既に設計されているので、システム200の作動デバイスとして理想的に適応する。作動システム235は、計算された溶出スケジュールに従って制御システム226によって作用するように指示される。
【0054】
図6及び7は、アルミナ系Mo−99ジェネレータ110のマルチジェネレータ溶出システム300を示す。マルチジェネレータ溶出システム300は、複数のジェネレータ110を組み込んでいる。この実施形態では、ジェネレータ110は、Mo−99/Tc−99mアルミナジェネレータ(即ち、アルミナをジェネレータのカラムに組み込む)である。ジェネレータ110は、望ましくは、個々の弁がそれに対応する個々のジェネレータと選択可能に流体連通するようにして、弁及び導管を含むマニホルド(図示なし)に接続される。マニホルドは、ジェネレータの溶出液出力を陽イオンカラム315に方向付ける。ジェネレータ溶出液は、陽イオンカラム315を通って流れ、次に濃縮カラム312に流れ込む。望ましくは、マニホルドは、溶出剤をシステム300に引き込む真空源に接続される。陽イオンカラムは、娘核種を捕捉するのには使用されないが、濃縮カラムに悪影響を与える競合イオンを除去する適切な媒体を含有する。従って、システム300では、溶出剤は第1の溶出剤源314からジェネレータ110の選択されたものに方向付けられ、選択されたジェネレータから結果として得られる溶出液は全てカラム315を通してカラム312へと方向付けられる。濃縮カラム312は、ジェネレータからの娘核種を中に捕捉する。第2の溶出剤源316からの第2の溶出剤は、濃縮カラム312を通って、娘核種を収集バイアル318へと溶出するように方向付けられる。ジェネレータ110、カラム312、溶出剤源314及び316、並びに収集バイアルは、望ましくは、操作者の暴露を制限するように、放射線遮蔽ホットセル322のキャビティ324内に配置される。
【0055】
システム300は、制御システム326及び受信部328を含む。受信部328及び制御システム326は、単一のコンピュータシステムの一部として提供されてもよい。受信部328は、供給データ及び需要データの両方を受け取り、それを制御システム226が使用して、図9及び10に関して記載するように、ジェネレータ110の溶出スケジュールを作成することができる。供給データによって、既知の開始放射能及び日付、ジェネレータが利用可能になった日時、並びに第1の溶出のオフセットの日時を含む、校正データに基づいて、ジェネレータ110それぞれからの利用可能な放射能の量を計算することが可能になる。需要データは、必要とされる放射能の量及び時点に関する。需要データは、SAP又はSlimlineなどのERPモジュール331から受信部328に自動的に入力されてもよく、或いは操作者によって手動で受信部328に入力されてもよい。制御システム326は、望ましくは、利用可能な放射能に対する需要データに一致させて、無駄を最小限に抑えて溶出される娘核種を最大限にするように、どのジェネレータをいつ溶出するかを決定することによって、溶出スケジュールを計算する。次に、制御システム326は、望ましくは、溶出を実施するホットセル322内に位置する作動システム335に対する命令をダウンロードする。本発明は更に、制御システム326が或いは、作動システム335とは別個に、又は両方の機能を行う単一体のコンピュータ化システムとして、ホットセル322内に設けられてもよいことを想到する。
【0056】
この構成では、第1の溶出剤源314は、望ましくは、娘核種Tc−99mをジェネレータから溶出する第1の溶出剤として、酸性塩又は弱酸、一般的には食塩水を供給する。第1の溶出剤が食塩水なので、濃縮カラム312での濃縮が可能になるように、最初に陽イオンカラム315を使用して、ナトリウムイオンが除去される。濃縮カラム312は、ジェネレータ110からの溶出液中の過テクネチウム酸を捕捉するアルミナ収着剤を含む。第2の溶出剤源316は、カラム312から過テクネチウム酸ナトリウムを溶出し、収集バイアル318に収集するための食塩水を供給する。次に、過テクネチウム酸ナトリウムをコールドキットと共に使用して、放射性トレーサに標識付けしてもよい。
【0057】
本発明を用いて、ジェネレータの任意の組合せを溶出し、溶出されたジェネレータからの放射能をカラム315に通してカラム312に収集してもよい。2カラムの方法によって、核分裂Mo−99及びアルミナ技術に基づくジェネレータは、本発明の濃縮装置システムの効率を利用することが可能になる。最終的な放射能濃度は、非常に少量で溶出することができる、濃縮カラム312の溶出によって決定する。それに加えて、放射能を複数のジェネレータから収集し濃縮することができるので、ジェネレータは満期まで継続的に使用されてもよい。
【0058】
次に図7を参照すると、マルチジェネレータ溶出システム300の代替表現が示される。図7では、弁マニホルド350と接続された5つのゲルジェネレータ110a〜3が示される。マニホルド350は、望ましくは、GE Healthcare(Liege,BE)から市販のFASTlab(商標)カセットに使用される線形に配列されたストップコックマニホルドに基づく。マニホルド350は、16個の3方向/3位置ストップコック弁1〜17を含む。弁1〜17はそれぞれ、隣接したマニホルド弁及びそれらの上に位置する個々のルアーに対する3つの開放ポートを含み、ルアーポートは対向する他のポートの間に位置する。各弁は、3つの関連するポートのうち任意の2つを互いに流体連通させる一方で第3のポートを流体隔離する回転可能なストップコックを含む。本発明は更に、弁を横切って3つのポート全てを流体連通させることもできるように、ストップコックがT字形の内部通路を中に含むことができることを想到するが、かかる実施形態は、連続する流体流の間に汚染が起こるのを防ぐため、追加のすすぎを必要とする可能性がある、デッドスペースをもたらす。マニホルド350は、その対向する端部において、真空ポート18a及び19aをそれぞれ画定する、第1及び第2のソケットコネクタ18及び19を更に含む。マニホルド350及び弁1〜17のストップコック、並びに後述する導管は、望ましくはポリマー材料から、例えばPP、PE、ポリスルホン、Ultem、又はPEEKから形成される。図8に示されるように、マニホルドは、望ましくは、25個の3方向/3位置ストップコック弁を含むが、実際の弁の数は、ユーザの要求を満たすように拡張可能である。未使用の弁は、単に、ルアー継手によって覆われたそれらのルアー接続とそれらのストップコックとを有して、隣接した弁間のフローに対して流体連通をもたらしてもよい。
【0059】
本明細書に記載される弁の接続はそれぞれ、そのルアーコネクタによって画定されるポートで作られる。図8に示されるように、弁1は、そのルアー接続においてフィルタ付きベント351を支持する。弁2は、細長い導管352によって第1の溶出剤源314に接続される。第1の溶出剤源314は、ジェネレータ110〜eから娘核種を溶出する溶出剤を供給する。第1の溶出剤源314は、望ましくは、フィルタ付きベント333とも流体連通して接続されて、導管352を通して溶出剤を弁2に向かって流出させるのを支援する。弁3は、細長い導管354によって第2のマニホルド356に接続されて、ジェネレータ110a〜eの溶出剤チャネル118への開放接続をもたらす。つまり、本発明は、望ましくは、ジェネレータそれぞれを溶出する単一の溶出剤源を提供するが、本発明は、図1に示されるように、各ジェネレータがそれ自体の溶出剤源を有しても良いことも想到する。ジェネレータ110a〜eの溶出液チャネル120はそれぞれ、細長い導管360a〜eによってマニホルド350に後方接続される。導管360a〜eはそれぞれ、ジェネレータ110a〜eの個々の溶出液チャネル120間で弁4〜8まで延在する。
【0060】
弁9は、細長い導管362によって陽イオンカラム315の入口ポートに接続される。陽イオンカラム315は、濃縮に先立って、競合するイオンをジェネレータからの溶出液から除去するのに役立つ。弁10は、細長い導管364によって第2の溶出剤源316に接続される。第2の溶出剤源316は、カラム312から娘核種を溶出する溶出剤を供給する。第2の溶出剤源316は、望ましくは、フィルタ付きベント363とも流体連通して接続されて、導管362を通して第2の溶出剤を弁9に向かって流出させるのを支援する。弁11は、陽イオンカラム315の出力ポートに接続される。弁12は、細長い導管365によって濃縮カラム312の入口ポートに接続される。
【0061】
弁13は、細長い導管370によって廃棄物バイアル319の入口ポート372に接続される。弁14は、中の製品流体を方向付けることができるように、細長い導管366によって収集バイアル318の入力ポート368に接続される。弁15は、カラム312が望ましくは弁15に直接接続するようにして、カラム312の出力ポートに接続される。弁16は、細長い導管374によって、廃棄物バイアル315の出力ポート375に接続される。弁17は、細長い導管376によって、収集バイアル318の出力ポート378に接続される。
【0062】
次にサンプル溶出について記載する。ジェネレータ110a及び110cからの放射能の溶出を必要とする溶出スケジュールは計算されている。ポート19aで真空(即ち、十分な低圧)を適用することによって、第1の溶出剤が第1の供給源314から引き出される。弁1〜17は、第1の溶出剤が弁2及び3並びに導管354を通してマニホルド356に流れ込むように設定される。最初に、弁5〜8は、ジェネレータ110aからの溶出液流が導管360aを通って弁9へと流れることができるように設定される。弁9は、溶出液が導管362を通して陽イオンカラム315の入口ポートに流れるように方向付ける。溶出液は、カラム315から弁12を通して引き出されて、濃縮カラム312の入口ポートに入る細長い導管265へと流れ込む。廃棄物は、カラム312を通り、弁15を通って弁13まで、また廃棄物バイアル319内へと流れ込み続ける。廃棄物バイアル319の容積は、液体を全て収集し、ひいてはカラム315から送達するのに十分な容積である。次に、弁4のストップコックを回転させてジェネレータ110aを隔離し、弁6のストップコックを回転させて、第1の溶出剤が第2のマニホルド356からジェネレータ110cに流れ込むようにする。次に、ジェネレータ110cからの溶出液は、弁6〜8を通して弁9へと方向付けられる。弁9は、溶出液が導管362を通してカラム315の入口ポートに流れるように方向付ける。溶出液は、カラム315から弁12を通して引き出されて、濃縮カラム312の入口ポートに入る細長い導管265へと流れ込む。廃棄物は、カラム312を通り、弁15を通って弁13まで、また廃棄物バイアル319内へと流れ込み続ける。このようにして、ジェネレータ110a及び110cからの娘核種は濃縮カラム312に収集されている。
【0063】
カラム312から娘核種を溶出するため、弁10は、ポート19aで吸引した状態で、第2の溶出剤を供給源316から導管364を通して弁12に向かって方向付けるように設定される。第2の溶出剤は、導管365を通して、カラム312の入口ポートを通して、且つカラム312を通して引き出される。カラム312を出て弁115に入る際、カラム312溶出液は、収集バイアル318内へと分配される娘核種を含有する。この溶出液は、弁14へ、また導管366を通してバイアル318内へと方向付けられ、ポート19aからの吸引は弁17及び導管376を通して適用される。次に、バイアル318は、娘核種を薬剤師による更なる処理に供給するため、除去されるか又は引き出されてもよい。従って、後に続くジェネレータからの分配は、同じ収集バイアルに方向付けられてもよく、或いは、制御システム326は、需要データの要件を満たすため、ジェネレータ110a〜eから分配するあらゆる残りの放射能をその計算に含めているので、前回の分配からの未使用の溶出液と別の方法で組み合わされてもよい。
【0064】
マニホルド350は、弁のストップコックの向きを係合し設定すると共に、マニホルドを通してバイアル内へと流体を引き出す低圧吸引又は真空をもたらす、作動システム235に取り付けられて形成される。作動システム335は、弁1〜17のストップコックそれぞれを係合し、溶出操作全体を通してそれぞれを所望の向きで位置付けることができる、回転可能なアームを含む。作動システム335はまた、ポート18a及び19aの1つを液密接続でそれぞれ係合して、本発明に従ってマニホルド350に対する低圧源又は真空源を提供する、一対のコックを含む。望ましくは、マニホルド350は、弁を操作し真空を適用するようにプログラムされているFASTlab(商標)(GE Healthcare(Liege,BE)から市販)合成デバイスに取付け可能である。FASTlab合成装置は、ホットセル環境で動作するように既に設計されているので、システム300の作動デバイスとして理想的に適応する。作動システム335は、計算された溶出スケジュールに従って制御システム326によって作用するように指示される。
【0065】
次に図8を参照すると、マルチジェネレータ溶出システムと共に使用するための溶出カセット400が示される。図8では、Mo−99の崩壊によってTc−99mを生成する4つのアルミナジェネレータ110a〜dが、弁マニホルド450と接続されて示される。カセット400は、ケースキャビティ408を画定する周囲壁406によって境界が定められる、平面の正面壁404を備えたケース402を含む。カセット400は、底壁406aに隣接したキャビティ408内で細長いマニホルド450を支持する。マニホルド450は、望ましくは、GE Healthcare(Liege,BE)から市販のFASTlab(商標)カセットに使用される線形に配列されたストップコックマニホルドに基づく。マニホルド450は、25個の3方向/3位置ストップコック弁1’〜25’を含む。弁1’〜25’はそれぞれ、隣接したマニホルド弁及びそれらの上に位置する個々のルアーに対する3つの開放ポートを含み、ルアーポートは対向する他のポートの間に位置する。各弁は、3つの関連するポートのうち任意の2つを互いに流体連通させる一方で第3のポートを流体隔離する回転可能なストップコックを含む。本発明は更に、弁を横切って3つのポート全てを流体連通させることもできるように、ストップコックがT字形の内部通路を中に含むことができることを想到するが、かかる実施形態は、連続する流体流の間に汚染が起こり、中のデッドスペースに捕捉される流体の損失が起こるのを防ぐため、追加のすすぎを必要とする可能性がある、デッドスペースをもたらす。マニホルド450は、その対向する端部において、真空ポート26a及び27aをそれぞれ画定する、第1及び第2のソケットコネクタ26及び27を更に含む。マニホルド450及び弁1’〜25’のストップコック、並びに後述する導管コネクタは、望ましくはポリマー材料から、例えばPP、PE、ポリスルホン、Ultem、又はPEEKから形成される。図8に示されるように、マニホルドは25個の3方向/3位置ストップコック弁を含むが、実際の弁の数は、ユーザの要求を満たすように拡張可能である。未使用の弁は、単に、ルアー継手によって覆われたそれらのルアー接続とそれらのストップコックとを有して、隣接した弁間のフローに対して流体連通をもたらしてもよい。
【0066】
カセット400は、顧客側での据付及び接続を最小限に抑えて、異なる放射性医薬品の臨床バッチを合成するのに適合可能であるように設計された、予め組み立てられた合成カセットの変形例である。カセット400は、望ましくは、導管材並びに支持されたコネクタ及びフィルタが全て、本発明に従って核種を溶出するためのジェネレータ、バイアル、及び1以上の溶出剤源に接続されている、キットの形態で提供される。望ましくは、カセット400は、導管がそれぞれその弁のルアーに既に接続された状態でユーザに提供されるので、自由端のみを適切な構成要素と噛合させればよい。そのように提供されるカセットは、適切な清潔環境で開いた場合に製薬工程に適切な滅菌レベルを維持する、滅菌状態で組み立てられパッケージされてもよい。
【0067】
本明細書に記載される弁における接続はそれぞれ、そのルアーコネクタによって画定されるルアーポートで作られる。図8に示されるように、弁3’は、そのルアー接続においてフィルタ付きベント451を支持する。弁4’は、細長い導管452によってすすぎ流体源415に接続される。すすぎ流体源415は、所望に応じて溶出工程の間にマニホルド250をすすぐためのすすぎ流体を供給する。すすぎ流体源415は、望ましくは、フィルタ付きベント433とも流体連通して接続されて、導管452を通して溶出剤を弁4’に向かって流出させるのを支援する。つまり、本発明は、カセット400が、図5及び8に示されるようなジェネレータをそれぞれ溶出する単一の溶出剤源を提供できることを想到するが、図8の実施形態では、本発明は、図1に示されるように、溶出剤バイアル130の形で提供されるそれ自体の溶出剤源を有する各ジェネレータを含む。各ジェネレータにそれ自体の溶出剤源130を提供することは、共通のリザーバからの溶出液容量を過剰希釈するリスクを防ぐために望ましいことがある。それに加えて、各ジェネレータにそれ自体の付属の溶出源を提供することによって、マニホルド弁5’〜14’のより多数がジェネレータに接続するのに利用可能になる。マニホルド上の空気口は、過剰な又は未使用の真空を抜き取るのに使用される。ジェネレータ110a〜dの溶出液チャネル120はそれぞれ、細長い導管460a〜dによってマニホルド450に後方接続される。導管460a〜dは、ジェネレータ110a〜dの個々の溶出液チャネル120の間を弁15’〜18’まで延在する。
【0068】
弁5’〜14’はそれぞれ、各弁のルアーポートを封止するルアー継手によって覆われる。弁5’〜14’は、ユーザが望む場合に、追加のジェネレータに適応するようにカセット400を拡大するために利用可能である。
【0069】
弁19’は、細長い導管462によって陽イオンカラム415の入力ポートに接続される。陽イオンカラム415は、濃縮に先立って、競合するイオンをジェネレータからの溶出液から除去するのに役立つ。弁20’は、陽イオンカラム415の出力ポートに接続される。弁21’は、細長い導管465によって濃縮カラム412の入口ポートに接続される。弁22’は、細長い導管464によって第2の溶出剤源416に接続される。第2の溶出剤源416は、濃縮カラム412から娘核種を溶出する溶出剤を供給する。第2の溶出剤源416は、望ましくは、フィルタ付きベント463とも流体連通して接続されて、導管462を通して第2の溶出剤を弁22’に向かって流出させるのを支援する。弁24’は、カラム412が望ましくは弁24’に直接接続するようにして、カラム412の出力ポートに接続される。
【0070】
次に廃棄物バイアル及び収集バイアルに対する接続について記載する。弁23’は、細長い導管470によって廃棄物バイアル419の入口ポート472に接続される。弁25’は、細長い導管466によって収集バイアル418の入口ポート468に接続される。弁1’は、細長い導管476によって収集バイアル418の出口ポート478に接続される。弁2’は、細長い導管474によって廃棄物バイアル415の出口ポート475に接続される。
【0071】
次にサンプル溶出について記載する。ジェネレータ110b及び110dからの放射能の溶出を必要とする溶出スケジュールは計算されている。ポート26aで真空(即ち、十分な低圧)を適用することによって、第1の溶出剤がジェネレータ110b用の第1の供給源バイアル130から引き出される。弁1’〜25’は、第1の溶出剤がジェネレータ110bを通り、導管460bを通って、弁16’及び弁19’に流れるように設定される。弁19’は、溶出液が導管462を通して陽イオンカラム415の入口ポートに流れるように方向付ける。溶出液は、カラム415から弁21’を通して引き出されて、濃縮カラム413の入口ポートに入る細長い導管465へと流れ込む。廃棄物は、カラム412を通り、弁24’を通って弁23’まで、また廃棄物バイアル419内へと流れ込み続ける。廃棄物バイアル419の容積は、液体を全て収集し、ひいてはカラム412から送達するのに十分な容積である。
【0072】
次に、弁16’のストップコックを回転させてジェネレータ110bを隔離し、弁18’のストップコックを回転させて、第1の溶出剤がジェネレータ110dに接続されたバイアル130から流れるようにする。次に、ジェネレータ110dからの溶出液は、導管460dを通して弁18’に、次に弁19’へと方向付けられる。弁19’は、溶出液が導管462を通してカラム415の入口ポートに流れるように方向付ける。溶出液は、カラム415から弁21’を通して引き出されて、濃縮カラム412の入口ポートに入る細長い導管465へと流れ込む。廃棄物は、カラム412を通り、弁24’を通って弁23’まで、また廃棄物バイアル419内へと流れ込み続ける。このようにして、ジェネレータ110b及び110dからの娘核種は濃縮カラム412に収集されている。
【0073】
カラム412から娘核種を溶出するため、弁22’は、ポート26aで吸引した状態で、第2の溶出剤を供給源416から導管464及び弁22’を通して弁21’に向かって方向付けるように設定される。第2の溶出剤は、導管465を通して、カラム412の入口ポートを通して、且つカラム412を通して引き出される。カラム412を出て弁24’に入る際、カラム412溶出液は、収集バイアル418内へと分配される娘核種を含有する。この溶出液は、弁25’へ、また導管466を通してバイアル418内へと方向付けられ、ポート26aからの吸引は弁1’及び導管476を通して適用される。次に、バイアル418は、娘核種を薬剤師による更なる処理に供給するため、除去されるか又は引き出されてもよい。従って、後に続くジェネレータからの分配は、同じ収集バイアルに方向付けられてもよく、或いは、本発明の制御システムは、需要データの要件を満たすため、ジェネレータ110a〜dから分配するあらゆる残りの放射能をその計算に含めているので、前回の分配からの未使用の溶出液と別の方法で組み合わされてもよい。
