説明

ミスト発生装置及び美容装置

【課題】タンクの着脱検知を行うことができるミスト発生装置を備えた美容装置を提供する。
【解決手段】給水タンク19は、タンクホルダ18にて着脱可能に支持されるものであり、タンクホルダ18に形成される貫通孔18cに挿通され給水タンク19の着脱によって可動する可動子80と、この可動子80の可動に基づいて作動されるスイッチ部材としてのマイクロスイッチ85とでタンクホルダ18に給水タンク19が取り付けられたか否かを検出する着脱検出手段が構成される。貫通孔18cの周縁部と可動子80との間には、その間を防水する防水部材としての防水パッキン83が配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給水タンクに貯えられた液体からミストを生成して放出するミスト発生装置、及びそのミスト発生装置を備えた美容装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ミスト発生装置は、液体をヒータにて気化させたり超音波にて霧化させたりして発生させたミストを顔などの人体に向けて放出することで、肌に潤いを与えるなどの美容効果やスキンケアを目的とした装置として用いられている(例えば、特許文献1参照)。尚、ミストとは、前述のように液体を気化させたスチーム(温ミスト)や、液体を霧化させた冷ミスト等のことを指し、これ以降同様の意味として使用する。
【0003】
特許文献1のミスト発生装置は、タンクホルダ(特許文献1では本体給水部)にて支持された給水タンクから液体を供給し、供給された液体からミストを生成して放出するものである。このミスト発生装置では、タンクホルダ内に常時所定量の水を維持すべく、タンクホルダの所定位置に給水検知手段が設けられている。そして、その給水検出手段により、液体が所定量以下となったら給水動作が行われるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−220270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のようなミスト発生装置では、適宜給水を行ってタンクホルダ内に常時所定量の水が存在するか否かを検知することはできたが、タンクがタンクホルダに装着されているか否か、又は正しい装着か否かの検知を行うことはできず、タンクの着脱検知を行うことができるミスト発生装置の開発が望まれている。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、タンクの着脱検知を行うことができるミスト発生装置、及びそのミスト発生装置を備えた美容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、給水タンク内に貯えられる液体からミストを生成して外部に放出させるミスト発生機構を備えたミスト発生装置であって、前記給水タンクは、タンクホルダにて着脱可能に支持されるものであり、前記タンクホルダに前記給水タンクが取り付けられたか否かを検出する着脱検出手段が設けられたことをその要旨とする。
【0008】
この発明では、給水タンクは、タンクホルダにて着脱可能に支持されるものであり、タンクホルダに給水タンクが取り付けられたか否かを検出する着脱検出手段が設けられる。このため、着脱検出手段にてタンクホルダに給水タンクが取り付けられたか否か(正しい装着か否か)を検出することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のミスト発生装置において、前記着脱検出手段は、前記タンクホルダに形成される貫通孔に挿通され前記給水タンクの着脱によって可動する可動子と、該可動子の可動に基づいて作動されるスイッチ部材とで構成され、前記貫通孔の周縁部と前記可動子との間には、その間を防水する防水部材が配置されたことをその要旨とする。
【0010】
この発明では、着脱検出手段は、タンクホルダに形成される貫通孔に挿通され給水タンクの着脱によって可動する可動子と、この可動子の可動に基づいて作動されるスイッチ部材とで構成される。また、貫通孔の周縁部と可動子との間には、その間を防水する防水部材が配置される。つまり、貫通孔の周縁部(タンクホルダ)と可動子との間が防水部材にて防水されるため、例えばタンクホルダに液体を貯留した場合であっても貫通孔の周縁部(タンクホルダ)と可動子との間から液体が流出することを防止することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のミスト発生装置において、前記ミスト発生機構を制御する制御回路は、前記着脱検出手段にて前記給水タンクが取り外された状態と検知されると、前記ミスト発生機構を非駆動状態に制御することをその要旨とする。
