説明

マーケティング支援システム、マーケティング支援方法、マーケティング支援プログラム及びコンピュータ読み取り可能な媒体

【課題】より精度の高い推奨発注数を提供可能で、かつ当該推奨発注数を有用且つ簡易に活用可能なマーケティング支援システム、マーケティング支援方法、マーケティング支援プログラム及びコンピュータ読み取り可能な媒体を提供すること。
【解決手段】アンケート取得手段と店舗内情報取得手段とデータウェアハウスと、推奨発注数予測手段と発注管理手段とを備え、推奨発注数予測手段は、データウェアハウスから取得した店舗内情報に基づいて需要予測値を生成し、アンケート取得手段から取得したアンケート回答情報に基づいて予測補正値を生成し、前記需要予測値と予測補正値を少なくとも用いて、推奨発注数を生成する。発注管理手段は、前記推奨発注数に基づいて、POSシステム上から発注指令を実行可能に構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の会員端末及び顧客のPOSシステムから取得した情報に基づいて対象商品の推奨発注数を生成する、マーケティング支援システム、マーケティング支援方法、マーケティング支援プログラム及びコンピュータ読み取り可能な媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のマーケティング支援システムにあっては、各種官公庁のデータベースや、民間のデータベースから得られるデータ(休祝日、天候、マーケティングカレンダー等)を用いて、商品の適正発注量を割り出す技術が一般的に知られている。
【0003】
以下の特許文献1には、予想される天候と降水確率及び、過去の実績デ−タを使用することにより、より正確な販売見込量を予測し商品を自動発注するPOS自動発注システムが開示されている。
【特許文献1】特開平08−329351号公報
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、過去の実績データ(過去の商品別の月別/天候別の売り上げ実績)と、予想される天候と降水確率に基づいて販売見込量の予測を行うに過ぎず、より精度の高い販売見込量を予測可能なシステムの開発が望まれていた。
【0005】
また、上記予測された販売見込量を顧客が有用に活用することのできるシステムの開発が望まれていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上説明したように、本願発明は顧客(使用者)にとって有益となるマーケティング支援システム、マーケティング支援方法、マーケティング支援プログラム及びコンピュータ読み取り可能な媒体を提供することを目的とする。
【0007】
また、本願発明は、顧客が販売する商品に対し、より精度の高い推奨発注数を提供するマーケティング支援システム、マーケティング支援方法、マーケティング支援プログラム及びコンピュータ読み取り可能な媒体を提供することを目的とする。
【0008】
また、本願発明は、顧客への推奨発注数の提供に際し、推奨発注数に基づいて自動的に発注作業を行うこと、或いは顧客への認証作業を経由して発注作業を行うことを可能とするマーケティング支援システム、マーケティング支援方法、マーケティング支援プログラム及びコンピュータ読み取り可能な媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するためになされた本願の第1発明は、複数の会員端末及び顧客のPOSシステムとネットワークを介して情報を送受信可能に構成された、マーケティング支援システムであって、前記会員端末から対象商品に関するアンケート回答情報を取得するアンケート取得手段と、前記POSシステムから対象商品に関する店舗内情報を収集する店舗内情報取得手段と、対象商品毎に紐付けられたターゲット属性、店舗内情報、及びアンケート回答情報、並びにコーザル情報を少なくとも格納するデータウェアハウスと、前記店舗内情報、アンケート回答情報、及びコーザル情報から対象商品の推奨発注数を生成する、推奨発注数予測手段と、顧客のPOSシステム上から前記推奨発注数の認証及び発注指令を実行可能な発注管理手段と、を備え、前記アンケート取得手段は、対象商品のターゲット属性に合致する会員端末に対してアンケートの回答依頼を通知し、該対象商品の購入者と非購入者に分類されたアンケート回答情報を取得して前記データウェアハウスに格納する機能を有し、前記推奨発注数予測手段は、前記データウェアハウスから取得した対象製品毎の店舗内情報と、コーザル情報に基づいて需要予測値を生成する需要予測値生成部と、前記データウェアハウスから取得した対象製品毎のアンケート回答情報から、予測補正値を生成する、予測補正値生成部と、前記需要予測値と予測補正値から対象製品毎の推奨発注数を生成する、推奨発注数生成部と、を有することを特徴とする、マーケティング支援システムであることを要旨とする。
