説明

マーカーレス欠失のための直鎖状DNA断片、生物膜の抑制形成を有する新規な株およびその調製方法

本発明は、抗生物質感受性、拡散効率、および形質転換効率が増加した大腸菌(Escherichia coli)変異株に関する。該変異株は、抗生物質に対する抵抗の増加、溶質拡散効率の低下、形質転換効率の低下などの、生物膜形成に起因する問題を最小限にする。本発明によると、遺伝子組換え大腸菌(E.coli)変異株を選択する際、望ましい変異株を選択するのに必要とされる抗生物質の量がより少なくてすむだけでなく、選択される変異株以外の株による生物膜形成により生じる、選択効率の低下、つまり抗生物質に対する耐性の発現の低下が避けられる。また、物質産生プロセスにおいて、溶質拡散効率の増加により分泌物の量が増加する可能性がある。さらに、形質転換効率の増加により、有用な物質を容易に量産することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗生物質感受性、拡散効率、形質転換効率を増大させた大腸菌変異株に関する。前記変異株は、抗生物質に対して増大された耐性、減少された溶質拡散効率、および低下された形質転換効率などの生物膜の形成により引き起こされる問題を最小限に留めることができる。
【背景技術】
【0002】
生物膜は生物または非生物表面に付着する微生物のクラスタにより形成される。生物膜形成は、環境中への溶質の拡散を阻止する。溶質の一つのタイプである抗生物質の拡散もまた阻止されるので、生物膜の内側の微生物は、抗生物質に対する耐性を示す。従って、株は抗生物質に対する好ましくない耐性を示すことができる。すなわち、殺すか、その成長を抑制することにより取り除かれるべき株は、引き続き生き残るか、成長できる。結果として、異なるタイプの変異株を調整する場合は、好ましい変異株よりはむしろ親細胞が生き残ることができ、その結果選択効率性を低減する。
【0003】
さらに、物質産生の過程で、分泌物の量は、生物膜形成により低減される可能性もある。外来遺伝子を取り込む形質転換体を調整する場合は、外来遺伝子の移入または取り込みは生物膜により抑制でき、従って、形質転換効率は増大する。特に、高密度細胞培養およびバイオ産業の過程での長時間の培養により増大した生物膜形成は、有益な物質の産生には深刻な問題を引き起こす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バイオ産業では生物膜形成の抑制により利用されてきた二つの主要な取り組みがあり、一つの取り組みは生物膜抑制剤を増殖培地に付加することであり、もう一つは細菌が付着できない新しい物質の開発である。しかし、環境汚染問題および高費用などの制限のために、成功例は未だに報告されていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明の目的は、生物膜形成を抑制することにより、抗生物質感受性、および溶質拡散効率、形質転換効率を向上できる大腸菌変異株を提供することである。これらの生物膜欠損大腸菌変異株は、生物膜の形成に関連する遺伝子を欠失することにより得られる。
【0006】
本発明のその他の目的は、増大した抗生物質感受性、溶質拡散効率、および形質転換効率を示す大腸菌変異株を作る方法であって、遺伝子に関連する生物膜を欠失した後、選択可能なマーカーが残らないマーカーレス欠失を含む方法を提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、大腸菌内にある三つの生物膜に関連する遺伝子のうち少なくとも一つを欠失することにより、増大した抗生物質感受性、増大した溶質拡散効率、およびより高い形質転換効率を有する大腸菌変異株に関する。
【0008】
大腸菌の場合、カーリ(curli)、1型線毛、およびコラン酸(colonic acid)は生物膜形成に必要となる。カーリおよび1型線毛は、微生物を結合するため、または表面に付着するために必要となり、コラン酸は生物膜構造に貢献する。すなわち、二つの大腸菌はカーリおよび1型線毛を利用してお互い結合されていて、コラン酸(colanic acid)は生物膜を形成するために、前記二つの大腸菌間の空間を埋める。
【0009】
増大した抗生物質感受性、溶質拡散効率、および形質転換効率を有する生物膜欠損大腸菌変異株は、カーリ、1型線毛、およびコラン酸の産生にそれぞれ関連するcsgオペロンおよび/またはfimオペロンおよび/またはwca遺伝子クラスタを欠失することにより作られた。
【0010】
本明細書では、「大腸菌(E.coli)変異株」は生物膜形成を抑制する大腸菌の遺伝子変異株と定義する。例えば、増大した抗生物質感受性、溶質拡散効率、および形質転換効率を有する大腸菌変異株を含む上述した変異株は、wca遺伝子クラスタ、fimオペロンおよびcsgオペロンのうち少なくとも一つを欠失することにより作ることができる。
【0011】
さらに、「生物膜」は、生物または非生物物質表面に住む微生物のクラスタである。生物膜形成の抑制は、後に詳細に説明する付着性試験により検出できる。
