説明

ミスト発生装置およびこれを備えた美容装置

【課題】ミストを供給することの可能な方向の範囲を広げることができるミスト発生装置およびこれを備えた美容装置を提供する。
【解決手段】ミストを生成するミスト生成部27を収容するとともに、該ミスト生成部27によって生成されたミストを供給口である空気導出部21bから外部へ送り出す筐体21と、設置面に設置されて前記筐体21を支持する支持体11と、前記支持体11に対する前記筐体21の姿勢を可変とする姿勢可変機構とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体の内部で生成されたミストを筐体に形成された供給口から筐体の外部へ供給するミスト発生装置およびこれを備えた美容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ミスト美容装置等のミスト発生装置では、筐体に内蔵されたミスト生成部にてミストが生成されている。そして、ミスト生成部にて生成されたミストは、筐体に内蔵された送風部の送り出す空気によって筐体の供給口から導出されている。こうしたミスト発生装置では、例えば、特許文献1のように、筐体の外表面において供給口の位置が変わることにより、ミストの供給される方向が用途に合わせて調整されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−17293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のミスト発生装置では、筐体の外表面に対して供給口の位置を変えることから、供給口の可動範囲が自ずと外表面内に制限される。その上、供給口の位置を変えるための機構を供給口の付近という限られた空間に配設する必要もある。そのため、供給口の可動範囲がますます限られることとなって、ミストを供給可能な範囲が狭くならざるを得ない。こうした問題は、装置の小型化の要請が高まる近年において、特に避けられないものとなっている。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ミストを供給することの可能な方向の範囲を広げることができるミスト発生装置およびこれを備えた美容装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のミスト発生装置は、ミストを生成するミスト生成部を収容するとともに、該ミスト生成部によって生成されたミストを供給口から外部へ送り出す筐体と、設置面に設置されて前記筐体を支持する支持体と、前記支持体に対する前記筐体の姿勢を可変とする姿勢可変機構とを備えることを要旨とする。
【0007】
上記構成において、前記筐体と前記支持体とを連結する連結部が、前記姿勢可変機構を構成することが好ましい。
上記構成において、前記筐体は、前記支持体に回転可能に支持される回転軸を有し、該回転軸を介して前記支持体に連結されていることが好ましい。
【0008】
上記構成において、前記支持体は、前記設置面に設置される台座部と、前記台座部に連結されて前記筐体を支持する筐体支持部とを備え、前記台座部と前記筐体支持部とを連結する連結部が、前記姿勢可変機構を構成することが好ましい。
【0009】
上記構成において、前記筐体支持部は、前記台座部に回転可能に支持される回転軸を有し、該回転軸を介して前記台座部に連結されていることが好ましい。
上記構成において、前記姿勢可変機構を駆動する駆動部と、前記駆動部を駆動して前記支持体に対する前記筐体の姿勢を制御する制御部とを備えることが好ましい。
【0010】
上記構成において、前記支持体は、一つの方向に延びる摺動孔を有し、前記筐体は、前記摺動孔に沿って摺動可能な突起を有し、該突起が前記摺動孔に挿入されることによって前記支持体に連結されていることが好ましい。
【0011】
上記構成において、前記支持体は、複数の嵌合凹部を有し、前記筐体は、前記複数の嵌合凹部の各々に嵌合可能な突起を有し、選択された前記嵌合凹部と該突起が嵌合することによって前記支持体に連結されていることが好ましい。
【0012】
本発明の美容装置は、上記ミスト発生装置を備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ミストを供給することの可能な方向の範囲を広げることができるミスト発生装置およびこれを備えた美容装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)本発明におけるミスト発生装置を備えた美容装置の背面構造を示す背面図、(b)該美容装置の正面構造を示す正面図、(c)該美容装置の側面構造を示す側面図。
【図2】美容装置と電源プラグとの接続の態様を示す図。
【図3】第1実施形態の美容装置を図1(a)の1−1線で切断した断面構造を示す断面図。
【図4】第1実施形態の美容装置を図1(c)の3−3線で切断した断面構造を示す断面図。
【図5】第1実施形態の美容装置におけるミストの供給方向の範囲を例示する断面図。
