ミストサウナ装置及びこれを備えた浴室
【課題】低コストで浴室内の温度ムラが少ないミストサウナ装置及び浴室を提供する。
【解決手段】本発明のミストサウナ装置1は、浴室2の壁面5から突出して取り付けられる内部が中空のユニット本体6と、このユニット本体6の内部に配管された内部管路7と、この内部管路7から左右両側に分岐し且つ前記ユニット本体6の前面に露出するミスト噴出口9を有する左右一対のミスト噴出ノズル8,8とを備えている。そして、前記左右一対のミスト噴出ノズル8,8が、その先端側に向かうに従って当該両ノズル8,8同士間の距離が大きくなるように末広がり状に配置されている。
【解決手段】本発明のミストサウナ装置1は、浴室2の壁面5から突出して取り付けられる内部が中空のユニット本体6と、このユニット本体6の内部に配管された内部管路7と、この内部管路7から左右両側に分岐し且つ前記ユニット本体6の前面に露出するミスト噴出口9を有する左右一対のミスト噴出ノズル8,8とを備えている。そして、前記左右一対のミスト噴出ノズル8,8が、その先端側に向かうに従って当該両ノズル8,8同士間の距離が大きくなるように末広がり状に配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室の壁面に設置されるミストサウナ装置及びこれを備えた浴室に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴室101の壁面102に設置されるミストサウナ装置100として、図11に示すように、左右一対のミスト噴霧ノズル103を壁面102の同一面上に配置したものがある(例えば、特許文献1参照)。このミストサウナ装置100は、ミスト噴霧ノズル103を左右に首振り自在にすることによりミストの噴霧範囲を広げているが、この首振り機構ではミストを噴出する向きを調整できる範囲が狭いために浴室内に温度ムラが生じ易く、またコストが高いという問題もある。
浴室内の温度ムラを少なくしつつコストを抑えるためには、通常の固定式のミスト噴霧ノズル111を用い、図12に示すように左右一対のミスト噴霧ノズル111,111間の距離を長くすることによりミストの噴霧範囲を広げたミストサウナ装置110が考えられる。
【特許文献1】特開2005−118452号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、図12のミストサウナ装置110は、左右一対のミスト噴霧ノズル111,111間の内部管路112が長くなるために、配管コストが高くなる等の不都合が生じる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、浴室内の温度ムラが少なく、且つコストを低く抑えたミストサウナ装置及びこれを備えた浴室を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記目的を達成するために次の技術的手段を講じた。
本発明のミストサウナ装置は、浴室の壁面から突出して取り付けられる内部が中空のユニット本体と、このユニット本体の内部に配管された内部管路と、この内部管路から左右両側に分岐し且つ前記ユニット本体の前面に露出するミスト噴出口を有する左右一対のミスト噴出ノズルとを備えているミストサウナ装置であって、
前記左右一対のミスト噴出ノズルが、その先端側に向かうに従って当該両ノズル同士間の距離が大きくなるように末広がり状に配置されていることを特徴としている。
本明細書において、ミスト噴出口がユニット本体の前面に「露出する」とは、ミスト噴出口がユニット本体の前面から突出している場合だけでなく、浴室内にミストを噴出できる程度に、ユニット本体の内部に埋め込まれている場合も含む意味である。
この構成によれば、左右一対のミスト噴出ノズルを末広がり状に配置することによってユニット本体内部に配管される内部管路が短くなるため、配管コストが抑えられる。さらに、ミスト噴出ノズルをこのように配置することによりミストの噴霧範囲が広がるため、浴室内の温度ムラが少なくなり、快適なミストサウナ浴を楽しむことができる。
【0005】
上記ミストサウナ装置は、前記ユニット本体は上下方向に長いタワーパネルよりなり、前記左右一対のミスト噴出ノズルの間を通過する上下方向に長いスライド部材が前記タワーパネルの前面中央部に形成され、シャワーヘッドを着脱自在に保持するためのシャワーフックが前記スライド部材に対して上下位置調整可能となるようにスライド自在に取り付けられていてもよい。
この場合、ユニット本体をタワーパネルとし、その前面にミスト噴出ノズルに加えて、シャワーヘッドを着脱自在に保持するためのシャワーフックと、このシャワーフックを上下にスライド自在とするスライド部材を取り付けているので、ミストを発生させるだけでなく、シャワーとしての機能も有することができ、さらにこれらを別々の場所に配置するよりも浴室の壁面空間を有効利用することができるという利点がある。さらに、シャワーフックがスライド部材に対して上下位置調整可能となり、シャワーヘッドを上下方向の任意の位置に固定して使用することができるため、ハンドシャワーの使い勝手が向上する。
【0006】
ここで、前記シャワーフックは、貫通孔が形成されたスライド基部を備えており、前記スライド部材は、前記タワーパネルの前面の上下端部から前方に突設された固定部材と、この上下の固定部材間に架設され且つ前記貫通孔を貫通するスライドバーとから構成されていてもよい。
この場合、スライドバーに沿ってハンドシャワーをスライドさせて使用することができるため、ハンドシャワーの使い勝手が向上する。
【0007】
また、前記シャワーフックは、係合溝が形成されたスライド基部を備えており、前記スライド部材は、前記タワーパネルの前面中央部から前方に膨出し且つ幅方向両側に前記係合溝に嵌合する係合突条を有するスライドレールにより構成されていてもよい。
この場合、スライド部材として、タワーパネルの前面にスライドレールを設けることにより、スライドバーと固定部材とをタワーパネルに取り付ける必要がなくなるため、コストの削減につながる。また、スライド部材がタワーパネルの前方に突出しないため、浴室内を広く使用することができる。
【0008】
前記ユニット本体は、ミスト噴霧の開始又は停止を指示するスイッチ部及び浴室内の温度を色により表示する温度表示部を有する操作表示部と、浴室内の温度を検知する温度センサ部とを備えており、前記温度センサ部による検知温度に基づいて前記温度表示部の色が変化することが好ましい。
この場合、使用者が入浴中に、浴室内温度の目安を視覚的に確認することができる。
【0009】