【0012】
また、「増大した抗生物質感受性」は、少量の抗生物質でより多くの微生物を殺すことができる能力のことである。例えば、抗生物質感受性は、後に詳細に説明するアンピシリン、ストレプトマイシン、リファンピシンを使用して測定できる。
【0013】
さらに、「増大した溶質拡散効率」は、一定時間内により多い量の溶質を拡散できる能力のことである。例えば、溶質拡散効率は、後に詳細に説明する培地内のリパーゼに関連する活性量を検出する方法より測定できる。
【0014】
また、「より高い形質転換効率」は、後に詳細に説明する塩化カルシウム熱衝撃形質転換方法により測定できる。
【0015】
Csgオペロン(csgDEFGBA、b1037〜b1043、Blattner、F.R.、Plunkett、G.III、Bloch、C.A.、Perna、N.T.、Burland、V.、Riley、M.、Collado−Vides、J.、Glasner、J.D.、Rode、C.K.、Mayhew、G.F.、Gregor、J.、Davis、N.W.、Kirkpatrick、H.A.、Goeden、M.A.、Rose、D.J.、Mau、B.and Shao、Y.Science 277、1453、1997)は、カーリ生合成および合成されたカーリの細胞の外側への移動に関連し、fimオペロン(fimBEAICDEF、 b4312〜b4320、 Blattner、F.R.、Plunkett、G.III、Bloch、C.A.、Perna、N.T.、Burland、V.、Riley、M.、Collado−Vides、J.、Glasner、J.D.、Rode、C.K.、Mayhew、G.F.、Gregor、J.、Davis、N.W.、Kirkpatrick、H.A.、Goeden、M.A.、Rose、D.J.、Mau、B.and Shao、Y.Science 277、1453、1997)は、1型線毛生合成および合成された1型線毛の細胞の外側への移動に関連し、wca遺伝子クラスタ(wza wzb wzc wcaABCDEF gmd wcaGHI manC manB wcaJ wzx wcaKL、b2044〜b2062、Blattner、F.R.、Plunkett、G.III、Bloch、C.A.、Perna、N.T.、Burland、V.、Riley、M.、Collado−Vides、J.、Glasner、J.D.、Rode、C.K.、Mayhew、G.F.、Gregor、J.、Davis、N.W.、Kirkpatrick、H.A.、Goeden、M.A.、 Rose、D.J.、Mau、B.and Shao、Y.Science 277、1453、1997)は、コラン酸生合成および合成されたコラン酸の細胞の外側への移動に関連する。
【0016】
本発明の例として、三つの遺伝子のすべてを欠失された大腸菌DEB31の抗生物質感受性は、アンピシリンに対しては約25倍、ストレプトマイシンに対しては約4倍、リファンピシンに対しては約5倍増大された。リパーゼの分泌に関しては、拡散効率は約11%増大し、pUC19プラスミドベクターを使用した形質転換に関しては、形質転換効率は20倍を超えて増大したと示された。
【0017】
以下は、本発明を得るのに使用される実験方法である。
【0018】
第一に、上述した遺伝子により除去された大腸菌変異株は、以下のステップにより得られる。
(1)選択可能なマーカー、sacB遺伝子(配列番号 31)、I−SceI制限酵素認識部位(配列番号 32)、および微生物のゲノム領域と相同的ホモロジーアームを含む直鎖状DNA断片を調整するステップ
(2)ステップ1)で調整された直鎖状DNA断片と微生物の染色体の特定部位と置換するステップ
(3)I−SceI制限酵素発現ベクターを導入して、選択可能なマーカーを除去するステップと、その次にショ糖を含む選択的培養培地で培養するステップ、と任意で、
(4)上記のステップ2)および3)を繰り返して、変異株の特定のゲノム領域を継続して欠失するステップ

直鎖状DNA断片は、選択可能なマーカー、λ−Red組換えに必要な500塩基対(bp)のホモロジーアームAおよびC、ホモロジーアームBおよび選択可能なマーカーを欠失するのに必要なI−SceI制限酵素認識部位、および標的領域のマーカーレス欠失を確認するためのsacB遺伝子を含む(図1を参照)。
【0019】
選択可能なマーカーとして、抗生物質耐性遺伝子を使用でき、染色体の中に挿入された抗生物質耐性遺伝子を含む大腸菌変異株は適切な抗生物質に対する耐性を示すので、かかる抵抗は、その他のタイプの変異株から望ましい変異株を選択するために使用される。
【0020】