【図6】第2実施形態の美容装置を図1(c)の3−3線で切断した断面構造を示す断面図。
【図7】第3実施形態の美容装置を図1(c)の3−3線で切断した断面構造を示す断面図。
【図8】第4実施形態の美容装置を図1(c)の3−3線で切断した断面構造を示す断面図。
【図9】第5実施形態の美容装置の側面構造を示す側面図。
【図10】第5実施形態の美容装置の支持台の斜視構造を示す斜視図。
【図11】第5実施形態の美容装置を図9の4−4線で切断した断面構造を示す断面図。
【図12】第5実施形態の美容装置の断面構造を示す断面図。
【図13】第6実施形態の美容装置の支持台の斜視構造を示す斜視図。
【図14】第6実施形態の美容装置の断面構造を示す断面図。
【図15】第7実施形態の美容装置の支持台の斜視構造を示す斜視図。
【図16】第7実施形態の美容装置の断面構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、本発明のミスト発生装置を備えた美容装置の第1実施形態について説明する。まず、美容装置の全体的な構成について図1及び図2を参照して説明する。
【0016】
図1(a)に示されるように、美容装置10の支持体11には、楕円体状に形成された筐体21が取り付けられている。この筐体21の背面下側には、多数の貫通孔から構成される空気導入部21aが形成されている。一方、図1(b)に示されるように、筐体21
の正面上側には、これもまた筐体21を貫通する1つの円形孔である空気導出部21bが形成されている。そして、筐体21の内部では、上記空気導入部21aから筐体21の内部へ空気が導入されると、該導入された空気が、筐体21の内部を流通した後に空気導出部21bから導出されるようになっている。また、図1(c)に示されるように、空気導出部21bの上側には、美容装置10における各駆動部を駆動するための操作部22が形成されている。この操作部22は、各駆動部を駆動するための操作信号を利用者の操作に応じて出力する。
【0017】
図2に示されるように、上記支持体11に形成されたコネクタ11aには、USBポートから電源を取り出すための電源ケーブル31が接続される。そして、商用電源をUSB電源に変換するACアダプタ32に電源ケーブル31のUSBプラグが接続されると、これら電源ケーブル31とACアダプタ32とを介して、上記美容装置10が給電される。すなわち、この美容装置10の電源には、上記商用コンセントの他、USBポートを利用することも可能である。
【0018】
次に、美容装置10の内部構造のうち、空気が流れる流路構造について図3を参照して説明する。
図3に示されるように、筐体21の内部における支持体11側(図3にて下側)には、上記空気導入部21aと向かい合う吸い込み口を有したファン25が内蔵されている。このファン25における操作部22側(図3にて上側)には、上側に開口した送風ポート25aが形成されている。ファン25の送風ポート25aには、該送風ポート25aと上記空気導出部21bとを連結する送風路23が取り付けられている。この送風路23は、送風ポート25aから上側へ延びて上記空気導出部21bに向けて屈曲するかたちに形成されている。そして、ファン25に駆動信号が入力されると、筐体21における背面側の空気が空気導入部21aから筐体21の内部へ導入されるとともに、筐体21の内部に導入された空気が送風ポート25aから送風路23内へ送り出された後に空気導出部21bから導出される。
【0019】
送風路23の途中には、ミスト生成部27が連結されている。ミスト生成部27の内部には、互いに対向する一対の電極である第1の電極27aと第2の電極27bとが配設されている。第1の電極27aは、放電を行う電極であって、送風路23の内部に向けて突出する針状に形成されている。また、第1の電極27aの基端部には、該第1の電極27aの表面温度を所定の温度に冷却するためのペルチェ素子27cが接続されている。一方、第2の電極27bは、接地電極あるいは第1の電極とは極性が反対の電位に設定される電極であって、第1の電極27aの先端部側に配置された板状に形成されている。この第2の電極27bにて第1の電極27aの先端部と向かい合う部位には、貫通孔が形成されている。
【0020】
そして、空気導出部21bからミストを導出するための操作信号が操作部22に入力されると、第1の電極27aの表面が所定の温度まで冷却されるべく、ペルチェ素子27cに所定の駆動電流が供給されて第1の電極27aが冷却される。これによって、第1の電極27aの表面には、空気中の水分が結露する。次いで、この状態から、第1の電極27aと第2の電極27bとの間に高電圧が印加されると、第1の電極27aの周辺に放電が生じる。そして、第1の電極27aの表面に結露した水が放電によりレイリー分裂を起こして静電霧化する。すなわち、第1の電極27aと第2の電極27bとの間の空間には、静電霧化方式にてミストが生成される。なお、ここで生成されるミストとは、直径が数nm〜数百nmの大きさのミストであって、人体の肌における角質層表面に付着し、浸透することによって肌に潤いとハリを与える効果を発現するものである。