【0012】
この発明では、ミスト発生機構を制御する制御回路により、着脱検出手段にて給水タンクが取り外された状態と検知されると、ミスト発生機構が非駆動状態に制御される。このため、給水タンクが取り外された場合に、自動的にミスト発生機構を停止させることができる。これにより、本装置の無用な作動を防止することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のミスト発生装置において、前記タンクホルダには、前記給水タンクからの液体が貯えられるものであり、その液体の量が所定量を超えた場合に前記タンクホルダから排水を行うオーバーフロー機構が設けられたことをその要旨とする。
【0014】
この発明では、タンクホルダには、給水タンクからの液体が貯えられるものであり、その液体の量が所定量を超えた場合にタンクホルダから排水を行うオーバーフロー機構が設けられる。このため、タンクホルダから適切に排水を行うことができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のミスト発生装置において、前記オーバーフロー機構は、前記タンクホルダの内部と外部とを繋ぐ筒状の管路部材を備え、前記管路部材は、有底筒状をなす前記タンクホルダの底部において上方に突出するとともに、その先端がL字状に形成されたことをその要旨とする。
【0016】
この発明では、オーバーフロー機構は、タンクホルダの内部と外部とを繋ぐ筒状の管路部材を備え、管路部材は、有底筒状をなすタンクホルダの底部において上方に突出するとともに、その先端がL字状に形成される。このため、例えば本装置が管路部材の先端が向いている方向と逆側に傾いた場合に、タンクホルダ内部に貯留されている液体を流入しやすくできる。そのため、より好適に排水を行うことができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のミスト発生装置において、前記着脱検出手段による検出結果に基づいて使用者に報知する報知手段が設けられたことをその要旨とする。
【0018】
この発明では、着脱検出手段による検出結果に基づいて使用者に報知する報知手段が設けられるため、使用者に対して給水タンクの有無や正しい装着か否かを知らせることが可能となる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のミスト発生装置を備えた美容装置である。
この発明では、請求項1〜6のいずれか一項に記載のミスト発生装置を備えたことで、請求項1〜6のいずれか一項に記載の効果と同様の効果を奏することができる美容装置を提供できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、スチーム生成のための加熱と、タンクの着脱検知を行うことができるミスト発生装置、及びそのミスト発生装置を備えた美容装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態における美顔器を示す斜視図である。
【図2】同美顔器を前後方向で切断し右側から見た断面図である。
【図3】同美顔器を左右方向で切断し背面側から見た断面図である。
【図4】同美顔器のマイナスイオン生成部部分の拡大断面図である。
【図5】同美顔器の管路及び整流部部分の拡大断面図である。
【図6】同美顔器の機能の概略構成を示すブロック図である。
【図7】同美顔器のタンク及びタンクホルダについて説明するための断面図である。
【図8】同美顔器のタンク及びタンクホルダについて説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のミスト発生装置を備える美容装置としての美顔器10を示す。有底略円筒状の本体ケース11には美顔器本体12が収容されて固定され、その本体ケース11の開口部と面一をなす美顔器本体12の上面にはノズル部13、スイッチ部14及び表示部15が設置されている。ノズル部13、スイッチ部14及び表示部15を有する美顔器本体12の上面は、本体ケース11に対し開閉可能(傾動可能)に取り付けられたメインカバー16にて露出・隠蔽が可能とされている。
