説明

マルチボールスイッチ装置内のボールスイッチ

層構造/プレート構造のマルチボールスイッチ装置内のボールスイッチは、ボールスイッチコンタクトから平坦なコンタクト路が導出されている。ボールスイッチの室(3)の金属製の内壁(11)は、室プレート(9)の両側で円環状ストリップ(4,5)として終端している。底部プレート(6)上の円形ディスク(1)を、誘電性の材料から成る同心的なシールリング(7)が取り囲んでおり、該シールリング上には、室プレートで向かい合って位置する金属製の円環状ストリップが同心的に完全に載置されている。底部プレート(6)と室プレート(9)とは、円形ディスクを取り囲む接着剤層(10)を介して互いに結合されている/押し合わされている。これによって、室壁は、円形ディスク(1)と、導出された導体路(2)とから電気的に絶縁されている。室の円環状ストリップ(4)と、底部プレート(6)との間には、該円環状ストリップと底部プレートとの間に位置するシールリング(7)を介して、雰囲気シールが生じる。ボールスイッチは、随意に、種々の形式で覆うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチボールスイッチ装置内のボールスイッチの構造に関する。
【0002】
層構造/プレート構造のマルチボールスイッチ装置内のこのようなボールスイッチは、プラスチックから成る第1のプレート、つまり底部プレートを有しており、該底部プレート上には、中心に、導電性の材料から成る円形ディスクが配置されている。この円形ディスクからは、電気的なコンタクト路が導出されており、このコンタクト路は、底部プレートの、円形ディスクとは反対の側のボールスイッチの領域の縁部で終わっている。底部プレートに載置されているプラスチックから成る第2のプレート、つまり室プレートは、第1のプレート上の円形ディスクの配置に相応して、一貫して延びる孔、つまり室を有している。この室は、導電性の金属製の内壁を有しており、室の室長手方向軸線は、対応配置された円形ディスクの中心点を通って延びている。少なくとも一方の室プレート側における金属製の内壁からは、コンタクト路が外方に向かって導出されている。このコンタクト路は、円形ディスクに対するコンタクトラグの側、つまり円形ディスクとは反対の側で終わっている。室内には、導電性のボールが位置している。このボールの直径は、室の直径および室の高さよりも小さく形成されているが、しかし室内にこのようなボールがもう1つ完全に嵌入してしまわないような大きさに形成されている。
【0003】
ドイツ連邦共和国特許第671328号明細書には、遠心力ボールスイッチが記載されている。この遠心力ボールスイッチでは、ボールを保持する可動の部分が、スイッチの閉鎖時に、たとえば突起によって引き留められることにより、ボールが、ボールの固有の遠心力の影響を受けてスムーズに転動して、必要となる所要のコンタクト圧を生ぜしめる。
【0004】
ドイツ連邦共和国特許第3921926号明細書には、可動の器具または器具部分のための電気的なスイッチが開示されている。このスイッチは、位置および/または運動に関連して自動的に切り換わる。このスイッチは、絶縁性の材料から成るハウジングを有しており、このハウジング内には外方に突出した電気的なコンタクト部が、固定的に配置されている。内部には、この内部で自由に可動な、導電性の材料から成るコンタクトボディが配置されている。このコンタクトボディは、固定のコンタクトと、閉鎖方向もしくは開放方向に協働する。可動のコンタクトボディは、1つのボールであり、固定のコンタクトは、平行またはほぼ平行に配置された金属製のコンタクトピンである。それぞれ2つのコンタクトピンは、ボールの相応した位置により電気的に橋絡させることができる。
【0005】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第10353438号明細書には、回転スイッチもしくはスライドスイッチのためのコンタクト装置が記載されている。ばね弾性的なコンタクト部分は、係止機能をもコンタクト機能も引き受ける。このコンタクト部分は、たとえばばね支承されたボールであり、このボールはプリント配線板に設けられた孔内に係止される。この孔の孔縁部は、セクション分割された導体路を備えており、導電性のボールはこれらのセクションを互いに接続する。
【0006】
1つのベース平面の選択可能な傾斜方向を信号により識別するためのボールスイッチが、ドイツ連邦共和国実用新案第9106271.9号明細書に記載されている。スイッチボールの端部支承箇所は、円形の支承箇所であり、該支承箇所は、内室の、ベース壁に起立した側壁内に先細りした凹設部から成っている。これらの凹設部は、該凹設部の対称軸線が、ベース多角形に所属する角隅に当接するスイッチボールを、該スイッチボールの中心点のすぐ上側を通過するように寸法設定されている。各凹設部は、凹設部の底部に開口する孔を介して、当該凹設部にだけ対応配置された光線密の室に接続している。この室内には、出光エレメントまたは受光エレメントのいずれか一方が配置されている。