【0021】
この際、上述した操作信号が操作部22から出力されると、送風路23に空気流Aが形
成されるべく、ファン25に所定の駆動電圧が印可されて送風路23に空気流Aが形成される。一方、ミスト生成部27で生成されたミストは、放電時に印加される電圧によって、少なからず第1の電極27aから第2の電極27bに向けた速度成分を有することになる。そして、こうした速度成分を有したミストは、ファン25の下流にてファン25による空気流Aと混合される。そして、ミストを含んだ空気流Aは、空気導出部21bから美容装置10の外へ供給される。
【0022】
なお、上述した送風路23の上側には、制御部CSが配設されている。制御部CSは、先の操作部22が出力する操作信号を受けて、該操作信号に対応する駆動信号を各駆動部に出力することにより各駆動部における駆動の態様を制御する。
【0023】
次に、美容装置10の内部構造のうち、支持体11と筐体21との連結構造について図3〜図5を参照して説明する。
図3に示されるように、支持体11を構成する板状の台座部12には、椀状の筐体支持部13が立設されている。図4に示されるように、上記筐体支持部13の上縁には、互いに向い合う円柱状の一対の固定軸14が、筐体支持部13の外側へ延びるように設置面Sに沿って形成されている。そして、この筐体支持部13の略全体が上記筐体21によって囲まれている。
【0024】
一方、筐体21の底部には、正面側から背面側に向けて延びるガイド孔21Hが貫通形成されている。このガイド孔21Hには、上記台座部12と筐体支持部13との連結部分11Jが遊挿されている。また、筐体21の内部には、互いに向かい合う円筒状の一対の筐体回転軸24が、筐体21の内表面から筐体支持部13に向けて延びるように形成されている。これら一対の筐体回転軸24の各々は、リング状の弾性体Rを介して、上記固定軸14に回転可能に支持されている。
【0025】
このような構成によれば、例えば、図3に示される状態にて、背面側への力が筐体21の頂部に作用すると、一対の固定軸14を通る軸心Asが回転中心となるように、筐体21は支持体11に対して回転する。その結果、図5に示されるように、支持体11に対する筐体21の姿勢は、軸心Asを回転中心として回転角θだけ背面側へ倒れる。そして、略正面に向けて開口していた空気導出部21bが、略上面に向けて開口することとなる。すなわち、筐体21自体が支持体11に対して動くことによって、ミストの供給される方向が調節されることとなる。そのため、供給口としての空気導出部21bが単に筐体21内で移動する構成と比較して、ミストの供給可能な方向の範囲を広げることが可能となる。
【0026】
また、筐体21が支持体11に対して回転すると、筐体21に内蔵された各種構成部品も筐体21とともに回転することになる。そのため、ミストを供給する方向が変わる場合であっても、筐体21の内部における送風路23の形状、ミスト生成部27と空気導出部21bとの相対的な位置関係、それらは概ね保たれる。それゆえに、ミストの供給方向に左右されることなく、ミストの供給状態を安定させることが可能でもある。なお、弾性体Rを介して固定軸14と筐体回転軸24とが連結されているため、弾性体Rと筐体回転軸24との摩擦力等によって、筐体21の姿勢を変える際に適度な抵抗を持たせることができる。ちなみに、上述した固定軸14、筐体回転軸24、及び弾性体Rによって、姿勢可変機構を有する連結部が構成されている。
【0027】
以上説明したように、第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)ミストを供給する筐体21自体の姿勢を支持体11に対して変えることが可能であるため、空気導出部21bの位置を筐体21内で変える構成と比較して、ミストの供給可能な方向を拡大することが可能となる。
【0028】
(2)また、ミストを供給する方向を変えた場合でも、筐体21の内部の送風路の形状やミスト生成部27と供給口の相対的な位置関係は保たれるので、ミストの供給方向に左右されることなく、ミストの供給状態の安定性を保つことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明のミスト発生装置を備えた美容装置の第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図6を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一又は相当する構成については同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0029】
図6に示されるように、台座部12の上面には、円筒状の台座軸受部12aが立設されている。一方、筐体支持部13の底部には、球形状の先端部を有する支持体回転軸13aが上記台座軸受部12aに向けて垂設されている。そして、台座軸受部12a内に支持体回転軸13aが嵌め込まれることによって、支持体回転軸13aが台座軸受部12aに回転可能に支持されている。すなわち、筐体21を支持する筐体支持部13が台座部12に回転可能に連結されている。
