説明

マルチスピンドルホブマシーン

本発明は、互いに平行である3つの切削軸線(S1、S2、S3)を有する3つの切削ヘッド(34)と、第1の水平方向の主要な軸方向(X)において互いに平行である3個のワークピース軸線(A1、A2、A3)を有する3個の押し台(32)及び3個のワークピース主軸台(30)とを備えた、同時に3個のワークピースをホブで切削するためのホブマシーン(10)に関する。3個のワークピース主軸台(30)及び3個の押し台(32)は、水平方向の移動軸線(Y1、Y2、Y3;Y11、Y12、Y13)に沿って第1の水平方向の主要な軸方向(X)に対して垂直である第2の水平方向の主要な軸方向(Y)において個々に移動されることができる3つのワークピース主軸台ユニット(30−1、30−2、30−3)又は押し台ユニット(32−1、32−2、32−3)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに平行に位置するn個の切削軸線を有するn個の折りたたみ切削ヘッドと、第1の水平方向の主要な軸方向において互いに平行に位置するn個のワークピース軸線を有するn個の折りたたみ押し台及びn個の折りたたみワークピース主軸台とを備えた、同時にn個のワークピースをホブで切削するためのホブマシーンに関する。
【背景技術】
【0002】
同時に3つのワークピースの材料除去の外周の機械加工に対してWyssbrod Technologie AG会社からの3軸生産又はツール切削機械が、名称CNC 7−4Aで知られている。3つの切削軸は、互いに固定された空間にあり、ギア機構を介して中央駆動ユニットに接続されている。3つの折りたたみ押し台及び3つの折りたたみワークピース主軸台は、共通のワークピース軸及び押し台テーブル上で移動可能に配置されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ギア機構の歯車及びウォームなどの高精度な波形のワークピースは、周知の3軸切削機械CNC7−4Aでは必要とされる公差内で生産されることができない。従って、回転部品ブランクでホブで切削される高精度な歯車形状のホブ切削は、対応する減少した生産出力の承認で最大で1軸のホブ加工が行われる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、最初に記載されたタイプの多数軸ホブマシーンを提供することの目的に基づかれており、それによって、多数軸ホブマシーンの高精度な歯車形状が効果的に切削されることができる。
【0005】
本目的の本発明による達成は、n個の折りたたみワークピース主軸台及びn個の折りたたみ押し台が、第1の水平方向の主要な軸方向に対して直角である第2の水平方向の主要な軸方向において水平方向の移動軸線に沿って個々に移動されることができるn個のワークピース主軸台ユニット及びn個の押し台ユニットを有するという事実によって達成され、nは、1よいも大きい。
【0006】
本発明による正確な設定は、様々な切削直径や、切削ツールにつき及びワークピース軸線に関して切削軸線につきピッチエラーを補正することができる。切削軸線ごとの円筒度の修正も可能である。従って、n個、すなわち、2個、3個又はそれ以上のワークピースは、円筒度に関して高精度で同時に切削されることができる。部品の出力は、たいていファクター2又は3によってなどのファクターnによって増加される。
【0007】
分離されると共に、第2の水平方向の主要な軸方向において個々に移動されることができるワークピース主軸台ユニット及び押し台ユニットは、様々な切削直径及び円錐度の簡単で迅速な修正を可能とする。従って、修正は、1軸ホブマシーンの場合で様々な切削直径、円錐度さえも、歯の深さのキャリブレーションに対する簡単な制御操作で修正されることができる。
【0008】
n個のワークピース主軸台は、好ましくは、ワークピース軸駆動ユニットが各々備えられている。
一好都合な実施形態では、個の押し台ユニットは、第1の水平方向の主要な軸方向において水平方向の移動軸線に沿って個々に移動されることができる縦方向のキャリッジの各々に固定され、各縦方向のキャリッジは、第2の水平方向の主要な軸方向において水平方向の移動軸線に沿って個々に移動されることができる横方向キャリッジの各々に固定される。
【0009】
n個のワークピース主軸台は、好ましくは、第2の水平方向の主要な軸方向において水平方向の移動軸線に沿って個々に移動されることができる横方向のキャリッジの各々に固定される。
【0010】
n個の折りたたみ切削ヘッドは、好ましくは、垂直方向の主要な軸方向において垂直方向の移動軸線に沿って移動されることができる垂直方向キャリッジに固定される。
好適な実施形態では、n個の折りたたみ切削ヘッドは、第2の水平方向の主要な軸方向において位置する切削ヘッド枢動軸線を中心にして枢動されることができるように垂直方向キャリッジに固定される。