【0074】
カセット400は、弁のストップコックの無機を係合し設定すると共に、マニホルドを通してバイアル内へと流体を引き出す低圧吸引又は真空をもたらす、作動システムに取り付けて形成される。作動システムは、弁1’〜25’のストップコックそれぞれを係合し、溶出操作全体を通してそれぞれを所望の向きで位置付けることができる、回転可能なアームを含む。作動システムはまた、ポート26a及び27aの1つを液密接続でそれぞれ係合して、本発明に従ってマニホルド450に対する低圧源又は真空源を提供する、一対のコックを含む。望ましくは、マニホルド450は、弁を操作し真空を適用するようにプログラムされているFASTlab(商標)(GE Healthcare(Liege,BE)から市販)合成デバイスに取付け可能である。FASTlab合成装置は、ホットセル環境で動作するように既に設計されているので、カセット400の作動デバイスとして理想的に適応して、計算された溶出スケジュールに従って操作する作動命令を制御システム3から受け取る。
【0075】
図5、7、及び8に詳述されるものを含む、本発明のカセット及びマニホルドシステムの全ての実施形態では、カセット又はマニホルドは望ましくはFASTlabデバイスに取付け可能である。液体移送は全て、適用された真空(又は低圧)によって行われる。マニホルドカセットへの全ての接続は、標準のルアーロックによるものであることが想到される。ジェネレータに接続するのに使用される導管は、望ましくは、ジェネレータ110の個々のポートで針125a及び129aで穿刺することができる隔壁で終端するシリコン管材である。溶出剤バイアル130がジェネレータに取り付けられた場合、標準の接続を使用してもよい。従って、ジェネレータを本発明で機能するように修正する必要はない。
【0076】
それに加えて、全ての実施形態では、注射用水(WFI)などのすすぎ流体の外部源も、洗浄及びすすぎの目的でマニホルドに接続されてもよい。ゲルジェネレータを溶出するとき、WFI源は各ジェネレータに接続されて、第1の溶出剤としても作用してもよい。図8に関してより具体的に記載したように、本発明は、第1の溶出剤は、リザーバ若しくは予め測定した容器、又は各ジェネレータに個々に接続した「溶出バイアル」からのものであることができる。予め測定した供給源は、溶出液容積の過剰希釈を防ぐと共に、ジェネレータに接続するための追加のマニホルド弁を完全に解放するのに望ましい。マニホルド上の空気口は、過剰な又は未使用の真空を抜き取るのに使用される。
【0077】
本発明は更に、いくつかの実施形態では、必要な溶出化学に応じて、マニホルドに直接接続された(図5及び7に示されるように)第1の溶出剤源が、ジェネレータ及び濃縮カラムの両方を溶出して、結果として第2の溶出剤源をマニホルドに接続する必要性を避けるのに使用されてもよい。例えば、図7のシステム300がアルミナジェネレータ及びアルミナ濃縮カラムを用いる場合、本発明は、第1の溶出剤源がジェネレータの溶出及び濃縮カラムの溶出の両方に使用される食塩水を供給してもよいことを想到する。
【0078】
陽イオンカラムは、塩化物などの競合するイオンを溶出液から除去するのに使用される。いくつかの実施形態では、過テクネチウム酸イオンは、陽イオンカラムを通って、またそれが捕捉(濃縮)される酸性化アルミナカラムへと流れる。液体は、カラムを通り、後で廃棄するために廃棄物収集容器に流れ込むことができる。酸性化アルミナカラム(上述のような)は、過テクネチウム酸(99mTc)を捕捉し濃縮するのに使用される。過テクネチウム酸がアルミナカラムで捕捉されている間に、液体(本質的に水)が真空によってカラムの底から除去され、廃棄物容器に収集される。濃縮段階が完了すると、アルミナカラムは、望ましくは、基本的には現在の核分裂ジェネレータと全く同じ方法で、過テクネチウム酸ナトリウム[Na99mTcO4−]として過テクネチウム酸を除去するのに食塩水を用いて溶出され、製品収集バイアルに収集される。
【0079】
図9を参照すると、本発明は、需要データ及び供給データを使用して、放射線薬学操作における一組の親娘ジェネレータを最も効率的な利用を決定し実行する。供給データによって、任意の所与の時間に利用可能な(娘核種の)放射能量を自動計算することが可能になる。ジェネレータは既知量の放射能を備えて販売される。供給データは、ジェネレータバーコード又は手動データ入力から得ることができる。需要データは、顧客の注文を満たすのに特定の時間に必要な放射能量である。データは、ERPソフトウェアシステム、例えば電子転送によるSAP又はSlimline(若しくは等価物)、或いは手動入力のどちらかから得ることができる。一般的には、放射線薬学環境では、顧客の注文は、1日の特定時間にスケジューリングされた送達工程に分離される。
【0080】
本発明は、需要放射能要件を任意の所与の時間に利用可能な放射能と比較する。それに加えて、システムは、所与のジェネレータからの溶出に関する最良の効率を表す、最良に適合する解を送達するように、ジェネレータ溶出計画を構成することを試みる。最良に適合する解が計算されていると、操作者は、a)システムによって決定された溶出計画を実行する、b)溶出計画を手動で再構成して、システムが効果を計算して操作者に対して表示するようにする、或いは、c)特定の需要要件及び/又は供給データを入力し、入力した制約下でシステムによって決定された計算済み溶出スケジュールを精査することによって、「仮説シナリオ」をモデリングするといった、いくつかの選択肢を有する。
【0081】
本発明は、計算された溶出計画が容認できるものであると操作者が確認すると、データを作動システムに送って、溶出スケジュールに従って選択されたジェネレータを溶出する。選択されたジェネレータからの溶出は、全てカセットに通されて、例えばTc−99mをアルミナカラム上に濃縮する。ジェネレータ溶出が全て完了すると、アルミナカラムは、溶出剤、例えば食塩水の必要量(一般的に5〜6mL)で溶出される。この操作が完了すると、制御システムは放射能データを更新し、核内増殖を再計算し、任意の必要な変化を用いて溶出スケジュールを更新する。
【0082】
一般に、ERPシステムは、有形資産、財源、材料、及び人的資源を含む内部及び外部資源を管理するのに使用される、統合されたコンピュータ系アプリケーションである。その目的は、組織の境界内部での全てのビジネス機能間の情報のフローを容易にし、外部の利害関係者への接続を管理することである。集中化データベースに構築され、通常は共通のコンピューティングプラットフォームを利用して、ERPシステムは、全ての事業運営を一律の企業規模のシステム環境に統合する。ERPシステムは、集中型サーバー上に存在するか、或いは「サービス」を提供しローカルエリアネットワークで通信するモジュール式のハードウェア及びソフトウェアユニットの間で分配することができる。分配設計によって、複雑で高価なコンピュータシステムの複数のコピーを、それらの全容量を使用しないエリアに配置する必要なしに、異なるベンダーからのモジュールを組み立てる事業が可能になる。
【0083】
従って、本発明の方法は、ジェネレータそれぞれに対する供給データを溶出システムの受信部に入力する入力段階610を含む。方法は、次に、複数のジェネレータからどの放射能がいつ必要であるかの需要データを受信部に入力する第2の段階620を含む。次いで、入力された供給データ及び入力された需要データに従って、複数のジェネレータそれぞれに対する最適な溶出スケジュールを決定する計算及び選択段階630が続く。計算及び選択段階630は、望ましくは、放射能の現在の需要、放射能の今後の需要、並びに現在及び後に続く需要時点の両方又は溶出時間でジェネレータから利用可能な放射能を比較し、需要データを満たす際にジェネレータによって生成される娘核種の無駄を最小限に抑えるため、どのジェネレータをいつ溶出するかを選択する。次に、娘核種を選択されたジェネレータから溶出する溶出段階670がある。
【0084】
段階610は更に、各ジェネレータの校正データ、一般的に各ジェネレータの放射能及び日付を入力する段階612と、ジェネレータが利用可能な日時を入力する段階614と、第1の溶出が基準時間からオフセットした日時を入力する段階616を含む。段階612、614、616は、これらの段階それぞれからの情報を手動で受信部に入力することによって行われてもよく、かかる情報は一般に、各ジェネレータによって供給される。或いは、段階612、614、及び616は、各ジェネレータに関係するバーコードからかかる情報をスキャンすることによって、電子的又は自動的に行われてもよい。同様に、段階620は、ERPシステムによって一般に供給される需要データを用いて、手動で或いは電子的に行われてもよい。手動で段階620を行う場合、操作者は、需要データ情報をとり、それを受信部に入力する。望ましくは、需要データが手動で入力されるとき、受信部又は制御システムは情報を需要データセットにコンパイルするが、操作者はまた、集合需要データを入力する前にコンパイルを行ってもよい。或いは、ERPシステムは、個別注文がシステムに自動的に入力され、溶出スケジュールが計算されるように、受信部と電子的に通信してもよい。
【0085】
本発明は更に、段階610が既知のデータ定数を入力する段階618を含むことができることを想到する。段階618は、段階630でかかるデータ定数を考慮することができる。データ定数は、望ましくは、親核種の半減期及び崩壊方程式、娘核種の半減期及び崩壊方程式、溶出収量効率、親核種の崩壊に利用可能な溶出の分率、親娘放射能の均衡方程式、並びにジェネレータの満了時間を含む。
【0086】
段階630は、望ましくは30分などの固定の間隔で、各ジェネレータの利用可能な放射能を計算する段階632及び表示する段階634を含む。望ましくは、計算する段階632は式(1)を用い、表示する段階634は、計算された間隔で各ジェネレータの放射能を表示する。更に、段階630は、需要データ及び複数のジェネレータの放射能レベルの一般化勾配減少アルゴリズム分析を行って、無駄を最小限に抑えるのに最適な溶出スケジュールを決定する段階を含んでもよい。或いは、段階630は、複数のジェネレータからの様々な溶出スケジュールのシミュレーションを行い、溶出スケジュールを選択して、需要データを満たす際に娘核種の無駄な量を最低限にすることが想到される。それに加えて、方法は、望ましくは、供給データと同じ間隔にわたる需要データを表示する段階638を含む。段階630は更に、望ましくは、利用可能なジェネレータのうちどれを所与の時間に溶出させるかを選択して、可能な限り最も効率的な形で需要データを満たし、結果として各ジェネレータの耐用寿命を最大限にすると共に無駄を最小限に抑えるため、最良に適合する溶出プロファイル、即ちスケジュールを計算する段階638を含む。次に、方法は、溶出スケジュールを操作者に提供する段階640を含んでもよい。
【0087】
望ましくは、溶出スケジュールはグラフィカルユーザインターフェース(GUI)に表示され、方法は、所与の時間に溶出するのに異なるジェネレータを代わりにスケジューリングすることによって、計算された最適化溶出スケジュールのオーバーライディングという選択肢を操作者に与える段階642を含む。操作者がシステムをオーバーライドするのを却下した場合、方法は次に、溶出命令を作動システムに送る段階660に進む。操作者が段階638からの溶出命令をオーバーライドすることを選択した場合、方法は更に、操作者が手動で溶出スケジュールの修正を入力する段階644を含む。段階644によって、特定のジェネレータをいつ溶出するかを操作者が選択できるようになる。次に、方法は、溶出スケジュールを再計算する段階646と、各ジェネレータに関する時間に伴う更新済みの放射能の利用可能性、並びにジェネレータそれぞれからの溶出のスケジューリングされた時間の両方を表示する段階648とを含む。段階646は、望ましくは、段階630と同じアルゴリズムを用いて、任意の追加の操作者制約を所与として最適な溶出スケジュールを決定する。次に、方法は、操作者に更新済みの溶出スケジュールを受理させる段階650を含む。操作者が更新済みの溶出スケジュールを受理した場合、溶出スケジュールが設定され、制御システムは、ジェネレータから溶出するための適切な命令を作動システムに提供する段階660に進む。操作者が更新済みの溶出スケジュールを受理しない場合、方法は、操作者が溶出スケジュールを受理するまで、段階644、646、及び648を繰り返す。一旦最新の溶出スケジュールが操作者にとって申し分なければ、方法は段階660に移るであろう。
【0088】
段階660の後、作動システムは段階670を行い、溶出スケジュールに従ってジェネレータを溶出する。段階642、644、646、648、及び650は、ジェネレータからの溶出を監視し管理する「オペレータ・イン・ザ・ループ」の選択肢を提供し、操作者による計算されたスケジュールのオーバーライディングを可能にする。いずれの場合も、本発明は、操作者が介入する必要なしに動作することができ、従って、作者がスケジュールを一旦入力せずに、スケジュールされた溶出を行うことができ、それによって操作者が他の薬学的作業に気を配ることができる。しかし、サイクル中の何らかの時点で操作者が溶出スケジュールを受理するようにすることが望ましいものと見なされる。
【0089】
溶出する段階670の後、方法は、選択されたジェネレータが溶出されたことを確認する段階672を含むことができる。それに加えて、方法は、望ましくは、放射能の内成長を再計算する段階674と、段階632の放射能データを修正する段階と、必要であれば、需要データを満たすために最良に適合する溶出スケジュールを再計算する、以下参照の段階638を繰り返す段階とを含む。
【0090】
本発明は更に、本発明によるマルチジェネレータ溶出システムからの溶出を管理するコンピュータプログラム製品を提供する。本発明は更に、本発明のコンピュータプログラム製品を実行するコンピュータハードウェアを含む、マルチジェネレータ溶出システムを提供する。コンピュータプログラム製品は、本発明の方法を行うためのコンピュータ使用可能なプログラムコードを有するコンピュータ使用可能な媒体を含む。コンピュータプログラムコードは、マルチジェネレータ溶出システムを管理する、コンピュータ使用可能なプログラムコードを有するコンピュータ使用可能な媒体を含む。コンピュータプログラム製品は、多数の親娘ジェネレータに対する供給データ及びジェネレータからの放射能の需要データの入力を受け取るコンピュータ使用可能なプログラムコードを含む。コンピュータプログラムは更に、ジェネレータの利用可能な放射能及び需要データに基づくジェネレータの溶出スケジュールを計算する、コンピュータ使用可能なプログラムコード、並びに、溶出スケジュールに従って、溶出システムの作動システムに、ジェネレータのうち選択されたものから溶出するように指令するコンピュータプログラムコードを含む。
【0091】
コンピュータプログラム製品は、望ましくは更に、供給データ、需要データ、ジェネレータの利用可能な放射能、及び溶出スケジュールの少なくとも1つを表示するためのコンピュータプログラムコードを含む。それに加えて、溶出スケジュールを計算するコンピュータプログラムコードはまた、需要データ及び複数のジェネレータの放射能レベルの一般化勾配減少アルゴリズム分析を行って、無駄を最小限に抑える最適な溶出スケジュールを決定するコンピュータプログラムコードを含む。或いは、溶出スケジュールを計算するコンピュータプログラムコードはまた、複数のジェネレータからの様々な溶出スケジュールのシミュレーションを行い、溶出スケジュールを選択して、需要データを満たす際に娘核種の無駄な量を最低限にするコンピュータプログラムコードを含む。コンピュータプログラム製品はまた、望ましくは、コンピュータプログラム製品に対する新しい制約を入力することによって、操作者が計算された溶出スケジュールをオーバーライドできるようにするコンピュータプログラムコードと、新しい制約に基づいて新しい溶出スケジュールを計算するコンピュータプログラムコードとを含む。更に、コンピュータプログラム製品は、望ましくは、後で検索するように供給データ、需要データ、及び溶出スケジュールを格納するための、また記録保持の目的又は記録保持を支援する目的に役立つことができるコンピュータプログラムコードを含む。
【0092】
図10は、本発明のマルチジェネレータ溶出システムに供給データ情報を供給する、本発明のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画面例を示す。図10は供給データ入力画面700を示す。画面700は、行A、列6〜11に列挙された6つのジェネレータの供給データを示すマイクロソフトエクセル(登録商標)画面を示す。行B、列6〜11は、各ジェネレータの基準時間を列挙している。行C、列6〜11は、列挙されたジェネレータそれぞれに対する第1の溶出のオフセット(時間単位)を列挙している。入力がないものはゼロオフセットとして扱われる。行D、列6〜11は、各ジェネレータの基準時間における開始放射能を列挙している。行E、列6〜11は、各ジェネレータが使用のためにいつ利用可能になったかを列挙している。データ入力のエラー確認として、行Aの基準時間は、行Eの使用のために利用可能になった時間よりも少なくとも12時間前でなければならない。行F、列6〜11は、各ジェネレータにエラーメッセージがあった場合にそれを示す。行E、列2〜3は、ジェネレータの正味の効率、つまり溶出収量効率を示し、一般的に約0.83である。
【0093】
図11は、図10の6つのジェネレータに関して計算された溶出スケジュールを提供する、本発明のGUIの画面例を示す。図11は、マルチジェネレータ溶出システムの供給データ、需要データ、及び溶出スケジュールを提供する溶出管理ウィンドウ800を示す。これは、需要に基づいた今後の放射能要求との釣り合わせ効率のワークシート又は最良適合結果である。図11は、2010年7月11日午後10:00から2010年7月12日午前9:30までを表す、列46〜69の関連情報の拡大を示すが、ウィンドウ800の情報はジェネレータの寿命まで、一般的に2週間続き、スクロールされてもよい。行A、列46〜49は、図示される時限にわたって起こる計算及び分配の間隔時間を示す。時間間隔は30分間隔で与えられる。行D、列46〜69は、需要データに従って分配が起こるべき時間を列挙している。列挙された時間は、所望の状態でユーザが核種を得る後溶出(post−elution)に必要な更なる処理時間を考慮に入れている。従って、例えば、行Dは、2010年7月12日(月)午前12:00、午前2:00、午前4:00、及び午前7:00に行われる溶出を示している。隠れている列までテーブルを更に下にスクロールすることで、その後の時間における需要及び他の情報が見える。行Eは、使用されなかった何らかの前の溶出で残った残余分を示し、時間が過ぎると共に崩壊を示す。行F、P、Z、AJ、AT、及びBDは、列1、行G、Q、AA、AK、AU、及びBEにそれぞれ列挙したジェネレータの溶出がいつにスケジューリングされているかを示す。放射能が個々のジェネレータから溶出された時間に、行F、P、Z、AJ、AT、及びBDに数値「1」が入力されている。図から分かるように、溶出されたジェネレータそれぞれについて、溶出後の次の列ははるかに低い放射能を示しており、溶出後の放射能の核内増殖が起こっていることが示されている。
【0094】
行D、列50に示されるように、深夜(列50)には、14,350mCiの放射能の需要がある。制御システムは、行Dの既知の需要全てを最良に満たすため、ジェネレータ1及び5がこの需要を満たすために溶出されて、後の溶出に組み込まれてもよい27mCiの未使用の残余分を提供することを計算している。同様に、午前2:00の溶出(列54)では、15,931mCiの放射能の需要を満たすため、2405.5mCiの放射能がジェネレータ2から溶出され、2405.5mCiの放射能がジェネレータ3から溶出され、120.5mCiの放射能がジェネレータ4から溶出されて、22mCiの未使用の残余分を提供する。前の溶出からの残りの放射能もこの溶出に含まれるので、場合によっては、現在の溶出の合計はそのままでは列挙された需要と合わないことがある。
【0095】
操作者は、溶出行から「1」を削除し、溶出する別のジェネレータを選択することによって、提供される溶出スケジュールをオーバーライドしてもよい。制御システムは、ウィンドウ800の入力を再度取り込んで、新しい溶出スケジュール、並びに所与の時間それぞれにおける各ジェネレータの利用可能な放射能、各溶出時間における需要、及び残される放射能のあらゆる残余分を示す。本発明のモデリング機能によって、例えば供給ショックが起きたとき、本発明は、「仮説」シナリオの影響を評価し、最終的に所与の供給状況に対してほとんどの線量を送達するのに特に有用になり得る。いずれの場合も、操作者が溶出スケジュールに満足しているとき、図示されるように自動的に稼働するように放置されてもよい。溶出を自動で行うと、操作者は他の作業に気を配ることができる。それに加えて、ソフトウェアは、行われた溶出の記録を提供して、記録保持の目的を簡略化する。更に、供給データ画面700及び溶出管理ウィンドウ800は6つのジェネレータを追跡しているが、本発明は、マルチジェネレータ溶出システムに含まれるのと同数のジェネレータをモニタリングできるという点で拡大可能である。
【0096】