前記操作表示部のスイッチ部は、ミスト保温運転モードか否かに関わらず、ミスト噴霧中に押されるとミストの噴霧が停止され、ミストの噴霧停止中に押されるとミストの噴霧が開始されるように設定されていることが好ましい。
この場合、入浴中の使用者の操作が簡単であり、操作上の混乱を避けることができる。
【0010】
前記温度表示部を構成する発色部が、前記スイッチ部を構成する銘板及びスイッチスペーサの背後に配置されており、前記銘板の表面に透明部が設けられ且つ前記スイッチスペーサが半透明であることが好ましい。
この場合、半透明のスイッチスペーサを介して銘板の透明部に透過された発色部の光が温度表示部として機能することから、スイッチ部を温度表示部とをまとめて設置することができるため、操作表示部をコンパクトにすることができる。
【0011】
本発明の浴室は、浴槽と、この浴槽に近接する洗い場と、この洗い場の壁面に取り付けられた上記ミストサウナ装置とを備えていることを特徴にしている。浴室に上記のミストサウナ装置を設けることにより、低コストで、浴室内の温度ムラの少ない快適なミストサウナ浴を楽しむことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、低コストで浴室内の温度ムラが少ないミストサウナ装置及び浴室を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の一実施形態のミストサウナ装置1を備えた浴室2を示しており、(a)は平面図、(b)は正面図である。
本発明の浴室2は、浴槽3と、この浴槽3に近接する洗い場4と、この洗い場4の壁面5に取り付けられた以下に説明するミストサウナ装置1とを備えている。
【0014】
本発明の第1の実施形態に係るミストサウナ装置1は、図2に示すように、浴室2の洗い場4の壁面5から突出して取り付けられる内部が中空のユニット本体6と、このユニット本体6の内部に配管された内部管路7と、この内部管路7から左右両側に分岐し且つ前記ユニット本体6の前面に露出するミスト噴出口9を有する左右一対のミスト噴出ノズル8,8とを備えている。
【0015】
ユニット本体6は、例えば、ABS樹脂などのプラスチック製の断面略半円形状のパネルであり、壁面5から突出して取り付けられており、内部が中空となっている。
そして、このユニット本体6の内部には内部管路7が配管されている。この内部管路7は、給湯器(図示せず)と給湯配管10を介して接続しており、給湯器から供給される温水を後述するミスト噴出ノズル8に搬送する。
ミスト噴出ノズル8は、内部管路7から左右両側に分岐し、ユニット本体6の前面に露出するミスト噴出口9を有している。このミスト噴出口9は、給湯器から給湯配管10及び内部管路7を介して供給された温水をミスト状にして浴室2内に噴出する。そして、左右一対のミスト噴出ノズル8,8は、その先端側に向かうに従って当該両ノズル8,8同士間の距離が大きくなるように末広がり状に配置されている。
【0016】
本発明のミストサウナ装置1は、ユニット本体6の前面に、左右一対のミスト噴出ノズル8,8を末広がり状に配置しているので、左右のミスト噴出ノズルが同一面上に配置された場合(図7参照)と比較すると、内部管路7が短くてすむために配管コストが抑えられる。また、ミストの噴霧範囲が広がるために、浴室内の温度ムラが少なくなり、快適なミストサウナ浴を楽しむことができる。
【0017】
本発明の第2の実施形態に係るミストサウナ装置1は、図3(a)(b)に示すように、ユニット本体6は上下方向に長いタワーパネル6aよりなり、左右一対のミスト噴出ノズル8,8の間を通過する上下方向に長いスライド部材11がタワーパネル6aの前面中央部に形成され、シャワーヘッド(図示せず)を着脱自在に保持するためのシャワーフック12がスライド部材11に対して上下位置調整可能となるようにスライド自在に取り付けられている。
そして、ミスト噴出ノズル8が、左右それぞれ4個ずつ上下方向に所定の間隔をあけて設置されている。これは、例えば、2本の円筒状の管状部にそれぞれ4個ずつのミスト噴出ノズル8を所定間隔おきに取り付け、その管状部を内部管路7の左右両側に継管を介して接続することにより設置することができる。その他は上記第1の実施形態と同様であり、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0018】
第2の実施形態において、シャワーフック12は、図3(b)に示すように棒状体で構成され、スライド基部13を備えている。このスライド基部13には、図3(c)に示すように貫通孔14が形成され、さらにシャワーヘッドを着脱自在に保持するためのフック部分15が設けられている。
スライド部材11は、タワーパネル6aの前面の上下端部から前方に突設された固定部材16と、この上下の固定部材16,16間に架設され且つスライド基部13の貫通孔14を貫通するスライドバー17とから構成される。
【0019】
そして、スライドバー17をシャワーフック12の貫通孔14に貫通させた状態でスライドバー17を上下の固定部材16,16で固定することにより、シャワーフック12がスライドバー17に沿って上下位置調整可能となるようにスライド自在に取り付けられることになる。なお、シャワーフック12には、固定ネジ(図示せず)が設けられており、この固定ネジを締めることによりシャワーフック12をスライドバー17における任意の位置に固定することができる。
【0020】
このミストサウナ装置1は、ユニット本体6をタワーパネル6aとし、シャワーヘッドを着脱自在に保持するためのシャワーフック12と、このシャワーフック12を上下にスライド自在とするスライド部材11を取り付けているので、ミストを発生させるだけでなく、シャワーとしての機能も有することができ、さらに、これらを別々の場所に配置するよりも浴室2の壁面5空間を有効利用することができるという利点がある。さらに、シャワーフック12がスライド部材11であるスライドバー17に対して上下位置調整可能となり、シャワーヘッドを上下方向の任意の位置に固定して使用することができるため、ハンドシャワーの使い勝手が向上する。
【0021】
本発明の第3の実施形態に係るミストサウナ装置1は、スライド部材11及びシャワーフック12の構成が、上記第2の実施形態とは異なっている。すなわち、図4(a)(b)(c)に示すように、シャワーフック12は、係合溝18が形成されたスライド基部13を備えており、スライド部材11は、タワーパネル6aの前面中央部から前方に膨出し且つ幅方向両側に前記係合溝18に嵌合する係合突条19を有するスライドレール20により構成されている。その他は上記第2の実施形態と同様であり、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0022】
