説明

マルチメディア放送番組の録画方法及び装置

【課題】ユーザが番組をしばらく鑑賞してから番組を録画しようと決めるため、録画したマルチメディア番組のコンテンツが不完全なものとなる問題を解決する。
【解決手段】本発明は、マルチメディア放送番組の録画方法及び装置を提供する。前記方法は、マルチメディア放送番組の再生中、録画コマンドを受信すると、モバイル端末に予め設定されたキャッシュ領域に格納された番組コンテンツを、モバイル端末の記憶装置に転送する。前記キャッシュ領域に格納された番組コンテンツは、前記録画コマンドを受信したときに再生されていた番組コンテンツである(101)。前記マルチメディア放送番組の再生中の、後続の番組コンテンツを前記記憶装置に録画する(102)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチメディア技術分野に関し、特に、マルチメディア放送番組の録画(transcribe)方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術の発展に伴い、個人消費される電子機器が日々改良されている。現在、個人消費される電子機器(モバイル端末等)には、ますます多くのマルチメディア機能(例えば、マルチメディア放送機能)が搭載されている。
【0003】
モバイルテレビに代表されるようなモバイルマルチメディア放送技術が、近年、急速に発展している。現在、モバイル端末に応用されるモバイルマルチメディア放送システムには、主に2つの技術方向がある。1つは、モバイル通信セルラネットワークに基づくストリーミングメディア技術である。特に、3G及びその発展型技術により、セルラモバイル端末のインターネット接続速度が向上し、ユーザ体験が大いに向上する。中でも、典型的な技術(例えば、メディアフロー(Media FLO:Forward link only))により、3Gネットワークに基づくモバイルマルチメディア放送システムが実現可能となる。もう1つは、放送ネットワークに基づく直接放送受信方式である。直接放送受信方式には、多くの技術規格が存在する。例えば、ヨーロッパのデジタルオーディオ規格として、DVB−H(Digital Video Broadcasting−Handing)や、DAB(Digital Audio Broadcast)から派生したDMB(Digital Media Broadcasting)がある。中国の地上デジタルテレビ業界規格として、CMMB(China Mobile Multimedia Broadcasting)がある。これらの規格のシステムアーキテクチャはいずれも放送方式である一方、これらの規格の技術的差異は、主に、システム側のネットワークアーキテクチャ及びチャネルアーキテクチャなどのプロトコル層にある。
【0004】
モバイル端末の待受時間による制限のため、モバイルマルチメディア放送サービスのユーザは、長時間オンラインでスタンバイ状態でいることができない。スタンバイ状態でないモバイル端末が、モバイルマルチメディア放送サービスを受信及び再生することができるようにするため、従来技術によれば、モバイルマルチメディア放送番組の録画機能が提供される。ユーザは、好みの番組を録画し、モバイル端末の記憶装置に記憶する。モバイルマルチメディアシステムの受信器の電源が切られた後、ユーザは、セルラネットワークデータサービス又は放送ネットワークに接続する必要なく、録画番組をモバイル端末で鑑賞することができる。これにより、端末の電力消費を抑え、ユーザのコストを抑え、ユーザ体験が向上する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術では、主にリアルタイム録画方式を用いてモバイルマルチメディア放送番組を録画するが、既存の録画方式には、一定の問題がある。
【0006】
リアルタイム録画方式を用いた場合、ユーザは、録画の過程において、放送番組情報を事前に取得する必要はない。しかしながら、ユーザは、番組の初めの部分を鑑賞してから、番組を録画しようと決める。このため、マルチメディア番組の録画コンテンツは、最終的に、不完全なものとなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係るマルチメディア放送番組の録画方法は、
マルチメディア放送番組の再生中、録画コマンドを受信すると、モバイル端末に設けられたキャッシュ領域に格納された番組コンテンツを、モバイル端末の記憶装置に転送し、前記キャッシュ領域に格納された番組コンテンツは、前記録画コマンドを受信したときに再生されていた番組コンテンツであり、