【0010】
また、本願の第2発明は、前記予測補正値生成部は、前記アンケート回答情報から、購入者のアンケート結果に基づく第一補正値及び非購入者のアンケート結果に基づく第二補正値、を生成し、当該第一補正値と第二補正値を積算した値を予測補正値として生成することを特徴とする、本願の第1発明に記載のマーケティング支援システムであることを要旨とする。
【0011】
また、本願の第3発明は、複数の会員端末及び顧客のPOSシステムとネットワークを介して情報を送受信可能に構成されたマーケティング支援システムのマーケティング支援方法であって、前記マーケティング支援システムは、前記会員端末から対象商品に関するアンケート回答情報を取得するアンケート取得手段と、vPOSシステムから対象商品に関する店舗内情報を収集する店舗内情報取得手段と、対象商品毎に紐付かれた、ターゲット属性、店舗内情報、及びアンケート回答情報、並びにコーザル情報を少なくとも格納するデータウェアハウスと、前記店舗内情報、アンケート回答情報、及びコーザル情報から対象商品の推奨発注数を生成する、推奨発注数予測手段と、顧客のPOSシステム上から前記推奨発注数の認証及び発注指令を実行可能な発注管理手段と、を備え、前記アンケート取得手段から、対象商品のターゲット属性に合致する会員端末に対してアンケートの回答依頼を通知し、該対象商品の購入者と非購入者に分類されたアンケート結果を取得して前記データウェアハウスに格納するステップと、前記店舗内情報取得手段から、顧客のPOSシステムに対して対象商品に関する店舗内情報を取得するステップと、前記推奨発注数予測手段が、前記データウェアハウスから取得した対象製品毎の店舗内情報と、コーザル情報に基づいて需要予測値を生成し、前記データウェアハウスから取得した対象製品毎のアンケート回答情報から、予測補正値を生成し、前記需要予測値と予測補正値から対象製品毎の推奨発注数を生成するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする、マーケティング支援方法であることを要旨とする。
【0012】
また、本願の第4発明は、複数の会員端末及び顧客のPOSシステムとネットワークを介して情報を送受信可能に構成された、少なくとも一つの情報処理装置に、対象製品毎の店舗内情報と、コーザル情報に基づいて需要予測値を生成する処理と、対象製品毎のアンケート回答情報から予測補正値を生成する処理と、前記需要予測値と予測補正値から推奨発注数を生成する処理と、を少なくとも実行させるためのプログラムであることを要旨とする。
【0013】
また、本願の第5発明は、本願の第4発明に記載のプログラムを少なくとも記録してある、コンピュータ読み取り可能な媒体であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のマーケティング支援システム、マーケティング支援方法、マーケティング支援プログラム及びコンピュータ読み取り可能な媒体によれば、以下に示す効果のうち、少なくとも一つを得ることができる。
(1)アンケート結果を用いて予測補正値を生成することで、より精度の高い推奨発注数を生成することができる。
(2)アンケート結果を対象商品の購入者及び非購入者毎に分類して、夫々予測補正値を生成することにより、更に精度の高い推奨発注数を生成することができる。
(3)生成した推奨発注数に基づく発注作業を、POSシステム上から簡易に実施することができる。
(4)POSシステム上から推奨発注数を参照しながら発注数を調整でき、かつ調整後の発注数で簡易に発注作業を実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施例の詳細を以下に説明する。
【実施例】
【0016】
図1は、本発明の実施例1に係るマーケティング支援システムの構成例を示す概略図である。