タワーパネル6aの前面中央部に設けられたスライドレール20の両側の係合突条19,19と、スライド基部13の係合溝18とを嵌合させることにより、シャワーフック12が当該スライドレール20に沿って上下にスライド自在となり、スライド基部13に設けられた固定ネジ21を締めることによりシャワーフック12を所定の位置に固定することが可能になる。
このミストサウナ装置1によれば、上記第2の実施形態と同様に、ミスト機能だけでなく、シャワー機能を発揮することができる。さらに、スライド部材11として、タワーパネル6aの前面にスライドレール20を設けることにより、固定部材16とスライドバー17とをタワーパネル6aに取り付ける必要がなくなるため、コストの削減につながる。また、スライドレール20がタワーパネル6aの前面に設けられているので、スライド部材11がタワーパネル6aの前方に突出せず、浴室内を広く使用することができる。
【0023】
本発明の第4の実施形態に係るミストサウナ装置1は、図5(a)(b)に示すように、上記第3の実施形態において、ユニット本体6であるタワーパネル6aが、操作表示部22と温度センサ部23とを備えている。操作表示部22はスライドレール20の下側に設けられており、ミスト噴霧の開始又は停止を指示するスイッチ部24及び浴室2内の温度を色により表示する温度表示部25を有している。温度センサ部23は、図5(a)において、タワーパネル6aの左側面であって、ミスト噴出ノズル8より上側に設けられており、浴室内の温度を検知するものである。そして、温度表示部25は、温度センサ部23による検知温度に基づいて浴室内の温度表示を行うものである。その他は上記第3の実施形態と同様であり、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0024】
図6(a)は上記操作表示部22の正面図であり、(b)はその断面図である。
操作表示部22は、図6(b)に示すように、発色部としてのフルカラーLED26、スイッチ27、制御部(制御基板)28、スイッチスペーサ29、ケース30、スイッチカバー31及び銘板32を備えている。フルカラーLED26及びミスト噴霧を開始又は停止させるスイッチ27は、ケース30の内部に配設された制御部(制御基板)28上に並べて配置されている。そして、スイッチカバー31にスイッチスペーサ29がはめ込まれ、その上から銘板32でスイッチスペーサ29を固定している。
ここで、スイッチ部24は、銘板32とスイッチスペーサ29とスイッチ27とで構成されている。前記スイッチスペーサ29のピン29aと前記スイッチ27の上面27aとの間には約0.2〜0.3mmのクリアランスが形成されており、銘板32を押すことによってスイッチスペーサ29及びスイッチ27が押されて、ミスト噴霧が開始又は停止されることになる。
【0025】
発光部であるフルカラーLED26はスイッチスペーサ29の背後に設置されており、半透明の樹脂製のスイッチスペーサ29が、フルカラーLED26を取り囲むことにより、フルカラーLED26の光拡散性を増大させている。そして、このフルカラーLED26の光がスイッチスペーサ29を介して銘板32の表面にリング状に設けられた透明部32aに透過され、この透明部32aが温度表示部25として機能することになる。前記フルカラーLED26の光は、温度センサ部23による検知温度に基づいて色が変化する。
このような構成にすることにより、半透明のスイッチスペーサ29を介して銘板32の透明部32aに透過されたフルカラーLED26の光が温度表示部25として機能することから、スイッチ部24を温度表示部25とをまとめて設置することができるため、操作表示部22をコンパクトにすることができる。
【0026】
温度表示部25(透明部32a)は、温度センサ部23により検知された温度に対応して色が変化するように制御部28により制御されている。温度表示部25(透明部32a)は、例えば、浴室2内温度の目安として5℃未満の場合は白色、5℃以上12℃未満の場合は白色〜青色、12℃以上23℃未満の場合は青色〜水色、23℃以上36℃未満の場合は水色〜黄色、36℃以上45℃未満の場合は黄色〜赤色、45℃以上の場合は赤色となるように設定されている。
温度表示部25の色を、温度センサ部23による検知温度に基づいて変化させることができるので、使用者が入浴中に、浴室内温度の目安を視覚的に確認することができる。
【0027】
次に、上記第4の実施形態に係るミストサウナ装置1の動作について説明する。
このミストサウナ装置1は、さらに浴室外、例えば脱衣室に、図7に示すような浴室外操作表示部33を備えている。この浴室外操作表示部33は、ミストサウナ装置1の運転を開始又は停止させる運転スイッチ部34、ミスト運転を開始又は停止させるミストスイッチ部35、ミスト保温運転を開始又は停止させるミスト保温スイッチ部36等を有している。
【0028】
図8は、上記第4の実施形態に係るミストサウナ装置1のミスト運転モードに係る制御動作のフローチャートである。
図8において、使用者が浴室外操作表示部33に配置された運転スイッチ部34を押すと、運転開始の信号が制御部28に入力され、同時に操作表示部22の温度表示部25が点灯して浴室2内温度を表示する(ステップS1)。そして、浴室外操作表示部33のミストスイッチ部35又はタワーパネル6aに設置された操作表示部22のスイッチ部24を押すと(ステップS2)、ミスト運転が開始され、ミスト噴出ノズル8からミストが噴霧される(ステップS3)。そして、浴室2内温度が所定温度(例えば、40℃)となり(ステップS4)、所定時間(例えば、10秒間)経過すると(ステップS5)、ミスト噴霧が停止され、ミスト運転が終了する。なお、ミスト噴霧中に、スイッチ部24を押しても、ミスト噴霧が停止され、ミスト運転が終了する。
【0029】
図9は、上記第4の実施形態に係るミストサウナ装置1のミスト保温運転モードに係る制御動作のフローチャートである。
図9において、使用者が浴室外操作表示部33に配置された運転スイッチ部34を押すと、運転開始の信号が制御部28に入力され、同時に操作表示部22の温度表示部25が点灯して浴室2内温度を表示する(ステップS11)。そして、浴室外操作表示部33のミスト保温スイッチ部36を押すと(ステップS12)、ミスト保温運転が開始され、ミスト噴出ノズル8からミストが噴霧される(ステップS13)。ここで、ミスト噴霧中に操作表示部22のスイッチ部24を押すと(ステップS14)、ミスト噴霧が停止され、ミスト保温運転が解除される(ステップS15)。一方、噴霧を続けて、浴室2内温度が所定温度(例えば、40℃)となり(ステップS16)、所定時間(例えば、10秒間)経過すると(ステップS17)、ミスト噴霧が停止する。以降ミスト噴霧と停止とを繰り返して前記温度を所定時間(例えば、1時間)維持すると(ステップS19)、ミスト保温運転が解除される。一方、上記所定時間(例えば、1時間)内にスイッチ部24を押すと(ステップ18)、ミスト保温運転が解除されてミスト運転に切り替わり、ミストが噴霧される(図8のステップS3)。