【0023】
ノズル部13は、美顔器本体12の上面中央に設けられており、スチーム(温ミスト)を放出する一対のスチームノズル(温ミストノズル)21a,21b、冷ミストを放出するミストノズル(冷ミストノズル)22、及びマイナスイオンを放出するイオンノズル23を有し、ミストノズル22が左右方向中央位置に、スチームノズル21aがその右側に、スチームノズル21bが左側に、そしてイオンノズル23がミストノズル22の上側にそれぞれ配置されている。尚、スチームノズル21a及び21bは、互いの間隔が例えば70mmに設定されている。
【0024】
またスチームノズル21a,21b、ミストノズル22、及びイオンノズル23の各放出方向は前側斜め上方の同一方向に向くように設定され、美顔器10の前側と使用者と対向するように使用した時のその使用者の顔表面に向けて放出方向が向くように設定されている。また、このノズル部13にもノズルカバー17が開閉可能(傾動可能)に取り付けられ、その開閉にて各ノズル21a,21b,22,23の露出・隠蔽が可能とされている。
【0025】
また、ノズル部13の手前右側には、スイッチ部14として、それぞれ押しボタンスイッチにて構成される電源スイッチ25、運転制御スイッチ26、及びコース選択スイッチ27が設けられている。電源スイッチ25は、美顔器10のオンオフ操作を行うものであり、運転制御スイッチ26及びコース選択スイッチ27は、その操作にて、スチームと冷ミストとを組み合わせて対象体に向けて放出するコースやスチームのみを放出するコースといった各種のコースの選択、及びその決定(動作開始)を行うものである。
【0026】
また、ノズル部13の手前中央側には、報知手段としての表示部15として、コース選択スイッチ27による各コースに応じた複数(本実施形態では、形4つ)のLED15aが美顔器本体12に内装されており、美顔器本体12の外側、つまり使用者からLED15aの点灯及び非点灯を視認できるように構成されている。
【0027】
また、ノズル部13の左側には、美顔器本体12の上面から凹設されてなるタンクホルダ18が設けられており、該タンクホルダ18内には、開口部と面一となるように給水タンク19が着脱可能に収容されている。給水タンク19は、使用者が美顔器10から取り外しての給水が可能となっており、貯留した水からスチームや冷ミストのそれぞれの生成が行われる。
【0028】
美顔器本体12には、図2に示すように、スチーム発生機構を構成するスチーム生成部31と、ミスト発生機構を構成するミスト生成部32と、マイナスイオンを生成するマイナスイオン生成部33が備えられている。
【0029】
ミスト発生機構を構成するスチーム生成部31は、美顔器本体12の前側に備えられており、スチーム(温ミスト)を生成する。スチーム生成部31は、駆動電流の供給に基づいて発熱しその発熱の自己制御機能を有する殺菌機構及び加熱装置としてのPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータ35,36を前側と後側にそれぞれ備え、給水タンク19(タンクホルダ18)から給水管路20を介してPTCヒータ35,36内側のボイラ室37内に供給された水を沸騰させてスチームの生成を行っている。因みに、前側のPTCヒータ35の外側面には、給水タンク19から延びる給水管路20の一部が当接させて配置されており、ボイラ室37への流入の前に温められ該ボイラ室37内で効率良くスチームが生成されるようになっている。尚、給水管路20は、排水管路38(図6参照)を介して美顔器10の排水口38aに接続されており、排水スイッチの操作によって制御される排水管路38上の止水弁39にて美顔器10内の排水を行うことが可能となっている。
【0030】
ボイラ室37の上部には、図2及び図3に示すように、生成したスチームを一対のスチームノズル21a,21bまで案内させるためのスチーム案内管路41が接続されている。スチーム案内管路41は、その途中に分岐部42を有している。スチーム案内管路41は、図5に示すように、分岐部42から二股に分かれるように分岐部42からスチームノズル21aまでを接続する第1案内管路41aと,分岐部42からスチームノズル21bまでを接続する第2案内管路41bとを有し、第1案内管路41aの長さ(距離)L1及び第2案内管路41bの長さ(距離)L2が等しくなるように構成されている。そのため、ボイラ室37にて生成したスチームが分岐部42から分かれて第1案内管路41a及び第2案内管路41bを通って各スチームノズル21a,21bまでそれぞれ案内される。そして、ボイラ室37やスチーム案内管路41内は高圧となるため、各スチームノズル21a,21bの放出孔からはある程度の勢いを以てスチームが放出されるようになっている。尚、スチームノズル21a,21bの放出孔の内径は例えば3.6mmに設定されている。