【0011】
さらに好適な実施形態では、切削軸線の方向において位置する移動軸線に沿って移動されることができるn個の折りたたみカウンターベアリング切削ヘッドは、n個の折りたたみ切削ヘッドと反対側に位置する。
切削ヘッドの安定性は、切削が3つの浮きホブによって実行されるのを許容する。切削ヘッドがカウンターベアリング切削ヘッドを有するエンドミルの使用に対して設計される場合、切削ヘッドとカウンターベアリング切削ヘッドとの間の所望の非正の接続及び付加的な安全性が達成される。
本発明のさらなる利点、特徴及び詳細は、好適な例示的実施形態の以下の説明及び概略的な図面の使用に起因する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、ホブマシーンの斜視図を示す。
【図2】図2は、図1からのホブマシーンの平面図を示す。
【図3】図3は、図1からのホブマシーンの前面図を示す。
【図4】図4は、図3にかかる視方向Mにおける図1からのホブマシーンの側面図を示す。
【図5】図5は、図3にかかる視方向Nにおける図1からのホブマシーンの側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
旋盤で仕上げた部品の形態の3つのワークピースに対する3つの歯システムの同時フライス削りのための、図1乃至図5に示された3つのスピンドルホブマシーン10は、ねじり剛性マシーン本体12と、軸方向のキャリッジ又はスタンド20の、垂直方向のキャリッジ22の、及び3つの折りたたみワークピースの主軸台30及び押し台32の3つのワークピース主軸台ユニット30−1、30−2、30−3及び押し台ユニット32−1、32−2、32−3の各場合に対する3つの半径方向又は横方向のキャリッジ24−1、24−2、24−3及び26−1、26−2、26−3の各場合の、互いに直角にある3つの主要な軸線方向X、Y、Zに位置するリニアガイドの固定部品14、16、18とを備える。
【0014】
マシーン本体12上に固定された固定リニアガイド部品14は、第1の水平方向の主要な軸方向Xに位置し、軸方向キャリッジガイドの部品として、第1の水平方向の主要な軸方向Xにおいて水平方向の移動軸線X1に沿って軸方向キャリッジ20の直線移動を可能にする。
【0015】
同様にマシーン本体12上に固定された固定リニアガイド部品18は、第2の水平方向の主要な軸方向Yに位置し、横方向キャリッジガイドの部品として、第2の水平方向の主要な軸方向Yにおいて水平方向の移動軸線Y1、Y2、Y3;Y11、Y12、Y13に沿ってワークピース主軸台ユニット30−1、30−2、30−3及び押し台ユニット32−1、32−2、32−3のための横方向キャリッジ24−1、24−2、24−3及び26−1、26−2、26−3の直線移動を可能にする。
【0016】
軸方向キャリッジ20上に固定された固定リニアガイド部品16は、垂直方向の主要な軸方向Zに位置し、垂直方向キャリッジガイドの部品として、垂直方向の主要な軸方向Zにおいて垂直方向の移動軸線Z1に沿って垂直方向キャリッジ22の直線移動を可能にする。
【0017】
3つのワークピース主軸台ユニット30−1、30−2、30−3の各々は、横方向のキャリッジ24−1、24−2、24−3の各々に取り付けられ、そして、各横方向キャリッジ24−1、24−2、24−3に割り当てられた各駆動ユニット36−1、36−2、36−3によって第2の水平方向の主要な軸方向Yにおいて水平方向の移動軸線Y1、Y2、Y3に沿って個々に移動されることができる。
【0018】
3つの押し台ユニット32−1、32−2、32−3の各々は、縦方向のキャリッジ28−1、28−2、28−3の各々に取り付けられ、そして、各縦方向のキャリッジ28−1、28−2、28−3に割り当てられた各駆動ユニット38−1、38−2、38−3によって第1の水平方向の主要な軸方向Xにおいて水平方向の移動軸線X11、X12、X13に沿って個々に移動されることができる。3つの縦方向のキャリッジ28−1、28−2、28−3の各々は、横方向キャリッジ26−1、26−2、26−3の各々に取り付けられ、そして、各横方向キャリッジ26−1、26−2、26−3に割り当てられた各駆動ユニット40−1、40−2、40−3によって第2の水平方向の主要な軸方向Yにおいて水平方向の移動軸線Y11、Y12、Y13に沿って個々に移動されることができる。縦方向のキャリッジ及び横方向のキャリッジの記載された組み合わせは、クロスキャリッジと呼ばれる。
【0019】
切削加工動作では、3つの折りたたみ押し台32の3つの押し台ユニット32−1、32−2、32−3は、3つの折りたたみワークピース主軸台30の3つのワークピース主軸台ユニット30−1、30−2、30−3の反対側に位置し、そして、第1の水平方向の主要な軸方向Xにおいて位置する3つの平行なワークピース軸線A1、A2、A3を形成する。