ホモロジーアームは、欠失されるべき遺伝子領域に対する相同的領域を指し示し、遺伝子配列と図に従い、かかる領域はホモロジーアームA、BおよびCとして表される。ホモロジーアームAおよびCの約500bpはPCRにより生成され、従って、直鎖状DNA断片の両端に位置する。それらは、直鎖状DNA断片を微生物の中へ挿入するλ−Red組換えに関与する。ホモロジーアームAおよびCのどちらかに接続されるホモロジーアームBの約500bpはPCRにより得られる。それは、選択可能なマーカーを欠失するための相同的組換えに関与する(図2を参照)。遺伝子領域Bが染色体上の遺伝子領域Cの近傍にある場合、ホモロジーアームBは直鎖状DNA断片上のホモロジーアームAに結合される。この場合は、ホモロジーアームA、BおよびCは、欠失されるべき微生物の遺伝子領域に依存していてもよい。
【0021】
さらに、I−SceI制限酵素認識部位(配列番号 32)は18塩基対から成り、ホモロジーアームBの近傍にあり、これは選択可能なマーカーを除去する場合、相同的組換えに関与する。I−SceI制限酵素認識部位は大腸菌染色体内には存在しないので、遺伝子欠失に使用された直鎖状DNA断片は、I−SceI制限酵素認識部位を含むべきである。
【0022】
約500bpのホモロジーアームが上記のステップで使用されたので、より多くの種の組換えが発生でき、従ってより正確な欠失についての利点がある。
【0023】
直鎖状DNA断片は、標準電気穿孔法を使用して、微生物株に移されてもよい。染色体上の標的領域は、標的領域および直鎖状DNA断片の両端に位置するホモロジーアームAおよびC間でのλ−Red組換えを介して直鎖状DNA断片と置換された。直鎖状DNA断片と置換された大腸菌変異株は、直鎖状DNA断片上の抗生物質耐性遺伝子に対応する抗生物質のタイプを含む培地内で選択された。
【0024】
I−SceI制限酵素の発現のためのベクターを選択変異株に形質転換した。その後、発現したI−SceIは、変異株から選択可能なマーカーを除去するために、染色体上にあるホモロジーアームBの複製間の相同的組換えを誘発した。本発明の実施例では、I−SceIの発現に、プラスミドpST98AS(配列番号33、 ACCESSION AF170483、 Posfai G. Kolisnychenko V、 Berecski Z. Blattner FR. 1999. Markerless gene replacement in Escherichia coli stimulated by a double−strand break in the chromosome Nucleic Acids Res 27 (22)、 4409−15)を使用する。その後、微生物変異株はショ糖を含む培地上で選択された。一般に、sacB遺伝子はレバンスクラーゼ(levansucrase)をコード化する。レバンスクラーゼはショ糖をブドウ糖および果糖に加水分解し、果糖重合体、レバンを合成する。レバンは細胞に対して有毒であるから、sacB遺伝子を有する微生物は、ショ糖を含む培地内では生き残ることができない。従って、相同的組換えにより選択可能なマーカーおよびsacB遺伝子を欠失した変異株は、ショ糖を含む培地内で選択されてもよい。
【0025】
さらに、特定の遺伝子領域は、ステップ2)および3)を繰り返すことにより欠失される。
【0026】
染色体領域を除去する方法を図2に示す。図2では、aは選択可能なマーカー、sacB遺伝子、I−SceI制限酵素認識部位およびホモロジーアームA、BおよびCを含む直鎖状DNA断片を表し、bは欠失されるよう望まれる親染色体の一部を表し、cはλ−Red組換えにより欠失標的領域で直鎖状DNA断片と置換される染色体を表し、dはI−SceI制限酵素を使用して染色体上の複製領域B間の相同的組換えを表し、eはどのような外来マーカーの残留もなく、特定の標的領域を欠失した染色体を表す。
【0027】
上記の方法を使用してwca遺伝子クラスタ、fimオペロンおよびcsgオペロンのうち少なくとも一つを欠失した変異株の付着は、Dorel(Dorel C. et al.、 FEMS Microbiology Letters、 178、 169、 1999)により開発された方法を使用して測定された。すなわち、2mlのLB培地を含む24ウェルポリスチレンプレートに変異株を播種し、生物膜形成を可能にするために48時間培養した。それぞれのウェルの上層は取り除かれ、LBで二度洗浄されたものと混合され、プランクトン細胞と見なされた。ウェルに付着した生物膜細胞は、ピペット操作により1mlのLBを使用して得られた。プランクトン細胞の濃度と生物膜細胞の濃度は、プレートカウント法により測定された。数の上で結果を比較するために、ウェルの表面で成長している生物膜細胞の付着率は、生物膜細胞の濃度を、プランクトン細胞および生物膜細胞の濃度の合計で割ることにより計算した。
【0028】
変異株の抗生物質感受性は、Whiteley(Whiteley M.、 Nature、 413、 860、 2001)により開発された手法を改良したものを使用して測定された。すなわち、0.2mlのLBを含む96ウェルポリスチレンプレートに変異株を播種し、24時間培養し、生物膜形成を可能とした。それぞれのウェルは、0.25μgから64μgまでの範囲の様々な濃度抗生物質を添加し、10時間培養した。生きている細胞の数はプレートカウント法により測定された。
【0029】