【0007】
米国特許第5410113号明細書に記載の構成では運動センサが、2つの基板と、コンタクト手段と、少なくとも1つの導電性のエレメントとから成っている。第1の基板は、該基板の主面に露出された導電性の層を有している。第2の基板は、主面から別の面への貫通孔を有している。第1の基板および第2の基板は、その主面側で、第1の基板上のコンタクト面が、貫通孔の端部の内側に現れるように、互いに接して配置されている。貫通孔に入れられた自由に可動なエレメントは、第1の基板上の導電性の層と、孔の内壁に設けられたコンタクト手段とを電気的に橋絡することができる。
【0008】
米国特許第5987988号明細書には、加速度センサが記載されている。該加速度センサは、内壁側で管状のコンタクト面を有する中空円筒室から成っている。この中空円筒室は、底部とカバープレートとを有している。この装置内には、導電性のボールが嵌入されており、このボールは、静止状態または室の一様の運動時に、底面に設けられた中央の凹設部により安定的な位置を占める。中央の凹設部と、これに続いた、管状のコンタクト面に接触していない環状面とは、十分な加速時に、嵌入されたボールによって、一定の強い加速の間、橋絡される。それというのは、ボールがこのような段階の間、該ボールの静止位置から変位させられるからである。
【0009】
ドイツ連邦共和国特許第10158416号明細書および欧州特許出願公開第1316981号明細書には、ボールスイッチ装置が記載されている。このボールスイッチ装置は、層またはスタック構造の複数のプレートから構成されている。第1のプレート、つまり外部プレート上には、導電性の材料から成る同形式の円形ディスクが位置している。この円形ディスクを起点として、それぞれ1つのコンタクトラグが、半径方向外方に向かって、これにより形成されたボールスイッチの縁部にまで延びている。このコンタクトラグを介してかつ電気めっきによりスルーホールめっきされた孔を用いて、円形ディスクははんだ付けパッドに電気的に接続される。この場合、はんだ付けパッドは、プリンタ配線板の下面に位置している。(これについては、上記ドイツ連邦共和国特許明細書の図1〜図10を参照されたい)。円形ディスクは、電気めっきされた孔を介して、コンタクト路に電気的に接続されている。このコンタクト路は、室とコンタクト路との間の電気的な絶縁を形成するために、円形ディスクとは異なる平面に位置している。
【0010】
上記ドイツ連邦共和国特許明細書の請求項2〜請求項4およびこれらの請求項に対応する詳細な説明には、第3のプレート、つまり規格化された別の構造の別の外部プレートが記載されている。この外部プレートはマルチボールスイッチ装置を覆っている。この構成は、円形ディスクを支持しているプレートが、2つのプレートから構成されているので手間がかかる。両プレートは、コンタクト路および円形ディスクの湿式化学的な構造化の後に貼り合わされて、電気めっきにより被覆された孔を介して互いに電気的に接続される。このような構成は、方法技術的に手間がかかる。
【0011】
本発明の根底を成す課題は、マルチボールスイッチ装置内のボールスイッチを改良して、少数の方法技術的なステップを用いて、少なくとも2つのプラスチックボード、すなわち底部ボードと室ボードとから成るマルチボールスイッチ装置を製造することのできるようなボールスイッチを提供することである。この場合、導出されたコンタクト路を有する円形面と、このコンタクト路から電気的に絶縁された室壁とから成るボールスイッチは公知の構造で存在している。第3のボード、つまりカバーボードは、このマルチボールスイッチ装置を必要に応じて覆うことができる。
【0012】
この課題は、請求項1の特徴部に記載の、このようなボールスイッチの構成により解決される。この場合、ボールスイッチは、構造化されかつ位置調整されて、関連したボードの上に配置されている。円形ディスクと、該円形ディスクからボールスイッチの外側に通じたコンタクト路とは、プラスチックボード、つまり底部ボードの一方の側の1つの平面に載置されており、底部ボードには、フォト技術的な構造化および湿式化学的なエッチングを介して導体領域が被着されている。この導体領域に、各ボールスイッチがその底部プレートで配置されている。ボールスイッチはドイツ連邦共和国特許第10158416号明細書に記載されているように並設される。
【0013】
第2のプレート、つまり室プレート内の室の金属製の内壁は、室プレートの両方の側で円環状ストリップとして終わっている。室は、室ボードを一貫して延びる孔である。予め組み付けられた底部ボードおよび室ボードにおいて、円形ディスクと室とは、それぞれ同心的かつ電気的に互いに対して絶縁されて載置されている。
