説明

マンホール用副管要素

【課題】 マンホールに簡易な作業で経済的に副管流路を構築できるマンホール用副管要素を提供する。
【解決手段】 マンホール用副管要素aは、上部ソケット1と、下部ソケット10と、立上り調整ブロック16とから成り、上部ソケット1と下部ソケット10はそれぞれ嵌入突部3、12においてマンホール部材20、21に貫設した削孔22に嵌着し、接着材で一体に固定され、上部ソケット1の垂直流路7と下部ソケット10の直角流路13とを、立上り調整ブロック16の垂直管8を介して垂直流路18に接続し、該垂直管8の上端は上部ソケット1嵌着座9に接着材で接合され、下端は下部ソケット10の嵌着座15において、ジョイント材19を介在させて接着材で固定される副管流路を構築して成る。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マンホールの流入側と流出側の管底段差が0.6m以上あるときに用いられる副管要素に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のマンホールにおける副管構造は、マンホールの流入側の上下の流路を曲管で接続して副管流路を形成し、該副管流路を現場打ちのコンクリートでマンホールの周部に一体に包蔵する構造であるため、型組みに技術を要する上、養生に日数を要するものであり、また、マンホールの各組立て部材毎に副管流路を具備した組立てマンホールも提供されているが、配管仕様によって多数の型枠が必要となる上、製品成形のための型組みに熟練を要するなど、作業性や経済性の点で改善を要するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記に鑑み、マンホールに簡易な作業で経済的に副管流路を構築できるマンホール用副管要素を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のマンホール用副管要素は、ブロック本体の前部に嵌入突部を突設し、該ブロック本体の後端から嵌入突部の前端に渡って水平流路を開口し、該水平流路の後端部に流入管の嵌着座を配設するとともに、中央部下方に垂直流路を開口し、該垂直流路の外端部に垂直管の嵌着座を配設して成る上部ソケットと、ブロック本体の前部に嵌入突部を突設し、該ブロック本体の上端から嵌入突部の前端に渡って直角流路を開口し、該直角流路の上端部に垂直管の嵌着座を配設して成る下部ソケットと、ブロック本体の中央上下に垂直流路を開口した垂直管を縦設し、該垂直管の上下端部をブロック本体の上下面よりそれぞれ所要に突出して成る立上り調整ブロックとから成る。
【0005】
【作用】上部ソケットの嵌入突部は、マンホール本体の壁面の削孔に嵌着して固定され、後端部の嵌着座は流入管を嵌着して固定し、中央部下方の嵌着座は立上り調整ブロックの垂直管の上端部を嵌着して固定し、下部ソケットの嵌入突部はマンホール本体の壁面の削孔に嵌着して固定され、上端部の嵌着座は立上り調整ブロックの垂直管の下端部を嵌着して固定し、立上り調整ブロックは、マンホール本体の壁面の削孔の配設間隔に応じてその長さが選択される。
【0006】
【実施例】本発明を実施例により説明すると、図1に示すように、上部ソケット1は、ブロック本体2の前部に嵌入突部3を突設し、ブロック本体2の後端から嵌入突部3の前端に渡って水平流路4を開口し、水平流路4の後端部に流入管5の嵌着座6を配設するとともに、中央部下方に垂直流路7を開口し、垂直流路7の外端部に垂直管8の嵌着座9を配設して成り、下部ソケット10は、ブロック本体11の前部に嵌入突部12を突設し、ブロック本体11の上端から嵌入突部12の前端に渡って直角流路13を開口するものであるが、直角流路13の曲部には塩ビ管から成る曲管14が埋設され、曲管14の上部には垂直管8の嵌着座15を配設して成り、立上り調整ブロック16は、ブロック本体17の中央上下に垂直流路18を開口した前記垂直管8を縦設し、垂直管8の上下端部をブロック本体17の上下面よりそれぞれ前記上部ソケット1の嵌着座9及び下部ソケット10の嵌着座15に嵌着する長さに突出して成るものである。
【0007】このようにして成る上部ソケット1と、下部ソケット10と、立上り調整ブロック16とから成るマンホール用副管要素aは、それぞれ配管仕様に基づいて各要素が選択され、上部ソケット1と下部ソケット10のそれぞれの嵌着座9、15に立上り調整ブロック16の垂直管8の上下端が嵌着され、下部ソケット10における嵌着座15にはゴム製のクッション性を有するジョイント材19を介在させてそれぞれエポキシ系の接着材で一体に固定し、然る後に、上部ソケット1と下部ソケット10の各嵌入突部3、12に対応する直径と間隔で各マンホール部材20、21に貫設した各削孔22にそれぞれの嵌入突部3、12を嵌着し、それぞれエポキシ系の接着材で一体に固定して成る。なお、下部ソケット10のマンホール部材21への接合手段としては、接着材のみによる接合のほか、図2に示すように、下部ソケット10のブロック本体11の上下各2個所(垂直流路を挟んで)にボルト挿通孔23を貫設し、マンホール部材21の壁面で該ボルト挿通孔23と同一位相個所にナット24を埋め込み、該ナット24にボルト挿通孔23に挿通したボルト25を螺合して下部ソケット10をマンホール部材21に接合するボルト締めによる接合も提供され、その際には埋設されるナット24が1ピッチ毎に下部ソケット10を3°の角度で角度調整できる間隔に配設されるものであるとともに、ボルト挿通孔23の配設間隔も前記ナット24の配設間隔に相応して選択されるものである。
【0008】
【発明の効果】以上のように本発明のマンホール用副管要素によれば、各マンホール部材に対して、該副管要素の組み合わせによって多種の配管仕様に即応して副管流路を構築できるから、熟練作業を要することなく、簡易な作業で作業性を良好にするとともに、前記各要素の量産、在庫を可能とし、納期、工期の短縮化など経済性の向上にも資する効果がある上、副管流路にクッション性を介在するものであるから、耐震性をも向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるマンホール用副管要素aの分解状態の縦断面図。
【図2】下部ソケットの他の実施例における拡大平面図。
【符号の説明】
1 上部ソケット
2 ブロック本体
3 嵌入突部
4 水平流路
6 嵌着座
7 垂直流路
8 垂直管
9 嵌着座
10 下部ソケット
11 ブロック本体
12 嵌入突部
13 直通流路
14 曲管
15 嵌着座
16 立上り調整ブロック
17 ブロック本体
18 垂直流路
19 ジョイント材
23 ボルト挿通孔
24 ナット
25 ボルト
a マンホール用副管要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ブロック本体の前部に嵌入突部を突設し、該ブロック本体の後端から嵌入突部の前端に渡って水平流路を開口し、該水平流路の後端部に流入管の嵌着座を配設するとともに、中央部下方に垂直流路を開口し、該垂直流路の外端部に垂直管の嵌着座を配設して成る上部ソケットと、ブロック本体の前部に嵌入突部を突設し、該ブロック本体の上端から嵌入突部の前端に渡って直角流路を開口し、該直角流路の上端部に垂直管の嵌着座を配設して成る下部ソケットと、ブロック本体の中央上下に垂直流路を開口した垂直管を縦設し、該垂直管の上下端部をブロック本体の上下面よりそれぞれ所要に突出して成る立上り調整ブロックとから成るマンホール用副管要素。

【図1】
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【図2】
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