本発明は、放射線薬学にコスト削減をもたらすことができる。放射線薬学の最大の単一コストは、「コールドキット」(診断用薬)を構成するのに使用されるTc−99m/Mo−99ジェネレータである。経験を積んだ放射線薬剤師による作動解明(action workout)は、平均の薬学ジェネレータ効率は65〜68%であることを示した。新しいツールの実現後、平均効率は98〜100%に着実に上昇している。一般的に、平均的な薬学は、1週間当たり4つの18Ciジェネレータを消費することがある。各ジェネレータは2週間の有用な保管寿命を有する。従って、週単位では、薬学は8つのジェネレータの崩壊及び使用サイクルを管理する必要がある。現在、1週間当たり7,000ドルで4つの18Ci単位を使用して、それぞれ毎年1.456百万ドルのコストである。本発明を使用することによって同じ薬学の効率が65%から100%に改善された場合、年間コストは約0.5百万ドル低下する。
【0097】
本発明の特定の実施形態を図示し記載してきたが、本発明の教示から逸脱することなく変更及び修正を行ってもよいことが当業者には明白であろう。上述の説明及び添付図面に記述される事項は、限定ではなく単なる例示として提供される。本発明の実際の範囲は、従来技術に基づいたそれらの適切な視点で見たとき、以下の請求項において定義されるものとする。
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性同位体ジェネレータの分野に関する。より具体的には、本発明は、マルチジェネレータ溶出システムを対象とする。
【背景技術】
【0002】
核分裂生成Mo−99の供給は不確実な状態にある。カナダのNRUリアクタ及びPettenのHFRリアクタという2つのリアクタのみが、核分裂生成Mo−99の世界中の供給のうち約60〜70%に相当する。これらのリアクタのうちどちらかが、定期保守又は予定外の修理のためにオフラインになると、事実上、核医学法が必要不可欠な事例のみに低減されることになる。核分裂Mo−99の製造に使用されるリアクタは全て、それぞれの使用寿命の終わりに近付いてきており、現在は、Pallasと呼ばれるPettenの代替品である、1つの代替のリアクタしか計画されていない。更なる懸念は、核分裂Mo−99の標的材料である高濃縮ウラン(HEU)の拡散が、テロリスト及び悪徳政府の手に陥ることである。HEUは核兵器の製造に使用される。
【0003】
或いは、ゲル系ジェネレータは、動力炉を含むあらゆる原子炉で行うことができる、天然モリブデンの中性子放射化(n,γ)から得られるMo−99を使用する。残念なことに、n,γ法で生成されたMo−99は、HEU又は低濃縮ウラン(LEU)のどちらであっても、U−235の核分裂から生成されたMo−99に比べて比放射能が低い傾向にある。比放射能が低いということは、Mo−99を非常に大型のアルミナカラムに置いて不活性モリブデンを全て吸着させるか、或いは、溶出可能なカラム(例えば、モリブデン酸ジルコニウム又はモリブデン酸チタン)全体の容量を低減する不溶性ゲルマトリックスに変えなければならないことを意味する。続いて、特にアルミナカラムが使用される場合、Tc−99m娘核種のカラムを溶出するのに、大きな溶出量が求められる。従来技術は、低い比放射能及び/又は低活性のジェネレータが遭遇する全ての課題に対処できていない。
【0004】
Nucl.Med.Comm.,25 609−614(2004)は、モリブデン酸ジルコニウムゲルジェネレータからTc−99mの高い放射能濃度を得る必要性について考察している(「コールドキット」配合、並びにより大規模な放射線薬学における経済的理由から、より高い濃度が求められる場合が多い)。
【0005】
米国特許第5729821号は、アルミナ系カラム上のMo−99収着剤からのTc−99mの濃縮方法を開示している。そのシステムは、溶出液の濃縮を達成するのに複数のカラムを必要とする。Tc−99mは、食塩水中の塩素イオンとのイオン交換によって一次カラムから溶出されるので、複数のカラムを使用しなければならない。次に、陽イオン(ナトリウム)が二次カラム(この場合、ハロゲン化銀ベース)によって除去され、過テクネチウム酸が、引き続き食塩水で溶出して過テクネチウム酸ナトリウムを形成するため、三次陰イオンカラムに濃縮される。この方法は、酸性塩又は弱酸を使用して、Tc−99mを親核種Mo−99(例えば、アルミナカラム)から分離し溶出すると共に、過テクネチウム酸イオンを陰イオンカラムで濃縮できるように、陽イオンカラムを使用して溶出によって陽イオンを除去することを必要とする。
【0006】
Applied Radiation and Isotopes 66(2008)1814−1817は、Mo−99を含有する溶液からTc−99mを抽出する方法を開示している。これは、有機溶媒(塩化メチレン中の臭化テトラブチルアンモニウム溶液)を使用して、Tc−99mを抽出し濃縮することを必要とする、複雑な手順である。
【0007】
Applied Radiation and Isotope 66(2008)1295−1299は、低比放射能のアルミナ系ジェネレータを食塩水を用いて溶出してTc−99mを除去する、上述の方法の変形例である引用された方法を開示している。溶出液は、強陰イオン交換体ダウエックスカラムで濃縮される。Tc−99mは、臭化テトラブチルアンモニウム溶液を用いた溶出によって除去され、塩化メチレンを用いてバイアルに収集される。有機溶媒は、真空ポンピングによって乾燥状態まで除去され、コールドキットと共に用いるため、食塩水で還元される。この方法は、濃縮Tc−99mを調製するのに必要な時間の点で非実用的である。
【0008】
米国特許第6157036号は、低比放射能のイオン交換型ジェネレータ(即ち、アルミナ)向けの方法を開示している。そのシステムは、米国特許第5729821号の方法に類似した複数カラムを使用する。その方法は、より安全な負圧の代わりに正圧を使用して流体を移動させる(負圧(真空)は、放射性物質に関与する移転に関して本質的により安全である)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、効率の目的から、娘核種の核内増殖(grow−in)を管理するシステムが必要とされている。また、当該分野において、無駄を最小限に抑え、一連のジェネレータによって生成される娘核種を最大限に使用する溶出システムが必要とされている。更に、HEUの増殖のリスクを低減することができる溶出システムが必要とされている。また、一連のジェネレータからの溶出液を収集バイアルに方向付けるための、自動作動システムによって操作可能なマニホルドキットが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
当該分野における必要性に鑑みて、本発明は、複数の親娘核種ジェネレータと、親娘核種ジェネレータそれぞれの放射能の核内増殖を追跡する制御システムとを備える、マルチジェネレータ溶出システムを提供する。
【0011】
制御システムは、放射能生成のための要件を示す需要データを受け取ると共に、所望量の娘核種を供給するため、ジェネレータのうち選択されたものから第1の溶出液を用いて溶出するように構成される。受信部は、少なくとも生成すべき娘核種の量と、娘核種の量を生成するスケジュールとを含む需要データを受け取る。受信部は、制御システムが複数のジェネレータからの娘核種の溶出を予定して、需要データによって表される需要を満たすように、制御システムによって操作可能である。受信部は供給データも受け取ることになる。
【0012】
本発明はまた、複数のジェネレータのうち選択されたものから娘核種を収集するための濃縮カラムを提供する。濃縮カラムは適切なカラム媒体を含有する。例えば、娘核種がTc−99mのとき、濃縮カラムは望ましくは、娘核種が溶出される陰イオンカラムである。娘核種を前記濃縮カラムから受け入れる収集容器も提供される。
【0013】
それに加えて、本発明は、親娘核種ジェネレータそれぞれの放射能の核内増殖を追跡し、娘核種に対する入力された需要を満たすようにジェネレータの中からの溶出を予定する、マルチジェネレータ溶出システムを提供する。
【0014】
本発明はまた、カラムを溶出するための第2の溶出剤源を提供してもよい。用途に応じて、第2の溶出剤は第1の溶出剤と異なってもよく、又は両方とも同じであってもよい。それに加えて、ジェネレータ及び濃縮カラムの両方を溶出するのに同じ溶出剤が使用される実施形態では、溶出剤は単一の供給源から取り出されてもよい。或いは、第1の溶出剤源は、共通の供給源からではなく、各ジェネレータに対して個々に供給されてもよい。本発明はまた、注射用水などの高純水がジェネレータを溶出する共通のリザーバから供給されるとき、この水が、溶出工程の間に溶出システムの構成要素をすすぐのにも使用されてもよい例を提供する。本発明はまた、高純水源が、マルチジェネレータ溶出システムの構成要素をすすぐ目的のみに供給されてもよい例を想到する。
【0015】
更にそれに加えて、本発明は、ジェネレータによって生成される娘核種に関して入力された需要データを調整し、ジェネレータそれぞれの利用可能な放射能を時間に伴って追跡し、ジェネレータの中からの溶出を予定して、娘核種に関して入力された需要を満たす、マルチジェネレータ溶出システムを操作する方法を提供する。
【0016】
更に、本発明は、制御システムによって操作して、複数の親娘ジェネレータの中から分離カラムへの溶出を指示してもよい、マニホルドシステムのためのキットを提供する。
【0017】
本発明は、核薬学におけるジェネレータの管理及び操作の当業者に関する課題を解決する。限定ではなく例示目的のTc−99m/Mo−99ジェネレータを使用して、本発明は、複数のジェネレータ部からの娘核種[Tc−99m]過テクネチウム酸溶出を組合せ、濃縮すると共に、崩壊した又は低活性のジェネレータの耐用期間を延長する。本発明は、ERPシステム及び手動入力からの需要データと併せて、効率及びコスト削減を最大限にするように同位体の「核内増殖」を自動的に管理する。本発明はまた、操作作業者が、供給不足及び予期しない需要の増加をモデリングするときなど、「仮説」シナリオをモデリングするのを可能にする。それに加えて、本発明は、ジェネレータ並びに放射能を扱う全ての構成要素を安全に格納する、放射線遮蔽の後側に収容されてもよい。本発明は、ガンマゲル系Mo−99ジェネレータを、核分裂系ジェネレータとより動作的に競合させることができ、従って、高濃縮ウラン(HEU)を照射することによって生成されるMo−99の実行可能な代替物が促進され、その結果、核爆弾等級の材料の増殖が低減される。更に、本発明は、電子カルテ用の処方箋配合データ交換を提供する。
【0018】
Tc−99m/Mo−99ジェネレータで使用されるMo−99は、一般的に、ジェネレータの総コストの75%以上に相当する。ジェネレータ及び同位体の購入は、一般的に最大の単一の費目である。Mo−99は既知の指数関数的割合で崩壊してTc−99mになり、Tc−99mも既知の指数関数的割合で崩壊する。一般的なジェネレータは、送達されたときに既知量の放射能を含む。ジェネレータが溶出されると、Tc−99mが除去されてMo−99が残されて、崩壊してTc−99mとなり続ける。任意の所与の時間におけるジェネレータの利用可能なTc−99mの量を正確に決定するのに必要な計算は非常に複雑であり、簡単に行えない。本発明は、これらの計算を簡単に且つ迅速に実行するソフトウェアを組み込んだ制御システムを提供する。マルチジェネレータ溶出システムと併せてこのソフトウェアを利用することによって、制御システムが、任意の所与の需要に対するジェネレータの効率的な組合せを選択することができる。それに加えて、手動で操作者が入力することによって、又は企業資源計画システムからのデータリンクによって、履歴に基づく若しくはリアルタイムの需要を得ることができる。
【0019】
モリブデン酸チタン 「ゲル」系ジェネレータは、比放射能が非常に低いMo−99を使用し、そのことが、業界標準の核分裂Mo−99系ジェネレータよりも濃縮度が低く、合計放射能含有量が全体的に低い溶出に結び付く。本発明のマルチジェネレータ溶出システムは、これらの課題を排除して、ゲル系ジェネレータが業界標準の核分裂系ジェネレータよりも動作的に競合できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】従来技術の親娘ジェネレータの概略断面図である。
【図2】Mo−99/Tc−99mジェネレータの放射能崩壊曲線を示す図である。
【図3】Tc−99m同位体イオンの連続溶出後のMo−99/Tc−99mジェネレータ内のTc−99mの崩壊曲線を示す図である。
【図4】ゲル系Mo−99ジェネレータ用のマルチジェネレータ溶出システムを示す図である。
【図5】図4の溶出システムの代替を示す図である。
【図6】アルミナ系Mo−99ジェネレータ用のマルチジェネレータ溶出システムを示す図である。
【図7】図6の溶出システムの代替を示す図である。
【図8】本発明のマルチジェネレータ溶出システムの一部としてのカセット系マニホルドを示す図である。
【図9】本発明の方法を示すフローチャートである。
【図10】本発明のマルチジェネレータ溶出システムに供給情報を供給する、本発明のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画面例を示す図である。
【図11】マルチジェネレータ溶出システム用の溶出管理システムのGUIの画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、より高い放射能濃度を必要とする「コールドキット」を用いて還元するため、大量溶出からの溶出液を濃縮する。一実施形態では、本発明はTc−99mを濃縮するシステムを提供する。本発明は、特に溶出液のQC試験を用いて、ワークフロー効率を達成するためにより大規模な放射線薬学における溶出液を濃縮することができ、また、マルチジェネレータを個々に溶出するのに掛かる時間を排除する。それに加えて、本発明は、収率が低く、従って溶出液の放射能濃度が低くなるために使用されない傾向がある、満期に近付いているジェネレータを満期まで更に十分に利用できるようにして、コスト削減を達成する。本発明は、需要を供給とより良好に一致させるソフトウェアを組み込み、従って、コスト削減を達成すると共に無駄と損失を最小限に抑える。本発明は、有機溶媒を使用する必要性を軽減し、従って無駄と危険な有機溶媒の使用とを排除する。
【0022】
本発明は、複数の親娘ジェネレータを使用するマルチジェネレータ溶出システムを提供し、ジェネレータそれぞれにおける親娘同位体の核内増殖関係を追跡する、溶出されたジェネレータの出力を濃縮する。これら3つの概念全てを併せて、適用及び使用効率の両方において、比放射能が低いジェネレータに関する本質的な課題を解決する。
【0023】
マルチジェネレータ溶出システムは、望ましくは、鉛の壁で囲われたホットセルなどの放射線遮蔽エンクロージャ内に取り囲まれる。本発明は単一のジェネレータからの溶出を管理するように働くが、好ましい実施形態では、マルチジェネレータが管理される。本発明の一実施形態は、天然モリブデン(n,γMo−99)の中性子放射化から得られるMo−99を利用する、多数のMo−99チタン/Tc−99mチタン[Mo−99]モリブデン酸ゲルジェネレータを利用する。Mo−99/Tc−99m親娘ジェネレータからの溶出の管理について特定して言及しているが、本発明は、他の娘同位体又は娘核種を溶出するのに他のタイプのジェネレータが用いられてもよいことを想到する。
【0024】
従って、本発明の一実施形態では、鉛遮蔽エンクロージャは1つ以上のMo−99/Tc−99mジェネレータを含む。ジェネレータは、ジェネレータの任意の組合せを1以上の濃縮カラムに溶出させることができる、流路システムを介して互いに接続される。Tc−99mの場合、濃縮カラムは陰イオンカラムである。続いて、濃縮Tc−99mは、放射線薬学で使用できる状態にある要求された放射能濃度で、濃縮カラムを収集バイアルに溶出される。制御システムは、需要、利用可能な供給、及び今後の需要に基づいて、ジェネレータの最も効率的な組合せを選択する。
【0025】
放射能の利用可能な供給と、放射能に関する現在及び今後の需要の両方は、ジェネレータ自体から、又は放射線薬学の企業資源計画(ERP)システムからそれぞれ、受信部及び制御システムに手動で入力されるか又は電子的に転送されてもよい。例えば、ジェネレータ自体から転送されるデータは、バーコードなどのジェネレータ上のラベルから電子的に読取り又はスキャンすることができる。「供給データ」とも呼ばれるジェネレータに関するかかるデータは、日付及び放射能の両方を提供する、ジェネレータの校正データを含むことができる。それに加えて、供給データは、ジェネレータが使用可能な日時及び第1の溶出設定の日付を含むことが想到される。同様に、必要な放射能及びかかる放射能がシステムによって求められる時間を含むデータは、手動又は電子的のどちらかで制御システムに入力してもよい。本発明では、データ受信部が需要データの手動及び/又は電子的な入力向けに構成されることが想到される。
【0026】
供給データを使用して、制御システムは、望ましくは設定間隔で、例えば30分ごとに、各ジェネレータの利用可能な放射能を計算し、それを操作者に表示することができる。需要データは、望ましくは、供給データと同じ時間間隔にわたって同様に表示される。制御システムは、利用可能なジェネレータのうちどれを所与の時間に溶出させるかを選択して、可能な限り最も効率的な形で需要データを満たし、結果として各ジェネレータの耐用寿命を最大限にすると共に無駄を最小限に抑える、最良に適合する溶出プロファイル又はスケジュールを計算するコンピュータを含む。制御システムは、望ましくは、需要データ及び複数のジェネレータの放射能レベルの一般化勾配減少アルゴリズム分析を行って、無駄を最小限に抑えるのに最適な溶出スケジュールを決定するようにプログラムされる。或いは、本発明は、制御システムが、複数のジェネレータからの様々な溶出スケジュールのシミュレーションを実行し、溶出スケジュールを選択して、需要データを満たす際の娘核種の無駄な量を最低限にすることを想到する。溶出スケジュールは操作者にも供給される。
【0027】
望ましくは、溶出スケジュールは、操作者に対して、所与の時間に溶出するのに異なるジェネレータを代わりにスケジューリングすることによって、計算された最適化溶出スケジュールのオーバーライディングという選択肢を与えるGUIで表示される。操作者が溶出スケジュールを修正することを決定すると、制御システムは、溶出スケジュールを再計算し、各ジェネレータに関する時間に伴う更新済みの放射能の利用可能性、並びにジェネレータそれぞれからの溶出のスケジューリングされた時間の両方を表示する。更新済みの溶出スケジュールが操作者にとって申し分がない場合、スケジュールに従って選択されたジェネレータを溶出する溶出命令に従う。このようにして、本発明は、ジェネレータからの溶出を監視し管理する「オペレータ・イン・ザ・ループ」の選択肢を提供し、操作者による計算されたスケジュールのオーバーライディングを可能にする。或いは、本発明は、操作者が介入する必要なしに動作することができ、従って、操作者の入力なしでスケジュールされた溶出を自動的に行うことができ、それによって操作者が他の薬学的作業に気を配ることができる。
【0028】
溶出指示は、選択されたジェネレータの溶出を電子的に制御するのに使用される。ジェネレータが溶出されるのに従って、制御システムは内成長計算を更新し、必要であれば溶出スケジュールを更新する。本発明は、操作者又はシステムのどちらかが、選択されたジェネレータが実際に溶出されたことを確認する段階を行うことを想到する。
【0029】
溶出スケジュールを取り込むのに使用される計算は、望ましくは、親核種の半減期及び崩壊方程式、娘核種の半減期及び崩壊方程式、溶出の収量効率、並びに親核種の崩壊に利用可能な溶出の分率など、既知の定数を考慮に入れる。それに加えて、制御システムは、親娘に対する均衡方程式及びジェネレータの満了時間を考慮する。ほとんどのジェネレータは、製薬の満期要件である2週間の寿命を有するが、親同位体が長い半減期、例えばSr−90/Y−90を有する場合、それよりもはるかに長い可能性がある。
【0030】
本発明は、技術面及び経済面の両方で多数の利点を提供する。本発明は、従って、各溶出工程ごとに選択されたジェネレータから溶出された放射能の濃縮装置として機能することができる。これは、ジェネレータの効率的な利用を可能にするだけではなく、満期に近付いているジェネレータを併せて濃縮するので、それらを互いに組合せてまだ利用することを可能にする。自動操作は、製薬作業者が暴露される放射線量を低減することができる。労働能率も実現される。例えば、4つのジェネレータが個々に溶出される場合、4つの別個の品質管理試験が必要である。本発明は、個々の溶出を濃縮することによって、濃縮された溶出に対して単一の品質管理試験を行うことを可能にして、より多量の放射能を臨床用途向けに収集バイアル内で保持することができる。
【0031】
本発明は、ゲルジェネレータが核分裂ジェネレータの相対的な比放射能よりも低いのにも関わらず、それらの使用を商用の実行可能な選択肢とする。本発明のマルチジェネレータ溶出システム(MGES)は、上述のゲル系ジェネレータシステムの不利な点を排除することを意図する。それに加えて、ゲルジェネレータの使用によって、従来の供給源による目減り又は不足の間、同位体供給の管理が改善される。
【0032】
システムは、望ましくは、2つ以上のゲルジェネレータを収容する遮蔽区域を含む。これらのジェネレータは個別の弁マニホルドに接続され、それは、適切な時間に選択された1以上のジェネレータを溶出して計画された需要を満たすように、制御システムによって選択することができる。Tc−99mは、1つ以上の選択されたジェネレータに溶出剤を通すことによって溶出される。Tc−99mはアルミナ濃縮カラムに収集される。1以上のジェネレータからの収集が完了すると、制御システムは、溶出剤を用いて濃縮カラムを溶出して業界標準の遮蔽収集バイアルに入れる。溶出剤は、リザーバから、又はジェネレータを溶出するのに現在使用されている個々の食塩水バイアルから取り出すことができる。
【0033】