【0014】
ボールスイッチの底部プレート上の円形ディスクを、誘電性の材料から成る同心的なリング、つまりシールリングが取り囲んでいて、該シールリング上には、室プレートで向かい合って位置する金属製の円環状ストリップが同心的に完全に載置されている。
【0015】
底部プレートと室プレートとは、円形ディスクを取り囲みかつ底部プレート端部にまで到達する接着剤層を介して互いに結合されている/押し合わされている。これによって、室壁は、円形ディスクと、導出された導体路とから電気的に絶縁されている。室の円環状ストリップと、底部プレートとの間には、該円環状ストリップと底部プレートとの間に位置するシールリングを介して、シール機能が生じる。このように室プレートと底部プレートとは1つの容器を形成し、この容器が室軸線に対して垂直方向にのみ運動する限りは、この容器内にはボールが円形プレートと常に接触しながら収容されていて、該容器内で運動することができる。
【0016】
別の有益かつ有利な実施形態は、請求項2以下に記載されている。
【0017】
ボールスイッチの室軸線が地球引力に対して常時鉛直方向に位置しており、容器開口が上方にしか向いておらず、ボールスイッチの運動が室軸線に対して垂直方向にしか行われないことが確実であるならば、室プレートもしくは室ボードの自由な側へのカバープレートもしくはカバーボードは必要とならないであろう。
【0018】
ボールが、容器内に確実に捕らえられているようにするために、室プレートもしくは室ボードが、第3のプレート、つまりプラスチックから成るカバープレートもしくはカバーボードにより覆われている。カバープレートに電気的な機能ではなく閉鎖機能のみが要求される場合、カバープレートは場合によっては構造体を有しなくてもよく、つまり平坦に形成されているか、または室の、向かい合って位置する円環状ストリップに対して同心的なシールリングを有して形成されている。このカバープレートは、電気的な機能の要求時には、底部プレートのように構造化されていてもよく、たとえば底部プレートに対して鏡像対称的に構成される(請求項2)。電気的な機能を有しない別のカバーは、単に室が、室とカバーとの間に位置するシールリングを有する、少なくとも室直径を有するカバーを介して覆われていることにより形成される。ボールは、密に閉じられて嵌入されて、ボールスイッチもしくは該ボールスイッチから構成されたマルチボールスイッチ装置は、任意に運動させられてよく、しかも汚染された雰囲気に対して保護されており、これにより長期間にわたる一定のスイッチ動作が維持される。
【0019】
円形ディスクの直径DKrは、以下の範囲であり、ボールは、各一時的なボール位置における接触時に確実に接触することが望ましい。
Ka−DKu<DKr<DKa
この場合、DKaは室直径であり、DKuはボール直径である。したがってボールスイッチの大量生産のために、ボール直径DKuは直径差DKa−DKuよりも大きく設定される。
【0020】
室長手方向軸線に対して平行に位置しかつ円形ディスクもしくは室内壁からのコンタクト路が終わる、ボールスイッチの互いに反対側に位置する2つの側面に沿って、一貫して延びる半割管状の導電性のそれぞれ1つのコンタクト路が延びており、該コンタクト路で、円形ディスクもしくは室内壁からのコンタクト路が終わっている。マルチボールスイッチ装置を形成するボード内に、一貫して延びる孔が形成されている。
【0021】
室内に露出した表面およびボール表面がどのような雰囲気に曝されているかに関係なく、これらの表面は、導電性の領域であっても導電性でない領域であっても室雰囲気に対して不活性の材料から成っていなければならない。この場合、嵌入されたボールは、ボール表面が雰囲気不活性で導電性の表面の要求を満たしている限りは、任意の材料から成っていてよい。ボールは、導電性の材料から中実に形成されていてもよく、場合によっては熱調質された表面を有していてよい。ボールスイッチ底部と、場合によってはボールスイッチカバーとに設けられた、突出した導体路を有する円形ディスクには、該円形ディスクが金属製の材料から成っており、室内に露出された導体表面で、少なくともこの雰囲気不活性の要求を満たしていることが当てはまる。
【0022】
コンタクト面から縁部に向かって平坦に導出したコンタクト路を有するボールスイッチのこの構造は、スクリーン印刷および電気めっき技術を用いた製造を許容する。これによって上記の公知先行技術に対して、ボールスイッチプレート内の垂直方向のコンタクトを省くことができる。製造技術的に有意義かつひいては経済的な利点である。
【0023】