【0031】
また、スチーム案内管路41の分岐部42の若干手前位置には、放電電極43aを有するスチーム用放電部43が備えられている。スチーム用放電部43は、自身の放電により、該放電部43を通過するスチームをより微細化するものである。また、このスチーム用放電部43では、抗酸化作用があり肌に良いとされる金属(例えば白金)を用い、放電を利用してその金属微粒子を発生させることも行っており、スチームの微細化と金属微粒子の含有とが行われている。スチーム用放電部43の下流側で分岐部42の直前位置には、整流機構としての整流部44が備えられている。この整流部44は、図5に示すように、スチーム案内管路41内に中空形状の中空部としての円筒部44aと、該円筒部44aから延出形成されて円筒部44aを管路41の径方向中心で支持する3本のリブ44bとが設けられて構成されている。そして、放電部43にて微細化したスチームが、その円筒部44aの内部及び3本のリブ44b間を通過する際に整流され、分岐部42から先の各スチームノズル21a,21bに同量のスチームが分岐されるようなっている。尚、円筒部44aの内径は、スチームノズル21a,21bの放出孔の内径より大きく、且つ該放出孔の内径の1.5倍以下の大きさである例えば4.5mmに設定されている。
【0032】
ミスト生成部32は、前記スチーム生成部31よりも後側に備えられており、ベンチュリー効果を用いて冷ミストを生成する。給水タンク19から延びる給水管路20内の水は前記スチーム生成として利用される他に冷ミストとしても利用され、その給水管路20からの水の一部をミストノズル22まで送水する管路部材としての送水管路51が備えられている。送水管路51は、後側のPTCヒータ36の放熱面(垂直面)36aの平面(放熱面)方向に大きく3度蛇行(屈曲)して該放熱面36aに当接させて配置される管路部材としての当接管路51aを有している。尚、当接管路51aを蛇行させることで当接管路51a内で液体の層流が抑制されるようになっている。
【0033】
図2に示すように、送水管路51の当接管路51aは、その全体が前記放熱面36aから離間されないように離間防止部材RBにて放熱面36a側に押し付け固定されている。更に、送水管路51の当接管路51aは、図2に示すように、その径方向断面が楕円形状とされ、PTCヒータ36の放熱面36aの平面(放熱面)方向に送水管路51の断面の長手方向(図2において紙面上下方向)が沿うように配置されている。このように構成された当接管路51aの内部には、所定の水量(例えば所定コース中において放出するミスト量よりも多い水量)が保持されており、前記スチーム生成時の後側のPTCヒータ36の熱(余熱)により、冷ミスト用の水が例えば80度、30秒以上で殺菌処理されるようになっている。そのため、前記ミストノズル22から放出される冷ミストは、美容に適した衛生状態が保たれている。
【0034】
また、送水管路51のミストノズル22の直前位置にはその管内に濾過機構としてのフィルタ52が装着されている。このフィルタ52は、管路部材としての送水管路51や当接管路51a等で発生した水垢やゴミ、カスと、ミストを生成するための液体(水)自身に含まれるゴミやカスなどがミストノズル22に流れ込むことを抑制させるものであり、このためミストノズル22のつまりを抑えることができるため、ミストノズル22からミストが安定して放出されるようになっている。そのため、本装置10を使用するにあたって使用者の肌(顔面)に対して快適にミストをあて、美容効果(スキンケア効果)を高めることができる。
【0035】
また、ミスト生成部32として、美顔器本体12内には空気圧送路53が設けられており、該空気圧送路53内には電動モータを駆動源としたポンプ54の動作により空気の圧送が行われる。この圧送空気はミストノズル22の放出孔に向けて供給され、放出孔手前で送水管路51内の水と合流させることでベンチュリー効果が生じ、圧送空気とともに送水管路51内の水が吸い出されて冷ミストが生成されて放出されるようになっている。
【0036】