前記マルチメディア放送番組の再生中の、後続の番組コンテンツを前記記憶装置に録画する。
【0008】
本発明の一実施形態に係るマルチメディア放送番組の録画装置は、
マルチメディア放送番組の再生中、録画コマンドを受信する受信モジュールと、
前記受信モジュールが前記録画コマンドを受信すると、モバイル端末に設けられたキャッシュ領域に格納された番組コンテンツを、モバイル端末の記憶装置に転送し、前記キャッシュ領域に格納された番組コンテンツは、前記録画コマンドを受信したときに再生されていた番組コンテンツである転送モジュールと、
前記マルチメディア放送番組の再生中の、後続の番組コンテンツを前記記憶装置に録画する録画モジュールと
を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態において、再生された番組コンテンツを、予め設定されたキャッシュ領域に格納する。録画コマンドを受信すると、キャッシュ領域に格納された番組コンテンツを、モバイル端末の記憶装置に転送する。即ち、録画コマンドを受信すると、録画コマンドを受信したときに再生中であった番組コンテンツの一部又は全部をも、モバイル端末の記憶装置に記憶することができる。従来技術におけるリアルタイム録画方式と比べて、マルチメディア放送番組の録画が相対的に完全なものとなり、マルチメディア放送サービスのユーザ体験が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係るマルチメディア放送番組の録画方法のフローチャートである。
【図2】本発明の実施形態に係るマルチメディア放送番組の録画方法の具体的な実施例のフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態に係るマルチメディア放送番組の録画装置の第1の構造模式図である。
【図4】本発明の実施形態に係るマルチメディア放送番組の録画装置の第2の構造模式図である。
【図5】本発明の実施形態に係る転送モジュールの構造模式図である。
【図6】本発明の実施形態に係るマルチメディア放送番組の録画装置の第3の構造模式図である。
【図7】本発明の実施形態に係るマルチメディア放送番組の録画装置の第4の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
従来技術に係る録画過程においては、ユーザは、番組をしばらく鑑賞してから、番組を録画しようと決める。このため、マルチメディア番組の録画コンテンツは、最終的に、不完全なものとなる。この問題を解決するため、本発明の実施形態は、マルチメディア放送番組の録画方法を提供する。このマルチメディア放送番組の録画方法は、モバイル端末に適用される。録画過程において、モバイル端末がマルチメディア放送サービスを開始し、マルチメディア放送番組を再生すると、再生中のマルチメディア放送番組が、モバイル端末の記憶装置に録画される。具体的な処理プロセスは、図1に示すように、以下のステップを含む。
【0012】
ステップ101では、録画コマンドを受信すると、モバイル端末に予め設定されたキャッシュ領域に格納された番組コンテンツを、モバイル端末の記憶装置に転送する。キャッシュ領域に格納された番組コンテンツは、録画コマンドを受信したときに再生されていた番組コンテンツである。
【0013】
ステップ102では、マルチメディア放送番組で再生中の、後続の番組コンテンツをモバイル端末の記憶装置に録画する。
【0014】
図1に示すプロセスのように、ステップ101を実行する際に、モバイル端末にキャッシュ領域が設定される。キャッシュ領域は、マルチメディア放送番組を再生中に、再生中の番組コンテンツを同期して記憶する。
【0015】
実行中、キャッシュへの格納をスムーズに行うため、キャッシュ領域の属性の設定は、下記の条件を満たすのがよい。すなわち、キャッシュ領域におけるキャッシュ空間が、モバイル端末の現在残存する記憶空間以下である。これとともに、あるいは、これに代えて、キャッシュ領域のキャッシュ時間が、予め設定された記憶時間以下である。ここで、予め設定されたキャッシュ時間は、モバイル端末の現在残存する記憶空間と、マルチメディア放送番組の空間最大占有率との比である。即ち、キャッシュ時間≦(モバイル端末の現在残存する記憶空間/マルチメディア放送番組の空間最大占有率)となる。
【0016】