以下に、このような小型化したボールスイッチの実施例を2つの図面で示す。マルチボールスイッチ装置への組立ては、ドイツ連邦共和国特許第10158416号明細書に詳しく記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】覆われていないボールスイッチを示す図である。
【図2】電気的な機能を有するボールスイッチカバーを示す図である。
【0025】
図1には、最も単純な、開いた形のボールスイッチの中心断面図が示されている。底部プレート6の上側には、フォト技術的な構造化および湿式化学的なエッチングを介して、円形ディスク1の中央のコンタクト面と、該円形ディスク1から図面で見て左側のボールスイッチ縁部にまで延びるコンタクト路2とが設けられている。円形ディスク1に対して同心的に、コンタクト路のない領域に環状ギャップを形成しながら、導電性の室壁11に対する電気的な絶縁のためのシールリング7が装着されている。底部プレート6には、シールリング7の外側で接着剤10が塗布され、その上に室プレート9が装着されるか、もしくは底部プレート6とプレスされ、この場合、底部プレート6上の円形ディスク面1と室3とは、円環状ストリップ4が全周にわたって載置されるように同心的に、少なくともほぼ同心的に装着される。シールリング7の幅は、室内壁の、室プレート側に引き込まれた金属製の円環状ストリップ4が、室に対する円形ディスクの許容可能な偏心時にも、当該シールリング7に一貫して載置されるように寸法設計されている。この円環状ストリップ4からは、円形ディスク1のコンタクト路2に対して反対の方向で、コンタクト路8が、室プレート9の反対の側の縁部にまで平坦に延びている。両コンタクト路2,8は、それぞれ導電的に、一方では円形ディスクコンタクトのために、他方では室内壁コンタクトのために、一貫して延びる半割管コンタクト路15に移行している。両半割管コンタクト路15は、底部プレートの下側で屈曲して、端部にボールスイッチ接続部のためのはんだ付けパッド16を形成している。
【0026】
図2は、図1の状態を示すが、カバープレート12の分だけ拡張されている。このカバープレート12によって、ボール17は、ボールスイッチの室3内に密に嵌入されている。図2のためには、請求項2に記載の変化形が選択されており、この変化形では、底部プレート6に対して鏡像対称的なカバープレート12が設けられている。したがってこのカバープレート12は、密なカバーの他に、電気的な機能をも有している。完全なスイッチ機能のためには、カバープレート12に設けられた円形ディスク1から少なくともコンタクト路2が導出されていなければならない。室壁11から導出されたコンタクト路は、上方のカバープレートでは不要にすることができる。底部プレート6において引き出されたコンタクト路8で十分である。この閉じられた室構造は、ボールスイッチの中心線に対して対称的である。図示の事例では、カバープレート12に設けられたコンタクト路2は、ボールスイッチに沿って一貫して延びる左側の半割管コンタクト路15にコンタクトしている。ボールスイッチは、ボール17が上方または下方で橋絡すると、閉じられた状態にある。左側の半割管コンタクト路15がたとえば中心で切断されている場合、ボール17による橋絡によって上方または下方で、ボールスイッチの位置または加速方向が示される。
【0027】
ボールスイッチのためのこの実施例では、底部プレートおよび室プレートの両プレート、もしくは底部ボードおよび室ボードの両ボードは、ガラス繊維強化されたプリント配線板材料である。コンタクト面は、たとえば銅から成っており、露出された表面領域は場合によってはさらに雰囲気不活性に熱調質されている。それぞれ2つまたは3つのボードに、マルチボールスイッチ装置のための構造体を被着した後に、これらのボードは、マルチボールスイッチ装置へと組み付けられ/押し合わされて、その後に直接隣接したボールスイッチの半割管コンタクト路15のための貫通孔(Durch und Durch Bohrung)が導入され、孔の壁が、引き続き各はんだ付けパッド16に対する結合に続いて電気めっきされる。
【0028】
ボールスイッチの構造サイズは、実質的に製造技術的にしか制限されない、つまり、フォト技術的な構造化と湿式化学的なエッチングの他に、たとえば穿孔のような精密機械的もしくは機械的な製造ステップが使用される。
【符号の説明】
【0029】
1 円形ディスク
2 コンタクト路
3 室
4 円環状ストリップ
5 円環状ストリップ
6 底部プレート
7 シールリング
8 コンタクト路
9 室プレート
10 接着剤層
11 室壁
12 カバープレート
13 シールリング
14 室軸線
15 コンタクト面
16 はんだ付けパッド
17 ボール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
層構造/プレート構造のマルチボールスイッチ装置内のボールスイッチであって、