【0030】
このような構成によれば、筐体回転軸24の回転によって、筐体21を設置面Sに対して倒す、あるいは筐体21を設置面Sに対して起すことが可能である。そのうえ、支持体回転軸13aの回転によって、筐体21を設置面Sに沿って回転することが可能である。それゆえに、これら筐体回転軸24の回転と支持体回転軸13aの回転との組み合わせにより、より広い範囲の方向にミストを供給することが可能となる。なお、上述の第1実施形態と同様、筐体21を設置面Sに対して倒す場合、筐体21を設置面Sに対して起す場合、さらには筐体21を設置面Sに沿って回転する場合、それら何れの場合であれ、筐体21が動かされると、筐体21内部の各種構成部品もともに動かされることとなる。ちなみに、上述した支持体回転軸13a及び台座軸受部12aによって、姿勢可変機構を有する連結部が構成されている。
【0031】
以上説明したように、第2実施形態によれば、上述した(1)、(2)の効果に加え、以下の効果が得られる。
(3)ミストの供給方向を設置面Sに沿って回転することが可能であるため、より広い範囲の方向にミストを供給することが可能である。また、ミストの供給方向を設置面Sに沿って回転すること、ミストの供給方向を設置面Sに対して傾けること、これらの組み合わせによってミストの供給方向の設定における自由度を高めることが可能でもある。
(第3実施形態)
次に、本発明のミスト発生装置を備えた美容装置の第3実施形態について、第2実施形態との相違点を中心に図7を参照して説明する。なお、第1及び第2実施形態と同一又は相当する構成については同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0032】
図7に示されるように、台座部12の上面には、円筒状の台座軸受部12bが立設されている。この台座軸受部12bの先端部は、その周方向の全体にわたり、径方向外側に向かう鉤状に形成されている。一方、筐体支持部13の底部には、円筒状の支持体回転軸13bが上記台座軸受部12bに向けて垂設されている。この支持体回転軸13bの先端部は、周方向の全体にわたり、径方向内側に向かう鉤状に形成されている。そして、台座軸受部12bの外周に支持体回転軸13bが嵌め込まれることによって、支持体回転軸13bが台座軸受部12bに回転可能に支持されている。
【0033】
このような構成によれば、筐体回転軸24の回転によって、筐体21を設置面Sに対して倒す、あるいは筐体21を設置面Sに対して起すことが可能である。そのうえ、支持体回転軸13bの回転によって、筐体21を設置面Sに沿って回転することが可能である。それゆえに、これら筐体回転軸24の回転と支持体回転軸13bの回転との組み合わせに
より、より広い範囲の方向にミストを供給することが可能となる。なお、上述した支持体回転軸13b及び台座軸受部12bによって、姿勢可変機構を有する連結部が構成されている。
【0034】
このように、第3実施形態によっても、第1実施形態の(1)(2)および第2実施形態の(3)と同様の効果が得られる。
(第4実施形態)
次に、本発明のミスト発生装置を備えた美容装置の第4実施形態について、第2および第3実施形態との相違点を中心に図8を参照して説明する。なお、第1〜3実施形態と同一又は相当する構成については同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0035】
図8に示されるように、台座部12の上面には、筐体支持部13に向けて延びる駆動軸を有した駆動部としての支持部回転モータM1が固設されている。この支持部回転モータM1の駆動軸は、連結部材Maを介して、筐体支持部13の底部に垂設された支持体連結軸13cに連結されている。また、筐体支持部13の上縁には、筐体回転軸24に向けて延びる駆動軸を有した駆動部としての筐体回転モータM2が固設されている。この筐体回転モータM2の駆動軸は、連結部材Mbを介して、筐体21の筐体回転軸24に連結されている。これら支持部回転モータM1及び筐体回転モータM2は、制御部CSが出力する駆動信号に応じて回転する。
【0036】
このような構成によれば、筐体21の姿勢が制御部CSによって制御される。そのため、例えば、制御部CSにタイマーを設けるとともに、該タイマーが計時する所定の期間毎に筐体21の姿勢を変えることも可能である。これによれば、筐体21の姿勢を経時的に変化させることが可能であるため、広範囲の対象に向けて満遍なくミストを供給することができ、ひいては睡眠中等の使用であっても身体の広範囲にミストによる効果を期待できる。
(第5実施形態)
次に、本発明のミスト発生装置を備えた美容装置の第5実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図9〜図12を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一又は相当する構成については同一符号を付して重複説明を省略するものとする。なお、図9に示されるように、第5実施形態における電源コネクタは筐体21の背面側に設けられている。