変異株のリパーゼの拡散効率は、Ahn(Ahn J.H.、 J. Bacteriol、 181、 1847、 1999)により開発された手法を使用して測定した。本発明の実施例に従い、リパーゼの産生に必要な遺伝子を含むpHOPE(Ahn J. H.、 J. Bacteriol、 181、 1847、 1999)発現ベクターおよびpABC−ACYC(Ahn J.H.、J.Bacteriol、181、1847、1999)発現ベクターを使用した。一般的に使用される電気穿孔法を使用して、発現ベクターを細胞に送った。50mlのLB培地を含む250ml三角フラスコに播種して、培養した。次に、一定期間を経て、1mlの培養液を所定の時間帯ごとに採取して、10分間13、000rpmで遠心分離し、405nmの発光波長でリパーゼの活性を測定した。リパーゼの活性については、1分間で1μモルのp−ニトロフェニルヒドラジンパルミテートを分解できるリパーゼの量を一単位と定義する。
【0030】
変異株の形質転換効率は、Molchanova(Molchanova、 E.S.、Genetika、19、375、1983)により開発された塩化カルシウム熱衝撃形質転換方法を改良したものを使用して測定した。プラスミドベクター、pUC19(New England Biolabs、Beverly、MA)を野生型大腸菌および本発明の生物膜形成―抑制大腸菌DEB31に形質転換した。氷の上に置いた変異株のコンピテント細胞に1ngから100ngまでの様々な濃度のプラスミドベクターを付加した。30分後、800mlのLBプレートを付加する前に、90分間42℃で熱衝撃を加え、その後細胞を一時間37℃で静置した。アンピシリンを含むLBプレートの上に細胞を播き、16時間37℃で培養した後、生きている変異株の数を確認した。
【0031】
実施例
本発明は、下記の例によってさらに詳しく解説される。これらの例が挙げられている分野における標準的知識を持つ者にとっては、本発明をより明確に説明しているにすぎないことがはっきり分かるであろうが、発明は挙げられた例には限定されない。
【実施例1】
【0032】
生物膜欠失大腸菌(E.coli)変異株の構築
大腸菌(E.coli)DEB11、DEB12およびDEB13はcsgオペロン、fimオペロン、およびwca遺伝子クラスタを大腸菌(E.coli)K−12 MG1655(ソウル国立大学微生物学部Jung−Hye Roe教授)からそれぞれ欠失させることによって得られ、DEB21、DEB22、およびDEB23のそれぞれは、csgオペロン、fimオペロン、およびwca遺伝子クラスタのうち少なくとも2つの遺伝子を欠失させることによって得られ、そして大腸菌(E.coli)変異株DEB31は全てのcsgオペロン、fimオペロン、およびwca遺伝子クラスタを欠失させることによって得られる。
【0033】
1−1. csg遺伝子(csgDEFGBA)欠失大腸菌(E.coli)DEB11の調製
まず、pSG76Cベクター(Posfai G.、Kolisnychenko V.、Bereczki Z.、Blattner FR 1999年 染色体内の二重鎖切断で促進された大腸菌におけるマーカーレス遺伝子置換 Nucleic Acids Res 27(22)、4409−15)のCmR遺伝子(配列番号 34)を、2つの制限酵素KpnIおよびBamHI(New England Biolabs社、マサチューセッツ州べバリー)で消化し、I−SceI制限酵素認識部位(配列番号 32)を含むpST76Kベクター(Posfai G、Kolisnychenko V.、Bereczki Z.、Blattner FR 1999年 染色体内の二重鎖切断で促進された大腸菌におけるマーカーレス遺伝子置換 Nucleic Acids Res 27(22)、4409−15)のKpnIおよびBamHI部位の中へ複製した。そして、pDELTAベクター(GIBCOBRL−DELETION FACTORY SYSTEM VERSION 2)からのsacB遺伝子(配列番号31)を制限酵素BamHI(New England Biolabs社、マサチューセッツ州べバリー)で消化し、CmR遺伝子およびI−SceI認識部位を持つプラスミドの中へ複製した。構成されたプラスミドはpSCIと呼ぶ。
【0034】
その後、標的領域(csgDEFGBA)の両端の領域と相同であるホモロジーアームA(配列番号 7)およびC(配列番号 9)を組換えPCRで生成した。ホモロジーアームAおよびCはベクターの両端で結合し、λ−Red組換えに関与する。さらに、相同的組換えによる選択可能なマーカーの除去に関与するホモロジーアームB(配列番号 8)を生成し、組換えPCRによって直鎖状DNAのホモロジーアームの一つに結合した。ホモロジーアームAおよびCをベクターの両端に位置付け、ホモロジーアームBを一方の端に位置付けた後、直鎖状DNA断片(配列番号 10)を組換えPCRによって生成した。図3(a)はPCRの過程を表し、下記はその過程で使用されたプライマーである。
プライマーAA: 5’−ggtgactggaaactggtgtta−3’(配列番号 1)