流路、濃縮カラム、及び収集バイアル設備は全て、望ましくは、ホットセルによって遮蔽されて操作者に対する放射線保護をもたらす。個々の構成要素の遮蔽はまた、放射線遮蔽ホットセル内で提供されてもよい。
【0034】
Tc−99m溶出を濃縮する様々な方法が実証されてきた。親娘同位体の内成長関係を決定する計算は広く知られているが、複雑なためあまり使用されない。n,γMo−99をゲルジェネレータシステム及び他のジェネレータシステムに使用することも知られている。本発明は、これら3つの概念全てを、複数のジェネレータに対する供給データ、利用可能な放射能、及び需要データを管理する単一の溶出システムに持ち込み、適用及び使用効率の両方において、比放射能が低いジェネレータに関する本質的な課題を解決する。
【0035】
本発明は、モリブデン酸ジルコニウム又はチタンのゲルジェネレータシステムで機能する。修正によって、(詳述されるような)本発明はアルミナ系システムでも機能する。従って、アルミナ系システムと連携するため、追加のカラム及び流路が必要となる。
【0036】
モリブデン酸チタンゲルジェネレータ設計の概念が証明されてきた。ゲルは、照射した天然モリブデン金属から照射後に生成される。確立された方法は、予成形ゲル又は三酸化モリブデンを照射することを含む。金属を照射することによって、収率、安全性、及び処理効率という利点が提供される。
【0037】
次に、図1を参照すると、本発明のマルチジェネレータ溶出システムに組み込まれた従来技術の親娘ジェネレータ110は、より寿命の短い娘核種へと崩壊する長寿命の親核種を含む。親及び娘核種は同位体ではないので、娘核種を化学的に隔離することができる。溶出剤は、親及び娘核種を含有するカラムを通して方向付けられるが、娘核種のみをカラムからの溶出液として運び去る。溶出後、親核種(ジェネレータに残っている)が崩壊して、娘核種の新たな供給がもたらされる。従って、ジェネレータは、親の放射能を消耗するまで、必要に応じて娘核種を新たに供給することができる。
【0038】
ジェネレータ110は、鉛などの放射線遮蔽材料から形成されるジェネレータ本体112を含む。ジェネレータ本体112は、親核種を保持するカラム116を含有するカラムキャビティ114を画定する。ジェネレータ本体112は、カラムキャビティ114と溶出剤キャビティ122との間を流体連通して延在する細長い溶出剤チャネル118、及び溶出剤キャビティ122と収集キャビティ124との間を流体連通して延在する細長い溶出液チャネル120を画定する。カラム116は、親核種が結合するが、そこから中の娘核種を溶出させてもよい媒体126を含む。溶出剤キャビティ122は溶出剤バイアル130を支持し、収集キャビティ124は中にある収集バイアル132を支持する。溶出剤導管134は、溶出剤をバイアル130内からカラム116へと送達するため、溶出剤バイアル130とカラム116との間を流体連通して延在する。各端部において、溶出剤導管134は、バイアル130及びカラム116の隔壁をそれぞれ穿刺する、細長い針125a及び125bで終端する。溶出液導管136は、溶出液をカラム116からバイアル132へと送達するため、カラム116から収集バイアル132まで延在する。各端部において、溶出液導管136は、バイアル132及びカラム116の隔壁をそれぞれ穿刺する、細長い針129a及び129bで終端する。一般的に、収集バイアル132は排気バイアルなので、バイアル内の低圧によって溶出剤流体が溶出剤バイアル130からカラム116を通してその中へと取り出される。個別の給気導管140は、溶出剤バイアル130から溶出剤を排出するのを支援するため、溶出剤バイアル116と給気フィルタ142との間を流体連通して延在する。一般的には、収集バイアル132はそれ自体の放射線遮蔽144内に収容されるので、遮蔽144を収集キャビティ124から除去するのに伴って、充填済みになった収集バイアル132が、更なる処理のために収集された溶出液を薬剤師が取り出してもよい場所に運ばれる。
【0039】
一実施形態では、カラム116は、崩壊して、収着剤として酸性アルミナを含むTc−99mとなる、Mo−99を含有する。そのため、カラム116は酸性アルミナカラムであるが、上述したように、他のタイプのカラムも使用されてもよい。本発明は、複数のジェネレータ110を組み込むことを想到する。以下に示すように、本発明は更に、収集バイアルを、共通の収集バイアルにつながる導管を備えた各ジェネレータと交換することを想到する。それに加えて、本発明は、それ自体の溶出剤バイアル130を有する各ジェネレータの代わりに、必要に応じてあらゆるジェネレータ全てに方向付けられてもよい、共通の溶出剤源が設けられてもよいことを想到する。例えば、カラム116がMo−99を含む酸性アルミナカラムであるとき、溶出剤バイアル130は、カラムからTc−99m核種を溶出する食塩水源を提供してもよい。或いは、例えばゲルジェネレータの場合、注射用水源が溶出剤として提供されてもよい。
【0040】
本発明は、本発明によって使用されるジェネレータが核分裂又はn,γジェネレータのどちらかであってもよいことを想到する。例えば、Lantheus Medical Imaging社(331 Treble Cove Rd.,N.Billerica,MA 01862、USA)から市販のTechneLite(登録商標)(テクネチウムTc−99mジェネレータ)を使用してもよい。TechneLiteジェネレータは、乾燥ジェネレータとして知られているものであり、つまり、システムを溶出する外部食塩水源を有する。ほとんどのジェネレータはこの方式である傾向にある。他の核分裂系ジェネレータと同様に、TechneLiteジェネレータは、酸性アルミナカラムに基づいて、Mo−99の格納とそれに続く娘同位体Tc−99mの分離を容易にしている。同様に、ジェネレータ110は、Ultra−Technekow(商標)DTE(Coviden(Mallinckrodt社,2703 Wagner Place,Maryland Heights,MO 63043,USA)から市販のテクネチウムTc−99mジェネレータ)を備えてもよい。Ultra−TechnekowはTechneLiteユニットに非常に類似している。更に或いは、DryTec(登録商標)(テクネチウムTc−99mジェネレータ)が本発明と共に使用されてもよい。DryTecジェネレータは、GE Healthcare社(The Grove Centre,White Lion Road,Little Chalfont,Buckinghamshire HP7 9LL,UK)から市販されており、上記に列挙した他の核分裂ジェネレータに類似している。
【0041】
更に、ジェネレータ110は、n,γ又はゲルジェネレータであってもよい。1つのゲルジェネレータは、インド原子力エネルギー省(BRIT/BARC Vashi Complex,Sector−20 Vashi,Navi Mumbai−400 705,India)から市販のTc−99mゲルテック(Geltech)ジェネレータである。99mTc用のゲルテックジェネレータは、一次のモリブデン酸ジルコニウム99Moゲルカラム及び二次の浄化酸性アルミナカラムから構成される二重カラムシステムである。これらのタイプのジェネレータは、核分裂タイプのジェネレータとは構造的に異なるが、やはり同様の形で、塩性溶出剤を使用して過テクネチウム酸ナトリウムを生成するように機能する。ゲルジェネレータは真の意味でクロマトグラフィ的ではないが、「溶出剤」という用語は、本明細書ではジェネレータ内へと方向付けられる流体を説明するのに使用され、「溶出液」という用語は、本明細書では娘核種を含むゲルジェネレータを出る流体を説明するのに使用される。
【0042】
図2は、Mo−99/Tc−99mジェネレータの放射能崩壊曲線を示す。図3は、ジェネレータが有用でなくなる地点に達するまで、時間と共に利用可能な放射能がどのように崩壊するかを示す。図3はまた、Tc−90m同位体イオンの連続溶出後のMo−99/Tc−99mジェネレータ内のTc−99mの崩壊曲線を示す。線Aは、親核種Mo−99の全体的な崩壊を示し、線B〜Dは、ジェネレータのカラムに何も残らないように娘核種がその時点で溶出される近似最大値までの、娘核種Tc−99mの核内増殖を示す。親核種は崩壊し続けて娘核種になるので、娘核種の利用可能な放射能の時間に伴う増加が示される。式1は、前回の溶出の時点で存在するMo−99放射能A01が分かっているときの、前回の溶出後の任意の時点(t)でジェネレータ内に存在する理論上のTc−99m放射能(A2)について記述する均衡方程式である。
【0043】
【数1】
式中、λ1はMo−99の崩壊定数、λ2はTc−99mの崩壊定数である。本発明は、放射能の需要を、ジェネレータそれぞれの放射能の計算された利用可能性とリンクする。
【0044】
図4は、本発明のマルチジェネレータ溶出システム200を示す。マルチジェネレータ溶出システム200は、複数のジェネレータ110を組み込んでいる。ジェネレータ110は、望ましくは、個々の弁がそれに対応する個々のジェネレータと選択可能に流体連通するようにして、弁及び導管を含むマニホルド(図示なし)に接続される。望ましくは、マニホルドは、溶出剤をシステム300に引き込む低圧源又は真空源に接続される。マニホルドは、ジェネレータの溶出液出力を濃縮カラム212へと方向付ける。溶出剤は、第1の溶出剤源214からジェネレータ110の選択されたものへと方向付けられ、選択されたジェネレータから結果として得られる溶出液は全てカラム212に方向付けられる。濃縮カラム212は、ジェネレータからの娘核種を中に捕捉する。第2の溶出剤源216からの第2の溶出剤は、濃縮カラム212を通って、娘核種を収集バイアル218へと溶出するように方向付けられる。ジェネレータ110、カラム212、溶出剤源214及び216、並びに収集バイアルは、望ましくは、操作者の暴露を制限するように、放射線遮蔽ホットセル222のキャビティ224内に配置される。
【0045】
システム200は、制御システム226及び受信部228を含む。受信部228及び制御システム226は、単一のコンピュータシステムの一部として提供されてもよい。受信部228は、供給データ及び需要データの両方を受け取り、それを制御システム226が使用して、図9〜12に関して記載するように、ジェネレータ110の溶出スケジュールを作成することができる。供給データによって、既知の開始放射能及び日付、ジェネレータが利用可能になった日時、並びに第1の溶出のオフセットの日時を含む、校正データに基づいて、ジェネレータ110それぞれからの利用可能な放射能の量を計算することが可能になる。需要データは、必要とされる放射能の量及び時点に関する。需要データは、SAP又はSlimlineなどのERPモジュール231から受信部228に自動的に入力されてもよく、或いは手動で受信部228に入力されてもよい。制御システム226は、望ましくは、利用可能な放射能に対する需要データに一致させて、無駄を最小限の量に抑えて溶出される娘核種を最大限にするように、どのジェネレータをいつ溶出するかを決定することによって、溶出スケジュールを計算する。次に、制御システム226は、望ましくは、溶出を実施するホットセル222内に位置する作動システム235に対する命令をダウンロードする。本発明は更に、制御システム226が或いは、作動システム235とは別個に、又は両方の機能を行う単一体のコンピュータ化システムとして、ホットセル222内に設けられてもよいことを想到する。
【0046】
限定ではなく例示として、この構成では、ジェネレータ110はMo−99/Tc−99mジェネレータ(モリブデン酸チタン[99Mo])ゲルジェネレータである。第1の溶出剤源214は、望ましくは、娘核種Tc−99mをジェネレータから溶出する第1の溶出剤として弱酸を供給するが、注射用滅菌水などの高純水もゲルジェネレータを溶出するのに使用されてもよい。濃縮カラム212は、ジェネレータ110からの溶出液中の過テクネチウム酸を捕捉するアルミナ収着剤を含む。第2の溶出剤源216は、カラム212から過テクネチウム酸を溶出し、収集バイアル218に収集するための食塩水を供給する。次に、過テクネチウム酸ナトリウムをコールドキットと共に使用して、放射性トレーサに標識付けしてもよい。
【0047】
本発明を用いて、ジェネレータの任意の組合せを溶出し、溶出されたジェネレータからの放射能をカラム212に収集してもよい。最終的な放射能濃度は、非常に少量で溶出することができる、濃縮カラム212の溶出によって決定する。それに加えて、放射能を複数のジェネレータから収集し濃縮することができるので、ジェネレータは満期まで継続的に使用されてもよい。
【0048】
次に図5を参照すると、マルチジェネレータ溶出システム200の代替表現が示される。図5では、弁マニホルド250と接続された5つのゲルジェネレータ110a〜eが示される。マニホルド250は、望ましくは、GE Healthcare(Liege,BE)から市販のFASTlab(商標)カセットに使用される線形に配列されたストップコックマニホルドに基づく。マニホルド250は、16個の3方向/3位置ストップコック弁1〜17を含む。弁1〜17はそれぞれ、隣接したマニホルド弁及びそれらの間に位置する個々のルアーに対する3つの開放ポートを含む。各弁は、3つの関連するポートのうち任意の2つを互いに流体連通させる一方で第3のポートを流体隔離する回転可能なストップコックを含む。本発明は更に、弁を横切って3つのポート全てを流体連通させることもできるように、ストップコックがT字形の内部通路を中に含むことができることを想到するが、かかる実施形態は、連続する流体流の間に汚染が起こるのを防ぐため、追加のすすぎを必要とする可能性がある、デッドスペースをもたらす。マニホルド250は、その対向する端部において、真空ポート18a及び19aをそれぞれ画定する、第1及び第2のソケットコネクタ18及び19を更に含む。マニホルド250及び弁1〜17のストップコック、並びに後述する導管は、望ましくはポリマー材料から、例えばPP、PE、ポリスルホン、Ultem、又はPEEKから形成される。図8に示されるように、マニホルドは、望ましくは、25個の3方向/3位置ストップコック弁を含むが、実際の弁の数は、ユーザの要求を満たすように拡張可能である。未使用の弁は、単に、ルアー継手によって覆われたそれらのルアー接続とそれらのストップコックとを有して、隣接した弁間のフローに対して流体連通をもたらしてもよい。
【0049】
本明細書に記載される弁の接続はそれぞれ、そのルアーコネクタによって画定されるポートで作られる。図5に示されるように、弁1は、そのルアー接続においてフィルタ付きベント251を支持する。弁2は、細長い導管252によって第1の溶出剤源214に接続される。第1の溶出剤源214は、ジェネレータ110〜eから娘核種を溶出する溶出剤を供給する。第1の溶出剤源214は、望ましくは、フィルタ付きベント233とも流体連通して接続されて、導管252を通して溶出剤を弁2に向かって流出させるのを支援する。弁3は、細長い導管254によって第2のマニホルド256に接続されて、ジェネレータ110a〜eの溶出剤チャネル118への開放接続をもたらす。つまり、本発明は、望ましくは、ジェネレータそれぞれを溶出する単一の溶出剤源を提供するが、本発明は、図1に示されるように、各ジェネレータがそれ自体の溶出剤源を有しても良いことも想到する。ジェネレータ110a〜eの溶出液チャネル120はそれぞれ、細長い導管260a〜eによってマニホルド250に後方接続される。導管260a〜eはそれぞれ、ジェネレータ110a〜eの個々の溶出液チャネル120間で弁4〜8まで延在する。
【0050】
弁9は、ジェネレータからの溶出液がカラム212に方向付けられてもよいように、細長い導管262によって濃縮カラム212の入力ポートに接続される。弁10は、細長い導管264によって第2の溶出剤源216に接続される。第2の溶出剤源216は、カラム212から娘核種を溶出する溶出剤を供給する。第2の溶出剤源216は、望ましくは、フィルタ付きベント263とも流体連通して接続されて、導管262を通して第2の溶出剤を弁9に向かって流出させるのを支援する。弁11及び12は、弁10及び13の間で流体流をもたらすように向き付けられた、ルアー継手及びそれらのストップコックによって覆われる。弁13は、中の製品流体を方向付けることができるように、細長い導管266によって収集バイアル218の入力ポート268に接続される。弁14は、細長い導管270によって、廃棄物バイアル219の入力ポート272に接続される。弁15は、カラム212が望ましくは弁15に直接接続するようにして、カラム212の出力ポートに接続される。弁16は、細長い導管274によって、廃棄物バイアル215の出力ポート275に接続される。弁17は、細長い導管276によって、収集バイアル218の出力ポート278に接続される。
【0051】
次にサンプル溶出について記載する。ジェネレータ110a及び110cからの放射能の溶出を必要とする溶出スケジュールは計算されている。ポート19aで真空(即ち、十分な低圧)を適用することによって、第1の溶出剤が第1の供給源214から引き出される。弁1〜17は、第1の溶出剤が弁2及び3並びに導管254を通してマニホルド256に流れ込むように設定される。最初に、弁5〜8は、ジェネレータ110aからの溶出液流が導管260aを通って弁9へと流れることができるように設定される。弁9は、溶出液が導管262を通してカラム212の入口ポートに流れるように方向付ける。溶出液は、カラム212から弁15を通して引き出されて弁14へと、また廃棄物バイアル219内へと流れ込む。廃棄物バイアル219の容積は、液体を全て収集し、ひいてはカラム212から送達するのに十分な容積である。次に、弁4のストップコックを回転させてジェネレータ110aを隔離し、弁6のストップコックを回転させて、第1の溶出剤が第2のマニホルド256からジェネレータ110cに流れ込むようにする。次に、ジェネレータ110cからの溶出液は、弁6〜8を通して弁9へと方向付けられる。弁9は、溶出液が導管262を通してカラム212の入口ポートに流れるように方向付ける。溶出液は、カラム212から弁15を通して引き出されて弁14へと、また廃棄物バイアル219内へと流れ込む。このようにして、ジェネレータ110a及び110cからの娘核種は濃縮カラム212に収集されている。
【0052】
カラム212から娘核種を溶出するため、弁10は、ポート19aで吸引した状態で、第2の溶出剤を供給源264から導管264を通して弁9に向かって方向付けるように設定される。第2の溶出剤は、導管262を通して、カラム212の入口ポートを通して、且つカラム212を通して引き出される。カラム212を出て弁15に入る際、カラム212溶出液は、収集バイアル218内へと分配される娘核種を含有する。この溶出液は、弁13へ、また導管266を通してバイアル218内へと方向付けられ、ポート19aからの吸引は弁17及び導管276を通して適用される。次に、バイアル218は、娘核種を薬剤師による更なる処理に供給するため、除去されるか又は引き出されてもよい。従って、後に続くジェネレータからの分配は、同じ収集バイアルに方向付けられてもよく、或いは、制御システム226は、需要データの要件を満たすため、ジェネレータ110a〜eから分配するあらゆる残りの放射能をその計算に含めているので、前回の分配からの未使用の溶出液と別の方法で組み合わされてもよい。
【0053】
マニホルド250は、望ましくは、弁のストップコックの向きを係合し設定すると共に、マニホルドを通してバイアル内へと流体を引き出す低圧吸引又は真空をもたらす、作動システム235に取り付けられて形成される。作動システム235は、弁1〜17のストップコックそれぞれを係合し、溶出操作全体を通してそれぞれを所望の向きで位置付けることができる、回転可能なアームを含む。作動システム235はまた、ポート18a及び19aの1つを液密接続でそれぞれ係合して、本発明に従ってマニホルドに対する低圧源又は真空源を提供する、一対のコックを含む。望ましくは、マニホルド250は、弁を操作し真空を適用するようにプログラムされているFASTlab(商標)(GE Healthcare(Liege,BE)から市販)合成デバイスに取付け可能である。FASTlab合成装置は、ホットセル環境で動作するように既に設計されているので、システム200の作動デバイスとして理想的に適応する。作動システム235は、計算された溶出スケジュールに従って制御システム226によって作用するように指示される。
【0054】
図6及び7は、アルミナ系Mo−99ジェネレータ110のマルチジェネレータ溶出システム300を示す。マルチジェネレータ溶出システム300は、複数のジェネレータ110を組み込んでいる。この実施形態では、ジェネレータ110は、Mo−99/Tc−99mアルミナジェネレータ(即ち、アルミナをジェネレータのカラムに組み込む)である。ジェネレータ110は、望ましくは、個々の弁がそれに対応する個々のジェネレータと選択可能に流体連通するようにして、弁及び導管を含むマニホルド(図示なし)に接続される。マニホルドは、ジェネレータの溶出液出力を陽イオンカラム315に方向付ける。ジェネレータ溶出液は、陽イオンカラム315を通って流れ、次に濃縮カラム312に流れ込む。望ましくは、マニホルドは、溶出剤をシステム300に引き込む真空源に接続される。陽イオンカラムは、娘核種を捕捉するのには使用されないが、濃縮カラムに悪影響を与える競合イオンを除去する適切な媒体を含有する。従って、システム300では、溶出剤は第1の溶出剤源314からジェネレータ110の選択されたものに方向付けられ、選択されたジェネレータから結果として得られる溶出液は全てカラム315を通してカラム312へと方向付けられる。濃縮カラム312は、ジェネレータからの娘核種を中に捕捉する。第2の溶出剤源316からの第2の溶出剤は、濃縮カラム312を通って、娘核種を収集バイアル318へと溶出するように方向付けられる。ジェネレータ110、カラム312、溶出剤源314及び316、並びに収集バイアルは、望ましくは、操作者の暴露を制限するように、放射線遮蔽ホットセル322のキャビティ324内に配置される。