【0020】
各ワークピース主軸台ユニット30−1、30−2、30−3は、各駆動ユニット42−1、42−2、42−3によって個々に駆動されることができる。ワークピース50は、対応するワークピース主軸台ユニット30−1、30−2、30−3と押し台ユニット32−1、32−2、32−3との間で締め付けられ、対応するワークピース軸線A1、A2、A3において位置するその回転軸は、3つの駆動ユニット42−1、42−2、42−3によって予め決められた回転速度まで加速される。
【0021】
3つの折りたたみヘッド34は、第2の水平方向の主要な軸方向Yにおいて位置する切削ヘッド枢動軸Bを中心にして枢動されることができるように垂直方向キャリッジ22上に固定される。3つの折りたたみヘッド34は、専用化された主要な軸駆動部44−1、44−2、44−3の各々を備えると共に切削ツール48−1、48−2、48−3の各々を有する3つの切削ヘッドユニット34−1、34−2、34−3を備える。
端部取り付け切削ツール48−1、48−2、48−3と共に、3つの切削ヘッドユニット34−1、34−2、34−3は、共通の平面において互いに平行に位置すると共に切削ヘッド枢動軸線Bに対して直角である3つの切削軸線S1、S2、S3を形成する。
隣接する切削軸線S1−S2とS2−S3との間の空間は、一般的な製作公差内で3つの折りたたみ切削ヘッドに対して実質的に等しく大きく、そして、隣接するワークピース軸線A1−A2とA3−A4との間の空間に対応する。高精度な加工部品を製造するために、従って、切削ツール及び回転部品ブランク50を互いに別個に設定する必要があり、回転部品ブランク50は、ワークピース主軸台ユニット30−1、30−2、30−3と押し台ユニット32−1、32−2、32−3との間で締め付けられる。
互いに対応する切削軸線とワークピース軸線との間の予め決められた横方向の空間の設定は、切削軸線及びワークピース軸線の対S1−A1、S2−A2及びS3−A3の間の予め決められた横方向の空間が達するまで、各個々のツール主軸台ユニット/押し台ユニットの対の個々の移動によって実際問題として行われる。
3つの折りたたみ切削ヘッドの安定性は、切削が3つの浮きホブによって実行されるのを許容する。
【0022】
図面に示されると共にB軸線を中心にして自動的に枢動されることができる切削ヘッド34は、カウンターベアリング切削ヘッド46を有するエンドミルの使用に対して設計される。3つの折りたたみカウンターベアリング切削ヘッド46は、3つのカウンターベアリング切削ヘッドユニット46−1、46−2、46−3を備えると共に直線移動軸線(W−軸線)において切削軸線S1、S2、S3に平行に移動されることができる。切削ツールは、油圧ツールクランプ手段を介して変更される。カウンターベアリング切削ヘッド46の調整は、直線移動できるW−軸線によって正確なカウンターベアリング直径になされることができる。従って、切削ヘッド34とカウンターベアリング切削ヘッド46との間の所望の非正の接続及び付加的な安全性が達成される。
【0023】
転移、すなわち、切削軸線S1、S2、S3の方向における切削ヘッド34の移動は、垂直軸線Zと水平移動軸線又は直立縦軸線X1との間の補間法によって行われる。使用されるシフトソフトウェアは、3つの切削軸線S1、S2、S3の傾斜位置に似た直線移動を自動的に計算する。中間にあるキャリッジは、従って、省略され、より強度な構成が構築されることができる。
【0024】
全ての、直線移動軸線X1、X11、X12、X13、Y1、Y2、Y3、Y11、Y12、Y13、Z1及び回転軸線S1、S2、S3及びA1、A2、A3及び切削ヘッド枢動軸線Bは、有利には、NC軸線である。
【符号の説明】
【0025】
10 ホブマシーン
12 マシーン本体
14、16、18 12上の直線ガイド部品
20 軸方向のキャリッジ
22 垂直方向のキャリッジ
24−1、24−2、24−3 横方向のキャリッジ
26−1、26−2、26−3 横方向のキャリッジ
28−1、28−2、28−3 縦方向のキャリッジ
30 ワークピース主軸台
30−1、30−2、30−3 ワークピース主軸台ユニット
32 押し台
32−1、32−2、32−3 押し台ユニット
34 切削ヘッド
34−1、34−2、34−3 切削ヘッドユニット
36−1、36−2、36−3 24−1、24−2、24−3の駆動ユニット
38−1、38−2、38−3 32−1、32−2、32−3の駆動ユニット
40−1、40−2、40−3 26−1、26−2、26−3の駆動ユニット
42−1、42−2、42−3 30−1、30−2、30−3の駆動ユニット
44 34−1、34−2、34−3の主要な軸駆動部