プライマーAB: 5’−attatcggttatgaaagcaac−3’(配列番号 2)
プライマーBA: 5’−gttgctttcataaccfataataccattattcctgaagtcactct−3’(配列番号 3)
プライマーBB: 5’−attaatttcgataagccagatcagttcatttctacgggtgatga−3’(配列番号 4)
プライマーCA: 5’−gagtcgacctgcaggcatgcattgcagcaatcgtattct−3’(配列番号 5)
プライマーCB: 5’−taaaggttatctgactggaaa−3’(配列番号 6)

増幅DNAはNucleogene Gel−Extraction KIT(Nucleongen、 Gyeonggi−do、 Korea)を使用して分離した。
【0035】
調製した直鎖状DNA断片は、標準電気穿孔法[バイオ・ラッド社、Bacterial electro−transformation and Plus Controller Instruction Manual Cat No 165−2098;Thompson、 JR、他 電気穿孔法による形質転換のための酵母細胞の調整に対する改善プロトコル Yeast 14、565−571(1998年);Grant、 SG他 トランスジェニックマウスDNAから大腸菌メチル化制限性変異体への分化プラスミド救済 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87、4645−4649(1990年)]を使用することによって大腸菌(E.coli)MG1655株(ソウル国立大学微生物学部Jung−Hye Roe教授)へと移した。直鎖状DNA断片は、染色体領域と同相である2つのホモロジーアームAおよびCを含むため、2つのホモロジーアーム間の遺伝子領域は直鎖状DNA断片に置換される。置換された直鎖状DNA断片を含む大腸菌(E.coli)変異株は、直鎖状DNA断片中にCmR遺伝子が存在するためにクロラムフェニコールに対する耐性を示すので、クロラムフェニコールを含むLBプレート上で選択した。
【0036】
I−SceI発現ベクターpST98AS(ACCESSION AF170483 Posfai G.Kolisnychenko V、Bereczki Z、Blattner FR 1999年 染色体内の二重鎖切断で促進された大腸菌におけるマーカーレス遺伝子置換 Nucleic Acids Res 27(22)、4409−15)は、選択可能なマーカーで置換されたcsgオペロンを持つ大腸菌(E.coli)変異株の中へ導入した。
【0037】
pST98ASにおけるI−SceI制限酵素の転写はテトラサイクリンプロモーターによって制御することができるため、制限酵素I−SceIはクロルテトラサイクリンを含むプレート上で培養することによって発現させた。この過程中、プレートにショ糖を付加することによって大腸菌(E.coli)の染色体上のsacB遺伝子の欠如を試験した。選択可能なマーカーおよびsacB遺伝子を含む染色体の特定領域は、発現したI−SceIに誘発されたホモロジーアームB複製間の相同的組換えによって欠失された。よって、変異株はショ糖を含む培地にて選択することができる(図2参照)。選択された変異株からのcsgDEFGBA遺伝子の欠失は、PCRによって確認された。その変異株はDEB11と名付けられた。
【0038】
1−2.fimオペロン(fimBEAICDFGH)を欠失させたDEB12大腸菌(E.coli)変異株の調製
実施例1.1にて説明した同じ方法を使用し、ホモロジーアームA(配列番号 17)、B(配列番号 18)、C(配列番号 19)および直鎖状DNA断片(配列番号 20)を下記のプライマーを使用することによって調製し、そしてfimBEAICDFGH遺伝子を欠失させた大腸菌(E.coli)変異株を調製してDEB12と名付けた。

プライマーAA: 5’−caatctcatggcgtaagct−3’(配列番号 11)
プライマーAB: 5’−gatttcactatgggtcagga−3’(配列番号 12)
プライマーBA: 5’−cctgacccatagtgaaatcgtctgggattaacggcaa−3’(配列番号 13)
プライマーBB: 5’−attaatttcgataagccagatctagatccagcaactggtca−3’(配列番号 14)
プライマーCA: 5’−gagtcgacctgcaggcatgcccggaaaccattacagact−3’(配列番号 15)
プライマーCB: 5’−ccgtgttattcgctggaa−3’(配列番号 16)
【0039】
1−3.wca遺伝子クラスタ(wza wzb wzc wcaABCDEF gmd wcaGHI manC manB wcaJ wzx wcaKL)を欠失させたDEB13大腸菌(E.coli)変異株の調製