本実施例のマーケティング支援システムは、アンケート取得手段1と、店舗内情報取得手段2と、データウェアハウス3と、推奨発注数予測手段4と、を少なくとも備え、複数の会員端末7及び顧客のPOSシステム8とネットワーク6を介して情報を互いに送受信可能に構成される。
【0017】
前記の各装置は、ソフトウェア、ハードウェア或いはそれらの組み合わせによって実行可能な手段によって構成される。ハードウェアには、一般的な情報処理装置(コンピュータ)を用いることができ、当該情報処理装置には、CPU(演算処理装置)、データの送受信インターフェース、HDD、フラッシュメモリなどの記憶装置、キーボード、マウスなどの入力装置、ディスプレイやプリンタなど出力装置などを任意に備える。
【0018】
ネットワーク6は、ISDN回線、CATV回線、光ケーブル回線、無線回線等からなる情報通信網であり、TCP/IPやFTP、HTTP等のプロトコルによって情報を送受信可能に構成され、例えば、インターネット、LAN、VLAN、又はその他のネットワーク若しくはそれらの組み合わせによって構成される。
【0019】
会員端末7は、本発明のシステム提供者が管理・運営するWEBアンケートの会員が使用する端末であって、一般的なパーソナルコンピュータ、携帯電話、PDAなどが用いられる。また、会員端末7にはWEBブラウザを備え、当該WEBブラウザを用いてアンケート取得手段1に接続可能に構成されている。
【0020】
POSシステム8は、本発明のマーケティング支援システムが提供される顧客が使用するPOSシステムであって、各店舗に備えるPOS端末と、各クライアント端末を管理・制御するPOSサーバと、各種情報を格納するデータベースとによって構成される、一般的なPOSシステムである。
【0021】
次に、本願発明が備える各装置について説明する。
(1)アンケート取得手段1
アンケート取得手段1は、会員端末7に対して、メール送信機能、及び会員端末からのアクセスに応じてアンケートの回答ページを表示する機能を有する手段であって、WEBサーバ機能及びメールサーバ機能を少なくとも含んで構成される一般的なサーバ装置である。
アンケート取得手段1はハードディスク又はフラッシュメモリ等からなる記憶装置を有し、当該記憶装置には、会員端末7に対しアンケートを行う際の質問内容や、アンケートの回答情報を記憶するデータベースが構築されている。
【0022】
(2)店舗内情報取得手段2
店舗内情報取得手段2は、POSシステム8に接続し、対象商品に関する店舗内情報を収集する機能を実行可能な手段であって、ソフトウェア、ハードウェア或いはそれらの組み合わせによって構成される。
店舗内情報の収集の実施は、システム管理者が使用する情報処理端末(図示せず)からの指令、或いは、予め設定されてあるスケジュール(日次、週次、月次、その他)に基づいて行われる。店舗内情報には、主に、商品毎の在庫数、売上実績、廃棄実績、発注・仕入実績、安全在庫数などが含まれる。
【0023】
(3)データウェアハウス3
データウェアハウス3は、前記アンケート取得手段1から送信されるアンケート回答情報と、前記店舗内情報取得手段2から送信される店舗内情報とを少なくとも格納するデータベース群である。
データウェアハウス3には、その他の各種情報が任意で格納されている。各種情報には、対象商品毎のターゲット属性や、天候・気温情報、販促情報、地域行事、定番品の有無、その他の情報を含んでなるコーザル情報が含まれる。
【0024】
(4)推奨発注数予測手段4
推奨発注数予測手段4は、前記データウェアハウス3に格納された情報から、商品毎に推奨発注数を生成する機能を実行可能な手段であって、ソフトウェア、ハードウェア或いはそれらの組み合わせによって構成される。
推奨発注数予測手段4をさらに機能ブロック毎に説明すると、需要予測値生成部41と、予測補正値生成部42と、推奨発注数生成部43とを少なくとも備える。以下、各部の詳細について説明する。
【0025】
(4−1)需要予測値生成部41
需要予測値生成部41は、前記データウェアハウス3から取得した店舗内情報とコーザル情報から、予め備えてある予測モデル式を用いて、対象商品毎の販売予測数である、需要予測値を生成する機能を有する。
図2に、需要予測値の生成に用いるモデル式の一例を示す。
予測モデル式は、月、日、天気、気温、特殊与件(地域行事その他のイベント)単位で需要影響度係数を算出しておき、当該係数に定数項を加算することで行われる。