マイナスイオン生成部33は、図2及び図4に示すようにノズル部13内に備えられており、コロナ放電を発生させてマイナスイオンを生成する。イオン生成部33は、ノズル部13のイオンノズル23に形成される収容凹部23aに、ユニット化されたマイナスイオン放電部61が収容保持されてなる。イオン放電部61は、その収容凹部23aに収容保持されるべく所定形状をなす電極ホルダ62に対して針電極63が支持されるとともに、針電極63の先端側においてその針電極63の軸線上に円環状の中心が位置するように円環状の対向電極64が支持されて構成されている。針電極63と対向電極64とはそれぞれリード線65が接続されて電極ホルダ62から導出され、美顔器本体12の上面近傍の制御回路基板71に接続されている。
【0037】
因みに、このイオン生成部33(イオン放電部61)では、針電極63周りの空間X2は外部への開放のみで、その針電極63周りの空間X2と美顔器本体12内の空間X1とが仕切られている。これは、美顔器本体12内の空間X1に設けられるシリコン素材を使用した部材(例えば送水管路51の一部等)がPTCヒータ35,36といった熱源にて加熱されるとその空間X1内にシリコンが浮遊し、この浮遊シリコンが針電極63に付着するとコロナ放電の妨げとなりマイナスイオンの発生量が減少してしまうためであって、浮遊シリコンの針電極63への付着が未然に防止されている。
【0038】
制御回路基板71は、電源コード70(図1参照)にて外部から電源供給を受け、基板71上に搭載される各種の回路部品よりなる制御回路72の制御に基づいて、スチーム生成部31、ミスト生成部32、及びイオン生成部33のそれぞれに動作電源を供給する。図5に示すように、制御回路72は、電源スイッチ25のオンオフ操作に基づいて美顔器10の動作可能状態と及び停止状態との切り替えを行い、動作可能状態において運転制御スイッチ26及びコース選択スイッチ27の組み合わせ操作による各種使用コースの設定に基づいて、スチーム生成部31(PTCヒータ35,36、スチーム用放電部43等)と、ミスト生成部32(ポンプ54等)との動作を制御し、またイオン生成部33(イオン放電部61)を先の各生成部31,32の動作と合わせて動作させている。そのため、マイナスイオン及びスチーム(温ミスト)による美容効果やマイナスイオン及びミスト(冷ミスト)による美容効果を得ることができる。
【0039】
そして、マイナスイオン生成時において、針電極63に高電圧が印加されると、対向電極64との電位差によって針電極63の先端周囲にコロナ放電が発生し、マイナスイオンが発生する。発生したマイナスイオンは、針電極63よりも低電位の対向電極64に引き寄せられ、イオンノズル23から外部に放出される。
【0040】
次に、上記のように構成された美顔器10のタンクホルダ18及び給水タンク19について図1、図7及び図8を用いて詳細に説明する。
図7及び図8に示すように、タンクホルダ18は、有底筒状をなし、その底部18aの中央に窪み部18bが設けられており、この窪み部18bには給水タンク19下部の凸部19aが嵌合するようになっている。因みに、タンクホルダ18の窪み部18bには、給水タンク19からの液体(水)が一定量貯留可能に構成されており、本体ケース11の底面から常時突出するように付勢された棒状の傾斜検知スイッチ75が上方向に押されることで、傾斜検知スイッチ75の先端(上端)が給水タンク19の凸部19aに設けられる弁部材19bを押し上げて給水タンク19からタンクホルダ18に液体が供給されるようになっている。
【0041】
尚、本体ケース11の底面から突出するように付勢された傾斜検知スイッチ75は、机等の平面上に美顔器10が設置されている場合、美顔器10の自重によって本体ケース11内に収容されるとともにOFF状態となっている。そして、傾斜検知スイッチ75は、美顔器10が所定の設置状態から傾いたり、持ち上げられたりしてON状態となり、美顔器10が浮き上がった状態を検知するようになっている。また、傾斜検知スイッチ75がON状態である場合、制御回路72により各部の動作を全て停止させるようになっており、使用中の安全性が確保されている。
【0042】