実施例1−1にて説明した同じ方法を使用し、ホモロジーアームA(配列番号 27)、B(配列番号 28)、C(配列番号 29)および直鎖状DNA断片(配列番号 30)を下記のプライマーによって調製し、wza、wzb、wzc、wcaABCDEF、gmd、wcaGHI、manC、manB、wcaJ、wzxおよびwcaKL遺伝子を欠失させた大腸菌(E.coli)変異株を調製してDEB13と名付けた。
プライマーAA: 5’−gttatgaaatccctggcgt−3’(配列番号 21)
プライマーAB: 5’−ggctttatagaggagaacgcat−3’(配列番号 22)
プライマーBA: 5’−atgcgttctcctctataaagccccgcttatcaaggttactgac−3’(配列番号 23)
プライマーBB: 5’−attaatttcgataagccagatcgtcaacctaaagaaactcctaa−3’(配列番号 24)
プライマーCA: 5’−gagtcgacctgcaggcatgcccattgtgtgttagcacca−3’(配列番号 25)
プライマーCB: 5’−gctgatttcgatctcgaca−3’(配列番号 26)
【0040】
1−4.csgオペロンおよびfimオペロンが欠失したDEB21大腸菌(E.coli)変異株の調製
csgオペロンおよびfimオペロンを欠失させた大腸菌(E.coli)変異株を、実施例1−1および1−2の方法を連続して使用することによって調製し、DEB21と名付けた。
【0041】
1−5.csgオペロンおよびwca遺伝子クラスタが欠失したDEB22大腸菌(E.coli)変異株の調製
csgオペロンおよびwca遺伝子クラスタが欠失した大腸菌(E.coli)変異株を、実施例1−1および1−3の方法を連続して使用することによって調製し、DEB22と名付けた。
【0042】
1−6.fimオペロンおよびwca遺伝子クラスタが欠失したDEB23大腸菌(E.coli)変異株の調製
fimオペロンおよびwca遺伝子クラスタが欠失した大腸菌(E.coli)変異株を、実施例1−2および1−3の方法を連続して使用することによって調製し、DEB23と名付けた。
【0043】
1−7.csgオペロン、fimオペロン、およびwca遺伝子クラスタを全て欠失させたDEB31大腸菌(E.coli)変異株の調製
csgオペロン、fimオペロン、およびwca遺伝子クラスタが欠失した大腸菌(E.coli)変異株を、実施例1−1、1−2、および1−3の方法を連続して使用することによって調製した。その変異株はDEB31と名付け、2002年11月13日に韓国生命工学研究所遺伝子銀行(KCTC)に寄託した(寄託番号KCTC 10374BP)。
【実施例2】
【0044】
生物膜形成の抑制の確認
野生型細胞MG1655と比較して、実施例1−1から1−7より得られた大腸菌(E.coli)変異株の抑制効果を判定するため、Dorelが開発した上記の方法を使用して変異株および親細胞の付着率を測定した。結果を図4に示した。

付着率(%)=(付着した細胞の数)/(合計細胞数)×100
結果として、一つの遺伝子が欠失した変異株でさえも、DEB11、DEB12、およびDEB13は壁に付着した微生物の数の有意な減少を示した。特に、カーリ関連遺伝子が欠失したDEB11の付着の約15%が減少した。
【0045】
さらに、標的領域がより欠失すると、付着した細胞の数はさらに著しく減少した。大腸菌(E.coli)ゲノムからすべての標的領域が欠失すると、約6%の大腸菌(E.coli)DEB31しか壁に付着していなかった(図4)。
【実施例3】
【0046】
変異株の抗生物質感受性の測定
実施例2で確認された、生物膜関連遺伝子を欠失させた後の生物膜形成の著しい抑制効果を持つ大腸菌(E.coli)変異株を、生物膜形成の減少が抗生物質感受性を大幅に増加させるかどうか判定するために試験した。
【0047】
200μlのLB培地を含む96ウェルプレートにて変異株を24時間培養した後、連続希釈した抗生物質を以下の濃度で各ウェルに添加した;アンピシリン0〜128μg/ml、ストレプトマイシン0〜64μg/ml、およびリファンピシン0〜256μg/ml。抗生物質付加後、細胞をさらに30℃で10時間培養した。そして、標準プレートカウント法を使用して生大腸菌(E.coli)変異株の数を数えた。結果を図5、6および7に示した。
【0048】
図5に示されるように、アンピシリンの場合、50μg/mlの標準濃度で選択された生存している野生型MG1655の数は、2μg/mlの濃度で選択された生大腸菌(E.coli)DEB31と同じであった。つまり、生物膜欠失大腸菌(E.coli)変異株のアンピシリンに対する感受性は25倍に増加し、そして同じ選択効果が25分の1に減少したアンピシリンの量で得ることができた。
【0049】
図6に示されているように、ストレプトマイシンの場合、30μg/mlの標準濃度で選択された生存している野生型MG1655の数は、8μg/mlの濃度で選択された生大腸菌(E.coli)DEB31と同じであった。つまり、生物膜欠失大腸菌(E.coli)変異株のストレプトマイシンに対する感受性は4倍に増加し、そして同じ選択効果が4分の1に減少したストレプトマイシンの量で得ることができた。