【0026】
(4−2)予測補正値生成部42
予測補正値生成部42は、前記データウェアハウス3から取得したアンケート回答情報に基づいて、予測補正値を生成する機能を有する。
予測補正値は、前記アンケート回答情報のうち、購入者情報を用いて生成される第一補正値と、非購入者情報を用いて生成される第二補正値に基づいて生成され、例えば、前記第一補正値と第二補正値を積算した値を予測補正値とすることができる。
【0027】
前記第一補正値、第二補正値の算出は、店舗内情報から得られる前回の推奨発注数と売上実績(実売数)との差(以下、「販売誤差」という)と、アンケート回答情報(購入者、非購入者含む)との関連性を分析することによって行うものとする。当該分析は、重回帰分析或いは判別分析、若しくはその他対象商品のジャンルによって最適な解析方法を用いることができる。
重回帰分析或いは判別分析方法の一例としては、前記販売誤差を目的変数とし、アンケート回答情報を説明変数として解析を行うものとする。
重回帰分析の場合は「標準変回帰係数」、判別分析の場合は「判別係数」、その他の分析方法の場合も、算出される影響度係数を予測補正値として用いるものとする。
【0028】
[第一補正値、第二補正値のモデル式の一例]
図3に第一補正値及び第二補正値の生成に用いる予測モデル式の一例を示す。
第一補正値は、アンケート回答情報から得られた購入者情報を用い、再購入意向者割合に基づく個別の係数と、一定回数以上購入経験のある会員の割合(以下、「安定購入者割合」という。)に基づく個別の係数を上記の分析方法で算出し、当該係数を積算した値とする。
【0029】
第二補正値は、アンケート回答情報から得られた非購入者情報を用い、非購入者のうち、今後購入する意向を有する者の割合(以下、「新規購入意向者割合」)に基づく個別の係数を上記の分析方法で算出し、当該係数を第二補正値とする。
【0030】
(4−3)推奨発注数生成部43
推奨発注数生成部43は、前記生成された需要予測値及び予測補正値、並びに店舗内情報から得られる安全在庫数及び発注時点の在庫数を用いて商品毎に推奨発注数を生成する機能を有する。
図4に推奨発注数の生成に用いるモデル式の一例を示す。
推奨発注数は、需要予測数に予測補正値を積算したものに、安全在庫数を加算し、発注時点在庫数を減算することにより生成される。
【0031】
(5)発注管理手段5
発注管理手段5は、WEBサーバ機能をソフトウェア、ハードウェア或いはそれらの組み合わせによって実行可能な装置によって構成される。
発注管理手段5内には、前記推奨発注数生成部43から送信された対象商品毎の推奨発注数を格納するデータベースを備え、POSシステム8内の端末(以下、「POS端末」という。)が備えるWEBブラウザから前記推奨発注数の認証及び発注指令を実行可能な機能を有する。
【0032】
なお、上記の実施例にあっては、前記の各手段がそれぞれ独立した情報処理装置によって構成されたことを想定するものであるが、本実施例に限定されるものではなく、一台の情報処理装置を前記の各手段として実行可能にプログラミングした構成としても良い。
【0033】
次に、本発明のマーケティング支援方法の各ステップについて説明する。
本発明の本発明のマーケティング支援方法の主な流れは以下の通りである。
(1)アンケート回答処理
アンケート取得手段1にて取得したアンケート回答情報をデータウェアハウス3に格納する。
(2)推奨発注数生成処理
アンケート回答情報と、POSシステム8から取得した店舗内情報と、データウェアハウス3に格納されたコーザル情報に、推奨発注数を生成する。
特定の対象商品に対して初めて推奨発注数を生成処理する際には、未だアンケート結果を集計していないため、コーザル情報及び店舗内情報に基づいて生成される需要予測値を、そのまま推奨発注数として生成する。
2回目以降の推奨発注数の生成処理は、集計したアンケート結果と店舗内情報(1回目の推奨発注数と実際の販売実績との差)を分析することにより得られる予測補正値と、前記需要予測値とに基づいて生成する。
(3)発注処理
前記の推奨発注数をPOS端末上から閲覧可能に構成し、推奨発注数あるいはPOS端末上から新たに入力した発注数で発注処理を行う。
(4)店舗内情報の更新処理
POSシステム8から、店舗内情報(商品毎の在庫数、売上実績、廃棄実績、発注・仕入実績、安全在庫数等)を新たに取得し、データウェアハウス3上の店舗内情報を更新する。