【0030】
このように、上記第4の実施形態に係るミストサウナ装置1では、ミスト保温運転モードか否かに関わらず、ミスト噴霧中にスイッチ部24を押すとミストの噴霧が停止され、ミストの噴霧停止中にスイッチ部24を押すとミストの噴霧が開始されるので、入浴中の使用者の操作が簡単であり、操作上の混乱を避けることができる。
【0031】
なお、本発明において、前述の実施形態に限らず、本発明の範囲内で適宜変更が可能である。
ユニット本体6は、浴室2の壁面5から突出して取り付けられ、内部が中空となるものであればよく、図10に示すように、断面山形のパネルとすることも可能である。この場合にも、断面略半円形のパネルであるユニット本体6と同様に、前面にスライド部材11及びシャワーフック12を形成することによりシャワー機能を兼備することができる。
ミスト噴出ノズル8の数は上記実施形態の数に限定されるわけではなく、浴室2の広さ等に応じて適宜変更すればよい。
シャワー機能を有するミストサウナ装置1にあって、シャワーフック12を上下にスライド自在とする必要がない場合には、スライド部材11を設けないで1個以上のシャワーフック12をユニット本体6に取り付けることも可能である。
温度表示部25の色と浴室2内温度目安とは上記対応に限定されるわけではなく、適宜変更することができる。また、温度表示部25は、浴室2内温度を表示するだけでなく、エラーの発生、運転モード表示等を、例えば、上記とは異なる色による表示、点滅させる等の方法により行うことも可能である。
操作表示部22及び温度センサ部23の設置場所は、上記の例に限定されるわけではなく、また第1〜第2の実施形態のユニット本体6に設置することも当然可能である。
また、浴室2は、ミストサウナ装置1、浴槽3、洗い場4のほかに、通常の浴室が備えている設備、例えば、混合水栓、カウンター、鏡、浴室暖房機を備えることももちろん可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態のミストサウナ装置を備えた浴室を示す平面図であり、(b)は正面図である。
【図2】図1のミストサウナ装置の要部拡大断面図である。
【図3】(a)は本発明の第2の実施形態のミストサウナ装置を示す正面図であり、(b)は側面図であり、(c)はその平面図である。
【図4】(a)は本発明の第3の実施形態のミストサウナ装置を示す正面図であり、(b)は側面図であり、(c)はその平面図である。
【図5】(a)は本発明の第4の実施形態のミストサウナ装置を示す正面図であり、(b)は側面図である。
【図6】(a)は、操作表示部の正面図であり、(b)はその断面図である。
【図7】浴室外操作表示部の正面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係るミストサウナ装置のミスト運転に係る制御動作のフローチャートである。
【図9】本発明の第4の実施形態に係るミストサウナ装置のミスト保温運転に係る制御動作のフローチャートである。
【図10】本発明のミストサウナ装置のユニット本体の別の形状を示す断面図である。
【図11】従来のミストサウナ装置を備えた浴室の斜視図である。
【図12】参考となるミストサウナ装置を備えた浴室の平面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 ミストサウナ装置
2 浴室
3 浴槽
4 洗い場
5 壁面
6 ユニット本体
7 内部管路
8 ミスト噴出ノズル
11 スライド部材
12 シャワーフック
13 スライド基部
17 スライドバー
20 スライドレール
22 操作表示部
23 温度センサ部
24 スイッチ部
25 温度表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室の壁面に設置されるミストサウナ装置及びこれを備えた浴室に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴室101の壁面102に設置されるミストサウナ装置100として、図11に示すように、左右一対のミスト噴霧ノズル103を壁面102の同一面上に配置したものがある(例えば、特許文献1参照)。このミストサウナ装置100は、ミスト噴霧ノズル103を左右に首振り自在にすることによりミストの噴霧範囲を広げているが、この首振り機構ではミストを噴出する向きを調整できる範囲が狭いために浴室内に温度ムラが生じ易く、またコストが高いという問題もある。
浴室内の温度ムラを少なくしつつコストを抑えるためには、通常の固定式のミスト噴霧ノズル111を用い、図12に示すように左右一対のミスト噴霧ノズル111,111間の距離を長くすることによりミストの噴霧範囲を広げたミストサウナ装置110が考えられる。
【特許文献1】特開2005−118452号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、図12のミストサウナ装置110は、左右一対のミスト噴霧ノズル111,111間の内部管路112が長くなるために、配管コストが高くなる等の不都合が生じる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、浴室内の温度ムラが少なく、且つコストを低く抑えたミストサウナ装置及びこれを備えた浴室を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記目的を達成するために次の技術的手段を講じた。
本発明のミストサウナ装置は、浴室の壁面から突出して取り付けられる内部が中空のユニット本体と、このユニット本体の内部に配管された内部管路と、この内部管路から左右両側に分岐し且つ前記ユニット本体の前面に露出するミスト噴出口を有する左右一対のミスト噴出ノズルとを備えているミストサウナ装置であって、
前記左右一対のミスト噴出ノズルが、その先端側に向かうに従って当該両ノズル同士間の距離が大きくなるように末広がり状に配置されていることを特徴としている。
本明細書において、ミスト噴出口がユニット本体の前面に「露出する」とは、ミスト噴出口がユニット本体の前面から突出している場合だけでなく、浴室内にミストを噴出できる程度に、ユニット本体の内部に埋め込まれている場合も含む意味である。