一般的に、キャッシュ空間の単位はバイトであり、キャッシュ時間の単位は秒(s)である。マルチメディア放送番組の空間最大占有率の単位は、バイト/秒である。
【0017】
キャッシュ領域の設定については、モバイル端末に内蔵されたモバイルマルチメディア放送サービスをユーザが最初に起動するときに、ユーザが手動設定するようにしてもよい。あるいは、モバイル端末出荷後初めて電源が投入されたときに、ユーザが手動設定するようにしてもよい。設定完了後、モバイルマルチメディア放送サービスを次回起動するときに、設定が有効となる。あるいは、出荷前に、キャッシュ領域の関連属性を、予めモバイル端末に設定してもよい。あるいは、マルチメディア放送サービスを起動する前に毎回、実行中に、その都度再生されるマルチメディア放送番組の番組コンテンツ(例えば、番組が占有する記憶空間の大きさ)に応じて、キャッシュ領域の関連属性を設定してもよい。
【0018】
予め設定されたキャッシュ領域に番組コンテンツを格納する場合、複数のキャッシュ方式がある。例えば、好ましいキャッシュ方式は、キャッシュ領域全体スタックキャッシュ方式(full caching area stack caching)である。この方式では、キャッシュ領域全体を完全な記憶空間とする。番組コンテンツを、順に当該記憶空間に格納する。番組コンテンツのサイズがキャッシュ空間を超える場合、時間順に従って、前に記憶されたコンテンツをオーバーフローさせる。一方、キャッシュ空間を超える番組コンテンツの一部を、キャッシュに格納する。例えば、キャッシュ空間が30Mであり、現在再生中のマルチメディア放送番組が35Mである場合、0〜5Mのコンテンツをオーバーフローさせ、30〜35Mのコンテンツをキャッシュに格納する。もう1つの好ましい記憶方式は、分割型スタックキャッシュ方式(block-based stack caching)である。即ち、キャッシュ領域を、複数のキャッシュブロックに分割する。各キャッシュブロックに番組コンテンツを格納する方法は、キャッシュ領域全体に番組コンテンツを格納する方法と同様である。番組コンテンツのサイズがキャッシュ空間を超える場合、時間順に従って、第1のキャッシュブロックに格納されたコンテンツを優先的に消去する。番組コンテンツは、第1のキャッシュブロック、続いて、第2のキャッシュブロック、第3のキャッシュブロック…第Nのキャッシュブロック…第1のキャッシュブロックに格納される。Nは自然数である。このプロセスは循環的に行われる。実行する際に、具体的な状況に応じて、他のキャッシュ方式が存在してもよい。
【0019】
実行の際、ステップ101及びステップ102に係る記憶装置は、モバイル端末の本体メモリであってよいし、プラグインタイプの補助メモリであってもよい。プラグインタイプの補助メモリとしては、モバイルハードディスクドライブ、ユニバーサルシリアルバスフラッシュディスク(Universal Serial BUS flash disk:USBフラッシュディスク)、光ディスクなどが挙げられる。
【0020】
ステップ101から分かるように、実行する際に、再生された番組コンテンツを、予め設定されたキャッシュ領域に格納することができる。録画コマンドを受信すると、キャッシュ領域に格納された番組コンテンツを、モバイル端末の記憶装置に転送する。即ち、録画コマンドを受信すると、録画コマンドを受信したときに再生中であった番組コンテンツの一部又は全部をも、モバイル端末の記憶装置に記憶することができる。従来技術におけるリアルタイム録画方式と比べて、マルチメディア放送番組の録画が相対的に完全なものとなり、マルチメディア放送サービスのユーザ体験が向上する。
【0021】
図1に示すプロセスのように、ステップ102を実行するとき、再生中の、後続の番組コンテンツを記憶装置に録画する。このとき、再生中のマルチメディア放送番組を、キャッシュ領域に格納し続けてもよい。もちろん、具体的な状況に応じて、再生中のマルチメディア放送番組を、キャッシュ領域に格納しなくてもよい。マルチメディア放送番組の録画が完了すると、記憶装置に転送された番組コンテンツのファイルと、録画された後続の番組コンテンツのファイルとを、1ファイルに結合する。即ち、2つのファイルを1つのファイルに結合する。これにより、ユーザ鑑賞の利便性が向上し、ユーザ体験が向上する。
【0022】
実行中、モバイル端末がマルチメディア放送サービスを終了すると、モバイル端末は、予め設定されたキャッシュ領域の記憶空間を解放し、占有するシステムリソースを節約する。もちろん、マルチメディア放送サービスを終了する前に、1つのマルチメディア放送番組の録画に限られず、複数のマルチメディア放送番組を順番に録画してもよい。ただし、モバイル端末の記憶装置の記憶容量を超えない場合に限られる。