上記(1)〜(4)を繰り返すことによって、より精度の高い推奨発注数の生成、並びに、POSシステム8の使用者が簡易に発注処理を実行することが可能なマーケティング支援方法を提供するものである。
【0034】
以下、初めに需要予測値を推奨発注数として発注した後の、2回目以降の推奨発注数の生成および発注処理に関する各工程について説明する。
なお、本発明のシステム内のデータウェアハウス3には、初回の推奨発注数提供後の販売実績が含まれる店舗内情報、対象商品毎のターゲット属性、及びコーザル情報が予め格納されていることを前提として説明する。
【0035】
(1)アンケート回答処理(s100〜s180)
[アンケート回答依頼の通知]
図5に、会員端末7とアンケート取得手段1とデータウェアハウス3間におけるアンケート回答処理の概略図を示す。
初めに、アンケートの回答内容の精度を高めるべく、アンケート取得手段1上で、アンケートの回答依頼を通知する会員端末7をある程度特定・抽出する(s100)。
会員端末7の特定・抽出は、前記アンケート取得手段1が備える記憶装置、或いは前述のデータウェアハウス3に予め格納してある会員情報(性別、年齢等)、ターゲット属性から、アンケートを実施する対象商品のターゲット属性に合致する会員を抽出することによって行われる。
次に、アンケート取得手段1は、システム管理者が使用する情報処理端末(図示せず)から入力されたアンケートの実施指令、或いは、予め前記記憶装置に記録・設定されてあるアンケートの実施スケジュール(日次、週次、月次、その他)に基づいて、データウェアハウス3に登録されている対象商品についてのアンケートの回答依頼を会員端末7に対して通知する(s110)。
前記回答依頼通知は、アンケート取得手段1内のWEBサーバ上に備える所定のアンケート回答ページにアクセスしてアンケートの回答を促す内容の電子メールによって行われる。当該電子メールには、当該アンケート回答ページにリンクするURLを付しておいても良い。
アンケートの内容は、商品認知率、商品検討率、商品購入率、購入回数、今後の購入意向、継続購入意向、店舗認知率、来店頻度、来店率、対象店舗での商品購入率、対象店舗での今後の商品購入意向、MD評価、再来店意向などのパラメータを抽出可能な質問事項によって構成される。
【0036】
[アンケートの回答処理]
アンケート通知依頼を受信した会員端末7からWEBブラウザ上からアンケート取得手段1にアクセスされたアンケート取得手段1は、会員端末7の表示画面にアンケート回答ページを表示させる(s120、s130、s140)。
図6にアンケート回答ページのイメージ図を示す。
アンケートの回答方法としては、会員端末7のWEBブラウザ上から、回答ページに備えたチェックボックスにチェックを入れていく形式などの周知の回答形式で行うものとする。
会員端末7によって入力・送信された当該アンケートの回答情報をアンケート取得手段1が受信すると、当該回答内容をアンケート回答情報として、自己のデータベースに記録する(s150、s160、s170)。
その後、アンケート取得手段1は、自己のデータベースに蓄積したアンケート回答情報をデータウェアハウス3に格納する(s180)。
【0037】
(2)推奨発注数生成処理(s200〜s240)
[店舗内情報とアンケート回答情報の受信]
図7に、データウェアハウス3と推奨発注数予測手段4と発注管理手段5間における推奨発注数生成処理の概略図、図8に、推奨発注数生成の詳細な処理フロー図を示す。
推奨発注数予測手段4は、本システムの管理者端末からの指令或いは予め設定されたスケジュール(日次、週次、月次、その他)に従って、データウェアハウス3にアクセスし、店舗内情報(商品毎の在庫数、売上実績、廃棄実績、発注・仕入実績等)とアンケート情報を受信する(s200、s210、s220)。
【0038】
[需要予測値の生成]
図8は推奨発注数生成の詳細な処理フロー図である。前記店舗内情報とコーザル情報から、予測モデル式を用いて、対象商品毎の販売予測数である、需要予測値を生成する(s231)。
【0039】
[予測補正値の生成・更新]
受信したアンケート結果が1回目である場合には、未だ予測補正値が生成されていない。そこで、受信したアンケート結果が1回目であるか否かで場合分けを行い(s232)、1回目である場合には、最初に生成した推奨発注数(=需要予測値)と、店舗内情報の売上実績の差と、アンケート結果に基づいて、予測補正値を生成する。(s234)