この構成によれば、左右一対のミスト噴出ノズルを末広がり状に配置することによってユニット本体内部に配管される内部管路が短くなるため、配管コストが抑えられる。さらに、ミスト噴出ノズルをこのように配置することによりミストの噴霧範囲が広がるため、浴室内の温度ムラが少なくなり、快適なミストサウナ浴を楽しむことができる。
【0005】
上記ミストサウナ装置は、前記ユニット本体は上下方向に長いタワーパネルよりなり、前記左右一対のミスト噴出ノズルの間を通過する上下方向に長いスライド部材が前記タワーパネルの前面中央部に形成され、シャワーヘッドを着脱自在に保持するためのシャワーフックが前記スライド部材に対して上下位置調整可能となるようにスライド自在に取り付けられていてもよい。
この場合、ユニット本体をタワーパネルとし、その前面にミスト噴出ノズルに加えて、シャワーヘッドを着脱自在に保持するためのシャワーフックと、このシャワーフックを上下にスライド自在とするスライド部材を取り付けているので、ミストを発生させるだけでなく、シャワーとしての機能も有することができ、さらにこれらを別々の場所に配置するよりも浴室の壁面空間を有効利用することができるという利点がある。さらに、シャワーフックがスライド部材に対して上下位置調整可能となり、シャワーヘッドを上下方向の任意の位置に固定して使用することができるため、ハンドシャワーの使い勝手が向上する。
【0006】
ここで、前記シャワーフックは、貫通孔が形成されたスライド基部を備えており、前記スライド部材は、前記タワーパネルの前面の上下端部から前方に突設された固定部材と、この上下の固定部材間に架設され且つ前記貫通孔を貫通するスライドバーとから構成されていてもよい。
この場合、スライドバーに沿ってハンドシャワーをスライドさせて使用することができるため、ハンドシャワーの使い勝手が向上する。
【0007】
また、前記シャワーフックは、係合溝が形成されたスライド基部を備えており、前記スライド部材は、前記タワーパネルの前面中央部から前方に膨出し且つ幅方向両側に前記係合溝に嵌合する係合突条を有するスライドレールにより構成されていてもよい。
この場合、スライド部材として、タワーパネルの前面にスライドレールを設けることにより、スライドバーと固定部材とをタワーパネルに取り付ける必要がなくなるため、コストの削減につながる。また、スライド部材がタワーパネルの前方に突出しないため、浴室内を広く使用することができる。
【0008】
前記ユニット本体は、ミスト噴霧の開始又は停止を指示するスイッチ部及び浴室内の温度を色により表示する温度表示部を有する操作表示部と、浴室内の温度を検知する温度センサ部とを備えており、前記温度センサ部による検知温度に基づいて前記温度表示部の色が変化することが好ましい。
この場合、使用者が入浴中に、浴室内温度の目安を視覚的に確認することができる。
【0009】
前記操作表示部のスイッチ部は、ミスト保温運転モードか否かに関わらず、ミスト噴霧中に押されるとミストの噴霧が停止され、ミストの噴霧停止中に押されるとミストの噴霧が開始されるように設定されていることが好ましい。
この場合、入浴中の使用者の操作が簡単であり、操作上の混乱を避けることができる。
【0010】
前記温度表示部を構成する発色部が、前記スイッチ部を構成する銘板及びスイッチスペーサの背後に配置されており、前記銘板の表面に透明部が設けられ且つ前記スイッチスペーサが半透明であることが好ましい。
この場合、半透明のスイッチスペーサを介して銘板の透明部に透過された発色部の光が温度表示部として機能することから、スイッチ部を温度表示部とをまとめて設置することができるため、操作表示部をコンパクトにすることができる。
【0011】
本発明の浴室は、浴槽と、この浴槽に近接する洗い場と、この洗い場の壁面に取り付けられた上記ミストサウナ装置とを備えていることを特徴にしている。浴室に上記のミストサウナ装置を設けることにより、低コストで、浴室内の温度ムラの少ない快適なミストサウナ浴を楽しむことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、低コストで浴室内の温度ムラが少ないミストサウナ装置及び浴室を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の一実施形態のミストサウナ装置1を備えた浴室2を示しており、(a)は平面図、(b)は正面図である。
本発明の浴室2は、浴槽3と、この浴槽3に近接する洗い場4と、この洗い場4の壁面5に取り付けられた以下に説明するミストサウナ装置1とを備えている。
【0014】
本発明の第1の実施形態に係るミストサウナ装置1は、図2に示すように、浴室2の洗い場4の壁面5から突出して取り付けられる内部が中空のユニット本体6と、このユニット本体6の内部に配管された内部管路7と、この内部管路7から左右両側に分岐し且つ前記ユニット本体6の前面に露出するミスト噴出口9を有する左右一対のミスト噴出ノズル8,8とを備えている。
【0015】
ユニット本体6は、例えば、ABS樹脂などのプラスチック製の断面略半円形状のパネルであり、壁面5から突出して取り付けられており、内部が中空となっている。
そして、このユニット本体6の内部には内部管路7が配管されている。この内部管路7は、給湯器(図示せず)と給湯配管10を介して接続しており、給湯器から供給される温水を後述するミスト噴出ノズル8に搬送する。
ミスト噴出ノズル8は、内部管路7から左右両側に分岐し、ユニット本体6の前面に露出するミスト噴出口9を有している。このミスト噴出口9は、給湯器から給湯配管10及び内部管路7を介して供給された温水をミスト状にして浴室2内に噴出する。そして、左右一対のミスト噴出ノズル8,8は、その先端側に向かうに従って当該両ノズル8,8同士間の距離が大きくなるように末広がり状に配置されている。
【0016】
本発明のミストサウナ装置1は、ユニット本体6の前面に、左右一対のミスト噴出ノズル8,8を末広がり状に配置しているので、左右のミスト噴出ノズルが同一面上に配置された場合(図7参照)と比較すると、内部管路7が短くてすむために配管コストが抑えられる。また、ミストの噴霧範囲が広がるために、浴室内の温度ムラが少なくなり、快適なミストサウナ浴を楽しむことができる。
【0017】
本発明の第2の実施形態に係るミストサウナ装置1は、図3(a)(b)に示すように、ユニット本体6は上下方向に長いタワーパネル6aよりなり、左右一対のミスト噴出ノズル8,8の間を通過する上下方向に長いスライド部材11がタワーパネル6aの前面中央部に形成され、シャワーヘッド(図示せず)を着脱自在に保持するためのシャワーフック12がスライド部材11に対して上下位置調整可能となるようにスライド自在に取り付けられている。