【0023】
本発明の実施形態に係るマルチメディア放送番組の録画方法は、既存の放送方式に適用される。既存の放送方式としては、モバイル通信セルラネットワークに基づくストリーミングメディア方式や、放送ネットワークに基づく直接放送受信方式などがある。
【0024】
また、現在広く適用されるタイマー録画と比べて、本発明の実施形態に係るマルチメディア放送番組の録画方法は、録画前に番組放送パラメータ情報を取得する必要がない。動作が簡単で、複雑性が低く、ユーザ体験が向上する。
【0025】
具体的な一実施例を説明する。本実施例において、端末の記憶装置は、2Gバイトのフラッシュ(2GBT−flash)カードである。分割型動的記憶方式(block-based dynamic caching)を用いて、番組コンテンツをキャッシュに格納する。ユーザは、記憶時間を60sに設定する。モバイル端末がモバイルマルチメディア放送番組を録画するフォーマットは、モバイル端末に一般に適用される、3Gストリーミングメディアのビデオコーディングフォーマットである。ビデオコーディングレートは、224kbpsである。画面規格は、一般に適用される標準フォーマットQCIF(Quarter common intermediate format)(176×144)である。オーディオコーディングレートは、32kである。オーディオビデオ総コーディングレートは、256Kbpsである。キャッシュ空間のサイズは、以下の数式により計算される。
【0026】
キャッシュ空間(MB)=(オーディオビデオ総コーディングレート(Kbps)/8)×キャッシュ時間(s)/1024
【0027】
前記パラメータを例とすると、キャッシュ空間は、1.875MBと算出される。2GBT−flashカードに記憶されたファイルがヌル(empty)である場合、当該モバイル端末に対して、60sのキャッシュ設定条件が有効であると判断できる。
【0028】
キャッシュ領域のブロック数を5に設定する場合、各記憶ユニットは、0.375MB(3Mbit)である。これは、12sの記憶時間に等価である。モバイルマルチメディア放送番組が開始した後、モバイル端末の処理プロセスは、図2に示すようになる。
【0029】
ステップ200では、ユーザがキャッシュ時間を60sに設定する。
【0030】
ステップ201では、モバイル端末が、番組コンテンツを動的にキャッシュに格納する。
【0031】
ステップ202では、録画コマンドを受信すると、キャッシュ領域に格納された番組コンテンツを、モバイル端末の記憶装置に転送する。
【0032】
ステップ203では、モバイル端末が、キャッシュファイルに基づいて、書き込み動作を行う。これにより、録画が完了するまで、現在再生中の番組コンテンツを録画する。
【0033】
ステップ204では、モバイルマルチメディア放送サービスの再生を終了した後、キャッシュ領域中の1.875MBの記憶空間を解放する。
【0034】
ステップ201の実行中、各キャッシュブロックのサイズは、3Mbitに設定される。キャッシュデータが、全空間である1.875MBを占有する。この後、第1のキャッシュブロックに格納された3Mbitの番組コンテンツを消去する。引き続き、キャッシュへの格納が行われる。続いて、第2、第3、第4、第5のキャッシュブロックに格納された番組コンテンツが、順次、新たな番組コンテンツに置き換えられる。その後、このプロセスが循環的に行われる。
【0035】
同一の発明思想に基づき、本発明の実施形態によれば、マルチメディア放送番組の録画装置が更に提供される。マルチメディア放送番組の録画装置の具体的な構造は、図3に示すように、受信モジュール301と、転送モジュール302と、録画モジュール303とを含む。
【0036】
受信モジュール301は、マルチメディア放送番組の再生中、録画コマンドを受信する。
【0037】
転送モジュール302は、受信モジュール301が録画コマンドを受信すると、モバイル端末に予め設定されたキャッシュ領域に格納された番組コンテンツを、モバイル端末の記憶装置に転送する。キャッシュ領域に格納された番組コンテンツは、録画コマンドを受信したときに再生されていた番組コンテンツである。
【0038】
録画モジュール303は、マルチメディア放送番組で再生中の、後続の番組コンテンツを記憶装置に録画する。