【0037】
図10に示されるように、筐体21を支持する支持台41は、中空の円錐台状に形成されている。この支持台41の上面には、筐体21の底部に沿った椀状の摺動凹面41aが形成されている。また、摺動凹面41aの一部には、該摺動凹面41aの中心から該摺動凹面41aの外縁に向けて延びるガイド孔41bが形成されている。一方、図11に示されるように、筐体21の底部21dには、コマ状に形成された連結部材42が、上記ガイド孔41bに軸部が挿通されるかたちでねじ止めされている。
【0038】
このような構成によれば、例えば、図12の二点鎖線にて示される状態にて、背面側への力が筐体21の頂部に作用すると、筐体21の底面が摺動凹面41aに沿って摺動する。そして、筐体21と支持台41とを連結する連結部材42がガイド孔41bに沿って移動しつつ、筐体21が支持台41に対して回転することとなる。そして、図12の実線に示されるように、連結部材42がガイド孔41bの一端に到達するまで、筐体21は背面側へ倒れる。それゆえに、筐体21自体が支持台41に対して動くことによって、ミストの供給される方向が調節されることとなる。そのため、このような構成においても、空気導出部21bが単に筐体21内で移動する構成と比較して、ミストの供給可能な方向の範囲を広げることが可能となる。なお、上述した摺動凹面41a、ガイド孔41b、及び連結部材42によって、姿勢可変機構が構成されている。
(第6実施形態)
次に、本発明のミスト発生装置を備えた美容装置の第6実施形態について、第5実施形態との相違点を中心に図13及び図14を参照して説明する。なお、第5実施形態と同一又は相当する構成については同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0039】
図13に示されるように、筐体21を支持する支持台51は、中空の円錐台状に形成されている。この支持台51の上面には、筐体21の底部に沿った椀状の摺動凹面51aが形成されている。また、摺動凹面51aの一部には、径方向と直交する方向に延びる3つの嵌合凹部51bが、摺動凹面51aの中央から径方向外側に連続的に形成されている。一方、図14に示されるように、筐体21の底部には、上述した嵌合凹部51bに嵌合可能な嵌合突起21tが形成されている。そして、この嵌合突起21tが上述した嵌合凹部51bに嵌め込まれることによって、筐体21の姿勢が固定されている。
【0040】
このような構成によれば、例えば、図14の二点鎖線にて示される状態にて、嵌合突起21tと嵌合凹部51bとの嵌合が解除されると、支持台51に対する筐体21の姿勢が変更可能となる。そして、嵌合突起21tが他の嵌合凹部51bに嵌め込まれると、図14の実線にて示されるように、筐体21が背面側へ倒れた状態で固定される。それゆえに、筐体21自体が支持台51に対して動くことによって、ミストの供給される方向が調節されることとなる。そのため、このような構成においても、空気導出部21bが単に筐体21内で移動する構成と比較して、ミストの供給可能な方向の範囲を広げることが可能となる。なお、嵌合突起21tと嵌合凹部51bとからなる筐体21と支持台51との連結部が、ミストを供給する方向の位置調節部となっている。なお、上述した複数の嵌合凹部51b、及び嵌合突起21tによって、姿勢可変機構が構成されている。
(第7実施形態)
次に、本発明のミスト発生装置を備えた美容装置の第7実施形態について、第6実施形態との相違点を中心に図15及び図16を参照して説明する。なお、第6実施形態と同一又は相当する構成については同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0041】
図15に示すように、摺動凹面51aの一部には、径方向と直交する方向に延びる3つの嵌合凹部51bが、摺動凹面51aの中央から径方向外側に連続的に形成されている。また、上記3つの嵌合凹部51bの各々の一部を貫通するガイド孔51cが、摺動凹面51aの中央から径方向外側に延びるように形成されている。
【0042】
一方、図16に示されるように、筐体21の底部には、上述した嵌合凹部51bに嵌合可能な嵌合突起21tが形成されている。また、嵌合突起21tの先端には、上述したガイド孔51cに挿通される軸部21sが、下方に延びるように形成されている。この軸部21sの先端には、大径部21wが形成される一方、該軸部21sの外周には、ガイド孔51cよりも大きい押圧座21gが取り付けられている。そして、軸部21sの外周面のうちで大径部21wと押圧座21gとに挟まれる部分には、コイルばねSPが巻き付けられている。
【0043】