第1のプラスチックプレート、つまり底部プレートが設けられていて、該底部プレートの中心に金属製の円形ディスクが載置されており、該円形ディスクから電気的なコンタクト路が、底部プレートの縁部に通じており、
前記底部プレートに載置された第2のプラスチックプレート、つまり室プレートが設けられていて、該室プレートが、第1のプレート上での金属製の円形ディスクの配置に相応して、金属製の内壁を有する一貫して延びる孔、つまり室を有しており、該室が、底部プレート上の円形ディスクに対して同心的に位置しており、該室から少なくとも1つの室プレート側で室プレートの縁部に向かったコンタクト路が延びており、この室プレート縁部が、コンタクト路を有する底部プレート縁部とは反対の側に位置しており、
さらに前記孔内に導電性のボールが設けられており、該ボールの直径が、室の直径および室の高さよりも小さく形成されており、ただし第2のこのようなボールがもう1つ室内に完全に嵌入し得ることのない大きさに形成されている形式のものにおいて、
金属製の円形ディスク(1)と、該円形ディスク(1)から離れる方向でボールスイッチの外側に通じたコンタクト路(2)とが、1つの平面内に位置しており、
室(3)の金属製の内壁が、室プレートの両方の側で、端部に金属製の円環状ストリップ(4,5)を形成しており、
底部プレート(6)上の円形ディスク(1)が、非導電性の弾性的な材料から成る同心的なリング(7)、つまり第1のシールリング(7)によって取り囲まれており、該シールリング(7)に、室プレート(9)で向かい合って位置する円環状ストリップ(4)が全周にわたって一貫して載置されており、
底部プレート(6)と室プレート(9)とが、円形ディスク(1)を取り囲む接着剤層(10)を介して互いに押し合わされていて、室壁(11)が、導出されたコンタクト路(2)を有する円形ディスク(1)から電気的に絶縁されており、室(3)の円環状ストリップ(4)と底部プレート(6)との間で、該円環状ストリップ(4)と底部プレート(6)との間に位置するシールリング(7)を介して、シール機能が提供されている
ことを特徴とする、層構造/プレート構造のマルチボールスイッチ装置内のボールスイッチ。
【請求項2】
室(3)が、上方に向かって開いているか、または嵌入されたボール(17)を閉鎖するために第3のプラスチックプレート(12)、つまりカバープレート(12)によって覆われており、
該カバープレート(12)が、室(3)に面した側に構造体を有しておらず、平坦に形成されているか、
またはカバープレート(12)に、底部プレート(6)に対するのと同様に、室(3)に対して同心的な第2のシールリング(13)が載置されており、該シールリング(13)に、室プレート(9)で向かい合って位置する円環状ストリップ(5)が全周わたって一貫して載置されているか、
または底部プレート(6)に対して鏡像対称的に構造化されたカバープレート(12)が室プレート(9)に載置されているか、
または室(3)が、室と円形ディスクとの間に位置するシールリングを有する円形ディスクを介して閉じられている、請求項1記載のボールスイッチ。
【請求項3】
室長手方向軸線(14)に対して平行に、円形ディスク(1)からのコンタクト路(2)が終わっている側と、室内壁(11)からのコンタクト路(2)が終わっている側とに、一貫して延びる半割管状の導電性のそれぞれ1つのコンタクト面(15)が存在しており、該コンタクト面(15)が、少なくとも下側の底部プレート側で、外部のボールスイッチ接続部のためのはんだ付けパッド(16)で終わっている、請求項1または2記載のボールスイッチ。
【請求項4】
少なくとも室(3)内に露出された表面と、ボール表面とが、室雰囲気に対して不活性な材料により熱調質されている、請求項3記載のボールスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−524148(P2010−524148A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540621(P2009−540621)
【出願日】平成19年11月17日(2007.11.17)
【国際出願番号】PCT/EP2007/009966
【国際公開番号】WO2008/071289
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(591004618)フォルシュングスツェントルム カールスルーエ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (50)
【氏名又は名称原語表記】Forschungszentrum Karlsruhe GmbH
【住所又は居所原語表記】Weberstrasse 5, D−76133 Karlsruhe,Germany
【Fターム(参考)】