タンクホルダ18の底部18aは、窪み部18bと異なる位置(図7及び図8において右側であり、本装置10の前方側)に貫通孔18cが形成されている。この貫通孔18cには、着脱検知手段を構成する可動子80が上下方向に移動可能に設けられている。可動子80は、有底円筒状をなし、底部80a(上部)側は給水タンク19装着時において給水タンク19の底部19cと当接するようになっており、例えば使用者によって給水タンク19が押し込まれる、若しくは液体が貯留された給水タンク19の重み等、可動子80に所定の力が付与されることで可動子80が所定位置まで下方に移動するようになっている。
【0043】
可動子80には、その長手方向(軸方向)の略中間位置に径方向に延出する2つの延出部81,82がそれぞれ長手方向に若干ずらして形成されており、そのため延出部81,82の間は周方向に溝状となっている。そして、延出部81,82間には略円盤状の防水部材としての防水パッキン83が取り付けられており、防水パッキン83の径方向中央位置に形成された孔と可動子80とが径方向に当接し、防水パッキン83の径方向外側はタンクホルダ18の貫通孔18cの周縁部と当接するようになっている。このとき、防水パッキン83及び可動子80が当接し、防水パッキン83及びタンクホルダ18が当接することで、可動子80及びタンクホルダ18間の隙間が埋まるため、可動子80及びタンクホルダ18間から液体が流出することを防止することができるようになっている。尚、防水パッキン83を弾性体にて構成することで、可動子80の上下方向の移動が規制されることを抑えることができる。
【0044】
また、可動子80の可動路上には、着脱検知手段及びスイッチ部材を構成するマイクロスイッチ85が設けられている。マイクロスイッチ85は、本体部85aと、本体部85aに設けられる可動端子85bとで構成されており、制御回路72と電気的に接続されている。また、マイクロスイッチ85の可動端子85bは、前記可動子80の上下方向移動によって可動されるようになっている。そのため、マイクロスイッチ85の可動端子85bは、可動子80の移動に伴って変化するマイクロスイッチ85の可動端子85bの状態(位置)をマイクロスイッチ85の本体部85a及び制御回路72にて検出することが可能となっている。つまり、可動子80の移動に伴って変化するマイクロスイッチ85の可動端子85bの状態によって給水タンク19が装着されているか否か、若しくは正しく装着されているか否かを検出することが可能となっている。
【0045】
タンクホルダ18の底部18aには、貫通孔18cとは窪み部18bを挟んで反対側に貫通孔18cが形成されており、その貫通孔18cには、タンクホルダ18の収容空間側(内部側)で上側に突出するオーバーフロー機構としてのオーバーフローパイプ90が配置されている。このオーバーフローパイプ90は、液体が流動可能とすべく筒状に形成され、その下部側がタンクホルダ18の外部に配置されるオーバーフローチューブ91と接続されている。そして、オーバーフローチューブ91は、前記排水管路38を介して美顔器10の排水口38aに接続されており、排水スイッチの操作によって制御される排水管路38上の止水弁39にて美顔器10(オーバーフローチューブ)内の排水を行うことが可能となっている。尚、タンクホルダ18の貫通孔18dの周縁部とオーバーフローパイプ90との間には防水パッキンが設けられており、タンクホルダ18及び貫通孔18dの周縁部の間から外部へ液体が流出することを防止できるようになっている。
【0046】
また、オーバーフローパイプ90は、その上部側がL字状に形成されている。そして、L字状の先端部が向いている方向と逆側に美顔器10が所定角度(例えば30度以上)倒れた場合に、オーバーフローパイプ90にタンクホルダ18に貯留された液体が流入しやすく設定されている。そのため、美顔器10が倒れた場合であってもタンクホルダ18の上部側から流出することを抑制することができる。
【0047】
上記の様に構成された美顔器10において、給水タンク19がタンクホルダ18に取り付けられていないと、マイクロスイッチ85及び制御回路72によって給水タンク19がタンクホルダ18に取り付けられていないと判断し、例え電源コード70が図示しないコンセントに差し込まれて給電状態であっても、各部の操作や駆動が不能な状態とされ表示部15のLED15aが点滅動作されるようになっている。そのため、使用者は給水タンク19がタンクホルダ18に装着されていないということを容易に知ることができる。
【0048】
そして、給水タンク19がタンクホルダ18に取り付けられると、給水タンク19の底部19cが可動子80の先端(上端)と当接し、可動子80が下方に移動される。この時、可動子80はマイクロスイッチ85の可動端子85bを押されるため、給水タンク19が装着されたと本体部85a及び制御回路72にて判断され、本装置10の各部が始動可能状態とされる。