このような構成によれば、コイルばねSPの付勢力によって押圧座21gが嵌合凹部51bの底部に押し付けられる。それゆえに、嵌合突起21tと嵌合凹部51bとの嵌合状態がコイルばねSPの付勢力の分だけ強固なものとなる。また、図16の二点鎖線にて示される状態にて、嵌合突起21tと嵌合凹部51bとの嵌合が解除されると、先の第6実施形態と同じく、支持台51に対する筐体21の姿勢が変更可能となる。この際、筐体21の軸部21sの移動がガイド孔51c及び押圧座21gによって規制されるため、上記嵌合状態が解除された後であっても、筐体21が背面側へ過度に倒れることもない。
【0044】
なお、上記の各実施形態は、以下のように変更してもよい。
・第2〜第4実施形態において、筐体21は、設置面Sに対する傾動、もしくは設置面Sに沿った回動のみ可変としてもよい。
【0045】
・第4実施形態において、筐体21と支持体11との連結部、および、筐体支持部13と台座部12との連結部の両方にモータを備えることとしたが、どちらか一方のみにモータを備えて制御部CSで制御するようにしてもよい。
【0046】
・第5実施形態において、貫通孔の形状を縦長としたが、これに限らず十字状、もしくは放射線状に形成してもよい。貫通孔をこのような形状にすれば、より広い範囲にミストを供給することができるようになる。
【0047】
・第6および第7実施形態において、嵌合凹部51bを3つとしたが、嵌合凹部51bの数は任意である。また、嵌合凹部51bを連続でなく離れて形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0048】
A…空気流、As…軸心、CS…制御部、M1…支持部回転モータ、M2…筐体回転モータ、R…弾性体、S…設置面、SP…コイルばね、10…美容装置、11…支持体、12…台座部、12a,b…台座軸受部、13…筐体支持部、13a,b…支持体回転軸、14…固定軸、21…筐体、21a…空気導入部、21b…空気導出部、21s…軸部、21g…押圧座、21t…嵌合突起、21H,41b,51c…ガイド孔、22…操作部、23…送風路、24…筐体回転軸、25…ファン、25a…送風ポート、27…ミスト生成部、27a…第1の電極、27b…第2の電極、27c…ペルチェ素子、31…電源ケーブル、32…ACアダプタ、41,51…支持台、41a,51a…摺動凹面、42…連結部材、51b…嵌合凹部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミストを生成するミスト生成部を収容するとともに、該ミスト生成部によって生成されたミストを供給口から外部へ送り出す筐体と、
設置面に設置されて前記筐体を支持する支持体と、
前記支持体に対する前記筐体の姿勢を可変とする姿勢可変機構と
を備えるミスト発生装置。
【請求項2】
前記筐体と前記支持体とを連結する連結部が、前記姿勢可変機構を構成する
ことを特徴とする請求項1に記載のミスト発生装置。
【請求項3】
前記筐体は、前記支持体に回転可能に支持される回転軸を有し、該回転軸を介して前記支持体に連結されている
ことを特徴とする請求項2に記載のミスト発生装置。
【請求項4】
前記支持体は、
前記設置面に設置される台座部と、
前記台座部に連結されて前記筐体を支持する筐体支持部とを備え、
前記台座部と前記筐体支持部とを連結する連結部が、前記姿勢可変機構を構成する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のミスト発生装置。
【請求項5】
前記筐体支持部は、前記台座部に回転可能に支持される回転軸を有し、該回転軸を介して前記台座部に連結されている
ことを特徴とする請求項4に記載のミスト発生装置。
【請求項6】
前記姿勢可変機構を駆動する駆動部と、
前記駆動部を駆動して前記支持体に対する前記筐体の姿勢を制御する制御部とを備える
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のミスト発生装置。
【請求項7】
前記支持体は、一つの方向に延びる摺動孔を有し、
前記筐体は、前記摺動孔に沿って摺動可能な突起を有し、該突起が前記摺動孔に挿入されることによって前記支持体に連結されている
ことを特徴とする請求項2に記載のミスト発生装置。
【請求項8】
前記支持体は、複数の嵌合凹部を有し、
前記筐体は、前記複数の嵌合凹部の各々に嵌合可能な突起を有し、選択された前記嵌合凹部と該突起が嵌合することによって前記支持体に連結されている
ことを特徴とする請求項2に記載のミスト発生装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のミスト発生装置を備えることを特徴とする美容装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−85967(P2012−85967A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237777(P2010−237777)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】