そして、ミスト噴出ノズル8が、左右それぞれ4個ずつ上下方向に所定の間隔をあけて設置されている。これは、例えば、2本の円筒状の管状部にそれぞれ4個ずつのミスト噴出ノズル8を所定間隔おきに取り付け、その管状部を内部管路7の左右両側に継管を介して接続することにより設置することができる。その他は上記第1の実施形態と同様であり、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0018】
第2の実施形態において、シャワーフック12は、図3(b)に示すように棒状体で構成され、スライド基部13を備えている。このスライド基部13には、図3(c)に示すように貫通孔14が形成され、さらにシャワーヘッドを着脱自在に保持するためのフック部分15が設けられている。
スライド部材11は、タワーパネル6aの前面の上下端部から前方に突設された固定部材16と、この上下の固定部材16,16間に架設され且つスライド基部13の貫通孔14を貫通するスライドバー17とから構成される。
【0019】
そして、スライドバー17をシャワーフック12の貫通孔14に貫通させた状態でスライドバー17を上下の固定部材16,16で固定することにより、シャワーフック12がスライドバー17に沿って上下位置調整可能となるようにスライド自在に取り付けられることになる。なお、シャワーフック12には、固定ネジ(図示せず)が設けられており、この固定ネジを締めることによりシャワーフック12をスライドバー17における任意の位置に固定することができる。
【0020】
このミストサウナ装置1は、ユニット本体6をタワーパネル6aとし、シャワーヘッドを着脱自在に保持するためのシャワーフック12と、このシャワーフック12を上下にスライド自在とするスライド部材11を取り付けているので、ミストを発生させるだけでなく、シャワーとしての機能も有することができ、さらに、これらを別々の場所に配置するよりも浴室2の壁面5空間を有効利用することができるという利点がある。さらに、シャワーフック12がスライド部材11であるスライドバー17に対して上下位置調整可能となり、シャワーヘッドを上下方向の任意の位置に固定して使用することができるため、ハンドシャワーの使い勝手が向上する。
【0021】
本発明の第3の実施形態に係るミストサウナ装置1は、スライド部材11及びシャワーフック12の構成が、上記第2の実施形態とは異なっている。すなわち、図4(a)(b)(c)に示すように、シャワーフック12は、係合溝18が形成されたスライド基部13を備えており、スライド部材11は、タワーパネル6aの前面中央部から前方に膨出し且つ幅方向両側に前記係合溝18に嵌合する係合突条19を有するスライドレール20により構成されている。その他は上記第2の実施形態と同様であり、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0022】
タワーパネル6aの前面中央部に設けられたスライドレール20の両側の係合突条19,19と、スライド基部13の係合溝18とを嵌合させることにより、シャワーフック12が当該スライドレール20に沿って上下にスライド自在となり、スライド基部13に設けられた固定ネジ21を締めることによりシャワーフック12を所定の位置に固定することが可能になる。
このミストサウナ装置1によれば、上記第2の実施形態と同様に、ミスト機能だけでなく、シャワー機能を発揮することができる。さらに、スライド部材11として、タワーパネル6aの前面にスライドレール20を設けることにより、固定部材16とスライドバー17とをタワーパネル6aに取り付ける必要がなくなるため、コストの削減につながる。また、スライドレール20がタワーパネル6aの前面に設けられているので、スライド部材11がタワーパネル6aの前方に突出せず、浴室内を広く使用することができる。
【0023】
本発明の第4の実施形態に係るミストサウナ装置1は、図5(a)(b)に示すように、上記第3の実施形態において、ユニット本体6であるタワーパネル6aが、操作表示部22と温度センサ部23とを備えている。操作表示部22はスライドレール20の下側に設けられており、ミスト噴霧の開始又は停止を指示するスイッチ部24及び浴室2内の温度を色により表示する温度表示部25を有している。温度センサ部23は、図5(a)において、タワーパネル6aの左側面であって、ミスト噴出ノズル8より上側に設けられており、浴室内の温度を検知するものである。そして、温度表示部25は、温度センサ部23による検知温度に基づいて浴室内の温度表示を行うものである。その他は上記第3の実施形態と同様であり、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0024】
図6(a)は上記操作表示部22の正面図であり、(b)はその断面図である。
操作表示部22は、図6(b)に示すように、発色部としてのフルカラーLED26、スイッチ27、制御部(制御基板)28、スイッチスペーサ29、ケース30、スイッチカバー31及び銘板32を備えている。フルカラーLED26及びミスト噴霧を開始又は停止させるスイッチ27は、ケース30の内部に配設された制御部(制御基板)28上に並べて配置されている。そして、スイッチカバー31にスイッチスペーサ29がはめ込まれ、その上から銘板32でスイッチスペーサ29を固定している。
ここで、スイッチ部24は、銘板32とスイッチスペーサ29とスイッチ27とで構成されている。前記スイッチスペーサ29のピン29aと前記スイッチ27の上面27aとの間には約0.2〜0.3mmのクリアランスが形成されており、銘板32を押すことによってスイッチスペーサ29及びスイッチ27が押されて、ミスト噴霧が開始又は停止されることになる。
【0025】
発光部であるフルカラーLED26はスイッチスペーサ29の背後に設置されており、半透明の樹脂製のスイッチスペーサ29が、フルカラーLED26を取り囲むことにより、フルカラーLED26の光拡散性を増大させている。そして、このフルカラーLED26の光がスイッチスペーサ29を介して銘板32の表面にリング状に設けられた透明部32aに透過され、この透明部32aが温度表示部25として機能することになる。前記フルカラーLED26の光は、温度センサ部23による検知温度に基づいて色が変化する。
このような構成にすることにより、半透明のスイッチスペーサ29を介して銘板32の透明部32aに透過されたフルカラーLED26の光が温度表示部25として機能することから、スイッチ部24を温度表示部25とをまとめて設置することができるため、操作表示部22をコンパクトにすることができる。