2回目以降は上記と同様の手順を行って予測補正値を逐次更新する。(s233)
【0040】
[推奨発注数の生成]
前記のステップで生成された需要予測値及び予測補正値と、店舗内情報に基づいて推奨発注数を生成する(s235)
推奨発注数は「推奨発注数=(需要予測値×予測補正値)+安全在庫数−在庫数(図4)」によって計算されるが、その他の店舗内情報を追加してもよい。
生成された推奨発注数は、推奨発注数予測手段4内部に備えた記憶媒体及び、発注管理手段5に記録される。(s240)
【0041】
(3)発注処理(s300〜s370)
図9に、POSシステム8と発注管理手段5間における発注処理の概略図を示す。
POSシステム8内の端末(POS端末)から、WEBブラウザを介して発注管理手段5にアクセスすると、発注管理手段5は、推奨発注数閲覧ページを当該POS端末に送信する(s300、s310、s320)。
図10に推奨発注数閲覧ページのイメージ図を示す。
推奨発注数閲覧ページには対象商品毎の推奨発注数が表示されていると共に、当該推奨発注数で発注処理を行うか、或いは、POS端末から入力された発注数で発注処理を行うかを選択する、選択ボタン51,52が表示される。なお、上記の判断を行うための材料として、天気や、イベント予定などのコーザル情報を、同時に表示しておくことが望ましい。
【0042】
推奨発注数閲覧ページに表示された推奨発注数で発注する場合には、「推奨発注数で発注」と表示された選択ボタン51を押下することにより、POS端末から発注管理手段5に対し、推奨発注数による発注指令が送信される。また、POS端末上から新たに入力された発注数で発注する場合には、「発注」と表示された選択ボタン52を押下することにより、POS端末から発注管理手段5に対し、新たに入力した発注数による発注指令が送信される。(s330)
発注管理手段5は、受信した発注指令が、推奨発注数による発注指令であるか、或いはPOS端末上から新たに入力された発注数であるか否かを判断して外部の受注管理システム(図示せず)に対し発注処理を実行する(s340〜s370)
【0043】
(4):店舗内情報の更新処理(s400〜s440)
図11に、POSシステム8と店舗内情報取得手段2とデータウェアハウス3間における店舗内情報の更新処理の概略図を示す。
店舗内情報取得手段2は、本発明のシステム管理者が用いる端末からの指令、或いは、予め定められたスケジュールに基づき、POSシステム8から店舗内情報(商品毎の在庫数、売上実績、廃棄実績、発注・仕入実績等)を新たに取得し、データウェアハウス3上の店舗内情報を更新する。(s400〜s440)
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明のマーケティング支援システムの構成概略図。
【図2】本発明における、需要予測値の生成例を示す図。
【図3】本発明における、予測補正値の生成例を示す図。
【図4】本発明における、推奨発注数の生成例を示す図。
【図5】本発明のマーケティング支援方法のアンケート回答処理の概略図。
【図6】会員端末に表示されるアンケート回答ページのイメージ図。
【図7】本発明のマーケティング支援方法の推奨発注数生成処理の概略図。
【図8】本発明のマーケティング支援方法の推奨発注数生成の詳細な処理フロー図。
【図9】本発明のマーケティング支援方法の発注処理の概略図。
【図10】POS端末に表示される推奨発注数閲覧ページの一例を示す図。
【図11】本発明のマーケティング支援方法の店舗内情報の更新処理の概略図。
【符号の説明】
【0045】
1 アンケート取得手段
2 店舗内情報取得手段
3 データウェアハウス
4 推奨発注数予測手段
41 需要予測値生成部
42 予測補正値生成部
43 推奨発注数生成部
5 発注管理手段
51 選択ボタン
52 選択ボタン
6 ネットワーク
7 会員端末
8 POSシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の会員端末及び顧客のPOSシステムとネットワークを介して情報を送受信可能に構成された、マーケティング支援システムであって、
前記会員端末から対象商品に関するアンケート回答情報を取得するアンケート取得手段と、