【0055】
システム300は、制御システム326及び受信部328を含む。受信部328及び制御システム326は、単一のコンピュータシステムの一部として提供されてもよい。受信部328は、供給データ及び需要データの両方を受け取り、それを制御システム226が使用して、図9及び10に関して記載するように、ジェネレータ110の溶出スケジュールを作成することができる。供給データによって、既知の開始放射能及び日付、ジェネレータが利用可能になった日時、並びに第1の溶出のオフセットの日時を含む、校正データに基づいて、ジェネレータ110それぞれからの利用可能な放射能の量を計算することが可能になる。需要データは、必要とされる放射能の量及び時点に関する。需要データは、SAP又はSlimlineなどのERPモジュール331から受信部328に自動的に入力されてもよく、或いは操作者によって手動で受信部328に入力されてもよい。制御システム326は、望ましくは、利用可能な放射能に対する需要データに一致させて、無駄を最小限に抑えて溶出される娘核種を最大限にするように、どのジェネレータをいつ溶出するかを決定することによって、溶出スケジュールを計算する。次に、制御システム326は、望ましくは、溶出を実施するホットセル322内に位置する作動システム335に対する命令をダウンロードする。本発明は更に、制御システム326が或いは、作動システム335とは別個に、又は両方の機能を行う単一体のコンピュータ化システムとして、ホットセル322内に設けられてもよいことを想到する。
【0056】
この構成では、第1の溶出剤源314は、望ましくは、娘核種Tc−99mをジェネレータから溶出する第1の溶出剤として、酸性塩又は弱酸、一般的には食塩水を供給する。第1の溶出剤が食塩水なので、濃縮カラム312での濃縮が可能になるように、最初に陽イオンカラム315を使用して、ナトリウムイオンが除去される。濃縮カラム312は、ジェネレータ110からの溶出液中の過テクネチウム酸を捕捉するアルミナ収着剤を含む。第2の溶出剤源316は、カラム312から過テクネチウム酸ナトリウムを溶出し、収集バイアル318に収集するための食塩水を供給する。次に、過テクネチウム酸ナトリウムをコールドキットと共に使用して、放射性トレーサに標識付けしてもよい。
【0057】
本発明を用いて、ジェネレータの任意の組合せを溶出し、溶出されたジェネレータからの放射能をカラム315に通してカラム312に収集してもよい。2カラムの方法によって、核分裂Mo−99及びアルミナ技術に基づくジェネレータは、本発明の濃縮装置システムの効率を利用することが可能になる。最終的な放射能濃度は、非常に少量で溶出することができる、濃縮カラム312の溶出によって決定する。それに加えて、放射能を複数のジェネレータから収集し濃縮することができるので、ジェネレータは満期まで継続的に使用されてもよい。
【0058】
次に図7を参照すると、マルチジェネレータ溶出システム300の代替表現が示される。図7では、弁マニホルド350と接続された5つのゲルジェネレータ110a〜3が示される。マニホルド350は、望ましくは、GE Healthcare(Liege,BE)から市販のFASTlab(商標)カセットに使用される線形に配列されたストップコックマニホルドに基づく。マニホルド350は、16個の3方向/3位置ストップコック弁1〜17を含む。弁1〜17はそれぞれ、隣接したマニホルド弁及びそれらの上に位置する個々のルアーに対する3つの開放ポートを含み、ルアーポートは対向する他のポートの間に位置する。各弁は、3つの関連するポートのうち任意の2つを互いに流体連通させる一方で第3のポートを流体隔離する回転可能なストップコックを含む。本発明は更に、弁を横切って3つのポート全てを流体連通させることもできるように、ストップコックがT字形の内部通路を中に含むことができることを想到するが、かかる実施形態は、連続する流体流の間に汚染が起こるのを防ぐため、追加のすすぎを必要とする可能性がある、デッドスペースをもたらす。マニホルド350は、その対向する端部において、真空ポート18a及び19aをそれぞれ画定する、第1及び第2のソケットコネクタ18及び19を更に含む。マニホルド350及び弁1〜17のストップコック、並びに後述する導管は、望ましくはポリマー材料から、例えばPP、PE、ポリスルホン、Ultem、又はPEEKから形成される。図8に示されるように、マニホルドは、望ましくは、25個の3方向/3位置ストップコック弁を含むが、実際の弁の数は、ユーザの要求を満たすように拡張可能である。未使用の弁は、単に、ルアー継手によって覆われたそれらのルアー接続とそれらのストップコックとを有して、隣接した弁間のフローに対して流体連通をもたらしてもよい。
【0059】
本明細書に記載される弁の接続はそれぞれ、そのルアーコネクタによって画定されるポートで作られる。図8に示されるように、弁1は、そのルアー接続においてフィルタ付きベント351を支持する。弁2は、細長い導管352によって第1の溶出剤源314に接続される。第1の溶出剤源314は、ジェネレータ110〜eから娘核種を溶出する溶出剤を供給する。第1の溶出剤源314は、望ましくは、フィルタ付きベント333とも流体連通して接続されて、導管352を通して溶出剤を弁2に向かって流出させるのを支援する。弁3は、細長い導管354によって第2のマニホルド356に接続されて、ジェネレータ110a〜eの溶出剤チャネル118への開放接続をもたらす。つまり、本発明は、望ましくは、ジェネレータそれぞれを溶出する単一の溶出剤源を提供するが、本発明は、図1に示されるように、各ジェネレータがそれ自体の溶出剤源を有しても良いことも想到する。ジェネレータ110a〜eの溶出液チャネル120はそれぞれ、細長い導管360a〜eによってマニホルド350に後方接続される。導管360a〜eはそれぞれ、ジェネレータ110a〜eの個々の溶出液チャネル120間で弁4〜8まで延在する。
【0060】
弁9は、細長い導管362によって陽イオンカラム315の入口ポートに接続される。陽イオンカラム315は、濃縮に先立って、競合するイオンをジェネレータからの溶出液から除去するのに役立つ。弁10は、細長い導管364によって第2の溶出剤源316に接続される。第2の溶出剤源316は、カラム312から娘核種を溶出する溶出剤を供給する。第2の溶出剤源316は、望ましくは、フィルタ付きベント363とも流体連通して接続されて、導管362を通して第2の溶出剤を弁9に向かって流出させるのを支援する。弁11は、陽イオンカラム315の出力ポートに接続される。弁12は、細長い導管365によって濃縮カラム312の入口ポートに接続される。
【0061】
弁13は、細長い導管370によって廃棄物バイアル319の入口ポート372に接続される。弁14は、中の製品流体を方向付けることができるように、細長い導管366によって収集バイアル318の入力ポート368に接続される。弁15は、カラム312が望ましくは弁15に直接接続するようにして、カラム312の出力ポートに接続される。弁16は、細長い導管374によって、廃棄物バイアル315の出力ポート375に接続される。弁17は、細長い導管376によって、収集バイアル318の出力ポート378に接続される。
【0062】
次にサンプル溶出について記載する。ジェネレータ110a及び110cからの放射能の溶出を必要とする溶出スケジュールは計算されている。ポート19aで真空(即ち、十分な低圧)を適用することによって、第1の溶出剤が第1の供給源314から引き出される。弁1〜17は、第1の溶出剤が弁2及び3並びに導管354を通してマニホルド356に流れ込むように設定される。最初に、弁5〜8は、ジェネレータ110aからの溶出液流が導管360aを通って弁9へと流れることができるように設定される。弁9は、溶出液が導管362を通して陽イオンカラム315の入口ポートに流れるように方向付ける。溶出液は、カラム315から弁12を通して引き出されて、濃縮カラム312の入口ポートに入る細長い導管265へと流れ込む。廃棄物は、カラム312を通り、弁15を通って弁13まで、また廃棄物バイアル319内へと流れ込み続ける。廃棄物バイアル319の容積は、液体を全て収集し、ひいてはカラム315から送達するのに十分な容積である。次に、弁4のストップコックを回転させてジェネレータ110aを隔離し、弁6のストップコックを回転させて、第1の溶出剤が第2のマニホルド356からジェネレータ110cに流れ込むようにする。次に、ジェネレータ110cからの溶出液は、弁6〜8を通して弁9へと方向付けられる。弁9は、溶出液が導管362を通してカラム315の入口ポートに流れるように方向付ける。溶出液は、カラム315から弁12を通して引き出されて、濃縮カラム312の入口ポートに入る細長い導管265へと流れ込む。廃棄物は、カラム312を通り、弁15を通って弁13まで、また廃棄物バイアル319内へと流れ込み続ける。このようにして、ジェネレータ110a及び110cからの娘核種は濃縮カラム312に収集されている。
【0063】
カラム312から娘核種を溶出するため、弁10は、ポート19aで吸引した状態で、第2の溶出剤を供給源316から導管364を通して弁12に向かって方向付けるように設定される。第2の溶出剤は、導管365を通して、カラム312の入口ポートを通して、且つカラム312を通して引き出される。カラム312を出て弁115に入る際、カラム312溶出液は、収集バイアル318内へと分配される娘核種を含有する。この溶出液は、弁14へ、また導管366を通してバイアル318内へと方向付けられ、ポート19aからの吸引は弁17及び導管376を通して適用される。次に、バイアル318は、娘核種を薬剤師による更なる処理に供給するため、除去されるか又は引き出されてもよい。従って、後に続くジェネレータからの分配は、同じ収集バイアルに方向付けられてもよく、或いは、制御システム326は、需要データの要件を満たすため、ジェネレータ110a〜eから分配するあらゆる残りの放射能をその計算に含めているので、前回の分配からの未使用の溶出液と別の方法で組み合わされてもよい。
【0064】
マニホルド350は、弁のストップコックの向きを係合し設定すると共に、マニホルドを通してバイアル内へと流体を引き出す低圧吸引又は真空をもたらす、作動システム235に取り付けられて形成される。作動システム335は、弁1〜17のストップコックそれぞれを係合し、溶出操作全体を通してそれぞれを所望の向きで位置付けることができる、回転可能なアームを含む。作動システム335はまた、ポート18a及び19aの1つを液密接続でそれぞれ係合して、本発明に従ってマニホルド350に対する低圧源又は真空源を提供する、一対のコックを含む。望ましくは、マニホルド350は、弁を操作し真空を適用するようにプログラムされているFASTlab(商標)(GE Healthcare(Liege,BE)から市販)合成デバイスに取付け可能である。FASTlab合成装置は、ホットセル環境で動作するように既に設計されているので、システム300の作動デバイスとして理想的に適応する。作動システム335は、計算された溶出スケジュールに従って制御システム326によって作用するように指示される。
【0065】
次に図8を参照すると、マルチジェネレータ溶出システムと共に使用するための溶出カセット400が示される。図8では、Mo−99の崩壊によってTc−99mを生成する4つのアルミナジェネレータ110a〜dが、弁マニホルド450と接続されて示される。カセット400は、ケースキャビティ408を画定する周囲壁406によって境界が定められる、平面の正面壁404を備えたケース402を含む。カセット400は、底壁406aに隣接したキャビティ408内で細長いマニホルド450を支持する。マニホルド450は、望ましくは、GE Healthcare(Liege,BE)から市販のFASTlab(商標)カセットに使用される線形に配列されたストップコックマニホルドに基づく。マニホルド450は、25個の3方向/3位置ストップコック弁1’〜25’を含む。弁1’〜25’はそれぞれ、隣接したマニホルド弁及びそれらの上に位置する個々のルアーに対する3つの開放ポートを含み、ルアーポートは対向する他のポートの間に位置する。各弁は、3つの関連するポートのうち任意の2つを互いに流体連通させる一方で第3のポートを流体隔離する回転可能なストップコックを含む。本発明は更に、弁を横切って3つのポート全てを流体連通させることもできるように、ストップコックがT字形の内部通路を中に含むことができることを想到するが、かかる実施形態は、連続する流体流の間に汚染が起こり、中のデッドスペースに捕捉される流体の損失が起こるのを防ぐため、追加のすすぎを必要とする可能性がある、デッドスペースをもたらす。マニホルド450は、その対向する端部において、真空ポート26a及び27aをそれぞれ画定する、第1及び第2のソケットコネクタ26及び27を更に含む。マニホルド450及び弁1’〜25’のストップコック、並びに後述する導管コネクタは、望ましくはポリマー材料から、例えばPP、PE、ポリスルホン、Ultem、又はPEEKから形成される。図8に示されるように、マニホルドは25個の3方向/3位置ストップコック弁を含むが、実際の弁の数は、ユーザの要求を満たすように拡張可能である。未使用の弁は、単に、ルアー継手によって覆われたそれらのルアー接続とそれらのストップコックとを有して、隣接した弁間のフローに対して流体連通をもたらしてもよい。
【0066】
カセット400は、顧客側での据付及び接続を最小限に抑えて、異なる放射性医薬品の臨床バッチを合成するのに適合可能であるように設計された、予め組み立てられた合成カセットの変形例である。カセット400は、望ましくは、導管材並びに支持されたコネクタ及びフィルタが全て、本発明に従って核種を溶出するためのジェネレータ、バイアル、及び1以上の溶出剤源に接続されている、キットの形態で提供される。望ましくは、カセット400は、導管がそれぞれその弁のルアーに既に接続された状態でユーザに提供されるので、自由端のみを適切な構成要素と噛合させればよい。そのように提供されるカセットは、適切な清潔環境で開いた場合に製薬工程に適切な滅菌レベルを維持する、滅菌状態で組み立てられパッケージされてもよい。
【0067】
本明細書に記載される弁における接続はそれぞれ、そのルアーコネクタによって画定されるルアーポートで作られる。図8に示されるように、弁3’は、そのルアー接続においてフィルタ付きベント451を支持する。弁4’は、細長い導管452によってすすぎ流体源415に接続される。すすぎ流体源415は、所望に応じて溶出工程の間にマニホルド250をすすぐためのすすぎ流体を供給する。すすぎ流体源415は、望ましくは、フィルタ付きベント433とも流体連通して接続されて、導管452を通して溶出剤を弁4’に向かって流出させるのを支援する。つまり、本発明は、カセット400が、図5及び8に示されるようなジェネレータをそれぞれ溶出する単一の溶出剤源を提供できることを想到するが、図8の実施形態では、本発明は、図1に示されるように、溶出剤バイアル130の形で提供されるそれ自体の溶出剤源を有する各ジェネレータを含む。各ジェネレータにそれ自体の溶出剤源130を提供することは、共通のリザーバからの溶出液容量を過剰希釈するリスクを防ぐために望ましいことがある。それに加えて、各ジェネレータにそれ自体の付属の溶出源を提供することによって、マニホルド弁5’〜14’のより多数がジェネレータに接続するのに利用可能になる。マニホルド上の空気口は、過剰な又は未使用の真空を抜き取るのに使用される。ジェネレータ110a〜dの溶出液チャネル120はそれぞれ、細長い導管460a〜dによってマニホルド450に後方接続される。導管460a〜dは、ジェネレータ110a〜dの個々の溶出液チャネル120の間を弁15’〜18’まで延在する。
【0068】
弁5’〜14’はそれぞれ、各弁のルアーポートを封止するルアー継手によって覆われる。弁5’〜14’は、ユーザが望む場合に、追加のジェネレータに適応するようにカセット400を拡大するために利用可能である。
【0069】
弁19’は、細長い導管462によって陽イオンカラム415の入力ポートに接続される。陽イオンカラム415は、濃縮に先立って、競合するイオンをジェネレータからの溶出液から除去するのに役立つ。弁20’は、陽イオンカラム415の出力ポートに接続される。弁21’は、細長い導管465によって濃縮カラム412の入口ポートに接続される。弁22’は、細長い導管464によって第2の溶出剤源416に接続される。第2の溶出剤源416は、濃縮カラム412から娘核種を溶出する溶出剤を供給する。第2の溶出剤源416は、望ましくは、フィルタ付きベント463とも流体連通して接続されて、導管462を通して第2の溶出剤を弁22’に向かって流出させるのを支援する。弁24’は、カラム412が望ましくは弁24’に直接接続するようにして、カラム412の出力ポートに接続される。
【0070】
次に廃棄物バイアル及び収集バイアルに対する接続について記載する。弁23’は、細長い導管470によって廃棄物バイアル419の入口ポート472に接続される。弁25’は、細長い導管466によって収集バイアル418の入口ポート468に接続される。弁1’は、細長い導管476によって収集バイアル418の出口ポート478に接続される。弁2’は、細長い導管474によって廃棄物バイアル415の出口ポート475に接続される。
【0071】
次にサンプル溶出について記載する。ジェネレータ110b及び110dからの放射能の溶出を必要とする溶出スケジュールは計算されている。ポート26aで真空(即ち、十分な低圧)を適用することによって、第1の溶出剤がジェネレータ110b用の第1の供給源バイアル130から引き出される。弁1’〜25’は、第1の溶出剤がジェネレータ110bを通り、導管460bを通って、弁16’及び弁19’に流れるように設定される。弁19’は、溶出液が導管462を通して陽イオンカラム415の入口ポートに流れるように方向付ける。溶出液は、カラム415から弁21’を通して引き出されて、濃縮カラム413の入口ポートに入る細長い導管465へと流れ込む。廃棄物は、カラム412を通り、弁24’を通って弁23’まで、また廃棄物バイアル419内へと流れ込み続ける。廃棄物バイアル419の容積は、液体を全て収集し、ひいてはカラム412から送達するのに十分な容積である。
【0072】
次に、弁16’のストップコックを回転させてジェネレータ110bを隔離し、弁18’のストップコックを回転させて、第1の溶出剤がジェネレータ110dに接続されたバイアル130から流れるようにする。次に、ジェネレータ110dからの溶出液は、導管460dを通して弁18’に、次に弁19’へと方向付けられる。弁19’は、溶出液が導管462を通してカラム415の入口ポートに流れるように方向付ける。溶出液は、カラム415から弁21’を通して引き出されて、濃縮カラム412の入口ポートに入る細長い導管465へと流れ込む。廃棄物は、カラム412を通り、弁24’を通って弁23’まで、また廃棄物バイアル419内へと流れ込み続ける。このようにして、ジェネレータ110b及び110dからの娘核種は濃縮カラム412に収集されている。
【0073】
カラム412から娘核種を溶出するため、弁22’は、ポート26aで吸引した状態で、第2の溶出剤を供給源416から導管464及び弁22’を通して弁21’に向かって方向付けるように設定される。第2の溶出剤は、導管465を通して、カラム412の入口ポートを通して、且つカラム412を通して引き出される。カラム412を出て弁24’に入る際、カラム412溶出液は、収集バイアル418内へと分配される娘核種を含有する。この溶出液は、弁25’へ、また導管466を通してバイアル418内へと方向付けられ、ポート26aからの吸引は弁1’及び導管476を通して適用される。次に、バイアル418は、娘核種を薬剤師による更なる処理に供給するため、除去されるか又は引き出されてもよい。従って、後に続くジェネレータからの分配は、同じ収集バイアルに方向付けられてもよく、或いは、本発明の制御システムは、需要データの要件を満たすため、ジェネレータ110a〜dから分配するあらゆる残りの放射能をその計算に含めているので、前回の分配からの未使用の溶出液と別の方法で組み合わされてもよい。
【0074】
カセット400は、弁のストップコックの無機を係合し設定すると共に、マニホルドを通してバイアル内へと流体を引き出す低圧吸引又は真空をもたらす、作動システムに取り付けて形成される。作動システムは、弁1’〜25’のストップコックそれぞれを係合し、溶出操作全体を通してそれぞれを所望の向きで位置付けることができる、回転可能なアームを含む。作動システムはまた、ポート26a及び27aの1つを液密接続でそれぞれ係合して、本発明に従ってマニホルド450に対する低圧源又は真空源を提供する、一対のコックを含む。望ましくは、マニホルド450は、弁を操作し真空を適用するようにプログラムされているFASTlab(商標)(GE Healthcare(Liege,BE)から市販)合成デバイスに取付け可能である。FASTlab合成装置は、ホットセル環境で動作するように既に設計されているので、カセット400の作動デバイスとして理想的に適応して、計算された溶出スケジュールに従って操作する作動命令を制御システム3から受け取る。
【0075】
図5、7、及び8に詳述されるものを含む、本発明のカセット及びマニホルドシステムの全ての実施形態では、カセット又はマニホルドは望ましくはFASTlabデバイスに取付け可能である。液体移送は全て、適用された真空(又は低圧)によって行われる。マニホルドカセットへの全ての接続は、標準のルアーロックによるものであることが想到される。ジェネレータに接続するのに使用される導管は、望ましくは、ジェネレータ110の個々のポートで針125a及び129aで穿刺することができる隔壁で終端するシリコン管材である。溶出剤バイアル130がジェネレータに取り付けられた場合、標準の接続を使用してもよい。従って、ジェネレータを本発明で機能するように修正する必要はない。