46 カウンターベアリング切削ヘッド
46−1、46−2、46−3 カウンターベアリング切削ヘッドユニット
48−1、48−2、48−3 切削ツール
50 ワークピース
X11、X12、X13 X方向において水平方向の移動軸線
Y11、Y12、Y13 Y方向において水平方向の移動軸線
Z1 Z方向において垂直方向の移動軸線
A1、A2、A3 ワークピース軸線
S1、S2、S3 切削軸線
B 切削ヘッド枢動軸線
W カウンターベアリング切削ヘッド移動軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同時にn個のワークピースをホブで切削するためのホブマシーンであって、
互いに平行に位置する切削軸線(S1...Sn)を有するn個の折りたたみ切削ヘッド(34)と、
第1の水平方向の主要な軸方向(X)において互いに平行に位置するn個のワークピース軸線(A1...An)を有するn個の折りたたみ押し台(32)及びn個の折りたたみワークピース主軸台(30)とを備え、
n個の折りたたみワークピース主軸台(30)及びn個の折りたたみ押し台(32)は、第1の水平方向の主要な軸方向(X)に対して直角である第2の水平方向の主要な軸方向(Y)において水平方向の移動軸線(Y1...Yn;Y11...Y1n)に沿って個々に移動されることができるn個のワークピース主軸台ユニット(30−1...30−n)及びn個の押し台ユニット(32−1...32−n)を有し、nは、1よいも大きい、ホブマシーン。
【請求項2】
請求項1記載のホブマシーンにおいて、
nは、2又は3に等しい、ホブマシーン。
【請求項3】
請求項1又は2記載のホブマシーンにおいて、
n個のワークピース主軸台ユニット(30−1...30−n)は、ワークピース軸駆動ユニット(42−1...42−n)が各々備えられている、ホブマシーン。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つに記載のホブマシーンにおいて、
n個の押し台ユニット(32−1...32−n)は、第1の水平方向の主要な軸方向(X)において水平方向の移動軸線(X11...X1n)に沿って個々に移動されることができる縦方向のキャリッジ(28−1...28−n)の各々に固定され、
各縦方向のキャリッジ(28−1...28−n)は、第2の水平方向の主要な軸方向(Y)において水平方向の移動軸線(Y11...Y1n)に沿って個々に移動されることができる横方向キャリッジ(26−1...26−n)の各々に固定される、ホブマシーン。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つに記載のホブマシーンにおいて、
n個のワークピース主軸台ユニット(30−1...30−n)は、第2の水平方向の主要な軸方向(Y)において水平方向の移動軸線(Y11...Y1n)に沿って個々に移動されることができる横方向のキャリッジ(24−1...24−n)の各々に固定される、ホブマシーン。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一つに記載のホブマシーンにおいて、
n個の折りたたみ切削ヘッド(34)は、垂直方向の主要な軸方向(Z)において垂直方向の移動軸線(Z1)に沿って移動されることができる垂直方向キャリッジ(22)に固定される、ホブマシーン。
【請求項7】
請求項6記載のホブマシーンにおいて、
n個の折りたたみ切削ヘッド(34)は、第2の水平方向の主要な軸方向(Y)において位置する切削ヘッド枢動軸線(B)を中心にして枢動されることができるように垂直方向キャリッジ(22)に固定される、ホブマシーン。
【請求項8】
請求項7記載のホブマシーンにおいて、
切削軸線(S1...Sn)の方向において位置する移動軸線(W)に沿って移動されることができるn個の折りたたみカウンターベアリング切削ヘッド(46)は、n個の折りたたみ切削ヘッド(34)と反対側に位置する、ホブマシーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−519536(P2013−519536A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553316(P2012−553316)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際出願番号】PCT/EP2011/052340
【国際公開番号】WO2011/101405
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(512213941)ニュー・ヴィスブロート・テクノロジー・アクチェンゲゼルシャフト (1)
【Fターム(参考)】