【0026】
温度表示部25(透明部32a)は、温度センサ部23により検知された温度に対応して色が変化するように制御部28により制御されている。温度表示部25(透明部32a)は、例えば、浴室2内温度の目安として5℃未満の場合は白色、5℃以上12℃未満の場合は白色〜青色、12℃以上23℃未満の場合は青色〜水色、23℃以上36℃未満の場合は水色〜黄色、36℃以上45℃未満の場合は黄色〜赤色、45℃以上の場合は赤色となるように設定されている。
温度表示部25の色を、温度センサ部23による検知温度に基づいて変化させることができるので、使用者が入浴中に、浴室内温度の目安を視覚的に確認することができる。
【0027】
次に、上記第4の実施形態に係るミストサウナ装置1の動作について説明する。
このミストサウナ装置1は、さらに浴室外、例えば脱衣室に、図7に示すような浴室外操作表示部33を備えている。この浴室外操作表示部33は、ミストサウナ装置1の運転を開始又は停止させる運転スイッチ部34、ミスト運転を開始又は停止させるミストスイッチ部35、ミスト保温運転を開始又は停止させるミスト保温スイッチ部36等を有している。
【0028】
図8は、上記第4の実施形態に係るミストサウナ装置1のミスト運転モードに係る制御動作のフローチャートである。
図8において、使用者が浴室外操作表示部33に配置された運転スイッチ部34を押すと、運転開始の信号が制御部28に入力され、同時に操作表示部22の温度表示部25が点灯して浴室2内温度を表示する(ステップS1)。そして、浴室外操作表示部33のミストスイッチ部35又はタワーパネル6aに設置された操作表示部22のスイッチ部24を押すと(ステップS2)、ミスト運転が開始され、ミスト噴出ノズル8からミストが噴霧される(ステップS3)。そして、浴室2内温度が所定温度(例えば、40℃)となり(ステップS4)、所定時間(例えば、10秒間)経過すると(ステップS5)、ミスト噴霧が停止され、ミスト運転が終了する。なお、ミスト噴霧中に、スイッチ部24を押しても、ミスト噴霧が停止され、ミスト運転が終了する。
【0029】
図9は、上記第4の実施形態に係るミストサウナ装置1のミスト保温運転モードに係る制御動作のフローチャートである。
図9において、使用者が浴室外操作表示部33に配置された運転スイッチ部34を押すと、運転開始の信号が制御部28に入力され、同時に操作表示部22の温度表示部25が点灯して浴室2内温度を表示する(ステップS11)。そして、浴室外操作表示部33のミスト保温スイッチ部36を押すと(ステップS12)、ミスト保温運転が開始され、ミスト噴出ノズル8からミストが噴霧される(ステップS13)。ここで、ミスト噴霧中に操作表示部22のスイッチ部24を押すと(ステップS14)、ミスト噴霧が停止され、ミスト保温運転が解除される(ステップS15)。一方、噴霧を続けて、浴室2内温度が所定温度(例えば、40℃)となり(ステップS16)、所定時間(例えば、10秒間)経過すると(ステップS17)、ミスト噴霧が停止する。以降ミスト噴霧と停止とを繰り返して前記温度を所定時間(例えば、1時間)維持すると(ステップS19)、ミスト保温運転が解除される。一方、上記所定時間(例えば、1時間)内にスイッチ部24を押すと(ステップ18)、ミスト保温運転が解除されてミスト運転に切り替わり、ミストが噴霧される(図8のステップS3)。
【0030】
このように、上記第4の実施形態に係るミストサウナ装置1では、ミスト保温運転モードか否かに関わらず、ミスト噴霧中にスイッチ部24を押すとミストの噴霧が停止され、ミストの噴霧停止中にスイッチ部24を押すとミストの噴霧が開始されるので、入浴中の使用者の操作が簡単であり、操作上の混乱を避けることができる。
【0031】
なお、本発明において、前述の実施形態に限らず、本発明の範囲内で適宜変更が可能である。
ユニット本体6は、浴室2の壁面5から突出して取り付けられ、内部が中空となるものであればよく、図10に示すように、断面山形のパネルとすることも可能である。この場合にも、断面略半円形のパネルであるユニット本体6と同様に、前面にスライド部材11及びシャワーフック12を形成することによりシャワー機能を兼備することができる。
ミスト噴出ノズル8の数は上記実施形態の数に限定されるわけではなく、浴室2の広さ等に応じて適宜変更すればよい。
シャワー機能を有するミストサウナ装置1にあって、シャワーフック12を上下にスライド自在とする必要がない場合には、スライド部材11を設けないで1個以上のシャワーフック12をユニット本体6に取り付けることも可能である。
温度表示部25の色と浴室2内温度目安とは上記対応に限定されるわけではなく、適宜変更することができる。また、温度表示部25は、浴室2内温度を表示するだけでなく、エラーの発生、運転モード表示等を、例えば、上記とは異なる色による表示、点滅させる等の方法により行うことも可能である。
操作表示部22及び温度センサ部23の設置場所は、上記の例に限定されるわけではなく、また第1〜第2の実施形態のユニット本体6に設置することも当然可能である。
また、浴室2は、ミストサウナ装置1、浴槽3、洗い場4のほかに、通常の浴室が備えている設備、例えば、混合水栓、カウンター、鏡、浴室暖房機を備えることももちろん可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態のミストサウナ装置を備えた浴室を示す平面図であり、(b)は正面図である。
【図2】図1のミストサウナ装置の要部拡大断面図である。
【図3】(a)は本発明の第2の実施形態のミストサウナ装置を示す正面図であり、(b)は側面図であり、(c)はその平面図である。
【図4】(a)は本発明の第3の実施形態のミストサウナ装置を示す正面図であり、(b)は側面図であり、(c)はその平面図である。
【図5】(a)は本発明の第4の実施形態のミストサウナ装置を示す正面図であり、(b)は側面図である。
【図6】(a)は、操作表示部の正面図であり、(b)はその断面図である。
【図7】浴室外操作表示部の正面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係るミストサウナ装置のミスト運転に係る制御動作のフローチャートである。
【図9】本発明の第4の実施形態に係るミストサウナ装置のミスト保温運転に係る制御動作のフローチャートである。
【図10】本発明のミストサウナ装置のユニット本体の別の形状を示す断面図である。
【図11】従来のミストサウナ装置を備えた浴室の斜視図である。