【0076】
それに加えて、全ての実施形態では、注射用水(WFI)などのすすぎ流体の外部源も、洗浄及びすすぎの目的でマニホルドに接続されてもよい。ゲルジェネレータを溶出するとき、WFI源は各ジェネレータに接続されて、第1の溶出剤としても作用してもよい。図8に関してより具体的に記載したように、本発明は、第1の溶出剤は、リザーバ若しくは予め測定した容器、又は各ジェネレータに個々に接続した「溶出バイアル」からのものであることができる。予め測定した供給源は、溶出液容積の過剰希釈を防ぐと共に、ジェネレータに接続するための追加のマニホルド弁を完全に解放するのに望ましい。マニホルド上の空気口は、過剰な又は未使用の真空を抜き取るのに使用される。
【0077】
本発明は更に、いくつかの実施形態では、必要な溶出化学に応じて、マニホルドに直接接続された(図5及び7に示されるように)第1の溶出剤源が、ジェネレータ及び濃縮カラムの両方を溶出して、結果として第2の溶出剤源をマニホルドに接続する必要性を避けるのに使用されてもよい。例えば、図7のシステム300がアルミナジェネレータ及びアルミナ濃縮カラムを用いる場合、本発明は、第1の溶出剤源がジェネレータの溶出及び濃縮カラムの溶出の両方に使用される食塩水を供給してもよいことを想到する。
【0078】
陽イオンカラムは、塩化物などの競合するイオンを溶出液から除去するのに使用される。いくつかの実施形態では、過テクネチウム酸イオンは、陽イオンカラムを通って、またそれが捕捉(濃縮)される酸性化アルミナカラムへと流れる。液体は、カラムを通り、後で廃棄するために廃棄物収集容器に流れ込むことができる。酸性化アルミナカラム(上述のような)は、過テクネチウム酸(99mTc)を捕捉し濃縮するのに使用される。過テクネチウム酸がアルミナカラムで捕捉されている間に、液体(本質的に水)が真空によってカラムの底から除去され、廃棄物容器に収集される。濃縮段階が完了すると、アルミナカラムは、望ましくは、基本的には現在の核分裂ジェネレータと全く同じ方法で、過テクネチウム酸ナトリウム[Na99mTcO4−]として過テクネチウム酸を除去するのに食塩水を用いて溶出され、製品収集バイアルに収集される。
【0079】
図9を参照すると、本発明は、需要データ及び供給データを使用して、放射線薬学操作における一組の親娘ジェネレータを最も効率的な利用を決定し実行する。供給データによって、任意の所与の時間に利用可能な(娘核種の)放射能量を自動計算することが可能になる。ジェネレータは既知量の放射能を備えて販売される。供給データは、ジェネレータバーコード又は手動データ入力から得ることができる。需要データは、顧客の注文を満たすのに特定の時間に必要な放射能量である。データは、ERPソフトウェアシステム、例えば電子転送によるSAP又はSlimline(若しくは等価物)、或いは手動入力のどちらかから得ることができる。一般的には、放射線薬学環境では、顧客の注文は、1日の特定時間にスケジューリングされた送達工程に分離される。
【0080】
本発明は、需要放射能要件を任意の所与の時間に利用可能な放射能と比較する。それに加えて、システムは、所与のジェネレータからの溶出に関する最良の効率を表す、最良に適合する解を送達するように、ジェネレータ溶出計画を構成することを試みる。最良に適合する解が計算されていると、操作者は、a)システムによって決定された溶出計画を実行する、b)溶出計画を手動で再構成して、システムが効果を計算して操作者に対して表示するようにする、或いは、c)特定の需要要件及び/又は供給データを入力し、入力した制約下でシステムによって決定された計算済み溶出スケジュールを精査することによって、「仮説シナリオ」をモデリングするといった、いくつかの選択肢を有する。
【0081】
本発明は、計算された溶出計画が容認できるものであると操作者が確認すると、データを作動システムに送って、溶出スケジュールに従って選択されたジェネレータを溶出する。選択されたジェネレータからの溶出は、全てカセットに通されて、例えばTc−99mをアルミナカラム上に濃縮する。ジェネレータ溶出が全て完了すると、アルミナカラムは、溶出剤、例えば食塩水の必要量(一般的に5〜6mL)で溶出される。この操作が完了すると、制御システムは放射能データを更新し、核内増殖を再計算し、任意の必要な変化を用いて溶出スケジュールを更新する。
【0082】
一般に、ERPシステムは、有形資産、財源、材料、及び人的資源を含む内部及び外部資源を管理するのに使用される、統合されたコンピュータ系アプリケーションである。その目的は、組織の境界内部での全てのビジネス機能間の情報のフローを容易にし、外部の利害関係者への接続を管理することである。集中化データベースに構築され、通常は共通のコンピューティングプラットフォームを利用して、ERPシステムは、全ての事業運営を一律の企業規模のシステム環境に統合する。ERPシステムは、集中型サーバー上に存在するか、或いは「サービス」を提供しローカルエリアネットワークで通信するモジュール式のハードウェア及びソフトウェアユニットの間で分配することができる。分配設計によって、複雑で高価なコンピュータシステムの複数のコピーを、それらの全容量を使用しないエリアに配置する必要なしに、異なるベンダーからのモジュールを組み立てる事業が可能になる。
【0083】
従って、本発明の方法は、ジェネレータそれぞれに対する供給データを溶出システムの受信部に入力する入力段階610を含む。方法は、次に、複数のジェネレータからどの放射能がいつ必要であるかの需要データを受信部に入力する第2の段階620を含む。次いで、入力された供給データ及び入力された需要データに従って、複数のジェネレータそれぞれに対する最適な溶出スケジュールを決定する計算及び選択段階630が続く。計算及び選択段階630は、望ましくは、放射能の現在の需要、放射能の今後の需要、並びに現在及び後に続く需要時点の両方又は溶出時間でジェネレータから利用可能な放射能を比較し、需要データを満たす際にジェネレータによって生成される娘核種の無駄を最小限に抑えるため、どのジェネレータをいつ溶出するかを選択する。次に、娘核種を選択されたジェネレータから溶出する溶出段階670がある。
【0084】
段階610は更に、各ジェネレータの校正データ、一般的に各ジェネレータの放射能及び日付を入力する段階612と、ジェネレータが利用可能な日時を入力する段階614と、第1の溶出が基準時間からオフセットした日時を入力する段階616を含む。段階612、614、616は、これらの段階それぞれからの情報を手動で受信部に入力することによって行われてもよく、かかる情報は一般に、各ジェネレータによって供給される。或いは、段階612、614、及び616は、各ジェネレータに関係するバーコードからかかる情報をスキャンすることによって、電子的又は自動的に行われてもよい。同様に、段階620は、ERPシステムによって一般に供給される需要データを用いて、手動で或いは電子的に行われてもよい。手動で段階620を行う場合、操作者は、需要データ情報をとり、それを受信部に入力する。望ましくは、需要データが手動で入力されるとき、受信部又は制御システムは情報を需要データセットにコンパイルするが、操作者はまた、集合需要データを入力する前にコンパイルを行ってもよい。或いは、ERPシステムは、個別注文がシステムに自動的に入力され、溶出スケジュールが計算されるように、受信部と電子的に通信してもよい。
【0085】
本発明は更に、段階610が既知のデータ定数を入力する段階618を含むことができることを想到する。段階618は、段階630でかかるデータ定数を考慮することができる。データ定数は、望ましくは、親核種の半減期及び崩壊方程式、娘核種の半減期及び崩壊方程式、溶出収量効率、親核種の崩壊に利用可能な溶出の分率、親娘放射能の均衡方程式、並びにジェネレータの満了時間を含む。
【0086】
段階630は、望ましくは30分などの固定の間隔で、各ジェネレータの利用可能な放射能を計算する段階632及び表示する段階634を含む。望ましくは、計算する段階632は式(1)を用い、表示する段階634は、計算された間隔で各ジェネレータの放射能を表示する。更に、段階630は、需要データ及び複数のジェネレータの放射能レベルの一般化勾配減少アルゴリズム分析を行って、無駄を最小限に抑えるのに最適な溶出スケジュールを決定する段階を含んでもよい。或いは、段階630は、複数のジェネレータからの様々な溶出スケジュールのシミュレーションを行い、溶出スケジュールを選択して、需要データを満たす際に娘核種の無駄な量を最低限にすることが想到される。それに加えて、方法は、望ましくは、供給データと同じ間隔にわたる需要データを表示する段階638を含む。段階630は更に、望ましくは、利用可能なジェネレータのうちどれを所与の時間に溶出させるかを選択して、可能な限り最も効率的な形で需要データを満たし、結果として各ジェネレータの耐用寿命を最大限にすると共に無駄を最小限に抑えるため、最良に適合する溶出プロファイル、即ちスケジュールを計算する段階638を含む。次に、方法は、溶出スケジュールを操作者に提供する段階640を含んでもよい。
【0087】
望ましくは、溶出スケジュールはグラフィカルユーザインターフェース(GUI)に表示され、方法は、所与の時間に溶出するのに異なるジェネレータを代わりにスケジューリングすることによって、計算された最適化溶出スケジュールのオーバーライディングという選択肢を操作者に与える段階642を含む。操作者がシステムをオーバーライドするのを却下した場合、方法は次に、溶出命令を作動システムに送る段階660に進む。操作者が段階638からの溶出命令をオーバーライドすることを選択した場合、方法は更に、操作者が手動で溶出スケジュールの修正を入力する段階644を含む。段階644によって、特定のジェネレータをいつ溶出するかを操作者が選択できるようになる。次に、方法は、溶出スケジュールを再計算する段階646と、各ジェネレータに関する時間に伴う更新済みの放射能の利用可能性、並びにジェネレータそれぞれからの溶出のスケジューリングされた時間の両方を表示する段階648とを含む。段階646は、望ましくは、段階630と同じアルゴリズムを用いて、任意の追加の操作者制約を所与として最適な溶出スケジュールを決定する。次に、方法は、操作者に更新済みの溶出スケジュールを受理させる段階650を含む。操作者が更新済みの溶出スケジュールを受理した場合、溶出スケジュールが設定され、制御システムは、ジェネレータから溶出するための適切な命令を作動システムに提供する段階660に進む。操作者が更新済みの溶出スケジュールを受理しない場合、方法は、操作者が溶出スケジュールを受理するまで、段階644、646、及び648を繰り返す。一旦最新の溶出スケジュールが操作者にとって申し分なければ、方法は段階660に移るであろう。
【0088】
段階660の後、作動システムは段階670を行い、溶出スケジュールに従ってジェネレータを溶出する。段階642、644、646、648、及び650は、ジェネレータからの溶出を監視し管理する「オペレータ・イン・ザ・ループ」の選択肢を提供し、操作者による計算されたスケジュールのオーバーライディングを可能にする。いずれの場合も、本発明は、操作者が介入する必要なしに動作することができ、従って、作者がスケジュールを一旦入力せずに、スケジュールされた溶出を行うことができ、それによって操作者が他の薬学的作業に気を配ることができる。しかし、サイクル中の何らかの時点で操作者が溶出スケジュールを受理するようにすることが望ましいものと見なされる。
【0089】
溶出する段階670の後、方法は、選択されたジェネレータが溶出されたことを確認する段階672を含むことができる。それに加えて、方法は、望ましくは、放射能の内成長を再計算する段階674と、段階632の放射能データを修正する段階と、必要であれば、需要データを満たすために最良に適合する溶出スケジュールを再計算する、以下参照の段階638を繰り返す段階とを含む。
【0090】
本発明は更に、本発明によるマルチジェネレータ溶出システムからの溶出を管理するコンピュータプログラム製品を提供する。本発明は更に、本発明のコンピュータプログラム製品を実行するコンピュータハードウェアを含む、マルチジェネレータ溶出システムを提供する。コンピュータプログラム製品は、本発明の方法を行うためのコンピュータ使用可能なプログラムコードを有するコンピュータ使用可能な媒体を含む。コンピュータプログラムコードは、マルチジェネレータ溶出システムを管理する、コンピュータ使用可能なプログラムコードを有するコンピュータ使用可能な媒体を含む。コンピュータプログラム製品は、多数の親娘ジェネレータに対する供給データ及びジェネレータからの放射能の需要データの入力を受け取るコンピュータ使用可能なプログラムコードを含む。コンピュータプログラムは更に、ジェネレータの利用可能な放射能及び需要データに基づくジェネレータの溶出スケジュールを計算する、コンピュータ使用可能なプログラムコード、並びに、溶出スケジュールに従って、溶出システムの作動システムに、ジェネレータのうち選択されたものから溶出するように指令するコンピュータプログラムコードを含む。
【0091】
コンピュータプログラム製品は、望ましくは更に、供給データ、需要データ、ジェネレータの利用可能な放射能、及び溶出スケジュールの少なくとも1つを表示するためのコンピュータプログラムコードを含む。それに加えて、溶出スケジュールを計算するコンピュータプログラムコードはまた、需要データ及び複数のジェネレータの放射能レベルの一般化勾配減少アルゴリズム分析を行って、無駄を最小限に抑える最適な溶出スケジュールを決定するコンピュータプログラムコードを含む。或いは、溶出スケジュールを計算するコンピュータプログラムコードはまた、複数のジェネレータからの様々な溶出スケジュールのシミュレーションを行い、溶出スケジュールを選択して、需要データを満たす際に娘核種の無駄な量を最低限にするコンピュータプログラムコードを含む。コンピュータプログラム製品はまた、望ましくは、コンピュータプログラム製品に対する新しい制約を入力することによって、操作者が計算された溶出スケジュールをオーバーライドできるようにするコンピュータプログラムコードと、新しい制約に基づいて新しい溶出スケジュールを計算するコンピュータプログラムコードとを含む。更に、コンピュータプログラム製品は、望ましくは、後で検索するように供給データ、需要データ、及び溶出スケジュールを格納するための、また記録保持の目的又は記録保持を支援する目的に役立つことができるコンピュータプログラムコードを含む。
【0092】
図10は、本発明のマルチジェネレータ溶出システムに供給データ情報を供給する、本発明のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画面例を示す。図10は供給データ入力画面700を示す。画面700は、行A、列6〜11に列挙された6つのジェネレータの供給データを示すマイクロソフトエクセル(登録商標)画面を示す。行B、列6〜11は、各ジェネレータの基準時間を列挙している。行C、列6〜11は、列挙されたジェネレータそれぞれに対する第1の溶出のオフセット(時間単位)を列挙している。入力がないものはゼロオフセットとして扱われる。行D、列6〜11は、各ジェネレータの基準時間における開始放射能を列挙している。行E、列6〜11は、各ジェネレータが使用のためにいつ利用可能になったかを列挙している。データ入力のエラー確認として、行Aの基準時間は、行Eの使用のために利用可能になった時間よりも少なくとも12時間前でなければならない。行F、列6〜11は、各ジェネレータにエラーメッセージがあった場合にそれを示す。行E、列2〜3は、ジェネレータの正味の効率、つまり溶出収量効率を示し、一般的に約0.83である。
【0093】
図11は、図10の6つのジェネレータに関して計算された溶出スケジュールを提供する、本発明のGUIの画面例を示す。図11は、マルチジェネレータ溶出システムの供給データ、需要データ、及び溶出スケジュールを提供する溶出管理ウィンドウ800を示す。これは、需要に基づいた今後の放射能要求との釣り合わせ効率のワークシート又は最良適合結果である。図11は、2010年7月11日午後10:00から2010年7月12日午前9:30までを表す、列46〜69の関連情報の拡大を示すが、ウィンドウ800の情報はジェネレータの寿命まで、一般的に2週間続き、スクロールされてもよい。行A、列46〜49は、図示される時限にわたって起こる計算及び分配の間隔時間を示す。時間間隔は30分間隔で与えられる。行D、列46〜69は、需要データに従って分配が起こるべき時間を列挙している。列挙された時間は、所望の状態でユーザが核種を得る後溶出(post−elution)に必要な更なる処理時間を考慮に入れている。従って、例えば、行Dは、2010年7月12日(月)午前12:00、午前2:00、午前4:00、及び午前7:00に行われる溶出を示している。隠れている列までテーブルを更に下にスクロールすることで、その後の時間における需要及び他の情報が見える。行Eは、使用されなかった何らかの前の溶出で残った残余分を示し、時間が過ぎると共に崩壊を示す。行F、P、Z、AJ、AT、及びBDは、列1、行G、Q、AA、AK、AU、及びBEにそれぞれ列挙したジェネレータの溶出がいつにスケジューリングされているかを示す。放射能が個々のジェネレータから溶出された時間に、行F、P、Z、AJ、AT、及びBDに数値「1」が入力されている。図から分かるように、溶出されたジェネレータそれぞれについて、溶出後の次の列ははるかに低い放射能を示しており、溶出後の放射能の核内増殖が起こっていることが示されている。
【0094】
行D、列50に示されるように、深夜(列50)には、14,350mCiの放射能の需要がある。制御システムは、行Dの既知の需要全てを最良に満たすため、ジェネレータ1及び5がこの需要を満たすために溶出されて、後の溶出に組み込まれてもよい27mCiの未使用の残余分を提供することを計算している。同様に、午前2:00の溶出(列54)では、15,931mCiの放射能の需要を満たすため、2405.5mCiの放射能がジェネレータ2から溶出され、2405.5mCiの放射能がジェネレータ3から溶出され、120.5mCiの放射能がジェネレータ4から溶出されて、22mCiの未使用の残余分を提供する。前の溶出からの残りの放射能もこの溶出に含まれるので、場合によっては、現在の溶出の合計はそのままでは列挙された需要と合わないことがある。
【0095】
操作者は、溶出行から「1」を削除し、溶出する別のジェネレータを選択することによって、提供される溶出スケジュールをオーバーライドしてもよい。制御システムは、ウィンドウ800の入力を再度取り込んで、新しい溶出スケジュール、並びに所与の時間それぞれにおける各ジェネレータの利用可能な放射能、各溶出時間における需要、及び残される放射能のあらゆる残余分を示す。本発明のモデリング機能によって、例えば供給ショックが起きたとき、本発明は、「仮説」シナリオの影響を評価し、最終的に所与の供給状況に対してほとんどの線量を送達するのに特に有用になり得る。いずれの場合も、操作者が溶出スケジュールに満足しているとき、図示されるように自動的に稼働するように放置されてもよい。溶出を自動で行うと、操作者は他の作業に気を配ることができる。それに加えて、ソフトウェアは、行われた溶出の記録を提供して、記録保持の目的を簡略化する。更に、供給データ画面700及び溶出管理ウィンドウ800は6つのジェネレータを追跡しているが、本発明は、マルチジェネレータ溶出システムに含まれるのと同数のジェネレータをモニタリングできるという点で拡大可能である。
【0096】
本発明は、放射線薬学にコスト削減をもたらすことができる。放射線薬学の最大の単一コストは、「コールドキット」(診断用薬)を構成するのに使用されるTc−99m/Mo−99ジェネレータである。経験を積んだ放射線薬剤師による作動解明(action workout)は、平均の薬学ジェネレータ効率は65〜68%であることを示した。新しいツールの実現後、平均効率は98〜100%に着実に上昇している。一般的に、平均的な薬学は、1週間当たり4つの18Ciジェネレータを消費することがある。各ジェネレータは2週間の有用な保管寿命を有する。従って、週単位では、薬学は8つのジェネレータの崩壊及び使用サイクルを管理する必要がある。現在、1週間当たり7,000ドルで4つの18Ci単位を使用して、それぞれ毎年1.456百万ドルのコストである。本発明を使用することによって同じ薬学の効率が65%から100%に改善された場合、年間コストは約0.5百万ドル低下する。
【0097】
本発明の特定の実施形態を図示し記載してきたが、本発明の教示から逸脱することなく変更及び修正を行ってもよいことが当業者には明白であろう。上述の説明及び添付図面に記述される事項は、限定ではなく単なる例示として提供される。本発明の実際の範囲は、従来技術に基づいたそれらの適切な視点で見たとき、以下の請求項において定義されるものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のジェネレータと、
溶出剤源と、
前記複数の親娘核種ジェネレータそれぞれの放射能を追跡し、放射能生成のための要件を示す需要データを受け取る制御システムであって、所望量の娘同位体を供給するため、第1の溶出剤を用いて前記複数のジェネレータのうち選択されたものから溶出するように構成された制御システムと、
供給データ及び需要データを受け取る受信部であって、前記供給データが、前記ジェネレータの利用可能な放射能の計算を可能にする情報を含み、前記需要データが、少なくとも生成される娘核種の量と前記娘核種の量を生成するためのスケジュールとを更に含み、前記制御システムが前記複数のジェネレータからの前記娘核種の溶出をスケジューリングして、前記需要データによって表される需要を満たすように、前記制御システムによって動作可能である、受信部と、