【0049】
その後、給水タンク19をタンクホルダ18から取り外された場合、給水タンク19にて下方に移動されていた可動子80が上方に移動されるとともに、可動子80によって押されていたマイクロスイッチ85の可動端子85bが元の状態に戻される。これにより、給水タンク19が取り外された(装着されていない)と本体部85a及び制御回路72にて判断され、本装置10の各部が始動不能状態とされて各スイッチ25,26,27による本装置10の操作や、ミスト発生機構としてのスチーム生成部31やミスト生成部32などが非駆動状態となるように制御されている。更に、制御回路72により表示部15のLED15aが点滅動作されるようになっている。そのため、使用者は給水タンク19がタンクホルダ18に装着されていないということを容易に知ることができる。
【0050】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)給水タンク19は、タンクホルダ18にて着脱可能に支持されるものであり、タンクホルダ18に給水タンク19が取り付けられたか否かを検出する着脱検出手段を構成するマイクロスイッチ85及び可動子80が設けられる。このため、マイクロスイッチ85及び可動子80にてタンクホルダ18に給水タンク19が取り付けられたか否か(正しい装着か否か)を検出することができる。
【0051】
(2)タンクホルダ18に形成される貫通孔18cに挿通され給水タンク19の着脱によって可動する可動子80と、この可動子80の可動に基づいて作動されるスイッチ部材としてのマイクロスイッチ85とで着脱検出手段が構成される。また、貫通孔18cの周縁部と可動子80との間には、その間を防水する防水部材としての防水パッキン83が配置される。つまり、貫通孔18c(タンクホルダ18)と可動子80との間が防水パッキン83にて防水されるため、例えばタンクホルダ18に液体を貯留した場合であっても貫通孔18c(タンクホルダ18)と可動子80との間から液体が流出することを防止することができる。
【0052】
(3)ミスト発生機構としてのスチーム生成部31やミスト生成部32を制御する制御回路72は、マイクロスイッチ85及び可動子80によって給水タンク19が取り外された状態と検知されると、ミスト発生機構としてのスチーム生成部31及びミスト生成部32等が非駆動状態に制御される。このため、給水タンク19が取り外された場合に、自動的にスチーム生成部31及びミスト生成部32を停止させることができる。これにより、本装置10の無用な作動を防止することができる。
【0053】
(4)タンクホルダ18には、給水タンク19からの液体が貯えられるものであり、その液体の量が所定量を超えた場合にタンクホルダ18から排水を行うオーバーフロー機構を構成するオーバーフローパイプ90が設けられる。このため、タンクホルダ18から適切に排水を行うことができる。
【0054】
(5)タンクホルダ18の内部と外部とを繋ぐ筒状の管路部材としてのオーバーフローパイプ90を備え、オーバーフローパイプ90は、有底筒状をなすタンクホルダ18の底部18aにおいて上方に突出するとともに、その先端がL字状に形成される。このため、例えば本装置10がオーバーフローパイプ90の先端が向いている方向と逆側に傾いた場合に、タンクホルダ18内部に貯留されている液体を流入しやすくできる。そのため、より好適に排水を行うことができる。
【0055】
(6)マイクロスイッチ85による検出結果に基づいて使用者に報知する報知手段としての表示部15が設けられるため、使用者に対して給水タンク19の着脱状態(給水タンク19の有無や正しい装着か否か)を表示部15(LED15a)の点滅動作によって容易に知らせることができる。
【0056】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、可動子80変化によって着脱検出手段を構成したが、その他の構成を採用してもよい。要は、給水タンク19がタンクホルダ18に装着されているか否かを検出できればよい。
【0057】
・上記実施形態では、可動子80とタンクホルダ18との間に防水部材としての防水パッキン83を設ける構成としたが、省略してもよい。
・上記実施形態では、表示部15によって報知手段を構成したが、これに限らず、音声などによって報知手段を構成してもよい。また、報知手段(表示部15)を設けない構成を採用してもよい。