【0050】
リファンピシンでは同様の結果が示された。図7に示されているように、150μg/mlの標準濃度で選択された生存している野生型MG1655の数は、32μg/mlの濃度で選択された生大腸菌(E.coli)DEB31と同じであった。つまり、本発明の大腸菌(E.coli)変異株は、リファンピシンに対する感受性が約5倍に増加したことが確認された。
【実施例4】
【0051】
変異株の溶質拡散効率の測定
実施例2において、生物膜関連遺伝子を欠失させることによって生物膜形成を著しく減少させたことが確認された大腸菌(E.coli)変異株を、生物膜形成の抑制が大幅に溶質拡散効率を増加させたかどうか確認するために試験した。
【0052】
リパーゼ発現ベクターpHOPE(Ahn J.H.、J. Bacteriol、181、1847、1999年)およびリパーゼABCトランスポーター発現ベクターpABC−ACYC(Ahn J.H.、J.Bacteriol、181、1847、1999年)を、標準電気穿孔法を使用して細胞内へと移した。変異株は50mlのLB培地を含む250ml三角フラスコ内で培養された。培養の一部(1ml)を時間間隔をもって採取し、13,000rpmで10分間遠心分離した。上澄み(200μl)は45℃で10分間培養する前に、3mLの100μM p−ニトロフェニルパルミテートと混ぜ合わせた。そして405nmでの吸光度を測定することによって、リパーゼの活性を検出した。リパーゼ活性の1単位は、1分間につき1μモルのp−ニトロフェニルパルミテートを分解させるのに必要な酵素の量として定義された。
【0053】
結果は図8に示されている。図8に示されているように、培養の24時間後、培地で分泌されたリパーゼの量は最大となり、リパーゼの活性が11%増加したことを示した。
【実施例5】
【0054】
変異株の形質転換効率の測定
実施例2において、生物膜関連遺伝子を欠失させることによって生物膜形成を著しく減少させたことが確認された大腸菌(E.coli)変異株を、生物膜形成の減少が大幅に形質転換効率を増加させたかどうか判定するために試験した。
【0055】
塩化カルシウム熱衝撃形質転換法(Molchanova E.S.、Genetika 19、375、1983年)を使用することによって、プラスミドベクターpUC19を野生型MG1655および生物膜形成を抑制されたDEB31に移した。形質転換体はアンピシリンを含むLB上に播いた。そして、37℃で16時間培養し、生存している変異株の数を判定した。結果は表1に示されている。
【0056】
表1に示されているように、生物膜形成を抑制された変異株の形質転換効率は野生型よりも20倍高かった。
【0057】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0058】
上述したように、本発明は、生物膜関連遺伝子を欠失させることによって抗生物質感受性を大幅に増加させ、同じ選択効率を得るために必要な抗生物質の量がより少なくなり、望ましい変異株以外の株の生存率を減少させることができる、大腸菌変異株に関する。よって、本発明は生物学的製品産業において有用となり得る。また、生物膜形成の抑制により溶質拡散効率を増加させることができ、分泌物の量を増加させることができる。さらに、生物膜形成の抑制により形質転換効率の増加が有用物質の産生をより容易にする。加えて、生物膜形成による設備の老化の速度を落とすことによって、生物学的製品を生産する際に使用される設備の費用を削減する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】大腸菌(E.coli)染色体の領域を欠失させるために使われる直鎖状DNA断片を表す。
【図2】直鎖状DNA断片を使用して大腸菌(E.coli)の特定遺伝子を欠失させるステップを示す。
【図3】直鎖状DNA断片を構成するためのPCRの過程を示す。
【図4】本発明の大腸菌(E.coli)変異株の付着率を測定することによる、生物膜関連遺伝子の欠失の確認の結果を示す。
【図5】本発明による大腸菌(E.coli)変異株のアンピシリンに対する感受性を示す。
【図6】本発明による大腸菌(E.coli)変異株のストレプトマイシンに対する感受性を示す。
【図7】本発明による大腸菌(E.coli)変異株のリファンピシンに対する感受性を示す。
【図8】本発明による大腸菌(E.coli)変異株の溶質拡散効率を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物ゲノム領域を欠失させるための直鎖状DNA断片であって、
λ−Red組換えのための両端の約500塩基対のホモロジーアームAおよびCと、
選択可能なマーカー、I−SceI制限酵素認識部位(配列番号 32)およびsacB遺伝子(配列番号 31)と、
前記ホモロジーアームAまたはCに結合可能な、相同的組換えのためのホモロジーアームBと、