【0039】
一実施形態において、図4に示す構造のように、マルチメディア放送番組の録画装置は、第1の設定モジュール401と、第2の設定モジュール402とを更に含む。
【0040】
第1の設定モジュール401は、キャッシュ領域内のキャッシュ空間を、モバイル端末の現在残存する記憶空間以下に設定する。
【0041】
第2の設定モジュール402は、キャッシュ領域のキャッシュ時間を、予め設定されたキャッシュ時間以下に設定する。予め設定されたキャッシュ時間は、モバイル端末の現在残存する記憶空間と、マルチメディア放送番組の空間最大占有率との比である。
【0042】
一実施形態において、図5に示す構造のように、転送モジュール302は、第1のキャッシュサブモジュール501と、第2のキャッシュサブモジュール502と、転送サブモジュール503とを含んでもよい。
【0043】
第1のキャッシュサブモジュール501は、マルチメディア放送番組の再生中、キャッシュ領域全体スタックキャッシュ方式で、マルチメディア放送番組の番組コンテンツをキャッシュに格納する。
【0044】
第2のキャッシュサブモジュール502は、マルチメディア放送番組の再生中、分割型スタックキャッシュ方式で、マルチメディア放送番組の番組コンテンツをキャッシュに格納する。
【0045】
転送サブモジュール503は、第1のキャッシュサブモジュール501又は第2のキャッシュサブモジュール502に格納された番組コンテンツを、記憶装置に転送する。
【0046】
一実施形態において、図6に示す構造のように、マルチメディア放送番組の録画装置は、結合モジュール601を更に含む。
【0047】
結合モジュール601は、録画終了後、記憶装置に転送された番組コンテンツのファイルと、録画された後続の番組コンテンツのファイルとを、1ファイルに結合する。
【0048】
一実施形態において、図7に示す構造のように、マルチメディア放送番組の録画装置は、解放モジュール701を更に含む。
【0049】
解放モジュール701は、マルチメディア放送番組の再生が終了した後、キャッシュ領域における記憶空間を解放する。
【0050】
一実施形態において、図3に示す構造のように、マルチメディア放送番組の録画装置は、モバイル端末に内蔵される。
【0051】
本発明の実施形態において、再生された番組コンテンツを、予め設定されたキャッシュ領域に格納する。録画コマンドを受信すると、キャッシュ領域に格納された番組コンテンツを、モバイル端末の記憶装置に転送する。即ち、録画コマンドを受信すると、録画コマンドを受信したときに再生中であった番組コンテンツの一部又は全部をも、モバイル端末の記憶装置に記憶することができる。従来技術におけるリアルタイム録画方式と比べて、マルチメディア放送番組の録画が相対的に完全なものとなり、マルチメディア放送サービスのユーザ体験が向上する。
【0052】
更に、マルチメディア放送番組の録画が完了すると、記憶装置に転送された番組コンテンツのファイルと、録画された後続の番組コンテンツのファイルとを、1ファイルに結合する。これにより、ユーザの鑑賞の利便性が向上し、ユーザ体験が向上する。
【0053】
更に、現在広く適用されるタイマー録画と比べて、本発明の実施形態に係るマルチメディア放送番組の録画方法は、録画前に、番組開始時間、番組終了時間などの詳細な番組放送パラメータ情報を取得する必要がない。動作が簡単で、複雑性が低く、ユーザ体験が向上する。
【0054】
上記のものは本発明の好適な実施形態に過ぎず、本発明はこれに限定されず、種々の変更形態および変形形態が当業者によって可能である。また、特許請求の範囲に規定される本発明の精神及び範囲に逸脱しない限り、あらゆる変更、均等な代替物、および改良が可能であることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチメディア放送番組の再生中、録画コマンドを受信すると、モバイル端末に設けられたキャッシュ領域に格納された番組コンテンツを、モバイル端末の記憶装置に転送し、前記キャッシュ領域に格納された番組コンテンツは、前記録画コマンドを受信したときに再生されていた番組コンテンツであり、
前記マルチメディア放送番組の再生中の、後続の番組コンテンツを前記記憶装置に録画する
マルチメディア放送番組の録画方法。
【請求項2】
さらに、前記キャッシュ領域におけるキャッシュ空間を、前記モバイル端末の現在残存する記憶空間以下に設定し、及び/又は
前記キャッシュ領域のキャッシュ時間を、予め設定されたキャッシュ時間以下に設定し、