【図12】参考となるミストサウナ装置を備えた浴室の平面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 ミストサウナ装置
2 浴室
3 浴槽
4 洗い場
5 壁面
6 ユニット本体
7 内部管路
8 ミスト噴出ノズル
11 スライド部材
12 シャワーフック
13 スライド基部
17 スライドバー
20 スライドレール
22 操作表示部
23 温度センサ部
24 スイッチ部
25 温度表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室の壁面から突出して取り付けられる内部が中空のユニット本体と、このユニット本体の内部に配管された内部管路と、この内部管路から左右両側に分岐し且つ前記ユニット本体の前面に露出するミスト噴出口を有する左右一対のミスト噴出ノズルとを備えているミストサウナ装置であって、
前記左右一対のミスト噴出ノズルが、その先端側に向かうに従って当該両ノズル同士間の距離が大きくなるように末広がり状に配置されていることを特徴とするミストサウナ装置。
【請求項2】
前記ユニット本体は上下方向に長いタワーパネルよりなり、前記左右一対のミスト噴出ノズルの間を通過する上下方向に長いスライド部材が前記タワーパネルの前面中央部に形成され、シャワーヘッドを着脱自在に保持するためのシャワーフックが前記スライド部材に対して上下位置調整可能となるようにスライド自在に取り付けられている請求項1に記載のミストサウナ装置。
【請求項3】
前記シャワーフックは、貫通孔が形成されたスライド基部を備えており、前記スライド部材は、前記タワーパネルの前面の上下端部から前方に突設された固定部材と、この上下の固定部材間に架設され且つ前記貫通孔を貫通するスライドバーとから構成されている請求項2に記載のミストサウナ装置。
【請求項4】
前記シャワーフックは、係合溝が形成されたスライド基部を備えており、前記スライド部材は、前記タワーパネルの前面中央部から前方に膨出し且つ幅方向両側に前記係合溝に嵌合する係合突条を有するスライドレールにより構成されている請求項2に記載のミストサウナ装置。
【請求項5】
前記ユニット本体は、ミスト噴霧の開始又は停止を指示するスイッチ部及び浴室内の温度を色により表示する温度表示部を有する操作表示部と、浴室内の温度を検知する温度センサ部とを備えており、前記温度センサ部による検知温度に基づいて前記温度表示部の色が変化する請求項1〜4のいずれか一項に記載のミストサウナ装置。
【請求項6】
前記操作表示部のスイッチ部は、ミスト保温運転モードか否かに関わらず、ミスト噴霧中に押されるとミストの噴霧が停止され、ミストの噴霧停止中に押されるとミストの噴霧が開始されるように設定されている請求項5に記載のミストサウナ装置。
【請求項7】
前記温度表示部を構成する発色部が、前記スイッチ部を構成する銘板及びスイッチスペーサの背後に配置されており、前記銘板の表面に透明部が設けられ且つ前記スイッチスペーサが半透明である請求項5又は6に記載のミストサウナ装置。
【請求項8】
浴槽と、この浴槽に近接する洗い場と、この洗い場の壁面に取り付けられた請求項1〜7のいずれか一項に記載のミストサウナ装置とを備えていることを特徴とする浴室。
【請求項1】
浴室の壁面から突出して取り付けられる内部が中空のユニット本体と、このユニット本体の内部に配管された内部管路と、この内部管路から左右両側に分岐し且つ前記ユニット本体の前面に露出するミスト噴出口を有する左右一対のミスト噴出ノズルとを備えているミストサウナ装置であって、
前記左右一対のミスト噴出ノズルが、その先端側に向かうに従って当該両ノズル同士間の距離が大きくなるように末広がり状に配置されていることを特徴とするミストサウナ装置。
【請求項2】
前記ユニット本体は上下方向に長いタワーパネルよりなり、前記左右一対のミスト噴出ノズルの間を通過する上下方向に長いスライド部材が前記タワーパネルの前面中央部に形成され、シャワーヘッドを着脱自在に保持するためのシャワーフックが前記スライド部材に対して上下位置調整可能となるようにスライド自在に取り付けられている請求項1に記載のミストサウナ装置。
【請求項3】
前記シャワーフックは、貫通孔が形成されたスライド基部を備えており、前記スライド部材は、前記タワーパネルの前面の上下端部から前方に突設された固定部材と、この上下の固定部材間に架設され且つ前記貫通孔を貫通するスライドバーとから構成されている請求項2に記載のミストサウナ装置。
【請求項4】
前記シャワーフックは、係合溝が形成されたスライド基部を備えており、前記スライド部材は、前記タワーパネルの前面中央部から前方に膨出し且つ幅方向両側に前記係合溝に嵌合する係合突条を有するスライドレールにより構成されている請求項2に記載のミストサウナ装置。
【請求項5】
前記ユニット本体は、ミスト噴霧の開始又は停止を指示するスイッチ部及び浴室内の温度を色により表示する温度表示部を有する操作表示部と、浴室内の温度を検知する温度センサ部とを備えており、前記温度センサ部による検知温度に基づいて前記温度表示部の色が変化する請求項1〜4のいずれか一項に記載のミストサウナ装置。
【請求項6】
前記操作表示部のスイッチ部は、ミスト保温運転モードか否かに関わらず、ミスト噴霧中に押されるとミストの噴霧が停止され、ミストの噴霧停止中に押されるとミストの噴霧が開始されるように設定されている請求項5に記載のミストサウナ装置。
【請求項7】
前記温度表示部を構成する発色部が、前記スイッチ部を構成する銘板及びスイッチスペーサの背後に配置されており、前記銘板の表面に透明部が設けられ且つ前記スイッチスペーサが半透明である請求項5又は6に記載のミストサウナ装置。
【請求項8】
浴槽と、この浴槽に近接する洗い場と、この洗い場の壁面に取り付けられた請求項1〜7のいずれか一項に記載のミストサウナ装置とを備えていることを特徴とする浴室。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−229433(P2007−229433A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−128844(P2006−128844)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【出願人】(000108661)タカラスタンダード株式会社 (51)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【出願人】(000108661)タカラスタンダード株式会社 (51)
【Fターム(参考)】
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