【0058】
・上記実施形態では、検出信号によってミスト発生機構(スチーム生成部31及びミスト生成部32)などの駆動を停止するような構成としたが、駆動状態を維持した構成であってもよい。
【0059】
・上記実施形態では、オーバーフロー機構としてのオーバーフローパイプ90の上部(先端)側をL字状に形成したが、これ以外の形状であってもよい。また、管路部材としてのオーバーフローパイプ90を有底筒状をなすタンクホルダ18の底部18aから上方に突出するように構成したが、これ以外の構成であってもよい。
【0060】
・上記実施形態では、オーバーフローパイプ90にてオーバ−フロー機構を構成したが、これに限らない。要は、タンクホルダ18に貯留された液体を排水できる構成であればよい。また、オーバーフロー機構を省略してもよい。
【0061】
・上記実施形態では、美顔器10にて美容装置を構成したが、美顔器10以外の美容装置に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0062】
10…美容装置としての美顔器、18…タンクホルダ、18a…底部、18c…貫通孔、19…給水タンク、31…ミスト発生機構及びミスト発生装置を構成するスチーム生成部、32…ミスト発生機構及びミスト発生装置を構成するミスト生成部、72…制御回路、80…着脱検出手段を構成する可動子、83…防水部材としての防水パッキン、85…着脱検出手段及びスイッチ部材としてのマイクロスイッチ、90…オーバーフロー機構としてのオーバーフローパイプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水タンク内に貯えられる液体からミストを生成して外部に放出させるミスト発生機構を備えたミスト発生装置であって、
前記給水タンクは、タンクホルダにて着脱可能に支持されるものであり、
前記タンクホルダに前記給水タンクが取り付けられたか否かを検出する着脱検出手段が設けられたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載のミスト発生装置において、
前記着脱検出手段は、前記タンクホルダに形成される貫通孔に挿通され前記給水タンクの着脱によって可動する可動子と、該可動子の可動に基づいて作動されるスイッチ部材とで構成され、
前記貫通孔の周縁部と前記可動子との間には、その間を防水する防水部材が配置されたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のミスト発生装置において、
前記ミスト発生機構を制御する制御回路は、前記着脱検出手段にて前記給水タンクが取り外された状態と検知されると、前記ミスト発生機構を非駆動状態に制御することを特徴とするミスト発生装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のミスト発生装置において、
前記タンクホルダには、前記タンクからの液体が貯えられるものであり、その液体の量が所定量を超えた場合に前記タンクホルダから排水を行うオーバーフロー機構が設けられたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項5】
請求項4に記載のミスト発生装置において、
前記オーバーフロー機構は、前記タンクホルダの内部と外部とを繋ぐ筒状の管路部材を備え、
前記管路部材は、有底筒状をなす前記タンクホルダの底部において上方に突出するとともに、その先端がL字状に形成されたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のミスト発生装置において、
前記着脱検出手段による検出結果に基づいて使用者に報知する報知手段が設けられたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のミスト発生装置を備えた美容装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−187763(P2010−187763A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32966(P2009−32966)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】