前記POSシステムから対象商品に関する店舗内情報を収集する店舗内情報取得手段と、
対象商品毎に紐付けられたターゲット属性、店舗内情報、及びアンケート回答情報、並びにコーザル情報を少なくとも格納するデータウェアハウスと、
前記店舗内情報、アンケート回答情報、及びコーザル情報から対象商品の推奨発注数を生成する、推奨発注数予測手段と、
顧客のPOSシステム上から前記推奨発注数の認証及び発注指令を実行可能な発注管理手段と、を備え、
前記アンケート取得手段は、対象商品のターゲット属性に合致する会員端末に対してアンケートの回答依頼を通知し、該対象商品の購入者と非購入者に分類されたアンケート回答情報を取得して前記データウェアハウスに格納する機能を有し、
前記推奨発注数予測手段は、
前記データウェアハウスから取得した対象製品毎の店舗内情報と、コーザル情報に基づいて需要予測値を生成する需要予測値生成部と、
前記データウェアハウスから取得した対象製品毎のアンケート回答情報から、予測補正値を生成する、予測補正値生成部と、
前記需要予測値と予測補正値から対象製品毎の推奨発注数を生成する、推奨発注数生成部と、を有することを特徴とする、
マーケティング支援システム。
【請求項2】
前記予測補正値生成部は、前記アンケート回答情報から、購入者のアンケート結果に基づく第一補正値及び非購入者のアンケート結果に基づく第二補正値、を生成し、当該第一補正値と第二補正値を積算した値を予測補正値として生成することを特徴とする、請求項1に記載のマーケティング支援システム。
【請求項3】
複数の会員端末及び顧客のPOSシステムとネットワークを介して情報を送受信可能に構成されたマーケティング支援システムのマーケティング支援方法であって、
前記マーケティング支援システムは、前記会員端末から対象商品に関するアンケート回答情報を取得するアンケート取得手段と、前記POSシステムから対象商品に関する店舗内情報を収集する店舗内情報取得手段と、対象商品毎に紐付かれた、ターゲット属性、店舗内情報、及びアンケート回答情報、並びにコーザル情報を少なくとも格納するデータウェアハウスと、前記店舗内情報、アンケート回答情報、及びコーザル情報から対象商品の推奨発注数を生成する、推奨発注数予測手段と、顧客のPOSシステム上から前記推奨発注数の認証及び発注指令を実行可能な発注管理手段と、を備え、
前記アンケート取得手段から、対象商品のターゲット属性に合致する会員端末に対してアンケートの回答依頼を通知し、該対象商品の購入者と非購入者に分類されたアンケート結果を取得して前記データウェアハウスに格納するステップと、
前記店舗内情報取得手段から、顧客のPOSシステムに対して対象商品に関する店舗内情報を取得するステップと、
前記推奨発注数予測手段が、前記データウェアハウスから取得した対象製品毎の店舗内情報と、コーザル情報に基づいて需要予測値を生成し、前記データウェアハウスから取得した対象製品毎のアンケート回答情報から、予測補正値を生成し、前記需要予測値と予測補正値から対象製品毎の推奨発注数を生成するステップと、
を少なくとも含むことを特徴とする、
マーケティング支援方法。
【請求項4】
複数の会員端末及び顧客のPOSシステムとネットワークを介して情報を送受信可能に構成された、少なくとも一つの情報処理装置に、
対象製品毎の店舗内情報と、コーザル情報に基づいて需要予測値を生成する処理と、
対象製品毎のアンケート回答情報から予測補正値を生成する処理と、
前記需要予測値と予測補正値から推奨発注数を生成する処理と、
を少なくとも実行させるためのプログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のプログラムを少なくとも記録してある、コンピュータ読み取り可能な媒体。

【図1】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−265747(P2009−265747A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−111396(P2008−111396)
【出願日】平成20年4月22日(2008.4.22)
【出願人】(308015290)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・スミス (1)
【Fターム(参考)】