前記予め設定されたキャッシュ時間は、前記モバイル端末の現在残存する記憶空間と、前記マルチメディア放送番組の空間最大占有率との比である
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記番組コンテンツを前記キャッシュ領域に格納する方式は、キャッシュ領域全体スタックキャッシュ方式及び/又は分割型スタックキャッシュ方式である
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記記憶装置は、前記モバイル端末の本体メモリ及び/又はプラグインタイプの補助メモリを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
さらに、録画終了後、前記記憶装置に転送された番組コンテンツと、録画された後続の番組コンテンツとを、1ファイルに結合する
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
さらに、前記マルチメディア放送番組の再生が終了した後、前記キャッシュ領域におけるキャッシュ空間を解放する
請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
マルチメディア放送番組の再生中、録画コマンドを受信する受信モジュールと、
前記受信モジュールが前記録画コマンドを受信すると、モバイル端末に設けられたキャッシュ領域に格納された番組コンテンツを、モバイル端末の記憶装置に転送し、前記キャッシュ領域に格納された番組コンテンツは、前記録画コマンドを受信したときに再生されていた番組コンテンツである転送モジュールと、
前記マルチメディア放送番組の再生中の、後続の番組コンテンツを前記記憶装置に録画する録画モジュールと
を含むマルチメディア放送番組の録画装置。
【請求項8】
前記キャッシュ領域におけるキャッシュ空間を、前記モバイル端末の現在残存する記憶空間以下に設定する第1の設定モジュール及び/又は
前記キャッシュ領域のキャッシュ時間を、予め設定されたキャッシュ時間以下に設定し、前記予め設定されたキャッシュ時間は、前記モバイル端末の現在残存する記憶空間と、前記マルチメディア放送番組の空間最大占有率との比である第2の設定モジュール
をさらに含む請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記転送モジュールは、
前記マルチメディア放送番組の再生中、キャッシュ領域全体スタックキャッシュ方式で、前記マルチメディア放送番組の番組コンテンツをキャッシュに格納する第1のキャッシュサブモジュールと、
前記マルチメディア放送番組の再生中、分割型スタックキャッシュ方式で、前記マルチメディア放送番組の番組コンテンツをキャッシュに格納する第2のキャッシュサブモジュールと、
前記受信モジュールが前記録画コマンドを受信すると、前記第1のキャッシュサブモジュール又は第2のキャッシュサブモジュールに格納された番組コンテンツを、前記記憶装置に転送する転送サブモジュールとを含む
請求項7に記載の装置。
【請求項10】
録画終了後、前記記憶装置に転送された番組コンテンツと、録画された後続の番組コンテンツとを、1ファイルに結合する結合モジュール
を更に含む請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記マルチメディア放送番組の再生が終了した後、前記キャッシュ領域におけるキャッシュ空間を解放する解放モジュール
を更に含む請求項7〜10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記装置は、モバイル端末に内蔵される
請求項7に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−517715(P2013−517715A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549230(P2012−549230)
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【国際出願番号】PCT/CN2010/075300
【国際公開番号】WO2011/088671
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(511207729)ゼットティーイー コーポレイション (78)
【Fターム(参考)】