前記複数のジェネレータのうち前記選択されたものから前記娘核種を収集する濃縮カラムであって、適切なカラム媒体を含有する濃縮カラムと、
前記濃縮カラムから前記娘核種を受け取る収集容器とを備える、マルチジェネレータ溶出システム。
【請求項2】
前記娘核種を前記濃縮カラムから溶出する第2の溶出剤源を更に備える、請求項1記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項3】
前記複数の親娘核種ジェネレータが複数のMo−99/Tc−99m(モリブデン酸チタン[99Mo])ジェネレータを含む、請求項2記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項4】
前記複数の親娘核種ジェネレータが複数のMo−99/Tc−99m(モリブデン酸チタン[99Mo])ゲルジェネレータを含む、請求項2記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項5】
前記第1の溶出液が脱イオン水を含む、請求項2記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項6】
前記第1の溶出剤が高純水を含む、請求項2記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項7】
前記第1の溶出剤が注射用水を含む、請求項2記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項8】
前記濃縮カラムが陰イオンカラムであり、前記カラム媒体がアルミナを含む、請求項1記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項9】
前記第2の溶出剤が酸塩を含む、請求項2記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項10】
前記酸塩が食塩水である、請求項9記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項11】
前記ジェネレータに溶出剤を通して、ジェネレータ溶出液を前記濃縮カラムに方向付ける真空源を更に備える、請求項1記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項12】
前記複数のジェネレータに接続された細長いマニホルドを更に備え、前記マニホルドが複数の弁を含み、前記複数の弁の個々のものが前記複数のジェネレータの対応する個々のものと選択可能に流体連通している、請求項1記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項13】
カセット本体を更に備え、前記カセット本体が前記マニホルドを中で支持し、前記マニホルドが、真空源、前記ジェネレータを溶出する前記第1の溶出剤源、前記濃縮カラムを溶出する第2の溶出剤源、前記収集容器、及び廃棄物容器に分断可能に接続可能である、請求項11記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項14】
前記カセット本体及び前記マニホルドが作動システムによって協働可能に係合され、前記弁それぞれを選択的に設定して、流体を前記マニホルドに方向付けるように、前記作動システムが前記弁を係合し、前記作動システムが前記真空源を更に提供する、請求項13記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項15】
前記マニホルドに接続された前記濃縮カラムに悪影響を与える競合するイオンを除去する適切な媒体を含有する第2のカラムを更に備え、前記収集カラムが前記マニホルドに接続され、前記カラムがそれぞれ、第1の弁と流体連通している第1のポート及び第2の弁と流体連通している第2のポートを有する、請求項12記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項16】
前記第2のカラムが陽イオンカラムである、請求項15記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項17】
前記陽イオンカラムが、前記ジェネレータのうち前記選択されたものから受け取った前記溶出液から塩化物を除去するカラム媒体を含有する、請求項16記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項18】
前記複数のジェネレータのそれぞれ1つがゲルジェネレータである、請求項1記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項19】
前記複数のジェネレータのそれぞれ1つが、モリブデン酸ジルコニウムゲルジェネレータ及びモリブデン酸チタンゲルジェネレータのうちの1つである、請求項18記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項20】
前記複数のジェネレータのそれぞれ1つがアルミナ系ジェネレータである、請求項15記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項21】
前記需要データがある期間にわたって前記濃縮カラムからの複数の溶出を必要とする、請求項1記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項22】
前記制御システムが、前記複数のジェネレータによって生成される娘同位体の無駄を最小限に抑えるように、現在の需要、今後の需要、並びに現在及び後に続く需要時点の両方の利用可能な放射能に基づいて、ジェネレータの最適な組合せを選択する、請求項1記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項23】
前記制御システムが、前記複数のジェネレータのうち前記選択されたものから前記娘核種の溶出それぞれを自動的に行う、請求項22記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項24】
前記需要データが前記受信部に手動入力される、請求項1記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項25】
前記需要データが前記受信部に自動入力される、請求項1記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項26】
前記娘同位体がTc−99mであり、前記濃縮カラムの前記カラム媒体が銀カラムであり、第2のカラムの前記カラム媒体がアルミナである、請求項1記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項27】
複数のジェネレータと、
前記複数の親娘核種ジェネレータそれぞれの放射能を追跡し、放射能生成のための要件を示す需要データを受け取る制御システムであって、所望量の娘同位体を供給するため、第1の溶出剤を用いて前記複数のジェネレータのうち選択されたものから溶出するように構成された制御システムと、
供給データ及び需要データを受け取る受信部であって、前記供給データが、前記ジェネレータの利用可能な放射能の計算を可能にする情報を含み、前記需要データが、少なくとも生成される娘核種の量と前記娘核種の量を生成するためのスケジュールとを含み、前記制御システムが前記複数のジェネレータからの前記娘核種の溶出をスケジューリングして、前記需要データによって表される需要を満たすように、前記制御システムによって動作可能である、受信部と、
前記複数のジェネレータのうち前記選択されたものから前記娘核種を収集する濃縮/陰イオンカラムであって、適切なカラム媒体を含有するカラムと、
前記濃縮カラムから前記娘核種を受け取る収集容器であって、前記制御システムが、入力される全ての需要データに対して前記複数のジェネレータによって生成される娘同位体の無駄を最小限に抑えるように、現在の需要、今後の需要、並びに現在及び後に続く需要時点の両方の利用可能な放射能に基づいて、ジェネレータの最適な組合せを選択する、収集容器とを備える、マルチジェネレータ溶出システム。
【請求項28】
前記娘核種を前記濃縮カラムから溶出する第2の溶出剤源を更に備える、請求項27記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項29】
マニホルドに接続された前記濃縮カラムに悪影響を与える競合するイオンを除去する適切な媒体を含有する第2のカラムを更に備え、収集カラムが前記マニホルドに接続され、前記カラムがそれぞれ、第1の弁と流体連通している第1のポート及び第2の弁と流体連通している第2のポートを有する、請求項27記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項30】
前記第2のカラムが陽イオンカラムであり、前記陽イオンカラムが前記ジェネレータのうち前記選択されたものから受け取った前記第1の溶出液から塩化物を除去するカラム媒体を含有する、請求項29記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項31】
前記複数の親娘核種ジェネレータが、複数のMo−99/Tc−99m(モリブデン酸チタン[99Mo])ジェネレータ又はMo−99/Tc−99m(モリブデン酸チタン[99Mo])ゲルジェネレータのどちらかを含む、請求項27記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項32】
前記複数のジェネレータに接続された細長いマニホルドを更に備え、前記マニホルドが複数の弁を含み、前記複数の弁の個々のものが前記複数のジェネレータの対応する個々のものと選択可能に流体連通している、請求項27記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項33】
カセット本体を更に備え、前記カセット本体が前記マニホルドを中で支持し、前記マニホルドが、真空源、前記第1の溶出剤源、第2の溶出剤源、前記収集容器、及び廃棄物容器に分断可能に接続可能であり、前記カセット本体及び前記マニホルドが作動システムによって協働可能に係合可能であり、前記弁それぞれを選択的に設定して、流体を前記マニホルドに方向付けるように、前記作動システムが前記弁を係合し、前記作動システムが前記真空源を更に提供する、請求項32記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項34】
ジェネレータの利用可能な放射能の計算を可能にする情報を含む供給データを溶出システムに入力する段階と、
少なくとも生成される娘核種の放射能の量と前記娘核種の量を生成するためのスケジュールとを含む需要データを、前記溶出システムに入力する段階と、
前記需要データに基づいて、前記複数のジェネレータそれぞれに対する最適な溶出スケジュールを計算し選択する段階であって、前記需要データを満たす際に前記複数のジェネレータによって生成される娘同位体の無駄を最小限に抑えるように、現在の需要、今後の需要、並びに現在及び後に続く需要時点の両方の利用可能な放射能を比較することを含む、段階と、
前記最適な溶出スケジュールに従って前記複数のジェネレータの選択されたものから前記娘核種を溶出する段階と、
前記濃縮カラムの前記複数のジェネレータのうち前記選択されたものそれぞれから前記娘核種を収集する段階と、
前記濃縮カラムからの前記娘核種を収集容器へと溶出する段階とを含む、複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項35】
計算し選択する前記段階が、前記需要データ及び前記複数のジェネレータの放射能レベルの一般化勾配減少アルゴリズム分析を行うことを更に含む、請求項34記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項36】
計算し選択する前記段階が、前記複数のジェネレータからの様々な溶出スケジュールのシミュレーションを行うことと、前記溶出スケジュールを選択して、前記需要データを満たす際に前記娘核種の無駄な量を最低限にすることとを更に含む、請求項34記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項37】
需要データを入力する前記段階が、前記需要データを前記制御システムに供給する受信部に前記需要データを入力することを更に含む、請求項34記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項38】
需要データを入力する前記段階が、前記需要データを前記制御システムに供給する受信部に前記需要データを手動で入力する段階を更に含む、請求項37記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項39】
需要データを入力する前記段階が、前記需要データを受信部に自動で電子的に入力する段階を更に含む、請求項37記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項40】
前記需要データを受信部に自動で電子的に入力する前記段階が、前記需要データをウェブベースの注文処理サイトから受け取る段階を更に含む、請求項39記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項41】
計算し選択する前記段階が、前記需要データを前記受信部から受け取る制御システムによって行われる、請求項37記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項42】
供給データを入力する前記段階が、各ジェネレータの校正データを入力する段階と、各ジェネレータが使用のために利用可能な日時を入力する段階と、各ジェネレータの第1の溶出がオフセットした日時を入力する段階とを更に含む、請求項34記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項43】
計算し選択する前記段階が、親核種の半減期、前記親核種の崩壊方程式、前記娘核種の半減期、前記娘核種の崩壊方程式、溶出収量効率、前記親核種の崩壊に利用可能な溶出の分率、均衡方程式、及び各ジェネレータの満了時間を考慮する、請求項34記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項44】
時間スケジュールに対して計算された前記複数のジェネレータそれぞれの前記利用可能な放射能を表示する段階と、
前記時間スケジュールで前記需要データをテーブルに表示する段階と、
計算し選択する前記段階からの選択された溶出スケジュールプロファイルを表示する段階とを更に含む、請求項34記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項45】
前記選択された溶出スケジュールプロファイルを手動でオーバーライドする段階と、
可能にする前記段階から得られるオーバーライド溶出スケジュールプロファイルを計算する段階と、
可能にする前記段階の前記オーバーライド溶出スケジュールプロファイルを表示する段階と、
操作者が前記オーバーライド溶出スケジュールプロファイルの確認及び前記オーバーライド溶出スケジュールプロファイルの手動でのオーバーライドのうち1つを操作者が行うことを可能にする段階とを更に含む、請求項44記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項46】
手動でオーバーライドする前記段階が、前記時間スケジュールのある時間に前記複数のジェネレータのうちどれを溶出するかを選択する段階を更に含む、請求項45記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項47】
供給データを入力する前記段階が、溶出する前記段階の後に、前記複数のジェネレータのうち前記選択されたものの核内増殖放射能レベルを計算する段階を更に含む、請求項34記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項48】
計算し選択する前記段階及び溶出する前記段階が制御システムによって行われる、請求項34記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項49】
前記制御システムが、更なる操作者入力を伴わずに前記選択された溶出プロファイルに従って、溶出する前記段階それぞれを行う、請求項48記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項50】
制御システムによって操作して、複数の親娘ジェネレータの中からの溶出を分離カラムへと方向付けるように適合可能な、多数の3方向/3位置マニホルド弁を備えるマニホルドと、
導管材及び支持されたコネクタと、
フィルタとを備え、
前記導管材がそれぞれ、前記ジェネレータに、並びにバイアル及び前記ジェネレータから核種を溶出するための1つ以上の溶出剤源に接続するように適合可能である、マルチジェネレータ溶出システムのキット。
【請求項51】
前記ジェネレータ、前記バイアル、及び前記1つ以上の溶出剤源に接続可能な前記導管がそれぞれ、前記導管の自由端のみを適切な構成要素と噛合させれば良いようにして前記マニホルド弁のルアーに作られる、請求項50記載のキット。
【請求項52】
パッケージを適切な清潔環境で開いた場合に、前記キットが製薬工程に適切な滅菌レベルを維持するように、前記マニホルド及び前記導管が滅菌状態で組み立てられパッケージされる、請求項51記載のキット。
【請求項53】
マルチジェネレータ溶出システムを管理するコンピュータ使用可能なプログラムコードを有するコンピュータ使用可能な媒体を備える、マルチジェネレータ溶出システムからの溶出を管理するコンピュータプログラム製品であって、多数の親娘ジェネレータの入力された供給データを受け取るコンピュータ使用可能なプログラムコードと、前記ジェネレータから放射能の需要データを受け取るコンピュータ使用可能なプログラムコードと、前記ジェネレータの利用可能な放射能及び前記需要データに基づいて、前記ジェネレータの溶出スケジュールを計算するコンピュータ使用可能なプログラムコードと、前記溶出スケジュールに従って前記ジェネレータのうち選択されたものから溶出するように前記溶出システムの作動システムに指示するコンピュータプログラムコードとを含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項54】
前記供給データ、前記需要データ、前記ジェネレータの前記利用可能な放射能、及び前記溶出スケジュールの少なくとも1つを表示するコンピュータプログラムコードを更に含む、請求項53記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項55】
溶出スケジュールを計算する前記コンピュータプログラムコードが、前記需要データ及び前記複数のジェネレータの放射能レベルの一般化勾配減少アルゴリズム分析を行って、無駄を最小限に抑える最適な溶出スケジュールを決定するコンピュータプログラムコードを更に含む、請求項53記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項56】
溶出スケジュールを計算する前記コンピュータプログラムコードが、前記複数のジェネレータからの様々な溶出スケジュールのシミュレーションを行い、前記溶出スケジュールを選択して、前記需要データを満たす際に娘核種の無駄な量を最低限にするコンピュータプログラムコードを更に含む、請求項53記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項57】
前記コンピュータプログラム製品に対する新しい制約を入力することによって、操作者が前記計算された溶出スケジュールをオーバーライドできるようにするコンピュータプログラムコードと、前記新しい制約に基づいて新しい溶出スケジュールを計算するコンピュータプログラムコードとを更に含む、請求項53記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項58】
後で検索するように前記供給データ、前記需要データ、及び前記溶出スケジュールを格納するコンピュータプログラムコードを更に含む、請求項53記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項59】
請求項53記載のコンピュータプログラム製品を実行するコンピュータを備えるマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項1】
複数のジェネレータと、
溶出剤源と、
前記複数の親娘核種ジェネレータそれぞれの放射能を追跡し、放射能生成のための要件を示す需要データを受け取る制御システムであって、所望量の娘同位体を供給するため、第1の溶出剤を用いて前記複数のジェネレータのうち選択されたものから溶出するように構成された制御システムと、
供給データ及び需要データを受け取る受信部であって、前記供給データが、前記ジェネレータの利用可能な放射能の計算を可能にする情報を含み、前記需要データが、少なくとも生成される娘核種の量と前記娘核種の量を生成するためのスケジュールとを更に含み、前記制御システムが前記複数のジェネレータからの前記娘核種の溶出をスケジューリングして、前記需要データによって表される需要を満たすように、前記制御システムによって動作可能である、受信部と、
前記複数のジェネレータのうち前記選択されたものから前記娘核種を収集する濃縮カラムであって、適切なカラム媒体を含有する濃縮カラムと、