を備え、前記選択可能なマーカー、I−SceI制限酵素認識部位、sacB遺伝子、およびホモロジーアームBは、ホモロジーアームAおよびCの間に配置され、
前記ホモロジーアームAおよびCはそれぞれ、欠失される微生物の遺伝子領域の両端のうち一方に結合される、約500塩基対のゲノム領域と相同的であり、
前記ホモロジーアームBは、欠失の標的となる微生物遺伝子領域の1つであって、前記ホモロジーアームAおよびCと相同的である領域、に結合されている微生物の約500塩基対の遺伝子領域と相同的である、微生物ゲノム領域を欠失させるための直鎖状DNA断片。
【請求項2】
配列番号 10、20または30の塩基配列を有する、請求項1に記載の直鎖状DNA断片。
【請求項3】
請求項1に記載の直鎖状DNA断片を使用したλ−Red組換えおよび相同的組換えにより、生物膜関連遺伝子であるcsgオペロン、fimオペロンおよびwca遺伝子クラスタのうちの少なくとも1つが欠失することで、生物膜形成が抑制されていることを特徴とする、大腸菌(E.coli)変異株。
【請求項4】
前記λ−Red組換えおよび相同的組換えは、配列番号10、20および30の塩基配列を有するDNA断片から成る群から選択される少なくとも1つの直鎖状DNA断片を使用して起こる、請求項3に記載の大腸菌(E.coli)変異株。
【請求項5】
前記λ−Red組換えおよび相同的組換えは、配列番号10、20および30の塩基配列を有するDNA断片から成る群から選択される少なくとも2つの直鎖状DNA断片を使用して繰り返される、請求項4に記載の大腸菌(E.coli)変異株。
【請求項6】
前記λ−Red組換えおよび相同的組換えは、配列番号 10、20および30の塩基配列を有する直鎖状DNA断片のすべてを使用して繰り返される、請求項5に記載の大腸菌(E.coli)変異株。
【請求項7】
前記変異株がDEB 31(寄託番号KCTC 10374BP)である、請求項6に記載の大腸菌(E.coli)変異株。
【請求項8】
特定のゲノム領域が欠失した大腸菌(E.coli)変異株の調製方法であって、
1)請求項1に記載の直鎖状DNA断片を調製するステップと、
2)前記直鎖状DNA断片を微生物に挿入し、前記ホモロジーアームAおよびCと、染色体上のそれらの相同的ゲノム領域とのλ−Red組換えによって、欠失されるべきゲノム領域を前記直鎖状DNA断片と置換した後、選択可能なマーカーに対応する抗生物質を含む培地中で培養することにより形質転換した微生物を選択するステップと、
3)I−SceI制限酵素発現ベクターを選択された微生物に導入し、2つのホモロジーアームBの間の相同的組換えにより選択可能なマーカーおよびsacB遺伝子を欠失させた後、ショ糖を含む培地中で培養して外来マーカーをもたないマーカーレス欠失変異株を選択するステップと、
を含む調製方法。
【請求項9】
少なくとも1つのゲノム領域を欠失させるために、ステップ2)およびステップ3)が繰り返される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
csgオペロン、fimオペロン、およびwca遺伝子クラスタのうちの少なくとも1つが欠失される、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記csgオペロンは、それぞれ配列番号 7、8および9を有するホモロジーアームA、BおよびCを使用して欠失され、前記fimオペロンは、それぞれ配列番号 17、18および19を有するホモロジーアームA、BおよびCを使用して欠失され、あるいは前記wca遺伝子クラスタは、それぞれ配列番号 27、28および29を有するホモロジーアームA、BおよびCを使用して欠失される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
csgオペロン、fimオペロンおよびwca遺伝子クラスタから成る群から選択される少なくとも2つの遺伝子が欠失される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記csgオペロン、fimオペロンおよびwca遺伝子クラスタのすべてが欠失される、請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−511315(P2008−511315A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−529707(P2007−529707)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【国際出願番号】PCT/KR2005/002898
【国際公開番号】WO2006/025702
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(596071752)コリア アドバンスト インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー (60)
【Fターム(参考)】