前記濃縮カラムから前記娘核種を受け取る収集容器とを備える、マルチジェネレータ溶出システム。
【請求項2】
前記娘核種を前記濃縮カラムから溶出する第2の溶出剤源を更に備える、請求項1記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項3】
前記複数の親娘核種ジェネレータが複数のMo−99/Tc−99m(モリブデン酸チタン[99Mo])ジェネレータを含む、請求項2記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項4】
前記複数の親娘核種ジェネレータが複数のMo−99/Tc−99m(モリブデン酸チタン[99Mo])ゲルジェネレータを含む、請求項2記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項5】
前記第1の溶出液が脱イオン水を含む、請求項2記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項6】
前記第1の溶出剤が高純水を含む、請求項2記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項7】
前記第1の溶出剤が注射用水を含む、請求項2記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項8】
前記濃縮カラムが陰イオンカラムであり、前記カラム媒体がアルミナを含む、請求項1記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項9】
前記第2の溶出剤が酸塩を含む、請求項2記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項10】
前記酸塩が食塩水である、請求項9記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項11】
前記ジェネレータに溶出剤を通して、ジェネレータ溶出液を前記濃縮カラムに方向付ける真空源を更に備える、請求項1記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項12】
前記複数のジェネレータに接続された細長いマニホルドを更に備え、前記マニホルドが複数の弁を含み、前記複数の弁の個々のものが前記複数のジェネレータの対応する個々のものと選択可能に流体連通している、請求項1記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項13】
カセット本体を更に備え、前記カセット本体が前記マニホルドを中で支持し、前記マニホルドが、真空源、前記ジェネレータを溶出する前記第1の溶出剤源、前記濃縮カラムを溶出する第2の溶出剤源、前記収集容器、及び廃棄物容器に分断可能に接続可能である、請求項11記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項14】
前記カセット本体及び前記マニホルドが作動システムによって協働可能に係合され、前記弁それぞれを選択的に設定して、流体を前記マニホルドに方向付けるように、前記作動システムが前記弁を係合し、前記作動システムが前記真空源を更に提供する、請求項13記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項15】
前記マニホルドに接続された前記濃縮カラムに悪影響を与える競合するイオンを除去する適切な媒体を含有する第2のカラムを更に備え、前記収集カラムが前記マニホルドに接続され、前記カラムがそれぞれ、第1の弁と流体連通している第1のポート及び第2の弁と流体連通している第2のポートを有する、請求項12記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項16】
前記第2のカラムが陽イオンカラムである、請求項15記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項17】
前記陽イオンカラムが、前記ジェネレータのうち前記選択されたものから受け取った前記溶出液から塩化物を除去するカラム媒体を含有する、請求項16記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項18】
前記複数のジェネレータのそれぞれ1つがゲルジェネレータである、請求項1記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項19】
前記複数のジェネレータのそれぞれ1つが、モリブデン酸ジルコニウムゲルジェネレータ及びモリブデン酸チタンゲルジェネレータのうちの1つである、請求項18記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項20】
前記複数のジェネレータのそれぞれ1つがアルミナ系ジェネレータである、請求項15記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項21】
前記需要データがある期間にわたって前記濃縮カラムからの複数の溶出を必要とする、請求項1記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項22】
前記制御システムが、前記複数のジェネレータによって生成される娘同位体の無駄を最小限に抑えるように、現在の需要、今後の需要、並びに現在及び後に続く需要時点の両方の利用可能な放射能に基づいて、ジェネレータの最適な組合せを選択する、請求項1記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項23】
前記制御システムが、前記複数のジェネレータのうち前記選択されたものから前記娘核種の溶出それぞれを自動的に行う、請求項22記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項24】
前記需要データが前記受信部に手動入力される、請求項1記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項25】
前記需要データが前記受信部に自動入力される、請求項1記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項26】
前記娘同位体がTc−99mであり、前記濃縮カラムの前記カラム媒体が銀カラムであり、第2のカラムの前記カラム媒体がアルミナである、請求項1記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項27】
複数のジェネレータと、
前記複数の親娘核種ジェネレータそれぞれの放射能を追跡し、放射能生成のための要件を示す需要データを受け取る制御システムであって、所望量の娘同位体を供給するため、第1の溶出剤を用いて前記複数のジェネレータのうち選択されたものから溶出するように構成された制御システムと、
供給データ及び需要データを受け取る受信部であって、前記供給データが、前記ジェネレータの利用可能な放射能の計算を可能にする情報を含み、前記需要データが、少なくとも生成される娘核種の量と前記娘核種の量を生成するためのスケジュールとを含み、前記制御システムが前記複数のジェネレータからの前記娘核種の溶出をスケジューリングして、前記需要データによって表される需要を満たすように、前記制御システムによって動作可能である、受信部と、
前記複数のジェネレータのうち前記選択されたものから前記娘核種を収集する濃縮/陰イオンカラムであって、適切なカラム媒体を含有するカラムと、
前記濃縮カラムから前記娘核種を受け取る収集容器であって、前記制御システムが、入力される全ての需要データに対して前記複数のジェネレータによって生成される娘同位体の無駄を最小限に抑えるように、現在の需要、今後の需要、並びに現在及び後に続く需要時点の両方の利用可能な放射能に基づいて、ジェネレータの最適な組合せを選択する、収集容器とを備える、マルチジェネレータ溶出システム。
【請求項28】
前記娘核種を前記濃縮カラムから溶出する第2の溶出剤源を更に備える、請求項27記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項29】
マニホルドに接続された前記濃縮カラムに悪影響を与える競合するイオンを除去する適切な媒体を含有する第2のカラムを更に備え、収集カラムが前記マニホルドに接続され、前記カラムがそれぞれ、第1の弁と流体連通している第1のポート及び第2の弁と流体連通している第2のポートを有する、請求項27記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項30】
前記第2のカラムが陽イオンカラムであり、前記陽イオンカラムが前記ジェネレータのうち前記選択されたものから受け取った前記第1の溶出液から塩化物を除去するカラム媒体を含有する、請求項29記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項31】
前記複数の親娘核種ジェネレータが、複数のMo−99/Tc−99m(モリブデン酸チタン[99Mo])ジェネレータ又はMo−99/Tc−99m(モリブデン酸チタン[99Mo])ゲルジェネレータのどちらかを含む、請求項27記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項32】
前記複数のジェネレータに接続された細長いマニホルドを更に備え、前記マニホルドが複数の弁を含み、前記複数の弁の個々のものが前記複数のジェネレータの対応する個々のものと選択可能に流体連通している、請求項27記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項33】
カセット本体を更に備え、前記カセット本体が前記マニホルドを中で支持し、前記マニホルドが、真空源、前記第1の溶出剤源、第2の溶出剤源、前記収集容器、及び廃棄物容器に分断可能に接続可能であり、前記カセット本体及び前記マニホルドが作動システムによって協働可能に係合可能であり、前記弁それぞれを選択的に設定して、流体を前記マニホルドに方向付けるように、前記作動システムが前記弁を係合し、前記作動システムが前記真空源を更に提供する、請求項32記載のマルチジェネレータ溶出システム。
【請求項34】
ジェネレータの利用可能な放射能の計算を可能にする情報を含む供給データを溶出システムに入力する段階と、
少なくとも生成される娘核種の放射能の量と前記娘核種の量を生成するためのスケジュールとを含む需要データを、前記溶出システムに入力する段階と、
前記需要データに基づいて、前記複数のジェネレータそれぞれに対する最適な溶出スケジュールを計算し選択する段階であって、前記需要データを満たす際に前記複数のジェネレータによって生成される娘同位体の無駄を最小限に抑えるように、現在の需要、今後の需要、並びに現在及び後に続く需要時点の両方の利用可能な放射能を比較することを含む、段階と、
前記最適な溶出スケジュールに従って前記複数のジェネレータの選択されたものから前記娘核種を溶出する段階と、
前記濃縮カラムの前記複数のジェネレータのうち前記選択されたものそれぞれから前記娘核種を収集する段階と、
前記濃縮カラムからの前記娘核種を収集容器へと溶出する段階とを含む、複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項35】
計算し選択する前記段階が、前記需要データ及び前記複数のジェネレータの放射能レベルの一般化勾配減少アルゴリズム分析を行うことを更に含む、請求項34記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項36】
計算し選択する前記段階が、前記複数のジェネレータからの様々な溶出スケジュールのシミュレーションを行うことと、前記溶出スケジュールを選択して、前記需要データを満たす際に前記娘核種の無駄な量を最低限にすることとを更に含む、請求項34記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項37】
需要データを入力する前記段階が、前記需要データを前記制御システムに供給する受信部に前記需要データを入力することを更に含む、請求項34記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項38】
需要データを入力する前記段階が、前記需要データを前記制御システムに供給する受信部に前記需要データを手動で入力する段階を更に含む、請求項37記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項39】
需要データを入力する前記段階が、前記需要データを受信部に自動で電子的に入力する段階を更に含む、請求項37記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項40】
前記需要データを受信部に自動で電子的に入力する前記段階が、前記需要データをウェブベースの注文処理サイトから受け取る段階を更に含む、請求項39記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項41】
計算し選択する前記段階が、前記需要データを前記受信部から受け取る制御システムによって行われる、請求項37記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項42】
供給データを入力する前記段階が、各ジェネレータの校正データを入力する段階と、各ジェネレータが使用のために利用可能な日時を入力する段階と、各ジェネレータの第1の溶出がオフセットした日時を入力する段階とを更に含む、請求項34記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項43】
計算し選択する前記段階が、親核種の半減期、前記親核種の崩壊方程式、前記娘核種の半減期、前記娘核種の崩壊方程式、溶出収量効率、前記親核種の崩壊に利用可能な溶出の分率、均衡方程式、及び各ジェネレータの満了時間を考慮する、請求項34記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項44】
時間スケジュールに対して計算された前記複数のジェネレータそれぞれの前記利用可能な放射能を表示する段階と、
前記時間スケジュールで前記需要データをテーブルに表示する段階と、
計算し選択する前記段階からの選択された溶出スケジュールプロファイルを表示する段階とを更に含む、請求項34記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項45】
前記選択された溶出スケジュールプロファイルを手動でオーバーライドする段階と、
可能にする前記段階から得られるオーバーライド溶出スケジュールプロファイルを計算する段階と、
可能にする前記段階の前記オーバーライド溶出スケジュールプロファイルを表示する段階と、
操作者が前記オーバーライド溶出スケジュールプロファイルの確認及び前記オーバーライド溶出スケジュールプロファイルの手動でのオーバーライドのうち1つを操作者が行うことを可能にする段階とを更に含む、請求項44記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項46】
手動でオーバーライドする前記段階が、前記時間スケジュールのある時間に前記複数のジェネレータのうちどれを溶出するかを選択する段階を更に含む、請求項45記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項47】
供給データを入力する前記段階が、溶出する前記段階の後に、前記複数のジェネレータのうち前記選択されたものの核内増殖放射能レベルを計算する段階を更に含む、請求項34記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項48】
計算し選択する前記段階及び溶出する前記段階が制御システムによって行われる、請求項34記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項49】
前記制御システムが、更なる操作者入力を伴わずに前記選択された溶出プロファイルに従って、溶出する前記段階それぞれを行う、請求項48記載の複数の親娘ジェネレータから娘核種を溶出する方法。
【請求項50】
制御システムによって操作して、複数の親娘ジェネレータの中からの溶出を分離カラムへと方向付けるように適合可能な、多数の3方向/3位置マニホルド弁を備えるマニホルドと、
導管材及び支持されたコネクタと、
フィルタとを備え、
前記導管材がそれぞれ、前記ジェネレータに、並びにバイアル及び前記ジェネレータから核種を溶出するための1つ以上の溶出剤源に接続するように適合可能である、マルチジェネレータ溶出システムのキット。
【請求項51】
前記ジェネレータ、前記バイアル、及び前記1つ以上の溶出剤源に接続可能な前記導管がそれぞれ、前記導管の自由端のみを適切な構成要素と噛合させれば良いようにして前記マニホルド弁のルアーに作られる、請求項50記載のキット。
【請求項52】
パッケージを適切な清潔環境で開いた場合に、前記キットが製薬工程に適切な滅菌レベルを維持するように、前記マニホルド及び前記導管が滅菌状態で組み立てられパッケージされる、請求項51記載のキット。
【請求項53】
マルチジェネレータ溶出システムを管理するコンピュータ使用可能なプログラムコードを有するコンピュータ使用可能な媒体を備える、マルチジェネレータ溶出システムからの溶出を管理するコンピュータプログラム製品であって、多数の親娘ジェネレータの入力された供給データを受け取るコンピュータ使用可能なプログラムコードと、前記ジェネレータから放射能の需要データを受け取るコンピュータ使用可能なプログラムコードと、前記ジェネレータの利用可能な放射能及び前記需要データに基づいて、前記ジェネレータの溶出スケジュールを計算するコンピュータ使用可能なプログラムコードと、前記溶出スケジュールに従って前記ジェネレータのうち選択されたものから溶出するように前記溶出システムの作動システムに指示するコンピュータプログラムコードとを含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項54】
前記供給データ、前記需要データ、前記ジェネレータの前記利用可能な放射能、及び前記溶出スケジュールの少なくとも1つを表示するコンピュータプログラムコードを更に含む、請求項53記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項55】
溶出スケジュールを計算する前記コンピュータプログラムコードが、前記需要データ及び前記複数のジェネレータの放射能レベルの一般化勾配減少アルゴリズム分析を行って、無駄を最小限に抑える最適な溶出スケジュールを決定するコンピュータプログラムコードを更に含む、請求項53記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項56】
溶出スケジュールを計算する前記コンピュータプログラムコードが、前記複数のジェネレータからの様々な溶出スケジュールのシミュレーションを行い、前記溶出スケジュールを選択して、前記需要データを満たす際に娘核種の無駄な量を最低限にするコンピュータプログラムコードを更に含む、請求項53記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項57】
前記コンピュータプログラム製品に対する新しい制約を入力することによって、操作者が前記計算された溶出スケジュールをオーバーライドできるようにするコンピュータプログラムコードと、前記新しい制約に基づいて新しい溶出スケジュールを計算するコンピュータプログラムコードとを更に含む、請求項53記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項58】
後で検索するように前記供給データ、前記需要データ、及び前記溶出スケジュールを格納するコンピュータプログラムコードを更に含む、請求項53記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項59】
請求項53記載のコンピュータプログラム製品を実行するコンピュータを備えるマルチジェネレータ溶出システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
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【図10】
【図11】
【公表番号】特表2013−513114(P2013−513114A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542242(P2012−542242)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/059241
【国際公開番号】WO2011/126522
【国際公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(500436053)メディ−フィジックス・インコーポレイテッド (18)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/059241
【国際公開番号】WO2011/126522
【国際公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(500436053)メディ−フィジックス・インコーポレイテッド (18)
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